(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】乗物用制御装置、制動制御装置および乗物の制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20240823BHJP
B60T 7/12 20060101ALI20240823BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20240823BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B60W30/06
B60T7/12 B
B60W40/02
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2019528534
(86)(22)【出願日】2017-12-08
(86)【国際出願番号】 DE2017200131
(87)【国際公開番号】W WO2018108217
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-10-30
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102016225111.2
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017207483.3
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503355292
【氏名又は名称】コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
【住所又は居所原語表記】Ringlerstrasse 17, 85057 Ingolstadt, Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】399023800
【氏名又は名称】コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】フェイ・ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ツィーデク・ミヒャエル
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-9914(JP,A)
【文献】特開2016-134049(JP,A)
【文献】特開2010-83427(JP,A)
【文献】特開2011-198049(JP,A)
【文献】特開2007-125981(JP,A)
【文献】特表2008-519718(JP,A)
【文献】特表2014-501401(JP,A)
【文献】国際公開第2016/110464(WO,A1)
【文献】特開2009-294094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
B60T 7/12- 8/1769
B60T 8/32- 8/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用の制御装置(1)を備える制動制御装置において、
前記制御装置(1)は、
第1センサデータを用いて第1乗物側システムとして少なくともアンチロックブレーキシステムおよび/またはエレクトロニックスタビリティプログラムを制御するように構成される
一つのマイクロプロセッサの形態の制御設備(11)と、
距離センサ(2-i)のための接続部を有し、接続部を介して、距離センサ(2-i)の第2センサデータを受信する受信設備(12)と、を備え、
前記受信設備(12)は、前記第2
センサデータを処理することなく前記第2
センサデータを前記制御設備(11)に伝達するように構成され、
前記制御設備(11)は、
アンチロックブレーキシステムおよび/またはエレクトロニックスタビリティプログラムを制御する能力を利用して、前記受信設備(12)から伝達された前記第2センサデータを前記乗物の駐車プロセス中に前記制御設備(11)において直接処理し、操舵および/または伝動制御を含む駐車システムの機能を実行するようにさらに構成される、制動制御装置。
【請求項2】
前記制御設備は乗物安全性要求レベルDつまりASIL Dで構成される、請求項1に記載の制動制御装置。
【請求項3】
前記制御設備(11)は、乗物周辺の視覚化を受信されたさらなるセンサデータを用いて演算するように構成される、請求項1または2に記載の制動制御装置。
【請求項4】
