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特許7542021自動審査装置、自動審査方法および自動審査プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】自動審査装置、自動審査方法および自動審査プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20240822BHJP
【FI】
G06Q40/03
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022026335
(22)【出願日】2022-02-24
(65)【公開番号】P2023122688
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 志文
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 彩那
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-273416(JP,A)
【文献】特許第6062100(JP,B1)
【文献】特開2019-109831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える自動審査装置であって、
顧客ランク加盟店ランク毎に顧客の最終ランクを対応付けたランク判断マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
受付番号に氏名と加盟店識別情報とを対応付けた受付情報データと、加盟店識別情報毎に加盟店ランクを対応付けた加盟店評価データと、前記受付番号に顧客ランクを対応付けた顧客評価データと、を取得する取得部と、
前記ランク判断マスタを参照し、前記加盟店評価データと、前記受付情報データと、前記顧客評価データと、に基づく、顧客の最終ランクを特定する顧客評価算出部と、
を備えること、
を特徴とする自動審査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動審査装置であって、
加盟店識別情報毎に加盟店名を対応付けた加盟店情報マスタと、
加盟店ランク毎に、評点を対応付けた加盟店ランクマスタと、
にさらにアクセス可能であり、
前記加盟店情報マスタと、前記加盟店ランクマスタと、を参照し、顧客番号毎に氏名、加盟店識別情報および取引状態を対応付けた取引履歴データに基づいて、前記加盟店評価データを算出する加盟店評価算出部をさらに備えること、
を特徴とする自動審査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自動審査装置であって、
前記加盟店評価算出部は、
前記加盟店識別情報に紐付く取引状態の数および内容に基づいて評点を算出すること、
を特徴とする自動審査装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一つに記載の自動審査装置であって、
前記顧客評価算出部が特定した前記最終ランクを出力する出力制御部をさらに備えること、
を特徴とする自動審査装置。
【請求項5】
制御部を備える自動審査装置で実行される自動審査方法であって、
顧客ランク加盟店ランク毎に顧客の最終ランクを対応付けたランク判断マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
受付番号に氏名と加盟店識別情報とを対応付けた受付情報データと、加盟店識別情報毎に加盟店ランクを対応付けた加盟店評価データと、前記受付番号に顧客ランクを対応付けた顧客評価データと、を取得する取得ステップと、
前記ランク判断マスタを参照し、前記加盟店評価データと、前記受付情報データと、前記顧客評価データと、に基づく、顧客の最終ランクを特定する顧客評価算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする自動審査方法。
【請求項6】
制御部を備える自動審査装置に実行させるための自動審査プログラムであって、
顧客ランク加盟店ランク毎に顧客の最終ランクを対応付けたランク判断マスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させるための、
受付番号に氏名と加盟店識別情報とを対応付けた受付情報データと、加盟店識別情報毎に加盟店ランクを対応付けた加盟店評価データと、前記受付番号に顧客ランクを対応付けた顧客評価データと、を取得する取得ステップと、
前記ランク判断マスタを参照し、前記加盟店評価データと、前記受付情報データと、前記顧客評価データと、に基づく、顧客の最終ランクを特定する顧客評価算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする自動審査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動審査装置、自動審査方法および自動審査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、販社情報、融資対象品目の種類、被融資者情報等に応じて、融資者に最小リスクの融資条件、販社に好適な販売条件、被融資者に余裕のある返済条件を提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-318073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の信販会社の審査業務では、加盟店リスクを考慮することなく、申込本人のリスクに基づく審査を行っていた。