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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】電源システム及び電気車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240822BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20240822BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240822BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20240822BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240822BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 302B
H02J1/00 309Q
H02J1/00 309H
H01M10/48 P
H01M10/48 301
B60L1/00 L
B60L3/00 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022562321
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2022090862
(87)【国際公開番号】W WO2023130630
(87)【国際公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】202210022389.4
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王紹東
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112078366(CN,A)
【文献】特開2021-164189(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112009246(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107031411(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0315683(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0314740(US,A1)
【文献】特開2019-062727(JP,A)
【文献】特開2021-180550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/081509(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J1/00-1/16
H01M10/42-10/48
B60L1/00-3/12
B60L5/00-5/42
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
B60R16/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列接続されたDC-DC変換モジュール(101)及び第1負荷(102)を含む第1回路(100)と、
並列接続されたバッテリー(201)及び第2負荷(202)を含む第2回路(200)と、
前記DC-DC変換モジュール(101)及び前記第1負荷(102)の第2端子と前記バッテリー(201)及び前記第2負荷(202)の第2端子との間に直列に結合されたスイッチ(301)を含むスイッチユニット(300)と、を含み、
並列接続された前記DC-DC変換モジュール(101)及び前記第1負荷(102)の第1端子は接地され、
並列接続された前記バッテリー(201)及び前記第2負荷(202)の第1端子は接地され、
前記スイッチ(301)はデフォルトでオン状態であ
前記スイッチユニット(300)は、制御モジュール(302)及びセンサを更に含み、前記制御モジュール(302)は、前記センサから感知信号を受信することに応答して前記スイッチ(301)に制御信号を送信するように構成されており、
前記センサは、前記スイッチ(301)に並列に結合された電圧センサ(304)を含み、
前記制御モジュール(302)は、前記電圧センサ(304)から電圧値を受信し、受信した電圧値が電圧閾値より大きいと決定することに応答して前記スイッチ(301)にオフ信号を送信するように更に構成されており、
前記スイッチユニット(300)は、前記制御モジュール(302)に結合されたタイマーを更に含み、
前記制御モジュール(302)は、受信した電圧値が電圧閾値より大きいと決定する時、前記タイマーを起動するように更に構成され、
前記制御モジュール(302)は、受信した電圧値が電圧閾値よりも大きい状態での持続時間が持続時間閾値より大きいと決定する時、前記スイッチ(301)にオフ信号を送信し、
前記制御モジュール(302)は、受信した電圧値が電圧閾値よりも大きい状態での持続時間が持続時間閾値より小さいと決定する時、処理しない、
電源システム。
【請求項2】
前記センサは、前記スイッチ(301)に直列に結合された電流センサ(303)を含み、
前記制御モジュール(302)は、前記電流センサ(303)から電流値を受信し、受信した電流値が電流閾値より大きいと決定することに応答して前記スイッチ(301)にオフ信号を送信するように更に構成されている、
請求項に記載の電源システム。
【請求項3】
前記制御モジュール(302)は、前記スイッチ(301)にオフ信号を送信した後、車両全体コントローラに前記スイッチ(301)がオフ状態であることを報告するように更に構成されている、
請求項に記載の電源システム。
【請求項4】
前記センサは、前記スイッチ(301)に直列に結合された温度センサ(305)を含み、
前記制御モジュール(302)は、前記温度センサ(305)から温度値を受信し、受信した温度値が温度閾値より大きいと決定することに応答して前記スイッチ(301)が無効となると決定するように更に構成されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電源システム。
【請求項5】
