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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ソースドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240822BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 623J
G09G3/20 632Z
G09G3/20 633B
G09G3/20 670F
G09G3/20 670H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021055517
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152667
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏明
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/024753(WO,A1)
【文献】特開2021-039139(JP,A)
【文献】特開2012-150152(JP,A)
【文献】特開2020-166025(JP,A)
【文献】特開2018-066934(JP,A)
【文献】特開2018-136371(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208390(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0139882(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 ー 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の伝送ライン及び第2の伝送ラインを介して複数の画素データ片の系列を含むシリアルデータ信号を受信し、前記複数の画素データ片に基づいて複数のソースラインと該複数のソースラインに接続された複数個の画素部とを有する表示パネルの前記複数のソースラインに前記複数個の画素部を駆動する駆動電圧を出力するソースドライバであって、
前記第1の伝送ラインを介してシリアルデータ信号を受信する第1のデータ受信部と、
切替信号に応じて、前記第1の伝送ライン及び前記第2の伝送ラインのいずれか一方からのシリアルデータ信号を出力するセレクタと、
前記セレクタから出力されたシリアルデータ信号を受信する第2のデータ受信部と、
前記第1のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第1のパラレルデータとして出力する第1のシリアルパラレル変換回路と、
前記第2のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第2のパラレルデータとして出力する第2のシリアルパラレル変換回路と、
前記セレクタが前記第1の伝送ラインからのシリアルデータ信号を出力している場合に、前記第1のパラレルデータと前記第2のパラレルデータとを比較し、比較結果を出力する比較回路と、
を有することを特徴とするソースドライバ。
【請求項2】
前記シリアルデータ信号は、複数の画素データ片の系列からなるシリアルの画像データと、前記画像データに続いて伝送されるダミーデータと、から構成され、
前記セレクタは、前記ダミーデータが伝送されるタイミングで前記第1の伝送ラインからのシリアルデータ信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
前記第1の伝送ライン及び前記第2の伝送ラインを介して接続されるタイミングコントローラから前記シリアルデータ信号を受信し
前記切替信号は、前記ソースドライバが前記タイミングコントローラからのシリアルデータ信号の受信に使用するレーン数を設定する使用レーン数設定信号であり、
前記セレクタは、前記使用レーン数設定信号によって設定されるレーン数が1である場合に、前記第1の伝送ラインからのシリアルデータ信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項4】
複数のソースライン及び複数のゲートラインと、前記複数のソースラインと前記複数のゲートラインとの交差部の各々にマトリクス状に設けられた複数個の画素部と、を有する表示パネルと、
複数の画素データ片の系列を含むシリアルデータ信号を出力するタイミングコントローラと、
第1の伝送ライン及び第2の伝送ラインを介して前記タイミングコントローラから前記シリアルデータ信号を受信し、前記複数の画素データ片に基づいて前記複数個の画素部を駆動する駆動電圧を前記複数のソースラインに出力するソースドライバと、
を有し、
前記ソースドライバは、
前記第1の伝送ラインを介してシリアルデータ信号を受信する第1のデータ受信部と、
切替信号に応じて、前記第1の伝送ライン及び前記第2の伝送ラインのいずれか一方からのシリアルデータ信号を出力するセレクタと、
前記セレクタから出力されたシリアルデータ信号を受信する第2のデータ受信部と、
前記第1のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第1のパラレルデータとして出力する第1のシリアルパラレル変換回路と、
前記第2のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第2のパラレルデータとして出力する第2のシリアルパラレル変換回路と、
