(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】イコライザ設定を適合させるためのISIまたはQ計算の使用
(51)【国際特許分類】
H04B 10/2507 20130101AFI20240822BHJP
H04B 3/06 20060101ALI20240822BHJP
H04B 7/005 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H04B10/2507
H04B3/06 A
H04B7/005
(21)【出願番号】P 2022517941
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 US2020051657
(87)【国際公開番号】W WO2021055872
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-10-11
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516132747
【氏名又は名称】メイコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MACOM TECHNOLOGY SOLUTIONS HOLDINGS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バリア,ジョージ・エル,ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】ゴンサレス,フェルナンド
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-133760(JP,A)
【文献】国際公開第2018/075239(WO,A1)
【文献】特開2005-269668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
H04B 3/06
H04B 7/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経時的に受信される信号を処理して、前記信号のイコライゼーションを制御するために使用されるイコライザコードを生成する方法であって、
前記信号を処理して前記信号のアイを識別するステップと、
前記信号を処理して各アイのアイ高さを計算するステップと、
前記信号を処理して各アイのノイズ値を計算するステップと、
各アイについて、前記アイ高さに前記アイ高さを乗算してアイ高さ積を生成するステップと、
各アイについて、前記アイ高さ積を前記ノイズ値で除算してQ
2値を生成するステップと、
計算された前記Q
2値を使用して、前記イコライザコードを最適なイコライザ設定に適合させるステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記信号の各帯域のISI値を計算することと、
前記アイに関連付けられた隣接する高い方の平均値と、
前記アイに関連付けられた隣接する低い方の平均値との間の差として各アイのアイ高さを計算することと、
各アイについて、前記アイの上方の帯域および前記アイの下方の帯域の前記ISI値を合計することによってノイズ値を計算することと
、
によって、前記ノイズ値を計算するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各帯域は、可能な量子化器出力レベルである、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記最適なイコライザ設定は、最小のアイを可能な限り大きく確立するか、またはすべてのアイの合計を可能な限り大きく確立する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記信号
はフォーマット信号であり、
PAM4フォーマット信号のための4つの帯域および3つのアイが存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、チャネルにおける信号劣化を考慮に入れるために、通信システムにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記イコライザコードを適合させるステップは、2つ以上の異なる前記イコライザコードが、異なるイコライザ出力を生成するために使用され、前記異なるイコライザ出力が処理され、QまたはQ
2値に基づいて最適なイコライザコードを決定するために比較される反復プロセスを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
イコライザコードを使用して信号をイコライゼーションするためのシステムであって、
イコライザコードに基づいて前記信号をイコライゼーションするように構成されているイコライザと、
以下のように、前記信号を処理してイコライザコードを生成するように構成されているコントローラであって、
前記信号を処理して、前記信号のアイを識別することと、
前記信号を処理して、前記信号の各帯域のISI値を生成することと、
前記信号を処理して、各アイのアイ高さを計算することと、
前記信号を処理して、各アイのノイズ値を計算することと、
各アイについて、前記アイ高さに前記アイ高さを乗算してアイ高さ積を生成することと、
