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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】アクチュエータ及び振動発生装置
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022178975
(22)【出願日】2022-11-08
(65)【公開番号】P2024068479
(43)【公開日】2024-05-20
【審査請求日】2024-05-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112565
【氏名又は名称】フォスター電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】永井 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 義一
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-146234(JP,A)
【文献】特開2022-076895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部を有すると共に前記底壁部とは反対側が開放された取付部材と、
前記取付部材の内側に配置されていると共に前記取付部材に固定されたコイルと、
前記コイルと対向して配置されているマグネットを有し、通電が前記コイルへなされていない状態で原点位置に位置し、一方向への通電が前記コイルへなされることで前記底壁部側へ変位し、他方向への通電が前記コイルへなされることで前記底壁部とは反対側へ変位する可動子と、を備え、
前記可動子は、前記底壁部とは反対側へ変位する際、前記取付部材から飛び出すように変位可能なアクチュエータ。
【請求項2】
前記可動子の前記底壁部とは反対側への変位量は、前記底壁部側への変位量より多い
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
一部において前記取付部材に固定され、他の一部において前記可動子に固定された弾性支持体の前記底壁部側への変位可能量は、前記可動子と前記底壁部との間の距離より大きい
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記コイルに通電がなされた際、前記可動子の初動は、前記底壁部側に変位するように構成されている
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
一部において前記取付部材に固定され、他の一部において前記可動子に固定された弾性支持体には、開口部が形成されている
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のアクチュエータと、
前記可動子の前記原点位置から前記底壁部とは反対側への最大変位量が、前記可動子の前記原点位置から前記底壁部側への最大変位量よりも多くなるように、前記コイルへの通電方向を制御する制御部と、
を備えた振動発生装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記可動子の初動において、前記底壁部側に変位させるように前記コイルへの通電方向を制御する
請求項6に記載の振動発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ及び振動発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、コイルを備えた取付部材と、弾性支持体を介して取付部材に支持されている可動子と、を備えたアクチュエータが開示されている。この文献に記載されたコイルには、ケーブルを介して通電がなされるようになっている。そして、ケーブルを介してコイルへの通電が切り替えられることで、可動子が取付部材に対して繰り返し変位する(振動する)ようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/184439号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、可動子が取付部材に対して繰り返し変位する構成のアクチュエータ及び当該アクチュエータを含んで構成された振動発生装置では、アクチュエータの体格を小さくし、かつ、可動子の振幅を大きくすることができることが望ましい。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、アクチュエータの体格を小さくし、かつ、可動子の振幅を大きくすることができるアクチュエータ及び振動発生装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様のアクチュエータは、底壁部を有すると共に前記底壁部とは反対側が開放された取付部材と、前記取付部材の内側に配置されていると共に前記取付部材に固定されたコイルと、前記コイルと対向して配置されているマグネットを有し、通電が前記コイルへなされていない状態で原点位置に位置し、一方向への通電が前記コイルへなされることで前記底壁部側へ変位し、他方向への通電が前記コイルへなされることで前記底壁部とは反対側へ変位する可動子と、を備え、前記可動子は、前記底壁部とは反対側へ変位する際、前記取付部材から飛び出すように変位可能となっている。
