(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】バタフライ式圧力制御バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 1/22 20060101AFI20240822BHJP
F16K 49/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F16K1/22 D
F16K49/00 B
(21)【出願番号】P 2020155131
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501417929
【氏名又は名称】株式会社キッツエスシーティー
(74)【代理人】
【識別番号】100081293
【氏名又は名称】小林 哲男
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 俊昭
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-326565(JP,A)
【文献】特開2005-147219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0049259(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00- 1/54
F16K 39/00-51/02
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステムフランジ部の上部と下部にシャフト部を設けたステムと、
前記ステムを貫通させる貫通穴を上部側と下部側に設けた環状のボデーと、
前記貫通穴に流路と垂直方向に長辺を向けて形成したステム挿入長穴と、
前記ステムフランジ部に取り付けられて前記ボデーの内周側を回転する薄型のフラッパーと、を備え、
前記ステムフランジ部は、前記シャフト部の径より大きな幅の平面と前記シャフト部の径と同程度以下の厚さにより形成され、このステムフランジ部を前記ボデーの前記ステム挿入長穴より挿入可能に設けたことを特徴とするバタフライ式圧力制御バルブ。
【請求項2】
前記フラッパーは、薄型ヒーターが内蔵された状態で薄型フラッパー材とシールプレートとが溶接密閉されて形成されており、
前記薄型ヒーターに垂直に溶接されたヒーター端子は、前記フラッパーと前記ステムのフラッパー接続側の前記平面よりも飛び出ており、前記ステムフランジ部の平面には電線導入穴が設けられ、前記ヒーター端子と溶接された電線が前記ステムに形成された電線引出し穴の内部に配置された請求項1に記載のバタフライ式圧力制御バルブ。
【請求項3】
前記シールプレートには前記電線導入穴に連通するヒーター端子飛び出し穴が設けられ、このヒーター端子飛び出し穴と前記電線導入穴とがガスケットでシールされた状態で前記フラッパーと前記ステムとが密封シールされた請求項2に記載のバタフライ式圧力制御バルブ。
【請求項4】
前記フラッパーは、
前記薄型フラッパー材の外周部と前記シールプレートの外周部とがシール溶接されると共に、前記薄型フラッパー材に設けられたフラッパー取付けネジ穴を有する複数個の凸部の外周部と前記シールプレートとがシール溶接された請求項2又は3に記載のバタフライ式圧力制御バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体製造工程における成膜用真空処理装置の真空チェンバーの排気側に配置され、加熱用のヒーターが設けられた圧力制御バルブに関し、特に、配管サイズが大口径である場合にも高速で動作可能なバタフライ式圧力制御バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、半導体製造工程の成膜プロセスでは、真空チェンバーとその排気側の真空ポンプとの間にアイソレーション機能を備えたバルブが設けられ、そのアイソレーションバルブの前後の配管にはスロー排気用のバイパス配管を設けており真空チャンバーは所定の真空圧力に排気される。真空チャンバーにプロセスガスを導入する際はアイソレーションバルブの二次側に配置される圧力制御バルブにより真空チャンバー内の圧力が一定になるように制御される。真空排気系の圧力制御バルブには、1台のバルブでアイソレーション機能とスロー排気機能と圧力制御機能を持った一体型のバタフライ式圧力制御バルブやゲート式圧力制御バルブで構成される場合もある。
【0003】
