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特許7541794貨幣処理装置、貨幣処理装置の異常解消方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】貨幣処理装置、貨幣処理装置の異常解消方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/26 20190101AFI20240822BHJP
   G07D 11/235 20190101ALI20240822BHJP
   G07D 11/16 20190101ALI20240822BHJP
   G07D 11/60 20190101ALI20240822BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20240822BHJP
【FI】
G07D11/26
G07D11/235
G07D11/16
G07D11/60
G06F21/62 318
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2021040231
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139724
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井原 航
(72)【発明者】
【氏名】西野 一也
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181002(JP,A)
【文献】特開2015-197725(JP,A)
【文献】特開2019-053451(JP,A)
【文献】特開2014-153899(JP,A)
【文献】特開2009-146275(JP,A)
【文献】特開2021-039701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/26
G07D 11/235
G07D 11/16
G07D 11/60
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣処理部と、
通信部と、
マンマシンインタフェースと、
前記貨幣処理部、前記通信部および前記マンマシンインタフェースを制御する制御部とを備える貨幣処理装置であって、
前記制御部は、
一時的情報を生成し、前記一時的情報を外部に提供するように前記通信部または前記マンマシンインタフェースを動作させ、
前記一時的情報を外部に提供するように動作していない前記通信部または前記マンマシンインタフェースが前記一時的情報に対応する二次情報を受け付けたときに、異常を解消する処理を実行する状態に前記貨幣処理装置を移行させる、
貨幣処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記貨幣処理部で前記異常が発生したときに生成した前記一時的情報を外部のコンピュータに提供するように前記通信部を動作させ、
前記マンマシンインタフェースが前記二次情報としてパスワードを受け付けたときに、前記異常を解消する処理を実行する状態に前記貨幣処理装置を移行させる、
請求項1に記載の貨幣処理装置。
【請求項3】
前記一時的情報は、ワンタイムパスワードであり、
前記パスワードは、前記ワンタイムパスワードである、
請求項2に記載の貨幣処理装置。
【請求項4】
前記一時的情報は、予め用意された可変パスワード表の参照箇所を指定する参照箇所指定情報であり、
前記パスワードは、前記可変パスワード表と前記参照箇所指定情報に基づいて得ることができる可変パスワードである、
請求項2に記載の貨幣処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記貨幣処理装置で前記異常が発生したときに生成した前記一時的情報を表示するように前記マンマシンインタフェースを動作させ、
前記通信部が前記二次情報を受信したときに、前記異常を解消する処理を実行する状態に前記貨幣処理装置を移行させる、
請求項1に記載の貨幣処理装置。
【請求項6】
前記一時的情報は、バーコードまたは二次元コードであり、
前記二次情報は、前記バーコードまたは前記二次元コードを解読することで得ることができる情報である、
請求項5に記載の貨幣処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記貨幣処理部で前記異常が発生したときに前記一時的情報を生成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記通信部を介して前記一時的情報の生成要求を受信し、前記生成要求が正当であるか否か判断し、前記生成要求が正当であると判断された場合に、前記一時的情報を生成する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記通信部を介して通信可能に接続されているコンピュータが、前記生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、前記生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、前記生成要求が正当であると判断する、
請求項8に記載の貨幣処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記通信部を介して通信可能に接続されているコンピュータが実行するアプリケーションが、前記生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、前記生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、前記生成要求が正当であると判断する、
請求項8に記載の貨幣処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記異常が発生したときに、前記通信部を介して前記コンピュータに前記異常が発生したことを通知する情報である異常通知を送信する、
請求項9または10に記載の貨幣処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記貨幣処理装置が前記異常を解消する処理を実行可能な状態に移行するとき、前記マンマシンインタフェースに前記異常を解消するためのガイダンスを表示させる、
請求項1から11のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
【請求項13】
前記貨幣処理部は、出金部を有し、
前記制御部は、前記貨幣処理装置が前記異常を解消する処理を実行するとき、前記貨幣処理部で滞留していた貨幣を前記出金部に払い出すように前記貨幣処理部を制御する、
請求項1から12のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
【請求項14】
貨幣処理部と、コンピュータと通信可能に接続された通信部と、マンマシンインタフェースと、前記貨幣処理部、前記通信部および前記マンマシンインタフェースを制御する制御部とを備える貨幣処理装置の異常解消方法であって、
前記制御部は、一時的情報を生成し、
前記制御部は、前記一時的情報を外部に提供するように前記通信部または前記マンマシンインタフェースを動作させ、
前記一時的情報を外部に提供するように動作していない前記通信部または前記マンマシンインタフェースは、前記一時的情報に対応する二次情報を受け付け、
前記制御部は、前記二次情報が受け付けられたときに、異常を解消する処理を実行する状態に前記貨幣処理装置を移行させる、
貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項15】
前記制御部は、前記貨幣処理部で前記異常が発生したときに前記一時的情報を生成する、
請求項14に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項16】
前記コンピュータは、前記通信部に、前記一時的情報の生成要求を送信し、
前記制御部は、前記生成要求が正当であるか否かを判断し、前記生成要求が正当であると判断された場合に、前記一時的情報を生成する、
請求項14または15に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項17】
前記制御部は、前記コンピュータが、前記生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、前記生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、前記生成要求が正当であると判断する、
請求項16に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項18】
前記制御部は、前記コンピュータが実行するアプリケーションが、前記生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、前記生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、前記生成要求が正当であると判断する、
請求項16に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項19】
前記コンピュータは、前記コンピュータのユーザが、前記生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、前記生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、前記通信部に前記生成要求を送信するために使用されるアプリケーションを起動する、
請求項16から18のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項20】
前記コンピュータは、前記コンピュータのユーザを認証するためのデータを管理するサーバに、前記ユーザに関する情報であるユーザ情報を送信し、
前記サーバは、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが前記生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、
前記サーバは、判断結果を前記コンピュータに送信し、
前記コンピュータは、前記ユーザが前記生成要求を送信する権限を有することを前記判断結果が意味する場合に、前記貨幣処理装置に前記生成要求を送信するために使用されるアプリケーションを起動する、
請求項16から18のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項21】
前記通信部は、前記異常が発生したときに、前記コンピュータに前記異常が発生したことを通知する情報である異常通知を送信する、
