(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】温度制御システム
(51)【国際特許分類】
G05D 23/19 20060101AFI20240822BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
G05D23/19 J
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2020048351
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三村 和弘
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-332287(JP,A)
【文献】特開2011-108954(JP,A)
【文献】特開2018-178141(JP,A)
【文献】特開2016-057054(JP,A)
【文献】国際公開第2017/077975(WO,A1)
【文献】特開2005-079415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 23/00 -23/32
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温調対象を含み流体が流通する循環流路と、
前記循環流路の第1部分に第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を供給して前記第1部分の流体の温度を調整する第1温調装置と、
前記第1部分と前記温調対象との間の前記循環流路の第2部分において前記温調対象に供給される流体の温度を調整する第2温調装置と、
前記第1部分から前記第2部分に供給される流体の温度を検出する第1温度センサと、
前記第2部分の流出口と前記第1部分の流入口との間の前記循環流路の所定位置において前記流体又は前記温調対象の温度を検出する第2温度センサと、
前記第1温度センサの検出値に基づいて、前記第1部分から前記第2部分に供給される前記流体が第1目標温度になるように前記第1温調装置を制御する第1コントローラと、
前記第2温度センサの検出値に基づいて、前記所定位置において前記流体が第2目標温度になるように前記第2温調装置を制御する第2コントローラと、を備え、
前記第1目標温度は、前記第2目標温度に基づいて決定され
、
前記所定位置は、前記温調対象の流入口と前記第1温調装置の流入口との間に設定され、
前記第1目標温度は、前記第2目標温度と前記第2温調装置の温調能力に係る規定値と前記第2温度センサの検出値とに基づいて決定される、
温度制御システム。
【請求項2】
温調対象を含み流体が流通する循環流路と、
前記循環流路の第1部分に第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を供給して前記第1部分の流体の温度を調整する第1温調装置と、
前記第1部分と前記温調対象との間の前記循環流路の第2部分において前記温調対象に供給される流体の温度を調整する第2温調装置と、
前記第1部分から前記第2部分に供給される流体の温度を検出する第1温度センサと、
前記第2部分の流出口と前記第1部分の流入口との間の前記循環流路の所定位置において前記流体又は前記温調対象の温度を検出する第2温度センサと、
前記第1温度センサの検出値に基づいて、前記第1部分から前記第2部分に供給される前記流体が第1目標温度になるように前記第1温調装置を制御する第1コントローラと、
前記第2温度センサの検出値に基づいて、前記所定位置において前記流体が第2目標温度になるように前記第2温調装置を制御する第2コントローラと、を備え、
前記第1目標温度は、前記第2目標温度に基づいて決定され
、
前記所定位置は、前記温調対象の流入口と前記第1温調装置の流入口との間に設定され、
前記第2コントローラは、
前記第2温度センサの検出値に基づいて、前記第2温調装置に制御指令を出力するフィードバック制御部と、
前記温調対象に入力される熱外乱駆動信号と前記温調対象の動特性モデル及び前記第2温調装置の動特性モデルとに基づいて、前記第2温調装置に制御指令を出力するフィードフォワード制御部とを有する、
温度制御システム。
【請求項3】
温調対象を含み流体が流通する循環流路と、
前記循環流路の第1部分に第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を供給して前記第1部分の流体の温度を調整する第1温調装置と、
前記第1部分と前記温調対象との間の前記循環流路の第2部分において前記温調対象に供給される流体の温度を調整する第2温調装置と、
前記第1部分から前記第2部分に供給される流体の温度を検出する第1温度センサと、
前記第2部分の流出口と前記第1部分の流入口との間の前記循環流路の所定位置において前記流体又は前記温調対象の温度を検出する第2温度センサと、
前記第1温度センサの検出値に基づいて、前記第1部分から前記第2部分に供給される前記流体が第1目標温度になるように前記第1温調装置を制御する第1コントローラと、
前記第2温度センサの検出値に基づいて、前記所定位置において前記流体が第2目標温度になるように前記第2温調装置を制御する第2コントローラと、を備え、
前記第1目標温度は、前記第2目標温度に基づいて決定され
、
前記所定位置は、前記温調対象の流入口と前記第1温調装置の流入口との間に設定され、
前記第2コントローラは、
前記第2温度センサの検出値に基づいて、前記第2温調装置に制御指令を出力するフィードバック制御部と、
前記温調対象に入力される予定の熱外乱駆動未来信号と前記温調対象の動特性モデル及び前記第2温調装置の動特性モデルとに基づいて、前記第2温調装置に制御指令を出力する予見フィードフォワード制御部とを有する、
温度制御システム。
【請求項4】
前記第1目標温度は、前記第2目標温度と前記第2温調装置の温調能力に係る規定値と前記第2温度センサの検出値とに基づいて決定される、
請求項
2又は請求項
3に記載の温度制御システム。
【請求項5】
前記第2温調装置は、熱電モジュールを有し、前記熱電モジュールの温度調整可能範囲は、低温度において大きく、高温度において小さく、
前記第2温調装置の温調能力に係る規定値は、前記第2目標温度が低いほど大きい値に設定され、前記第2目標温度が高いほど小さい値に設定される、
請求項
1又は請求項4に記載の温度制御システム。
【請求項6】
前記第1目標温度は、前記第2目標温度と前記熱外乱駆動信号とに基づいて決定される、
請求項
2に記載の温度制御システム。
【請求項7】
前記第1温調装置による温度調整可能範囲は、前記第2温調装置による温度調整可能範囲よりも大きく、
前記第2温調装置の応答速度は、前記第1温調装置の応答速度よりも高い、
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項8】
前記第1温調装置は、
前記第1温度の流体を貯蔵する低温温調ユニットと、
前記第2温度の流体を貯蔵する高温温調ユニットと、
前記低温温調ユニットから前記第1部分に供給される流体が流通する低温流路と、
前記高温温調ユニットから前記第1部分に供給される流体が流通する高温流路と、
前記低温流路を流通する流体の流量及び前記高温流路を流通する流体の流量を調整するバルブシステムと、を有し、
前記第1コントローラは、前記バルブシステムを制御する、
請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項9】