一方、アイソレーション用ゲートバルブとバタフライ式圧力制御バルブとによる2つの専用バルブを組み合わせた場合には、成膜プロセス中に、ゲートバルブは全開状態であり、プロセス終了後に弁閉となるだけで高速動作は不要であり、バタフライ式圧力制御バルブは、プロセスガスのON/OFF切り替え動作に合わせて高速で圧力制御を行い、プロセス圧力を一定に保つことができる。このように、アイソレーション用ゲートバルブと圧力制御バルブとに分けたときには、バタフライ式圧力制御バルブは連続で高速動作ができるためALD排気系に適している。この場合、バタフライ式圧力制御バルブは、慣性トルクを小さくするために軽量な薄型フラッパーが軸シール部を通してステム軸に取り付けられ、通常は弁座シール機構が設けられていないことが多く摺動部はステム軸シール部の摺動摩擦のみでトルクが小さいため、これにより、高速動作並びに高耐久性を発揮することが可能になっている。このバルブでは、一般に、生成物の付着を防止するために、加熱用のヒーターでボデーやフラッパーを加熱するようになっている。
【0004】
この種のバタフライ式圧力制御バルブとして、例えば、
図11(a)に示した圧力制御バルブ1が知られている。この圧力制御バルブ1は、配管サイズ200Aほどの大口径の排気系に、一般的な構造の図示しないアイソレーション用ゲートバルブとともに用いられ、
図11(b)における流路開閉用のフラッパー部材2を約0.1秒の高速で作動させるために、その厚みtが2mm程度の極薄肉に形成され、このフラッパー部材2と弁箱3との間の弁座シール部が省略された構造になっている。このバルブ1は、フラッパー部材2側に加熱用のヒーターが設けられておらず、加熱の必要の無い圧力制御専用のスロットルバルブとして用いられる。
【0005】
これに対し、
図12(a)、
図12(b)においては、ヒーター内蔵型ステム10を示し、そのステム部材11の内部には、フラッパー部材14付近を加熱するための円柱状の加熱用ヒーター12が設けられている。フラッパー部材14は、例えば、口径100A程度までの小口径に形成されてその外周にはOリング部材16が装着され、キー部材15を通してステム部材11に弁体取付け用ボルト17により固定される。ステム部材11の中央部には有底孔13が設けられ、この有底孔13にカートリッジ式の加熱用ヒーター12が挿入されてステム部材11に内蔵される。加熱用ヒーター12を加熱したときには、熱伝導によりフラッパー部材14が加熱され、このフラッパー部材14や図示しない弁箱が200℃程度にまで加熱される。このように、加熱用ヒーター12でフラッパー部材14側を高温に加熱することで、成膜プロセスの排気系における生成物の付着を防止することが可能となる。
【0006】
このような構造のバルブとして、例えば、特許文献1のスロットルバルブが開示されている。このバルブでは、弁体の回動軸に有底穴が形成され、この有底穴に弁体を加熱するヒータロッドが装着されている。さらに、スロットルバルブ本体(ボデー)のフランジ部には円環状の溝が形成され、この溝に板状ヒータが装着されていることにより、ボデー側も板状ヒータで加熱され、バルブ全体の温度を上昇させることが可能になっている。
【0007】
一方、
図13(a)、
図13(b)においては、例えば、口径200A程度の大口径バルブ用のフラッパー部材20を示している。フラッパー部材20はフラッパー板21を有し、その一面側には、内径側から外径側にかけて溝22が形成され、この溝22に加熱用のヒーター電線23が内蔵される。フラッパー板21の上下側には挿入孔24が形成され、この挿入孔24には上下に分割された上下部ステム25、26がそれぞれ挿入されて接続され、ヒーター電線23は、下部ステム26の中央部に形成された貫通孔27を通して外部と接続され、ヒーター電線23の上から蓋板28がフラッパー板21に取り付けられる。この構造により、ヒーター電線23でフラッパー板21の内径側から外径側までの全体を加熱し、フラッパー部材20が大口径となる場合にも、加熱時の温度のばらつきを小さく抑えようとするものである。
【0008】
図13のヒーター取付け構造と同様の構造を有するバルブとしては、例えば、特許文献2の圧力調整弁が開示されている。この圧力調整弁においては、弁体ヒータがドーナッツ状に形成され、弁体(フラッパー)の両面側に形成された小径凹部に収納されている。各小径凹部の外周側には大径凹部が形成され、この大径凹部に蓋板が嵌め込まれる。このように、弁体の両面側に弁体ヒータを設けていることで、肉厚状の弁体であっても全体を加熱することが可能になり、また、弁箱の外面側には弁箱ヒータが取り付けられ、この弁箱ヒータにより弁箱が加熱される。
【0009】
特許文献3の圧力調整弁は、特許文献2に対して加熱用ヒータが交換可能な構造に設けられ、この圧力調整弁では、円板状の弁体(フラッパー)の裏面側に2つの凹部が形成され、奥側の凹部には面状ヒータからなる弁体加熱手段が収納され、この弁体加熱手段の上から、手前側の凹部に弁体カバーが溶接される。弁体カバーの中央位置には、絶縁スペーサで絶縁された状態で平板状接続端子が装着され、この平板状接続端子が弁体取付け用の弁体ホルダ(ステム)に設けられた平板状接続端子と接続可能に設けられている。
【0010】
