(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20240823BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240823BHJP
F21V 25/02 20060101ALI20240823BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240823BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20240823BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20240823BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240823BHJP
【FI】
F21V23/00 200
F21S2/00 311
F21V23/00 113
F21V25/02
F21V5/04 400
F21V9/32
F21V9/08 400
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2020163310
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】竹中 俊明
(72)【発明者】
【氏名】林 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】茂手木 省吾
(72)【発明者】
【氏名】芝田 悠大
(72)【発明者】
【氏名】八木 史也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 岳志
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085330(JP,A)
【文献】特開2019-029477(JP,A)
【文献】特開2020-011692(JP,A)
【文献】特表2010-508621(JP,A)
【文献】特表2004-533097(JP,A)
【文献】特開2018-190594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21S 2/00
F21V 25/02
F21V 5/04
F21V 9/32
F21V 9/08
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次光を出射する複数の励起光源と、
前記一次光を集光する光学部材と、
前記光学部材で集光された前記一次光を拡散及び透過させる拡散板と、
前記拡散板で拡散された前記一次光を伝送する伝送路を有する光伝送体と、
前記伝送路を伝送した前記一次光と
前記伝送路を伝送した前記一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光とを含む二次光を出射する蛍光部と、
前記蛍光部の異常を検出するためのセンサとを備え、
前記複数の励起光源が出射する前記一次光の光軸に沿って見た場合に、前記センサは、前記複数の励起光源のうちの第1励起光源と、前記第1励起光源と異なる第2励起光源とに外接し、かつ、前記第1励起光源と前記第2励起光源とを結ぶ線分を直径とする仮想円の中に配置され
、
前記拡散板は、前記光伝送体と重なるように、前記光伝送体と前記光学部材との間に配置され、
前記光伝送体は、前記拡散板と前記蛍光部とに挟まれるように配置される
光源装置。
【請求項2】
前記センサは、配置された前記複数の励起光源によって形成される全体の外形の中に配置されている
請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記センサは、配置された前記複数の励起光源によって形成される全体の外形の中心と重なる位置に配置されている
請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1励起光源及び前記第2励起光源は、前記複数の励起光源のうちの隣り合う2つの励起光源であり、
前記センサは、前記第1励起光源と前記第2励起光源との間に配置されている
請求項1~3のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記複数の励起光源は、前記センサとともに基板の同一面に配置されている
請求項1~4のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記光学部材は、凸レンズである
請求項1~5のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記センサは、前記光学部材の中心線上に配置されている
請求項1~6のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項8】
前記蛍光部は、
前記一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光を出射する波長変換部材と、
前記波長変換部材における前記一次光が入射する側の面に積層された反射膜とを有し、
前記反射膜は、前記一次光を透過し、前記波長変換光を反射する
