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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】リールシート
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/06 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A01K87/06 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020214692
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022100614
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-01-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森岡 俊貴
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-077179(JP,A)
【文献】特開平09-298992(JP,A)
【文献】特開2014-128224(JP,A)
【文献】実開平05-013163(JP,U)
【文献】登録実用新案第3151841(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/00-87/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣用のリールを固定するとともに後部にグリップが取り付けられるリールシートであって、
竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、
前記リールシート本体に設けられる固定フードと、
前記リールシート本体に設けられ前記固定フードに対して移動可能な移動フードと、を備え、
前記リールシート本体は、下部に前記リールのリール脚部が固定されるリール固定面と、
中央部において上方に円弧状に膨出する膨出部と、を備え、
前記リール固定面に対応する位置において、前記リールシート本体の左側部及び右側部に、親指及び中指がそれぞれ下側から当て付く凹部がそれぞれ設けられており、
前記凹部は、前記リールシート本体の下側の側部に設けられるとともに、下方に向けて凹となる湾曲部と、前記湾曲部の上部に設けられた凸部と、を備えており、
前記凸部は、前記湾曲部と前記膨出部の円弧状の外周面とが交わる部分で構成され、側方に突出し、
前記膨出部のうち前記グリップが対向する位置に、当該グリップを接着する際に接着剤が入り込む穴部が形成されていることを特徴とするリールシート。
【請求項2】
釣用のリールを固定するとともに後部にグリップが取り付けられるリールシートであって、
竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、
前記リールシート本体に設けられる固定フードと、
前記リールシート本体に設けられ前記固定フードに対して移動可能な移動フードと、を備え、
前記リールシート本体は、下部に前記リールのリール脚部が固定されるリール固定面と、
中央部において上方に円弧状に膨出する膨出部と、を備え、
前記リール固定面に対応する位置において、前記リールシート本体の左側部又は右側部に、親指又は中指が下側から当て付く凹部が設けられており、
前記凹部は、前記リールシート本体の下側の側部に設けられるとともに、下方に向けて凹となる湾曲部と、前記湾曲部の上部に設けられた凸部と、を備えており、
前記凸部は、前記湾曲部と前記膨出部の円弧状の外周面とが交わる部分で構成され、側方に突出し、
前記膨出部のうち前記グリップが対向する位置に、当該グリップを接着する際に接着剤が入り込む穴部が形成されていることを特徴とするリールシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用のリールを固定するリールシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、釣用のリールを固定するリールシートに関する発明が開示されている。特許文献1に係る発明は、リールシートの上端に親指を当て付けるとともに、人差し指、中指、薬指及び小指で、リール脚部とリールシートとを握り込むというものである。これにより、リールのリール脚部とリールシートとを強く握ることができる。
【0003】
特許文献2に係る発明では、リールシート本体の上部に、上から親指を当て付ける指掛け部を設けている。特許文献2に係る発明では、指掛け部に親指を上側から当て付けるとともに、人差し指、中指、薬指及び小指で、リール脚部とリールシートとを握り込むというものである。これにより、親指が指掛け部に配置されるため親指の収まりが向上するとともに、リールのリール脚部とリールシートとを強く握ることができる。
【0004】
ここで、小型のワームやプラグ、軽量マイクロジグ等を使用するライトゲームでは、人差し指を竿杆の延長方向に沿わせつつ、親指と中指でリールシートを挟んで操作することが行われている。本出願では、この握り方を「縦握り」と称する。縦握りによれば、例えば、手首のスナップを効かせて釣竿を上下方向に小刻みに動かし、小さなアクションをつけることができるとともに、小さな当たりにも合わせやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-282596号公報
