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特許7542152コンテキスト情報を使用するデータの補完
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】コンテキスト情報を使用するデータの補完
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240822BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023534003
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2021083933
(87)【国際公開番号】W WO2022117713
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】20383057.5
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダジャニ、サマー エム
(72)【発明者】
【氏名】ゲジュドス、イゴール
(72)【発明者】
【氏名】マノハール、チンメイ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス、ジョアン
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-512588(JP,A)
【文献】特開2010-142273(JP,A)
【文献】特開2012-40189(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0130226(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
血糖モニタ(106、900、1000)から血糖値データを受信することであって、前記血糖値データが、検査期間中に測定されたユーザ(100)の複数の血糖レベルを含む、血糖値データを受信することと、
前記検査期間中に前記ユーザ(100)に関連付けられた検査期間データを受信することであって、前記検査期間データが、前記検査期間の終わりに疾患進行分析または治療分析のうちの1つまたは複数を可能にし、前記検査期間データが、
前記検査期間中に前記ユーザ(100)によって消費された複数の食事に関連付けられた食事摂取データと、
前記検査期間中に前記ユーザ(100)によって摂取された複数の投薬量に関連付けられた投薬データと、
前記検査期間中の前記ユーザ(100)の複数の予めスケジュールされた活動に関連付けられた活動データと
を含む、前記ユーザ(100)に関連付けられた検査期間データを受信することと、
受信した前記検査期間データの分析に基づいて前記検査期間データの一部が欠落していると決定することと、
前記検査期間データの欠落部分が前記複数の食事のうちの1つの食事に関連付けられた食事摂取データを含むと決定し、前記ユーザ(100)が前記食事を消費したと決定することに応答して、前記検査期間データの前記欠落部分を代替食事摂取データによって補完することと、
前記検査期間データの欠落部分が前記複数の投薬量のうちの1つの投薬量に関連付けられた投薬データを含むと決定し、前記ユーザ(100)が前記投薬量を摂取したと決定することに応答して、前記検査期間データの前記欠落部分を代替投薬データによって補完することと、
前記検査期間データの欠落部分が前記複数の予めスケジュールされた活動のうちの1つの予めスケジュールされた活動に関連付けられた活動データを含むと決定し、前記ユーザ(100)が前記予めスケジュールされた活動に参加したと決定することに応答して、前記検査期間データの前記欠落部分を代替活動データによって補完することと、
前記代替食事摂取データ、前記代替投薬データまたは前記代替活動データに関連付けられた信頼性レベルを計算することと、
前記信頼性レベルが規定の閾値よりも大きい場合に、前記代替食事摂取データ、前記代替投薬データまたは前記代替活動データを前記検査期間データに追加することと、
前記食事に関連付けられた第1の期間に近い前記複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、前記ユーザ(100)が前記食事を消費しなかったと決定すること、
前記投薬量に関連付けられた第2の期間に近い前記複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、前記ユーザ(100)が前記投薬量を摂取しなかったと決定すること、
前記予めスケジュールされた活動に関連付けられた第3の期間に近い前記複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、前記ユーザ(100)が前記予めスケジュールされた活動に参加しなかったと決定すること、または
前記信頼性レベルが所定の信頼性閾値を下回っていると決定すること
のうちの1つまたは複数に応答して、前記検査期間を延長することと
を含み、
前記検査期間が複数の日を含み、前記代替食事摂取データ、前記代替活動データ、および前記代替投薬データが、前記検査期間データの前記欠落部分が前記複数の日のうちの1日目の第1の期間に関連付けられていることに応答した一般集団ベースの血糖モデルに基づいており、前記一般集団ベースの血糖モデルが、前記ユーザ(100)と同様のプロファイルを有する人からのデータを使用する予測血糖レベル応答を含み、
前記代替食事摂取データ、前記代替活動データ、および前記代替投薬データが、前記検査期間データの前記欠落部分が前記複数の日のうちの2日目または3日目の第2の期間に関連付けられていることに応答して、前記複数の日のうちの前記1日目に受信された前記ユーザ(100)の血糖データを使用して開発された時間加重血糖モデルに基づいており、前記時間加重血糖モデルが、前記検査期間より前の日からの検査期間データを使用する予測血糖レベル応答を含む、方法。
【請求項2】
受信した前記検査期間データの前記分析が、
前記複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析と、
前記食事摂取データ、前記投薬データ、および前記活動データの分析と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の血糖レベルの前記分析が、血糖レベルが既定の血糖閾値よりも大きいと決定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記既定の血糖閾値が、前記ユーザ(100)に関連付けられた前記食事の糖質含有量、前記食事の血糖プロファイル、前記投薬量の薬物に関連付けられた動的フィンガープリント、前記予めスケジュールされた活動の種類、前記予めスケジュールされた活動の長さ、または所定の血糖レベル上昇のうちの1つまたは複数に関連付けられた予測血糖レベルに基づいて決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検査期間が複数の日を含み、前記既定の血糖閾値が、前記複数の日のうちの1日目の前記食事、予めスケジュールされた活動または投薬量に応答した一般集団ベースの血糖モデルに基づいて決定される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記既定の血糖閾値が、前記複数の日のうちの2日目または3日目の前記食事、予めスケジュールされた活動または投薬量に応答した時間加重血糖モデルに基づいて決定され、前記時間加重血糖モデルが、前記複数の日のうちの前記1日目に受信された前記ユーザ(100)の血糖データを使用して開発される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記血糖モニタ(106、900、1000)が、持続グルコースモニタ(CGM)(102)または血糖スポット測定(SMBG)器である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記検査期間データの前記欠落部分が食事摂取データを含むと決定することが、1つまたは複数のスケジュールされた食事の分析を含み、前記検査期間データの欠落部分が投薬データを含むと決定することが、1つまたは複数のスケジュールされた投薬量の分析を含み、前記検査期間データの前記欠落部分が活動データを含むと決定することが、1つまたは複数の予めスケジュールされた活動の分析を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記検査期間の1日の代替データ補完の各インスタンスの前記信頼性レベルが、1日の集約信頼性レベルを決定するために集約され、前記検査期間が、前記1日の集約信頼性レベルが既定の信頼性閾値を下回ることに応答して延長される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記代替食事摂取データ、前記代替投薬データまたは前記代替活動データを使用して、前記ユーザ(100)に関連付けられた糖尿病症状の進行または後退を識別することと、
前記糖尿病症状の前記進行または前記後退に応答して、前記ユーザ(100)へのインスリンの供給を増加または減少させるようにインスリンポンプの構成を調整することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記検査期間データを使用して前記ユーザ(100)に関連付けられた学習モデルを更新することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、糖尿病疾患進行分析および処置において予測学習を使用するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
装置は、検査期間中にユーザに関連付けられた1つまたは複数のパラメータを監視するために使用される。ユーザは、糖尿病を有する人(ユーザ)であり、検査期間は、血糖レベルおよび他のデータを監視することを含む。監視された血糖レベルおよび他のデータは、糖尿病疾患の進行および治療の最適化を監視するために使用される。検査期間中の血糖レベルおよび他のデータの厳格な遵守および綿密な捕捉は、糖尿病の状態および必要な任意の治療調整を正確に決定するために重要である。残念なことに、一部のユーザ(例えば、前糖尿病患者およびインスリン非依存性2型糖尿病患者)は、データの習慣的な検査および記録に慣れておらず、したがって、構造化検査期間を担当するときに課題を抱えている。また、検査期間中に1つまたは複数のデータのインスタンスが欠落することがある。検査期間中に1つまたは複数のデータのインスタンスが欠落した場合、完全で信頼できるデータセットが疾患進行および治療最適化分析に利用可能であるように、検査期間が延長される必要がある。
【0003】
米国特許出願公開第2020/0176121号明細書は、様々なシステムおよび方法を記載している。開示された方法の1つまたは複数は、機械学習アルゴリズムを使用して、心拍数監視データ、食品ログ、または血糖測定値などの生物物理学データから生物物理学的応答を予測する。生物物理学的応答は、行動応答を含むことができる。追加のシステムおよび方法は、食品の名称を含む文字列を構文分析することによって食品から栄養情報を抽出する。
【0004】
米国特許出願公開第2019/0252079号明細書には、糖尿病などの生理学的状態の管理に関するガイダンスをユーザに提供するためのシステムおよび方法が記載されている。決定は、血糖濃度センサによって検知された患者の血糖濃度データに基づくことができる。ホスト血糖濃度データに関連付けられたホスト状態変化が決定されることができる。ホスト状態変化に少なくとも部分的に基づくガイダンスメッセージも決定されることができる。ガイダンスメッセージは、ユーザインターフェースを介して配信されることができる。
【発明の概要】
【0005】
コンテキスト情報および予測学習に基づく欠落した値のインテリジェントな補完によって補足された正確且つ準拠したデータ収集を保証するために、構造化検査データを確実に捕捉するためのシステムおよび方法が開示される。ユーザ装置(例えば、モバイル装置)は、ユーザ(例えば、糖尿病(PwD)を有する患者)からの血糖データ、食事摂取データ、投薬データ、および活動データの信頼できる捕捉を提供するように実装される。ユーザ装置は、血糖モニタから血糖データを受信する。血糖モニタは、持続グルコースモニタ(CGM)または血糖スポット測定(SMBG)器である。血糖データは、検査期間中に測定されたユーザの複数の血糖レベルを含む。検査期間は、1日または複数の日(例えば、3日間)を含む。ユーザ装置は、検査期間中にユーザに関連付けられた検査期間データを受信する。検査期間データは、検査期間中にユーザによって消費された複数の食事に関連付けられた食事摂取データ、検査期間中にユーザによって摂取された複数の投薬量に関連付けられた投薬データ、および検査期間中のユーザの複数の予めスケジュールされた活動に関連付けられた活動データを含む。
【0006】
ユーザ装置は、受信した検査期間データの分析に基づいて、データの一部が欠落していると決定する。受信データの分析は、複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析と、食事摂取データ、投薬データ、および活動データの分析とを含む。1つまたは複数の血糖レベルの分析は、血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きいと決定することを含む。規定の血糖閾値は、食事の炭水化物含有量、食事の血糖プロファイル、投薬量の薬物に関連付けられた動的フィンガープリント、予めスケジュールされた活動の種類、予めスケジュールされた活動の長さ、またはユーザに関連付けられた所定の血糖レベル上昇のうちの1つまたは複数に関連付けられた予測血糖レベルのうちの1つまたは複数に基づいて決定される。規定の血糖閾値は、検査期間の1日目の食事、予めスケジュールされた活動または投薬量に応じて、一般集団ベースの血糖モデルに基づいて決定される。規定の血糖閾値は、検査期間の2日目または3日目の食事、予めスケジュールされた活動または投薬量に応じた時間加重血糖モデルに基づいて決定される。時間加重血糖モデルは、検査期間の1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発される。
【0007】
ユーザ装置は、データの欠落部分が複数の食事のうちの1つの食事に関連付けられた食事摂取データを含むと決定し、ユーザが食事を消費したと決定することに応答して、データの欠落部分を代替食事摂取データによって補完する。ユーザ装置は、コンテキスト情報を使用して代替食事摂取データを決定する。ユーザ装置は、データの欠落部分が、1つまたは複数のスケジュールされた食事の分析を含む食事摂取データを含むと決定する。ユーザ装置は、データの欠落部分が複数の投薬量のうちの1つの投薬量に関連付けられた投薬データを含むと決定し、ユーザが投薬量を摂取したと決定することに応答して、データの欠落部分を代替投薬データによって補完する。ユーザ装置は、データの欠落部分が、1つまたは複数のスケジュールされた投薬量の分析を含む投薬データを含むと決定する。ユーザ装置は、データの欠落部分が複数の予めスケジュールされた活動のうちの1つの予めスケジュールされた活動に関連付けられた活動データを含むと決定し、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加したと決定することに応答して、データの欠落部分を代替活動データによって補完する。ユーザ装置は、データの欠落部分が、1つまたは複数の予めスケジュールされた活動の分析を含む活動データを含むと決定する。
【0008】
代替食事摂取データ、代替活動データ、および代替投薬データなどの代替データは、食事摂取、活動、および投薬摂取のうちの1つまたは複数に関連付けられた少なくとも1つの基準血糖レベルに関する所定のデータを含む、少なくとも1つの血糖モデルなどのコンテキスト情報を使用することによって決定されてもよい。代替食事摂取データ、代替活動データ、および代替投薬データなどの代替データは、具体的には、一般集団ベースの血糖モデルおよび時間加重血糖モデルのうちの1つまたは複数に基づくことができ、集団ベースの血糖モデルは、具体的には、食事摂取、活動、および投薬摂取のうちの1つまたは複数に応答した少なくとも1つの例示的な個体の血糖レベルに関する所定の情報を含むことができ、時間加重血糖モデルは、具体的には、食事摂取、活動、および投薬摂取のうちの1つまたは複数に対するユーザの血糖レベルに関する所定の情報を含むことができる。
【0009】
代替食事摂取データ、代替活動データ、および代替投薬データは、データの欠落部分が複数の日のうちの1日の第1の期間に関連付けられていることに応答して、一般集団ベースの血糖モデルに基づく。
【0010】
一般集団ベースの血糖モデルは、少なくとも1つの予測血糖レベル応答とすることができるか、またはそれを含むことができる。換言すれば、一般集団ベースの血糖モデルは、食事、すなわち予めパッケージ化された食事、予めスケジュールされた活動、および投薬量、すなわち予めパッケージ化された投薬量などの1つまたは複数が、平均および/または代表患者などの参照個体の血糖レベルにどのように影響するかに関する情報とすることができるか、またはそれを含むことができる。したがって、例として、一般集団ベースの血糖モデルは、食事摂取量、予めスケジュールされた活動、および投薬量のうちの1つまたは複数にかかる平均血糖の発生に関して、1つまたは複数の標準値および/または計算手順、すなわち少なくとも1つのアルゴリズムなどの所定のデータを含むことができる。特に、簡単な例として、一般集団ベースの血糖モデルは、食事摂取、活動、すなわち予めスケジュールされた活動、および投薬量摂取などの投薬摂取、またはその逆のうちの1つまたは複数によって特定の血糖レベルを割り当てる1つまたは複数のデータセット、すなわちデータテーブルまたは行列とすることができるか、またはそれを含むことができる。具体的には、所定のデータ、すなわち、血糖レベルに関連付けられた食事摂取データ、活動データまたは投薬データは、代替データ、すなわち、代替食事摂取データ、代替活動データおよび/または代替投薬データとして使用されることができる。
【0011】
一般集団ベースの血糖モデルは、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって、少なくとも1つの訓練データセット、例えば所定の訓練データのセットで訓練された数学的モデルなどの訓練されたモデルとすることができるか、またはそれを含むことができる。例として、一般集団ベースの血糖モデルは、例えば対数変換または多項式などの変換された特徴を含む線形回帰モデル;少なくとも1つの非線形人工ニューラルネットワーク(ANN)、特に畳み込みNN、リカレントNN、ロングショートタームメモリNNなどの少なくとも1つの深層学習アーキテクチャ;少なくとも1つのサポートベクタマシン(SVM);少なくとも1つのカーネルベースの方法;ツリー回帰;ランダムフォレストからなる群から選択される少なくとも1つのモデルを含む訓練されたモデルとすることができる。
【0012】