各アイについて、前記アイ高さ積を前記ノイズ値で除算してQ
2
値を生成することと、
計算された前記Q
2
値を使用して、前記イコライザコードを最適なイコライザ設定に適合させることとを行う、コントローラと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、信号分析およびイコライザ設定に関し、特に、イコライザを適合させるためにISIまたはQ計算を使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術
信号がチャネルを通過した後、チャネルの歪みの性質のために信号が歪む。受信信号を復元し、信号によって表されるデータを復元するために、様々な信号処理技法が使用される。このような処理技法の一つとして、イコライザ装置を用いたイコライゼーションがある。イコライザは、最適な信号処理を提供するためにイコライザをチャネルに適合させるように調整されなければならない設定を有する。従来技術では、シンボル間干渉(ISI)が計算され、最良のイコライザ設定を選択するために使用されていた。しかしながら、試験により、イコライザ設定を決定するためのこの従来技術の方法は不正確であったことが明らかになっている。典型的には、イコライザ設定は、本方法によって設定すると過度に低くなり、その誤差は信号変動にわたって一貫しておらず、結果、単純なオフセット調整が正確な結果を提供しなくなる。他の従来技術は、ISIとアイ(eye)高さとを組み合わせて、OEH(開放アイ高さ)計算およびOEA(開放アイ面積)計算を、適合に使用されるように形成するように、この手法を拡張している。結果として、当該技術分野では、ビット誤り率(BER)を最適化するようにイコライザ設定を適合させるための方法およびシステムと共に、低電力アイモニタが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
従来技術の欠点を克服するための、経時的に受信される信号を処理して、信号のイコライゼーションを制御するために使用されるイコライザコードを生成する方法。一実施形態では、本方法は、信号を処理して信号のアイを識別するステップと、信号を処理して各アイのアイ高さを計算するステップと、信号を処理して各アイのノイズ値を計算するステップとを含む。次いで、各アイについて、アイ高さにアイ高さを乗算してアイ高さ積を生成する。各アイについて、アイ高さ積をノイズ値で除算してQ2値を生成し、計算されたQ2値を使用して、イコライザコードを最適なイコライザ設定に適合させる。
【0004】
本方法は、信号の各帯域のISI値を計算することと、隣接する高い方の平均値と隣接する低い方の平均値との間の差として各アイのアイ高さを計算することと、各アイについて、アイの上方の帯域およびアイの下方の帯域のISI値を合計することによってノイズ値を計算することとによって、ノイズ値を計算するステップをさらに含むことができる。各帯域は、可能な量子化器出力レベルである。一実施形態では、最適なイコライザ設定は、最小のアイを可能な限り大きく確立するか、またはすべてのアイの合計を可能な限り大きく確立する。本方法は、チャネルにおける信号劣化を考慮に入れるために、通信システムにおいて行うことができることが企図される。イコライザコードの適合は、2つ以上の異なるイコライザコードが、イコライザコードに対応するISI値を生成するために使用され、異なるISI値が処理され、最適なイコライザコードを決定するために比較される反復プロセスを含む。
【0005】
本明細書では、経時的に受信される信号を処理してイコライザコードを生成する方法も開示される。一実施形態では、本方法は、信号を処理して信号のアイを識別するステップと、信号を処理して信号の各帯域のISI値を生成するステップとを含む。次いで、隣接する高い方の平均値と隣接する低い方の平均値との間の差として各アイのアイ高さを計算する。各アイについて、アイの上方の帯域およびアイの下方の帯域のISI値を合計することによってノイズ値を計算し、各アイ高さを関連するアイの計算されたノイズ値で除算することによって、各アイのQ値を生成する。次いで、計算されたQ値を使用して、イコライザコードを最適なイコライザ設定に適合させる。
【0006】
一構成では、最適なイコライザ設定は、最小のアイを可能な限り大きく確立するか、またはすべてのアイの合計を可能な限り大きく確立する。信号は、PAMフォーマット信号であってもよい。一実施形態において、本方法は、チャネルにおける信号劣化を考慮に入れるために、通信システムにおいて実施される。本方法は、適合中にQ
2値のピークをより容易に識別するために各Q値を二乗するステップをさらに含むことができる。イコライザコードを適合させるステップは、2つ以上の異なるイコライザコードが、イコライザコードに対応するQ値を生成するために使用され、Q値が処理され、処理の結果が最適なイコライザコードを決定するために比較される反復プロセスを含む。処理の結果を
図4A~
図4Dに示す。
【0007】
また、イコライザコードを使用して信号をイコライゼーションするためのシステムが開示される。システムは、イコライザコードに基づいて信号をイコライゼーションするように構成されているイコライザと、信号を処理し、信号を処理して信号のアイを識別することなどによってイコライザコードを生成し、信号を処理して信号の各帯域のISI値を生成するように構成されているコントローラとを含むことができる。次いで、隣接する高い方の平均値と隣接する低い方の平均値との間の差として各アイのアイ高さを計算し、各アイについて、アイの上方の帯域およびアイの下方の帯域のISI値を合計することによってノイズ値を計算する。コントローラはまた、各アイ高さを関連するアイの計算されたノイズ値で除算することにより、各アイのQ値を生成し、計算されたQ値を使用してイコライザコードを最適なイコライザ設定に適合させる。
