(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】生産計画表示方法および生産計画表示プログラムならびに生産計画表示装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20240823BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2020138386
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹原 裕起
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046789(JP,A)
【文献】特開平08-241347(JP,A)
【文献】特開2007-157124(JP,A)
【文献】特開2000-071151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置を備える生産ラインにおいて部品実装基板を生産する生産計画であって、生産日時および
同一の製品に組み込まれる前記部品実装基板に関連する他の生産計画との関係を示すリンクデータを含む生産計画を複数取得し、
複数の前記生産計画のうち前記リンクデータに基づく複数の前記生産計画をリンクさせて時系列で表示部に表示することを含
み、
前記表示部に表示する複数の前記生産計画のひとつが選択された際に、選択された前記生産計画にリンクした前記生産計画を強調表示させる、生産計画表示方法。
【請求項2】
前記リンクデータは、両面実装の部品実装基板の表面に作業する生産計画と前記部品実装基板の裏面に作業する生産計画とをリンクさせるデータである、請求項1に記載の生産計画表示方法。
【請求項3】
前記リンクデータは、同一の製品に組み込まれる複数の種類の部品実装基板を生産する複数の生産計画をリンクさせるデータである、請求項1に記載の生産計画表示方法。
【請求項4】
前記生産計画に並行する複数の搬送部を備える前記作業装置が複数の前記搬送部で並行して作業する並行生産方式情報を含む場合に、前記リンクデータは複数の前記搬送部で並行して作業する前記生産計画をリンクさせるデータである、請求項1から3のいずれかに記載の生産計画表示方法。
【請求項5】
前記表示部に表示する複数の前記生産計画のひとつが移動される際に、移動される前記生産計画にリンクした前記生産計画を付随して移動させる、請求項1から
4のいずれかに記載の生産計画表示方法。
【請求項6】
前記リンクデータには、リンクする前記生産計画間の生産順情報を含み、前記生産順情報に基づいて前記生産計画を移動させる、請求項
5に記載の生産計画表示方法。
【請求項7】
複数の前記生産計画は前記生産ラインの並行する搬送部毎に区分されて前記表示部に表示され、前記生産計画が異なる区分へ移動される際に、移動される前記生産計画にリンクした前記生産計画を付随して移動させる、請求項
5または
6に記載の生産計画表示方法。
【請求項8】
前記生産計画を異なる前記区分へ移動させる際に、移動元の前記生産ラインと移動先の生産ラインとで前記区分の数が異なる場合、前記移動先の前記生産ラインの前記区分の数に合わせて、リンクした前記生産計画を移動させる、請求項
7に記載の生産計画表示方法。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれかに記載の生産計画表示方法をコンピュータにより実行させる、生産計画表示プログラム。
【請求項10】
作業装置を備える生産ラインにおいて部品実装基板を生産する複数の生産計画であって、生産日時および
同一の製品に組み込まれる前記部品実装基板に関連する他の生産計画との関係を示すリンクデータを含む生産計画を複数取得するデータ取得部と、
複数の前記生産計画のうち前記リンクデータに基づく複数の前記生産計画をリンクさせて時系列で表示する表示部とを備え
、
前記表示部は、表示する複数の前記生産計画のひとつが選択された際に、選択された前記生産計画にリンクした前記生産計画を強調表示させる、生産計画表示装置。
【請求項11】
前記リンクデータは、両面実装の部品実装基板の表面に作業する生産計画と前記部品実装基板の裏面に作業する生産計画とをリンクさせるデータである、請求項
10に記載の生産計画表示装置。
【請求項12】
前記リンクデータは、同一の製品に組み込まれる複数の部品実装基板を生産するための複数の生産計画をリンクさせるデータである、請求項
10に記載の生産計画表示装置。
【請求項13】
前記生産計画に並行する複数の搬送部を備える前記作業装置が複数の前記搬送部で並行して作業する並行生産方式情報を含む場合、前記リンクデータは複数の前記搬送部で並行して作業する前記生産計画をリンクさせるデータである、請求項
10から
12のいずれかに記載の生産計画表示装置。
【請求項14】
前記表示部は、表示する複数の前記生産計画のひとつが移動される際に、移動される前記生産計画にリンクした前記生産計画を付随して移動させて表示する、請求項
10から
13のいずれかに記載の生産計画表示装置。
【請求項15】
前記リンクデータには、リンクする前記生産計画間の生産順情報を含み、前記表示部は、前記生産順情報に基づいて前記生産計画を移動させて表示する、請求項
