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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】キャップユニット
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/08 20060101AFI20240823BHJP
   B65D 51/18 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B65D43/08 200
B65D51/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022115079
(22)【出願日】2022-07-01
(65)【公開番号】P2024006830
(43)【公開日】2024-01-17
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000167831
【氏名又は名称】株式会社ヒロハマ
(72)【発明者】
【氏名】関 利治
(72)【発明者】
【氏名】白坂 和歌子
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-298476(JP,A)
【文献】特開2010-36983(JP,A)
【文献】特開2004-323106(JP,A)
【文献】特開2005-306384(JP,A)
【文献】実開昭61-69056(JP,U)
【文献】英国特許出願公告第243871(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00 - 55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出没自在な上壁と前記上壁を押圧することで開閉する複数の弾性鉤止片で形成される側壁とを備える弾性鉤止片付キャップ内に、パッキング本体部と前記パッキング本体部より外周に環状に位置する缶口上部密着用の缶口当接部と前記缶口当接部の外周から外方に延びるツバ部と前記ツバ部から下方に延びる垂下部を有する樹脂製パッキングを収納されてなるキャップユニットにおいて、
前記弾性鉤止片付キャップを、隣り合う前記弾性鉤止片の間の開放された隙間を仮想的に塞ぎ前記弾性鉤止片の先端の破断面と面一な略円周状の開口下端面を有する仮想略有天円筒としてみたとき、
前記樹脂製パッキングは、前記垂下部が前記仮想略有天円筒の開口下端まで延長され、さらに前記垂下部下端から外方向に延びる外方部を有し、前記キャップユニットが缶口に装着される際に前記外方部が缶口上側円弧部に当接されてから缶口上側円弧部に沿って前記垂下部下端の内径を広げながら降下された後、缶口の側壁凹部に入り込んで係止されるまでの間、および缶口に装着されている状態で、前記仮想略有天円筒の側内壁が全周面に亘って前記垂下部や前記ツバ部や前記缶口当接部により覆われており、かつ、前記仮想略有天円筒の開口下端面も全周面に亘って前記外方部により缶口に対して覆われている状態が維持されることを特徴とするキャップユニット。
【請求項4】
前記外方部は全周に亘って、前記仮想略有天円筒の開口下端面と外壁の交わる角を覆う外方角カバー部を有するか、前記仮想略有天円筒の開口下端面の幅の1.5倍以上の幅が缶口に対して覆いきれるまで外方に延びているか、の少なくとも一方が適用されていること特 徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のキャップユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、塗料、化学品、燃料油などの運搬や保管に使われる缶の口元に装着されるキャップユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のキャップユニットとしては、例えば特許文献1に開示されているような、金属製の弾性鉤止片付キャップ内に樹脂製パッキングを収納したものがある。
【0003】
このキャップユニットの弾性鉤止片付キャップは、出没自在な上壁と、複数の弾性鉤止片で形成される側壁を備えており、上壁を押圧して出没させるとこれに連動して側壁の弾性鉤止片が開閉するようになっている。缶口への装着は弾性鉤止片を閉じた状態で行われ、装着状態では弾性鉤止片の先端は缶口の側壁凹部傾斜上部に弾性的に係止され、同時に弾性鉤止片キャップ内に収納された樹脂製パッキングの周縁部が缶口上端部と弾性鉤止片付キャップ上面外周部に上下から挟まれることで加圧され密着することで、内容物が漏れないよう缶口を塞いでいる。
【0004】
しかし、特許文献1のキャップユニットでは、缶口装着時に弾性鉤止片の鋭い先端が缶口の上側円弧部に沿って当接しながら缶口の側壁凹部まで滑っていくため、錆防止のために缶口に施されたニスやラミネート膜等が削り剥がされてしまい、剥がされた破片が缶内容物へ混入したり缶口が錆びたりする問題があった。また、弾性鉤止片の鋭い先端で指などをキズつけてしまうおそれもあった。
【0005】
そこで、特許文献2や特許文献3に開示されたキャップユニットでは、樹脂製パッキングに、缶口当接用の周縁部と、周縁部の外周から外方に延びる円弧状のツバ部と、ツバ部下端から下方に伸びる垂下部と、垂下部下端から外方に伸びる外方部を設け、この垂下部と外方部により閉じた状態の弾性鉤止片の先端を覆うことで、弾性鉤止片の鋭い先端が直接缶口に当接することを回避し、上記の問題を解消している。また、該樹脂製パッキングには垂下部から外方部にかけて全周にわたって多数の開放されたスリットが設けられているため、弾性鉤止片の開閉の動きに連動して弾性鉤止片先端が係止される部分の径が無理な変形なく変化できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開昭60-148261公報(第2図参照)
【文献】特許第4174717公報(第7図参照)
【文献】特許第5376176公報(図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かかる特許文献2や特許文献3のキャップユニットには、弾性鉤止片先端を覆う樹脂製のパッキングに、缶口に装着された状態でも開放されている多数のスリットが設けられていることにより、缶口に醤油等の液体が付着している状態でキャップユニットを装着すると、その液体がスリットを通り抜け弾性鉤止片に付着しやすいという欠点がある。金属製の弾性鉤止片付キャップに液体が付着すると錆が発生し、汚くなるばかりでなく錆液が缶内容物に混入するおそれもある。
【0008】
缶口に液体が付着する主なタイミングは、缶に醤油等の液体を充填する際に意図せず付着してしまったときや、ユーザーが缶の内容物を缶口から注ぎ出したときであるが、いずれも付着液を十分に拭き取らないままキャップユニットを缶口に装着(再装着)して、弾性鉤止片付キャップを錆びさせてしまうケースが頻発しているため、この錆の防止は長年の課題となっている。
【0009】
したがって本発明の目的は、弾性鉤止片の下端での缶口のニス等剥離や指等のキズつきを防止するとともに、弾性鉤止片の錆を防止・軽減するキャップユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明に係るキャップユニットは以下の態様を含む。
【0011】