前記制御設備(11)は、一部または全部が自動化された前記乗物の駐車プロセス用制御命令を算出し、前記算出された制御命令を前記乗物の
、前記駐車プロセスを制御するためのさらなる要素(3-i)に伝達するように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の制動制御装置。
【請求項5】
前記受信設備(12)はさらなるセンサ(6)の第3センサデータを受信するように構成され、前記制御設備(11)は前記乗物の駐車プロセス中に前記第2および前記第3センサデータを処理する、請求項1~4のいずれか1項に記載の制動制御装置。
【請求項6】
前記第3センサデータはレーダセンサおよび/または光センサのデータを含む、請求項5に記載の制動制御装置。
【請求項7】
前記受信設備(12)は距離センサ(2-i)接続用プラグコンタクトを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の制動制御装置。
【請求項8】
前記受信設備(12)は通信バスのインタフェースを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の制動制御装置。
【請求項9】
乗物の制御方法において、
第1センサデータを用いて、
一つのマイクロプロセッサの形態の制御設備(11)が、第1乗物側システムとして少なくともアンチロックブレーキシステムおよび/またはエレクトロニックスタビリティプログラムを制御するステップ(S1)と、
距離センサ(2-i)のための接続部を有する受信設備(12)が、
接続部を介して距離センサ(2-i)の第2センサデータを受信するステップ(S2)と、
前記受信設備(12)が、前記第2
センサデータを処理することなく前記第2
センサデータを前記制御設備(11)に伝達するステップと、
前記制御設備(11)が、アンチロックブレーキシステムおよび/またはエレクトロニックスタビリティプログラムを制御する能力を利用して前記受信設備(12)から伝達された前記第2センサデータを
処理することで、操舵および/または伝動制御を含む前記乗物の駐車プロセスを制御(S3)するステップと、を備える、乗物の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用制御装置、制動制御装置および乗物の制御方法に関する。特に本発明は、駐車プロセス用制御を乗物のさらなる制御装置に組み入れることに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、最新車両は運転者の車両運転を大幅に容易にするコンフォートおよび支援システムを有する。この支援システムにはとりわけ駐車支援システムが含まれる。例えば、駐車支援システムは駐車余地における車両の駐車を支援する。特に、この駐車余地は車線に対して平行または車線に対して傾斜して位置する場合がある。駐車支援システムは1つまたは複数のセンサを有し、センサを用いて車両の周辺を障害物および/または空きスペースに関して探索する。車両の周辺を監視するため例えばここでは超音波センサ、レーダセンサまたは光センサが使用されてよい。
【0003】
駐車支援システムはしたがって例えば車両の運転者に周辺における障害物となりうるものを合図する信号で知らせる。例えば、車両と障害物の距離に応じてピッチまたは音量が変化する音響信号を発することができる。それに加えてまたは代替として、車両の周辺における障害物となりうるものを、光学表示装置を用いて表示してもよい。
【0004】
さらに、最新車両にはますます、乗物を駐車余地に全部または少なくとも一部を自動化して駐車することを可能にする駐車支援システムが設けられている。そのため、ファーストステップでまず好適なセンサ、例えば超音波センサ、レーダセンサまたは光センサを用いて好適な駐車余地を識別する必要がある。
【0005】
駐車余地が認識されると、駐車支援システムは、乗物を認識された駐車余地に駐車するために運転者がどのように車を運転すべきか、運転者への支援指示を出す。特に、コンフォートシステムは、個々またはすべてのこのために必要な車両システムを独立して制御可能である。そのようなシステムは例えば駐車操舵支援システムまたは駐車操舵支援と呼ばれている。
【0006】
駐車支援システムはここでは、障害物となりうるものを認識し場合によっては好適な駐車余地を検知するために車両の周辺を認識する複数のセンサを備える。車両の周辺を把握するために、特に超音波センサを用いることができる。ここでは、センサ、特に超音波センサは、センサ信号を認識し評価する独立した制御装置に接続される。評価されたセンサ信号に基づいて、制御装置は好適な操舵、走行または制動操作を実施するために乗物周辺のモデルを作成し、さらなる別々の独立したシステムと通信できる。
