(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】エクステンデッドリアリティ対話用の機器および方法ならびにそのコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 67/131 20220101AFI20240823BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240823BHJP
【FI】
H04L67/131
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2023072344
(22)【出願日】2023-04-26
【審査請求日】2023-04-27
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520178021
【氏名又は名称】萬達人工智慧科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林均達
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-522763(JP,A)
【文献】特開2016-126500(JP,A)
【文献】国際公開第2022/091832(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第113971230(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/131
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エクステンデッドリアリティ(extended reality、XR)対話用の電子計算機器であって、
仮想対象物に対応する活動データを記憶するように構成された記憶領域と、
前記記憶領域と電気的に接続され、前記活動データに基づきデータブロックを生成するように構成されたプロセッサであって、前記データブロックは、前記活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、前記仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で前記仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるプロセッサと、
前記記憶領域および前記プロセッサと電気的に接続され、受信者機器に前記データブロックを伝送するように構成された送受信機であって、その結果、前記受信者機器は前記タグ情報、前記対象物情報、および前記動き情報に従って第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示する送受信機と
を備える電子計算機器。
【請求項2】
前記データブロックは補正情報をさらに備え、
前記受信者機器は前記タグ情報、前記対象物情報、前記動き情報、および前記補正情報に従って前記仮想対象物の前記動きを提示し、前記受信者
機器は、前記補正情報に従って視野補正を遂行する
ことを特徴とする、請求項1に記載の電子計算機器。
【請求項3】
前記送受信機は、前記第1のXR環境を維持するサーバを介して前記受信者機器に前記データブロックを伝送することを特徴とする、請求項1に記載の電子計算機器。
【請求項4】
前記仮想対象物に対応する実行者の動きを取り込むことによって前記活動データを生成するように構成された、前記記憶領域および前記プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素をさらに備える、請求項1に記載の電子計算機器。
【請求項5】
前記記憶領域は、少なくとも1つのAIモデルを記憶するようにさらに構成され、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのAIモデルを介して前記活動データを生成するようにさらに構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電子計算機器。
【請求項6】
エクステンデッドリアリティ(XR)対話用の電子計算機器であって、
送信者機器からデータブロックを受信するように構成された送受信機であって、前記データブロックは、前記データブロックを生成するために使用する活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で前記仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備える送受信機と、
前記送受信機と電気的に接続され、前記タグ情報、前記対象物情報、および前記動き情報に従って第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するように構成されたプロセッサと
を備える電子計算機器。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第2のXR環境を維持するようにさらに構成され、
前記電子計算機器は、前記プロセッサおよび前記送受信機と電気的に接続された記憶領域をさらに備え、前記記憶領域は、前記第2のXR環境に従ってAR処理モジュール、VR処理モジュール、および3D処理モジュールのうち少なくとも1つを記憶するように構成され、
前記プロセッサは、前記AR処理モジュール、前記VR処理モジュール、または3D処理モジュールを介して前記第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するようにさらに構成される
ことを特徴とする、請求項6に記載の電子計算機器。
【請求項8】
前記データブロックは補正情報をさらに備え、
前記プロセッサは前記タグ情報、前記対象物情報、前記動き情報、および前記補正情報に従って前記仮想対象物の前記動きを提示し、前記補正情報に従って視野補正を遂行するようにさらに構成される
ことを特徴とする、請求項6に記載の電子計算機器。
【請求項9】
前記送受信機は、前記第1のXR環境を維持するサーバを介して前記送信者機器から前記データブロックを受信し、
前記プロセッサは、前記第2のXR環境を維持するようにさらに構成される
ことを特徴とする、請求項6に記載の電子計算機器。
【請求項10】
前記データブロックは、前記送信者機器の少なくとも1つのAIモデルにより生成されることを特徴とする、請求項6に記載の電子計算機器。
【請求項11】
エクステンデッドリアリティ(XR)対話用の方法であって、
電子計算機器により、仮想対象物に対応する活動データに基づきデータブロックを生成するステップであって、前記データブロックは、前記活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、前記仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で前記仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップと、
前記電子計算機器により、受信者機器に前記データブロックを伝送するステップであって、その結果、
前記受信者機器は前記タグ情報、前記対象物情報、および前記動き情報に従って第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するステップと
を備える方法。
【請求項12】
前記データブロックは補正情報をさらに備え、
