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特許7542148変速機に接続される中間シャフトを支持するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】変速機に接続される中間シャフトを支持するための装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 27/06 20060101AFI20240822BHJP
   F16C 35/02 20060101ALI20240822BHJP
   F16C 35/077 20060101ALI20240822BHJP
   F16C 43/00 20060101ALI20240822BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F16C27/06 B
F16C35/02 C
F16C35/077
F16C27/06 A
F16C43/00
B60K1/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023528368
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2021080267
(87)【国際公開番号】W WO2022101045
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】102020130067.0
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516171768
【氏名又は名称】ビブラコースティック エスイー
【住所又は居所原語表記】Europaplatz 4,64293 Darmstadt,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】マルクス デュレ
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ バック
(72)【発明者】
【氏名】ヨーグ ヘス
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲン ケスラー
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0031043(US,A1)
【文献】特開平06-048201(JP,A)
【文献】特表2013-531567(JP,A)
【文献】特開2017-144882(JP,A)
【文献】特開2017-165315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 21/00-27/08,35/00-39/06,
43/00-43/08
B60K 1/00-6/12,7/00-8/00,16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機(42)に接続される中間シャフト(48)を支持するための装置(10)であって、
- 周状の外面(26)を有する中間シャフト(48)を支持するための少なくとも1つの軸受部材(14)と、
- 該軸受部材(14)から第1の距離(34)を空けた位置に前記外面(26)の周りに延びる内面(24)を有する少なくとも1つの支持部材(12)と、
- 該支持部材(12)を前記軸受部材(14)から切り離すため、前記内面(24)と前記外面(26)との間に配置された少なくとも1つの成形部材(16)とを備え、
該成形部材(16)が、前記内面(24)および前記外面(26)に摩擦接続され
前記支持部材(12)が、前記装置(10)をモータ(40)および/またはモータ取付部に接続するための少なくとも1つの締結部材(17)を備える装置。
【請求項2】
前記外面(26)、前記内面(24)および/または前記成形部材(16)が、少なくともいくつかの領域において円弧状になるように設計されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記成形部材(16)が、エラストマからなる請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記成形部材(16)が、前記外面(26)に接続するための内側接続面(28)と、前記内面(24)に接続するための外側接続面(30)とを備え、前記内側接続面および前記外側接続面(30)が、未組立状態において、相互に対して、前記第1の距離(34)よりも大きい第2の距離(36)を空けて配置されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記成形部材(16)が、前記軸受部材(14)と前記支持部材(12)との間に押し込むことによって、未組立状態から、前記成形部材(16)が前記支持部材(12)と前記軸受部材(14)との間に配置された組立状態に移行できる請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記成形部材(16)と前記内面(24)の少なくとも一部および/または前記外面(26)の少なくとも一部との間の後接着工程のための接着促進剤を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記成形部材(16)が、前記内面(24)と前記外面(26)との間に延びる少なくとも1つの切断面(32)を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記軸受部材(14)が、前記周状の外面(26)が配置された筒状部材を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記締結部材(17)が、少なくとも1つの開口(20)を有する少なくとも1つのフランジ部材(18)を備える請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記軸受部材(14)が、転がり軸受または滑り軸受である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記軸受部材(14)および/または前記支持部材(12)が、金属および/またはプラスチックおよび/または複合材料により構成されている請求項1から請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