前記制御モジュール(302)は、前記スイッチ(301)が無効となると決定した後、車両全体コントローラに前記スイッチ(301)が無効となることを報告するように更に構成されている、
請求項に記載の電源システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電源システムを含む、
電気車両。
【請求項7】
前記電気車両は、制御モジュール(302)から前記スイッチ(301)のオフ信号又は前記スイッチ(301)の無効信号を受信することに応答して自動運転モードを終了するように構成された車両全体コントローラを含む、
請求項に記載の電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源技術分野に関し、特に電源システム及び電気車両に関する。
【0002】
本開示は、出願番号が202210022389.4、出願日が2022年1月10日である中国出願をもとに、その優先権を主張する。当該中国出願の開示内容は、全体として本開示に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
生活水準がますます向上するにつれて、自動車は人々の日常生活に欠かせないものになっている。省エネルギーと排出の削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵であり、電気車両は、省エネルギーと環境保護の利点により、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分になっている。自動車の安全性は常に人々の関心を引く課題である。電源システムは車両の安全性を確保する重要な要素である。電気車両にとって、電源システムは非常に重要である。確実で安定した電源システムは車両(特に電気車両)の安全性を確保する鍵である。
【発明の概要】
【0004】
上記問題を鑑み、本開示は、二重回路電源システム及び二重回路電源システムを有する電気車両を提供する。
【0005】
第1態様では、本開示は、並列接続されたDC-DC変換モジュール及び第1負荷を含む第1回路と、並列接続されたバッテリー及び第2負荷を含む第2回路と、並列接続されたDC-DC変換モジュール及び第1負荷の第2端子と並列接続されたバッテリー及び第2負荷の第2端子との間に直列に結合されたスイッチを含むスイッチユニットと、を含み、並列接続されたDC-DC変換モジュール及び第1負荷の第1端子は接地され、並列接続されたバッテリー及び第2負荷の第1端子は接地され、該スイッチはデフォルトでオン状態である、電源システムを提供する。
【0006】
本開示の実施例の技術的解決手段において、1つのバッテリーのみを使用して二重回路電源システムを実現する。このような電源システムは、そのうちの1つの回路が無効となる場合に別の回路を使用して電力を提供し、それにより車両は走行を継続したり緊急時の安全操作を実行したりすることができ、車両の安全性を顕著に向上させる。このような電源システムにおいて、該スイッチはデフォルトでオン状態であり、それにより車両は該第2回路内のバッテリーを起動電源として起動することができる。
【0007】
このような設計は、従来の車両の単一電源システムを改善することによって実現され、バッテリー又は他の部品を追加する必要がなく、追加費用もかからず、構造が簡単である。また、このような設計は車両の重量などに影響を与えることなく、その後の車両の調整などの問題を引き起こすこともない。
【0008】
幾つかの実施例において、該スイッチユニットは、制御モジュール及びセンサを更に含み、該制御モジュールは、センサから感知信号を受信することに応答してスイッチに制御信号を送信するように構成されている。センサは電源システム内の各パラメータを検出することができ、制御モジュールはセンサにより検出された各パラメータに基づいてスイッチユニット内のスイッチを制御することができ、それにより電源システムの故障時の様々な可能な状況に対処する。
【0009】
幾つかの実施例において、センサは、スイッチに直列に結合された電流センサを含んでもよく、該制御モジュールは、電流センサから電流値を受信し、受信した電流値が電流閾値より大きいと決定することに応答してスイッチにオフ信号を送信するように更に構成されてもよい。電流センサはスイッチに直列に結合され、第1回路と第2回路との間に流れる電流値を測定することで、第1回路及び第2回路の運転状態を検出することができる。該制御モジュールは、電流センサにより測定された第1回路と第2回路との間の電流値に基づいて電源システム内の2つの回路の運転状態を判断し、該電流値が電流閾値より大きいと決定する場合にスイッチをオフにするように制御することで、電源システム内の1つの回路が通常な動作を継続することができ、それにより車両は残りの一つの回路により走行を継続したり緊急時の操作を実行したりすることができる。
【0010】
幾つかの実施例において、センサは、該スイッチに並列に結合された電圧センサを含んでもよく、該制御モジュールは、電圧センサから電圧値を受信し、受信した電圧値が電圧閾値より大きいと決定することに応答してスイッチにオフ信号を送信するように更に構成されてもよい。電圧センサはスイッチに並列に結合され、該スイッチの両端(即ち、第1回路と第2回路との間)の電圧値を測定することで、第1回路及び第2回路の運転状態を検出することができる。該制御モジュールは、電圧センサにより測定された第1回路と第2回路との間の電圧値に基づいて電源システム内の2つの回路の運転状態を判断し、該電圧値が電圧閾値より大きいと決定する場合にスイッチをオフにするように制御することで、電源システム内の1つの回路が通常な動作を継続することができ、それにより車両は残りの一つの回路により走行を継続したり緊急時の操作を実行したりすることができる。
【0011】
幾つかの実施例において、スイッチユニットは、制御モジュールに結合されることが可能なタイマーを更に含んでもよく、該制御モジュールは、受信した電圧値が電圧閾値より大きいと決定する時、該タイマーを起動するように更に構成されてもよい。該制御モジュールは、受信した電圧値が電圧閾値よりも大きい状態での持続時間が持続時間閾値より大きいと決定する時、該スイッチにオフ信号を送信する。該制御モジュールは、受信した電圧値が電圧閾値よりも大きい状態での持続時間が持続時間閾値より小さいと決定する時、処理しない。タイマーを使用することで、制御モジュールが電源システムの通常動作中に高出力デバイスの起動瞬間にスイッチを切断することを防止することができる。