前記第1部分は、前記循環流路に配置されたタンクを含む、
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項10】
前記第2温調装置は、熱電モジュールを有し、
前記第2コントローラは、前記熱電モジュールを制御する、
請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温度制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、流体を循環させることによって温調対象の温度を制御する温度制御システムが使用される。特許文献1には、プロセス中に目標温度をできるだけ早く切り換えるために混合バルブを使用して外部高温チラー及び低温チラーからの供給流体を循環中の流体と混合して目標温度を作る方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、混合バルブの動特性が高ゲイン高応答であるものの、混合バルブのバルブ開度と流量との非線形性、バルブ開口の不感帯、ヒステリシス等の非線形要素、温調対象の低応答、及び温調対象が有する無駄時間等に起因して、温度制御性が悪く、ハンチングを起こしやすいという問題点がある。
【0005】
本開示は、流体の温度を高精度に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、温調対象を含み流体が流通する循環流路と、前記循環流路の第1部分に第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を供給して前記第1部分の流体の温度を調整する第1温調装置と、前記第1部分と前記温調対象との間の前記循環流路の第2部分において前記温調対象に供給される流体の温度を調整する第2温調装置と、前記第1部分から前記第2部分に供給される流体の温度を検出する第1温度センサと、前記第2部分の流出口と前記第1部分の流入口との間の前記循環流路の所定位置において前記流体又は前記温調対象の温度を検出する第2温度センサと、前記第1温度センサの検出値に基づいて、前記第1部分から前記第2部分に供給される前記流体が第1目標温度になるように前記第1温調装置を制御する第1コントローラと、前記第2温度センサの検出値に基づいて、前記所定位置において前記流体が第2目標温度になるように前記第2温調装置を制御する第2コントローラと、を備え、前記第1目標温度は、前記第2目標温度に基づいて決定される、温度制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、流体の温度を高精度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る第2温調装置を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る温調部の一部を拡大した断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る規定値を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第5実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[第1実施形態]
<温度制御システムの概要>
図1は、本実施形態に係る温度制御システム1を示す構成図である。
図1に示すように、温度制御システム1は、温調対象Sを含み流体Fが流通する循環流路2と、循環流路2の第1部分2Aにおいて流体Fの温度を調整する第1温調装置3と、第1部分2Aと温調対象Sとの間の循環流路2の第2部分2Bにおいて流体Fの温度を調整する第2温調装置4と、循環流路2において流体Fを流通させるポンプ5と、流体Fの温度を検出する温度センサ6と、第1温調装置3を制御する第1コントローラ7と、第2温調装置4を制御する第2コントローラ8とを備える。
【0011】
温調対象Sは、半導体製造装置の少なくとも一部を含む。温調対象Sは、例えばプラズマ処理装置のウエハホルダを含む。ウエハホルダは、プラズマ処理装置においてプラズマ処理される半導体ウエハを保持する。ウエハホルダは、例えばアルミニウム製である。ウエハホルダは、半導体ウエハを静電吸着力で保持する静電チャックを有する。静電チャックは、直流電圧が印加されることによりクーロン力で半導体ウエハを吸着保持する。ウエハホルダの温度が制御されることにより、ウエハホルダに保持されている半導体ウエハの温度が調整される。
【0012】
温度制御システム1は、温調対象Sに流体Fを供給することにより、温調対象Sの温度を制御する。本実施形態において、流体Fは液体である。なお、流体Fは気体でもよい。循環流路2において、流体Fは、第1温調装置3から第2温調装置4に供給された後、温調対象Sに供給される。温調対象Sに供給された流体Fは、第1温調装置3に戻される。
【0013】
温調対象Sは、第2温調装置4からの流体Fが流入する流入口Maと、流体Fが流出する流出口Mbとを有する。第1温調装置3は、温調対象Sからの流体Fが流入する流入口Mcと、流体Fが流出する流出口Mdとを有する。第2温調装置4は、第1温調装置3からの流体Fが流入する流入口Meと、流体Fが流出する流出口Mfとを有する。第1温調装置3の流入口Mcは、第1部分2Aの流入口を意味する。第1温調装置3の流出口Mdは、第1部分2Aの流出口を意味する。第2温調装置4の流入口Meは、第2部分2Bの流入口を意味する。第2温調装置4の流出口Mfは、第2部分2Bの流出口を意味する。
【0014】
第1温調装置3は、所謂、ラフ温調装置である。第2温調装置4は、所謂、ファイン温調装置である。第1温調装置3による温度調整可能範囲(ゲイン)は、第2温調装置4による温度調整可能範囲よりも大きい。一例として、第1温調装置3による温度調整可能範囲は、±50℃であり、第2温調装置4による温度調整可能範囲は、±1℃である。第2温調装置4の応答速度(応答性)は、第1温調装置3の応答速度よりも高い。応答速度とは、流体Fの温度を目標温度に到達させるのに要する時間をいう。応答速度が高いことは、流体Fの温度を目標温度に到達させるのに要する時間が短いことを意味する。応答速度が低いことは、流体Fの温度を目標温度に到達させるのに要する時間が長いことを意味する。
【0015】
循環流路2にタンク9が配置される。実施形態において、第1部分2Aは、循環流路2に配置されたタンク9を含む。流入口Mc及び流出口Mdは、タンク9に設けられる。
【0016】
第1温調装置3は、循環流路2のタンク9に第1温度TLの流体F及び第1温度TLよりも高い第2温度THの流体Fの少なくとも一方を供給して、タンク9の流体Fの温度を調整する。第1温調装置3は、流体Fの温度を大まかに調整する。
【0017】
第2温調装置4は、タンク9と温調対象Sとの間の循環流路2の第2部分2Bにおいて、温調対象Sに供給される流体Fの温度を調整する。第2温調装置4は、流体Fの温度を高精度に調整する。
【0018】
ポンプ5は、タンク9と第2温調装置4との間の循環流路2に配置される。ポンプ5が駆動することにより、流体Fは循環流路2を循環する。
【0019】
温度センサ6は、第1部分2Aから第2部分2Bに供給される流体Fの温度T1を検出する第1温度センサ61と、第2部分2B(第2温調装置4)の流出口Mfと第1部分2A(第1温調装置3)の流入口Mcとの間の循環流路2の所定位置において流体F又は温調対象Sの温度T2を検出する第2温度センサ62とを含む。
【0020】