請求項14から20のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項22】
前記貨幣処理装置が前記異常を解消する処理を実行可能な状態に移行するとき、前記制御部は、前記マンマシンインタフェースに前記異常を解消するためのガイダンスを表示させる、
請求項14から21のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項23】
前記貨幣処理装置は、前記異常を解消する処理を実行するとき、前記貨幣処理装置の内部で滞留していた貨幣を払い出す、
請求項14から22のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項24】
前記コンピュータは、前記貨幣処理装置に隣接して設置されており、かつ、前記マンマシンインタフェースの操作者から表示内容が見えないように設置されているディスプレイを有する、
請求項14から23のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項25】
前記コンピュータは、ディスプレイを有し、
前記マンマシンインタフェースは、第1の空間に設置されており、
前記ディスプレイは、前記第1の空間に隣接する第2の空間に設置されており、
前記第1の空間と前記第2の空間の間には、人の自由な往来を制限する仕切りが設置されている、
請求項14から23のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項26】
前記制御部は、通信によって前記一時的情報を外部に提供するように前記通信部を動作させ、
前記マンマシンインタフェースは、前記二次情報としてパスワードを受け付ける、
請求項14から25のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項27】
前記一時的情報は、ワンタイムパスワードであり、
前記パスワードは、前記ワンタイムパスワードである、
請求項26に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項28】
前記一時的情報は、予め用意された可変パスワード表の参照箇所を指定する参照箇所指定情報であり、
前記パスワードは、前記可変パスワード表と前記参照箇所指定情報に基づいて得ることができる可変パスワードである、
請求項26に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項29】
前記制御部は、画面に表示することによって前記一時的情報を外部に提供するように前記マンマシンインタフェースを動作させ、
前記通信部は、前記二次情報を受け付ける、
請求項14から23のいずれか一項に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項30】
前記一時的情報は、バーコードまたは二次元コードであり、
前記二次情報は、前記バーコードまたは前記二次元コードを解読することで得ることができる情報である、
請求項29に記載の貨幣処理装置の異常解消方法。
【請求項31】
貨幣処理部と、コンピュータと通信可能に接続された通信部と、マンマシンインタフェースと、前記貨幣処理部、前記通信部および前記マンマシンインタフェースを制御する制御部とを備える貨幣処理装置によって実行されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムを実行することによって、
前記制御部は、一時的情報を生成し、
前記制御部は、前記一時的情報を外部に提供するように前記通信部または前記マンマシンインタフェースを動作させ、
前記一時的情報を外部に提供するように動作していない前記通信部または前記マンマシンインタフェースは、前記一時的情報に対応する二次情報を受け付け、
前記制御部は、前記二次情報が受け付けられたときに、異常を解消する処理を実行する状態に前記貨幣処理装置を移行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項32】
請求項31に記載のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貨幣処理装置、貨幣処理装置の異常解消方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示される紙幣処理装置のように、従来、様々な貨幣処理装置が知られている。貨幣処理装置の運用中に、何らかの異常が発生することがあり得る。貨幣処理装置で異常が発生した場合、運用を継続するために、ユーザはその異常を解消しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-154588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、貨幣処理装置で異常が発生した場合に、異常を適切に解消することができる貨幣処理装置、貨幣処理装置の異常解消方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る貨幣処理装置は、貨幣処理部と、通信部と、マンマシンインタフェースと、貨幣処理部、通信部およびマンマシンインタフェースを制御する制御部とを備える貨幣処理装置であって、制御部は、一時的情報を生成し、一時的情報を外部に提供するように通信部またはマンマシンインタフェースを動作させ、一時的情報を外部に提供するように動作していない通信部またはマンマシンインタフェースが一時的情報に対応する二次情報を受け付けたときに、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置を移行させる。
【0006】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、貨幣処理部で異常が発生したときに生成した一時的情報を外部のコンピュータに提供するように通信部を動作させ、マンマシンインタフェースが二次情報としてパスワードを受け付けたときに、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置を移行させてもよい。
【0007】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、一時的情報は、ワンタイムパスワードであり、パスワードは、このワンタイムパスワードであってもよい。
【0008】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、一時的情報は、予め用意された可変パスワード表の参照箇所を指定する参照箇所指定情報であり、パスワードは、可変パスワード表と参照箇所指定情報に基づいて得ることができる可変パスワードであってもよい。
【0009】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、貨幣処理装置で異常が発生したときに生成した一時的情報を表示するようにマンマシンインタフェースを動作させ、通信部が二次情報を受信したときに、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置を移行させてもよい。
【0010】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、一時的情報は、バーコードまたは二次元コードであり、二次情報は、これらのバーコードまたは二次元コードを解読することで得ることができる情報であってもよい。
【0011】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、貨幣処理部で異常が発生したときに一時的情報を生成してもよい。
【0012】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、通信部を介して一時的情報の生成要求を受信し、生成要求が正当であるか否か判断し、生成要求が正当であると判断された場合に、一時的情報を生成してもよい。
【0013】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、通信部を介して通信可能に接続されているコンピュータが、生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、生成要求が正当であると判断してもよい。
【0014】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、通信部を介して通信可能に接続されているコンピュータが実行するアプリケーションが、生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、生成要求が正当であると判断してもよい。
【0015】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、異常が発生したときに、通信部を介してコンピュータに異常が発生したことを通知する情報である異常通知を送信してもよい。
【0016】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、制御部は、貨幣処理装置が異常を解消する処理を実行可能な状態に移行するとき、マンマシンインタフェースに異常を解消するためのガイダンスを表示させてもよい。
【0017】
また、本開示に係る貨幣処理装置において、貨幣処理部は、出金部を有し、制御部は、貨幣処理装置が異常を解消する処理を実行するとき、貨幣処理部で滞留していた貨幣を出金部に払い出すように貨幣処理部を制御してもよい。
【0018】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法は、貨幣処理部と、コンピュータと通信可能に接続された通信部と、マンマシンインタフェースと、貨幣処理部、通信部およびマンマシンインタフェースを制御する制御部とを備える貨幣処理装置の異常解消方法であって、制御部は、一時的情報を生成し、制御部は、一時的情報を外部に提供するように通信部またはマンマシンインタフェースを動作させ、一時的情報を外部に提供するように動作していない通信部またはマンマシンインタフェースは、一時的情報に対応する二次情報を受け付け、制御部は、二次情報が受け付けられたときに、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置を移行させる。
【0019】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、制御部は、貨幣処理部で異常が発生したときに一時的情報を生成してもよい。
【0020】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、コンピュータは、通信部に、一時的情報の生成要求を送信し、制御部は、生成要求が正当であるか否かを判断し、生成要求が正当であると判断された場合に、一時的情報を生成してもよい。