一般集団ベースの血糖モデルは、具体的には、以前に決定されたデータ、例えば以前に決定された血糖レベルなどの履歴実験データを含む訓練データセットで訓練された訓練モデルとすることができるか、またはそれを含むことができる。具体的には、一般集団ベースの血糖モデルは、ユーザ以外の人からのデータを使用する予測血糖レベル応答とすることができるか、またはそれを含むことができる。例として、一般集団ベースの血糖モデルの訓練データは、内的および外的要因および/または影響に関して複数の糖尿病患者の血糖レベルを測定およびリンクすることによって取得されることができる。特に、血糖レベルは、患者が身体運動および栄養、すなわち食品、飲料、医薬品、または他の経口摂取などの外的影響を受けた後に、測定および/または監視されることができる。さらに、糖尿病患者の個人データ、例えば、年齢、性別、体重、疾患の期間、疾患の進行、薬剤の種類、一般的な健康状態、または他の個人的な要因および/またはパラメータなどの内的要因が決定されることができる。環境情報、すなわち気象データなどの他のデータがさらに取得されることができる。それぞれの測定された血糖レベルが訓練データとして使用されることができ、訓練データは、外部影響および/または内部要因および/または訓練データが得られた状況に関する追加情報などのそれぞれの潜在的影響によってラベル付けされることができる。全ての情報は、ラベル化およびリンクされてもよく、すなわち、データを測定および決定する後続のステップにおいて、血糖レベルを用いて、それにより、例として、一般集団ベースの血糖モデルを訓練するための訓練データのセットを取得する。一般集団ベースの血糖モデルのための訓練データを取得する他の方法が実現可能であり得る。
【0013】
代替食事摂取データ、代替活動データ、および代替投薬データは、データの欠落部分が複数の日のうちの2日目または3日目の第2の期間に関連付けられていることに応答して、複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発された時間加重血糖モデルに基づく。
【0014】
時間加重血糖モデルは、ユーザの検査期間データにさらに基づいて、少なくとも1つの予測血糖レベル応答とすることができるか、またはそれを含むことができる。換言すれば、時間加重血糖モデルは、食事、すなわち予めパッケージ化された食事、予めスケジュールされた活動、および投薬量、すなわち予めパッケージ化された投薬量などの食事摂取のうちの1つまたは複数が、複数の日のうちの1日目、および場合によっては1日後のユーザの血糖レベルにどのように影響したかに関する情報によって更新された一般集団ベースの血糖モデルに基づくことができる。したがって、例として、時間加重血糖モデルは、1日目に測定および/または受信された食事摂取量、予めスケジュールされた活動、および投薬量のうちの1つまたは複数にしたがって、ユーザの血糖発達に関する1つまたは複数の値などの所定のデータを含むことができる。特に、簡単な例として、時間加重血糖モデルは、ユーザの食事摂取量、ユーザの活動、すなわち予めスケジュールされた活動、およびユーザによって1日目に摂取および/または実行された投薬量などのユーザの投薬量、またはその逆のうちの1つまたは複数を伴うユーザの特定の血糖レベルを割り当てる1つまたは複数のデータセット、すなわちデータテーブルまたは行列とすることができるか、またはそれを含むことができる。例として、時間加重血糖モデルは、検査期間の現在の日に最も近いユーザの血糖レベル応答がより高い相対的な重みを割り当てられるように時間加重されてもよい。具体的には、所定のデータ、すなわち、ユーザの1日目の血糖レベルに関連付けられたユーザの食事摂取データ、活動データまたは投薬データは、その後の日の代替データとして、すなわち、代替食事摂取データ、代替活動データおよび/または代替投薬データとして使用されることができる。特に、時間加重血糖モデルの精度は、毎日、すなわちユーザ固有の血糖および摂取データまたはパフォーマンスデータを毎日収集および追加することによって進化し、改善することができる。したがって、3日目に、時間加重血糖モデルは、1日目と2日目の双方のユーザの食事摂取量、ユーザの活動、およびユーザの投薬摂取量のうちの1つまたは複数、すなわち2日間の間の平均値を有するユーザの血糖レベルを割り当てるデータとすることができるか、またはそれを含むことができる。
【0015】
時間加重血糖モデルは、機械学習、深層学習、ニューラルネットワーク、または他の形態の人工知能のうちの1つまたは複数を使用することによって、ユーザに関する情報を含む少なくとも1つの訓練データセット、例えば所定のユーザ固有訓練データのセットで訓練された、数学的モデルなどの訓練されたモデルとすることができるか、またはそれを含むことができる。例として、時間加重血糖モデルは、例えば対数変換または多項式などの変換された特徴を含む線形回帰モデル;少なくとも1つの非線形人工ニューラルネットワーク(ANN)、特に畳み込みNN、リカレントNN、ロングショートタームメモリNNなどの少なくとも1つの深層学習アーキテクチャ;少なくとも1つのサポートベクタマシン(SVM);少なくとも1つのカーネルベースの方法;ツリー回帰;ランダムフォレストからなる群から選択される少なくとも1つのモデルを含む訓練されたモデルとすることができる。
【0016】
特に、時間加重血糖モデルは、例えばユーザによって継続的に生成される、ユーザから生成された追加の訓練データに基づいてさらに訓練および/または更新されることができる訓練モデルなどの訓練可能モデルとすることができるか、またはそれを含むことができる。したがって、時間加重血糖モデルは、訓練されたモデル、すなわち一般集団ベースの血糖モデルと同様であるが、ユーザの血糖に関する情報、すなわちユーザから生成された訓練データセットで訓練され、さらにユーザからの追加データに基づいて訓練および/または更新される訓練されたモデルとすることができるか、またはそれを含むことができる。具体的には、時間加重血糖モデルは、検査期間より前の日からのユーザの検査期間データを使用する予測血糖レベル応答とすることができるか、またはそれを含むことができる。例として、時間加重血糖モデルは、検査期間より前の日からの検査期間データを使用することによって更新された一般集団ベースの血糖モデルとすることができるか、またはそれを含むことができる。時間加重血糖モデルは、具体的には、以前に決定され、且つ決定され続けるユーザの血糖レベル、具体的には血糖モニタから受信された血糖データおよび検査期間データ、すなわち食事摂取データ、投薬データおよび活動データなど、ユーザから生成された訓練データで訓練され更新された訓練可能モデルとすることができるか、またはそれを含むことができる。特に、ユーザのそれぞれの測定された血糖レベルが訓練データとして使用されることができ、訓練データは、それぞれの検査期間データ、すなわち、その下で訓練データが得られた食事摂取データ、投薬データ、および活動データなどのそれぞれの潜在的影響でラベル付けされることができる。全ての情報は、ラベル化およびリンクされてもよく、すなわち、訓練期間データを測定および決定する後続のステップにおいて、ユーザの血糖レベルとリンクされてもよく、それにより、例として、時間加重血糖モデルを訓練するためにユーザから訓練データのセットを取得する。時間加重血糖モデルのための訓練データを取得する他の方法が実現可能であり得る。
【0017】
ユーザ装置は、代替食事摂取データ、代替投薬データまたは代替活動データを使用して、ユーザに関連付けられた糖尿病症状の進行または後退を識別する。ユーザ装置は、糖尿病症状の進行または後退に応じて、ユーザへのインスリンの供給を増加または減少させるようにインスリンポンプの構成を調整する。
【0018】
ユーザ装置は、代替食事摂取データ、代替投薬データまたは代替活動データに関連付けられた信頼性レベルを計算する。検査期間の1日の代替データ補完の各インスタンスの信頼性レベルは、毎日の集計信頼性レベルを決定するために集計される。ユーザ装置は、1日の合計信頼性レベルが規定の信頼性閾値を下回ることに応答して、検査期間を延長する。ユーザ装置は、信頼性レベルが規定の信頼性閾値よりも大きい場合、代替食事摂取データ、代替投薬データまたは代替活動データを検査期間データに追加する。ユーザ装置は、検査期間データを用いて、ユーザに関連付けられた学習モデルを更新する。
【0019】
ユーザ装置は、食事に関連付けられた第1の期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが食事を消費しなかったと決定することに応答して検査期間を延長する。ユーザ装置は、投薬量に関連付けられた第2の期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが投薬量を摂取しなかったと決定することに応答して検査期間を延長する。ユーザ装置は、予めスケジュールされた活動に関連付けられた第3の期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加しなかったと決定することに応答して検査期間を延長する。ユーザ装置は、信頼性レベルが所定の信頼性閾値を下回っていると決定することに応答して、検査期間を延長する。
【0020】
実施形態では、ユーザ装置は、欠落食事摂取データを代替データによって補完するように構成されている。ユーザ装置は、コンテキスト情報を使用して代替データを決定する。ユーザ装置は、血糖モニタから血糖データを受信し、血糖データは、検査期間中に測定されたユーザの複数の血糖レベルを含む。血糖モニタは、CGMまたはSMBGメータである。ユーザ装置は、検査期間中にユーザによって消費された複数の食事に関連付けられた食事摂取データを受信する。食事摂取データは、検査期間中にユーザによって消費された複数の食事についての主要栄養素情報を含み、複数の食事は予めパッケージ化された食事である。
【0021】
ユーザ装置は、受信した食事摂取データの分析に基づいて、食事摂取データの一部が欠落していると決定する。食事摂取データの欠落部分は、複数の食事のうちの1つの食事に関連付けられる。ユーザ装置は、複数の血糖レベルのうちの規定の血糖レベル閾値よりも大きい血糖レベルに基づいて、ユーザが食事を消費したと決定する。血糖レベルは、食事に関連付けられた期間に近い。ユーザ装置は、ユーザが食事を消費したと決定することに応答して、食事摂取データの欠落部分を代替データによって補完する。検査期間は、複数の日を含む。代替データは、食事が複数の日のうちの1日目であることに応答した一般集団ベースの血糖モデルに基づいている。代替データは、食事が複数の日のうちの2日目または3日目であることに応答して複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発された時間加重血糖モデルに基づく。代替データは、検査期間の終了時に疾患進行分析または治療分析のうちの1つまたは複数を可能にする。
【0022】
代替食事摂取データは、具体的には、少なくとも1つの血糖モデル、すなわち、一般集団ベースの血糖モデルおよび時間加重血糖モデルのうちの1つまたは複数などのコンテキスト情報を使用することによって決定されてもよく、これは、食事摂取または以前の食事摂取などの少なくとも1つの同様の食事摂取に関連付けられた少なくとも1つの血糖レベルに関する所定のデータを含む。例えば、食事摂取量または同様の食事摂取量は、既知の栄養情報の食事などの予めパッケージ化された食事の摂取量とすることができるか、またはそれを含むことができる。簡単な例として、代替食事摂取データは、食事摂取データの平均値または標準値などの所定の値であってもよい。具体的には、例として、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの1日目の第1の期間に関連付けられている場合、代替食事摂取データは、一般的な血糖モデルによって提案および/または予測される食事摂取データの値であってもよい。追加的または代替的に、例として、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの2日目または3日目の第2の期間に関連付けられている場合、代替食事摂取データは、時間加重血糖モデルによって示唆および/または予測される食事摂取データの時間加重値であってもよい。
【0023】
ユーザ装置は、代替データ補完の信頼性レベルを計算する。検査期間の1日の代替データ補完の各インスタンスの信頼性レベルは、毎日の集計信頼性レベルを決定するために集計される。
【0024】
ユーザ装置は、期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが食事を消費しなかったと決定することに応答して検査期間を延長する。期間に近い1つまたは複数の血糖レベルの分析は、期間に近い1つまたは複数の血糖レベルが規定の血糖閾値未満であると決定することを含む。規定の血糖閾値は、食事の炭水化物含有量、食事の血糖プロファイル、またはユーザに関連付けられた所定の食事血糖レベル上昇のうちの1つまたは複数に関連付けられた予想血糖レベルに基づいて決定される。規定の血糖閾値は、食事が複数の日のうちの1日目であることに応答して、一般集団ベースの血糖モデルに基づいて決定される。規定の血糖閾値は、食事が複数の日のうちの2日目または3日目であることに応答した時間加重血糖モデルに基づいて決定される。時間加重血糖モデルは、複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発される。
【0025】
ユーザ装置は、代替データの信頼性レベルが所定の信頼性閾値を下回っていると決定することに応答して、検査期間を延長する。検査期間は、1日の総信頼性レベルが規定の信頼性閾値を下回ることに応答して延長される。ユーザ装置は、代替データを使用して、ユーザに関連付けられた糖尿病症状の進行または後退を識別する。ユーザ装置は、糖尿病症状の進行または後退に応じて、ユーザへのインスリンの供給を増加または減少させるようにインスリンポンプの構成を調整する。
【0026】
実施形態では、ユーザ装置は、欠落した投薬データを代替データによって補完するように構成されている。ユーザ装置は、血糖モニタから血糖データを受信し、血糖データは、検査期間中に測定されたユーザの複数の血糖レベルを含む。血糖モニタは、CGMまたはSMBGメータである。ユーザ装置は、検査期間中にユーザによって摂取された複数の投薬量に関連付けられた投薬データを受信する。ユーザ装置は、受信した投薬データの分析に基づいて、投薬データの一部が欠落していると決定する。投薬データの欠落部分は、複数の投薬量のうちの1つの投薬量に関連付けられる。ユーザ装置は、複数の血糖レベルのうちの1つの血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きいこと、および投薬量に関連付けられた期間に近い活動データの分析に基づいて、ユーザが投薬量を摂取したと決定する。例えば、ユーザ装置は、血糖レベルが投薬量に関連付けられており、活動データの欠落部分に関連付けられていないと決定する。血糖レベルは、投薬量に関連付けられた期間に近い。
【0027】
ユーザ装置は、ユーザが薬剤を摂取したと決定することに応答して、投薬データの欠落部分を代替データによって補完する。ユーザ装置は、コンテキスト情報を使用して代替データを決定する。代替データは、検査期間の終了時に疾患進行分析または治療分析の1つまたは複数を可能にする。検査期間は、複数の日を含む。代替データは、投薬量が複数の日のうちの1日目であることに応答した一般集団ベースの血糖モデルに基づく。代替データは、投薬量が複数の日のうちの2日目または3日目であることに応答して、複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発された時間加重血糖モデルに基づく。ユーザ装置は、代替データ補完の信頼性レベルを計算する。
【0028】
代替データ、すなわち代替投薬データは、具体的には、少なくとも1つの血糖モデル、すなわち、一般集団ベースの血糖モデルおよび時間加重血糖モデルのうちの1つまたは複数などのコンテキスト情報を使用することによって決定されることができ、これは、投薬量の摂取、または以前の投薬量の摂取などの少なくとも1つの同様の投薬量に関連付けられた少なくとも1つの血糖レベルに関する所定のデータを含む。例えば、投薬摂取量または同様の投薬摂取量は、既知の動的フィンガープリント、すなわち血糖レベルに対する既知の影響の投薬量のような、予めパッケージ化された投薬摂取量とすることができるか、またはそれを含むことができる。簡単な例として、代替投薬データは、投薬データの平均値または標準値などの所定の値であってもよい。具体的には、例として、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの1日目の第1の期間に関連付けられている場合、代替投薬データは、一般的な血糖モデルによって提案および/または予測される投薬データの値であってもよい。追加的または代替的に、例として、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの2日目または3日目の第2の期間に関連付けられている場合、代替投薬データは、時間加重血糖モデルによって示唆および/または予測されるような投薬データの時間加重値であってもよい。
【0029】
ユーザ装置は、期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが投薬量を摂取しなかったと決定することに応答して検査期間を延長する。期間に近い1つまたは複数の血糖レベルの分析は、期間に近い1つまたは複数の血糖レベルが規定の血糖閾値未満であると決定することを含む。規定の血糖閾値は、投薬量の薬物に関連付けられた動的フィンガープリントまたはユーザに関連付けられた所定の投薬血糖レベル上昇に基づいて決定される。動的フィンガープリントは、開始時間、作用時間、またはドロップ時間のうちの1つまたは複数を含む。規定の血糖閾値は、投薬量が複数の日のうちの1日目であることに応答して、一般集団ベースの血糖モデルに基づいて決定される。規定の血糖閾値は、投薬量が複数の日のうちの2日目または3日目であることに応答して時間加重血糖モデルに基づいて決定され、時間加重血糖モデルは、複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発される。
【0030】
ユーザ装置は、代替データの信頼性レベルが所定の信頼性閾値を下回っていると決定することに応答して、検査期間を延長する。検査期間のある日の代替データ補完の各インスタンスの信頼性レベルは、毎日の集約信頼性レベルを決定するために集約され、検査期間は、毎日の集約信頼性レベルが規定の信頼性閾値を下回ることに応答して延長される。ユーザ装置は、代替データを使用して、ユーザに関連付けられた糖尿病症状の進行または後退を識別する。ユーザ装置は、糖尿病症状の進行または後退に応じて、ユーザへのインスリンの供給を増加または減少させるようにインスリンポンプの構成を調整する。
【0031】
実施形態では、ユーザ装置は、欠落した活動データを代替データによって補完するように構成されている。ユーザ装置は、血糖モニタから血糖データを受信し、血糖データは、検査期間中に測定されたユーザの複数の血糖レベルを含む。血糖モニタは、CGMまたはSMBGメータである。ユーザ装置は、検査期間中のユーザの複数の予めスケジュールされた活動に関連付けられた活動データを受信する。ユーザ装置は、受信した活動データの分析に基づいて、活動データの一部が欠落していると決定する。活動データの欠落部分は、複数の予めスケジュールされた活動のうちの1つの予めスケジュールされた活動に関連付けられる。ユーザ装置は、複数の血糖レベルのうちの1つの血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きいことに基づいて、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加したと決定する。血糖レベルは、予めスケジュールされた活動に関連付けられた期間に近い。ユーザ装置は、予めスケジュールされた活動に関連付けられた期間に近い投薬データの分析に基づいて、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加したと決定する。ユーザ装置は、血糖レベルが予めスケジュールされた活動に関連付けられ、投薬データの欠落部分に関連付けられていないと決定する。
