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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】貯水容器
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/22 20060101AFI20240823BHJP
   F24F 1/0358 20190101ALI20240823BHJP
【FI】
F24F1/02 371J
F24F1/0358
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020040392
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021139607
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】河本 亮太
(72)【発明者】
【氏名】下田 博樹
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特許第4529461(JP,B2)
【文献】実開昭56-149920(JP,U)
【文献】米国特許第03401269(US,A)
【文献】特開2000-161709(JP,A)
【文献】特開2010-060487(JP,A)
【文献】特開2012-086556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/22
F24F 1/0358
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯水する皿形状の樹脂材料から構成される射出成型品である容器と、
前記容器の側面に固定される透光性樹脂材料から構成される水位窓と、を備え、
前記容器と前記水位窓とは、インサート成型品であり、
前記水位窓は、プレートと、2つの第1突起とを有し、
前記プレートは、縦細長板形状であり、
前記容器の側面における内面と、前記プレートにおける一方側の面とは、同一面に配置され、
前記容器の側面における外面と、前記プレートにおける他方側の面とは、同一面に配置され、
前記第1突起は、縦細長板形状であって、前記プレートにおけるそれぞれの長辺側の端部に設けられ、前記プレートより前記容器における内方側に突出し、前記容器の底面まで延び、
前記第1突起における一方側の面の一部は、前記プレートにおける長辺側の端部と繋がり、
前記第1突起における一方側の長辺の端部は、前記プレートにおける一方側の面より、前記容器における内方に突出し、射出成型の金型に装着可能であり、
前記第1突起における他方側の長辺の端部は、前記プレートにおける他方側の面より、前記容器における内方に配置され、
前記第1突起における他方側の長辺の端部より前記プレートにおける他方側は、前記容器の側面の一部に覆われ
前記容器の側面外方から前記水位窓を見ると、前記プレートにおける長辺側の端部の面と、前記第1突起における一方側の面と、は重なるように配置されていることを特徴とする貯水容器。
【請求項2】
前記第1突起は、前記第1突起における他方側の面から突出した縦細長板形状の第2突起を有し、
前記第2突起は、前記容器の側面内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の貯水容器。
【請求項3】
2つの前記第1突起の一方の前記第1突起の上端と、前記プレートの上端との距離は、
2つの前記第1突起の他方の前記第1突起の上端と、前記プレートの上端との距離より長いことを特徴とする請求項1または2に記載の貯水容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば衣類乾燥用として用いられる除湿装置に設けられる貯水容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の貯水容器として、水位を確認する窓部を設けた透過性樹脂の貯水タンクに、本体外観側に意匠用のカバーを設けた構成が知られている。(なお、これに関連する先行文献としては下記特許文献1がある)。