【0021】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、制御部は、コンピュータが、生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、生成要求が正当であると判断してもよい。
【0022】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、制御部は、コンピュータが実行するアプリケーションが、生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、生成要求が正当であると判断してもよい。
【0023】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、コンピュータは、コンピュータのユーザが、生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、生成要求を送信する権限を有すると判断された場合に、通信部に生成要求を送信するために使用されるアプリケーションを起動してもよい。
【0024】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、コンピュータは、コンピュータのユーザを認証するためのデータを管理するサーバに、ユーザに関する情報であるユーザ情報を送信し、サーバは、ユーザ情報に基づいて、ユーザが生成要求を送信する権限を有するか否かを判断し、サーバは、判断結果をコンピュータに送信し、コンピュータは、ユーザが生成要求を送信する権限を有することを判断結果が意味する場合に、貨幣処理装置に生成要求を送信するために使用されるアプリケーションを起動してもよい。
【0025】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、通信部は、異常が発生したときに、コンピュータに異常が発生したことを通知する情報である異常通知を送信してもよい。
【0026】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、貨幣処理装置が異常を解消する処理を実行可能な状態に移行するとき、制御部は、マンマシンインタフェースに異常を解消するためのガイダンスを表示させてもよい。
【0027】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、貨幣処理装置は、異常を解消する処理を実行するとき、貨幣処理装置の内部で滞留していた貨幣を払い出してもよい。
【0028】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、コンピュータは、貨幣処理装置に隣接して設置されており、かつ、マンマシンインタフェースの操作者から表示内容が見えないように設置されているディスプレイを有していてもよい。
【0029】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、コンピュータは、ディスプレイを有し、マンマシンインタフェースは、第1の空間に設置されており、ディスプレイは、第1の空間に隣接する第2の空間に設置されており、第1の空間と第2の空間の間には、人の自由な往来を制限する仕切りが設置されていてもよい。
【0030】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、制御部は、通信によって一時的情報を外部に提供するように通信部を動作させ、マンマシンインタフェースは、二次情報としてパスワードを受け付けてもよい。
【0031】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、一時的情報は、ワンタイムパスワードであり、パスワードは、このワンタイムパスワードであってもよい。
【0032】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、一時的情報は、予め用意された可変パスワード表の参照箇所を指定する参照箇所指定情報であり、パスワードは、可変パスワード表と参照箇所指定情報に基づいて得ることができる可変パスワードであってもよい。
【0033】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、制御部は、画面に表示することによって一時的情報を外部に提供するようにマンマシンインタフェースを動作させ、通信部は、二次情報を受け付けてもよい。
【0034】
また、本開示に係る貨幣処理装置の異常解消方法において、一時的情報は、バーコードまたは二次元コードであり、二次情報は、これらのバーコードまたは二次元コードを解読することで得ることができる情報であってもよい。
【0035】
また、本開示に係るコンピュータプログラムは、貨幣処理部と、コンピュータと通信可能に接続された通信部と、マンマシンインタフェースと、貨幣処理部、通信部およびマンマシンインタフェースを制御する制御部とを備える貨幣処理装置によって実行されるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムを実行することによって、制御部は、一時的情報を生成し、制御部は、一時的情報を外部に提供するように通信部またはマンマシンインタフェースを動作させ、一時的情報を外部に提供するように動作していない通信部またはマンマシンインタフェースは、一時的情報に対応する二次情報を受け付け、制御部は、二次情報が受け付けられたときに、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置を移行させる。
【0036】
また、本開示に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、貨幣処理部と、コンピュータと通信可能に接続された通信部と、マンマシンインタフェースと、貨幣処理部、通信部およびマンマシンインタフェースを制御する制御部とを備える貨幣処理装置によって実行されるコンピュータプログラムを記憶しており、貨幣処理装置がこの記憶媒体からこのコンピュータプログラムを読み取って実行することによって、制御部は、貨幣処理装置で異常が発生したときに一時的情報を生成し、制御部は、一時的情報を外部に提供するように通信部またはマンマシンインタフェースを動作させ、一時的情報を外部に提供するように動作していない通信部またはマンマシンインタフェースは、一時的情報に対応する二次情報を受け付け、制御部は、二次情報が受け付けられたときに、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置を移行させる。
【0037】
これらの解決手段は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の組み合わせが可能である。
【発明の効果】
【0038】
本開示によれば、貨幣処理装置で異常が発生した場合に、異常を適切に解消することができる貨幣処理装置、貨幣処理装置の異常解消方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】第1の実施形態に係る貨幣処理装置の模式図。
図2】第1の実施形態に係る貨幣処理装置の異常解消方法の一例を示すシーケンス図。
図3】第2の実施形態に係る貨幣処理装置およびその外部に設置された情報処理装置の関係の一例を示す図。
図4】第2の実施形態に係る貨幣処理装置の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図。
図5】第2の実施形態に係る貨幣処理装置の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図。
図6】第2の実施形態に係る貨幣処理装置の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図。
図7】第2の実施形態に係る貨幣処理装置の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図。
図8】第2の実施形態に係る貨幣処理装置の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図。
図9】第3の実施形態に係る貨幣処理装置の一例の模式図。
図10】第4の実施形態に係る貨幣処理装置の設置状況の一例を示す図。
図11】第5の実施形態に係る貨幣処理装置の設置状況の一例を示す図。
図12】第6の実施形態に係る貨幣処理装置およびその外部に設置された上方処理装置の関係の一例を示す図。
図13】第6の実施形態に係る貨幣処理装置の異常解消方法の一例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る貨幣処理装置10の模式図である。貨幣処理装置10は、銀行等の金融機関の店舗(以下、金融店舗)またはコンビニエンスストア等の流通店舗等の施設に設置され、紙幣と硬貨の少なくとも一方を処理する装置である。具体例として、紙幣硬貨入金機、紙幣硬貨入出金機、現金自動預け払い機、税公金支払機、両替機、券売機、自動販売機、釣銭機、紙幣リサイクラーおよび電子マネーチャージ機が挙げられる。
【0041】
貨幣処理装置10は、貨幣処理部11、通信部12、マンマシンインタフェース13および制御部14を備えている。
【0042】
貨幣処理部11は、貨幣処理装置10が行う貨幣処理を行う機械的構成要素である。貨幣処理部11の具体的構成および貨幣処理部11が行う処理の内容は、貨幣処理装置10の種類によって異なる。貨幣処理部11は、例えば、貨幣を受け付ける入金部、貨幣を搬送する搬送部、貨幣を識別する識別部、貨幣を収納する収納部を備えることができる。貨幣処理部11は、入金部に代えて、貨幣を払い出す出金部を備えてもよい。貨幣処理部11は、入金部と出金部の両方を備えてもよい。
【0043】
通信部12は、貨幣処理装置10が貨幣処理装置10以外の(つまり外部の)情報処理装置(例えばコンピュータ)と通信できるように構成されている機械的要素である。通信部12は、例えば、ネットワークインタフェースカードまたはネットワークインタフェースを司る半導体チップを備えることができる。通信部12は、外部の情報処理装置と有線通信するように構成されていてもよいし、無線通信するように構成されていてもよい。
【0044】
マンマシンインタフェース13は、貨幣処理装置10のユーザが貨幣処理装置10に対して指示を与える操作を受け付けるように構成されている機械的構成要素である。マンマシンインタフェース13は、貨幣処理装置10が貨幣処理装置10のユーザに情報を提供するように構成されている機械的構成要素であってもよい。マンマシンインタフェース13は、例えば、ディスプレイまたはランプ等の表示部から構成されていてもよい。また、マンマシンインタフェース13は、ボタン等の入力受け付け部から構成されていてもよい。また、マンマシンインタフェース13は、表示部と入力受付部の組み合わせから構成されていてもよい。また、マンマシンインタフェース13は、表示部と入力受付部の両方の機能を有するタッチパネルから構成されていてもよい。さらに、マンマシンインタフェース13はスピーカまたはブザー等の音声出力部、もしくは、マイク等の音声入力部を備えていてもよい。本実施形態に係るマンマシンインタフェース13はタッチパネルを備えている。
