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特許7541913型締装置、射出成形機、およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法
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  • 特許-型締装置、射出成形機、およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法 図1
  • 特許-型締装置、射出成形機、およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法 図2
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  • 特許-型締装置、射出成形機、およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法 図4
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  • 特許-型締装置、射出成形機、およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】型締装置、射出成形機、およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/66 20060101AFI20240822BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20240822BHJP
   B22D 17/32 20060101ALI20240822BHJP
   B22D 17/26 20060101ALI20240822BHJP
   B22D 18/02 20060101ALI20240822BHJP
   B22D 46/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B29C45/66
B29C45/76
B22D17/32 J
B22D17/26 Z
B22D18/02 Y
B22D46/00
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020204677
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2022092104
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 治男
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-160192(JP,A)
【文献】特開2020-062813(JP,A)
【文献】特開2020-023054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
B29C 45/00 - 45/84
B22D 15/00 - 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定盤と、
前記固定盤に対してスライド自在に設けられている型締ハウジングと、
前記固定盤と前記型締ハウジングの間で前記固定盤に対してスライド自在に設けられている可動盤と、
前記固定盤と前記型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、
前記型締ハウジングと前記可動盤の間に設けられているトグル機構と、
該トグル機構を駆動するエンコーダ付きのサーボモータと、
前記トグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗を検出する摩耗検出手段と、を備え、
前記摩耗検出手段は、
前記可動盤を型閉じ方向と型開き方向のいずれにもスライド不能に固定する可動盤固定手段と、
前記可動盤が固定された状態で前記サーボモータを型閉じ方向と型開き方向とに駆動してそれぞれにおける前記エンコーダの位置を型閉方向エンコーダ位置と型開方向エンコーダ位置とし、これらを位置データセットとして得る位置データセット取得手段と、
前記位置データセットに基づいて前記トグル機構に設けられているピンもしくはブッシュの摩耗状態を評価する摩耗評価手段と、からなる、型締装置。
【請求項2】
前記型締装置は前記型締ハウジングの位置を検出する位置検出センサを備え、
前記位置データセット取得手段は前記サーボモータを型閉じ方向と型開き方向とに駆動するときに、さらに前記位置検出センサによって検出されるそれぞれの位置を型閉方向センサ位置と型開方向センサ位置とし、これらをさらに前記位置データセットに追加するようになっている、請求項1に記載の型締装置。
【請求項3】
前記位置検出センサは、磁歪式非接触リニアセンサからなる、請求項2に記載の型締装置。
【請求項4】
前記摩耗評価手段は、次の評価値G
