(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240822BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2023114007
(22)【出願日】2023-07-11
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】512317799
【氏名又は名称】バリュエンスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】嵜本 晋輔
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-064286(JP,A)
【文献】特開2020-017069(JP,A)
【文献】特開2003-122942(JP,A)
【文献】特開2009-230264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、
前記商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを提供する手段と、
前記プラットフォームにおいて
、前記商品の購入または修理を
要求するユーザの入力を受信する手段と、
前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の購入または修理のための処理を実行する手段と、
前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の販売のために前記商品を前記プラットフォーム上に出品する手段と
を備える、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記商品を出品することは、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、自動的に実行される、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記商品を出品する手段は、
前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記ユーザに対して、前記商品の出品の許諾を要求する手段と、
前記商品の出品の許諾を示す前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品を出品する手段と
を備える、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記ユーザは、前記出品された商品の売り手であり、
前記コンピュータシステムは、
前記出品された商品の購入を希望する前記出品された商品の買い手の第1の入力を受信する手段と、
前記買い手の前記第1の入力を受信したことに応答して、前記出品された商品の購入を希望することを示す通知を前記売り手に送信する手段と、
前記出品された商品の購入を承諾することを示す前記売り手の第1の入力を受信する手段と、
前記売り手の前記第1の入力を受信したことに応答して、前記買い手によって購入された前記商品の所有者を前記売り手から前記買い手に変更する手段と
をさらに備える、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記コンピュータシステムは、
前記売り手の前記第1の入力を受信したことに応答して、前記買い手によって購入された前記商品のランクの変更を受信しているか否かを判定する手段と、
前記買い手によって購入された前記商品のランクの変更を受信している場合に、前記買い手によって購入された前記商品のランクを変更されたランクに更新する手段と
をさらに備える、請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記出品された商品の出品時、前記出品された商品の販売価格は設定されておらず、
前記出品された商品の購入を希望することを示す前記通知は、前記出品された商品の購入希望価格を示す情報を含み、
前記コンピュータシステムは、
前記出品された商品の購入希望価格に対する価格交渉のために、前記出品された商品の売却希望価格を示す前記売り手の第2の入力を受信する手段と、
前記出品された商品の売却希望価格を前記買い手に提示する手段と、
前記出品された商品の売却希望価格で購入することを希望することを示す前記買い手の第2の入力を受信したか否かを判定する手段と
をさらに備え、
前記コンピュータシステムは、前記買い手の前記第2の入力を受信した場合、前記売り手の前記第1の入力を受信したとみなす、請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記コンピュータシステムは、前記買い手によって購入された前記商品の所有者を前記売り手から前記買い手に変更したことに応答して、前記買い手によって購入された前記商品を前記プラットフォーム上にさらに出品する手段をさらに備える、請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータシステムは、前記コンピュータシステムの動作を制御するプロセッサ部を備え、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを提供することと、
前記プラットフォームにおいて
、前記商品の購入または修理を
要求するユーザの入力を受信することと、
前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の購入または修理のための処理を実行することと、
前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の販売のために前記商品を前記プラットフォーム上に出品することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【請求項9】
マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステムにおいて実行される方法であって、前記コンピュータシステムは、前記コンピュータシステムの動作を制御するプロセッサ部を備え、
前記方法は、
前記プロセッサ部が、前記商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを提供することと、
前記プロセッサ部が、前記プラットフォームにおいて
、前記商品の購入または修理を
要求するユーザの入力を受信することと、
前記プロセッサ部が、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の購入または修理のための処理を実行することと、