【文献】特開平08-019355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に係るリールシートで縦握りを行うと、外周面が円形であるため親指や中指が収まる場所がなく、操作性が悪いという問題がある。
一方、特許文献2に係るリールシートで縦握りを行うと、指掛け部に親指を当て付けても、親指が上方に動いてしまうため、かえって操作性が悪くなるという問題がある。つまり、当該指掛け部は、親指でリール脚部とリールシートとを強く握る際には機能するが、縦握りで操作する際には機能しない。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、縦握りを行う際に操作性を向上させることができるリールシートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明は、釣用のリールを固定するとともに後部にグリップが取り付けられるリールシートであって、竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、前記リールシート本体に設けられる固定フードと、前記リールシート本体に設けられ前記固定フードに対して移動可能な移動フードと、を備え、前記リールシート本体は、下部に前記リールのリール脚部が固定されるリール固定面と、中央部において上方に円弧状に膨出する膨出部と、を備え、前記リール固定面に対応する位置において、前記リールシート本体の左側部及び右側部に、親指及び中指がそれぞれ下側から当て付く凹部がそれぞれ設けられており、前記凹部は、前記リールシート本体の下側の側部に設けられるとともに、下方に向けて凹となる湾曲部と、前記湾曲部の上部に設けられた凸部と、を備えており、前記凸部は、前記湾曲部と前記膨出部の円弧状の外周面とが交わる部分で構成され、側方に突出し、前記膨出部のうち前記グリップが対向する位置に、当該グリップを接着する際に接着剤が入り込む穴部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、釣用のリールを固定するとともに後部にグリップが取り付けられるリールシートであって、竿杆が挿入される中空部を備えた筒状のリールシート本体と、前記リールシート本体に設けられる固定フードと、前記リールシート本体に設けられ前記固定フードに対して移動可能な移動フードと、を備え、前記リールシート本体は、下部に前記リールのリール脚部が固定されるリール固定面と、央部において上方に円弧状に膨出する膨出部と、を備え、前記リール固定面に対応する位置において、前記リールシート本体の左側部又は右側部に、親指又は中指が下側から当て付く凹部が設けられており、前記凹部は、前記リールシート本体の下側の側部に設けられるとともに、下方に向けて凹となる湾曲部と、前記湾曲部の上部に設けられた凸部と、を備えており、前記凸部は、前記湾曲部と前記膨出部の円弧状の外周面とが交わる部分で構成され、側方に突出し、前記膨出部のうち前記グリップが対向する位置に、当該グリップを接着する際に接着剤が入り込む穴部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、親指及び中指(親指又は中指)が下側から凹部に当て付くようになっているため、縦握りをした際に親指及び中指(親指又は中指)が収まりやすくフィット性が向上する。また、例えば、手首のスナップを効かせて上下に小刻みに動かす際、親指及び中指(親指又は中指)が下側から凹部に当たるため、釣竿を上方に動かしやすくなる。これにより、操作性を向上させることができる。また、凹部を設けることでリールシートの軽量化を図ることができる。
【0012】
また、本発明によれば、湾曲部に沿って親指及び中指(親指又は中指)が当たるため、親指及び中指(親指又は中指)がより収まりやすくなり、フィット性がより向上する。また、釣竿を上方に動かす際に凸部に親指及び中指(親指又は中指)が引っ掛かりやすくな
るため、操作性をより向上させることができる
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、縦握りを行う際に操作性を向上させることができるリールシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るリールシートを示す側面図である。
図2】本実施形態に係るリールシートを示す上面図である。
図3】本実施形態に係るリールシートを示す下面図である。
図4図1のIV-IV端面図である。
図5図1のV-V端面図である。
図6図1のVI-VI端面図である。
図7】縦握りを示す側面図である。
図8】縦握りを示す拡大側面図である。
図9図8のIX-IX端面図である。
図10】本実施形態に係るリールシートの第一変形例を示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るリールシートについて、図面を参照して説明する。実施形態において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、「上下」、「左右」、「前後」については図1及び図2の矢印に従う。竿先側が「前」、竿元側が「後」となっている。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るリールシート1は、釣用のリール(図示省略)のリール脚部Rが着脱自在に固定される部材である。リールシート1の内部の中空部に竿杆Sが挿通され、接着により固定されている。リールのリール脚部Rは、軸部R0に連結され中央に位置する中央部R2と、中央部R2に連続し前側に位置する前部R1と、中央部R2に連続し後側に位置する後部R3とを備えている。リール脚部Rは、薄板状を呈し、リールシート1の外周面に沿うように湾曲している(図5等参照)。
