(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 74/02 20090101AFI20240822BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20240822BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240822BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240822BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240822BHJP
【FI】
H04W74/02
H04W28/06 110
H04W72/0453
H04W72/232
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2023129890
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2022033513の分割
【原出願日】2017-08-21
【審査請求日】2023-08-09
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2016245567
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】チトラカール ロジャン
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】吉井 勇
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0227579(US,A1)
【文献】Robert Stacey (Intel),Proposed draft specification,IEEE 802.11-16/0024r0,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/16/11-16-0024-00-00ax-proposed-draft-specification.docx>,2016年01月15日,41,42頁
【文献】Joonsuk Kim,20MHz HE devices,IEEE 802.11-16/0907r2,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/16/11-16-0907-02-00ax-20mhz-he-devices.pptx>,2016年07月25日
【文献】Chittabrata Ghosh,UL OFDMA-based Random Access Procedure,IEEE 802.11-15/1105r0,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/15/11-15-1105-00-00ax-ul-ofdma-based-random-access-procedure.pptx>,2015年09月14日
【文献】Evgeny Khorov,Random Access RU Allocation in the Trigger Frame,IEEE 802.11-16/0582r3,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/16/11-16-0582-03-00ax-random-access-ru-allocation-in-the-trigger-frame.pptx>,2016年05月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20MHz動作局である通信装置のための集積回路であり
ランダムアクセスのためにリソースユニット(RU)を割り当てるトリガフレームを受信する、処理と、
OFDMAバックオフ(OBO)カウンタが前記トリガフレームにおけるランダムアクセスのための前記20MHz動作局が利用可能なRUの数以下であるときに、前記OBOカウンタをゼロにデクリメントする、処理と、
前記トリガフレームに対する応答信号を送信する、処理と、を制御する、
集積回路。
【請求項2】
OFDMAコンテンションウィンドウ(OCW)最小値(OCWmin)を示す第1のフィールドおよびOCW最大値(OCWmax)を示す第2のフィールドを含むランダムアクセスパラメータエレメントを含む別のフレームを受信する、処理を制御する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記ランダムアクセスのための前記20MHz動作局が利用可能なRUは、前記通信装置が前記応答信号を送信することができるランダムアクセスRUである、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記OCWminおよび前記OCWmaxの範囲内のOCW値を設定する、処理と、
前記OBOカウンタを、0および前記OCW値の範囲内の整数値に初期化する、処理と、を制御する、請求項2に記載の集積回路。
【請求項5】
前記通信装置は、プライマリ20MHzチャネル帯域幅において動作する局装置であり、
前記ランダムアクセスのための前記20MHz動作局が利用可能なRUは、前記プライマリ20MHzチャネル帯域幅内で前記局装置の使用が制限されていないRUである、請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記通信装置は、20MHzチャネル帯域幅において動作する20MHz限定非アクセスポイント局装置である、請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記トリガフレームは、共通情報フィールド、および、複数のユーザ情報フィールドを含み、前記複数のユーザ情報フィールドの各々は、識別子サブフィールド、および、前記識別子サブフィールドによって識別される局装置によってアップリンクデータ送信に使用されるRUを示すRU配分サブフィールドを含む、請求項1に記載の集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE(米国電気電子技術者協会)802.11ワーキンググループは、高密度状況においてユーザが実世界で獲得するスループットを非常に大幅に増大させることを達成するために、802.11ax HE(高効率)WLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)エアインターフェースを開発している。OFDMA(直交周波数分割多元接続)マルチユーザ送信が、802.11axにおいて最も重要な特徴の1つとして計画されている。OFDMAは、OFDM(直交周波数分割多重化)システムの時間および周波数リソースを介して複数のユーザへのおよび複数のユーザからのデータストリームの複数の操作を実施する多元接続方式である。
【0003】
802.11axにおいてOFDMAマルチユーザ送信のために周波数スケジューリングを実施するための研究が進行中である。周波数スケジューリングは、一般的に、RU(リソースユニット)に基づいて実施される。RUは、複数の連続的なサブキャリアを含む。周波数スケジューリングによれば、無線通信アクセスポイント装置(以降、単に「アクセスポイント」または「AP」)が、RUを、複数の無線通信局装置(以降、単に「端末局」または「STA」)に、STAの周波数帯域の受信品質に基づいて適応的に割り当てる。これによって、最大のマルチユーザダイバーシティ効果を得、通信を非常に効率的に実施することが可能である。
【0004】
しかしながら、アップリンク(UL)マルチユーザOFDMA送信には、一定の条件が課されている。例えば、ULマルチユーザOFDMA送信に関与するすべてのSTAは、それらの送信を、同じ時点において開始し、また同じ時点において終了するように同期する必要がある。802.11axにおいて、これは、トリガフレームと呼ばれる特別な制御フレームを送信するAPによって達成される。トリガフレームは、ULマルチユーザ送信に関与し得るSTAの各々の識別情報、送信持続時間、各STAに対するRU配分、および、他の有用な情報のような情報を搬送する。トリガフレームにおいて示されるSTAは、例えば、SIFS(短フレーム間間隔、トリガフレームの終わりから)などの固定時間間隔後に、それらのそれぞれ配分されているRU上でそれらのそれぞれのフレームを送信する。この構成は、APが、バッファステータスおよびSTA動作状態などのような、ULマルチユーザ送信に関与するSTAに関する十分な情報を有する場合に、良好に機能する。しかし、APが、RU配分を効率的に実施するのに十分な、STAに関する情報を有し得ない場合がある。そのような場合、RUをSTAに配分し、STAが、それらの実際の必要性に基づいてRUを求めて競合するようにすることが有益である。そのような必要性を満たすために、UL OFDMAベースランダムアクセス(UORA)メカニズムが、802.11axにおいて導入されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】IEEE802.11-15/0132r17, Specification Framework for TGax, May 2016
【文献】IEEE802.11-16/0024r1, Proposed TGax draft specification, March 2016
【文献】IEEE802.11-15/1105r0, UL OFDMA-based Random Access Method, September 2015
【文献】IEEE 802.11-15/1137r1, Triggered OFDMA Random Access Observations, September 2015
【文献】IEEE 802.11-16/0780r1, CIDs for: Section 9.3.1.23 Trigger Frame Format, April 2016
【文献】IEEE 802.11-16/0806r0, HE Variant HT Control - Buffer Status Report, July 2016
【文献】IEEE 802.11-15/1107r0, Power Save with Random Access, September 2015
【文献】IEEE 802.11-16/0907r3, 20MHz-only Device in 11ax, July 2016
【文献】IEEE 802.11-16/0906r0, RU Restriction of 20MHz Operating Devices in OFDMA, July 2016
【文献】IEEE 802.11-16/1162r3, Comment Resolution on Retransmission of OFDMA Random Access, September 2016
【文献】IEEE 802.11-16/1158r0, Comment resolution on OFDMA Random access method, September 2016
【文献】IEEE 802.11-16/1222r1, Resolution for CIDs on UL OFDMA-based Random Access, September 2016
【文献】IEEE 802.11-16/1516r1, Random Access CIDs, November 2016
【文献】IEEE 802.11-16/1458r0, Resolution for CIDs on Power Save with UL OFDMA-based Random Access, November 2016
【文献】IEEE 802.11-16/1477r2, CC23 Proposed Resolution (Update for) TWT Element, November 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
802.11axにおいて、40、80、80+80または160MHz OFDMA動作におけるいくつかのRUは、20MHz動作STAのために使用されないように制限されている。現在、APによるトリガフレームにおけるランダムアクセスのためにRUがどのように割り当てられるかに関する規則は存在しない。いくつかの事例において、20MHz動作STAにとって使用可能な、トリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUは割り当てられず、したがって、20MHz動作STAは、ランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに、UORAメカニズムを有するAPに達する機会を得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの非限定的な例示的実施形態は、20MHz動作STAが、UORAメカニズムを有するAPに達する機会を得ることを可能にすることを促進することができる通信装置を提供する。
