(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置、サセプタ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240822BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20240822BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240822BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240822BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/51
A24F40/20
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2022571738
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2021095820
(87)【国際公開番号】W WO2021238922
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】202010451178.3
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010804879.0
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】唐暁峰
(72)【発明者】
【氏名】朱賽勝
(72)【発明者】
【氏名】戚祖強
(72)【発明者】
【氏名】雷宝霊
(72)【発明者】
【氏名】羅家懋
(72)【発明者】
【氏名】呉涛
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-134701(JP,A)
【文献】国際公開第2019/199010(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第4133956(EP,A1)
【文献】国際公開第2015/177044(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/220558(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109805446(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109077361(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙可能材料を加熱してエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
喫煙可能材料を受け入れるためのキャビティと、
変化する磁場を発生するように構成される磁場発生器と、
変化する磁場により貫通されて発熱し、さらに前記キャビティ内に受け入れられた喫煙可能材料を加熱するように構成され、長さ方向に延在する収容キャビティが設けられるサセプタと、
前記サセプタの温度を検知するために用いられ、前記収容キャビティ内に収容又は封入される温度センサと、を含
み、
前記サセプタは前記キャビティの軸方向に延在するシート状に構成され、且つ厚さ方向に対向する第1シート状体と第2シート状体を含み、
前記第1シート状体と第2シート状体とが接続されて前記収容キャビティを形成する、ことを特徴とする、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記第1シート状体は、前記キャビティの軸方向に平でまっすぐに延在する第1部分、及び前記第1部分の少なくとも一部から厚さ方向に沿って外向きに突出して形成される第2部分を含み、
前記第1シート状体の第2部分と前記第2シート状体との間には前記収容キャビティが形成されることを特徴とする、
請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記第1シート状体は前記第1部分から幅方向に沿って外向きに延出する第3部分をさらに含むことで、該第3部分によって前記サセプタを支持又は保持することを特徴とする、
請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記キャビティは喫煙可能材料を取り除き可能に受け入れる開放端を有し、
前記第2部分の少なくとも一部は第1部分に対する突出高さが前記開放端に近づく方向に漸減することを特徴とする、
請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第1シート状体の第3部分の少なくとも一部は厚さ方向に他の部分よりも突出することを特徴とする、
請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記第2部分は横断面が略三角形又は円弧形であるように構成されることを特徴とする、
請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第2シート状体は、前記キャビティの軸方向に平でまっすぐに延在する第4部分、及び前記第4部分の少なくとも一部から厚さ方向に沿って外向きに突出して形成される第5部分を含み、