【0017】
リールシート1は、リールシート本体10と、固定フード11と、移動フード12と、グリップ取付部14と、リール固定面15と、凹部16とを備えている。固定フード11(図6も参照)は、リールシート本体10の下側の後部に設けられリール脚部Rの後部R3が挿入される部位である。移動フード12は、リールシート本体10の下側の前部に設けられリール脚部Rの前部R1が挿入される部位である。移動フード12は、リールシート本体10の前部に刻設されたねじ部13に螺合することで前後方向に移動可能になっている。移動フード12を回転させつつ、前後方向に移動させることで、リール脚部Rを固定したり、取り外したりすることができる。
【0018】
なお、本実施形態では、前側から移動フード12の位置を下げてリール脚部Rを固定するダウンロック仕様について説明するが、リール脚部Rに対して前側に固定フードを設け、後側に移動フードを設けるアップロック仕様でも本実施形態を適用することができる。アップロック仕様では、移動フードを回転させつつ移動フードの位置を上げてリール脚部Rを固定する。
【0019】
グリップ取付部14は、グリップGが取り付けられる部位である。グリップ取付部14は、リールシート本体10の後部から後方に突出し、概ね円筒状を呈する。グリップGは、概ね円筒状を呈し、掌が当て付く部位である。グリップGは、コルクや、発泡性樹脂のEVA(ethylene vinyl acetate copolymer)等の柔軟部材で形成されている。
【0020】
リール固定面15は、リール脚部Rと対向する面である。リール固定面15は、前部リール固定面15aと、後部リール固定面15bと、中央部リール固定面15cとを備えている。前部リール固定面15aは、リール脚部Rの前部R1が当接する部位である(図4も参照)。図4に示すように、前部リール固定面15aは、左右方向の中央に位置し下方に向けて円弧状に突出する突出部15aと、突出部15aの左右両側に設けられた平坦部15a,15aとを備えている。平坦部15a,15aは、リール脚部Rの前部R1の左端部及び右端部が当接する部位である。
【0021】
後部リール固定面15bは、リール脚部Rの後部R3が当接する部位である。図6に示すように、後部リール固定面15bは、左右方向の中央に位置し下方に向けて円弧状に突出する突出部15bと、突出部15bの左右両側に設けられた平坦部15b,15bとを備えている。平坦部15b,15bは、リール脚部Rの後部R3の左端部及び右端部が当接する部位である。
【0022】
図1,3,5に示すように、中央部リール固定面15cは、リール脚部Rの中央部R2が対向するとともに、前部リール固定面15aと後部リール固定面15bとの間に設けられた部位である。中央部リール固定面15cには、前後方向に延設された浅い溝部17が形成されている。中央部リール固定面15cとリール脚部Rの中央部R2は、本実施形態では、わずかな隙間をあけて対向しているが、接触していてもよい。
【0023】
図2図4~6に示すように、リールシート本体10の前部(図4参照)及び後部(図6参照)は概ね円筒状になっている。一方、リールシート本体10の中央部は、上方に膨出した膨出部18が形成されている。膨出部18は、リールシート本体10の上側半分において、円弧状に形成された部位である。膨出部18のうち、グリップGに対向する位置には、穴部19が複数個(本実施形態では5個)形成されている。当該穴部19により軽量化を図ることができるとともに、グリップGを接着する際に、余剰の接着剤が穴部19に入り込むため接着剤が外部に溢れるのを防ぐことができる。
【0024】
図1に示すように、凹部16は、リールシート本体10の側部の左右両側に形成された凹である。凹部16,16同士は同じ形状になっている。凹部16は、リールシート本体10の下側の側部において、リール固定面15に対応する位置に設けられている。より詳しくは、凹部16は、前部リール固定面15aから後部リール固定面15bの間に設けられている。図1に示すように、凹部16の上下方向の高さは、中央部リール固定面15c辺りが最も大きく、前部リール固定面15a及び後部リール固定面15bに向かうにつれて徐々に小さくなっている。また、凹部16の上下方向の高さは、後部側よりも前部側の方がやや大きくなっている。
【0025】
図5に示すように、凹部16は、開放側が下側又は斜め下側を向いており、湾曲部16aと、凸部16bと、段差部16cとで構成されている。つまり、凹部16は、膨出部18の外周面18aから、中央部リール固定面15cの間において、内側(軸心C1側)に凹む部位である。
【0026】
湾曲部16aは、軸心C1方向に向けて凹となるように湾曲して形成されている。凸部16bは、湾曲部16aの上端に設けられおり、側方に突出する部位である。凸部16bは、湾曲部16aと、膨出部18の外周面18aとが交わる部分で構成され、側方に突出するようになっている。凸部16bは、竿杆Sを上方に振る際に、親指又は中指が引っ掛かりやすくなる形状であればどのような形状であってもよい。段差部16cは、中央部リール固定面15cから一段下がった段差部位である。
【0027】
なお、本実施形態では、凹部16は、内側に凹む湾曲部(湾曲面)としたが、例えば、平端面同士で内側に凹となるように形成してもよい。また、凹部16の一部を平坦面で構成してもよい。また、凹部16は、親指又は中指が下側から当て付く形状であれば、他の形状であってもよい。
【0028】
