(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】玄関装置
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20240823BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04N7/18 H
(21)【出願番号】P 2021005123
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】多留 康介
(72)【発明者】
【氏名】大橋 徹也
(72)【発明者】
【氏名】水田 友昭
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-295078(JP,A)
【文献】特開2019-193236(JP,A)
【文献】特開2004-180140(JP,A)
【文献】特開2020-155963(JP,A)
【文献】特開2010-239543(JP,A)
【文献】特開2004-194111(JP,A)
【文献】特開2003-069723(JP,A)
【文献】特開2004-356709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B23/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-11/10
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設が集合した集合施設のインターホンシステムに使用され、かつ前記施設の玄関に設置される玄関装置であって、
前記集合施設の共同玄関に設置される共同玄関装置と無線通信する第1通信部と、
前記施設の内部に設置される情報端末と通信する第2通信部とを備え、
前記第2通信部により、前記玄関装置と前記情報端末との間の通話のための施設内通信がなされ、
前記第1通信部と前記第2通信部により、前記共同玄関装置と前記情報端末との間の通話のための集合施設内通信がなされ
、
前記第2通信部は、前記玄関装置と前記情報端末との間の通話のための前記施設内通信と、前記共同玄関装置と前記情報端末との間の通話のための前記集合施設内通信と、を判別するための情報を前記情報端末に送信する玄関装置。
【請求項2】
前記第1通信部は、無線アクセスポイントを介して前記共同玄関装置と無線通信する請求項1に記載の玄関装置。
【請求項3】
前記施設内通信は、前記玄関装置の撮像部で撮像された画像または動画の通信を含み、
前記集合施設内通信は、前記共同玄関装置の撮像部で撮像された画像または動画の通信を含む請求項1または2に記載の玄関装置。
【請求項4】
前記第2通信部は、前記共同玄関の電気錠を解錠するための信号を前記情報端末から受信し、
前記第1通信部は、前記共同玄関の電気錠を解錠するための信号を送信する請求項1 から
3のいずれか1項に記載の玄関装置。
【請求項5】
前記第1通信部および前記第2通信部の少なくとも1つは、前記共同玄関装置と前記情報端末とは異なる機器と通信する請求項1に記載の玄関装置。
【請求項6】
前記機器は、前記集合施設に設置される設備機器を含む請求項
5に記載の玄関装置。
【請求項7】
前記設備機器は、収納装置を含み、
前記第1通信部および前記第2通信部の少なくとも1つは、前記収納装置の施錠および解錠の少なくとも1つを行うための信号を送信する請求項
6に記載の玄関装置。
【請求項8】
前記第1通信部が、来訪者が宅配業者または宅配の要件であることに関する情報を前記共同玄関装置から受信した場合、
前記第1通信部および前記第2通信部の少なくとも1つは、前記収納装置の解錠を行うための信号を送信する請求項
7に記載の玄関装置。
【請求項9】
撮像部をさらに備え、
前記第1通信部が、来訪者が宅配業者または宅配の要件であることに関する情報を前記共同玄関装置から受信した場合、前記撮像部の撮像および前記撮像部が撮像した画像または動画の録画の少なくとも1つがなされる請求項
7または
8に記載の玄関装置。
【請求項10】
前記撮像部が撮像した画像または動画に、前記共同玄関装置の撮像部で撮像された画像または動画に含まれる前記来訪者とは異なる人が含まれる場合、前記第1通信部および前記第2通信部の少なくとも1つは、来訪者とは異なる人が近づいたことに関する情報を送信する請求項
9に記載の玄関装置。
【請求項11】
前記機器は、前記インターホンシステムを制御する操作端末を含む請求項
5に記載の玄関装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術に関し、特に情報を通信する玄関装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターホンシステムは、カメラ付きのドアホン子機と、モニタテレビ付きのインターホン親機とを含み、ドアホン子機で呼出釦を押操作されたときに、インターホン親機のテレビモニタにドアホン子機で撮像された画像が表示される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターホンシステムにおける各機器は、一般的に幹線等のケーブルにより互いに接続される。ケーブルにより接続する際の施工の工数の増加を抑制するために、無線通信システムの使用が有効である。一方、無線通信システムを使用する場合、通信品質の悪化を抑制することが望まれる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、集合施設において機器を接続する際の施工の工数の増加を抑制しながら、通信品質の悪化を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の玄関装置は、複数の施設が集合した集合施設のインターホンシステムに使用され、かつ施設の玄関に設置される玄関装置であって、集合施設の共同玄関に設置される共同玄関装置と無線通信する第1通信部と、施設の内部に設置される情報端末と通信する第2通信部とを備える。第2通信部により、玄関装置と情報端末との間の通話のための施設内通信がなされ、第1通信部と第2通信部により、共同玄関装置と情報端末との間の通話のための集合施設内通信がなされる。