【0032】
ユーザ装置は、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加したとの決定に応答して、活動データの欠落部分を代替データによって補完する。代替データは、検査期間の終了時に疾患進行分析または治療分析の1つまたは複数を可能にする。検査期間は、複数の日を含む。代替データは、予めスケジュールされた活動が複数の日のうちの1日目であることに応答した一般集団ベースの血糖モデルに基づく。代替データは、予めスケジュールされた活動が複数の日のうちの2日目または3日目であることに応答して複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発された時間加重血糖モデルに基づく。
【0033】
代替データ、すなわち代替活動データは、具体的には、少なくとも1つの血糖モデル、すなわち一般集団ベースの血糖モデルおよび時間加重血糖モデルのうちの1つまたは複数などのコンテキスト情報を使用することによって決定されてもよく、事前に実行された活動などの予めスケジュールされた活動または少なくとも1つの同様の活動に関連付けられた少なくとも1つの血糖レベルに関する所定のデータを含む。例えば、予めスケジュールされた活動または同様の活動は、血糖レベルに既知の影響を及ぼすことがある。簡単な例として、代替活動データは、予めスケジュールされた活動データの平均値または標準値などの所定の値であってもよい。具体的には、例として、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの1日目の第1の期間に関連付けられている場合、代替活動データは、一般的な血糖モデルによって提案および/または予測される活動データの値であってもよい。追加的または代替的に、例として、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの2日目または3日目の第2の期間に関連付けられている場合、代替活動データは、時間加重血糖モデルによって示唆および/または予測される活動データの時間加重値であってもよい。
【0034】
ユーザ装置は、代替データ補完の信頼性レベルを計算する。ユーザ装置は、時間期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加しなかったと決定することに応答して検査期間を延長する。期間に近い1つまたは複数の血糖レベルの分析は、期間に近い1つまたは複数の血糖レベルが規定の血糖閾値未満であると決定することを含む。規定の血糖閾値は、ユーザに関連付けられた予めスケジュールされた活動の種類、予めスケジュールされた活動の長さ、または所定の活動血糖レベル上昇のうちの1つまたは複数に基づいて決定される。規定の血糖閾値は、活動が複数の日のうちの1日目であることに応答して、一般集団ベースの血糖モデルに基づいて決定される。規定の血糖閾値は、複数の日のうちの2日目または3日目の活動に応答して時間加重血糖モデルに基づいて決定され、時間加重血糖モデルは、複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発される。
【0035】
ユーザ装置は、代替データの信頼性レベルが所定の信頼性閾値を下回っていると決定することに応答して、検査期間を延長する。検査期間のある日の代替データ補完の各インスタンスの信頼性レベルは、毎日の集約信頼性レベルを決定するために集約され、検査期間は、毎日の集約信頼性レベルが規定の信頼性閾値を下回ることに応答して延長される。ユーザ装置は、代替データを使用して、ユーザに関連付けられた糖尿病症状の進行または後退を識別する。ユーザ装置は、糖尿病症状の進行または後退に応じて、ユーザへのインスリンの供給を増加または減少させるようにインスリンポンプの構成を調整する。
【0036】
要約すると、以下の実施形態が提案される:
【0037】
実施形態1。方法であって、血糖モニタから血糖値データを受信することであって、血糖値データが、検査期間中に測定されたユーザの複数の血糖レベルを含む、血糖値データを受信することと、検査期間中にユーザに関連付けられた検査期間データを受信することであって、検査期間データが、検査期間の終わりに疾患進行分析または治療分析のうちの1つまたは複数を可能にし、検査期間データが、検査期間中にユーザによって消費された複数の食事に関連付けられた食事摂取データ、検査期間中にユーザによって摂取された複数の投薬量に関連付けられた投薬データ、および検査期間中のユーザの複数の予めスケジュールされた活動に関連付けられた活動データを含む、ユーザに関連付けられた検査期間データを受信することと、受信したデータの分析に基づいて検査期間データの一部が欠落していると決定することと、検査期間データの欠落部分が複数の食事のうちの1つの食事に関連付けられた食事摂取データを含むと決定し、ユーザが食事を消費したと決定することに応答して、検査期間データの欠落部分を代替食事摂取データによって補完することと、データの欠落部分が複数の投薬量のうちの1つの投薬量に関連付けられた投薬データを含むと決定し、ユーザが投薬量を摂取したと決定することに応答して、検査期間データの欠落部分を代替投薬データによって補完することと、データの欠落部分が複数の予めスケジュールされた活動のうちの1つの予めスケジュールされた活動に関連付けられた活動データを含むと決定することと、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加したと決定することとに応答して、検査期間データの欠落部分を代替活動データによって補完することと、代替食事摂取データ、代替投薬データまたは代替活動データに関連付けられる信頼性レベルを計算することと、信頼性レベルが規定の閾値よりも大きい場合に、代替食事摂取データ、代替投薬データまたは代替活動データを検査期間データに追加することと、食事に関連付けられた第1の期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが食事を消費しなかったと決定すること、投薬量に関連付けられた第2の期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが投薬量を摂取しなかったと決定すること、予めスケジュールされた活動に関連付けられた第3の期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが予めスケジュールされた活動に参加しなかったと決定すること、または信頼性レベルが所定の信頼性閾値を下回ると決定することのうちの1つまたは複数に応答して、検査期間を延長することと、を含む、方法。
【0038】
実施形態2。検査期間が複数の日を含み、代替食事摂取データ、代替活動データ、および代替投薬データが、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの第1の日の第1の期間に関連付けられていることに応答して、一般集団ベースの血糖モデルに基づく、実施形態1に記載の方法。
【0039】
実施形態3。代替食事摂取データ、代替活動データ、および代替投薬データが、検査期間データの欠落部分が複数の日のうちの2日目または3日目の第2の期間に関連付けられていることに応答して、複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発された時間加重血糖モデルに基づく、実施形態2に記載の方法。
【0040】
実施形態4。受信した検査期間データの分析が、複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析と、食事摂取データ、投薬データ、および活動データの分析とを含む、実施形態1に記載の方法。
【0041】
実施形態5。1つまたは複数の血糖レベルの分析が、血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きいと決定することを含む、実施形態4に記載の方法。
【0042】
実施形態6。規定の血糖閾値が、食事の炭水化物含有量、食事の血糖プロファイル、投薬量の薬物に関連付けられた動的フィンガープリント、予めスケジュールされた活動の種類、予めスケジュールされた活動の長さ、またはユーザに関連付けられた所定の血糖レベル上昇のうちの1つまたは複数に関連付けられた予測血糖レベルに基づいて決定される、実施形態5に記載の方法。
【0043】
実施形態7。検査期間が複数の日を含み、規定の血糖閾値が、複数の日のうちの1日目の食事、予めスケジュールされた活動または投薬量に応答した一般集団ベースの血糖モデルに基づいて決定される、実施形態1に記載の方法。
【0044】
実施形態8。規定の血糖閾値が、複数の日のうちの2日目または3日目の食事、予めスケジュールされた活動または投薬量に応答した時間加重血糖モデルに基づいて決定され、時間加重血糖モデルが、複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発される、実施形態7に記載の方法。
【0045】
実施形態9。血糖モニタが、持続グルコースモニタ(CGM)または血糖スポット測定(SMBG)器である、実施形態1に記載の方法。
【0046】
実施形態10。検査期間データの欠落部分が食事摂取データを含むと決定することが、1つまたは複数のスケジュールされた食事の分析を含み、データの欠落部分が投薬データを含むと決定することが、1つまたは複数のスケジュールされた投薬量の分析を含み、検査期間データの欠落部分が活動データを含むと決定することが、1つまたは複数の予めスケジュールされた活動の分析を含む、実施形態1に記載の方法。
【0047】
実施形態11。検査期間のある日の代替データ補完の各インスタンスの信頼性レベルが、1日の総信頼性レベルを決定するために集約され、検査期間が、1日の総信頼性レベルが規定の信頼性閾値を下回ることに応答して延長される、実施形態1に記載の方法。
【0048】
実施形態12。代替食事摂取データ、代替投薬データまたは代替活動データを使用して、ユーザに関連付けられた糖尿病症状の進行または後退を識別することと、糖尿病症状の進行または後退に応答して、ユーザへのインスリンの供給を増加または減少させるようにインスリンポンプの構成を調整することと、をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0049】
実施形態13。検査期間データを使用してユーザに関連付けられた学習モデルを更新することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0050】
実施形態14。方法であって、血糖モニタから血糖値データを受信することであって、血糖値データが、検査期間中に測定されたユーザの複数の血糖レベルを含む、血糖値データを受信することと、検査期間中にユーザによって消費された複数の食事に関連付けられた食事摂取データを受信することと、受信した食事摂取データの分析に基づいて、食事摂取データの一部が欠落していると決定することであって、食事摂取データの欠落部分が、複数の食事のうちの1つの食事に関連付けられる、食事摂取データの一部が欠落していると決定することと、複数の血糖レベルのうちの規定の血糖閾値よりも大きい血糖レベルに基づいてユーザが食事を消費したと決定することであって、血糖レベルが、食事に関連付けられた期間に近い、ユーザが食事を消費したと決定することと、ユーザが食事を消費したとの決定に応答して、食事摂取データの欠落部分を代替データによって補完することであって、代替データが、検査期間の終了時に疾患進行分析または治療分析のうちの1つまたは複数を可能にする、食事摂取データの欠落部分を代替データによって補完する補完することと、代替データ補完の信頼性レベルを計算することと、期間に近い複数の血糖レベルのうちの1つまたは複数の血糖レベルの分析に基づいて、ユーザが食事を消費しなかったと決定すること、または代替データの信頼性レベルが所定の信頼性閾値を下回ると決定することのうちの1つまたは複数に応答して、検査期間を延長することと、を含む、方法。
【0051】
実施形態15。検査期間が複数の日を含み、代替データが、食事が複数の日のうちの1日目であることに応答した一般集団ベースの血糖モデルに基づき、代替データが、食事が複数の日のうちの2日目または3日目であることに応答して複数の日のうちの1日目に受信されたユーザの血糖データを使用して開発された時間加重血糖モデルに基づく、実施形態14に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】糖尿病症状を監視または処置するための代表的な環境の斜視図である。
図2】疾患進行を分析し、治療を最適化するために構造化検査期間を使用するための例示的なプロセスのフローチャートを示している。
図3】構造化検査期間中にデータを確実に取り込むための例示的なプロセスのフローチャートである。
図4】構造化検査期間中の食事摂取データの補完のための例示的なプロセスのフローチャートを示している。
図5】構造化検査期間中の活動データの補完のための例示的なプロセスのフローチャートを示している。
図6】構造化検査期間中の投薬データの補完のための例示的なプロセスのフローチャートを示している。
図7】血糖データの補完のための例示的なプロセスのフローチャートを示している。
図8】空腹時血糖レベルの補完のための例示的なプロセスのフローチャートを示している。
図9】例示的な血糖監視装置のブロック図である。
図10】例示的な血糖測定(BGM)装置のブロック図である。
図11】インスリンポンプの例を示すブロック図である。
図12】例示的なコンピューティング装置のブロック図である。
図13】例示的なスマートプレートのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、糖尿病症状を監視または処置するための代表的な環境の斜視図である。図1に示すように、糖尿病を有するユーザ100は、1つまたは複数の血糖監視装置を使用して、糖尿病症状の監視または処置を補助する。糖尿病症状は、メタボリックシンドローム、糖尿病前症、1型糖尿病、2型糖尿病、または妊娠糖尿病を含む。ユーザ100の血糖レベルが閾値血糖レベルよりも上または下である場合、ユーザ100は、低血糖または高血糖などの極端な糖尿病状態にある可能性がある。図1の実施形態では、ユーザ100は、血糖監視装置を使用して血糖レベルを監視する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「血糖監視装置」という用語は、血液の直接測定または間接的な検出プロセスのいずれかによって、ユーザの血液中の血糖のレベルを検出および報告する任意の装置を指す。血糖レベル(blood glucose level)は、血糖レベル(blood sugar level)とも呼ばれる。血糖監視装置の例は、以下に限定されないが、「スポット」監視プロセスにおいて血液試料からの血糖レベルの単一の測定値を提供する持続グルコース監視装置、フラッシュグルコース視装置、および血糖測定器を含む。図1は、以下により詳細に記載される血糖監視装置の例を示している。
【0055】
いくつかの実施形態では、血糖監視装置は、持続グルコースモニタ(CGM)102である。CGM102は、ユーザ100の間質液中の血糖の量を検知および監視するために使用される皮下センサを含む。CGM102は、センサからのデータ転送に無線で電力を供給するセンサの真上に配置された送信装置を含む。CGM102は、ユーザ100の血糖レベルを計算または記憶するために、ユーザ100の血糖レベルを示すデータをモバイル装置104などの外部装置に定期的に通信する。
【0056】
本明細書で使用される場合、「モバイル装置」という用語は、ユーザが位置を変更するときにユーザとともに移動することができる任意のモバイル電子装置を指す。モバイル装置の例は、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル装置、タブレット、ラップトップ、ノートブックコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、およびユーザとともに移動することができる任意の他のモバイル電子装置を含む。モバイル装置のいくつかの実施形態は、血糖モニタを統合装置に組み込む。
【0057】
モバイル装置104のいくつかの実施形態は、CGMコントローラ装置として動作する。モバイル装置104は、CGM102が通信する装置の例として提供されているが、CGM102は、モバイル装置104について本明細書に記載されているのと同様の機能を提供するために、他の専用CGMコントローラ装置と通信することができる。CGM102は、血糖データを処理して、疾患進行分析および治療分析を可能にする。血糖データは、モバイル装置104または他のCMGコントローラ装置において処理され、警告インジケータがCGM102に通信される。
【0058】
いくつかの実施形態では、血糖監視は、フラッシュ血糖監視(FGM)によって実行される。FGMは、ユーザ100の間質液中の血糖の量を検知および監視するために使用される皮下センサ103を含む。モバイル装置104または別のリーダ装置などの別個のリーダ装置は、装置がセンサ103のRF範囲内にあるときに、センサから血糖情報を受信する。センサ103は、瞬時血糖レベルまたは血糖レベルのグラフ傾向を表示のためにリーダ装置に送信する。
【0059】
いくつかの実施形態では、CGM102は、短期使い捨てCGM装置である。短期使い捨てCGM装置は、検査期間の開始時に作動され、検査期間中にユーザの血糖レベルを測定する。例では、短期使い捨てCGM装置は、血糖レベル測定値をモバイル装置104に送信する。例では、短期使い捨てCGM装置は、血糖レベル測定値をリモートコンピューティング装置122に送信する。短期使い捨てCGM装置は、検査期間の完了後に廃棄される。
【0060】
いくつかの実施形態では、CGM102は、検査期間中に血糖レベル測定値がユーザに提示されないようにブラインドされる。ユーザは、血糖レベル測定値を見ることができると、行動を変える傾向がある。
【0061】
いくつかの実施形態では、CGM102は、モバイル装置104と通信しない。代わりに、CGM102は、検査期間の終わりまで血糖レベル測定値を記憶する。例では、CGMは、記憶された血糖レベル測定値をリモートコンピューティング装置122に転送するように構成されている。
【0062】
いくつかの実施形態では、ユーザは、血糖レベルを監視するための血糖監視装置として血糖モニタ(BGM)106(例えば、血糖スポット測定(SMBG)器)を使用する。BGM106は、血糖測定ストリップ110を受け入れるポート108を含む。ユーザ100は、血糖測定ストリップ110上に血液の試料を堆積させる。BGM106は、試料を分析し、試料中の血糖レベルを測定する。試料から測定された血糖レベルは、BGM106のディスプレイ112に表示されるか、またはモバイル装置104などの外部装置に通信される。
【0063】
BGM106によって測定された、またはCGM102から受信したデータを使用して計算された血糖レベルは、ユーザ100の糖尿病症状を処置するために使用される。BGM106によって測定された、またはCGM102から受信したデータを使用して計算された血糖レベルは、ユーザ100の糖尿病症状の進行または後退を識別するために使用される。BGM106によって測定された、またはCGM102から受信したデータを使用して計算された血糖レベルは、ユーザ100に関連付けられた治療を調整(例えば、最適化)するために使用される。
【0064】