前記プロセッサ部が、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の販売のために前記商品を前記プラットフォーム上に出品することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット上で商品を販売することが可能なECサイトが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】株式会社マイナビ出版、“ECサイトの仕組みと運用に求められる機能”、[online]、[令和5年7月8日検索]、インターネット<URL:https://tsunaweb.book.mynavi.jp/tsunaweb/tsuna/detail/id=3821>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のECサイトを介してユーザが購入した商品は、不要になると、廃棄されてきた。
【0005】
本発明は、ユーザが購入した商品(すなわち、中古品)がマーケット内で循環することを促進するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、前記商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを提供する手段と、前記プラットフォームにおいて前記商品の購入または修理を希望することを示すユーザの入力を受信する手段と、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の購入または修理のための処理を実行する手段と、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の販売のために前記商品を前記プラットフォーム上に出品する手段とを備える。
【0007】
本発明の一実施形態では、前記商品を出品することは、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、自動的に実行されてもよい。
【0008】
本発明の一実施形態では、前記商品を出品する手段は、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記ユーザに対して、前記商品の出品の許諾を要求する手段と、前記商品の出品の許諾を示す前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品を出品する手段とを備えていてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記ユーザは、前記出品された商品の売り手であり、前記コンピュータシステムは、前記出品された商品の購入を希望する前記出品された商品の買い手の第1の入力を受信する手段と、前記買い手の前記第1の入力を受信したことに応答して、前記出品された商品の購入を希望することを示す通知を前記売り手に送信する手段と、前記出品された商品の購入を承諾することを示す前記売り手の第1の入力を受信する手段と、前記売り手の前記第1の入力を受信したことに応答して、前記買い手によって購入された前記商品の所有者を前記売り手から前記買い手に変更する手段とをさらに備えていてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記売り手の前記第1の入力を受信したことに応答して、前記買い手によって購入された前記商品のランクの変更を受信しているか否かを判定する手段と、前記買い手によって購入された前記商品のランクの変更を受信している場合に、前記買い手によって購入された前記商品のランクを変更されたランクに更新する手段とをさらに備えていてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記出品された商品の出品時、前記出品された商品の販売価格は設定されておらず、前記出品された商品の購入を希望することを示す前記通知は、前記出品された商品の購入希望価格を示す情報を含み、前記コンピュータシステムは、前記出品された商品の購入希望価格に対する価格交渉のために、前記出品された商品の売却希望価格を示す前記売り手の第2の入力を受信する手段と、前記出品された商品の売却希望価格を前記買い手に提示する手段と、前記出品された商品の売却希望価格で購入することを希望することを示す前記買い手の第2の入力を受信したか否かを判定する手段とをさらに備え、前記コンピュータシステムは、前記買い手の前記第2の入力を受信した場合、前記売り手の前記第1の入力を受信したとみなしてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記買い手によって購入された前記商品の所有者を前記売り手から前記買い手に変更したことに応答して、前記買い手によって購入された前記商品を前記プラットフォーム上にさらに出品する手段をさらに備えていてもよい。
【0013】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、前記コンピュータシステムの動作を制御するプロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを提供することと、前記プラットフォームにおいて前記商品の購入または修理を希望することを示すユーザの入力を受信することと、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の購入または修理のための処理を実行することと、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の販売のために前記商品を前記プラットフォーム上に出品することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【0014】
本発明の1つの局面において、マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステムにおいて実行される方法であり、前記コンピュータシステムは、前記コンピュータシステムの動作を制御するプロセッサ部を備え、前記方法は、前記プロセッサ部が、前記商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを提供することと、前記プロセッサ部が、前記プラットフォームにおいて前記商品の購入または修理を希望することを示すユーザの入力を受信することと、前記プロセッサ部が、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の購入または修理のための処理を実行することと、前記プロセッサ部が、前記ユーザの入力を受信したことに応答して、前記商品の販売のために前記商品を前記プラットフォーム上に出品することとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが購入した商品(すなわち、中古品)がマーケット内で循環することを促進するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムおよび方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】マーケット内での商品の循環を促進する新しいサービスの一例を模式的に示す図
【
図2A】ユーザ装置に表示される画面210を示す図
【
図2B】ユーザ装置に表示される画面220を示す図
【
図2C】ユーザ装置に表示される画面230を示す図
【
図2D】ユーザ装置に表示される画面240を示す図