第2温度センサ62により流体Fの温度T2が検出される循環流路2の所定位置は、第2部分2Bと温調対象Sとの間に設定された第1所定位置P1と、温調対象Sの流入口Maと第1部分2Aの流入口Mcとの間に設定された第2所定位置P2及び第3所定位置P3とを含む。第2温度センサ62は、第2部分2Bと温調対象Sとの間に設定された第1所定位置P1において流体Fの温度T2aを検出する第2温度センサ62Aと、温調対象Sに設定された第2所定位置P2において温調対象Sの温度T2bを検出する第2温度センサ62Bと、温調対象Sと第1部分2Aとの間に設定された第3所定位置P3において流体Fの温度T2cを検出する第2温度センサ62Cとを含む。
【0021】
<第1温調装置>
第1温調装置3は、第1温度TLの流体Fを貯蔵する低温温調ユニット10Lと、第1温度TLよりも高い第2温度THの流体Fを貯蔵する高温温調ユニット10Hと、低温温調ユニット10Lからタンク9に供給される流体Fが流通する低温流路11Lと、高温温調ユニット10Hからタンク9に供給される流体Fが流通する高温流路11Hと、タンク9から低温温調ユニット10Lに戻される流体Fが流通する低温オーバーフロー流路12Lと、タンク9から高温温調ユニット10Hに戻される流体Fが流通する高温オーバーフロー流路12Hと、低温流路11Lを流通する流体Fの流量及び高温流路11Hを流通する流体の流量を調整するバルブシステム13と、を有する。
【0022】
低温温調ユニット10Lは、第1温度TLの流体Fを貯蔵する。低温温調ユニット10Lは、第1温度TLの流体Fをタンク9に送出することができる。低温温調ユニット10Lは、低温タンクと、低温温調器と、流体Fを送出させる低温ポンプとを含む。低温温調器は、熱交換器を含む。低温温調器は、流体Fの温度を第1温度TLに調整する。第1温度TLに調整された流体Fは、低温タンクに貯蔵される。一例として、第1温度TLは5℃である。
【0023】
高温温調ユニット10Hは、第1温度TLよりも高い第2温度THの流体Fを貯蔵する。高温温調ユニット10Hは、第2温度THの流体Fをタンク9に送出することができる。高温温調ユニット10Hは、高温タンクと、高温温調器と、流体Fを送出させる高温ポンプとを含む。高温温調器は、熱交換器を含む。高温温調器は、流体Fの温度を第2温度THに調整する。第2温度THに調整された流体Fは、高温タンクに貯蔵される。一例として、第2温度THは90℃である。
【0024】
低温流路11Lは、低温温調ユニット10Lとタンク9とを接続する。低温温調ユニット10Lは、低温流路11Lを介して、第1温度TLの流体Fをタンク9に供給することができる。低温温調ユニット10Lからタンク9に供給される流体Fは、低温流路11Lを流通する。
【0025】
高温流路11Hは、高温温調ユニット10Hとタンク9とを接続する。高温温調ユニット10Hは、高温流路11Hを介して、第2温度THの流体Fをタンク9に供給することができる。高温温調ユニット10Hからタンク9に供給される流体Fは、高温流路11Hを流通する。
【0026】
バルブシステム13は、低温温調ユニット10L及び高温温調ユニット10Hのそれぞれからタンク9へ流体Fが供給されない第1状態と、低温温調ユニット10Lからタンク9へ流体Fが供給される第2状態と、高温温調ユニット10Hからタンク9へ流体Fが供給される第3状態とを切り換え可能である。第1状態は、低温温調ユニット10L及び高温温調ユニット10Hの両方からタンク9へ流体Fが供給されない状態である。第2状態は、低温温調ユニット10Lからタンク9へ第1温度TLの流体Fが供給され、高温温調ユニット10Hからタンク9へ流体Fが供給されない状態である。第3状態は、高温温調ユニット10Hからタンク9へ第2温度THの流体Fが供給され、低温温調ユニット10Lからタンク9へ流体Fが供給されない状態である。
【0027】
また、バルブシステム13は、タンク9から低温温調ユニット10L及び高温温調ユニット10Hのそれぞれへ流体Fが戻されない第4状態と、タンク9から低温温調ユニット10Lへ流体Fが戻される第5状態と、タンク9から高温温調ユニット10Hへ流体Fが戻される第6状態とを切り換え可能である。第4状態は、タンク9から低温温調ユニット10L及び高温温調ユニット10Hの両方へ流体Fが戻されない状態である。第5状態は、タンク9から低温温調ユニット10Lへ流体Fが戻され、タンク9から高温温調ユニット10Hへ流体Fが戻されない状態である。第6状態は、タンク9から高温温調ユニット10Hへ流体Fが戻され、タンク9から低温温調ユニット10Lへ流体Fが戻されない状態である。
【0028】
バルブシステム13は、第1コントローラ7に制御される。第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1部分2A(タンク9)から第2部分2B(第2温調装置4)に供給される流体Fが第1目標温度SV1になるように、第1温調装置3のバルブシステム13を制御する。バルブシステム13は、タンク9の流体Fが第1目標温度SV1になるように、バルブシステム13を制御して、低温温調ユニット10Lからタンク9に向かって低温流路11Lを流通する流体Fの流量、及び高温温調ユニット10Hからタンク9に向かって高温流路11Hを流通する流体Fの流量を調整する。
【0029】
バルブシステム13は、低温流路11Lに配置される低温流量調整弁14Lと、高温流路11Hに配置される高温流量調整弁14Hと、低温オーバーフロー流路12Lに配置される低温開閉弁15Lと、高温オーバーフロー流路12Hに配置される高温開閉弁15Hとを含む。
【0030】
低温流量調整弁14Lは、第1コントローラ7に制御される。第1コントローラ7は、低温流量調整弁14Lを制御して、低温温調ユニット10Lからタンク9への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、低温温調ユニット10Lからタンク9へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。低温流量調整弁14Lが開くことにより、低温温調ユニット10Lからタンク9へ第1温度TLの流体Fが供給される。低温流量調整弁14Lが閉じることにより、低温温調ユニット10Lからタンク9への流体Fの供給が停止される。
【0031】
高温流量調整弁14Hは、第1コントローラ7に制御される。第1コントローラ7は、高温流量調整弁14Hを制御して、高温温調ユニット10Hからタンク9への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、高温温調ユニット10Hからタンク9へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。高温流量調整弁14Hが開くことにより、高温温調ユニット10Hからタンク9へ第2温度THの流体Fが供給される。高温流量調整弁14Hが閉じることにより、高温温調ユニット10Hからタンク9への流体Fの供給が停止される。
【0032】
低温流量調整弁14Lは、比例弁でもよいし開閉弁でもよい。比例弁は、流体Fの流量制御を高精度に実施することができる。そのため、低温流量調整弁14Lとして比例弁が用いられる場合、タンク9における流体Fの温度制御を高精度に実施することができる。なお、流体Fの高精度な流量制御及びタンク9における流体Fの高精度な温度制御が要求されない場合、低温流量調整弁14Lとして安価な開閉弁が用いられてもよい。同様に、高温流量調整弁14Hは、比例弁でもよいし開閉弁でもよい。
【0033】