請求項1~7のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記センサと前記光学部材との間に配置され、所定の波長帯域の光を遮光するフィルタを備える
請求項1~8のいずれか1項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、励起光を射出する固体光源と、励起光を蛍光に変換する蛍光体と、蛍光体からの光の一部を反射する反射光学系と、反射光学系で反射された光である励起光及び蛍光の少なくとも一方を検出する検出装置とを備えるプロジェクタが開示されている。このプロジェクタでは、検出装置の検出結果から蛍光体の劣化状態を判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、プロジェクタとしての従来の光源装置の構成のように、波長変換光及び一次光の一部の光を取り出すために反射光学系を用いる構成では、構造が複雑化してしまうという課題がある。
【0005】
そこで、本開示では、簡易な構成で、蛍光部の異常を精度よく検出することができる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光源装置は、一次光を出射する複数の励起光源と、前記一次光を集光する光学部材と、前記光学部材で集光された前記一次光を拡散及び透過させる拡散板と、前記拡散板で拡散された前記一次光を伝送する伝送路を有する光伝送体と、前記伝送路を伝送した前記一次光と前記伝送路を伝送した前記一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光とを含む二次光を出射する蛍光部と、前記蛍光部の異常を検出するためのセンサとを備え、前記複数の励起光源が出射する前記一次光の光軸に沿って見た場合に、前記センサは、前記複数の励起光源のうちの第1励起光源と、前記第1励起光源と異なる第2励起光源とに外接し、かつ、前記第1励起光源と前記第2励起光源とを結ぶ線分を直径とする仮想円の中に配置され、前記拡散板は、前記光伝送体と重なるように、前記光伝送体と前記光学部材との間に配置され、前記光伝送体は、前記拡散板と前記蛍光部とに挟まれるように配置される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の光源装置は、簡易な構成で、蛍光部の異常を精度よく検出することができる光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る光源装置を例示した断面図、及び、蛍光部の部分拡大断面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る光源装置を例示した模式図である。
【
図3】
図3は、第1励起光源と第2励起光源とを結ぶ線分を直径とする仮想円と仮想円内に配置したセンサとを例示した図である。
【
図4】
図4は、8つの励起光源の全体の外形が略矩形状となる場合において、当該矩形状の略中心と重なる位置に配置されたセンサを例示した図である。
【
図5】
図5は、4つの励起光源の全体の外形が略矩形状となる場合において、当該矩形状の略中心と重なる位置に配置されたセンサを例示した図である。
【
図6】
図6は、3つの励起光源の全体の外形が略三角形状となる場合において、当該矩形状の略中心と重なる位置に配置されたセンサを例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0011】
また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0012】
以下、本開示の実施の形態に係る光源装置について説明する。
【0013】
(実施の形態)
<構成:光源装置1>
図1は、実施の形態に係る光源装置1を例示した断面図である。
図2は、実施の形態に係る光源装置1を例示した模式図である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、光源装置1は、一次光を用いた照明装置である。光源装置1は、例えば、内視鏡用照明システム、プロジェクタ等に用いられる。ここで一次光は、励起光であり、例えばレーザ光である。なお、光源装置1は、ダウンライト及びスポットライト等として用いられてもよい。本実施の形態では、光源装置1は、光ファイバ91に設けられたコネクタと接続されることで、内視鏡用照明システムを構成している。
【0015】
光源装置1は、一次光を出射する装置である。本実施の形態では、光源装置1は、収容体10と、複数の励起光源20と、光学部材30と、拡散板50と、光伝送体60と、蛍光部70と、センサ80と、フィルタ92と、駆動回路90とを有する。ここで、一次光を用いた光源装置1とは、一次光が、蛍光部70の後面(光学部材30側の面)に照射され、波長変換された波長変換光(蛍光)が、蛍光部70の前面(光ファイバ91側の面)から出射される装置である。
【0016】
[収容体10]
収容体10は、前後方向に延びる、有底筒状の筐体である。収容体10は、ハウジング11と、支持カバー12と、第1支持部13と、第2支持部14とを有する。
【0017】