【
図3】マーケット内での商品の循環を促進する新しいサービスを実現するためのシステム300の構成の一例を示す図
【
図4A】ユーザデータベース部341に格納されている情報の構成の一例を示す図
【
図4B】商品データベース部342に格納されている情報の構成の一例を示す図
【
図5】コンピュータシステム310において実行される処理の一例を示す図
【
図6】コンピュータシステム310において実行される処理の他の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.マーケット内での商品の循環を促進する新しいサービス
出願人は、マーケット内での商品の循環を促進する新しいサービスを提案する。この新しいサービスは、商品が、特定のユーザの元に留まることなく、あらゆるユーザの手に渡り、マーケット内で循環することを企図したものである。この新しいサービスでは、ユーザによって購入された商品は、商品の販売、購入、修理のためのプラットフォーム上にすぐに出品され、ユーザは、その出品されている商品に対する別のユーザからの購入オファーを待つことが可能である。ユーザは、別のユーザからの購入オファーを待っている間、その出品されている商品を使用することが可能である。これにより、そのユーザは、「商品を使用しながら、その商品が売れる機会を待つ」というユニークな体験をすることが可能である。ユーザが、別のユーザからの購入オファーを受け、別のユーザからの購入オファーの内容に同意すると、その商品は、別のユーザによって購入される。別のユーザによって購入された商品は、プラットフォーム上に再び出品され、別のユーザは、その商品に対するさらに別のユーザからの購入オファーを待つことが可能であり、さらに別のユーザからの購入オファーを待っている間、その商品を使用することが可能である。これにより、商品がマーケット内に半永久的に出品され続けることが可能である。あるユーザにとって不要な物であっても別のユーザにとっては必要な物である場合が多く、あるユーザにとって不要な物を、それを必要とするユーザに循環させることが可能である。このように、この新しいサービスは、「商品を使用しながら売ることができる仕組み」および「商品の所有者は変わるが商品がマーケット内に出品され続けることによって、その商品を必要とする人にその商品が永遠に届く仕組み」を提供するものであり、この仕組みにより、マーケット内での商品の循環が促進する。
【0018】
また、商品を売却するつもりはなかったが他者からの購入の意向を知ることに起因して商品の売却を検討し始める潜在的ユーザが存在する。この新しいサービスでは、ユーザが商品を使用している間、その商品は別のユーザからの購入オファーを待っている状態にあるため、ユーザは、ユーザの売却の意思に関係なく別のユーザから購入オファーを受けることが可能である。従って、この新しいサービスによって、そのような潜在的ユーザを顕在化することが可能である。これにより、不要な商品を売却するユーザの数を増加させることが可能であり、マーケット内に出回る商品の数を増加させることが可能であり、それ故、マーケット内での商品の循環の促進にさらに寄与することが可能である。
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は、マーケット内での商品の循環を促進する新しいサービスの一例を模式的に示す図である。以下、
図1に示される各ステップを説明する。
【0021】
ステップS1:ユーザXが、所定のプラットフォームα上で商品Pを購入または修理する。ここで、商品は、売買可能な任意の物である。例えば、商品は、時計、バッグ、シューズなどを含むが、これらに限定されない。
【0022】
ステップS2:ユーザXが商品Pを購入または修理したことに応答して、商品Pが、商品Pの販売のために所定のプラットフォームα上に出品される。これにより、他のユーザは、所定のプラットフォームα上に出品されている商品Pの詳細情報を所定のプラットフォームα上で確認することが可能である。商品Pが所定のプラットフォームα上に出品されている間、ユーザXは、商品Pを使用し続けることが可能である。商品Pの出品は、ユーザXが商品Pを購入または修理したことに応答して、自動的に実行されてもよいし、ユーザXからの承諾を経て実行されてもよい。所定のプラットフォームα上に商品Pを出品するために、ユーザXが商品Pの情報を入力することを必要としない。
【0023】
ステップS3:所定のプラットフォームα上で商品Pの購入を希望するユーザYは、ユーザXに対して商品Pの購入オファーを出すことが可能である。このとき、ユーザYは、商品Pの購入希望額をユーザXに提示する。
【0024】
提示された商品Pの購入希望額をユーザXが受け入れられない場合、ユーザXは、商品Pの売却希望額をユーザYに提示すること、または、商品Pの売却をキャンセルする(すなわち、取り止める)ことが可能である。
【0025】
ステップS4:ユーザYの商品Pの購入希望額をユーザXが承諾すると、または、ユーザXの商品Pの売却希望額をユーザYが承諾すると、商品Pの売買が成立する。
【0026】
商品Pの売買が成立すると、ユーザXは、所定のプラットフォームαを運営および管理している管理会社にまたはその管理会社の倉庫に商品Pを発送する。管理会社は、ユーザXからの商品Pを受け取ると、商品Pを検品する(すなわち、商品Pの現在の状態を確認する)。商品Pの現在の状態に対応するランクが、商品Pの出品時のランクより低い場合(すなわち、ユーザXが商品Pを使用したことによって、商品Pの状態に対応するランクが、ユーザXが商品Pを出品したときの商品Pの状態に対応するランクより下がった場合)、商品Pの現在の状態に対応する適正価格を特定し、商品Pの現在の状態およびその適正価格をユーザXおよびユーザYの両方に通知する。ユーザXは、商品Pの適正価格の通知を受けたことに応答して、商品Pの適正価格での売却に合意するか否かを回答し、ユーザYは、商品Pの適正価格の通知を受けたことに応答して、商品Pの適正価格での購入に合意するか否かを回答する。ユーザXおよびユーザYの両方から商品Pの適正価格での売却および購入に対する合意を受けた場合には、商品Pの売買が改めて成立し、管理会社は、商品PをユーザYに発送し、商品Pの適正価格での決済処理を実行する。管理会社は、ユーザXおよびユーザYのいずれか一方から商品Pの適正価格での売却または購入に合意しない旨の回答を受けた場合、商品Pの売買が成立しなかった旨をユーザXおよびユーザYに通知する。
【0027】
商品Pの売買が成立すると、ユーザYによって購入された商品Pは、商品Pの販売のために所定のプラットフォームα上に再度出品される。これにより、商品Pは、所定のプラットフォームα上に半永久的に出品され続け、他のユーザは、所定のプラットフォームα上に出品されている商品Pの詳細情報を所定のプラットフォームα上で確認することが可能である。商品Pが所定のプラットフォームα上に出品されている間、ユーザYは、商品Pを使用し続けることが可能である。商品Pの再度の出品は、ユーザYによる商品Pの購入手続きに応答して、自動的に実行されてもよいし、ユーザYからの承諾を経て実行されてもよい。所定のプラットフォームα上に商品Pを再度出品するために、ユーザYが商品Pの情報を入力することを必要としない。