【0007】
本開示の別の態様は、通信方法である。この方法は、複数の施設が集合した集合施設のインターホンシステムに使用され、かつ施設の玄関に設置される玄関装置での通信方法であって、第1通信部により、集合施設の共同玄関に設置される共同玄関装置と無線通信するステップと、第2通信部により、施設の内部に設置される情報端末と通信するステップとを備える。第2通信部により、玄関装置と情報端末との間の通話のための施設内通信がなされ、第1通信部と第2通信部により、共同玄関装置と情報端末との間の通話のための集合施設内通信がなされる。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、集合施設において機器を接続する際の施工の工数の増加を抑制しながら、通信品質の悪化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1に係るインターホンシステムの構成を示す図である。
【
図2】
図2(a)-(c)は、
図1の共同玄関装置、玄関装置、住宅情報盤の構成を示す図である。
【
図3】
図2(a)の制御部に保持されるテーブルのデータ構造を示す図である。
【
図4】
図1のインターホンシステムによる解錠手順を示すシーケンス図である。
【
図5】実施例2に係るインターホンシステムの構成を示す図である。
【
図6】
図5の玄関装置による解錠手順を示すフローチャートである。
【
図7】実施例3に係る玄関装置による処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例1は、マンション、アパート等の集合施設に設置されるインターホンシステムに関する。集合施設には、住居等の施設が複数集合しているとともに、少なくとも1つの共同玄関において人の出入りが可能である。共同玄関に設置されたロビーインターホン等の共同玄関装置を来訪者が操作することによって、来訪先の施設に設置された住宅情報盤が呼び出される。例えば、共同玄関装置からの呼出要求は、住宅情報盤に送信される。また、呼出要求とともに、共同玄関装置において取得した音声信号、映像信号も、住宅情報盤に送信される。呼出に応じて、当該施設の居住者は住宅情報盤を操作することによって来訪者を確認する。居住者が住宅情報盤を操作して呼出に応答すると、共同玄関装置と住宅情報盤との間の来客通話が実行される。
【0012】
一般的に、共同玄関装置と住宅情報盤とは、来客通話を制御するための制御装置を介して接続されており、これらの接続にはペア線等のケーブルが使用される。そのため、ケーブルによる接続の施工の工数が増加する。このような工数の増加を抑制するために、共同玄関装置、住宅情報盤等を無線通信システム、例えば無線LAN(Local Area Network)によって接続することが有効である。無線通信システムを使用する場合、共同玄関装置と施設内の住宅情報盤との間に配置される複数の壁等の障害物によって、無線信号の強度が減衰される。無線信号の強度の減衰により、来客通話の品質が低下したり、共同玄関装置と住宅情報盤との来客通話が不可能になったりする。
【0013】
本実施例に係るインターホンシステムでは、各施設の玄関に設置され、かつ施設内の住宅情報盤と有線により接続された玄関装置と、共同玄関装置との間を無線通信システムにより接続する。玄関装置は、一般的に施設が面する廊下側に設置される。そのため、共同玄関装置と玄関装置との間の障害物の数は、共同玄関装置と住宅情報盤との間の障害物の数よりも少なくなる。これより、共同玄関装置と住宅情報盤との間を無線通信システムにより接続する場合と比較して、共同玄関装置と玄関装置との間を無線通信システムにより接続する場合の無線信号の強度の減衰が抑制される。共同玄関装置と住宅情報盤との間の来客通話は、玄関装置を介してなされる。
【0014】
図1は、インターホンシステム1000の構成を示す。集合施設100は、施設110と総称される第1施設110a、第2施設110b、第3施設110cを含む。インターホンシステム1000は、共同玄関装置200、電気錠300、住宅情報盤400と総称される第1住宅情報盤400a、第2住宅情報盤400b、第3住宅情報盤400c、玄関装置500と総称される第1玄関装置500a、第2玄関装置500b、第3玄関装置500cを含む。集合施設100における施設110の数は「3」に限定されず、住宅情報盤400、玄関装置500の数も「3」に限定されない。以下では、
図1(a)に示されるインターホンシステム1000を、(1)集合施設内通信、(2)施設内通信の順に説明する。
【0015】
(1)集合施設内通信
集合施設100では、複数の施設110が集合している。集合施設100の一例はマンションであり、施設110の一例は住居である。集合施設100の共同玄関、つまり複数の施設110の外部には、共用の共同玄関装置200が設置される。共同玄関装置200は、例えば、マンションのロビーに設置されたロビーインターホンである。また、共同玄関に設置された電気錠300は通常時において施錠されているので、来訪者は、電気錠300が解錠されないと施設110に行けない。
【0016】
図2(a)-(c)は、共同玄関装置200、玄関装置500、住宅情報盤400の構成を示す。
図2(a)は、共同玄関装置200の構成を示す。共同玄関装置200は、処理部210、操作部230、制御部240、通信部250を含み、処理部210は、撮像部212、マイク214、スピーカ216、モニタ218、IF部220を含む。
【0017】
共同玄関装置200の操作部230は、来訪者の操作を受けつけるためのユーザインタフェースであり、例えば呼出釦である。操作部230は、訪問予定の施設110の番号を来訪者から受けつけると、呼出要求を制御部240に出力する。呼出要求には、操作部230において受けつけた施設110の番号が含まれる。また、操作部230が来訪者によって操作されると、処理部210が動作する。