【0045】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置、および、プログラム等のデータを記憶する記憶装置を備えるハードウエアである。記憶装置の具体例として、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)およびSSD(Solid State drive)等の半導体メモリ、または、HDD(hard disk drive)等の記憶媒体が挙げられる。制御部14は、演算装置が記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより各種動作を行うように構成されている。制御部14は、貨幣処理部11,通信部12およびマンマシンインタフェース13を制御する。
【0046】
以上のように構成されている貨幣処理装置10において貨幣が処理されるとき、実際に貨幣の処理を行う貨幣処理部11において、種々の異常が生じ得る。例えば、貨幣が詰まったり、機械が故障したり、定期的に補充または交換が必要な消耗品が消耗したりすることがある。このような異常が発生したときに、本実施形態に係る貨幣処理装置10においては、以下に説明される異常解消方法が行われる。
【0047】
図2は、第1の実施形態に係る貨幣処理装置10の異常解消方法の一例を示すシーケンス図である。
【0048】
例えば、貨幣処理部11で異常が発生する(S101)と、制御部14は、一時的情報を生成する(S102)。一時的情報とは、1回のみ、または、比較的短時間である所定の期間のみ有効な情報である。一時的情報が生成される条件は、異常の発生に限らない。後述するように、外部からの一時的情報の生成要求を条件として、一時的情報を生成してもよい。また、異常の発生と生成要求の両方を条件として、一時的情報を生成してもよい。
【0049】
制御部14は、生成した一時的情報を外部に提供するように、通信部12またはマンマシンインタフェース13を動作させる(S103)。通信部12が動作する場合、一時的情報は、通信部12によって外部のコンピュータに電子情報として送信される。マンマシンインタフェース13が動作する場合、一時的情報は、表示部としてのタッチパネルに文字列または画像として表示される。
【0050】
その後、一時的情報を外部に提供するように動作していない通信部12またはマンマシンインタフェース13は、一時的情報に対応する二次情報を外部から受け付ける(S104)。一時的情報を外部に提供するように通信部12が動作した場合、マンマシンインタフェース13が二次情報を受け付ける。一時的情報を外部に提供するようにマンマシンインタフェース13が動作した場合、通信部12が二次情報を受け付ける。
【0051】
二次情報とは、一時的情報に1対1で対応する情報である。二次情報は、一時的情報そのものであってもよいし、一時的情報を所定の情報処理によって変換することにより得られる情報であってもよいし、一時的情報に1対1で対応づけて予め定められている情報であってもよい。二次情報は、一時的情報と同様、1回のみ、または、比較的短時間である所定の期間のみ有効である。
【0052】
マンマシンインタフェース13が二次情報を受け付ける場合、二次情報の受け付けは、タッチパネルへの文字入力(例えば一時的情報に対応するパスワードの入力)によって行うことができる。また、二次情報の受け付けは、タッチパネルに表示される複数の選択肢からの一時的情報に対応する選択肢(二次情報に相当)の選択操作によって行うことができる。例えば、一時的情報が「猫」という文字列を含み、タッチパネルに犬の画像と猫の画像が表示されている場合、猫の画像をタッチすることが二次情報の受け付けになる。
【0053】
通信部12が二次情報を受け付ける場合、二次情報の受付は、外部のコンピュータから送信された電子情報としての二次情報の受信によって行うことができる。
【0054】
二次情報が受け付けられ、受け付けた二次情報が、S102で生成した一時的情報に対応する情報である場合、制御部14は、貨幣処理部11で発生した異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置10を移行させる(S105)。なお、受け付けた二次情報がS102で生成した一時的情報に対応しない情報である場合、制御部14は、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置10を移行させない。
【0055】
本実施形態に係る貨幣処理装置10は以上のように構成されており、また、貨幣処理装置10で生じた異常の解消方法は以上のように行われる。すなわち、ユーザは、異常を解消するためには、通信部12およびマンマシンインタフェース13のいずれか一方から一時的情報を入手し、一時的情報の入手元とは異なる通信部12またはマンマシンインタフェース13から二次情報を入力する必要がある。つまり、一時的情報の入手手段と二次情報の入力手段の両方にアクセスできる者だけが、異常を解消するための操作を行うことができる。例えば、何ら権限を有さない者、例えば、貨幣処理装置10が設置されている施設の顧客は、一時的情報の入手手段にアクセスできない。よって、貨幣処理装置10で異常が発生したときに、権限を有さない者が、貨幣処理装置10の異常を解消する操作を行うことを防ぐことができる。
【0056】
また、貨幣処理装置10で発生した異常を解消するために必要な情報、例えばユーザIDとパスワードの組み合わせを制御部14に覚えさせる作業を予め行うことなく、特定の者のみが異常解消作業を行うことができる。換言すれば、一時的情報の入手手段と二次情報の入力手段の両方にアクセスできる者は、異常を解消するために必要な情報を予め制御部14に覚えさせる作業が行われていなくても、貨幣処理装置10の異常解消を行うことができる。管理すべき貨幣処理装置10の数が多くなれば多くなるほど、異常を解消するために必要な情報を覚えさせる作業の負担は重くなる。また、異常解消に必要なパスワードを変更する場合には、この作業の負担がさらに発生する。一方、本実施形態に係る貨幣処理装置10および異常の解消方法によれば、そのような作業は不要となる。よって、より効率的に貨幣処理装置10を運用することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る貨幣処理装置10および貨幣処理装置10の外部に設置された情報処理装置の関係の一例を示す図である。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する構成、動作または効果については説明を省略することがある。
【0058】
本実施形態に係る貨幣処理装置10は、通信部12が、一時的情報を外部のコンピュータ20に提供つまり送信するように構成されている。また、本実施形態に係る貨幣処理装置10は、マンマシンインタフェース13が、二次情報としてパスワードを受け付けるように構成されている。
【0059】
コンピュータ20は、通信部12と通信するように構成されている。コンピュータ20はディスプレイ21を備えている。コンピュータ20は、例えば、貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与える貨幣処理装置10の実質的な制御装置であってもよい。貨幣処理装置10が金融店舗に設置される貨幣リサイクラーである場合、コンピュータ20は銀行員によって操作される操作端末(いわゆるテラー端末)であってもよい。また、貨幣処理装置10が流通店舗に設置される釣銭機である場合、コンピュータ20は店員によって操作されるPOS(Point Of Sales)端末であってもよい。
【0060】
サーバ30は、取引管理サーバであってもよいし、後に詳しく説明するように、コンピュータ20の操作者によるログイン要求が正当であるか否かを判断するサーバであってもよい。取引管理サーバは、例えば、銀行の口座を管理する勘定系サーバ(core banking)、および、流通店舗のPOSで処理した取引に関するデータを収集および分析し、売上や在庫を管理する店舗サーバである。また、サーバ30は、複数の金融店舗または流通店舗を管理するサーバであってもよい。なお、コンピュータ20はサーバ30に接続されていなくてもよい。
【0061】
図4は、第2の実施形態に係る貨幣処理装置10の異常解消方法の一例を示すシーケンス図である。
【0062】
貨幣処理部11で異常が発生する(S201)と、制御部14は、一時的情報を自動的に生成する(S202)。一時的情報が生成される条件は、異常の発生に限らない。後述するように、外部からの一時的情報の生成要求を条件として、一時的情報を生成してもよい。また、異常の発生と生成要求の両方を条件として、一時的情報を生成してもよい。
【0063】
制御部14は、生成した一時的情報を外部のコンピュータ20に電子情報として送信するように、通信部12を動作させる(S203)。一時的情報は、ワンタイムパスワードである。ワンタイムパスワードは所定数のランダムな文字列(つまり、文字、数字および記号のランダムな組み合わせ)で構成されている。ワンタイムパスワードは1回のみ有効なパスワードである。つまり、ワンタイムパスワードは、一度使用されると次回以降は使用できないパスワードである。制御部14は、貨幣処理部11に異常が発生するたびに、互いに異なるワンタイムパスワードを生成する。
【0064】
一時的情報は、予め用意された可変パスワード表の参照箇所を指定する参照箇所指定情報であってもよい。この場合、可変パスワード表は、コンピュータ20の操作者(例えば銀行員または店員)によって携行されるカードに予め印刷されている。可変パスワード表は、例えば、0から9までの10個の数字が1列にランダムな順番で並ぶ表である。可変パスワード表が「9、8、7、6、5、4、3、2、1、0」であり、参照箇所指定情報が、左から3番目と4番目を指定する情報である場合、可変パスワード表と参照箇所指定情報に基づいて得ることができる可変パスワードは、「7、6」となる。制御部14は、貨幣処理部11に異常が発生するたびに、互いに異なる参照箇所指定情報を生成する。
【0065】
コンピュータ20は、一時的情報を受信すると、ディスプレイ21に一時的情報を表示させる(S204)。コンピュータ20の操作者(例えば銀行員または店員)は、ディスプレイ21に表示された一時的情報を見ることで、今回の異常に伴って生成された一時的情報が何であるかを認識することができる。
【0066】