【0028】
なお、
図1に示される実施形態では、所定のプラットフォームα上でユーザXによって購入された商品が所定のプラットフォームα上に出品される例が説明されたが、本発明はこれに限定されない。所定のプラットフォームα上に出品される商品は、任意の物であり得る。例えば、所定のプラットフォームα上に出品される商品は、ユーザXが所有している物であってもよい。
【0029】
2.ユーザ装置に表示される画面遷移
図2Aは、ユーザ装置に表示される画面210を示す。ユーザ装置とは、ユーザによって使用される任意の装置をいう。ユーザ装置の一例は、タブレット端末やスマートフォンであるがこれらに限定されない。
【0030】
画面210は、所定のプラットフォームα上に出品されている商品の詳細情報を買い手が閲覧するための画面の一例である。画面210は、買い手によって操作されるユーザ装置に表示される画面である。
図2Aに示される実施形態では、画面210は、出品されている商品の名称を表示するための名称領域211と、出品されている商品の画像を表示するための画像領域212と、出品されている商品のランクを表示するためのランク領域213と、出品されている商品の詳細な説明を表示するための説明領域214と、出品されている商品の推奨される購入価格を表示するための購入推奨価格領域215と、出品されている商品の購入価格の参考となる情報を表示するための価格参考情報領域216と、出品されている商品の購入希望価格を入力するための購入希望価格領域217と、出品されている商品の現在の所有者(すなわち、売り手)に対して購入オファーを出すための購入オファー領域218とを含む。購入希望価格領域217は、数値を入力することが可能なように構成されている。購入オファー領域218は、選択可能なように構成されている。
【0031】
図2Aに示される実施形態では、名称領域211には、「ロレックス デイトナ」が表示されており、ランク領域213には、「S」が表示されており、購入推奨価格領域215には、「xxxxxx円~yyyyyy円」が表示されている。すなわち、
図2Aに示される実施形態では、画面210は、ランクSの「ロレックス デイトナ」の商品ページを表示しており、ランクSの「ロレックス デイトナ」の購入推奨価格が、「xxxxxx円~yyyyyy円」であるとされている。
【0032】
価格参考情報領域216には、例えば、過去の所定の期間内(例えば、半年以内、1年以内、3年以内など)のランクSの「ロレックス デイトナ」の取引成立価格の推移を示す情報、出品しているランクSの「ロレックス デイトナ」の現在の所有者(すなわち、売り手)に対する購入オファーの履歴を示す情報(例えば、購入希望価格、購入オファー日、売買成否を示す情報)、NFT履歴を示す情報(例えば、過去の所有者の名称およびユーザID、売却金額、売却日)などが表示され得る。
【0033】
図2Aに示される実施形態では、商品Pの販売価格は、画面210に表示されていない。これは、商品Pの販売価格が設定されていないからである。すなわち、買い手は、購入希望価格領域217に購入希望価格を入力することによって、売り手に対して購入価格を打診することが可能である。
【0034】
購入希望価格領域217は、最低購入推奨価格(すなわち、
図2Aに示される実施形態では、xxxxxx円)未満の数値を入力することができないように構成されていてもよい。これにより、出品されている商品に釣り合わないような低価格が購入希望価格として売り手に提示されない。また、購入希望価格領域217は、最高購入推奨価格(すなわち、
図2Aに示される実施形態では、yyyyyy円)を上回る数値を入力することが可能なように構成されている。
【0035】
買い手は、購入希望価格領域217に購入希望価格を入力し、購入オファー領域218を選択すると、入力された購入希望価格での購入を買い手が希望している旨が、売り手に通知される。
【0036】
なお、
図2Aの画面210は、買い手のコメントを入力するための領域(図示せず)をさらに含んでいてもよい。また、
図2Aの画面210の画像領域212に表示される画像は、所定のプラットフォームαを運営および管理している管理会社が準備した所定の画像であってもよいし、売り手によって撮影された画像であってもよい。
【0037】
図2Bは、ユーザ装置に表示される画面220を示す。
【0038】
画面220は、入力された購入希望価格での購入を買い手が希望している旨の通知を表示するための画面の一例である。画面220は、売り手によって操作されるユーザ装置に表示される画面である。
図2Bに示される実施形態では、画面220は、購入オファーを受けている商品の名称を表示するための名称領域221と、購入オファーを受けている商品の画像を表示するための画像領域222と、購入オファーを受けている商品のランクを表示するためのランク領域223と、購入オファーを受けている商品の推奨される購入価格を表示するための購入推奨価格領域224と、購入オファーを受けている商品の買い手の購入希望価格を表示するための購入希望価格領域225と、購入オファーを受けている商品の売却価格の参考となる情報を表示するための価格参考情報領域226と、購入オファーを受けている商品の売却手続きを進めるための売却領域227と、買い手に対して売却価格を交渉するための価格交渉領域228と、買い手に対する商品の売却をキャンセルするためのキャンセル領域229とを含む。売却領域227、価格交渉領域228、およびキャンセル領域229は、選択可能なように構成されている。
【0039】
図2Bに示される実施形態では、名称領域221には、「ロレックス デイトナ」が表示されており、ランク領域223には、「S」が表示されており、購入推奨価格領域224には、「xxxxxx円~yyyyyy円」が表示されており、購入希望価格領域225には、「xxxxxx円」が表示されている。すなわち、
図2Bに示される実施形態では、画面220は、購入推奨価格が「xxxxxx円~yyyyyy円」であるランクSの「ロレックス デイトナ」の購入オファー通知を表示しており、その購入希望価格が「xxxxxx円」とされている。
【0040】
価格参考情報領域226には、例えば、過去の所定の期間内(例えば、半年以内、1年以内、3年以内など)のランクSの「ロレックス デイトナ」の取引成立価格の推移を示す情報などが表示され得る。
【0041】
売り手が、購入希望価格領域225に表示される購入希望価格での商品の売却に合意する場合、売り手によって売却領域227が選択され、画面は、画面220から、売却手続きを進めるための画面(図示せず)に遷移する。売り手が、商品を買い手に売却してもよいが売却価格について買い手と交渉することを希望する場合、売り手によって価格交渉領域228が選択され、画面は、画面220から、商品の売却価格の交渉を行うための画面(すなわち、
図2Cを参照して後述される画面230)に遷移する。売り手が、商品の売却を拒否することを希望する場合、キャンセル領域229が選択され、商品の売買が成立しなかった旨が買い手に通知される。
【0042】
なお、