図1及び図2に示すように、リールシート本体10の前側には、くびれ部21が形成されている。くびれ部21は、リールシート本体10の中央部と比べて細くなっている部位である。くびれ部21は、凹部16の前側と連続するように形成されている。くびれ稜線22は、膨出部18とくびれ部21との境となる稜線である。つまり、くびれ稜線22から後側(膨出部18側)に向けて徐々に太くになり、くびれ稜線22から前側に向けて徐々に細くなっている。
【0029】
次に、縦握りについて説明する。図7に示すように、縦握りは、竿杆Sの延長方向に人差し指F2を沿わせるとともに、親指F1と中指F3とでリールシート1を挟んで操作するものである。薬指F4及び小指F5は、リール脚部Rの軸部R0よりも後側に位置させ、中指F3と薬指F4とで軸部R0を挟持する。また、掌の後側(手首側)はグリップGに当接させるとともに、掌の前側(手首とは反対側)はグリップGとは少し隙間をあけて全体的に軽く握る。
【0030】
縦握りは、例えば、ライトゲームなどの小型のワームやプラグ、軽量マイクロジグ等を操作する際の握り方である。縦握りでは、手首を支点として、手首のスナップを効かせて竿杆Sを、例えば上下方向に小刻みに動かして小さいアクションを付け、魚を誘ったり、魚の微細な当たりに合わせたりすることができる。
【0031】
本実施形態に係るリールシート1では、図8及び図9に示すように、竿杆Sの延長方向に人差し指F2を沿わせるとともに、親指F1の腹部を左側の凹部16に当て付けるとともに、中指F3の第一関節の側部辺りを右型の凹部16に当て付ける。また、親指F1及び中指F3の各指先は、リール脚部Rの左端部及び右端部に接触させる。掌、薬指F4及び小指F5については従前と同じように位置させる。
【0032】
本実施形態に係るリールシート1では、親指F1及び中指F3が下側から凹部16に当て付くようになっているため、縦握りをした際に、親指F1及び中指F3がリールシート1に収まりやすくフィット感を高めることができる。また、例えば、ライトゲームでは繊細な操作が要求されるが、縦握りの状態で親指F1及び中指F3が凹部16,16にフィットするため、指先の感度が上がり操作性の向上を図ることができる。また、力の入りやすい親指F1が、リールシート1に沿うようにフィットすることで、リールシート1の握り込み負荷の軽減を図ることができる。これにより、軽く握った状態であっても、手と釣竿とがフィットするため、釣りにおける負荷の低減と感度の向上の両立を図ることができる。
【0033】
また、例えば、手首のスナップを効かせて上方に小刻みに動かす際、親指F1及び中指F3が下側から凹部16,16に当たるため、竿杆Sを上方に動かしやすくなる。これにより、小さいアクションが付けやすくなるとともに、魚の微細な当たりにも反応良く合わせることができる。また、凹部16,16を設けることでリールシート1の軽量化を図ることができる。
【0034】
また、凹部16の湾曲部16aに沿って親指F1及び中指F3が当たるため、親指F1及び中指F3がより収まりやすくなり、フィット性がより向上する。また、竿杆Sを上方に動かす際に凸部16bに親指F1及び中指F3が引っ掛かりやすくなるため、操作性をより向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態では、凹部16を左右両側に設けているため、左右でバランスよくリールシート1を握ることができる。また、親指F1及び中指F3の各指先が、リール脚部Rの左端部及び右端部に接触するため、左右でよりバランス良く操作することができる。
【0036】
また、親指F1及び中指F3をそれぞれ凹部16,16に当て付けつつ、親指F1及び中指F3で左右両側からくびれ部21を挟持することができる。くびれ部21はリールシート本体10の中央部よりも細くなっているため、親指F1及び中指F3が収まりやすく、凹部16,16とも相まってフィット性及び操作性をより高めることができる。
【0037】
図10は、本実施形態に係るリールシートの第一変形例を示す断面図である。図10に示す第一変形例に係るリールシート1Aでは、左右のうち片側(ここでは右側)のみに凹部16を設けている。左側は平坦な平坦面10bとなっている。平坦面10bは、リールシート本体10の膨出部18の外周面18aに連続し、下側に向かうにつれて凹部16に近づくように傾斜している。
【0038】
このように、凹部16は、リールシート本体10の左右のいずれかの側部に設けるようにしてもよい。このようにしても、凹部16は、前記した実施形態と概ね同等の効果を奏することができる。また、第一変形例によれば、右利き用又は左利き用や、利用者の好みに応じて左右のいずれかに凹部16を設けることができる。
【0039】
以上本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。前記した実施形態では、ダウンロック仕様を例示したが、本発明をアップロック仕様に適用することもできる。この場合であっても、ダウンロック仕様と概ね同等の効果を奏することができる。また、アップロック仕様によれば、凹部16を湾曲状に削り込むことにより、掌とリールシートとの干渉を避けることができ、手当たりを軽減することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 リールシート
10 リールシート本体
11 固定フード
12 移動フード
13 ねじ部
14 グリップ取付部
15 リール固定面
16 凹部
16a 湾曲部
16b 凸部
C1 軸心
G グリップ
S 竿杆
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10