(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】感染病遮断機能を備えたアンビュランス及びその室内圧力の制御方法
(51)【国際特許分類】
B60P 3/00 20060101AFI20240823BHJP
B60H 1/00 20060101ALI20240823BHJP
B60H 3/06 20060101ALI20240823BHJP
A61G 10/02 20060101ALI20240823BHJP
A61G 3/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B60P3/00 N
B60H1/00 102R
B60H1/00 102E
B60H1/00 101U
B60H1/00 101R
B60H3/06 611A
A61G10/02 C
A61G3/00
(21)【出願番号】P 2023507285
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 KR2021003981
(87)【国際公開番号】W WO2022035014
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0102622
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523033187
【氏名又は名称】セファ モーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドングン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ソンジュ
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2768735(CN,Y)
【文献】特開2005-021433(JP,A)
【文献】特開2011-025727(JP,A)
【文献】特開2012-047380(JP,A)
【文献】特開2003-083578(JP,A)
【文献】特開2004-159730(JP,A)
【文献】米国特許第10302318(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/00
B60H 1/00
B60H 3/06
A61G 10/02
A61G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を載せる空間を有する救急室と、前記救急室の内部を陽圧、陰圧、自然大気の状態の中から選択して設定する空気圧力調節部と、前記空気圧力調節部によって救急室の内部の圧力を選択的に制御する制御部と、
を備え、
前記空気圧力調節部は、外部空気を救急室内に供給する吸入部と、前記救急室内の空気を外部に排出する排出部とを含み、
前記制御部は、救急室内の圧力を感知する圧力センサと連結され、前記吸入部、排出部のオン-オフまたは空気の移動速度を制御し、前記吸入部は、排出部より吸入空気の移動速度を増大して陽圧を形成するようにし、前記排出部は、吸入部より排出空気の移動速度を増大して陰圧を形成するようにし、
前記吸入部または排出部のそれぞれは、筐体内の空気の流れ方向における前方および後方に開口部が形成され、内部に通路を備えた筐体と、前記筐体の内部に装着されて吸入力を発揮するフェンとモータとでなる駆動部
と、前記筐体の側面に形成された通気部と、前記通気部の開度率を制御する吸気ヒンジ結合される蓋と、を含み、
前記吸入部は、前記筐体の前面の開口部にヒンジ結合されて開度率を調節するカバーと、前記筐体の後面の開口部にヒンジ結合されて移動する空気を浄化するヘパフィルターと、を含み、
前記排出部は、前記筐体の後面の開口部にヒンジ結合されて開度率を調節するカバーと、前記筐体の前面の開口部にヒンジ結合されて移動する空気を浄化するヘパフィルターと、を含み、
前記吸入部は、車両に備えられたエアコン及びヒーターで構成される冷暖房空調機のダクトが連結して構成され、
前記冷暖房空調機から供給される冷房または暖房の空気は、前記吸入部を介して救急室に流入されるようにすることを特徴とする感染病遮断機能を備えたアンビュランス。
【請求項2】