【0008】
帯域は、可能な量子化器出力レベルであってもよい。最適なイコライザ設定が、最小のアイを可能な限り大きく確立するか、またはすべてのアイの合計を可能な限り大きく確立することができることが企図される。1つの構成では、信号はPAMフォーマット信号であり、4つの帯域および3つのアイが存在する。本方法は、チャネルにおける信号劣化を考慮に入れるために、通信システムにおいて実施することができる。本方法は、適合中にイコライザ出力のピークをより容易に識別するために各Q値を二乗するステップをさらに含むことができる。一実施形態において、イコライザコードを適合させるステップは、2つ以上の異なるイコライザコードが、異なるQ2値を生成するために使用され、異なるQ2値が処理され、最適なイコライザコードを決定するために比較される反復プロセスを含む。信号はまた、最適なイコライザコードの決定の一部として、または決定後に処理されてもよい。
【0009】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、添付の図面および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。すべてのそのような追加のシステム、方法、特徴および利点が、この説明内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが企図されている。
【0010】
図面の簡単な説明
図面内の構成要素は必ずしも原寸に比例せず、代わりに、本発明の原理を例示することに重点が置かれている。図面において、同様の参照符号は、異なる図を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】アイダイアグラムを示す例示的なサンプルプロットの図である。
【
図2】マルチステーション通信システムの例示的な実施形態のブロック図である。
【
図3A】例示的な光ファイバ通信リンクを示す図である。
【
図4A】ISIに基づいて適合されたイコライザコード(係数)に基づくISIの例示的なプロットを示す図である。
【
図4B】イコライザコードを決定するために開放アイ高さ方法を使用した様々なイコライザコードの開放アイ高さの例示的なプロットを示す図である。
【
図4C】イコライザコードを決定するために開放アイ面積方法を使用した様々なイコライザコードの開放アイ面積の例示的なプロットを示す図である。
【
図4D】最適なイコライザコードを決定するためにQ計算方法およびQ
2計算方法を使用した様々なイコライザコードのQ値およびQ
2値の例示的なプロットを示す図である。
【
図5】イコライザを備えた例示的な受信機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
以下に、本発明の概要を開示し、続けて
図1を参照してより詳細に説明する。従来技術の欠点を克服するために、統計分析を使用して、サンプルプロットは帯域中心および帯域ノイズを明らかにし、これを処理し、組み合わせてQ結果を推定することができる。これらの同じ帯域中心および帯域雑音を使用して、OEHまたはOEAを計算した。しかしながら、設定されたQパラメータが高すぎる場合、または入力アイが非常に小さいかもしくはノイズが多い場合、OEH結果はブラインドになる可能性がある。このブラインドにより、OEH適合は、状況によってはCTLE設定を調整する方向を決定できなくなる。OEA計算は、アイが狭い場合であっても、より高いアイが好ましいにもかかわらず、高い/狭いアイよりも短い/広いアイに収束することがある。アイ高さ対ISIのQ比は、ブラインドがゼロの結果を生成する可能性がはるかに低く、ただ1つの位相角(最大Q結果を有する角度)においてそれを最適化することによって、従来技術の方法と比較してより良好なイコライザ設定がもたらされる。
図1には、4つの帯域、すなわち帯域0 168、帯域1 162、帯域2 164、および帯域3 166が示されている。信号振幅帯域0、1、2、3について、Q結果0、1、2(下、中央、上)は、以下の式Q [n]=(帯域中心[n+1]-帯域中心[n])/(帯域ノイズ[n+1]+帯域ノイズ[n])を使用して計算され、式中、nはアイ開口部0、1、2のうちの1つである。
【0013】
本明細書で使用される用語のいくつかのグラフ表現の理解を助けるために、
図1が提供され、説明される。これは、サンプルプロットから形成された1つの可能なアイダイアグラムにすぎず、これらの原理は、多数の他の信号、信号タイプ、および使用環境に適用することができる。
図1は、アイダイアグラムを示す例示的なサンプルプロットである。
【0014】
図1では、受信信号のサンプル104が、水平軸の位相112、垂直軸のサンプルの大きさ(電圧)116に関してプロットされている。信号の異なる位相にわたって、各サンプルの大きさ(電圧)に基づいて様々なサンプルがプロットされる。その範囲の位相にわたって、サンプルは、よりサンプル密度の高い領域124、および、アイ108として参照される、サンプルがほとんどまたはまったくない領域を形成する。アイクロス190も示されている。