<1>出没自在な上壁とこの上壁を押圧することで開閉する複数の弾性鉤止片で形成される側壁と、を備える弾性鉤止片付キャップ内に、パッキング本体部と、このパッキング本体部より外周に環状に位置する缶口上部密着用の缶口当接部と、缶口当接部の外周から外方に延びるツバ部と、ツバ部から下方に延びる垂下部と、を有する樹脂製パッキングを収納されてなるキャップユニットである。また、弾性鉤止片付キャップを隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間を仮想的に塞ぎ弾性鉤止片の先端の破断面と面一な略円周状の開口下端面を有する仮想略有天円筒としてみたときに、このキャップユニットの樹脂製パッキングは、垂下部が仮想略有天円筒の開口下端まで延長され、さらに垂下部下端から外方向に延びる外方部を有する。キャップユニットが缶口に装着される際、この外方部が缶口上側円弧部に当接されてから、缶口上側円弧部に沿って垂下部下端の内径を広げながら降下された後、缶口の側壁凹部に入り込んで係止されるまでの間、および缶口に装着された状態において、仮想略有天円筒の側内壁が全周面に亘って垂下部やツバ部や缶口当接部により覆われており、かつ、仮想略有天円筒の開口下端面も全周面に亘って外方部により覆われている状態が維持される。
【0012】
弾性鉤止片付キャップの製造工程では金属製平板(主にブリキ材)をプレスで花弁状に打ち抜いて外縁を形成するが、例えばブリキ材を使用している場合はこの破断面は鉄が剥き出しになっている。つまり弾性鉤止片の側面溝の破断面と先端の破断面は特に錆びやすい状態であるといえる。上記<1>の構成によれば、キャッピングの間と缶口に装着された状態において、弾性鉤止片の側面溝の破断面と先端の破断面は、樹脂製パッキングの垂下部やツバ部や缶口当接部と外方部によって、缶口に対して完全に全周面が覆われているため、缶口の上側円弧部や側壁凹部に液体が付着したままの状態で缶口にキャップユニットが装着されても、錆びやすい破断面に液が付着することがない。また、弾性鉤止片の鋭い先端が樹脂製パッキングの外方部に覆われていることにより、缶口を傷つける心配もない。
【0013】
さらに、従来の特許文献2や特許文献3のキャップユニットでは、弾性鉤止片の溝の位置と樹脂製パッキングの開放されたスリットの位置を合わせて組み合わされなければ、弾性鉤止片付の側面溝の破断面や先端の破断面が露出してしまうため、より破断面に液体が付着しやすかったり、指等を傷つけたりするおそれがあったが、上記<1>の構成によれば、キャッピングの間と缶口に装着された状態において、弾性鉤止片の側内壁と先端の破断面は隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間も含めて全周面に亘って、樹脂製パッキングの垂下部やツバ部や缶口当接部と外方部によって缶口に対して完全に覆われているため、弾性鉤止片の溝の位置に対する樹脂製パッキングの回転位置にかかわらず、液体の付着防止と指の傷付き防止の効果を発揮する。
【0014】
そもそも、従来の特許文献2や特許文献3のキャップユニットでは、弾性鉤止片の溝の位置と樹脂製パッキングの開放されたスリットの位置を合わせて組み合わされていたとしても、缶口の上側円弧部や側壁凹部に付着した液体が開放されたスリットを通り抜け、弾性鉤止片の先端の破断面や側面溝の破断面、側内壁まで滲み出て、弾性鉤止片の汚れや発錆に繋がる。上記<1>の構成によれば、キャッピングの間と缶口に装着された状態において、弾性鉤止片の側内壁と隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間がいずれも、樹脂製パッキングの垂下部やツバ部や缶口当接部によって缶口に対して完全に全周面が覆われているため、液体がすり抜けて付着する恐れがない。また、樹脂製パッキングに開放されたスリットがないことで、万が一弾性鉤止片に錆が生じたとしても、その錆液が開放されたスリットを通り抜けて缶内容物に混入するおそれがない。
【0015】
<2>好ましくは、樹脂製パッキングが弾性鉤止片付キャップに収納される前から、その缶口当接部からツバ部、ツバ部から垂下部、垂下部から外方部の短くとものちに樹脂製パッキングを弾性鉤止片付キャップに収納した際に仮想略有天円筒の開口下端面を覆いきる長さまで、にかけて、全周面に亘って肉のない開放された隙間や切り込みが一切なく一体的に繋がって成形されている。
【0016】
上記<2>の構成によれば、例えば、樹脂製パッキングの垂下部から外方部の外端までにかけて隙間があるが、弾性鉤止片付キャップに収納してキャップユニットとなすとその隙間部分が密着して塞がるような構成のキャップユニット等と異なり、その密着した合わせ目すらないため、液体が合わせ目を通して浸み出して弾性鉤止片に付着する余地もなくなり、より高い錆防止効果が見込める。
【0017】
特に、キャップユニットを缶口から取り外す際に樹脂製パッキングが缶口に馴染んで缶口に残った場合に、再度缶口を塞ぐには缶口から樹脂製パッキングを取り外し、弾性鉤止片付キャップに収納して再度キャップユニットとなして缶口に装着するが、この工程を踏んでいる最中に、樹脂製パッキングの弾性鉤止片を覆っている箇所に合わせ目があるとその部分の密着位置や密着力が変化して液体が浸み出してきたり、樹脂製パッキングの隙間から弾性鉤止片付キャップの先端の破断面等が露出しているタイミングで指等に付着した液体が付着してしまったりして、汚れや発錆に繋がる可能性がある。上記<2>の構成によれば、再度キャップユニットとなす場合でも、終始、樹脂製パッキングの弾性鉤止片を覆う箇所には合わせ目がなく、樹脂製パッキングの外方部から弾性鉤止片の先端の破断面が露出するタイミングもないため、その心配がない。
【0018】
<3>さらに好ましくは、樹脂製パッキングの垂下部と外方部が、周囲よりも薄肉の薄肉スリット膜部を複数共有しており、それが放射状に配置されている。また、薄肉スリット膜部を配置した放射線上の半径方向において、薄肉スリット膜部は垂下部から外方部の外端までにかけて延びている。
【0019】
特許文献3のキャップユニットのように弾性鉤止片付キャップに対して樹脂製パッキングに張りがあるようにしている場合、樹脂製パッキングの垂下部の下端の径が、弾性鉤止片付キャップに収納してキャップユニットとなす前と後で変化する。キャップユニットとなした後の方が垂下部の下端の円周長が短くなるが、垂下部や外方部が全周面に亘って均一な肉厚を維持して繋がっている構成にした場合は、垂下部や外方部が全周で均等に折りたたまれず、無理な力がかかってツバ部等にまで変形が及んでしまう可能性がある。上記<3>の構成によれば、垂下部から外方部にかけて部分的に薄肉スリット膜部を設けているため、樹脂製パッキングを弾性鉤止片付キャップに収納してキャップユニットとなすと、変形しやすい薄肉スリット膜部が先行して折りたたまれ、無理な変形による歪みが生じにくい。また、薄肉スリット膜部を全周面ではなく部分的に配置していることにより、簡単にひしゃげてしまわない程度の強度を保つことができる。つまり弾性鉤止片の開閉に連動して、垂下部の下端および外方部の径をスムーズに変化させることができる。
【0020】
万が一キャッピングの過程で薄肉スリット膜部が裂けてしまったとしても、キャッピングの間と缶口に装着された状態では、この裂けた部分同士が重なることで、弾性鉤止片および隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間が缶口に対して完全に覆われるため弾性鉤止片に液体が付着しにくくなる。
【0021】