【0018】
撮像部212は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の固体撮像素子を備え、来訪者を撮影する。当該固体撮像素子は光電変換した映像信号をIF部220に出力する。IF部220は、撮像部212からの映像信号に対して種々の信号処理を実行する。種々の信号処理には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。IF部220は、信号処理を実行した映像信号(以下、これもまた「映像信号」という)を制御部240に出力する。
【0019】
マイク214とスピーカ216は、来訪者が居住者と通話するためのユーザインタフェースである。マイク214は来訪者の声を集音し、電気信号に変換してIF部220に出力する。IF部220は、マイク214からの電気信号を受けつけ、これを伝送するための形式の信号(以下、「音声信号」という)に変換する。IF部220は、音声信号を制御部240に出力する。一方、IF部220は、制御部240から音声信号を入力し、音声信号を電気信号に変換する。IF部220は、電気信号をスピーカ216に出力する。スピーカ216は、IF部220からの電気信号を再生して音声出力する。
【0020】
モニタ218は、メッセージ等を表示する。IF部220は、制御部240からメッセージ信号を入力し、メッセージ信号をモニタ218に出力する。メッセージ信号は、共同玄関装置200において生成されてもよい。
【0021】
制御部240は、共同玄関装置200の動作を制御する。また、制御部240は、インターホンシステム1000における制御装置の機能を有する。
図3は、制御部240に保持されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、部屋番号、つまり施設110の番号に対応するように、玄関装置500との通信を実行するために必要な情報である通信情報が記憶される。通信情報には、例えば、玄関装置500の機器ID、MACアドレス、IPアドレスが含まれる。これら以外の情報が記憶されていてもよい。
図2(a)に戻る。
【0022】
制御部240は、操作部230からの呼出要求を受けつけると、呼出要求に含まれた施設110の番号を抽出する。制御部240は、保持するテーブルをもとに、施設110の番号に対応した玄関装置500の通信情報を取得する。制御部240は、取得した通信情報をもとに、共同玄関装置200との無線通信の対象となる玄関装置500との無線通信を制御する。玄関装置500には住宅情報盤400が接続されているので、制御部240は、複数の玄関装置500のうちの少なくとも1つに接続された住宅情報盤400に対する無線通信を制御するともいえる。
【0023】
通信部250は、無線通信システムに対応した無線通信を実行する。無線通信システムが例えば無線LANである場合、通信部250は、無線LANのアクセスポイントの処理を実行することによって、複数の玄関装置500と無線通信を実行可能である。また、通信部250は、アドホック通信により複数の玄関装置500と無線通信してもよい。無線通信のために、通信部250にはSSID(Service Set Identifier)が設定される。通信部250は、制御部240において取得された通信情報を宛先として、呼出要求、映像信号、音声信号を玄関装置500に送信する。また、通信部250は、玄関装置500との接続が完了した後、玄関装置500を介して住宅情報盤400に対して、映像信号を送信したり、音声信号を送受信したりする。さらに、通信部250は、メッセージ信号を住宅情報盤400との間で送受信してもよい。
図1に戻る。
【0024】
玄関装置500は、施設110の玄関の外側に設置されたインターホンである。
図2(b)は、玄関装置500の構成を示す。玄関装置500は、処理部510、操作部530、制御部540、通信部550と総称される第1通信部550a、第2通信部550bを含み、処理部510は、撮像部512、マイク514、スピーカ516、IF部520を含む。撮像部512、マイク514、スピーカ516、IF部520は、
図2(a)の撮像部212、マイク214、スピーカ216、IF部220と同様に構成される。
【0025】
第1通信部550aは、無線通信システム、例えば無線LANに対応した無線通信を実行する。そのため、第1通信部550aは、共同玄関装置200と無線通信する。第1通信部550aには制御部540が接続され、制御部540は玄関装置500の動作を制御する。制御部540には第2通信部550bが接続される。第2通信部550bは、施設110の内部に設置される住宅情報盤400とケーブル等により接続され、ケーブルを介して住宅情報盤400と有線通信する。第2通信部550bは住宅情報盤400と無線通信してもよい。
【0026】
このような構成において、制御部540は、第1通信部550aと第2通信部550bとを接続するための制御を実行する。制御には、例えばSIP(Session Initiation Protorol)等の呼制御が含まれる。例えば、第1通信部550aが共同玄関装置200からの呼出要求、映像信号、音声信号を受信すると、制御部540は、第1通信部550aにおいて受信された呼出要求、映像信号、音声信号を第2通信部550bから住宅情報盤400に送信させる。その際、制御部540は、呼出要求、映像信号、音声信号等の信号をそのまま転送させてもよいし、信号のフォーマットを修正してから転送させてもよい。さらに、制御部540は、映像信号、音声信号を復号してから再度符号化することによって映像信号、音声信号を生成してから転送させてもよい。その際、受信した映像信号、音声信号に誤りが含まれていれば誤り訂正がなされてもよく、符号化における符号化率等が変更されてもよい。
図1に戻る。
【0027】
住宅情報盤400は、施設110内に設置されており、住戸機、住戸端末、居室親機、住宅親機、情報端末とも呼ばれる。