前記セレクタが前記第1の伝送ラインからのシリアルデータ信号を出力している場合に、前記第1のパラレルデータと前記第2のパラレルデータとを比較し、比較結果を出力する比較回路と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記タイミングコントローラは、前記比較回路による比較結果を前記ソースドライバから受信し、当該比較結果に基づいて、前記ソースドライバの前記第1の受信部、前記第2の受信部、前記第1のシリアルパラレル変換回路及び前記第2のシリアルパラレル変換回路のいずれかに異常が発生しているか否かを検知することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースドライバ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示デバイスからなる表示装置の駆動方式として、アクティブマトリクス駆動方式が採用されている。アクティブマトリクス駆動方式の表示装置では、表示パネルは画素部及び画素スイッチをマトリクス状に配置した半導体基板で構成されている。ゲートドライバからのゲート信号により画素スイッチのオンオフを制御し、画素スイッチがオンになるときに映像データ信号に対応した駆動信号を画素部に供給して、各画素部の輝度を制御することにより、表示が行われる。例えば、ゲートドライバにより選択された横一列の画素部に対してソースドライバがアナログ電圧を印加して横一列の表示を行い、選択する画素列を変えながらこれを縦方向に繰り返し行うことにより、1フレームの画面を表示する。
【0003】
ソースドライバが960本の出力信号線を有する場合、タイミングコントローラからソースドライバに960チャネル分の画像データがシリアル伝送される。ソースドライバは、タイミングコントローラからシリアル伝送されたデータを受信し、シリアルパラレル変換を行ってデータラッチ群に格納する。格納されたパラレルデータはDAC回路によりD/A変換され、アナログの階調電圧信号として出力される。
【0004】
表示装置における画像データ通信の通信速度を向上させるため、データ伝送のレーンを複数備えた構成が知られている。このような複数のレーンを有する表示装置では、動作するレーン数を切り替え可能に構成されており、動作しないレーンは電流の供給を止めて消費電流を削減するようにしていることが一般的である。
【0005】
ところで、近年、自動車等の車両における電子ミラーやクラスタ等の重要保安部品として、上記のような表示装置が搭載されることが多くなっている。このような車載向けの表示装置では、装置の故障によりシステムが危険な状態になることを避けるため、装置の故障を速やかに検知することが必要となる。例えば、液晶パネルを有する表示装置において、電源系統を含む表示系の故障警告を確実に行うため、電源ラインの電流値及び電圧値の少なくとも一方を監視する監視回路を備えた表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-96660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ソースドライバのデータ受信部の故障を検知する方法として、巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)の手法が用いられている。しかし、巡回冗長検査による故障検知を行うためには、通信インタフェースがCRCに対応している必要がある。したがって、インタフェースの種類によっては故障検知を行うことが出来ないという問題があった。また、送信側であるタイミングコントローラ、及び受信側であるソースドライバのデータ受信部の双方がCRCに対応していなければならないという制約が存在する。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、データ送信側の構成や通信インタフェースの種類を問わず、簡易な構成でデータ受信部の異常を検知することが可能なソースドライバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るソースドライバは、第1の伝送ライン及び第2の伝送ラインを介して複数の画素データ片の系列を含むシリアルデータ信号を受信し、前記複数の画素データ片に基づいて複数のソースラインと該複数のソースラインに接続された複数個の画素部とを有する表示パネルの前記複数のソースラインに前記複数個の画素部を駆動する駆動電圧を出力するソースドライバであって、前記第1の伝送ラインを介してシリアルデータ信号を受信する第1のデータ受信部と、切替信号に応じて、前記第1の伝送ライン及び前記第2の伝送ラインのいずれか一方からのシリアルデータ信号を出力するセレクタと、前記セレクタから出力されたシリアルデータ信号を受信する第2のデータ受信部と、前記第1のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第1のパラレルデータとして出力する第1のシリアルパラレル変換回路と、前記第2のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第2のパラレルデータとして出力する第2のシリアルパラレル変換回路と、前記セレクタが前記第1の伝送ラインからのシリアルデータ信号を出力している場合に、前記第1のパラレルデータと前記第2のパラレルデータとを比較し、比較結果を出力する比較回路と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置は、複数のソースライン及び複数のゲートラインと、前記複数のソースラインと前記複数のゲートラインとの交差部の各々にマトリクス状に設けられた複数個の画素部と、を有する表示パネルと、複数の画素データ片の系列を含むシリアルデータ信号を出力するタイミングコントローラと、第1の伝送ライン及び第2の伝送ラインを介して前記タイミングコントローラから前記シリアルデータ信号を受信し、前記複数の画素データ片に基づいて前記複数個の画素部を駆動する駆動電圧を前記複数のソースラインに出力するソースドライバと、を有し、前記ソースドライバは、前記第1の伝送ラインを介してシリアルデータ信号を受信する第1のデータ受信部と、切替信号に応じて、前記第1の伝送ライン及び前記第2の伝送ラインのいずれか一方からのシリアルデータ信号を出力するセレクタと、前記セレクタから出力されたシリアルデータ信号を受信する第2のデータ受信部と、前記第1のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第1のパラレルデータとして出力する第1のシリアルパラレル変換回路と、前記第2のデータ受信部が受信したシリアルデータ信号をシリアルパラレル変換し、第2のパラレルデータとして出力する第2のシリアルパラレル変換回路と、前記セレクタが前記第1の伝送ラインからのシリアルデータ信号を出力している場合に、前記第1のパラレルデータと前記第2のパラレルデータとを比較し、比較結果を出力する比較回路と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るソースドライバによれば、簡易な構成でデータ受信部の異常検知を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明に係るソースドライバの構成を示すブロック図である。
図3】実施例1のデータ受信部の構成を示すブロック図である。
図4】実施例1の各レーンにおける入力データ及びデータ比較の例を示す図である。
図5】実施例2のデータ受信部の構成を示すブロック図である。
図6】実施例2の各レーンにおける入力データ及びデータ比較の例を示す図である。
図7】データ受信部の構成の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置100は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。表示装置100は、表示パネル11、タイミングコントローラ12、ゲートドライバ13及びソースドライバ14-1~14-pを含む。
【0015】
表示パネル11は、複数個の画素部P11~Pnm及び画素スイッチM11~Mnm(n,m:2以上の自然数)がマトリクス状に配置された半導体基板から構成されている。表示パネル11は、各々が水平方向に延伸する走査線であるn本のゲート線GL1~GLnと、これに交差するように配されたm本のソース線DL1~DLmと、を有する。画素部P11~Pnm及び画素スイッチM11~Mnmは、ゲート線GL1~GLn及びソース線DL1~DLmの交差部に設けられている。
【0016】
画素スイッチM11~Mnmは、ゲートドライバ13から供給されるゲート信号Vg1~Vgnに応じてオン又はオフに制御される。
【0017】
画素部P11~Pnmは、ソースドライバ14から映像データに対応した駆動電圧(階調電圧)の供給を受ける。具体的には、ソースドライバ14から駆動電圧Dv1~Dvmがソース線DL1~DLmに出力され、画素スイッチM11~Mnmがそれぞれオンのときに、駆動電圧Dv1~Dvmが画素部P11~Pnmに印加される。これにより、画素部P11~Pnmの各々の画素電極が充電され、輝度が制御される。
【0018】
表示装置100が液晶表示装置である場合、画素部P11~Pnmの各々は、画素スイッチM11~Mnmを介してソース線DL1~DLmに接続される透明電極と、半導体基板に対向して設けられ且つ面全体に1つの透明な電極が形成された対向基板との間に封入された液晶と、を含む。表示装置内部のバックライトに対して、画素部P11~Pnmに印加された駆動電圧(階調電圧)と対向基板電圧との電位差に応じて液晶の透過率が変化することにより、表示が行われる。
【0019】
タイミングコントローラ12は、映像データVSに基づき各画素の輝度レベルを例えば8ビットの256段階の輝度階調で表す画素データ片PDの系列(シリアル信号)を生成する。また、タイミングコントローラ12は、同期信号SSに基づいて、一定のクロック周期を有する埋め込みクロック方式のクロック信号CLK を生成する。タイミングコントローラ12は、画素データ片PDの系列とクロック信号CLKとを一体化したシリアル信号である映像データ信号VDSを生成し、ソースドライバ14-1~14-pに供給して映像データの表示制御を行う。映像データ信号VDSは、所定数のソース線毎に伝送路の数に応じてシリアル化された映像データ信号として構成されている。
【0020】
本実施例では、各々がm個の画素データ片PDからなるn個の画素データ片群がシリアルに連続することにより、1フレーム分の映像データ信号VDSが構成されている。n個の画素データ片群の各々は、それぞれ1水平走査ライン(すなわち、ゲート線GL1~GLnの各々)上の画素を供給対象とする階調電圧に対応する画素データ片からなる画素データ片群である。ソースドライバ14-1~14-pの動作により、m×n個の画素データ片PDに基づいて、n×m個の画素部(すなわち、画素部P11~Pnm)を供給対象とする駆動電圧信号Dv1~Dvmがソース線を介して印加される。
【0021】