【0012】
幾つかの実施例において、該制御モジュールは、スイッチにオフ信号を送信した後、車両全体コントローラにスイッチのオフを報告するように構成されてもよい。該制御モジュールは、車両全体コントローラにスイッチの状態及び/又は電源システムの状態を報告することができ、それにより車両全体コントローラは該報告に基づいて対応する操作を行うことができる。
【0013】
幾つかの実施例において、センサは、該スイッチに直列に結合された温度センサを含んでもよい。該制御モジュールは、温度センサから温度値を受信し、受信した温度値が温度閾値より大きいと決定することに応答してスイッチ無効となると決定するように構成されてもよい。温度センサはスイッチに直列に結合され、スイッチユニット(又はスイッチ)の温度値を測定することで、スイッチユニット(又はスイッチ)の状態を検出することができる。該制御モジュールは、温度センサにより測定されたスイッチユニット(又はスイッチ)の温度に基づいてスイッチの状態が通常状態又は無効状態であるかを判断することができる。
【0014】
幾つかの実施例において、該制御モジュールは、スイッチが無効信号であると決定した後、車両全体コントローラにスイッチが無効となることを報告するように構成されてもよい。該制御モジュールは、車両全体コントローラにスイッチが無効となるか否かを報告することができ、それにより車両全体コントローラは該報告に基づいて対応する操作を行うことができる。
【0015】
第2態様では、本開示は、上記の実施例の電源システムを含むことができる電気車両を提供する。
【0016】
幾つかの実施例において、該電気車両は、制御モジュールからスイッチのオフ信号又は無効信号を受信することに応答して自動運転モードを終了するように構成できる車両全体コントローラを含んでもよい。該車両全体コントローラは、制御モジュールからスイッチ状態信号を取得し、スイッチ状態信号に基づいて対応する操作を実行して車両走行の安全性を確保することができる。
【0017】
上記の説明は本開示の技術的解決手段の概要に過ぎず、本開示の技術手段をより明らかに理解できるために、明細書の内容に従って実施することができ、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点をより分かりやすくするために、以下に本開示の具体的な実施形態を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の選択可能な実施形態に対する詳しい説明を読むことによって、他の様々な利点やメリットは、当業者にとって明らかになっている。図面は、選択可能な実施形態を示す目的にのみ使用され、本開示を制限するものではない。すべての図面において、同じ図面の符号で同じ部品を示す。
図1】本開示の一実施例に開示される電源システムの構成概略図である。
図2】本開示の一実施例に開示されるスイッチユニットの構成概略図である。
図3】本開示の一実施例に開示される制御モジュールに使用されるフローチャートである。
図4】本開示の一実施例に開示される制御モジュールに使用される別のフローチャートである。
図5】本開示の一実施例に開示される車両全体コントローラに使用されるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面及び実施例を結び付けながら本開示の実施形態を更に詳しく説明する。下記実施例の詳しい説明及び図面は、本開示の原理を例示的に説明するために用いられるが、本開示の範囲を制限することができず、即ち本開示は説明される実施例に限定されない。
【0020】
本開示の実施例の説明において、説明すべきことは、別段の説明がない限り、「複数」という用語は2つ以上を意味する。「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトを説明するための関連関係に過ぎず、3種類の関係が存在できることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在するという3つのケースを示すことができる。本開示の文字「/」は一般的に、前後に関連するオブジェクトが「又は」の関係であることを示す。また、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明のための目的にのみ使用され、相対重要性を指示又は暗示すると理解すべきではない。
【0021】
別段の定義がない限り、本開示で使用されるすべての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本開示で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的にのみ使用され、本開示を制限することを意図しない。本開示の明細書、特許請求の範囲及び上記の図面説明における「含む」と「有する」という用語並びにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0022】
本開示での「実施例」への言及は、実施例に説明される特定の特徴、構造又は特性を結び付けて、本開示の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の様々な位置で当該フレーズの出現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と相互排除する独立又は代替の実施例でもない。当業者によって明示的及び暗黙的に理解されるべきことは、本開示に記載される実施例が他の実施例と組み合わせることができる。
【0023】
以下の説明において、本開示に対する徹底的な理解を提供するために、多くの具体的な詳細(例えば、具体的なコンポーネント、回路、及びプロセスの例)を説明している。例えば、本開示で使用される「結合」、「カップリング」、「連結」又は「接続」という用語は、直接接続、又は1つ又は複数の中間媒体又はコンポーネントによる接続を意味する。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。そして、下記説明において、解釈の目的のため、本開示の各実施例に対する徹底的な理解を提供するために、具体的な命名を説明する。しかし、当業者にとって明らかなことに、これらの具体的な詳細を必要とすることなく、それぞれの例の実施例を実施することができる。他の例において、本開示を混同させないように、ブロック図の形で公知の回路とデバイスを示している。
