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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】履物
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/12 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A43B3/12 J
A43B3/12 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022081552
(22)【出願日】2022-05-18
(65)【公開番号】P2023170082
(43)【公開日】2023-12-01
【審査請求日】2022-10-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開の事実(1)掲載年月日 2022年2月22日(2)ホームページアドレス(提出された証明書を援用する)(3)公開者 株式会社イッセイミヤケ(4)公開された発明の内容 株式会社イッセイミヤケが、ウェブサイトにて、小林信隆、河原遷及び板倉裕樹が発明した履物を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】390033891
【氏名又は名称】株式会社三宅デザイン事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】小林 信隆
(72)【発明者】
【氏名】河原 遷
(72)【発明者】
【氏名】板倉 裕樹
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07823299(US,B1)
【文献】登録実用新案第3231277(JP,U)
【文献】国際公開第2021/155058(WO,A1)
【文献】特開2012-200464(JP,A)
【文献】米国特許第06694641(US,B1)
【文献】特開平08-131201(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0124433(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0138147(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0074806(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0283594(US,A1)
【文献】国際公開第2012/067286(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00- 23/30
A43C 1/00- 19/00
A43D 1/00-999/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に延びる第1、第2及び第3の貫通孔を有するソールと、
前記第1の貫通孔に着脱自在に挿通される甲バンドと、
前記第2の貫通孔に着脱自在に挿通されるヒールバンドと、
前記第3の貫通孔に着脱自在に挿通されるアンクルバンドと、を具備し、
前記第1の貫通孔に挿通された前記甲バンドが、着用者の足の甲に亘った状態で前記ソール上に保持され、
前記第2の貫通孔に挿通された前記ヒールバンドが、前記足の踵に亘った状態で前記ソール上に保持され、
前記第3の貫通孔に挿通された前記アンクルバンドが、前記足の足首に亘った状態で前記ソール上に保持され、
前記第1、第2及び第3の貫通孔が、前記ソールのつま先から踵に向かって順に整列しており、
前記ソールの幅方向において、前記第1の貫通孔が、前記第2の貫通孔及び前記第3の貫通孔に対して、0度超及び10.0度未満の範囲で外側に傾いていること、
を特徴とする履物。
【請求項2】
前記アンクルバンドが、前記ヒールバンドを受け入れる開口を有し、
前記ヒールバンドが前記アンクルバンドの前記開口に挿通された状態で前記ソール上に保持されること、
を特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記ソールの幅方向において、前記第1の貫通孔が、前記第2の貫通孔及び前記第3の貫通孔に対して、0度超及び5.0度未満の範囲で外側に傾いていること、
を特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項4】
前記甲バンド、前記ヒールバンド及び前記アンクルバンドがそれぞれ、先端を挿通可能な環状部材を基端に有し、各先端を対応するバンド上に係止する係止部材と、を含むこと、