また、意匠用のカバーを設けずに、小型の透過性樹脂の水位窓部品を非透過性樹脂の貯水タンクにインサート成型する構成も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4529461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の除湿装置における課題は、意匠用のカバーを設けた構成の場合は、窓部を設けた透過性のタンクと意匠用カバーの両方の大型部品で構成する必要があり、高価な構成であることであり、小型の水位窓部品をインサート成型する構成の場合は、透過性樹脂である水位窓部分に、インサート成型時に金型に固定するための突起または溝などの凹凸形状が必要であるため、その凹凸形状により水位の視認性が悪くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、この目的を達成するために、本発明は、水を貯水する皿形状の樹脂材料から構成される射出成型品である容器と、前記容器の側面に固定される透光性樹脂材料から構成される水位窓と、を備え、前記容器と前記水位窓とは、インサート成型品であり、前記水位窓は、プレートと、2つの第1突起とを有し、前記プレートは、縦細長板形状であり、前記容器の側面における内面と、前記プレートにおける一方側の面とは、同一面に配置され、前記容器の側面における外面と、前記プレートにおける他方側の面とは、同一面に配置され、前記第1突起は、縦細長板形状であって、前記プレートにおけるそれぞれの長辺側の端部に設けられ、前記プレートより前記容器における内方側に突出し、前記容器の底面まで延び、前記第1突起における一方の面の一部は、前記プレートにおける長辺側の端部と繋がり、前記第1突起における一方側の長辺の端部は、前記プレートにおける一方側の面より、前記容器における内方に突出し、射出成型の金型に装着可能であり、前記第1突起における他方側の長辺の端部は、前記プレートにおける他方側の面より、前記容器における内方に配置され、前記第1突起における他方側の長辺の端部より前記プレートにおける他方側は、前記容器の側面の一部に覆われ、前記容器の側面外方から前記水位窓を見ると、前記プレートにおける長辺側の端部の面と、前記第1突起における一方側の面と、は重なるように配置されていることを特徴とする貯水容器を備えたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、水位窓の透過部を介して、外部から水位を視認する際に、プレートにインサート成型で必要な金型固定の突起が外部から見え難いため、水位の視認性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態1の除湿装置の外観斜視図
図2】同除湿装置の内装展開図
図3】同除湿装置の概略A-A断面図
図4】同除湿装置の概略B-B断面図
図5】同除湿装置の放熱器の外観斜視図
図6】同除湿装置の吸熱器の外観斜視図
図7】同除湿装置の貯水容器の前部側外観斜視図
図8】同除湿装置の貯水容器の後側外観斜視図と外観詳細斜視図
図9】同除湿装置の水位窓領域のC-C断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0009】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の除湿装置の外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1の除湿装置の分解斜視図である。なお、図1図2は、除湿装置を後面側から見た図である。図3図4は、本発明の実施の形態1の除湿装置の概略断面図である。なお、図3図1のA-A線断面図である。図4図1のB-B線断面図である。なお、説明の都合上、以下では、次のように記載する場合がある。すなわち、図1に示すように除湿装置100が設置された状態での鉛直方向を上下方向として記載する場合がある。また同様に、図1に示すように除湿装置100が設置された状態での除湿装置100の上側の面を「天面」と記載する場合がある。また同様に、図1に示すように除湿装置100が設置された状態での除湿装置100の前側の面を「前面」、除湿装置100の後側の面を「後面」、と記載する場合がある。
【0010】
図1図2図3図4に示すように、本体ケース1は、横長の略直方体形状である。具体的には、本体ケース1は、奥行き方向D及び縦方向Hの大きさに比較して横方向Wの大きさが大きい形状であり、本体ケース1の後面(本体ケース1の奥行き方向における一方側の側面)には、吸込口2が配置されている。本体ケース1における上部には、吹出口3が配置されている。吹出口3は、横長四角形状で本体ケース1における上方と後面とに開口している。本体ケース1の天面における後面側(本体ケース1の奥行き方向における一方側の側面側)には、吹出口3からの風向を変化させるルーバー4を有し、本体ケース1の天面における前面側(本体ケースの奥行き方向における他方側)には操作部5を設けている。操作部5は、電源の入り切り、運転モードの変更等を行う複数のスイッチを有している。