図2(c)は、住宅情報盤400の構成を示す。住宅情報盤400は、処理部410、操作部430、制御部440、通信部450を含み、処理部410は、マイク414、スピーカ416、モニタ418、IF部420を含む。
【0028】
通信部450は、玄関装置500とケーブル等により接続され、ケーブルを介して玄関装置500の第2通信部550bと有線通信する。通信部450は第2通信部550bと無線通信してもよい。通信部450は、玄関装置500からの呼出要求、映像信号、音声信号を受信する。玄関装置500からの呼出要求、映像信号、音声信号は、共同玄関装置200からの呼出要求、映像信号、音声信号ともいえる。通信部450には制御部440が接続され、制御部440は住宅情報盤400の動作を制御する。制御部440にはIF部420、操作部430が接続され、IF部420にはマイク414、スピーカ416、モニタ418が接続される。ここで、マイク414、スピーカ416、IF部420、操作部430は、マイク214、スピーカ216、IF部220、操作部230と同様に構成される。モニタ418は、共同玄関装置200の撮像部212において撮像された映像を表示する。
【0029】
制御部440は、通信部450を介して共同玄関装置200からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつける。制御部440は、呼出要求を受けつけると、IF部420を介してスピーカ416から呼出音を出力させる。これに続いて、制御部440は、IF部420を介してモニタ418に、映像信号を再生した映像を表示させるとともに、IF部420を介してスピーカ416から、音声信号を再生した音声を出力させる。呼出音を聞いた居住者が操作部430を操作することによって呼出に応答した場合、制御部440は、通信部450から応答信号を通信部450から玄関装置500に送信させる。
【0030】
図2(b)の玄関装置500の第2通信部550bが応答信号を住宅情報盤400から受信すると、第1通信部550aは、応答信号を共同玄関装置200に送信する。
図2(a)の共同玄関装置200の通信部250が応答信号を受信すると、共同玄関装置200と住宅情報盤400とが玄関装置500経由で接続される。その結果、通信部250から第1通信部550a、第2通信部550b経由で通信部450に映像信号が送信され、かつ第1通信部550a、第2通信部550b経由で通信部250と通信部450との間で音声信号が通信されることによって、共同玄関装置200を操作する来訪者と、住宅情報盤400を操作する居住者との間の通話が実行される。
【0031】
つまり、玄関装置500の第1通信部550aと第2通信部550bにより、共同玄関装置200と住宅情報盤400との間の来客通話のための通信(以下、「集合施設内通信」という)がなされる。この集合施設内通信には、共同玄関装置200からの映像信号の通信、つまり撮像部212で撮像された画像または動画の通信が含まれる。画像または動画には、静止画、コマ送りの画像も含まれる。いかでは、これらを画像と総称することもある。
【0032】
来訪者との通話により居住者が電気錠300の解錠を決定した場合、居住者は、
図2(c)の住宅情報盤400の操作部430を操作することによって、解錠の指示を入力する。操作部430が解錠の指示を居住者から受けつけた場合、制御部440は、解錠の指示が含まれた解錠信号を通信部450から玄関装置500に送信させる。解錠信号は、共同玄関の電気錠300を解錠するための信号といえる。
【0033】
図2(b)の玄関装置500の第2通信部550bが解錠信号を住宅情報盤400から受信すると、第1通信部550aは、解錠信号を共同玄関装置200に送信する。
図2(a)の共同玄関装置200の通信部250が解錠信号を受信すると、制御部240は、解錠信号によって示された解錠の指示(以下、「解錠指示」という)を通信部250から電気錠300に送信させる。
図1の電気錠300は、無線通信システムに対応した無線通信を実行可能であり、共同玄関装置200と無線通信する。電気錠300は、解錠指示を共同玄関装置200から受信すると、解錠する。
【0034】
電気錠300は、解錠から一定期間経過すると自動的に施錠する。また、居住者は、
図2(c)の住宅情報盤400の操作部430を操作することによって、施錠の指示を入力してもよい。操作部430が施錠の指示を居住者から受けつけた場合、制御部440は、施錠の指示が含まれた解錠信号を通信部450から玄関装置500に送信させる。施錠信号は、解錠信号と同様に、玄関装置500から共同玄関装置200に送信され、施錠指示は、解錠指示と同様に、共同玄関装置200から電気錠300に送信される。電気錠300は施錠指示を受信すると、施錠する。
【0035】
(2)施設内通信
図2(b)の玄関装置500の操作部530が来訪者によって操作されると、操作部530は、呼出要求を制御部540に出力する。また、操作部530が来訪者によって操作されると、処理部510が動作する。撮像部512は、来訪者を撮像した映像信号をIF部520経由で制御部540に出力し、マイク514は、来訪者の声を集音した音声信号をIF部520経由で制御部540に出力する。スピーカ516は、IF部520を介して制御部540から受けつけた音声信号を再生して出力する。
【0036】
制御部540は、前述の通信の制御に加えて、玄関装置500の動作を制御する。制御部540は、操作部530からの呼出要求を受けつけると、呼出要求、撮像部512からの映像信号、マイク514からの音声信号を第2通信部550bから住宅情報盤400に送信させる。その際、制御部540は、呼出要求等を第1通信部550aから取得したか、あるいはIF部520と操作部530から取得したかを判別するための情報(以下、「判別情報」という)を生成する。呼出要求等を第1通信部550aから取得した場合は、前述の集合施設内通信に相当する。一方、呼出要求等をIF部520と操作部530から取得した場合は、玄関装置500と住宅情報盤400との間の来客通話のための通信(以下、「施設内通信」という)に相当する。