いくつかの実施形態では、ユーザ100は、インスリンを用いて糖尿病症状を処置するために、携帯型非耐久性インスリンポンプ116または携帯型耐久性インスリンポンプ118を使用する。モバイル装置104は、ユーザ100に投与されるインスリンの量を決定し、インスリンポンプ116、118は、モバイル装置104から指示を受信して、所定量のインスリンをユーザ100に送達する。インスリンポンプ116、118は、ユーザ100の食事時間情報または運動情報などの他の情報をモバイル装置104から受信する。インスリンポンプ116、118は、モバイル装置104から受信した情報に基づいて、インスリンの投与量を決定する。インスリンポンプ116、118は、モバイル装置104に情報を通信する。モバイル装置104に通信される情報は、ユーザ100に送達されるインスリンの量、対応する送達時間、またはポンプ状態(例えば、バッテリ状態、インスリン状態、またはポンプの一部の別の状態)を含む。BGM106によって測定された、またはCGM102から受信したデータを使用して計算された血糖レベルは、インスリンポンプ116、118の構成を調整するため、または糖尿病症状の進行または後退に応答してユーザへのインスリンの供給を減少させるために使用される。
【0065】
いくつかの実施形態では、ユーザ100は、フィットネストラッカ114を装着する。フィットネストラッカ114は、フィットネスバンド(例えば、図1に示すように)、スマートウォッチ、または別のウェアラブル装置である。フィットネストラッカ114は、ユーザの活動またはその欠如を測定して説明する。フィットネストラッカ114は、ウォーキング、運動、ランニング、睡眠、不活発、サイクリング、楕円形トレーナにおける運動などの活動を測定するために使用される。フィットネストラッカ114によって収集されたデータ(例えば、活動データ)は、コンピューティング装置(例えば、モバイル装置104など)に転送され、そこで見ることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ユーザ100は、検査期間中に消費するために予めパッケージ化された食事130を受け取る。予めパッケージ化された食事130のそれぞれは、食事機械可読光学ラベル131を含む。食事機械可読光学ラベル131は、バーコード、QRコード、または他の何らかの固有の識別子である。ユーザ100は、例えば、それぞれの予めパッケージ化された食事130が消費されたことを確認するために、食事を消費する前に食事機械可読光学ラベル131を走査する。
【0067】
いくつかの実施形態では、ユーザ100は、検査期間中に摂取するために予めパッケージ化された投薬量132を受け取る。予めパッケージ化された投薬量132のそれぞれは、投薬機械可読光学ラベル133を含む。投薬機械可読光学ラベル133は、バーコード、QRコード、または他の何らかの固有の識別子である。ユーザ100は、例えば、それぞれの予めパッケージ化された投薬量132が摂取されたことを確認するために、投薬量を摂取する前に投薬機械可読光学ラベル133を走査する。
【0068】
いくつかの実施形態では、ユーザ100は、スマートプレート128を使用して食事を消費する。スマートプレート128は、ユーザ100が食事をした量(例えば、予めパッケージ化された食事)を決定するように構成された1つまたは複数のセンサを含む。スマートプレート128は、予めパッケージ化された食事130の食事機械可読光学ラベル131を走査するように構成されている。例えば、スマートプレート128は、カメラまたはバーコードスキャナを含む。
【0069】
モバイル装置104は、有線または無線通信を使用して、インスリンポンプ116、118、CGM102、BGM106、フィットネストラッカ114、およびスマートプレート128と通信する。モバイル装置104、CGM102、CGMコントローラ、BGM106、フィットネストラッカ114、スマートプレート128、およびインスリンポンプ116、118は、まとめてユーザ装置と呼ばれる。モバイル装置104は、同じまたは異なる無線プロトコルを使用して、インスリンポンプ116、118、CGM102、BGM106、フィットネストラッカ114、およびスマートプレート128と通信する。例えば、モバイル装置104は、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、THREAD(登録商標)、WIFI(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、WI-MAX(登録商標)、セルラー通信プロトコル、専用無線通信プロトコル、または別の無線周波数(RF)通信プロトコルを使用して、インスリンポンプ116、118、CGM102、BGM106、フィットネストラッカ114、およびスマートプレート128と通信する。
【0070】
モバイル装置104は、データを受信し、糖尿病症状の監視または処置を支援するためのデータを記憶する。モバイル装置104は、モバイル装置104のディスプレイ上に提供されているユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI))を介してユーザ100からの入力を受信する。モバイル装置104は、ディスプレイに設けられたハードボタンまたはソフトボタンを介して入力を受信する。ユーザ100は、モバイル装置のユーザインターフェースを介して、構造化検査期間の1つまたは複数の態様との遵守を確認する。例えば、ユーザ100は、モバイル装置104を介して、食事が消費されたかどうか、投薬量が摂取されたかどうか、および活動が参加されたかどうかを確認する。
【0071】
モバイル装置104は、装置の位置を決定するように構成されている。例えば、モバイル装置104は、全地球測位システム(GPS)からの信号またはセルラー通信を介した三角測量を使用して、装置の地理的位置(例えば、緯度および経度)を識別することができる。モバイル装置104は、RFビーコン装置126を使用して相対位置を決定する。RFビーコン装置126は、BLUETOOTH(登録商標)低エネルギー(BLE)ビーコンまたはNFCビーコンなどの短距離無線通信を介して固有の識別子を通信する。モバイル装置104は、RFビーコンを受信し、固有の識別子に関連付けられた相対位置を決定するためにデータベース(例えば、データストア124からの情報)内のルックアップを実行する。例えば、モバイル装置104は、RFビーコンが、装置が家もしくは建物内の特定の部屋にあること、建物内の特定の階にあること、規定のオブジェクトに近いこと、または別のオブジェクトもしくは位置に関連付けられたビーコンのRF範囲内にあることを示すと決定する。
【0072】
モバイル装置104のいくつかの実施形態は、装置の相対位置またはユーザ100に関する情報を検出するための1つまたは複数のセンサを含む。モバイル装置104は、動きまたは向きの変化を検出する。ある期間にわたるモバイル装置104の移動または向きの変化(またはその欠如)に基づいて、モバイル装置104は、ユーザ100が立っている、座っている、または横たわっていることを検出する。モバイル装置104は、移動または向きの変化がある期間にわたって閾値よりも大きいとき、ユーザ100が運動していることを検出する。モバイル装置104は、心拍センサを使用してユーザ100の心拍を検出する。一定期間にわたる心拍数およびユーザ100の動きに基づいて、モバイル装置104は、ユーザ100が眠っているか起きているかを検出する。モバイル装置104またはユーザ100に関する情報は、糖尿病症状に関する情報を提供するか、または糖尿病症状を処置するために使用される。
【0073】
モバイル装置104は、ユーザの糖尿病症状に関する情報をユーザ100に提供する。例えば、モバイル装置104は、血糖レベルを提供し、食事関連情報を提供し、運動関連情報を提供し、表示用のグラフおよび他のグラフィカルユーザインターフェースを生成し、またはユーザ100に提供される警告を生成する。例えば、モバイル装置104は、ユーザ100の血糖レベルを測定し、ユーザ100の血糖レベルが極端な糖尿病状態の閾値(例えば、低血糖または高血糖)に到達したときに警告を提供する。モバイル装置104によって提供される警報は、可聴または非可聴警報である。非可聴警告は、モバイル装置104上の振動、画面の点滅、またはLEDの点滅として提供される。警告はまた、または代替的に、モバイル装置104からの通信に基づいて外部装置によって提供される。モバイル装置104のいくつかの実施形態は、監視された血糖データにおいて識別されたデータ表示またはトリガに応答して、身体上の振動警告を提供するための電気モータ、または可聴警告を提供するためのスピーカを含む。
【0074】
モバイル装置104は、有線通信または近距離無線通信(例えば、WI-FI(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、BLE、NFC、または別の適切な短距離無線通信)を介して他の装置と直接通信する。モバイル装置104は、ネットワーク120を介して(例えば、WI-FI(登録商標)ネットワーク、セルラネットワーク、WI-MAX(登録商標)ネットワーク、または別の有線もしくは無線ネットワークを使用して)リモートコンピューティング装置122またはデータストア124と間接的に通信する。ネットワーク120は、有線または無線のネットワークである。ネットワーク120は、インターネットを介して他の装置と通信するために使用される。リモートコンピューティング装置122のうちの1つまたは複数は、リモートサービスアプリケーション123を実行するように構成されている。
【0075】
モバイル装置104は、リモートコンピューティング装置と通信して、モバイル装置104上に表示するためのユーザインターフェースを生成し、リモート計算を実行し、またはそうでなければリモートコンピューティング装置を制御する。例えば、モバイル装置104は、リモートコンピューティング装置122で生成されるアプリケーションまたはウェブブラウザを介してユーザインターフェースを提供する。モバイル装置104は、検査期間に関連付けられた情報に基づいてリマインダを提供するための命令を生成する。モバイル装置104は、ユーザ100に1つまたは複数のリマインダを表示する。リマインダは、データを入力し、薬剤を摂取し、食事を消費し、活動に参加し、血糖測定を行うようにユーザ100にリマインダするように構成されている。
【0076】
モバイル装置104は、データストア124と通信して、情報を記憶または取得する。情報は、ユーザ100、CGM102、BGM106、フィットネストラッカ114、スマートプレート128、およびインスリンポンプ116、118に関する情報を含む。例えば、モバイル装置104は、ユーザ100に関連付けられた処置情報を入力として受信するか、またはCGM102もしくはBGM106から血糖情報を受信し、その情報をネットワーク120を介してデータストア124に送信する。別の例として、モバイル装置104は、フィットネストラッカ114から活動情報を受信し、ネットワーク120を介してデータストア124に活動情報を送信する。記憶された情報は、ユーザの糖尿病症状の処置のためにデータストア124から取得される。例えば、モバイル装置104は、ユーザ100に送達されるインスリンの量または対応する送達時間を取得する。データストア124は、集合的にクラウドストレージと呼ばれる、1つまたは複数のリモート記憶場所を含む。例えば、データストア124は、ユーザ100の1つまたは複数の個人特性(例えば、ユーザの年齢または性別)に関する情報、または警告のための1つまたは複数の警告プロファイルを記憶する。
【0077】
ユーザ装置のうちの1つまたは複数は、(例えば、構造化検査期間中に)ユーザからの検査期間データの信頼できる捕捉のために実装される。検査期間データは、血糖データ、食事摂取データ、投薬データ、および活動データを含む。例えば、モバイル装置104は、構造化検査期間中に検査期間データ(例えば、血糖データ、食事摂取データ、投薬データ、および活動データ)を受信する。モバイル装置104は、検査期間データを収集するためのモバイルアプリケーション105を実行する。モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105を介して)は、検査期間データを収集し、検査プロトコルを設定し、リマインダを受信し、データのユーザ入力を可能にするように構成されている。モバイル装置104は、ユーザ装置のうちの1つまたは複数との通信を介して検査期間データを収集する。例えば、1つまたは複数のユーザ装置は、検査期間データをモバイル装置104に送信する。モバイル装置104は、データのユーザ入力を受信する。例えば、モバイルアプリケーション105は、ユーザ100が検査期間データを入力するためのユーザインターフェースを提供する。
【0078】
構造化検査期間の長さ(例えば、検査期間)は、ユーザおよびその疾患状態に基づいて決定される。例では、検査期間は、2日間以上(例えば、3日間)である。他の例では、検査期間は1日である。検査期間の長さは、検査期間中に調整される。例えば、検査期間データがモバイル装置104によって受信されない場合、検査期間は、(例えば、1日または複数の日)延長される。検査期間のデータ収集頻度は、検査期間の異なる日に可変である。例えば、検査期間データは、検査期間の2日目または3日目よりも検査期間の1日目により頻繁に収集される。
【0079】
ユーザ100は、モバイルアプリケーション105を使用して1つまたは複数の検査プロトコルを設定する。検査プロトコルは、収集する検査期間データの種類および検査期間データが収集される頻度を含む。モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105を介して)は、ユーザに1つまたは複数のリマインダを送信する。リマインダは、ユーザに、データを入力すること、薬剤を摂取すること、食事を消費すること、活動に参加すること、または血糖測定を行うことをリマインドするように構成されている。
【0080】
理想的には、検査期間データの全てが収集され、(例えば、モバイル装置104に対して)報告される。検査期間中、データの1つまたは複数の部分が欠落する可能性がある(例えば、モバイル装置104によって受信されない)。例えば、モバイル装置104は、データの1つまたは複数の部分(例えば、血糖データ、食事摂取データ、投薬データ、および活動データ)が受信されなかったと決定する。モバイル装置104またはリモートコンピューティング装置122は、検査期間データを分析して、どの種類のデータが欠落しているかを決定する。例えば、ユーザが(例えば、モバイルアプリケーション105に)データを入力することを忘れている、モバイル装置104の電源がオフになっている、またはモバイル装置104の無線通信がオフになっていることのうちの1つまたは複数に起因して、データの欠落部分は、モバイル装置104によって受信されない。構造化検査期間から完全なデータセットが必要である。そのため、データが欠落している場合、検査期間が延長される(例えば、検査期間に1日が追加される)。検査期間を延長することは、データの完全なセットを収集するための別の機会を提供する。しかしながら、検査期間を延長することは、ユーザにとって侵入的であり、モバイル装置104および他のユーザ装置上により多くの処理リソースを必要とする。継続的な検査は、追加の検査期間データを受信して学習モデルを追加の回数更新するためにより多くの処理リソースを使用することに起因して、モバイル装置104のバッテリを消耗する。
【0081】
例えば、検査期間データの品質を保証するために、検査期間の各日のデータの入力が制限される。例では、検査期間の各日に1回の補完が可能である。例では、検査期間の2日目またはそれ以降に2回の注入が可能である。欠落データを予測するために使用される学習モデルが検査期間の後半においてより正確であるため、検査期間の後半においてより多くの補完が可能にされることができる。許容可能な補完回数よりも多くのデータ部分が検査期間の日に欠落している場合、たとえデータが代替データによって補完可能であっても、検査期間は延長される。
【0082】
検査期間データを監視するためにモバイル装置104上のモバイルアプリケーション105(例えば、データ収集アプリケーション)を使用して検査期間データを収集するために、モバイル装置104は、検査期間が延長され、データの不正確さが得られ、検査期間の追加の検査日に検査期間データを収集する必要があるために、検査期間データがリモートコンピューティング装置122(例えば、リモートソフトウェアアプリケーション123)と通信されるときに不要なリソースを使用する。検査期間を延長することは、モバイル装置104と、無線通信ネットワーク上に追加のトラフィックを生成する他の装置(例えば、リモートコンピューティング装置122、フィットネストラッカ114、および食事プレート128など)との間で実行される通信の数を増加させる。
【0083】
いくつかの実施形態では、モバイル装置104またはリモートコンピューティング装置122は、遡及的データ補完を実行する。モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105を介して)またはリモートコンピューティング装置122(例えば、リモートサービスアプリケーション123を介して)は、例えば、検査期間データの一部が欠落しているという決定後に、コンテキスト情報を使用してデータの欠落部分を補完する。データの欠落部分は、代替データによって補完される。コンテキスト情報は、血糖データを含む。例えば、コンテキスト情報は、血糖データに関連付けられた開始時間、作用時間、およびピークを含む。欠落データの補完に使用されるコンテキスト情報は、予めスケジュールされた事象またはスケジュールされていない事象に近い。代替データは、予めスケジュールされた事象が発生したことの確認、血糖データ、またはスケジュール外の事象が発生したことの確認を含む。モバイル装置104は、検査期間の各日の終わりに欠落データを補完する。例では、モバイル装置104は、データが欠落しており、欠落したデータが代替データによって補完されたことをユーザに通知する。オプションとして、モバイル装置104は、補完された代替データの精度をユーザが確認することを要求する。
【0084】
データの欠落部分が予めスケジュールされた事象に対応する場合、モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105を介して)は、予めスケジュールされた事象が発生するようにスケジュールされた時間に近い血糖データを使用する。例えば、モバイル装置104は、血糖データを分析して、予めスケジュールされた事象が発生したかどうかを決定する。分析された血糖データは、開始時間、作用時間、およびピークを含む。モバイル装置104が、予めスケジュールされた事象が発生したと決定すると、モバイル装置104は、データの欠落部分を代替データによって補完する。この場合、代替データは、予めスケジュールされた事象が発生したことの確認を含む。
【0085】
モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105)が予めスケジュールされた事象に近くない血糖データの変化を識別すると、モバイル装置は、血糖データの変化がスケジュール外の事象に対応するかどうかを決定する。そして、モバイル装置104は、例えば、血糖データの分析に基づいて、血糖データの変化がどの種類のスケジュール外の事象に対応するかを決定する。モバイル装置104が、血糖データの変化がどの種類のスケジュール外の事象に対応するかを決定すると、モバイル装置104は、データの欠落部分を代替データ(例えば、スケジュールされていない事象が発生したことを示す)によって補完する。
【0086】