【0008】
1つの一般的な態様において、本明細書において開示される技法は、ランダムアクセスのためにリソースユニット(RU)を配分するためのトリガフレーム、ならびに、OFDMAコンテンションウィンドウ(OCW)最小値(OCWmin)を示す第1のフィールドおよびOCW最大値(OCWmax)を示す第2のフィールドを含むランダムアクセスパラメータエレメントを含む別のフレームを受信する受信部と、OCWminおよびOCWmaxを用いてアップリンクOFDMAベースランダムアクセス(UORA)手順を制御する制御回路とを備える、通信装置を特徴とする。
【0009】
これらの一般的な態様および特定の態様は、デバイス、システム、方法、およびコンピュータプログラム、ならびに、デバイス、システム、方法、およびコンピュータプログラムの任意の組み合わせを使用して実装することができる。
【0010】
本開示に記載されている装置および方法を利用することによって、20MHz動作STAが、UORAメカニズムを有するAPに達する機会を得ることができる。
【0011】
開示されている実施形態の追加の恩恵および利点が、本明細書および図面から明らかとなろう。恩恵および/または利点は、本明細書および図面の様々な実施形態および特徴によって個々に得ることができ、そのような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るためにすべてが与えられる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】マルチユーザワイヤレス通信システムを示す図である。
【
図2】STAによって動作させられる例示的なUL OFDMAベースランダムアクセス方法を示す流れ図である。
【
図3】UL OFDMAベースランダムアクセスに関係付けられる例示的なマルチユーザフレーム交換を示す図である。
【
図4】トリガフレームの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図5】本開示の第1の実施形態に係る、20MHz動作STAによって動作させられる第1の例示的なUL OFDMAベースランダムアクセス方法を示す流れ図である。
【
図6】本開示の第1の実施形態に係る、非20MHz動作STAによって動作させられる例示的なUL OFDMAベースランダムアクセス方法を示す流れ図である。
【
図7】本開示の第1の実施形態に係る、UL OFDMAベースランダムアクセスに関係付けられる第1の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す図である。
【
図8】本開示の第1の実施形態に係る、20MHz動作STAによって動作させられる第2の例示的なUL OFDMAベースランダムアクセス方法を示す流れ図である。
【
図9】本開示の第1の実施形態に係る、UL OFDMAベースランダムアクセスに関係付けられる第2の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す図である。
【
図10】本開示の第1の実施形態に係る、トリガフレームの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図11】本開示の第1の実施形態に係る、UL OFDMAベースランダムアクセスパラメータエレメントの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図12】本開示の第2の実施形態に係る、非20MHz動作STAによって動作させられる第1の例示的なUL OFDMAベースランダムアクセス方法を示す流れ図である。
【
図13】本開示の第2の実施形態に係る、UL OFDMAベースランダムアクセスに関係付けられる第1の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す図である。
【
図14】本開示の第2の実施形態に係る、非20MHz動作STAによって動作させられる第2の例示的なUL OFDMAベースランダムアクセス方法を示す流れ図である。
【
図15】本開示の第2の実施形態に係る、UL OFDMAベースランダムアクセスに関係付けられる第2の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す図である。
【
図16】本開示の第2の実施形態に係る、トリガフレームの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図17】TWTエレメントの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図18】本開示の第3の実施形態に係る、TWTエレメントの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図19A】本開示に係る例示的なSTAの単純なブロック図である。
【
図19B】本開示に係る例示的なSTAの詳細なブロック図である。
【
図20A】本開示に係る例示的なAPの単純なブロック図である。
【
図20B】本開示に係る例示的なAPの詳細なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は以下の図面および説明を参照することによって、よりよく理解することができる。本明細書に記載されている実施形態は、本質的に例示に過ぎず、本開示の可能な応用形態および用途のいくつかを説明するために使用され、本明細書に明示的に記載されていない代替的な実施形態に関して本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0014】
任意のワイヤレス通信システムにおいて、多種多様なデバイスがワイヤレスネットワークの一部になり得、各デバイスは、トラフィック需要、デバイス機能、電源タイプなどに関して異なる。一部のクラスのデバイスは、帯域幅要件が高く、待ち時間または送信成功率などに関してQoS(サービス品質)要件が高い場合がある。しかし、それらは主電源を得られるかまたは大容量バッテリを有することができるため、電力消費についてはあまり懸念されない場合がある(例えば、ラップトップコンピュータ)。別のクラスのデバイスは、帯域幅要件があまり高くなく、また、QoS要件もそれほど厳密でない場合があるが、電力消費については相対的により懸念される場合がある(例えば、携帯電話)。また別のクラスのデバイスは、帯域幅要件が低いとともに、デューティサイクルが非常に低い場合があるが、バッテリが極端に小型であるか、または、平均寿命が極端に長いことに起因して、電力消費に非常に敏感である場合がある(例えば、遠隔検知のためのセンサ)。
【0015】
多くのワイヤレス通信システムにおいて、ワイヤレスネットワークカバレージエリア、ワイヤレス周波数チャネル、デバイス受入方針、他の隣接するワイヤレスネットワークとの協調などを決定し、また、バックエンドインフラストラクチャネットワークに対するゲートウェイとしても通常機能する1つまたは複数の中央コントローラが存在する。中央コントローラの例は、セルラワイヤレスネットワーク内の基地局もしくはeNBまたはWLAN内のAPである。
【0016】
本開示において記載されている技法は、多くのワイヤレス通信システムに適用することができるが、例示のために、本開示における記載の残りの部分は、IEEE802.11WLANシステムおよびその関連する用語に関して説明される。これは、代替的なワイヤレス通信システムに関して本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。IEEE802.11ベースWLANにおいて、ネットワークの大部分はインフラストラクチャモードにおいて動作する。すなわち、ネットワーク内のトラフィックのすべてまたはほとんどが、APを経由する必要がある。そのため、WLANに参加することを所望する任意のSTAは、最初に、関連付けおよび認証と呼ばれるプロセスを通じてAPとネットワークメンバーシップについて交渉しなければならない。
【0017】
図1は、AP110および複数のSTAを含む例示的なワイヤレスネットワーク100を示す。STA2 124およびSTA6 134は、帯域幅が高く、QoS要件が高い可能性があり、相対的に電力節約に対する要件が低いデバイスクラスを表し、これらは20、40、80、80+80または160MHzのチャネル幅で動作することが可能であり得る。STA1 122およびSTA4 132は、同じく帯域幅が高く、QoS要件が高い可能性があり得るが、相対的に電力節約に対する懸念が高い別のデバイスクラスを表し、これらは20、40または80MHzのチャネル幅で動作することが可能であり得る。他方の極端な事例において、STA3 126およびSTA5 136は、帯域幅要件が低いものであり得るが、電力消費に非常に敏感であり得る別のクラスのデバイスを表し、これらは20MHzチャネル幅でしか動作することができないものであり得る。このデバイスクラスのSTAは、「20MHz動作STA」または「20MHz限定STA」と呼ばれる場合がある。20MHz動作STA(例えば、STA3 126およびSTA5 136)はプライマリ20MHzチャネルにおいてのみ動作することに留意されたい。言い換えれば、プライマリ20MHzチャネル内に位置しないRUは、20MHz動作STAによって使用することができない。加えて、非20MHz動作STA(例えば、STA1 122、STA2 124、STA4 132およびSTA6 134)は、電力節約を目的としていわゆる動作モード指示手順によって、それらの動作チャネル幅を20MHzまで低減することができる。
【0018】
20MHz帯域幅におけるRUトーンマッピングは、40、80、80+80または160MHz帯域幅におけるRUトーンマッピングと位置整合されない。RU位置の不整合に起因して、一部のRUは、20MHz動作STAが40、80、80+80または160MHzダウンリンク(DL)またはUL OFDMA動作に携わるときに、多大な性能ペナルティまたは隣接するRUに対する干渉を引き起こす可能性がある。スループットおよび相互運用性を改善するために、40、80、80+80または160MHz OFDMA動作におけるいくつかのRUは、20MHz動作STAのために使用されないように制限されている。より詳細には、40MHz DLまたはUL OFDMA動作に関して、18個のうち2個(すなわち、5%)の26トーンRUが、20MHz動作STAに使用されないように制限されるべきである。80MHz DLまたはUL OFDMA動作に関して、37個のうち7個(すなわち、19%)の26トーンRU、16個のうち2個(すなわち、12.5%)の52トーンRU、8個のうち2個(すなわち、25%)の106トーンRUは、20MHz動作STAに配分されるべきでない。80+80または160MHz DLまたはUL OFDMA動作に関して、74個のうち14個(すなわち、19%)の26トーンRU、32個のうち4個(すなわち、12.5%)の52トーンRU、16個のうち4個(すなわち、25%)の106トーンRUは、20MHz動作STAに配分されるべきでない。さらに、242トーンRUは、40、80、80+80または160MHz UL OFDMA動作において20MHz動作STAに配分されるべきではない。明らかなように、40、80、80+80または160MHz OFDMA動作において20MHz動作STAに使用されないように制限されるRUの数は重要ではない。
【0019】
<UL OFDMAベースランダムアクセス>
UORAは、STAが、要請するトリガフレームにおけるAP110によるランダムアクセスのために割り当てられるRUをランダムに選択するためのメカニズムである。UORAメカニズムを使用するSTAは、OFDMAバックオフ(OBO)カウンタと称される内部カウンタを維持する。OFDMAコンテンションウィンドウ(OCW)は、OCWminの初期値およびOCWmaxの上限を有する整数である。AP110は、STAに、UORA動作のOCWminおよびOCWmaxの値を報告する。
【0020】
図2は、STAによって動作させられる例示的なUORA方法200を示す。UORA方法200は、STAが、AP110からランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに開始する。例示的なUORA方法の詳細は後述する。