前記受信者機器は前記タグ情報、前記対象物情報、前記動き情報、および前記補正情報に従って前記仮想対象物の前記動きを提示し、前記補正情報に従って視野補正を提示する
ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電子計算機器は、前記第1のXR環境を維持するサーバを介して前記受信者機器に前記データブロックを伝送することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記電子計算機器は少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素を備え、前記方法は、
前記電子計算機器により、前記少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素を用いて前記仮想対象物に対応する実行者の動きを取り込むことによって前記活動データを生成するステップ
をさらに備えることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記電子計算機器により、前記電子計算機器に記憶された少なくとも1つのAIモデルを介して前記活動データを生成するステップ
をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
エクステンデッドリアリティ(XR)対話用の方法であって、
電子計算機器により、送信者機器からデータブロックを受信するステップであって、前記データブロックは、前記データブロックを生成するために使用する活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で前記仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップと、
前記電子計算機器により前記タグ情報、前記対象物情報、および前記動き情報に従って第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するステップと
を備える方法。
【請求項17】
前記電子計算機器は、前記第2のXR環境を維持し、前記第2のXR環境に対応するAR処理モジュール、VR処理モジュール、および3D処理モジュールのうち少なくとも1つを記憶し、前記方法は、
前記電子計算機器により、前記AR処理モジュール、前記VR処理モジュール、または3D処理モジュールを介して前記第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するステップ
をさらに備えることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記データブロックは補正情報をさらに備え、
前記電子計算機器は前記タグ情報、前記対象物情報、前記動き情報、および前記補正情報に従って前記仮想対象物の前記動きを提示し、前記方法は、前記電子計算機器により、前記補正情報に従って視野補正を遂行するステップをさらに備える
ことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記電子計算機器は、前記第1のXR環境を維持するサーバを介して前記送信者機器から前記データブロックを受信し、
前記電子計算機器は前記第2のXR環境を維持する
ことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記データブロックは、前記送信者機器の少なくとも1つのAIモデルにより生成されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、
仮想対象物に対応する活動データに基づきデータブロックを生成するステップであって、前記データブロックは、前記活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、前記仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で前記仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップ、ならびに
受信者機器にデータブロックを伝送するステップであって、その結果、前記受信者機器は前記タグ情報、前記対象物情報、および前記動き情報に従って第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するステップ
として電子計算機器がエクステンデッドリアリティ(XR)対話用の方法を実行する複数のプログラム命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記データブロックは補正情報をさらに備え、
前記受信者機器は前記タグ情報、前記対象物情報、前記動き情報、および前記補正情報に従って前記仮想対象物の前記動きを提示し、前記補正情報に従って視野補正を遂行する
ことを特徴とする、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記電子計算機器は、前記第1のXR環境を維持するサーバを介して前記受信者機器に前記データブロックを伝送することを特徴とする、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記電子計算機器は少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素を備え、前記方法は、
前記少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素を用いて前記仮想対象物に対応する実行者の動きを取り込むことによって前記活動データを生成するステップ
をさらに備えることを特徴とする、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記方法は、
前記電子計算機器に記憶された少なくとも1つのAIモデルを介して前記活動データを生成するステップ
をさらに備えることを特徴とする、請求項21に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、
送信者機器からデータブロックを受信するステップであって、前記データブロックはタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で前記仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップ、および
前記タグ情報、前記対象物情報、および前記動き情報に従って第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するステップ
として電子計算機器がエクステンデッドリアリティ(XR)対話用の方法を実行する複数のプログラム命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記電子計算機器は前記第2のXR環境を維持し、前記第2のXR環境に対応するAR処理モジュール、VR処理モジュール、および3D処理モジュールのうち少なくとも1つを記憶し、前記方法は、
前記AR処理モジュール、前記VR処理モジュール、または3D処理モジュールを介して前記第2のXR環境で前記仮想対象物の前記動きを提示するステップ
をさらに備えることを特徴とする、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記データブロックは補正情報をさらに備え、
前記電子計算機器は前記タグ情報、前記対象物情報、前記動き情報、および前記補正情報に従って前記仮想対象物の前記動きを提示し、前記方法は、