【0011】
本体ケース1内には、ヒートポンプ6と、送風部7と、除湿ロータ部8と、取付台9と、貯水容器部10と、制御部11と、を有している。
【0012】
ヒートポンプ6は、圧縮機12と、放熱器13と、膨張器14と、吸熱器15と、を順次環状に連結し冷媒を循環する構成である。
【0013】
圧縮機12は、本体ケース1の前面側から見ると本体ケース1における左面側(本体ケースの横方向(長手方向)における一方側の側面側)に配置されている。圧縮機12は、本体ケース1の底面上に固定されている。
【0014】
放熱器13は、本体ケース1における後面側(本体ケースの奥行き方向における一方側の側面側)に配置されている。放熱器13は、後述する放熱器13における隣り合う放熱フィンと放熱フィンとの隙間が、本体ケース1の吸込口2に対向するように、本体ケース1の底面上に配置されている。
【0015】
図5は、本発明の実施の形態1の除湿装置の放熱器の外観斜視図である。なお、図5は、除湿装置の放熱器を後面側から見た図である。
【0016】
図5に示すように放熱器13は、多数の放熱フィン13aと、多数のフィンを連結する連結管13bとを有している。
【0017】
放熱フィン13aは、縦長四角板形状であり、材質がアルミニウムである。多数の放熱フィン13aは、隣り合う放熱フィン13aの面と面とが対向するように配置されている。隣り合う放熱フィン13aと放熱フィン13aとの隙間が、風路となる。
【0018】
連結管13bは、円筒形状であり、材質が銅である。円筒である連結管13bは、放熱フィン13aにおける長手方向に複数段設けられ、かつ複数回蛇行状に曲げられている。連結管13bの直管部分には、多数の放熱フィン13aが固定されている。多数の放熱フィン13aは、連結管13bの直管部分の中心軸方向に、所定の間隔を有して積層されている。
【0019】
図2図4に示すように、吸熱器15は、本体ケース1の前面から見ると本体ケース1における右側(本体ケース1の横方向における他方側の側面側)に配置され、後述する吸熱器15における隣り合う吸熱フィン15aと吸熱フィン15aとの隙間である風路の中心軸が本体ケース1における左右方向に延びるように、取付台9に固定されている。
【0020】
図6は、本発明の実施の形態1の除湿装置の吸熱器の外観斜視図である。なお、図6は、除湿装置の放熱器を本体ケースにおける左側から見た図である。
【0021】
図6に示すように、吸熱器15は、多数の吸熱フィン15aと、多数のフィンを連結する連結管15bとを有している。
【0022】
吸熱フィン15aは、縦長四角板形状であり、材質がアルミニウムである。多数の吸熱フィン15aは、隣り合う吸熱フィン15aの面と面とが対向するように配置されている。隣り合う吸熱フィン15aと吸熱フィン15aとの隙間が、風路となる。
【0023】
連結管15bは、円筒形状であり、材質が銅である。円筒である連結管15bは、吸熱フィン15aにおける長手方向に複数段設けられ、かつ複数回蛇行状に曲げられている。連結管15bの直管部分には、多数の吸熱フィン15aが固定されている。多数の吸熱フィン15aは、連結管15bの直管部分の中心軸方向に、所定の間隔を有して積層されている。
【0024】
図2図4に示すように、送風部7は、放熱器13に対向するように配置され、取付台9に固定されている。送風部7と、放熱器13と、本体ケース1の吸込口2とは、本体ケース1の奥行き方向において、一直線上に配置されている。送風部7は、モータ16と、モータ16によって回転するファン17と、ファン17を囲むケーシング18とを有している。
【0025】
ファン17は、ターボファンであり、主板17aと、多数の羽根17bと、吸込みリング17cとを有する。
【0026】
主板17aは、略円板形状で、中央部が下方へ凸形状となり、この中央部には、筒形状の回転軸固定部17dを設けている。回転軸固定部17dは、モータ16の回転軸が入り、この回転軸に固定可能な構造である。主板17aの周縁部には、主板17aから下方へ延びた複数の羽根17bを有し、羽根17bは、水平断面形状が翼形状である。羽根17bにおける主板17aの周縁側の端部は、ファン17の回転方向と反対方向に向いた形状である。複数の羽根17bの下端には、円環状の吸込みリング17cを有する。