ハウジング11は、一方(後方)が開口した空間Kを形成し、光伝送体60等が配置されている挿入孔11bを除いて、他方(前方)が実質的に閉塞した有底筒状のケースである。挿入孔11bは、ハウジング11の前後方向に沿って貫通し、後述する光学部材30の中心線O上に配置されている。ハウジング11は、空間Kの内部に、光学部材30、拡散板50、光伝送体60、及び、蛍光部70を収容している。また、ハウジング11における第1支持部13側(他方側)には、蛍光部70を配置するための凹部11aが形成される。凹部11aは、挿入孔11bに接続され、光学部材30の中心線O上に形成されている。なお、ハウジング11は、複数の励起光源20及び蛍光部70に生じた熱を放熱するための放熱部材として機能する。
【0018】
支持カバー12は、光学部材30と対向するように複数の励起光源20及びセンサ80を支持し、かつ、ハウジング11の開口を塞いでいる。
【0019】
第1支持部13は、ハウジング11の前方側に配置され、蛍光部70を挟むようにハウジング11に固定される。第1支持部13には、蛍光部70と対向する面から延びる貫通孔13bが形成されている。貫通孔13bは、蛍光部70を拡散透過した一次光と蛍光部70が出射した波長変換光とを含む二次光が通過する。
【0020】
第1支持部13には、光ファイバ91と接続するための接続端子13aが設けられている。接続端子13aは、貫通孔13bと重なるように配置され、貫通孔13bを通過した二次光を通過させる。光ファイバ91は、導光部材、第1支持部13の接続端子13aと機械的に接続されるコネクタ、及び、フェルール等を有する。導光部材は、例えば高屈折率のコアをコアより低屈折率のクラッド層が包んだ二重構造で構成される伝送体であり、例えば、石英ガラス、プラスチック等の材料で構成されている。導光部材は、波長変換部材71が出射した二次光つまり波長変換光及び一次光を伝送する。フェルールは、導光部材を蛍光部70と対向する姿勢で保持する位置合わせ部品である。光ファイバ91のコネクタが接続端子13aに接続される際に、フェルールが光ファイバ91のコネクタに差し込まれることで、導光部材と蛍光部70とが対向するように配置されている。
【0021】
第2支持部14は、第1支持部13とで駆動回路90を挟むように、第1支持部13の後面側に配置されている。第2支持部14は、駆動回路90を覆うように設けられることで、駆動回路90を保護している。第2支持部14は、第1支持部13とネジ等の固定部材によって連結されることで、ハウジング11に固定される。
【0022】
また、支持カバー12及び第1支持部13のそれぞれは、ネジ等の固定部材によってハウジング11に連結されることで、ハウジング11に固定される。こうして、ハウジング11は、支持カバー12と第1支持部13とに挟まれるように、配置されている。
【0023】
[励起光源20]
複数の励起光源20それぞれは、半導体発光素子レンズが含まれており、略コリメートされた一次光を出射する。複数の励起光源20それぞれは、出射する一次光の光軸が略平行となるように、基板21に実装されている。複数の励起光源20のそれぞれは、センサ80とともに基板21の同一面に配置されている。つまり、基板21の光学部材30側には、複数の励起光源20とセンサ80とが配置されている。
【0024】
複数の励起光源20のそれぞれは、光学部材30の第1面31に光を入射させるように、配置されている。複数の励起光源20は、光学部材30に向けて一次光を出射することで、光学部材30等を介して蛍光部70の後面に一次光を入射させる。具体的には、複数の励起光源20及び基板21は、一次光の光軸が光学部材30の第1面31と交差するように支持カバー12に固定されている。また、複数の励起光源20は、基板21を介して支持カバー12に熱的に接続されている。一次光の光軸は、励起光源20が出射する一次光の光軸であり、前後方向と略平行な光軸である。
【0025】
なお、本実施の形態では、8つの励起光源20を用いているが、7以下又は9以上の励起光源20を用いてもよい。また、本実施の形態では、4つの励起光源20を用いてもよい。また、本実施の形態では、複数の励起光源20は、4つの励起光源20を二列に配列することで、8つの励起光源20を配置している。本実施の形態では、励起光源20が出射する一次光は、紫色から青色までの波長帯域のうちの所定の波長の光である。
【0026】
また、本実施の形態では、8つの励起光源20を一組の励起光源20として用いているが、複数組の励起光源20を用いてもよい。この場合、光学部材30は、一組の励起光源20と一対一で対応する数だけ設けられる。
【0027】
励起光源20は、半導体レーザによって構成されており、例えばInGaN系レーザダイオードで構成されているが、励起光源20は、出射する一次光が蛍光部70の波長変換部材71を励起できるのであれば、他の波長の半導体レーザ又はLED(Light Emitting Diode)であってもよい。
【0028】
なお、励起光源20が出射する一次光の出力は、駆動回路90によって制御される。また、励起光源20には、蛍光部70を励起しないレーザ光が一次光として含まれていてもよい。
【0029】
[光学部材30]
光学部材30は、透光性の凸レンズある。光学部材30は、複数の励起光源20から出射された一次光を集光して、拡散板50等を介して蛍光部70の後面に入射させる。光学部材30は、励起光源20側に戻る光を集光し、集光した波長変換光及び一次光を、センサ80に入射させる。ここで、励起光源20側に戻る光は、励起光源20側に向かう波長変換光及び一次光を含むが、例えば、光源装置1内で反射された光である反射光、光源装置1内で散乱された光である散乱光、蛍光部70の波長変換部材71によって一次光が波長変換された光である波長変換光等を含み、これら反射光の一部、散乱光の一部、又は、波長変換光の一部である。