【0007】
ここでは、周辺センサの評価のために独立した制御装置が用いられる。この独立した制御装置は、駐車プロセス中、さらなる制御装置と通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】DE102005017359
【文献】EP1950098
【文献】US2012/0089294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
効率的で信頼でき低コストの駐車支援システム用制御装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
本発明は、請求項1の特徴を有する乗物用制御装置、請求項10の特徴を有する制動制御装置および請求項11の特徴を有する乗物の制御方法を提供する。
【0011】
したがって提供されるのは、制御設備と認識設備とを備える制御装置である。制御設備は第1センサデータを用いて第1乗物側システムを制御するように構成される。認識設備は距離センサの第2センサデータを受信するように構成される。第2センサデータは1つまたは複数の距離センサにより供給されてよい。特に、超音波センサが距離センサとして設けられる。本発明のさらなる態様において、距離センサはレーダセンサシステムまたはライダセンサシステムとして構成される。制御設備は受信した第2センサデータを乗物の駐車プロセス中に処理するようにさらに構成される。
【0012】
したがって、制御装置の制御設備は第1乗物側システムと関連するセンサデータと距離センサにより乗物の駐車プロセスと関連して供給されるさらなるセンサデータの両方を処理する。距離センサのさらなるセンサデータの処理は、したがって、本来他の乗物側システム用に設計されている制御設備において行われる。
【0013】
また、本発明の制御装置を備える制動制御装置が提供される。
【0014】
さらに、第1センサデータを用いて、制御設備を使用して第1乗物側システムを制御するステップを備える乗物の制御方法が提供される。さらに、本制御方法は、距離センサの第2センサデータを受信するステップと、受信した第2センサデータを用いて制御設備を使用して乗物の駐車プロセスを制御するステップとを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、最新車両が別々の駐車支援用システムに加えてさらに多数の制御装置を有しているという理解に基づく。この場合、駐車支援用制御装置を含む個々の制御装置は乗物内部の通信用に互いに接続されている。したがって、従来の駐車支援用制御装置は、乗物の周辺を認識するため複数のセンサ、例えば複数の距離センサと接続される場合がある。この場合、これらのセンサの信号は駐車支援用制御装置により評価され、そしてこの評価の結果はさらなる制御装置に通知される。これには多数の独立した制御装置が必要とされる。
【0016】
本発明は、この理解を考慮して、必要とされる特に駐車支援システム用の制御装置の数を低減できるシステムを提供するという思想に基づく。このため、本発明の思想は、乗物周辺認識用センサ信号の評価を独立した制御装置により行うのではなく、むしろこのセンサ信号の評価をいずれにせよ各乗物に装備されている制動制御装置において行うことである。
【0017】
乗物周辺認識用センサ信号評価をすでに装備されている制御装置に組み入れることで、別々のセンサ信号認識および評価用制御装置を削減することができる。これにより駐車支援システムを実現するコストを低減することができる。さらに、制動制御装置はすでに安全関連装置として構成されているため、安全用として別々で追加の措置をさらに用いる必要がない。これにより特に遠隔制御または完全自動駐車(リモートパーキングおよびバレーパーキング)などの機能を容易かつ低コストで実行することが可能になる。
【0018】
また、センサ信号の処理の結果によりこれに関して生成される周辺モデルをすでに対応する制御装置において使用可能であり、これにより直接対応する制御装置によりさらに処理できる。したがって、別々のセンサ信号評価用制御装置とさらなるアクチュエータ制御用制御装置間の伝達を行わなくてよい。よって、特に通信接続のための費用を低減することができる。制御命令はインタフェースを介してさらなる制御装置に伝達される必要がなく、制御命令は直接制御装置内で処理されるため、処理速度を上昇させることができる。さらに、通信接続失敗によるエラーを回避できる。
【0019】