【0021】
図4は、共通情報(Common Info)フィールド410および1つまたは複数のユーザ情報(User Info)フィールド420を含む、トリガフレーム400の例示的なフォーマットを示す。共通情報フィールド410は、トリガタイプ(Trigger Type)サブフィールド412、カスケード指示(Cascade Indication)サブフィールド414および任意選択のトリガ依存共通情報(Trigger Dependent Common Info)サブフィールド416を含む。トリガタイプサブフィールド412は、例えば、基本トリガ(basic Trigger)、ビームフォーミング報告ポールトリガ(beamforming report poll Trigger)、BSRP(バッファステータス報告ポール)トリガまたはランダムアクセストリガなどの、トリガフレーム400のタイプを示す。ランダムアクセストリガフレームは、単一のユーザ情報フィールド420を含むことに留意されたい。AP110は、ランダムアクセスのための1つまたは複数のRUを含む、基本トリガフレーム、ランダムアクセストリガフレームまたはBSRPトリガフレームを送信することができる。カスケード指示サブフィールド414が1である場合、後続のトリガフレームがトリガフレーム400に続く。そうでない場合、カスケード指示サブフィールド414は0である。ユーザ情報フィールド420は、AID12サブフィールド422、RU配分サブフィールド424およびSS配分サブフィールド426を含む。AID12サブフィールド422は、ユーザ情報フィールド420が意図されるSTAのAID(アソシエーション識別子)の下位12ビットを搬送する。AID12サブフィールド422が0である場合、これは、ユーザ情報フィールド420がランダムアクセスのためのRUを識別することを示す。RU配分サブフィールド424は、トリガベースPPDU(物理レイヤプロトコルデータユニット)を送信するためにAID12サブフィールド422によって識別されるSTAに配分されるRUを示す。ランダムアクセストリガフレームを除いて、ユーザ情報フィールド420のSS配分サブフィールド426は、AID12サブフィールド422によって識別されるSTAのトリガベースPPDU応答の空間ストリームを示す。ランダムアクセストリガフレームについて、ユーザ情報フィールド420のSS配分サブフィールド426は、RU配分サブフィールド424において示されるRUから開始するランダムアクセスに使用される連続するRUの数を示し、各RUはRU配分サブフィールド424に示されるサイズと同じサイズを有する。
【0022】
図2に戻って参照すると、ステップ202において、STAは、そのUL送信が、最初のトリガベースPPDU送信である、または、成功したトリガベースPPDU送信に後続するものであるか否かを判定する。そのUL送信が最初のトリガベースPPDU送信である、または、成功したトリガベースPPDU送信に後続するものである場合、ステップ204において、STAは、OCWの値をOCWminに設定する。そうでない場合、ステップ206において、STAは引き続き、そのUL送信が不首尾なトリガベースPPDU送信の再送信であるか否かをチェックする。そのUL送信が不首尾なトリガベースPPDU送信の再送信である場合、UORA方法200はステップ210に進む。そうでない場合、UORA方法200はステップ212にジャンプする。
【0023】
ステップ210において、STAは、そのOBOカウンタをゼロおよびOCWの範囲内のランダム値に初期化し、UORA方法200はステップ214に進む。ステップ212において、STAは、そのOBOカウンタがゼロに等しいか否かを判定する。そのOBOカウンタがゼロに等しい場合、これは、STAがコンテンションに勝利し、前回受信されたトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUのうちの1つを選択したが、ビジーであると考えられ、前回選択されたそのRUにおいてトリガベースPPDUを送信しなかったことを意味し、UORA方法200はステップ222に進む。そのOBOカウンタがゼロに等しくない場合、これは、STAが、前回受信されたトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUにアクセスするためのコンテンションに勝利しなかったことを意味し、UORA方法200はステップ214に進む。
【0024】
ステップ214において、STAは、そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの数よりも小さいか否かをチェックする。そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの数よりも小さい場合、ステップ216において、STAは、そのOBOカウンタをゼロにデクリメントする。すなわち、STAは、ランダムアクセスコンテンションに勝利し、UORA方法200はステップ222にジャンプする。そうでない場合、ステップ218において、STAは、そのOBOカウンタを、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの数だけデクリメントする。そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの数と同じであるとき、STAは実際には、そのOBOカウンタをゼロにデクリメントすることに留意されたい。ステップ220において、STAは、そのOBOカウンタがゼロに等しいか否かを判定する。そのOBOカウンタがゼロに等しい場合、STAは、ランダムアクセスコンテンションに勝利し、UORA方法200はステップ222に進む。そうでない場合、UORA方法200は単に停止する。
【0025】
ステップ222において、STAは、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの1つをランダムに選択する。ステップ224において、STAは、選択されているRUが、物理的および仮想的の両方のキャリア検知の結果としてアイドルであるか否かをチェックする。選択されているRUがアイドルである場合、ステップ226において、STAは、選択されているRUにおいてトリガベースPPDUを送信する。そうでない場合、UORA方法200は単に停止する。
【0026】
ステップ228において、STAは、選択されているRUにおいてトリガベースPPDUの送信に成功したか否かを判定する。選択されているRUにおいて送信されるトリガベースPPDUが即時の応答を要請し、予測される応答が受信されない場合、送信は不首尾であると考えられ、UORA方法200はステップ230に進む。そうでない場合、送信は成功したと考えられ、UORA方法200は単に停止する。選択されているRUにおいて送信されるトリガベースPPDUが即時の応答を要請しない場合も、送信は成功したと考えられる。ステップ230において、STAは、OCWの値を、{OCWの現在の値の2倍および1の和}および{OCWmaxの値}の最小値に設定し、その後、UORA方法200は単に停止する。
【0027】
図3は、
図2に示す例示的なUORA方法200を使用するSTAを含む例示的なマルチユーザフレーム交換を示す。3つのSTA(例えば、
図1のSTA1 122、STA2 124およびSTA3 126)が、UORA方法200を使用したUL送信を求めて競合する。STA1 122、STA2 124およびSTA3 126は、AP110からトリガフレーム310を受信すると、UORA方法200を開始する。トリガフレーム310は、すべてのSTAにとって利用可能である、ランダムアクセスのための3つのRU(すなわち、AIDがゼロに設定されているRU1、RU2およびRU3)を含む。STA1 122、STA2 124およびSTA3 126の各々のUL送信は、最初のトリガベースPPDU送信であるか、または、成功したトリガベースPPDU送信に続くものであり、STA1 122、STA2 124およびSTA3 126のOBOカウンタが、それぞれ11、5および3に初期化されると仮定する。受信されているトリガフレーム310におけるランダムアクセスのためのRUの数は3であるため、STA1 122、STA2 124およびSTA3 126のOBOカウンタはそれぞれ8、2および0になる。最終的に、そのOBOカウンタが0であるSTA3 126がコンテンションに勝利し、アイドルであると考えられるRU3をランダムに選択し、トリガフレーム310を受信した後に、RU3 SIFSにおいてトリガベースPPDU320を送信する。STA3 126が、トリガベースPPDU320を送信した後、所定の期間内にAP110から確認応答フレーム330を受信した場合、トリガベースPPDU320の送信は成功である。そうでない場合、トリガベースPPDU320の送信は不首尾である。
【0028】
UORAは、AP110の自由裁量によって任意の時点においてスケジュールすることができるが、最も可能性の高い使用シナリオは、AP110が、AP110と通信することが不可能である、関連付けられていないSTAの存在について知らない時点である。特に、AP110は、関連付けられていない20MHz動作STAの存在を知らない場合がある。トリガフレームにおけるランダムアクセスのためにAP110によってRUがどのように割り当てられるかに関する規則は現在存在しないことに留意されたい。場合によっては、トリガフレームにおけるランダムアクセスのためにAP110によって割り当てられるRUは、20MHz動作STAにとって利用可能でない。言い換えれば、トリガフレームにおけるランダムアクセスのために割り当てられるRUで、プライマリ20MHzチャネル内かつ20MHz動作STAの使用が制限されていないものが一つもない。この場合、20MHz動作STAは、ランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときにUORA方法200によってAP110に達する機会を得ることができない。
【0029】
次に、本開示によれば、UORAのための装置および方法の様々な実施形態が、さらに詳細に説明される。
【0030】
<第1の実施形態>
本開示の第1の実施形態によれば、AP110によって動作させられる第1の例示的なUORA方法は、AP110によって送信されるランダムアクセスのためのN個ごとに1つのトリガフレームが、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含むものである。ここで、Nは正の整数である。言い換えれば、ランダムアクセスのためのN個ごとに1つのトリガフレームが、プライマリ20MHzチャネル内にあり、かつ、20MHz動作STAの使用が制限されていない、ランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含む。
【0031】
本開示の第1の実施形態によれば、AP110によって動作させられる第2の例示的なUORA方法は、所定の期間(例えば、1つのビーコン間隔)内に、AP110が、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを各々が含むランダムアクセスのための1つまたは複数のトリガフレームを送信するものである。
【0032】
本開示の第1の実施形態によれば、20MHz動作STAは、ランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときにUORAメカニズムによってAP110に達する機会を与えられる。
【0033】
図5は、本開示の第1の実施形態に係る、20MHz動作STAによって動作させられる第1の例示的なUORA方法500を示す。UORA方法500は、20MHz動作STAが、AP110からランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに開始する。ステップ502において、20MHz動作STAが、そのUL送信が、最初のトリガベースPPDU送信であるか、または、成功したトリガベースPPDU送信に後続するか、または、それ以上の再送信が試行されない不首尾なトリガベースPPDU送信に後続するかを判定する。そのUL送信が、最初のトリガベースPPDU送信である、または、成功したトリガベースPPDU送信に後続する、または、それ以上の再送信が試行されない不首尾なトリガベースPPDU送信に後続する場合、ステップ504において、20MHz動作STAは、OCWの値をOCWminに設定し、RAR(ランダムアクセス再試行)カウンタをゼロに設定し、RARカウンタは、STAによって維持される内部カウンタであり、失敗したトリガベースPPDU送信の再送信試行の経過を追跡することを目的とする。そうでない場合、ステップ506において、20MHz動作STAは引き続き、そのUL送信が不首尾なトリガベースPPDU送信の再送信であるか否かをチェックする。そのUL送信が不首尾なトリガベースPPDU送信の再送信である場合、UORA方法500はステップ510に進む。そうでない場合、UORA方法500はステップ512にジャンプする。