G=(前記型閉方向エンコーダ位置-前記型閉方向センサ位置)-(前記型開方向エンコーダ位置-前記型開方向センサ位置)
に基づいて摩耗状態を評価する、請求項2または3に記載の型締装置。
【請求項5】
前記摩耗評価手段は、前記評価値Gが基準値より許容しきい値を超えて大きいとき摩耗状態が許容量を超えていると判断するようにし、
前記基準値は過去の時点において得た前記評価値Gとする、請求項4に記載の型締装置。
【請求項6】
前記可動盤固定手段は、前記型締装置の型閉時と型開時のそれぞれの型開量を0%、100%とするとき、前記型開量を0~30%にして前記可動盤を固定するようになっている、請求項1~5のいずれかの項に記載の型締装置。
【請求項7】
前記可動盤固定手段は、前記型締装置の型閉時と型開時のそれぞれの型開量を0%、100%とするとき、前記型開量を50~90%にして前記可動盤を固定するようになっている、請求項1~5のいずれかの項に記載の型締装置。
【請求項8】
前記可動盤固定手段は、前記固定盤と前記可動盤の間に設ける固定用の治具からなる、請求項1~7のいずれかの項に記載の型締装置。
【請求項9】
型締装置と射出装置とからなり、
前記型締装置は、固定盤と、
前記固定盤に対してスライド自在に設けられている型締ハウジングと、
前記固定盤と前記型締ハウジングの間で前記固定盤に対してスライド自在に設けられている可動盤と、
前記固定盤と前記型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、
前記型締ハウジングと前記可動盤の間に設けられているトグル機構と、
該トグル機構を駆動するエンコーダ付きのサーボモータと、
前記トグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗を検出する摩耗検出手段と、を備え、
前記摩耗検出手段は、前記可動盤を型閉じ方向と型開き方向のいずれにもスライド不能に固定する可動盤固定手段と、
前記可動盤が固定された状態で前記サーボモータを型閉じ方向と型開き方向とに駆動してそれぞれにおける前記エンコーダの位置を型閉方向エンコーダ位置と型開方向エンコーダ位置とし、これらを位置データセットとして得る位置データセット取得手段と、
前記位置データセットに基づいて前記トグル機構に設けられているピンもしくはブッシュの摩耗状態を評価する摩耗評価手段と、からなる射出成形機。
【請求項10】
前記型締装置は前記型締ハウジングの位置を検出する位置検出センサを備え、
前記位置データセット取得手段は前記サーボモータを型閉じ方向と型開き方向とに駆動するときに、さらに前記位置検出センサによって検出されるそれぞれの位置を型閉方向センサ位置と型開方向センサ位置とし、これらをさらに前記位置データセットに追加するようになっている、請求項9に記載の射出成形機。
【請求項11】
前記位置検出センサは、磁歪式非接触リニアセンサからなる、請求項10に記載の射出成形機。
【請求項12】
前記摩耗評価手段は、次の評価値G
G=(前記型閉方向エンコーダ位置-前記型閉方向センサ位置)-(前記型開方向エンコーダ位置-前記型開方向センサ位置)
に基づいて摩耗状態を評価する、請求項10または11に記載の射出成形機。
【請求項13】
前記摩耗評価手段は、前記評価値Gが基準値より許容しきい値を超えて大きいとき摩耗状態が許容量を超えていると判断するようにし、
前記基準値は過去の時点において得た前記評価値Gとする、請求項12に記載の射出成形機。
【請求項14】
前記可動盤固定手段は、前記型締装置の型閉時と型開時のそれぞれの型開量を0%、100%とするとき、前記型開量を0~30%にして前記可動盤を固定するようになっている、請求項9~13のいずれかの項に記載の射出装置。
【請求項15】
前記可動盤固定手段は、前記型締装置の型閉時と型開時のそれぞれの型開量を0%、100%とするとき、前記型開量を50~90%にして前記可動盤を固定するようになっている、請求項9~13のいずれかの項に記載の射出装置。
【請求項16】
前記可動盤固定手段は、前記固定盤と前記可動盤の間に設ける固定用の治具からなる、請求項9~15のいずれかの項に記載の射出成形機。
【請求項17】
固定盤と、
前記固定盤に対してスライド自在に設けられている型締ハウジングと、
前記固定盤と前記型締ハウジングの間で前記固定盤に対してスライド自在に設けられている可動盤と、
前記固定盤と前記型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、
前記型締ハウジングと前記可動盤の間に設けられているトグル機構と、
該トグル機構を駆動するエンコーダ付きのサーボモータと、を備えた型締装置において、
前記可動盤を型閉じ方向と型開き方向のいずれにもスライド不能に固定する可動盤固定ステップと、
前記サーボモータを型閉じ方向と型開き方向とに駆動してそれぞれにおける前記エンコーダの位置を型閉方向エンコーダ位置と型開方向エンコーダ位置とし、これらを位置データセットとする位置データセット取得ステップと、