データ供給源に対応する視野補正を遂行するステップ
をさらに備える
ことを特徴とする、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
送受信機は、前記第1のXR環境を維持するサーバを介して前記送信者機器から前記データブロックを受信し、
前記電子計算機器は前記第2のXR環境を維持する
ことを特徴とする、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記データブロックは、前記送信者機器の少なくとも1つのAIモデルにより生成されることを特徴とする、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、全体が本明細書に援用される、2022年7月29日に出願された米国仮特許出願第63/393,302号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに没入体験を提供するために仮想現実(virtual reality、VR)、拡張現実(augmented reality、AR)、複合現実(mixed reality、MR)、3D現実などのようなさまざまなエクステンデッドリアリティ(extended reality、XR)技術が利用可能である。周知のAR技術は、Apple Inc.によるARKit、Google Inc.によるARCore、MicrosoftによるHoloLens 2、Magic Leapなどを含んでよい。周知のVR技術は、HTC Inc.によるVive、Meta Inc.によるQuest 2などを含んでよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国仮特許出願第63/393,302号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モーションキャプチャ技術、放送技術、およびXR技術を組み合わせることにより、ユーザは、前記XR技術に対応する同じタイプのXR環境で互いに対話できるようになる。たとえば、AR機器(たとえば、スマートホン)のユーザはAR環境で互いに対話できる。しかしながら、異なるXR技術(たとえば、ARおよび3D現実)で作動している機器のユーザが、自身の機器を介して互いに対話しようと試みるとき、各種のXR技術/機器はそれ自身の構成およびデータフォーマットを有するので、異なるXR技術で作動している機器は理想的に動作できるわけではない、すなわち、一方の種類のXR技術を採用する機器は、異なるXR技術を採用する別の末端機器が生成しその末端機器から受信したデータを処理(すなわち、理解)できない。したがって、異なるプラットフォームに対応したXR対話の新しい方法が当技術分野で緊急に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも上述の問題を解決するために、本開示は、XR対話用の電子計算機器を提供する。電子計算機器は記憶領域と、記憶領域と電気的に接続されたプロセッサと、記憶領域およびプロセッサと電気的に接続された送受信機とを備えてよい。記憶領域は、仮想対象物に対応する活動データを記憶するように構成されてよい。プロセッサは、活動データに基づきデータブロックを生成するように構成されてよい。データブロックは、活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えてよい。送受信機は、受信者機器にデータブロックを伝送するように構成されてよく、その結果、受信者機器はタグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示する。
【0006】
少なくとも上述の問題を解決するために、本開示は、XR対話用の別の電子計算機器をさらに提供する。電子計算機器はプロセッサと、プロセッサに電気的に接続された送受信機とを備えてよい。送受信機は、送信者機器からデータブロックを受信するように構成されてよい。データブロックは、データブロックを生成するために使用する活動データを生成した機器を示すためのタグ情報と、仮想対象物に対応する対象物情報と、第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報とを備えてよい。プロセッサはタグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示するように構成されてよい。
【0007】
少なくとも上述の問題を解決するために、本開示は、XR対話用の方法をさらに提供する。方法は、
電子計算機器により、仮想対象物に対応する活動データに基づきデータブロックを生成するステップであって、データブロックは、活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップと、
電子計算機器により、受信者機器にデータブロックを伝送するステップであって、その結果、受信者機器はタグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示するステップと
を備えてよい。
【0008】
少なくとも上述の問題を解決するために、本開示は、XR対話用の別の方法をさらに提供する。方法は、
電子計算機器により、送信者機器からデータブロックを受信するステップであって、データブロックは、データブロックを生成するために使用する活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップと、
電子計算機器により、タグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示するステップと
を備えてよい。
【0009】
少なくとも上述の問題を解決するために、本開示は非一時的コンピュータ可読媒体をさらに提供する。電子計算機器は、非一時的コンピュータ可読媒体の中に備わった複数のプログラム命令が電子計算機器の中にロードされた後、XR対話用の方法を実行してよい。方法は、
仮想対象物に対応する活動データに基づきデータブロックを生成するステップであって、データブロックは、活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップと、
受信者機器にデータブロックを伝送するステップであって、その結果、受信者機器はタグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示するステップと
を備えてよい。
【0010】
少なくとも上述の問題の解決するために、本開示は別の非一時的コンピュータ可読媒体をさらに提供する。電子計算機器は、非一時的コンピュータ可読媒体の中に備わった複数のプログラム命令が電子計算機器の中にロードされた後、XR対話用の別の方法を実行してよい。方法は、
送信者機器からデータブロックを受信するステップであって、データブロックはタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップと、
タグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示するステップと
を備えてよい。
【0011】
