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特許7541769情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240822BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023018792
(22)【出願日】2023-02-09
(62)【分割の表示】P 2022206607の分割
【原出願日】2022-12-23
(65)【公開番号】P2024091201
(43)【公開日】2024-07-04
【審査請求日】2024-03-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 道隆
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126372(JP,A)
【文献】特開2012-003472(JP,A)
【文献】特許第7178064(JP,B1)
【文献】特許第6896315(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガスの排出量に係るスコープ及びカテゴリの少なくともいずれかを示す複数の分類のそれぞれと前記排出量を算出するための排出係数を対応付けて記憶する排出係数記憶部と、
活動に係る活動量を含む入力データの入力を受け付ける活動量入力部と、
前記入力データに対する条件に対応付けて、前記複数の分類のそれぞれに対応する按分比率を記憶する按分情報記憶部と、
前記入力データが前記条件を満たす場合に、前記条件に対応する前記按分比率により前記活動量を按分して、前記複数の分類のそれぞれに係る前記活動量を算出する按分処理部と、
前記分類に対応する前記排出係数及び按分した前記活動量に基づいて、前記複数の分類のそれぞれに対応する前記排出量を計算する排出量計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
温室効果ガスの排出量に係るスコープ及びカテゴリの少なくともいずれかを示す複数の分類のそれぞれと、前記排出量を算出するための排出係数を対応付けて排出係数記憶部に記憶するステップと、
活動に係る活動量を含む入力データの入力を受け付けるステップと、
前記入力データに対する条件に対応付けて、前記複数の分類のそれぞれに対応する按分比率を按分情報記憶部に記憶するステップと、
前記入力データが前記条件を満たす場合に、前記条件に対応する前記按分比率により前記活動量を按分して、前記複数の分類のそれぞれに係る前記活動量を算出するステップと、
前記分類に対応する前記排出係数及び按分した前記活動量に基づいて、前記複数の分類のそれぞれに対応する前記排出量を計算するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
温室効果ガスの排出量に係るスコープ及びカテゴリの少なくともいずれかを示す複数の分類のそれぞれと、前記排出量を算出するための排出係数を対応付けて排出係数記憶部に記憶するステップと、
活動に係る活動量を含む入力データの入力を受け付けるステップと、
前記入力データに対する条件に対応付けて、前記複数の分類のそれぞれに対応する按分比率を按分情報記憶部に記憶するステップと、
前記入力データが前記条件を満たす場合に、前記条件に対応する前記按分比率により前記活動量を按分して、前記複数の分類のそれぞれに係る前記活動量を算出するステップと、
前記分類に対応する前記排出係数及び按分した前記活動量に基づいて、前記複数の分類のそれぞれに対応する前記排出量を計算するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の排出量を推定することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-091900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排出量の算出に必要なデータをシステムに登録することに手間がかかる。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、温室効果ガスの排出量の算出に必要なデータを容易に入力することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、活動の種類及び前記活動に関する温室効果ガスの排出量を算出するための排出係数を対応付けて記憶する排出係数記憶部と、前記活動に係る活動量を含む入力データの入力を受け付ける活動量入力部と、前記入力データに対する条件に対応付けて、複数の前記種類、及び、前記種類のそれぞれに対応する按分比率を記憶する按分情報記憶部と、前記入力データが前記条件を満たす場合に、前記条件に対応する前記按分比率により前記活動量を按分して、前記条件に対応する前記複数の種類のそれぞれに係る前記活動量を算出する按分処理部と、前記活動量に係る前記活動の前記種類に対応する前記排出係数を前記排出係数記憶部から読み出す排出係数取得部と、読み出した前記排出係数及び前記活動量に基づいて前記排出量を計算する排出量計算部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、温室効果ガスの排出量の算出に必要なデータを容易に入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の排出量管理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ2の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る排出量管理システムについて説明する。