請求項1に記載の感染病遮断機能を備えたアンビュランスを利用して、前記吸入部を排出部に対比して吸入フェンの速度を増大させるか、または側面の通気部の開度率を増大させて救急室内を陽圧状態に形成し、前記救急室に対する室内圧力を制御することを特徴とする感染病遮断機能を備えたアンビュランスの室内圧力の制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の感染病遮断機能を備えたアンビュランスを利用して、前記排出部を吸入部に対比して排気フェンの速度を増大させるか、または排出部の側面に形成される通気部の開度率を増大させて救急室内を陰圧状態に形成し、前記救急室に対する室内圧力を制御することを特徴とする感染病遮断機能を備えたアンビュランスの室内圧力の制御方法。
【請求項4】
前記制御部は、前記吸入部と排出部とを開放状態に維持するとともにフェンを停止して、自然大気の状態に維持して前記救急室に対する室内圧力を制御することを特徴とする請求項1に記載の感染病遮断機能を備えたアンビュランス。
【請求項5】
請求項1に記載の感染病遮断機能を備えたアンビュランスを利用して、車両の速度変化に応じて救急室の内部圧力の変化を補正できるように空気圧力調節部の作動を制御し、
前記空気圧力調節部の作動は、救急室内の圧力を感知する圧力センサの信号を受けて制御部に伝達し、制御部の信号によって駆動されるものであり、
前記救急室内の圧力が陽圧に設定され、車両の速度が低速である場合、吸入部を開放して救急室内の圧力が上昇される段階と、圧力センサが圧力が設定圧力に到逹したことを感知すれば、吸入部を閉鎖し、圧力を安定した状態に維持させる段階とを含むことを特徴とする感染病遮断機能を備えたアンビュランスの室内圧力の制御方法。
【請求項6】
請求項1に記載の感染病遮断機能を備えたアンビュランスを利用して、車両の速度変化に応じて救急室の内部圧力の変化を補正できるように空気圧力調節部の作動を制御し、
前記空気圧力調節部の作動は、救急室内の圧力を感知する圧力センサの信号を受けて制御部に伝達し、制御部の信号によって駆動されるものであり、
前記救急室内の圧力が陰圧に設定され、車両の速度が高速である場合、排出部を開放して救急室内の圧力が下降される段階と、圧力センサが圧力が設定圧力に到逹したことを感知すれば、排出部を閉鎖し、圧力を安定した状態に維持させる段階とを含むことを特徴とする感染病遮断機能を備えたアンビュランスの室内圧力の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者及び負傷者を病院へ移送して応急処置を取ることができるように装備を備えた車両であるアンビュランスに関し、アンビュランスの救急室には、患者用担架(stretcher)、各種の医療機構、医薬品などが備えられおり、応急処置のできる空間が確保されていて、事故現場から病院へ輸送する途中に車の中で応急処置を取ったり、手術など必要とされる治療を施したりすることのできるアンビュランス及びその室内圧力の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンビュランスには、先端の医療装備及び遠隔診療によって移送する間に緊急処置を行い、病院における治療への準備に万全を期するようにしている。患者の状態に応じて、傷病者を輸送する車両と、医者の同乗しない一般のアンビュランスとを選択的に出動する。しかしながら、アンビュランスは、予想できなかった状況に備えなければならない。地震発生及び、大規模の火災や突発事故、そしてマーズ、サーズ、新型コロナウイルスのような大規模の感染病患者の移送に様々な不都合が生じる。汚染地域を移動したり、様々な患者を移送したりしなければならないため、様々な応急処置及び施術に伴う施設及び機能を備えなければならず、これに加えて、患者の状態に応じて陰圧と陽圧とを通じて変換される必要があり、滅菌と殺菌の状態を維持することは重要である。ところが、アンビュランスは、病院と異なって体積の大きい装備を固定設置することは困難であるため、充分な滅菌を施行することが容易ではない。よって、迅速かつ簡便な滅菌及び殺菌装置を備えることが求められる。
【0003】
病院の手術室の場合、病院における感染防止のために、医療装備及び手術室内の大気環境の管理が非常に重要である。傷が外部に露出された上での治療行為であるだけに、汚染菌による接触遮断のため、大気圧力を高めるように送風装置を使用し、流入空気もフィルターを使用する。外部空気がフィルターを介して流入されるとしても、層流(laminar flow)換気システムによって汚染源からの感染を防止しなければならない。