【0015】
PAM 4信号に基づくこの例示的な実施形態では、帯域がPAM 4信号の4つのレベルを定義するように、4つの帯域168,162,164,166がある。他の実施形態では、PAM 2(NRZ)PAM 8、PAM 4、PAM 16、または任意のPAMフォーマットなどの任意のPAMフォーマット信号を使用することができる。
図1に示すように、帯域0 168が最も低い帯域であり、帯域1 162、帯域2 164が続き、最上部に帯域3 166が続く。処理中、受信信号は、サンプリング位相または時間における受信信号を0、1、2、または3のいずれかの信号レベルとして定義するために、これら4つの帯域のうちの1つにスライスまたは量子化される。各帯域の間には、最上部アイ108などのアイがある。図示のように、帯域0と帯域1との間にはアイ0 106があり、帯域1と帯域2との間にはアイ1 107があり、帯域2と帯域3との間にはアイ2 108がある。アイは、サンプルがない領域である。
【0016】
ある振幅および位相に、各アイについて、閾値レベル180,182,184がある。閾値は、閾値を下回る大きさのサンプルが閾値の真下の帯域にスライスされ、閾値を上回る大きさのサンプルが閾値の真上の帯域にスライスされるように、境界となる大きさにおいて定義される。このようにして、サンプリング位相角130において受信されるサンプルは、その振幅が評価され、閾値180,182,184に関連するその値に応じて、そのうちの1つが各アイ開口部に位置する。閾値180,812,184に関連するサンプル値に基づいて、サンプルは、帯域0、帯域1、帯域2、または帯域3などの4つの帯域値のうちの1つに量子化またはスライスされる。
【0017】
図1には、符号間干渉(以下、ISI)134も示されている。ISIは、サンプリング位相点130におけるシンボル値の分布であるため、ノイズの評価基準である。大きいISI値は、サンプリング位相点130におけるサンプル値の広い分布を示し、これは、サンプリング位相点におけるすべてのサンプルが同じ振幅にあった場合よりも高いノイズレベルを示す。
【0018】
一実施形態では、アイモニタは、サンプルの大きさに対応する10ビットコードなどのコードを生成し、これらのサンプルは、
図1に示すようにアイダイアグラムを生成するために位相に対してプロットされる。位相は、一般に、サンプリング時間に類似している。位相は360度回転し、次いで、繰り返す。サンプリング点は、位相遅延または位相角として参照される場合もある。
【0019】
サンプリング点がアイの中央にある場合、理想的にはすべてのサンプルが、サンプルが密集した帯域またはその付近の狭い領域内に入る。サンプリング位相角におけるサンプルが閾値交差180,182,184に近い場合、サンプルは分散され、1つのアイがどこから始まり別のアイがどこで終わるかを判定することは困難である。すべてのサンプルがともに平均される場合、平均ゼロ 120は、サンプルの半分が平均ゼロラインよりも大きく、サンプルの半分が平均ゼロラインよりも小さい大きさである。
【0020】
この表記法を使用して、サンプルは、平均ゼロ120を上回るもの、および、平均ゼロ120を下回るものとして定義され得る。ここで、平均ゼロ 120よりも大きいサンプル群を扱うと、平均1レベル140に対するサンプルの値に基づいて、その群を2つのサンプルセットに分割することが可能である。平均1レベルは、平均ゼロレベルよりも大きいサンプルから扱って、サンプルの半分が平均1レベル140よりも大きく、サンプルの半分が平均1レベル140よりも小さい大きさである。
【0021】
同様に、平均ゼロ 120未満のサンプル群を扱うと、平均1レベル144に対するサンプルの値に基づいて、その群を2つのサンプルセットに分割することが可能である。平均1レベル144は、平均ゼロレベルよりも小さいサンプルから扱って、サンプルの半分が平均1レベル144よりも大きく、サンプルの半分が平均1レベル144よりも小さい大きさである。
【0022】
サンプルのこれらの部分群は、同じ一般的な方法で選択される平均2レベル150,154,158,162に基づいてさらに分割することができる。各平均2レベル150,154,158,162の計算についても同じプロセスに従う。平均1レベル150を決定するための例示的なプロセスが説明される。平均1レベル140よりも大きいサンプルの群を扱うと、平均2レベル150は、サンプルの半分が平均2レベル150よりも大きく、サンプルの半分が平均2レベル150よりも小さい大きさである。これは、平均レベル120,140,144,150,154,158,162の各々がどのように計算されるかを規定する。
【0023】
次に、ISI値134を計算するプロセスを以下に説明する。ISIは、シンボル間干渉を表し、これは、1つのシンボルが後続のシンボルと干渉する一形態の信号の歪みである。これは、先行するシンボルがノイズと同様の効果を有し、したがって通信の信頼性を低下させるため、望ましくない現象である。パルスがその割り当てられた時間間隔を超えて広がると、隣接するパルスと干渉する。ISIは、通常、マルチパス伝搬、または連続するシンボルをともに「ぼけ」させる通信チャネルの固有の線形または非線形周波数応答によって引き起こされる。
【0024】