特許文献2と特許文献3のキャップユニットでは、垂下部から樹脂製パッキングの外端にかけて開放されたスリットで分割されていることにより、分割されたそれぞれのヒダが独立して回動しやすく、再度キャップユニットとなす際や缶口に装着する際に、樹脂製パッキングの弾性鉤止片先端を覆う部分(垂下部の下端より外側)が内折れして弾性鉤止片の内側に入り込んでしまうヒダがでてくることがあった。上記<3>の構成によれば、薄肉スリット膜部で分割されたヒダは、隣り合うヒダと薄肉スリット膜部で連結されているため、独立して回動しにくく、結果的にヒダが内折れしにくくなる効果がある。万が一ヒダが内折れした場合でも、その際は内折れしたヒダの脇の薄肉スリット膜部が破れるため、その破れた感触で内折れに気付くことができ、別のキャップユニットを装着しなおすことができる。
【0022】
<4> 上記<1>~<3>のいずれかに記載のキャップユニットにおいて、樹脂製パッキングの外方部が全周に亘って、仮想略有天円筒の開口下端面と外壁の交わる角を覆う外方角カバー部を有するか、仮想略有天円筒の開口下端面の幅の1.5倍以上の幅が覆いきれるまで外方に延びているか、の少なくとも一方が適用されている。
【0023】
上記<4>の構成によれば、錆びやすい弾性鉤止片の先端の破断面に液体がより付着しづらくなり、錆防止効果をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように本発明によれば、弾性鉤止片の下端での缶口のニス等剥離や指等のキズつきを防止するとともに、弾性鉤止片の錆を防止・軽減するキャップユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】 本発明の一実施例のキャップユニットの断面図である。(第1実施形態)
図2図1のキャップユニットを缶口へ装着した状態を示す断面図である。
図3図2において一点鎖線で囲まれた領域Aの拡大図である。
図4図1のキャップユニットに用いる樹脂製パッキングを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
図5図4(a)のB-B断面図である。
図6図4(c)において一点鎖線で囲まれた領域Cの拡大斜視図で、斜線部は薄肉スリット膜部である。
図7】 本発明の一実施例のキャップユニットの断面図である。(第2実施形態)
図8】 第1実施形態および第2実施形態に係る弾性鉤止片付キャップと仮想略有天円筒を示す図である。(d)は弾性鉤止片付キャップの正面図、(e)は弾性鉤止片付キャップの底面図、(f)仮想略有天円筒の正面図、(g)は仮想略有天円筒である。
図9】 斜線部は図4(c)の線D-Dに沿った端面のバリエーションの一部を示す図で、点線部は図4(c)の線E-Eに沿った端面のバリエーションの一部を示す図である。((i)~(vi))((i)は第1実施形態)
図10】 斜線部は図4(c)の線D-Dに沿った端面のバリエーションの一部を示す図で、点線部は図4(c)の線E-Eに沿った端面のバリエーションの一部を示す図である。((vii)~(ix))
図11図6の線F-Fあるいは線G-Gに沿った端面のバリエーションの一部を示す模式図で、それぞれ上の図は樹脂製パッキングを弾性鉤止片付キャップに収納する前の状態、下の図は収納して厚肉部(ヒダ)間が縮められた後の状態である。((I)~(V))((I)は第1実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る第1実施形態について、図1図6、および図8を用いて説明する。
【0027】
はじめに、第1実施形態におけるキャップユニットの構成について説明する(図1参照)。第1実施形態におけるキャップユニット1は、弾性鉤止片付キャップ11A、樹脂製パッキング10および封緘部材12を備える。樹脂製パッキング10は弾性鉤止片付キャップ11Aに収納され、さらに弾性鉤止片キャップ11Aは封緘部材12に収納されている。
【0028】
弾性鉤止片付キャップ11Aは一枚のブリキ板でできており、出没自在な上壁110と、側壁に等間隔に設けられた複数の弾性鉤止片111Aとを備える。上壁110を押圧することでこれに連動して弾性鉤止片111Aが開閉される。弾性鉤止片付キャップ11Aは製造の際にその外縁がプレスで打ち抜かれているため、弾性鉤止片の先端の破断面112Aや弾性鉤止片付キャップの側面溝の破断面114は鉄が剥き出していて錆びやすい。
【0029】
図8(f)(g)は、弾性鉤止片付キャップ11Aの弾性鉤止片付キャップの側面溝113(隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間)を仮想的に塞ぎ、弾性鉤止片の先端の破断面112Aと面一な略円周状の開口下端面112Bを有する仮想略有天円筒11Bである。
【0030】
樹脂製パッキング10は、弾力性を有するポリエチレンでできており、パッキング本体部100と、このパッキング本体部100より外周に環状に位置する缶口上端密着用の缶口当接部101と、缶口当接部101の外周から外方に延びるツバ部102と、ツバ部102から下方に延びる垂下部103と、垂下部103の下端から外方向に延びる外方部104とが射出成形で一体成形されている。
【0031】
パッキング本体部100は、平坦部100aと、平坦部100aの中程に設けられた環状突出部100bと、平坦部100aの最外周部から上方外方に全周に亘って延びている円錐拡開部100cとで構成されている。環状突出部100bが平坦部100aの強度を補っているとともに、缶内圧力が上昇した際に環状突出部100bの外側傾斜部が平坦部100aの外周を介して円錐拡開部100cを外方に押し出し、缶口2の口部内径への密着を強くして気密性を高める効果もある。
【0032】
缶口当接部101は円錐拡開部100cの上端から連続して形成されており、円錐拡開部100cとの間に隙間があり基部となる厚肉部101aと、厚肉部101aの外周部下面から下方外方に延びる外側立下部101bを有する。キャップユニット1が缶口2に装着されると、缶口当接部101は弾性鉤止片付キャップ11Aの上面外周部と缶口上側円弧部20の上部に上下から挟まれ密着することでその間の気密を保つ。また、円錐拡開部100cと外側立上部101bは缶口上側円弧部20の上部に対して逆V字状に形成されており、缶口上側円弧部20の上部の内側および外側の2箇所で当接されて気密を保つようにもなっている。
【0033】
ツバ部102は缶口当接部の厚肉部101aの外周下部から連続して外方下方に円弧状に延びて形成されている。弾性鉤止片付キャップ11Aに収納される前の樹脂製パッキング10のツバ部102の外径は、弾性鉤止片111Aの開いた状態の最大内径より若干大きく設定されている。このようにしたことで、弾性鉤止片付キャップ11Aに収納される際に、開いた状態の弾性鉤止片111Aの先端がまずツバ部102に当接される。樹脂製パッキング10がさらに押し込まれると、弾性鉤止片111Aの先端が円弧状のツバ部102に沿って、当接された状態を維持しながら案内されるため、収納を安定して実施することが可能である。さらに、缶口2からキャップユニット1を取り外すときに、弾性鉤止片111Aが開いた状態の弾性鉤止片付キャップ11Aに対して、ツバ部102に張りがあるため、樹脂製パッキング10が脱落しづらい効果もある。弾性鉤止片付キャップ11Aに収納された状態ではツバ部102は内方に変形し、厚肉部101aには円錐拡開部100cとの間に隙間があるため、厚肉部10aとともに外側立上部101bが内方に押し出され、缶口上側円弧部20の上部の外側との密着を高める機能もある。