前記位置データセットに基づいて前記トグル機構に設けられているピンもしくはブッシュの摩耗状態を評価する摩耗評価ステップと、を備えるトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。
【請求項18】
前記型締装置は前記型締ハウジングの位置を検出する位置検出センサを備え、
前記位置データセット取得ステップは前記サーボモータを型閉じ方向と型開き方向とに駆動するときに、さらに前記位置検出センサによって検出されるそれぞれの位置を型閉方向センサ位置と型開方向センサ位置とし、これらをさらに前記位置データセットに追加するようにする、請求項17に記載のトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。
【請求項19】
前記位置検出センサは、磁歪式非接触リニアセンサからなる、請求項18に記載のトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。
【請求項20】
前記摩耗評価ステップは、次の評価値G
G=(前記型閉方向エンコーダ位置-前記型閉方向センサ位置)-(前記型開方向エンコーダ位置-前記型開方向センサ位置)
に基づいて摩耗状態を評価する、請求項18または19に記載のトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。
【請求項21】
前記摩耗評価ステップは、前記評価値Gが基準値より許容しきい値を超えて大きいとき摩耗状態が許容量を超えていると判断するようにし、
前記基準値は過去の時点において得た前記評価値Gとする、請求項20に記載のトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。
【請求項22】
前記可動盤固定ステップは、前記型締装置の型閉時と型開時のそれぞれの型開量を0%、100%とするとき、前記型開量を0~30%にして前記可動盤を固定する、請求項17~21のいずれかの項に記載のトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。
【請求項23】
前記可動盤固定ステップは、前記型締装置の型閉時と型開時のそれぞれの型開量を0%、100%とするとき、前記型開量を50~90%にして前記可動盤を固定する、請求項17~21のいずれかの項に記載のトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。
【請求項24】
前記可動盤固定ステップは、前記固定盤と前記可動盤の間に設ける固定用の治具によって前記可動盤を固定する、請求項17~23のいずれかの項に記載のトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗を検出するようになっている型締装置、射出装置、およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
型締機構がトグル機構からなるトグル式型締装置は、固定盤と、この固定盤に対してスライド自在に設けられている可動盤と、同様に固定盤に対してスライド自在に設けられている型締ハウジングと、固定盤と型締ハウジングとを連結する複数本のタイバーと、型締ハウジングと可動盤の間に設けられているトグル機構とから構成されている。トグル機構には型開閉用のサーボモータが設けられ、サーボモータを駆動するとトグル機構が屈伸して型開閉される。
【0003】
トグル機構は、複数本のリンクから構成されている。具体的には型締ハウジングのクレビスに連結されている型締ハウジング側リンク、可動盤のクレビスに連結されている可動盤側リンク、型締ハウジング側リンクとクロスヘッドとを連結しているクロスリンクからなる。型締ハウジングや可動盤のクレビス、これらリンクにはそれぞれ穴が開けられている。そしてこれらの穴に挿入されているブッシュとピンとによって、クレビスとリンク、およびリンク同士が回転可能に連結されている。これらのピンおよびブッシュは、長期間の運転により摩耗する。摩耗量に応じてピンやブッシュを交換する必要があり、適切に摩耗状態を評価する必要がある。そこで型締装置を分解してピン、ブッシュを取り出して、これらの寸法を測定する等が実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-23054号公報
【0005】
型締装置の分解には長時間の作業が必要になる。型締装置の分解をせずにトグル機構におけるピンやブッシュの摩耗を検出する方法が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のトグル式型締装置は、ピンの端部にマーカが設けられ、型締ハウジングに光学センサが設けられている。このトグル式型締装置では型締め時に工学センサによりマーカの位置を検出する。検出した位置が基準位置から逸脱しているとき、ブッシュが摩耗していると判断する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のブッシュの摩耗検出方法は、実質的にピンもしくはブッシュの摩耗検出方法として適用が可能である。この方法によれば、摩耗状態を定量的に評価することができるので、型締装置の分解をしなくてもピンもしくはブッシュの交換を適切に判断できる。しかしながら、解決すべき課題も見受けられる。具体的には、摩耗状態を評価するために、格別に光学センサ等を型締装置に設けなければならない、という点である。