【0030】
光学部材30は、励起光源20が出射する一次光の光軸と交差するようにハウジング11内に配置されている。具体的には、光学部材30は、複数の励起光源20が出射した一次光が光学部材30に直接入射するように、つまり、複数の励起光源20のそれぞれの光軸と光学部材30の中心線Oとが略平行となるようにハウジング11内に配置されている。光学部材30の中心線Oは、光学部材30の中心を通過し、光学部材30の第1面31及び第2面32に略垂直な線分(主軸)である。
【0031】
光学部材30は、第1面31と、第2面32とを有する。光学部材30では、第1面31が曲面であり、第2面32が平面である凸レンズである。第1面31は、複数の励起光源20と対向する面であり、複数の励起光源20が出射した一次光が直接的に入射する面である。第2面32は、第1面31と反対側の面(拡散板50と対向する面)であり、第1面31から入射して内部を透光した一次光が出射する面である。本実施の形態では、第2面32は、半球状の面をなしている。
【0032】
なお、本実施の形態では、光学部材30は、凸レンズであるが、一次光を集光して、光ファイバ91の一端面に入射させることができる光学デバイスであれば良く、凸レンズに限定されない。例えば、光学部材30は、プリズム、凹面鏡、回折格子等であってもよい。
【0033】
[拡散板50]
拡散板50は、光伝送体60と光学部材30との間であり、光学部材30の中心線Oと交差するように配置されている。具体的には、拡散板50は、光伝送体60と重ね合わされ、ハウジング11の底部かつ光伝送体60における後方側の開口を塞ぐように配置されている。拡散板50は、光学部材30で集光された一次光を拡散及び透過させる板状の光学部材である。
【0034】
拡散板50は、一次光が入射する入射面と、入射面と反対側の面であり、拡散及び透過した一次光を出射する出射面とを有する。拡散板50の入射面は、光学部材30と対向し、かつ、光学部材30の中心線Oと略直交する。拡散板50の出射面は、光伝送体60と対向し、かつ、光学部材30の中心線Oと略直交する。
【0035】
本実施の形態では、拡散板50には、レーザ耐性の観点から、無機材料、特に無機ガラスが用いられる。なお、拡散板50には、アクリル、ポリカーボネート等の透光性樹脂材料等を用いてもよい。
【0036】
本実施の形態では、拡散板50は、レーザ耐性の観点から、ガラス表面に拡散加工を施すことによって拡散性を有するように構成されている。また、拡散板50には、シボ加工又はレーザ加工等の表面処理を施すことによって透明パネルの表面に微小凹凸(シボ、マイクロプリズム等)を形成したり、透明パネルの表面にドットパターンを印刷及びエッチングしたりすることによって、光拡散性を有するように構成してもよい。また、光ロスを低減する目的で、拡散板50の入射面及び出射面にARコートを施してもよい。なお、ARコートは、レーザ耐性の観点より、無機膜であることが好ましい。また、ARコートは、透過率の観点より、多層膜であることが好ましいが、安価な単層膜としてもよい。なお、拡散板50は、光拡散材(光散乱材)がガラス内部に分散された乳白色の拡散板であってもよい。
【0037】
本実施の形態では、拡散板50は、例えば、出射面を入射面よりも光拡散性の高い面を形成することで、透過する一次光を拡散している。なお、出射面を入射面よりも光拡散性の高い面にしてもよく、出射面及び入射面の両方を光拡散性の高い面にしてもよい。
【0038】
[光伝送体60]
光伝送体60は、一次光を高効率で反射するように誘電体多層膜が内面にコートされた、ガラスを基材とするライトパイプ又はビームホモジナイザである。光伝送体60の長さ方向と直交する平面で光伝送体60を切断した場合の断面の外形は、多角形状である。本実施の形態において、当該断面の外形は、四角形である。この場合、光伝送体60は、4枚のガラス板を張り合わせることで構成される。
【0039】
なお、光伝送体60は、レーザ波長を高効率で反射するようなコートが施された面が内側に形成された、金属のライトパイプであってもよい。なお、光伝送体60は、ガラス等の透光性の部材で構成されるガラスロッドであってもよい。
【0040】
光伝送体60は、ハウジング11に収容され、ハウジング11内の底面から第1支持部13側の面に渡って延びる挿入孔11bに挿入した状態で配置されることで、ハウジング11に支持されている。光伝送体60は、光伝送体60の中心軸が上述の中心線Oと略一致するように、ハウジング11内に配置されている。光伝送体60は、ハウジング11内において、拡散板50と波長変換部材71とに挟まれるように配置されている。
【0041】
また、光伝送体60は、拡散板50で拡散された一次光を伝送する伝送路61を有する。光伝送体60は、伝送路61を通過した一次光を出射する。光伝送体60では、一次光が伝送する方向と直交する平面で伝送路61を切断した場合の伝送路61の断面の外形が多角形状である。光伝送体60の伝送路61が多角形状であれば、導光する一次光が光伝送体60の内部で、幾度も反射を繰り返しながら導光するため、内部を導光する一次光は、ミキシングされやすくなる。一次光はミキシングされながら伝送路61を伝送するため、光伝送体60は、蛍光部70に対してミキシングした一次光(トップハット型の一次光)を出射することができる。
