IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フォレストデジタル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像表示プログラム及び画像表示装置 図1
  • 特許-画像表示プログラム及び画像表示装置 図2
  • 特許-画像表示プログラム及び画像表示装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】画像表示プログラム及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240823BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240823BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20240823BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20240823BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
H04N5/74 Z
G09G5/14 A
G09G5/377 100
G09G5/00 550B
G09G5/38 100
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021169311
(22)【出願日】2021-10-15
(65)【公開番号】P2023059358
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2024-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519429174
【氏名又は名称】フォレストデジタル株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】100147142
【弁理士】
【氏名又は名称】石森 昭慶
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 健一
(72)【発明者】
【氏名】辻木 勇二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 洋一
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-173452(JP,A)
【文献】特開2001-084440(JP,A)
【文献】特開2002-015227(JP,A)
【文献】特表2020-504913(JP,A)
【文献】特開2020-088691(JP,A)
【文献】特開2012-175324(JP,A)
【文献】特開平04-204842(JP,A)
【文献】特開平04-063092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
複数の画像表示面のそれぞれに背景画像を表示可能な背景画像表示部と、
複数の前記画像表示面の少なくともいずれかに、当該画像表示面に表示された前記背景画像に重畳させて重畳画像を表示可能な重畳画像表示部と、
前記背景画像表示部により複数の前記画像表示面のそれぞれに表示される前記背景画像を提案する背景画像提案部として機能させ、
前記背景画像提案部は、前記重畳画像表示部により複数の前記画像表示面の少なくともいずれかに表示された前記重畳画像に含まれるキーワード、又は、前記重畳画像のデザイン若しくは色に基づいて、前記背景画像表示部により複数の前記画像表示面のそれぞれに表示される前記背景画像を提案する、画像表示プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記画像表示面に前記背景画像及び前記重畳画像を表示するレイアウトを設定するレイアウト設定部として機能させる、請求項1に記載の画像表示プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記レイアウト設定部により設定された前記レイアウトに基づいて前記背景画像及び前記重畳画像が表示された状態を表すプレビュー画像を表示させるプレビュー画像表示部として機能させる、請求項2に記載の画像表示プログラム。
【請求項4】
前記レイアウトは、前記背景画像及び前記重畳画像が表示される態様が経時的に変化する動的レイアウトである、請求項2又は3に記載の画像表示プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記画像表示面に表示された前記背景画像又は前記重畳画像に応じた刺激を発生させる刺激発生部として機能させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像表示プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記刺激発生部により発生させられる前記刺激の内容を設定する刺激設定部として機能させる、請求項5に記載の画像表示プログラム。
【請求項7】
前記刺激設定部は、前記背景画像表示部により複数の前記画像表示面のそれぞれに前記背景画像が表示されている場合において、前記重畳画像表示部により複数の前記画像表示面の少なくともいずれかに前記重畳画像が表示されているときと、前記重畳画像表示部により複数の前記画像表示面のいずれにも前記重畳画像が表示されていないときとで、互いに異なる前記内容の前記刺激を設定する、請求項6に記載の画像表示プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記重畳画像表示部により前記重畳画像が表示される前記画像表示面を別の前記画像表示面に変更させる画像表示面変更部として機能させる、請求項1~7のいずれか一項に記載の画像表示プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、