を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の履物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(特開平8-131201号公報)は、ソールに幅方向に延びる少なくとも3本の溝または貫通孔を形成した履物を開示している。この履物では、帯状または紐状の締付材を設け、この締付材を、足の甲において折り返し用の係合部に係合させて折り返し、貫通孔と足の側面に沿って巻く。そして、締付材を締め付けることによりソールを足の裏面に押し付け、これにより足の裏面に密着して高いフィット性を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-131201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の履物では、パーツが多く複雑であり、パーツの破損やデザイン変更等に伴うパーツの交換に適さない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、シンプルな構成であり、パーツの交換を容易に行うことができる履物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
幅方向に延びる第1、第2及び第3の貫通孔を有するソールと、
前記第1の貫通孔に着脱自在に挿通される甲バンドと、
前記第2の貫通孔に着脱自在に挿通されるヒールバンドと、
前記第3の貫通孔に着脱自在に挿通されるアンクルバンドと、を具備し、
前記第1の貫通孔に挿通された前記甲バンドが、着用者の足の甲に亘った状態で前記ソール上に保持され、
前記第2の貫通孔に挿通された前記ヒールバンドが、前記足の踵に亘った状態で前記ソール上に保持され、
前記第3の貫通孔に挿通された前記アンクルバンドが、前記足の足首に亘った状態で前記ソール上に保持されること、
を特徴とする履物、を提供する。
【0007】
また、本発明の履物では、前記アンクルバンドが、前記ヒールバンドを受け入れる開口を有し、前記ヒールバンドが前記アンクルバンドの前記開口に挿通された状態で前記ソール上に保持されること、が好ましい。
【0008】
また、本発明の履物では、前記第1、第2及び第3の貫通孔が、前記ソールのつま先から踵に向かって順に整列すること、が好ましい。
【0009】
また、本発明の履物では、前記甲バンド、前記ヒールバンド及び前記アンクルバンドがそれぞれ、先端を挿通可能な環状部材を基端に有し、各先端を対応するバンド上に係止する係止部材と、を含むこと、が好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シンプルな構成であり、パーツの交換を容易に行うことができる履物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る履物1の概略を示す斜視図である。
図2】ソール2の概略を示す上面図、下面図、右側面図及び左側面図である。
図3】バンド3の表面図及び裏面図である。
図4】バンド4の表面図及び裏面図である。
図5】バンド5の表面図及び裏面図である。
図6】ソール2にバンド3を取り付ける過程の1場面を示す図である。
図7】ソール2にバンド3を取り付ける過程の他の場面を示す図である。
図8】ソール2にバンド3を取り付ける過程の別の場面を示す図である。
図9】ソール2にバンド4,5を取り付ける過程の1場面を示す図である。
図10】ソール2にバンド4,5を取り付ける過程の他の場面を示す図である。
図11】ソール2にバンド4,5を取り付ける過程の別の場面を示す図である。
図12】ソール2にバンド4,5を取り付ける過程の更に別の場面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る履物の代表的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もあり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
本実施形態では履物1をサンダルとして説明するが、本発明は他の種類の履物にも適用可能である。また、図示した履物1は左足用であり、右足用の履物は左足用の履物を左右対称にすることで構成することができる。
【0014】
図1に示すように、履物1は、ソール2、甲バンド3、ヒールバンド4及びアンクルバンドバンド5(以下、バンド3~5と略記する。)を含む。
以下、各構成要素を説明する。
【0015】
図2(A)~(D)に示すように、ソール2は、インソール21、ミッドソール22、及びアウトソール23を含む。
インソール21は、着用者の足裏が接触するパーツであり、例えば、軟質EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)などの比較的軟質な樹脂材料で作製される。
ミッドソール22は、インソール21を支持するパーツであり、例えば、硬質EVAなどの比較的硬質の樹脂材料で作製される。
アウトソール23は、ミッドソール22の底面を覆う保護パーツであり、例えば、合成ゴムなどの比較的硬質で耐摩耗性に優れた樹脂材料で作製される。アウトソール23は、所望のグリップ力を確保するために、ソール2の幅方向(つま先から踵に向かう方向に略直交する方向)に概ね沿って形成された凹凸パターンを有する(図2(D)参照)。
【0016】
ソール2は、それぞれ略幅方向に延びる貫通孔24~28を有する。本実施形態では5つの貫通孔24~28が設けられているが、本実施形態のように3つのバンド3~5をソール2に装着する場合には貫通孔は少なくとも3つあればよい。
【0017】