【0042】
伝送路61は、光伝送体60における後方側の開口から光伝送体60における前方側の開口までの空間であり、一次光が通過する。光伝送体60における後方側の開口は、拡散板50の出射面と対向する開口であり、拡散板50に覆われている。光伝送体60における前方側の開口は、蛍光部70と対向する開口であり、蛍光部70に覆われている。
【0043】
[蛍光部70]
蛍光部70は、光伝送体60にミキシングされた一次光を波長変換光に変換する蛍光体(光学部材)であり、一次光と一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光とを含む二次光を出射する。具体的には、蛍光部70は、波長変換光を発するとともに、光学部材30で集光された一次光を拡散及び透過させる板状をなしている。
【0044】
蛍光部70は、後面に入射された一次光を波長変換して前面から出射する。より具体的には、蛍光部70には、光伝送体60を伝送した一次光が後面に入射される。本実施の形態では、蛍光部70の後面に入射される光の強度分布は、均斉化されており、一次光の照射面で略均一である。蛍光部70の後面に入射された一次光を波長変換して、前面から出射される。
【0045】
蛍光部70は、ハウジング11及び第1支持部13に接触した状態で、ハウジング11と第1支持部13との間に配置されている。蛍光部70は、光伝送体60と第1支持部13との間であり、光学部材30の中心線Oと交差するように、ハウジング11に形成されている凹部11aに配置されて固定されている。言い換えれば、蛍光部70は、光伝送体60と重ね合わさり、光伝送体60における前方側の開口を塞ぐように配置されている。
【0046】
蛍光部70は、平板状のプレートである。本実施の形態では、蛍光部70は、例えば、AR(anti-reflective)層74と、透光部73と、反射膜72と、波長変換部材71(蛍光体層)とを有する。蛍光部70は、AR層74、透光部73、反射膜72、及び、波長変換部材71がこの並び順で積層された多層構造体である。
【0047】
AR層74は、透光部73の後面(光伝送体60側の面)に積層されている。AR層74は、透光部73に対して一次光を高効率で透過させることができ、光の効率を高めることができる。
【0048】
透光部73は、透光性を有する基板であり、例えば、サファイア等で構成されている。なお、透光部73には、熱伝導率の高いサファイア基板を用いているがこれには限定されない。透光部73として、サファイア基板の代わりに、ガラス等の透明基板を用いてもよい。
【0049】
反射膜72は、波長変換部材71における一次光が入射する側の面に積層されている。反射膜72は、FMg、SiO2、TiO2等の材料で形成された誘電体多層膜等のダイクロイックミラーである。例えば、反射膜72は、青色の波長帯域から紫色の波長帯域までの一次光が透過し、青色の波長帯域から紫色の波長帯域以外の波長帯域の光を反射する。反射膜72は、透光部73の前面(第1支持部13側の面)に積層されている。反射膜72は、一次光を高効率で透過させ、波長変換光を反射させることができる。
【0050】
また、反射膜72は、光ファイバ91側に波長変換光を入射させるため、つまり波長変換光の光取り出し効率を向上させるために設けられているが、特定の波長帯域の光を励起光源20側に戻すことができてもよい。例えば、赤色、青色等の波長帯域の光を励起光源20側に戻してもよい。
【0051】
波長変換部材71は、一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光を出射する蛍光体を含み、当該蛍光体をガラス等のセラミック、シリコーン樹脂等からなる透明材料であるバインダに分散されて保持されている。波長変換部材71は、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系蛍光体、カズン系蛍光体、エスカズン系蛍光体、又は、BAM(Ba、Mg、Al)系蛍光体等であり、一次光の種類に応じて適宜選択することができる。なお、バインダは、セラミック、シリコーン樹脂に限定されるものではなく、透明ガラス等のその他の透明材料を用いてもよい。
【0052】
波長変換部材71は、一次光と一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光とを含む二次光を出射する。具体的には、波長変換部材71は、光伝送体60に伝送された一次光の一部を波長変換することで波長変換光を出射するとともに、波長変換されない残りの一次光が拡散透過されて通過することで、一次光と波長変換光とからなる二次光を出射する。
【0053】
また、波長変換部材71は、例えば、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体等であってもよく、一次光により、赤色光、緑色光、青色光等の波長変換光を出射してもよい。この場合、これらの赤色光、緑色光、青色光の波長変換光を混ぜて白色光としてもよい。
【0054】
本実施の形態では、波長変換部材71は、例えば、励起光源20からの青色の一次光の一部を吸収して緑色~黄色の波長変換光と、波長変換部材71により吸収されず出射された青色の一次光とが合わさり、疑似的な白色の波長変換光を出射する。なお、波長変換部材71は、励起光源20が青色の一次光を出射する場合、青色の一次光の一部を吸収して、緑色~黄色に波長変換する複数種類の蛍光体を含んでいてもよい。