ユーザにより行われるイベントの入力を受け付けるイベント入力受付部として機能させ、
前記背景画像提案部は、前記イベント入力受付部により前記入力を受け付けられた前記イベントに基づいて、前記背景画像表示部により複数の前記画像表示面のそれぞれに表示される前記背景画像を提案する、請求項1に記載の画像表示プログラム。
【請求項10】
複数の画像表示面のそれぞれに背景画像を表示可能な背景画像表示部と、
複数の前記画像表示面の少なくともいずれかに、当該画像表示面に表示された前記背景画像に重畳させて重畳画像を表示可能な重畳画像表示部と、
前記背景画像表示部により複数の前記画像表示面のそれぞれに表示される前記背景画像を提案する背景画像提案部と、を備え
前記背景画像提案部は、前記重畳画像表示部により複数の前記画像表示面の少なくともいずれかに表示された前記重畳画像に含まれるキーワード、又は、前記重畳画像のデザイン若しくは色に基づいて、前記背景画像表示部により複数の前記画像表示面のそれぞれに表示される前記背景画像を提案する、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像表示プログラム及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像表示面のそれぞれに画像を表示する技術が知られている。例えば特許文献1には、多面上映館において複数の画像表示面を用いて上映されるコンテンツに関して、当該コンテンツが再生される様子を示すシミュレーション映像を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2016-536909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術では、画像表示面を視認するユーザに対して提供することができる視覚的な情報は、予め準備されたコンテンツに限定されやすい。このため、本技術分野においては、より多様な態様で、ユーザに対して視覚的な情報を提供可能とすることが望まれている。
【0005】
そこで、本開示に係る画像表示プログラム及び画像表示装置は、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を増大させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、複数の画像表示面(S)のそれぞれに背景画像(D1)を表示可能な背景画像表示部(10)と、複数の画像表示面(S)の少なくともいずれかに、当該画像表示面(S)に表示された背景画像(D1)に重畳させて重畳画像(D2)を表示可能な重畳画像表示部(11)と、として機能させる。
【0007】
本開示の一態様に係る画像表示装置(1)は、複数の画像表示面(S)のそれぞれに背景画像(D1)を表示可能な背景画像表示部(10)と、複数の画像表示面(S)の少なくともいずれかに、当該画像表示面(S)に表示された背景画像(D1)に重畳させて重畳画像(D2)を表示可能な重畳画像表示部(11)と、を備える。
【0008】
これらの画像表示プログラム(P)及び画像表示装置(1)の少なくともいずれかによれば、複数の画像表示面(S)のそれぞれに表示される背景画像(D1)のみならず、画像表示面(S)の少なくともいずれかにおいて背景画像(D1)に重畳画像(D2)を重畳させて表示させることができる。このため、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を増大させることが可能となる。
【0009】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、画像表示面(S)に背景画像(D1)及び重畳画像(D2)を表示するレイアウトを設定するレイアウト設定部(12)として機能させてもよい。これによれば、画像表示面(S)に背景画像(D1)及び重畳画像(D2)を表示するレイアウトを所望の態様に設定可能となる。このため、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0010】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、レイアウト設定部(12)により設定されたレイアウトに基づいて背景画像(D1)及び重畳画像(D2)が表示された状態を表すプレビュー画像を表示させるプレビュー画像表示部(13)として機能させてもよい。これによれば、画像表示面(S)に背景画像(D1)及び重畳画像(D2)を表示するレイアウトを予め視覚的に確認することが可能となる。
【0011】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)では、レイアウトは、背景画像(D1)及び重畳画像(D2)が表示される態様が経時的に変化する動的レイアウトであってもよい。これによれば、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0012】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、画像表示面(S)に表示された背景画像(D1)又は重畳画像(D2)に応じた刺激を発生させる刺激発生部(14)として機能させてもよい。これによれば、背景画像(D1)及び重畳画像(D2)に加えて、ユーザに対して種々の刺激による情報を提供することができる。よって、ユーザに対して情報を提供する態様の自由度を、視覚的な態様以外の態様も含めて一層増大させることが可能となる。