前記第5部分と第2部分は対向して設けられ、前記第5部分と第2部分との間には前記収容キャビティが形成されることを特徴とする、
請求項2~6のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記温度センサは少なくとも一部が前記収容キャビティ内から前記サセプタ外まで貫通する導電接続部をさらに含み、さらに使用中に該導電接続部によって前記温度センサで検知された温度を受信することができることを特徴とする、
請求項2~6のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記第1シート状体の第2部分は扁平なシート状金属又は板金材料から打ち抜き形成されることを特徴とする、
請求項2~6のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記キャビティは喫煙可能材料を取り除き可能に受け入れる開放端を有し、
前記収容キャビティの少なくとも一部は前記開放端に近づく方向に横断面積が漸減するテーパ領域として構成され、前記温度センサは前記テーパ領域に収容又は封入されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記サセプタは厚さ方向に反対する第1表面と第2表面を含み、前記第1表面と第2表面は平坦な表面であり、
前記収容キャビティは前記第1表面と前記第2表面との間にあることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記サセプタは厚さ方向に対向する第1シート状部分と第2シート状部分を含み、前記第1シート状部分と第2シート状部分との間には前記収容キャビティが区画形成されることを特徴とする、
請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記第1シート状部分と第2シート状部分はシート状体を軸線回りに2つ折りにして形成されることを特徴とする、
請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記第1シート状部分と第2シート状部分は前記軸線に対して軸対称となることを特徴とする、
請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記シート状体は化学エッチングによって製造されることを特徴とする、
請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記シート状体は前記軸線に沿って配置される窪みを含むことを特徴とする、
請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記第1シート状部分の厚さ方向に沿った外面は前記第1表面を形成し、前記第2シート状部分の厚さ方向に沿った外面は前記第2表面を形成し、
前記収容キャビティは前記第1シート状部分の厚さ方向に沿った内面と前記第2シート状部分の厚さ方向に沿った内面との間に形成されることを特徴とする、
請求項12~16のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
前記収容キャビティは前記第1シート状部分の厚さ方向に沿った内面上で延在する第1凹溝を含み、
及び/又は、前記収容キャビティは前記第2シート状部分の厚さ方向に沿った内面上で延在する第2凹溝を含むことを特徴とする、
請求項17に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
前記第1シート状部分及び/又は第2シート状部分は幅方向に沿って外向きに延出するベース部分をさらに含むことで、該ベース部分によって前記サセプタを支持又は保持することを特徴とする、
請求項12~16のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項20】
前記温度センサは異なる材質の第1熱電対素線と第2熱電対素線を含むことを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項21】
変化する磁場により貫通されて発熱し、さらに喫煙可能材料を加熱するように構成されるエアロゾル発生装置用サセプタであって、前記サセプタはシート状に構成され、前記サセプタは長さ方向に延在する収容キャビティを含み、前記収容キャビティは前記サセプタの温度を検知するための温度センサを収容又は封入するように構成され、
前記サセプタは厚さ方向に対向する第1シート状体と第2シート状体を含み、前記第1シート状体と第2シート状体とが接続されて前記収容キャビティを形成する、ことを特徴とする、エアロゾル発生装置用サセプタ。
【請求項22】
前記サセプタは厚さ方向に反対する第1表面と第2表面を含み、前記第1表面と第2表面は平坦な表面であり、前記収容キャビティは前記第1表面と前記第2表面との間にあることを特徴とする、
請求項21に記載のサセプタ。
【請求項23】
変化する磁場により貫通されて発熱し、さらに喫煙可能材料を加熱するように構成されるエアロゾル発生装置用サセプタの製造方法であって、
