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特許7542136(硬質)パーティクルフォームを製造するための、高めた水温での水中ペレット化による高温ポリマーをベースとするペレットの製造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】(硬質)パーティクルフォームを製造するための、高めた水温での水中ペレット化による高温ポリマーをベースとするペレットの製造
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/16 20060101AFI20240822BHJP
   B29B 9/06 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
C08J9/16 CER
C08J9/16 CEZ
B29B9/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023512240
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2021069689
(87)【国際公開番号】W WO2022037857
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】20191446.2
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン トラスル
(72)【発明者】
【氏名】メラニー ニーペアト
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ホプフ
(72)【発明者】
【氏名】デニス ホライン
(72)【発明者】
【氏名】モナ ガングラウフ
【審査官】川井 美佳
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-503513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0127424(US,A1)
【文献】特表2020-531648(JP,A)
【文献】特表2021-504523(JP,A)
【文献】特開2021-003858(JP,A)
【文献】特開2011-245876(JP,A)
【文献】特開2012-240346(JP,A)
【文献】特開2008-201113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/00-/16
B29C 44/00-44/60
B29C 67/20
C08J 9/00-9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中ペレット化を用いて、ISO 11357-2(発行:2014年07月)による少なくとも180℃のガラス転移温度を有する少なくとも1種のポリマーを有するポリマー組成物から(硬質)パーティクルフォームを製造する方法であって、
押出機のポリマーメルトを、
a)加圧された第1の水循環路中へ移送し、ここで、圧力は0.2~30barの範囲内であり、かつ前記水循環路における水温は105℃~180℃の範囲内である、
b)ペレット化する
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
押出機のポリマーメルトを、
a)加圧された第1の水循環路中へ移送し、ここで、圧力は0.2~30barの範囲内であり、かつ前記水循環路における水温は105℃~180℃の範囲内である、
b)ペレット化し、かつ
c)第2の水循環路に供給し、前記の第2の水循環路は、100℃を下回る温度を有し、かつ
1)非加圧下で又は
2)0.2~30barの範囲内の圧力下で操作される
ことを特徴とする、請求項1に記載の水中ペレット化を用いて(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項3】
ISO 11357-2による少なくとも180℃のガラス転移温度を有するポリマーが、ポリスルホン又はポリイミド、殊にポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド及びそれらの混合物の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項4】
前記ポリマー組成物が発泡剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項5】
工程a)における温度が、発泡剤添加ポリマーメルトのTgを少なくとも5℃下回ることを特徴とする、請求項3に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項6】
発泡剤が、標準圧力でベース材料のガラス転移温度を下回る沸点を有する揮発性有機化合物、無機発泡剤、熱分解可能な発泡剤及び前記のものの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が造核剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項8】
造核剤が、タルク、グラファイト、カーボンブラック、二酸化チタン及び前記のものの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項9】