14に記載の生産計画表示装置。
【請求項16】
前記表示部は、複数の前記生産計画を前記生産ラインの並行する搬送部毎に区分して表示し、前記生産計画が異なる区分へ移動される際に、移動される前記生産計画にリンクした前記生産計画を付随して移動させて表示する、請求項
14または
15に記載の生産計画表示装置。
【請求項17】
前記生産計画が異なる前記区分へ移動される際に、移動元の前記生産ラインと移動先の前記生産ラインとで前記区分の数が異なる場合、前記表示部は、前記移動先の前記生産ラインの前記区分の数に合わせて、リンクした前記生産計画を移動させて表示する、請求項
16に記載の生産計画表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装基板を生産する生産計画を表示する生産計画表示方法および生産計画表示プログラムならびに生産計画表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を実装して生産される部品実装基板には、基板の片面にのみ部品が実装される片面実装基板の他、基板の表面と裏面の両面に部品が実装される両面実装基板がある。両面実装基板を生産する際は、一方の面に部品を実装した後、基板を反転させて他方の面に部品が実装される。両面実装基板を含む複数の種類の部品実装基板を生産する際には、基板を反転させて生産する両面実装基板の生産方法を考慮して、生産計画が作成される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、両面実装基板の表面と裏面に部品を実装する生産時期が重複しないように、最適な生産計画を作成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最適な生産計画に従って生産していても、生産ラインの状況によって生産計画を変更せざるを得ない場合がある。その場合に、両面実装基板の表裏の作業など密接に関連する作業の生産計画が崩れてしまうと、部品実装基板の生産納期が遅延したり、生産に使用する部材の準備が間に合わずに生産が停止したりするなど、生産計画に不整合が生じることがある。
【0005】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、生産の開始前には最適な生産計画を作成することができるものの、生産中の生産計画の変更については効率的な生産計画が作成できるか不明であり、生産中でも生産計画を適切に変更できるようにするには更なる改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、部品実装基板を生産する生産計画の変更を適切に支援することができる生産計画表示方法および生産計画表示プログラムならびに生産計画表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の生産計画表示方法は、作業装置を備える生産ラインにおいて部品実装基板を生産する生産計画であって、生産日時および同一の製品に組み込まれる前記部品実装基板に関連する他の生産計画との関係を示すリンクデータを含む生産計画を複数取得し、複数の前記生産計画のうち前記リンクデータに基づく複数の前記生産計画をリンクさせて時系列で表示部に表示することを含み、前記表示部に表示する複数の前記生産計画のひとつが選択された際に、選択された前記生産計画にリンクした前記生産計画を強調表示させる。
【0008】
本発明の生産計画表示プログラムは、請求項1から8のいずれかに記載の生産計画表示方法をコンピュータにより実行させる。
【0009】
本発明の生産計画表示装置は、作業装置を備える生産ラインにおいて部品実装基板を生産する複数の生産計画であって、生産日時および同一の製品に組み込まれる前記部品実装基板に関連する他の生産計画との関係を示すリンクデータを含む生産計画を複数取得するデータ取得部と、複数の前記生産計画のうち前記リンクデータに基づく複数の前記生産計画をリンクさせて時系列で表示する表示部とを備え、前記表示部は、表示する複数の前記生産計画のひとつが選択された際に、選択された前記生産計画にリンクした前記生産計画を強調表示させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品実装基板を生産する生産計画の変更を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品実装システムが備える生産ラインの構成説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成を示すブロック図
【
図4】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置で使用される生産計画情報の一例の説明図
【