図2Bの画面220には、買い手からの購入オファーに対する回答期限(すなわち、売却領域227、価格交渉領域228、およびキャンセル領域229のいずれかを選択する期限)が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Bの画面220には、商品の購入完了までのステータスの段階的ステップ(例えば、交渉段階、配送段階、検品段階、入金段階、完了段階)および現在のステータスを示す情報が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Bの画面220には、買い手の購入希望価格に加えて、買い手の購入希望価格で商品Pを売却したときの純利益、サービス使用手数料、および消費税が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Bの画面220には、売り手の事前に設定された売却希望設定価格が、さらに表示されていてもよい。
【0043】
図2Cは、ユーザ装置に表示される画面230を示す。
【0044】
画面230は、商品の売却希望額を入力するための画面の一例である。画面230は、売り手によって操作されるユーザ装置に表示される画面である。
図2Cに示される実施形態では、画面230は、購入オファーを受けている商品の推奨される売却価格を表示するための売却推奨価格領域231と、購入オファーを受けている商品の売却希望価格を入力するための売却希望価格領域232と、売却希望価格領域232に入力された売却希望価格で価格交渉を進めるための価格交渉領域233とを含む。売却希望価格領域232は、任意の数値を入力することが可能なように構成されている。価格交渉領域233は、選択可能なように構成されている。
図2Cに示される実施形態では、売却推奨価格領域231には、「xxxxxx円~yyyyyy円」が表示されており、これは、
図2Aの購入推奨価格領域215および
図2Bの購入推奨価格領域224に対応する。
【0045】
売り手が、購入オファーを受けている商品の売却希望価格を売却希望価格領域232に入力し、価格交渉領域233を選択すると、売却希望価格領域232に入力された売り手の売却希望価格が、買い手に通知される。
【0046】
なお、
図2Cの画面230には、商品の購入完了までのステータスの段階的ステップ(例えば、交渉段階、配送段階、検品段階、入金段階、完了段階)および現在のステータスを示す情報が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Cの画面230には、買い手の購入希望価格に加えて、買い手の購入希望価格で商品Pを売却したときの純利益、サービス使用手数料、および消費税が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Cの画面230には、売り手の売却希望価格で商品Pを売却したときの純利益、サービス使用手数料、および消費税が、さらに表示されていてもよい。
【0047】
図2Dは、ユーザ装置に表示される画面240を示す。
【0048】
画面240は、売り手の売却希望価格に対するアクションを行うための画面の一例である。画面240は、買い手によって操作されるユーザ装置に表示される画面である。
図2Dに示される実施形態では、画面240は、売り手の売却希望価格を表示するための売却希望価格領域241と、売り手の売却希望価格で商品を購入する手続きを進めるための購入領域242と、売り手の売却希望価格で商品を購入する手続きをキャンセルするためのキャンセル領域243とを含む。購入領域242およびキャンセル領域243は、選択可能なように構成されている。
図2Dに示される実施形態では、売却希望価格領域241には、売り手の売却希望価格である「zzzzzz円」が表示されている。
【0049】
買い手が、売却希望価格領域241に表示される売却希望価格での商品の購入に合意する場合、買い手によって購入領域242が選択され、画面は、画面240から、購入手続きを進めるための画面(図示せず)に遷移する。買い手が、商品の購入を拒否することを希望する場合、買い手によってキャンセル領域243が選択され、商品の売買が成立しなかった旨が売り手に通知される。
【0050】
なお、
図2Dの画面240には、売り手からの売却希望価格に対する回答期限(すなわち、購入領域242およびキャンセル領域243のいずれかを選択する期限)が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Dの画面240には、商品の購入完了までのステータスの段階的ステップ(例えば、交渉段階、配送段階、検品段階、入金段階、完了段階)および現在のステータスを示す情報が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Dの画面240には、売り手の売却希望価格に加えて、売り手の売却希望価格で商品Pを購入したときの実質負担額、サービス使用手数料、および消費税が、さらに表示されていてもよい。また、
図2Dの画面240には、買い手の購入希望価格が、さらに表示されていてもよい。
【0051】
3.マーケット内での商品の循環を促進する新しいサービスを実現するためのシステムの構成
図3は、マーケット内での商品の循環を促進する新しいサービスを実現するためのシステム300の構成の一例を示す。
【0052】
図3に示される実施形態では、システム300は、マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステム310と、ユーザによって取り扱われるユーザ装置320
1~320
Nとを備える。コンピュータシステム310は、インターネット330を介して、ユーザ装置320
1~320
Nのそれぞれと通信することが可能なように構成されている。ここで、Nは、1以上の整数である。
【0053】
コンピュータシステム310は、マーケット内での商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを運営および/または管理する管理会社のための処理を実行する情報処理システムである。
図3に示される実施形態では、コンピュータシステム310は、インターフェース部311と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部312と、メモリ部313とを含む。コンピュータシステム310のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0054】
インターフェース部311は、ユーザ装置3201~320Nのそれぞれとの通信を制御する。
【0055】
メモリ部313には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部313に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部313にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット330などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部313にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部313にインストールされるようにしてもよい。