本開示は上述のタグ情報、対象物情報、および動き情報などの情報を少なくとも備えるデータブロックを実装することによってさまざまなXR技術のデータ論理を統合する解決機構を提供する。本開示の機構を実装することにより、異なるXRプラットフォームの機器は、データブロックを介して通信を遂行することにより同じXR環境について言及してよい。これにより、各XR機器は、ローカルデータおよびデータブロックの伝送だけに集中できるようになる。すなわち、データブロックは、同じXRシステムであらゆるXR機器が話す一種の「共通言語」の役割を果たす。したがって、開示する機構は、多数のユーザ自身の機器が、異なるXR環境をサポートする場合でさえ、それらの機器を介して多数のユーザ間でXR対話を可能にし、その結果、実際に上述のような現在のXR技術の技術的問題を解決する。
【0012】
開示する機構はまた、場所および空間の制約など、現在のAR技術の限界を克服する。データ処理技術と通信プロトコルの組合せを使用することにより、開示する機構は、より高速なデータ伝送を確実にし、ユーザが互いにリアルタイムで対話可能にする。
【0013】
開示する機構を用いて、ユーザは今では、ユーザが使用しているXR技術のタイプと無関係に、互いにシームレスに参加できる。これは、より没入的な対話型仮想環境を作成する方向に向けた意義深い一歩である。換言すれば、開示する機構は、XR対話の分野で意義深い打開策を提示する。
【0014】
この概要は全体で、開示する機構の基本概念について記述し、解決すべき問題、問題を解決するための手段、および達成される効果を扱う。したがって、この概要は、以下の詳細な記述への導入部としてだけ提供されることを認識されたい。好ましい実装形態について、添付図面と共に以下の段落で詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態によるXRシステムの概略図を示す。
【
図2】
図1に示すようなXRシステム内の送信者機器および受信者機器の概略図を示す。
【
図3】
図1に示すXRシステム内の電子計算機器のスクリーンショットの概略図を示す。
【
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態によるXR対話用の方法を示す。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態によるXR対話用の別の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~
図5に示す内容は、本開示の範囲を限定するのではなく、実施形態を容易に例示するためだけにある。
【0017】
以下の記述で述べる実施形態は、開示する内容をどんな特有の環境、用途、または実装形態にも限定することを意図するものではない。以下の実施形態および添付図面では、実施形態に関係のない要素は描写から省略されていることを認識されたい。それに加えて、添付図面では個々の要素間の寸法および寸法のスケールは、限定するのではなく例示するためだけに提供される。その上、同じ(または類似する)参照番号は、特に指定のない限り、適切な場合、同じ(または類似する)要素に対応してよい。
【0018】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態だけを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数形「a」は、文脈が明らかにそうではないと示さない限り複数形も同様に含むことが意図される。用語「備える(comprise)」、「含む(include)」などは役割、整数、ステップ、動作、および/または要素の存在を示すが、1つまたは複数の他の役割、整数、ステップ、動作、要素、および/またはそれらの組合せの存在および追加を排除しない。用語「および/または」は、関連する列挙項目の1つまたは複数の任意の組合せおよびすべての組合せを含む。用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、本明細書でさまざまな要素を記述するために使用されてよいが、これらの要素はこれらの用語により限定されるべきではない。これらの用語は、一方の要素を別の要素と区別するためにだけに使用される。その結果、たとえば以下で記述する第1の要素はまた、本発明の精神および範囲を逸脱することなく第2の要素を指す可能性がある。
【0019】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるXRシステムの概略図を示す。
図2は、
図1に示すようなXRシステム1内の送信者機器および受信者機器の概略図を示す。
最初に
図1を参照されたい。提案する解決機構を実装する第1の方法は、一般にAR、VR、3Dなどのような異なるXR環境で仮想対象物(たとえば、XRシステム1の実世界ユーザに対応するアバタ/仮想人物、風景、装飾対象物、対話対象物など)のリアルタイム表現を提供できるXRシステム1を伴う。
XRシステム1はまた、ユーザが自身の末端機器上で互いに、または他の仮想対象物と遠隔で対話できるようにする。前記対話は、たとえば音声、手ぶり、姿勢、顔の表情などを介して遂行されてよい。
【0020】
前述の結果を達成するために、XRシステム1は、多数の電子計算機器、たとえば
図1に示すような電子計算機器D1~D4を備えてよい。各電子計算機器は、それ自身のXR環境(たとえば、AR、VR、3Dなど)を維持してよい。具体的には、電子計算機器D1~D4は、それぞれXR環境E1~E4を維持してよい。
【0021】
各電子計算機器は、基本的に送受信機を備えてよい。各電子計算機器の送受信機は、外側にある他の機器と有線または無線の接続を遂行するように構成されてよい。例として無線通信を取り上げると、送受信機はアンテナ、増幅器、変調器、復調器、検出器、AD変換器、DA変換器、または他の通信要素を備えてよいがそれらに限定されない。例として、有線通信を取り上げると、送受信機は、たとえばギガビットイーサネット送受信機、ギガビット・イーサネット・インタフェース・コンバータ(gigabit Ethernet interface converter、GBIC)、小さなフォームファクタのプラグ式(small form-factor pluggable、SFP)送受信機、10ギガビットの小さなフォームファクタのプラグ式(ten-gigabit small form-factor pluggable、XFP)送受信機などであってよいがそれらに限定されなくてよい。電子計算機器D1~D4は、
図1に示すようにチャネルP12、P13、P14、P23、P24、およびP34で自身の送受信機を介して互いに通信してよい。
【0022】
各電子計算機器は、送受信機と電気的に接続されたプロセッサをさらに備えてよい。各電子計算機器のプロセッサは、信号処理できるさまざまなマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラのいずれかであってよい。マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラは動作、記憶、出力/入力などの機能を有する、一種のプログラム可能な特殊な集積回路である。その上、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラは、符号化されたさまざまな命令を受け入れて処理することができ、それにより、さまざまな論理演算および算術演算を遂行し、対応する動作結果を出力する。プロセッサは、電子計算機器でデータを処理し、さまざまな動作プログラムまたはアプリケーションを実行するために、さまざまな命令を解釈するようプログラムされてよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、XRシステム1内の各電子計算機器は、プロセッサおよび送受信機に電気的に接続された記憶領域をさらに備えてよい。