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特許7541982マイクロチャンネル扁平管及びマイクロチャンネル熱交換器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】マイクロチャンネル扁平管及びマイクロチャンネル熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/02 20060101AFI20240822BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20240822BHJP
   F28F 1/32 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F28F1/02 B
F28D1/053 A
F28F1/32 S
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021538328
(86)(22)【出願日】2020-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2020088553
(87)【国際公開番号】W WO2020224563
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-06-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】201910366880.7
(32)【優先日】2019-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516071103
【氏名又は名称】杭州三花研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Sanhua Research Institute Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.289-2, 12th Street, Economic & Technological Development Area, Hangzhou, Zhejiang 310018 China
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ハオボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン リジ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジャンロン
(72)【発明者】
【氏名】ファン リンジー
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】水野 治彦
【審判官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-83733(JP,A)
【文献】実開昭59-124973(JP,U)
【文献】特開平4-93595(JP,A)
【文献】国際公開第2016/110997(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/116408(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D1/053
F28F1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロチャンネル扁平管であって、
扁平管本体と、一列の通路とを含み、
前記扁平管本体は、第1平面、第2平面、第1側面及び第2側面を含み、前記第1平面と第2平面は、厚さ方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面と前記第2側面は、幅方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面は、第1平面及び第2平面に接続され、前記第2側面は、第1平面及び第2平面に接続され、
前記一列の通路は、幅方向に沿って扁平管本体内に配列され、前記一列の通路は、長さ方向に沿って扁平管本体を貫通し、それぞれの通路は、幅方向における第1幅と、厚さ方向における第1高さとを有し、前記一列の通路は、幅方向に沿って配列される第1通路、第2通路及び第3通路を少なくとも含み、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1高さが等しく、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1幅が一定比率で減少し、
前記一列の通路は、1組の第1通路と、1組の第2通路とを含み、前記1組の第1通路は、複数の前記第1通路を含み、前記1組の第2通路は、複数の前記第2通路を含み、前記1組の第1通路の数は、前記1組の第2通路の数に等しく、
前記第1通路、第2通路及び第3通路の断面は、いずれも角丸矩形状をなし、前記第1通路は、4つの第1面取りを含み、前記第2通路は、4つの第2面取りを含み、前記第3通路は、4つの第3面取りを含み、
前記第1面取りの半径、第2面取りの半径及び第3面取りの半径は、一定比率で減少することを特徴とするマイクロチャンネル扁平管。
【請求項2】
前記一列の通路は、1組の第3通路を含み、前記1組の第3通路は、複数の前記第3通路を含み、前記1組の第1通路の数は、前記1組の第3通路の数に等しいことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項3】