【0034】
ステップ510において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタをゼロおよびOCWの範囲内のランダム値に初期化し、UORA方法500はステップ514に進む。ステップ512において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタがゼロに等しいか否かを判定する。そのOBOカウンタがゼロに等しい場合、これは、20MHz動作STAがコンテンションに勝利し、前回受信されたトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUのうちの1つを選択したが、前回選択されたRUを含む1つまたは複数の20MHzチャネルがビジーであると考えられたため、前回選択されたRUにおいてトリガベースPPDUを送信しなかったことを意味し、UORA方法500はステップ521に進む。そのOBOカウンタがゼロに等しくない場合、これは、20MHz動作STAが、前回受信されたトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUにアクセスするためのコンテンションに勝利しなかったことを意味し、UORA方法500はステップ514に進む。
【0035】
ステップ514において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの数以下であるか否かをチェックする。そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの数以下である場合、ステップ516において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタをゼロにデクリメントする。これは、20MHz動作STAが、ランダムアクセスコンテンションに勝利することを意味し、UORA方法500はステップ521にジャンプする。そうでない場合、ステップ518において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタを、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの数だけデクリメントし、その後、UORA方法500は単に停止する。UORA方法500に必要なステップは、UORA方法200よりも1つ少ないため、UORA方法500のステップ514~ステップ518は、UORA方法200のステップ214~ステップ220よりも効率的に、ランダムアクセスコンテンションを実施することに留意されたい。
【0036】
ステップ521において、20MHz動作STAは、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、受信されているトリガフレーム内に存在するか否かを判定する。ランダムアクセスのためのすべてのトリガフレームが20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含む場合、ステップ521はスキップすることができる。20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、受信されているトリガフレーム内に存在する場合、UORA方法500はステップ522に進む。そうでない場合、UORA方法500は単に停止する。
【0037】
ステップ522において、20MHz動作STAは、受信されているトリガフレーム内の、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUのうちの1つをランダムに選択する。ステップ524において、20MHz動作STAは、選択されているRUを含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々が、物理的および仮想的の両方のキャリア検知の結果としてアイドルであるか否かをチェックする。選択されているRUを含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々がアイドルである場合、ステップ526において、20MHz動作STAは、選択されているRUにおいてトリガベースPPDUを送信する。そうでない場合、UORA方法500は単に停止する。20MHz動作STAが、1つまたは複数の20MHzチャネルのCCA(クリアチャネル評価)をチェックすることは、RUよりも実際的であるため、UORA方法500のステップ524は、UORA方法200のステップ224とは異なることに留意されたい。
【0038】
ステップ528において、20MHz動作STAは、選択されているRUにおいてトリガベースPPDUの送信に成功したか否かを判定する。選択されているRUにおいて送信されるトリガベースPPDUが即時の応答を要請し、予測される応答が受信されない場合、送信は不首尾であると考えられ、UORA方法500はステップ530に進む。そうでない場合、送信は成功したと考えられ、UORA方法500は単に停止する。選択されているRUにおいて送信されるトリガベースPPDUが即時の応答を要請しない場合も、送信は成功したと考えられる。ステップ530において、20MHz動作STAは、RARカウンタを1だけインクリメントし、OCWの値を、OCWの現在の値に2を乗算して1を加算した値、および、OCWmax、の最小値に設定する。ステップ532において、20MHz動作STAは、RARカウンタが、ランダムアクセス再送信試行の最大数を示す、RARetryLimitと称される閾値よりも大きいか否かを判定する。RARカウンタが閾値RARetryLimit以下である場合、UORA方法500は単に停止する。そうでない場合、20MHz動作STAは、ステップ534においてそれ以上再送信試行がなされないと判定し、その後、UORA方法500は単に停止する。
【0039】
第1の例示的なUORA方法500は20MHz動作STAがRARカウンタを維持することを必要とし、これによって、20MHz動作STAが、そのUL送信が、それ以上再送信試行がなされない不首尾なトリガベースPPDU送信に後続する場合に、OCWをOCWminにリセットすることを可能にするという点において、第1の例示的なUORA方法500は例示的なUORA方法200とは異なることに留意されたい。これによって、2回の連続する再送信試行の失敗後にランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに、20MHz動作STAがランダムアクセスコンテンションに勝利し、ランダムに選択されているRUにおけるトリガベースPPDUの送信に成功する可能性を増大させることができる。
【0040】
図6は、本開示の第1の実施形態に係る、非20MHz動作STAによって動作させられる例示的なUORA方法600を示す。UORA方法600は、非20MHz動作STAが、AP110からランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに開始する。ステップ602~ステップ618はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ502~518と同じである。
【0041】
ステップ622において、非20MHz動作STAは、受信されているトリガフレームにおけるランダムアクセスのためのRUの1つをランダムに選択する。ステップ624~ステップ634はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ524~534と同じである。
【0042】
図5の例示的なUORA方法500と同様に、例示的なUORA方法600は非20MHz動作STAがRARカウンタを維持することを必要とし、これによって、非20MHz動作STAが、そのUL送信が、それ以上再送信試行がなされない不首尾なトリガベースPPDU送信に後続する場合に、OCWをOCWminにリセットすることを可能にするという点において、例示的なUORA方法600は例示的なUORA方法200とは異なることに留意されたい。これによって、2回の連続する再送信試行の失敗後にランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに、20MHz動作STAがランダムアクセスコンテンションに勝利し、ランダムに選択されているRUにおけるトリガベースPPDUの送信に成功する可能性を増大させることができる。
【0043】
図7は、本開示の第1の実施形態に係る、UORAに関係付けられる第1の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す。STA1およびSTA2は非20MHz動作STAであり、UORA方法600を使用してUL送信を求めて競合し、一方、STA3は20MHz動作STAであり、UORA方法500を使用してUL送信を求めて競合する。APからランダムアクセスのための3つのRU(すなわち、AIDがゼロに設定されているRU1、RU2およびRU3)を含むトリガフレーム750を受信すると、STA1およびSTA2はUORA方法600を開始し、STA3はUORA方法500を開始する。ここで、RU1は20MHz動作STAにとって利用可能でない。STA1、STA2およびSTA3の各々のUL送信は、最初のトリガベースPPDU送信であるか、または、成功したトリガベースPPDU送信に続くものであり、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタが、それぞれ11、5および3に初期化されると仮定する。受信されているトリガフレーム750におけるランダムアクセスのためのRUの数は3であるため、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタはそれぞれ8、2および0になる。最終的に、そのOBOカウンタが0であるSTA3がランダムアクセスコンテンションに勝利し、20MHz動作STAにとって利用可能であるRU3をランダムに選択する。RU3を含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々がアイドルであると考えられる場合、STA3は、トリガフレーム750を受信した後に、RU3 SIFSにおいてトリガベースPPDU760を送信する。STA3が、トリガベースPPDU760を送信した後、所定の期間内にAPから確認応答フレーム770を受信した場合、トリガベースPPDU760の送信は成功である。そうでない場合、トリガベースPPDU760の送信は不首尾である。
【0044】
図8は、本開示の第1の実施形態に係る、20MHz動作STAによって動作させられる第2の例示的なUORA方法800を示す。UORA方法800は、20MHz動作STAが、APからランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに開始する。
【0045】
ステップ801において、20MHz動作STAは、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、受信されているトリガフレーム内に存在するか否かを判定する。ランダムアクセスのためのすべてのトリガフレームが20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含む場合、ステップ801はスキップすることができる。20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、受信されているトリガフレーム内に存在する場合、UORA方法800はステップ802に進む。そうでない場合、UORA方法800は単に停止する。
【0046】
ステップ802~ステップ812はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ502~512と同じである。
【0047】