弁体ホルダは、上下部分が円筒形、弁体を支持する中央部分が平面状に切り欠かれた切欠き円形断面形状に設けられ、弁体は、切欠き平面部に当接された状態でボルトにより1本の弁体ホルダに固定される。弁体ホルダの弁体の裏面との対向側には凹部が形成され、この凹部に平板状接続端子と絶縁スペーサが収容される。さらに、弁体と弁体ホルダとの間の内部には、弁体側の平板状接続端子と弁体ホルダ側の平板状接続端子とを接触させる方向に弾発するスプリングが装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特許第3274895号公報
【文献】特許第3521086号公報
【文献】特開2010-112388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述した
図11の圧力制御バルブ1は、フラッパー部材2付近を加熱するヒーターが設けられていないため、プロセスガス(材料)を流したときに、真空チェンバーからの流出分に含まれる生成物が冷却され、この生成物が固形膜などとして流路5の内壁などに付着しやすくなる。この場合、特に、フラッパー部材2の弁箱3との摺動面や弁箱3の弁座面6、ステム部材7の外周面などに生成物が堆積しやすくなり、その堆積量の増加に伴ってフラッパー部材2動作時の摺動抵抗が大きくなってフラッパー部材2駆動用の図示しないモーターに過大な負荷がかかってこのモーターが故障し、フラッパー部材2を正常に開閉操作できなくなることもある。
【0013】
また、フラッパー付近をヒーターで加熱する場合、
図12のステム10を使用したバルブ並びに特許文献1のバルブのように、ステム10側に設けた加熱用ヒーター12でフラッパー部材14を加熱する構造では、口径100A程度の小口径のバルブではステム部材11からの熱伝導でフラッパー部材14全体を加熱することは可能ではあるが、口径200A以上の大口径のバルブでは、加熱用ヒーター12の熱が大径のフラッパー部材14の外径側まで伝導されにくくなり、フラッパー部材14全体や弁箱を高温に加熱できないおそれがある。この場合、加熱が不足した低温部分に生成物が付着しやすくなる。
【0014】
一方、
図13や特許文献2、3において、フラッパー部材20側に加熱用のヒーター電線23を設けた構造のバルブの場合、バルブが口径200A以上の大口径であるときにも、フラッパー部材20全体を加熱して生成物の付着を防ぐことは可能になる。
しかしながら、このフラッパー部材20を有するバルブでは、下部ステム26の内部にヒーター電線23を通すための貫通孔27を設け、下部ステム26とフラッパー板21との間にはヒーター電線23を電気的に接続するための接続用端子を配置するための幅や奥行きが必要になり、これらを確保するためにステム径を大きく形成することになる。
【0015】
例えば、
図13並びに特許文献2の場合、上下部ステム25、26でフラッパー部材20を支持する構造であり、フラッパー板21は、ヒーター電線23用の貫通孔27を有する下部ステム26を挿入し、接続用端子が配置されるための幅や奥行き(厚さ)が必要になるため、フラッパー部材20が厚くなって上下部ステム25、26も大径化する。さらに、ヒーター電線23が内部に配線される下部ステム26とフラッパー板との間には、Oリング等のシール部材29も必要になるため、フラッパー部材20が一層厚くなる。
【0016】
これらのことから、フラッパー部材20や上下部ステム25、26の重量も増加するため、開閉操作時のトルクも大きくなる。このため、高速の開閉動作が難しくなり、例えば、フラッパー部材20を0.1秒程度の高速で開閉操作するために、高出力の操作用アクチュエータ(駆動用モーター)が必要になることもある。
これに加えて、フラッパー部材の肉厚化や上下部ステム25、26の大径化によってバルブ全開時のコンダクタンスが小さくなり、また、組立性も悪い。
【0017】
特許文献3の圧力制御弁においては、弁体ホルダ(ステム)の上下部分が円筒形、中央部分が切欠き円形断面形状に設けられており、ヒータリード線(ヒーター電線)の端部側に設けられた平板状接続端子を弁体(フラッパー)側の平板状接続端子に接続するために幅や奥行きが必要になり、これら平板状接続端子やヒータリード線を配置するために、ステムやフラッパーの開口部の幅を大きくする必要がある。さらに、開口部の外周囲にステムとフラッパーとをシールするOリング装着用の長穴状の溝を設けていることで、ステムの外径がより大きくなっている。これらにより、ステムやフラッパーが大きくなり、その重量も増加する。そして、上記と同様に、操作トルクが大きくなって高速作動も難しくなり、全開時のコンダクタンスも小さくなる。また、フラッパー側とステム側に設けた接続端子同士を接続しつつ一体化する構成であることから組立性も悪い。
【0018】