前記第1通路と第2通路との間隔は、前記第2通路と第3通路との間隔以上であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項4】
前記1組の第1通路内における、隣接する2つの第1通路の間の間隔は等しく、前記1組の第2通路内における、隣接する2つの第2通路の間の間隔は等しく、前記1組の第3通路内における、隣接する2つの第3通路の間の間隔は等しいことを特徴とする請求項2に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項5】
隣接する第1通路及び第2通路の間の間隔は、隣接する2つの第1通路の間の間隔に等しいことを特徴とする請求項4に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項6】
隣接する第2通路と第3通路との間隔は、隣接する2つの第3通路の間の間隔に等しく、且つ、隣接する第2通路と第3通路との間隔は、隣接する2つの第2通路の間の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項7】
マイクロチャンネル扁平管であって、
扁平管本体と、一列の通路とを含み、
前記扁平管本体は、第1平面、第2平面、第1側面及び第2側面を含み、前記第1平面と第2平面は、厚さ方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面と前記第2側面は、幅方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面は、第1平面及び第2平面に接続され、前記第2側面は、第1平面及び第2平面に接続され、
前記一列の通路は、幅方向に沿って扁平管本体内に配列され、前記一列の通路は、長さ方向に沿って扁平管本体を貫通し、それぞれの通路は、幅方向における第1幅と、厚さ方向における第1高さとを有し、前記一列の通路は、幅方向に沿って配列される第1通路、第2通路及び第3通路を少なくとも含み、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1高さが等しく、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1幅が一定比率で減少し、
前記一列の通路は、1組の第1通路と、1組の第2通路とを含み、前記1組の第1通路は、複数の前記第1通路を含み、前記1組の第2通路は、複数の前記第2通路を含み、前記1組の第1通路の数は、前記1組の第2通路の数に等しく、
前記第1通路、第2通路及び第3通路の第1幅は、y=-0.02x+0.92の関係を満たし、xは、第1通路、第2通路及び第3通路の順番番号を表し、yは、対応するx番目の通路の第1幅の寸法を表し、単位がmmであることを特徴とするマイクロチャンネル扁平管。
【請求項8】
前記第1通路は、第2通路に隣接し、前記第2通路は、第3通路に隣接することを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項9】
前記第1通路は、第1側面に近接し、前記第3通路は、第2側面に近接し、前記第1側面は、風上面であり、前記第2側面は、風下面であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項10】
マイクロチャンネル熱交換器であって、
マイクロチャンネル扁平管、第1合流管、第2合流管及びフィンを含み、
前記マイクロチャンネル扁平管は、扁平管本体と、一列の通路とを含み、
前記扁平管本体は、第1平面、第2平面、第1側面及び第2側面を含み、前記第1平面と第2平面は、厚さ方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面と第2側面は、幅方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面は、第1平面及び第2平面に接続され、前記第2側面は、第1平面及び第2平面に接続され、
前記一列の通路は、幅方向に沿って扁平管本体内に配列され、前記一列の通路は、長さ方向に沿って扁平管本体を貫通し、それぞれの通路は、幅方向における第1幅と、厚さ方向における第1高さとを有し、前記一列の通路は、幅方向に沿って配列される第1通路、第2通路及び第3通路を少なくとも含み、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1高さが等しく、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1幅が一定比率で減少し、
前記マイクロチャンネル扁平管は、第1合流管と第2合流管との間に接続され、前記フィンは、隣接する2つのマイクロチャンネル扁平管の間に介在し、前記マイクロチャンネル扁平管の一列の通路は、第1合流管の内部キャビティと第2合流管の内部キャビティとを連通させ、
前記一列の通路は、1組の第1通路と、1組の第2通路とを含み、前記1組の第1通路は、複数の前記第1通路を含み、前記1組の第2通路は、複数の前記第2通路を含み、前記1組の第1通路の数は、前記1組の第2通路の数に等しく、
前記第1通路は、第1側面に近接し、前記第3通路は、第2側面に近接し、マイクロチャンネル熱交換器が作動している際、外部送風機によって生じた風は、第1通路に近接する第1側面を通過し、フィンによって乱流されてから、第3通路に近接する部位から流出し、