ステップ814において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおける20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUの数以下であるか否かをチェックする。そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおける20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUの数以下である場合、ステップ816において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタをゼロにデクリメントする。これは、20MHz動作STAが、ランダムアクセスコンテンションに勝利することを意味し、UORA方法800はステップ822にジャンプする。そうでない場合、ステップ818において、20MHz動作STAは、そのOBOカウンタを、受信されているトリガフレームにおける20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUの数だけデクリメントし、その後、UORA方法800は単に停止する。
【0048】
図8の第2の例示的なUORA方法800について、20MHz動作STAは、ランダムアクセスコンテンションにおいて、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUのみを考慮に入れるという点において、UORA方法800は、
図5の第1の例示的なUORA方法500と異なることに留意されたい。結果として、UORA方法800は、20MHz動作STAがそのOBOカウンタをよりゆっくりとデクリメントすることを可能にし、したがって、20MHz動作STAがランダムアクセスコンテンションに勝利する機会が低減する。
【0049】
図8のステップ822~ステップ834はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ522~534と同じである。
【0050】
図9は、本開示の第1の実施形態に係る、UORAに関係付けられる第2の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す。STA1およびSTA2は非20MHz動作STAであり、
図8のUORA方法600を使用してUL送信を求めて競合し、一方、STA3は20MHz動作STAであり、
図8のUORA方法800を使用してUL送信を求めて競合する。APからランダムアクセスのための3つのRU(すなわち、AIDがゼロに設定されているRU1、RU2およびRU3)を含むトリガフレーム950を受信すると、STA1およびSTA2はUORA方法600を開始し、STA3はUORA方法800を開始する。ここで、RU1は20MHz動作STAにとって利用可能でない。STA1、STA2およびSTA3の各々のUL送信は、最初のトリガベースPPDU送信であるか、または、成功したトリガベースPPDU送信に続くものであり、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタが、それぞれ11、5および3に初期化されると仮定する。受信されているトリガフレーム950におけるランダムアクセスのためのRUの数は3であり、受信されているトリガフレーム950における20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUの数は2であるため、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタはそれぞれ8、2および1になる。最終的に、いずれのSTAもランダムアクセスコンテンションに勝利しない。
【0051】
図10は、本開示の第1の実施形態に係る、トリガフレーム1000の例示的なフォーマットを示す。トリガフレーム1000は、共通情報フィールド1010および1つまたは複数のユーザ情報フィールド1020を含む。共通情報フィールド1010は、トリガタイプサブフィールド1012、カスケード指示サブフィールド1014およびトリガ依存共通情報サブフィールド1016を含む。トリガタイプサブフィールド1012およびカスケード指示サブフィールド1014は、
図400に示すトリガフレーム400内のそれらのそれぞれの対応するサブフィールド412および414と同じである。トリガ依存共通情報サブフィールド1016は、20MHz動作STAの優先順位を示す、優先順位(Priority)サブフィールド1032をさらに含む。例えば、
-優先順位サブフィールド1032は、20MHz動作STAの優先順位が非20MHz動作STAよりも低いことを示すために、0に設定される。
-優先順位サブフィールド1032は、20MHz動作STAの優先順位が非20MHz動作STAよりも高いことを示すために、1に設定される。
-優先順位サブフィールド1032は、20MHz動作STAの優先順位が非20MHz動作STAと同じであることを示すために、2に設定される。
【0052】
代替的に、優先順位シグナリングは、ビーコン(Beacon)フレームまたはプローブ応答(Probe Response)フレームにおいてブロードキャストされてもよい。
図11は、本開示の第1の実施形態に係る、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームに含まれるUORAパラメータエレメント1100の例示的なフォーマットを示す。UORAエレメント1100は、
図10の優先順位サブフィールド1032と同様に、20MHz動作STAの優先順位を示す優先順位フィールド1110を含む。
【0053】
本開示の第1の実施形態によれば、20MHz動作STAが第1の例示的なUORA方法500を使用するか、または、第2の例示的なUORA方法800を使用するかは、ランダムアクセスのためのトリガフレーム内、または、ビーコンフレームもしくはプローブ応答フレームに含まれるUORAパラメータ要素内でブロードキャストされる優先順位シグナリングに応じて決まる。例えば、20MHz動作STAの優先順位が非20MHz動作STAよりも低い場合、第2のUORA方法800が20MHz動作STAによって使用される。そうでない場合、第1の例示的なUORA方法500が20MHz動作STAによって使用される。結果として、20MHz動作STAは、その優先順位に従ってそのUORA動作を最適化することが可能である。
【0054】
本開示の第1の実施形態によれば、ランダムアクセスのためのトリガフレーム、または、ビーコンフレームもしくはプローブ応答フレームに含まれるUORAパラメータ要素において、APは、各々が特定の優先準位を有するSTAに割り当てられる、複数のOCWminおよびOCWmax値対をブロードキャストすることができる。例えば、APは、2つのOCWminおよびOCWmax値対をブロードキャストすることができる。第1のOCWminおよびOCWmax値対は、優先順位のより高いSTAに割り当てられ、第2のOCWminおよびOCWmax値対は、優先順位のより低いSTAに割り当てられる。20MHz動作STAの優先順位が非20MHz動作STAよりも高い場合、第1のOCWminおよびOCWmax値対は20MHz動作STAに割り当てられ、第2のOCWminおよびOCWmax値対は非20MHz動作STAに割り当てられ、その逆もある。STAは、ランダムアクセスのためのトリガフレーム内、または、ビーコンフレームもしくはプローブ応答フレームに含まれるUORAパラメータエレメント内で示されるその優先順位に基づいて、そのOCWminおよびOCWmax値を知ることができる。基本的に、優先順位がより高いSTAは、優先順位がより低いSTAよりもOCWminおよびOCWmax値が小さい。結果として、優先順位がより高いSTAは、UORA方法500、UORA方法600またはUORA方法800を用いてランダムアクセスコンテンションに勝利する可能性がより高くなり得る。
【0055】
代替的に、ランダムアクセスのためのトリガフレーム、または、ビーコンフレームもしくはプローブ応答フレームに含まれるUORAパラメータエレメントにおいて、APは、例えば、
図10に示すトリガフレーム1000のトリガ依存共通情報サブフィールド1016内のOCWminサブフィールド1034およびOCWmaxサブフィールド1036、または、
図11に示すUORAパラメータエレメント1100内のOCWminフィールド1112およびOCWmaxフィールド1114などの、特定の優先準位を有するSTAに割り当てられる、単一のOCWminおよびOCWmax値対をブロードキャストすることができる。別の優先順位を有するSTAのOCWminおよびOCWmaxの値は、ブロードキャストされているOCWminおよびOCWmax値から導出することができる。例えば、APは、優先順位がより高いSTAの単一のOCWminおよびOCWmax値対をブロードキャストすることができる。20MHz動作STAの優先順位が非20MHz動作STAよりも高い場合、ブロードキャストされるOCWminおよびOCWmax値対は20MHz動作STAに割り当てられ、非20MHz動作STAのOCWminおよびOCWmax値対は、20MHz動作STAのOCWminおよびOCWmax値対に所定の正の整数を加算した値に等しい。
【0056】
<第2の実施形態>
本開示の第2の実施形態によれば、APによって動作させられる第1の例示的なUORA方法は、APによって送信されるランダムアクセスのためのN個ごとに1つのトリガフレームが、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含むものである。ここで、Nは正の整数である。トリガフレームは、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含むことができ、また、20MHz動作STAにとって利用可能でないランダムアクセスのための少なくとも1つのRUをも含むことができる。このトリガフレームにおいて、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUは、非20MHz動作STAに使用されないように制限される。また、非20MHz動作STAに使用されないように制限されるランダムアクセスのためのRUの数は、20MHz動作STAにとって利用可能でないランダムアクセスのためのRUの数と同じである。
【0057】
本開示の第2の実施形態によれば、APによって動作させられる第2の例示的なUORA方法は、所定の期間(例えば、1つのビーコン間隔)内に、APが、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを各々が含むランダムアクセスのための1つまたは複数のトリガフレームを送信するものである。20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUおよび20MHz動作STAにとって利用可能でないランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含むトリガフレームにおいて、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUは、非20MHz動作STAに使用されないように制限され、非20MHz動作STAに使用されないように制限されるランダムアクセスのためのRUの数は、20MHz動作STAにとって利用可能でないランダムアクセスのためのRUの数と同じである。
【0058】
本開示の第2の実施形態によれば、20MHz動作STAは、ランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときにUORAメカニズムによってAPに達する機会を与えられる。さらに、ランダムアクセスコンテンションに勝利した後、20MHz動作STAが選択されているRUにおける送信に成功する可能性は、非20MHz動作STAのものと同様であり得る。
【0059】
図12は、本開示の第2の実施形態に係る、非20MHz動作STAによって動作させられる第1の例示的なUORA方法1200を示す。20MHz動作STAによって動作させられるUORA方法は、
図5に示すUORA方法500または
図8に示すUORA方法800と同じである。
図12のUORA方法1200は、非20MHz動作STAが、APからランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに開始する。
【0060】
ステップ1202~ステップ1218はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ502~ステップ518と同じである。
【0061】
ステップ1222において、非20MHz動作STAは、受信されているトリガフレーム内の、非20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUのうちの1つをランダムに選択する。