モバイル装置104は、補完(例えば、補完の各インスタンス)についての信頼性レベルを計算する。信頼性レベルは、コンテキスト情報の分析に基づいて計算される。例えば、モバイル装置104は、補完の開始時間、作用時間、およびピークに異なる重みを割り当てる。モバイル装置104は、重みを集約して、補完に関連付けられた信頼性レベルを計算する。モバイル装置104は、ユーザが補完データの精度を確認したときに、補完の計算された信頼性レベルを増加させる。
【0087】
例では、モバイル装置104は、補完のインスタンスに応答して、検査期間の残りの日のリマインダおよび通知の頻度、量、または振動強度を増加させる。
【0088】
モバイル装置104は、補完に関連付けられた信頼性レベルに基づいて検査期間を延長するかどうかを決定する。信頼性レベルが規定の信頼性閾値よりも大きい場合、モバイル装置104は、検査期間を延長しないことを決定する。信頼性レベルが規定の信頼性閾値以下である場合、モバイル装置104は、検査期間を延長することを決定する。検査期間を延長することは、検査期間に1日または複数の日を追加することを含む。
【0089】
モバイル装置104は、検査期間のある日の代替データ補完の各インスタンスの信頼性レベルを集約することによって、毎日の集約信頼性レベルを決定する。モバイル装置104は、毎日の合計信頼性レベルが規定の信頼性閾値を下回ることに応答して、検査期間を延長する。
【0090】
モバイル装置104は、補完回数に基づいて検査期間を延長するかどうかを決定する。検査期間の1日の補完回数が多すぎる場合、モバイル装置104は、検査期間を延長することを決定する。補完回数が多すぎることは、検査期間の日に依存する。例では、検査期間の1日目の2回以上の補完は高すぎる。例では、検査期間の2日目またはそれ以降の日の3回以上の補完は高すぎる。例では、検査期間全体の補完数が高すぎる場合、データは、使用不可能であり、別の検査期間が必要である。
【0091】
欠落データの推定は、検査期間の前日からの補完データに基づいていない。検査期間の各日の終わりに、モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105を使用する)は、例えば、コンプライアンスを高めるための教育チェックポイントとして、どのデータが補完されたかをユーザに報告する。例では、モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105を使用する)は、コンプライアンスを高めるための行動変更のための1つまたは複数のヒントを提供する。
【0092】
モバイル装置104(例えば、モバイルアプリケーション105を使用する)またはリモートコンピューティング装置122(例えば、リモートサービスアプリケーション123を使用する)のうちの1つまたは複数は、疾患進行を分析し、検査期間データに基づいて治療を最適化する。例えば、検査期間データは、リモートコンピューティング装置122がユーザ100にとってより適切な(例えば、最適な)薬剤を識別することを可能にする。不完全または不正確な検査データを使用してユーザ100に対して薬剤が選択されると、ユーザ100に対して準最適な薬剤が選択され、ユーザの疾患のより速い進行をもたらすことができる。一方、完全なデータを使用して(例えば、データ補完を用いて)ユーザ100のために医薬品が選択される場合、ユーザの疾患の進行を遅らせることができ、またはユーザ100がインスリンを摂取する必要性を遅らせることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、モバイル装置104は、先を見越したデータ補完を実行する。先を見越したデータ補完は、検査期間中にモバイル装置104に必要とされる処理リソースを低減し、検査期間データ報告のインスタンスを低減することによって無線通信帯域幅を低減する。例では、血糖情報報告/受信の頻度は、検査期間中に調整可能である。血糖情報(例えば、CGM102からモバイル装置104へ)の頻繁な報告は、装置リソース(例えば、処理能力、バッテリ電力、または他の装置リソース)を消費する。血糖情報のより少ない頻度の報告は、装置リソースを節約し、無線通信帯域幅を低減する。例えば、モバイル装置104は、検査期間の1日目に第1の頻度で、検査期間の2日目に第2の頻度で血糖情報を(例えば、CGM102から)受信する。第2の頻度は、血糖情報報告間の時間間隔が検査期間の2日目に大きくなるように、第1の頻度よりも小さい。モバイル装置104は、血糖情報の量が実質的に同じになるように、検査期間の2日目の報告間で血糖データを補完する(例えば、検査期間の1日目に受信された血糖情報に基づく補間によって)。
【0094】
いくつかの実施形態では、モバイル装置104は、予測学習を実行する。例えば、モバイル装置104は、検査期間中にユーザ100の学習モデルを更新する。検査期間の開始時に、学習モデルは、一般集団ベースのモデルからのデータを含む。一般集団ベースのモデルは、ユーザと同様のプロファイル(例えば、年齢、性別、体重、疾患の持続期間、疾患の進行、または薬剤の種類)を有する人からのデータを使用する予測血糖レベル応答を含む。検査期間の1日目の終わりに、学習モデルは、検査期間の1日目におけるユーザ100からの予測血糖レベル応答を含むように更新される。検査期間の2日目の終わりに、学習モデルは、検査期間の2日目のユーザ100からの予測血糖レベル応答を含むように更新される。学習モデルは、検査期間の当日に最も近いユーザの血糖レベル応答がより高い相対的な重みを割り当てられるように時間的に重み付けされる。
【0095】
図2は、疾患進行を分析し、治療を最適化するために構造化検査期間を使用するための例示的なプロセス200のフローチャートを示している。例示的なプロセス200は、例えば、1つまたは複数のユーザ装置などの1つまたは複数の装置によって実行される。プロセス200は、単一のユーザ装置によって実行されるか、または複数の装置にわたって分散される。例えば、プロセス200は、コンピューティング装置(例えば、図1に示すモバイル装置104またはリモートコンピューティング装置122など)によって実行される。プロセス200の一部は、血糖モニタ(例えば、図1に示すCGM102またはBGM106)などの他の装置によって実行される。
【0096】
図2に示すように、202において、検査期間が開始される。検査期間は、データ取得の頻度の低い定義された期間である。例えば、検査期間は、2日以上(例えば、3日間)である。検査プロトコルは、検査期間中に1日に複数回情報を必要とする場合がある。例えば、検査プロトコルは、検査期間中に1日3回の情報を必要とする場合がある。
【0097】
204において、モバイル装置または血糖モニタは、検査期間中に血糖データを監視する。例では、モバイル装置は、血糖モニタから血糖データを受信する。血糖データは、検査期間中に一定の間隔で受信される。例では、検査期間の1日目、2日目、および3日目に間隔が異なる。血糖データは、特定の時間における血糖レベルを含む。例えば、ユーザの血糖レベルは、食事の前後、服薬の前後、活動の前後、就寝の前後に測定される。血糖データは、空腹時血糖レベルを含む。例えば、ユーザの血糖レベルは、就寝前、夜通し(例えば、午前零時から午前6時までの間)、およびユーザが目覚めたときに測定される。
【0098】
206において、モバイル装置は、検査期間を延長するかどうかを決定する。モバイル装置は、血糖データの2つ以上のインスタンスが欠落している場合、検査期間を延長することを決定する。モバイル装置は、血糖データの1つのインスタンスが欠落しており、欠落データを代替データによって補完することができない場合、検査期間を延長することを決定する。モバイル装置が検査期間を延長することを決定すると、モバイル装置は、204において、検査期間に1日または複数の日を追加し、追加された日に血糖データを監視し続ける。追加された日の後、モバイル装置は、検査期間を延長するかどうかを再度決定する。モバイル装置が検査期間を延長しないと決定した場合、モバイル装置は、208において、健康管理専門家(HCP)によって操作されることができるリモートコンピューティング装置上で動作するリモートサービスアプリケーションに検査期間データを送信する。モバイル装置は、208において、検査期間の各日の終わりまたは検査期間の終わりに検査期間データを送信する。
【0099】
210において、リモートコンピューティング装置またはモバイル装置におけるリモートサービスアプリケーションは、検査期間データを分析して疾患の進行を決定し、治療を最適化する。例えば、検査期間データは、ユーザに関連付けられた糖尿病症状の進行または後退の識別を可能にする。例では、インスリンポンプ(例えば、図1に示される携帯型非耐久性インスリンポンプ116または携帯型耐久性インスリンポンプ118など)の1つまたは複数の構成は、糖尿病症状の進行または後退に応答して、使用者へのインスリンの供給を増加または減少させるように調整される。例では、薬剤の量または薬剤の頻度は、検査期間データに応じて調整される。
【0100】
リモートコンピューティング装置またはモバイル装置は、検査期間データを、ユーザの前の検査期間からの前の検査期間データと比較する。他の例では、リモートコンピューティング装置またはモバイル装置は、検査期間データを一般集団モデルと比較する。例えば、検査期間がユーザの第1の検査期間である場合、リモートコンピューティング装置またはモバイル装置は、ユーザのベースライン疾患進行を確立する。リモートコンピューティング装置は、例えば、検査期間がユーザの第2の検査期間またはそれ以降の検査期間である場合、以前のユーザ固有モデル(例えば、以前の学習モデル)を更新する。
【0101】
検査期間の各日は、受信した検査期間データの分析を含み、データが欠落しているかどうかを決定する。検査期間データの一部が欠落している場合、モバイル装置は、欠落しているデータを代替データによって補完することができるかどうかを決定する。欠落データが代替データによって補完されることができる場合、補完された代替データの信頼性レベルが計算される。補完された代替データの信頼性レベルが規定の閾値(例えば、90%)を上回る場合、代替データは、その日の検査期間データに追加される。その日の検査期間データは、ユーザに関連付けられた学習モデルを更新するために使用される。
【0102】
図3は、構造化検査期間の1日の例示的なプロセス300のフローチャートを示している。例示的なプロセス300は、例えば、1つまたは複数のユーザ装置などの1つまたは複数の装置によって実行される。プロセス300は、単一のユーザ装置によって実行されるか、または複数の装置にわたって分散される。例えば、プロセス300は、コンピューティング装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)によって実行される。プロセス300は、検査期間の各日に実行される。検査期間は、データ取得の頻度の低い定義された期間である。例えば、検査期間は、2日以上(例えば、3日間)である。例えば、プロセス300は、検査期間の各日の開始時に開始される。
【0103】
図3に示すように、302において、検査期間の1日が開始する。モバイル装置は、検査期間の日が開始したことをユーザに(例えば、ディスプレイ、リマインダ、または警告を介して)示す。検査期間の日は、ユーザが目覚めたときに始まる。例えば、検査期間の日は、ユーザの朝の空腹時血糖レベルがモバイル装置によって受信されたときに開始する。
【0104】
304において、モバイル装置は、検査期間中に検査期間データを受信する。検査期間データは、血糖データ、食事摂取データ、活動データ、および投薬データを含む。モバイル装置は、血糖モニタ(例えば、図1に示すCGM102またはBGM106)から血糖データを受信する。血糖データは、検査期間中に測定されるユーザの1つまたは複数の血糖レベルを含む。血糖データは、検査期間中に一定の間隔で受信される。例では、検査期間の1日目、2日目、または3日目に間隔が異なる。血糖データは、特定の時間における血糖レベル(例えば、測定値)を含む。例えば、ユーザの血糖レベルは、食事の前後、服薬の前後、活動の前後、就寝の前後に測定される。血糖データは、空腹時血糖レベルを含む。例えば、ユーザの血糖レベルは、就寝前、深夜および起床時に測定される。
【0105】
食事摂取データは、ユーザが食事を消費したかどうか、食事の炭水化物含有量、食事に関連付けられた栄養情報(例えば、食事の血糖プロファイル、食事の多量栄養素情報、食事の炭水化物含有量)、所定の食事の血糖レベル上昇、ユーザが消費した食事の割合、または食事の多量栄養素情報を含む。活動データは、ユーザが活動に参加したかどうか、活動の種類(例えば、予めスケジュールされた活動)、活動の長さ、または所定の活動血糖レベル上昇を含む。投薬データは、ユーザが投薬量を摂取したかどうか、投薬の種類、投薬に関連付けられた動的フィンガープリント、または所定の投薬血糖レベル上昇を含む。
【0106】
検査期間データは、モバイル装置上で実行されるモバイルアプリケーション105を介して無線通信を介して受信される。例えば、モバイルアプリケーション105は、スケジュールされた食事、スケジュールされた投薬、またはスケジュールされた活動のうちの1つまたは複数を予めロードされる。モバイルアプリケーション105は、ユーザが、スケジュールされた食事が食べられたかどうか、スケジュールされた投薬が摂取されたかどうか、およびスケジュールされた活動が実行されたかどうかを示すことを可能にする。
【0107】
例では、食事摂取データは、ユーザによってモバイルアプリケーション105に入力される。例えば、ユーザは、モバイルアプリケーション105を介して、食事が消費されたかどうか、および食事がいつ消費されたかを示す。食事は、大量の食事、少量の食事、軽食である。ユーザは、モバイルアプリケーション105に、食事に関連付けられた栄養情報および食事の消費量を入力する。追加的または代替的に、食事は、予めパッケージ化された食事(例えば、図1に示す予めパッケージ化された食事130など)である。予めパッケージ化された食事のそれぞれは、予めパッケージ化された食事の栄養情報を決定するために走査可能な機械可読光学ラベル(例えば、図1に示す食事光学ラベル131など)を含む。機械可読光学ラベルは、栄養情報を示す。例えば、装置(例えば、モバイル装置)は、機械可読光学ラベルに基づいて食事の栄養情報を取得する(例えば、メモリから、インターネットから、またはデータベースから)。
【0108】
例では、ユーザは、スマートプレート(例えば、図1に示すスマートプレート128など)を使用して食事を消費する。スマートプレートは、ユーザが食べた食事(例えば、予めパッケージ化された食事)の量を決定するように構成された1つまたは複数のセンサを含む。スマートプレートは、予めパッケージ化された食事の機械可読光学ラベルを走査するように構成されている。例えば、スマートプレートは、カメラまたはバーコードスキャナを含む。
【0109】
例では、活動データは、ユーザによってモバイルアプリケーション105に入力される。例えば、ユーザは、モバイルアプリケーション105を介して、ユーザが活動に参加したかどうか、および時刻を示す。活動は、予めスケジュールされた活動またはスケジュールされていない活動である。活動の例は、ランニング、ジョギング、ウォーキング、ヨガ、筋力訓練、インターバル訓練、および他の運動の種類を含む。ユーザはまた、活動の長さをモバイルアプリケーション105に入力する。追加的または代替的に、モバイル装置は、ユーザによって装着されたフィットネストラッカ(例えば、図1に示すフィットネストラッカ114など)からデータを受信する。フィットネストラッカは、検査期間中に活動レベルを追跡するように構成された1つまたは複数のセンサを装備した健康バンド、腕時計、または他の何らかのウェアラブル装置である。例えば、フィットネストラッカからのデータは、ユーザがいつ予めスケジュールされた活動またはスケジュールされていない活動に参加するかを示す。
【0110】
例では、投薬データは、ユーザによってモバイルアプリケーション(例えば、図1に示すモバイルアプリケーション105)に入力される。例えば、ユーザは、モバイルアプリケーションを介して、ユーザが投薬量を摂取したかどうかを示す。投薬量は、予めスケジュールされた投薬量またはスケジュール外の投薬量である。追加的または代替的に、投薬量は、予めパッケージ化された投薬量(例えば、図1に示す投薬量132など)である。予めパッケージ化された投薬量のそれぞれは、ユーザが投薬量を摂取したことを示すために走査可能な機械可読光学ラベル(例えば、図1に示す投薬光学ラベル133など)を含む。機械可読光学ラベルは、栄養情報を示す。例えば、装置(例えば、モバイル装置)は、機械可読光学ラベルに基づいて食事の栄養情報を取得する(例えば、メモリから、インターネットから、またはデータベースから)。
【0111】
306において、モバイル装置は、検査期間データが欠落しているかどうかを決定する。モバイル装置は、受信した検査期間データの分析に基づいて、食事摂取データ、活動データ、投薬データ、または血糖データが欠落しているかどうかを決定する。
【0112】
検査期間の当日から検査期間データが欠落していないとモバイル装置が決定した場合、モバイル装置は、308において、その日の検査期間データを使用してユーザに関連付けられた学習モデル(例えば、時間加重血糖モデル)を更新する。更新された学習モデルは、検査期間の将来の日に使用されて、検査期間データを補完するか、または欠落データが代替データによって補完されることができるかどうかを識別する。プロセス300は、320において停止する。
【0113】
検査期間データの一部が欠落しているとモバイル装置が決定した場合、モバイル装置は、310において、例えば学習モデルおよび血糖データの分析に基づいて、検査期間データの欠落部分を補完することができるかどうかを決定する。学習モデルには、検査期間の1日目の一般集団ベースのデータが入力される。例えば、検査期間の1日目に、学習モデルは、ユーザと類似のプロファイル(例えば、年齢、性別、体重、疾患の持続期間、疾患の進行、または薬剤の種類)を有する人からのデータを使用する予測血糖レベル応答を含む。
【0114】
モバイル装置は、310において、どの種類のデータが欠落しているかを決定する。例えば、モバイル装置は、どの種類のデータが欠落しているかを決定するために、1つまたは複数のスケジュールされた食事、1つまたは複数のスケジュールされた投薬量、または1つまたは複数の予めスケジュールされた活動を分析する。モバイル装置は、1つまたは複数のスケジュールされた食事の分析に基づいて、検査期間データの欠落部分が食事摂取データを含むと決定する。モバイル装置は、1つまたは複数のスケジュールされた投薬量の分析に基づいて、データの欠落部分が投薬データを含むと決定する。モバイル装置は、1つまたは複数の予めスケジュールされた活動の分析に基づいて、検査期間データの欠落部分が活動データを含むと決定する。
【0115】
学習モデルには、検査期間の2日目、3日目、およびそれ以降の日のユーザの時間加重検査期間データが入力される。例えば、学習モデルは、検査期間より前の日からの検査期間データを使用する予測血糖レベル応答を含む。例えば、モバイル装置は、検査期間データの欠落部分に近い1つまたは複数の測定血糖レベルを学習モデル内の1つまたは複数の血糖レベルと比較する。モバイル装置は、学習モデルの分析に基づいて、ユーザが検査期間データの欠落部分に関連付けられた食事を消費したかどうか、ユーザが検査期間データの欠落部分に関連付けられた活動に参加したかどうか、またはユーザが検査期間データの欠落部分に関連付けられた投薬量を摂取したかどうかを決定する。例では、モバイル装置は、検査期間データの欠落部分が血糖データ、食事摂取データ、投薬データ、または活動データに対応するかどうかを決定する。
【0116】