前記フィンは、第1通路に近接する第1部分と、第3通路に近接する第2部分とを含み、前記第1部分の形状は、第2部分の形状と異なり、
前記フィンは、ルーバーフィンであり、前記第1部分は、窓が開き、前記第2部分は、窓が開いていないことを特徴とするマイクロチャンネル熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換技術分野に関し、具体的に、マイクロチャンネル扁平管及びマイクロチャンネル熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロチャンネル熱交換器は、自動車、家庭用又は商用空調システムに一般的に用いられる熱交換装置であり、空調システムの蒸発器としても、凝縮器としても用いられてもよい。マイクロチャンネル熱交換器は、扁平管、フィン、合流管などからなる熱交換器であり、外部送風機によって生じた風がマイクロチャンネルフィン及び扁平管に作用すると、マイクロチャンネル熱交換器の扁平管の流路内の冷媒は、空気と熱交換する。
【0003】
マイクロチャンネル熱交換器のそれぞれの扁平管は、小孔が並んで構成される複数の流路を有し、冷媒は、扁平管の並列流路内で蒸発又は凝縮する。凝縮器として用いられる場合、冷媒は、扁平管の並列流路内で冷却される。蒸発器として用いられる場合、冷媒は、扁平管の並列流路内で蒸発される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関連技術で用いられる扁平管の場合、複数の並列する流路は、断面積が同じである流路であり、風が熱交換器を流れるとき、風と冷媒との間の伝熱があり、並列するそれぞれの流路は、風の流れ方向に沿って冷媒の温度が異なるため、冷媒の流れ方向に沿って、冷媒は、並列する流路内での蒸発又は凝縮の位置が異なることによって、冷媒の流路内での流量の配分は、熱交換の温度差と不整合であり、熱交換器の熱交換効率は低下してしまった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、マイクロチャンネル扁平管が提供され、当該マイクロチャンネル扁平管は、扁平管本体と、一列の通路とを含み、前記扁平管本体は、第1平面、第2平面、第1側面及び第2側面を含み、前記第1平面と第2平面は、厚さ方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面と第2側面は、幅方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面は、第1平面及び第2平面に接続され、前記第2側面は、第1平面及び第2平面に接続され、
前記一列の通路は、幅方向に沿って扁平管本体内に配列され、前記一列の通路は、長さ方向に沿って扁平管本体を貫通し、それぞれの通路は、幅方向における第1幅と、厚さ方向における第1高さとを有し、前記一列の通路は、幅方向に沿って配列される第1通路、第2通路及び第3通路を少なくとも含み、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1高さが等しく、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1幅が一定比率で減少する。
【0006】
本発明の一態様によれば、マイクロチャンネル熱交換器が提供され、前記マイクロチャンネル熱交換器は、第1合流管、第2合流管及びフィンをさらに含み、前記マイクロチャンネル扁平管は、第1合流管と第2合流管との間に接続され、前記フィンは、隣接する2つのマイクロチャンネル扁平管の間に介在し、前記マイクロチャンネル扁平管の一列の通路は、第1合流管の内部キャビティと第2合流管の内部キャビティとを連通させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る前記第1通路、第2通路及び第3通路は、第1幅が一定比率で減少し、このようにすることで、異なる流通断面積の通路を得ることができ、それにより、風向に応じて対応的に通路を設けることができ、マイクロチャンネル扁平管及びマイクロチャンネル熱交換器の動作時の熱交換効率を向上させることに有利であり、且つ第1通路、第2通路及び第3通路は、第1高さが等しく、それにより、マイクロチャンネル扁平管の材料は、効果的に利用され、材料の無駄使いが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例に係るマイクロチャンネル熱交換器の斜視模式図である。
図2図1に示すマイクロチャンネル扁平管の横断面の断面模式図である。
図3図2に示すマイクロチャンネル扁平管の部分拡大模式図である。
図4図1に示すマイクロチャンネル扁平管の通路の通路幅と通路番号との関係の模式図である。
図5】本発明の別の実施例に係るマイクロチャンネル扁平管及びフィンの斜視模式図である。
図6図5に示すフィンの斜視模式図である。
図7】本発明の別の実施例に係るマイクロチャンネル扁平管及びフィンの斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、例示的な実施形態を詳細に説明し、その例を添付の図面に示す。以下の説明で図面を参照する場合、特に明記しない限り、異なる図面における同じ番号は、同じまたは類似の要素を示す。以下の例示的な実施形態で説明される実施形態は、本発明に一致する全ての実施形態を表すものではない。これに対して、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述されている本発明のいくつかの側面に一致する装置及び方法の単なる例である。