【0034】
垂下部103は、ツバ部102から連続して下方に延長して形成されている。また、垂下部103はその一部として、周囲より薄肉で形成された薄肉スリット膜部105aを部分的に有する。樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納された状態で、垂下部103は全周が仮想略有天円筒11Bの開口下端まで延長されている。これにより、仮想略有天円筒側壁111Bの内面が全周面に亘って垂下部103やツバ部102や缶口当接部101により覆われるため、錆びやすい弾性鉤止片付キャップの側面溝の破断面114に液体が付着しにくくなり錆が防止される。
【0035】
弾性鉤止片付キャップ11Aに収納される前の樹脂製パッキング10の垂下部103の下端の径(のちに弾性鉤止片111Aの先端が係止される部分の径)は、弾性鉤止片111Aの開いた状態の先端内径より大きく設定されている。これにより常に張りのある状態が維持され、弾性鉤止片111Aの先端の係止が安定し、外方部104が弾性鉤止片111Aの内側に入り込んでしまいにくくなる。また、弾性鉤止片付キャップ11Aに収納するために樹脂製パッキング10が押し込まれると、開いた状態の弾性鉤止片111Aの先端が、ツバ部102から垂下部103の下端まで当接された状態を維持しながら、最終的に弾性鉤止片の先端が係止される部分まで案内されるため、収納を安定して実施することが可能である。
【0036】
外方部104は、垂下部103の下端から連続して外方に延長された外方延出部104aと、外方延出部104aから上方に延びて仮想略有天円筒の開口下端面112Bと仮想略有天円筒側壁11Bの外壁の交わる角を覆う外方角カバー部104bと、外方延出部104aの外端から上方の延びる外方立上部104cを有する。また、外方部104はその一部として、周囲より薄肉で形成された薄肉スリット膜部105b、105cを部分的に有する。
【0037】
樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納された状態で、外方部104は全周に亘って、外方角カバー部104b(105cを含む)を有する。薄肉スリット膜部105ではない厚肉部では、外方部104は仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの6.2倍の幅を覆いきる長さまで延長されている。外方部104は全周に亘って、外方角カバー部104bを有するか、仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの1.5倍の幅を覆いきる長さまで延びているか、の少なくとも一方が適用されていることが望ましい。これにより、錆びやすい弾性鉤止片の先端の破断面112Aに液体がより付着しにくくなり錆が防止される。また、弾性鉤止片付キャップの側面溝113の回転位置にかかわらず、弾性鉤止片の先端の破断面112Aが全てカバーされるため、缶口2や指等のキズつきも防止される。
【0038】
外方延出部104aは、樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納された状態において、外方にいくほど下方に低くなる傾斜面を底面に有する。キャップユニット1を缶口2に装着する際に、缶口2の中心軸とキャップユニット1の中心軸とが大きくずれた場合でも、この傾斜面のガイド作用により偏心が小さくなるように案内されるので、弾性鉤止片111Aが内側に折れ曲がることを防止できる。また、外方延出部104aはその一部として周囲より薄肉の外方延出部(薄肉スリット膜部)105bを部分的に有する。
【0039】
外方角カバー部104bは全周に亘って仮想略有天円筒の開口下端面112Bと仮想略有天円筒側壁111Bの外壁の交わる角に係止され、垂下部103および外方部104が弾性鉤止片111Aから外れるのを防止していると同時に、錆びやすい弾性鉤止片の先端の破断面112Aに液体が付着しないようカバーの役割も担う。また、外方角カバー部104bはその一部として周囲より薄肉の外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cを部分的に有する。
【0040】
外方立上部104cは外方延出部104aの外周端から上方に突出して延びており、液体が弾性鉤止片の先端の破断面112Aまで回り込むのを堰き止める効果があり弾性鉤止片111Aの防錆をより確実にしている。
【0041】
樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納される前から、缶口当接部101、ツバ部102、垂下部103、および外方部104の短くとも仮想略有天円筒の開口下端面112Bを覆いきる長さまで、は全周面に亘って肉のない開放された隙間や切り込みが一切なく一体的に繋がって成形されている。このようにしたことで、弾性鉤止片111Aの側内壁、弾性鉤止片の先端の破断面112A、弾性鉤止片付キャップの側面溝(隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間)113、弾性鉤止片付キャップの側面溝の破断面114が全て、缶口2に対して完全に覆われているため、缶口2に付着した液体が弾性鉤止片の側面溝(隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間)や僅かな境目等を通して浸み出してくる余地がなくなり、より確実に錆を防止できる。
【0042】
射出成形では成型品をスムーズに離型させるために抜き勾配を付けるが、第1実施形態でもツバ部102から垂下部103の下端まで下にいくほど広がるようになっている(抜き勾配θ)。垂下部103の下端の径は、弾性鉤止片111Aに対して張りがあるように若干大きめに設定されているツバ部102の径よりさらに大きいことになるが、閉じた状態の弾性鉤止片111Aの先端が係止されると径が大幅に小さくなる。そのため垂下部103の下端の径の振れ幅は大きくなる。
【0043】
上記の振れに対応して垂下部103の下端の径をスムーズに変化させられるように、垂下部103から外方部104にかけて連続して形成された薄肉スリット膜部105が放射状に等間隔に多数設けられているとともに、薄肉スリット膜部105の形成された放射線上の半径方向においては、薄肉スリット膜部105が外方部104の外端まで延びている。これにより、樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納されると、薄肉スリット膜部105が折りたたまれるため、無理な変形による歪みが生じない。
【0044】
薄肉スリット膜部105を全周ではなく部分的に配設したことで、簡単にひしゃげてしまったり破損してしまわない程度の強度を保つことができる。また、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する際に折りたたまれる箇所が薄肉なので、キャップユニット1の内径(垂下部103の下端と外方部104で形成されるくの字形状の頂点内径)に影響しにくい。
【0045】
