(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】レーザモジュール
(51)【国際特許分類】
H01S 5/024 20060101AFI20240823BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H01S5/024
H01L23/46 Z
(21)【出願番号】P 2022505079
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2021004886
(87)【国際公開番号】W WO2021176978
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2020036980
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】大森 弘治
(72)【発明者】
【氏名】多田 昌浩
(72)【発明者】
【氏名】内田 貴史
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-166789(JP,A)
【文献】特開2005-209874(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105305226(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
H01L 23/29
H01L 23/34 -23/36
H01L 23/373-23/427
H01L 23/44
H01L 23/467-23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ素子を備えたレーザモジュールであって、
前記レーザ素子が載置される載置面を有する第1ブロックと、
前記第1ブロックにおける前記載置面とは反対側に重ね合わされた第2ブロックとを備え、
前記第1ブロック及び前記第2ブロックの間には、冷却媒体が流れる内部流路が設けられ、
前記第1ブロックは、前記載置面の反対側の面から立設し且つ互いに間隔をあけて前記内部流路に配置された複数のフィンを有し、
前記第2ブロックは、重ね合わせ方向から見て、前記複数のフィンの間に開口して前記内部流路に冷却媒体を供給する複数の供給孔を有
し、
前記第2ブロックは、前記供給孔が開口する面よりも前記内部流路側に突出する突出部を有し、
前記突出部における前記フィンに対向する面は、前記供給孔に向かうにつれて突出高さが小さくなるように傾斜している、レーザモジュール。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2ブロックは、前記内部流路から冷却媒体を排出する排出孔を有し、
前記排出孔は、重ね合わせ方向に対して傾斜した方向に延び、
前記第1ブロックは、前記内部流路を流れる冷却媒体を前記排出孔の開口位置に向かって案内するガイド部を有する、レーザモジュール。
【請求項3】
請求項2において、
前記ガイド部は、前記第1ブロックにおける前記内部流路の側壁部で構成され、
前記側壁部は、前記載置面の反対側の面に対して直角又は鈍角をなす方向に延びている、レーザモジュール。
【請求項4】
請求項
1において、
前記フィンの先端部は、前記突出部の傾斜面に対応して傾斜している、レーザモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザ素子などの発熱体の冷却に用いる水冷式の放熱器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、上部放熱板、中間放熱板及び下部放熱板が上下3層に積層されており、中間放熱板の連通孔における水入口と水出口との間に形成された折返し水路を冷却水が流れることで、中間放熱板の受熱端部を冷却するようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、レーザ素子が高温になると、レーザ出力の低下などの性能劣化が起こるおそれがある。そのため、レーザ素子で生じた熱をさらに効率良く放熱して、レーザ素子の性能をより安定化させたいという要望がある。
【0006】