モバイル装置が、データの欠落部分が補完されることができないと決定した場合、モバイル装置は、322において、検査期間を延長する。モバイル装置は、学習モデルの分析が不確定である場合、データの欠落部分が補完されることができないと決定する。例では、モバイル装置は、学習モデルの分析から、食事が消費されたか、投薬量が摂取されたか、または活動が参加されたかを決定することができない場合がある。検査期間が延長されると、モバイル装置は、検査期間に追加の日を追加する。検査期間が延長されると、モバイル装置は、308において、検査期間のその日に受信された検査期間データを使用して学習モデルを更新する。
【0117】
モバイル装置が、データの欠落部分が補完されることができると決定すると、モバイル装置は、312において、データの欠落部分を代替データによって補完する。モバイル装置は、代替データを決定するためにコンテキスト情報を使用する。例では、モバイル装置は、学習モデルを使用してデータの欠落部分を補完する。
【0118】
314において、モバイル装置は、補完された代替データの信頼性レベルを計算する。補完された代替データの信頼性レベルは、欠落しているデータの種類に依存する。例えば、食事前の血糖レベルの欠落を補完する代替データには、食事後の血糖レベルの欠落を補完する代替データよりも高い信頼性レベルが割り当てられる。学習モデル、疾患進行分析、および治療分析を更新するためには、食事後の血糖レベルがより重要であるため、食事前の血糖レベルの取得には、より高い信頼性レベルが割り当てられる。
【0119】
316において、モバイル装置は、補完された代替データの信頼性レベルが規定の信頼性閾値よりも大きいかどうかを決定する。規定の信頼性閾値は90%である。補完された代替データの信頼性レベルが規定の信頼性閾値よりも大きい場合、モバイル装置は、補完された代替データを確認するようにユーザに要求する通知を表示する。補完された代替データの信頼性レベルが規定の信頼性閾値よりも大きい場合、モバイル装置は、318において、補完された代替データを検査期間データに追加する。次いで、308において、検査期間データを使用して(例えば、補完された代替データを用いて)、ユーザに関連付けられた学習モデルを更新する。検査期間データはまた、例えば図2に示すプロセス200のステップ210など、疾患進行を分析し、治療を最適化するために使用される。プロセス300は、学習モデルがその日の検査期間データによって更新された後、320において終了する。
【0120】
図4は、構造化検査期間中の食事摂取データの補完のための例示的なプロセス400のフローチャートを示している。例示的なプロセス400は、例えば、1つまたは複数のユーザ装置などの1つまたは複数の装置によって実行される。プロセス400は、単一のユーザ装置によって実行されるか、または複数の装置にわたって分散される。例えば、プロセス400は、コンピューティング装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)によって実行される。プロセス400は、ユーザによって食事が消費されるようにスケジュールされている期間の近くで開始される。追加的または代替的に、プロセス400は、血糖データの分析に基づいて開始される。例えば、プロセス400は、血糖レベル上昇によって開始される。プロセス400は、図3に示すプロセス300のステップ306において開始される。
【0121】
図4に示すように、402において、モバイル装置は、食事摂取データが欠落しているかどうかを決定する。検査期間中、ユーザは、モバイルアプリケーション(例えば、図1に示すモバイルアプリケーション105など)を介してモバイル装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)に食事消費パラメータを入力する。食事消費パラメータは、消費されるべき食品、消費されるべき食品の量、および食品に関連付けられた栄養情報を含む。モバイル装置は、予想される食事摂取データ(例えば、食事消費パラメータ)がモバイルアプリケーションに入力されない場合、食事摂取データが欠落していると決定する。
【0122】
食事を消費する前に、ユーザは、予めパッケージ化された食事(例えば、バーコード)を走査して、どの食事が消費されようとしているかを示す。例では、予めパッケージ化された食事は、食事に関連付けられた詳細を送信するためにモバイル装置(例えば、近接ベースの通信、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、またはBLUETOOTH(登録商標)通信プロトコルを介して)と通信するセンサをそのパッケージ内に含む。予めパッケージ化された食事は、シリアル番号に関連付けられる。ユーザは、モバイルアプリケーションにシリアル番号を入力する。モバイルアプリケーションは、メモリに記憶された食事に関連付けられた食事栄養情報を有するか、または食品データベースから(例えば、インターネットを介して)食事栄養情報を取得する。追加的または代替的に、ユーザは、食事に関連付けられた栄養情報を入力する。例えば、ユーザは、食事の別々の成分を入力し、モバイルアプリケーションは、栄養情報を入力する。この場合、モバイルアプリケーションは、栄養情報を入力するために食品データベースを維持またはアクセスする。例では、ユーザは、食品データベースにアクセスまたはインターフェースするユーザインターフェースを介して、各食事中に消費する食品を検索および選択する。
【0123】
食事を消費した後、ユーザは、食事の何パーセントが消費されたかを確認する。例えば、ユーザは、食事全体が消費されたこと、または食事の一部が消費されたことを確認する。モバイル装置は、食事消費リマインダを開始する。モバイル装置は、食事消費パラメータが入力された後、所定の時間量の食事消費リマインダを開始する。例では、ユーザは、スマートプレート(例えば、図1に示すスマートプレート128など)を使用して食事を消費する。スマートプレートは、ユーザが食べた食事(例えば、予めパッケージ化された食事)の量を決定するように構成された1つまたは複数のセンサを含む。例えば、スマートプレートは、ユーザが食事を終えた前後に食事を計量する。例では、スマートプレートは、予めパッケージ化された食事の機械可読光学ラベルを走査するように構成されている。例えば、スマートプレートは、カメラまたはバーコードスキャナを含む。スマートプレートは、栄養情報をモバイル装置に送信する。例えば、スマートプレートは、食事がどれだけ消費されたかをモバイル装置に示す。食事摂取データが欠落していないとモバイル装置が決定した場合、プロセス400は、418において停止する。
【0124】
モバイル装置が食事摂取データが欠落していると決定した場合、モバイル装置は、404において、検査期間の1日目に食事摂取データが欠落しているかどうかを決定する。食事摂取データが検査期間の1日目に欠落している場合、モバイル装置は、406において、一般集団ベースの血糖モデルに基づいて、欠落した食事摂取データの規定の血糖閾値を決定する。一般集団ベースのモデルは、同様の年齢、同じ性別、同様の疾患期間、または同様の投薬を受けている糖尿病の他の人々からの1つまたは複数のデータセットを使用して、糖尿病の一般的な人の血糖レベル応答に近似する。
【0125】
食事摂取データが検査期間の2日目、3日目、またはそれ以降に欠落している場合、モバイル装置は、408において、ユーザに関連付けられた時間加重血糖モデルに基づいて規定の血糖閾値を決定する。時間加重血糖モデルは、検査期間の1つまたは複数の前の日(例えば、1日目)に受信されたユーザの血糖データを使用してユーザのために開発される。例えば、時間加重血糖モデルは、検査期間の1日目に食事を消費し、薬剤を摂取し、活動に参加したことに応答したユーザの血糖レベル応答を使用する。時間加重血糖モデルは、検査期間中に連続的に更新される。時間加重血糖モデルは、欠落データに近づけて受信されたデータにより大きな重みを割り当てる。例えば、データの特定の部分に割り当てられる重みは、検査期間が進むにつれて減少する。追加的または代替的に、時間加重血糖モデルは、検査期間の各日の終わりに更新される。
【0126】
410において、モバイル装置は、ユーザの測定血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きいかどうかを決定する。モバイル装置は、食事に関連付けられた期間に近い1つまたは複数の血糖レベルを分析する。例として、期間は、食事が昼食である午前11時から午後1時を含む。モバイル装置は、食事に関連付けられた時間(例えば、食事後)に近いユーザの測定血糖レベルを比較する。食事に関連付けられた時間に近いユーザの測定血糖レベルが規定の血糖閾値以下である場合、モバイル装置は、416において、ユーザが食事を消費しなかったと決定する。そして、プロセス400は、418において停止する。
【0127】
測定された血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きい場合、モバイル装置は、412において、ユーザが食事を消費したと決定する。モバイル装置は、例えば、ユーザが食事を消費したという決定に基づいて、414において、欠落している食事摂取データを代替データによって補完する。モバイル装置は、代替データを決定するためにコンテキスト情報を使用する。ユーザは、消費された食品の量または消費された食品の栄養情報を誤って計算することが多い。したがって、食事摂取データの補完は、補完された食事摂取データがユーザによって入力された食事摂取データよりも正確である可能性が高いため、より正確なデータセットをもたらす。プロセス400は、418において、欠落した食事摂取データが代替データによって補完されたときに停止する。
【0128】
欠落した活動データは、ユーザに関連付けられた学習モデルを使用して補完することができる。学習モデルは、検査期間の1日目の一般集団ベースの血糖モデルである。学習モデルは、検査期間の2日目以降の時間加重血糖モデルである。欠落した活動データに近い測定された血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きい場合、ユーザが活動に参加したと決定される。規定の血糖閾値は、学習モデルを使用して決定される。欠落した活動データは、ユーザが活動に参加したときの代替データによって補完される。
【0129】
図5は、構造化検査期間中の活動データの入力のための例示的なプロセス500のフローチャートを示している。例示的なプロセス500は、例えば、1つまたは複数のユーザ装置などの1つまたは複数の装置によって実行される。プロセス500は、単一のユーザ装置によって実行されるか、または複数の装置にわたって分散される。例えば、プロセス500は、コンピューティング装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)によって実行される。プロセス500は、活動がユーザによって参加されるようにスケジュールされている期間に近づけて開始される。活動は、予めスケジュールされた活動またはスケジュールされていない活動である。追加的または代替的に、プロセス500は、血糖データの分析に基づいて開始される。モバイル装置は、検査期間中に血糖データを(例えば、血糖モニタから)受信する。血糖データは、検査期間中のユーザの1つまたは複数の測定血糖レベルを含む。例えば、プロセス500は、血糖レベル上昇によって開始される。プロセス500は、図3に示すプロセス300のステップ306において開始される。
【0130】
図5に示すように、502において、モバイル装置は、活動データが欠落しているかどうかを決定する。検査期間中、ユーザは、モバイルアプリケーション(例えば、モバイルアプリケーション105など)を介してモバイル装置(例えば、モバイル装置104など)に活動パラメータを入力する。活動パラメータは、活動の種類、活動の長さ、またはユーザに関連付けられた所定の活動血糖レベル上昇を含む。モバイル装置は、予想される活動データ(例えば、活動パラメータ)がモバイルアプリケーションに入力されない場合、活動データが欠落していると決定する。例では、モバイルアプリケーションは、ユーザによって装着されたフィットネストラッカから活動パラメータを受信する。
【0131】
モバイルアプリケーションは、メモリに記憶された活動に関連付けられた情報を有するか、または活動データベースから(例えば、インターネットを介して)活動情報を取得する。活動情報は、活動中に消費されると予想される推定努力レベルまたは推定カロリー量を含む。追加的または代替的に、ユーザは、活動情報を入力する。例えば、ユーザは、活動の種類および活動の長さを入力する。モバイルアプリケーションは、活動の種類および活動の長さに基づいて活動情報を入力する。この場合、モバイルアプリケーションは、活動情報を入力するために活動データベースを維持またはアクセスする。例では、ユーザは、活動データベースにアクセスするまたは活動データベースとインターフェースするユーザインターフェースを介して参加する活動の種類を検索および選択する。
【0132】
モバイル装置が、活動データが欠落していないと決定した場合、プロセス500は、518において停止する。
【0133】
モバイル装置が活動データが欠落していると決定すると、モバイル装置は、504において、検査期間の1日目に活動データが欠落しているかどうかを決定する。検査期間の1日目に活動データが欠落している場合、モバイル装置は、506において、一般集団ベースの血糖モデルに基づいて、欠落した活動データの規定の血糖閾値を決定する。一般集団ベースのモデルは、同様の年齢、同じ性別、同様の疾患期間、または同様の投薬を受けている糖尿病の他の人々からの1つまたは複数のデータセットを使用して、糖尿病の一般的な人の血糖レベル応答に近似する。
【0134】
検査期間の2日目、3日目、またはそれ以降に活動データが欠落している場合、モバイル装置は、508において、ユーザに関連付けられた時間加重血糖モデルに基づいて規定の血糖閾値を決定する。時間加重血糖モデルは、検査期間の1つまたは複数の前の日(例えば、1日目)に受信されたユーザの血糖データを使用してユーザのために開発される。例えば、時間加重血糖モデルは、検査期間の1日目に食事を消費し、薬剤を摂取し、活動に参加したことに応答したユーザの血糖レベル応答を使用する。時間加重血糖モデルは、検査期間中に連続的に更新される。時間加重血糖モデルは、欠落データに近づけて受信されたデータにより大きな重みを割り当てる。例えば、データの特定の部分に割り当てられる重みは、検査期間が進むにつれて減少する。追加的または代替的に、時間加重血糖モデルは、検査期間の各日の終わりに更新される。
【0135】
510において、モバイル装置は、ユーザの測定血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きいかどうかを決定する。モバイル装置は、活動に関連付けられた期間に近い1つまたは複数の血糖レベルを分析する。例として、時間期間は、活動が朝のジョギングである午前6時から午前9時を含む。モバイル装置は、活動に関連付けられた時間(例えば、活動後)に近いユーザの測定血糖レベルを比較する。測定された血糖レベルが規定の血糖閾値以下である場合、モバイル装置は、516において、ユーザが活動に参加しなかったと決定する。そして、プロセス500は、518において停止する。
【0136】
測定された血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きい場合、モバイル装置は、512において、ユーザが活動に参加したと決定する。モバイル装置は、512において、活動に関連付けられた期間に近い投薬データの分析に基づいて、ユーザが活動に参加したと決定する。例えば、活動に関連付けられた期間に近い投薬量がない場合、モバイル装置は、血糖レベル上昇の可能性のある原因として投薬量を排除する。モバイル装置は、例えば、ユーザが活動に参加したという決定に基づいて、514において、欠落した活動データを代替データによって補完する。モバイル装置は、代替データを決定するためにコンテキスト情報を使用する。プロセス500は、518において、欠落した食事摂取データが代替データによって補完されたときに停止する。
【0137】
欠落した投薬データは、ユーザに関連付けられた学習モデルを使用して補完されることができる。学習モデルは、検査期間の1日目の一般集団ベースの血糖モデルである。学習モデルは、検査期間の2日目以降の時間加重血糖モデルである。欠落した投薬データに近い測定された血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きい場合、ユーザが投薬量を摂取したと決定される。規定の血糖閾値は、学習モデルを使用して決定される。欠落した活動データは、ユーザが投薬量を摂取したときの代替データによって補完される。
【0138】
図6は、構造化検査期間中の投薬データの補完のための例示的なプロセス600のフローチャートを示している。例示的なプロセス600は、例えば、1つまたは複数のユーザ装置などの1つまたは複数の装置によって実行される。プロセス600は、単一のユーザ装置によって実行されるか、または複数の装置にわたって分散される。例えば、プロセス600は、コンピューティング装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)によって実行される。プロセス600は、投薬量がユーザによって摂取されるようにスケジュールされている時間期間に近づけて開始される。投薬量は、予めスケジュールされた投薬量またはスケジュール外の投薬量である。スケジュール外の投薬量は、鎮痛剤、アレルギー薬、または風邪薬を含む。モバイル装置は、投薬データを入力するために、スケジュール外の医薬品用量のパッケージ化上のバーコードを走査する。追加的または代替的に、プロセス600は、血糖データの分析に基づいて開始される。モバイル装置は、検査期間中に血糖データ(例えば、血糖モニタから)を受信する。血糖データは、検査期間中のユーザの1つまたは複数の測定血糖レベルを含む。例えば、プロセス600は、血糖レベル上昇によって開始される。プロセス600は、図3に示すプロセス300のステップ306において開始される。
【0139】
図6に示すように、602において、モバイル装置は、投薬データが欠落しているかどうかを決定する。検査期間中、ユーザは、モバイルアプリケーション(例えば、図1に示すモバイルアプリケーション105など)を介してモバイル装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)に投薬データ(例えば、投薬パラメータ)を入力する。追加的または代替的に、モバイル装置には、例えば、電子処方箋プロセスの一部として、投薬データが事前入力される。投薬パラメータは、薬剤の種類、薬剤の投与量、薬剤の投与量に関連付けられた期間、またはユーザに関連付けられた所定の薬剤血糖レベル上昇を含む。モバイル装置は、予想される投薬データ(例えば、投薬パラメータ)がモバイルアプリケーションに入力されない場合、投薬データが欠落していると決定する。モバイルアプリケーションは、薬剤の投与量を送達するように構成された医療装置(例えば、図1に示される携帯型非耐久性インスリンポンプ116または携帯型耐久性インスリンポンプ118など)から投薬パラメータを受信する。
【0140】
モバイルアプリケーションは、メモリに記憶された投薬に関する情報を有するか、または投薬データベースから(例えば、インターネットを介して)投薬情報を取得する。投薬情報は、投薬量の薬物に関連付けられた動的フィンガープリント、薬剤の投薬量に関連付けられた動的フィンガープリント、または投薬量を含む。追加的または代替的に、ユーザは、投薬情報を入力する。例えば、ユーザは、薬剤の種類および投薬量を入力し、モバイルアプリケーションは、投薬情報を入力する。例では、モバイルアプリケーションは、投薬情報を入力するために投薬データベースを維持またはアクセスする。ユーザは、投薬データベースにアクセスするユーザインターフェースを介して、摂取する薬剤の種類を検索および選択する。モバイル装置が、投薬データが欠落していないと決定した場合、プロセス600は、618において停止する。