【0007】
そこで本開示において、格別にセンサ等を設ける必要がなく、トグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗状態を定量的に評価することができる、型締装置、射出成形機およびトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法を提供する。
【0008】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、可動盤を固定しておき、この状態で型締用のサーボモータを型閉じ方向と、型開き方向とにそれぞれ駆動する。そしてサーボモータに設けられているエンコーダによって、それぞれの方向に駆動したときのエンコーダ位置を得る。つまり、型閉方向エンコーダ位置と型開方向エンコーダ位置である。これら2個のエンコーダ位置に基づいて、ピンもしくはブッシュの摩耗状態を評価する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、格別にセンサ等を型締装置に設けることなく、型締装置に備えられているサーボモータとエンコーダによって、ピンもしくはブッシュの摩耗状態を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態に係る射出成形機を示す正面図である。
図2】トグル機構を構成している2本のリンクの一部と、これらリンク同士を連結しているピン、およびブッシュを示す正面図である。
図3】本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法にて使用する本実施の形態に係る治具の斜視図である。
図4】型開量を0~30%にして、本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法を実施しているときの、本実施の形態に係る射出成形機の正面図である。
図5】型開量を0~30%にして、本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法を実施しているときの、本実施の形態に係るトグル機構を示す正面図である。
図6】型開量を50~90%にして、本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法を実施しているときの、本実施の形態に係る射出成形機の正面図である。
図7】型開量を50~90%にして、本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法を実施しているときの、本実施の形態に係るトグル機構を示す正面図である。
図8】本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法において必要な基準値を得る方法のフローチャートである。
図9】本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
【0013】
本実施の形態を説明する。
<射出成形機>
本実施の形態に係る射出成形機1は、図1に示されているように、ベッドBに設けられている型締装置2と射出装置3とから概略構成され、コントローラ4によって制御されるようになっている。
【0014】
<型締装置>
型締装置2はトグル式からなる。つまり型締装置2は、固定盤7と、可動盤8と、型締ハウジング9と、タイバー10、10、…と、トグル機構11とから構成されている。固定盤7はベッドBに固定されている。可動盤8はベッドBをスライド可能に設けられている。型締ハウジング9はベッドBをスライド可能に設けられている。タイバー10、10、…は、型締ハウジング9と固定盤7とを連結している。
【0015】
<トグル機構>
トグル機構11は、一対の型締ハウジング側リンク14、14と、一対の可動盤側リンク16、16と、クロスヘッド18と、一対のクロスリンク20、20とから構成されている。一対の型締ハウジング側リンク14、14は、型締ハウジング9のクレビス13、13に連結されている。一対の可動盤側リンク16、16は、可動盤8のクレビス15、15に連結されている。一対のクロスリンク20、20は、型締ハウジング側リンク14、14とクロスヘッド18とを連結している。
【0016】
クレビス13、14と、リンク14、16、20にはそれぞれ穴が開けられて、互いにピン21、22、…によって連結されている。詳しく説明すると、型締ハウジング9のクレビス13、13と型締ハウジング側リンク14、14は、第1のピン21、21によって回転可能に連結されている。可動盤8のクレビス15、15と可動盤側リンク16、16は、第2のピン22、22によって回転可能に連結されている。型締ハウジング側リンク14、14と可動盤側リンク16、16は、第3のピン23、23によって回転可能に連結されている。そして、型締ハウジング側リンク14、14とクロスリンク 20、20は第4のピン24、24によって、クロスリンク20、20とクロスヘッド18は第5のピン25、25によって、それぞれ回転可能に連結されている。