【0013】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、刺激発生部(14)により発生させられる刺激の内容を設定する刺激設定部(15)として機能させてもよい。これによれば、発生させる刺激の内容を所望の内容に設定可能となる。このため、ユーザに対して情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0014】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)では、刺激設定部(15)は、背景画像表示部(10)により複数の画像表示面(S)のそれぞれに背景画像(D1)が表示されている場合において、重畳画像表示部(11)により複数の画像表示面(S)の少なくともいずれかに重畳画像(D2)が表示されているときと、重畳画像表示部(11)により複数の画像表示面(S)のいずれにも重畳画像(D2)が表示されていないときとで、互いに異なる内容の刺激を設定してもよい。これによれば、複数の画像表示面(S)の少なくともいずれかに重畳画像(D2)が表示されているか否かに応じて異なる内容の刺激を発生させることができるため、ユーザに対して情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0015】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、重畳画像表示部(11)により重畳画像(D2)が表示される画像表示面(S)を別の画像表示面(S)に変更させる画像表示面変更部(16)として機能させてもよい。これによれば、例えば、ユーザから視認されやすい画像表示面(S)に重畳画像(D2)を移動させたり、敢えてユーザから視認されにくい画像表示面(S)に重畳画像(D2)を移動させたりすることが可能となる。よって、ユーザに対して視覚的な情報を所望の態様で提供することが可能となる。
【0016】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、背景画像表示部(10)により複数の画像表示面(S)のそれぞれに表示される背景画像(D1)を提案する背景画像提案部(17)として機能させてもよい。これによれば、好適な背景画像(D1)をユーザに提案可能となる。また、これによれば、ユーザが背景画像(D1)を自ら選別する手間が軽減されるため、利便性が向上する。
【0017】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)では、背景画像提案部(17)は、重畳画像表示部(11)により複数の画像表示面(S)の少なくともいずれかに表示された重畳画像(D2)に基づいて、背景画像表示部(10)により複数の画像表示面(S)のそれぞれに表示される背景画像(D1)を提案してもよい。これによれば、表示された重畳画像(D2)に合った背景画像(D1)をユーザに提案可能となる。
【0018】
本開示の一態様に係る画像表示プログラム(P)は、コンピュータ(C)を、ユーザにより行われるイベントの入力を受け付けるイベント入力受付部(18)として機能させ、背景画像提案部(17)は、イベント入力受付部(18)により入力を受け付けられたイベントに基づいて、背景画像表示部(10)により複数の画像表示面(S)のそれぞれに表示される背景画像(D1)を提案してもよい。これによれば、ユーザにより行われるイベントに合った背景画像(D1)をユーザに提案可能となる。
【0019】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0020】
このように、本開示に係る画像表示プログラム及び画像表示装置は、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態に係る画像表示プログラムを実行することにより実現される画像表示装置を示すブロック図である。
図2図2は、複数の画像表示面に背景画像及び重畳画像を表示させた状態の一例を示す図である。
図3図3は、画像表示プログラムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る画像表示プログラムPを実行することにより実現される画像表示装置1を示すブロック図である。図2は、複数の画像表示面Sに背景画像D1及び重畳画像D2を表示させた状態の一例を示す図である。図1及び図2に示されるように、画像表示装置1は、画像表示プログラムPをコンピュータCにより実行することによって実現される装置であり、複数の画像表示面Sのそれぞれに所定の画像を表示する。より詳細には、画像表示装置1は、所定の画像として、背景画像D1及び重畳画像D2を画像表示面Sに表示可能である。
【0024】
ここで、「背景画像」とは、重畳画像D2の背景として画像表示面Sに表示される画像である。背景画像D1は、各画像表示面Sにおいて重畳画像D2よりも広く表示されてもよく、特に各画像表示面Sの全面にわたって表示されてもよい。背景画像D1は、複数の画像表示面Sに表示可能である。なお、背景画像D1は、実際に複数の画像表示面Sのそれぞれに表示されてもよく、実際には複数の画像表示面Sのうちの一部の画像表示面S(例えば、一の画像表示面S)にのみ表示されてもよい。背景画像D1は、森林、草原、海、山等といった自然の風景であってもよく、ユーザ等により制作されたデザインであってもよく、単色であってもよい。また、背景画像D1は、写真等の静止画であってもよく、動画であってもよい。
【0025】
「重畳画像」とは、背景画像D1に重畳して表示される画像である。重畳画像D2は、各画像表示面Sにおいて重畳画像D2よりも狭く表示されてもよく、特に背景画像D1上に収まるように(つまり、背景画像D1からはみ出さないように)表示されてもよい。重畳画像D2は、複数の画像表示面Sに表示可能である。なお、重畳画像D2は、実際に複数の画像表示面Sのそれぞれに表示されてもよく、実際には複数の画像表示面Sのうちの一部の画像表示面S(例えば、一の画像表示面S)にのみ表示されてもよい。重畳画像D2は、ユーザ等に対して知得させることが意図されたメッセージ又はコメント等の情報を含んでいてもよい。重畳画像D2は、背景画像D1のうち当該重畳画像D2と重畳する領域が透けて見えないように、背景画像D1に重畳して表示される画像(不透明画像)であってもよい。あるいは、重畳画像D2は、背景画像D1のうち当該重畳画像D2と重畳する領域が透けて見えるように、背景画像D1に重畳して表示される画像(半透明画像)であってもよい。