【0007】
第1の態様のアクチュエータによれば、可動子が取付部材に対して底壁部側及び底壁部とは反対側へ繰り返し変位する。ここで、可動子は、底壁部とは反対側へ変位する際、取付部材から飛び出すように変位可能となっている。これにより、アクチュエータの体格を小さくし、かつ、可動子の振幅を大きくすることができる。
【0008】
第2の態様のアクチュエータは、第1の態様のアクチュエータにおいて、前記可動子の前記底壁部とは反対側への変位量は、前記底壁部側への変位量より多い。
【0009】
第2の態様のアクチュエータによれば、可動子の底壁部とは反対側への変位量が、底壁部側への変位量より多くなっている。これにより、可動子が取付部材の底壁部に接触することを抑制しつつ、可動子の振幅を大きくすることができる。
【0010】
第3の態様のアクチュエータは、第1の態様又は第2態様のアクチュエータにおいて、一部において前記取付部材に固定され、他の一部において前記可動子に固定された弾性支持体の前記底壁部側への変位可能量は、前記可動子と前記底壁部との間の距離より大きい。
【0011】
第3の態様のアクチュエータによれば、弾性支持体の底壁部側への変位可能量は、可動子と底壁部との間の距離より大きくなっていることで、可動子は、底壁部より反対側へ、可動子と底壁部の間の距離より、大きく振幅させることができる。そのため、可動子が取付部材の底壁部に接触することを抑制しつつ、可動子の振幅を大きくすることができる。
【0012】
第4の態様のアクチュエータは、第1の態様から第3態様のいずれか1つのアクチュエータにおいて、前記コイルに通電がなされた際、前記可動子は、初動において、前記底壁部側に変位するように構成されている。
【0013】
第4の態様のアクチュエータによれば、コイルに通電がなされた際、可動子は、初動において、底壁部側に変位するように構成されていることで、可動子の振動が増幅して減衰する短い振動を発生させる場合において、可動子の最大変位は、底壁部とは反対側に発現することになる。そのため、可動子が取付部材の底壁部に接触することを抑制しつつ、可動子の振幅を大きくすることができる。
【0014】
第5の態様のアクチュエータは、第1の態様から第4態様のいずれか1つのアクチュエータにおいて、一部において前記取付部材に固定され、他の一部において前記可動子に固定された弾性支持体には、開口部が形成されている。
【0015】
第5の態様のアクチュエータによれば、当該アクチュエータ内の熱を弾性支持体に形成された開口部を通じて放熱することができる。
【0016】
第6の態様の振動発生装置は、第1の態様から第5の態様のいずれか1つのアクチュエータと、前記可動子の前記原点位置から前記底壁部とは反対側への最大変位量が、前記可動子の前記原点位置から前記底壁部側への最大変位量よりも多くなるように、前記コイルへの通電方向を制御する制御部と、を備えている。
【0017】
第6の態様の振動発生装置によれば、制御部は、可動子の原点位置から底壁部とは反対側への最大変位量が、可動子の原点位置から底壁部側への最大変位量よりも多くなるように、コイルへの通電方向を制御する。これにより、可動子が取付部材の底壁部に接触することを抑制しつつ、可動子の振幅を大きくすることができる。
【0018】
第7の態様の振動発生装置は、第6の態様の振動発生装置において、前記制御部は、前記可動子の初動を、前記底壁部側に変位させるように前記コイルへの通電方向を制御する。
【0019】
第7の態様の振動発生装置によれば、制御部は、可動子の初動において、底壁部側に変位させるようにコイルへの通電方向を制御する。これにより、可動子の振動が増幅して減衰する短い振動を発生させる場合において、可動子の最大変位は、底壁部とは反対側に発現することになる。そのため、可動子が取付部材の底壁部に接触することを抑制しつつ、可動子の振幅を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るアクチュエータ及び振動発生装置は、アクチュエータの体格を小さくし、かつ、可動子の振幅を大きくすることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】アクチュエータを示す斜視図である。
図2】アクチュエータを分解して示す分解斜視図である。
図3】アクチュエータをX方向及びZ方向に沿って切断した断面を示す断面図である。
図4】コイルが固定された状態の取付部材等を示す斜視図である。
図5】コイルが固定された状態の取付部材等を示す平面図である。
図6】コイルが固定された状態の取付部材等を示す断面図であり、第1連通孔及び第2連通孔と対応する部分においてX方向及びY方向に沿って切断した断面を示している。
図7】取付部材等を示す断面斜視図であり、第1連通孔及び第2連通孔と対応する部分においてX方向及びY方向に沿って切断した断面を示している。
図8】制御部の機能構成を示すブロック図である。