【0017】
ところで、これらの第1~5のピン21、22、…は、実際には図2に示されているようにそれぞれブッシュ27、27、…を介してクレビス13、15やリンク14、16、20の穴に挿入されている。第1~5のピン21、22、…やブッシュ27、27、…は長期運転により摩耗する。図2に示されているのは、型締ハウジング側リンク14と可動盤側リンク16と第3のピン23とブッシュ27であるが、この第3のピン23もしくはブッシュ27、あるいはその両方が摩耗して隙間gが形成されている。後で説明するように、本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法は、この摩耗状態を定量的に評価する。
【0018】
トグル機構11は、エンコーダを備えた型締用のサーボモータ29によって駆動されるようになっている。サーボモータ29には駆動プーリ30が設けられ、この駆動プーリ30には型締ハウジング9に設けられている従動プーリ31との間にタイミングベルト32がかけまわされている。型締ハウジング9にはボールネジ機構が設けられ、ボールネジ機構のボールネジ34が従動プーリ31に接続され、ボールナット35がクロスヘッド18に固定されている。したがってサーボモータ29を駆動すると、ボールネジ34が回転してクロスヘッド18が駆動され、トグル機構11が屈伸する。
【0019】
<タイバーナット>
タイバー10、10、…は、型締ハウジング側に雄ねじが形成されており、この雄ねじにタイバーナット37、37、…が取付けられている。タイバーナット37、37は型締ハウジング9に開けられた凹部に収納されている。タイバー10、10、…はこのように型締ハウジング9に連結されているので、図に示されていない型厚調整装置によってタイバーナット37、37、…を回転すると、型締ハウジング9がスライドしてタイバー10、10、…の有効長が変化し、型厚を調整できる。タイバーナット37、37は型締ハウジング9の凹部にわずかな遊びを介して収納されている。したがって型開閉時には、この遊びの分だけ型締ハウジング9が前後にわずかにずれる。
【0020】
<MTSセンサ>
ベッドBと型締ハウジング9の間には磁歪式非接触リニアセンサ39(MTSセンサ)が設けられている。これによって型締ハウジング9のスライド位置を精度よく検出することができる。
【0021】
<射出装置>
本実施の形態に係る射出装置3は加熱シリンダ41、この加熱シリンダ41に入れられているスクリュ42等からなる。スクリュ42は駆動機構によって回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているが、図には駆動機構は示されていない。
【0022】
<コントローラ>
本実施の形態に係る射出成形機1は、各装置がコントローラ4によって制御されるようになっている。このコントローラ4には本実施の形態において特有のプログラムや設定値が格納されている。本実施の形態において特有のプログラムは、ピン21、22、…やブッシュ27、27の摩耗を検出するプログラム、すなわち摩耗検出手段である。この摩耗検出手段は、複数の処理を行う複数のサブプログラムつまり複数の手段からなり、これらの処理については、次に説明する本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法の説明によって明らかにする。本実施の形態において特有の設定値には、第1、2の基準値、第1、2の許容しきい値があり、これらはピン21、22、…やブッシュ27、27の摩耗状態が、交換を要する状態か否かを評価するためのものである。これらについても本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法の説明によって明らかにする。
【0023】
<治具>
本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法においては、可動盤8を固定してスライド不能にする必要がある。可動盤8を固定するには、ベッドBに対して可動盤8を固定してもよいし、固定盤7に対して可動盤8を固定しても良い。本実施の形態に係る治具45は、可動盤8を固定盤7に対して固定するようになっており、図3に示されている。
【0024】
治具45は、角鋼管からなる2本の桁部材46、46と、これら桁部材46、46に設けられる4本の角鋼管からなる梁部材47、47、…とからなる。桁部材46、46には、複数個の穴48、48、…が開けられている。そして図には示されていないが、梁部材47、47、…にはそれらの両端面にボルト穴が開けられている。一対の桁部材46、46の間において所望の位置に梁部材47、47、…を入れて、ボルト49、49、…によって固定するようになっている。後で説明するが、4本の梁部材47、47、…のうち2本の梁部材47、47によって固定盤7を、他の2本の梁部材47、47によって固定盤7を挟み込むようにすれば、可動盤8を固定盤7に対して固定することができる。すなわち可動盤8をスライド不能にすることができる。