中間シャフト(48)と、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の装置(10)とを備え、
前記中間シャフト(48)が、前記軸受部材(14)に接続され、前記軸受部材(14)内に回転可能に装着されているシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変速機の中間シャフトを支持するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の動力は、特に変速機によって車両の車輪に伝達される。エンジンの回転シャフトは、車両の進行方向に設置される場合と、進行方向に対して横向きに設置される場合がある。エンジンが車両の進行方向に対して横向きに設置されている場合、変速機の出力は、通常、車両の中心部に位置していない。この中心から外れた変速機の出力が、ねじりのない柔らかいサイドシャフトによって車輪に直接接続されている場合、サイドシャフトが様々な程度のねじりを受ける、いわゆる「ねじり」が発生し、走行特性に非常に悪い影響を及ぼす。これを防ぐために、一般には「ねじり剛性の高い中間シャフト」が使用され、ねじり剛性の高いサイドシャフトの長さをほぼ同じになるよう構成される。中間シャフトを使うことで、「ねじり」をほとんど無くすことができる。中間シャフトは、中間シャフトとサイドシャフトの接続部で支持が必要となる。公差を補正し、かつ音響性能を改善するために、この中間シャフトのベアリングはエストラマトラックによって車両から切り離される。
【0003】
この目的のために、車両に接続するための軸受支持体が、中間シャフト用の中央のレセプタクルを有する中間シャフト用の軸受を提供することが知られている。このレセプタクルは、高圧高温下でのエラストマの加硫時に、例えば接着促進剤を用いて化学結合により生成されるエラストマトラックからなる。さらに内部には、転がり軸受または転がり軸受のための内部レセプタクルがこれに接続されている。化学結合と接着促進剤による加硫はコスト高を招くが、接着に関与する表面はこの目的のために特別に設計されており、接着が成功し持続するようにしている。
【0004】
したがって、本発明の課題は、よりコスト効率よく製造することができる装置を提供することである。
【0005】
本発明の主な特徴は、請求項1および13に記載されている。実施形態は、請求項2~12の対象である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トランスミッションに接続される中間シャフトを支持するための装置において、該装置は、中間シャフトを支持するための、周状の外面を有する少なくとも1つの軸受部材と、該軸受部材から第1の距離を空けた位置に外面の周りに延びる内面を有する少なくとも1つの支持部材と、支持部材を軸受部材から切り離すため、内面と外面との間に配置された少なくとも1つの成形部材とを備え、また本発明によれば、成形部材は内面および外面に摩擦接続され、支持部材が、装置をモータおよび/またはモータ取付部に接続するための少なくとも1つの締結部材を備える
【0007】
本発明は、成形部材が支持部材と軸受部材とを互いから切り離す装置を提供する。この目的のために、軸受部材と支持部材は、互いから第1の距離を空けて配置される。組立状態において、第1の距離は、軸受部材の外面および支持部材の内面に対する法線に沿って延びていてもよい。このように切り離すことで、装置の構成部品の製造における公差を補償することができるという効果がある。さらに、中間シャフトから支持部材への振動の伝達が低減される。成形部材は、支持部材の内面および軸受部材の外面に摩擦接続されている。この摩擦接続は、支持部材と軸受部材の間に成形部材を挿入することによって行うことができる。成形部材、軸受部材、および支持部材に接着促進剤のために特別に設計された表面は、このために必要ではない。したがって、成形部材の表面、軸受部材の外面、および支持部材の内面は、接着促進剤のための特別な条件なしに製造することができる。支持部材と軸受部材は、単なる組立部材として設計することができる。これにより、加硫のコストが低減され、特に製造時間が短縮され、接着促進剤が不要になるなど、コスト削減につながる。従って、全構成部材のコストが削減される。このように、本発明は、低コストで製造することができる中間シャフトを支持するための装置を提供するものである。
【0008】
外面、内面および/または成形部材は、例えば、少なくともいくつかの領域において円弧状になるようにすることが考えられる。
【0009】
したがって、成形部材は、組立状態で、支持部材の内面と軸受部材の外面との間に延びる環状の部材として提供することができる。環状の成形部材は、多大な労力を要することなく製造することができる。
【0010】
また、成形部材が、例えば、エラストマからなることも考えられる。
【0011】
エラストマは良好な減結合特性を持ち、特に軸受部材と支持部材との間の振動を減衰させることができる。また、エラストマからなる成形部材によって、衝撃を少なくとも部分的に吸収することができる。
【0012】
一例として、成形部材が、外面に接続するための内側接続面と、内面に接続するための外側接続面とを備え、内側接続面および外側接続面が、未組立状態において、相互に対して、第1の距離よりも大きい第2の距離を空けて配置することが考えられる。
【0013】
組立状態では、外面および内面は、相互に対して第1の距離を有することができる。未組立状態の成形部材は、その接続面間に第1の距離よりも大きい第2の距離を有することがあるので、成形部材は、軸受部材と支持部材との間に挿入される前に2つの部材との間に大きな重なりを有することができる。第2の距離は、内側接続面および外側接続面の法線に沿って延びることができる。