得られたペレットを、工程b)の後に排出し、かつ乾燥に供給することを特徴とする、請求項1に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項10】
得られたペレットを、工程c)の後に排出し、かつ乾燥に供給することを特徴とする、請求項1に記載の(硬質)パーティクルフォームを製造する方法。
【請求項11】
航空宇宙、船舶建造、車両製造における、殊にエレクトロモビリティにおける、請求項1に記載の方法により製造された(硬質)パーティクルフォームの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中ペレット化を用いて、ISO 11357-2による少なくとも180℃のガラス転移温度を有する少なくとも1種のポリマーから、ポリマー組成物から、(硬質)パーティクルフォームを製造する方法に関する。
【0002】
従来技術
エンジニアリングプラスチックは、従来技術によれば、それらの高い加工温度に基づき、ストランドペレット化によってのみ加工することができる。それにより得られた円柱状のペレット体は、鋭いエッジを有する。輸送及びさらなる加工の際に、これらの鋭いエッジは、ダスト発生及び微粒子発生の増大をまねき、これらには、対応する労働保護対策が必要とされる。そのうえ、該ペレットの品質は低下している、それというのも、該ペレット表面の損傷、例えばマイクロクラックが生じうるからである。
【0003】
国際公開第2005/056653号(WO2005/056653)に記載された水中ペレット化では、これらの問題は部分的に解決される。しかしながら、この方法からのペレットは、高められた割合の表面上の欠陥(へこみ)、それどころか一部には該ペレットの内部の欠陥(空胞)を有する。
【0004】
低品質のペレットを分離するには、労力を要する選別方法が下流に必要になる。
欧州特許出願公開第3377288号明細書(EP3377288)及び欧州特許出願公開第2361174号明細書(EP2361174)には、プロセスチャンバー中での水中ペレット化によるプラスチックペレットの製造方法が記載されており、該チャンバー中でプロセス液体は、少なくとも2.0barのプロセス圧力で120℃を上回る温度を有する。しかしながら、該プラスチックペレットの品質は、多くの用途にとって十分ではない。
【0005】
原則として、パーティクルフォームを製造するための多様なアプローチがある。
【0006】
国際公開第2019/038213号(WO2019/038213)には、PEI 80~99.5重量%、発泡剤0.5~10重量%及び添加剤0~10重量%からなる組成物が、多孔板を備えた押出機を用いて、発泡されたかもしくは発泡性のペレットへと加工される方法が記載されている。その際に、供給部とスクリュー先端部との間の温度は、好ましくは320~400℃の範囲内である。さらに、たいてい、この区間にわたって均一な温度が存在するのではなく、例えば、ポリマーメルトの移送方向に温度が上昇する勾配が存在する。該多孔板の温度は、その際に250~350℃であり、かつ該多孔板を経て出る際の溶融樹脂温度は、230~360℃である。該押出機において、その際に、通例、該発泡剤の添加が行われる。該ペレットはついで、水中ペレット化における圧力が該発泡剤の膨張力よりも低い場合に、該多孔板から出る際に発泡する。発泡されたペレットはついで好ましくは、引き続き、パーティクルフォーム成形品へとさらに加工される。これらのフォームビーズは通常、極めて低い密度を有するので、前記の方法は、とりわけ経済的な輸送に関して不利に作用する。そのうえ、発泡されたパーティクルフォームは、成形品へと加工する際に、欠陥及び空洞の回避のために常に圧縮しなければならず、このことは必然的に、該密度の増大、ひいては軽量構造の可能性の低下をまねく。
【0007】
国際公開第2019/025245号(WO 2019/025245)には、高温熱可塑性プラスチックをベースとする、発泡可能な発泡剤含有ペレットの製造方法が記載されている。その際に、ポリマーメルトは、少なくとも180℃のガラス転移温度を有するポリマーの溶融及び押出機中での300℃~350℃の温度での少なくとも1種の造核剤との混合により製造される。該ポリマーメルトへの該発泡剤の添加後に、このポリマーメルトは180℃~250℃の温度に冷却され、多孔板を経て移送され、75℃~99℃の水温を有する水中ペレタイザー中でペレット化される。
【0008】
必要なノズル温度は、100℃未満である通常の水温に比べて極めて高い。それにより、該ノズルの冷却作用が生じ、ひいては該ノズル中での該ポリマーメルトの凝固のリスクがとりわけ該方法の始動時に生じる。
【0009】
Kunststoffe, 2, 2016に掲載されたGloeckner und Muellerの論文“Brillianten aus dem Reaktor”には、押出機のノズル中のポリマーメルトの凝固を防止しようとする、新規な方法が記載されている。該論文には、多様なプラスチックが記載されている。しかしながら、殊に発泡剤添加ポリマーメルトからの、パーティクルフォームの製造は論じられていない。
【0010】
課題
本発明の課題は、従来技術を鑑み、高温パーティクルフォームの新規のペレット化法を提供することであった。
【0011】
解決手段