この実施形態では、各帯域168,162,164,166についてISI値134が計算される。このプロセスは、帯域3の平均レベル150について説明される。このプロセスは、各帯域について繰り返されて、ISI0 172、ISI1 134、ISI2 176、ISI3 170が計算される。帯域3 166について、平均2レベル150が使用され、上記の計算に基づいて決定され、この線または基準の大きさから、平均2レベル150からの各サンプル間の距離が計算される。ISI値の計算は当該技術分野で知られており、したがって詳細には記載されていない。
【0025】
上記の分布計算に基づいて、サンプル値の最大25%は、領域166に見出され、これは、平均2レベル150である、帯域3 166を中心とするものとしても参照される。同様に、サンプル値の最小25%は、領域(帯域)168に見出され、平均2レベル162である帯域0 168を中心とする。
【0026】
領域166のサンプルに戻ると、これらのサンプルはともに平均化されて平均2レベル150が形成される。次に、平均2レベル150を使用して、各サンプルと平均2レベル150との間の差が計算される。これは、サンプル値と平均2レベル150との間の差分値をもたらす。次に、差分値に対して正の値のみをもたらす絶対値関数が、差分値に対して実行される。得られた正の差分値の群はともに平均化され、この平均はその帯域のISI、この場合は帯域3 166のISI 170である。別の言い方をすれば、サンプリング点におけるサンプル帯域の厚さが、ノイズであるISI、またはサンプリング点におけるサンプルの偏差である。
【0027】
先行する実施形態では、二乗平均平方根計算を使用して、ISI結果を決定する偏差を得た。これは良好な結果をもたらすが、計算上複雑であるという欠点があり、プロセッサ集約的である。別の言い方をすれば、二乗平均平方根計算は、計算するのに要するクロックサイクルが多すぎる。代替案として、「平均代表偏差」(MAD)を使用してISI値を計算することが提案される。データセットのMAD計算は、中心点からの絶対偏差の平均である。これは、統計的分散または変動性の要約統計量である。
【0028】
Q値を計算するための方法
本明細書では、Qを計算するための方法がさらに開示される。後述するQ法を用いて、各帯域について1回ずつ、4回のISI計算を行う。これは、1つの帯域に基づいて単一のISIのみを計算した従来技術に対する改善である。平均2帯域150,154,158,162を使用して、各帯域についてISI値が計算され、4つのISI値が与えられる。
【0029】
次に、本方法は、3つのアイ106,107,108を分析し考慮する。最初に、この議論のために下部アイ(アイ0 106)、中央アイ(アイ1 107)、および上部アイ(アイ2 108)として参照される3つのアイを考慮すると、下部アイが分析される場合、それは帯域0と帯域1との間に位置する。したがって、各アイは2つの帯域の間に挟まれる。本方法は、下部アイ(アイ0 106)のアイ高さを、平均2の値158から平均2の値162を減算した値として定義する。これは、アイ高さが最初に定義される方法である。次いで、アイ高さは、関連する帯域のISI値(ノイズ)で除算される。アイ0のノイズは、ISI 1 134+ISI 0 172である。この合計が、アイ0 106のノイズである。
【0030】
この議論の焦点は、アイ0 106にある。次に、アイ0 106のノイズ値について、ちょうどアイ0について計算されたアイ高さをアイ0のノイズで除算する。したがって、アイ0のQは、(平均2レベル158-平均2レベル162)を(ISI 0 172+ISI 1 134の合計)で除算した値である。この同じ計算プロセスを3つのアイの各々について実行して、各アイについてQ結果を生成する。各計算について、Q計算に使用される値は、その特定の対応するアイの値に対応する。
【0031】
本方法を使用して、最小のアイを可能な限り大きく確立するようにイコライザを適合させるか、またはすべてのアイの合計を可能な限り大きく確立するようにイコライザを適合させることが可能である。他の実施形態では、限定ではないが、各アイを同じサイズに確立すること、またはアイ2(または任意の特定のアイのQ)を最大に確立することなどの他の最適化パラメータが可能である。適合中、選択された最適化パラメータに対して最適コードが計算されるだけでなく、様々な異なる最適化パラメータを利用して、(関連する最適なイコライザコードを有する)いずれの最適化パラメータが最低のビットエラーレートを達成するかを決定するように適合させることができる。
【0032】
改善されたQ値計算(Q2)
開示されたシステムおよび方法とともに使用するためのQ値を計算するための新規な今までにない方法も本明細書で開示される。上述したように、Q値が、最適なイコライザ設定を計算または決定するために使用される。
【0033】
上記に開示されたQ計算方法では、値Qは、Q=アイ高さ/ノイズとして計算され、これは、上記でQ[n]=(帯域中心[n+1]-帯域中心[n])/(帯域ノイズ[n+1]+帯域ノイズ[n])として参照されており、式中、nはアイ開口部0、1、2のうちの1つである。この演算は良好な結果をもたらすが、Q計算を修正して代わりにQ(例えば、Q2)を次式Q2=アイ高さ*アイ高さ/ノイズで計算することによって改善が可能である:。
【0034】