低温開閉弁15Lは、開閉弁である。低温開閉弁15Lが開くことにより、タンク9から低温温調ユニット10Lへ流体Fが戻される。低温開閉弁15Lが閉じることにより、タンク9から低温温調ユニット10Lへ流体Fは戻されない。開閉弁は、例えば電磁弁である。
【0034】
高温開閉弁15Hは、開閉弁である。高温開閉弁15Hが開くことにより、タンク9から高温温調ユニット10Hへ流体Fが戻される。高温開閉弁15Hが閉じることにより、タンク9から高温温調ユニット10Hへ流体Fは戻されない。開閉弁は、例えば電磁弁である。
【0035】
第1コントローラ7は、流体Fの流通状態を第1状態にするとき、低温流量調整弁14L及び高温流量調整弁14Hのそれぞれを閉じる。これにより、低温温調ユニット10L及び高温温調ユニット10Hのそれぞれからタンク9に流体Fは供給されない。
【0036】
第1コントローラ7は、流体Fの流通状態を第2状態にするとき、低温流量調整弁14Lを開き、高温流量調整弁14Hを閉じる。これにより、低温温調ユニット10Lから送出された第1温度TLの流体Fは、低温流路11Lを介してタンク9に規定の流量で供給される。
【0037】
第1コントローラ7は、流体Fの流通状態を第3状態にするとき、高温流量調整弁14Hを開き、低温流量調整弁14Lを閉じる。これにより、高温温調ユニット10Hから送出された第2温度THの流体Fは、高温流路11Hを介してタンク9に規定の流量で供給される。
【0038】
第1コントローラ7は、流体Fの流通状態を第4状態にするとき、低温開閉弁15L及び高温開閉弁15Hのそれぞれを閉じる。これにより、タンク9から低温温調ユニット10L及び高温温調ユニット10Hのそれぞれに流体Fは戻されない。
【0039】
第1コントローラ7は、流体Fの流通状態を第5状態にするとき、低温開閉弁15Lを開き、高温開閉弁15Hを閉じる。これにより、タンク9に収容されている流体Fの少なくとも一部は、低温オーバーフロー流路12Lを介して低温温調ユニット10Lに戻される。
【0040】
第1コントローラ7は、流体Fの流通状態を第6状態にするとき、高温開閉弁15Hを開き、低温開閉弁15Lを閉じる。これにより、タンク9に収容されている流体Fの少なくとも一部は、高温オーバーフロー流路12Hを介して高温温調ユニット10Hに戻される。
【0041】
<第2温調装置>
図2は、本実施形態に係る第2温調装置4を模式的に示す図である。第2温調装置4は、熱電モジュール60を有する。
図2に示すように、第2温調装置4は、温調流路42を有する本体部材40と、本体部材40に接続される熱電モジュール60を有する温調部50と、温調部50に接続される熱交換板44と、温調部50を駆動する駆動回路45とを有する。
【0042】
温調流路42は、本体部材40の内部に設けられる。タンク9からの流体Fは、流入口Meを介して温調流路42に流入する。温調流路42を流通した流体Fは、流出口Mfを介して温調流路42から流出する。温調流路42から流出した流体Fは、温調対象Sに供給される。
【0043】
温調部50は、本体部材40を介して、温調流路42を流通する流体Fの温度を調整する。温調部50は、熱電モジュール60を有する。温調部50は、熱電モジュール60を用いて、流体Fの温度を調整する。
【0044】
熱電モジュール60は、吸熱又は発熱して、温調流路42を流通する流体Fの温度を調整する。熱電モジュール60は、電力の供給により吸熱又は発熱する。熱電モジュール60は、ペルチェ効果により、吸熱又は発熱する。
【0045】
熱交換板44は、温調部50と熱交換する。熱交換板44は、温調用媒体が流通する内部流路(不図示)を有する。温調用媒体は、媒体温度制御装置(不図示)により温度調整された後、熱交換板44の内部流路に流入する。温調用媒体は、内部流路を流通して、熱交換板44から熱を奪ったり、熱交換板44に熱を与えたりする。温調用媒体は、内部流路から流出し、流体温度制御装置に戻される。
【0046】
図3は、本実施形態に係る温調部50の一部を拡大した断面図である。
図3に示すように、温調部50は、複数の熱電モジュール60と、複数の熱電モジュール60を収容するケース51とを有する。ケース51の一端面と本体部材40とが接続される。ケース51の他端面と熱交換板44とが接続される。
【0047】
熱電モジュール60は、第1電極65と、第2電極66と、熱電半導体素子63とを有する。熱電半導体素子63は、p型熱電半導体素子63Pと、n型熱電半導体素子63Nとを含む。第1電極65は、p型熱電半導体素子63P及びn型熱電半導体素子63Nのそれぞれに接続される。第2電極66は、p型熱電半導体素子63P及びn型熱電半導体素子63Nのそれぞれに接続される。第1電極65は、本体部材40に隣接する。第2電極66は、熱交換板44に隣接する。p型熱電半導体素子63Pの一方の端面及びn型熱電半導体素子63Nの一方の端面のそれぞれは、第1電極65に接続される。p型熱電半導体素子63Pの他方の端面及びn型熱電半導体素子63Nの他方の端面のそれぞれは、第2電極66に接続される。
【0048】
熱電モジュール60は、ペルチェ効果により、吸熱又は発熱する。駆動回路45は、熱電モジュール60を吸熱又は発熱させるための電力を熱電モジュール60に供給する。駆動回路45は、第1電極65と第2電極66との間に電位差を与える。第1電極65と第2電極66との間に電位差が与えられると、熱電半導体素子63において電荷が移動する。電荷の移動により、熱電半導体素子63において熱が移動する。これにより、熱電モジュール60は、吸熱又は発熱する。例えば、第1電極65が発熱し、第2電極66が吸熱するように、第1電極65と第2電極66との間に電位差が与えられると、温調流路42を流通する流体Fは加熱される。第1電極65が吸熱し、第2電極66が発熱するように、第1電極65と第2電極66との間に電位差が与えられると、温調流路42を流通する流体Fは冷却される。
【0049】
駆動回路45は、熱電モジュール60に電力(電位差)を与える。駆動回路45は、第2コントローラ8に制御される。第2コントローラ8は、駆動回路45を制御することにより、熱電モジュール60を制御する。熱電モジュール60に与えられる電力が調整されることにより、熱電モジュール60による吸熱量又は発熱量が調整される。熱電モジュール60による吸熱量又は発熱量が調整されることにより、温調流路42を流通する流体Fの温度が調整される。
【0050】
第2コントローラ8は、第2温度センサ62の検出値に基づいて、循環流路2の所定位置において流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4の熱電モジュール60を制御する。
【0051】
<制御方法>
図4は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。本実施形態においては、第2温調装置4と温調対象Sとの間の第1所定位置P1における流体Fを第2目標温度SV2にするための制御方法について説明する。
【0052】
図4に示すように、温度制御システム1は、温調対象Sを含む循環流路2と、循環流路2の第1部分2Aに第1温度T
Lの流体F及び第1温度T
Lよりも高い第2温度T
Hの流体Fの少なくとも一方を供給して第1部分2Aの流体Fの温度を調整する第1温調装置3と、第1部分2Aと温調対象Sとの間の循環流路2の第2部分2Bにおいて温調対象Sに供給される流体Fの温度を調整する第2温調装置4と、第1部分2Aから第2部分2Bに供給される流体Fの温度を検出する第1温度センサ61と、第2部分2Bと温調対象Sとの間の循環流路2の第1所定位置P1において流体Fの温度を検出する第2温度センサ62Aと、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1部分2Aから第2部分2Bに供給される流体Fが第1目標温度SV1になるように第1温調装置3を制御する第1コントローラ7と、第2温度センサ62Aの検出値に基づいて、第2部分2Bと温調対象Sとの間の循環流路2の第1所定位置P1において流体Fが第2目標温度SV2になるように第2温調装置4を制御する第2コントローラ8と、を備える。