図9】制御部を模式的に示すブロック図である。
図10】制御部の制御を示すフローチャートである。
図11】コイル間印加電圧と時間の関係を示すグラフである。
図12】可動子と取付部材との位置関係を模式的に示す図である。
図13】コイル間印加電圧と時間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1図9を用いて、本発明の実施形態に係る振動発生装置100について説明する。図1に示されるように、振動発生装置100は、アクチュエータ10と、アクチュエータ10を制御する制御部102と、を含んで構成されている。先ず、アクチュエータ10について説明し、次に制御部102について説明することにする。なお、図中に示す矢印X方向、矢印Y方向及び矢印Z方向は、アクチュエータ10の各方向を示している。以下の説明では、各図に示す+Z方向を上方向といい、-Z方向を下方向という。但し、これはアクチュエータを基準にした方向概念であり、アクチュエータの取付姿勢を限定するものではない。また、Z方向に平行な軸であって、後述する可動子14の重心を通る軸を可動子14の重心軸AXという。そして、X方向において可動子14の重心軸AXに近づく方向をX方向内側、離れる方向をX方向外側といい、Y方向において可動子14の重心軸AXに近づく方向をY方向内側、離れる方向をY方向外側という。また、+X方向をX方向一方側、-X方向をX方向他方側、+Y方向をY方向一方側、-Y方向をY方向他方側、+Z方向をZ方向一方側、-Z方向をZ方向他方側という。
【0023】
図1に示されるように、本実施形態のアクチュエータ10は、一例としてタッチパネルとして構成された液晶パネル等の表示部や各種のコントローラ等の振動対象部104(図9参照)に取り付けられることにより、当該表示部やコントローラ等の振動対象部104を振動させるアクチュエータである。このアクチュエータ10への通電を制御することにより、タッチパネルやコントローラ等に触れる使用者の指に対して様々な触感を与えることが可能となっている。
【0024】
図1及び図2に示されるように、アクチュエータ10は、タブレット端末の表示部等の取付対象物に取り付けられる取付部材12と、取付部材12に固定されたコイル24と、取付部材12に対して変位する可動子14と、取付部材12に対して可動子14を弾性的に支持する弾性支持体16と、を備えている。また、アクチュエータ10は、弾性支持体16の振動を減衰する2つの緩衝材18と、弾性支持体16に取り付けられると共に緩衝材18における一方側の面を覆う2つのカバー部材20と、を備えている。さらに、図4に示されるように、アクチュエータ10は、コイル24に通電を行うための一対のターミナル28及び一対のケーブル80を備えている。
【0025】
(取付部材12の構成)
図1図6に示されるように、取付部材12は、箱状に形成されたフレーム本体22と、取付用接着シート26と、を備えている。なお、取付部材12は、箱状に形成されたものに限定されない。
【0026】
フレーム本体22は、一例として樹脂材料を用いて形成され、Z方向一方側が開放された箱状に形成されている。なお、フレーム本体22は、樹脂材料に限定されるものではない。このフレーム本体22は、Z方向を厚み方向とすると共にZ方向から見てX方向を長手方向とし、かつY方向を短手方向とする長方形状に形成された底壁部30を備えている。図2及び図4に示されるように、底壁部30におけるX方向及びY方向の中心部には、Z方向に貫通する円形の開口32が形成されている。
【0027】
また、フレーム本体22は、底壁部30におけるX方向一方側及び他方側の端部からZ方向一方側へ向けてそれぞれ立ち上がる一対の第1側壁部36と、底壁部30におけるY方向一方側及び他方側の端部からZ方向一方側へ向けてそれぞれ立ち上がる一対の第2側壁部38と、を備えている。
【0028】
図2に示されるように、一対の第1側壁部36のZ方向一方側の端面におけるY方向一方側及び他方側の端部は、それぞれ台座部40となっている。ここで、図4図7に示されるように、本実施形態の取付部材12では、金属製のフレーム23がフレーム本体22にインサート成形等により固定されている。この金属製のフレーム23の大部分はフレーム本体22に内包されている。また、金属製のフレーム23の一部分は、それぞれの台座部40におけるZ方向一方側の端面において露出している。
【0029】
また、フレーム本体22は、一方の第1側壁部36におけるY方向の中央部から他方の第1側壁部36側へ向けて突出する中央突出部44を備えている。さらに、フレーム本体22は、他方の第1側壁部36におけるY方向の中央部から一方の第1側壁部36側へ向けて突出する中央突出部44を備えている。ここで、一方の中央突出部44におけるZ方向一方側の端面及び一方の第1側壁部36のZ方向一方側の端面におけるY方向中央部分は、後述する一方の緩衝材18が貼り付けられる緩衝材貼付面46となっている。また、他方の中央突出部44におけるZ方向一方側の端面及び他方の第1側壁部36のZ方向一方側の端面におけるY方向中央部分は、後述する他方の緩衝材18が貼り付けられる緩衝材貼付面46となっている。また、フレーム本体22は、一方(X方向一方側)の第1側壁部36におけるY方向の中央部からフレーム本体の外側(X方向一方側)へ向けて突出する中央外側突出部45を備えている。