【0024】
生活水準がますます向上するにつれて、自動車は人々の日常生活に欠かせないものになっている。省エネルギーと排出の削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵であり、電気車両は、省エネルギーと環境保護の利点により、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分になっている。自動車の安全性は常に人々の関心を引く課題である。電源システムは車両の安全性を確保する重要な要素である。電気車両にとって、電源システムは非常に重要である。確実で安定した電源システムは車両(特に電気車両)の安全性を確保する鍵である。
【0025】
現在、多くの自動車の電源システムは単回路給電システムを採用する。車両の単回路給電システムが故障する時、車両全体の電気負荷が正常に動作できなくなり、車両の正常な走行に影響を与える。車両の走行中に給電故障が発生する時、車両又は車内乗客の安全にも影響を与える可能性がある。また、科学技術の急速な発展に伴い、自動運転車も徐々に人々の視野に入っている。完全な自動運転車はまだ普及していないが、一部の自動運転機能を備えた車両がすでに市販されている。間違いなく、自動運転は車両の安全性に対する新しい要求を提出している。車両が自動走行モードにある場合、車両の単回路給電システムが故障すると、自動運転システムは正常に動作できなくなり、自動運転モードにある自動車が制御を失う危険がある。そして、車両の単回路給電システムが故障する時、車両の安全モジュール(例えば、車体安定制御システムESC、電動パワーステアリングEPSなど)も無効となる。
【0026】
上記問題に対して、本開示は電源システム及び電気車両を提供する。本開示の電源システムは、並列接続されたDC-DC変換モジュール及び第1負荷を含む第1回路と、並列接続されたバッテリー及び第2負荷を含む第2回路と、並列接続されたDC-DC変換モジュール及び第1負荷の第2端子と並列接続されたバッテリー及び第2負荷の第2端子との間に直列に結合されたスイッチを含むスイッチユニットと、を含み、並列接続されたDC-DC変換モジュール及び第1負荷の第1端子は接地され、並列接続されたバッテリー及び第2負荷の第1端子は接地され、該スイッチをデフォルトでオン状態にすることで、該第2回路内のバッテリーを使用して車両を起動する。
【0027】
本開示の電源システムは、1つのバッテリーのみを使用して二重回路給電ネットワークを構成する。このような電源システムは、そのうちの1つの回路が無効となる場合に別の回路を使用して電力を提供し、それにより車両は走行を継続したり対応する緊急時の操作(例えば、走行速度の低下、緊急制動、路肩寄せ駐車など)を実行したりすることができ、車両の安全性を顕著に向上させる。このような電源システムは、従来の単回路給電ネットワークを改善することによって実現され、バッテリー又は他の部品を追加することなく、追加費用もかからず、構造が簡単である。また、このような設計は車両の重量などに影響を与えることなく、その後の車両の調整などの問題を引き起こすこともない。
【0028】
本開示の電源システムは、車両、船舶又は航空機などの交通手段に使用することができるが、これらに限定されない。説明を容易にするために、以下に車両を例として説明するが、当業者であれば、本開示の電源システムが電気負荷を備えた他の交通手段(例えば、船舶、航空機など)にも適用できると理解すべきである。本開示で開示される電源システムを使用することで、交通手段にバックアップ給電回路を提供することができ、交通手段(特に走行中)の安全性を大幅に向上させる。
【0029】
本開示の実施例で開示される上記の電源システムを含む電気車両は、純粋な電気車両、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー型自動車などであってもよいが、これらに限定されない。本開示で開示される電源システムを使用することで、電源システムに単回路故障が発生する時、別の回路を使用して給電することができ、その安全性を大幅に向上させる。
【0030】
本開示の幾つかの実施例によれば、本開示は電源システム10を提供する。
【0031】
図1を参照し、本開示の一実施例で開示される電源システム10の構成概略図を示す。図1に示すように、電源システム10は第1回路100、第2回路200及びスイッチユニット300を含んでもよい。第1回路100は並列接続されたDC-DC変換モジュール101及び第1負荷102を含んでもよい。並列接続されたDC-DC変換モジュール101及び第1負荷102の第1端子は接地される。第2回路200は並列接続されたバッテリー201及び第2負荷202を含んでもよい。並列接続されたバッテリー201及び第2負荷202の第1端子は接地される。更に図2を参照し、本開示の一実施例で開示されるスイッチユニット300の構成概略図を示す。図2に示すように、スイッチユニット300はスイッチ301を含んでもよい。スイッチ301はDC-DC変換モジュール101及び第1負荷102の第2端子とバッテリー201及び第2負荷202の第2端子との間に結合される。スイッチ301はデフォルトでオン状態である。
【0032】
一例の状況では、第1負荷102は主負荷(例えば、走行に関連する負荷)を含んでもよく、第2負荷202は安全負荷(例えば、車体安定制御システムESC(Electronic Stability Control)、電動パワーステアリングEPS(Electric Power Steering)など)を含んでもよい。該状況において、第1負荷102は自動運転ユニットを選択可能に含んでもよい。
【0033】
一例の状況では、第2負荷202は第1負荷102における一部の負荷の冗長性であり、即ち、第1負荷102は第2負荷202を含むだけでなく、第2負荷202以外の走行に関連する幾つかの他の負荷も含む。
【0034】
一例の状況では、DC-DC変換モジュール101の入力端は車両の動力電池に接続されてもよい。動力電池は高電圧電池であり、その電圧は380ボルトであってもよい。DC-DC変換モジュール101の出力電圧は10~20ボルトであってもよく、12ボルト、15ボルトなどを選択してもよい。従って、DC-DC変換モジュール101は、高電圧直流を低電圧直流に変換して第1回路100に電力を供給する。
【0035】