厚さ方向に対向する第1シート状体と第2シート状体を用意し、前記第1シート状体と第2シート状体との間に長さ方向に延在する収容キャビティを形成するステップと、前記サセプタの温度を検知するための温度センサを前記収容キャビティ内に収容又は封入するステップと、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置用サセプタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年5月25日に中国特許局に出願した出願番号202010451178.3で、発明の名称「エアロゾル発生装置、サセプタ及び製造方法」の中国特許出願の優先権を主張し、また、本願は、2020年8月12日に中国特許局に出願した出願番号202010804879.0で、発明の名称「エアロゾル発生装置及びサセプタ」の中国特許出願の優先権も主張し、それらが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、加熱式非燃焼型電子タバコの技術分野に関し、特に、エアロゾル発生装置、サセプタ及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
タバコ製品(例えば、紙巻タバコ、葉巻タバコ等)は使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を発生させるものである。タバコを燃焼させるこれらの製品の代替として、燃焼せずに化合物を放出する製品を製造する試みが行われている。
このような製品の例としては、材料を燃焼させることなく加熱することで化合物を放出する加熱装置がある。例えば、該材料はタバコ又は他の非タバコ製品であってもよく、これらの非タバコ製品はニコチンを含有してもしなくてもよい。別の例として、従来技術では電磁誘導加熱式の加熱装置が提案されており、その構造は
図1に示される。タバコ製品1が加熱装置内に受け入れられると、サセプタ2が誘導コイル3による交番磁場により貫通されることで誘導発熱し、さらにタバコ製品1を加熱する。加熱中にタバコ製品1を加熱する温度のリアルタイム監視を容易にするために、加熱装置はサセプタ2に密着する温度センサ4によりサセプタ2のリアルタイム動作温度を検知し、温度センサ4の検知結果に基づいて誘導コイル3による交番磁場のパラメータを調整し、サセプタ2を適切な加熱温度範囲にする。
【0004】
以上の温度センサ4の温度検出の実施にあたって、温度センサ4自体は、一般的にサーミスタ金属材で製造されるため、交番磁場において自ら熱を発生する一方、金属材で製造される温度センサ4及びサセプタ2はそれぞれ誘導電流を発生することにより、温度センサ4から出力される検知信号に影響が及ぼされ、検知信号の正確性が影響される。
【発明の概要】
【0005】
本願は、従来技術におけるエアロゾル発生装置の温度監視の正確性の問題を解決するために、エアロゾル発生装置、サセプタ及び製造方法を提供する。
【0006】
本願は、喫煙可能材料を加熱してエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
喫煙可能材料を受け入れるためのキャビティと、
変化する磁場を発生するように構成される磁場発生器と、
変化する磁場により貫通されて発熱し、さらに前記キャビティ内に受け入れられた喫煙可能材料を加熱するように構成され、長さ方向に延在する収容キャビティが設けられるサセプタと、
前記サセプタの温度を検知するために用いられ、前記収容キャビティ内に収容又は封入される温度センサと、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置を提供する。
【0007】
さらに、前記サセプタは前記キャビティの軸方向に延在するシート状に構成され、且つ厚さ方向に対向する第1シート状体と第2シート状体を含み、
前記第1シート状体と第2シート状体とが接続されて前記収容キャビティを形成する。
【0008】
さらに、前記第1シート状体は前記キャビティの軸方向に平でまっすぐにに延在する第1部分、及び前記第1部分の少なくとも一部から厚さ方向に沿って外向きに突出して形成される第2部分を含み、
前記第1シート状体の第2部分と前記第2シート状体との間には前記収容キャビティが形成される。
【0009】
さらに、前記第1シート状体は前記第1部分から幅方向に沿って外向きに延出する第3部分をさらに含むことで、該第3部分によって前記サセプタを支持又は保持する。
【0010】
さらに、前記キャビティは喫煙可能材料を取り除き可能に受け入れる開放端を有し、
前記第2部分の少なくとも一部は第1部分に対する突出高さが前記開放端に近づく方向に漸減する。
【0011】
さらに、前記第1シート状体の第3部分の少なくとも一部は厚さ方向に他の部分よりも突出する。
【0012】
さらに、前記第2部分は横断面が略三角形又は円弧形であるように構成される。
【0013】
さらに、前記第2シート状体は、前記キャビティの軸方向に平でまっすぐにに延在する第4部分、及び前記第4部分の少なくとも一部から厚さ方向に沿って外向きに突出して形成される第5部分を含み、
前記第5部分と第2部分は対向して設けられ、前記第5部分と第2部分との間には前記収容キャビティが形成される。
【0014】