【0027】
ケーシング18は、下面には吸気口18aを有し、上面には吐出口18bを有する。モータ16によってファン17が回転すると、ケーシング18の吸気口18aから吸い込まれた空気は、ファン17の吸込みリング17c内を介し、ファン17内に流れ込む。この流れ込んだ空気は、羽根17bに沿うように、ファン17の径方向に吹き出し、ケーシング18の吐出口18bを介して、本体ケース1の吹出口3に送風される。
【0028】
除湿ロータ部8は、送風部7と、吸熱器15との間に配置されている。吸熱器15と、除湿ロータ部8と、送風部7とは、本体ケース1の横方向において、一直線上に配置されている。除湿ロータ部8は、除湿ロータ19と、ロータ枠20と、駆動部分21と、加熱部分22とを有している。
【0029】
除湿ロータ19は、全体形状としては円板体となっている。この円板体は、円形リング内に、通気体を設けたものである。通気体は、二枚の第1帯体(図示せず)間にジグザグ状に第2帯体(図示せず)を設けたものを、円形リング内において、内周から外周に向けて渦巻状に巻くことによって通気構造に構成したものである。これら第1帯体と第2帯体は耐熱繊維によって構成されており、その表面には、例えばゼオライトのような吸湿物質を、例えばシリカ系の接着剤で接着させた構成としている。
【0030】
除湿ロータ19は、円板体に形成され中心軸が本体ケース1における左右方向に延びるように、ロータ枠20に回転可能に立設され、駆動部分21により回転している。ロータ枠20は、取付台9に固定されている。除湿ロータ19は、空気から水分を吸着する吸湿部19aと、空気に水分を放出する放湿部19bとを有している。
【0031】
加熱部分22は、除湿ロータ19の放湿部19bに対向するように設置されている。加熱部分22は、後述する風路において、除湿ロータ19の放湿部19bの上流側に配置されている。
【0032】
取付台9は、本体ケース1における底面側と、前面側の面が開口した箱形状であり、取付板9aと、支持脚9bとを有する。
【0033】
取付板9aは、長方形の略板形状であり、上面には、送風部7と、除湿ロータ部8と、吸熱器15とが固定される。
【0034】
支持脚9bは、取付板9aの周縁から下方に延びる3枚の長方形の板であり、取付板の周縁における本体ケース1の後面側と、右面側と、左面側とから下方に延び、3枚の板は一体的に形成されている。支持脚9bは、取付板9aと、本体ケース1の底面との間には、略直方体形状の空間部9cを有している。空間部9cの高さは、ほぼ支持脚9bの高さ寸法であり、空間部9cには、貯水容器部10が装着される構成である。
【0035】
貯水容器部10は、本体ケース1の下部の空間部9cに配置され、本体ケース1の前面(本体ケースの奥行き方向における一方側の側面)から着脱自在な構成である。貯水容器部10の着脱方向は、本体ケース1における前後方向(本体ケースの奥行き方向)である。貯水容器部10の上方には、送風部7と、除湿ロータ部8と、吸熱器15とが配置されている。貯水容器部10は、天面が開口した偏平な箱形状のタンク10aと、漏斗状の集水カバー10bとを有している。集水カバー10bは、タンク10aの上部に着脱可能に設けられている。つまり、吸熱器15で結露をさせ、その結露水を漏斗状の集水カバー10bで集めてタンク10aに流入させる構成である。
【0036】
制御部11は、本体ケース1の前面側から見ると本体ケース1における右面側(本体ケース1の横方向における一方側の側面側)に配置されている。制御部11は、本体ケース1の底面上に固定されている。制御部11は、送風部7のモータ16と、圧縮機12と、除湿ロータ部8の駆動部分21と加熱部分22とを、使用者によって押された操作部5のスイッチに基づいて制御する。
【0037】
本体ケース1内には、第1送風路23と、第2送風路24とを備えている。
【0038】
第1送風路23は、送風部7によって、吸込口2から空気を吸引し放熱器13、加熱部分22、放湿部19b、吸熱器15、吸湿部19aの順に供給し、送風部7を介して吹出口3から排出する風路である。
【0039】
第2送風路24は、送風部7によって、吸込口2から空気を吸引し放熱器13に供給し、送風部7を介して吹出口3から排出する風路である。
【0040】