記憶領域は、一般に電子計算機器が生成したデータ、外部機器が伝送したデータ、および/またはユーザが入力したデータを記憶するように構成されてよい。記憶領域は、第1レベルのメモリ(さらにまた主記憶または内部メモリとも呼ばれる)を備えてよく、プロセッサは、第1レベルのメモリに記憶した命令セットを直接に読み出して、必要に応じてこれらの命令セットを実行してよい。記憶領域は、任意選択で第2レベルのメモリ(さらにまた外部メモリまたは補助記憶とも呼ばれる)を備えてよく、第2レベルのメモリは、データバッファを使用して、第1レベルのメモリに記憶したデータを伝送してよい。たとえば、第2レベルのメモリは、ハードディスク、光ディスクなどであってよいがそれらに限定されない。記憶領域は、任意選択でプラグ・アンド・プレイ記憶領域またはクラウド記憶領域などの第3レベルのメモリを備えてよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、記憶領域に加えて、XRシステム1内の電子計算機器は、プロセッサおよび記憶領域と電気的に接続された少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素をさらに備えてよい。モーションキャプチャ構成要素は、人間/動物の身体または前記身体の一定部分の輪郭、形状、および/または動きを取り込むように、または取り込むために外部モーションキャプチャ機器と協働するように構成されてよい。たとえば顔の表情もしくは形状、空間位置、ならびに人(または、「実行者」と呼ばれる)の手、足、耳、胸、腰、脊椎、胸骨、肢、および/または他の部分は、モーションキャプチャ構成要素自身により、またはさらに外部モーションキャプチャ機器と協働して取り込まれてよい。翼、尾などのような動物の姿勢もまた、モーションキャプチャ構成要素自身により、またはさらに外部モーションキャプチャ機器と協働して取り込まれてよい。
モーションキャプチャ構成要素が生成したデータは、たとえばMotion Vision Neuroscience(MVN)、Biovision Hierarchy(BVH)、Filmbox(FBX)、JSON、CSV、TSV、XML、Protobufのフォーマット、または他の類似データフォーマットであってよい、またはプロセッサにより前記フォーマットに変換されてよい。
【0025】
モーションキャプチャ構成要素はXsens、Neuron、Rokoko、Vicon、Optitrack、ReallusionによるiClone、FaceRig、ARKit顔追跡、ARCore顔追跡、Vuforia顔追跡などのような、会社が提供する機器および/またはソフトウェアをサポートする集積回路として実装されてよい。モーションキャプチャ構成要素はまた、上述のこれらの有名な既存製品以外の深さカメラ、モーショントラッカ、またはモーションキャプチャ機器をサポートしてよい、またはメディアパイプ(mediapipe)、ブレーズポーズ(blazepose)などのような、画像またはビデオを通して身体の動きを検出するAIモデルをサポートしてよい。いくつかの実施形態では、モーションキャプチャ構成要素はTensorFlow、PyTorch、JAX、Kaldi、前述のAI検出特徴を達成するフレームワークまたは他の類似フレームワークなどのAIライブラリ/ツールキットを採用してよい。いくつかの実施形態では、モーションキャプチャ構成要素は、上述の製品のうちの少なくとも1つとして実装されてよく、電子計算機器のデータ伝送インタフェースを介してプロセッサと電気的に接続される。
【0026】
いくつかの実施形態では、モーションキャプチャ構成要素は、集積回路として実装されたとき、対応する電子計算機器のプロセッサの中にさらに集積されてよい。
【0027】
図2を参照されたい。
図1に示すような電子計算機器D1~D4の各々は、異なるシナリオ/使用事例に応じて送信者機器11または受信者機器12の役割を果たしてよい。送信者および受信者の定義は、基本的には以下でさらに説明するデータブロックK1を送信および受信する機器を指す。
【0028】
送信者機器11は基本的にプロセッサ111と、プロセッサ111と電気的に接続された送受信機112と、プロセッサ111および送受信機112と電気的に接続された記憶領域113とを備えてよい。いくつかの実施形態では、送信者機器11は、プロセッサ111および記憶領域113と電気的に接続された少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素114をさらに備えてよい。他方では、受信者機器12は基本的にプロセッサ121と、プロセッサ121と電気的に接続された送受信機122とを備えてよい。いくつかの実施形態では、受信者機器12は、プロセッサ121および送受信機122と電気的に接続された記憶領域123をさらに備えてよい。
【0029】
図2に示し以下で言及するような送信者機器11のプロセッサ111、送受信機112、記憶領域123、および少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素114はそれぞれ、上記ですでに徹底的に記述し、その結果、本明細書で繰り返さない送信者機器11、可能な/実現可能な構造、実装形態、アプリケーションの役割を果たす、電子計算機器D1~D4の中の電子計算機器のプロセッサ、送受信機、記憶領域、およびモーションキャプチャ構成要素を指すことがあることに留意されたい。同様に、
図2に示し以下で言及するような受信者機器12のプロセッサ121、送受信機122、および記憶領域123はそれぞれ、同じく上記で徹底的に記述した受信者機器12、可能な/実現可能な構造、実装形態、アプリケーションの役割を果たす、電子計算機器D1~D4の中の電子計算機器のプロセッサ、送受信機、および記憶領域を指すことがある。
【0030】
ユーザ間でXR対話を達成するために、ある種のユーザを表す、または前記ユーザが操作する1つまたは複数の仮想対象物は、他のユーザの電子計算機器上で実行される他のユーザのXR環境で提示されるべきである。したがって、前記ユーザの電子計算機器(本明細書で以後、送信者機器11と呼ぶ)はその記憶領域113を介して仮想対象物に対応する活動データA1を記憶してよい。
【0031】
仮想対象物はたとえば人間、動物、植物、静止対象物、視覚効果などの形をとるアバタであってよいがそれに限定されなくてよい。活動データA1は標的の存在、外観、動きなどを記述してよい。前記標的は、送信者機器11のユーザなど、実行者と呼ばれることがある。活動データA1はたとえばBVH、FBX、JSON、CSV、TSV、XML、Protobufのフォーマット、または他の類似データフォーマットの形をとってよいがそれらに限定されなくてよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、活動データA1はユーザの姿勢、手ぶり、顔の表情などを取り込む、送信者機器11のモーションキャプチャ構成要素114を介して、送信者機器11により生成されてよい。
【0033】
送信者機器11は、活動データA1に基づき自身のプロセッサ11を介してデータブロックK1をさらに生成してよい。データブロックK1は、少なくともタグ情報、対象物情報、および動き情報を備えてよい。データブロックK1は全体で、共通XR環境で仮想対象物の存在、外観、および/または動きを記述してよい。
【0034】
タグ情報は、活動データA1を生成した機器(この場合、送信者機器11の役割を果たす電子計算機器)を示してよい。タグ情報は、データの供給源を識別するのに有用であり、さらにそれに応じてデータブロックK1を処理するのに有用である。たとえば、タグ情報は、活動データA1がXsensのモーションキャプチャ機器により生成された、またはiPhone(登録商標)のARKit、AndroidスマートホンのARCoreなどにより生成されたことを示してよい。