1つの態様によると、制御装置の制御設備は乗物安全性要求レベルD(ASIL D)で構成される。ASILは4つの異なるASILリスクレベルA~Dにより区別され、ASIL Dはシステムにおける最高の信頼性したがって最も低い故障の可能性を示すものである。ASIL Dシステムは、したがって特に高い信頼性を有するシステムを示している。
【0020】
1つの態様によると、制御設備は制動制御装置を含む。一般に、制動制御装置はほぼ各最新車両においてすでに装備されている。例えば、アンチロックブレーキシステム(ABS)またはエレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)用制御装置は現在ほぼすべての乗物に採用されている。同時に、一般に制動制御装置は十分な能力を備えているため、制動制御装置の能力を過度に使用することなく、駐車プロセス中のセンサ信号評価を制御装置において行うことができる。これによりまた、制動制御装置が一般に高い安全レベル(ASILD)を備え有利である。さらに、駐車支援プロセスを制動制御装置に組み入れることで必要に応じて危険な状況の可能性を回避するため非常に迅速かつ確実に制動プロセスを開始することもできる。
【0021】
1つの形態によると、制御設備は、乗物周辺の視覚化を受信されたさらなるセンサデータを用いて演算するように構成される。そのような視覚化とは例えば乗物周辺の概略図を含む。特に、駐車プロセス中の乗物周辺の潜在的な障害物を視覚化できる。例えば、そのような視覚化を好適な表示装置を用いてユーザに示すことができる。この場合任意で、そのような演算された視覚化をさらなるカメラ画像を用いてオーバーレイすることもできる。このようにして、ユーザを駐車プロセス中に支援することができる。
【0022】
1つの形態によると、制御設備は、一部または全部が自動化された乗物の駐車プロセス用制御命令を算出するように構成される。さらに、制御設備は算出された制御命令を乗物のさらなる要素に伝達するように構成できる。さらにまたは代替として、例えば制御設備に接続されているアクチュエータを制御するために制御命令を直接制御設備においてさらに処理してもよい。このようにして、全部または一部自動化された乗物の駐車プロセスを効率的で確実に制御することができる。
【0023】
1つの形態によると、受信設備はさらなるセンサの第3センサデータを受信するように構成される。さらに、制御設備は乗物の駐車プロセス中に第2および第3センサデータを処理してよい。第3センサデータは例えばさらなるセンサ、特に例えばレーダセンサおよび/または光センサのセンサデータであってよい。このようにして、例えば乗物周辺を1つまたは複数のカメラを用いて認識し評価してもよい。この場合、例えば認識されたカメラデータから特徴を抽出するかまたは対象物を検知してよい。続いて、そのような処理の結果を制御設備に第3センサデータとして供給してよい。これにより、駐車プロセス中の信頼性をさらに向上させることができる。
【0024】
1つの形態によると、受信設備は距離センサ、特に超音波センサ接続用プラグコンタクトを含む。このようにして、距離センサの出力信号を直接制御装置に供給できる。
【0025】
1つの形態によると、受信設備は通信バスのインタフェースを含む。例えば、通信バスはイーサネット、フレックスレイ、CAN、LINまたは任意の公知または新規のバスシステムであってよい。この場合、例えばセンサ、特に超音波センサのデータをそのような対応するバスシステムを介して制御装置に供給してもよい。これにより、制御装置との独立した距離センサ用接続を省くことができる。
【0026】
上述した態様および発展態様は適切であれば任意に互いに組み合わせることができる。本発明のさらなる実施形態、発展形態および実施は、上記または下記の実施形態例に関して記載される本発明の特徴の明示されていない組み合わせも含む。この場合、特に当業者は個々の形態を本発明の各基本態様の改良または補足として付加するだろう。
【0027】
以下、本発明を図面の概略図に記載されている実施形態例に基づいてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による乗物用制御装置の概略図である。
【
図2】
図2は、さらなる実施形態による乗物用制御装置の概略図である。
【
図3】
図3は、1つの実施形態による乗物の制御方法の基本を示すフローチャートの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面全体において、類似または機能が類似する要素および装置には、特に指定されない限り同一の符号が付されている。