コンピュータ20の操作者は、ディスプレイ21を見ることができる位置から、マンマシンインタフェース13を操作することができる位置に移動した後、マンマシンインタフェース13を介して、二次情報としてのパスワードを入力する。つまり、マンマシンインタフェース13は、二次情報としてパスワードを受け付ける(S205)。なお、パスワードを受け付けるためにマンマシンインタフェース13に表示される画面は、異常発生と共に自動的に表示されてもよいし、マンマシンインタフェース13の近くに移動した操作者がマンマシンインタフェース13を操作することによって表示されてもよい。
【0067】
マンマシンインタフェース13が受け付けるパスワードは、ディスプレイ21に表示されたワンタイムパスワードである。一時的情報が参照箇所指定情報である場合、マンマシンインタフェース13が受け付けるパスワードは、予め用意された可変パスワード表と参照箇所指定情報に基づいて得ることができる可変パスワードである。
【0068】
受け付けた二次情報(パスワード)がS202で生成された一時的情報に対応する場合、制御部14は、貨幣処理部11で発生した異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置10を移行させる(S206)。受け付けた二次情報がS202で生成された一時的情報に対応しない場合、制御部14は、貨幣処理部11で発生した異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置10を移行させない。
【0069】
本実施形態に係る貨幣処理装置10は以上のように構成されており、また、貨幣処理装置10で生じた異常の解消方法は以上のように行われる。すなわち、異常を解消するためには、貨幣処理装置10の外部にあるコンピュータ20が備えるディスプレイ21を見ることで一時的情報を入手し、貨幣処理装置10が備えるマンマシンインタフェース13を介してパスワードを入力する必要がある。つまり、コンピュータ20の操作者だけが異常を解消するための操作を行うことができる。よって、貨幣処理装置10で異常が発生したときに、何ら権限を有さない者が、貨幣処理装置10の異常を解消する操作を行うことを防ぐことができる。何ら権限を有さない者として、貨幣処理装置10が設置されている施設の顧客、および、コンピュータ20の操作権限を有さない施設の従業員(例えば銀行員または店員)を例示することができる。
【0070】
また、異常が発生すると、制御部14は自動的に一時的情報を生成し、通信部12はコンピュータ20に一時的情報を送信してもよい。この場合は、コンピュータ20の操作者は、貨幣処理装置10で異常が発生したことを速やかに認識するとともに異常解消のための作業を速やかに開始することができる。
【0071】
なお、1台の貨幣処理装置10に1台のコンピュータ20が接続されていてもよいし、複数台のコンピュータ20が接続されていてもよい。また、1台のコンピュータ20に複数台の貨幣処理装置10が接続されていてもよい。
【0072】
(第2の実施形態の変形例1)
また、本実施形態に係る貨幣処理装置10で発生した異常は以下のように解消されてもよい。
【0073】
図5は、第2の実施形態に係る貨幣処理装置10の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図である。
【0074】
貨幣処理部11で異常が発生する(S301)と、コンピュータ20の操作者は、一時的情報の生成を要求する信号を送信するよう、コンピュータ20を操作する。なお、コンピュータ20の操作者は、貨幣処理部11つまり貨幣処理装置10で異常が発生したことを、貨幣処理装置10とコンピュータ20との間の情報通信以外の手段によって知ることができる。貨幣処理装置10とコンピュータ20との間の情報通信以外の手段として、貨幣処理装置10を使用していた者からの連絡、貨幣処理装置10が発する異常報知音、貨幣処理装置10が備えるランプの点灯、マンマシンインタフェース13の表示の変化が例示される。なお、貨幣処理部11での異常の有無にかかわらず、一時的情報の生成を要求する信号を送信できるようにしてもよい。
【0075】
コンピュータ20によって送信された一時的情報の生成要求は、通信部12によって受信される(S302)。
【0076】
すると、制御部14は、受信した生成要求が正当であるか否かを判断する(S303)。受信した生成要求が正当であるか否かの判断は、コンピュータ20が、生成要求を送信する権限を有するか否かを判断することによって行うことができる。例えば、コンピュータ20に固有の識別情報(例えば認証キー)をコンピュータ20から受信し、受信した識別情報が、制御部14が有する記憶装置に、権限を有するコンピュータの識別情報として記憶されているか否かを確認する。記憶されている場合、コンピュータ20が生成要求を送信する権限を有すると判断することができる。
【0077】
また、受信した生成要求が正当であるか否かの判断は、コンピュータ20が実行するアプリケーションが、生成要求を送信する権限を有するか否かを判断することによって行われてもよい。例えば、コンピュータ20が実行するアプリケーションに固有の識別情報(例えば認証キー)をコンピュータ20から受信し、受信した識別情報が、制御部14が有する記憶装置に、権限を有するアプリケーションの識別情報として記憶されているか否かを確認する。記憶されている場合、コンピュータ20が実行するアプリケーションは権限を有すると判断することができる。
【0078】
受信した生成要求が正当であるかの判断、つまり、コンピュータ20またはアプリケーションの認証は、電子署名や電子証明書などを用いた公知の技術によって行うことができる。
【0079】
受信した生成要求が正当であると判断された場合、制御部14は一時的情報を生成する(S304)。受信した生成要求が正当ではない場合、つまり、一時的情報の生成要求が、正当な権限を有さない者によってなされた場合、一時的情報は生成されない。よって、正当な権限を有さない者によって異常を解消するための操作が行われることを未然に防止することができる。
【0080】
一時的情報が生成された後のフロー(S305からS308)は、図4を用いて先に説明した処理方法におけるフロー(S203からS206)と同じである。
【0081】
このような異常解消方法によれば、正当な権限を有さない者によって貨幣処理装置10で発生した異常を解消する操作が行われることをより確実に防止することができる。
【0082】
(第2の実施形態の変形例2)
また、本実施形態に係る貨幣処理装置10で発生した異常は以下のように解消されてもよい。
【0083】
図6は、第2の実施形態に係る貨幣処理装置10の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図である。
【0084】
コンピュータ20は、貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与える貨幣処理装置10の実質的な制御装置である。貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与えるために用いられるアプリケーションをコンピュータ20で起動することができる者は、所定の権限を有する者に限られている。よって、コンピュータ20でこのアプリケーションを起動する際には、ユーザの認証が行われる。
【0085】
具体的には、コンピュータ20の操作者はコンピュータ20に対してログイン要求を行う(S401)。例えば、ユーザIDとパスワードの入力が行われる。ログイン要求を受け付けたコンピュータ20は、ログイン要求が正当であるか否かを判断する(S402)。つまり、操作者が、貨幣処理装置10を操作する権限を有するか否か、換言すれば、貨幣処理装置10で異常が発生した場合に、異常を解消するために必要となる一時的情報の生成要求を行う権限を有するか否かの判断が行われる。
【0086】
ログイン要求が正当であると判断された場合、つまり、ユーザが貨幣処理装置10に一時的情報の生成要求を送信する権限を有すると判断された場合、コンピュータ20は、貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与えるために用いられるアプリケーションを起動する(S403)。
【0087】
貨幣処理部11で異常が発生する(S404)と、コンピュータ20の操作者は、一時的情報の生成を要求する信号を送信するよう、コンピュータ20を操作する。一時的情報の生成を要求する信号は、貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与えるために用いられるアプリケーション(つまり、S403で起動したアプリケーション)によって生成される。なお、アプリケーションは、貨幣処理部11での異常の有無にかかわらず、一時的情報の生成を要求する信号を生成できるようにしてもよい。
【0088】
コンピュータ20によって送信された一時的情報の生成要求は、通信部12によって受信される(S405)。
【0089】
以降のフロー(S406からS411)は、図5を用いて説明された先の処理方法におけるフロー(S303からS308)と同じである。
【0090】
なお、コンピュータ20で起動され、一時的情報の生成要求を生成するアプリケーションは、一時的情報の生成要求を生成する専用のアプリケーションであってもよい。この場合、ログイン要求(S401)からアプリケーション起動(S403)までのフローは、貨幣処理装置10で異常が発生した後(つまり、S404の後)に行われてもよい。
【0091】
このような異常解消方法によれば、正当な権限を有さない者によって貨幣処理装置10で発生した異常を解消する操作が行われることをさらにより確実に防止することができる。
【0092】
また、コンピュータ20は、所定の権限を有する管理者のみが起動できるアプリケーションと、所定の権限を有さない一般の従業員が起動できるアプリケーションを起動できるように構成されていてもよい。管理者のみが起動できるアプリケーションとは、起動の際、管理者のユーザIDの入力が必要なアプリケーションである。制御部14は、管理者のみが起動できるアプリケーションから一時的情報の生成要求が送信された場合に、生成要求が正当であると判断してもよい。このようにすることによって、貨幣処理装置10で発生した異常を解消する操作を行う者を厳密に限定することができる。
【0093】
(第2の実施形態の変形例3)
また、本実施形態に係る貨幣処理装置10で発生した異常は以下のように解消されてもよい。この場合、コンピュータ20は、貨幣処理装置10に加え、貨幣処理装置10およびコンピュータ20とは別に設置されているサーバ30(図3参照)と通信可能に接続されている。
【0094】
図7は、第2の実施形態に係る貨幣処理装置10の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図である。
【0095】
コンピュータ20は、貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与える貨幣処理装置10の実質的な制御装置である。貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与えるために用いられるアプリケーションをコンピュータ20で起動することができる者は、所定の権限を有する者に限られている。よって、コンピュータ20でこのアプリケーションを起動する際には、ユーザの認証が行われる。認証に関する処理自体はサーバ30にて行われる。