本実施形態の排出量管理システムは、企業等の排出主体による温室効果ガスの排出量を管理しようとするものである。本実施形態の排出量管理システムでは、排出主体又は排出主体のサプライチェーンにおける上流又は下流に位置する他の排出主体の活動量の入力を受け付け、これに排出係数を乗じて排出量を計算する。本実施形態の排出量管理システムでは、どの活動量について、どの排出係数を用いるべきかを管理して、活動量を入力するだけで排出量を計算できるようにしている。
【0011】
図1は、本実施形態の排出量管理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の排出量管理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
ユーザ端末1は、排出主体の企業等のユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。ユーザは、ユーザ端末1を用いて管理サーバ2にアクセスし、排出量の計算を行うことができる。
【0013】
管理サーバ2は、排出量の計算及び管理を行うコンピュータである。管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0014】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0015】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、排出係数記憶部231と、分類記憶部232と、変換係数記憶部233と、排出量記憶部234と、按分情報記憶部235と、活動量入力部211と、排出係数取得部212と、排出係数入力部213と、排出量計算部214と、集計部215と、出力部216と、按分処理部217とを備える。
【0016】
排出係数記憶部231は、温室効果ガスの排出量を算出するための排出係数を含む情報(以下、排出係数情報という。)を記憶する。排出係数は、一次データ(排出主体自らが収集した、直接的な測定から得た、又は最初の情報源における直接的な測定に基づいた計算から得たデータ)であってもよいし、二次データ(一次データ以外のデータ、例えば、同種の商品を提供する複数の企業の排出量から標準化(統計処理)されたもの)であってもよい。
【0017】
排出係数記憶部231は、活動の種類に対応付けて排出量を記憶することができる。排出係数記憶部232は、活動の種類と、活動のスコープと、排出係数とを対応付けて記憶することができる。排出係数記憶部232は、活動の種類と、活動のスコープと、活動のカテゴリと、排出係数とを対応付けて記憶することができる。なお、活動のスコープ及びカテゴリは、GHGプロトコルのスコープ及びカテゴリを想定している。また、カテゴリは省略されていてもよい。
【0018】
本実施形態では、排出係数記憶部231及び分類記憶部232において、活動の種類、スコープ、カテゴリ、排出量を対応付けるように記憶している。排出係数記憶部231に記憶されている排出係数情報には、排出主体を示す企業ID及び種類特定情報に対応付けて、企業IDが示す排出主体における、種類特定情報が示す活動の種類が該当する、スコープ(及びカテゴリがある場合にはカテゴリ)が含まれる。また、分類記憶部232は、活動の分類(スコープ及びカテゴリ)に関する情報(以下、分類情報という。)を記憶しており、分類情報には、企業IDと種類特定情報とに対応付けてスコープ及びカテゴリが含まれる。
【0019】
なお、種類特定情報は、活動の種類を特定するための情報であれば形式を問わない。例えば、管理サーバ2に入力されるデータ(以下、インポートデータという。)に活動の種類を一意に特定するID(種類ID)が設定される場合には、種類IDを種類特定情報とすることができる。また、インポートデータの種類と、インポートデータに含まれる項目の値に対する条件とを含む情報を種類特定情報とすることもできる。例えば、インポートデータが財務会計データである場合に、「財務会計データ」を指定する情報と、「勘定科目」が「旅費交通費」であり、摘要に「タクシー」が含まれるという条件を種類特定情報とすることができる。また、種類特定情報として、インポートデータを入力して種類を出力する関数を設定することもできる。
【0020】