【0030】
(コイル24の構成)
図2図6に示されるように、コイル24は、導電性の電線がZ方向を軸方向として環状に巻回されることで形成されている。図3に示されるように、本実施形態では、環状に形成されたボビン25のまわりに導電性の電線が巻回されることで、コイル24がボビン25のまわりに形成されている。コイル24は、ボビン25を介してフレーム本体22の底壁部30に支持されている。なお、図3においては、断面のハッチングの図示を省略している。
【0031】
(取付用接着シート26の構成)
図1及び図2に示されるように、取付用接着シート26は、アクチュエータ10を取付対象物に取り付けるための部材である。取付用接着シート26は、両面が接着面とされた接着シートである。取付用接着シート26は、フレーム本体22の底壁部30の下面側に接着される。なお、取付用接着シート26には、フレーム本体22の底壁部30に形成された開口32に対応する円形の開口26Aが形成されている。
【0032】
(可動子14の構成)
可動子14は、ヨーク50と、マグネット52と、ポールピース54と、を含んで構成されている。
【0033】
ヨーク50は、軟磁性体の材料を用いて形成されている。このヨーク50は、Z方向を厚み方向とする円板状に形成された天壁部50Aと、天壁部50Aの外側周縁から下方向に延びる周壁部50Bと、を備えている。
【0034】
マグネット52は、Z方向を軸方向とする円板状に形成されている。このマグネット52は、ヨーク50の周壁部50Bの内側に配置された状態で当該ヨーク50の天壁部50Aの下面側に固定される。
【0035】
ポールピース54は、軟磁性体の材料を用いて形成されている。このポールピース54は、Z方向を軸方向とする円板状に形成されており、マグネット52の下面側に固定される。
【0036】
以上説明した可動子14には、ヨーク50、マグネット52及びポールピース54によって磁気回路が形成されている。マグネット52及びポールピース54と、ヨーク50の周壁部50Bとの間には、空間が形成され、この空間にコイル24が配置される。
【0037】
(弾性支持体16の構成)
図1及び図2に示されるように、弾性支持体16は、一例として板状(平面状)に形成された金属板を用いて形成されている。この弾性支持体16の自由状態(外力が作用していない状態)での形状は、当該弾性支持体16の全体がZ方向と直交する方向に沿う板状に形成されている。
【0038】
弾性支持体16は、一部において取付部材12に固定され、他の一部において可動子14に固定される。弾性支持体16において取付部材12に固定される部分と可動子14に固定される部分との間の部分は変形部60となっており、この変形部60は可動子14が変位(振動)する際に変形する部分となっている。詳述すると、弾性支持体16は、取付部材12に固定される4つの取付部材側被固定部56と、可動子14に固定される可動子側被固定部58と、取付部材側被固定部56と可動子側被固定部58との間を繋ぐ4つの変形部60と、から構成される。本実施形態では、取付部材側被固定部56に対する可動子側被固定部58の底壁部30側への変位可能量が、可動子14と底壁部30との間の距離より大きくなるように、変形部60の寸法等が設定されている。
【0039】
4つの取付部材側被固定部56は、Z方向から見てフレーム本体22の4つの台座部40と対応する矩形状に形成されている。この4つの取付部材側被固定部56は、台座部40において露出している金属製のフレーム23(図4参照)の一部にそれぞれ溶接等により固定されている。
【0040】
可動子側被固定部58は、Z方向から見て可動子14の一部を構成するヨーク50の天壁部50Aよりも小径とされた円形状に形成されている。この可動子側被固定部58は、ヨーク50の天壁部50Aに溶接等により固定されている。
【0041】
また、弾性支持体16における可動子側被固定部58と変形部60との間には、開口部61が形成されている。これにより、アクチュエータ10の内部の熱を開口部61を通じて放熱することが可能となっている。
【0042】
(緩衝材18の構成)
図2に示されるように、緩衝材18は、粘弾性を有する素材を用いて板状に形成されており、Z方向を厚み方向とすると共にZ方向から見て矩形状に形成されている。緩衝材18におけるZ方向他方側の面(下面)は、他の部材と接着可能な接着面となっている。また、緩衝材18におけるZ方向一方側の面(上面)は、他の部材と接着可能な接着面となっている。
【0043】
そして、一方の緩衝材18の下面側の接着面は、フレーム本体22の一方の緩衝材貼付面46に貼り付けられる。これにより、一方の緩衝材18が、フレーム本体22の一方の緩衝材貼付面46に取り付けられる。これと同様に、他方の緩衝材18の下面側の接着面は、フレーム本体22の他方の緩衝材貼付面46に貼り付けられる。これにより、他方の緩衝材18が、フレーム本体22の他方の緩衝材貼付面46に取り付けられる。
【0044】