【0096】
具体的には、コンピュータ20の操作者はコンピュータ20に対してログイン要求を行う(S501)。この際、ユーザに関する情報であるユーザ情報が入力される。例えば、ユーザIDとパスワードの入力が行われる。ログイン要求を受け付けたコンピュータ20は、ユーザから入力された情報、例えば、ユーザIDとパスワードをサーバ30に送信する(S502)。ユーザから入力された情報を受信すると、サーバ30は、ログイン要求が正当であるか否かを判断する(S503)。つまり、操作者が、貨幣処理装置10を操作する権限を有するか否か判断が行われる。換言すれば、操作者が、アプリケーションを起動する権限を有するか否か判断が行われる。さらに換言すれば、貨幣処理装置10で異常が発生した場合に、異常を解消するために必要となる一時的情報の生成要求を行う権限を有するか否か判断が行われる。
【0097】
その後、判断結果がサーバ30からコンピュータ20に送信される(S504)。
【0098】
サーバ30から受信した判断結果が、ログイン要求が正当であることを意味する場合、つまり、ユーザがアプリケーションを起動する権限を有していることを意味する場合、または、ユーザが貨幣処理装置10に一時的情報の生成要求を送信する権限を有していることを意味する場合、コンピュータ20は、貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与えるために用いられるアプリケーションを起動する(S505)。
【0099】
以降のフロー(S506からS513)は、図6を用いて説明された先の処理方法におけるフロー(S404からS411)と同じである。
【0100】
なお、コンピュータ20で起動され、一時的情報の生成要求を生成するアプリケーションは、一時的情報の生成要求を生成する専用のアプリケーションであってもよい。この場合、ログイン要求(S501)からアプリケーション起動(S505)までのフローは、貨幣処理装置10で異常が発生した後(つまり、S506の後)に行われてもよい。
【0101】
このような異常解消方法によれば、正当な権限を有さない者によって貨幣処理装置10で発生した異常を解消する操作が行われることをさらにより確実に防止することができる。また、コンピュータ20が複数台ある場合、各コンピュータ20がユーザの権限に関する情報を個別に管理することなく、1台のサーバ30にて一括して管理することができる。よって、権限を有するユーザの増減や変更等に関する作業を、サーバ30における1回の修正作業だけで簡単に完了させることができる。
【0102】
(第2の実施形態の変形例4)
また、本実施形態に係る貨幣処理装置10で発生した異常は以下のように解消されてもよい。
【0103】
図8は、第2の実施形態に係る貨幣処理装置10の異常解消方法の他の例を示すシーケンス図である。
【0104】
貨幣処理部11で異常が発生する(S601)と、通信部12は、異常が発生したことを通知する情報である異常通知をコンピュータ20に送信する(S602)。異常通知を受信したコンピュータ20は、ディスプレイ21に異常発生を知らせる表示を行う、つまり、異常情報を表示する(S603)。ディスプレイ21の表示を介して異常発生を知ったコンピュータ20の操作者は、一時的情報の生成を要求する信号を送信するよう、コンピュータ20を操作する。なお、コンピュータ20は、異常情報を受信したら自動的に一時的情報の生成を要求する信号を送信してもよい。
【0105】
コンピュータ20によって送信された一時的情報の生成要求は、通信部12によって受信される(S604)。
【0106】
以降のフロー(S605からS610)は、図5を用いて説明された先の処理方法におけるフロー(S303からS308)と同じである。
【0107】
このような異常解消方法によれば、貨幣処理装置10で異常が発生した場合に、迅速かつ確実に、コンピュータ20の操作者が、異常が発生したことを知ることができる。よって、貨幣処理装置10で発生した異常の解消に迅速に取りかかることができる。
【0108】
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係る貨幣処理装置10の内部構造を示す模式図である。本実施形態に係る貨幣処理装置10は、貨幣の一例である紙幣を処理する紙幣リサイクラーである。以下の説明において、前あるいは前方とは、後述する入金口211及び出金口221が形成されている側であり、後ろあるいは後方とは、その逆側である。また、これまでに説明された各実施形態と共通する構成、動作または効果については説明を省略することがある。
【0109】
本実施形態に係る貨幣処理装置10は、紙幣の処理を行う。貨幣処理装置10は、上部の処理部100と、下部の金庫部500とを有している。
【0110】
処理部100は、上部筐体120と、上部筐体120の外部に配置されたマンマシンインタフェース13および上部筐体120の内部に配置された各種要素を有している。上部筐体120の内部には、入金部121、出金部122、リジェクト部123、一時保留部124、識別部125、上側搬送部141、通信部12,制御部14、および、記憶装置40が配置されている。
【0111】
金庫部500は、金庫筐体501によって構成されている。金庫筐体501の中には、複数の収納装置531~535、下側搬送部542及び第2下側搬送部543が配置されている。
【0112】
本実施形態において、貨幣処理部11は、後述する搬送部140、および、搬送部140に接続されて紙幣を取り扱う各構成要素によって構成されている。
【0113】
入金部121は、例えば入金処理の際に、入金対象の紙幣が投入される部分である。また、入金部121は、計数処理の際に、計数対象の紙幣が投入される部分であってもよい。入金部121は、入金口211を有している。入金口211は、上部筐体120の前部において、上向きに開口している。操作者は、入金口211を通じて、入金部121に、紙幣を手で投入する。入金部121は、紙幣を一枚ずつ貨幣処理装置10内に取り込む機構を有している。
【0114】
出金部122は、例えば出金処理の際に、収納装置531~535から繰り出された紙幣が搬送される部分である。また、出金部122は、入金処理の際に発生したリジェクト紙幣が搬送される部分としても使用される。また、出金部122は、計数処理の際に計数された正常な紙幣が搬送される部分としても使用される。出金部122は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持できる。出金部122は、出金口221を有している。出金口221は、入金口211よりも前の位置において、上向きに開口している。操作者は、出金部122に集積されている紙幣を、出金口221を通じて手で取り出すことができる。
【0115】
リジェクト部123は、例えば計数処理の際に発生したリジェクト紙幣が搬送される部分である。リジェクト部123は、上部筐体120内の前部に配置されている。リジェクト部123は、複数枚の紙幣を、重ねた状態で保持するよう構成されている。リジェクト部123は、第2出金口231を有している。第2出金口231は、上部筐体120の前部において前向きに開口している。
【0116】
一時保留部124は、例えば入金処理の際に、入金対象の紙幣を一時的に収納する。一時保留部124は、収納した紙幣を繰り出すことができる。一時保留部124は、テープ式の収納ユニットである。一時保留部124は、紙幣を、テープと共にドラムに巻き取ることによって、紙幣を収納する。
【0117】
識別部125は、第1搬送路411に配置されている。識別部125は、第1搬送路411に沿って搬送される紙幣の一枚一枚について、少なくとも、記番号を取得する。また、識別部125は、真偽、金種及び正損を識別することもできる。
【0118】
制御部14は、貨幣処理装置10の制御装置であり、貨幣処理装置10を統括制御する。記憶装置40は、制御部14が実行するプログラムを記憶する。なお、制御部14は、コンピュータ20(図3参照)からの支持の下で貨幣処理装置10を統括制御しても良い。
【0119】
図9に示す例では、貨幣処理装置10は、5つの収納装置531~535を有する。以下の説明において、これら5つの収納装置を、第1収納装置531、第2収納装置532、第3収納装置533、第4収納装置534、及び、第5収納装置535と記載することがある。
【0120】
第1収納装置531、第2収納装置532、及び第3収納装置533は、それぞれ、一つの収納部Sを有する。第4収納装置534及び第5収納装置535は、それぞれ、二つの収納部(第1収納部S1及び第2収納部S2)を有する。
【0121】
各収納部S、各第1収納部S1および各第2収納部S2は、搬送機構を有している。搬送機構は、収納装置531~535の外から中へ紙幣を投入し、収納装置531~535の中から外へ紙幣を繰り出す。
【0122】
上側搬送部141、下側搬送部542および第2下側搬送部543は、搬送部140を構成している。搬送部140は、貨幣処理装置10内で、紙幣と紙幣との間に適宜の間隔を空けて、紙幣を一枚ずつ搬送する。
【0123】
上側搬送部141は、第1搬送路411、第2搬送路412、第3搬送路413、第4搬送路414、第5搬送路415、第6搬送路416、第7搬送路417、及び、第8搬送路418を有している。
【0124】
なお、金庫筐体501を形成する上壁には、三つの搬送路が、上下方向に貫通して形成されている。これら三つの搬送路は、前後方向に並んでいる。三つの搬送路の一つは、第6搬送路416と第9搬送路421とを接続している。また別の搬送路は、第7搬送路417と第10搬送路422とを接続する。また別の搬送路は、第8搬送路418と第11搬送路420とを接続する。
【0125】
第1搬送路411は、ループ状に構成されている。搬送部140は、紙幣を、第1搬送路411に沿って、図1における時計回り方向及び反時計回り方向のそれぞれに搬送することができる。
【0126】
第2搬送路412は、入金部121と第1搬送路411とを互いに接続する。第2搬送路412は、入金部121から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。
【0127】
第3搬送路413は、出金部122と第1搬送路411とを互いに接続する。第3搬送路413は、第1搬送路411から出金部122へ向かって、紙幣を搬送する。
【0128】
第4搬送路414は、リジェクト部123と第1搬送路411とを互いに接続する。第4搬送路414は、第1搬送路411からリジェクト部123へ向かって、紙幣を搬送する。
【0129】
第5搬送路415は、一時保留部124と第1搬送路411とを互いに接続する。第5搬送路415は、第1搬送路411から一時保留部124へ向かって、紙幣を搬送すると共に、一時保留部124から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。