【0053】
第1温調装置3と第2温調装置4とは、循環流路2において直列に結合される。第2温調装置4の流出口Mfは、循環流路2の流路を介して、温調対象Sの流入口Maに接続される。温調対象Sの流出口Mbは、循環流路2の流路を介して、第1温調装置3の流入口Mcに接続される。
【0054】
第1温調装置3の応答速度は、温調対象Sの応答速度よりも遅い。第2温調装置4の応答速度は、温調対象Sの応答速度よりも速い。第1温調装置3の温度制御可能範囲は、第2温調装置4の温度制御可能範囲よりも大きい。
【0055】
温調対象Sがプラズマ処理装置のウエハホルダである場合、温調対象Sはプラズマによる熱外乱を受ける。温調対象Sが熱外乱を受けると、循環流路2の少なくとも一部の流体Fの温度が上昇する可能性がある。温度制御システム1は、温調対象Sが熱外乱を受けても、流体Fの温度の変動を抑制する。
【0056】
第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1温調装置3から流出する流体Fが第1目標温度SV1になるように、第1温調装置3をフィードバック制御する。すなわち、第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値である温度T1をフィードバックして、第1目標温度SV1との偏差から操作量MV1を算出し、操作量MV1に基づいて、第1温調装置3を制御する。
【0057】
第2コントローラ8は、第2温度センサ62Aの検出値に基づいて、第2温調装置4から流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードバック制御する。すなわち、第2コントローラ8は、第2温度センサ62Aの検出値である温度T2aをフィードバックして、第2目標温度SV2との偏差から操作量MV2を算出し、操作量MV2に基づいて、第2温調装置4を制御する。
【0058】
第1コントローラ7により制御される流体Fの温度は、所謂、第1温調装置3の出口温度である。なお、第1コントローラ7により制御される流体Fの温度は、所謂、第2温調装置4の入口温度とみなされてもよい。
【0059】
第2コントローラ8により制御される流体Fの温度は、所謂、温調対象Sの入口温度である。なお、第2コントローラ8により制御される流体Fの温度は、所謂、第2温調装置4の出口温度とみなされてもよい。
【0060】
第2目標温度SV2は、温調対象Sの目標温度である。温調対象Sの目標温度は、変更される。温調対象Sがプラズマ処理装置のウエハホルダである場合、温調対象Sの目標温度は、プラズマ処理のプロセスに基づいて決定される。温調対象Sの目標温度は、例えば20℃、60℃、80℃のように、プラズマ処理のプロセス中に変更される。
【0061】
本実施形態において、第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2に基づいて決定される。第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2の関数である。
【0062】
第2コントローラ8は、第2目標温度SV2に基づいて第1目標温度SV1を決定して、第1コントローラ7に出力する。なお、第1目標温度SV1の決定は、第1コントローラ7により実施されてもよい。
【0063】
本実施形態において、第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2と、第2温調装置4の温調能力に係る規定値αとに基づいて決定される。規定値αは、ゼロ又は正の数である(α≧0)。本実施形態において、[SV1=SV2-α]である。
【0064】
本実施形態において、第2温調装置4は、熱電モジュール60を有する。熱電モジュール60の温度調整可能範囲は、低温度において大きく、高温度において小さい。規定値αは、第2目標温度SV2が低いほど大きい値に設定され、第2目標温度SV2が高いほど小さい値に設定される。
【0065】
図5は、本実施形態に係る規定値αを説明するための図である。
図5に示すように、規定値αは、第2目標温度SV2が高くなるほど低くなるように設定される。例えば、第2目標温度SV2が20℃である場合、規定値αは、値α1に決定される。第2目標温度SV2が80℃である場合、規定値αは、値α1よりも小さい値α2に決定される。規定値αと第2目標温度SV2との関係は、第2温調装置4の温調能力(スペック)に基づいて決定される既知データである。
【0066】
第2目標温度SV2が20℃である場合、第1目標温度SV1は[SV2-α1]になる。第2目標温度SV2が80℃である場合、第1目標温度SV1は[SV2-α2]になる。[SV2-α1]<[SV2-α2]の関係が成立する。第2目標温度SV2が低いほど、第1目標温度SV1と第2目標温度SV2との差は大きくなる。第2目標温度SV2が高いほど、第1目標温度SV1と第2目標温度SV2との差は小さくなる。すなわち、第2目標温度SV2が低いほど、第1温調装置3により調整される流体Fの温度は、第2目標温度SV2(温調対象Sの目標温度)から離れていても許容される。第2目標温度SV2が高いほど、第1温調装置3により調整される流体Fの温度は、第2目標温度SV2(温調対象Sの目標温度)に近い必要がある。
【0067】
第2目標温度SV2が低いとき、熱電モジュール60の温度調整可能範囲は大きいので、第1温調装置3により調整される流体Fの温度が第2目標温度SV2から離れていても、第2温調装置4は、第1温調装置3から供給された流体Fを第2目標温度SV2に調整することができる。
【0068】
第2目標温度SV2が高いとき、第1温調装置3により調整される流体Fの温度が第2目標温度SV2に近付いているので、熱電モジュール60の温度調整可能範囲が小さくても、第2温調装置4は、第1温調装置3から供給された流体Fを第2目標温度SV2に調整することができる。
【0069】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、循環流路2を循環する流体Fで温調対象Sの温度を調整する場合、循環流路2に第1温調装置3と第2温調装置4とが設けられる。これにより、温度制御システム1は、流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0070】
上述のように、プロセス中において、温調対象Sの目標温度(第2目標温度SV2)は、変更される場合がある。温調対象Sの目標温度の変更時においては、温度調整可能範囲が大きい第1温調装置3が流体Fの温度を温調対象Sの目標温度近傍まで調整し、応答速度が高い第2温調装置4が流体Fの温度を微調整して温調対象Sの目標温度に整定させる。これにより、温調対象Sに供給される流体Fの温度は、温調対象Sの目標温度に高精度に制御される。また、温調対象Sが熱外乱を受けた場合、第1温調装置3が流体Fの温度の変動を減衰させ、第2温調装置4が流体Fの温度を微調整することができる。
【0071】
第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2と規定値αとに基づいて決定される。これにより、第2温調装置4は、流体Fの温度を適正に微調整することができる。