【0004】
一方、呼吸器疾患の場合、逆に患者からの病菌が外部へ拡散しないように陰圧設備を使用する。陰圧は、圧力を低くすることで、外部より圧力を低めるという意味であって、病菌が車両の外に露出しないようにして、第3またはそれ以上の幾何級数的な伝染病事態を防止する必要がある。
【0005】
陰圧装置は、外部空気が車両の内部に入ってくるとしても、フィルターを介して汚染していない空気の流入であり、排出も、フィルターを介して排出されるため、病菌が内部にのみ存在できるようにする装置である。アンビュランスは、数多くの患者を移送しなければならないため、患者の状態に応じて、陰圧と陽圧とを通じて変換される必要があり、一般患者の場合は、陽圧や陰圧状態ではなく、通常の大気圧力にて適用可能でなければならない。感染病の場合、外部からのウイルスの遮断のために陰圧状態が、熱傷患者の場合は、外部における汚染菌からの感染防止のために、陽圧状態が望ましい。一方、車両の速度によるアンビュランスの内部圧力の変化を補正できるようにして、設定された内部圧力が均一に維持されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の問題点を解消するために案出されたもので、陽圧と陰圧との変化が容易であって、病菌の外部からの流入を遮断するか、内部から外部への遮断が可能となるようにし、エアコンディション装備、すなわち、エアコンヒーター装置のラジエータの病菌遮断及び滅菌が可能なアンビュランス及びその室内圧力の制御方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した本発明の目的は、患者を載せる空間を有する救急室と、前記救急室の内部を陽圧、陰圧、自然大気の状態の中から選択して設定する空気圧力調節部と、前記空気圧力調節部によって救急室の内部の圧力を選択的に制御する制御部と、エアコン及びヒーターで構成される冷暖房空調機と、前記制御部に連動されて救急室内部の圧力を感知する圧力センサとを含み、前記空気圧力調節部は、外部空気を救急室内に供給する吸入部と、前記救急室内の空気を外部に排出する排出部とを含み、前記吸入部は、前記冷暖房空調機と連結して構成され、前記冷暖房空調機から供給される冷房または暖房の空気は、前記吸入部を介して救急室に流入されるようにすることを特徴とする感染病遮断機能を備えたアンビュランスによって達成されることができる。
【0008】
前記制御部は、救急室内の圧力を感知する圧力センサと連結され、前記吸入部や排出部のオン-オフまたは空気の移動速度を制御し、前記吸入部は、排出部より吸入空気の移動速度が増大されて陰圧を形成することができ、前記排出部は、吸入部より排出空気の移動速度が増大されて陽圧を形成するようにする感染病遮断機能を備えたアンビュランスによって達成されることができる。
【0009】
前記吸入部または排出部のそれぞれは、前後方に開口部が形成され、内部に通路を備えた筐体と、筐体の内部に装着されて吸入力を発揮するフェンとモータとでなる駆動部と、筐体の前面の開口部にヒンジ結合されて開度率を調節するカバーと、筐体の後面の開口部にヒンジ結合されて移動する空気を浄化するヘパフィルターとを含むことを特徴とする。
【0010】
前記筐体の側面に形成された通気部と、前記通気部の開度率を制御する吸気ヒンジ結合される蓋を含むことを特徴とする。
【0011】
前記吸入部は、救急室の壁面上部の一側に形成され、前記排出部は、吸入部と対向する位置に形成されて、救急室の壁面下部に形成され、外部空気を直接吸入するか、または前記冷暖房空調機を介して冷温風が供給されるようにすることを特徴とする。
【0012】
前記制御部は、前記吸入部を排出部に対比して吸入フェンの速度を増大させるか、または吸入部の側面に形成される通気部の開度率を増大させて、救急室内を陽圧状態に形成し、前記救急室に対する室内圧力を制御することを特徴とする。
【0013】
前記制御部は、前記排出部を吸入部に対比して排気フェンの速度を増大させるか、または排出部の側面に形成される通気部の開度率を増大させて、救急室内を陰圧状態に形成し、前記救急室に対する室内圧力を制御することを特徴とする。
【0014】
前記制御部は、前記吸入部と排出部とを同一の吸入量と排出量とを維持して換気させるようにし、前記救急室に対する室内圧力を制御することを特徴とする。