【0026】
「画像表示面」とは、背景画像D1及び重畳画像D2の少なくともいずれかを表示可能な面を意味している。画像表示面Sは、画像表示機器3により背景画像D1及び重畳画像D2の少なくともいずれかが表示される。本実施形態においては、画像表示面Sは、白色等の壁面であり、図2においては図示されていないプロジェクタとして構成される画像表示機器3によって背景画像D1及び重畳画像D2の少なくともいずれかが投影されることにより、当該画像を表示する。
【0027】
なお、画像表示面Sは、このような構成に限定されるものではなく、例えばディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ等)のように当該画像表示面S自体が発光して画像を表示するものであってもよい。また、一の画像表示面Sは、複数の面の集合体として定義されてもよく、一例として、背景画像D1を表示するための第1面(壁面等)の手前(例えば室内中央寄り)に重畳画像D2を表示するための第2面(可動スクリーン等)が配置され、これら第1面及び第2面を併せて一の画像表示面Sと定義されてもよい。この場合、背景画像D1がプロジェクタ又はディスプレイのうちいずれか一方の手段により第1面に表示されるとともに、重畳画像D2がプロジェクタ及びディスプレイのうちいずれか他方の手段により第2面に表示されてもよい。
【0028】
複数の画像表示面Sのそれぞれは、建物内の部屋Rの各壁面として構成されていてもよい。例えば、部屋Rの四方の側壁面及び天井面の5面のそれぞれが、画像表示面Sを構成していてもよい。なお、部屋Rの四方の側壁面のうちの1面、2面、又は3面のみが画像表示面Sを構成していてもよく、天井面は画像表示面Sを構成していなくてもよく、さらに床面が画像表示面Sを構成していてもよい。複数の画像表示面Sのそれぞれの位置関係は、各画像表示面Sに相当する面(又は、当該面の延長面)どうしが互いに交差する位置関係であってもよく、各画像表示面Sに相当する面(又は、当該面の延長面)どうしが互いに対面する位置関係であってもよい。また、画像表示面Sは、平面でなくてもよく、例えば曲面、屈曲面等であってもよい。画像表示面Sは、壁面等に限らず、例えばスクリーン、カーテン、窓等により構成されていてもよい。
【0029】
本実施形態においては、複数の画像表示面Sのそれぞれは、建物内の部屋Rの四方の側壁面及び天井面の5面により構成されている。そして、これらの各画像表示面Sのそれぞれの全面にわたって、背景画像D1として森林の画像が表示されている。特に、各画像表示面Sのうち部屋Rの四方の側壁面には森林を横向きに見渡した画像が表示されており、各画像表示面Sのうち部屋Rの天井面には森林を上向きに見上げた画像が表示されている。これにより、部屋Rにいるユーザは、視覚的に、恰も自身が森林の中にいるかのような体験をすることができる。
【0030】
また、本実施形態においては、重畳画像D2として、背景画像D1についての簡易的な説明が表示されている。具体的には、重畳画像D2として、背景画像D1がユーザに癒しを提供することを意図した森林の画像であることを説明するために「Healing Forest」との文言が画像として表示されている。ここでは、重畳画像D2は、各画像表示面Sのうち部屋Rの一方の側壁面の下部領域に表示されている。
【0031】
画像表示装置1は、情報入力機器2、画像表示機器3、及び刺激発生機器4と有線又は無線通信可能に構成されている。具体的には、画像表示装置1は、物理的な構成として制御演算装置、記憶装置、及び入出力装置を備えるコンピュータCとして構成されている。画像表示装置1は、例えばノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット、又はスマートフォン等であってもよく、ここでは画像表示装置1としてノートパソコンが例示されている。
【0032】
制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラにより構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば情報入力機器2等といった外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算装置により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を画像表示機器3又は刺激発生機器4等といった外部に出力する出力装置を有している。
【0033】
画像表示装置1は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。具体的には、画像表示装置1は、ROMに記憶されている画像表示プログラムPをRAMに読み込み、RAMに読み込まれた画像表示プログラムPをCPUにより実行することにより、複数の画像表示面Sに背景画像D1及び重畳画像D2を表示する画像表示処理を実行する。なお、画像表示装置1を構成するコンピュータCは、物理的に、上述した構成とは異なる構成を備えていてもよい。
【0034】
情報入力機器2は、各種の情報を取得し、取得した情報を画像表示装置1に送信(入力)可能な装置である。情報入力機器2は、ユーザにより操作されて各種の情報を取得する。例えば、情報入力機器2は、ボタン、タッチパネル、又はキーボード等を有し、ユーザにより操作されて文字情報等の情報を取得してもよい。あるいは、情報入力機器2は、カメラ等の撮像装置、又は、赤外線センサ若しくは圧力センサ等の各種センサを有し、ユーザの姿、所在、又は挙動等に関する情報を取得してもよい。あるいは、情報入力機器2は、マイク等の収音装置を有し、ユーザの発する声等に基づく音声情報を取得してもよい。情報入力機器2は、取得した情報を、画像表示装置1に送信するために適した情報形式に加工して、画像表示装置1に送信してもよい。