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザ素子で生じる熱を効率良く放熱できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、レーザ光を出射するレーザ素子を備えたレーザモジュールであって、前記レーザ素子が載置される載置面を有する第1ブロックと、前記第1ブロックにおける前記載置面とは反対側に重ね合わされた第2ブロックとを備え、前記第1ブロック及び前記第2ブロックの間には、冷却媒体が流れる内部流路が設けられ、前記第1ブロックは、前記載置面の反対側の面から立設し且つ互いに間隔をあけて前記内部流路に配置された複数のフィンを有し、前記第2ブロックは、重ね合わせ方向から見て、前記複数のフィンの間に開口して前記内部流路に冷却媒体を供給する複数の供給孔を有し、前記第2ブロックは、前記供給孔が開口する面よりも前記内部流路側に突出する突出部を有し、前記突出部における前記フィンに対向する面は、前記供給孔に向かうにつれて突出高さが小さくなるように傾斜している。
【0008】
第1の発明では、第1ブロックの載置面にレーザ素子が載置される。第1ブロックには、載置面の反対側の面から複数のフィンが立設している。複数のフィンは、互いに間隔をあけて内部流路に配置される。第2ブロックには、内部流路に冷却媒体を供給する複数の供給孔が形成される。複数の供給孔は、第1ブロック及び第2ブロックの重ね合わせ方向から見て、複数のフィンの間に開口している。
【0009】
このように、第1ブロックに複数のフィンを設けることで、第1ブロックの放熱面積を増やすようにしている。また、複数の供給孔から供給された冷却媒体を、複数のフィンの間に流すようにしている。
【0010】
これにより、レーザ素子で生じる熱を、複数のフィンから効率良く放熱することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記第2ブロックは、前記内部流路から冷却媒体を排出する排出孔を有し、前記排出孔は、重ね合わせ方向に対して傾斜した方向に延び、前記第1ブロックは、前記内部流路を流れる冷却媒体を前記排出孔の開口位置に向かって案内するガイド部を有する。
【0012】
第2の発明では、第2ブロックに形成された排出孔は、第1ブロック及び第2ブロックの重ね合わせ方向に対して傾斜した方向に延びている。内部流路を流れる冷却媒体は、第1ブロックのガイド部によって、排出孔の開口位置に向かって案内される。
【0013】
これにより、排出孔に向かう冷却媒体の一部を、複数のフィンの間で循環させることができる。
【0014】
具体的に、内部流路を流れる冷却媒体は、ガイド部に案内されて排出孔に向かって流れる。排出孔は、重ね合わせ方向に対して傾斜しているから、排出孔に向かって流れた冷却媒体は、排出孔の内周面に衝突した後、排出孔の傾斜方向に沿って、排出孔の上流側及び下流側にそれぞれ分配されて流れる。
【0015】
一方、供給孔の周辺では、供給孔から冷却媒体を供給する際の流れによって負圧が生じている。そのため、排出孔の上流側に向かって流れた冷却媒体は、複数のフィンの間を通って、供給孔の開口位置まで戻り、内部流路を循環することとなる。
【0016】
ここで、供給孔から供給された冷却媒体は、第1ブロックにおける載置面の反対側の面に沿って流れ、フィンの基端側を冷却している。一方、排出孔から戻ってきた冷却媒体は、第2ブロックの上面に沿って流れ、フィンの先端部を冷却することとなる。
【0017】
これにより、フィンの全面に沿って冷却媒体を循環させることで、レーザ素子で生じる熱を、複数のフィンから効率良く放熱することができる。
【0018】
第3の発明は、第2の発明において、前記ガイド部は、前記第1ブロックにおける前記内部流路の側壁部で構成され、前記側壁部は、前記載置面の反対側の面に対して直角又は鈍角をなす方向に延びている。
【0019】
第3の発明では、ガイド部を、第1ブロックにおける内部流路の側壁部で構成している。そして、側壁部は、載置面の反対側の面に対して直角又は鈍角をなす方向に延びている。
【0020】
これにより、内部流路を流れて側壁部に衝突した冷却媒体を、側壁部から排出孔に向かってスムーズに案内することができる。
【0021】
第4の発明は、第1の発明において、前記第2ブロックは、前記供給孔が開口する面よりも前記内部流路側に突出する突出部を有し、前記突出部における前記フィンに対向する面は、前記供給孔に向かうにつれて突出高さが小さくなるように傾斜している。
【0022】
第4の発明では、第2ブロックに突出部が設けられる。突出部では、フィンに対向する面が、供給孔に向かうにつれて突出高さが小さくなるように傾斜している。
【0023】
これにより、内部流路を流れる冷却媒体の一部を、複数のフィンの間で循環させることができる。
【0024】
具体的に、複数のフィンの間を流れる冷却媒体は、突出部と第1ブロックとの隙間で流量が絞られることとなる。また、供給孔の周辺では、供給孔から冷却媒体を供給する際の流れによって負圧が生じている。
【0025】