本発明は、従来の課題を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、真空処理装置の真空チェンバーの排気側に配置してフラッパーとその周囲付近をヒーターで加熱して生成物の付着を防止し、大口径化する場合にも最薄型化と最軽量化を図りつつ高速開閉動作が可能であり、全開時にはコンダクタンスを最大に確保でき、組立性も良好なバタフライ式圧力制御バルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ステムフランジ部の上部と下部にシャフト部を設けたステムと、ステムを貫通させる貫通穴を上部側と下部側に設けた環状のボデーと、貫通穴に流路と垂直方向に長辺を向けて形成したステム挿入長穴と、ステムフランジ部に取り付けられてボデーの内周側を回転する薄型のフラッパーとを備え、ステムフランジ部は、シャフト部の径より大きな幅の平面とシャフト部の径と同程度以下の厚さにより形成され、このステムフランジ部をボデーのステム挿入長穴より挿入可能に設けたバタフライ式圧力制御バルブである。
【0020】
請求項2に係る発明は、フラッパーは、薄型ヒーターが内蔵された状態で薄型フラッパー材とシールプレートとが溶接密閉されて形成されており、薄型ヒーターに垂直に溶接されたヒーター端子は、フラッパーとステムのフラッパー接続側の平面よりも飛び出ており、ステムフランジ部の平面には電線導入穴が設けられ、ヒーター端子と溶接された電線がステムに形成された電線引出し穴の内部に配置されたバタフライ式圧力制御バルブである。
【0021】
請求項3に係る発明は、シールプレートには電線導入穴に連通するヒーター端子飛び出し穴が設けられ、このヒーター端子飛び出し穴と電線導入穴とがガスケットでシールされた状態でフラッパーとステムとが密封シールされたバタフライ式圧力制御バルブである。
【0022】
請求項4に係る発明は、フラッパーは、薄型フラッパー材の外周部とシールプレートの外周部とがシール溶接されると共に、薄型フラッパー材に設けられたフラッパー取付けネジ穴を有する複数個の凸部の外周部とシールプレートとがシール溶接されたバタフライ式圧力制御バルブである。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る発明によると、真空処理装置の真空チャンバーの排気側に配置してフラッパーその周囲付近をヒーターで加熱して生成物の付着を防止でき、ステムフランジ部をシャフト径より大きな幅の平面とシャフト部の径と同程度以下の厚さで形成し、ステムフランジ部をボデーのステム挿入長穴より挿入可能としたことで、ボデーの幅はヒーター無し仕様と同じ厚さで、弁座シール機能有りと無しのフラッパーは互換性があり入れ替え可能にできる。また、ステムにフランジ部を設けたことで、ステムフランジ面に直接フラッパーを取り付けることができ、ステムにカートリッジヒーターを挿入する構造とフラッパーにヒーターを内蔵する構造も互換性が得られ入れ替えが可能になる。更に弁座シール機能が無いフラッパーでは薄型と最軽量化でヒーターを装着でき、操作トルクを抑えて高速の開閉動作も可能になり、全開時のコンダクタンスを最大に確保し、組立性も良好である。
【0024】
請求項2に係る発明によると、フラッパー内に薄型ヒーターを密閉状態で内蔵していることにより、真空又は大気圧の状態が繰り返された場合でも、フラッパー内部へのガスや生成物などの浸入を防ぐ。ヒーター端子を薄型ヒーターに垂直に溶接し、このヒーター端子がフラッパーとステムのフラッパー接続側の平面よりもステムフランジ部側に飛び出ており、一方、ステムフランジ部の平面には電線導入穴を設け、ヒーター端子と溶接された電線をステムの電線引出し穴付近に配置していることで、ヒーター端子の一部又は全部をステムフランジ部内に内蔵してこのヒーター端子並びに電線をフラッパーとステムフランジ部の厚さ以内の寸法に収め、ステム外径を大きくしたりフラッパーを厚くすることなく、ヒーターを電気的に接続できる。
【0025】
請求項3に係る発明によると、フラッパーとステムとを密閉シールした状態で一体化することで、これらフラッパーとステムとの間からのガスや生成物の浸入を防ぎ、ヒーター端子や電線の浸潤、ショートを阻止して故障を防止することができる。
【0026】
請求項4に係る発明によると、内部が大気圧の密閉状態でフラッパーを形成し、バルブ本体内が真空状態になった場合にも、その圧力変化によるフラッパーの変形や破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明のバタフライ式圧力制御バルブの実施形態を示す一部切欠き正面図である。
【
図2】(a)は、ボデーの底面図である。(b)は、(a)の要部拡大図である。
【
図3】(a)は、ステムの正面図である。(b)は、(a)の拡大底面図である。
【
図4】
図1のバタフライ式圧力制御バルブの一部省略分離斜視図である。
【
図6】フラッパーと電線とを示す一部切欠き側面図である。
【
図9】(a)は、フラッパーとステムを固定した状態を示す正面図である。(b)は、(a)の左側面図である。
【
図11】(a)は、従来のヒーター無しの圧力制御バルブを示す一部切欠き側面図である。(b)は、(a)におけるフラッパーを示す断面図である。
【
図12】(a)は、従来のヒーター内蔵型ステムを示す一部切欠き側面図である。(b)は、(a)のヒーター内蔵型ステムとフラッパーとの取付け状態を示す断面図である。