【0072】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0073】
図6は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。本実施形態においては、温調対象Sの流入口Maと第1温調装置3の流入口Mcとの間の第2所定位置P2における温調対象S又は第3所定位置P3における流体Fを第2目標温度SV2にするための制御方法について説明する。第2所定位置P2は、温調対象Sに設定される。第3所定位置P3は、温調対象Sの流出口Mbと第1温調装置3の流入口Mcとの間に設定される。以下、第3所定位置P3における流体Fを第2目標温度SV2にするための制御方法について説明する。なお、第2所定位置P2における温調対象Sを第2目標温度SV2にするための制御方法も同様である。
【0074】
図6に示すように、温度制御システム1は、温調対象Sを含む循環流路2と、循環流路2の第1部分2Aに第1温度T
Lの流体F及び第1温度T
Lよりも高い第2温度T
Hの流体Fの少なくとも一方を供給して第1部分2Aの流体Fの温度を調整する第1温調装置3と、第1部分2Aと温調対象Sとの間の循環流路2の第2部分2Bにおいて温調対象Sに供給される流体Fの温度を調整する第2温調装置4と、第1部分2Aから第2部分2Bに供給される流体Fの温度を検出する第1温度センサ61と、温調対象Sと第1温調装置3の間の循環流路2の第3所定位置P3において流体Fの温度を検出する第2温度センサ62Cと、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1部分2Aから第2部分2Bに供給される流体Fが第1目標温度SV1になるように第1温調装置3を制御する第1コントローラ7と、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、温調対象Sと第1温調装置3の間の循環流路2の第3所定位置P3において流体Fが第2目標温度SV2になるように第2温調装置4を制御する第2コントローラ8と、を備える。
【0075】
第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1温調装置3から流出する流体Fが第1目標温度SV1になるように、第1温調装置3をフィードバック制御する。すなわち、第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値である温度T1をフィードバックして、第1目標温度SV1との偏差から操作量MV1を算出し、操作量MV1に基づいて、第1温調装置3を制御する。
【0076】
第2コントローラ8は、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、第2温調装置4から流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードバック制御する。すなわち、第2コントローラ8は、第2温度センサ62Cの検出値である温度T2cをフィードバックして、第2目標温度SV2との偏差から操作量MV2を算出し、操作量MV2に基づいて、第2温調装置4を制御する。
【0077】
第1コントローラ7により制御される流体Fの温度は、所謂、第1温調装置3の出口温度である。なお、第1コントローラ7により制御される流体Fの温度は、所謂、第2温調装置4の入口温度とみなされてもよい。
【0078】
第2コントローラ8により制御される流体Fの温度は、所謂、温調対象Sの出口温度である。なお、第2コントローラ8により制御される流体Fの温度は、所謂、第1温調装置3の入口温度とみなされてもよい。なお、第2所定位置P2における流体Fを第2目標温度SV2にする場合、第2コントローラ8により制御される流体Fの温度は、温調対象Sの温度である。
【0079】
第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2に基づいて決定される。本実施形態において、第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2と、第2温調装置4の温調能力に係る規定値αと、第2温度センサ62Cの検出値とに基づいて決定される。規定値αは、上述の実施形態で説明した規定値αと同様である。本実施形態において、[SV1=SV2-α+(SV2-T2c)]である。
【0080】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2と、第2温調装置4の温調能力に係る規定値αと、第2温度センサ62Cの検出値である温度T2cとに基づいて決定される。例えば熱外乱により、温調対象Sから流出する流体Fの温度T2cが変動する可能性がある。本実施形態によれば、第1目標温度SV1は、温度T2cの変動を考慮して決定される。これにより、例えばプロセス中において、温調対象Sの目標温度が変更されても、温度制御システム1は、第1温調装置3及び第2温調装置4を用いて、流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0081】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0082】
図7は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。本実施形態においても、温調対象Sの流出口Mbと第1温調装置3の流入口Mcとの間に設定された第3所定位置P3における流体Fを第2目標温度SV2にするための制御方法について説明する。なお、第2所定位置P2における温調対象Sを第2目標温度SV2にするための制御方法も同様である。
【0083】
図7に示すように、温度制御システム1は、温調対象Sを含む循環流路2と、第1温調装置3と、第2温調装置4と、第1温度センサ61と、第2温度センサ62Cと、第1コントローラ7と、第2コントローラ8と、を備える。
【0084】
本実施形態において、第2コントローラ8は、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、第2温調装置4に制御指令を出力するフィードバック制御部81と、温調対象Sに入力される熱外乱駆動信号dと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、第2温調装置4に制御指令を出力するフィードフォワード制御部82とを有する。
【0085】
フィードバック制御部81は、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、第2温調装置4から流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードバック制御する。すなわち、フィードバック制御部81は、第2温度センサ62Cの検出値である温度T2cをフィードバックして、第2目標温度SV2との偏差から操作量MV2aを算出する。
【0086】
フィードフォワード制御部82は、温調対象Sに入力される熱外乱駆動信号dと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、温調対象Sから流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードフォワード制御する。
【0087】