図5】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図6】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図7】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図8】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図9】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図10】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図11】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図12】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図13】本発明の一実施の形態の生産計画表示装置が備える表示部に表示された生産計画表示画面の一例の説明図
【
図14】本発明の一実施の形態の生産計画表示方法のフロー図
【
図15】本発明の一実施の形態の生産計画変更方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、生産ライン、部品実装装置などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
まず
図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、フロアFに配置された3本の生産ラインL1~L3を通信ネットワーク2によって接続し、生産管理装置3によって管理する構成となっている。各生産ラインL1~L3は、後述するようにスクリーン印刷装置、部品実装装置を含む複数の作業装置を連結して構成され、基板に部品を実装した部品実装基板を生産する機能を有している。なお、部品実装システム1が備える生産ラインL1~L3は3本である必要はなく、2本および4本以上でも良い。
【0014】
次に
図2を参照して、生産ラインL1~L3の詳細な構成を説明する。生産ラインL1~L3は同様の構成をしており、以下、生産ラインL1について説明する。生産ラインL1は、基板搬送方向の上流側(紙面左側)から下流側(紙面右側)に向けて、基板供給装置M1、スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8などの作業装置を直列に連結して構成されている。なお、生産ラインL1は通信ネットワーク2を介して接続される作業装置群であって、物理的に作業装置同士が連結されていなくてもよい。
【0015】
基板供給装置M1、スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8は、通信ネットワーク2を介して生産管理装置3に接続されている。基板供給装置M1は、複数の基板を収納するラック等の収納部を備え、収納部から取り出した基板を下流側の装置に供給する基板供給作業を実行する。スクリーン印刷装置M2は、印刷作業部に装着されたスクリーンマスクを介して上流側から搬入された基板に半田を印刷する半田印刷作業を実行する。なお、生産ラインL1は、スクリーン印刷装置M2と並設して、もしくはスクリーン印刷装置M2の代わりにディスペンサを用いて半田を基板に塗布する半田塗布装置を備えてもよい。スクリーン印刷装置M2および半田塗布装置は、基板に半田を堆積させる印刷装置である。
【0016】
図2において、部品実装装置M3~M6は、半田が堆積された基板に部品を実装する部品実装作業を実行する。なお、生産ラインL1は、部品実装装置M3~M6が4台の構成に限定されることなく、部品実装装置M3~M6が1~3台であっても5台以上であってもよい。リフロー装置M7は、装置内に搬入された基板を基板加熱部によって加熱して基板上の半田を融解させ、さらに半田を硬化させて基板の電極部と部品とを接合する基板加熱作業を実行する。基板回収装置M8は、複数の基板を収納するラック等の収納部を備え、上流側の装置が搬出する基板を受け取って収納部に回収する基板回収作業を実行する。
【0017】
生産ラインL1~L3を構成する部品実装装置M3~M6を含む作業装置は、上流側の装置から基板を受け取り、作業を行う作業位置に搬送し、作業が終了した基板を下流側の装置に受け渡す搬送部を備えている。作業装置には、1つの搬送部を備えるシングルタイプと、並行する2つの搬送部を備え、2つの搬送部で並行して作業するデュアルタイプがある。生産ラインL1~L3は、生産する部品実装基板の種類や生産枚数などに応じ、シングルタイプとデュアルタイプの作業装置を組み合わせて構成される。以下、シングルタイプの作業装置のみで構成される生産ラインL1~L3を「シングルライン」と、デュアルタイプの作業装置を含んで構成される生産ラインL1~L3を「デュアルライン」と称する。
【0018】
図1において、部品実装システム1は、通信ネットワーク2に接続された生産管理装置3の他、同じく通信ネットワーク2に接続された生産計画作成装置4と生産計画表示装置5を備えている。生産管理装置3は、作業装置で作業する際に使用される生産データを作成し、該当する作業装置M1~M8に送信する機能を備えている。生産管理装置3は、生産する部品実装基板の情報(片面実装、両面実装、多面取り、サイズなど)、部品実装位置(部品の種類と実装座標など)、部品の情報(種類、サイズなど)、生産ラインL1~L3の情報(作業装置の構成)に基づいて、生産データを作成する。
【0019】