キャップユニット1となした状態で、折りたたまれた薄肉スリット膜部105が垂下部13や外方部104の外表面より出っ張ると、程度によっては出っ張り部分が弾性鉤止片111Aの下側内壁や先端の破断面112Aにぶつかり内方に押され、キャップユニット1の内径が小さくなる。ただし、折りたたまれた薄肉スリット膜部105と弾性鉤止片付キャップの側面溝113の回転位置が一致していると、折りたたまれた部分が側面溝の隙間空間に収まるため、この内径の変化量が小さくなる。キャップユニット1の内径寸法は、缶口2への装着しやすさや気密性能にかかわるので、キャップユニット1となしたときの薄肉スリット膜部105と弾性鉤止片付キャップの側面溝113の回転位置関係によって生じる差が大きいと、キャップユニット1の使用に支障をきたす可能性が高い。製造時にこの回転位置を合わせるのは製造コストがかかることや、ユーザーで再度キャップユニットとなす作業をする場合もあることを踏まえると、なるべく回転位置による内径の差がでないように、すなわち折りたたみ部の出っ張り量が少なくなるように、折りたたみ部分は薄肉であることが望ましい。
【0046】
薄肉スリット膜部105は垂下部103の上端から外方部104にかけて、垂下部(薄肉スリット膜部)105a、外方延出部(薄肉スリット膜部)105b、外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cと連続して一体的に形成されている。
【0047】
薄肉スリット膜部105により分割された、垂下部103と外方部104の厚肉部で形成されたヒダは、隣り合うヒダ同士が薄肉スリット膜部105で連結されているため、個々のヒダが独立して回動されにくく、外方部104が弾性鉤止片111Aの内側に入りこんでしまう内折れ現象が起きにくい。
【0048】
垂下部(薄肉スリット膜部)105aの外表面は垂下部103の厚肉部の外表面と同一面である。これにより、樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納されて垂下部(薄肉スリット膜部)105aが折りたたまれたときに、折りたたみ部が垂下部103の厚肉部より内側に出っ張る量が少なく抑えられる。特に垂下部(薄肉スリット膜部)105aの下側の出っ張り量が多くなると、キャップユニット1を缶口2に装着する際に缶口2と強く擦れて破損してしまうおそれがあるため、これを回避できるようにしている。
【0049】
薄肉スリット膜部105の外端は、仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの1.3倍の幅が覆いきれる長さまでに留めている。薄肉スリット膜部105の外端は、仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの3倍の幅が覆いきれる距離より内側までしか延びていないことが望ましい。短く留めていることで、樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納されて外方延出部(薄肉スリット膜部)105bが折りたたまれたときの外方部104からの出っ張り量を少なく抑えられる。
【0050】
外方部104の厚肉部の底面より下に出っ張る量が多くなってしまうと、キャップユニット1の輸送中にケース内で他のキャップユニットとの衝突により薄肉スリット膜部105が破損したり、缶口装着中に缶口2と強く擦れて破損してしまったり、缶口2への装着の際に外方部104の底面の傾斜面よりも先に出っ張った薄肉部が缶口2に当接することでそのガイド機能が十分に発揮できなかったり、全高が高くなり自動設備でキャッピングする場合に搬送中にシュートで詰まって作業効率を悪くしたりといった不具合が生じやすいが、これらを極力回避することができる。第1実施形態では薄肉スリット膜部105がもし仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの3倍まで延びていても(図3の1.3αの距離を3αに長くしても)、薄肉スリット膜部105の折りたたみの出っ張りはキャップユニット1の全高には影響しないようになっている。また、外方延出部(薄肉スリット膜部)105bの上表面は外方部104の厚肉部の上表面と同一面であるので、外方部104の底面より下に出っ張る量がさらに抑えられる。
【0051】
逆に外方部104の上表面より上に出っ張る量が多くなってしまうと、程度によっては出っ張り部分が封緘部材12に干渉して下内方に押される。その結果、垂下部103の下端と外方部104で形成されるくの字形状の折り部分に安定して係止されていた弾性鉤止片111Aの先端が外れやすくなり、外方部104が弾性鉤止片111Aの内側に入りこんでしまう内折れ現象が起こりやすくなる。
【0052】
また、薄肉スリット膜部105の外端までの長さを短く留めているということは、換言すれば外方部104の厚肉部と薄肉スリット膜部の接続部分が少なくしているということである。これにより、樹脂製パッキング10が弾性鉤止片付キャップ11Aに収納されるとき、薄肉スリット膜部105により分割された垂下部103と外方部104の厚肉部で形成されたヒダの間隔が縮まる際に、外方部104の厚肉部が折りたたまれる薄肉スリット膜部105から受ける負荷が抑えられる。この結果、ヒダの歪みや変形を回避することもできる。
【0053】
封緘部材12は弾力性を有するポリエチレンでできており、環状上壁120と側壁121が射出成形で一体成形されている。側壁121は、環状上壁120から下方にほぼ垂直に延びており、キャップユニット1となした状態で弾性鉤止片付キャップ11Aの側壁を内方に押さえることで、弾性鉤止片付111Aが不意に開くのを防いだり缶内圧力上昇によりキャップユニット1が浮いて内容物が漏洩するのを防いだりする役割を果たす。
【0054】
以上、第1実施形態におけるキャップユニットの構成について説明したが、以下では本発明に係るキャップユニットの使用手順について説明する。
【0055】
キャップユニットを組む手順について、第1実施形態を例に説明する。まず、弾性鉤止片111Aが開いた状態の弾性鉤止片付キャップ11Aに樹脂製パッキング10を載せ、弾性鉤止片111Aの先端をツバ部102に当接させる。ツバ部102から垂下部103の下端までにかけては表面がなだらかに繋がり、かつ弾性鉤止片111Aに対して張りがあるので、この状態から樹脂製パッキング10を押し込むと、弾性鉤止片111Aの先端が当接を維持しながら、そしてツバ部102や垂下部103を内方に回動変形させながら、垂下部103の下端と外方部104で形成されるくの字形状の折り部分に弾性鉤止片111Aの先端が係止されるまで案内される。その後、弾性鉤止片付キャップの上壁110をパッキング本体部100ごと下面から押し上げて、弾性鉤止片111Aを閉じる。このとき放射状に配設された多数の薄肉スリット膜部105が折りたたまれ、樹脂製パッキング10の垂下部103の下端の径および外方部104の径もスムーズに小さくなる。外方延出部(薄肉スリット膜部)105bの折りたたみの出っ張り量は、薄肉スリット膜部105の外端までの距離を短めにしていることで少なく抑えられており、これにより外方部104の厚肉部の底面からのはみ出しが抑えられるため、外方延出部(薄肉スリット膜部)105bの破損による缶内への破片混入等の危険を極力少なくすることができる。垂下部103の下端の径は縮められているが、その弾力性により外方に広がるような力がかかっているため弾性鉤止片111Aの先端の係止状態が安定する。最後に、弾性鉤止片111Aを閉じた状態のまま封緘部材12内に収納してキャップユニット1を形成する。
【0056】