さらに、前記温度センサは少なくとも一部が前記収容キャビティ内から前記サセプタ外まで貫通する導電接続部をさらに含み、さらに使用中に該導電接続部によって前記温度センサで検知された温度を受信することができる。
【0015】
さらに、前記第1シート状体の第2部分は扁平なシート状金属又は板金材料から打ち抜き形成される。
【0016】
さらに、前記キャビティは喫煙可能材料を取り除き可能に受け入れる開放端を有し、
前記収容キャビティの少なくとも一部は前記開放端に近づく方向に横断面積が漸減するテーパ領域として構成され、前記温度センサは前記テーパ領域に収容又は封入される。
【0017】
さらに、前記サセプタは前記キャビティの軸方向に延在するシート状に構成され、且つ厚さ方向に反対する第1表面と第2表面を含み、前記第1表面と第2表面は平坦な表面であり、
前記収容キャビティは前記第1表面と前記第2表面との間にある。
【0018】
さらに、前記サセプタは厚さ方向に対向する第1シート状部分と第2シート状部分を含み、前記第1シート状部分と第2シート状部分との間には前記収容キャビティが区画形成される。
【0019】
さらに、前記第1シート状部分と第2シート状部分はシート状体を軸線回りに2つ折りにして形成される。
【0020】
さらに、前記第1シート状部分と第2シート状部分は前記軸線に対して軸対称となる。
【0021】
さらに、前記シート状体は化学エッチングによって製造される。
【0022】
さらに、前記シート状体は前記軸線に沿って配置される窪みを含む。
【0023】
さらに、前記第1シート状部分の厚さ方向に沿った外面は前記第1表面を形成し、前記第2シート状部分の厚さ方向に沿った外面は前記第2表面を形成し、
前記収容キャビティは前記第1シート状部分の厚さ方向に沿った内面と前記第2シート状部分の厚さ方向に沿った内面との間に形成される。
【0024】
さらに、前記収容キャビティは前記第1シート状部分の厚さ方向に沿った内面上で延在する第1凹溝を含み、
及び/又は、前記収容キャビティは前記第2シート状部分の厚さ方向に沿った内面上で延在する第2凹溝を含む。
【0025】
さらに、前記第1シート状部分及び/又は第2シート状部分は幅方向に沿って外向きに延出するベース部分をさらに含むことで、該ベース部分によって前記サセプタを支持又は保持する。
【0026】
さらに、前記温度センサは異なる材質の第1熱電対素線と第2熱電対素線を含む。
【0027】
本願は、変化する磁場により貫通されて発熱し、さらに喫煙可能材料を加熱するように構成されるエアロゾル発生装置用サセプタであって、前記サセプタはシート状に構成され、前記サセプタは長さ方向に延在する収容キャビティを含み、前記収容キャビティは前記サセプタの温度を検知するための温度センサを収容又は封入するように構成されることを特徴とする、エアロゾル発生装置用サセプタをさらに提供する。
【0028】
さらに、前記サセプタは厚さ方向に反対する第1表面と第2表面を含み、前記第1表面と第2表面は平坦な表面であり、前記収容キャビティは前記第1表面と前記第2表面との間にある。
【0029】
さらに、前記サセプタは厚さ方向に対向する第1シート状体と第2シート状体を含み、前記第1シート状体と第2シート状体とが接続されて前記収容キャビティを形成する。
【0030】
本願は、変化する磁場により貫通されて発熱し、さらに喫煙可能材料を加熱するように構成されるエアロゾル発生装置用サセプタの製造方法であって、
厚さ方向に対向する第1シート状体と第2シート状体を用意し、前記第1シート状体と第2シート状体との間に長さ方向に延在する収容キャビティを形成するステップと、前記サセプタの温度を検知する温度センサを前記収容キャビティ内に収容又は封入するステップと、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置用サセプタの製造方法をさらに提供する。
【0031】
本願の上記エアロゾル発生装置、サセプタ及び製造方法では、温度センサをサセプタ内に封入又は収容することで、検知部に対する磁場の影響をほぼ遮断できる一方、サセプタと温度センサを一体化して、装着の安定性と温度監視の正確性を高めることができるとともに、全体の交換及び装着も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
1つ又は複数の実施例についてはそれに対応する図面中の図によって例示的に説明するが、これらの例示的説明は実施例を限定するものではなく、図面において同じ参照用数字符号を付けた素子は類似的な素子であることを示し、特に断らない限り、図面中の図は比例を制限するものではない。
【
図1】従来の電磁誘導加熱式の加熱装置の構造模式図である。
【
図2】本願の一実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図である。
【
図3】
図2中のサセプタの一視角での構造模式図である。
【
図4】
図3中のサセプタの組み立て前の各部分の分解模式図である。
【
図8】一実施例で提供されるサセプタの製造方法の模式図である。
【
図9】本願の別の実施例で提供されるエアロゾル発生装置内のサセプタの構造模式図である。
【
図10】一実施例のサセプタ製造プロセスにおいてシート状基材にエッチングによりサセプタ前駆体を形成する模式図である。
【