【0062】
ステップ1224~ステップ1234はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ524~534と同じである。
【0063】
図13は、本開示の第2の実施形態に係る、UORAに関係付けられる第1の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す。STA1およびSTA2は非20MHz動作STAであり、UORA方法1200を使用してUL送信を求めて競合し、一方、STA3は20MHz動作STAであり、UORA方法500を使用してUL送信を求めて競合する。APからランダムアクセスのための3つのRU(すなわち、AIDがゼロに設定されているRU1、RU2およびRU3)を含むトリガフレーム1350を受信すると、STA1およびSTA2はUORA方法1200を開始し、STA3はUORA方法500を開始する。ここで、RU1は20MHz動作STAにとって利用可能でなく、RU3は非20MHz動作STAにとって利用可能でない。STA1、STA2およびSTA3の各々のUL送信は、最初のトリガベースPPDU送信であるか、または、成功したトリガベースPPDU送信に続くものであり、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタが、それぞれ3、5および10に初期化されると仮定する。受信されているトリガフレーム1350におけるランダムアクセスのためのRUの数は3であるため、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタはそれぞれ0、2および8になる。最終的に、そのOBOカウンタが0であるSTA1がランダムアクセスコンテンションに勝利し、非20MHz動作STAにとって利用可能であるRU2をランダムに選択する。RU2を含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々がアイドルであると考えられる場合、STA1は、トリガフレーム1350を受信した後に、RU2 SIFSにおいてトリガベースPPDU1360を送信する。STA1が、トリガベースPPDU1360を送信した後、所定の期間内にAPから確認応答フレーム1370を受信した場合、トリガベースPPDU1360の送信は成功である。そうでない場合、トリガベースPPDU1360の送信は不首尾である。
【0064】
図14は、本開示の第2の実施形態に係る、非20MHz動作STAによって動作させられる第2の例示的なUORA方法1400を示す。UORA方法1400は、非20MHz動作STAが、APからランダムアクセスのためのトリガフレームを受信するときに開始する。
【0065】
図14のステップ1402~ステップ1412はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ502~ステップ512と同じである。
【0066】
ステップ1414において、非20MHz動作STAは、そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおける非20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUの数以下であるか否かをチェックする。そのOBOカウンタが、受信されているトリガフレームにおける非20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUの数以下である場合、ステップ1416において、非20MHz動作STAは、そのOBOカウンタをゼロにデクリメントする。これは、非20MHz動作STAが、ランダムアクセスコンテンションに勝利することを意味し、UORA方法1400はステップ1422にジャンプする。そうでない場合、ステップ1418において、非20MHz動作STAは、そのOBOカウンタを、受信されているトリガフレームにおける非20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUの数だけデクリメントし、その後、UORA方法1400は単に停止する。
【0067】
図14の第2の例示的なUORA方法1400について、非20MHz動作STAは、ランダムアクセスコンテンションにおいて、非20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUのみを考慮に入れるという点において、UORA方法1400は、
図12の第1の例示的なUORA方法1200と異なることに留意されたい。結果として、UORA方法1400は、非20MHz動作STAがそのOBOカウンタをよりゆっくりとデクリメントすることを可能にし、したがって、20MHz動作STAがランダムアクセスコンテンションに勝利する機会が低減する。
【0068】
ステップ1422において、非20MHz動作STAは、受信されているトリガフレーム内の、非20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUのうちの1つをランダムに選択する。
【0069】
ステップ1424~ステップ1434はそれぞれ、
図5に示すUORA方法500のステップ524~ステップ534と同じである。
【0070】
図15は、本開示の第2の実施形態に係る、UORAに関係付けられる第2の例示的なマルチユーザフレーム交換を示す。STA1およびSTA2は非20MHz動作STAであり、
図14のUORA方法1400を使用してUL送信を求めて競合し、一方、STA3は20MHz動作STAであり、
図8のUORA方法800を使用してUL送信を求めて競合する。APからランダムアクセスのための3つのRU(すなわち、AIDがゼロに設定されているRU1、RU2およびRU3)を含むトリガフレーム1550を受信すると、STA1およびSTA2はUORA方法1400を開始し、STA3はUORA方法800を開始する。ここで、RU1は20MHz動作STAにとって利用可能でなく、RU3は非20MHz動作STAにとって利用可能でない。STA1、STA2およびSTA3の各々のUL送信は、最初のトリガベースPPDU送信であるか、または、成功したトリガベースPPDU送信に続くものであり、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタが、それぞれ3、5および11に初期化されると仮定する。受信されているトリガフレーム1550におけるランダムアクセスのためのRUの数は3であるため、STA1、STA2およびSTA3のOBOカウンタはそれぞれ1、3および9になる。最終的に、いずれのSTAもランダムアクセスコンテンションに勝利しない。
【0071】
図16は、本開示の第2の実施形態に係る、トリガフレーム1600の例示的なフォーマットを示す。トリガフレーム1600は、共通情報フィールド1610および1つまたは複数のユーザ情報フィールド1620を含む。ユーザ情報フィールド1620は、AID12サブフィールド1622、RU配分サブフィールド1624、SS配分サブフィールド1626および制限指示(Restriction Indication)サブフィールド1628を含む。AID12サブフィールド1622、RU配分サブフィールド1624およびSS配分サブフィールド1626は、
図4に示すトリガフレーム400内のそれらのそれぞれの対応するサブフィールド422、424および426と同じである。制限指示サブフィールド1628は、ランダムアクセスのためのRUが、非20MHz動作STAに対する使用が制限されるか否かを示す。例えば、
-制限指示サブフィールド1628は、RUが非20MHz動作STAに対する使用が制限されないことを示すために、0に設定される。
-制限指示サブフィールド1628は、RUが非20MHz動作STAに対する使用が制限されることを示すために、1に設定される。
【0072】
<UL OFDMAベースランダムアクセスによる電力節約>
TWT(ターゲット起動時間(Target Wake Time))は、APが、STAが媒体にアクセスするための特定の時間または時間のセットを定義することを可能にする802.11機能である。STAおよびAPは、APが、コンテンションの量および競合するSTAの間の重なりを制御することを可能にするための、期待される活動持続時間を含む情報を交換する。TWTは、それを使用するSTAがそれらのTWTが到来するまでドーズ状態に入ることができるため、ネットワークエネルギー消費を低減するために使用することができる。
【0073】
図17は、TWTエレメント1700の例示的なフォーマットを示す。TWTエレメント1700は、制御(Control)フィールド1710、要求タイプ(Request Type)フィールド1720、ターゲット起動時間フィールド1730およびTWT起動間隔仮数(TWT Wake Interval Mantissa)フィールド1740を含む。制御フィールド1710は、TWTエレメント1700によって定義されるTWT SP(サービス期間)がブロードキャストTWT SPであるか否かを示す、ブロードキャスト(Broadcast)サブフィールド1712を含む。TWTエレメント1700によって定義されるTWT SPがブロードキャストTWT SPであることを示すためのブロードキャストサブフィールド1712は、1である。そうでない場合、ブロードキャストサブフィールド1712は0である。要求タイプフィールド1720は、トリガサブフィールド1722、TWTフロー識別子(TWT Flow Identifier)サブフィールド1724およびTWT起動間隔指数(TWT Wake Interval Exponent)サブフィールド1726を含む。トリガサブフィールド1722は、TWTエレメント1700によって定義されるTWT SPがトリガフレームを含むか否かを示す。トリガサブフィールド1722は、トリガ有効TWT、すなわち、少なくとも1つのトリガフレームがTWT SPの間に送信されることを示すために、1に設定される。そうでない場合、トリガサブフィールド1722は0である。ブロードキャストTWT SPについて、TWTフロー識別子サブフィールド1724は、ブロードキャストTWT SPの間にスケジュールされているSTAによって送信されるフレームのタイプに関する推奨を示す値を含む。TWTフロー識別子サブフィールド1724は、ブロードキャストTWT SPの間に送信されるフレームに対して制約がないことを示すために0に設定され、ブロードキャストTWT SPの間に送信されるトリガフレームは、ランダムアクセスのためのゼロ以上のRUを含むことができる。TWTフロー識別子サブフィールド1724は、i)ブロードキャストTWT SPの間にスケジューリングSTAによって送信されるフレームに対して制約がなく、ii)スケジュールされているSTAによってブロードキャストTWT SPの間に送信されるフレームが、何らかの特定のタイプのフレーム(例えば、サウンディングフィードバック交換の一部分として送信されるフレーム)に制限されることが推奨され、かつiii)ブロードキャストTWT SPの間にAPによって送信されるトリガフレームがランダムアクセスのためのRUを含まないことを示すために、1に設定される。TWTフロー識別子サブフィールド1724は、i)ブロードキャストTWT SPの間にスケジューリングSTAによって送信されるフレームに対して制約がなく、ii)スケジュールされているSTAによってブロードキャストTWT SPの間に送信されるフレームが、何らかの特定のタイプのフレーム(例えば、サウンディングフィードバック交換の一部分として送信されるフレーム)に制限されることが推奨され、かつiii)ブロードキャストTWT SPの間にAPによって送信されるトリガフレームがランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含むことを示すために、2に設定される。スケジュールされているSTAのTWT起動時間は、ターゲット起動時間フィールド1730によって決定され、一方、スケジュールされているSTAのTWT起動間隔は、TWT起動間隔仮数フィールド1740およびTWT起動間隔指数サブフィールド1726によって決定される。
【0074】
UORAによる第1の例示的な電力節約メカニズムによれば、TWTエレメント1700を含むビーコンフレームまたは管理フレームを受信するSTAは、TWTエレメント1700によって定義されるTWT SPの開始まで、ドーズ状態に入ることができる。このTWTエレメント1700は、1に設定されているブロードキャストサブフィールド1712および2に設定されているTWTフロー識別子サブフィールド1724を含む。