【0055】
なお、波長変換部材71は。温度が高くなると波長変換効率が下がる温度消光特性を有する。波長変換に伴う損失は熱に変わるため、波長変換部材71の放熱性を確保することは重要である。そこで、波長変換部材71に生じる熱を、サファイア基板等を介して放熱しやすくするために、蛍光部70は、ハウジング11及び第1支持部13のそれぞれに接触されていることが好ましい。
【0056】
[センサ80]
センサ80は、蛍光部70における波長変換部材71の異常を検出する。具体的には、センサ80は、励起光源20側に戻る光によって蛍光部70における波長変換部材71の異常を検出する。励起光源20側に戻る光は波長変換光及び一次光であるが、センサ80は、波長変換光及び一次光が光学部材30によって集光されることで、集光された波長変換光及び一次光を検出する。ここで、波長変換部材71の異常とは、蛍光部70の破損、一次光の漏れ、ハウジング11への蛍光部70の配置忘れ等である。センサ80は、検出した励起光源20側に戻る光を示す情報を、制御装置に出力する。
【0057】
制御装置は、センサ80から取得した励起光源20側に戻る光を示す情報に基づいて、波長変換部材71つまり蛍光部70の異常を判定する。例えば、制御装置は、複数の励起光源20側に戻る光を示す情報に基づいて、蛍光部70に異常があると判定した場合、複数の励起光源20の駆動を停止させてもよく、蛍光部70に異常があることを示す情報を周囲に報知してもよい。例えば、制御装置は、駆動制御部を制御することで、複数の励起光源20に供給する電力を停止させてもよい。また、制御装置は、励起光源20側に戻る光を示す情報に基づいて、蛍光部70に異常がないと判定した場合、何ら報知をしなくてもよく、蛍光部70が正常であることを示す情報を周囲に報知してもよい。このように、制御装置は、光源装置1の蛍光部70の状態をモニタリングすることができる。
【0058】
次に、複数の励起光源20に対するセンサ80の位置について説明する。
【0059】
図3は、第1励起光源20aと第2励起光源20bとを結ぶ矢印で示す線分を直径とする仮想円V1と仮想円V1内に配置したセンサとを例示した図である。本実施の形態では、仮想円V1は、真円であるが楕円でもよい。
図3に示すように、複数の励起光源20の光軸に沿って見た場合に、センサ80は、複数の励起光源20のうちの第1励起光源20aと、第1励起光源20aと異なる第2励起光源20bとに外接し、かつ、第1励起光源20aと第2励起光源20bとを結ぶ線分を直径とする仮想円V1の中に配置される。第1励起光源20a及び第2励起光源20bは、複数の励起光源20のうちの隣り合う2つの励起光源20である。本実施の形態では、センサ80は、第1励起光源20aと第2励起光源20bとの間に配置される。
【0060】
また、本実施の形態のように8つの励起光源20が設けられている場合のセンサ80の位置について説明する。
【0061】
図4は、8つの励起光源20の全体の外形が略矩形状となる場合において、当該矩形状の略中心と重なる位置に配置されたセンサ80を例示した図である。
図4では、8つの励起光源20の全体の外形を二点鎖線V2で示す。励起光源20の光軸に沿って8つの励起光源20を見た場合、センサ80は、配置された複数の励起光源20によって形成される全体の外形の中に配置されている。本実施の形態では、センサ80は、配置された複数の励起光源20によって形成される全体の外形の中心と重なる位置に配置されている。この場合、センサ80は、光学部材30の中心線O上に配置されることになる。また、
図1に示すようにセンサ80の受光面は、フィルタ92を介して光学部材30の第1面31と対向するように、支持カバー12に配置されている。
【0062】
また、例えば、
図5に示すように、4つの励起光源20が設けられていてもよい。
図5は、4つの励起光源20の全体の外形が略矩形状となる場合において、当該矩形状の略中心と重なる位置に配置されたセンサ80を例示した図である。
図5では、4つの励起光源20の全体の外形を二点鎖線V2で示す。励起光源20の光軸に沿って4つの励起光源20を見た場合、センサ80は、配置された複数の励起光源20によって形成される全体の外形の中心と重なる位置に配置されていてもよい。
【0063】
また、例えば、
図6に示すように、3つの励起光源20が設けられていてもよい。
図6は、3つの励起光源20の全体の外形が略三角形状となる場合において、当該三角形状の略中心と重なる位置に配置されたセンサ80を例示した図である。
図6では、3つの励起光源20の全体の外形を二点鎖線V2で示す。励起光源20の光軸に沿って3つの励起光源20を見た場合、センサ80は、配置された複数の励起光源20によって形成される全体の外形の中心と重なる位置に配置されていてもよい。
【0064】
センサ80は、フォトダイオード、及び、信号受信が可能な撮像素子等の受光素子で構成されている。センサ80には、受光素子で受信するための増幅回路及び受信したアナログ信号をデジタル信号に変換する回路が接続されていてもよい。
【0065】
[フィルタ92]