【0141】
モバイル装置が投薬データが欠落していると決定した場合、モバイル装置は、604において、検査期間の1日目に投薬データが欠落しているかどうかを決定する。検査期間の1日目に投薬データが欠落している場合、モバイル装置は、606において、一般集団ベースの血糖モデルに基づいて、欠落した投薬データの規定の血糖閾値を決定する。一般集団ベースのモデルは、同様の年齢、同じ性別、同様の疾患期間、または同様の投薬を受けている糖尿病の他の人々からの1つまたは複数のデータセットを使用して、糖尿病の一般的な人の血糖レベル応答に近似する。規定の血糖閾値は、ユーザの体重に基づいて決定される。
【0142】
投薬データが検査期間の2日目、3日目、またはそれ以降に欠落している場合、モバイル装置は、608において、ユーザに関連付けられた時間加重血糖モデルに基づいて規定の血糖閾値を決定する。時間加重血糖モデルは、検査期間の1つまたは複数の前の日(例えば、1日目)に受信されたユーザの血糖データを使用してユーザのために開発される。例えば、時間加重血糖モデルは、検査期間の1日目に食事を消費し、薬剤を摂取し、活動に参加したことに応答したユーザの血糖レベル応答を使用する。時間加重血糖モデルは、検査期間中に連続的に更新される。時間加重血糖モデルは、欠落データに近づけて受信されたデータにより大きな重みを割り当てる。例えば、データの特定の部分に割り当てられる重みは、検査期間が進むにつれて減少する。追加的または代替的に、時間加重血糖モデルは、検査期間の各日の終わりに更新される。
【0143】
610において、モバイル装置は、ユーザの測定血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きいかどうかを決定する。モバイル装置は、投薬に関連付けられた期間に近い1つまたは複数の血糖レベルを分析する。例として、時間期間は、投薬量が朝食に摂取されるべき総合ビタミンである午前7時から午前9時を含む。モバイル装置は、投薬量に関連付けられた時間(例えば、投薬量の後)に近いユーザの測定血糖レベルを比較する。測定された血糖レベルが規定の血糖閾値以下である場合、モバイル装置は、616において、ユーザが投薬量を摂取しなかったと決定する。そして、プロセス600は、618において停止する。
【0144】
測定された血糖レベルが規定の血糖閾値よりも大きい場合、モバイル装置は、612において、ユーザが投薬量を摂取したと決定する。モバイル装置は、612において、ユーザが投薬量を摂取したことを、投薬量に関連付けられる期間に近い活動データの分析に基づいて決定する。例えば、薬剤の投与量に関連付けられた期間に近い活動がない場合、モバイル装置は、血糖レベル上昇の可能性のある原因としての活動を排除する。モバイル装置は、614において、例えば、ユーザが投薬量を摂取したという決定に基づいて、欠落している投薬データを代替データによって補完する。モバイル装置は、代替データを決定するためにコンテキスト情報を使用する。プロセス600は、618において、欠落した投薬データが代替データによって補完されると停止する。
【0145】
モバイル装置は、例えば、欠落した投薬量を補償するために、ユーザが2倍の用量の薬剤を摂取したかどうかを決定する。例えば、モバイル装置は、測定された血糖レベルを分析して、ユーザが薬剤の2倍の用量を摂取したかどうかを決定する。
【0146】
欠落した血糖データが補完される。例では、欠落した血糖データは、ユーザに関連付けられた学習モデルを使用して補完される。例では、欠落した血糖データは、他の血糖データを使用して補完される。例えば、欠落血糖データに近い1つまたは複数の血糖レベルが推定される。推定された血糖レベルは、欠落した血糖データを補完させるために使用される。補完された血糖データの信頼性レベルが計算される。
【0147】
図7は、構造化検査期間中の血糖データの補完のための例示的なプロセス700のフローチャートを示している。例示的なプロセス700は、例えば、1つまたは複数のユーザ装置などの1つまたは複数の装置によって実行される。プロセス700は、単一のユーザ装置によって実行されるか、または複数の装置にわたって分散される。例えば、プロセス700は、コンピューティング装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)によって実行される。プロセス700は、食事、活動または投薬量に関連付けられた期間に近づけて開始される。追加的または代替的に、プロセス700は、血糖データの分析に基づいて開始される。モバイル装置は、検査期間中に血糖データを(例えば、血糖モニタから)受信する。血糖データは、検査期間中のユーザの1つまたは複数の測定血糖レベルを含む。例えば、プロセス700は、血糖レベル上昇によって開始される。
【0148】
図7に示すように、702において、モバイル装置は、血糖データのギャップを決定する。例えば、モバイル装置は、検査期間中、食事の前後、投薬の前後、および活動の前後に一定の間隔でユーザの血糖レベルを受信する。モバイル装置は、702において、血糖レベルのうちの1つまたは複数が欠落しているときに血糖データのギャップを決定する。
【0149】
704において、モバイル装置は、ギャップに近いユーザの血糖レベルを推定する。モバイル装置は、コンテキスト情報を使用してユーザの血糖レベルを推定する。例では、モバイル装置は、受信した血糖レベル間を補間することによって、ギャップに近いユーザの血糖レベルを推定する。例では、モバイル装置は、同じ食事、活動または投薬に関連付けられた以前に測定された血糖レベルを使用して、ギャップに近いユーザの血糖レベルを推定する。
【0150】
706において、モバイル装置は、血糖値データのギャップを推定血糖レベルに補完させる。708において、モバイル装置は、補完血糖レベルの信頼性レベルを計算する。信頼性レベルは、推定の種類、検査期間の日、または推定の前後のうちの1つまたは複数に基づいて計算される。例えば、補間された血糖レベル推定値には、以前に測定された血糖レベル推定値よりも高い信頼性レベルが割り当てられる。検査期間の後の日(例えば、2日目または3日目)の補間された血糖レベル推定値には、検査期間の前の日(例えば、1日目)の補間された血糖レベル推定値よりも高い信頼性レベルが割り当てられる。食事、活動または投薬量の以前の推定血糖レベルには、食事、活動または投薬量の後の推定血糖レベルよりも高い信頼性レベルが割り当てられる。プロセス700は、710において、信頼性レベルが計算されるときに停止する。
【0151】
空腹時血糖レベルが補完される。ユーザの就寝時血糖レベルは、ユーザが就寝する前に測定される。ユーザの朝の空腹時血糖レベルは、ユーザが目覚めたときに受信される。ユーザの一晩の空腹時血糖レベルが受信されない場合、一晩の空腹時血糖レベルは、代替データによって補完される。例では、代替データは、検査期間の異なる日のユーザの一晩の空腹時血糖レベルである。例では、代替データは、就寝時の血糖レベルと朝の空腹時血糖レベルとの間を補間することによって決定される。
【0152】
図8は、構造化検査期間中の空腹時血糖レベルの補完のための例示的なプロセス800のフローチャートを示している。例示的なプロセス800は、例えば、1つまたは複数のユーザ装置などの1つまたは複数の装置によって実行される。プロセス800は、単一のユーザ装置によって実行されるか、または複数の装置にわたって分散される。例えば、プロセス800は、コンピューティング装置(例えば、図1に示すモバイル装置104など)によって実行される。プロセス800は、ユーザの就寝時間に近づけて開始される。例えば、モバイル装置は、ユーザの予め設定された就寝時間にプロセス800を開始する。追加的または代替的に、ユーザは、就寝する前にプロセス800を開始する。ユーザは、モバイル装置上で実行されるモバイルアプリケーション(例えば、図1に示すモバイルアプリケーション105など)を介してプロセスを開始する。
【0153】
図8に示すように、802において、モバイル装置は、ユーザが就寝する前に血糖レベル測定値を受信する。血糖レベル測定は、血糖モニタ(例えば、図1に示すCGM102またはBGM106など)から受信される。血糖レベル測定値は、モバイル装置のメモリに記憶される。
【0154】
804において、モバイル装置は、ユーザが目覚めたときに血糖レベル測定値(例えば、空腹時血糖レベル)を受信する。モバイル装置は、活動データ、モバイル装置の動き、またはモバイル装置の動作(例えば、ロック解除)のうちの1つまたは複数に基づいて、ユーザが起きていると(例えば、自動的に)決定する。
【0155】
806において、モバイル装置は、ユーザの空腹時血糖レベルが一晩(例えば、午前零時から午前6:00までの間)測定されたかどうかを決定する。一晩の空腹時血糖レベルは、就寝時間とユーザが目覚める時間との中間点で測定される。ユーザの空腹時血糖レベルが一晩測定された場合、プロセス800は、812において停止する。ユーザの空腹時血糖レベルが一晩測定されなかった場合、モバイル装置は、808において、代替データを使用して一晩の空腹時血糖レベルを推定する。例では、モバイル装置は、就寝前に受信した血糖レベル測定値とユーザが目覚めたときに受信した血糖レベル測定値との間を補間することによって代替データを決定する。例では、モバイル装置は、検査期間の前日または後日に測定された一晩の空腹時血糖レベルに基づいて代替データを推定する。
【0156】
808において、モバイル装置は、補完された一晩の空腹時血糖レベルの信頼性レベルを計算する。信頼性レベルは、推定の種類または検査期間の日に基づいて計算される。例えば、補間された一晩の空腹時血糖レベル推定値には、以前または後に測定された一晩の空腹時血糖レベル推定値よりも高い信頼性レベルが割り当てられる。検査期間の後日(例えば、2日目または3日目)の補間された一晩の空腹時血糖レベル推定値には、検査期間の前日(例えば、1日目)の補間された一晩の空腹時血糖レベル推定値よりも高い信頼性レベルが割り当てられる。プロセス800は、810において、信頼性レベルが計算されるときに停止する。
【0157】
検査期間は、データ取得の頻度の低い定義された期間である。例えば、検査期間は、2日以上(例えば、3日間)である。検査期間は、ユーザによって開始される。追加的または代替的に、検査期間は、所定の日付に開始するように事前構成される。この場合、検査期間は、ユーザのモバイル装置によって開始される。モバイル装置は、検査期間が開始されたことをユーザに(例えば、ディスプレイ、リマインダ、または警告を介して)示す。
【0158】
図9は、例示的な血糖監視装置900(例えば、図1に示すCGM102など)のブロック図である。血糖監視装置900は、例えばCGMまたはFGMである。血糖監視装置900は、ユーザの間質液中の血糖量を検知および監視するために用いられる皮下センサ926を備える。センサ926から送信装置904にデータが送信される。血糖監視装置900がCGMである場合、送信装置904は、センサ926の真上に配置され、電源920を介してセンサ926からのデータ転送に無線で電力を供給する。血糖監視装置900がFGMである場合、送信装置904は、装置がセンサ926のRF範囲内にあるときにセンサ926から血糖情報を瞬時に受信するモバイル装置または他のリーダ装置である。
【0159】
送信装置904は、通信回路918を介してセンサ926からデータ通信を受信する。通信回路918は、プロセッサ902と電気的に通信している。プロセッサ902は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、集積回路、プログラマブルロジック装置(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数の回路を含む。プロセッサ902は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、または送信装置904が本明細書で説明するように実行することを可能にする任意の他の機能を実行する。
【0160】
送信装置904は、他の装置と通信するための他の通信回路916を備える。プロセッサ902は、情報を送信または受信するために通信回路916と電気的に通信する。通信回路916、918は、有線通信または無線通信を行うことができる。例えば、通信回路916、918は、アンテナを介してRF信号(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、WIFI(登録商標)、WI-MAX(登録商標)、セルラー、または他の適切なRF信号)を送受信するための1つまたは複数の無線周波数(RF)送受信機、または無線通信を実行することができる他の通信モジュールを含む。通信回路916、918は、同一のRFプロトコルまたは異なるRFプロトコルを用いて通信を行う。
【0161】
プロセッサ902は、メモリ912に情報を記憶するか、またはメモリから情報を取得する。メモリ912は、非リムーバブルメモリまたはリムーバブルメモリを含む。非リムーバブルメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他の種類の非リムーバブルメモリストレージを含む。リムーバブルメモリは、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、メモリカード(例えば、デジタルカメラメモリカード)、または任意の他の種類のリムーバブルメモリを含む。プロセッサ902は、実行可能命令または送信装置904によって使用される他の情報のためにメモリ912にアクセスする。プロセッサ902は、プロセッサ902に入力を提供するための1つまたは複数の入力キー924と電気的に通信する。
【0162】
プロセッサ902は、スピーカ914と電気的に通信しているか、またはこれを制御する。スピーカ914は、プロセッサ902によって検出されたトリガ事象に応答して可聴音(例えば、トーン、ビープ音、またはブザー)を提供する。
【0163】
血糖監視装置900は、プロセッサ902と電気的に通信しているか、またはプロセッサによって制御される電気モータ910を含む。電気モータ910は、回転し、プロセッサ902によって検出されたトリガ事象に応答して、(例えば、警告を示すために)血糖監視装置900を振動させる。電気モータ910は、スピーカ914によって提供される可聴警報を補足するかまたは可聴警報を置き換えるための警報を提供する。
【0164】
図10は、例示的な血糖測定(BGM)装置1000(例えば、図1に示すBGM106など)のブロック図である。血糖監視装置1000は、例えば、血糖スポット測定(SMBG)器である。図10に示すように、BGM装置1000は、BGM装置1000の機能を制御するためのプロセッサ1002を含む。様々な実施形態では、プロセッサ1002は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、集積回路、プログラマブルロジック装置(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、および任意の他の適切なデジタルロジック装置などの、1つまたは複数のデジタルロジック装置を含む。プロセッサ1002は、信号符号化、データ処理、電力制御、画像処理、入出力処理、またはBGM装置1000が本明細書で説明するように実行することを可能にする任意の他の機能を実行する。
【0165】
プロセッサ1002は、メモリ1016に情報を記憶するか、またはメモリから情報を取得する。メモリ1016は、非リムーバブルメモリまたはリムーバブルメモリを含む。非リムーバブルメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他の種類の非リムーバブルメモリストレージを含む。リムーバブルメモリは、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、メモリカード(例えば、デジタルカメラメモリカード)、または任意の他の種類のリムーバブルメモリを含む。プロセッサ1002は、実行可能命令またはBGM装置1000によって使用される他の情報のためにメモリ1016にアクセスする。
【0166】
BGM装置1000は、1つまたは複数の通信回路1018を備える。プロセッサ1002は、情報を送信または受信するために通信回路1018と電気的に通信する。通信回路1018は、有線通信または無線通信を行うことができる。例えば、通信回路1018は、アンテナを介してRF信号(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、WIFI(登録商標)、WI-MAX(登録商標)、セルラー、または他の適切なRF信号)を送受信するための1つまたは複数の無線周波数(RF)送受信機、または無線通信を実行することができる他の通信モジュールを含む。1つまたは複数の通信回路1018は、赤外線(IR)通信が可能である。
【0167】
プロセッサ1002は、プロセッサ1002に入力を提供するためのキーパッド1024と電気的に通信する。キーパッド1024は、ユーザからの入力を受け付けるための1つまたは複数のキーを含む。キーパッド1024は、ユーザが選択を行うときにキーの機能が変化することができるハードキーまたはソフトキーを含む。
【0168】
プロセッサ1002への他の入力は、BGMセンサモジュール1004によって提供される。BGMセンサモジュール1004は、血糖測定ストリップ上で患者によって提供された血液試料を分析し、試料中の血糖量を測定する血糖測定エンジンを含む。
【0169】
プロセッサ1002は、ユーザに情報を提供するためにディスプレイ1006と電気的に通信するか、または画像を生成する。ディスプレイ1006とプロセッサ1002との間の通信は、ディスプレイ1006がユーザから情報を受信し、そのような情報をプロセッサ1002に提供することができるタッチスクリーンモジュールを含むため、双方向通信である。例えば、ディスプレイ1006は、タッチスクリーンモジュールによって認識され、入力としてプロセッサ1002に提供される、ユーザによる選択のためのソフトボタンを提供する。
【0170】
プロセッサ1002は、スピーカ1008と電気的に通信しているか、またはこれを制御している。スピーカ1008は、プロセッサ1002によって検出されたトリガ事象に応答して可聴音(例えば、トーン、ビープ音、またはブザー)を提供する。
【0171】
BGM装置1000は、プロセッサ1002と電気的に通信しているか、またはプロセッサによって制御される電気モータ1010を含む。電気モータ1010は、回転し、プロセッサ1002によって検出されたトリガ事象に応答して、(例えば、警告を示すために)BGM装置1000を振動させる。電気モータ1010は、スピーカ1008によって提供される可聴警報を補足するかまたは可聴警報を置き換えるための警報を提供する。
【0172】
プロセッサ1002は、マイクロフォン1022と電気的に通信しているか、またはマイクロフォンから情報を受信する。例えば、プロセッサ1002は、マイクロフォン1022を介してオーディオ信号を受信する。
【0173】
BGM装置1000は、1つまたは複数の1つまたは複数の発光ダイオード(LED)1028などの視覚的インジケータを含む。1つまたは複数のLED1028を点灯または点滅させて、警告を提供する、またはユーザに他の情報(例えば、バッテリ残量が少ない、または装置の電源が入っている)を伝達する。
【0174】