生産計画作成装置4は、部品実装基板の生産情報(生産納期、生産枚数など)、生産ラインL1~L3の情報(作業装置の構成など)、生産管理装置3が作成した生産データに含まれる各種情報などに基づいて、シミュレーションにより最適な生産計画を作成する。
【0020】
図1において、生産計画表示装置5は、生産計画作成装置4が作成した生産計画と、作業装置M1~M8から収集した生産状況から、生産ラインL1~L3で計画されている生産計画と、現状の生産状況を時系列で表示する生産計画表示画面を表示部に表示する機能を備えている。また、生産計画表示装置5は、部品実装基板を生産する生産ラインL1~L3の変更や生産順の変更など、管理者が実行する生産計画の変更作業を支援する機能を備えている。
【0021】
次に
図3を参照して、生産計画表示装置5の構成の詳細について説明する。生産計画表示装置5は、処理部10、記憶部11、入力部12、表示部13、通信部14を備えている。処理部10はCPUなどの情報処理装置であり、内部処理部としてデータ取得部15、実績収集部16、表示処理部17、変更判断部18を備えている。記憶部11は記憶装置であり、生産計画情報19、生産実績情報20、変更後生産計画情報21などを記憶する。
【0022】
入力部12は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部13は液晶パネルなどの表示装置であり、記憶部11が記憶する各種データを表示する他、入力部12による操作のための生産計画表示画面などの各種情報を表示する。通信部14は、通信処理装置であり、通信ネットワーク2を介して生産ラインL1~L3が備える作業装置M1~M8、生産管理装置3、生産計画作成装置4との間でデータを送受信する。
【0023】
なお、生産計画表示装置5は、ひとつのコンピュータで構成する必要はなく、複数のデバイスで構成してもよい。例えば、記憶装置(記憶部11)の全て、若しくは一部をサーバを介してクラウドに備えてもよい。また、生産計画表示装置5が備える処理部10の機能を、生産管理装置3または生産計画作成装置4で構成してもよい。
【0024】
図3において、データ取得部15は、生産計画作成装置4より生産ラインL1~L3において部品実装基板を生産する生産日時、他の生産計画との関係を示すリンクデータを含む複数の生産計画を取得して、生産計画情報19として記憶部11に記憶させる。実績収集部16は、生産ラインL1~L3の作業装置M1~M8、または生産管理装置3から生産ラインL1~L3の生産実績、生産状況を収集し、生産実績情報20として記憶部11に記憶させる。
【0025】
ここで
図4を参照して、記憶部11に記憶された生産計画情報19の例について説明する。
図4に示す生産計画情報19は、デュアルラインの生産ラインL1と生産ラインL2、およびシングルラインの生産ラインL3を備える部品実装システム1において部品実装基板を生産する複数の生産計画Zの例である。生産計画Zは、生産ラインL1~L3において生産される部品実装基板のロット毎に生産計画作成装置4によって作成されている。
【0026】
生産計画情報19の各生産計画Zには、生産順30、ロット番号31、品種番号32、ライン番号33、レーン番号34、リンク番号35、生産枚数36、生産開始日時37、生産終了日時38、生産開始可能日時39、生産納期40などの情報が含まれている。生産順30は、部品実装システム1において生産される部品実装基板のロットの生産順番であり、効率的に生産されるように設定されており、生産開始日時37に基づいて昇順に番号が付与されている。ロット番号31は、生産ラインL1~L3において生産される部品実装基板のロットを特定する情報である。品種番号32は、部品実装基板の品種を特定する情報である。以下、ロット番号31が「A」のロットを単に「ロットA」と、品種番号32が「X1M」の品種を単に「品種X1M」などと称する。
【0027】
図4において、ライン番号33は、部品実装基板を生産する生産ラインL1~L3を特定する情報である。「L1」は生産ラインL1を、「L2」は生産ラインL2を、「L3」は生産ラインL3を、それぞれ示している。レーン番号34は、生産ラインL1~L3の並行する搬送部を特定する情報である。デュアルラインである生産ラインL1,L2では、搬送部を特定する情報として「1」または「2」が記憶されている。シングルラインである生産ラインL3では、便宜上「1」が記憶されている。
【0028】
図4において、リンク番号35は、関連する複数の生産計画Zを特定する情報である。例えば、リンク番号35が「P3」のロットDとロットHの生産計画Zの間には、それぞれ両面実装基板(両面実装の部品実装基板)の表面に部品を実装する生産計画Zと、同じ両面実装基板(品種X3T,品種X3B)の裏面に部品を実装する生産計画Zという関係がある。すなわち、リンク番号35は、両面実装の部品実装基板の表面に作業する生産計画Zと部品実装基板の裏面に作業する生産計画Zとをリンクさせるリンクデータである。両面実装基板の生産計画Zは、同一の基板の表面と裏面に部品を実装するため時間を空けずに実行することで効率よく生産することができる。
【0029】