そのため、複数のフィンの間を流れる冷却媒体の一部は、内部流路の下流側に流れ、残りが突出部の傾斜面に沿って供給孔の開口位置まで戻り、内部流路を循環することとなる。
【0026】
ここで、供給孔から供給された冷却媒体は、第1ブロックにおける載置面の反対側の面に沿って流れ、フィンの基端側を冷却している。一方、突出部の傾斜面に沿って流れる冷却媒体は、フィンの先端部を冷却することとなる。
【0027】
これにより、フィンの全面に沿って冷却媒体を循環させることで、レーザ素子で生じる熱を、複数のフィンから効率良く放熱することができる。
【0028】
第5の発明は、第4の発明において、前記フィンの先端部は、前記突出部の傾斜面に対応して傾斜している。
【0029】
第5の発明では、フィンの先端部を、突出部の傾斜面に対応して傾斜させている。これにより、第1ブロックと第2ブロックとを重ね合わせた際に、フィンの先端部と突出部の傾斜面との隙間を小さくし、フィンの間に冷却媒体をスムーズに流すことができる。
【発明の効果】
【0030】
本開示によれば、レーザ素子で生じる熱を効率良く放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本実施形態1に係るレーザモジュールの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、レーザモジュールの構成を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、第1ブロックの重ね合わせ面側の構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、レーザモジュールの構成を示す平面断面図である。
【
図5】
図5は、レーザモジュールの構成を示す正面断面図である。
【
図6】
図6は、レーザモジュールの構成を示す側面断面図である。
【
図7】
図7は、本実施形態2に係るレーザモジュールの構成を示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、第1ブロックの重ね合わせ面側の構成を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、レーザモジュールの構成を示す平面断面図である。
【
図10】
図10は、レーザモジュールの構成を示す正面断面図である。
【
図11】
図11は、レーザモジュールの構成を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0033】
《実施形態1》
図1及び
図2に示すように、レーザモジュール1は、第1ブロック10と、第2ブロック20と、第3ブロック30と、レーザ素子40と、絶縁層45とを有する。
【0034】
第1ブロック10は、導電性を有する。第1ブロック10は、主に銅(Cu)で構成されている。第1ブロック10では、銅製のブロックに対して、ニッケル(Ni)と金(Au)とが順番にメッキされている。
【0035】
第1ブロック10は、載置面11を有する。載置面11は、第1ブロック10の上面の一部が窪むことで形成されている。載置面11は、第1ブロック10の上面におけるレーザ光Lの出射方向(
図1に矢印線で示す方向)の側の端部に設けられている。
【0036】
載置面11には、導電性のサブマウント41を介してレーザ素子40が載置されている。サブマウント41は、主に銅タングステン合金(CuW)で構成されている。
【0037】
レーザ素子40は、下面が正電極であり、上面が負電極である。レーザ素子40は、正電極から負電極に向かって電流が流れると、発光面からレーザ光Lを出射する。
【0038】
レーザ素子40の発光面は、第1ブロック10の載置面11の前端と略一致している。レーザ素子40の正電極は、第1ブロック10と電気的に接続されている。第1ブロック10は、レーザ素子40の正電極に電気的に接続する電極ブロックとしての機能を有する。
【0039】
第1ブロック10の上面には、絶縁層45が設けられている。絶縁層45は、ポリイミドやセラミックなどで構成されている。
【0040】
第2ブロック20は、第1ブロック10における載置面11とは反対側に重ね合わされている。第2ブロック20は、主にステンレス(SUS)で構成されている。第2ブロック20では、ステンレス製のブロックに対して、ニッケル(Ni)と金(Au)とが順番にメッキされている。
【0041】
詳しくは後述するが、第1ブロック10及び第2ブロック20の間には、冷却媒体が流れる内部流路15が設けられている(
図6参照)。
【0042】
第3ブロック30は、導電性を有する。第3ブロック30は、主に銅(Cu)で構成されている。第3ブロック30では、銅製のブロックに対して、ニッケル(Ni)と金(Au)とが順番にメッキされている。