図12】サセプタ前駆体内に温度センサを配置した後に折り返してサセプタを形成する模式図である。
【
図13】さらなる実施例で提供されるサセプタ前駆体の構造模式図である。
【
図14】さらなる実施例で提供されるサセプタ前駆体の構造模式図である。
【
図15】別の実施例によるサセプタ製造中にシート状基材上にエッチングマスクを被覆する模式図である。
【
図16】別の実施例においてエッチング後に熱電対を溶接して製造されるサセプタの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願の理解を容易にするために、以下において図面及び実施形態を参照しながら、本願をさらに詳しく説明する。
実施例1
【0034】
本願の実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造は、
図2に示すように、
タバコ等の喫煙可能材料Aが取り除き可能に受け入れられるキャビティと、
交番電流で交番磁場を発生するための磁場発生器である誘導コイルLと、
少なくとも一部がキャビティ内で延在し、且つインダクタコイルLと誘導結合し、交番磁場により貫通されて発熱し、さらに喫煙可能材料Aを加熱することで、喫煙可能材料Aの少なくとも1つの成分を揮発させ、喫煙に供するエアロゾルを形成するように構成されるサセプタ30と、
直流電圧と直流電流を供給できる充電可能な直流電池コア10と、
充電可能な電池コア10に電気的に接続され、電池コア10から出力される直流を適切な周波数の交流に変換してインダクタコイルLに供給する回路20と、を含む。
【0035】
製品の使用における設定に応じて、インダクタコイルLは、
図2に示すように、螺旋状に巻かれた円筒形の誘導コイルを含んでもよい。螺旋状に巻かれた円筒形のインダクタコイルLの半径rは、約5mm~約10mmの範囲とし得るが、特に半径rは約7mmとし得る。螺旋状に巻かれた円筒形のインダクタコイルLの長さは、約8mm~約14mmの範囲とし得る。インダクタコイルLの巻き数は約8巻き~15巻きの範囲とする。したがって、内部体積は約0.15cm
3~約1.10cm
3の範囲とし得る。
【0036】
より好ましい実施において、回路20がインダクタコイルLに供給する交番電流の周波数は80KHz~400KHzの範囲であり、より具体的に、前記周波数は約200KHz~300KHzの範囲とし得る。
【0037】
好ましい一実施例において、電池コア10が提供する直流電源電圧は約2.5V~約9.0Vの範囲内であり、電池コア10が提供可能な直流電流のアンペア数は約2.5A~約20Aの範囲内である。
【0038】
好ましい実施例において、
図2中のサセプタ30は適切な透磁性を有する金属又は合金材料で製造されることで、使用時に磁場によって誘導発熱して、受け入れられた喫煙可能材料Aを加熱し、喫煙に供するエアロゾルを発生させることができる。これらのサセプタ30は、ステンレス鋼等級420(SS420)製、及び鉄・ニッケル含有の合金材料(例えばJ85/J66パーマロイ合金)製とし得る。
【0039】
図2に示される実施例において、エアロゾル発生装置は、インダクタコイルLの配置及びサセプタ30の装着のための管状ホルダ40をさらに含み、該管状ホルダ40の材質は、PEEK又はセラミクス等の耐高温の非金属材を含んでもよい。実施において、インダクタコイルLは螺旋巻きの方式で管状ホルダ40の外壁に配置され、管状ホルダ40の少なくとも一部を内部中空として、喫煙可能材料Aを受け入れるためのキャビティを形成する。
【0040】
さらに、
図3と
図4に示すように、サセプタ30のシート状構造は、第1端31と第2端32を有する。第1端31は喫煙可能材料Aを受け入れるためのキャビティの開放口に対応し、使用時、第1端31は、開放端を介してキャビティ内に受け入れられた喫煙可能材料Aに挿入しやすいように、自由端として先端形状に構成される。第2端32は、装着・接続用の端部として、サセプタ30を装置内に安定的に保持し及び取り付け固定するように、管状ホルダ40を介して支持を提供するために用いられる。
【0041】
より好ましい実施において、サセプタ30の構造は、厚さ方向に対向する第1シート状体310と第2シート状体320からなり、具体的に、
第1シート状体310は、平らかな第1部分311、第1部分311から厚さ方向に沿って外向きに突出して形成される第2部分312、及び第1部分311の第2端32に近い少なくとも一部から幅方向に延出する第3部分313を含む。
対応する第2シート状体320の形状は第1シート状体310に近似し、同様に、平らかな第4部分321、第4部分321から厚さ方向に沿って外向きに突出して形成される第5部分322、及び第4部分321の第2端32に近い少なくとも一部から幅方向に延出する第6部分323を含む。
第1シート状体310と第2シート状体320を組み合わせた後、それらの間に温度センサ340を収容及び封入するための収容キャビティ330が形成される。具体的には、収容キャビティ330は、第1シート状体310の第2部分312から形成される第1凹構造331、及び第2シート状体320の第5部分322の第2凹構造332からなる。
【0042】