熱外乱駆動信号dとは、温調対象Sが受ける熱外乱を発生させる信号をいう。温調対象Sがプラズマ処理装置のウエハホルダである場合、プラズマを発生させるための熱外乱駆動信号dがプラズマ処理装置に入力される。熱外乱駆動信号dがプラズマ処理装置に入力されることにより、プラズマが発生し、温調対象Sは、プラズマによる熱外乱を受ける。熱外乱駆動信号dと温調対象Sが受ける熱外乱との関係は、実験等により導出される既知データである。
【0088】
温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルは、実験又はシミュレーションにより導出され、フィードフォワード制御部82に記憶される。フィードフォワード制御部82は、温調対象Sの動特性モデルに熱外乱駆動信号dを入力することにより、温調対象Sから流出する流体Fの温度を予測することができる。また、フィードフォワード制御部82は、第2温調装置4の動特性モデルに基づいて、温調対象Sから流出する流体Fの温度を第2目標温度SV2にするための操作量MV2bを算出することができる。すなわち、フィードフォワード制御部82は、温調対象Sに入力される熱外乱駆動信号dと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、温調対象Sが受ける熱外乱を打ち消す操作量MV2bを算出することができる。
【0089】
第2コントローラ8は、フィードバック制御部81により算出された操作量MV2aと、フィードフォワード制御部82により算出された操作量MV2bとを加算して、操作量MV2を算出し、操作量MV2に基づいて、第2温調装置4を制御する。
【0090】
なお、熱外乱駆動信号dがゼロの場合、フィードフォワード制御部82は、操作量MV2bを算出しない。
【0091】
第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1温調装置3から流出する流体Fが第1目標温度SV1になるように、第1温調装置3をフィードバック制御する。すなわち、第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値である温度T1をフィードバックして、第1目標温度SV1との偏差から操作量MV1を算出し、操作量MV1に基づいて、第1温調装置3を制御する。
【0092】
第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2に基づいて決定される。上述の第2実施形態と同様、第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2と、第2温調装置4の温調能力に係る規定値αと、第2温度センサ62Cの検出値とに基づいて決定される。本実施形態においても、[SV1=SV2-α+(SV2-T2c)]である。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、第2コントローラ8は、フィードバック制御部81とフィードフォワード制御部82とを有する。フィードフォワード制御部82は、温調対象Sが受ける熱外乱を考慮して、第2温調装置4を制御することができる。したがって、温度制御システム1は、第1温調装置3及び第2温調装置4を用いて、流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0094】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0095】
図8は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。本実施形態においても、温調対象Sの流出口Mbと第1温調装置3の流入口Mcとの間に設定された第3所定位置P3における流体Fを第2目標温度SV2にするための制御方法について説明する。なお、第2所定位置P2における温調対象Sを第2目標温度SV2にするための制御方法も同様である。
【0096】
図8に示すように、温度制御システム1は、温調対象Sを含む循環流路2と、第1温調装置3と、第2温調装置4と、第1温度センサ61と、第2温度センサ62Cと、第1コントローラ7と、第2コントローラ8と、を備える。
【0097】
本実施形態において、第2コントローラ8は、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、第2温調装置4に制御指令を出力するフィードバック制御部81と、温調対象Sに入力される予定の熱外乱駆動未来信号dfと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、第2温調装置4に制御指令を出力する予見フィードフォワード制御部83とを有する。
【0098】
フィードバック制御部81は、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、第2温調装置4から流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードバック制御する。すなわち、フィードバック制御部81は、第2温度センサ62Cの検出値である温度T2cをフィードバックして、第2目標温度SV2との偏差から操作量MV2aを算出する。
【0099】
予見フィードフォワード制御部83は、温調対象Sに入力される予定の熱外乱駆動未来信号dfと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、温調対象Sから流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードフォワード制御する。
【0100】
熱外乱駆動未来信号dfとは、温調対象Sが受ける熱外乱を発生させる予定の信号をいう。温調対象Sがプラズマ処理装置のウエハホルダである場合、プラズマを発生させるための熱外乱駆動信号dがプラズマ処理装置に入力される。熱外乱駆動信号dがプラズマ処理装置に入力されることにより、プラズマが発生し、温調対象Sは、プラズマによる熱外乱を受ける。熱外乱駆動信号dと温調対象Sが受ける熱外乱との関係は、実験等により導出される既知データである。また、熱外乱駆動信号dは、プロセスのレシピとして作成されている。熱外乱駆動未来信号dfは、プラズマ処理装置に実際に入力される時刻よりも未来の時刻に入力が予定されている熱外乱駆動信号dである。すなわち、熱外乱駆動信号dがプラズマ処理装置に実際に入力される時刻をt0とした場合、熱外乱駆動未来信号dfは、時刻t0よりもある数のステップだけ未来の時刻t1に入力が予定されている熱外乱駆動信号dである。熱外乱駆動未来信号dfは、プロセスのレシピから導出される。
【0101】
フィードフォワード制御部82は、温調対象Sに入力される予定の熱外乱駆動未来信号dfと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、未来の時刻t1において温調対象Sが受ける予定の熱外乱を打ち消す操作量MV2cを算出することができる。
【0102】
第2コントローラ8は、フィードバック制御部81により算出された操作量MV2aと、フィードフォワード制御部82により算出された操作量MV2cとを加算して、操作量MV2を算出し、操作量MV2に基づいて、第2温調装置4を制御する。
【0103】
第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1温調装置3から流出する流体Fが第1目標温度SV1になるように、第1温調装置3をフィードバック制御する。すなわち、第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値である温度T1をフィードバックして、第1目標温度SV1との偏差から操作量MV1を算出し、操作量MV1に基づいて、第1温調装置3を制御する。