【0130】
第6搬送路416は、下側搬送部542と第1搬送路411とを互いに接続する。第6搬送路416は、第1搬送路411から下側搬送部542へ向かって、紙幣を搬送すると共に、下側搬送部542から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。
【0131】
第7搬送路417は、下側搬送部542と第1搬送路411とを互いに接続する。第7搬送路417は、第1搬送路411から下側搬送部542へ向かって、紙幣を搬送すると共に、下側搬送部542から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。
【0132】
下側搬送部542は、第9搬送路421、第10搬送路422、及び、第11搬送路420を有している。
【0133】
第9搬送路421は、第2下側搬送部543と、第6搬送路416とを互いに接続する。第9搬送路421は、第6搬送路416から第2下側搬送部543へ向かって、紙幣を搬送すると共に、第2下側搬送部543から第6搬送路416へ向かって、紙幣を搬送する。
【0134】
第10搬送路422は、第1収納装置531、第2収納装置532、及び第3収納装置533のそれぞれの収納部Sと、第7搬送路417とを互いに接続する。第10搬送路422は、第7搬送路417から各収納装置531~533へ向かって、紙幣を搬送すると共に、各収納装置531~533から第7搬送路417へ向かって、紙幣を搬送する。
【0135】
第11搬送路420は、第5収納装置535の第1収納部S1と第8搬送路418とを互いに接続する。第11搬送路420は、第8搬送路418から第5収納装置535へ向かって、紙幣を搬送すると共に、第5収納装置535から第8搬送路418へ向かって、紙幣を搬送する。
【0136】
第2下側搬送部543は、途中で分岐して、第4収納装置534の第2収納部S2、および、第5収納装置535の第2収納部S2に接続されている。第2下側搬送部543は、第1搬送路411から第4収納装置534の第2収納部S2へ向かって、紙幣を搬送すると共に、この第2収納部S2から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。また、第2下側搬送部543は、第1搬送路411から第5収納装置535の第2収納部S2へ向かって、紙幣を搬送すると共に、この第2収納部S2から第1搬送路411へ向かって、紙幣を搬送する。
【0137】
搬送部140の各部には、図示は省略するが、紙幣の通過を検知する通過センサが配置されている。搬送部140は、制御部14からの指令を受けると、通過センサの検知信号に基づいて、紙幣を、所定の搬送先に搬送する。また、制御部14は、識別部125の識別結果、および、通過センサの検知信号に基づいて、各収納部に収納された紙幣の記番号を取得し、記憶装置40に記番号を記憶させる。
【0138】
マンマシンインタフェース13は、貨幣処理装置10のユーザつまり貨幣処理装置10に紙幣を入金したり貨幣処理装置10から紙幣を出金したりする者が操作しやすくかつ見やすいように設置されている。具体的には、タッチパネルが前方を向くように、かつ、入金部121および出金部122よりも後方に位置するように、上部筐体120の上側に設置されている。
【0139】
制御部14は一時的情報を生成する。一時的情報を生成するための条件は、本実施形態に係る貨幣処理装置10が備える貨幣処理部11において異常が発生したことであってもよい。また、一時的情報を生成するための条件は、貨幣処理装置10が、外部のコンピュータから、一時的情報の生成要求を受け付けたことであってもよい。また、一時的情報を生成するための条件は、貨幣処理装置10が、外部のコンピュータに、異常情報を出力したことであってもよい。続いて、制御部14は、一時的情報を外部に提供するように通信部12を動作させる。その後、一時的情報を外部に提供するように動作しなかったマンマシンインタフェース13が一時的情報に対応する二次情報を受け付けると、制御部14は、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置10を移行させる。
【0140】
このとき、貨幣処理部11に紙幣が滞留している可能性がある。例えば、搬送部140内に紙幣が存在している可能性がある。貨幣処理部11に滞留している紙幣は、異常を解消する作業の障害となる可能性がある。例えば、第8搬送路418と第11搬送路420の間,第6搬送路416と第9搬送路421の間、または、第7搬送路417と第10搬送路422の間に紙幣が存在する場合、異常解消のために、上部筐体120を金庫筐体501に対してスライドさせようとすると、紙幣が破損する可能性がある。そこで、制御部14は、貨幣処理装置10が異常を解消する処理を実行するとき、貨幣処理部11で滞留していた紙幣を出金部122またはリジェクト部123に払い出すように貨幣処理部11を制御する。
【0141】
よって、貨幣処理部11で発生した異常を解消する作業者は、貨幣処理部11で滞留していた紙幣に邪魔されることなく、スムーズに異常を解消する作業を行うことができる。また、紙幣が出金部122またはリジェクト部123に払い出されるとき、貨幣処理装置10の近く、具体的には、マンマシンインタフェース13の操作をすることができる位置に、一時的情報を生成する要求を行う権限を有する者つまり所定の権限を有する者がいる。よって、払い出された紙幣を、所定の権限を有する者が安全に回収し、適切に取り扱うことができる。
【0142】
また、制御部14は、貨幣処理装置10が異常を解消する処理を実行可能な状態に移行するとき、マンマシンインタフェース13に異常を解消するためのガイダンスを表示させてもよい。ガイダンスは、文章であっても図形であってもよいし、文章と図形の組み合わせであってもよい。ガイダンスは音声を伴ってもよい。文章である場合、例えば、「扉が開いているので閉じてください。」または「出金部に紙幣が詰まっています。ユニットを開放して紙幣を除去してください。」という文章とすることができる。また、図形である場合、操作すべき箇所が示される静止画または動画とすることができる。貨幣処理部11の具体的にどの部分でどのような異常が発生しているのかによって、異常を解消するために必要な作業は異なる可能性がある。異常を解消するために具体的に何をどのような順序で行えばよいのかを、マンマシンインタフェース13が表示することで、作業者はよりスムーズに異常を解消する作業を行うことができる。
【0143】
なお、異常を解消する処理は、例えば以下のように行われてもよい。
【0144】
異常が発生すると、マンマシンインタフェース13に、ワンタイムパスワードを入力するための画面が表示される。マンマシンインタフェース13を介して正しいワンタイムパスワードが入力されると、自己解消ボタンが表示される。自己解消ボタンが押されると、制御部14は、所定の手順に従って、貨幣処理部11を動作させ、自力で異常を解消することを試みる。具体的には、搬送部140に存在する紙幣を出金部122に搬送する。一時保留部124内の紙幣も出金部122に搬送されてもよい。搬送先は出金部122以外、たとえばリジェクト部123でもよい。このときの搬送速度は、通常の紙幣処理が行われるときの搬送速度よりも遅くてもよい。搬送速度を遅くすることにより、詰まっている紙幣を詰まっている箇所から排出しやすくすること、および、搬送されている紙幣がどこかで詰まってしまうことをより確実に防止することができる。出金部122等に払い出された紙幣が取り除かれたことを検知すると、払い出し処理が完了する。続いて、貨幣処理部11の機械的構成要素、例えば、搬送部140が有する分岐機構の動作確認が実施され、貨幣処理部11が初期状態にされる。続いて、制御部14における異常状態の解消が行われる。つまり、異常コードがクリアされ、マンマシンインタフェース13の表示が通常状態の表示に戻される。このとき、貨幣処理装置10内の在高を確定させるために精査処理が続けて行われてもよい。
【0145】
制御部14が自力で異常を解消することができなかった場合、制御部14は、マンマシンインタフェース13に、作業者が行うべき操作のガイダンスを表示させる。作業者はガイダンス表示にしたがって、異常を解消する処理を手作業で実行することができる。作業者は最後にもう一度自己解消ボタンを押すことで、貨幣処理装置10に所定の手順に従った作業を行わせ、異常がすべて解消されていることを確認させる。以上の作業により、貨幣処理装置10は異常が解消された元の状態に復帰する。
【0146】
ワンタイムパスワードを入力するための画面や、異常を解消するためのガイダンスは、マンマシンインタフェース13に表示される。つまり、貨幣処理装置10と接続されているコンピュータ20は、ワンタイムパスワードを入力するための画面やガイダンスをディスプレイ21に表示させる必要がない。よって、コンピュータ20は、貨幣処理装置10で発生した異常を解消するための、貨幣処理装置10の機種ごとに異なる専用の画面表示をするためのプログラム(ユーザインタフェース)を有する必要がない。また、コンピュータ20は、貨幣処理装置10の機種ごとに異なる、貨幣処理装置10との間の異常解消のための通信のための機器およびプログラム(機器間インタフェース)を有する必要がない。すなわち、コンピュータ20を、低コストで、様々な種類の貨幣処理装置10と接続することができる。
【0147】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係る貨幣処理装置10の設置状況の一例を示す図である。本実施形態に係る貨幣処理装置10は、図9に示される紙幣リサイクラーであり、銀行に設置されている。これまでに説明された各実施形態と共通する構成、動作または効果については説明を省略することがある。
【0148】
貨幣処理装置10は、貨幣処理装置10の後方の一部がカウンターテーブル61の下方に位置するように配置されている。カウンターテーブル61の上には、コンピュータ20およびディスプレイ21が載置されている。すなわち、コンピュータ20およびディスプレイ21は、貨幣処理装置10に隣接して配置されている。ディスプレイ21は、マンマシンインタフェース13とは逆側を向くように、つまり、貨幣処理装置10の後方を向くように設置されている。換言すれば、ディスプレイ21は、マンマシンインタフェース13の操作者から表示内容が見えないように設置されている。
【0149】
コンピュータ20の操作者70は、銀行員であり、ディスプレイ21の正面に位置してコンピュータ20を操作する。
【0150】
図10に示されるシステムに、これまでに説明された各実施形態のうち、適用可能な実施形態が単独で、または組み合わせて適用される。例えば銀行の顧客が貨幣処理装置10を操作しているときに、貨幣処理部11で異常が発生したとする。すると、ディスプレイ21には、この異常を解消するために必要なワンタイムパスワードが表示される。操作者70は、ディスプレイ21に表示されたワンタイムパスワードを見て覚えた後、カウンターテーブル61を回り込むようにして、貨幣処理装置10の前方側に移動する。その後、操作者70は、覚えたワンタイムパスワードをマンマシンインタフェース13に入力する操作を行う。正しいワンタイムパスワードが入力されると、制御部14は、異常を解消する処理を実行する状態に、貨幣処理装置10を移行させる。