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1では、加盟店リスクについて何ら考慮されていないことで、リスクの高い申込を審査可決としてしまう場合が発生してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安全性の高い審査を行うことができる自動審査装置、自動審査方法および自動審査プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る自動審査装置は、制御部を備える自動審査装置であって、顧客ランク加盟店ランク毎に顧客の最終ランクを対応付けたランク判断マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、受付番号に氏名と加盟店識別情報とを対応付けた受付情報データと、加盟店識別情報毎に加盟店ランクを対応付けた加盟店評価データと、前記受付番号に顧客ランクを対応付けた顧客評価データと、を取得する取得部と、前記ランク判断マスタを参照し、前記加盟店評価データと、前記受付情報データと、前記顧客評価データと、に基づく、顧客の最終ランクを特定する顧客評価算出部と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る自動審査方法は、制御部を備える自動審査装置で実行される自動審査方法であって、顧客ランク加盟店ランク毎に顧客の最終ランクを対応付けたランク判断マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、受付番号に氏名と加盟店識別情報とを対応付けた受付情報データと、加盟店識別情報毎に加盟店ランクを対応付けた加盟店評価データと、前記受付番号に顧客ランクを対応付けた顧客評価データと、を取得する取得ステップと、前記ランク判断マスタを参照し、前記加盟店評価データと、前記受付情報データと、前記顧客評価データと、に基づく、顧客の最終ランクを特定する顧客評価算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る自動審査プログラムは、制御部を備える自動審査装置に実行させるための自動審査プログラムであって、顧客ランク加盟店ランク毎に顧客の最終ランクを対応付けたランク判断マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部に実行させるための、受付番号に氏名と加盟店識別情報とを対応付けた受付情報データと、加盟店識別情報毎に加盟店ランクを対応付けた加盟店評価データと、前記受付番号に顧客ランクを対応付けた顧客評価データと、を取得する取得ステップと、前記ランク判断マスタを参照し、前記加盟店評価データと、前記受付情報データと、前記顧客評価データと、に基づく、顧客の最終ランクを特定する顧客評価算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、安全性の高い審査を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る自動審査装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る自動審査装置が備える記憶部の加盟店情報マスタにおける加盟店情報マスタテーブルの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る自動審査装置が備える記憶部の加盟店ランクマスタにおける加盟店ランクマスタテーブルの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る自動審査装置が備える記憶部のランク判断マスタにおけるランク判断マスタテーブルの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る自動審査装置が備える記憶部の取引履歴データにおける取引履歴データテーブルの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る自動審査装置が備える記憶部の加盟店評価データ106eにおける加盟店評価データテーブルの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る自動審査装置が備える記憶部の受付情報データにおける受付情報データテーブルの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る自動審査装置が備える記憶部の顧客評価データにおける顧客評価データテーブルの一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る自動審査装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る自動審査装置が備える制御部の加盟店評価算出部102bが算出する加盟店評価データの算出方法を模式的に示す図である。
図11図11は、実施形態に係る自動審査装置が備える制御部の顧客評価算出部102cが顧客の最終ランクを特定する特定方法を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る自動審査装置、自動審査方法および自動審査プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.構成]
本実施形態に係る自動審査装置の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、自動審査装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【0014】
図1に示す自動審査装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、自動審査装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
自動審査装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。自動審査装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、自動審査装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と、通信回線と、を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、自動審査装置100と、サーバ200と、を相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112と、出力装置114と、が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、加盟店情報マスタ106aと、加盟店ランクマスタ106bと、ランク判断マスタ106cと、取引履歴データ106dと、加盟店評価データ106eと、受付情報データ106fと、顧客評価データ106gと、を記憶している。