変換係数記憶部233は、単位変換のための係数(変換係数)を含む情報(以下、変換係数情報という。)記憶する。インポートデータに設定される活動量を表現する単位(第1の単位)と、排出係数が想定する単位(第2の単位)とが異なる場合に、変換係数を用いて活動量の単位変換を行うことができる。例えば、燃料に係る活動量がリットル(l)で表され、排出係数がキログラムあたりのCO2量(tCO2/kg)で表されている場合に、リットル当たりの重さ(kg/l)の変換係数を用いることにより、活動量をキログラム(kg)で表す値に変換した後に、排出係数を乗じて温室効果ガス(この例ではCO2)の排出量(tCO2)を計算することができる。変換係数情報には、企業ID及び種類特定情報に対応付けて、変換係数を含めることができる。また、変換係数情報には、変換後の単位を示す情報などを含めるようにしてもよい。
【0021】
排出量記憶部234は、計算した温室効果ガスの排出量を記憶する。排出量記憶部234は、企業IDと、活動が行われた時期を特定する情報(時間情報)と、スコープと、カテゴリと、排出量とを対応付けて記憶することができる。時間情報は、例えば、年度や年、年月、年月日、日時範囲など任意の期間を設定することができる。スコープ及びカテゴリは、上述した分類記憶部232に登録されているスコープ及びカテゴリとすることができる。
【0022】
按分情報記憶部235は、入力された活動量を按分するために必要な情報(按分情報)を記憶する。按分情報には、企業IDと、種類特定情報と、当該種類特定情報にマッチする活動量を複数の種類の活動量に按分するために必要な情報(按分率情報)を含む。按分率情報には、活動の種類と、当該種類の按分比率とのペアが複数含まれうる。入力された活動量に按分比率を乗じることにより、対応する種類に係る活動量を計算することができる。なお、1つのインポートデータに複数の種類が対応する場合には、種類と按分比率とのペアが複数按分情報に登録される。例えば、物流業者から荷物の料金と配送料金とが合算された請求書が活動量のインポートデータとして与えられる場合に、スコープ3のカテゴリー1及びカテゴリー4の種類と、例えば、カテゴリー1(購入した製品)につき85%、カテゴリー4(輸送、配送(上流))につき15%と按分情報に設定することができる。また、配送中に倉庫での保管が行われている場合に、倉庫での保管料を含む請求データがインポートデータとして与えられる場合には、カテゴリー4の配送及び倉庫利用の種類と、配送の按分率(例えば70%)と、倉庫の按分率(例えば30%)を按分情報に含めることができる。また、例えば、インポートデータが財務会計データである場合に、「財務会計データ」を指定する情報と、「勘定科目」が「旅費交通費」であり、摘要が空白であるという条件を種類特定情報とすることができ、このような場合には、旅費交通費の適用範囲内で、タクシーの利用と電車の利用、飛行機の利用の割合を按分率として設定しておくことにより、摘要が設定されていない旅費交通値を複数の交通手段に係る活動量として求めることができる。また、種類特定情報として、インポートデータを入力して種類を出力する関数を設定することもできる。なお、これらの例はあくまで一例であり、任意のパターンを設定することができる。
【0023】
活動量入力部211は、活動量の入力を受け付ける。活動量は、例えば、商品の生産個数(個)、購入個数(個)、物流により運んだ重量×距離(トンキロ)、消費した燃料の量(リットル)や金額(円)などである。本実施形態では、活動量入力部211は、インポートデータをユーザ端末1から受信することを想定する。インポートデータは、例えば、ERPシステムなどからエクスポートされたデータ(エクスポートデータ)やエクスポートデータを変換したデータとすることができる。インポートデータは、例えば、CSVデータやJSONデータ、XMLデータとすることができる。例えば、CSVデータでは、何番目の項目がどの種類のデータであるかが既知として、種類特定情報においてCSVデータの何番目の項目にどのような値が入っているかにより活動の種類を特定することができる。また、JSONデータやXMLデータなどでは、設定されているデータがどのような項目であるかをタグ付けし、あるいは属性に設定するようにしてもよい。
【0024】
排出係数取得部212は、活動の種類に関する排出係数を取得する。排出係数取得部212は、企業ID及び種類特定情報に対応する排出係数を排出係数記憶部231から読み出すことができる。排出係数が外部のシステムに管理されている場合に、排出係数取得部212は、外部システムにアクセスして排出係数を取得するようにしてもよい。
【0025】
排出係数入力部213は、排出係数の入力を受け付ける。排出係数入力部213は、ユーザが所属する排出主体を示す企業IDを特定し(例えば、企業IDの入力を受け付けることができる。また、ユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部を管理サーバ2が備え、ユーザ情報には企業IDを設定しておき、ユーザ情報記憶部から企業IDを取得することができる。)、ユーザから種類特定情報と排出係数との入力を受け付けて、企業ID、種類特定情報及び排出係数を排出係数記憶部231に登録することができる。排出係数入力部213は、インポートデータに係る活動量の種類に対応する排出係数が排出係数記憶部231に記憶されていない場合に、例えば、その旨をユーザ端末1に通知して、ユーザ端末1から排出係数を受け付けるようにすることができる。
【0026】