【0035】
画像表示機器3は、画像表示面Sに背景画像D1及び重畳画像D2の少なくともいずれかを表示する装置である。上述したように本実施形態において画像表示面Sは壁面であることから、画像表示機器3はプロジェクタとして構成されており、背景画像D1及び重畳画像D2の少なくともいずれかを画像表示面Sに投影することにより、当該画像を表示する。画像表示機器3は、複数の画像表示面Sのそれぞれに対応して複数備えられていてもよい。
【0036】
ここでは、プロジェクタとして構成される画像表示機器3は、背景画像D1を画像表示面Sに投影するための背景画像表示機器30(第1プロジェクタ)と、重畳画像D2を当該画像表示面Sに投影するための重畳画像表示機器31(第2プロジェクタ)と、に分かれている。なお、画像表示機器3は、一の当該画像表示機器3により背景画像D1及び重畳画像D2の両方を画像表示面Sに投影可能であってもよい。
【0037】
なお、画像表示面Sが液晶ディスプレイ等のディスプレイである場合には、画像表示機器3は、当該ディスプレイを制御して当該ディスプレイに背景画像D1及び重畳画像D2の少なくともいずれかを表示させる装置であってもよい。この場合、画像表示機器3は、ディスプレイとして構成される画像表示面Sと一体として(画像表示面Sに内蔵されて)構成されていてもよい。
【0038】
刺激発生機器4は、刺激を発生させる装置である。より詳細には、刺激発生機器4は、複数の画像表示面Sが設置された所定のエリア(例えば、部屋R)内において刺激を発生させる。「刺激」とは、ユーザにより知覚可能な現象である。換言すると、刺激とは、ユーザの五感の少なくともいずれかに作用する現象である。例えば、刺激とは、匂い(芳香)、振動、光、音、ミスト(霧)等であってもよい。また、刺激は、複数の現象(例えば、匂い及び音)の組合せとして構成されていてもよい。刺激が光である場合には、刺激としての光は背景画像D1及び重畳画像D2とは別の光である。
【0039】
具体的に、刺激が匂いである場合には、刺激発生機器4は芳香発生器であってもよい。芳香発生器は、嗅覚により知覚可能な分子(匂い分子)等を放出する装置である。また、刺激が振動である場合には、刺激発生機器4はバイブレータであってもよい。また、刺激が光である場合には、刺激発生機器4は照明であってもよい。照明としては、LED、蛍光灯、又はネオンサイン等であってもよい。刺激が音である場合には、刺激発生機器4はスピーカ等であってもよい。刺激がミストである場合には、刺激発生機器4はミスト発生器であってもよい。ミスト発生器は、水を霧化して放出する装置であり、例えば熱又は振動により水を霧化してもよい。ここで、「霧化」とは、水を微小な水滴(霧状の水)にして空気中に放出することを意味している。
【0040】
次に、画像表示装置1の機能について説明する。画像表示装置1のコンピュータCは、機能的には、背景画像表示部10、重畳画像表示部11、レイアウト設定部12、プレビュー画像表示部13、刺激発生部14、刺激設定部15、画像表示面変更部16、背景画像提案部17、及びイベント入力受付部18を有している。
【0041】
背景画像表示部10は、複数の画像表示面Sのそれぞれに背景画像D1を表示可能である。背景画像表示部10は、複数の画像表示面Sのそれぞれに表示すべき背景画像D1に関する情報を画像表示機器3(例えば、背景画像表示機器30)に送信することにより、当該画像表示面Sに背景画像D1を表示させる。背景画像表示部10は、予め設定された背景画像D1を画像表示面Sに表示させてもよく、例えば情報入力機器2から入力された情報に基づいて決定される背景画像D1を画像表示面Sに表示させてもよい。背景画像表示部10は、各画像表示面Sについて、互いに異なる背景画像D1をそれぞれの画像表示面Sに表示させてもよい。
【0042】
重畳画像表示部11は、複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに、当該画像表示面Sに表示された背景画像D1に重畳させて重畳画像D2を表示可能である。重畳画像表示部11は、複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに表示すべき重畳画像D2に関する情報を画像表示機器3(例えば、重畳画像表示機器31)に送信することにより、当該画像表示面Sに重畳画像D2を表示させる。重畳画像表示部11は、予め設定された重畳画像D2を画像表示面Sに表示させてもよく、例えば情報入力機器2から入力された情報に基づいて決定される重畳画像D2を画像表示面Sに表示させてもよい。また、重畳画像表示部11は、複数の画像表示面Sのうち、予め設定された画像表示面Sに重畳画像D2を表示させてもよく、例えば情報入力機器2から入力された情報に基づいて選択される画像表示面Sに重畳画像D2を表示させてもよい。
【0043】
レイアウト設定部12は、画像表示面Sに背景画像D1及び重畳画像D2を表示するレイアウトを設定する。「レイアウト」とは、画像表示面Sにおいて表示される背景画像D1及び重畳画像D2の態様である。レイアウトには、静的レイアウト及び動的レイアウトがあってもよい。「態様」とは、背景画像D1及び重畳画像D2がどのように表示されるかを意味している。例えば、背景画像D1及び重畳画像D2の態様としては、画像表示面Sにおいて表示される位置、大きさ、及び範囲等の少なくともいずれかの情報が含まれてもよい。また、背景画像D1及び重畳画像D2の態様としては、背景画像D1及び重畳画像D2がいずれの画像表示面Sに表示されるかの情報が含まれていてもよい。
【0044】
「静的レイアウト」とは、背景画像D1及び重畳画像D2が表示される態様が経時的に変化しないレイアウトである。「経時的に変化しない」とは、動画のように画像が動くものではなく、且つ、所定のタイミングで画像(静止画)が切り替わるようなものでもないことを意味している。
【0045】