【0025】
<本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法>
本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法は、準備モードと実行モードとからなる。準備モードは、第1~5のピン21、22、…や、ブッシュ27、27、…が新しいとき、つまり摩耗していない状態において実施して、後で説明する実行モードで必要になる第1、2の基準値を得るようにする。そして実行モードは、射出成形機1において定期的に、あるいは任意のタイミングで施して、第1~5のピン21、22、…、およびブッシュ27、…の摩耗状態を評価するようにする。
【0026】
<準備モード>
オペレータはコントローラ4において、摩耗検出を実行するプログラムつまり摩耗検出手段を、準備モードとして実行する。コントローラ4は、図8に示されているように、ステップS01を実行する。つまり、検査対象とするピン・ブッシュについて、オペレータに問い合わせる。具体的には第1~3のピン21、22、23およびそれらのブッシュ27、…を対象とするのか、第4、5のピン24、25およびそれらのブッシュ27、…を対象とするのかを問い合わせる。オペレータが第1~3のピン21、22、23およびそれらのブッシュ27、…を対象とするように選択すると、コントローラ4はステップS02を実行する。また、オペレータが第4、5のピン24、25およびそれらのブッシュ27、…を対象とするように選択すると、コントローラ4はステップS03を実行する。
【0027】
<第1~3のピン・ブッシュを選択>
第1~3のピン21、22、23およびそれらのブッシュ27、…がオペレータによって選択されたときに、コントローラ4が実行するステップS02は次のようになる。サーボモータ29を駆動してトグル機構11を伸長させ、型締装置2の固定盤7と可動盤8とを第1の規定型開量にする。この様子が図4図5に示されている。第1の規定型開量は、トグル機構11が完全に伸長したときの型開量が0%、完全に屈曲したときの型開量が100%とすると、0~30%の範囲の所定の型開量になっている。つまりある程度伸長した状態である。コントローラ4はここで処理を一時停止する。
【0028】
<治具による固定>
第1の規定型開量になったら、オペレータは治具45を固定盤7と可動盤8とに取り付けて、図4に示されているように固定盤7を固定する。図8において、このオペレータの作業がステップS04として示されている。なお、治具45は、2本の梁部材47、47によって固定盤7を、他の2本の梁部材47、47によって可動盤8を挟み込むようにする。これによって可動盤8が固定盤7に対して固定され、可動盤8のスライドが規制される。ステップS04が完了したらオペレータはコントローラ4の処理を再開させる。
【0029】
<位置データセットの取得>
コントローラ4は、図8に示されているステップS05を実行する。まず、サーボモータ29を型閉じ方向に駆動する。可動盤8は固定されているが、サーボモータ29は若干回転し、そして型締ハウジング9もわずかにスライドする。この状態で、サーボモータ29に設けられているエンコーダの回転位置を、型閉方向エンコーダ位置Wとして得る。またこのとき、磁歪式非接触リニアセンサ39による位置を型閉方向センサ位置wとして得る。次に、サーボモータ29を型開き方向に駆動する。サーボモータ29は若干回転し、型締ハウジング9もわずかにスライドする。このときのエンコーダの回転位置を型開方向エンコーダ位置Xとして得、磁歪式非接触リニアセンサ39の位置を型開方向センサ位置xとして得る。型閉方向エンコーダ位置W、型開方向エンコーダ位置X、型閉方向センサ位置w、型開方向センサ位置xを位置データセットとする。
【0030】
<基準値取得>
コントローラ4は、図8に示されているステップS06を実行して、位置データセットから第1の基準値を得る。具体的には、次の評価値Gを計算する。
評価値G=(型閉方向エンコーダ位置W-型閉方向センサ位置w)-(型開方向エンコーダ位置X-型開方向センサ位置x)
得られた評価値Gを第1の基準値とする。これをコントローラ4に記憶する。
【0031】
ところで、ステップS05においてサーボモータ29を型閉じ方向と型開き方向とに駆動するとき、可動盤8が固定されているにもかかわらず、サーボモータ29が若干回転し、型締ハウジング9がわずかにスライドするのは、機械部品において遊びがあるからである。遊びがある機械部品として、まずピン、ブッシュがある。第1の規定型開量でトグル機構11が伸長した状態においては、図5に示されているように、第1~3のピン21、22、23とブッシュ27、…の、符号51、51、…で示されている部分の遊びによってガタツキが生じる。次に機械部品としてタイバーナット37がある。図4に示されているように、タイバーナット37と、これを収納している型締ハウジング9の凹部における遊びによってガタツキが生じる。