電源システム10の2つの回路がいずれも正常に動作する状態では、スイッチユニット300内のスイッチ301はデフォルトでオン状態である。スイッチ301がオンにされる時、バッテリー201によって第1負荷102及び第2負荷202に給電して車両を起動することができる。車両を起動した後、DC-DC変換モジュール101の入力端に接続された動力電池は作動し始まる。この時、DC-DC変換モジュール101の出力端の電圧がバッテリー201の電圧より大きいため、DC-DC変換モジュール101の出力端は第1負荷102及び第2負荷202に給電することができる。そして、この時にバッテリー201の容量が最大に達していない場合、DC-DC変換モジュール101の出力端はバッテリー201を充電することもできる。図1の矢印は、動力電池が作動し始まった後の電流の流れの模式図を示している。
【0036】
電源システム10内の第1回路100が故障する時、スイッチユニット300内のスイッチ301がオフになり、この時に第2回路200が通常に動作を継続し、即ちバッテリー201に結合された第2負荷202の通常な動作(例えば、安全負荷の通常な動作により、車両は、走行速度の低下、緊急制動、路肩寄せ駐車など、緊急時の安全操作を実行する)を確保する。電源システム10内の第2回路200が故障する時、スイッチユニット300内のスイッチ301がオフになり、この時に第1回路100が通常に動作を継続し、即ちDC-DC変換モジュール101に結合された第1負荷102が通常に動作する(例えば、走行に関連する負荷が通常に動作し、即ち車両が通常に走行する)。
【0037】
車両が自動運転モードにある場合、第1回路100及び第2回路200がいずれも故障しても、車両は自動運転モードを終了する。また、第1回路100又は第2回路200が故障する時、即ちスイッチ301がオフになる時、車両が自動運転モードに入ることができない。スイッチ301が再度オンになるまで、車両は自動運転モードに入ることができない。
【0038】
電源システム10は、1つのバッテリーのみを使用して二重回路構造を実現する。電源システム10は、そのうちの1つの回路が無効となる場合に別の回路を使用して電力を提供し、それにより車両は走行を継続したり対応する緊急時の操作を実行したりすることができ、車両の安全性を顕著に向上させる。電源システム10において、スイッチ301をデフォルトでオン状態にすることで、車両は第2回路200内のバッテリー201を起動電源として起動することができる。
【0039】
このような設計は、従来の車両の単一電源システムを改善することによって実現され、バッテリー又は他の部品を追加する必要がなく、追加費用もかからず、構造が簡単である。また、このような設計は車両の重量などに影響を与えることなく、その後の車両の調整などの問題を引き起こすこともない。
【0040】
本開示の幾つかの実施例によれば、選択可能に、スイッチユニット300は制御モジュール302及びセンサを更に含んでもよい。制御モジュール302は、センサから感知信号を受信することに応答してスイッチ301に制御信号を送信するように構成されてもよい。
【0041】
制御モジュール302はセンサに結合して信号(例えば、電流信号、電圧信号及び制御信号など)の伝送を実現する。制御モジュール302は、リアルタイム又は定期的に(例えば、5秒ごとに、10秒ごとに、30秒ごとになど)センサから感知信号を受信することができる。制御モジュール302は、センサから受信した感知信号が特定の条件を満たすと決定する場合にスイッチ301に制御信号を送信することができる。
【0042】
センサは、電源システム10内の各パラメータを検出することができる。制御モジュール302は、感知信号に基づいてスイッチユニット300内のスイッチを制御することができ、それにより電源システム10内の第1回路100又は第2回路200の故障時の様々な状況に対処する。
【0043】
本開示の幾つかの実施例によれば、選択可能に、図2と3を参照し、センサは、スイッチ301に直列に結合された電流センサ303を含んでもよく、制御モジュール302は、電流センサ303から電流値を受信し、受信した電流値が電流閾値より大きいと決定することに応答してスイッチ301にオフ信号を送信することで、スイッチ301をオフにするように構成されてもよい。
【0044】
電流センサ303はスイッチ301に直列に結合される。図2は、電流センサ303が第1回路100とスイッチ301との間に直列に結合されることを示しているが、当業者であれば、電流センサ303は、スイッチ301と第2回路200との間に直列に結合されてもよいと理解すべきである。
【0045】
電流センサ303は、第1回路100と第2回路200との間に流れる電流値を測定することで、第1回路100及び第2回路200の運転状態を検出することができる。選択可能な状況において、電流センサ303は、第1回路100と第2回路200との間に流れる電流値をリアルタイムで測定することができる。制御モジュール302は、リアルタイム又は定期的に(例えば、5秒ごとに、10秒ごとに、30秒ごとになど)電流センサ303から電流値を受信することができる。
【0046】
制御モジュール302は、電流センサ303により測定された第1回路100と第2回路200との間の電流値に基づいて電源システム10内の2つの回路の運転状態を判断し、該電流値が電流閾値より大きいと決定する場合にスイッチ301をオフにするように制御することで、電源システム10内の1つの回路は通常に動作を継続することができる。電流閾値は車両型式によって決定することができる。例えば、電流閾値は、定額動作電流の110~150%に設置され、120%、130%などが選択可能である。例えば、定額動作電流が200アンペアである時、電流閾値は240アンペア又は260アンペアなどであってもよい。例えば、制御モジュール302は、電流センサ303から受信した電流値が260アンペアより大きいと決定する時、スイッチ301にオフ信号を送信してスイッチ301をオフにすることができる。また、制御モジュール302は、電流センサ303から受信した電流値が260アンペアより小さいと決定する時、スイッチ301にオン信号を送信してスイッチ301をオンにすることができる。
【0047】
本開示の幾つかの実施例によれば、選択可能に、図2と3を参照し、センサは、スイッチ301に並列に結合された電圧センサ304を含んでもよく、制御モジュール302は、電圧センサ304から電圧値を受信し、受信した電圧値が電圧閾値より大きいと決定することに応答してスイッチ301にオフ信号を送信することで、スイッチ301をオフにするように構成されてもよい。
【0048】