詳細に説明すると、第1送風路23においては、放熱器13によって温められた室内空気は、更に加熱部分22によって温められ、除湿ロータ19の放湿部19bに供給される。放湿部19bでは、吸湿部19aで吸着した水分が除湿ロータ19の回転駆動により放湿部19bに移動し、加熱部分22の加熱により供給された空気に放出される。この高湿の空気が吸熱器15に供給され、冷却されることにより結露し、水分は水滴として取出される。この後、冷却された空気は、除湿ロータ19の吸湿部19aに供給され、更に空気中の水分が吸湿部19aに吸着され、乾燥した空気となる。さらに、水分を吸着する際の吸着熱が発生するので、室内空気は湿度が低減し、温度が上昇した状態で、送風部7に吸引され、吹出口3から室内へ送風されることになる。なお、吸熱器15において結露した水分は水滴として下方に滴下し、貯水容器部10のタンク10a内に流れ込む。
【0041】
第2送風路24においては、放熱器13によって温められた室内空気は、送風部7に吸引され、吹出口3から室内へ送風されることになる。つまり、第1送風路23を通過する空気と、第2送風路24を通過する空気とは、送風部7で混ざり合った状態となり、送風部7によって吹出口3から吹き出す。
【0042】
図7に示すように、タンク10aは、容器30と、水位窓31とを備えている。
【0043】
容器30は、水を貯水する樹脂材料からなる深皿形状であって、射出成型によって作られる。射出成型について説明すると、容器30を射出成型する場合には、容器30は、上面が開口した略箱形状なので、容器30の外面側であるキャビティ型(固定側)と、容器30の内面側にコア型(可動側)とで成形する。まず、コア型(可動側)がキャビティ型(固定側)側に移動する。この時に、コア型(可動側)とキャビティ型(固定側)との間には、部分的に隙間を有している。次に、コア型(可動側)とキャビティ型(固定側)との間の隙間に、樹脂が流し込まれる。次に、この樹脂が固まった後に、コア型(可動側)が、容器30と共に移動し、キャビティ型(固定側)から離れる。最後に、容器は、コア型(可動側)から突出する押し出しピンによって、コア型(可動側)から押し出され、外される。
【0044】
図8図9に示すように、本実施形態の特徴は、水位窓31の形状である。水位窓31は、プレート32と、2つの第1突起33とを有している。
【0045】
プレート32は、縦細長板形状であり、容器30の側面における内面と、プレート32における一方側の面(内面)とは、同一面に配置される。また、容器30の側面における外面と、プレート32における他方側の面とは、同一面に配置される。
【0046】
第1突起33は、縦細長板形状であって、プレート32におけるそれぞれの長辺側の端部に設けられ、プレート32より容器30における内方側に突出している。具体的には、第1突起33における一方側の面(プレート32側の面)の一部は、プレート32における長辺側の端部と繋がっている。つまり、第1突起33における一方側の面(プレート32側の面)の一部は、プレート32における長辺側の端部と対向している。
【0047】
第1突起33における一方側の長辺の端部(一方側長辺端部33a)は、プレート32における一方側の面より、容器30における内方に突出している。第1突起33における他方側の長辺の端部(他方側長辺端部33b)は、プレート32における他方側の面より、容器30における内方に配置されている。第1突起33における他方側の長辺の端部(他方側長辺端部33b)よりプレート32における他方側は、容器30の側面の一部である。つまり、容器30の側面の一部は、第1突起33における他方側の長辺の端部(他方側長辺端部33b)よりプレート32における他方側を、覆っている。
【0048】
水位窓31は、透光性樹脂材料からなり、容器30の射出成型時に容器30の側面にインサート成形される。インサート成型について詳しく説明する。
【0049】
まず、容器30を射出成型する場合のコア型(可動側)に水位窓31を装着する。コア型(可動側)には、2本の溝(図示せず)が設けられており、これらの2本の溝に水位窓31の2つの第1突起33を嵌め、コア型(可動側)に水位窓31を装着する。コア型(可動側)に水位窓31を装着すると、プレート32における一方側の面と、コア型(可動側)とが接触する。
【0050】
次に、コア型(可動側)がキャビティ型(固定側)側に移動する。この時に、コア型(可動側)とキャビティ型(固定側)との間には、隙間を有している。但し、プレート32における他方側の面と、キャビティ型(固定側)とは接触する。第1突起33における他方側長辺端部33bと、キャビティ型(固定側)との間には、隙間を有している。