組み立ての際に、温度センサ340の検知部分341は収容キャビティ330内に収容及び封入され、接着剤充填等の方式によって封入及び固定することができる。また、温度センサ340の電気接続部分342は、収容キャビティ330内から第2端32を貫通してサセプタ30外まで至る細長いピンの形態に設計されるため、回路20との接続が容易になり、これにより回路20は電気接続部分342を介して検知部分341の検知信号を受信することができる。使用時、温度センサ40は磁場がほぼ遮蔽された収容キャビティ330内に封入され、且つ検知部分341は第1シート状体310及び/又は第2シート状体320に密接に当接するため、磁場の干渉を回避しつつ、サセプタ30の温度を安定的に又は正確に検出することができる。
【0043】
代替的な実施において、温度センサ340は、抵抗の変化を監視することで温度を算出するPT1000等のサーミスタ式温度センサであってもよいし、又は両端の熱起電力を計算することで温度を算出する熱電対式温度センサであってもよい。
【0044】
サセプタ30を大量に生産及び製造する意図から、さらに、好ましい実施において、第1シート状体310の第2部分312及び/又は第2シート状体320の第5部分322は、例えば、板金等の扁平なシート状の感受性材料を打ち抜きして形成又は製造される。また、安定した接合では、第1シート状体310と第2シート状体320はレーザ溶接等の溶接方式により一体に固定することができる。
【0045】
図3と
図4に示される好ましい実施において、収容キャビティ330はサセプタ30の軸方向に延在する。実施において、収容キャビティ330の断面は、概して菱形、円形、角形等の形状とし得る。
【0046】
図4に示すように、喫煙可能材料Aに挿入する際の抵抗を小さくするために、第2部分312は、サセプタ30の第1端31に近づくにつれて横断面積が漸減する例えば円錐形、三角錐形等となるテーパ部3121を有する。
【0047】
より好ましい実施において、第5部分322は形成された収容キャビティ330の第1端31に近い先端部分がテーパ状であってもいい、第2部分312のテーパ部3121、あるいは、第5部分322の対応する近似構造によって、装着の際に、温度センサ340の検知部分341を収容キャビティ330のテーパ状を呈する先端部分に当接することで、固着と装着が容易になる。
【0048】
図に示される好ましい実施によれば、サセプタ30における第2部分312及び第5部分322からなる収容キャビティ330の部分は、厚さ方向の寸法が他の部分よりも大きい。また、第2部分312及び第5部分322からなる収容キャビティ330の厚さ寸法は幅方向に沿って内向きに漸増するため、サセプタ30の第2部分312及び第5部分322により形成される外面は漸次変化する。これにより、喫煙可能材料Aとの接触面積を増大させ、熱伝達の効率を高める一方、サセプタ30を喫煙可能材料Aに挿入する際の抵抗を小さくすることができる。
【0049】
図5又は
図6に示されるさらなる可変の実施において、サセプタ30a/30bの第2シート状体320a/320bは直線状であり、第1シート状体310a/310bだけは打ち抜き等の方式により厚さ方向に沿って外向きに突出する第2部分312a/312bを形成し、該第2部分312a/312bと第2シート状体320a/320bの間には、温度センサを収容又は封入するための収容キャビティ330a/330bが形成される。
【0050】
当然ながら、
図5又は
図6に示される実施によれば、第2部分312a/312bの断面形状は概して厚さ寸法が幅方向に沿って内向きに漸増する三角形又は円弧形としてもよい。
図5と
図6から、第2部分312a/312bの厚さ方向の突出寸法は第1部分311a/311bの厚さ寸法よりも大きくなることが分かる。
【0051】
図7に示されるさらなる可変の実施において、サセプタ30cの第1シート状体310cの第3部分313cはサセプタ30cの厚さ方向の寸法が、第1部分311c及び第2部分312cよりも大きくなるため、厚さ方向において他の部分よりも突出し、これにより装置内の装着又は保持が容易になる。
実施例2
【0052】
本願は、実施例1におけるサセプタを製造する方法をさらに提供し、
図8に示すように、該方法のステップは、
厚さ方向に対向する第1シート状体310と第2シート状体320を用意するS10と、
第1シート状体310と第2シート状体320との間に長さ方向に延在する収容キャビティ330を形成するS20と、
温度センサ340を用意し、温度センサ340を収容キャビティ330内に収容又は封入するS30と、を含む。
実施例3
【0053】
本願はエアロゾル発生装置をさらに提供し、実施例1で提供されるエアロゾル発生装置との相違点は、
図9に示すように、第2端320の支持と固定を容易にするために、サセプタ30の第2端320に近い少なくとも一部は寸法が増大するベース部分33を有する点であり、ベース部分33は例えば幅方向に増大する。
【0054】
さらに
図9を参照し、サセプタ30の内部は、長さ方向に延在する温度センサ34を収容、封入又は保持するための収容又は保持空間を有し、温度センサ34は動作中にサセプタ30の温度をリアルタイムに検知するために用いられる。
図9の好ましい実施において、温度センサ34の少なくとも一部は第2端320から延出するため、回路20との接続が容易になる。温度センサ34のサセプタ30外に延在する又は露出する部分は細長い電気ピンの形態となる。