また、リンク番号35が「P1」のロットAとロットBの生産計画Zの間には、同一の製品に組み込まれるメイン基板(品種X1M)とサブ基板(品種X1S)を生産する生産計画Zという関係がある。すなわち、リンク番号35は、同一の製品に組み込まれる複数の種類の部品実装基板を生産する複数の生産計画Zをリンクさせるリンクデータである。同一の製品に組み込まれる部品実装基板の生産計画Zは、一緒に次工程で処理されるため同じ生産納期40となっている。
【0030】
図4において、リンク番号35が「P4」のロットIとロットJの生産計画Zの間には、デュアルラインである生産ラインL2の並行する2つの搬送部(レーン1、レーン2)で並行して作業する並行生産方式により生産する部品実装基板(品種X5)の生産計画Zという関係がある。すなわち、リンク番号35は、生産計画Zに並行する複数の搬送部を備える作業装置M1~M8が複数の搬送部で並行して作業する並行生産方式情報を含む場合に、複数の搬送部で並行して作業する生産計画Zをリンクさせるリンクデータである。並行生産方式で生産する部品実装基板の生産計画Zは、同じデュアルラインの生産ラインL1または生産ラインL2で同時に実行する必要がある。
【0031】
また、リンク番号35が「P2」のロットC、ロットG、ロットEの生産計画Zの間には、両面実装基板(品種X2T,品種X2B)を生産する生産計画Zと、この両面実装基板と一緒に使用されるサブ基板(品種X2S)を生産する生産計画Zという関係がある。なお、リンクする生産計画Zがない場合(例えば、ロットF,ロットK)は、リンク番号35に「-」が記憶されている。
【0032】
図4において、生産枚数36は、ロットにおける部品実装基板の生産枚数である。生産開始日時37は、ロットの部品実装基板の生産を開始する予定日時である。生産終了日時38は、ロットの部品実装基板の生産を終了する予定日時である。生産開始可能日時39は、フロアFに部品などが揃って生産が開始可能となる日時である。生産納期40は、部品実装基板の生産を完了しなければならない日時である。
【0033】
図3において、表示処理部17は、記憶部11に記憶されている生産計画情報19および生産実績情報20に基づいて、表示部13に生産計画表示画面を表示させる画面表示処理を実行する。変更判断部18は、表示部13に表示された生産計画表示画面を管理者が操作して実行した生産計画Zの変更が、リンク関係や生産日時を考慮して可能か否かを判断する変更判断処理を実行する。
【0034】
ここで
図5~
図13を参照して、表示処理部17が表示部13に表示させた生産計画表示画面と、生産計画表示画面の操作例について説明する。
図5~
図13に示す生産計画表示画面には、「7/24 4:30」を現時点として、
図4に示す生産計画情報19の生産計画Zを含む複数の生産計画Zが表示されている。
【0035】
図5において、生産計画表示画面50には、「オプション設定」領域51、「時系列表示」領域52、「リスト表示」領域53、「元に戻す」ボタン54、「1つ前に戻す」ボタン55、「確定」ボタン56が表示されている。「オプション設定」領域51には、「リンク識別表示」スイッチ、「リンク同時移動」スイッチが表示されている。管理者が入力部12で各スイッチが備えるボタンを「ON」または「OFF」にスライドさせると、表示処理部17によって各オプションの選択が受けられる。
【0036】
「時系列表示」領域52には表示処理部17によって、生産計画Zを1辺が生産開始日時37の位置、対向する辺が生産終了日時38の位置とする矩形とし、生産ラインL1~L3のレーン毎に生産時刻57に沿って時系列で表示されている。すなわち、表示部13は、複数の生産計画Zを生産ラインL1~L3の搬送部(レーン)毎に区分して時系列で表示する。この例では、生産ラインL1のレーン1、生産ラインL1のレーン2、生産ラインL2のレーン1、生産ラインL2のレーン2、生産ラインL3のレーン1の5つの区分が表示されている。また、表示処理部17は、「時系列表示」領域52に点線で現時点(4:30)を表示する。
【0037】
さらに、表示処理部17は、生産実績情報20に基づいて、「時系列表示」領域52の生産計画Zに作業の進捗状況を表す斜線のハッチングを付加している。すなわち、斜線のハッチングの後端が現時点より先にある場合は作業が計画より早く進行していることを、現時点より後にある場合は作業が遅延していることを表している。「リスト表示」領域53には表示処理部17によって、生産計画Zの詳細情報がリスト形式で表示されている。管理者が入力部12でスクロールバー53a、53bをスライドさせると、「リスト表示」領域53に表示されるリストが上下左右にスクロールする。
【0038】
図5において、生産計画Zを変更する際、管理者は入力部12で「時系列表示」領域52の生産計画Zを選択して、生産ラインL1~L3またはレーン(区分)間を移動させたり、同じレーンにおいて時系列に沿って移動させたりする(例えば、
図8~
図10参照)。管理者が入力部12で「元に戻す」ボタン54を操作すると、移動させた全ての生産計画Zが元の状態に戻る。また、管理者が入力部12で「1つ前に戻す」ボタン55を操作すると、1つ前に移動させた生産計画Zが元の状態に戻る。また、管理者が入力部12で「確定」ボタン56を操作すると、生産計画Zの変更が確定し、変更判断部18によって変更後の生産計画Zが変更後生産計画情報21として記憶部11に記憶される。
【0039】