有線および光学システムのいずれにおいても、信号イコライゼーションを最適化するイコライザコード設定を特定することが重要である。CTLE、FFE、DFEを含むがこれらに限定されない任意のタイプのイコライザが使用されてもよい。一実施形態では、二乗平均平方根演算を使用してQ値を計算することができる。これは、ノイズ値を二乗し、次いで得られた二乗ノイズ値を合計し、次いで合計の平方根をとることによって行うことができる。しかしながら、信号処理およびコンピュータ環境では、平方根演算は困難であり、複雑であるとともに、時間および電力を消費する。結果として、Qを計算する際に平方根演算を使用することを回避することによって利点が実現される。
【0035】
Q計算およびイコライザコード最適化では、基本的な目標は、最適なCTLE設定を明らかにするQ曲線のピークを決定することである。別の言い方をすれば、目標は、いずれのCTLEコードが最適なイコライゼーションをもたらすかを決定することであり、ピークQ値、すなわちQ曲線のピークに対応するQ値において最良のCTLEコードが導出される。
図4A~
図4Dは、例示的なQ曲線を示す。しかしながら、いくつかの実施形態では、Q曲線は一般に平坦であり(
図4Aを参照)、ピークQ値とピークQ値に近い他のQ値との間の差が制限される。例えば、限定ではないが、光学システムは、有線システムと比較してQ曲線においてより小さいピークを有する場合があり、ピーク検出が困難になる。その結果、最適なイコライザコードを決定することが困難となる。
【0036】
この問題に対処し、克服するために、他のQ値に関連してピークQ値を識別する能力を高めながら、複雑で時間がかかる、長い平方根演算を回避する新規のQ計算方法が開示される。開示されるQ計算は、各アイについて、Q2=(アイ高さ×アイ高さ)/ノイズとして定義される。したがって、式のRMSバージョンと比較して、分子と分母の両方が二乗される。分母の二乗は、望ましくない平方根演算を排除し、アイ高さを二乗する。これにより、不要な平方根演算が排除される。その結果、(分子に対して)単一の乗算演算が行われ、これは平方根演算と比較してはるかに複雑度が低く、長くない。この新規のQ2計算は、二乗演算に起因してより大きく、先行して開示された方法と比較してより顕著なピークを有するQ二乗値をもたらし、ピークQ値またはQ曲線におけるピークの位置を特定することをより容易にする(Q曲線におけるピークに至る曲線を急峻にする)。
【0037】
例えば、一方が12単位の大きさであり、他方が13単位の大きさである2つのピークを有するQ曲線を仮定する。これらのQ値ピークの差は1単位(13-12=1)であり、この差は検出が困難な場合がある。しかしながら、両方のQ値のピークが二乗される場合、12単位の大きさの二乗は144単位の大きさになり、13単位の大きさの二乗は169単位の大きさになる。これにより、169-144=25単位の差が生じ、その結果、169単位の大きさの曲線ピークが、144単位の大きさの隣接する近いプロット位置と比較して、はるかに検出しやすくなる。
【0038】
二乗演算として開示されているが、望ましくない平方根演算を回避もしながらQ値を増大させるために追加のまたは他の演算が行われてもよい。例えば、分子および分母が、三乗されてもよく、または四乗されてもよい。この数学的演算は、Q曲線におけるピークの位置を変更せず、振幅のみを変更し、それによってQ曲線ピーク(ピークQ値)検出の正確度を高める。同様に、ピークQ曲線位置は変化しないため、最適なイコライザコードを決定する能力も同様に変化しない。(平方根演算を使用する)RMS法と比較しての、Qを計算するこの新規の方法のさらなる利点は、長く複雑な平方根演算が複合する丸め誤差につながるため、正確度が向上することである。これらの動作および計算は、ソフトウェアにおいて(プロセッサによって実行される、メモリ上に非一時的状態で記憶される機械実行可能コードなどを用いて)、ハードウェア構成において、または両方の組合せで行われ得ることにさらに留意されたい。さらに、本明細書で開示される方法および動作は、アナログ領域、デジタル領域、または両方の組合せにおいて実施されてもよい。
【0039】
イコライザ設定を確立するために、イコライザに特定のブーストレベル(イコライゼーション設定)が設定され、このイコライザ設定についてQが測定(および記憶)される。イコライゼーション設定が増大され、Qが再び測定され、記録される。その時点において、イコライゼーション設定が低減され、Qが再び測定され、記録される。次いで、各イコライザ設定のQ結果が比較され、最大のQをもたらすイコライザ設定が、より良好なイコライザ設定であるものとして選択される。理想的なイコライザ設定が発見されるまで、異なるイコライザ設定を使用する2回以上の反復が必要とされ得ることが理解される。Q2値を計算するとき、上述したように、二乗されていないQに基づいて使用されたのと同じプロセスおよび反復方法が使用されてイコライザが適合される。
【0040】
一実施形態では、この処理は、本明細書に記載の計算を実行するために配線接続された処理要素において実行されてもよい。処理要素は、ASIC、DSP、メモリに記憶された非一時的機械可読コードを実行するように構成されているプロセッサ、ステートマシン、コントローラ、制御論理、もしくは任意の他のシステム、またはこれらの要素の任意の組合せを含むことができる。機械実行可能命令として参照されるソフトウェアコードは、処理の一部としてこれらの要素によって実行されてもよい。
【0041】
受信信号の最適なサンプリング、スライシング、または量子化は、サンプルが帯域に最も近く、最適化されたアイ高さ開口部がビットエラーを最小化するサンプリング点(位相)において行われる。