【0015】
前記制御部は、前記吸入部と排出部とを開放状態に維持するとともにフェンを停止して、自然大気の状態に維持し、前記救急室に対する室内圧力を制御することを特徴とする。
【0016】
上記した目的は、本発明の感染病遮断機能を備えたアンビュランスを利用して車両の速度変化に応じて救急室の内部圧力の変化を補正できるように空気圧力調節部の作動を制御する方法によって達成されることができる。
【0017】
前記空気圧力調節部の作動は、救急室内の圧力を感知する圧力センサの信号を受けて制御部に伝達し、制御部の信号に従って駆動されることを特徴とする。
【0018】
前記救急室内の圧力が陽圧に設定され、車両の速度が低速である場合、吸入部を開放して救急室内の圧力が上昇される段階と、圧力センサが圧力が設定圧力に到逹したことを感知すれば、吸入部を閉鎖し、圧力を安定した状態に維持させる段階とを含んで制御する方法によって達成されることができる。
【0019】
前記救急室内の圧力が陰圧に設定され、車両の速度が高速である場合、排出部を開放して救急室内の圧力が下降される段階と、圧力センサが圧力が設定圧力に到逹したことを感知すれば、排出部を閉鎖し、圧力を安定した状態に維持させる段階とを含んで制御する方法によって達成されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、アンビュランスの救急室内に陽圧と陰圧との変化が容易であり、救急室内への病菌の外部からの流入の遮断及び内部から外部への遮断が可能になる。
【0021】
また、本発明によると、アンビュランスの救急室内のフィルターに集塵された病菌の処理が可能であるという利点があり、救急室内の患者室に設置された薬棚及び施設物における病菌の滅菌及び救急室内の冷暖房空調機の病菌遮断及び滅菌処理によって、救急室内の防疫、滅菌、消毒が可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるアンビュランスの「救急室」を示した斜視図である。
【
図2】本発明によるアンビュランスの「救急室」を示した正断面図である。
【
図3】本発明によるアンビュランスの「空気圧力調節部」を示した斜視図である。
【
図4】本発明によるアンビュランスの「空気圧力調節部」を他の方向から見た斜視図である。
【
図5】本発明によるアンビュランスの空気圧力調節部と、車両速度感応による制御方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明による感染病遮断機能を備えたアンビュランスは、患者を載せる空間を有する救急室と、前記救急室の内部を陽圧、陰圧、自然大気の状態の中から選択して設定する空気圧力調節部と、前記空気圧力調節部によって救急室の内部の圧力を選択的に制御する制御部と、エアコン及びヒーターで構成される冷暖房空調機と、前記制御部に連動されて救急室内部の圧力を感知する圧力センサとを含み、前記空気圧力調節部は、外部空気を救急室内に供給する吸入部と、前記救急室内の空気を外部に排出する排出部とを含み、前記吸入部は、前記冷暖房空調機と連結して構成され、前記冷暖房空調機から供給される冷房または暖房の空気は、前記吸入部を介して救急室に流入されるようにすることを特徴とする。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づいて詳しく説明すれば、以下の通りである。
【0025】
後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義されたものであって、これは、本発明の技術的思想に符合する概念と、当該技術分野において通用または通常認識される意味で解釈されなければならないことを明示する。
【0026】
また、本発明に係る公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を明瞭にしないと判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0027】
ここで、添付の図面は、技術の構成及び作用に対する説明と、理解の便宜及び明確性のために一部分を誇張するか簡略化して図示したものであって、各構成要素が実際の大きさと正確に一致するのではない。
【0028】
添付の図面の中で、
図1は、本発明によるアンビュランスの「救急室」を示した斜視図であり、