「動的レイアウト」とは、背景画像D1及び重畳画像D2が表示される態様が経時的に変化するレイアウトである。「経時的に変化する」とは、動画のように画像が動くものであってもよく、所定のタイミングで画像(静止画)が切り替わるようなものであってもよい。「動画のように画像が動く」とは、背景画像D1及び重畳画像D2の少なくとも一部が表示される位置が動くことを意味してもよく、背景画像D1及び重畳画像D2の少なくとも一部が表示される画像表示面Sが変わることを意味してもよい。「所定のタイミング」とは、予め設定された時間間隔で規定されるタイミングであってもよく、この場合、時間間隔とは例えば5分間隔又は10分間隔等であってもよい。
【0046】
プレビュー画像表示部13は、レイアウト設定部12により設定されたレイアウトに基づいて背景画像D1及び重畳画像D2が表示された状態を表すプレビュー画像を表示させる。プレビュー画像表示部13は、プレビュー画像を、例えば画像表示装置1に設けられた画面に表示させてもよく、画像表示装置1に接続された外部機器としての画面に表示させてもよい。
【0047】
「プレビュー画像」とは、背景画像D1及び重畳画像D2が画像表示面Sに表示された状態を示す画像である。プレビュー画像は、各画像表示面Sに表示される背景画像D1及び重畳画像D2を画像表示面Sごとに表示する画像であってもよい。あるいは、プレビュー画像は、複数の画像表示面S(例えば、全ての画像表示面S)に表示される背景画像D1及び重畳画像D2を、実際に複数の画像表示面Sが配置される状態に即して三次元的に表示する画像であってもよく、実際に複数の画像表示面Sが配置される位置に背景画像D1及び重畳画像D2の情報が含まれる画像ファイル(又は、動画ファイル)のファイル名を表示する画像であってもよい。
【0048】
刺激発生部14は、画像表示面Sに表示された背景画像D1及び重畳画像D2に応じた刺激を発生させる。刺激発生部14は、発生させるべき刺激に関する情報を刺激発生機器4に送信することにより、刺激発生機器4を動作させて刺激を発生させる。刺激発生部14は、画像表示面Sに表示された背景画像D1及び重畳画像D2に応じてどのような内容の刺激を発生させるかについて、予め指定されていてもよく、後述する刺激設定部15により都度設定してもよい。
【0049】
刺激設定部15は、刺激発生部14により発生させられる刺激の内容を設定する。「刺激の内容」とは、刺激の定量的な特徴を意味していてもよく、刺激の定性的な特徴を意味していてもよい。
【0050】
「刺激の定量的な特徴」とは、例えば、刺激の強度、量、又は大きさ等の指標により指定される特徴であってもよい。具体的には、刺激が匂いである場合には、発生する匂いの強度(放出される匂い分子の数又は濃度)であってもよい。刺激が振動である場合には、振動の強度又は大きさ(振幅、周期、加速度等)であってもよい。刺激が光である場合には、発生する光の強度(明るさ等)であってもよい。刺激が音である場合には、発生する音の大きさ(音圧等)であってもよい。刺激がミストである場合には、放出されるミストの量(水量、単位体積当たりの水滴数等)であってもよい。
【0051】
「刺激の定性的な特徴」とは、例えば、刺激の種類等として指定される特徴であってもよい。具体的には、刺激が匂いである場合には、発生する匂いの種類(放出される匂い分子の種類)であってもよい。刺激が振動である場合には、振動のパターンであってもよい。刺激が光である場合には、発生する光の色又は発光のパターンであってもよい。刺激が音である場合には、発生する音の音声内容、メロディー、音階、音質、音色等であってもよい。刺激がミストである場合には、発生するミストの温度又はミスト発生のパターンであってもよい。
【0052】
刺激設定部15は、刺激発生部14により発生させられる刺激の内容を、背景画像D1又は重畳画像D2が切り替わることを契機として変更するように設定してもよい。また、刺激設定部15は、刺激発生部14により発生させられる刺激の内容を、カメラ等の撮像装置として構成された情報入力機器2により検出された背景画像D1又は重畳画像D2の内容に応じて設定してもよく、背景画像D1又は重畳画像D2が表示される画像表示面Sの数に応じて設定してもよい。
【0053】
刺激設定部15は、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに背景画像D1が表示されている場合において、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに重畳画像D2が表示されているときと、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sのいずれにも重畳画像D2が表示されていないときとで、互いに異なる内容の刺激を設定してもよい。具体的な一例として、刺激が音である場合には、刺激設定部15は、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに背景画像D1が表示されている場合において、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに重畳画像D2が表示されているときには、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sのいずれにも重畳画像D2が表示されていないときと比較して、刺激発生部14により発生させられる音の大きさを小さく設定してもよい。これによれば、例えばユーザが重畳画像D2に意識を集中させやすい環境を作ることも可能となる。
【0054】
画像表示面変更部16は、重畳画像表示部11により重畳画像D2が表示される画像表示面Sを別の画像表示面Sに変更させる。画像表示面変更部16は、例えば情報入力機器2から受信した情報に基づいて、重畳画像D2が表示される画像表示面Sを別の画像表示面Sに変更させてもよい。この場合、情報入力機器2は、ユーザにより操作されることにより、重畳画像D2を表示させるべき画像表示面Sの情報を取得し、取得した情報を画像表示装置1の画像表示面変更部16に送信してもよい。
【0055】