【0055】
代替的な実施において、温度センサ34は、抵抗の変化を監視することで温度を算出するPT1000等のサーミスタ式温度センサであってもよいし、又は両端の熱起電力を計算することで温度を算出する熱電対式温度センサであってもよい。
【0056】
具体的には、
図10に示される好ましい実施において、シート状のサセプタ30は、第1シート状部分31と第2シート状部分32を厚さ方向に積層させて形成される。
【0057】
図9に示される実施において、シート状サセプタ30の外面は平坦である。
【0058】
本願は、上記サセプタ30の量産に適する方法をさらに提供し、具体的に、以下のステップを含む。
【0059】
S10で、
図10に示すように、サセプタ30aを製造するためのシート状感受性基材100を用意し、シート状感受性基材100を加工して複数のサセプタ前駆体30aを形成する。
【0060】
実施において、シート状感受性基材100の材質は、上述した感受性を有する金属材であり、例えば、厚さ0.5mmのNiFe合金軟磁性板材である。サセプタ前駆体30aを加工により形成する方式は、化学エッチングの方式を含んでもよく、余分な部分をエッチングにより除去した後、サセプタ前駆体30aが形成される。
【0061】
当然ながら、
図10に示される好ましい実施において、量産時の利便性から、加工により得られた複数のサセプタ前駆体30aは行列状に配置される。
【0062】
サセプタ前駆体30aの具体的な構造は、さらに
図11に示すように、同一平面内にある第1シート状部分31と第2シート状部分32を含む。また、第1シート状部分31と第2シート状部分32は分離ではなく接続されている。また、第1シート状部分31と第2シート状部分32は対称であり、具体的に、
図12においては中心軸線Lに沿って左右対称となる。
【0063】
さらに、第1シート状部分31には温度センサ34を収容及び保持する第1収容溝311が設けられ、又は第2シート状部分32にも温度センサ34を収容及び保持可能な第2収容溝321が設けられる。
【0064】
S20で、
図12に示すように、温度センサ34を第1シート状部分31の第1収容溝311内に配置し、第2シート状部分32を図中矢印R方向で中心軸線L周りに第1シート状部分31に向けて折り返すか又は折り畳み、折り返した後、温度センサ34を第1シート状部分31と第2シート状部分32との間に挟持又は固定し、その後、第1シート状部分31と第2シート状部分32をレーザ溶接等によって安定的に接合すれば、
図3に示されるサセプタ30が得られる。
【0065】
図11と
図12に示される好ましい実施において、第2シート状部分32の第1シート状部分31への折り返しがしやすいように、サセプタ前駆体30aには中心軸線Lに沿って配置される複数の窪み又は凹溝35が設けられ、窪み又は凹溝35を有するサセプタ前駆体30aは折り返し又は2つ折りの操作プロセスに有利である。
【0066】
図13はさらなる変形例によるサセプタ前駆体30bの構造模式図を示し、サセプタ前駆体30bは、長さ方向に反対する第1シート状部分31bと第2シート状部分32bを含む。また、サセプタ前駆体30bは、長さ方向に沿って第1シート状部分31bと第2シート状部分32bの間に位置する窪み35bをさらに含み、該窪み35bは幅方向に延在する。製造の際に、窪み35bを軸として第1シート状部分31bを第2シート状部分32bに向けて折り返すか又は折り畳むことでサセプタを得ることができる。当然ながら、第1シート状部分31bには温度センサ34を収容する第1収容溝311bがさらに設けられ、及び/又は、第2シート状部分32bには第2収容溝321bがさらに設けられる。
【0067】
あるいは、
図14に示される変形例において、サセプタ前駆体30cの第1シート状部分31cと第2シート状部分32cは、破線mを軸として折り返した後、固定して得られる。
【0068】
以上の代替的実施において、サセプタ30は約19mmの長さ、及び4.9mmの幅、約0.5mmの厚さを有する。それに応じて、第2端320から第1端310に延在する第1収容溝311/311b/311c及び/又は第2収容溝321/321b/321cの延在長さは、約サセプタ30の長さの2分の1から3分の2の範囲内である。この長さ領域はサセプタ30動作時に最も熱が集中する領域であり、温度センサ34の先端をこの領域に当接すると、サセプタ30の温度をより正確に取得することができる。
【0069】
さらなる代替的実施において、第1収容溝311/311b/311c及び/又は第2収容溝321/321b/321cは約0.1mmの深さを有する。
実施例4
【0070】
本願は、実施例3におけるサセプタを製造する方法をさらに提供し、該方法は以下のステップを含む。
【0071】
S100で、
図15に示すように、感受性材質のシート状基材100aを用意し、シート状基材100aの表面にエッチングマスク200aを被覆する。
【0072】
通常、シート状基材100aの受入原料はコイル材であり、コイル材から裁断した上記寸法の板材は一定の湾曲度を有する。使用する前に、適切な圧力(通常10MPa未満)で整形してある程度塑性変形させることで、曲面状の金属コイル材から平面のシート状基材100aに整形させる必要がある。
【0073】