【0151】
ワンタイムパスワードは、一度だけ有効なパスワードつまり一時的な情報である。よって、仮に、マンマシンインタフェース13にワンタイムパスワードを入力する操作を行う際に、異常が発生する前に貨幣処理装置10を操作していた顧客に、ワンタイムパスワードを見られても、次回以降使用できないので問題は生じない。
【0152】
また、コンピュータ20は、貨幣処理装置10に隣接して設置されている。よって、コンピュータ20の操作者70は、貨幣処理装置10で異常が発生したときに、迅速に異常を解消する作業に取りかかることができる。しかも、ディスプレイ21は、マンマシンインタフェース13の操作者(顧客)から表示内容が見えないように設置されている。よって、銀行の顧客がワンタイムパスワードを見て、マンマシンインタフェース13にワンタイムパスワードを入力し、異常解消操作を行うことを防止することができる。
【0153】
(第5の実施形態)
図11は、第5の実施形態に係る貨幣処理装置10の設置状況の一例を示す図である。これまでに説明された各実施形態と共通する構成、動作または効果については説明を省略することがある。
【0154】
貨幣処理装置10は、仕切り62が存在する施設(金融店舗または流通店舗)に設置されている。仕切り62によって、施設内の空間は第1の空間と第2の空間に仕切られている。つまり、仕切り62は、第1の空間と第2の空間の間に設置されている。例えば、第1の空間は、施設の顧客が立ち入るフロントオフィスであり、第2の空間は、施設の顧客が立ち入ることが想定されていないバックオフィスである。
【0155】
第1の空間には貨幣処理装置10が設置されている。つまり、マンマシンインタフェース13は第1の空間に設置されている。また、第2の空間には、コンピュータ20およびディスプレイ21が設置されている。なお、コンピュータ20およびディスプレイ21は、机63の上に載置されている。また、仕切り62には貫通孔が形成されており、貨幣処理装置10の一部がこの貫通孔内に挿入されるとともにマンマシンインタフェース13が第1の空間に存在するように、貨幣処理装置10が配置されていてもよい。
【0156】
仕切り62は、第1の空間と第2の空間との間における人の自由な往来を制限する。つまり、施設の顧客は第1の空間に入ることはできるが、第2の空間に入ることはできない。一方、施設の従業員は、第1の空間にも第2の空間にも入ることができる。仕切り62は、例えば、施錠可能なドアが取り付けられている壁である。仕切り62は、例えば、跳ね上げることで人が通過することができる跳ね上げ部を有するカウンターテーブルである。
【0157】
第1の空間にマンマシンインタフェース13が存在し、第2の空間にディスプレイ21が存在しているので、マンマシンインタフェース13の操作者は、ディスプレイ21の表示内容を見ることができない。
【0158】
図11に示されるシステムに、これまでに説明された各実施形態のうち、適用可能な実施形態が単独で、または組み合わせて適用される。例えば施設の顧客が貨幣処理装置10を操作しているときに、貨幣処理部11で異常が発生したとする。すると、ディスプレイ21には、この異常を解消するために必要なワンタイムパスワードが表示される。施設の従業員であるコンピュータ20の操作者70は、ディスプレイ21に表示されたワンタイムパスワードを見て覚えた後、例えばドアを開けて仕切り62を通過して、貨幣処理装置10の近くに移動する。その後、操作者70は、覚えたワンタイムパスワードをマンマシンインタフェース13に入力する操作を行う。正しいワンタイムパスワードが入力されると、制御部14は、異常を解消する処理を実行する状態に、貨幣処理装置10を移行させる。
【0159】
ディスプレイ21は、マンマシンインタフェース13の操作者から表示内容が見えないように設置されている。よって、施設の顧客がワンタイムパスワードを見て、マンマシンインタフェース13にワンタイムパスワードを入力し、異常解消操作を行うことを防止することができる。
【0160】
(第6の実施形態)
図12は、第6の実施形態に係る貨幣処理装置10および貨幣処理装置10の外部に設置された情報処理装置の関係の一例を示す図である。これまでに説明された各実施形態と共通する構成、動作または効果については説明を省略することがある。
【0161】
本実施形態に係る貨幣処理装置10は、マンマシンインタフェース13が、一時的情報を外部に提供つまり表示するように構成されている。また、本実施形態に係る貨幣処理装置10は、通信部12が、二次情報を受け付けるように構成されている。
【0162】
コンピュータ20は、タブレットコンピュータおよびスマートフォン等の可搬型コンピュータである。コンピュータ20は、通信部12と情報通信可能に構成されている。コンピュータ20はディスプレイ(不図示)およびカメラ22を備えている。コンピュータ20は、例えば、貨幣処理装置10に対して貨幣処理に関する各種指示を与える貨幣処理装置10の実質的な制御装置であってもよい。貨幣処理装置10が銀行等の金融店舗に設置される貨幣リサイクラーである場合、コンピュータ20は銀行員によって操作される操作端末(いわゆるテラー端末)であってもよい。また、貨幣処理装置10が流通店舗に設置される釣銭機である場合、コンピュータ20は店員によって操作されるPOS(Point Of Sales)端末であってもよい。
【0163】
サーバ30は、上述の各実施形態にて説明されたものと同様に構成されている。
【0164】
図13は、第6の実施形態に係る貨幣処理装置10の異常解消方法の一例を示すシーケンス図である。
【0165】
貨幣処理部11で異常が発生する(S701)と、制御部14は、一時的情報を生成する(S702)。一時的情報の生成は自動的に行われてもよいし、コンピュータ20からの生成要求に応じて行われてもよい。
【0166】
制御部14は、生成した一時的情報を表示することで外部に提供するように、マンマシンインタフェース13を動作させる(S703)。一時的情報は、人が読み取れる文字情報であってもよい。また、一時的情報は、コード化されて表示されてもよい。例えば、一時的情報は、二次元コードである。一時的情報はバーコードであってもよい。
【0167】
コンピュータ20は、コンピュータ20の操作者(例えば銀行員または店員)による操作に従ってマンマシンインタフェース13に表示された二次元コードを撮影することにより、一時的情報を取得する(S704)。コンピュータ20は、取得した二次元コードを解読することにより、二次情報を生成する(S705)。
【0168】
コンピュータ20は、生成した二次情報を電子情報として、無線通信または有線通信によって通信部12に送信する。通信部12が二次情報を受信する(S706)と、制御部14は、異常を解消する処理を実行する状態に貨幣処理装置10を移行させる(S707)。コンピュータ20またはコンピュータ20で動作する通信用のアプリケーションは、貨幣処理装置10との通信を予め許可されたものに限られる。または、コンピュータ20を操作できる操作者は、予め許可された、権限を有する者に限られる。または、コンピュータ20で動作する通信用のアプリケーションを起動できる操作者は、予め許可された、権限を有する者に限られる。
【0169】
本実施形態に係る貨幣処理装置10は以上のように構成されており、また、貨幣処理装置10で生じた異常の解消方法は以上のように行われる。すなわち、異常を解消するためには、貨幣処理装置10の外部にあるコンピュータ20によって、マンマシンインタフェース13に表示された一時的情報を撮影し、取得した一時的情報を通信部12に送信する必要がある。ここで、コンピュータ20または操作者は予め許可された者に限られるので、コンピュータ20の操作者だけが異常を解消するための操作を行うことができる。よって、貨幣処理装置10で異常が発生したときに、何ら権限を有さない者が、貨幣処理装置10の異常を解消する操作を行うことで不都合が生じることを防ぐことができる。何ら権限を有さない者として、貨幣処理装置10が設置されている施設の顧客、および、コンピュータ20の操作権限を有さない施設の従業員(例えば銀行員または店員)を例示することができる。マンマシンインタフェース13に表示される一時的情報をコード化された情報とする場合は、一時的情報が権限を有さない者に知られることを防止できるので、より確実に、コンピュータ20の操作者だけが異常を解消するための操作を行うことができるようになる。
【0170】
(変形例)
本開示に係る貨幣処理装置、貨幣処理装置の異常解消方法およびコンピュータプログラムは、上述の各実施形態に限られないことは言うまでも無い。各実施形態で詳細に説明された事項の様々な組み合わせも本開示の技術的範囲に含まれる。
【0171】
例えば、可搬型のコンピュータ20が貨幣処理装置10に接続される場合において、コンピュータ20から一時的情報の生成要求を通信部12が受信した後、マンマシンインタフェース13は一時的情報を表示しても良い。
【0172】
また、コンピュータ20またはコンピュータ20が実行するアプリケーションが、一時的情報の生成要求を送信する権限を有するか否かの判断が行われる場合に、貨幣処理部11で異常が発生したことを知らせる異常情報がコンピュータ20に送信されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本開示は、流通、金融その他各種産業分野で使用される貨幣処理装置およびその異常解除方法として、あるいはそのために用いられるコンピュータプログラムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0174】
10 貨幣処理装置
11 貨幣処理部
12 通信部
13 マンマシンインタフェース
14 制御部
20 コンピュータ
21 ディスプレイ
22 カメラ
30 サーバ
40 記憶装置
100 処理部
120 上部筐体
121 入金部
122 出金部
123 リジェクト部
124 一時保留部
125 識別部
140 搬送部
141 上側搬送部
211 入金口
221 出金口
231 第2出金口
411 第1搬送路
412 第2搬送路
413 第3搬送路
414 第4搬送路
415 第5搬送路
416 第6搬送路
417 第7搬送路
418 第8搬送路
420 第11搬送路
421 第9搬送路
422 第10搬送路
500 金庫部
501 金庫筐体
531 第1収納装置
532 第2収納装置
533 第3収納装置
534 第4収納装置
535 第5収納装置
542 下側搬送部
543 第2下側搬送部
61 カウンターテーブル
62 仕切り
63 机
70 操作者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13