なお、タイミングコントローラ12とソースドライバ14-1~14-pの各々との間には、映像データ信号VDSを伝送するための一対の伝送路である第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBが設けられている。第1の伝送路TLAが常にデータ伝送に用いられる一方、第2の伝送路TLBはタイミングコントローラ12の選択に応じてデータ伝送に用いるか否かが切り替え可能に構成されている。第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBの両方を使ってデータ伝送を行う場合、第1の伝送路TLAのみを使ってデータ伝送を行う場合と比べてデータ通信の通信レートが高くなる。
【0022】
また、タイミングコントローラ12は、同期信号SSに基づいて、映像データ信号VDSの1フレーム毎のタイミングを示すフレーム同期信号FSを生成し、ソースドライバ14-1~14-pに供給する。
【0023】
また、タイミングコントローラ12は、ソースドライバ14-1~14-pの各々から比較結果信号RSを受信する。比較結果信号RSは、各ソースドライバの内部で行われる後述するデータ比較処理の処理結果を示す信号である。タイミングコントローラ12は、比較結果信号RSに基づいて、ソースドライバ内の受信部及びデータ処理部に異常があるか否かを検知する異常検知部(図示せず)を有する。
【0024】
ゲートドライバ13は、ソースドライバ14-1からゲート制御信号GSの供給を受け、ゲート制御信号GSに含まれるクロックタイミングに基づいて、ゲート信号Vg1~Vgnを順次ゲート線GL1~GLnに供給する。ゲート信号Vg1~Vgnの供給により、画素行毎に画素部P11~Pnmが選択される。そして、選択された画素部に対して、ソースドライバ14-1~14-pから駆動電圧信号Dv1~Dvmが印加されることにより、画素電極への階調電圧の書き込みが行われる。
【0025】
換言すると、ゲートドライバ13の動作により、ゲート線の伸長方向に沿って(すなわち、横一列に)配置されたm個の画素部が、駆動電圧信号Dv1~Dvmの供給対象として選択される。ソースドライバ14は、選択された横一列の画素部に対して駆動電圧信号Dv1~Dvmを印加し、電圧に応じた色を表示させる。駆動電圧信号Dv1~Dvmの供給対象として選択される横一列分の画素部を選択的に切り替えながら、データ線の伸長方向(すなわち、縦方向)に繰り返すことにより、1フレーム分の画面表示が行われる。
【0026】
なお、画素部P11~Pnmは、ゲート線の伸長方向に沿って配置されたm個のうちの隣接する3個の画素部(すなわち、3chの画素部)毎に、R(赤色),G(緑色),B(青色)の3つの画素に対応している。すなわち、j=(1/3)mとすると、1ch、4ch、・・・(3j-2)chは「R」、2ch、5ch、・・・(3j-1)chは「G」、3ch、6ch、・・・3jchは「B」にそれぞれ対応している。例えば、1ch、2ch、3chのR、G、Bの組み合わせにより、1つの色が表現される。
【0027】
ソースドライバ14-1~14-pは、ソース線DL1~DLmを分割した所定数のソース線毎に設けられている。各ソースドライバが駆動するソース線の本数は、当該ソースドライバの出力ch数に対応している。例えば、ソースドライバ1個あたり960chの出力を有し、表示パネルが1画素列あたりソース線1本を備えている場合、4Kパネルは12個、8Kパネルは24個のソースドライバでソース線が駆動される。本実施例では、ソースドライバ14-1~14-pの各々がk本(kは、2以上m未満の整数)のソース線を駆動する場合(すなわち、出力ch数がkである場合)を例として、以下の説明を行う。
【0028】
ソースドライバ14-1~14-pの各々は、タイミングコントローラ12から、それぞれ別々の伝送路を介してフレーム同期信号FS及び映像データ信号VDSの供給を受ける。ソースドライバ14-1~14-pは、映像データ信号VDSに示される階調数に応じた多値レベルの階調電圧に対応する駆動電圧Dv1~Dvmを、ソース線DL1~DLmを介して画素部P11~Pnmに印加する。なお、ソース線DL1~DLmの本数(すなわち、m本)は、ソースドライバ14-1~14-p全体の出力ch数に対応している。
【0029】
図2は、ソースドライバ14-1の内部構成を示すブロック図である。ソースドライバ14-1は、受信部21、データ処理部22、ソース制御部23、ゲート制御部24、第1のデータラッチ群25、第2のデータラッチ群26、及びDAC27-1~27-kから構成されている。なお、ソースドライバ14-1以外の他のソースドライバ14-2~14-pも、ゲート制御部24以外の部分については図2と同様の構成を有する。以下の説明では、ソースドライバ14-1~14-pに共通の構成を説明する際に当該構成を有するソースドライバを単にソースドライバ14とも称する。
【0030】
受信部21は、タイミングコントローラ12からの映像データ信号VDS及びフレーム同期信号FSを受信するインタフェース回路部である。受信部21は、PLL(Phase Locked Loop)回路を含む。受信部21は、受信した映像データ信号VDSに含まれる画素データ片PDの系列(図2では“DATA”として示す)を、データ処理部22に供給する。また、受信部21は、映像データ信号VDSからクロック信号CLKを抽出し、データ処理部22に供給する。
【0031】
本実施例の受信部21は、各々がタイミングコントローラ12から映像データ信号VDS及びフレーム同期信号FSを受信する2本のレーン(図2では図示を省略)から構成されている。この2本のレーンの説明については後述する。
【0032】