電圧センサ304はスイッチ301に並列に結合される。図2は、電圧センサ304の一方端が第1回路100と電流センサ303との間に結合されることを示しているが、当業者であれば、電流センサ303は、電流センサ303とスイッチ301との間に直列に結合されてもよく、電圧センサ304の他方端も同様であると理解すべきである。
【0049】
電圧センサ304は、スイッチ301の両端(即ち、第1回路100と第2回路200との間)の電圧値を測定することで、第1回路100及び第2回路200の運転状態を検出することができる。選択可能な状況において、電圧センサ304は、スイッチ301の両端の電圧値をリアルタイムで測定することができる。制御モジュール302は、リアルタイム又は定期的に(例えば、5秒ごとに、10秒ごとに、30秒ごとになど)電圧センサ304から電圧値を受信することができる。
【0050】
制御モジュール302は、電圧センサ304により測定された第1回路100と第2回路200との間の電圧値に基づいて電源システム10内の2つの回路の運転状態を判断し、該電圧値の絶対値が電圧閾値より大きいと決定する場合(例えば、第1回路が通常に動作し、第2回路が電圧不足であるか、又は、第2回路が通常に動作し、第1回路が電圧不足であるなど)にスイッチ301をオフにするように制御することで、電源システム10内の1つの回路は通常に動作することができる。電圧閾値は車両型式によって決定することができる。例えば、電圧閾値は、定額電圧の絶対値の30~70%に設定され、50%、60%などが選択可能である。例えば、定額電圧が12ボルトである時、電圧閾値は6ボルトなどであってもよい。例えば、制御モジュール302は、電圧センサ304から受信した電圧値の絶対値が6ボルトより大きいと決定する時、スイッチ301にオフ信号を送信してスイッチ301をオフにすることができる。また、制御モジュール302は、電圧センサ304から受信した電圧値の絶対値が6ボルトより小さいと決定する時、スイッチ301にオン信号を送信してスイッチ301をオンにすることができる。
【0051】
本開示の幾つかの実施例によれば、選択可能に、スイッチユニットは、制御モジュール302に結合されたタイマー(図示せず)を更に含んでもよく、該制御モジュール302は、受信した電圧値が電圧閾値より大きいと決定する時、タイマーを起動するように更に構成されてもよい。制御モジュール302は、受信した電圧値が電圧閾値よりも大きい状態での持続時間が持続時間閾値より大きいと決定する時、スイッチ301にオフ信号を送信してスイッチ301をオフにする。制御モジュール302は、受信した電圧値が電圧閾値よりも大きい状態での持続時間が持続時間閾値より小さいと決定する時、処理しない。
【0052】
タイマーは、電圧値が電圧閾値より大きい時に起動して電圧値が電圧閾値より大きい状態での持続時間を決定することができる。持続時間が持続時間閾値より大きい時、制御モジュール302は、スイッチ301にオフ信号を送信してスイッチ301をオフにすることができる。持続時間閾値が切れる前に電圧値が電圧閾値未満に回復した場合、処理しない。持続時間閾値は0.5~2.5秒であってもよく、車両型式によって決定することができる。
【0053】
車両走行中に高出力デバイスが突然オンになると、電圧値を一時的に低下させる可能性がある。高出力デバイスが正常に起動した後、電圧が回復する。タイマーを使用することにより、高出力デバイスを突然オンにすることによって引き起こされる電圧の突然変化によってスイッチ301がオフになることを防止することができる。該状況において、スイッチをオフにすることは必須ではない。また、スイッチをオフにすると、高出力デバイスの通常な起動にも影響を与える可能性がある。タイマーを使用することで、これらの状況を回避することができる。
【0054】
本開示の幾つかの実施例によれば、選択可能に、図2と5を参照し、制御モジュール302は、スイッチ301にオフ信号を送信した後、車両全体コントローラにスイッチをオフにすることを報告するように構成されてもよい。
【0055】
車両全体コントローラがスイッチオフ報告を受信した後、車両が自動運転モードにある場合、自動運転モードを終了する。第1回路100が故障する時、スイッチ301がオフになり、第2回路200が通常に動作を継続し、車両は、第2回路200内のバッテリー201により、緊急時の安全操作(例えば、走行速度の低下、緊急制動、路肩寄せ駐車など)を実行することができる。任意の場合において、第1回路100が故障する時、スイッチ301がオフになり、バッテリー201は、緊急時の安全操作を完了するために一定期間内(例えば、3分間以内)に車両を支持することができる。第2回路200が故障する時、スイッチ301がオフになり、第1回路100が通常に動作を継続し、車両は、動力電池及びDC-DC変換モジュール101により走行を継続することができる。車両はスイッチ301がオフになる場合に走行を継続する時、車両全体コントローラは、車両はスイッチ301がオフになった場合に自動運転モードに入ることを防ぎ、発生可能な危険状況を回避するために、車両が自動運転モードに入ることを制限することができる。車両全体コントローラは、スイッチオン報告を受信した後、車両が自動運転モードに入ることを許可することができる。
【0056】
本開示の幾つかの実施例によれば、選択可能に、図2を参照し、スイッチユニット300は、スイッチ301に直列に結合された温度センサ305を含んでもよく、制御モジュール302は、温度センサ305から温度値を受信し、受信した温度値が温度閾値より大きいと決定することに応答してスイッチユニット300(例えば、スイッチ301)が無効となると決定するように更に構成されてもよい。
【0057】
温度センサ305はスイッチ301に直列に結合され、スイッチユニット300(又はスイッチ301)の温度値を測定することで、スイッチユニット300(又はスイッチ301)の状態を検出することができる。図2は、温度センサ305がスイッチ301と第2回路200との間に直列に結合されることを示しているが、当業者であれば、温度センサ305は、第1回路100とスイッチ301との間に直列に結合されてもよいと理解すべきである。注意すべきことは、本開示は、上記のスイッチ301、電流センサ303、温度センサ305の位置を限定せず、この3つの要素は、任意の順位で第1回路100と第2回路200との間に直列接続されてもよい。任意の場合において、温度センサ305はスイッチに隣接してスイッチの温度を正確に検出する。
【0058】