【0043】
第3ブロック30は、レーザ素子40及び絶縁層45の上に設けられている。第3ブロック30は、バンプ(図示せず)を介してレーザ素子40と電気的に接続されている。第3ブロック30は、レーザ素子40の負電極に電気的に接続する電極ブロックとしての機能を有する。
【0044】
第1ブロック10、第2ブロック20、及び第3ブロック30は、図示しないネジによって締結されている。このとき、第3ブロック30は、第1ブロック10及び第2ブロック20に対して電気的に絶縁された状態で締結される。
【0045】
このような構成のレーザモジュール1では、レーザ素子40の正電極から負電極に向かって電流が流れると、レーザ素子40の側面の発光面からレーザ光Lが出力される。このとき、レーザ素子40で生じた熱は、第1ブロック10、第2ブロック20、及び第3ブロック30へ伝わる。
【0046】
ところで、レーザ素子40が高温になると、レーザ出力の低下などの性能劣化が起こるおそれがある。そのため、レーザ素子40で生じた熱を効率良く伝熱及び放熱して、レーザ素子40の性能をより安定化させたいという要望がある。
【0047】
そこで、本実施形態のレーザモジュール1では、レーザ素子40で生じる熱をより効率良く放熱できるような構造としている。
【0048】
図3に示すように、第1ブロック10には、内部流路15が設けられている。内部流路15は、第1ブロック10の下面の一部が窪むことで形成されている。内部流路15は、載置面11の反対側の面から後方(
図6で左方)に向かって延びている。
【0049】
第1ブロック10には、複数のフィン12が設けられている。フィン12は、第1ブロック10における載置面11の反対側の面から立設している。フィン12は、板状に形成され、レーザ光Lの出射方向に沿って延びている。複数のフィン12は、厚み方向に互いに間隔をあけて内部流路15に配置されている。
【0050】
このように、第1ブロック10に複数のフィン12を設けることで、第1ブロック10の放熱面積を増やすようにしている。なお、
図4に示す例では、フィン12を、平面視で第2ブロック20の排出孔22の一部に重なり合う位置まで延ばしているが、排出孔22全体を横切るように延ばしてもよい。
【0051】
図4~
図6に示すように、第2ブロック20は、第1ブロック10における載置面11の反対側に重ね合わされている。第1ブロック10及び第2ブロック20の間には、内部流路15が設けられる。
【0052】
第2ブロック20は、複数の供給孔21と、排出孔22とを有する。複数の供給孔21は、第1ブロック10及び第2ブロック20の重ね合わせ方向から見て、複数のフィン12の間に開口している。供給孔21には、図示しないチラーユニットによって外部から冷却媒体が供給される。冷却媒体は、例えば水である。供給孔21は、冷却媒体を内部流路15に供給する。なお、
図4~
図6では、冷却媒体の流れを矢印線で示している。
【0053】
複数の供給孔21から内部流路15に供給された冷却媒体は、複数のフィン12の間に供給され、内部流路15の上面に沿って下流側に流れる。
【0054】
排出孔22は、第2ブロック20における内部流路15の下流側に開口している。排出孔22は、内部流路15から外部に冷却媒体を排出して、冷却媒体を図示しないチラーユニットに戻す。
【0055】
排出孔22は、第1ブロック10及び第2ブロック20の重ね合わせ方向に対して傾斜した方向に延びている。
図6に示す例では、排出孔22は、左側に向かって斜め下方に傾斜している。排出孔22は、重ね合わせ方向に対して、例えば45°傾斜させればよい。
【0056】
第1ブロック10は、ガイド部16を有する。ガイド部16は、内部流路15を流れる冷却媒体を排出孔22の開口位置に向かって案内する。ガイド部16は、内部流路15の下流側の側壁部で構成されている。ガイド部16は、載置面11の反対側の面に対して鈍角をなす方向に延びている。なお、ガイド部16は、載置面11の反対側の面に対して直角をなす方向に延びていてもよい。
【0057】
これにより、内部流路15を流れてガイド部16に衝突した冷却媒体を、ガイド部16から排出孔22に向かってスムーズに案内することができる。
【0058】
以上のように、本実施形態に係るレーザモジュール1によれば、内部流路15から排出孔22に向かう冷却媒体の一部を、複数のフィン12の間で循環させることができる。
【0059】
具体的に、
図6に示すように、内部流路15を流れる冷却媒体は、ガイド部16に案内されて排出孔22に向かって流れる。排出孔22は、重ね合わせ方向に対して傾斜しているから、排出孔22に向かって流れた冷却媒体は、排出孔22の内周面に衝突した後、排出孔22の傾斜方向に沿って、排出孔22の上流側及び下流側にそれぞれ分配されて流れる。排出孔22の傾斜は、このような冷却媒体の流れを生じさせるために設けられている。