【0010】
本願に使用される用語は、特定の実施例を説明することを目的とし、本発明を限定するものではない。本発明の説明では、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等で指示される向き又は位置関係は、図面に示される向き又は位置関係に基づいており、本発明を説明しやすく、説明を簡単にするためのものであり、指示される装置又は要素が特定の向きを有する必要があり、特定の向きで構成され、操作されることを示し、又は暗黙的に示すものではないため、本発明を限定するものであると理解されるべきではない。なお、用語「第1」、「第2」は、目的を説明するためのみであり、相対的な重要性又は示される技術的特徴の数を示し、又は暗黙的に示すものであると理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」の特徴が限定されていることは、1つ又はそれより多い当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明では、「複数」とは、特に断らない限り、2つ以上を意味する。
【0011】
本願において、別途明確な規定及び限定がされない限り、用語「取付」、「繋がり」、「接続」は、広い意味で理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、また一体的な接続であってもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、直接接続であってもよいし、中間媒体を介する間接接続であってもよいし、2つの要素の内部の連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本発明における具体的な意味を理解可能である。
【0012】
本願では、別途明確な規定及び限定がされない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接接触することを含んでも良いし、第1特徴と第2特徴が直接接触せず、それらの間にある別の特徴を介して接触することを含んでも良い。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、「上部」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にあることを含み、又は、第1特徴の水平の高さが第2特徴の水平の高さよりも高いことのみを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、「下部」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下方にあることを含み、又は第1特徴の水平の高さが第2特徴の水平の高さよりも低いことのみを示す。以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施例を詳細に説明する。矛盾しない限りに、下記の実施例及び実施形態における特徴は、互いに補完するか、または互いに組み合わせることができる。
【0013】
本願に使用される用語は、特定の実施例を説明するためのもののみであり、本発明を限定するものではない。本発明及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形の「1種」、「前記」及び「当該」は、上下文に他の意味を明確に示さない限り、複数形も含む。
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施例を詳細に説明する。矛盾しない限りに、下記の実施例及び実施形態における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0015】
図1乃至図4に示すのは、本発明に係るマイクロチャンネル熱交換器100であり、マイクロチャンネル熱交換器100は第1合流管11、第2合流管12、複数のマイクロチャンネル扁平管2及び複数のフィン3を含む。複数のマイクロチャンネル扁平管2は、互いに平行に設けられ、且つ第1合流管11と第2合流管12との間に並列に接続されている。それぞれのフィン3は、隣接する2つのマイクロチャンネル扁平管2の間に介在する。
【0016】
マイクロチャンネル扁平管2は、扁平管本体21と、扁平管本体21を貫通する一列の通路22とを含む。扁平管本体21は、長さが幅よりも大きく、幅が厚さよりも大きい。扁平管本体21は、第1平面211、第2平面212、第1側面213及び第2側面214を含む。第1平面211と第2平面212は、厚さ方向Hにおいて扁平管本体21の対向する両側に設けられている。第1側面213と第2側面214は、幅方向Wにおいて扁平管本体21の対向する両側に設けられている。第1側面213は、第1平面211及び第2平面212を接続する。第2側面214は、第1平面211及び第2平面212を接続する。本実施例では、第1側面213及び第2側面214は、円弧状をなす。選択可能な他の実施例では、第1側面213及び第2側面214は、平面又は他の形状であってもよく、第1平面211及び第2平面212を接続するものであればよい。本発明は、その形状に限定されない。
【0017】