【0019】
加盟店情報マスタ106aは、加盟店識別情報(加盟店キー)毎に、加盟店名を対応付けて記憶している。
【0020】
図2は、加盟店情報マスタ106aにおける加盟店情報マスタテーブルの一例を示す図である。図2に示す加盟店情報マスタテーブルT1の1行目には、加盟店識別情報としての加盟店キー「50001」に、加盟店名「テスト加盟店1」を対応付けて記憶している。
【0021】
加盟店ランクマスタ106bは、加盟店ランク毎に、評点を対応付けて記憶している。
【0022】
図3は、加盟店ランクマスタ106bにおける加盟店ランクマスタテーブルの一例を示す図である。図3に示す加盟店ランクマスタテーブルT2の1行目には、加盟店ランク「A」に、評点From「90」~評点To「100」を対応付けて記憶している。同様に、加盟店ランク「B」に、評点From「50」~評点To「89」、加盟店ランク「C」に、評点From「0」~評点To「49」を対応付けて記憶している。
【0023】
ランク判断マスタ106cは、顧客ランク加盟店ランク毎に、顧客の最終ランクを対応付けて記憶している。
【0024】
図4は、ランク判断マスタ106cにおけるランク判断マスタテーブルの一例を示す図である。図4に示すランク判断マスタテーブルT3の1行目には、顧客ランク「S」および加盟店ランク「A」に、顧客の最終ランク「1」を対応付けて記憶している。
【0025】
取引履歴データ106dは、顧客番号毎に、氏名と、加盟店情報と、取引状態と、を対応付けて記憶している。
【0026】
図5は、取引履歴データ106dにおける取引履歴データテーブルの一例を示す図である。図5に示す取引履歴データテーブルT4の1行目には、顧客番号である顧客No「100」に、氏名「山田 太郎」と、加盟店識別情報である加盟店キー「50001」と、取引状態「取引中(通常)」と、を対応付けて記憶している。
【0027】
加盟店評価データ106eは、加盟店識別情報毎に、加盟店ランクを対応付けて記憶する。
【0028】
図6は、加盟店評価データ106eにおける加盟店評価データテーブルの一例を示す図である。図6に示す加盟店評価データテーブルT5の1行目には、加盟店識別情報である加盟店キー「50001」に、加盟店ランク「C」を対応付けて記憶されている。
【0029】
受付情報データ106fは、受付番号に、氏名と、加盟店情報と、を対応付けて記憶する。
【0030】
図7は、受付情報データ106fにおける受付情報データテーブルの一例を示す図である。図7に示す受付情報データテーブルT6の1行目には、受付番号である受付No「100」に、氏名「山田 太郎」と、加盟店識別情報である加盟店キー「50001」と、を対応付けて記憶している。
【0031】
顧客評価データ106gは、受付番号に、顧客ランクを対応付けて記憶している。
【0032】
図8は、顧客評価データ106gにおける顧客評価データテーブルの一例を示す図である。図8に示す顧客評価データテーブルT7の1行目には、受付番号である受付No「100」に、顧客ランク「S」を対応付けて記憶している。ここで、顧客ランクは、年収および勤務形態等による属性情報と、延滞率等により過去自社取引情報と、過去の支払遅延が発生していないか否かの有無等による外信情報と、によって確定される。
【0033】
図1に戻り、自動審査装置100の構成の説明を続ける。
制御部102は、自動審査装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、取得部102aと、加盟店評価算出部102bと、顧客評価算出部102cと、出力制御部102dと、を備える。
【0034】
取得部102aは、取引履歴データ106d、受付情報データ106fおよび顧客評価データ106gを記憶部106から取得する。
【0035】
加盟店評価算出部102bは、取得部102aが取得した取引履歴データ106dと、加盟店ランクマスタ106bと、に基づいて、加盟店評価データを算出する。
【0036】
顧客評価算出部102cは、ランク判断マスタ106cを参照し、加盟店評価データ106eと、受付情報データ106fと、顧客評価データ106gと、に基づいて、顧客の最終ランクを特定する。
【0037】
出力制御部102dは、顧客評価算出部102cが算出した顧客の最終ランクをモニタ114に出力する。
【0038】
[2.自動審査装置100が実行する処理]
次に、自動審査装置100が実行する処理について説明する。図9は、自動審査装置100が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0039】
図9に示すように、まず、取得部102aは、取引履歴データ106d、受付情報データ106fおよび顧客評価データ106gを記憶部106から取得する(ステップS101)。
【0040】
続いて、加盟店評価算出部102bは、取得部102aが取得した取引履歴データ106dと、加盟店ランクマスタ106bと、に基づいて、加盟店評価データを算出する(ステップS102)。
【0041】
図10は、加盟店評価算出部102bが算出する加盟店評価データの算出方法を模式的に示す図である。
【0042】
図10に示すように、加盟店評価算出部102bは、取引履歴データ106dと、加盟店ランクマスタ106bと、に基づいて、加盟店毎の加盟店評価データを算出する。具体的には、加盟店評価算出部102bは、加盟店識別情報である加盟店キー「50001」の取引履歴データテーブルT4に含まれる取引状態に基づいて、各要素を点数化し、合計点を算出する。例えば、加盟店評価算出部102bは、まず、加盟店識別情報である加盟店キー「50001」の場合、以下の式(1)~(4)によって取扱件数、遅滞比率、解約比率の各々を算出することによって合計点を算出する。