【0037】
第2通信部550bは、制御部540からの呼出要求、映像信号、音声信号を住宅情報盤400に送信する。その際、第2通信部550bは判別情報も送信する。前述の集合施設内通信において判別情報は集合施設内通信を示し、ここでの施設内通信において判別情報は施設内通信を示す。また、第2通信部550bは、玄関装置500との接続が完了した後、玄関装置500に対して、映像信号を送信したり、音声信号を送受信したりする。
【0038】
図2(c)における住宅情報盤400の処理は、集合施設内通信の場合と同様であるが、制御部440は、通信部450において受信した判別情報をもとに、集合施設内通信であるか、施設内通信であるかを判別する。集合施設内通信と判定した場合、制御部440は、(1)集合施設内通信での処理を実行する。施設内通信と判定した場合、制御部440は、(1)集合施設内通信と同様の処理を実行するが、最終的な通信の対象が共同玄関装置200ではなく玄関装置500となる。
【0039】
つまり、玄関装置500の第2通信部550bにより、施設内通信がなされる。この施設内通信には、玄関装置500からの映像信号の通信、つまり撮像部512で撮像された画像の通信が含まれる。
【0040】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0041】
以上の構成によるインターホンシステム1000の動作を説明する。
図4は、インターホンシステム1000による解錠手順を示すシーケンス図である。共同玄関装置200は、呼出操作を受けつける(S10)と、呼出要求を玄関装置500に送信し(S12)、玄関装置500は呼出要求を住宅情報盤400に送信する(S14)。住宅情報盤400は、呼出音を出力する(S16)。共同玄関装置200は映像信号を玄関装置500に送信し(S18)、玄関装置500は映像信号を住宅情報盤400に送信する(S20)。住宅情報盤400は、映像を表示し(S22)、応答操作を受けつける(S24)。住宅情報盤400は応答信号を玄関装置500に送信し(S26)、玄関装置500は応答信号を共同玄関装置200に送信する(S28)。
【0042】
共同玄関装置200は映像信号を玄関装置500に送信し(S30)、玄関装置500は映像信号を住宅情報盤400に送信する(S32)。共同玄関装置200は音声信号を玄関装置500に送信し(S34)、玄関装置500は音声信号を住宅情報盤400に送信する(S36)。住宅情報盤400は、解錠操作を受けつけると(S38)、解錠信号を玄関装置500に送信する(S40)。玄関装置500は解錠信号を共同玄関装置200に送信し(S42)、共同玄関装置200は解錠指示を電気錠300に送信する(S44)。住宅情報盤400は、操作終了を受けつけると(S46)、終了信号を玄関装置500に送信する(S48)。玄関装置500は終了信号を共同玄関装置200に送信する(S50)。
【0043】
本実施例によれば、共同玄関装置200と玄関装置500との間において無線通信を実行するので、集合施設100において機器を接続する際の施工の工数の増加を抑制できる。施設110の外側に設置される玄関装置500と、共同玄関装置200との間で無線通信を実行するので、壁等の障害物の影響を低減できる。また、障害物の影響が低減されるので、通信品質の悪化を抑制できる。また、玄関装置500と住宅情報盤400との間で有通信を実行するので、玄関装置500経由で共同玄関装置200と住宅情報盤400との通信を実行できる。また、玄関装置500と住宅情報盤400との間で有線通信を実行するので、壁等の障害物の影響を低減できる。また、玄関装置500と住宅情報盤400との間の通話のための施設内通信がなされ、共同玄関装置200と住宅情報盤400との間の通話のための集合施設内通信がなされるので、機器を接続する際の施工の工数の増加を抑制しながら、通信品質の悪化を抑制できる。
【0044】
また、施設内通信は、撮像部512で撮像された画像の通信を含み、集合施設内通信は、撮像部212で撮像された画像の通信を含むので、玄関装置500での画像と共同玄関装置200での画像を住宅情報盤400で確認できる。また、施設内通信と集合施設内通信とを判別するための情報が住宅情報盤400に送信されるので、住宅情報盤400における処理を簡易にできる。また、共同玄関の電気錠を解錠するための信号を住宅情報盤400から受信し、共同玄関の電気錠300を解錠するための信号を送信するので、解錠信号を中継できる。
【0045】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の玄関装置(500)は、複数の施設(110)が集合した集合施設(100)のインターホンシステム(1000)に使用され、かつ施設(110)の玄関に設置される玄関装置(500)であって、集合施設(100)の共同玄関に設置される共同玄関装置(200)と無線通信する第1通信部(550a)と、施設(110)の内部に設置される情報端末(400)と通信する第2通信部(550b)とを備える。第2通信部(550b)により、玄関装置(500)と情報端末(400)との間の通話のための施設内通信がなされ、第1通信部(550a)と第2通信部(550b)により、共同玄関装置(200)と情報端末(400)との間の通話のための集合施設内通信がなされる。
【0046】
第1通信部(550a)は、無線アクセスポイントを介して共同玄関装置(200)と無線通信してもよい。
【0047】
施設内通信は、玄関装置(500)の撮像部(512)で撮像された画像または動画の通信を含んでもよい。集合施設内通信は、共同玄関装置(200)の撮像部(212)で撮像された画像または動画の通信を含んでもよい。
【0048】
第2通信部(550b)は、施設内通信と集合施設内通信とを判別するための情報を情報端末(400)に送信してもよい。
【0049】
第2通信部(550b)は、共同玄関の電気錠を解錠するための信号を情報端末(400)から受信し、第1通信部(550a)は、共同玄関の電気錠(300)を解錠するための信号を送信してもよい。