排出量計算部234は、排出係数及び活動量に基づいて排出量を計算する。排出量計算部234は、インポートデータに含まれる各レコード(又はレコード群)について、排出量を計算することができる。排出量計算部234は、例えば、レコードに含まれる項目の値が種類特定情報に対応する(例えば、種類特定情報の値が項目の値に設定されていたり、種類特定情報に指定されている条件をレコードの1つ又は複数の項目の値を満たしていたりする)排出係数情報を排出係数記憶部231から検索し、検索した排出係数と活動量に基づいて排出量を計算することができる。
【0027】
按分処理部217は、活動量を必要に応じて按分することができる。按分処理部217は、インポートデータのレコードが、按分情報に含まれる種類特定情報にマッチする場合に、按分情報の按分率情報に含まれる各種類について、対応する按分率を乗じて、各種類についての排出量(の推計値)を計算することができる。排出量計算部234は、按分処理部217により按分された各種類について、排出係数を排出係数記憶部231から検索し、検索した排出係数と、按分された活動量とを乗じて、当該種類に係る排出量を計算することができる。
【0028】
排出量計算部234は、活動量が表されてる単位と、排出係数が想定している単位(tCO2/単位)とが一致している場合には、活動量と排出係数をと乗じて排出量を計算することができる。
【0029】
排出量計算部234は、上記単位が一致していない場合には、変換係数に基づいて、受け付けた活動の種類(及び排出主体)に対応する変換係数を変換係数記憶部233から読み出し、読み出した変換係数に基づいて、第1の単位で表現された第1の活動量を第2の単位で表現された第2の活動量に変換し、排出係数及び第2の活動量に基づいて排出量を計算することができる。排出量計算部234は、例えば、企業ID及びインポートデータのレコードに対応する種類特定情報を含む変換係数情報を変換係数記憶部233から検索し、検索した変換係数情報が変換係数記憶部233に登録されている場合には、上記単位が一致していないものと判断し、インポートデータに含まれる活動量に変換係数を乗じた値に排出係数を乗じるようにすることができる。なお、企業ID及び種類特定情報に対応する変換係数が複数登録されている場合には、対応する複数の変換係数を全て乗じるようにするようにしてもよい。
【0030】
排出量計算部234は、計算した排出量を排出量記憶部234に登録することができる。排出量計算部234は、企業IDと、現在の日付や日時などの時間情報と、計算した排出量のスコープ及びカテゴリ(排出量計算時に用いて企業ID及び種類特定情報に対応するスコープ及びカテゴリを分類記憶部232から取得することができる。)と、計算した排出量とを対応付けて排出量記憶部234に登録することができる。
【0031】
集計部215は、排出量を集計する。集計部215は、排出量計算部214が計算した排出量をスコープごとに集計することができる。集計部215は、排出量計算部214が計算した排出量をカテゴリごとに集計することができる。スコープ及びカテゴリは、分配記憶得232から、企業ID及び種類特定情報に対応するものを読み出すことができる。
【0032】
<動作>
図4は、管理サーバ2の動作を説明する図である。
【0033】
管理サーバ2は、外部からインポートデータを受信する(S301)。例えば、ユーザ端末1からCSVデータのアップロードを受け付けたり、JSONデータを受信したり、他のシステムからCSVやJSON、XMLなどのデータを受信したりすることができる。管理サーバ2は、インポートデータに含まれている各レコードについて、按分情報記憶部235に記憶されている按分情報にマッチした場合には(S302:YES)、レコードに含まれる活動量を按分率情報の按分比率で按分し(S303)、企業IDと按分率情報の種類とに対応する排出係数を排出係数記憶部231から取得し(S304)、企業IDと按分率情報の種類とに対応する変換係数情報を変換係数記憶部233から検索する(S305)。
【0034】
一方、レコードが按分情報にマッチしない場合には(S302:NO)、管理サーバ2は、企業IDに対応し、レコードに含まれる項目の値が種類特定情報に対応する排出係数情報を排出係数記憶部231から読み出し(S302)、企業IDに対応し、レコードに含まれる項目の値が種類特定情報に対応する変換係数情報を変換係数記憶部233から検索する(S303)。
【0035】
管理サーバ2は、変換係数情報が検索できた場合には(S304:YES)、レコードに含まれる活動量に、変換係数と排出係数とを乗じて排出量を計算し(S305)、変換係数情報が検索できなかった場合には(S304:NO)、レコードに含まれる活動量に排出係数を乗じて排出量を計算し(S306)、計算した排出量を排出量記憶部234に登録する(S307)。
【0036】
管理サーバ2は、変換係数が検索できた場合には(S308:YES)、レコードの活動量に検索できた変換係数全てと排出係数とを乗じて排出量を計算する(S309)。変換係数が検索できなかった場合には(S308:NO)、管理サーバ2は、レコードの活動量に排出係数を乗じて排出量を計算する(S310)。
【0037】
管理サーバ2は、排出量を排出量記憶部234に登録し(S311)、以上のループを繰り返す。
【0038】