【0014】
軸受部材と支持部材との間に挿入されることによって、成形部材は変形し、内側接続面と外側接続面との間の距離が第1の距離まで縮められる。これにより、成形部材の内側接続面と軸受部材の外面との間、および外側接続面と支持部材の内面との間に高い接触圧が生じる。これにより、摩擦接続の摩擦が増加し、接続が向上する。
【0015】
さらに、成形部材を未組立状態から、成形部材が支持部材と軸受部材との間に配置された組立状態に移行させるために、例えば、軸受部材と支持部材との間に成形部材を押し込むことが考えられる。
【0016】
成形部材は、例えば、外面および内面に平行に挿入することができる。成形部材を押し込むために使用される力は、成形部材と内面および外面との間に生じる摩擦よりも大きくなければならない。押し込むことによって、成形部材を未組立状態から組立状態に移行させることは、装置の製造を簡素化する。
【0017】
別の例では、本装置が、成形部材と内面の少なくとも一部および/または外面の少なくとも一部との間の後接着工程のための接着促進剤を含んでいることも考えられる。
【0018】
摩擦接続が最初になされた後、成形部材は、その後、接着促進剤を用いて、さらに外面および/または内面に接着させることができる。これは、例えば、その後、高温でエージングすることによって行うことができる。このようにして、成形部材と軸受部材または支持部材との間の接続を改善することができる。
【0019】
また、別の例では、成形部材が、内面と外面との間に延びる少なくとも1つの切断面を備えることができる。
【0020】
したがって、成形部材は、例えば、より大きな材料から切断したり、長さを揃えたりすることができる。特に、成形部材が環形状を有する場合、成形部材は、筒状体から切断することができる。これにより、装置の製造をさらに簡略化することができる。
【0021】
さらに、軸受部材は、例えば、円筒状の外径を有するものや、周状の外面が配置された筒状部材を有するものであってもよい。
【0022】
筒状部材は、例えばボールベアリングを包み込むことができる。この場合、ボールベアリングは成形部材と直接接触することはない。
【0023】
別の例では、支持部材が、装置をモータおよび/またはモータ取付部に接続するための少なくとも1つの締結部材を備えることが考えられる。
【0024】
締結部材が、例えば、少なくとも1つの開口を有する少なくとも1つのフランジ部材を備えることができる。
【0025】
さらに、軸受部材は、例えば、転がり軸受または滑り軸受とすることができる。
【0026】
また、軸受部材および/または支持部材が、例えば、金属および/またはプラスチックおよび/または複合材料で構成されることも考えられる。
【0027】
成形部材、軸受部材、支持部材の間の摩擦接続と組み合わせることで、材料表面の特別な加工を回避することができる。そのため、成形部材、軸受部材、支持部材は、よりコスト効率よく製造することができる。
【0028】
本発明はさらに、中間シャフトと、前記説明による装置とを備え、中間シャフトが、軸受部材に接続され、軸受部材内に回転可能に装着されている、システムに関する。
【0029】
システムの利点および効果ならびにさらなる発展は、上述した装置の利点および効果ならびにさらなる発展からもたらされる。したがって、この点に関しては、先の説明を参照されたい。
【0030】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言および図面に基づく以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本装置を搭載した車両の模式図である。
図2】本装置を模式的に示したものである
図3】本装置の個々の部材を模式的に表したものである。
図4a】未組立状態の装置の概略図である。
図4b】組立状態の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、変速機の中間シャフトを支持するための装置について、参照符号10でその全体を参照する。
【0033】
図1は、モータ40が変速機42を介して車輪52、54に接続された車両50を模式的に示している。変速機42は中心を外れており、車輪54よりも車輪52に近い位置にある。変速機は、サイドシャフト46を介して車輪52に接続されている。
【0034】
車輪54は、中間シャフト48および別のサイドシャフト44を介して変速機42に接続されている。中間シャフト48は、装置10に取り付けられ、モータ40に取り付けられる。あるいは、追加的に、装置10は、モータ取付部または本体のさらに別の部分に取り付けることができる。
【0035】
中間シャフト48と装置10とが組み合わされて、システム15が構成される。中間シャフト48は、装置10に回転可能に取り付けられている。
【0036】
装置10は、図2においてより詳細に示されている。装置10は、支持部材12と、軸受部材14と、成形部材16とからなり、成形部材16は、支持部材12と軸受部材14との間に配置され、支持部材12と軸受部材14とが摩擦嵌合により接続されている。
【0037】
軸受部材14と支持部材12との間の距離は、第1の距離34と称される。
【0038】
モータ40またはモータ取付部または本体への接続のために、支持部材12が、フランジ部材18と少なくとも1つの開口20とを有する締結部材17を構成している。モータ40またはモータ取付部または本体への接続のために、締結要素、例えば、ラッチングフックを有するボルト、ねじ、釘またはリベットなどを少なくとも1つの開口20に通すことができる。
【0039】
図3は、装置10の個々の構成要素を示している。成形部材16、支持部材12および軸受部材14は、より良い概観を提供するために、図3では半分だけ示されている。
【0040】
成形部材16は、環状であり、エラストマからなる。そのため、成形部材16は弾性的に変形することができる。さらに、成形部材16の材料は、加熱することにより、より容易に変形させることができる。