例えば、情報入力機器2がカメラ等の撮像装置、又は、赤外線センサ若しくは圧力センサ等の各種センサである場合には、画像表示面変更部16は、ユーザが画像表示面Sに対して特定のジェスチャ(例えば、手指等を払うように動かすスワイプ操作のジェスチャ)を行ったことを検出して、重畳画像D2が表示される画像表示面Sを別の画像表示面Sに変更させてもよい。このとき、ユーザにより行われるスワイプ操作等のジェスチャは、ユーザが画像表示面Sに実際に触れながら行われることを要件としてもよく、触れながら行われることを要件としなくてもよい。
【0056】
背景画像提案部17は、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに表示される背景画像D1を提案する。背景画像提案部17は、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに表示された重畳画像D2に基づいて、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに表示させる背景画像D1を提案してもよい。例えば、背景画像提案部17は、画像表示面Sに表示された重畳画像D2に含まれるキーワード、又は、重畳画像D2のデザイン若しくは色等に基づいて、背景画像D1を提案してもよい。この場合、背景画像提案部17は、機械学習により取得された学習済みモデルを用いて、提案すべき背景画像D1を選定してもよい。換言すると、背景画像提案部17は、いわゆるAI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いて、提案すべき背景画像D1を選定してもよい。あるいは、背景画像提案部17は、予め背景画像D1と重畳画像D2とを対応させた対応マップを記憶しており、当該対応マップを用いて、提案すべき背景画像D1を選定してもよい。
【0057】
背景画像提案部17は、後述するイベント入力受付部18により入力を受け付けられたイベントに基づいて、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに表示される背景画像D1を提案してもよい。この場合においても、背景画像提案部17は、機械学習により取得された学習済みモデルを用いて(すなわち、いわゆるAIを用いて)提案すべき背景画像D1を選定してもよい。あるいは、背景画像提案部17は、予め背景画像D1とイベントとを対応させた対応マップを記憶しており、当該対応マップを用いて、提案すべき背景画像D1を選定してもよい。
【0058】
イベント入力受付部18は、ユーザにより行われるイベントの入力を受け付ける。「イベント」とは、催し物の種類であり、例えば会議、セミナー、又は食事会等であってもよい。また、「ユーザにより行われるイベント」とは、画像表示装置1が使用される場面においてユーザにより行われるイベントを意味していてもよく、具体的には、複数の画像表示面Sが設けられている部屋Rにおいて開催されるイベントを意味していてもよい。イベント入力受付部18は、例えば情報入力機器2から受信した情報に基づいて、ユーザにより行われるイベントの入力を受け付けてもよい。
【0059】
[画像表示プログラム]
コンピュータCを画像表示装置1として機能させるための画像表示プログラムPについて説明する。図3は、画像表示プログラムPを示すブロック図である。図3に示される画像表示プログラムPは、複数の画像表示面Sのそれぞれに背景画像D1を表示させるとともに、複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに重畳画像D2を表示させるプログラムである。
【0060】
画像表示プログラムPは、メインモジュールMM、背景画像表示モジュールM10、重畳画像表示モジュールM11、レイアウト設定モジュールM12、プレビュー画像表示モジュールM13、刺激発生モジュールM14、刺激設定モジュールM15、画像表示面変更モジュールM16、背景画像提案モジュールM17、及びイベント入力受付モジュールM18を備えている。
【0061】
メインモジュールMMは、コンピュータCを統括的に制御する部分である。背景画像表示モジュールM10、重畳画像表示モジュールM11、レイアウト設定モジュールM12、プレビュー画像表示モジュールM13、刺激発生モジュールM14、刺激設定モジュールM15、画像表示面変更モジュールM16、背景画像提案モジュールM17、及びイベント入力受付モジュールM18のそれぞれを実行させることにより実現される機能は、背景画像表示部10、重畳画像表示部11、レイアウト設定部12、プレビュー画像表示部13、刺激発生部14、刺激設定部15、画像表示面変更部16、背景画像提案部17、及びイベント入力受付部18のそれぞれの機能と同様である。なお、画像表示プログラムPは、上述した各モジュールのうち、メインモジュールMM、背景画像表示モジュールM10、及び重畳画像表示モジュールM11以外の一部のモジュールを備えていなくてもよい。
【0062】
[作用及び効果]
以上説明したように、画像表示プログラムPは、コンピュータCを、複数の画像表示面Sのそれぞれに背景画像D1を表示可能な背景画像表示部10と、複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに、当該画像表示面Sに表示された背景画像D1に重畳させて重畳画像D2を表示可能な重畳画像表示部11と、として機能させる。
【0063】
画像表示装置1は、複数の画像表示面Sのそれぞれに背景画像D1を表示可能な背景画像表示部10と、複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに、当該画像表示面Sに表示された背景画像D1に重畳させて重畳画像D2を表示可能な重畳画像表示部11と、を備える。
【0064】
画像表示プログラムP及び画像表示装置1の少なくともいずれかによれば、複数の画像表示面Sのそれぞれに表示される背景画像D1のみならず、画像表示面Sの少なくともいずれかにおいて背景画像D1に重畳画像D2を重畳させて表示させることができる。このため、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を増大させることが可能となる。