以上のループを処理した後、管理サーバ2は、排出量記憶部234に登録されている排出量を集計して出力する(S307)。管理サーバ2は、例えば、年や四半期、月、週、日など所定の期間内に計算された排出量を排出量記憶部234から検索して集計することができる。管理サーバ2はまた、計算した排出量に係る企業ID及び種類特定情報に一致するスコープ及びカテゴリを分類記憶部232から取得し、取得したスコープ及び/又はカテゴリごとに排出量を集計して出力することもできる。
【0039】
以上のようにして、外部から活動量を一括入力することにより排出量を算出することができる。
【0040】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0041】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
活動の種類及び前記活動に関する温室効果ガスの排出量を算出するための排出係数を対応付けて記憶する排出係数記憶部と、
前記活動に係る活動量を含む入力データの入力を受け付ける活動量入力部と、
前記入力データに対する条件に対応付けて、複数の前記種類、及び、前記種類のそれぞれに対応する按分比率を記憶する按分情報記憶部と、
前記入力データが前記条件を満たす場合に、前記条件に対応する前記按分比率により前記活動量を按分して、前記条件に対応する前記複数の種類のそれぞれに係る前記活動量を算出する按分処理部と、
前記活動量に係る前記活動の前記種類に対応する前記排出係数を前記排出係数記憶部から読み出す排出係数取得部と、
読み出した前記排出係数及び前記活動量に基づいて前記排出量を計算する排出量計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出係数記憶部は、前記種類、前記活動のスコープ及び前記排出係数を対応付けて記憶し、
前記排出量計算部が計算した前記排出量を前記スコープごとに集計する集計部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出係数記憶部は、前記種類、前記活動のスコープ、及び前記活動のカテゴリー及び前記排出係数を対応付けて記憶し、
前記排出量計算部が計算した前記排出量を前記カテゴリーごとに集計する集計部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記活動量入力部が受け付ける前記活動量は第1の単位で表現されており、
前記種類に対応付けて、前記第1の単位の値を第2の単位の値に変換するための変換係数を記憶する変換係数記憶部を備え、
前記排出量計算部は、前記変換係数に基づいて、受け付けた前記活動に係る前記種類に対応する前記変換係数を前記変換係数記憶部から読み出し、読み出した前記変換係数に基づいて、前記第1の単位で表現された第1の前記活動量を前記第2の単位で表現された第2の活動量に変換し、前記排出係数及び前記第2の活動量に基づいて前記排出量を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記活動量に係る前記活動の前記種類に対応する前記排出係数が前記排出係数記憶部に登録されていない場合に、前記排出係数の入力を受け付けて、前記排出係数記憶部に登録する排出係数入力部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
活動の種類及び前記活動に関する温室効果ガスの排出量を算出するための排出係数を対応付けて排出係数記憶部に記憶するステップと、
前記活動に係る活動量を含む入力データの入力を受け付けるステップと、
前記入力データに対する条件に対応付けて、複数の前記種類、及び、前記種類のそれぞれに対応する按分比率を按分情報記憶部に記憶するステップと、
前記入力データが前記条件を満たす場合に、前記条件に対応する前記按分比率により前記活動量を按分して、前記条件に対応する前記複数の種類のそれぞれに係る前記活動量を算出するステップと、
前記活動量に係る前記活動の前記種類に対応する前記排出係数を前記排出係数記憶部から読み出すステップと、
読み出した前記排出係数及び前記活動量に基づいて前記排出量を計算するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目7]
活動の種類及び前記活動に関する温室効果ガスの排出量を算出するための排出係数を対応付けて排出係数記憶部に記憶するステップと、
前記活動に係る活動量を含む入力データの入力を受け付けるステップと、
前記入力データに対する条件に対応付けて、複数の前記種類、及び、前記種類のそれぞれに対応する按分比率を按分情報記憶部に記憶するステップと、
前記入力データが前記条件を満たす場合に、前記条件に対応する前記按分比率により前記活動量を按分して、前記条件に対応する前記複数の種類のそれぞれに係る前記活動量を算出するステップと、
前記活動量に係る前記活動の前記種類に対応する前記排出係数を前記排出係数記憶部から読み出すステップと、
読み出した前記排出係数及び前記活動量に基づいて前記排出量を計算するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0042】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
図1
図2
図3
図4