具体的には、踵側の貫通孔26~28はほぼ幅方向に延び、つま先側の貫通孔24,25は踵側の貫通孔26~28ないし幅方向に対してそれぞれθ1,θ2だけ傾いている(図2(A)参照)。貫通孔24,25の幅方向に対する傾きθ1,θ2は、後述する甲ベルトの足の甲へのフィット性の観点から、0度<θ1,θ2<10.0度であることが好ましく、更に2.0度<θ1,θ2<5.0度であることが好ましい。更に、傾きθ1,θ2はθ1>θ2の関係式を満たすことが好ましく、とりわけ4.0度<θ1<5.0度、2.0度<θ2<3.0度であることが好ましい。
【0018】
貫通孔24~28の寸法は、バンド3~5の挿通を許容するのに足りればよい。例えば、貫通孔24~28の幅W1~W5(つま先と踵とを結ぶ方向の長さ)は20mm~30mm、高さは5mm~10mmである。
隣り合う貫通孔24~28同士の間隔は概ね15mm~20mmであり、貫通孔24~28から上面までの距離はおよそ14mm~20mmである。
【0019】
本実施形態では、貫通孔24~28は、ミッドソール22とアウトソール23との境界に形成されている(図2(C),(D)参照)。すなわち、ミッドソール22及びアウトソール23はそれぞれ対応する溝を有し、ミッドソール22とアウトソール23との接着により貫通孔24~28が形成される。
【0020】
次いでバンド3,4,5の説明に移る。
バンド3は、着用者の足の甲をソール2上に保持する帯状ないし紐状のパーツである(図1参照)。バンド3は、主として、伸縮性に乏しいが柔軟な帯状の生地(例えばグログランテープ)で作製されてよい。
【0021】
例えば図3(A)に示すように、バンド3の基端31にはリング、つまり環状部材33が取り付けられている。
バンド3の先端32には、表面に牛革34が、裏面に面ファスナ35が取り付けられている(図3(A),(B)参照)。牛革34は、バンド3の先端32を他の部位よりも若干硬くすることで、バンド3を貫通孔24等に挿通しやすくする意味を持つ。また、そのために、牛革34の幅はバンド3の他の部位の幅よりもやや狭くなっている。
【0022】
バンド3の中央付近の裏面には、先端32の面ファスナ35と係合する面ファスナ36が取り付けられ、2つの面ファスナ35,36は係止部材を構成する。
面ファスナ35,36の間には高密度のナイロンテープ37が配置されている。ナイロンテープ37は、バンド3をソール2に装着した状態において環状部材33と接触する部位であり、滑りが良く耐久性に優れている。
【0023】
したがって、バンド3は、貫通孔24に挿通され、先端32から環状部材33に挿通され、面ファスナ35,36で係止されることで、甲バンドとして機能することとなる。なお、バンド3は、貫通孔25に挿通されてもよい。
【0024】
次いで、バンド4は、着用者の踵をソール2上に保持する帯状ないし紐状のパーツである(図1参照)。バンド4は、主として、伸縮性に乏しいが柔軟な帯状の生地(例えばグログランテープ)で作製されてよい。
【0025】
例えば図4(A)に示すように、バンド4の基端41にはリング、つまり環状部材43が取り付けられている。
バンド4の先端42には、表面に高密度のナイロンテープ44が、裏面に面ファスナ45が取り付けられている(図4(A),(B)参照)。ナイロンテープ44は、バンド4の先端42を他の部位よりも滑り良くすることで、バンド4を貫通孔26等に挿通しやすくする意味を持つ。
【0026】
バンド4の中央やや先端42側の裏面には、先端42の面ファスナ45と係合する面ファスナ46が取り付けられ、2つの面ファスナ45,46は係止部材を構成する。
面ファスナ45,46の間には高密度のナイロンテープ47が配置されている。
バンド3,4,5のリング側には、幅の狭い部分が設けられている。この部分は、貫通孔24~28内に配置される。ナイロンテープ47は、バンド4をソール2に装着した状態において環状部材43と接触する部位であり、滑りが良く耐久性に優れている。
【0027】
バンド4は基端41側に、他の部位よりも幅の狭い括れ部48を有する。括れ部48は、バンド4をソール2に装着したときに、貫通孔(26等)内に配置される。したがって、括れ部48は、バンド4の装着時の位置決めを容易にする。
また、バンド4は、ソール2に装着されたとき、踵側に倒された状態で保持される(図1参照)。したがって、着用者の動きに応じて、バンド4の幅方向の上縁側に大きな引張応力が生ずるが、括れ部48はこの引張応力を低減される意味をも持つ。
【0028】
したがって、バンド4は、貫通孔26に挿通され、先端42から環状部材43に挿通され、面ファスナ45,46で係止されることで、ヒールバンドとして機能することとなる。なお、バンド4は、バンド5の開口58,59に挿通されることで、安定した位置を保持できる。また、バンド4は、貫通孔27に挿通されてもよい。
【0029】
次いで、バンド5は、着用者の足首をソール2上に保持する帯状ないし紐状のパーツである(図1参照)。バンド5は、主として、伸縮性に乏しいが柔軟な帯状の生地(例えばグログランテープ)で作製されてよい。
【0030】
例えば図5(A)に示すように、バンド5の基端51にはリング、つまり環状部材53が取り付けられている。
バンド5の先端52には、表面に高密度のナイロンテープ54が、裏面に面ファスナ55が取り付けられている(図5(A),(B)参照)。ナイロンテープ54は、バンド5の先端52を他の部位よりも滑り良くすることで、バンド5を貫通孔28等に挿通しやすくする意味を持つ。
【0031】
バンド5の中央やや先端52側の裏面には、先端52の面ファスナ55と係合する面ファスナ56が取り付けられ、2つの面ファスナ55,56は係止部材を構成する。