取扱件数点数:5×10=50・・・ (1)
遅滞比率点数:40%((2÷5)×100)×-0.5=-20・・・ (2)
解約比率点数:20%((1÷5)×100)×-0.5=-10・・・ (3)
合計点 :50+(-20)+(-10)=20・・・ (4)
その後、加盟店評価算出部102bは、式(4)の合計点(20点)と、加盟店ランクマスタテーブルT2と、に基づいて、加盟店「5001」の加盟店評価「C」として算出する。このように、加盟店評価算出部102bは、取引履歴データ106dと、加盟店ランクマスタ106bと、に基づいて、加盟店毎の加盟店評価データ(加盟店評価データテーブルT5を参照)を算出する。
【0043】
その後、顧客評価算出部102cは、ランク判断マスタ106cを参照し、加盟店評価データ106eと、受付情報データ106fと、顧客評価データ106gと、に基づいて、顧客の最終ランクを特定する(ステップS103)。
【0044】
図11は、顧客評価算出部102cが顧客の最終ランクを特定する特定方法を模式的に示す図である。図11に示すように、顧客評価算出部102cは、ランク判断マスタテーブルT3を参照し、加盟店評価データテーブルT5と、受付情報データテーブルT6と、顧客評価データテーブルT7と、に基づいて、顧客の最終ランクを特定する。この場合、まず、顧客評価算出部102cは、まず、受付情報データテーブルT6の加盟店識別情報である加盟店キー「50001」に基づいて、加盟店評価データテーブルT5における加盟店ランクを「B」で特定する。続いて、顧客評価算出部102cは、ランク判断マスタテーブルT3を参照し、加盟店ランク「B」と、顧客評価データテーブルT7に含まれる顧客ランク「S」と、応じた顧客の最終ランクを最終ランク「1」として特定する。
【0045】
続いて、出力制御部102dは、顧客評価算出部102cが算出した顧客の最終ランクをモニタ114に出力する(ステップS104)。ステップS104の後、自動審査装置100は、本処理を終了する。
【0046】
以上説明した一実施形態によれば、顧客評価算出部102cがランク判断マスタ106cを参照し、加盟店評価データ106eと、受付情報データ106fと、顧客評価データ106gと、に基づいて、顧客の最終ランクを特定するため、加盟店を考慮した審査を自動化することで、審査結果の平準化および加盟店リスクを加味した安全性の高い審査を行うことができる。この結果、リスクの高い申込を否決し、将来の貸倒リスクを低減することができる。
【0047】
また、一実施形態によれば、加盟店リスクの低い申込に対して可決を増加させることで、機会損失を防止することができるため、収益拡張に繋げることができる。
【0048】
また、一実施形態によれば、加盟店評価算出部102bが取得部102aによって取得された取引履歴データ106dと、加盟店ランクマスタ106bと、に基づいて、加盟店評価データを算出するため、加盟店毎の取引状況に応じたランクを用いて加盟店リスクを加味することができる。
【0049】
また、一実施形態によれば、出力制御部102dが顧客評価算出部102cによって算出された顧客の最終ランクをモニタ114に出力するため、オペレーターが顧客の最終ランクを直感的に把握することができる。
【0050】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0053】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0054】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0055】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメーターを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0056】
また、自動審査装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0057】
例えば、自動審査装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて自動審査装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0058】
また、このコンピュータプログラムは、自動審査装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0059】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0060】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0061】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0062】
また、自動審査装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、自動審査装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0063】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、審査業務を行う割賦事業およびクレジット事業者等において有用である。
【符号の説明】
【0065】
100 自動審査装置
102 制御部
102a 取得部
102b 加盟店評価算出部
102c 顧客評価算出部
102d 出力制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 加盟店情報マスタ
106b 加盟店ランクマスタ
106c ランク判断マスタ
106d 取引履歴データ
106e 加盟店評価データ
106f 受付情報データ
106g 顧客評価データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11