データ処理部22は、シリアルパラレル変換部を含み、受信部21から供給された画素データ片PDの系列(DATA)をパラレルデータとしての画像データVDに変換し、ソース制御部23に供給する。
【0033】
また、データ処理部22は、図示せぬタイミング制御部を含み、1水平期間分の画像データ片PDの系列の入力に応じて水平同期信号LSを生成し、第2のデータラッチ群26に供給する。また、データ処理部22のタイミング制御部は、ゲートドライバの動作タイミングを制御するゲートタイミング信号GSを生成し、ゲート制御部24に供給する。
【0034】
ソース制御部23は、データ処理部22によりシリアルパラレル変換された画像データVDを、所定のデータマッピングに従って第1のデータラッチ群25に順次格納する。
【0035】
ゲート制御部24は、ゲートタイミング信号GSを出力し、ゲートドライバ13によるゲート信号Vg1~Vgnの出力タイミングの制御を行う。
【0036】
第1のデータラッチ群25は、ソース線DL1~DLkに対応するk個のデータラッチから構成されている。第1のデータラッチ群25を構成するk個のデータラッチの各々は、取り込んだ画像データVDを順次出力する。
【0037】
第2のデータラッチ群26は、第1のデータラッチ群25と同様、ソース線DL1~DLkに対応するk個のデータラッチから構成されている。第2のデータラッチ群26は、水平同期信号LSをラッチクロックとして、その立ち上がりで第1のデータラッチ群25から出力された画像データVDを取り込む。第2のデータラッチ群26は、取り込んだ画像データVDを順次出力し、DAC27-1~27kに供給する。
【0038】
DAC(Digital Analog Converter)27-1~27-kは、第2のデータラッチ群26から出力された画像データVDに対してレベルシフト及びアナログ変換を行い、駆動電圧信号Dv1~DVkを生成する。
【0039】
図3は、受信部21及びデータ処理部22の詳細な構成を示すブロック図である。なおここではデータ処理部22に含まれるタイミング制御部については図示を省略している。
【0040】
受信部21は、第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBを介してタイミングコントローラ12に接続されている。以下の説明では、第1の伝送路TLAを介して伝送される映像データ信号VDSに含まれる画像データをピクセルデータD0、第2の伝送路TLBを介して伝送される映像データ信号VDSに含まれる画像データをピクセルデータD1と称する。例えば、タイミングコントローラ12が第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBの両方を用いてデータ伝送を行う場合、ピクセルデータD0及びピクセルデータD1により1水平走査ライン分のシリアルデータ(画素データ片PD)が構成される。一方、タイミングコントローラ12が第1の伝送路TLAのみを用いてデータ伝送を行う場合、ピクセルデータD0により1水平走査ライン分のシリアルデータ(画素データ片PD)が構成される。
【0041】
受信部21は、第1レーン受信部31A及び第2レーン受信部31Bを有する。第1レーン受信部31Aは、第1の伝送路TLAに接続されている。第1レーン受信部31Aは、タイミングコントローラ12から送信された映像データ信号VDSを第1の伝送路TLAを介して受信する。また、第1レーン受信部31Aは、タイミングコントローラ12からフレーム同期信号FS受信し、受信した映像データ信号VDS及びフレーム同期信号FSに基づいてシリアルデータDATA0及びクロック信号CLKを抽出(生成)して出力する。
【0042】
第2レーン受信部31Bは、タイミングコントローラ12から送信された映像データ信号VDSを第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBのうちのいずれか一方を介して受信する。本実施例では、第2レーン受信部31Bの入力部の手前にセレクタSL1が設けられており、第2レーン受信部31Bは、セレクタSL1の切替動作により第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBのいずれか一方と選択的に接続される。
【0043】
換言すると、セレクタSL1は、切替信号である比較制御信号CSに応じて、第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBのいずれか一方からの映像データ信号VDSを出力する。第2レーン受信部31Bは、セレクタSL1から出力された映像データ信号VDSを受信する。なお、比較制御信号CSは、ソースドライバ14-1の内部に設けられた図示せぬ比較制御回路から供給される。
【0044】
また、第2レーン受信部31Bは、タイミングコントローラ12からフレーム同期信号FS受信し、受信した映像データ信号VDS及びフレーム同期信号FSに基づいてシリアルデータDATA1及びクロック信号CLKを抽出(生成)して出力する。
【0045】
また、受信部21は、使用レーン数設定部32を有する。使用レーン数設定部32は、タイミングコントローラ12がデータ伝送に用いる伝送路の数についての情報(すなわち、第1の伝送路TLAのみを使ってデータ伝送を行うのか、第1の伝送路TLA及び第2の伝送路TLBの両方を使ってデータ伝送を行うのか)に基づいて使用レーン数設定信号NSを生成し、データ処理部22のデータマージ部34に供給する。使用レーン数設定信号NSは、第2レーンのイネーブル信号であり、第2レーンを使用する場合には論理レベル1(Hレベル)となり、使用レーン数は“2”に設定される。一方、第2レーンを使用しない場合には使用レーン数設定信号NSは論理レベル0(Lレベル)となり、使用レーン数は“1”に設定される。