キャップユニットを缶口に装着する手順について、第1実施形態を例に説明する。キャップユニット1を缶口2上に中心軸同士ができるだけ一致するように載置し、缶口の上側円弧部20に外方部104を当接させる。次いでキャップユニット1の上面を下方へ押圧していくと、缶口の上側円弧部20に沿って垂下部103の下端の内径を押し広げながら降下されていき、缶口の側壁凹部21の傾斜上部に垂下部103の下端を介して弾性鉤止片111Aの先端が係止される。この缶口装着過程において、弾性鉤止片付キャップ111Aの側内壁と、弾性鉤止片付キャップの側面溝(隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間)113、弾性鉤止片付キャップの側面溝の破断面114が全周面に亘って、樹脂製パッキング10の缶口当接部101、ツバ部102、垂下部103(垂下部(薄肉スリット膜部)105a含む)、外方部104(外方延出部(薄肉スリット膜部)105b、外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105c含む)によって、缶口2に対して完全に覆われた状態を維持している。これにより、液だれ等により缶口2に液体が付着していても、その液体が弾性鉤止片111Aに到達しないため、錆を防止できる。また、弾性鉤止片111Aの先端が全周面覆われているので指や缶口等を傷つけるのも防ぐことができる。
【0057】
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではない。
【0058】
例えば、図7に示した第2実施形態では、樹脂製パッキング10として、缶口2の口部内径との密着性をよくするために筒部100dを設けた栓体タイプを使用している。栓体タイプでは、第1実施形態とは異なり弾性鉤止片付キャップの上壁110をパッキング本体部100ごと下面から押し上げられないため、キャップユニット1を組む際は弾性鉤止片111Aを閉じた状態で行う。また、樹脂製パッキング10の外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cは設けておらず、外方延出部(薄肉スリット膜部)105bが外端まで延びている。厚肉部では外方延出部104aは第1実施形態より短く、外方角カバー部104bをその一部として下端内周に有する外方立上部104cが外方延出部104aの外端から上方に延びており、その長さは第1実施形態の外方立上部104cより長い。
【0059】
第2実施形態の封緘部材12は金属製のものを使用しており、缶口2にキャップユニット1を装着した状態で、裾を弾性鉤止片111Aと垂下部103と外方立上部104cごと内方に締め付けて、キャップユニット1が簡単に外れないようにしている。このようなキャップユニット1の形態や組み合わせはこれらに限らず本発明が適用できる範囲の中から選択すればよい。
【0060】
第1実施形態の弾性鉤止片付キャップ11Aはブリキ板からできており、10枚の等間隔の弾性鉤止片111Aを備えているが、機能に支障なければこれに限らない。部分的に薄肉スリット膜部105が設けられた事例である第1実施形態では、薄肉スリット膜部105により等分割されたヒダが10枚で(図4参照)、弾性鉤止片111Aと枚数が一致しているが、これも枚数を必ずしも一致させる必要はないし、等間隔でなくともよい。ヒダの間隔や枚数、材質も機能に支障が出ない範囲で自由に選択できる。
【0061】
ヒダ(厚肉部)の幅や間隔に関しては、上記の通り適宜選択して設定すればよいが、弾性鉤止片111Aの先端が樹脂製パッキングにしっかりと係止されたり、キャップユニット1を缶口2に装着した状態で樹脂製パッキング10を介して弾性鉤止片111Aの先端が缶口2にしっかりと係止されたりするには、弾性鉤止片の先端の破断面112Aの円弧長の60%が薄肉部ではないヒダ(厚肉部)に載っていることが好ましい。
【0062】
ヒダ(厚肉部)の枚数に関しても、上記の通り適宜選択して設定すればよいが、枚数が多いほど薄肉スリット膜部105が折りたたまれた際の出っ張り量が少なくなる。また、枚数が少なすぎると閉じた状態の弾性鉤止片の先端の破断面112Aの略円弧形状から大きく外れて、弾性鉤止片111Aの先端の係止が外れてしまうおそれもある。
【0063】
薄肉スリット膜部105が設けられた事例における、薄肉スリット膜部105(実線:図4(c)の線D-D端面)と、薄肉にしていない厚肉部(ヒダ)(実線:図4(c)の線E-E端面)の形態の組み合わせのバリエーションの一部を図9および図10に示す。
【0064】
図9(i)は第1実施形態と同形状のものである。
【0065】
図9(ii)について第1実施形態と特に異なる構成を中心に下記に示す。
【0066】
図9(ii)は薄肉スリット膜部105がツバ部102(105e)にまで上方に延びている。ツバ部102は上部に位置するので、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する前後で径があまり変化しない。そのため、ツバ部102部分の隣り合うヒダ間の隙間もあまり狭まらないので、垂下部(薄肉スリット膜部)105aが折りたたまれた際に生じる折りたたみシワが、上部のツバ部(薄肉スリット膜部)105eにも分散され、折りたたみの出っ張りが抑えられる。ただし、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する過程で、弾性鉤止片111Aの先端がツバ部(薄肉スリット膜部)105eの表面に沿って強く押し当てられながら降下するため、弾性鉤止片111Aの先端によりツバ部(薄肉スリット膜部)105eが破損しやすい条件となる。また、薄肉スリット膜部105が上部に延びていると弾性鉤止片付キャップ11Aに対する張りが弱くなる場合もある。
【0067】
図9(ii)では、外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cがないが、その代わりに薄肉スリット膜部105(105b)が外方部104の厚肉部の外端まで延びているので、缶口2に付着した液体が弾性鉤止片の先端の破断面112Aが付着しにくい。また、薄肉スリット膜部105(105b)が仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの6.2倍(>3倍)の幅が覆いきれる距離まで延びているため、薄肉スリット膜部105の折りたたみが外方部104の厚肉部から出っ張る量が多くなる。
【0068】
次に、図9(iii)について第1実施形態と特に異なる構成で、図9(ii)に記載のない点を中心に下記に示す。
【0069】
図9(iii)では、薄肉スリット膜部105が垂下部103の上端より下の位置から設けられている。このように弾性鉤止片111Aの開閉に対応できる範囲で、薄肉スリット膜部105の上端までの長さが短くしてもよい。
【0070】
また、全周に亘って外方角カバー部104bや外方立上部104cがないが、その代わり、外方部104(104a、105b)が全周に亘って仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの2.6倍(>1.5倍)の幅を覆いきる長さまで延びているので、缶口2に付着した液体が弾性鉤止片の先端の破断面112Aが付着しにくい。
【0071】
図9(iii)のように、垂下部(薄肉スリット膜部)105aの内表面が垂下部103の厚肉部の内表面と同一面であると、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する際に、折りたたまれた垂下部(薄肉スリット膜部)105aが垂下部103の厚肉部の外表面から出っ張る量が抑えられるので、弾性鉤止片111Aの先端で垂下部(薄肉スリット膜部)105aを破損しにくい。ただし、垂下部(薄肉スリット膜部)105aの下側の出っ張り量が多くなると、キャップユニット1を缶口2に装着する際に缶口2と強く擦れて破損してしまうおそれがあるため、図9(iii)では垂下部(薄肉スリット膜部)105aの下側は下外方に傾斜をつけて外方に逃がしている。