【0035】
対象物情報は、仮想対象物の詳細を記述するために使用されてよい。具体的には、対象物情報は仮想対象物の存在、外観、動きなどを記述するために利用できる、仮想対象物の属性を備えてよい。たとえば、活動データA1がユーザの手に対応するとき(すなわち、提示すべき仮想対象物は仮想の手である)、対象物情報は、モーションキャプチャ構成要素/外部モーションキャプチャ機器に対する手の関節の位置に対応する属性を備えてよい。
【0036】
動き情報は、その名称が示唆するように、共通XR環境で仮想対象物の動きを記述するために使用されてよい。具体的には、動き情報は、共通XR環境で仮想対象物を提示するとき、対象物情報で記述したような属性の値変化を備えてよい。共通XR環境はVR環境、AR環境、または3D現実環境のうち1つであってよく、送信者機器11と受信者機器12の両方により維持されてよい。
【0037】
共通XR環境は、「維持される」送信者機器11および受信者機器12で必ずしも実行されるわけではない。その代わりに、共通XR環境は、共通XR環境とVR環境、AR環境、または3D現実環境との間で仮想対象物を変換するための論理を記憶することによって送信者機器11および受信者機器12により維持されてよく、その結果、仮想対象物は、データブロックK1に従って共通XR環境でうまく提示されてよい。
【0038】
データブロックK1は、送受信機112および122を介して送信者機器11から受信者機器12に提供されてよい。プロセッサ121はタグ情報、対象物情報、および動き情報に従って受信者XR環境で仮想対象物の動きを提示してよい。受信者XR環境は、受信者機器12で維持および実行されるXR環境であってよい。
【0039】
具体的には、プロセッサ121は、供給源がタグ情報(たとえば、iPhoneのARKit)、および共通XR環境および受信者XR環境において動きを提示すべき対象物(たとえば、実行者の手がポーズをとるワシ)に従って活動データA1を生成したことを識別してよい。プロセッサ121は、次いで動き情報(たとえば、仮想対象物の翼を羽ばたかせる)に従って共通XR環境で前記仮想対象物の指定された動きを認識してよく、その結果、前記動きを受信者XR環境に変換してよい。なぜなら、受信者XR環境もまた共通XR環境を維持するためである。したがって、データブロックK1を伝送することにより、送信者機器11で取り込んだ/生成した動きは、異なるXR技術(たとえば、ARおよび3D VR)を2つの機器が採用する場合でさえ受信者機器12で提示可能になる。
【0040】
いくつかの実施形態では、記憶領域123は、受信者XR環境に対応するAR処理モジュールMD1、VR処理モジュールMD2、および3D処理モジュールMD3のうち少なくとも1つを記憶してよい。プロセッサ121は、AR処理モジュールMD1、VR処理モジュールMD2、または3D処理モジュールMD3を介して第2のXR環境で仮想対象物の動きをさらに提示してよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、データブロックK1は補正情報をさらに備えてよい。異なるXRプラットフォームおよび/またはモーションキャプチャ技術は異なる視野基準(たとえば、角度、取り込む、記録する、見る、および/または提示するための距離)を採用するので、受信者機器12での視野は、好ましくは良好なユーザ体験を得るために補正される。
【0042】
プロセッサ111は、活動データA1の供給源に従って共通XR環境で提示するために必要とされる視野補正情報を算出してよい。プロセッサ121は、次いで共通XR環境と自分自身のXR環境(すなわち、受信者XR環境)の間で補正情報に従って視野補正を遂行してよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、記憶領域113は、少なくとも1つのAIモデルをさらに記憶してよく、プロセッサ111は、少なくとも1つのAIモデルを介して活動データA1を生成してよい。すなわち、活動データA1は、これらの実施形態では、実行者の実世界の姿勢、手ぶり、および/または他の実演に従って必ずしも生成されるわけではない。プロセッサ111は、ある種の仮想対象物に動きを割り当ててよい、またはAIを介して前記活動データA1を生成することにより新しい仮想対象物を作成してよい。
【0044】
それに加えて、送信者機器11の中に記憶されたAIモデルは、さまざまなタイプのXR環境でアニメーション、対象物、画像、音楽、音響、ビデオ、対話、仮想人物対話、仮想人物アニメーション、仮想人物活動、および仮想人物表現を直ちに生成してよい。AIモデルは、TensorFlow、PyTorch、JAX、Kaldi、フレームワーク、または他の類似フレームワークなどのAIライブラリ/ツールキットと協働するCNN、RNN、LSTM、Autoregressive TTS、Tacotron、ESPNet、GlowTTS、FastSpeech、Vocoder、MelGAN、HiFi-GAN、Transformer、GAN、StyleGAN、GPTなどであってよい。モデルは画像認識、対象物認識、挙動認識、手追跡、身体追跡、顔認識、画像感情認識、音声感情認識、声紋認識、空間認識、音声認識、2D/3D画像生成、文章生成、音響生成、音響合成、発話認識、音声チャットシステム、音楽作成、2D/3D対象物モデル作成、人物作成、またはAIモデルの他の類似用途などの機能を含んでよい。
【0045】
図1および
図2を参照されたい。
図1に示すXRシステム1について、
図2と共にさらに説明する。いくつかの実施形態では、XRシステム1は、電子計算機器D2がサーバの役割を果たしてよく、かつ電子計算機器D1、D3、およびD4がクライアント機器の役割を果たしてよい集中型システムとして実装されてよい。クライアント機器のユーザU1~U3は、前述のデータブロックK1(本明細書で以後、「Wonderデータブロック」と呼ぶ)と同じ構造を有するデータブロックを伝送することによって自分自身の機器で互いに対話してよい。
【0046】
サーバはAmazon Web Service(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Cloudなどのクラウドサーバ、またはhttp、ftp、WebSocket、もしくはローカルコンピュータにインストールされたソケットであってよい。クライアントはスマートホン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイル計算機器などであってよい。クライアントはまた、VRゴーグルと計算機器の組合せ、またはモーションキャプチャ機器と計算機器の組合せであってよい。
【0047】
クライアント機器のいずれも送信者機器11、たとえば電子計算機器D1の役割を果たしてよい。電子計算機器D1は、自身のモーションキャプチャ構成要素を介してユーザU1の姿勢、ジェスチャ、顔の表情などを取り込んで、対応する活動データA1を生成しても、上記で記述されたようにAIモデルにより活動データA1を生成してもよい。電子計算機器D1は、次いでデータブロックK1の生成に関して上記で記述したのと同じ方法で、対応するWonderデータブロックを生成してよく、その結果、人間に似た仮想対象物J1は、他のクライアント機器(たとえば、電子計算機器D3、D4)のXR環境で提示されてよい。送信者機器11としての電子計算機器D1はまた、自身のXR環境E1で仮想対象物J1を提示してよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、電子計算機器D1は、チャネルP12を介してサーバに、すなわち電子計算機器D2にWonderデータブロックを伝送してよい。サーバ/電子計算機器D2は次いで、それぞれチャネルP23およびP24を介してその他のクライアント、すなわち電子計算機器D3およびD4にWonderデータブロックを転送してよい。この場合、サーバ/電子計算機器D2は、最初に