次に
図6を参照して、「リンク識別表示」オプションが選択された生産計画表示画面50の例について説明する。
図6は、
図5に示す生産計画表示画面50において、「オプション設定」領域の「リンク識別表示」スイッチ58が「ON」に設定された状態を示している。「リンク識別表示」オプションが選択されると、表示処理部17はリンク番号35(リンクデータ)が同じ生産計画Zが視覚によって識別できるように、矩形に同一の色や模様を付加して「時系列表示」領域52に表示させる。
図6では、同一のリンク番号35の生産計画Zには同じ模様のハッチングが付されている。
【0040】
また、表示処理部17は、生産計画Zを表す矩形にロット番号31とリンク番号35を重ねて表示させている。このように、表示部13は、複数の生産計画Zのうち関連する他の生産計画Zとの関係を示すリンクデータに基づく複数の生産計画Zをリンクさせて視覚により識別可能な形態により時系列で表示する。このように、関連する生産計画Zを容易に認識できるように表示することで、部品実装基板を生産する生産計画Zの変更を適切に支援することができる。
【0041】
図7は、
図5に示す生産計画表示画面50において、管理者が入力部12でロットAの生産計画Zを選択した生産計画表示画面50を示している。表示処理部17は、「時系列表示」領域52の選択されたロットAの生産計画Zを強調表示させる。ここでは、矩形の外周を太線の実線に変更して強調表示している。さらに、表示処理部17は、ロットAとリンク番号35(リンクデータ)が同じロットBの生産計画Zも強調表示させる。ここでは、矩形の外周を太線の点線に変更して強調表示している。また、表示処理部17は、ロットAとロットBの生産計画Zに同一のハッチングを付加し、ロット番号31とリンク番号35を重ねて表示させる。
【0042】
また、
図7において表示処理部17は、「リスト表示」領域53にロットAとロットBのリストを強調表示させる。ここでは、「時系列表示」領域52に合わせて、ロットAのリストの枠を太線の実線に、ロットBのリストの枠を太線の点線に変更して強調表示している。なお、強調表示は、色の変更、ハイライト、矩形の点滅などであってもよい。このように、表示部13は、表示する複数の生産計画Zのひとつが選択された際に、選択された生産計画Z(ロットA)にリンクした生産計画Z(ロットB)を強調表示させる。これにより、選択した生産計画Zと関連する生産計画Zが存在すること、いずれの生産計画Zと関連するかを容易に認識することができる。
【0043】
次に
図8を参照して、生産計画Zの変更操作について説明する。
図8は、
図5に示す生産計画表示画面50において、「リンク同時移動」スイッチ59を「ON」に設定したリンク同時移動モードにおいて、リンク番号35(リンクデータ)が同じロットAとロットBの生産計画Zを移動させた生産計画表示画面50を示している。ロットAとロットBの生産が計画されている生産ラインL2は、現時点で生産進捗が大幅に遅延しており、この状態ではロットAとロットBの生産着手が遅延するおそれがある。
【0044】
図8で示すリンク同時移動モードにおいて、管理者が「時系列表示」領域52に表示されている複数の生産計画Zのちのひとつを入力部12で選択して移動させると、表示処理部17はこれにリンクした生産計画Zを付随して移動させる。この例では、管理者がロットAの生産計画Zを選択して生産ラインL1のレーン1に移動させると、表示処理部17はリンクしたロットBの生産計画Zを生産ラインL1のレーン2に移動させる。また表示処理部17は、「時系列表示」領域52と「リスト表示」領域53において、ロットAとロットBの生産計画Zを強調表示させる。また表示処理部17は、ロットAとロットBの生産計画Zの移動にともなって変更された生産計画Zが視覚によって認識できるように表示を変更し、ロット番号31とリンク番号35を重ねて表示させる。
【0045】
このように、表示部13は、表示する複数の生産計画Zのひとつが移動される際に、移動される生産計画Z(ロットA)にリンクした生産計画Z(ロットB)を付随して移動させて表示する。具体的には、表示部13は、生産計画Z(ロットA)が異なる区分(生産ラインL1のレーン1)へ移動される際に、移動される生産計画Zにリンクした生産計画Z(ロットB)を付随して異なる区分(生産ラインL1のレーン2)に移動させて表示する。このように、関連する生産計画Zを一緒に移動させることで、部品実装基板を生産する生産計画Zの変更を適切に支援することができる。
【0046】
図9は、
図5に示す生産計画表示画面50において、リンク同時移動モードでロットAとロットBの生産計画Zを生産ラインL3に移動させた生産計画表示画面50を示している。
図8とは、デュアルラインである生産ラインL2で計画されていたロットAとロットBの生産計画Zをシングルラインである生産ラインL3に移動させる点が異なる。この場合、表示処理部17は、生産順30に基づいて、ロットAを先に生産し、ロットBを後に生産するように生産計画Zを生産ラインL3に移動させる。
【0047】
このように、表示部13は、生産順30(リンクする生産計画Z間の生産順情報)に基づいて生産計画Z(ロットA、ロットB)を移動させて表示する。また、生産計画Zを異なる区分へ移動させる際に、移動元の生産ラインL2と移動先の生産ラインL3とで区分の数(レーン数)が異なる場合、表示部13は、移動先の生産ラインL3の区分の数(1つ)に合わせて、リンクした生産計画Z(ロットA、ロットB)を移動させて表示する。