図15に示すように、エッチングマスク200aは光化学エッチングにおいて、フォトプロットフィルム(通称フイルム)が使用されることが多く、また、エッチングマスク200aは、サセプタと同じ形状のパターン210a、及び非パターンの空白領域220aを含む。
【0074】
S200で、エッチングマスク200aで被覆されたシート状基材100aをエッチングし、一般的に酸性のエッチング液、例えば、ヒドロフルオロ酸を含むエッチング液を用いてエッチングすることができる。
【0075】
エッチングにおいて、シート状基材100aのパターン210aで被覆された部分はエッチングされず、空白領域220aに対応する部分はエッチングにより除去される。エッチング完了後、シート状基材100aにはパターン210aと同様なサセプタが複数形成され、手動で軽くもぎ取ると剥離することができ、これにより量産のサセプタが得られる。
【0076】
通常、縦横寸法はそれぞれ250mm×120mmのシート状基材100aを材料として製造する際に、1枚のシート状基材100aをエッチングすることで100~200個のサセプタを同時に得ることができる。
【0077】
機械加工、打ち抜き又はレーザ切断の方式に比べて、エッチング方式でサセプタを製造することは、エッチング加工過程で加工応力を発生することがない一方、基材内部の結晶相組織が変化しないため、製造されたサセプタは軟磁性材料と同等の磁気特性を維持することができ、使用時の発熱効率が高い。
【0078】
エッチング方式で加工して得られたサセプタは、縁に滑らかに丸みが付けられ、表面の美観性が維持されるとともに、滑らかな縁面は表面自由エネルギーが低く、エアロゾル発生製品の砕屑物や凝縮液の付着を低減することにも寄与する。
【0079】
本願のさらなる好ましい実施において、上記ステップのエッチングプロセスは一般的な光化学ウェットエッチングで行われる。具体的には下記ステップを含む。
【0080】
S110で、製造するサセプタの形状パターンに応じて、エッチングマスク200a(即ちフィルム)をフォトプロットの方式で製造する。
【0081】
S120で、シート状基材100aに感光性インクを塗布した後、温度30~40℃の熱風で10~15分間予備乾燥させ、感光性インクを硬化させ、後続のフィルム現像においてフィルムに付着することを防止する。
【0082】
S130で、感光性インクが塗布されたシート状基材100aにフィルムを貼り付けて露光処理し、露光は通常、高圧水銀ランプ、ヨウ素ガリウムランプ、メタルハライドランプで照射することができ、照射時間は約20秒である。
【0083】
露光において、塗布された感光性インクのフィルムパターン210aに対応する部分は感光され、重合架橋反応が発生して硬化した保護膜層が形成され、フィルムの空白領域220aに対応する部分は重合架橋して硬化しない。
【0084】
S140で、現像する。フィルムを除去した後、現像液で浸漬し、具体的にはシート状基材100aを1%炭酸ナトリウム水溶液又は直接水に25~30℃で浸漬し、これにより、架橋硬化していない感光性インクは現像液で溶解除去され、シート状基材100aの表面のパターン210aに対応する部分に保護膜層が形成され、フィルムの空白領域220aに対応する部分が露出する。
【0085】
S150で、硬化の効果に応じて、現像されたシート状基材100aに対して再度光硬化及び乾燥処理を行うことができる。再度の光硬化及び乾燥処理により、保護膜層とシート状基材100aとの結合力が向上し、エッチング耐性が向上する。粘着力と硬化能に優れた感光性インクを用いた場合、該ステップS150は省略されてもよい。
【0086】
S210で、上記ステップで製造されたシート状基材100aを強酸性エッチング液でエッチングし、エッチング速度を0.04mm/分とし、エッチング速度が速いほど、サイドエッチングの程度が小さくなる。
【0087】
S220で、ステップS210のエッチングが完了すると、脱膜処理を行う。20%水酸化ナトリウム水溶液/50~60℃で約10分間浸漬し、保護膜層を溶解した後に洗浄すると、行列状に配列される複数のサセプタが得られ、手動で分離して試料を採取すると、大量のサセプタ単体を得ることができる。
実施例5
【0088】
本願は、実施例4の製造方法で製造されたサセプタ30dをさらに提供する。
図16に示すように、サセプタ30dに切り欠き36dが設けられ、後続で切り欠き36dの内壁に異なる材質の第1熱電対素線と第2熱電対素線をレーザ溶接によって溶接して、サセプタ30dの温度を検知するための熱電対34dを形成する。
【0089】
一代替的実施において、熱電対34dは、第1熱電対素線を正極としてニクロム線が使用され、第2熱電対素線を負極としてニッケル・ケイ素線が使用されるK型熱電対である。
【0090】
本願の実施例において、温度センサをサセプタ内に封入又は収容することで、検知部に対する磁場の影響をほぼ遮断できる一方、サセプタと温度センサを一体化して、装着の安定性と温度監視の正確性を高めることができるとともに、全体の交換及び装着も容易になる。
【0091】
説明すべきことは、本願の明細書及び図面には本願の好ましい実施例が示されたが、本願は本明細書に説明した実施例に限定されず、当業者であれば、上記の説明に基づいて改良や変換を加えることができ、これらの改良や変換は全て本願の添付する特許請求の範囲の保護範囲に属するものとする点である。