【
図13】(a)は、従来のヒーター内蔵型フラッパー部材の取付け状態を示す正面図である。(b)は、(a)のフラッパー部材に蓋板を取付けた状態を示す一部切欠き側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明におけるバタフライ式圧力制御バルブの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1においては、本発明のバタフライ式圧力制御バルブの実施形態の一部切欠き正面図、
図4は、
図1のバタフライ式圧力制御バルブの一部省略分離斜視図、
図5は、
図1の一部切欠き拡大側面図を示している。
【0029】
図において、本発明のバタフライ式圧力制御バルブ(以下、バルブ本体30という)は、ステム31と、ボデー32と、薄型のフラッパー(弁体)33とを備え、例えば、図示しないALDによる半導体製造装置の成膜用真空処置装置の真空チェンバーと真空ポンプとの間のアイソレーション用ゲートバルブの二次側に、弁閉シール機能のない圧力制御用として配置される。このバルブ本体30により、真空チェンバーからアイソレーション用ゲートバルブを通して排気されるときに流路が開閉され、例えば、真空チェンバー内に交互に導入される材料(プロセスガス)の切り替えがおこなわれる。
【0030】
図3(a)に示したステム31は一体に形成され、ステムフランジ部40と、円筒状の上部シャフト部41、下部シャフト部42の2つのシャフト部とを備え、ステムフランジ部40の上部と下部とに上下のシャフト部41、42がそれぞれ設けられ、このステム31が回転制御されることでフラッパー33が開閉する。
【0031】
ステムフランジ部40は、本例では、フラッパー33の外形よりやや小さくなる長さに形成され、フラッパー33を取り付ける平面43は、ステムフランジ部40からシャフト部41、42の一部にかけて形成されることで、フラッパー33の外形よりもやや大きく形成される。ステムフランジ部40に対して、フラッパー33は、ボデー32の中心になるよう調整して固定される。
【0032】
ステムフランジ部40のフラッパー33との接続側には、このフラッパー33が当接可能な縦長状の平面43が形成され、この平面43の幅Wは、上下のシャフト部41、42の外径φD1よりも大きくなるように設けられる。ステムフランジ部40のフラッパー33取付け側との背面側においても、フラッパー取付け側と同様に縦長状の平面43が形成され、これらの平面43、43により、ステムフランジ部40は、
図3(b)に示すように、両側にアール部位を有する略矩形状の断面形状であり、平面43、43同士の厚さHが、外径φD1と同程度以下となるように形成される。
【0033】
ステムフランジ部40のフラッパー33取付け側の平面43の所定位置には、後述するヒーター50の加熱用の電線51を内部に導入するための電線導入穴52が長穴状に設けられ、さらに、この電線導入穴52に続けて、ステムフランジ部40に装入した電線51を外部に引き出すための電線引出し穴53が外部と連通してステムフランジ部40の内部に形成される。
【0034】
平面43の上下付近の所定位置には、フラッパー33の装着方向と直交する方向に2箇所づつ連通孔54が形成され、各連通孔54を通して後述のフラッパー取付けネジ55が取り付け可能に設けられる。
【0035】
電線導入穴52の外周側には、この電線導入穴52の外周に沿って長穴状の段部面57が形成され、この段部面57には、シール用ガスケット58がステムフランジ部40の平面43と同じか、平面43よりもやや突出した高さに装着される。このガスケット58により、フラッパー33と電線導入穴52の外周側とが密封シールされる。
上下のシャフト部41、42は、それぞれ略円筒状に形成され、これらシャフト部41、42の外径がステム31の外径φD1となる。
【0036】
図1、
図4、
図5に示すボデー32は、例えば、口径200A以上の大口径の環状に形成され、このボデー32の上部側と下部側には、上下のシャフト部41、42をそれぞれ貫通可能な貫通穴61がシャフト部41、42と同心上に設けられる。このうち、下部側の貫通穴61は、ボデー32の外径側に形成される円形状の貫通丸穴62と、この貫通丸穴62よりも内径側に形成されるステム挿入長穴65とを備え、
図1において、貫通丸穴62は、ステム31の挿入方向における高さY1、ステム挿入長穴65は、高さY2によりそれぞれ設けられる。
【0037】
一方、上部側の貫通穴61は、下部側の貫通丸穴62と同じボデー外径側の貫通丸穴62と、この貫通丸穴62よりも小径であって上部シャフト部41を回動可能に挿入可能な内径の貫通小径穴62aとを備えている。
【0038】