【0050】
本開示の別の態様は、通信方法である。この方法は、複数の施設(110)が集合した集合施設(100)のインターホンシステム(1000)に使用され、かつ施設(110)の玄関に設置される玄関装置(500)での通信方法であって、第1通信部(550a)により、集合施設(100)の共同玄関に設置される共同玄関装置(200)と無線通信するステップと、第2通信部(550b)により、施設(110)の内部に設置される情報端末(400)と通信するステップとを備える。第2通信部(550b)により、玄関装置(500)と情報端末(400)との間の通話のための施設内通信がなされ、第1通信部(550a)と第2通信部(550b)により、共同玄関装置(200)と情報端末(400)との間の通話のための集合施設内通信がなされる。
【0051】
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、集合施設100に設置されるインターホンシステム1000に関する。実施例2に係るインターホンシステム1000では、実施例1に係るインターホンシステム1000において、共同玄関装置200、住宅情報盤400、玄関装置500以外の機器が含まれる。実施例2に係る共同玄関装置200、玄関装置500、住宅情報盤400は、
図2(a)-(c)と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0052】
図5は、インターホンシステム1000の構成を示す。インターホンシステム1000は、
図1の構成に対して、集合施設GW310、ネットワーク320、収納装置330、端末装置600が追加される。収納装置330は、宅配ボックスのような内部に荷物を収納可能な装置であり、かつ扉を電気錠により施錠・解錠可能な装置である。このような収納装置330は、集合施設100に設置される設備機器である。収納装置330は、無線LAN等の無線通信システムに対応し、共同玄関装置200と無線通信可能である。
【0053】
宅配業者が荷物の配達のために共同玄関装置200の共同玄関に到着した場合、実施例1の来訪者として、共同玄関装置200の操作部230を操作する。当該操作に対して、施設110の居住者が応答すると、集合施設内通信がなされることによって、電気錠300が解錠される。これに続いて、宅配業者は、配達先の施設110の玄関に進み、玄関装置500の操作部530を操作する。当該操作に対して、施設110の居住者が応答すると、施設内通信がなされることによって、玄関が開けられる。その結果、宅配業者は居住者に荷物を渡す。
【0054】
一方、共同玄関装置200の操作部230における宅配業者の操作に対して、施設110の居住者が応答しない場合、宅配業者は、収納装置330に荷物を挿入して、収納装置330の電気錠を施錠する。その際、宅配業者は、収納装置330のIF(図示せず)を使用して、配達先の施設110の番号を入力する。収納装置330は、施設110の番号とともに収納装置330の施錠が示された情報(以下、「宅配情報」という)を無線通信により共同玄関装置200に送信する。宅配情報は、来訪者が宅配業者であること、または宅配の要件であることに関する情報であるといえる。
【0055】
図2(a)の共同玄関装置200の通信部250は、宅配情報を電気錠300から受信すると、宅配情報を制御部240に出力する。制御部240は、宅配情報を受けつけると、宅配情報に含まれた施設110の番号を抽出する。制御部240は、保持するテーブルをもとに、施設110の番号に対応した玄関装置500の通信情報を取得する。制御部240は、取得した通信情報を宛先として、宅配情報を通信部250に送信させる。通信部250は、制御部240において取得された通信情報を宛先として、宅配情報を玄関装置500に送信する。
【0056】
図2(b)の玄関装置500の第1通信部550aは、共同玄関装置200からの宅配情報を受信する。制御部540は、第1通信部550aにおいて受信された宅配情報を第2通信部550bから住宅情報盤400に送信させる。
図2(c)の住宅情報盤400の通信部450は、宅配情報を玄関装置500から受信する。制御部440は、通信部450において受信した宅配情報をもとに、収納装置330内に荷物が収納されていることをIF部420経由でモニタ418に表示する。居住者は、施設110に帰宅したときにモニタ418に表示された情報を見ることによって、収納装置330内に荷物が収納されていることを認識する。居住者は、操作部430を操作することによって、収納装置330の解錠を行うための指示を入力する。制御部440は、操作部430が電気錠300の解錠の指示を居住者から受けつけた場合、制御部440は、収納装置330の解錠の指示が含まれた収納装置制御信号を通信部450から玄関装置500に送信させる。収納装置制御信号は、収納装置330の施錠および解錠の少なくとも1つを行うための信号であり、施錠と解錠のいずれか一方が示される。
【0057】
図2(b)の玄関装置500の第2通信部550bが収納装置制御信号を住宅情報盤400から受信すると、第1通信部550aは、収納装置制御信号を共同玄関装置200に送信する。つまり、第1通信部550aは、収納装置330の施錠および解錠の少なくとも1つを行うための信号を送信可能であり、特に収納装置330の解錠を行うための信号を送信する。ここで、収納装置330が第2通信部550bに接続される場合、第2通信部550bは、収納装置330の施錠および解錠の少なくとも1つを行うための信号を送信可能であり、特に収納装置330の解錠を行うための信号を送信してもよい。このように第1通信部550aおよび第2通信部550bの少なくとも1つは、共同玄関装置200と住宅情報盤400とは異なる機器と通信可能である。
【0058】
図2(a)の共同玄関装置200の通信部250が解錠信号を受信すると、制御部240は、収納装置制御信号によって示された解錠の指示(以下、「解錠指示」という)を通信部250から電気錠300に送信させる。