ここで、弾性支持体16がフレーム本体22に取り付けられた状態では、一方の緩衝材18の上面側の接着面が、弾性支持体16の変形部60の一部の下面側に貼り付けられる。これと同様に、弾性支持体16がフレーム本体22に取り付けられた状態では、他方の緩衝材18の上面側の接着面が、弾性支持体16の変形部60の一部の下面側に貼り付けられる。
【0045】
(カバー部材20の構成)
カバー部材20は、粘弾性を有する素材を用いて板状に形成されており、Z方向を厚み方向とすると共にZ方向から見て矩形状に形成されている。
【0046】
カバー部材20におけるZ方向他方側の面(下面)は、他の部材と接着可能な接着面となっている。なお、カバー部材20におけるZ方向一方側の面(上面)は接着面とはなっていない。一方のカバー部材20の下面側の接着面は、一方の緩衝材18の上面側の接着面及び弾性支持体16の変形部60の一部の上面側に貼り付けられる。これと同様に、他方のカバー部材20の下面側の接着面は、他方の緩衝材18の上面側の接着面及び弾性支持体16の変形部60の一部の上面側に貼り付けられる。
【0047】
(ターミナル28の構成)
図7に示されるように、一対のターミナル28は、定められた形状に切断された導電性の金属板が折り曲げられること等により形成されている。ここで、一対のターミナル28の一方及び他方をそれぞれ第1ターミナル28T1及び第2ターミナル28T2と呼ぶことにする。
【0048】
第1ターミナル28T1は、フレーム本体22の底壁部30におけるY方向一方側においてX方向の中間部からX方向一方側の第1側壁部36側へ向けて延びるケーブル接合部28Aを備えている。また、第1ターミナル28T1は、ケーブル接合部28AのX方向他方側の端部からZ方向一方側へ向けて立ち上がっていると共にY方向他方側へ向けて延びるコイル端末接合部28Bを備えている。また、第2ターミナル28T2は、フレーム本体22の底壁部30におけるY方向他方側においてX方向の中間部からX方向一方側の第1側壁部36側へ向けて延びるケーブル接合部28Aを備えている。また、第2ターミナル28T2は、ケーブル接合部28AのX方向他方側の端部からZ方向一方側へ向けて立ち上がっていると共にY方向一方側へ向けて延びるコイル端末接合部28Bを備えている。第1ターミナル28T1のケーブル接合部28A及び第2ターミナル28T2のケーブル接合部28Aは、フレーム本体22の底壁部30に固定されている。また、第1ターミナル28T1のケーブル接合部28A及び第2ターミナル28T2のケーブル接合部28Aには、後述する一対のケーブル80(図6参照)の端部がそれぞれはんだ付けで接合されるようになっている。さらに、第1ターミナル28T1のコイル端末接合部28B及び第2ターミナル28T2のコイル端末接合部28Bには、前述のコイル24(図6参照)の一方側の端末及び他方側の端末がそれぞれ接合されるようになっている。
【0049】
(フレーム本体22の細部の構成)
次に、フレーム本体22において後述する一対のケーブル80が配索される部分の構成について説明する。
【0050】
図6及び図7に示されるように、フレーム本体22におけるX方向一方側の第1側壁部36におけるY方向の中央部、中央突出部44及び中央外側突出部45は、一対のケーブル80が挿入されるケーブル挿入部82となっている。このケーブル挿入部82には、フレーム本体22の内部と外部とを連通する第1連通孔84H1及び第2連通孔84H2が形成されている。第1連通孔84H1及び第2連通孔84H2は、Y方向に並んで配置されている。なお、第1連通孔84H1は第2連通孔84H2に対してY方向一方側に配置されている。
【0051】
図6及び図7に示されるように、ケーブル挿入部82において第1連通孔84H1と第2連通孔84H2とをY方向に隔てている部分は、第1隔壁部86となっている。この第1隔壁部86におけるフレーム本体22の内部側の端部86Aの形状は、Z方向から見てY方向の両端部が湾曲した形状となっている。これに加えて、第1隔壁部86におけるフレーム本体22の内部側の端部86Aは、ケーブル挿入部82におけるX方向他方側の端面82Aに対してX方向一方側に位置している。また、第1隔壁部86におけるフレーム本体22の内部側の端部86Aは、後述する一対のケーブル80において第1ターミナル28T1及び第2ターミナル28T2にはんだ付けで固定されている部分に対してX方向一方側に位置している。
【0052】
フレーム本体22は、底壁部30からZ方向一方側へ突出する第2隔壁部88を備えている。この第2隔壁部88は、フレーム本体22の内部において可動子14が配置されている側と第1連通孔84H1に挿入されたケーブル80と第2連通孔84H2に挿入されたケーブル80との交差部分90が配置されている側とをX方向に隔てる部分として機能する。詳述すると、第2隔壁部88は、X方向を厚み方向としてY方向及びZ方向に延在する舌片状に形成されている。また、第2隔壁部88は、Y方向の中央部に配置されていると共にケーブル挿入部82とX方向に対向して配置されている。
【0053】