【0060】
一方、供給孔21の周辺では、供給孔21から冷却媒体を供給する際の流れによって負圧が生じている。そのため、排出孔22の上流側に向かって流れた冷却媒体は、複数のフィン12の間を通って、供給孔21の開口位置まで戻り、内部流路15を循環することとなる。
【0061】
ここで、供給孔21から供給された冷却媒体は、第1ブロック10における載置面11の反対側の面に沿って流れ、フィン12の基端側を冷却している。一方、排出孔22から戻ってきた冷却媒体は、第2ブロック20の上面に沿って流れ、フィン12の先端部を冷却することとなる。
【0062】
これにより、フィン12の全面に沿って冷却媒体を循環させることで、レーザ素子40で生じる熱を、複数のフィン12から効率良く放熱することができる。
【0063】
《実施形態2》
以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0064】
図7に示すように、レーザモジュール1は、第1ブロック10と、第2ブロック20と、第3ブロック30と、レーザ素子40と、絶縁層45とを有する。詳しくは後述するが、第2ブロック20は、内部流路15側に突出する突出部25を有する。
【0065】
図8に示すように、第1ブロック10には、内部流路15が設けられている。内部流路15は、第1ブロック10の下面の一部が窪むことで形成されている。
【0066】
第1ブロック10には、複数のフィン12が設けられている。フィン12は、第1ブロック10における載置面11の反対側の面から立設している。フィン12は、板状に形成され、レーザ光Lの出射方向に沿って延びている。複数のフィン12は、厚み方向に互いに間隔をあけて内部流路15に配置されている。フィン12の先端部は、後述する突出部25の傾斜面に対応して傾斜している。
【0067】
図9~
図11に示すように、第2ブロック20は、第1ブロック10における載置面11の反対側に重ね合わされている。第1ブロック10及び第2ブロック20の間には、内部流路15が設けられる。
【0068】
第2ブロック20は、複数の供給孔21と、排出孔22とを有する。複数の供給孔21は、第1ブロック10及び第2ブロック20の重ね合わせ方向から見て、複数のフィン12の間に開口している。供給孔21は、冷却媒体を内部流路15に供給する。なお、
図9~
図11では、冷却媒体の流れを矢印線で示している。
【0069】
第2ブロック20は、突出部25を有する。突出部25は、供給孔21が開口する面よりも内部流路15側に突出している。突出部25におけるフィン12に対向する面は、供給孔21に向かうにつれて突出高さが小さくなるように傾斜している。
【0070】
排出孔22は、第2ブロック20における内部流路15の下流側に開口している。排出孔22は、内部流路15から外部に冷却媒体を排出する。
【0071】
以上のように、本実施形態に係るレーザモジュール1によれば、内部流路15を流れる冷却媒体の一部を、複数のフィン12の間で循環させることができる。
【0072】
具体的に、
図11に示すように、複数のフィン12の間を流れる冷却媒体は、突出部25と第1ブロック10との隙間で流量が絞られることとなる。また、供給孔21の周辺では、供給孔21から冷却媒体を供給する際の流れによって負圧が生じている。
【0073】
そのため、複数のフィン12の間を流れる冷却媒体の一部は、内部流路15の下流側に流れ、残りが突出部25の傾斜面に沿って供給孔21の開口位置まで戻り、内部流路15を循環することとなる。
【0074】
ここで、供給孔21から供給された冷却媒体は、第1ブロック10における載置面11の反対側の面に沿って流れ、フィン12の基端側を冷却している。一方、突出部25の傾斜面に沿って流れる冷却媒体は、フィン12の先端部を冷却することとなる。
【0075】
これにより、フィン12の全面に沿って冷却媒体を循環させることで、レーザ素子40で生じる熱を、複数のフィン12から効率良く放熱することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本開示は、レーザ素子で生じる熱を効率良く放熱することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0077】
1 レーザモジュール
10 第1ブロック
11 載置面
12 フィン
15 内部流路
16 ガイド部
20 第2ブロック
21 供給孔
22 排出孔
25 突出部
40 レーザ素子
L レーザ光