図5の収納装置330は、解錠指示を共同玄関装置200から受信すると、解錠する。
【0059】
居住者が、操作部430を操作することによって、収納装置330の施錠を行うための指示を入力した場合、住宅情報盤400は、施錠が示された収納装置制御信号を玄関装置500に送信する。玄関装置500は、収納装置制御信号を住宅情報盤400から受信すると、収納装置制御信号を共同玄関装置200に送信する。共同玄関装置200は、玄関装置500から受信した収納装置制御信号によって示された施錠の指示(以下、「施錠指示」という)を通信部250から電気錠300に送信させる。
図5の収納装置330は、施錠指示を玄関装置500から受信すると、施錠する。
【0060】
図5の集合施設GW310は、無線通信システム、例えば無線LANに対応した無線通信を実行することによって、共同玄関装置200と無線通信する。集合施設GW310は、集合施設100の内部の共同玄関装置200と、集合施設100の外部のネットワーク320とを接続するための通信装置である。そのため、集合施設GW310は、集合施設100の内外にわたる通信を中継するといえる。ネットワーク320には端末装置600が接続されるので、端末装置600は、ネットワーク320を介して集合施設GW310と通信可能である。
【0061】
端末装置600は、施設110の居住者あるいは集合施設100の管理者あるいはインターホンシステム1000の施工業者によって所持される通信装置であり、例えば、スマートフォン、PCである。端末装置600は情報端末と呼ばれてもよい。ネットワーク320にはサーバ(図示せず)が接続されてもよい。その際、端末装置600は、サーバを介して集合施設GW310と通信してもよい。このような構成において、玄関装置500は、住宅情報盤400に対する処理を端末装置600に対して実行してもよい。例えば、第2通信部550bと住宅情報盤400とが通信する代わりに、第1通信部550aと端末装置600とが電気錠300、集合施設GW310、ネットワーク320を介して通信する。
【0062】
以上の構成によるインターホンシステム1000の動作を説明する。
図6は、玄関装置500による解錠手順を示すフローチャートである。第1通信部550aが宅配情報を受信した場合(S100のY)、第2通信部550bは解錠信号を受信し(S102)、第1通信部550aは解錠信号を収納装置330に送信する(S104)。第1通信部550aが宅配情報を受信しない場合(S100のN)、処理は終了される。
【0063】
本実施例によれば、第1通信部550aおよび第2通信部550bの少なくとも1つは、共同玄関装置200と住宅情報盤400とは異なる機器と通信するので、インターホンシステム1000において実行可能な処理の種類を増加できる。また、機器は、集合施設100に設置される設備機器を含むので、インターホンシステム1000において実行可能な集合施設100での処理の種類を増加できる。また、第1通信部550aおよび第2通信部550bの少なくとも1つは、収納装置330の施錠および解錠の少なくとも1つを行うための信号を送信するので、施設110から収納装置330を操作できる。
【0064】
また、来訪者が宅配業者または宅配の要件であることに関する情報を受信した場合、第1通信部550aおよび第2通信部550bの少なくとも1つは、収納装置330の解錠を行うための信号を送信するので、宅配業者が収納装置330に入れた荷物を取り出すことができる。また、機器は、端末装置600を含むので、集合施設100から離れた状態であっても収納装置330を操作できる。
【0065】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。第1通信部(550a)および第2通信部(550b)の少なくとも1つは、共同玄関装置(200)と情報端末(400)とは異なる機器と通信してもよい。
【0066】
機器は、集合施設(100)に設置される設備機器を含んでもよい。
【0067】
設備機器は、収納装置を含んでもよい。第1通信部(550a)および第2通信部(550b)の少なくとも1つは、収納装置の施錠および解錠の少なくとも1つを行うための信号を送信してもよい。
【0068】
第1通信部(550a)が、来訪者が宅配業者または宅配の要件であることに関する情報を共同玄関装置(200)から受信した場合、第1通信部(550a)および第2通信部(550b)の少なくとも1つは、収納装置の解錠を行うための信号を送信してもよい。
【0069】
機器は、インターホンシステム(1000)を制御する操作端末を含んでもよい。
【0070】
(実施例3)
次に実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、集合施設100に設置されるインターホンシステム1000に関する。実施例3に係るインターホンシステム1000では、玄関装置500に備えられた撮像部512を使用して、防犯性を向上させるための処理を実行する。実施例3に係るインターホンシステム1000、共同玄関装置200、玄関装置500、住宅情報盤400は、
図5、
図2(a)-(c)と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0071】
実施例3では、宅配業者が施設110の玄関の前に居住者と非対面で荷物を置く状況を想定する。その際、居住者は、施設110に滞在していてもよいし、施設110を不在にしていてもよい。宅配業者は、予め定められた時間帯に集合施設100に来訪し、共同玄関装置200の操作部230を操作する。宅配業者の来訪は、居住者により予め登録されているので、宅配業者による操作部230の操作によって、電気錠300が解錠される。その際、玄関装置500に対して呼出要求が送信される。宅配業者は、共同玄関から、宅配業者は、配達先の施設110の玄関に進み、玄関の前に荷物を置く。玄関の前に荷物が置かれた状態である場合、荷物には盗難のおそれが生じる。このような盗難を防止するために、実施例3に係るインターホンシステム1000は次の処理を実行する。