面ファスナ55,56の間には高密度のナイロンテープ57が配置されている。ナイロンテープ57は、バンド5をソール2に装着した状態において環状部材53と接触する部位であり、滑りが良く耐久性に優れている。
【0032】
バンド5は、バンド4を挿通するための開口58,59を有する。開口58,59は、基端51側に、履物1の踵部の幅(貫通孔28の長さ)よりもやや広い間隔で配置されている。
【0033】
したがって、バンド5は、貫通孔28に挿通され、先端52から環状部材53に挿通され、面ファスナ55,56で係止されることで、アンクルバンドとして機能することとなる。
なお、バンド5の開口58,59にバンド4が挿通されることで、バンド5は安定した位置を保持できる。つまり、着用者の足首にはバンド5が回され、踵にはバンド4が回されることで、着用者の足がソール2上により確実に保持されることとなる。また、バンド5は、貫通孔27に挿通されてもよい。
【0034】
バンド3~5の幅及び厚さは、貫通孔24~28に挿通可能であれば何でもよいが、例えば、貫通孔24~28の幅及び高さよりも1mm~2mm程度狭めるとよい。バンド3の先端32の幅は、バンド3の他の部位よりも1mm~3mm程度狭くてもよい。バンド4の括れ部48は、バンド4の他の部位よりも5mm~10mm程度狭くてもよい。
【0035】
次いで、履物1の使用方法を、バンド3~5のソール2への装着方法を中心に説明する。
【0036】
まずバンド3の装着方法を説明する。
ソール2の貫通孔24にバンド3を挿通する(図6参照)。次いで、バンド3の先端32を基端31側に折返し、環状部材33に挿通する(図7参照)。そして、バンド3の先端32を反対側に折返して、面ファスナ35,36で係止することで、甲バンドが形成される(図8参照)。
バンド3をソール2から取り外すためには、上記と逆の手順を実施すればよい。
【0037】
なお、締付の調整は、バンド3の係止位置を調節することで容易に行われる。
着用者の趣向に応じて、基端31が足の外側に配置されるようにバンド3をソール2に装着してもよい。また、バンド3は、貫通孔25に装着されてもよい。
【0038】
次いでバンド4,5の装着方法を説明する。
バンド5を貫通孔28に挿通し、バンド5の開口59にバンド4を挿通する(図9参照)。これにより、環状部材43,53がソール2を挟んで反対側に配置される。次に、バンド4の先端42を貫通孔26に挿通し、更にバンド5の開口58に挿通する(図10参照)。
【0039】
バンド5の先端52を環状部材53に挿通し、反対側に折返し、面ファスナ55,56で係止することで、アンクルバンドが形成される。併せて、バンド4の先端42を環状部材43に挿通し、反対側に折返し、面ファスナ45,46で係止することで、ヒールバンドが形成される(図11及び図12参照)。
バンド4,5をソール2から取り外すためには、上記と逆の手順を実施すればよい。
【0040】
なお、踝及び踵の締付の調整は、ベルト4,5の係止位置を調節することで容易に行われる。
着用者の趣向に応じて、基端41が足の外側に、基端51が足の内側にそれぞれ配置されるようにバンド4,5をソール2に装着してもよい。バンド4を貫通孔27に装着してもよいし、バンド5を貫通孔27に装着してもよい。
【0041】
本実施形態によれば、履物1が、ソール2及びベルト3~5というシンプルなパーツで構成されている。しかも、バンド3~5はソール2に固定されていないので、これらのパーツを容易に装着及び取り外しをすることができる。
【0042】
したがって、破損したパーツをスペアパーツに容易に交換することができる。あるいは、履物1のデザインの変更のためにパーツを交換することもできる。例えば、ベルト3を、別の色彩又は模様のものに交換することや、足の甲を覆うカバー付きのものに交換することも可能である。このことは、デザイナーによる履物1のデザインの余地を高めることにも資する。
【0043】
また、交換すべきパーツを購入し、残りのパーツをそのまま用いることで履物1を再生させることができるので、新たに履物1を購入する必要がない。したがって、履物1は経済的であり、持続可能な社会に適合する。
【0044】
また、バンド3~5がソール2に固定されていない(固定部がない)ので、いずれかのパーツの大きな変形により残りのパーツの特定部位に応力が集中して破損することを回避することができる。
【0045】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、かかる設計変更した態様も全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【0046】
例えば、バンド3は、貫通孔24,25の両方に装着されるものでもよい。
バンド3は、着用者の足の甲を覆うカバーを有していてもよい。つまり、バンド3はアッパーと言ってもよい。
【0047】
バンド4は、貫通孔26,27の両方に装着されるものでもよい。あるいは、バンド5は、貫通孔27,28の両方に装着されるものでもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 履物
2 ソール
3 甲バンド
4 ヒールバンド
5 アンクルバンド
24~28 貫通孔

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12