図11は、インスリンポンプ1100(例えば、図1に示される携帯型非耐久性インスリンポンプ116または携帯型耐久性インスリンポンプ118など)の例を示すブロック図である。図11に示すように、インスリンポンプ1100は、プロセッサ1102を含む。プロセッサ1102は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、集積回路、プログラマブルロジック装置(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数の回路を含む。プロセッサ1102は、信号符号化、データ処理、電力制御、画像処理、入出力処理、またはインスリンポンプ1100が本明細書に記載するように実行することを可能にする任意の他の機能を実行する。
【0175】
図11の実施形態では、プロセッサ1102は、インスリンポンプ1100内のポンプモータ1104と電気的に通信するか、またはこれを制御する。ポンプモータ1104は、プランジャ機構1114を押す駆動ユニット1112を駆動する。プランジャ機構1114は、インスリンカートリッジ(図示せず)からインスリンを吐出する。インスリンカートリッジは、使用者に送達するためのインスリンの供給部を含む。
【0176】
プロセッサ1102は、ユーザに情報を提供するためにディスプレイ1106と電気的に通信するか、または画像を生成する。ディスプレイ1106とプロセッサ1102との間の通信は、ディスプレイ1106がユーザから情報を受信し、そのような情報をプロセッサ1102に提供することができるタッチスクリーンモジュールを含むため、双方向通信である。例えば、ディスプレイ1106は、タッチスクリーンモジュールによって認識され、入力としてプロセッサ1102に提供される、ユーザによる選択のためのソフトボタンを提供する。
【0177】
プロセッサ1102は、スピーカ1108と電気的に通信しているか、またはこれを制御している。スピーカ1108は、プロセッサ1102によって検出されたトリガ事象に応答して可聴音(例えば、トーン、ビープ音、またはブザー)を提供する。
【0178】
インスリンポンプ1100は、プロセッサ1102と電気的に通信しているか、またはプロセッサによって制御される電気モータ1110を含む。電気モータ1110は、回転し、プロセッサ1102によって検出されたトリガ事象に応答して、(例えば、警告を示すために)インスリンポンプを振動させる。電気モータ1110は、スピーカ1108によって提供される可聴警報を補足するかまたは可聴警報を置き換えるための警報を提供する。
【0179】
プロセッサ1102は、メモリ1116と電気的に通信している。プロセッサは、メモリ1116に情報を記憶するか、またはメモリから情報を取得する。メモリ1116は、コンピュータ可読媒体を記憶するための非リムーバブルメモリまたはリムーバブルメモリを含む。非リムーバブルメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他の種類の非リムーバブルメモリストレージを含む。リムーバブルメモリは、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、メモリカード(例えば、デジタルカメラメモリカード)、または任意の他の種類のリムーバブルメモリを含む。プロセッサ1102は、実行可能命令またはインスリンポンプ1100によって使用される他の情報のためにメモリ1116にアクセスする。
【0180】
インスリンポンプ1100は、通信回路1118を備える。プロセッサ1102は、情報を送信または受信するために通信回路1118と電気的に通信する。通信回路1118は、有線通信または無線通信を行うことができる。例えば、無線通信回路1118は、アンテナを介してRF信号(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、WIFI(登録商標)、WI-MAX(登録商標)、セルラー、または他の適切なRF信号)を送受信するための無線周波数(RF)送受信機、または無線通信を実行することができる他の通信モジュールを含む。通信回路1118は、赤外線(IR)通信を行うことができる。
【0181】
プロセッサ1102は、プロセッサ1102に入力を提供するためのキーパッド1124と電気的に通信する。キーパッド1124は、ユーザからの入力を受け付けるための1つまたは複数のキーを含む。キーパッド1124は、ユーザが選択を行うときにキーの機能が変化することができるハードキーまたはソフトキーを含む。
【0182】
プロセッサ1102への他の入力は、センサ1126によって提供される。センサ1126は、インスリンのリザーバ内の圧力に敏感な圧力センサ、インスリンカートリッジの存在に敏感なカートリッジセンサ、または駆動ユニット1112内のギア(図示せず)の動きを検出する運動センサを含む。
【0183】
図12は、例示的なコンピューティング装置1200(例えば、図1に示すモバイル装置104など)のブロック図である。コンピューティング装置は、例えば、タブレット、携帯電話、ウェアラブル装置、CGMコントローラ装置、または別のコンピューティング装置などのモバイルコンピューティング装置である。図12に示すように、コンピューティング装置1200は、コンピューティング装置1200の機能を制御するためのプロセッサ1202を含む。プロセッサ1202は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、集積回路、プログラマブルロジック装置(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数の回路を含む。プロセッサ1202は、信号符号化、データ処理、電力制御、画像処理、入出力処理、またはコンピューティング装置1200が本明細書で説明するように実行することを可能にする任意の他の機能を実行する。
【0184】
プロセッサ1202は、メモリ1216に情報を記憶するか、またはメモリから情報を取得する。メモリ1216は、非リムーバブルメモリまたはリムーバブルメモリを含む。非リムーバブルメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他の種類の非リムーバブルメモリストレージを含む。リムーバブルメモリは、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、メモリカード(例えば、デジタルカメラメモリカード)、または任意の他の種類のリムーバブルメモリを含む。プロセッサ1202は、実行可能命令またはコンピューティング装置1200によって使用される他の情報のためにメモリ1216にアクセスする。
【0185】
コンピューティング装置1200は、プロセッサ1202と通信するカメラ1206を含む。カメラ1206は、コンピューティング装置1200において捕捉されるための画像またはビデオ(例えば、画像シーケンス)を生成することができるデジタルカメラまたは他の光学装置である。カメラ1206は、プロセッサ1202からの信号に応答して点滅することができる照明装置を含む。照明装置は、点滅し、カメラ1206を介して警告を提供する。
【0186】
コンピューティング装置1200は、1つまたは複数の通信回路1218を含む。プロセッサ1202は、情報を送信または受信するために通信回路1218と電気的に通信する。通信回路1218は、有線通信または無線通信を行うことができる。例えば、通信回路1218は、アンテナを介してRF信号(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、WIFI(登録商標)、WI-MAX(登録商標)、セルラー、または他の適切な無線送受信機)を送受信するための1つまたは複数の無線周波数(RF)送受信機、または無線通信を実行することができる他の通信モジュールを含む。1つまたは複数の通信回路1218は、赤外線(IR)通信が可能である。
【0187】
プロセッサ1202は、プロセッサ1202に入力を提供するためのキーパッド1224と電気的に通信する。キーパッド1224は、ユーザからの入力を受け付けるための1つまたは複数のキーを含む。キーパッド1224は、ユーザが選択を行うときにキーの機能が変化することができるハードキーまたはソフトキーを含む。
【0188】
プロセッサ1202への他の入力は、1つまたは複数のセンサ1226によって提供される。センサ1226は、運動センサ、近接センサ、心拍数監視センサ、加速度計、ジャイロスコープ、またはコンピューティング装置上の別のセンサを含む。運動センサは、赤外線信号を送信するか、または動きを検知するために画像処理を使用する。近接センサは、物体が規定の近接内にあるときを検出するために赤外線信号を送信する。心拍数監視センサは、ユーザの血流の量を検出するためにフォトプレチスモグラフィを実装する。心拍数監視センサは、ユーザの血流の量を検出するための1つまたは複数のLEDまたはフォトダイオードを含む。心拍数監視センサは、ユーザの血流の量を検出するために赤外線技術を実装する。心拍数監視センサは、心電図(ECG)を取得し、ECGからユーザの心拍に関する情報を検出する。加速度計は、所与の方向におけるコンピューティング装置1200の非重力加速度を測定する。加速度計は、所与の方向の移動に関連付けられた振動に応答する。加速度計からの測定値は、コンピューティング装置1200の相対運動の大きさもしくは方向、またはユーザの相対位置(例えば、立っている、座っている、または横たわっている)を決定するためにプロセッサ1202によって使用される。ジャイロスコープは、コンピューティング装置1200の向きを決定するために使用される。
【0189】
プロセッサ1202は、ユーザに情報を提供するためにディスプレイ1220と電気的に通信するか、または画像を生成する。ディスプレイ1220とプロセッサ1202との間の通信は、ディスプレイ1220がユーザから情報を受信し、そのような情報をプロセッサ1202に提供することができるタッチスクリーンモジュールを含むため、双方向通信である。例えば、ディスプレイ1220は、タッチスクリーンモジュールによって認識され、入力としてプロセッサ1202に提供される、ユーザによる選択のためのソフトボタンを提供する。
【0190】
プロセッサ1202は、スピーカ1208と電気的に通信しているか、またはこれを制御している。スピーカ1208は、プロセッサ1202によって検出されたトリガ事象に応答して可聴音(例えば、トーン、ビープ音、またはブザー)を提供する。
【0191】
コンピューティング装置1200は、プロセッサ1202と電気的に通信しているか、またはプロセッサによって制御される電気モータ1210を含む。電気モータ1210は、回転し、プロセッサ1202によって検出されたトリガ事象に応答して、(例えば、警告を示すために)コンピューティング装置1200を振動させる。電気モータ1210は、スピーカ1208によって提供される可聴警報を補足するかまたは可聴警報を置き換えるための警報を提供する。
【0192】
プロセッサ1202は、マイクロフォン1214と電気的に通信しているか、またはマイクロフォンから情報を受信する。例えば、プロセッサ1202は、マイクロフォン1214を介してオーディオ信号を受信する。
【0193】
コンピューティング装置1200は、全地球測位システム(GPS)回路1204を含む。GPS回路1204は、GPS情報を受信可能である。プロセッサ1202は、GPS回路を介して受信されたGPS情報に基づいてコンピューティング装置1200のGPS座標(例えば、緯度および経度)を決定することができる。
【0194】
コンピューティング装置1200は、1つまたは複数の1つまたは複数の発光ダイオード(LED)1212などの視覚インジケータを含む。1つまたは複数のLED1212を点灯または点滅させて、警告を提供する、またはユーザに他の情報(例えば、バッテリ残量が少ない、または装置の電源が入っている)を伝達する。
【0195】
図13は、例示的なスマートプレート1300(例えば、図1に示すスマートプレート128など)のブロック図である。スマートプレートは、例えば、構造化検査期間中に、ユーザの食事消費量追跡を自動化するように構成されている。図13に示すように、スマートプレート1300は、スマートプレート1300の機能を制御するためのプロセッサ1302を含む。プロセッサ1302は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、集積回路、プログラマブルロジック装置(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数の回路を含む。プロセッサ1302は、信号符号化、データ処理、電力制御、画像処理、入出力処理、またはスマートプレート1300が本明細書で説明するように実行することを可能にする任意の他の機能を実行する。
【0196】
プロセッサ1302は、メモリ1316に情報を記憶するか、またはメモリから情報を取得する。メモリ1316は、非リムーバブルメモリまたはリムーバブルメモリを含む。非リムーバブルメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他の種類の非リムーバブルメモリストレージを含む。リムーバブルメモリは、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、メモリカード(例えば、デジタルカメラメモリカード)、または任意の他の種類のリムーバブルメモリを含む。プロセッサ1302は、実行可能命令またはスマートプレート1300によって使用される他の情報のためにメモリ1316にアクセスする。
【0197】
スマートプレート1300は、プロセッサ1302と通信するカメラ1306を含む。カメラ1306は、スマートプレート1300において捕捉されるための画像またはビデオ(例えば、画像シーケンス)を生成することができるデジタルカメラまたは他の光学装置である。カメラ1306は、プロセッサ1302からの信号に応答して点滅することができる照明装置を含む。照明装置は、点滅し、カメラ1306を介して警告を提供する。カメラ1306は、予めパッケージ化された食事(例えば、図1に示す予めパッケージ化された食事130など)またはパッケージ化された食品上の機械可読光学ラベル(例えば、バーコード、QRコード、または何らかの他の固有の識別子)を読み取るように構成されている。カメラ1306によって取り込まれた画像は、予めパッケージ化された食事またはパッケージ化された食品の栄養情報を決定するためにプロセッサ1302によって使用される。
【0198】
スマートプレート1300は、1つまたは複数の通信回路1318を有する。プロセッサ1302は、情報を送信または受信するために通信回路1318と電気的に通信する。通信回路1318は、有線通信または無線通信を行うことができる。例えば、通信回路1318は、アンテナを介してRF信号(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、WIFI(登録商標)、WI-MAX(登録商標)、セルラー、または他の適切な無線送受信機)を送受信するための1つまたは複数の無線周波数(RF)送受信機、または無線通信を実行することができる他の通信モジュールを含む。1つまたは複数の通信回路1318は、赤外線(IR)通信が可能である。
【0199】
プロセッサ1302は、プロセッサ1302に入力を提供するためのキーパッド1324と電気的に通信する。キーパッド1324は、ユーザからの入力を受け付けるための1つまたは複数のキーを含む。キーパッド1324は、ユーザが選択を行うときにキーの機能が変化することができるハードキーまたはソフトキーを含む。
【0200】
プロセッサ1302への他の入力は、1つまたは複数のセンサ1326によって提供される。センサ1326は、運動センサ、近接センサ、重量センサ、加速度計、ジャイロスコープ、またはスマートプレート上の別のセンサを含む。運動センサは、赤外線信号を送信するか、または動きを検知するために画像処理を使用する。近接センサは、物体が規定の近接内にあるときを検出するために赤外線信号を送信する。重量センサは、スマートプレート1300上の食品の重量を測定する。重量センサからの測定値は、食事の重量、食事中の各食品の重量、ユーザが消費した食事の割合を決定するためにプロセッサ1302によって使用される。加速度計は、所与の方向におけるスマートプレート1300の非重力加速度を測定する。加速度計は、所与の方向の移動に関連付けられた振動に応答する。加速度計からの測定値は、スマートプレート1300の相対運動の大きさもしくは方向、またはユーザの相対位置(例えば、立っている、座っている、または横たわっている)を決定するためにプロセッサ1302によって使用される。ジャイロスコープは、スマートプレート1300の向きを決定するために使用される。
【0201】
プロセッサ1302は、ユーザに情報を提供するためにディスプレイ1320と電気的に通信するか、または画像を生成する。ディスプレイ1320とプロセッサ1302との間の通信は、ディスプレイ1320がユーザから情報を受信し、そのような情報をプロセッサ1302に提供することができるタッチスクリーンモジュールを含むため、双方向通信である。例えば、ディスプレイ1320は、タッチスクリーンモジュールによって認識され、入力としてプロセッサ1302に提供される、ユーザによる選択のためのソフトボタンを提供する。
【0202】
プロセッサ1302は、スピーカ1308と電気的に通信しているか、またはこれを制御している。スピーカ1308は、プロセッサ1302によって検出されたトリガ事象に応答して可聴音(例えば、トーン、ビープ音、またはブザー)を提供する。
【0203】
スマートプレート1300は、プロセッサと電気的に通信しているか、またはプロセッサ1302によって制御される電気モータ1310を含む。電気モータ1310は、回転し、プロセッサ1302によって検出されたトリガ事象に応答して、(例えば、警告を示すために)スマートプレート1300を振動させる。電気モータ1310は、スピーカ1308によって提供される可聴警報を補足するかまたは可聴警報を置き換えるための警報を提供する。
【0204】
スマートプレート1300は、全地球測位システム(GPS)回路1304を含む。GPS回路1304は、GPS情報を受信可能である。プロセッサ1302は、GPS回路を介して受信したGPS情報に基づいて、スマートプレート1300のGPS座標(例えば、緯度および経度)を決定することができる。
【0205】
スマートプレート1300は、1つまたは複数の1つまたは複数の発光ダイオード(LED)1312などの視覚的インジケータを含む。1つまたは複数のLED1312を点灯または点滅させて、警告を提供する、またはユーザに他の情報(例えば、バッテリ残量が少ない、または装置の電源が入っている)を伝達する。
【0206】
特徴、要素、および機能は、特定の組み合わせで上述されているが、特徴、要素、または機能は、単独で、または他の特徴、要素、または機能と任意に組み合わせて使用される。以下の特許請求の範囲に包含されることも意図されている様々な現在予期されていないまたは予期されていない代替、変更、変形、または改善が、その後に行われることができる。
【0207】
本明細書に記載の方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実装される。コンピュータ可読媒体の例は、(有線または無線接続を介して送信される)電子信号およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、これらに限定されないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リムーバブルディスク、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13