【0051】
次に、コア型(可動側)とキャビティ型(固定側)との間の隙間に、樹脂が流し込まれる。この時に、水位窓31と、コア型(可動側)またはキャビティ型(固定側)とが、接触している部分には、樹脂が付着しない。具体的には、プレート32における一方側の面と、プレート32における他方側の面と、第1突起33においてコア型(可動側)の2本の溝に入り込んだ部分とには、樹脂が付着しない。このように、プレート32における一方側の面と、プレート32における他方側の面とには、樹脂が付着しないので、容器30の外側から水位窓31を介して、容器30の内部を見る場合に、視認性が確保される。
【0052】
一方、樹脂が付着するのは、プレート32の外郭でありプレート32における端部(プレート32における端部の一部)と、第1突起33の外郭であり第1突起33においてコア型(可動側)の2本の溝から突出している部分(第1突起33における他方側の面(プレート32とは逆側の面)の一部と、第1突起33における端部の一部)である。
【0053】
第1突起33における他方側の長辺の端部(他方側長辺端部33b)と、キャビティ型(固定側)との間にも、樹脂が流れ込む。このように、プレート32における端部の一部と、第1突起33における他方側の面(プレート32とは逆側の面)の一部と、第1突起33における端部の一部(短辺の両端部の一部と、他方側長辺端部33b)とに、容器30である樹脂が固着するので、水位窓31が容器30に固定される。
【0054】
次に、この樹脂が固まった後に、コア型(可動側)が、容器30と共に移動し、キャビティ型(固定側)から離れる。
【0055】
最後に、容器30は、コア型(可動側)から突出する押し出しピンによって、コア型(可動側)から押し出され、外される。その際、第1突起33は、コア型(可動側)の2本の溝の中を、長辺方向にスライド移動してコア型から外れる。
【0056】
これにより、小型の水位窓31と容器30で、タンク10aを構成できるので、安価な構成でできるとともに、水位窓31の透過部であるプレート32に、インサート成型で必要であるコア型(可動側)に固定する突起の構造が、外部から水位を視認する際に、見え難いので、外部から水位を視認する際に、水位の視認性を向上することができる。
【0057】
また、第1突起33は、第1突起33における他方側の面(プレート32とは逆側の面)から突出した縦細長板形状の第2突起34を有している。第2突起は、容器30の側面内に配置される。これにより、第2突起34の表面にも容器30である樹脂が固着するので、水位窓31が容器30に更に強固に固定されるため、水位窓31と容器30の接着強度を向上することができる。
【0058】
また、2つの第1突起33の一方の第1突起33の上端と、プレート32の上端との距離は、2つの第1突起33の他方の第1突起33の上端と、プレート32の上端との距離より長い。つまり、2つの第1突起33の一方の第1突起33と、2つの第1突起33の他方の第1突起33とは、長辺の長さが異なる。これにより、コア型(可動側)の2本の溝の長さも異なるので、水位窓31の上下方向を間違うことを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明にかかる除湿装置は、乾きムラを低減することで衣類乾燥速度の向上を可能とするものであるので、衣類乾燥用に使用される除湿装置等として有用である。
【符号の説明】
【0060】
1 本体ケース
2 吸込口
3 吹出口
4 ルーバー
5 操作部
6 ヒートポンプ
7 送風部
8 除湿ロータ部
9 取付台
9a 取付板
9b 支持脚
9c 空間部
10 貯水容器部
10a タンク
10b 集水カバー
11 制御部
12 圧縮機
13 放熱器
13a 放熱フィン
13b 連結管
14 膨張器
15 吸熱器
15a 吸熱フィン
15b 連結管
16 モータ
17 ファン
17a 主板
17b 羽根
17c 吸込みリング
17d 回転軸固定部
18 ケーシング
18a 吸気口
18b 吐出口
19 除湿ロータ
19a 吸湿部
19b 放湿部
20 ロータ枠
21 駆動部分
22 加熱部分
23 第1送風路
24 第2送風路
30 容器
31 水位窓
32 プレート
33 第1突起
33a 一方側長辺端部
33b 他方側長辺端部
34 第2突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9