【0104】
第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2に基づいて決定される。上述の第2実施形態と同様、第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2と、第2温調装置4の温調能力に係る規定値αと、第2温度センサ62Cの検出値とに基づいて決定される。本実施形態においても、[SV1=SV2-α+(SV2-T2c)]である。
【0105】
以上説明したように、本実施形態によれば、第2コントローラ8は、フィードバック制御部81と予見フィードフォワード制御部83とを有する。予見フィードフォワード制御部83は、温調対象Sが受ける予定の熱外乱を考慮して、第2温調装置4を制御することができる。したがって、温度制御システム1は、第1温調装置3及び第2温調装置4を用いて、流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0106】
なお、上述の第1実施形態から第4実施形態において、規定値αは、第2目標温度SV2に基づいて変化する変数であることとした。規定値αは、定数でもよい。
【0107】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0108】
図9は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。本実施形態においても、温調対象Sの流出口と第1温調装置3の流入口との間に設定された第3所定位置P3における流体Fを第2目標温度SV2にするための制御方法について説明する。なお、第2所定位置P2における温調対象Sを第2目標温度SV2にするための制御方法も同様である。
【0109】
図9に示すように、温度制御システム1は、温調対象Sを含む循環流路2と、第1温調装置3と、第2温調装置4と、第1温度センサ61と、第2温度センサ62Cと、第1コントローラ7と、第2コントローラ8と、を備える。
【0110】
上述の第3実施形態と同様、第2コントローラ8は、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、第2温調装置4に制御指令を出力するフィードバック制御部81と、温調対象Sに入力される熱外乱駆動信号dと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、第2温調装置4に制御指令を出力するフィードフォワード制御部82とを有する。また、第2コントローラ8は、ローパスフィルタ84を有する。
【0111】
フィードバック制御部81は、第2温度センサ62Cの検出値に基づいて、第2温調装置4から流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードバック制御する。すなわち、フィードバック制御部81は、第2温度センサ62Cの検出値である温度T2cをフィードバックして、第2目標温度SV2との偏差から操作量MV2aを算出する。
【0112】
フィードフォワード制御部82は、温調対象Sに入力される熱外乱駆動信号dと、温調対象Sの動特性モデル及び第2温調装置4の動特性モデルとに基づいて、温調対象Sから流出する流体Fが第2目標温度SV2になるように、第2温調装置4をフィードフォワード制御する。
【0113】
第2コントローラ8は、フィードバック制御部81により算出された操作量MV2aと、フィードフォワード制御部82により算出された操作量MV2bとを加算して、操作量MV2を算出し、操作量MV2に基づいて、第2温調装置4を制御する。
【0114】
第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値に基づいて、第1温調装置3から流出する流体Fが第1目標温度SV1になるように、第1温調装置3をフィードバック制御する。すなわち、第1コントローラ7は、第1温度センサ61の検出値である温度T1をフィードバックして、第1目標温度SV1との偏差から操作量MV1を算出し、操作量MV1に基づいて、第1温調装置3を制御する。
【0115】
ローパスフィルタ84は、第1目標温度SV1の決定に使用される熱外乱駆動信号dの高周波成分をカットした信号dcを生成する。熱外乱駆動信号dが急激に変化しても、ローパスフィルタ84により、第1目標温度SV1が急激に変化することが抑制される。
【0116】
第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2に基づいて決定される。本実施形態において、第1目標温度SV1は、第2目標温度SV2と、熱外乱駆動信号dとに基づいて決定される。本実施形態において、[SV1=SV2-dc×β]である。なお、βは換算係数である。
【0117】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1目標温度SV1は第2目標温度SV2と、熱外乱駆動信号dとに基づいて決定される。熱外乱の大きさによっては、第2温調装置4の温調能力が不足する場合がある。第2温調装置4の温調能力の不足を第1温調装置3で補うために、第1目標温度SV1の決定に熱外乱駆動信号dが使用される。熱外乱駆動信号dが大きくなった場合、第1目標温度SV1は低くなる。これにより、第1温調装置3は、第2温調装置4の温調能力の不足を補うことができる。
【0118】
なお、第2コントローラ8は、上述の第4実施形態で説明したような、予見フィードフォワード制御部83を有してもよい。
【0119】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、第1温調装置3が流体Fを供給する第1部分2Aは、循環流路2に配置されたタンク9であることとした。第1温調装置3が流体Fを供給する第1部分2Aは、循環流路2の一部でもよい。
【符号の説明】
【0120】
1…温度制御システム、2…循環流路、2A…第1部分、2B…第2部分、3…第1温調装置、4…第2温調装置、5…ポンプ、6…温度センサ、7…第1コントローラ、8…第2コントローラ、9…タンク、10L…低温温調ユニット、10H…高温温調ユニット、11L…低温流路、11H…高温流路、12L…低温オーバーフロー流路、12H…高温オーバーフロー流路、13…バルブシステム、14L…低温流量調整弁、14H…高温流量調整弁、15L…低温開閉弁、15H…高温開閉弁、40…本体部材、42…温調流路、44…熱交換板、45…駆動回路、50…温調部、51…ケース、60…熱電モジュール、61…第1温度センサ、62…第2温度センサ、62A…第2温度センサ、62B…第2温度センサ、62C…第2温度センサ、63…熱電半導体素子、63P…p型熱電半導体素子、63N…n型熱電半導体素子、65…第1電極、66…第2電極、81…フィードバック制御部、82…フィードフォワード制御部、83…予見フィードフォワード制御部、84…ローパスフィルタ、d…熱外乱駆動信号、df…熱外乱駆動未来信号、F…流体、Ma…流入口、Mb…流出口、Mc…流入口、Md…流出口、Me…流入口、Mf…流出口、MV1…操作量、MV2…操作量、P1…第1所定位置、P2…第2所定位置、P3…第3所定位置、SV1…第1目標温度、SV2…第2目標温度、S…温調対象、T1…温度、T2a…温度、T2b…温度、T2c…温度。