図2に記述するように受信者機器12の役割を果たしてよく(電子計算機器D1は送信者機器11である)、次いでその他のクライアント機器にWonderデータブロックを転送するための送信者機器11の役割を果たしてよい(電子計算機器D3およびD4の各々は受信者機器12である)。それに加えて、サーバ/電子計算機器D2のXR環境E2は、
図2に関して記述するように共通XR環境であり、電子計算機器D3およびD4は、Wonderデータブロックに含まれる少なくともタグ情報、対象物情報、および動き情報に従って自分自身のXR環境E3およびE4で仮想対象物J1の動きを提示してよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、サーバ/電子計算機器D2のプロセッサは、送信者機器11(たとえば、電子計算機器D1)の役割を果たすクライアントからWonderデータブロックを受信した時間に基づき、提示すべきフレームを自分のXR環境E2(すなわち、共通XR環境)の中に配列して、それに応じて受信者機器12の役割を果たすクライアントにWonderデータブロックを転送してよい。この機構は、各機器に提示される内容のなめらかさおよび合理性を確実にする。
【0050】
いくつかの実施形態では、電子計算機器D1は、受信者機器12の役割を果たすその他のクライアント機器に、たとえばそれぞれチャネルP13およびP14を介して電子計算機器D3およびD4にWonderデータブロックを直接に伝送してよい。
【0051】
同様に、電子計算機器D3およびD4もまた、間にあるサーバ/電子計算機器D2を用いて、または用いずに他のクライアント(たとえば、電子計算機器D1)に自分自身のWonderデータブロックを提供してよく、その結果、自身の対応する仮想対象物(たとえばユーザU2に対応する人間に似た形の)J2および(たとえば、扇子の形の)J3の動きは、Wonderデータブロックを処理することによって他のクライアントのXR環境で提示されてよい。
【0052】
各仮想対象物は、対応する電子計算機器により生成されるにもかかわらず、前記電子計算機器のユーザと同じ外観または類似する外観では必ずしもないことに留意されたい。たとえば、仮想対象物J2は、人間に似たアバタであってよいが、ユーザU2と異なる性別、容姿、身長、および/または他の属性を有する。
【0053】
その上、いくつかの実施形態では、1人のユーザ/1つの電子計算機器は、Wonderデータブロックを介して他のクライアントのXR環境で2つ以上の仮想対象物を提示させ、同期させてよい。そのような場合、ある種の仮想対象物の動きは、モーションキャプチャ構成要素および/またはモーションキャプチャ構成要素と協働する外部モーションキャプチャ機器に対してポーズをとる、および/または演じることによってユーザにより決定および制御されてよく、同じ電子計算機器に対応する他の仮想対象物の動きは、たとえば機器のプログラムまたはAIモデルにより(Wonderデータブロックを介して)自動的に決定および制御されてよい、または送受信機またはI/Oインタフェース(たとえば、タッチディスプレイ、(自動音声認識処理と協働する)マイクロホン、マウス、キーボードなど)を介してユーザが提供する命令に従って(Wonderデータブロックを介して)決定および制御されてよい。ユーザに対応する仮想対象物がプログラムまたはAIモデルにより制御されてよいという事実は、仮想対象物がユーザから独立した人物または対象物であってよく、その結果、独立した性格、気分、挙動などを有してよいことを意味する。
【0054】
図3を参照すると、
図3は、
図1に示すようなXRシステム内の電子計算機器のスクリーンショットの概略図を示す。いくつかの実施形態では、
図1に示す電子計算機器D4などのクライアントは、そのユーザU3が他のユーザの仮想対象物と対話できるようにする対話手段を提供してよい。
【0055】
たとえば、仮想ボタンB1は、電子計算機器D4のユーザインタフェースの中に提供されてよい。ユーザU3はボタンB1を押してよく、ユーザU2の仮想対象物J2に対して仮想対象物J3を振る活動に対応するWonderデータブロックを電子計算機器D4に生成させる。いくつかの実施形態では、そのようなWonderデータブロックはまた、電子計算機器D4のモーションキャプチャ構成要素により(または外部モーションキャプチャ機器と協働して)生成されてよい。
【0056】
他のクライアントに前記Wonderデータブロックを伝送することにより、振る活動の存在をあらゆるXR環境で引き起こしてよく、その結果、XRシステム1のユーザは、仮想対象物J2が自分自身の機器が提供するXR環境で仮想対象物J3により打たれたことに気づいてよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、サーバ/電子計算機器D2は、他のクライアント機器から受信したWonderデータブロックを転送することによるのではなく、任意の既存の仮想対象物またはさらにまた新しい仮想対象物の動きに対応するWonderデータブロックを生成することにより、送信者機器11の役割を果たしてよい。すなわち、サーバ/電子計算機器D2は、Wonderデータブロックを介してXRシステム1においてXR環境に状態変更を発行してよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、クライアント機器がその空間情報(たとえば、ユーザと仮想対象物の間のリアルタイム距離、絶対距離、クライアント機器間の距離、仮想対象物間の距離)を更新するとき、新しい仮想対象物の3D、AR、VRの空間場所の結びつき、AR、VR、3D現実の空間情報などは、異なるクライアント機器で同期して更新するために(壁、表面、隅などの空間関連要素、または対象物情報および動き情報が記述する標的対象物である他の仮想対象物と共に)Wonderデータブロックに変換されてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、Wonderデータブロックの伝送は、より高速でより信頼性のあるデータ伝送を確実にするためにRUDP(reliable user datagram protocol)を介して遂行されてよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、Wonderデータブロックの伝送は、最下層を通して送信者機器11のプロセッサ111が遂行するデータの圧縮、暗号化、および直列化を伴ってよい。たとえば、データブロックをマージした後、AES-256暗号化、Rijndael暗号化、Blowfish、IDEA、RC4、RC5、RC6、および暗号化用の他の暗号化フォーマットなどのデータ暗号化を遂行してよい。さらにまた7zaおよびLZMA2、tar、bz2、xz、rar、zstなどのフォーマット、または圧縮用の他の圧縮フォーマットへのデータ圧縮を遂行してよい。