【0072】
図2(b)の玄関装置500の第1通信部550aは、共同玄関装置200からの呼出要求と映像信号を受信する。制御部540は、映像信号を構成する画像に対して画像認識処理を実行することによって、画像に含まれる来訪者が宅配業者であるか否かを判定する。例えば、制御部540は、宅配業者の帽子あるいは制服に取り付けられているマークを登録しており、画像にマークが含まれる場合、来訪者が宅配業者であると認識する。一方、制御部540は、画像にマークが含まれない場合、来訪者が宅配業者でないと認識する。来訪者が宅配業者であると認識された場合の呼出要求は、来訪者が宅配業者または宅配の要件であることに関する情報に相当する。
【0073】
制御部540が来訪者が宅配業者であると認識した場合、撮像部512の撮像および撮像部512が撮像した画像の録画の少なくとも1つが開始される。制御部540は、IF部520を介して撮像部512において撮像した映像を受けつける。制御部540は、撮像部512からの映像を構成する画像に対しても画像認識処理を実行する。ここで、制御部540は、共同玄関装置200からの画像に含まれた人と、撮像部512からの画像に含まれた人が同一であるか否かを実行する。同一であるか否かの判定には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
【0074】
同一でない場合、つまり撮像部512が撮像した画像に、共同玄関装置200の撮像部212で撮像された画像に含まれる来訪者とは異なる人が含まれる場合、制御部540は、来訪者である宅配業者とは異なる人が近づいたことに関する情報(以下、「通知」という)を生成する。また、制御部540は、通知の宛先として、端末装置600のアドレスを登録しており、端末装置600を最終的な宛先として通知を第1通信部550aから共同玄関装置200に送信させる。つまり、第1通信部550aは、来訪者とは異なる人が近づいたことに関する情報を送信する。
【0075】
共同玄関装置200は、通知を受信すると、集合施設GW310、ネットワーク320を介して端末装置600に通知を送信する。端末装置600は、通知を受信すると、来訪者とは異なる人が近づいたことが示された画面を表示したり、来訪者とは異なる人が近づいたことが示されたメッセージの音声を出力したりする。
【0076】
以上の構成によるインターホンシステム1000の動作を説明する。
図7は、玄関装置500による処理手順を示すフローチャートである。第1通信部550aが宅配業者からの呼出要求を受信した場合(S200のY)、撮像部512は撮像を開始し(S202)、制御部540は録画を開始する(S204)。共同玄関装置200で撮像された人と、玄関装置500で撮像された人が同じでなければ(S206のN)、制御部540は第1通信部550aから通知を送信する(S208)。共同玄関装置200で撮像された人と、玄関装置500で撮像された人が同じである場合(S206のY)、ステップ208はスキップされる。
【0077】
第2通信部550bが終了の操作を受けつけなれば(S210のN)、ステップ206に戻る。第2通信部550bが終了の操作を受けつけた場合(S210のY)、制御部540は録画を終了し(S212)、撮像部512は撮像を終了する(S214)。第1通信部550aが宅配業者からの呼出要求を受信しない場合(S200のN)、処理は終了される。
【0078】
本実施例によれば、来訪者が宅配業者または宅配の要件であることに関する情報を受信した場合、撮像部512の撮像および撮像部512が撮像した画像の録画の少なくとも1つがなされるので、玄関の前に置かれた荷物を監視できる。また、撮像部512が撮像した画像に、撮像部212で撮像された画像に含まれる来訪者とは異なる人が含まれる場合、来訪者とは異なる人が近づいたことに関する情報を送信するので、荷物の盗難を知らせることができる。
【0079】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。撮像部(512)をさらに備えてもよい。第1通信部(550a)が、来訪者が宅配業者または宅配の要件であることに関する情報を共同玄関装置(200)から受信した場合、撮像部(512)の撮像および撮像部(512)が撮像した画像または動画の録画の少なくとも1つがなされてもよい。
【0080】
撮像部(512)が撮像した画像または動画に、共同玄関装置(200)の撮像部(212)で撮像された画像または動画に含まれる来訪者とは異なる人が含まれる場合、第1通信部(550a)および第2通信部(550b)の少なくとも1つは、来訪者とは異なる人が近づいたことに関する情報を送信してもよい。
【0081】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0082】
実施例1から3において、共同玄関装置200と玄関装置500は、無線LANにより直接接続される。しかしながら、これに限らず例えば、玄関装置500の第1通信部550aは、無線アクセスポイントを介して共同玄関装置200と無線通信してもよい。本変形例によれば、集合施設100の規模が大きくても、無線通信の品質の悪化を抑制できる。
【符号の説明】
【0083】
100 集合施設、 110 施設、 200 共同玄関装置、 210 処理部、 212 撮像部、 214 マイク、 216 スピーカ、 218 モニタ、 220 IF部、 230 操作部、 240 制御部、 250 通信部、 300 電気錠、 310 集合施設GW、 320 ネットワーク、 330 収納装置、 400 住宅情報盤、 410 処理部、 414 マイク、 416 スピーカ、 418 モニタ、 420 IF部、 430 操作部、 440 制御部、 450 通信部、 500 玄関装置、 510 処理部、 512 撮像部、 514 マイク、 516 スピーカ、 520 IF部、 530 操作部、 540 制御部、 550 通信部、 600 端末装置、 1000 インターホンシステム。