【0075】
UORAによる第2の例示的な電力節約メカニズムによれば、ランダムアクセス配分がトリガ有効TWT SP内でトリガフレームのシーケンスにおいて行われる場合、シーケンス内のすべてのトリガフレームは、カスケード指示フィールドを0に設定されるべきであるシーケンス内の最後のトリガフレームを除いて、カスケード指示フィールドを1に設定されるべきである。STAは、ドーズ状態に入るために、トリガフレーム内でカスケード指示フィールドにおいて指示される値を使用することができる。カスケード指示フィールドが0に設定されるトリガフレームにおけるランダムアクセス手順によってそのOBOカウンタが非ゼロ値にデクリメントされる場合、STAは、即時にドーズ状態に入ることができる。カスケード指示フィールドが1に設定されるトリガフレームにおけるランダムアクセス手順によってそのOBOカウンタが非ゼロ値にデクリメントされる場合、STAは、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのために起動したままにすることができる。
【0076】
<第3の実施形態>
図18は、本開示の第3の実施形態に係る、TWTエレメント1800の例示的なフォーマットを示す。TWTエレメント1800は、制御フィールド1810、要求タイプフィールド1820、ターゲット起動時間フィールド1830およびTWT起動間隔仮数フィールド1840を含む。制御フィールド1810は、ブロードキャストサブフィールド1812を含む。要求タイプフィールド1820は、トリガサブフィールド1822、TWTフロー識別子サブフィールド1824およびTWT起動間隔指数サブフィールド1826を含む。要求タイプフィールド1820、ターゲット起動時間フィールド1830およびTWT起動間隔仮数フィールド1840は、それらの対応するフィールド1720、1730および1740とまったく同じである。制御フィールド1810が追加のRA(ランダムアクセス)制限フィールド1818を含むという点において、制御フィールド1810はその対応するフィールド1710と異なる。RA制限フィールド1818は、TWTエレメント1800によって定義されるブロードキャストTWT SP内で送信されるトリガフレームにおけるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、20MHz動作STAにとって利用可能であるか否かを示す。RA制限フィールド1818は、ブロードキャストTWT SP内で送信されるトリガフレームにおけるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、20MHz動作STAにとって利用可能であることを示すために、0に設定される。そうでない場合、RA制限フィールド1818は1に設定される。
【0077】
本開示の第3の実施形態によれば、20MHz動作STAがTWTエレメント1800を含むビーコンフレームまたは管理フレームを受信すると、20MHz動作STAは、TWTエレメント1800によって定義されるTWT SPの開始まで、ドーズ状態に入ることができる。このTWTエレメント1800は、1に設定されているブロードキャストサブフィールド1812、1に設定されているトリガサブフィールド1822、0に設定されているRA制限フィールド1818、および、0または2のいずれかに設定されているTWTフロー識別子サブフィールド1824を含む。また、TWTエレメント1800によって定義されるトリガベースTWT SPは、ランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが20MHz動作STAにとって利用可能である、ランダムアクセスのための1つまたは複数のトリガフレームを含む。20MHz動作STAが、ブロードキャストサブフィールド1812が1に設定されており、トリガサブフィールド1822が1に設定されており、RA制限フィールド1818が1に設定されているTWTエレメント1800を含むビーコンフレームまたは管理フレームを受信するとき、すなわち、TWTエレメント1800によって定義されるトリガベースTWT SPが、ランダムアクセスのためのいかなるRUも20MHz動作STAにとって利用可能でないランダムアクセスのための1つまたは複数のトリガフレームを含むとき、20MHz動作STAは、少なくとも、TWTエレメント1800によって定義されるTWT SPの終わりまで、ドーズ状態に入ることができる。結果として、本開示の第3の実施形態によれば、TWTエレメント1800内のRA制限フィールド1818を使用して、20MHz動作STAは、UORAによる第1の例示的な電力節約メカニズムと比較して、さらにより多くの電力を節約することが可能であり得る。
【0078】
本開示の第3の実施形態によれば、20MHz動作STAまたは非20MHz動作STAが、TWTエレメント1800内のシグナリングフィールドの値を利用して、様々な方法でより多くの電力を節約することが可能である。第1の例について、非20MHz動作STAが、ブロードキャストサブフィールド1812が1に設定されており、トリガサブフィールド1822が1に設定されており、TWTフロー識別子サブフィールド1824が0または2のいずれかに設定されているTWTエレメント1800を含むビーコンフレームまたは管理フレームを受信するとき、すなわち、TWTエレメント1800によって定義されるトリガベースTWT SPが、ランダムアクセスのための0以上のRUを含むとき、非20MHz動作STAは、TWTエレメント1800によって定義されるTWT SPの開始まで、ドーズ状態に入ることができる。第2の例について、非20MHz動作STAまたは20MHz動作STAが、ブロードキャストサブフィールド1812が1に設定されており、トリガサブフィールド1822が1に設定されており、TWTフロー識別子サブフィールド1824が1に設定されているTWTエレメント1800を含むビーコンフレームまたは管理フレームを受信するとき、すなわち、TWTエレメント1800によって定義されるトリガベースTWT SPが、ランダムアクセスのためのRUを含まないとき、非20MHz動作STAまたは20MHz動作STAは、少なくとも、TWTエレメント1800によって定義されるTWT SPの終わりまで、ドーズ状態に入ることができる。第3の例について、非20MHz動作STAまたは20MHz動作STAが、ブロードキャストサブフィールド1812が1に設定されており、トリガサブフィールド1822が0に設定されているTWTエレメント1800を含むビーコンフレームまたは管理フレームを受信するとき、すなわち、TWTエレメント1800によって定義されるTWT SPが、トリガフレームを一切含まないとき、非20MHz動作STAまたは20MHz動作STAは、少なくとも、TWTエレメント1800によって定義されるTWT SPの終わりまで、ドーズ状態に入ることができる。
【0079】
<第4の実施形態>
本開示の第4の実施形態によれば、
図10に示すトリガフレーム1000の共通情報フィールド1010は、後続TF-R指示(Subsequent TF-R Indication)サブフィールド1018を含むことができる。この後続TF-R指示サブフィールド1018は、任意の後続のトリガフレームが、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含むか否かを示すための情報を含む。後続TF-R指示サブフィールド1018は、後続のトリガフレームが、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUを含むことを示すために、1に設定される。そうでない場合、後続TF-R指示サブフィールド1018は0に設定される。
【0080】
本開示の第4の実施形態によれば、ランダムアクセス配分がトリガ有効TWT SP内でトリガフレームのシーケンスにおいて行われる場合、シーケンス内のすべてのトリガフレームは、カスケード指示フィールドを0に設定されるべきであるシーケンス内の最後のトリガフレームを除いて、カスケード指示フィールドを1に設定されるべきである。
【0081】
本開示の第4の実施形態によれば、ランダムアクセス配分がトリガ有効TWT SP内でトリガフレームのシーケンスにおいて行われる場合、シーケンス内のトリガフレームは、シーケンス内の後続のトリガフレームが、20MHz動作STAにとって利用可能であるランダムアクセスのためのRUを一切含まない場合に、後続TF-R指示サブフィールドを0に設定されるべきである。
【0082】
本開示の第4の実施形態によれば、20MHz動作STAまたは非20MHz動作STAが、様々な方法における電力節約を目的として、トリガフレーム内のカスケード指示フィールドにおいて示される値を利用することができる。第1の例について、OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが0に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法500、UORA方法800、UORA方法600、UORA方法1200またはUORA方法1400)によって非ゼロ値にデクリメントする場合、または、OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが0に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法500、UORA方法800、UORA方法600、UORA方法1200またはUORA方法1400)によって、ゼロにデクリメントされるが、選択されているRUを含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々がビジーであると考えられる、すなわち、カスケードされているトリガフレームがそれ以上存在しない場合、20MHz動作STAまたは非20MHz動作STAは、即時にドーズ状態に入ることができる。OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが1に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法600、UORA方法1200またはUORA方法1400)によって非ゼロ値にデクリメントする場合、または、OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが1に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法600、UORA方法1200またはUORA方法1400)によって、ゼロにデクリメントされるが、選択されているRUを含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々がビジーであると考えられる、すなわち、少なくとももう1つ以上のカスケードされているトリガフレームが存在する場合、非20MHz動作STAは、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのために起動したままにすることができる。
【0083】
本開示の第4の実施形態によれば、20MHz動作STAは、ドーズ状態に入るために、トリガフレーム内でカスケード指示フィールドにおいて示される値および後続TF-R指示サブフィールドにおいて示される値を使用することができる。例えば、OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが1に設定されており、後続TF-R指示サブフィールドが0に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法500またはUORA方法800)によって非ゼロ値にデクリメントする場合、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのための一切のRUは、20MHz動作STAにとって利用可能でない。従って、20MHz動作STAは、即時にドーズ状態に入ることができる。別の例について、OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが1に設定されており、後続TF-R指示サブフィールドが0に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法500またはUORA方法800)によってゼロにデクリメントするが、選択されているRUを含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々がビジーであると考えられる場合、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのための一切のRUは、20MHz動作STAにとって利用可能でない。従って、20MHz動作STAは、即時にドーズ状態に入ることができる。