【0048】
なお、シングルラインからデュアルラインに移動させる場合は、状況に応じてリンクした生産計画Zを異なる区分(レーン1とレーン2)に移動させて表示する。このように、生産順30とライン構成(区分)を考慮して関連する生産計画Zを移動させて表示することで、部品実装基板を生産する生産計画Zの変更を適切に支援することができる。
【0049】
図10は、
図8に示す生産計画表示画面50からロットC,D,G,Hの生産計画Zを移動させた生産計画表示画面50を示している。具体的には、リンク同時移動モードで、リンク番号35が「P2」のロットCとロットGの生産計画Zを生産ラインL1のレーン1から生産ラインL2のレーン1に移動させている。そして、リンク同時移動モードで、リンク番号35が「P3」のロットDとロットHの生産計画Zを生産ラインL1のレーン2から生産ラインL2のレーン2に移動させている。
【0050】
図11は、
図10に示す生産計画表示画面50からリンク番号35が「P4」のロットIとロットJの生産計画Zを生産ラインL2から生産ラインL1に移動させた生産計画表示画面50を示している。すなわち、
図11に示す生産計画表示画面50は、
図5に示す生産計画表示画面50から、ロットA,B,I,Jの生産計画Zを生産ラインL2から生産ラインL1に移動し、ロットC,D,G,Hの生産計画Zを生産ラインL1から生産ラインL2に移動した状態である。管理者が入力部12で「確定」ボタン56を操作して生産計画Zの変更を確定させると、変更判断部18によって変更後の生産計画Zが変更後生産計画情報21として記憶部11に記憶される。
【0051】
図12は、
図5に示す生産計画表示画面50において、リンク同時移動モードでロットAとロットBの生産計画Zを生産ラインL1のロットCとロットGの生産計画Zの間およびロットDとロットHの生産計画Zの間に移動させようとした生産計画表示画面50を示している。生産計画表示画面において、生産計画Zの変更操作が行われると、変更判断部18により変更判断処理が実行される。
【0052】
この例では、ロットA,Bの生産計画Zの移動により、ロットGとロットG、およびロットDとロットHのリンク関係(表面実装と裏面実装)が崩れるため、変更判断部18は変更不可と判断して、生産計画表示画面50にその旨を記載した「警告」表示枠60を表示させる。管理者が入力部12で「警告」表示枠60に表示された「いいえ」ボタンを操作すると、ロットA,Bの変更操作がキャンセルされる。また、管理者が入力部12で「警告」表示枠60に表示された「はい」ボタンを操作すると、ロットA,Bの変更操作が受け入れられた形で画面表示処理が実行される。
【0053】
図13は、
図5に示す生産計画表示画面50において、リンク同時移動モードでロットAとロットBの生産計画Zを生産ラインL3のロットEとロットFの生産計画Zの間に移動させようとした生産計画表示画面50を示している。この場合、移動後のロットBの生産終了日時38が生産納期40より遅れるため、変更判断部18は変更不可と判断して、生産計画表示画面50にその旨を記載した「警告」表示枠60を表示させる。
【0054】
このように、変更判断部18は、選択され生産計画Zの移動によって移動先の生産計画Zのリンク関係が崩れたり、移動によって生産開始日時37が生産開始可能日時39より早くなったり、生産終了日時38が生産納期40より遅くなったりする場合は、変更不可能と判断していその旨を警告する。これによって、部品実装基板を生産する生産計画Zの変更を適切に支援することができる。
【0055】
次に
図14のフローに沿って、
図5、
図7を参照しながら、表示部13に生産計画Zを時系列で表示する生産計画表示方法(生産計画表示プログラム)について説明する。まず、データ取得部15が、生産計画作成装置4から生産日時(生産開始日時37、生産終了日時38)および関連する他の生産計画Zとの関係を示すリンクデータ(生産順30、リンク番号35)を含む生産計画Zを複数取得する(ST1:生産計画取得工程)。次いで実績収集部16が、生産ラインL1~L3の作業装置M1~M8から生産実績を収集する(ST2:生産実績収集工程)。
【0056】
次いで表示処理部17が、複数の生産計画Zを時系列で表示する生産計画表示画面50(
図5)を表示部13に表示する(ST3:生産計画表示画面表示工程)。管理者の操作によって生産計画表示画面50において生産計画Zが選択されると(ST4においてYes)、表示処理部17は選択された生産計画Zと同じリンク番号35(リンクデータ)の生産計画Zがあるか否かを判断する(ST5:リンク有無判断工程)。リンクした生産計画Zがない場合(ST5においてNo)、表示処理部17は、選択された生産計画Zを強調表示する(ST6)。
【0057】
図14において、リンクした生産計画Zがある場合(ST5においてYes)、表示処理部17は、選択された生産計画Zの他、リンクした生産計画Zを強調表示する(ST7)。すなわち、表示部13に表示する複数の生産計画Zのひとつが選択された際に、選択された生産計画Z(ロットA)にリンクした生産計画Z(ロットB)を強調表示させる(