【0032】
ところで、ステップS06で計算する評価値Gは、次のように書き換えることができる。
評価値G=(型閉方向エンコーダ位置W-型開方向エンコーダ位置X)-(型閉方向センサ位置w-型開方向センサ位置x)
ここで最初の項の、(型閉方向エンコーダ位置W-型開方向エンコーダ位置X)は、すべての機械部品における遊びの量を評価していると考えられる。つまり、第1~3のピン21、22、23とブッシュ27、…の遊びと、タイバーナット37における遊びの両方の遊びの全ての量を評価している。これに対して、次の項の、(型閉方向センサ位置w-型開方向センサ位置x)は、型締ハウジング9のスライド量になっているので、タイバーナット37における遊びの量を評価していると言える。そうすると、評価値Gは、第1~3のピン21、22、23とブッシュ27、…の遊びの量を評価していると言える。
【0033】
なお、第1~3のピン21、22、23とブッシュ27、…の遊びには、トグル機構11を滑らかに動作させるのに必要な、設計上設けられている遊びもあるし、摩耗により生じてしまう隙間もある。準備モードにおいて評価値Gによって評価している、第1~3のピン21、22、23とブッシュ27、…の遊びの量は、摩耗により生じた隙間は含まれず、設計上必要な遊びが対象になっている。これに対して、後で説明する実行モードにおいて評価値Gによって評価している遊びの量は、設計上必要な遊びだけでなく、長期間の運転によって摩耗した結果生じる隙間も含まれている。
【0034】
<第4、5のピン・ブッシュを選択>
図8に示されているステップS01において、第4、5のピン24、25およびそれらのブッシュ27、…がオペレータによって選択されたときに、コントローラ4が実行するステップS03は次のようになる。サーボモータ29を駆動してトグル機構11を屈曲させ、型締装置2の固定盤7と可動盤8とを第2の規定型開量にする。この様子が図6図7に示されている。第2の規定型開量は、トグル機構11が完全に伸長したときの型開量が0%、完全に屈曲したときの型開量が100%とすると、50~90%の範囲の所定の型開量になっている。つまりある程度屈伸した状態である。コントローラ4はここで処理を一時停止する。
【0035】
<治具による固定、位置データセットの取得、基準値取得>
第2の規定型開量になったら、オペレータは治具45を固定盤7と可動盤8とに取り付けて、図6に示されているように固定盤7を固定する。その後、オペレータはコントローラ4の処理を再開させる。この第2の規定型開量によって可動盤8を固定した状態で、図8に示されているステップS05を実行する。つまり、すでに説明したように、サーボモータ29を型閉じ方向と型開き方向とに駆動して位置データセットを取得する。続いて、すでに説明したようにしてステップS06を実行し、評価値Gを計算する。得られた評価値Gを第2の基準値として、コントローラ4に記憶する。処理を終了する。
【0036】
ところで、第2の規定型開量でトグル機構11が屈曲した状態においては、図7に示されているように、第4、5のピン24、25とブッシュ27、…の、符号53、53、…で示されている部分の遊びによってガタツキが生じる。評価値Gは、この第4、5のピン24、25とブッシュ27、…の遊びの量を評価していることになる。
【0037】
<実行モード>
前記したように、実行モードは、射出成形機1において定期的に、あるいは任意のタイミングで実施して、第1~5のピン21、22、…、およびブッシュ27、…の摩耗状態を評価する処理である。
【0038】
オペレータはコントローラ4において、摩耗検出を実行するプログラムつまり摩耗検出手段を、実行モードとして実行する。コントローラ4は、図9に示されているように、ステップS11を実行する。つまり、検査対象とするピン・ブッシュについて、オペレータに問い合わせる。具体的には第1~3のピン21、22、23およびそれらのブッシュ27、…を対象とするのか、第4、5のピン24、25およびそれらのブッシュ27、…を対象とするのかを問い合わせる。オペレータが第1~3のピン21、22、23およびそれらのブッシュ27、…を対象とするように選択すると、コントローラ4はステップS12を実行する。また、オペレータが第4、5のピン24、25およびそれらのブッシュ27、…を対象とするように選択すると、コントローラ4はステップS13を実行する。
【0039】
<第1~3のピン・ブッシュを選択>
第1~3のピン21、22、23およびそれらのブッシュ27、…がオペレータによって選択されたときに、コントローラ4が実行するステップS12は次のようになる。サーボモータ29を駆動してトグル機構11を伸長させ、図4、5に示されているように、第1の規定型開量にする。コントローラ4はここで処理を一時停止する。
【0040】
<治具による固定>