フレーム本体22は、底壁部30からZ方向一方側へ突出する一対の位置決め部92を備えている。一対の位置決め部92は、フレーム本体22の内部において一対のケーブル80の位置決めを行う部分として機能する。詳述すると、一方の位置決め部92は、第2隔壁部88に対してY方向一方側かつ第1ターミナル28T1のケーブル接合部28Aに対してY方向他方側に配置されている。また、他方の位置決め部92は、第2隔壁部88に対してY方向他方側かつ第2ターミナル28T2のケーブル接合部28Aに対してY方向一方側に配置されている。また、一対の位置決め部92のZ方向一方側の端部はZ方向他方側の端部に対してX方向一方側に突出している。
【0054】
(ケーブル80の構成)
図6に示されるように、一対のケーブル80は、一例として銅線等の導電性の部材が絶縁性を有する被覆部材に覆われた構成となっている。なお、一対のケーブル80において第1ターミナル28T1のケーブル接合部28A及び第2ターミナル28T2のケーブル接合部28Aにそれぞれはんだ付けで接合される部分をはんだ接合部80Aと呼ぶことにする。はんだ接合部80Aにおいては、被覆部材が除去されている。ここで、一対のケーブル80の一方及び他方をそれぞれ第1ケーブル80C1及び第2ケーブル80C2と呼ぶことにする。
【0055】
図6に示されるように、第1ケーブル80C1は、ケーブル挿入部82に形成された第1連通孔84H1からフレーム本体22の内部に挿入される。第1ケーブル80C1においてフレーム本体22の内部に配置されている部分80Bは、第1隔壁部86におけるフレーム本体22の内部側の端部86Aに沿ってY方向他方側へ向けて曲げられて配索されている。また、第1ケーブル80C1の一部は、Y方向他方側の位置決め部92に対してX方向一方側に配置された状態で当該位置決め部92に当接している。これにより、第1ケーブル80C1のはんだ接合部80Aが第2ターミナル28T2のケーブル接合部28A上に位置している状態が保たれるようになっている。また、第1ケーブル80C1のはんだ接合部80Aは第2ターミナル28T2のケーブル接合部28Aに図示しないはんだを介して接合(固定)されている。
【0056】
第2ケーブル80C2は、ケーブル挿入部82に形成された第2連通孔84H2からフレーム本体22の内部に挿入される。第2ケーブル80C2においてフレーム本体22の内部に配置されている部分80Bは、第1隔壁部86におけるフレーム本体22の内部側の端部86Aに沿ってY方向一方側へ向けて曲げられて配索されている。また、第2ケーブル80C2の一部は、Y方向一方側の位置決め部92に対してX方向一方側に配置された状態で当該位置決め部92に当接している。これにより、第2ケーブル80C2のはんだ接合部80Aが第1ターミナル28T1のケーブル接合部28A上に位置している状態が保たれるようになっている。また、第2ケーブル80C2のはんだ接合部80Aは第1ターミナル28T1のケーブル接合部28Aに図示しないはんだを介して接合(固定)されている。
【0057】
第1ケーブル80C1においてフレーム本体22の内部に配置されている部分80B及び第2ケーブル80C2においてフレーム本体22の内部に配置されている部分80Bは、Z方向一方側から見て第1隔壁部86におけるフレーム本体22の内部側の端部86Aと隣接する領域において交差している。なお、Z方向一方側から見て第1ケーブル80C1と第2ケーブル80C2とが交差している部分を交差部分90と呼ぶことにする。第1ケーブル80C1と第2ケーブル80C2との交差部分90においては、第2ケーブル80C2が第1ケーブル80C1に対してZ方向一方側に配置されている。
【0058】
第1ケーブル80C1においてフレーム本体22の外側に配置される部分80C及び第2ケーブル80C2においてフレーム本体22の外側に配置される部分80Cは、フレーム本体22からX方向一方側へ引き出された状態となっている。第1ケーブル80C1においてフレーム本体22の外側に配置される部分80C及び第2ケーブル80C2においてフレーム本体22の外側に配置される部分80Cは、互いに螺旋状に捩じられている。これにより、第1ケーブル80C1においてフレーム本体22の外側に配置される部分80C及び第2ケーブル80C2においてフレーム本体22の外側に配置される部分80Cが互いに離間し難くなっている。
【0059】
(制御部102の構成)
図8に示されるように、制御部102は、入力された交流電流の電流方向を調節してコイル24へ通電させる電流方向調節部103として機能する。図9に示されるように、制御部102は、一例として、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)106、ROM(Read Only Memory)108、RAM(Random Access Memory)110、ストレージ112及び外部の装置との通信を行う入出力インタフェース(I/F)114を有しており、これらがバス116を介して相互に通信可能に接続された構成になっている。
【0060】
入出力インタフェース114には、アクチュエータ10及び液晶パネル等の表示部や各種のコントローラ等の振動対象部104が電気的に接続されている。CPU106は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行してアクチュエータ10の振動を制御する。詳述すると、CPU106は、振動対象部104からの信号に基づいてROM108やストレージ112から制御プログラムを読み出し、RAM110を作業領域として制御プログラムを実行して、アクチュエータ10の振動を制御する。これにより、アクチュエータ10の振動が制御されて、当該アクチュエータ10が取り付けられた振動対象部104の振動が制御される。