【0056】
プロセッサ部312は、コンピュータシステム310全体の動作を制御する。プロセッサ部312は、メモリ部313に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム310は、所望のステップを実行する装置として機能することが可能であり、コンピュータシステム310のプロセッサ部312は、所望の機能を達成する手段として動作することが可能である。
【0057】
図3に示される実施形態では、コンピュータシステム310は、データベース部340に接続されている。データベース部340は、ユーザデータベース部341と、商品データベース部342とを含む。データベース部340は、例えば、ブロックチェーンの技術を利用して構築されていてもよい。
【0058】
ユーザ装置3201は、インターネット330を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。ユーザ装置3201は、インターフェース部、プロセッサ部、メモリ部、表示部、および入力部を備え得る。例えば、ユーザ装置ユーザ装置3201は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯無線端末であってもよいし、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。ユーザ装置3202~320Nについても同様である。
【0059】
なお、
図3に示される実施形態では、ユーザ装置320
1~320
Nのそれぞれがインターネット330を介してコンピュータシステム310と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット330の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
【0060】
また、
図3に示される実施形態では、データベース部340は、コンピュータシステム310の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部340をコンピュータシステム310の内部に設けることも可能である。データベース部340の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部340は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部340は、コンピュータシステム310の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。さらに、データベース部340に含まれる各データベース部の構成もまた特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部340に含まれる各データベース部もまた、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。
【0061】
図4Aは、ユーザデータベース部341に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0062】
ユーザデータベース部341には、ユーザに関する情報が格納されている。ユーザに関する情報は、ユーザを識別するための情報(ユーザID)によって識別されることが可能である。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザの氏名、性別、生年月日、電話番号、Eメールアドレスなどを含む。
【0063】
図4Bは、商品データベース部342に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0064】
商品データベース部342には、商品に関する情報が格納されている。商品に関する情報は、商品を識別するための情報(商品ID)によって識別されることが可能である。商品に関する情報は、商品IDによって識別される商品を現在所有しているユーザを識別するための情報(ユーザID)に関連付けられている。商品に関する情報は、例えば、商品名、モデル名、型番、商品説明を示す情報、ランク、画像、真贋保証者を示す情報、NFT証明書のハッシュ、取引状態(例えば、購入オファー可、交渉中)、取引履歴を示す情報(例えば、過去の購入オファーを受けた日およびその購入オファーにおいて提示された購入希望価格)、修理履歴を示す情報などを含む。また、商品IDによって識別される商品の取引状態が交渉中である場合には、商品に関する情報は、交渉相手(すなわち、買い手)を識別するための情報(ユーザID)をさらに含んでいてもよい。また、商品に関する情報は、NFT履歴を示す情報(例えば、過去の所有者の名称およびユーザID、売却金額、売却日)、購入または売却推奨価格を示す情報をさらに含んでいてもよい。購入または売却推奨価格を示す情報は、コンピュータシステム310によって監視されている商品の価格の相場に基づいて、コンピュータシステム310によってリアルタイムにまたは定期的に更新される。
【0065】
4.コンピュータシステムにおいて実行される処理
図5は、コンピュータシステム310において実行される処理の一例を示す。
図5に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム310のプロセッサ部311によって実行される。
図5は、プラットフォームα上での商品Pの購入または修理から出品までの処理の一例を示す。以下、
図5に示される各ステップを説明する。
【0066】
ステップS501:1つ以上の商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームαが提供される。プラットフォームα上では、例えば、1つ以上の商品のうちの商品Pを出品することによって売り手の商品Pを販売することが可能であり、買い手から売り手に商品Pの購入オファーを提示することが可能である。プラットフォームα上では、管理会社に対して商品の修理を依頼することが可能であってもよい。
【0067】
ステップS502:プラットフォームαにおいて商品Pの購入または修理を希望することを示すユーザXの入力が受信される。ユーザXの入力は、例えば、ユーザXによって操作されるユーザ装置3201から受信される。ユーザXの入力は、例えば、商品Pを識別するための商品IDを含む。
【0068】
ステップS503:ステップS502におけるユーザXの入力を受信したことに応答して、商品Pの購入または修理のための処理が実行される。商品Pの購入または修理のための処理は、例えば、購入されたまたは修理された商品PをユーザXに対して発送するための処理、商品Pの購入または修理の決済処理などを含むがこれらに限定されない。
【0069】