【0046】
データ処理部22は、第1レーンシリパラ回路33A、第2レーンシリパラ回路33B、データマージ部34及びデータ比較回路35を有する。
【0047】
第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bは、それぞれ第1レーン受信部31A及び第2レーン受信部31Bに対応して設けられている。第1レーンシリパラ回路33Aは、第1レーン受信部31Aから出力されたシリアルデータDATA0をパラレルデータVD0に変換し、データマージ部34に供給する。第2レーンシリパラ回路33Bは、第2レーン受信部31Bから出力されたシリアルデータDATA1をパラレルデータVD1に変換し、データマージ部34に供給する。
【0048】
データマージ部34は、第1シリパラ変換回路33Aから供給されたパラレルデータVD0及び第2シリパラ変換回路33Bから供給されたパラレルデータVD1のデータマージを行い、画像データVDを生成する。
【0049】
データ比較回路35は、第1レーンシリパラ回路33Aから出力されたパラレルデータVD0と第2レーンシリパラ回路33Bから出力されたパラレルデータVD1とを比較し、比較結果を示す比較結果信号RSを出力する。データ比較回路35は、比較制御信号CSの供給を受け、比較制御信号CSの信号レベルが論理レベル1(Hレベル)である場合にのみ、パラレルデータVD0とパラレルデータVD1との比較を行う。
【0050】
データ比較回路35から出力された比較結果信号RSは、タイミングコントローラ12に供給される。タイミングコントローラ12の図示せぬ異常検知部は、比較結果信号RSが論理レベル1(Hレベル)である場合には、第1レーン受信部31A、第2レーン受信部31B、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bのいずれにも異常がないと判定する。一方、比較結果信号RSが論理レベル0(Lレベル)である場合には、第1レーン受信部31A、第2レーン受信部31B、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bのいずれかに異常があると判定する。
【0051】
なお、ソースドライバ14内に異常検知部を設けても良く、例えば、データ比較回路35からの比較結果信号RSを受信してソースドライバ14内で異常の判定を行っても良い。
【0052】
次に、図4を参照して、データ比較回路35による比較動作について説明する。なお、ここでは第1の伝送路TA及び第2の伝送路TBをともにデータ伝送に用いる場合、すなわち使用レーン数が2である場合を例として説明する。
【0053】
図4の最上段は、タイミングコントローラ12からソースドライバ14に伝送される映像データ信号VDSのデータ形式(プロトコル)を簡略化して示している。映像データ信号VDSは、1水平走査ライン分毎のRGBピクセルデータを格納するデータ部と、その間に設けられたブランクデータ部と、から構成されている。
【0054】
使用レーン数が2である場合、第1レーン受信部31Aには、ピクセルデータD0が供給される。また、第2レーン受信部31Bには、ピクセルデータD1が供給される。また、本実施例の映像データ信号VDSでは、ブランクデータ部にダミーデータDmが格納されている。
【0055】
比較制御信号CSは、RGBピクセルデータの供給期間ではLレベルとなり、ダミーデータDmの供給期間ではHレベルとなる。これにより、ダミーデータDmの供給期間がデータ比較期間となる。
【0056】
比較制御信号CSがLレベルであるRGBピクセルデータの供給期間では、図3に示すセレクタSL1が“0”に切り替えられ、第2レーン受信部31BにはピクセルデータD1が供給される。第1レーン受信部31AはピクセルデータD0に基づいてシリアルデータDATA0を生成し、第2レーン受信部31BはピクセルデータD1に基づいてシリアルデータDATA1を生成する。
【0057】
第1レーンシリパラ変換回路33Aは、シリアルデータDATA0をシリアルパラレル変換し、ピクセルデータD0に対応するパラレルデータVD0を生成する。第2レーンシリパラ変換回路33Bは、シリアルデータDATA1をシリアルパラレル変換し、ピクセルデータD1に対応するパラレルデータVD1を生成する。データマージ部33は、パラレルデータVD0及びVD1のデータマージを行い、画像データVDを生成する。
【0058】
一方、比較制御信号CSがHレベルであるデータ比較期間では、セレクタSL1が“1”に切り替えられ、第2レーン受信部31Bには第1レーン受信部31Aと同じデータが供給される。すなわち、データ比較期間はダミーデータDmの供給期間であるため、第1レーン受信部31Aと第2レーン受信部31Bとに同じダミーデータDmが供給される。
【0059】
第1レーン受信部31Aは、ダミーデータDmに基づいてシリアルデータDATA0を生成する。第1レーンシリパラ変換回路33Aは、シリアルデータDATA0をシリアルパラレル変換し、ダミーデータDmに対応するパラレルデータVD0を生成する。
【0060】
第2レーン受信部31Bは、ダミーデータDmに基づいてシリアルデータDATA1を生成する。第2レーンシリパラ変換回路33Bは、シリアルデータDATA1をシリアルパラレル変換し、ダミーデータDmに対応するパラレルデータVD1を生成する。
【0061】
データ比較回路35は、データ比較期間に生成されたパラレルデータVD0とパラレルデータVD1とを比較し、両者が一致する場合にはHレベル、一致しない場合にはLレベルを有する比較結果信号RSを出力する。