図7参照)。次いで生産計画表示画面50の表示を終了する操作がされるまで(ST8においてNo)、(ST4)に戻って選択された生産計画Zが強調表示され(ST6)、選択された生産計画Zにリンクした生産計画Zがある場合はリンクした生産計画Zも強調表示される(ST7)。
【0058】
このように、本実施の形態の生産計画表示方法は、作業装置M1~M8を備える生産ラインL1~L3において部品実装基板を生産する生産計画Zであって、生産日時(生産開始日時37、生産終了日時38)および関連する他の生産計画Zとの関係を示すリンクデータ(生産順30、リンク番号35)を含む生産計画Zを複数取得し(ST1)、複数の生産計画Zのうちリンクデータに基づく複数の生産計画Zをリンクさせて時系列で表示部13に表示している(ST7)。これによって、部品実装基板を生産する生産計画Zの変更を適切に支援することができる。
【0059】
次に
図15のフローに沿って、各図を参照しながら、表示部13に表示された生産計画Zを移動させて生産計画Zを変更する生産計画変更方法(生産計画変更プログラム)について説明する。生産計画取得工程(ST1)、生産実績収集工程(ST2)、生産計画表示画面表示工程(ST3)は、上述の生産計画表示方法と同じであり、詳細な説明を省略する。表示部13に表示された生産計画表示画面50(
図5)において、管理者の操作によって選択された生産計画Zが移動されると(ST11においてYes)、表示処理部17は、「リンク同時移動」スイッチが「ON」設定されたリンク同時移動モードであるか否かを判断する(ST12)。
【0060】
リンク同時移動モードではない場合(ST12においてNo)、変更判断部18は選択された生産計画Zを管理者が移動しようしている箇所に移動可能か否かを判断する(ST13)。移動不可と判断した場合(ST13においてNo)、変更判断部18は表示部13に警告画面を表示させる(ST14)。移動可能と判断した場合(ST13においてYes)、表示処理部17は生産計画表示画面50において選択された生産計画Zを移動させる(ST15)。
【0061】
図15において、リンク同時移動モードである場合(ST12においてYes)、変更判断部18は選択された生産計画Zとリンクした生産計画Zを管理者が移動しようしている箇所に同時に移動可能か否かを判断する(ST16)。同時移動不可と判断した場合(ST16においてNo)、変更判断部18は表示部13に警告画面を表示させる(ST17)(
図12、
図13参照)。同時移動可能と判断した場合(ST16においてYes)、表示処理部17は生産計画表示画面50において選択された生産計画Zとリンクした生産計画Zを同時移動させる(ST18)(
図8~
図10参照)。
【0062】
すなわち表示処理部17は、表示部13に表示する複数の生産計画Zのひとつが移動される際に、リンクする生産計画Z間の生産順情報(生産順30)に基づいて、移動される生産計画Zにリンクした生産計画Zを付随して移動させる。また表示処理部17は、生産計画Zが異なる区分(レーン)へ移動される際に、移動元の生産ラインL1~L3と移動先の生産ラインL1~L3とで区分の数が異なる場合、移動先の生産ラインL1~L3の区分の数に合わせて、リンクした生産計画Zを移動させる。
【0063】
選択された生産計画Zを移動(ST15、ST18)した後、生産計画Zの変更が確定されない場合(ST19においてNo)、ST11に戻って次の移動が受け付けられる。生産計画表示画面50において「確定」ボタン56が操作され、生産計画Zの変更が確定されると(ST19においてYes)、変更判断部18は変更された生産計画Zを変更後生産計画情報21として記憶部11に記憶させる(ST20:生産計画変更工程)。これによって、部品実装基板を生産する生産計画Zの変更を適切に支援することができる。なお、生産計画変更工程(ST20)の後に、生産管理装置3と生産計画作成装置4によって、生産データと生産計画Zを最適化してもよい。
【0064】
上記説明したように、本実施の形態の生産計画表示装置5は、作業装置M1~M8を備える生産ラインL1~L3において部品実装基板を生産する生産計画Zであって、生産日時(生産開始日時37、生産終了日時38)および関連する他の生産計画Zとの関係を示すリンクデータ(生産順30、リンク番号35)を含む生産計画Zを複数取得するデータ取得部15と、複数の生産計画Zのうちリンクデータに基づく複数の生産計画Zをリンクさせて時系列で表示する表示部13とを備えている。これによって、部品実装基板を生産する生産計画Zの変更を適切に支援することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の生産計画表示方法および生産計画表示プログラムならびに生産計画表示装置は、部品実装基板を生産する生産計画の変更を適切に支援することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0066】
5 生産計画表示装置
M1 基板供給装置(作業装置)
M2 スクリーン印刷装置(作業装置)
M3~M6 部品実装装置(作業装置)
M7 リフロー装置(作業装置)
M8 基板回収装置(作業装置)
Z 生産計画