ステップS504:ステップS502におけるユーザXの入力を受信したことに応答して、商品Pの販売のために商品Pがプラットフォームα上に出品される。商品Pをプラットフォームα上に出品する処理は、商品データベース部342を参照して、商品Pを識別するための商品IDに基づいて実行される。商品Pをプラットフォームα上に出品する処理は、例えば、商品Pを識別するための商品IDに基づいて、プラットフォームα上で商品Pの詳細情報を閲覧するための出品ページを作成する処理を含むが、これに限定されない。従って、商品Pの購入または修理を行ったユーザXからの入力は必要ない。商品Pの出品時、商品Pの販売価格は設定されていなくてもよい。また、商品Pの出品時、コンピュータシステム310は、商品PのNFTを発行することが可能である。商品Pを出品することは、例えば、ステップS502におけるユーザXの入力を受信したことに応答して、コンピュータシステム310によって自動的に実行されてもよい。あるいは、商品Pを出品することは、例えば、ステップS502におけるユーザXの入力を受信したことに応答して、ユーザXに対して、商品Pの出品の許諾を要求し、商品Pの出品の許諾を示すユーザXの入力を受信したことに応答して、コンピュータシステム310によって実行されてもよい。ユーザXに対して、商品Pの出品の許諾を要求することは、例えば、ユーザXによって操作されるユーザ装置に、商品Pの出品の許諾リクエストを送信することによって、達成され得る。
【0070】
このように、コンピュータシステム310は、商品Pの購入または修理を行ったユーザXからの入力を必要とすることなく、ステップS502におけるユーザXの入力を受信したことに応答して、商品Pの購入または修理のための処理と、商品Pの販売のために商品Pをプラットフォームα上に出品する処理とを実行することによって、「商品を使用しながら、その商品が売れる機会を待つ」というユニークな体験をユーザXに提供することが可能である。
【0071】
なお、
図5に示される実施形態では、ステップS504がステップS503の後に実行される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。ステップS504は、ステップS502の後の任意のタイミングで実行され得る。従って、ステップS504は、ステップS503の前に実行されてもよいし、ステップS503と並行して実行されてもよい。
【0072】
図6は、コンピュータシステム310において実行される処理の他の一例を示す。
図6に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム310のプロセッサ部311によって実行される。
図6は、プラットフォームα上での商品Pに対する購入オファーから商品Pの再度出品までの処理の一例を示す。なお、
図6に示される実施形態では、売り手は、
図1および
図5を参照して説明された「ユーザX」であり、買い手は、
図1を参照して説明された「ユーザY」である。以下、
図6に示される各ステップを説明する。
【0073】
ステップS601:出品された商品Pの購入を希望することを示す買い手の第1の入力が受信される。買い手の第1の入力は、例えば、買い手によって操作されるユーザ装置320
2から受信される。買い手の第1の入力は、例えば、商品Pを識別するための商品ID、および、商品Pの購入希望価格を示す情報を含む。この処理は、
図2Aに示される購入オファー領域218を買い手が選択したことに対応し得る。
【0074】
ステップS602:出品された商品Pの購入を希望することを示す通知が、売り手に送信される。この通知は、例えば、商品Pの名称を示す情報、商品Pの画像データ、商品Pのランクを示す情報、商品Pの購入推奨価格を示す情報、商品Pの買い手の購入希望価格を示す情報、商品Pの価格参考情報などを含む。この処理は、
図2Bに示される画面220が、売り手によって操作されるユーザ装置320
1に表示されたことに対応し得る。この処理は、例えば、商品Pを識別するための商品IDに基づいて、商品IDに対応する現在の所有者(すなわち、売り手)を特定し、売り手によって操作されるユーザ装置320
1に、出品された商品Pの購入を希望することを示す通知を送信することによって、達成され得る。
【0075】
ステップS603:出品された商品Pの購入を承諾することを示す売り手の第1の入力が受信されたか、出品された商品Pの売却価格についての価格交渉を希望することを示す売り手の第2の入力が受信されたか、または、出品された商品Pの購入をキャンセルすることを希望する売り手の第3の入力が受信されたかが判定される。これらの入力は、例えば、売り手によって操作されるユーザ装置320
1から受信される。この処理は、
図2Bに示される売却領域227、価格交渉領域228、およびキャンセル領域229のいずれかを売り手が選択したことに対応し得る。この処理は、例えば、所定の期間の間、実行され得る。所定の期間は、例えば、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間、2日、3日などであるが、これらに限定されない。コンピュータシステム310が所定の期間の間にいずれの入力も受信しなかった場合には、コンピュータシステム310は、商品Pの購入がキャンセルされた旨を示す通知を、買い手によって操作されるユーザ装置320
2に送信し、買い手からの商品Pの購入オファーに対する回答期限を経過した旨の通知を、売り手によって操作されるユーザ装置320
1に送信し、処理は終了(正常終了)する。出品された商品Pの購入を承諾することを示す売り手の第1の入力が受信された場合には、処理はステップS607に進み、出品された商品Pの売却価格についての価格交渉を希望することを示す売り手の第2の入力が受信された場合には、処理はステップS604に進み、出品された商品Pの購入をキャンセルすることを希望する売り手の第3の入力が受信された場合には、コンピュータシステム310は、商品Pの購入がキャンセルされた旨を示す通知を、買い手によって操作されるユーザ装置320
2に送信し、処理は終了(正常終了)する。
【0076】
ステップS604:出品された商品Pの売却希望価格を示す売り手の第2の入力が受信される。すなわち、ステップS603において受信された売り手の第2の入力は、出品された商品Pの売却希望価格を示す情報を含む。売り手の第2の入力は、商品Pを識別するための情報(商品ID)をさらに含み得る。
【0077】
ステップS605:出品された商品Pの売却希望価格が、買い手に提示される。この処理は、例えば、商品データベース部342を参照して、商品Pを識別するための情報(商品ID)に基づいて、商品Pの交渉相手である買い手のユーザIDを特定し、買い手によって操作されるユーザ装置3202に、出品された商品Pの売却希望価格を送信することによって、達成され得る。
【0078】
ステップS606:出品された商品Pを売り手の売却希望価格で購入することを希望することを示す買い手の第2の入力が受信されたか否かが判定される。この処理は、例えば、所定の期間の間、実行され得る。所定の期間は、例えば、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間、2日、3日などであるが、これらに限定されない。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS607に進み、判定結果が「No」の場合には、コンピュータシステム310は、商品Pの購入がキャンセルされた旨を示す通知を、売り手によって操作されるユーザ装置3201に送信し、処理は終了(正常終了)する。出品された商品Pを売り手の売却希望価格で購入することを希望することを示す買い手の第2の入力が受信された場合、コンピュータシステム310は、出品された商品Pの購入を承諾することを示す売り手の第1の入力を受信したものとみなす(すなわち、売り手と買い手との間で商品Pの売買が成立したものとみなす)。