【0084】
結果として、本開示の第4の実施形態によれば、トリガフレーム内の後続TF-R指示サブフィールドを使用して、20MHz動作STAは、UORAによる第2の例示的な電力節約メカニズムと比較して、さらにより多くの電力を節約することが可能であり得る。OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが1に設定されており、後続TF-R指示サブフィールドが1に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法500またはUORA方法800)によって非ゼロ値にデクリメントする場合、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、20MHz動作STAにとって利用可能である。従って、20MHz動作STAは、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのために起動したままにすることができる。または、OBOカウンタが、カスケード指示フィールドが1に設定されており、後続TF-R指示サブフィールドが1に設定されているトリガフレームにおいてUORA方法(例えば、UORA方法500またはUORA方法800)によってゼロにデクリメントするが、選択されているRUを含む1つまたは複数の20MHzチャネルの各々がビジーであると考えられる場合、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのための少なくとも1つのRUが、20MHz動作STAにとって利用可能である。従って、20MHz動作STAは、カスケードされているトリガフレームにおけるランダムアクセスのために起動したままにすることができる。
【0085】
<STAの構成>
図19Aは、
図1のSTAのいずれか1つであってもよい、例示的なSTA1900Aの単純なブロック図である。STA1900Aは、受信信号処理回路1904と、受信部1906とを備える。受信部1906は、APによって送信される複数の信号を受信する。受信信号の各々は、ランダムアクセスのためのトリガフレーム、TWTエレメントを含むビーコンフレーム、または、TWTエレメントを含む管理フレームを搬送することができる。トリガフレームは、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態、および/または、第4の実施形態に従って構成される。TWTエレメントは、本開示の第3の実施形態に従って構成される。受信信号処理回路1904は、受信信号を処理する。
【0086】
図19Bは、
図1のSTAのいずれか1つであってもよい、例示的なSTA1900Bの詳細なブロック図である。STA1900Bは、メモリ1920、補助記憶装置1940および1つまたは複数のワイヤレス通信インターフェース1950に結合されているCPU(中央処理装置)1930を備える。補助記憶装置1940は、関連する命令コードおよびデータなどを永続的に記憶するために使用される不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。始動時に、CPU1930は、命令コードおよび関連データを、実行のために揮発性メモリ1920にコピーすることができる。命令コードは、STA1900Bの動作に必要とされる、オペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、デバイスドライバおよび実行コードなどであってもよい。STA1900Bはまた、例えば、リチウムイオンバッテリまたはコイン電池バッテリなどの電源1910を備えることもできる。ワイヤレス通信インターフェース1950は、セルラ通信のためのインターフェース、もしくは、Zigbeeのような短距離通信プロトコルのためのインターフェースを含んでもよく、または、ワイヤレス通信インターフェース1950はWLANインターフェースであってもよい。ワイヤレス通信インターフェース1950は、MAC(媒体アクセス制御レイヤ)モジュール1980およびPHY(物理レイヤ)モジュール1960をさらに備えることができる。MACモジュール1980は、本開示の第1の実施形態または第2の実施形態に従ってUORA方法を動作させる役割を担うUORA回路1982を備えることができる。MACモジュール1980はまた、本開示の第3の実施形態および第4の実施形態に従ってSTA1900Bを、ドーズ状態に入るように構成する役割を担う電力節約回路1984を備えることもできる。MACモジュール1980はまた、送信されるべきMACフレームを生成し、受信されるMACフレーム(例えば、トリガフレーム、ビーコンフレームなど)を処理する役割を担うメッセージ処理回路1986を備えることもできる。PHYモジュール1960は、MACモジュール1980のデータを送信信号に変換し/受信信号からMACモジュール1980のデータに変換する役割を担う。ワイヤレス通信インターフェース1950はまた、PHYモジュール1960を介して、ワイヤレス媒体上でワイヤレス通信信号を実際に送信し/ワイヤレス媒体からワイヤレス通信信号を実際に受信する役割を担う1つまたは複数のアンテナ1970に結合することもできる。
【0087】
STA1900Bは、明瞭にするために
図19Bには示されていない多くの他の構成要素を備えてもよい。本開示に最も関連性のある構成要素のみが示されている。
【0088】
<アクセスポイントの構成>
図20Aは、
図1のAP110であってもよい、例示的なAP2000Aの単純なブロック図である。AP2000Aは、送信信号生成回路2004と、送信部2006とを備える。送信信号生成回路2004は、複数の送信信号を生成する。送信信号の各々は、ランダムアクセスのためのトリガフレーム、TWTエレメントを含むビーコンフレーム、または、TWTエレメントを含む管理フレームを搬送することができる。トリガフレームは、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態、および/または、第4の実施形態に従って構成される。TWTエレメントは、本開示の第3の実施形態に従って構成される。送信部2006は、生成されている送信信号を送信する。
【0089】
図20Bは、
図1のAP110であってもよい、例示的なAP2000Bの詳細なブロック図である。AP2000Bは、メモリ2020、補助記憶装置2040、1つまたは複数のワイヤレス通信インターフェース2050、および、他の有線通信インターフェース2080に結合されているCPU2030を備える。補助記憶装置2040は、関連する命令コードおよびデータなどを永続的に記憶するために使用される不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。始動時に、CPU2030は、命令コードおよび関連データを、実行のために揮発性メモリ2020にコピーすることができる。命令コードは、AP2000Bの動作に必要とされる、オペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、デバイスドライバおよび実行コードなどであってもよい。命令コードのサイズ、ひいては補助記憶装置2040とメモリ2020の両方の記憶容量は、STA1900Bのものよりも実質的に大きいものであってもよい。
【0090】
AP2000Bはまた、ほとんどの場合は主電源であってもよいが、場合によってはまた、例えば自動車用バッテリなどの何らかの種類の大容量バッテリであってもよい、電源2010を備えることもできる。有線通信インターフェース2090は、ethernetインターフェース、電力線インターフェース、または電話回線インターフェースなどであってもよい。ワイヤレス通信インターフェース2050は、セルラ通信のためのインターフェース、もしくは、Zigbeeのような短距離通信プロトコルのためのインターフェースを含んでもよく、または、ワイヤレス通信インターフェース2050はWLANインターフェースであってもよい。
【0091】
ワイヤレス通信インターフェース2050は、MACモジュール2080およびPHYモジュール2060をさらに備えることができる。MACモジュール2080は、RUをDLまたはUL OFDMA送信のために配分する役割を担うRU配分スケジューリング回路2082を備えることができる。特に、RU配分スケジューリング回路2082は、本開示の第1の実施形態または第2の実施形態に従って、トリガフレームにおけるランダムアクセスのためにRUを配分する。MACモジュール2080はまた、送信されるべきMACメッセージを生成し、受信されるMACメッセージを処理する役割を担うメッセージ処理回路2084を備えることもできる。特に、メッセージ処理回路2084は、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態または第4の実施形態に従って、トリガフレーム、ビーコンフレームもしくは管理フレームに含まれるTWTエレメント、または、ビーコンフレームもしくはプローブ応答フレームに含まれるUORAパラメータエレメントを生成する。
【0092】
PHYモジュール2060は、MACモジュール2080のデータを送信信号に変換し/受信信号からMACモジュール2080のデータに変換する役割を担う。ワイヤレス通信インターフェース2050はまた、PHYモジュール2060を介して、ワイヤレス媒体上でワイヤレス通信信号を実際に送信し/ワイヤレス媒体からワイヤレス通信信号を実際に受信する役割を担う1つまたは複数のアンテナ2070に結合することもできる。
【0093】
AP2000Bは、明瞭にするために
図20Bには示されていない多くの他の構成要素を備えてもよい。本開示に最も関連性のある構成要素のみが示されている。
【0094】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施形態の記述において使用されている各機能ブロックは、部分的にまたは全体的に、集積回路などのLSIによって実現することができ、各実施形態において記述されている各プロセスは、部分的にまたは全体的に、同じLSIまたは複数のLSIの組み合わせによって制御することができる。LSIは、チップとして個々に形成されてもよく、または、1つのチップが、それら機能ブロックの一部分またはすべてを含むように形成されてもよい。LSIは、それらに結合されているデータ入力および出力を含むことができる。本明細書において、LSIは、集積度の差に応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIと呼称されてもよい。しかしながら、集積回路を実装する技法は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを使用することによって実現されてもよい。加えて、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または、LSIの内部に配置される回路セルの接続および設定を再構成することができる再構成可能プロセッサが使用されてもよい。本開示は、半導体技術または他の派生技術の進歩の結果として、デジタル処理またはアナログ処理として実現することができる。
【0095】
半導体技術または半導体技術から派生する他の技術の進歩の結果として、LSIに代わる回路集積技術が出現した場合、機能ブロックは、その将来の集積回路技術を使用して集積することができる。別の可能性として、生命工学などの応用が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本開示は、マルチユーザワイヤレス通信システムにおけるランダムアクセスのための方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1900A、1900B STA
1904 受信信号処理回路
1906 受信部
1910、2010 電源
1920、2020 メモリ
1930、2030 CPU
1940、2040 補助記憶装置
1950、2050 ワイヤレスインターフェース
1960、2060 PHYモジュール
1970、2070 アンテナ
1980、2080 MACモジュール
1982 UORA回路
1984 電力節約回路
1986、2084 メッセージ処理回路
2000A、2000B AP
2004 送信信号生成回路
2006 送信部
2082 RU配分スケジューリング回路
2090 有線通信インターフェース