【0072】
次に、図9(iv)について第1実施形態と特に異なる構成で、図9(ii)(iii)に記載のない点を中心に下記に示す。
【0073】
図9(iv)では、垂下部(薄肉スリット膜部)105aと外方延出部(薄肉スリット膜部)105bはそれぞれ垂下部103の厚肉部と外方延出部104aの厚肉部の肉厚の中心付近に位置している。外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cはないが、厚肉部には外方角カバー部104bが設けられ、この外方角カバー部104bを一部として有する外方立上部104cも設けられている。また、外方延出部(薄肉スリット膜部)105bが、外方部104の厚肉部の外端を越えて延びている。
【0074】
次に、図9(v)について第1実施形態と特に異なる構成で、図9(ii)~(iv)に記載のない点を中心に下記に示す。
【0075】
図9(v)では、外方部104の薄肉部と厚肉部がいずれも、外方角カバー部104b(105c含む)をその一部として下方に有する外方立上部(薄肉スリット膜部)を有する。また、外方延出部(薄肉スリット膜部)105bの下表面が外方部104の厚肉部の下表面と同一面であるので、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する際に、折りたたまれた外方延出部(薄肉スリット膜部)105bが外方部104の厚肉部の上表面から出っ張る量が抑えられる。外方部104の上表面より上に出っ張る量が多くなってしまうと、程度によっては出っ張り部分が弾性鉤止片の先端の破断面112Aにぶつかり下内方に押され、その結果キャップユニット1の内径が小さくなり、缶口2への装着しやすさ等に影響を及ぼす。出っ張り量を抑えることでこれを回避している。
【0076】
次に、図9(vi)について第1実施形態と特に異なる構成で、図9(ii)~(v)に記載のない点を中心に下記に示す。
【0077】
図9(vi)では、外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cがなく、その代わり、外方延出部105bが第1実施形態より長めに延びてその先端から上方に外方立上部(薄肉スリット膜部)105dが設けられている。この外方立上部(薄肉スリット膜部)105dによって、缶口2に付着した液体が外方部104の上表面に流れ込みにくくなっている。
【0078】
また、図9(vi)では、垂下部(薄肉スリット膜部)105aにその上端から下端にかけて下方にいくほど外方に向かう傾斜がついているので、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する際に、折りたたまれた垂下部(薄肉スリット膜部)105aは、その上部では垂下部103の厚肉部の外表面より外に出っ張りにくく、弾性鉤止片111Aの先端で破損されづらい。さらに、その下部では垂下部103の厚肉部の内表面より内に出っ張りにくいので、キャップユニット1を缶口2に装着する際に缶口2と強く擦れて破損することがない。
【0079】
次に、図10(vii)について第1実施形態と特に異なる構成で、図9(ii)~(vi)に記載のない点を中心に下記に示す。
【0080】
図10(vii)は、ツバ部102から外方部104の外端までにかけて、徐々に肉厚が薄くなっていく薄肉スリット膜部105(105e、105b)を有する。外方部104の厚肉部には外方角カバー部104bも外方立上部104cもないが、薄肉部には外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cが設けられている。また、図10(vii)のように外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cは薄肉部スリット膜部105の外端に位置している必要はない。
【0081】
次に、図10(viii)について第1実施形態と特に異なる構成で、図9(ii)~(vi)および図10(vii)に記載のない点を中心に下記に示す。
【0082】
図10(viii)では、垂下部103(この図では105a)と外方部104(この図では105b)は全周面に亘って厚肉部がなく薄肉スリット膜部105のみで構成されている。厚肉部がないため、強度が弱く簡単にひしゃげてしまいやすい。この形態を採用する場合は、適切な材質の選択等により強度を補うことが望ましい。
【0083】
次に、図10(ix)について第1実施形態と特に異なる構成で、図9(ii)~(vi)および図10(vii)(viii)に記載のない点を中心に下記に示す。
【0084】
図10(ix)では、外方部104(104a)の厚肉部は仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの5.2倍(>1.5倍)の幅を覆いきる長さまで延びているが、薄肉部である薄肉スリット膜部105の外端(105c)は仮想略有天円筒の開口下端面112Bの板厚幅αの1.2倍(<1.5倍)の幅までしか延びていない。その代わり、薄肉部にのみ外方角カバー部(薄肉スリット膜部)105cが設けられている。したがって、外方部104は全周に亘って、外方角カバー部104b(この図では薄肉部のみ、105c)を有するか、仮想略有天円筒の開口下端面の幅αの1.5倍以上の幅が覆いきれるまで外方に延びているか(この図では厚肉部のみ)、の少なくとも一方が適用されている状態である。
【0085】
以上、薄肉スリット膜部105が設けられた事例における形態のバリエーションの一部を記載したが、薄肉スリット膜部105を設けていない事例(例えば後に記載する図11(iii)(iv))については、図9および図10の符号105を、102や103や104に置き換えることでそのバリエーションの一部となる。(105a→103、105b→104a、105c→104b、105d→104c、105e→102)
【0086】
隣り合う厚肉部(ヒダ)同士の連結(あるいは密着)部分のバリエーションの模式図の一部を図11に示す(図6の線F-F端面あるいは線G-G端面)。それぞれ上の図は樹脂製パッキングを弾性鉤止片付キャップに収納する前の状態で、下の図は収納してヒダ間が縮められた後の状態である。
【0087】
図11(I)は第1実施形態と同形状のものである。便宜上、下の図では厚肉部(ヒダ)間が縮められて薄肉スリット膜部105(105a、105b)が折りたたまれて出っ張っているだけの状態を図示したが、薄肉スリット膜部105と弾性鉤止片付キャップの側面溝113の回転位置が一致していない場合は、出っ張りの山は弾性鉤止片111Aの先端に押されてつぶされるので、出っ張り高さはこの図より低くなる。
【0088】
図11(II)では薄肉スリット膜部105(105a、105b)にあらかじめ折り目を付けている。折り目を付けることで、出っ張りの方向(この図の上に出っ張るか下に出っ張るか)をコントロールできるとともに、複数の折り目を付けていることで出っ張り量を少なくすることもできる。
【0089】