【0030】
図1は1つの実施形態による乗物用制御装置1の概略図を示す。制御装置1は例えば制動制御装置であってよい。しかしさらに、一般に、以下に記載される追加の課題を実施することができる任意のさらなる乗物用制御装置でもよい。このようにして、制御装置1は例えば乗物操舵用制御装置または乗物伝動用制御装置または任意のさらなる乗物用制御装置であってよいもよい。
【0031】
以下に記載する動作の十分な信頼性を保証するため、制御装置1用に、信頼性の所定の要件または所定の安全性要件が付された制御装置を選択してよい。このようにして、例えば制御装置1用に、少なくとも所定の乗物安全性要求レベル(ASIL)を満たす制御装置を選択できる。このようにして、制御装置1用に、例えばASIL Dを満たす制御装置を選択してよい。場合によっては、より低い安全性レベル、例えばASIL C、ASIL BまたはASIL Aの要件を満たす制御装置1でも十分である。好適な安全性レベルの選択により、以下に記載される動作を十分な信頼性とともに行えることが保証される。
【0032】
制御装置1が例えば制動システム用制御装置である場合、制御装置1はアクチュエータおよび/または制動システムのセンサ4-iと接続されてよい。そのような制動システム用制御装置は一般に現在流通する各乗物に装備されている。特に、そのような制動システム用制御装置を用いて、例えばアンチロックブレーキシステム(ABS)および/またはエレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)などの機能を実現することができる。
【0033】
制御装置1が制動システム用制御装置ではなくさらなるシステム用の制御装置、例えば操舵および/または伝動制御を行うモータ制御用制御装置であるとき、この場合もさらなるアクチュエータおよび/または制動システムのセンサ4-iを制御装置1と接続してよい。
【0034】
例えば、制御装置1は1つまたは複数のセンサ4-iのデータを認識して評価し、それから1つまたは複数のセンサ4-iへの制御命令を生成する制御設備11を含んでよい。例えば、制御設備11はマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサシステムの形態で実現できる。
【0035】
さらに、制御装置1をさらなる要素またはさらなる制御設備3-iに接続できる。このようにして、個々の制御設備は互いに対してデータを交換できる。例えば制御装置1はこのようにして制御命令をさらなる制御設備3-iに送信できるかまたはさらなる制御設備3-iと同期化できる。このように、例えば制動制御装置、モータ制御、操舵および/または伝動用制御装置の間でデータ交換できる。
【0036】
また、制御装置1には受信設備12が備えられている。この受信設備12は1つまたは複数の距離センサ2-iと接続されている。距離センサ2-iは例えば乗物周辺を把握する超音波センサである。このような超音波センサ2-iは、乗物後方、乗物前方のまたは任意で乗物から時間的に対象物または障害物を認識するために、例えば乗物のバンパに組み入れることができる。この場合、超音波センサ2-iを用いて乗物と対象物または障害物の距離を算出することもできる。このため、超音波センサ2-iは例えば所定の超音波信号を出力し、そのあとで出力された超音波信号の対象物または障害物に反射した部分を認識する。そのような超音波センサは周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。距離センサ2-iはレーダセンサおよび/またはライダセンサを有してもよい。
【0037】
例えば、各距離センサ2-i用に受信設備12は別々の接続部を有してよい。特に、各超音波センサ2-i用にプラグコンタクトを接続部として設けることができる。また、任意で複数の距離センサ2-iをまとめて受信設備12の接続部に接続してもよい。このようにして、任意の数の距離センサ2-iを制御装置1の受信設備12に接続できる。こうして例えば4個、6個、8個、12個またはそれらとは異なる数の距離センサ2-iを制御装置1の受信設備12に接続できる。これにより、例えば距離センサ2-iからアナログ信号を制御装置1の受信設備12に提供してよい。さらに、距離センサ2-iの出力信号を事前にデジタル信号に変換し、そのあとこのデジタル信号を制御装置1の受信設備12に提供することもできる。この場合、任意でデジタル信号は好適なバスシステムを介して制御装置1の受信設備12に提供されてもよく、このことは以下の図面と関連してさらに詳細に説明される。
【0038】