制御モジュール302は、リアルタイム又は定期的に(例えば、5秒ごとに、10秒ごとに、30秒ごとになど)温度センサ305から温度値を受信することができる。制御モジュール302は、温度センサ305により測定されたスイッチユニット(又はスイッチ)の温度に基づいてスイッチの状態が通常状態又は無効状態であるかを判断することができる。温度閾値は車両型式によって決定することができる。例えば、電圧閾値は、40~80℃に設置され、50℃、60℃などが選択可能である。例えば、制御モジュール302は、温度センサ305から受信した温度値が60℃より大きいと決定する時、スイッチユニット300(例えば、スイッチ301)が無効となると決定することができる。また、制御モジュール302は、温度センサ305から受信した温度値が60℃より小さいと決定する時、スイッチが有効であると決定することができる。
【0059】
本開示の幾つかの実施例によれば、選択可能に、図2を参照し、制御モジュール302は、スイッチユニット300(例えば、スイッチ301)が無効信号であると決定した後、車両全体コントローラにスイッチユニット300(例えば、スイッチ301)が無効となることを報告するように構成されてもよい。
【0060】
車両全体コントローラがスイッチ無効報告を受信した後、車両が自動運転モードにある場合、自動運転モードを終了する。車両が自動運転モードにあっていない場合、車両全体コントローラは、車両がスイッチ無効の場合に自動運転モードに入ることを防ぎ、発生可能な危険状況を回避するために、車両が自動運転モードに入ることを制限することができる。車両全体コントローラは、スイッチ有効報告を受信した後、車両が自動運転モードに入ることを許可することができる。
【0061】
制御モジュール302は、車両全体コントローラにスイッチが無効となるか否かを報告し、それにより車両全体コントローラは該報告に基づいて対応する操作を行うことができる。
【0062】
選択可能に、制御モジュール302は、車両全体コントローラにスイッチの状態及び/又は電源システムの状態を報告し、それにより車両全体コントローラは該報告に基づいて対応する操作を行うことができる。
【0063】
本開示の幾つかの実施例によれば、本開示は、上記の実施例における電源システムを含む電気車両を提供する。
【0064】
本開示の幾つかの実施例によれば、図5を参照し、選択可能に、該電気車両は、制御モジュール302からスイッチのオフ信号又は無効信号を受信することに応答して自動運転モードを終了するように構成されることができる車両全体コントローラを含んでもよい。
【0065】
車両全体コントローラがスイッチオフ報告を受信した後、車両が自動運転モードにある場合、自動運転モードを終了する。第1回路100が故障する時、スイッチ301がオフになり、第2回路200が通常に動作を継続し、車両は、第2回路内のバッテリー201により緊急時の安全操作(例えば、走行速度の低下、緊急制動、路肩寄せ駐車など)を実行することができる。任意の場合において、第1回路100が故障する時、スイッチ301がオフになり、バッテリー201は、緊急時の安全操作を完了するために一定期間内(例えば、3分間以内)に車両を支持することができる。第2回路200が故障する時、スイッチ301がオフになり、第1回路100が通常に動作を継続し、車両は、動力電池及びDC-DC変換モジュール101により走行を継続することができる。車両はスイッチ301がオフになる場合に走行を継続する時、車両全体コントローラは、車両はスイッチ301がオフになった場合に自動運転モードに入ることを防ぎ、発生可能な危険状況を回避するために、車両が自動運転モードに入ることを制限することができる。車両全体コントローラは、スイッチオン報告を受信した後、車両が自動運転モードに入ることを許可することができる。
【0066】
車両全体コントローラがスイッチ無効報告を受信した後、車両が自動運転モードにある場合、自動運転モードを終了する。車両が自動運転モードにあっていない場合、車両全体コントローラは、車両はスイッチが無効になった場合に自動運転モードに入ることを防ぎ、発生可能な危険状況を回避するために、車両が自動運転モードに入ることを制限することができる。車両全体コントローラは、スイッチ有効報告を受信した後、車両が自動運転モードに入ることを許可することができる。
【0067】
車両走行の安全性を確保するために、該車両全体コントローラは、制御モジュール302からスイッチ状態信号を取得し、スイッチ状態信号に基づいて対応する操作を実行することができる。
【0068】
選択可能な実施例1
【0069】
本開示の幾つかの実施例によれば、図1図2を参照し、本開示は、電源システム10を提供する。電源システム10は、第1回路100、第2回路200及びスイッチユニット300を含む。
【0070】
第1回路100は、並列接続されたDC-DC変換モジュール101及び第1負荷102を含んでもよい。並列接続されたDC-DC変換モジュール101及び第1負荷102の第1端子は接地される。
【0071】
第2回路200は、並列接続されたバッテリー201及び第2負荷202を含んでもよい。並列接続されたバッテリー201及び第2負荷202の第1端子は接地される。
【0072】
スイッチユニット300は、第1回路100と第2回路200との間に結合されたスイッチ301及び制御モジュール302を含む。制御モジュール302は、スイッチ301に結合されてスイッチ301のオフ又はオンを制御する。スイッチユニット300は、電流センサ303、電圧センサ304、及び/又は温度センサ305を更に含んでもよい。スイッチユニット300は、電流センサ303、電圧センサ304、及び/又は温度センサ305を更に含んでもよい。電流センサ303及び/又は温度センサ305は、第1回路100と第2回路200との間に結合され、スイッチ301に直列接続されてもよい。図2は、電流センサ303が第1回路100とスイッチ301との間に直列に結合され、温度センサ305がスイッチ301と第2回路200との間に直列に結合されることを示しているが、当業者であれば、温度センサ305が第1回路100とスイッチ301との間に直列に結合されてもよく、電流センサ303がスイッチ301と第2回路200との間に直列に結合されてもよいと理解すべきである。即ち、本開示は、スイッチ301、電流センサ303、温度センサ305の位置を限定せず、この3つの要素は、任意の順序で第1回路100と第2回路200との間に直列接続されてもよい。選択可能に、温度センサ305はスイッチに隣接してもよい。電圧センサ304は、スイッチ301の両端に並列に結合されてもよい。代替的に、電圧センサ304は、スイッチ、及び/又は電流センサ303、温度センサ305のうちの何れか1つに並列に結合されてもよい。制御モジュール302は、電流センサ303、電圧センサ304、及び/又は温度センサ305に結合してこれらのセンサとの信号(例えば、感知信号、制御信号等)伝送を実現することができる。