【0062】
上記の通り、第1レーン受信部31Aと第2レーン受信部31Bとは同じ構成を有するため、故障等の異常が生じていない限り、同じデータが入力された場合、出力されるデータも同じものとなる。データ比較期間では第1レーン受信部31A及び第2レーン受信部31Bに同じダミーデータDmが入力されているため、第1レーン受信部31A及び第2レーン受信部31Bのいずれにも異常が生じていない場合、第1レーン受信部31Aが出力するシリアルデータDATA0と第2レーン受信部31Bが出力するシリアルデータDATA0とは同じデータとなる。
【0063】
また、第1レーンシリパラ回路33Aと第2レーンシリパラ回路33Bとは同じ構成を有するため、故障等の異常が生じていない限り、同じデータが入力された場合、出力されるデータも同じものとなる。シリアルデータDATA0とシリアルデータDATA0とが同じデータである場合、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bのいずれにも異常が生じていないとすると、第1レーンシリパラ回路33AがシリアルデータDATA0をシリアルパラレル変換して得られたパラレルデータVD0と、第1レーンシリパラ回路33AがシリアルデータDATA0をシリアルパラレル変換して得られたパラレルデータVD0とは同じデータとなる。
【0064】
したがって、第1レーン受信部31A、第2レーン受信部31B、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bがいずれも正常である(すなわち、異常が生じていない)場合、データ比較回路35によりパラレルデータVD0とパラレルデータVD1とが一致すると判定され、比較結果信号RSの信号レベルはHレベルとなる。
【0065】
これに対し、第1レーン受信部31A、第2レーン受信部31B、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bのいずれかに異常がある場合、第1レーンシリパラ回路33Aから出力されるパラレルデータVD0と第2レーンシリパラ回路33Bから出力されるパラレルデータVD1とは異なるデータとなる。したがって、データ比較回路35によりパラレルデータVD0とパラレルデータVD1とが一致しないと判定され、比較結果信号RSの信号レベルはLレベルとなる。
【0066】
以上のように、本実施例の表示装置100は、映像データ信号VDSのブランク期間(ブランクデータ部)を利用して、第1レーン及び第2レーンの各々の受信部及びシリパラ変換回路に同じダミーデータDmを供給し、出力されたデータを比較して両者が一致するか否かを判定することにより、受信部及びシリパラ変換回路における異常発生の有無を検知する。本実施例では、ダミーデータDmが送信されるブランク期間では実際の画像表示に用いるデータを受信する必要がないため、当該ブランク期間をデータ比較期間としている。
【0067】
かかる構成によれば、CRC(Cyclic Redundancy Check)等を用いて故障検知を行う場合とは異なり、タイミングコントローラ12側の特別な対応(例えば、CRCに対応した通信インタフェースや機能ブロック等)を要することなく、ソースドライバ側の構成のみを用いてデータ受信部及びシリパラ変換回路における異常発生の有無を検知することが可能となる。
【0068】
また、本実施例では、ダミーデータDmが送信されるブランク期間をデータ比較期間としている。このため、実際の画像表示に用いる画像データを送信するタイミングでは高い通信レートでデータ通信を行いつつ、ブランク期間を利用して周期的にデータ比較を行うことができる。
【実施例2】
【0069】
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2の表示装置は、ソースドライバ内のセレクタの構成及び動作において実施例1の表示装置100と異なる。
【0070】
図5は、本実施例の受信部21及びデータ処理部22の詳細な構成を示すブロック図である。
【0071】
セレクタSL2は、使用レーン数設定部32から出力された使用レーン数設定信号NSに基づいて、第2レーン受信部31Bの入力部の接続先の切り替えを行う。具体的には、セレクタSL2は、使用レーン数設定信号NSの信号レベルが論理レベル0の場合には接続先を第1の伝送路TLAとし、論理レベル1の場合には接続先を第2の伝送路TLBとする切り替えを行う。
【0072】
次に、図6を参照して、本実施例のデータ比較回路35による比較動作について説明する。
【0073】
本実施例のデータ比較回路35は、使用レーン数設定信号NSがLレベルである場合、すなわち使用レーン数が1である場合にデータ比較を行う。使用レーン数が1である場合、タイミングコントローラ12から第1の伝送路TLAを介して映像データ信号VDS(ピクセルデータD0)が送信される一方、第2の伝送路TLBには映像データ信号VDSが送信されない。
【0074】
レーン数設定信号NSがLレベルであるため、セレクタSL2が“0”に切り替えられ、第1レーン受信部31A及び第2レーン受信部31Bには同じピクセルデータD0が供給される。
【0075】
第1レーン受信部31Aは、ピクセルデータD0に基づいてシリアルデータDATA0を生成する。第1レーンシリパラ変換回路33Aは、シリアルデータDATA0をシリアルパラレル変換し、ピクセルデータD0に対応するパラレルデータVD0を生成する。
【0076】