【0042】
図2は、本明細書に開示された方法および装置にしたがって構成されているマルチステーション通信システムの例示的な実施形態のブロック図を示す。図示されるように、第1のステーション200は、1つ以上のチャネル204を介して第2のステーション208と通信するように構成される。第1のステーション200および第2のステーション208の各々は、受信機212B、216Bおよび送信機212A、216Aを備えてもよい。受信機212B、216Bおよび送信機212A、216Aのうちの少なくとも1つは、図示のように処理デバイス220A、220B、220C、220Dに接続する。処理デバイス220は、プロセッサ、ASIC、制御論理、ステートマシン、スイッチファブリック、変調器、復調器、または任意の他のそのようなデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。処理デバイス220は、信号イコライゼーション、フィルタリング、またはイコライザ設定のための計算など、本明細書で説明される任意の他のタイプの信号処理もしくは信号分析を実行するように構成されてもよい。処理デバイス220への入力は、当該技術分野で知られている任意の方法で行うことができる。同様に、特定の経路またはインターフェースは、直列または並列のいずれかとして示されているが、これらの経路のいずれも、直列もしくは並列のいずれか、またはその両方として構成されてもよいことが十分に企図される。
【0043】
送信機212A、216Aへの任意選択の入力230A、240Bは、システムデータが送信機内または送信機によって処理され得るようにシステムデータに提供される入力を含む。これにより、システムデータがネットワークデータと共にチャネル(複数可)204を介して送信されることが可能になり得る。同様に、受信機212B、216Bは、チャネル204を介して送信された信号から復元または分離されたシステムデータを提供する信号240A、230Bを出力する。
【0044】
使用環境の一例は、光ファイバリンクおよびレーザまたは何らかの他の形態の光信号発生器(光源)を利用する光通信システムである。
図3Aは、例示的な光ファイバ通信リンクを示す。リモートネットワーキング機器304A、304B間の通信を可能にするために、光ファイバ送信機および受信機が提供される。送信機308の一部であるレーザドライバ312は、レーザからの変調光出力を生成する変調電流でレーザ316を駆動する。この光出力は、信号伝送のために光ファイバ320に結合される。光ファイバリンクの受信側には受信機328がある。光エネルギーは、フォトダイオード332によって電気信号に変換され、増幅器336によってさらに処理されて、信号の大きさがさらなる処理に適したレベルに設定される。さらに、ネットワーク機器304Aからネットワーク機器304Bへの単一の経路として示されているが、通信経路上のデータフローは双方向であってもよく、またはネットワーク機器304Bからネットワーク機器304Aへの別個の戻り経路が提供されてもよいことが企図される。本明細書に開示された技術革新は、他の環境で使用されてもよいことが企図されている。
【0045】
図3Bは、例示的な有線通信リンクを示す。
図3Aと比較して、同一の要素には同一の参照符号が付されている。
図3Aに示すような光通信経路ならびに光送信機および受信機の代わりに、ネットワーク機器304A、304Bに接続する電気ケーブル(複数可)350を有する有線システムが示されている。導電性チャネルを利用した通信デバイスは知られており、本明細書には説明されていない。本明細書に開示される技術革新は、無線システム、または本明細書に開示される改善されたイコライザコード生成から受益する任意のシステムで使用され得ることも企図される。
【0046】
図4A、
図4B、
図4C、および
図4Dは、様々なイコライザコードのシンボル間干渉の例示的なプロットを示す。
図4Aでは、垂直軸404が符号間干渉(ISI)を表し、一方、水平軸408がCTLEコードを表す。ISIグラフ値は実際には(1-ISI)であり、結果、曲線は
図4B、
図4C、および
図4Dに示す他の方法に対して反転しない。
図4Aのプロット420は、様々な異なるイコライザコード(CTLE係数など)に基づくISIを表す。プロット420では、ピーク424が最大プロット値として示されている。図から分かるように、ピーク424をピーク付近のプロット位置426,428と区別することは困難であり得る。その結果、ピーク424が明確に定義されていない場合、最適なイコライザコードを選択することが困難となる。
【0047】
図4Bは、イコライザコードを決定するために開放アイ高さ方法を使用した様々なイコライザコードの開放アイ高さの例示的なプロットを示す。
図4Bでは、垂直軸404が開放アイ高さ(OEH)を表し、一方、水平軸408がCTLEコードを表す。示されるように、プロット430はピーク424を有する。ピーク424は、最適なイコライザコードと関連付けられる。プロット430に見られるように、ピーク424は、良好であるが最適ではないイコライザコードと関連付けられる隣接するプロット点426,428に対して区別するのがより容易である。
図4Bに見られるように、プロット430は、
図4Aのプロット420よりも大きい勾配値を有し、したがって、プロット上の他の点からピーク424を区別することをより容易にする。