図2は、本発明によるアンビュランスの「救急室」を示した正断面図であり、
図3は、本発明によるアンビュランスの「空気圧力調節部」を示した斜視図であり、
図4は、本発明によるアンビュランスの「空気圧力調節部」を他の方向から見た斜視図であり、
図5は、本発明によるアンビュランスの空気圧力調節部と車両速度感応による制御方法を示したフローチャートである。
【0029】
図1~
図4に示したように、本発明によるアンビュランスは、運転席と、車体及び車体に装着されて患者を載せる空間を有する救急室100を備えたものであり、前記救急室100の内部を陽圧または陰圧の状態に設定する空気圧力調節部と、前記空気圧力調節部の陽圧または陰圧を選択的に制御するようにする制御部を含んで構成される。
【0030】
空気圧力調節部は、外部空気を直接吸入するか、車両に備えられたエアコン及びヒーターで構成される冷暖房空調機400と連結されて冷温風が供給されるようにする吸入部200と、救急室100内の空気を外部に排出する排出部300とを含む。
【0031】
前記吸入部200や排出部300のオン-オフ、空気の移動速度を制御部が制御するようになる。制御部に連動されて救急室100内部の圧力を感知する圧力センサ180が備えられる。
【0032】
すなわち、吸入部200は、排出部300より吸入空気の移動速度が増大される場合、救急室100の内部に陰圧を形成することができ、これとは逆に、排出部300は、吸入部200より排出空気の移動速度が増大される場合、救急室100の内部に陽圧を形成することができる。
【0033】
前記吸入部200または排出部300のそれぞれは、前後方に開口部が形成され、内部に通路を備えた筐体210、310と、前記筐体210、310の内部に装着されて吸入力を発揮するフェンとモータとでなる駆動部220、320と、前記筐体210、310の前面の開口部にヒンジ結合されて開度率を調節するカバー230、330と、前記筐体210、310の後面の開口部にヒンジ結合されて移動する空気を浄化するヘパフィルター240、340とを含んで構成される。
【0034】
筐体210、310は、略四角形のボックス状であり、内部にフェンとモータとでなる駆動部220、320が装着され、前方の開口部にはメッシュ網211が付着して異物の流入を遮断し、後方の開口部にはヘパフィルター240、340が装着される。
【0035】
もちろん、筐体210、310の前方の開口部にもフィルターが装着されることができ、後方の開口部には開閉作動する遮蔽カバー315がヒンジ結合されることができる。
【0036】
遮蔽カバー315は、制御部の制御によって開度率が調節されて空気移送量を調節することができる。または、遮蔽カバー315は、手動操作によっても開度率が調節されることができる。
【0037】
そして、筐体210、310の側面に形成された通気部212、312と、前記通気部212、312の開度率を制御する吸気ヒンジ結合される蓋213、313を含む。
【0038】
通気部212、312は、外部の空気が流入されることができるように蓋213、313が開放されるか、または外部空気の流入を遮断するように蓋213、313が閉じられる。
【0039】
好ましくは、吸入部200の筐体210は、一側に救急室または車両に備えられた冷暖房空調機400のダクト420が吸入部200に連結されて構成され、前記冷暖房空調機から供給される冷房または暖房の空気は、前記吸入部を介して救急室に冷房または暖房の空気が流入されることができる。
【0040】
患者及び救急隊員の冷暖房空調機400は、蒸発器(Eavporator)、ヒーターコア(Heater core)によってブロアーモータ(Blower motor)を稼動する。
【0041】
蒸発器及びヒーターコアは、蜂の巣のような密な隙間を有している部品であって、室内の空気を繰り返して循環するようになる。
【0042】
この場合、室内の汚染源が空気の流れに沿ってコアに結集されるか、ゴミ及び異物が持続的に附着して汚染菌の隠れ処の役割をする可能性が非常に高く、感染病患者から汚染された菌は、持続的に交差感染を発生させることができる。
【0043】
そこで、本発明は、冷暖房空調機400のダクト420が吸入部200に連結されて、冷暖房空調機400を介した暑い空気または冷たい空気が吸入部200の筐体210に流入されて外部空気と混合された後、適正な温度に調節されて救急室100内に供給され、冷房または暖房をするが、冷暖房空調機400を介して流入される空気もヘパフィルターを通過しながら殺菌された清浄空気の供給が可能になることができる。