【0041】
さらに、成形部材16は、内側接続面28と外側接続面30とを備える。内側および外側接続面28、30は、環状の成形部材16の中心軸38の周りに延びており、内側接続面28は環状体の内側に向き、外側接続面30は環状体の外側に向く。さらに、内側接続面28と外側接続面30とが、成形部材16の互いに離れる方向を向いた2つの側面に配置されている。
【0042】
内側接続面28と外側接続面30との間の距離は、第2の距離36と呼ばれる。第2の距離36は、第1の距離34よりも大きい。
【0043】
成形部材16は、ホースから長さに合わせて切断されていてもよい。したがって、成形部材16は、軸方向に切断面32を備えていてもよい。成形部材は、互いに背を向けている2つの側面に切断面32を備えていてもよい。さらに、切断面32は、内側接続面28と外側接続面30との間に延びている。少なくとも1つの切断面32は、内側接続面28を外側接続面30に接続してもよい。
【0044】
任意に、成形部材16は、後接着工程のために、内側接続面28上および/または外側接続面30上に接着促進剤を備えていてもよい。
【0045】
この例では、支持部材12も環状であり、プラスチック、金属または複合材料で作ることができる。あるいは、支持部材12は、成形部材16および軸受部材14を受け入れるための開口を有する他の形状を有していてもよい。支持部材12は、内面24によって画定される、成形部材16および軸受部材14のためのレセプタクルを有する。内面24は、支持部材12の中心軸38に面し、当該中心軸38の周りに延びる。この例では、内面24は、環状である。
【0046】
任意に、支持部材12は、内面24に後接着工程のための接着促進剤を備えていてもよい。
【0047】
軸受部材14はまた、環状の形状を有し、プラスチック、金属または複合材料で構成さていてもよい。あるいは、軸受部材14は、支持部材12のレセプタクルに適合する別の形状を有していてもよい。それは、中心軸38の周りに延び、中心軸38から離れる方向に面する外面26を有している。
【0048】
中間シャフト48は、軸受部材14に回転可能に装着されていてもよい。この目的のために、軸受部材14は、任意に、転がり軸受または滑り軸受とすることができる。
【0049】
あるいは、軸受部材14は、任意に、転がり軸受のためのレセプタクル22を有する筒状部材を備えることができる。この代替案では、中間シャフト48は、転がり軸受に回転可能に取り付けられ、この転がり軸受は、今度は、軸受部材14の筒状部材のレセプタクル22に受容される。
【0050】
任意に、軸受部材14は、後接着工程のために、外面26に接着促進剤を備えることができる。
【0051】
支持部材12と軸受部材14とは、純粋な組立部材として設計することができる。
【0052】
さらに、成形部材16、軸受部材14および支持部材12は、成形部材16、内面24および外面26が断面において円弧状であるだけのように形成することができる。したがって、成形部材16、内面24および外面26は、例えば、楕円形であってもよい。
【0053】
図4aおよび図4bは、様々な状態の装置10を示す。
【0054】
図4aは、装置10の未組立状態を示しており、軸受部材14が支持部材12に挿入され、軸受部材14の外面26が支持部材の内面24に面している。支持部材12は軸受部材14の周りに延びており、外面26と内面24との間に隙間が設けられており、その幅は第1の距離34に対応する。
【0055】
図4aは、さらに、成形部材16が、隙間に配置されたときに軸受部材14および支持部材12を覆うことを示す。
【0056】
図4bは、組立状態の装置を示している。成形部材16は、軸受部材14と支持部材12との間に配置されている。軸受部材14と支持部材12との間に成形部材16を配置するために、成形部材16を隙間に押し込むことができる。すなわち、成形部材16を押し込むことによって未組立状態から組立状態へと移行させることができる。任意に、成形部材16の弾性を高めるために、成形部材16を加熱することもできる。さらに、組み立てのために潤滑剤を使用することができ、これにより、圧入中に成形部材16と軸受部材14または支持部材12との間の摩擦を低減することができる。
【0057】
圧入中、成形部材16は、未組立状態において、第1の距離34に対応する隙間幅よりも大きい第2の距離36を超えて、軸38に対して半径方向に延びるように変形する。圧入中、成形部材16は、内側接続面28を軸受部材14の外面26に圧着し、外側接続面30が支持部材12の内面24に圧着されるように配置される。
【0058】
内側接続面28と外側接続面30との間の距離は、押し込むと第1の距離34まで減少する。
【0059】
圧入時の成形部材16の弾性変形により、成形部材の材料は、内側接続面28を外面28に対して半径方向に、外側接続面30を外面26に対して半径方向に押圧する。これにより、成形部材16と軸受部材14または支持部材12との間に摩擦接続が生じる。
【0060】
後接着工程が設けられている場合、装置10は、組立状態で後接着工程を受けることができる。
【0061】
なお、本発明は、上述した実施形態の1つに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0062】
特許請求の範囲、説明および図面から明らかになる、構造的詳細、空間的配置および方法ステップなどのすべての特徴および利点は、個々でも多種多様な組み合わせでも本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0063】
10 中間シャフトを支持するための装置
12 支持部材
14 軸受部材
15 システム
16 成形部材
17 締結部材
18 フランジ部材
20 開口
22 レセプタクル
24 内面
26 外面
28 内側接続面
30 外側接続面
32 切断面
34 第1の距離
36 第2の距離
38 中心軸
40 モータ
42 変速機
44 サイドシャフト
46 サイドシャフト
48 中間シャフト
50 車両
52 車輪
54 車輪
図1
図2
図3
図4a
図4b