一列の通路22は、第1合流管11の内部キャビティと第2合流管12の内部キャビティとを連通させる。一列の通路22は、幅方向Wに沿って扁平管本体21内に配列されている。上記一列の通路22は、長さ方向Lに沿って扁平管本体21を貫通する。それぞれの通路22は、幅方向Wにおける第1幅22Wと、厚さ方向Hにおける第1高さ22Hとを有する。一列の通路22は、幅方向に沿って配列される第1通路221、第2通路222及び第3通路223を含む。また、第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、第1高さ22Hの寸法が等しい。第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、第1幅22Wの寸法が一定比率で減少する。換言すれば、第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、第1幅22Wが線形に変化し、第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、断面積が線形に変化する。第1通路221、第2通路222及び第3通路223の幅は、y=-mx+nの関係を満たす。ただし、xは、第1通路221、第2通路222及び第3通路223の順番番号を表し、yは、対応するx番目の通路の第1幅の寸法を表す。上記第1通路221は、第2通路222に隣接し、上記第2通路222は、第3通路223に隣接し、あるいは、上記第1通路221と第2通路222との間に他の通路が介在し、他の通路は、第1通路221及び第2通路222の形状と同じであってもよいし、又は第1通路221及び第2通路222の形状と異なっても良い。上記第2通路222と第3通路223との間に、他の通路が介在し、他の通路は、第1通路221及び第2通路222の形状と同じであってもよいし、又は第1通路221及び第2通路222の形状と異なっても良い。上記第1通路221は、第1側面213に近接し、上記第3通路223は、第2側面214に近接する。上記第1側面213は風上面であり、上記第2側面214は風下面である。それにより、マイクロチャンネル扁平管2内に冷媒が流れている際、風上面に近接する第1通路221は、流通断面積がより大きいため、熱交換がより十分であり、風下面に近接する第3通路223は、流通断面積が小さいため、熱交換が小さくなり、風上側の熱交換により、風が冷却されたため、風下側の熱交換能力が小さくなる。この時、対応的に、風下側の流通通路の断面積を小さくし、それにより、同じ扁平管体積内で、より高い熱交換効率を得る。熱交換効率を向上させるとともに、一列の通路22は、第1高さ22Hの寸法が等しく、第1幅22Wの寸法が一定比率で減少し、高さに対して徐々に小さくなるため、マイクロチャンネル扁平管の厚さを薄くすることができ、熱交換効率のさらなる向上に有利であり、同時に材料コスト及び占有空間を節約する。
【0018】
一列の通路22は、1組の第1通路221、1組の第2通路222及び1組の第3通路223を含む。1組の第1通路221は、5つの上記第1通路221を含み、1組の第2通路222は、5つの上記第2通路222を含み、1組の第3通路223は、5つの上記第3通路223を含む。任意選択的に、1組の第1通路221、1組の第2通路222及び1組の第3通路223の数は、他の数であってもよく、本発明は、これに限定されない。1組の第1通路221の数は、上記1組の第2通路222の数に等しく、1組の第1通路221の数は、上記1組の第3通路223の数と等しければよい。このようにすることで、通路の段階的な変更が容易になり、熱交換効率を確保しながら、マイクロチャンネル扁平管の加工が容易になる。
【0019】
第1通路221、第2通路222及び第3通路223の断面積は、いずれも角丸矩形状をなす。上記第1通路221は、4つの第1面取り231を含み、上記第2通路222は、4つの第2面取り232を含み、上記第3通路223は、4つの第3面取り233を含む。第1面取り231の半径、第2面取り232の半径及び第3面取り233の半径は等しく、又は一定比率で減少する。本実施例では、第1面取り231の半径と第2面取り232の半径は等しい。
【0020】
1組の第1通路221内における、隣接する2つの第1通路221の間の間隔J1は等しく、1組の第2通路222内における、隣接する2つの第2通路222の間の間隔J2は等しく、1組の第3通路223内における隣接する2つの第3通路223の間の間隔J3は等しい。隣接する第1通路221と第2通路222との間隔J4は、隣接する第2通路222と第3通路223との間隔J5以上である。隣接する第1通路221と第2通路222との間隔J4は、隣接する2つの第1通路221の間の間隔J1に等しい。隣接する第2通路222と第3通路223との間隔J5は、隣接する2つの第3通路223の間の間隔J3に等しく、且つ隣接する第2通路222と第3通路223との間隔J5は、隣接する2つの第2通路222の間の間隔J2よりも小さい。
【0021】
オプションの実施例として、一列の通路22は、5つの第4通路224と、6つの第5通路225とをさらに含む。1組の第4通路224における、隣接する2つの第4通路224の間の間隔J6は等しく、1組の第5通路225における、隣接する2つの第5通路225の間の間隔J7は等しい。隣接する第3通路223と第4通路224との間隔J8は、隣接する第4通路224と第5通路225との間隔J9に等しい。
【0022】