図11(III)では薄肉スリット膜部105(105a、105b)にあらかじめ折り目を付けている。折り目を付けることで、出っ張りの方向(この図の上に出っ張るか下に出っ張るか)をコントロールできるとともに、複数の折り目を付けていることで出っ張り量を少なくすることもできる。
【0090】
図11(III)では薄肉スリット膜部105を設けておらず、厚肉部(ヒダ)の端には湾曲した弁が備えられている。樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する前は、弁の間に開放された隙間がある。弾性鉤止片付キャップ11Aに収納した後にその弁の先端同士が密着することで、仮想略有天円筒側壁111Bの内面と開口下端面112Bが全周面に亘って覆われるようになる。薄肉スリット膜部105がないため、その折りたたみ時に厚肉部(ヒダ)にかかる負荷や、折りたたみの出っ張りによる悪影響がない。ただし、厚肉部(ヒダ)間が一体的に繋がって成形されているわけではないので、缶口2に付着した液体が密着部の僅かな隙間を通って浸み出す可能性がある。
【0091】
缶口2から弾性鉤止片付キャップ11Aを取り外す際は、弾性鉤止片111Aを開いて樹脂製パッキング10ごと取り外す。そのため、取り外した後に缶の中身を全部使いきらずに再度缶口2に装着する場合では、弾性鉤止片111Aが開いた状態でも図11(III)の弁が密着されていることが好ましい。弾性鉤止片111Aが開いた状態で弁が密着していないと、缶口2から弾性鉤止片付キャップ11Aを取り外す際に、垂下部103の内面や外方部104の下面に付着した液体が弁の間の隙間から浸み出して弾性鉤止片111Aに付着してしまいやすい。
【0092】
また、弾性鉤止片付キャップ11Aを取り外す際に、樹脂製パッキング10のみ缶口2に残されてしまうこともままある。このような場合で再度キャップユニット1を使用する場合は、缶口2から樹脂製パッキング10を取り外して、再度キャップユニット1を組む必要があるが、図11(III)のように、キャップユニット1となす前の樹脂製パッキング10の厚肉部(ヒダ)間に開放された隙間があると、このキャップユニット1を再度組む作業中に、垂下部103の内面や外方部104の下面に付着した液体が隙間から浸み出して弾性鉤止片111Aに付着してしまいやすい。
【0093】
図11(IV)でも、薄肉スリット膜部105を設けておらず、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納すると厚肉部(ヒダ)の端が重なって密着するようになっている。重なり部分の先端には傾斜面が形成されているのでスムーズに重なる。また、重なった部分の最大合計厚は、厚肉部(ヒダ)の肉厚より若干厚いので密着性が高い。図11(III)の弁タイプよりも重なる距離が長いので液体が通り抜けてしまいにくいが、薄肉スリット膜部105がないため弁タイプと同様の利点と欠点がある。
【0094】
図11(V)では、垂下部103(この図では105a)、外方部104(この図では105b)は全周面に亘って厚肉部がなく薄肉スリット膜部105のみで構成されている。厚肉部がないため強度が弱いが、薄肉スリット膜部105(105a、105b)の折りたたみが全周で分散されるので、出っ張り量が少なく抑えられる。
【0095】
図示していないが、図11(V)とは逆に薄肉スリット膜部105を設けず厚肉部のみで全周面を覆った場合、樹脂製パッキング10を弾性鉤止片付キャップ11Aに収納する段階で無理な変形により大きな歪みが生じ、弾性鉤止片111Aの先端が垂下部103の下端に確実に係止されないなどの異常が生じる可能性が高い。正常に弾性鉤止片付キャップ11Aに収納できたとしても、厚肉部同士で折りたたまれるとキャップユニット1の内径(垂下部103の下端と外方部104で形成されるくの字形状の頂点内径)が極端に小さくなってしまう。したがって、全周面を厚肉部で形成させるには、折りたたみやすいように折り目をつけたり、弾性鉤止片キャップ11Aの先端内径をあらかじめ大きくしたりなどの工夫が必要である。
【0096】
図11(I)~(V)では垂下部103(図6の線F-F端面)や外方延出部104a(線G-G端面)における隣り合う厚肉部(ヒダ)同士の連結(あるいは密着)部分のバリエーションの一部を図示しているが、図11の符号105aや105bを、105cや105dや105eに置き換え、符号103や104aを、102や104bや104cに置き換えることで、ツバ部102や外方角カバー部104bや外方立上部104cのバリエーションの一部ともなる。
【0097】
以上、本発明の実施例として、第1実施形態(図1参照)、第2実施形態(図7参照)、図9図10図11の形態を挙げ、欠点も含めて説明したが、それらの欠点が実使用時に悪影響を及ぼさない程度に収まるよう適切な設計をすればよい。また、本発明の適用範囲は当然これらの上記実施例に限られるものではない。公知技術や慣用技術を組み合わせたり、一部を置換したり、当業者が容易に想到する改変例も本発明に含まれる。
【0098】
以下、本文中の用語や符号、図面の補足説明をする。薄肉スリット膜部105(105、105a、105b、105c、105d、105e)は開放された隙間や切り込みがない膜である。「ヒダ」とは、薄肉スリット膜部105を有する実施形態において、薄肉スリット膜部105により分割・連結された厚肉部で形成された部分である。ツバ部102、垂下部103、外方延出部104a、外方角カバー部104b、外方立上部104cは、それぞれ薄肉スリット膜部を有する場合は薄肉スリット膜部105(105e、105a、105b、105c、105d)を含む。例えば、「垂下部103」は「垂下部103の厚肉部」と「垂下部(薄肉スリット膜部)105a」を含む。外方立上部(104c、105)は外方延出部(104a、105b)から上方に延びていればよいので、必ずしも第1実施形態の外方立上部104cのように外端から延びていなくともよい。外方角カバー部(104b、105c)は、外方延出部(104a、105b)から上方に延びているため、外方立上部(104c、105d)ともいえる。図1図2図3、および図7はキャップユニット1となした状態における断面図であるが、便宜上、薄肉スリット膜部105の折りたたみの出っ張りがない箇所の断面を図示す。
【符号の説明】
【0099】
1 キャップユニット
10 樹脂製パッキング
100 パッキング本体部
100a 平坦部
100b 環状突出部
100c 円錐拡開部
100d 筒部
101 缶口当接部
101a 厚肉部
101b 外側立下部
102 ツバ部
103 垂下部
104 外方部
104a 外方延出部
104b 外方角カバー部
104c 外方立上部
105 薄肉スリット膜部
105a 垂下部(薄肉スリット膜部)
105b 外方延出部(薄肉スリット膜部)
105c 外方角カバー部(薄肉スリット膜部)
105d 外方立上部(薄肉スリット膜部)
105e ツバ部(薄肉スリット膜部)
θ 抜き勾配
11A 弾性鉤止片付キャップ
11B 仮想略有天円筒
110 上壁
111A 弾性鉤止片
111B 仮想略有天円筒側壁
112A 弾性鉤止片の先端の破断面
112B 仮想略有天円筒の開口下端面
113 弾性鉤止片付キャップの側面溝(隣り合う弾性鉤止片の間の開放された隙間)
114 弾性鉤止片付キャップの側面溝の破断面
α 仮想略有天円筒の開口下端面の幅
12 封緘部材
120 環状上壁(封緘部材)
121 側壁(封緘部材)
2 缶口
20 上側円弧部
21 側壁凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11