【0061】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0062】
図1図6に示されるように、以上説明したアクチュエータ10では、可動子14が弾性支持体16に支持されており、コイル24に通電していない状態では、可動子14が図1に示す原点位置にある。本実施形態のアクチュエータ10では、コイル24がフレーム本体22に固定され、マグネット52等が可動子14に設けられた構成となっている。そのため、第1ケーブル80C1及び第2ケーブル80C2並びに第1ターミナル28T1及び第2ターミナル28T2を介してコイル24に通電することにより、可動子14には、コイル24から発生する力の反力としての推力が発生する。そして、コイル24に交流等を通電させることにより、可動子14が重心軸AXに沿って上下方向に振動する。なお、通電方向とは、コイル24に流れる電流の向きのことである。
【0063】
ここで、コイル24間に印加される電圧をコイル間印加電圧Vと呼ぶことにする。また、コイル間印加電圧Vの値がプラスの値となっている状態では、一方向への通電がコイル24へなされるようになっている。これに対して、コイル間印加電圧Vの値がマイナスの値となっている状態では、他方向への通電がコイル24へなされるようになっている。なお、コイル間印加電圧Vの値がプラスの値となっている状態とは、第2ターミナル28T2の電位が第1ターミナル28T1の電位よりも高くなっている状態のことである。また、コイル間印加電圧Vの値がマイナスの値となっている状態とは、第1ターミナル28T1の電位が第2ターミナル28T2の電位よりも高くなっている状態のことである。
【0064】
コイル間印加電圧Vの値がプラスの値となっていることにより、一方向への通電がコイル24へなされると、可動子14にはZ方向一方側への推力が発生する。このとき、可動子14は、取付部材22から飛び出すように変位する。言い換えると、可動子14は、可動子14の振動方向において、取付部材22の底壁部30とは反対側の端部を超えて変位する。また、コイル間印加電圧Vの値がマイナスの値となっていることにより、他方向への通電がコイル24へなされると、可動子14にはZ方向他方側への推力が発生する。
【0065】
そして、例えば、使用者が振動対象部104を操作することにより、当該使用者が振動対象部104に触れたことが制御部102によって検出されると、図10に示されるように、制御部102は、ステップS1で交流電流を取得する。次に、制御部102は、ステップS2においてステップS1で取得した交流電流の向きを調整し、ステップS3においてコイル24に電力を供給する。すなわち、制御部102は、図11において「Input」で示されるようにコイル間印加電圧V図11におけるInput Voltage)をコイル24間に印加して、コイル24への通電を開始する。
【0066】
なお、図11における「Displacement[mm]」は、可動子14の原点位置Sからの変位量であり、プラスの値は底壁部30とは反対側への変位量を示しており、マイナスの値は底壁部30側への変位量を示している。ここで、制御部102は、コイル24への通電を開始する際に、図11において「逆」で示された波形でコイル24間に電圧を印加することで、コイル24への一方向への通電から開始する。これにより、可動子14には、Z方向一方側への推力が最初に発生するようになっている。なお、図11において、「正」及び「逆」で示された波形は、時間の経過とともに増幅してから減衰するサイン波となっている。ここで、本実施形態で想定している可動子14の振動は、振動対象部104に短い振動(例えば、2パルスの振動)を生じさせるような振動である。
【0067】
図11において、「正」及び「逆」で示された波形のコイル間印加電圧Vをコイル24間に印加する場合においては、可動子14が動き出した直後の1パルス目における可動子14の変位量は少なく、徐々に可動子14の変位量が多くなる。その後、徐々に可動子14の変位量が少なくなる。この徐々に可動子14の変位量が多くなる立ち上がり部分の最大変位量は、図11において「正」で示された波形のコイル間印加電圧Vをコイル24間に印加する場合と図11において「逆」で示された波形のコイル間印加電圧Vをコイル24間に印加する場合とで異なる。すなわち、図11において、「逆」で示された波形のコイル間印加電圧Vをコイル24間に印加する場合は、この徐々に可動子14の変位量が多くなる立ち上がり部分の最大変位量となる部分は、可動子14が底壁部30とは反対側に変位した際に発現する。一方、図11において「正」で示された波形のコイル間印加電圧Vをコイル24間に印加する場合は、この徐々に可動子14の変位量が多くなる立ち上がり部分の最大変位量となる部分は、可動子14が底壁部30側に変位した際に発現する。
【0068】