フィルタ92は、センサ80の光学部材30側に配置され、所定の波長帯域の光を遮光する。具体的には、フィルタ92は、センサ80の受光面に入射する光、つまり複数の励起光源20側に戻る波長変換光及び一次光をフィルタリングする光選択色素吸収型の色ガラス、ノッチフィルタ等である。つまり、フィルタ92は、センサ80と光学部材30との間に配置され、センサ80の受光面を覆っている。フィルタ92は、例えば、青色の波長帯域の光を吸収して遮光してもよく、青色の波長帯域以外の波長帯域の光を吸収して遮光してもよい。これにより、センサ80が検出したい波長帯域の光以外の光を遮光することができるため、センサ80による波長変換部材71の異常を検出するためのSN比を向上させることができる。なお、本実施の形態では、フィルタ92を設けているが、光源装置1の必須の構成要件ではなく、設けられていなくてもよい。
【0066】
[駆動回路90]
駆動回路90は、電力線等によって電力系統と電気的に接続され、電力を複数の励起光源20及びセンサ80のそれぞれに供給する。また、駆動回路90は、複数の励起光源20のそれぞれが一次光を出射するように、複数の励起光源20のそれぞれの出力を駆動制御する。
【0067】
駆動回路90は、複数の励起光源20のそれぞれが出射する一次光を調光する機能を有してもよい。また、駆動回路90は、パルス信号に基づいて、複数の励起光源20のそれぞれを駆動する発振器等で構成されていてもよい。
【0068】
<他の構成>
また、光源装置1は、光ファイバ91を介して伝送された二次光を照明光として出射するための照明器具に接続されていてもよい。照明器具は、例えば、ステンレス製のファイバカップリング、ガラス製のレンズ、アルミ製のホルダー、及び、アルミ製の外郭で構成されていてもよい。
【0069】
<光源装置1の具体例>
本実施の形態の光源装置1では、コリメーターレンズを有する8つの励起光源20を用いている。8つの励起光源20は、一組にパッケージ化されて第1支持部13に固定されている。8つの励起光源20のそれぞれの実装ピッチは11mmである。励起光源20が出射する一次光は、波長が455nm、出力が6~20Wである。また、光学部材30は、平面(第2面32)と凸状の曲面(第1面31)とを有する非球面レンズであり、焦点距離が50mm、直径が50mm、材質がクラウンガラス、曲率が21、厚みが21mmである。光学部材30の第1面31には、波長455nm用のARコートが施されている。光学部材30の第3面41には、波長550nm用のARコートが施されている。また、拡散板50はパイレックス(登録商標)ガラス製であり、表面を荒らすことで一次光を拡散する。拡散板50のヘーズ値は、50%である。拡散板50の両面には440nm-650nm用のARコートが施されている。また、光伝送体60は、可視光用反射コートが施されたガラス板を4枚張り合わせた中空状のビームホモジナイザである。また、蛍光部70は、ダイクロイックミラー及びARコートが施されたサファイア基板、波長変換部材71等で構成されている。波長変換部材71は、YAG蛍光体、又は、ZnO等の多色蛍光体等である。ダイクロイックミラーは、波長変換光を前方に反射するように構成されているが、センサ80に波長変換光を戻すため、波長550nmの全光のうちの約3%を後方に透過させる。また、センサ80は、フォトダイオード(ROHM BH1603FVC)と、前方にフィルタ(HOYA黄色ロングパス)とを有する。センサ80は、一組にパッケージ化された8つの励起光源20の中心に配置されている。センサ80は、フォトダイオードを実装する基板に感度調整するための可変抵抗を有している。
【0070】
<動作>
このような光源装置1では、複数の励起光源20のそれぞれから出射した一次光は、光学部材30の第1面31に入射し、光学部材30を透光することで第2面32から出射し、集光されて拡散板50の入射面に照射される。拡散板50の入射面に入射した一次光は、拡散板50を透光することで、出射面から拡散されて出射し、光伝送体60の伝送路61に伝送されて、蛍光部70に入射する。蛍光部70に入射した一次光は、一部が波長変換部材71で吸収されて波長変換光を出射し、残りの一部の一次光が波長変換されずに蛍光部70を透過する。蛍光部70から出射した波長変換光及び一次光は、光ファイバ91の導光部材に入射して、光ファイバ91を導光し先端部へと導かれ、先端部から出射する。先端部から出射した光は、所定の個所を照明することができる。
【0071】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光源装置1の作用効果について説明する。
【0072】
上述したように、本実施の形態に係る光源装置1は、一次光を出射する複数の励起光源20と、一次光を集光する光学部材30と、一次光と一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光とを含む二次光を出射する蛍光部70と、蛍光部70の異常を検出するためのセンサ80とを備える。また、複数の励起光源20が出射する一次光の光軸に沿って見た場合に、センサ80は、複数の励起光源20のうちの第1励起光源20aと、第1励起光源20aと異なる第2励起光源20bとに外接し、かつ、第1励起光源20aと第2励起光源20bとを結ぶ線分を直径とする仮想円V1の中に配置されている。
【0073】