【0073】
幾つかの場合において、図3を参照し、制御モジュール302は、電流センサ303から受信した電流値が電流閾値(例えば、260アンペア)より大きいと決定することに応答するか、又は電圧センサ304から受信した電圧値の絶対値が電圧閾値(例えば、6ボルト)より大きいと決定することに応答してスイッチ301にオフ信号を送信することで、スイッチ301をオフにするように構成されてもよい。また、制御モジュール302は、電流センサ303から受信した電流値が電流閾値(例えば、260アンペア)より小さいと決定することに応答するか、又は電圧センサ304から受信した電圧値の絶対値が電圧閾値(例えば、6ボルト)より小さいと決定することに応答してスイッチ301にオン信号を送信することで、スイッチ301をオンにするように構成されてもよい。
【0074】
幾つかの場合において、図4を参照し、例えば、制御モジュール302は、温度センサ305から受信した温度値が温度閾値(例えば、60℃)より大きいと決定することに応答してスイッチユニット300(例えば、スイッチ301)が無効となると決定するように構成されてもよい。また、制御モジュール302は、温度センサ305から受信した温度値が温度閾値(例えば、60℃)より小さいと決定することに応答してスイッチユニット300(例えば、スイッチ301)が有効であると決定するように構成されてもよい。
【0075】
任意の場合において、スイッチ301がオフになった後、制御モジュール302は、電流値が電流閾値より小さく、電圧値の絶対値が電圧閾値より小さく、温度値が温度閾値より小さい場合にのみ、スイッチ301にオン信号を送信してスイッチ301をオンにすることができる。
【0076】
選択可能な実施例2
【0077】
本開示の幾つかの実施例によれば、本開示は、上記の実施例における電源システムを含む電気車両を提供する。該電気車両は、任意選択的に、車両全体コントローラを含んでもよい。
【0078】
幾つかの場合において、図5を参照し、車両全体コントローラがスイッチオフ報告を受信した後、車両が自動運転モードにある場合、自動運転モードを終了する。第1回路100が故障する時、スイッチ301がオフになり、第2回路200が通常に動作を継続し、車両は、第2回路内のバッテリー201により緊急時の安全操作(例えば、走行速度の低下、緊急制動、路肩寄せ駐車など)を実行することができる。任意の場合において、第1回路100が故障する時、スイッチ301がオフになり、バッテリー201は、緊急時の安全操作を完了するために一定期間内(例えば、3分間以内)に車両を支持することができる。第2回路200が故障する時、スイッチ301がオフになり、第1回路100が通常に動作を継続し、車両は、動力電池及びDC-DC変換モジュールにより走行を継続することができる。車両はスイッチ301がオフになる場合に走行を継続する時、車両全体コントローラは、車両はスイッチ301がオフになった場合に自動運転モードに入ることを防ぎ、発生可能な危険状況を回避するために、車両が自動運転モードに入ることを制限することができる。車両全体コントローラは、スイッチオン報告を受信した後、車両が自動運転モードに入ることを許可することができる。
【0079】
幾つかの場合において、車両全体コントローラがスイッチ無効報告を受信した後、車両が自動運転モードにある場合、自動運転モードを終了する。車両が自動運転モードにあっていない場合、車両全体コントローラは、車両がスイッチ無効の場合に自動運転モードに入ることを防ぎ、発生可能な危険状況を回避するために、車両が自動運転モードに入ることを制限することができる。車両全体コントローラは、スイッチ有効報告を受信した後、車両が自動運転モードに入ることを許可することができる。
【0080】
任意の場合において、スイッチ301がオフになった後、制御モジュール302は、スイッチオン報告を受信し、スイッチ有効報告を受信した後に車両が自動運転モードに入ることを許可することができる。
【0081】
本開示で開示された「範囲」は、下限と上限の形で限定され、所定範囲は、下限と上限の選択によって限定され、選択された下限と上限は、特別な範囲の境界が限定されている。このような方法で限定される範囲は、境界値を含んでもよいが、含まなくてもよく、任意に組み合わせることができ、即ち、任意の下限と任意の上限を組み合わせて1つの範囲を形成することができる。本開示において、他の説明がない限り、数値範囲「a~b」は、aとbとの間の任意の実数の組み合わせの略語を表し、ここでaとbの両方とも実数である。
【0082】
本開示において、別段の説明がない限り、本開示で言及されたすべての実施形態及び好ましい実施形態は、互いに組み合わせて新しい技術的解決手段を形成することができる。
【0083】
本開示において、別段の説明がない限り、本開示で言及されたすべての技術的特徴及び好ましい特徴は、互いに組み合わせて新しい技術的解決手段を形成することができる。選択可能な実施例を参照し、本開示を説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な改善を行い、同等物でその中の部品を置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及された各技術的特徴はいずれも、任意の方式によって組み合わせることができる。本開示は、明細書で開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内のすべての技術的解決手段が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0084】
図面において、図面は実際のスケールで描かれていない。
10:電源システム
100:第1回路
101:DC-DC変換モジュール
102:第1負荷
200:第2回路
201:バッテリー
202:第2負荷
300:スイッチユニット
301:スイッチ
302:制御モジュール
303:電流センサ
304:電圧センサ
305:温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5