図2において、ステム挿入長穴65は、ボデー32内に形成される流路32aと垂直方向に長辺Lが向けられる方向で、前述したステムフランジ部40の断面形状よりもやや大きい形状により、貫通丸穴62と同軸で、長辺Lがボデー32両端の接続端面66と平行になる向きで形成される。このステム挿入長穴65を通して、断面略矩形状のステムフランジ部40がシャフト部41、42とともにボデー32内の所定位置まで挿入可能となり、この状態でステム31の平面43にフラッパー33を取り付け可能になる。
【0039】
このとき、
図1に示すように、ボデー32上下側の貫通丸穴62には、ベアリング67がそれぞれ装入方向に位置決めされた状態でステム31外周側に装着され、この上から軸装用のボンネット68が、Oリング69を通してボデー32の上部と下部にそれぞれ取付ボルト70で固定される。上下ボンネット68内におけるシャフト部41、42との間には、外部シール用グランドパッキン71、グランド72、ベアリング73がそれぞれ装着される。
【0040】
ベアリング67、73は、例えばアンギュラベアリングからなり、フラッパー33をボデー32の中心位置に保持する。下部シャフト部42側のベアリング67よりも内径側には、このベアリング67とボデー32との間に挟まれるよう環状のプレート部材74が装着され、このプレート部材74でステム挿入長穴65と下部シャフト部42との隙間を塞いでいる。尚、ベアリング67は、フラッパー33をボデー32中心に保持し回転可能にするものであり、2個のアンギュラベアリングを片方のシャフトに装着することもでき、Oリングシールの外側に配置することも可能である。
【0041】
ボデー32の外周側には、板状ヒーター76が固着ネジ77により固着され、このヒーター部材76によってボデー32が外周面側から加熱される。
【0042】
図6~
図8に示すフラッパー33は、それぞれ環状で薄型に形成されたフラッパー材80、ヒーター50、シールプレート81を備え、フラッパー材80とシールプレート81は、ヒーター50よりもやや大径に形成される。
【0043】
フラッパー材80におけるヒーター50の取付け側には、複数個の凸部82が設けられ、この凸部82は、本例では上下方向に配置される2つの略矩形状凸部83と、左右方向に配置される2つの円柱状凸部84よりなる。略矩形状の凸部83には、それぞれ2つずつのフラッパー取付けネジ穴85が形成され、一方、円柱状の凸部84には、その中央に雌ネジ86が形成される。
【0044】
薄型ヒーター50は、箔状のヒーター部材が絶縁材に挟まれるようにして構成され(図示せず)、箔状ヒーター部材の一端面側にヒーター端子90が垂直に溶接される。ヒーター端子90の外周には環状の絶縁リング91が取り付けられ、この絶縁リング91によって絶縁状態でヒーター端子90に電圧供給用の電線51が溶接される。
ヒーター50の上述した略矩形状凸部83、円柱状凸部84が対向する位置には、これらをそれぞれ挿通可能な大きさの矩形穴93、円形穴94がそれぞれ形成される。
【0045】
シールプレート81は、フラッパー材80よりもやや小径に形成され、電線導入穴52と対向する位置には、この電線導入穴52に連通するヒーター端子飛び出し穴95が電線導入穴52と略同形状に設けられる。シールプレート81の略矩形状凸部83、円柱状凸部84が対向する位置(矩形穴93、円形穴94が対向する位置)には、これらがそれぞれ嵌合する大きさの矩形穴部96、円形穴部97が形成されている。
【0046】
フラッパー33は、薄型ヒーター50が内蔵された状態で、薄型フラッパー材80とシールプレート81とが溶接されることによって内部が密封された状態で形成され、このとき、フラッパー33は、ヒーター50よりやや大きなシールプレート81でシール溶接されると共に、複数個の各凸部82の外周部とシールプレート81の矩形穴部96、円形穴部97の内周面側とがシール溶接される。この場合、ヒーター端子90と溶接された電線51は、ヒーター端子90とともにヒーター端子飛び出し穴95からステム31への取付け側に引き込まれ、ステム取付け側に飛び出した位置に配置される。
【0047】
図9、
図10において、フラッパー33のステム31(ステムフランジ部40)への取り付け時には、ヒーター端子90が、フラッパー33とステム31のフラッパー接続側の平面43よりもステム31側に飛び出ており、これによりヒーター端子90の一部又は全部が電線導入穴52からステムフランジ部40の内部に装入され、電線51が電線導入穴52から電線引出し穴53の内部に配置された状態で、フラッパー33とステムフランジ部40とが固定金具100によって固定される。
【0048】
固定金具100は、断面略U字形の装着凹部101と、この装着凹部101の両端からフラッパー取付け用に延長された取付け部102とを備え、取付け部102の雌ネジ86に対応する2箇所には貫通穴部103が形成されている。
【0049】
固定金具100によりフラッパー33とステム31とを一体化する場合には、ステムフランジ部40の背面側を装着凹部101に嵌め込み、取付け部102をフラッパー33の当該位置に配置した状態とし、貫通穴部103から円形穴94、円形穴部97に固定ボルト104を挿入して雌ネジ86に螺着することにより、固定ボルト104でフラッパー33とステムフランジ部40とを固定金具100を通して固定する。