これによれば、蛍光部70に入射した一次光は、その一部が励起光源20側に戻ったり、他の一部が波長変換されて励起光源20側に戻ったりする。本実施の形態のように、センサ80を仮想円V1内に配置すれば、センサ80は、複数の励起光源20側に戻る当該光(波長変換光及び一次光)を検出することができる。
【0074】
したがって、光源装置1は、簡易な構成で、蛍光部70の異常を精度よく検出することができる。
【0075】
特に、仮想円V1の中にセンサ80を配置することができるため、設計の自由度を確保することができる。
【0076】
また、本実施の形態に係る光源装置1において、センサ80は、配置された複数の励起光源20によって形成される全体の外形の中に配置されている。
【0077】
これによれば、複数の励起光源20側に戻る光がより集まりやすい部分に、センサ80を配置することができる。このため、センサ80には、複数の励起光源20側に戻る光が、より多く入射することが期待できる。これにより、センサ80による蛍光部70の異常を検出するための検出精度を、さらに向上させることができる。また、この外形の中にセンサ80を配置することができるため、設計の自由度を確保することができる。
【0078】
また、本実施の形態に係る光源装置1において、センサ80は、配置された複数の励起光源20によって形成される全体の外形の中心と重なる位置に配置されている。
【0079】
これによれば、複数の励起光源20側に戻る光がより集まりやすい部分に、センサ80を配置することができる。このため、センサ80には、複数の励起光源20側に戻る光が、より多く入射することが期待できる。これにより、センサ80による蛍光部70の異常を検出するための検出精度を、さらに向上させることができる。
【0080】
また、本実施の形態に係る光源装置1において、第1励起光源20a及び第2励起光源20bは、複数の励起光源20のうちの隣り合う2つの励起光源20である。そして、センサ80は、第1励起光源20aと第2励起光源20bとの間に配置されている。
【0081】
これによれば、複数の励起光源20側に戻る光が集まりやすい部分に、センサ80を配置することができる。このため、センサ80にはより多くの光が入射することが期待できるため、センサ80による蛍光部70の異常を検出するための検出精度をより向上させることができる。
【0082】
また、本実施の形態に係る光源装置1において、複数の励起光源20は、センサ80とともに基板21の同一面に配置される。
【0083】
これによれば、複数の励起光源20側に戻る光を確実に検出することができるとともに、複数の励起光源20とセンサ80とを同一面に配置することで、光源装置1の大型化を抑制することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る光源装置1において、光学部材30は、凸レンズである。
【0085】
これによれば、複数の励起光源20側に戻る光を集光して、センサ80に入射させることで、センサ80の集光効率を確保することができる。このため、センサ80による蛍光部70の異常を検出するための検出精度をより向上させることができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る光源装置1において、センサ80は、光学部材30の中心線O上に配置されている。
【0087】
これによれば、光学部材30の中心線O上にセンサ80を配置すれば、特殊な形状の凸レンズを用いることなく、複数の励起光源20側に戻る光を容易にセンサ80に入射させることができる。このため、光学部材30の製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る光源装置1において、蛍光部70は、一次光の少なくとも一部を波長変換した波長変換光を出射する波長変換部材71と、波長変換部材71における一次光が入射する側の面に積層された反射膜72とを有する。そして、反射膜72は、一次光を透過し、波長変換光を反射する。
【0089】
これによれば、所定の波長帯域の光だけを複数の励起光源20側に戻すことができるため、センサ80は、所定の波長帯域の光を精度よく検出することができるようになる。
【0090】
また、本実施の形態に係る光源装置1は、センサ80と光学部材30との間に配置され、所定の波長帯域の光を遮光するフィルタ92を備えている。
【0091】
これによれば、フィルタ92は、センサ80に検出させたい波長帯域の光以外の光を遮光することができる。このため、センサ80による波長変換部材71の異常を検出するためのSN比を向上させることができる。
【0092】
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されない。
【0093】
また、本実施の形態に係る光源装置において、ダイクロイックミラーを有していない蛍光部を用いてもよく、この場合、センサの受光面を覆うフィルタが設けられてもよい。
【0094】
その他、実施の形態及びその他変形例等に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及びその他変形例等における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 光源装置
20 励起光源
20a 第1励起光源
20b 第2励起光源
21 基板
30 光学部材
70 蛍光部
71 波長変換部材
72 反射膜
80 センサ
92 フィルタ