前記課題は、水中ペレット化を用いて、ISO 11357-2(発行:2014年07月)による少なくとも180℃のガラス転移温度を有する少なくとも1種のポリマーを有するポリマー組成物から、(硬質)パーティクルフォームを製造する方法を提供することによって解決され、前記方法は、
押出機のポリマーメルトを、
a)加圧された第1の水循環路中へ移送し、ここで、圧力は0.2~30barの範囲内であり、かつ該水循環路における水温は105℃~180℃の範囲内であり、
b)ペレット化し、かつ
c)任意に、第2の水循環路に供給し、前記の第2の水循環路が、100℃を下回る温度を有し、かつ
1)非加圧下で又は
2)0.2~30barの範囲内の圧力下で操作される
ことにより特徴付けられる。
【0012】
本発明による一実施態様において、該ポリマー組成物は、該押出機から出る際に水中ペレタイザー中へ案内することができる。
【0013】
この水中ペレタイザーは、その際に、温度と圧力との組合せに関して、閉じた系が存在するように設計されている。本発明によれば、前記の第1の水循環路の温度は、100℃~200℃である。このアプローチにより、ポリマーメルトと該水中ペレタイザーのプロセス水温との間の大きな温度差が最小化される。従来技術に記載された、ノズルでのポリマーメルトの凝固のリスクは、こうして防止することができる。
【0014】
従来の方法の場合に、該ポリマーメルトは、該押出機から、100℃を下回る水温で操作される水中ペレット化に供給される。これは、該ペレットの急激な冷却をまねく。したがって、該ペレット粒は、該ペレットの表面上にへこみ又は空胞を形成する。
【0015】
驚くべきことに、本発明による手法は、第1の水循環路における高められた温度レベルが、へこみ又は空胞の形成を防止できるようにすることをもたらすことが見出された。
【0016】
本発明によれば、前記の加圧された第1の水循環路は好ましくは、0.2~30barの範囲内の圧力で、好ましくは5~30barで、特に好ましくは3~10barで操作される。第1の水循環路における水温は、好ましくは105℃~180℃、特に好ましくは115℃~180℃である。
【0017】
加圧下での閉じた水循環系は、より高い水温での作業を、過熱水蒸気による運転員の負担を同時に低下させながら可能にする。
【0018】
該ペレット化は、第1の水循環路において行われる。そのため、従来技術に記載された、引っかかり及び鋭いエッジの破断によるダスト発生及び該ペレットの品質低下の欠点は、防止される。
【0019】
本発明によれば、得られたペレットは、100℃を下回る温度を有し、かつ非加圧下で、あるいは0.2~30barの圧力で操作される、第2の水循環路に供給することができる。
【0020】
方法工程c)2)による第2の水循環路が加圧下で操作される場合には、プロセス水からの該ペレットの分離前に、該圧力レベルは周囲圧力に低下される。
【0021】
得られたペレットは、乾燥に供給することができる。
【0022】
該乾燥は、従来の乾燥機を用いて実施することができる。例えば、このためには、遠心乾燥機、空気循環式乾燥機、圧縮空気乾燥機、インパクトドライヤー、ベルト乾燥機、吸着乾燥機、赤外線加熱を備えた回転ドラム又はモレキュラーシーブを備えた乾燥機が適している。
【0023】
選択的な変法において、方法工程a)及びb)の後に、得られたペレットが直接、前記の加圧された第1の循環路から排出され、かつ乾燥に供給される。これは、得られたペレットがより高い温度レベルでさらに処理される場合に殊に興味深い。
【0024】
該実施態様のさらなる変法において、発泡剤が添加されたポリマー組成物は、押出機によって加工することができる。
【0025】
この変法において、該ポリマー組成物は、該押出機から出る際に、本発明による水中ペレタイザー中へ案内される。
【0026】
この水中ペレタイザーは、その際に、温度と圧力との組合せに関して、例えば工程a)における温度が、前記の発泡剤添加ポリマーメルトのTgを少なくとも5℃下回ることによって、発泡が防止されるように設計されている。このアプローチにより、発泡剤が添加されたペレットが得られ、これを、後で改めてエネルギー供給することにより所望の密度に発泡することができる及び/又は任意に成形してパーティクルフォーム加工物へとさらに加工することができる。
【0027】
第1の水循環路において存在する圧力は、背圧とも呼ばれ、該発泡剤の沸騰を抑制し、そのため該ペレットの発泡を防止する。
【0028】
この方法に適した発泡剤は、標準圧力でベース材料のガラス転移温度を下回る沸点を有する揮発性有機化合物、無機発泡剤、熱分解可能な発泡剤及び前記のものの混合物からなる群から選択される。
好ましくは、標準圧力でベース材料のガラス転移温度を下回る沸点を有し、かつ標準温度(すなわち25℃、1013mbar)で液体で存在する揮発性有機化合物は、非ハロゲン化炭化水素、ケトン、アルコール、ハロゲン化炭化水素及び前記のものの混合物からなる群から選択される。
【0029】
好ましくは、該ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロノナノン、ジアセトンアルコール及び前記のものの混合物から選択される。より好ましくは、該ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン及び前記のものの混合物から選択される。
【0030】