第2レーン受信部31Bは、ピクセルデータD0に基づいてシリアルデータDATA1を生成する。第2レーンシリパラ変換回路33Bは、シリアルデータDATA1をシリアルパラレル変換し、ピクセルデータD0に対応するパラレルデータVD1を生成する。
【0077】
データ比較回路35は、パラレルデータVD0とパラレルデータVD1とを比較し、両者が一致する場合にはHレベル、一致しない場合にはLレベルを有する比較結果信号RSを出力する。
【0078】
なお、本実施例では、ブランク期間においても第1レーン受信部31A及び第2レーン受信部31Bに共通のダミーデータDmが供給され、ピクセルデータD0と同様の処理が行われる。
【0079】
したがって、本実施例では全期間に亘ってデータ比較が行われ、第1レーン受信部31A、第2レーン受信部31B、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bがいずれも正常である(すなわち、異常が生じていない)場合、データ比較回路35によりパラレルデータVD0とパラレルデータVD1とが一致すると判定され、Hレベルの比較結果信号RSが全期間に亘って出力される。
【0080】
以上のように、本実施例のソースドライバ14では、使用レーン数設定信号NSにより使用レーン数が“1”に設定されている場合に常にデータ比較を行い、第1レーン受信部31A、第2レーン受信部31B、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bにおける異常の有無を検知する。
【0081】
かかる構成によれば、実施例1の場合と同様、タイミングコントローラ12側の特別な対応(例えば、CRCに対応した通信インタフェースや機能ブロック等)を要することなく、ソースドライバ側の構成のみを用いてデータ受信部及びシリパラ変換回路における異常発生の有無を検知することが可能となる。
【0082】
また、データ比較期間でのみデータ比較を行う実施例1とは異なり、異常発生の有無を常時監視することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、ソースドライバの受信部及びデータ処理部が第1レーン及び第2レーンという2つの通信レーンから構成されている場合を例として説明した。しかし、通信レーンの数はこれに限られず、3以上の複数の通信レーンから構成されていてもよい。
【0084】
また、上記各実施例では、第2レーン受信部31Bの入力側にセレクタ(SL1,SL2)が配置されている場合を例として説明したが、これ以外の位置にセレクタを配置してもよい。例えば、第2レーン受信部31Bの入力側のセレクタに加えて、第1レーン受信部31Aの入力側に、伝送路の接続切替を行わないダミーのセレクタを配置してもよい。かかる構成によれば、第1レーン受信部31Aの入力部の負荷容量と第2レーン受信部31Bの入力部の負荷容量とを揃えることができるため、システム設計が容易となる。
【0085】
また、第2レーン受信部31Bの入力側ではなく出力側、すなわち第2レーン受信部31Bと第2レーンシリパラ回路33Bとの間にセレクタを設けてもよい。
【0086】
図7は、かかる構成を有するデータ受信部及びシリパラ変換回路の変形例の構成を示すブロック図である。第2レーンシリパラ回路33Bの入力側にセレクタSL3が設けられている。セレクタSL3は、比較制御信号CS2の信号レベルに応じて、第2レーンシリパラ回路33Bの入力部の接続先を切り替える。例えば、セレクタSL3は、比較制御信号CS2の信号レベルが論理レベル1(Hレベル)である場合には第1レーン受信部31A、論理レベル0(Lレベル)である場合には第2レーン受信部31Bが接続先となるように切り替えを行う。
【0087】
かかる構成によれば、例えば実施例1のデータ比較により第1レーン受信部31A、第2レーン受信部31B、第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33Bのいずれかに異常があると判定された場合に、第2レーンシリパラ回路33Bを第1レーン受信部31Aに接続してさらにデータ比較を行うことにより、異常個所が受信部側(第1レーン受信部31A及び第2レーン受信部31B)なのかシリパラ回路側(第1レーンシリパラ回路33A及び第2レーンシリパラ回路33B)なのかを判定することが可能となる。
【0088】
また、上記各実施例及び変形例とは異なり、データマージ部34よりも後段にデータ比較回路を設けてもよい。例えば、データのマージを行った後でいったんデータを分解し、分解したデータを比較することにより、データマージ部における異常発生の有無も併せて検知することが可能となる。
【0089】
また、上記実施例では、ソースドライバ14-1がゲートドライバ13のゲートタイミングを制御するゲート制御信号GSを生成し、ゲートドライバ13に供給する構成を例として説明した。しかし、これとは異なり、タイミングコントローラ12がゲート制御信号GSをゲートドライバ13に供給する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
100 表示装置
11 表示パネル
12 タイミングコントローラ
13 ゲートドライバ
14-1~14-p ソースドライバ
21 受信部
22 データ処理部
23 ソース制御部
24 ゲート制御部
25 第1のデータラッチ群
26 第2のデータラッチ群
27-1~27-k DAC
31A 第1レーン受信部
31B 第2レーン受信部
32 使用レーン数設定部
33A 第1レーンシリパラ回路
33B 第2レーンシリパラ回路
34 データマージ部
35 データ比較回路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7