【0048】
図4Cは、イコライザコードを決定するために開放アイ面積方法を使用した様々なイコライザコードの開放アイ面積の例示的なプロットを示す。
図4Cでは、垂直軸404が開放アイ面積(OEA)を表し、一方、水平軸408がCTLEコードを表す。示されるように、プロット440はピーク424を有する。ピーク424は、最適なイコライザコードと関連付けられる。プロット430に見られるように、ピーク424は、良好であるが最適ではないイコライザコードと関連付けられる隣接するプロット点426,428に対して区別するのがより容易である。
図4Cに見られるように、プロット440は、
図4Aのプロット420よりも大きい勾配値を有し、したがって、プロット上の他の点からピーク424を区別することをより容易にする。
【0049】
図4Dは、最適なイコライザコードを決定するためにQ計算方法およびQ
2計算方法を使用した様々なイコライザコードのQ値およびQ
2値の例示的なプロットを示す。
図4Dでは、垂直軸404がQを表し、一方、水平軸408がCTLEコードを表す。示されるように、プロット450はピーク424を有し、本明細書に開示されるQ計算方法を使用して計算される。ピーク424は、最適なイコライザコードと関連付けられる。プロット450に見られるように、ピーク424は、良好であるが最適ではないイコライザコードと関連付けられる隣接するプロット点426,428に対して区別するのがより容易である。
【0050】
同様に、示されるように、プロット460はピーク424を有し、本明細書に開示されるQ
2計算方法を使用して計算される。ピーク424は、最適なイコライザコードと関連付けられる。プロット460に見られるように、ピーク424は、良好であるが最適ではないイコライザコードと関連付けられる隣接するプロット点464,468に対して区別するのがより容易である。
図4Dに見られるように、プロット450および460は、
図4 Aのプロット420よりも大きい勾配値を有し、したがって、プロット上の他の点からピーク424を区別することをより容易にする。
【0051】
図5は、イコライザを備えた例示的な受信機のブロック図である。これは1つの可能なブロック図にすぎない。入力504は、チャネルの歪み効果を緩和するためのイコライゼーションのためにチャネル(光学、有線、無線)からの入力信号をイコライザに提供する。イコライザは、信号の周波数固有操作を実行し、イコライゼーションされた信号を量子化器512およびコントローラ516に提供する。量子化器512は、入力信号の1つ以上の閾値との比較に基づいて入力信号を2つ以上の論理レベルまたは所定の値と比較して量子化するように構成されているスライサまたは任意のデバイスであってもよい。そのようなスライサである量子化器512は、当業者に知られており、したがって詳細には説明されない。量子化器512の出力は、後続の処理のために出力520に提示され、コントローラ516に提示される。
【0052】
コントローラ516は、信号および/またはイコライザ出力を処理し、分析に基づいて、本明細書で説明した方法ステップを実行して、最適なイコライゼーションを提供する最適なイコライザコード(設定)を識別するように構成されているハードウェア、ソフトウェア、またはその両方の任意の組合せであってもよい。コントローラ516は、差分イコライザコードを用いて1つ以上の連続的な反復を実行し、本明細書に記載の実施形態に従って最適なイコライザコードをもたらすコードについて結果として生じるイコライザ出力を処理および分析する。入力504上の入力信号および出力520上の出力信号からのフィードバックおよび比較もまた、コントローラ516によって考慮され得る。
【0053】
コントローラ516は、上述の開放アイ高さ(OEH)方法、開放アイ面積(OEA)方法、およびQまたはQ2法などのアイダイアグラムプロットのアイの1つ以上の態様を検出および監視することができるアイモニタを含むことができる。一実施形態では、コントローラ516は、限定された命令セットを有する有限状態機械として構成され、したがって、非有形フォーマットでメモリに記憶することができる機械実行可能命令を実行することができる。高速動作を可能にするために、多くの機能が、ステートマシンなどのハードウェアにおいて、または部分的にハードウェアにおいて、かつ部分的にプロセッサ上で実行されるソフトウェアにおいて可能にされる。例えば、純粋にハードウェアの構成、またはDSP、ASIC、ソフトウェアコードを実行するプロセッサ、命令文、または本明細書で説明されるように実行するように構成されている任意の他の要素を使用することができる。
【0054】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、添付の図面および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。すべてのそのような追加のシステム、方法、特徴および利点が、この説明内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが企図されている。
【0055】
本発明の様々な実施形態を説明したが、本発明の範囲内にあるより多くの実施形態および実施態様が可能であることは当業者には明らかであろう。さらに、本明細書に記載の様々な特徴、要素、および実施形態は、任意の組合せまたは構成で特許請求され、または組み合わされてもよい。