【0044】
一方、前記吸入部200は、救急室100の壁面上部の一側に形成され、前記排出部300は、吸入部200と対向する位置に形成されて、救急室100の壁面下部に形成される。よって、前面壁の上部に装着された吸入部200から清浄空気が流入された後、救急室100内に満ちていた空気は、側面壁の下部に装着された排出部300を介して排出されるようにする。
【0045】
すなわち、救急室100内に滞留していた古い空気は、底に沈んでいる場合が多いため、この沈んでいる古い空気の排出が容易になるように、排出部300は、下部に形成されるのである。
【0046】
このように構成された本発明によるアンビュランスの制御方法は、次の通りである。
【0047】
先ず、アンビュランスの救急室100の室内圧力を陽圧状態に制御するために、吸入部200を排出部300に対比して吸入フェンの速度を増大させるか、または側面の通気部212、312の開度率を増大させて救急室内を陽圧状態に形成する。
【0048】
次に、アンビュランスの救急室100の室内圧力を陰圧状態に制御するために、前記排出部300を吸入部200に対比して排気フェンの速度を増大させるか、または側面の通気部212、312の開度率を増大させて救急室100内を陰圧状態に形成するようになる。
【0049】
アンビュランスの救急室100の室内を換気状態に制御するために、前記吸入部200と排出部300とを同一の吸入量と排出量とを維持して換気させるようにする。よって、室内の消毒剤が外部へ漏出することなく、集中消毒を維持し、消毒完了後の吸入部200と排出部300との吸排気力を最大稼動して速い換気が可能となり、車両稼動率及び交差感染の予防に優れるようになることができる。
【0050】
アンビュランスの救急室100の室内を自然大気の状態に制御するために、前記吸入部200と排出部300とを開放状態に維持するとともにフェンを停止して、自然大気の状態に維持することができる。
【0051】
吸入部200または排出部300の空気移送速度の増加または減少は、それぞれのフェン速度を制御することで調節されることができる。
【0052】
一方、
図5は、本発明によるアンビュランスの空気圧力調節部と車両速度感応による制御方法を示したフローチャートである。
図5に示したように、本発明は、車両の速度変化に応じて救急室の内部圧力の変化を補正することができるように、空気圧力調節部の作動を制御する。
【0053】
空気圧力調節部の作動は、救急室100内の圧力を感知する圧力センサ180の信号を受けて制御部に伝達し、制御部の信号によって駆動される。
【0054】
車両の速度は、電子制御ユニット(ECU)から制御部に伝達され、同時に圧力センサ180と連動されるようにプログラミングされる。
【0055】
速度感知部の信号を受け、圧力センサ180の信号を受ける(S100)。
【0056】
救急室100内の圧力が陽圧に設定され、車両の速度が低速である場合、吸入部200を開放して救急室100内の圧力が上昇するようにする(S200)。
【0057】
圧力センサ180が救急室100内の圧力が設定圧力に到逹したことを感知すれば、吸入部200を閉鎖し、圧力を安定した状態に維持する(S300)。
【0058】
一方、救急室内の圧力が陰圧に設定され、車両の速度が高速である場合、排出部300を開放して救急室100内の圧力が下降するようにする(A100)。
【0059】
圧力センサ180が救急室100内の圧力が設定圧力に到逹したことを感知すると、排出部300を閉鎖させ、圧力を安定した状態に維持する(A300)。
【0060】
本発明は、上述した実施例及び添付の図面によって限定されるのではなく、本発明の技術的思想を脱しない範囲内で例示されていない様々な変形と応用が可能であることはもちろん、構成要素の置換及び均等な他の実施例に変更することができるため、本発明の特徴に対する変形と応用に係る内容は、本発明の範囲内に含まれると解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、感染病遮断機能を備えたアンビュランス及びその室内圧力の制御方法に関し、患者と負傷者を病院へ移送して応急処置を取ることができるように装備を備えた車両であるアンビュランスに利用可能である。