そこで、本実施形態では、この徐々に可動子14の変位量が多くなる立ち上がり部分の最大変位量となる部分が、可動子14が底壁部30とは反対側に変位した際に形成されるように、制御部102が、コイル24への電流の向きを制御して、「逆」で示された波形のコイル間印加電圧Vをコイル24間に印加して、可動子14と底壁部30との干渉を抑制している。
【0069】
言い換えると、電流方向調整部103は、可動子14の最大変位が、底壁部30とは反対側になるように、コイル24への電流の向きを制御している。制御部102は、可動子14の原点位置から底壁部30とは反対側への最大変位量が、可動子14の原点位置から底壁部30側への最大変位量よりも多くなるように、コイル24への通電方向を制御する。制御部102は、可動子14の初動を、底壁部30側に変位させるようにコイル24への通電方向を制御する。すなわち、コイル24に通電がなされた際、可動子14は、初動において、底壁部30側に変位するように構成されている。
【0070】
すなわち、図12に示されるように、本実施形態では、可動子14の原点位置Sから底壁部30側(Z方向他方側)への変位量D1が定められた変位量D2未満となるように、制御部102がコイル24への通電を制御している。なお、定められた変位量D2とは、可動子14が原点位置Sから底壁部30側へ変位した際に、可動子14が底壁部30に接触し始める変位量のことである。
【0071】
以上説明したように、本実施形態のアクチュエータ10及び制御部102を有する振動発生装置100においては、可動子14の原点位置Sから底壁部30側への変位量D1が定められた変位量D2未満となるように、制御部102がコイル24への通電を制御する。これにより、可動子14が取付部材12(フレーム本体22の底壁部30)に接触することを抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では、制御部102が、図11に示された波形の周波数となるようにコイル間印加電圧Vをコイル24間に印加した場合に、可動子14の原点位置Sから底壁部30とは反対側(Z方向一方側)への変位量D3が可動子14の原点位置Sから底壁部30側への変位量D1よりも多くなるようになっている。これは、制御部102がコイル24への通電を開始する際に一方向への通電から開始することにより実現している。これにより、本実施形態では、可動子14のZ方向への変位量を確保しつつ、可動子14が取付部材12に接触することを抑制することができる。また、本実施形態では、一方向への通電をコイル24へする際にコイル24に印加する電圧の絶対値の最大値VC1と他方向への通電をコイル24へする際にコイル24に印加する電圧の絶対値の最大値VC1とが同じ値であっても、可動子14が取付部材12に接触することを抑制できる。
【0073】
なお、本実施形態では、一方向への通電をコイル24へする際にコイル24に印加する電圧の絶対値の最大値VC1と他方向への通電をコイル24へする際にコイル24に印加する電圧の絶対値の最大値VC1とが同じ値となるようにした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、コイル24に印加する電圧の絶対値を可変にしてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、制御部102がコイル24への通電を開始する際に一方向への通電から開始するようにした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部102がコイル24への通電を開始する際に他方向への通電から開始するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、可動子14の原点位置Sから底壁部30とは反対側(Z方向一方側)への変位量D3が可動子14の原点位置Sから底壁部30側への変位量D1よりも多くなるようにした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、可動子14の原点位置Sから底壁部30とは反対側(Z方向一方側)への変位量D3と可動子14の原点位置Sから底壁部30側への変位量D1とが同じ変位量となるようにしてもよい。
【0076】
また、本実施形態では、コイル間印加電圧Vがサイン波となるようにした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図13に示されるように、コイル間印加電圧Vがパルス波となるようにしてもよい。
【0077】
また、本実施形態では、弾性支持体16は、金属板を用いて形成されている例を示した。しかし、弾性支持体は、金属製に限定されるものではなく、樹脂製(エラストマーも含む)あっても、布製であってもよい。また、弾性支持体は、板状に限定されるものではない。
【0078】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0079】
10 アクチュエータ
12 取付部材
14 可動子
16 弾性支持体
24 コイル
30 底壁部
52 マグネット
61 開口部
100 振動発生装置
102 制御部
S 原点位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13