【0050】
さらに、フラッパー取付けネジ55を連通孔54を通してフラッパー取付けネジ穴85に螺合することで、フラッパー取付けネジ55でフラッパー33とステムフランジ部40とを固定する。このように、フラッパー33は、上下のフラッパー取付けネジ55と、左右の固定ボルト104とにより上下左右にステムフランジ部40に位置決めされ、流路32aに芯出しされた状態で取り付けられる。
【0051】
この場合、固定ボルト104とフラッパー取付けネジ55の締め込みにより、ヒーター端子飛び出し穴95と電線導入穴52とがガスケット58でシールされた状態で、フラッパー33とステム31(ステムフランジ部40)とが密封シールされつつ、フラッパー33がこのステムフランジ部40に取り付けられ、ステム31を通してフラッパー33がボデー32の内周側を回転可能となっている。
【0052】
なお、上記実施形態においては、一体のステム31にステムフランジ部40とシャフト部41、42とを設けているが、ステム挿入長穴65を通してステムフランジ部40に取り付け可能な断面形状であって、フラッパー33を流路32aに芯出し状態で固定可能であれば、ステムフランジ部40とシャフト部41、42とを別体に設け、これらを一体に固着してステム31を設けるようにしてもよい。
【0053】
ステムフランジ部40の平面43をフラッパー33取付け側の背面にも設けているが、この背面側の平面43は必ずしも設ける必要はなく、フラッパー33取付け側に設けた平面43の幅Wがシャフト部41、42の外径φD1よりも大きく、ステムフランジ部40がシャフト部41、42の径と同程度以下の厚さであれば、ステムフランジ部40の背面側をアール面状などの適宜の形状に設けるようにしてもよい。
【0054】
フラッパー33とその周囲付近の側から、このフラッパー33に内蔵した円板状ヒーター50のみで加熱しているが、これに加えてステム31内部に図示しないカートリッジ型のヒーターを内蔵し、このカートリッジ型ヒーターでステム31内部からも加熱するようにしてもよい。この場合、ヒーター50、板状ヒーター76に加えてカートリッジ型ヒーターで加熱することでその加熱効率がより向上する。
【0055】
一方、
図11(b)のバタフライ式圧力制御バルブのように、フラッパーにヒーターを内蔵しない構造や、又は、小型バルブのヒーター内蔵のフラッパーである場合には、固定金具100を省略でき、簡略化した構造に設けることができる。
【0056】
ボデー32側において、ステムフランジ部40(並びにシャフト部41、42)を挿入可能であれば、ステム挿入長穴65を長穴状以外の形状に設けることもできる。
【0057】
図12(b)のフラッパー部材14のように、Oリング部材16を装着した弁体シール機構付きのフラッパーを用いることもでき、この場合、図のように弁体取付け用ボルト17がフラッパー14を貫通しない状態で、ステムフランジ部位とフラッパー14とが直接取り付けられる構造とすればよい。これに加えて、ボデー内周面には弁座シール面を形成するとよく、この場合には、Oリングを外周に装着したフラッパーの弁閉するときに、Oリングと弁座シール面とによる弁座シール機能が発揮される。
【0058】
続いて、本発明のバタフライ式圧力制御バルブの上記実施形態における作用を説明する。
本発明のバタフライ式圧力制御バルブは、
図5~
図8に示すように、フラッパー33内にヒーター50を内蔵し、このヒーター50でフラッパー33やステム31及びその周囲を加熱するようにしているので、例えば、口径を200A以上の大口径に設ける場合にも、ステム31やフラッパー33及びその周囲付近を均一な高温状態に加熱できる。これにより、流路32a側に露出するこれらの部品や流路32aの内壁全体への生成物の付着及び堆積を確実に防止し、この生成物の付着や堆積によるフラッパー33開閉時のステム31の操作トルクの上昇を抑えることができる。
しかも、図示しないアクチュエータに内蔵されるモーターへの負荷を抑えつつフラッパー33の高速動作を維持できるため、低出力で小型のアクチュエータを用いて耐久性を向上しつつフラッパー33の正確な開閉動作を維持できる。
【0059】
図3に示すように、ステムフランジ部40と上下のシャフト部41、42とを備えたステム31を設け、ステムフランジ部40は、シャフト部41、42の外径φD1よりも大きな幅Wによる平面43と、シャフト部41、42の外径φD1と同程度以下の厚さHにより形成されているので、ステムフランジ部40の平面43を幅広く形成しつつ、その厚さHを薄くしながらステムフランジ部40を形成できる。
【0060】
これに対して、例えば、上記と同じ幅Wの平面43を、仮に、図の二点鎖線に示した丸棒(円柱状材料)110を切り欠いて設ける場合には、この丸棒110を直径φD2により設ける必要があり、このときのシャフト部の直径が直径φD2となってステム全体の外径(厚さ)も増加する。一方、本実施形態では、同じ幅Wの平面43としながら、厚さHにより直径φD2よりも小さくできる。このように、シャフト部41、42の外径φD1を、丸棒110を用いる場合の直径φD2に対して大幅に小径に形成することが可能になる。