第1の規定型開量になったら、オペレータはステップS14を実施する。すなわち治具45を固定盤7と可動盤8とに取り付けて、図4に示すように固定盤7を固定する。完了したらオペレータはコントローラ4の処理を再開させる。
【0041】
<位置データセットの取得>
コントローラ4は、図8に示されているステップS15を実行する。まず、サーボモータ29を型閉じ方向に駆動する。この状態で、サーボモータ29に設けられているエンコーダの回転位置を型閉方向エンコーダ位置Wとして得、磁歪式非接触リニアセンサ39による位置を型閉方向センサ位置wとして得る。次に、サーボモータ29を型開き方向に駆動する。この状態で、エンコーダの回転位置を型開方向エンコーダ位置Xとして得、磁歪式非接触リニアセンサ39の位置を型開方向センサ位置xとして得る。型閉方向エンコーダ位置W、型開方向エンコーダ位置X、型閉方向センサ位置w、型開方向センサ位置xを位置データセットとする。
【0042】
<ピン・ブッシュの摩耗評価>
コントローラ4は、図8に示されているステップS16を実行して、すでに説明した評価値Gを計算する。
得られた評価値Gを、コントローラ4に記憶されている第1の基準値と比較する。評価値Gと第1の基準値の差が、コントローラ4に予め設定されている第1の許容しきい値を超えていたら、第1~3のピン21、22、23、またはそれらのブッシュ27、…、あるいはそれら両方が摩耗していると判断する。コントローラ4において、第1~3のピン21、22、23、そしてそれらのブッシュ27、…の交換が必要な旨、警報を出力する。あるいはメッセージを出力する。一方、評価値Gと第1の基準値の差が第1の許容しきい値以内であれば、正常であると判断する。
【0043】
<第4、5のピン・ブッシュを選択>
ステップS11において、第4、5のピン24、25およびそれらのブッシュ27、…がオペレータによって選択されたときに、コントローラ4が実行するステップS13は次のようになる。サーボモータ29を駆動してトグル機構11を屈曲させ、図6図7に示されているように、第2の規定型開量にする。コントローラ4はここで処理を一時停止する。
【0044】
<治具による固定、位置データセットの取得>
第2の規定型開量になったら、オペレータは治具45を固定盤7と可動盤8とに取り付けて、図6に示されているように固定盤7を固定する。その後、オペレータはコントローラ4の処理を再開させる。この第2の規定型開量によって可動盤8を固定した状態で、ステップS15を実行する。つまり、すでに説明したように、サーボモータ29を型閉じ方向と型開き方向とに駆動して位置データセットを取得する。
【0045】
<ピン・ブッシュの摩耗評価>
コントローラ4は図8に示されているステップS16を実行して評価値Gを計算し、この評価値Gをコントローラ4に記憶されている第2の基準値と比較する。評価値Gと第2の基準値の差が、コントローラ4に予め設定されている第2の許容しきい値を超えていたら、第4、5のピン24、25またはそれらのブッシュ27、…、あるいはそれら両方が摩耗していると判断する。コントローラ4において、第4、5のピン24、25そしてそれらのブッシュ27、…の交換が必要な旨、警報を出力する。あるいはメッセージを出力する。一方、評価値Gと第2の基準値の差が第2の許容しきい値以内であれば、正常であると判断する。処理を終了する。
【0046】
本実施の形態に係るトグル機構のピンもしくはブッシュの摩耗検出方法は、色々な変形が可能である。例えば、第1、2の基準値は準備モードによって得るように説明したが、射出成形機1の機種毎に固定の値としてもよい。機種によって、設計上の遊びの量は概ね一定であるからである。
【0047】
さらには、ピン21、22、…もしくはブッシュ27、…の摩耗状態を評価値Gを計算し、これによって摩耗状態を評価するように説明したが、これも変形することができる。例えば、次の評価値G‘によって摩耗状態を評価してもよい。
評価値G‘=型閉方向エンコーダ位置W-型開方向エンコーダ位置X
この評価値G‘には、ピン21、…、ブッシュ27、…における遊びだけでなく、タイバーナット37における遊びも含まれている。しかしながら、長期間の射出成形機1の運転によって生じる摩耗の度合いは、タイバーナット37における摩耗より、ピン21、22、…もしくはブッシュ27、…の摩耗の方が大きい。したがって、この評価値G’によってもピン21、22、…もしくはブッシュ27、…の摩耗状態を十分に評価できる。
【0048】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 射出成形機 2 型締装置
3 射出装置 4 コントローラ
7 固定盤 8 可動盤
9 型締ハウジング 10 タイバー
11 トグル機構 14 型締ハウジング側リンク
16 可動盤側リンク 18 クロスヘッド
20 クロスリンク 21 第1のピン
22 第2のピン 23 第3のピン
24 第4のピン 25 第5のピン
27 ブッシュ 29 サーボモータ
37 タイバーナット 39 磁歪式非接触リニアセンサ39
45 治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9