【0079】
ステップS607:買い手によって購入された商品Pの所有者を売り手(ユーザX)から買い手(ユーザY)に変更する処理が実行される。この処理は、例えば、商品データベース部342を参照して、商品Pを識別するための情報(商品ID)に基づいて、商品Pの売り手のユーザIDを買い手のユーザIDに更新することによって、達成され得る。
【0080】
ステップS607~ステップS608において、コンピュータシステム310の管理会社は、売り手から配送された商品Pを受け取る。管理会社は、商品Pを売り手から受け取ると、商品Pの検品(すなわち、商品Pのランクの確認)を行ってもよい。売買成立時の商品Pのランクが、出品時の商品Pのランクよりも高いまたは出品時の商品Pのランクと同程度である場合には、コンピュータシステム310は、後述されるステップS608以降の処理を実行する。
【0081】
売買成立時の商品Pのランクが、出品時の商品Pのランクよりも低い場合には、コンピュータシステム310は、売買成立時の商品Pのランクに対応する商品Pの適正価格を特定し、商品Pの適正価格が商品Pの購入価格より低い場合には、商品Pの適正価格での売買のために、商品Pの適正価格および売買成立時の商品Pのランクを示す情報を売り手(ユーザX)および買い手(ユーザY)の両方に通知する。コンピュータシステム310は、売り手(ユーザX)および買い手(ユーザY)の両方から、商品Pの適正価格および売買成立時の商品Pのランクでの商品Pの売買に合意する旨を示す入力を受信した場合には、後述されるステップS608以降の処理を実行し、売り手(ユーザX)および買い手(ユーザY)のいずれか少なくとも一方から、商品Pの適正価格および売買成立時の商品Pのランクでの商品Pの売買に合意しない旨の入力を受信した場合には、商品Pの購入がキャンセルされた旨を示す通知を、売り手(ユーザX)によって操作されるユーザ装置3201および買い手(ユーザY)によって操作されるユーザ装置3202に送信し、処理は終了(正常終了)する。
【0082】
ステップS608:買い手によって購入された商品Pのランクの変更が受信されているか否かが判定される。この処理は、例えば、商品データベース部342を参照して、商品Pを識別するための情報(商品ID)に基づいて、商品Pを識別するための商品IDに対するランクの変更フラグが立っている否かを判定することによって、達成され得る。商品Pを識別するための商品IDに対するランクの変更フラグが立っている場合には、買い手によって購入された商品Pのランクの変更が受信されたと判定される。判定結果が「Yes」の場合には、商品Pを識別するための商品IDに対する変更されたランクを特定し、処理はステップS609に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS610に進む。
【0083】
ステップS609:買い手によって購入された商品Pのランクが、変更されたランクに更新される。この処理は、例えば、商品データベース部342を参照して、商品Pを識別するための情報(商品ID)に基づいて、実行され得る。
【0084】
ステップS610:ステップS607において商品Pの所有者を売り手(ユーザX)から買い手(ユーザY)に変更したことに応答して、買い手(ユーザY)によって購入された商品Pが、プラットフォームα上にさらに出品される。商品Pをプラットフォームα上にさらに出品する処理は、商品データベース部342を参照して、商品Pを識別するための商品IDに基づいて実行される。商品Pをプラットフォームα上にさらに出品する処理は、例えば、商品Pを識別するための商品IDに基づいて、プラットフォームα上で商品Pの詳細情報を閲覧するための出品ページを作成する処理を含むが、これに限定されない。従って、商品Pを購入したユーザYからの入力は必要ない。商品Pの再出品時、商品Pの販売価格は設定されていなくてもよい。また、商品Pの再出品時、コンピュータシステム310は、商品PのNFTを発行することが可能である。
【0085】
このように、コンピュータシステム310は、商品Pを購入したユーザYからの入力を必要とすることなく、ステップS607において商品Pの所有者を売り手(ユーザX)から買い手(ユーザY)に変更したことに応答して、商品Pの販売のために商品Pをプラットフォームα上にさらに出品する処理を実行することによって、「商品を使用しながら、その商品が売れる機会を待つ」というユニークな体験をユーザYに提供することが可能である。
【0086】
なお、コンピュータシステム310は、ステップS607に応答してステップS610を自動的に実行する例が説明されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンピュータシステム310は、ステップS610を実行する前に、商品Pをプラットフォームα上にさらに出品することに対する承諾リクエストを、ユーザYによって操作されるユーザ装置3202に送信し、商品Pをプラットフォームα上にさらに出品することに対する承諾を示す入力をユーザY(具体的には、ユーザYによって操作されるユーザ装置3202)から受けた場合にのみ、ステップS610を実行してもよい。
【0087】
なお、
図5~
図6に示される実施形態では、メモリ部に格納されたプログラムをプロセッサ部が実行することによって、
図5~
図6に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。
図5~
図6に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0088】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、ユーザが購入した商品(すなわち、中古品)がマーケット内で循環することを促進するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムおよび方法等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0090】
300 システム
310 コンピュータシステム
3201~320N ユーザ装置
330 インターネット
340 データベース部
【要約】
【課題】マーケット内での商品の循環を促進するためのコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のコンピュータシステムは、商品の購入および販売、または修理のためのプラットフォームを提供する手段と、プラットフォームにおいて商品の購入または修理を希望することを示すユーザの入力を受信する手段と、ユーザの入力を受信したことに応答して、商品の購入または修理のための処理を実行する手段と、ユーザの入力を受信したことに応答して、商品の販売のために商品をプラットフォーム上に出品する手段とを備える。
【選択図】
図1