【0061】
上記のステムフランジ部40をボデー32のステム挿入長穴65より挿入可能に設けていることで、ステムフランジ部40の平面43を幅広状に大きく確保した状態で、厚さHの薄いステムフランジ部40と小径化したシャフト部41、42(ステム31)をボデー32内の所定位置に装着し、このステム31に対してフラッパー33を取付けできる。
【0062】
この場合、ステム31は、ステム挿入長穴65がボデー32の接続端面66と平行状態で装着されることで、ボデー32の厚さを汎用的なバタフライバルブと同等の厚さに設けて、バルブ本体30の小型化と軽量化を図ることも可能になっている。
【0063】
フラッパー33は、ヒーター50よりもやや大きなシールプレート81でシール溶接され、フラッパー材80の複数個の凸部82の外周部とシールプレート81とをシール溶接して設けられているので、内部が密封されて大気圧の状態となる。そのため、仮に、このフラッパー33を装着したバルブ本体30の内部が真空状態になったとしても、フラッパー材80やシールプレート81の変形を防止し、ヒーター50の故障などを防止する。
【0064】
ヒーター50を、例えば1mm程度の薄板により形成し、このヒーター50に対してヒーター端子90を垂直に溶接していることで、ヒーター50の厚みの増加を防いでいる。そして、このヒーター50にシールプレート81、フラッパー材80を一体化してフラッパー33を設けたときには、
図6において、このフラッパー33の厚みTを、例えば4~5mm程度の極薄に抑えて軽量化を図っている。
【0065】
ヒーター50に垂直に溶接されたヒーター端子90は、フラッパー33とステム31(ステムフランジ部40)の平面43よりもステム31側に飛び出ており、一方において、ステムフランジ部40の平面43に電線導入穴52を設け、ヒーター端子90とこのヒーター端子90に溶接された電線51とを電線導入穴52から電線引出し穴53の内部に配置して外部に引き出せるようにしているので、ステム31へのフラッパー33装着時には、平面43にシールプレート81側を当接させ、ステム31側に飛び出たヒーター端子90の一部又は全部を電線導入穴52からステム31に内蔵できる。
【0066】
この場合、ステムフランジ部40の平面43を幅広状とし、この平面43に幅広状の電線導入穴52を設けていることで、この電線導入穴52を通して平板状で横幅の大きいヒーター端子90と、電線51とを、ステム31内部に確実に装入した状態で、このステム31とフラッパー33とを一体化できる。
【0067】
シールプレート81に電線導入穴52に連通するヒーター端子飛び出し穴95を設け、このヒーター端子飛び出し穴95と電線導入穴52とをガスケット58でシールした状態でフラッパー33とステム31とを密封シールしているので、これらフラッパー33とステム31との接合部から内部に流体や生成物が浸入するおそれがない。
【0068】
上述したように、ステム31内に電線51を内蔵した状態で、ヒーター端子90を電線導入穴52に位置合わせしてステム31の所定位置にフラッパー33を容易に装着でき、このとき、ステム31の内部側にヒーター端子90を配置していることで、フラッパー33側にヒーター端子90を内蔵するための空間を設ける必要がない。
【0069】
しかも、ステムフランジ部40の厚さを薄くできることから、このステムフランジ部40(ステム31)とフラッパー33とを一体化した後の全体の厚さ(奥行き)を薄く抑えることが可能となる。さらに、シャフト部41、42の外径φD1を小径化することが可能であるため、フラッパー33やステム31の厚さ方向の大型化を防いでフラッパー33全開時のコンダクタンスを大きくでき、軽量化を図ることで操作トルクも低減し、例えば、約0.1秒の高速の開閉動作が可能になる。このように操作トルクが抑えられることで、低出力の駆動装置を用いて全体の大型化や軽量化を図りつつ、半導体製造装置の流路の一部に組み込むことができる。ボデー32の厚さを薄くすることもでき、ヒーターを設けないタイプのバルブのボデーと同等の厚さに形成できる。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
【符号の説明】
【0071】
30 バルブ本体
31 ステム
32 ボデー
32a 流路
33 フラッパー
40 ステムフランジ部
41 上部シャフト部
42 下部シャフト部
43 平面
50 ヒーター
51 電線
52 電線導入穴
53 電線引出し穴
58 ガスケット
61 貫通穴
65 ステム挿入長穴
80 フラッパー材
81 シールプレート
82 凸部
85 フラッパー取付けネジ穴
90 ヒーター端子
95 ヒーター端子飛び出し穴
φD1 外径
L 長辺
W 幅
H 厚さ