ISO 11357-2による少なくとも180℃のガラス転移温度を有する適したポリマーは、ポリスルホン類又はポリイミド類、殊にポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド類及びそれらの混合物の群から選択される。適しているのは、PEIとポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とのブレンドをベースとするパーティクルフォームでもある。
【0031】
示されたガラス転移温度は、本発明によれば―別に記載されない場合には―DSC(示差走査熱量測定法)によって測定される。当業者は、該DSCが、最も高いガラス転移温度もしくは溶融温度を最小で25℃上回るが、しかしながらその際に材料の最も低い分解温度を少なくとも20℃下回る温度までの第1の加熱サイクル後に、この材料試料がこの温度で少なくとも2分間保持される場合にのみ十分に有意義であることを知っている。その後、測定されうる最も低いガラス転移温度又は溶融温度を少なくとも20℃下回る温度に再び冷却され、ここで、該冷却速度は、最大20℃/min、好ましくは最大10℃/minであるべきである。数分のさらなる待ち時間後に、ついで実際の測定が行われ、その際に通例10℃/min以下の加熱速度で、該試料は、最も高い溶融温度又はガラス転移温度を少なくとも20℃まで上回って加熱される。
【0032】
パーティクルフォームを製造するさらなる変法において、造核剤を含有する対応するポリマー組成物が加工される。
【0033】
この任意の造核剤は、好ましくは、タルク、グラファイト、カーボンブラック、二酸化チタン及び前記のものの混合物からなる群から選択される。前記の任意の造核剤は、有利には、セル形態を改善する。
【0034】
該ポリマー組成物は、全質量を基準として、造核剤0.01~3重量%、好ましくは0.05~1重量%を含有する。
【0035】
本発明により製造されるペレットは、(硬質)パーティクルフォームへとさらに加工される。
【0036】
該(硬質)パーティクルフォームは、これに関連して、ISO 11357-2による少なくとも180℃のガラス転移温度を有するポリマーをベースとして製造される、フォーム、硬質フォーム、パーティクルフォーム及び硬質パーティクルフォームを意味する。
【0037】
該ペレットのより良好な品質、殊に該ペレット中又は該ペレットの表面の欠陥の最小化の結果として、特に均一な孔径分布を有する(硬質)パーティクルフォームが得られる。
【0038】
ISO 11357-2による少なくとも180℃のガラス転移温度を有する少なくとも1種のポリマーから本発明による方法により製造される(硬質)パーティクルフォームは、宇宙船又は航空機の建造、船舶建造、鉄道車両製造又は車両製造において、殊にエレクトロモビリティにおいて、それらの外部において使用される。さらに、これらの(硬質)パーティクルフォームを用いて、同様にこれらの用途に使用することができる複合材料を製造することができる。
【0039】
ISO 11357-2による少なくとも180℃のガラス転移温度を有する少なくとも1種のポリマーからの(硬質)パーティクルフォームはさらにまた、航空機の外部領域において組み込まれるのにも特に適している。外部領域は、その際に、航空機の外皮におけるだけでなく、殊に飛行機の機首における、尾部領域における、翼面における、外部ドアにおける、ラダーにおける又はローターブレードにおける充填物としての意味である。
【0040】
殊にその低燃焼性に基づき、本発明により製造される(硬質)パーティクルフォームもしくは複合材料は、これらの車両の内部空間においても取り付けられることができる。
【0041】
ISO 11357-2による少なくとも180℃のガラス転移温度を有するポリマーをベースとする(硬質)パーティクルフォームは、航空機の内部領域において組み込まれるのに殊に適している。航空機は、その際に殊に、ジェット機又は軽飛行機に加え、ヘリコプター又はそれどころか宇宙船も含む。そのような航空機の内部空間における取り付けの例は、例えば、旅客機の座席背面の折り畳み可能なテーブルであり、座席又は間仕切壁の充填物であり、並びに例えば内部にあるドア内である。
【0042】
本方法及び本方法を用いて製造される(硬質)パーティクルフォームは、殊に高温使用に適している。
【実施例
【0043】
例1
Ultem 1000タイプのポリエーテルイミドの水中ペレット化
ISO 11357-2(発行:2014年07月)に従って測定される217℃のガラス転移温度を有するポリエーテルイミド(PEI)(Ultem 1000、SABIC、オランダ)を、押出機(Automatic Single Screw APM E1-180)の原料タンク中へ入れる。押出しは、約370~375℃及び15barの圧力で行う。処理量は160kg/hである。多孔板を経て、メルトは、水中ペレット化(SPHERO 70、MAAG Automatik GmbH、ドイツ)に供給される。ノズルでの圧力は、該多孔板の上流で約195barである。該ペレット化は、9個のナイフで2000 1/minで実施される。
【0044】
該水中ペレット化は、2つのプロセス水循環路において行われる。第1の高温循環路において、そのプロセス水温は、約4.95barの圧力で約140℃である。第2の循環路において、そのプロセス水温は、約2.5barの圧力で約70℃である。滞留時間は、双方の循環路においてそれぞれ約8秒である。
引き続き、ペレットは、遠心乾燥機(CENTRO 300、MAAG Automatik GmbH、ドイツ)中で乾燥される。その残留水分は0.30~0.47%である。