それに加えて、同じくバイト、Protobufへの変換、またはBVH、FBX、JSON、CSV、TSV、XMLなどの形で保存するなど、データ直列化を遂行してよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、XRシステム1内のチャネルP12、P23、P34、P14、P13、およびP24は、クラウドアクセラレーションおよび/または高速放送局を使用してより高速なデータ伝送を達成してよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ユーザにはXR環境で、ある種の内容を隠す選択肢があってよい(たとえば、ユーザU4は、XR環境E4で仮想対象物J1を提示しないことを選択する。そのような活動は、チャネルP14を介してサーバ/電子計算機器D2と電子計算機器D4の間の通信を介して行われてよい)。追加的に、いくつかの実施形態では、ある種の仮想対象物の存在は投票、会員レベル(たとえば、他の当事者よりも高い会員レベルを有するユーザは、ある種の対象物の存在を決定する、より強い権力を有してよい)などのような機構を介してXRシステム1のオンライン当事者すべてにより決定されてよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、XRシステム1の各XR環境での内容はOBS、Streamlabs、Twitch、YouTube(登録商標)、Mixer、Twitter、Facebook、モバイルアプリケーションなどのようなライブ・ストリーミング・プラットフォームを通して同時にストリーミングされてよい。
【0064】
上記によれば、XRシステム1は、本明細書のWonderデータブロックの高速かつ大容量の交換のおかげで、自分自身のXR機器を通して異なるXR環境でユーザ間のリアルタイム対話を容易にし、その結果、クロスプラットフォームXR対話を可能にする。それに加えて、Wonderデータブロックのモジュール化構造はまた開発効率を改善できる。
【0065】
提案する解決機構の第2の方法は、XR対話のための方法4および5を伴う。方法4は、
電子計算機器により、仮想対象物に対応する活動データに基づきデータブロックを生成するステップであって、データブロックは、活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップ(ステップ401の符号付き)と、
電子計算機器により、受信者機器にデータブロックを伝送するステップであって、その結果、受信者機器はタグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示するステップ(ステップ402の符号付き)と
を備えてよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法4に関して、データブロックは補正情報をさらに備えてよく、受信者機器はタグ情報、対象物情報、動き情報、および補正情報に従って仮想対象物の動きを提示してよく、補正情報に従って視野補正を提示する。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法4に関して、電子計算機器は、第1のXR環境を維持するサーバを介して受信者機器にデータブロックを伝送してよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、方法4に関して、電子計算機器は、少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素を備えてよい。その上、方法4は、電子計算機器により、少なくとも1つのモーションキャプチャ構成要素を用いて仮想対象物に対応する実行者の動きを取り込むことによって活動データを生成するステップをさらに備えてよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、方法4は、電子計算機器により、電子計算機器に記憶した少なくとも1つのAIモデルを介して活動データを生成するステップをさらに備えてよい。
【0070】
方法5については、方法5は、
電子計算機器により、送信者機器からデータブロックを受信するステップであって、データブロックは、データブロックを生成するために使用する活動データを生成した機器を示すためのタグ情報、仮想対象物に対応する対象物情報、および第1のXR環境で仮想対象物の動きを記述するための動き情報を備えるステップ(ステップ501の符号付き)と、
電子計算機器により、タグ情報、対象物情報、および動き情報に従って第2のXR環境で仮想対象物の動きを提示するステップ(ステップ502の符号付き)と
を備えてよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、方法5に関して、電子計算機器は、第2のXR環境を維持して、第2のXR環境に対応するAR処理モジュール、VR処理モジュール、および3D処理モジュールのうち少なくとも1つを記憶してよい。それに加えて、方法5は、電子計算機器により、AR処理モジュール、VR処理モジュール、または3D処理モジュールを介して第2のXR環境で対象物の動きを提示するステップをさらに備えてよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、方法5に関して、データブロックは補正情報をさらに備えてよく、電子計算機器はタグ情報、対象物情報、動き情報、および補正情報に従って仮想対象物の動きを提示してよい。それに加えて、方法5は、電子計算機器により、補正情報に従って視野補正を遂行するステップをさらに備えてよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、方法5に関して、電子計算機器は、第1のXR環境を維持するサーバを介して送信者機器からデータブロックを受信してよく、第2のXR環境を維持してよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、方法5に関して、データブロックは、送信者機器の少なくとも1つのAIモデルにより生成されてよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、方法4および方法5は、それぞれコンピュータプログラム製品として実装されてよい。コンピュータプログラム製品が電子計算機器の中にロードされたとき、複数のプログラム命令は、上記で記述するように方法4または方法5を実行するように適合される。コンピュータプログラム製品は、読出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、携帯型ハードディスク、磁気テープ、ネットワークにアクセスできるデータベース、または同じ機能を有する、当業者に周知の任意の他の記憶媒体であってよいがそれらに限定されなくてよい非一時的で有形の機械可読媒体/コンピュータ可読媒体に記憶されてよい。
【0076】
方法4または方法5の各実施形態は、基本的にはXRシステム1のある種の実施形態に対応する。したがって、当業者は、方法4および方法5の実施形態のすべてが上記で詳細に記述されているわけではないとしても、XRシステム1についての上記の記述について単に参照することにより方法4または方法5の対応する実施形態すべてを完全に理解および実装できる。
【0077】
本明細書でさまざまな実施形態を開示するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。上記で記述する実施形態の均等の対象物または方法(たとえば、上記で記述された実施形態の修正形態および/または組合せ)もまた本開示の精神および範囲を逸脱することなく本発明の一部である。本発明の保護範囲は、添付の以下の特許請求の範囲により画定される内容に従う。