オプションの実施例として、マイクロチャンネル扁平管2の幅は25.4mmであり、マイクロチャンネル扁平管2の厚さは1.3mmである。第1通路221、第2通路222、第3通路223、第4通路224、第5通路225は、第1高さ22Hが等しく、いずれも0.74mmである。第1通路221、第2通路222、第3通路223、第4通路224及び第5通路225は、第1平面からの距離が、0.28mmであり、第2平面からの距離が0.28mmである。第1通路221、第2通路222、第3通路223、第4通路224及び第5通路225は、第1幅22Wの寸法が、それぞれ0.86、0.76、0.66、0.56、0.46mmである。J1、J2、J4の寸法は、いずれも0.32mmであり、J3、J5、J6、J7、J8、J9の寸法は、いずれも0.28mmである。第1通路221、第2通路222、第3通路223及び第4通路224の面取りの半径は、いずれも0.2mmであり、第5通路225の面取りの半径は、いずれも0.1mmである。
【0023】
オプションの別の実施例として、5つの第1通路221の第1幅22Wは、順に減少してもよい。例えば、5つの第1通路221の第1幅22Wは、ぞれぞれ0.90、0.88、0.86、0.84、0.82mmである。5つの第2通路222の第1幅22Wは、順に減少してもよい。例えば、5つの第2通路222の第1幅22Wは、それぞれ0.80、0.78、0.76、0.74、0.62mmである。5つの第3通路223の第1幅22Wは、順に減少してもよい。例えば、5つの第3通路223の第1幅22Wは、それぞれ0.70、0.68、0.66、0.64、0.62mmである。5つの第4通路224の第1幅22Wは、順に減少してもよい。例えば、5つの第4通路224の第1幅22Wは、それぞれ0.50、0.58、0.56、0.54、0.52mmである。6つの第5通路225の第1幅22Wは、順に減少してもよい。例えば、6つの第4通路224の第1幅22Wは、それぞれ0.40、0.48、0.46、0.44、0.42、0.40mmである。このような一列の通路22の第1幅22Wは、y=-0.02x+0.92の関係を満たす。ただし、xは、一列の通路22の左から右への通路の順番番号を表し、yは、対応するx番目の通路の第1幅22Wの寸法を表す。相対的に、5つの第1通路221、5つの第2通路222、5つの第3通路223、5つの第4通路224、6つの第5通路225は、第1幅22Wの寸法が、それぞれ0.86、0.76、0.66、0.56、0.46mmである場合、加工がより容易になり、公差制御がより容易になる。無論、本願で挙げられた第1幅22Wの具体的な寸法は、オプションの実施例であり、他の具体的な寸法を選択可能である。一列の通路22の第1幅の寸法は、順に線形に変化するか、又は組として線形に変化すればよい。無論、加工誤差による上記寸法の微小な変化は本願の保護範囲内に含まれる。
【0024】
図5及び図6に示すように、上記フィン3は、第1通路221に近接する第1部分31と、第3通路223に近接する第2部分32とを含む。上記第1部分31の形状は、第2部分32の形状と異なる。上記フィン3は、ルーバーフィンであり、上記第1部分31は、窓が開き、上記第2部分32は、窓が開いていない。上記第1部分31は、窓が開くことで、風上側の乱流を増加させ、第1通路221に近接する部分の熱交換を増強させる。上記第2部分32は、窓が開いておらず、すなわち、風下側に近い乱流を減少させ、風抵抗を低減させ、風下側に近接する第3通路223の熱交換を減少させることで、全体的に熱交換の効果を向上させ、風抵抗を低減させ、熱交換器の熱交換効率の向上に有利である。無論、図7に示すように、他の実施例では、上記第1部分31の開窓密度が上記第2部分32の開窓密度よりも大きくすることで、上記熱交換器の熱交換効率の向上の機能を実現することもできる。
【0025】
いくつかのオプションの実施例では、上記フィン3は、第1通路221に近接する第1部分31と、第3通路に近接する第2部分32とを含み、上記第1部分31の密度は、第2部分32の密度と異なる。上記フィン3は、ルーバーフィンであり、上記第1部分31の密度が上記第2部分32の密度よりも大きくすることで(図示せず)、上記熱交換器の熱交換効率の向上の機能を実現することもできる。
【0026】
熱交換器が作動する際、外部送風機によって生じた風は、第1通路221に近接する第1側面213を通過し、フィン3によって乱流されてから、第3通路223に近接する部位から流出する。これにより、マイクロチャンネル扁平管2内に冷媒が流れている時、風上面に近接する第1通路221は、流通断面積がより大きいため、熱交換がより十分であり、風下面に近接する第3通路223は、流通断面積が小さいため、熱交換が小さくなり、風上側の熱交換により、風が冷却されたため、風下側の熱交換能力が小さくなる。この時、対応的に、風下側の流通通路の断面積を小さくし、それにより、同じ扁平管体積内で、より高い熱交換効率を得る。これにより、マイクロチャンネル熱交換器の熱交換効率は向上する。
【0027】
上記実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本願で説明する技術案を限定するものではない。本明細書に対する理解は当業者を元とすべきである。例えば、「上」、「下」などの方向性の説明は、本明細書では、上記実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者は、当業者が依然として本発明を修正又は同等に置き換えることができ、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない全ての技術案及び改良は、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれるべきであると理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7