【0065】
画像表示プログラムPは、コンピュータCを、画像表示面Sに背景画像D1及び重畳画像D2を表示するレイアウトを設定するレイアウト設定部12として機能させる。これによれば、画像表示面Sに背景画像D1及び重畳画像D2を表示するレイアウトを所望の態様に設定可能となる。このため、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0066】
画像表示プログラムPは、コンピュータCを、レイアウト設定部12により設定されたレイアウトに基づいて背景画像D1及び重畳画像D2が表示された状態を表すプレビュー画像を表示させるプレビュー画像表示部13として機能させる。これによれば、画像表示面Sに背景画像D1及び重畳画像D2を表示するレイアウトを予め視覚的に確認することが可能となる。
【0067】
画像表示プログラムPでは、レイアウトは、背景画像D1及び重畳画像D2が表示される態様が経時的に変化する動的レイアウトである。これによれば、ユーザに対して視覚的な情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0068】
画像表示プログラムPは、コンピュータCを、画像表示面Sに表示された背景画像D1又は重畳画像D2に応じた刺激を発生させる刺激発生部14として機能させる。これによれば、背景画像D1及び重畳画像D2に加えて、ユーザに対して種々の刺激による情報を提供することができる。よって、ユーザに対して情報を提供する態様の自由度を、視覚的な態様以外の態様も含めて一層増大させることが可能となる。
【0069】
画像表示プログラムPは、コンピュータCを、刺激発生部14により発生させられる刺激の内容を設定する刺激設定部15として機能させる。これによれば、発生させる刺激の内容を所望の内容に設定可能となる。このため、ユーザに対して情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0070】
画像表示プログラムPでは、刺激設定部15は、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに背景画像D1が表示されている場合において、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに重畳画像D2が表示されているときと、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sのいずれにも重畳画像D2が表示されていないときとで、互いに異なる内容の刺激を設定する。これによれば、複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに重畳画像D2が表示されているか否かに応じて異なる内容の刺激を発生させることができるため、ユーザに対して情報を提供する態様の自由度を一層増大させることが可能となる。
【0071】
画像表示プログラムPは、コンピュータCを、重畳画像表示部11により重畳画像D2が表示される画像表示面Sを別の画像表示面Sに変更させる画像表示面変更部16として機能させる。これによれば、例えば、ユーザから視認されやすい画像表示面Sに重畳画像D2を移動させたり、敢えてユーザから視認されにくい画像表示面Sに重畳画像D2を移動させたりすることが可能となる。よって、ユーザに対して視覚的な情報を所望の態様で提供することが可能となる。
【0072】
画像表示プログラムPは、コンピュータCを、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに表示される背景画像D1を提案する背景画像提案部17として機能させる。これによれば、好適な背景画像D1をユーザに提案可能となる。また、これによれば、ユーザが背景画像D1を自ら選別する手間が軽減されるため、利便性が向上する。
【0073】
画像表示プログラムPでは、背景画像提案部17は、重畳画像表示部11により複数の画像表示面Sの少なくともいずれかに表示された重畳画像D2に基づいて、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに表示される背景画像D1を提案する。これによれば、表示された重畳画像D2に合った背景画像D1をユーザに提案可能となる。
【0074】
画像表示プログラムPは、コンピュータCを、ユーザにより行われるイベントの入力を受け付けるイベント入力受付部18として機能させ、背景画像提案部17は、イベント入力受付部18により入力を受け付けられたイベントに基づいて、背景画像表示部10により複数の画像表示面Sのそれぞれに表示される背景画像D1を提案する。これによれば、ユーザにより行われるイベントに合った背景画像D1をユーザに提案可能となる。
【0075】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0076】
例えば、上述した実施形態において、複数の画像表示面Sのそれぞれは、建物内の部屋Rの各壁面として構成されている。つまり、画像表示装置1は屋内において使用されている。しかし、画像表示装置1は、屋外において使用されてもよい。この場合、複数の画像表示面Sのそれぞれは、屋外に設置された衝立等であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 画像表示装置
2 情報入力機器
3 画像表示機器
4 刺激発生機器
10 背景画像表示部
11 重畳画像表示部
12 レイアウト設定部
13 プレビュー画像表示部
14 刺激発生部
15 刺激設定部
16 画像表示面変更部
17 背景画像提案部
18 イベント入力受付部
C コンピュータ
D1 背景画像
D2 重畳画像
P 画像表示プログラム
R 部屋
S 画像表示面
図1
図2
図3