距離センサ2-iにより受信されたデータは受信設備12により制御装置1の受信設備12に伝達される。そのあと、制御設備11は距離センサ2-iのデータを評価する。特に、制御設備11において、距離センサ2-iのデータを評価する駐車システムの制御をさらに行ってよい。例えば、制御設備11は距離センサ2-iにより受信されたデータを用いて乗物周辺のモデルを算出してよい。この周辺のモデルは例えば乗物周辺の対象物または障害物の2次元または3次元モデルを含んでよい。さらに、モデルは任意でさらなるセンサによって認識されたさらなる対象物を考慮してもよい。
【0039】
距離センサ2-iのデータと任意で距離センサ2-iのデータから作成された周辺モデルに基づいて、制御設備11は乗物用駐車システムの機能を提供できる。例えば、乗物周辺における対象物または障害物を検知できる。特に、例えば乗物と検知された対象物または障害物の距離に応じて光信号および/または音響信号を出力してよい。これにより、乗物の運転者に乗物を駐車する際、危険の可能性への注意を喚起することができる。例えば、乗物周辺における検知された対象物または障害物の視覚化が演算されてよい。そのような視覚化はユーザに対して例えば表示装置上に示されてよい。
【0040】
さらに、乗物の駐車プロセスを全部または一部自動化するために、制御装置1の制御装備11において制御命令を生成してもよい。このために、制御装置1の制御装備11において例えば1つまたは複数のアクチュエータ4-iまたはさらなる乗物用制御装置3-iに伝達される制御命令を生成してよい。例えば、そのような制御命令を用いて、例えば乗物を移動させるために乗物の操舵を制御するかまたは乗物のモータ制御に干渉することができる。さらなるアクチュエータまたはさらなる乗物用制御装置3-iはここでは任意の接続を介して制御装置1と接続されてよい。特に、任意のバスシステムを用いた接続が可能である。
【0041】
図2はさらなる実施形態による乗物用制御装置1の概略図を示す。ここで、
図1と関連して上述した制御装置1の個々の特徴と
図2と関連して以下に記載される制御装置1の特徴を任意で互いに組み合わされることに注意されたい。ここで、上述した制御装置1の特徴と制御装置1に接続された要素は、上述した実施形態例と異ならない限り、繰り返し記載されない。
【0042】
図2による聖著装置1には、例えば制御装置1の制御設備11において演算された視覚化が表示される表示装置5が備えられている。ここでは、例えば視覚的に乗物と乗物周辺の対象物または障害物を示す簡単な棒グラフであってよい。さらに、乗物周辺の対象物または障害物の2次元または3次元の概略的な表示も可能である。特に、例えば乗物周辺の対象物または障害物を強調するために、制御装置1の制御設備11において演算された視覚化を1つまたは複数のさらなる乗物のカメラの画像を用いてオーバーレイすることもできる。
【0043】
さらに、
図2に示されるように、距離センサ2-iは任意の好適なバスシステムを用いてそのデータを制御装置1に伝達してよもよい。例えば、このバスシステムはCAF、LIN、PSI3、DSI3、任意でフレックスレイ、イーサネットまたは任意のさらなる好適なバスシステムであってよい。この場合、距離センサ2-iによって認識されたデータはデジタル化されてデジタルデータとして対応するバスシステムを介して制御装置1の受信設備12に伝達されてよい。
【0044】
さらに、任意でさらなるセンサ6のデータ、特にさらなるセンサデータを認識し制御装置に伝達してよい。このさらなるセンサ6は例えば1つまたは複数のレーダセンサまたは光センサであってもよい。例えば、乗物周辺を光学的に1つまたは複数のカメラ(ここでは不図示)を用いて認識しこの認識されたカメラデータをまず外部の評価設備(同様に不図示)において分析することも可能である。これにより、例えば認識されたカメラデータ中のオブジェクト、ラインまたはパターンなどの要素を識別できる。この識別された要素に関する情報を制御装置1に伝達してよい。例えば外部評価設備はCAN、フレックスレイ、イーサネットまたは他の好適なバスシステムを関して接続されてよい。
【0045】
そして、制御装置1の制御設備11はさらなる識別された要素に関する情報を評価できる。例えば、識別された要素は、例えば駐車位置となりうるものの目印を示す車両周辺のラインを含んでよい。さらに、例えば駐車位置となりうるものに関する制限または禁止を示すさらなる目印が認識されてもよい。例えば、禁止または許可された駐車位置に関する指示を表す標識が検知されてもよい。これらおよび任意で認識された画像データから抽出されるさらなる情報も同様に制御装置1の制御設備11に供給されてよく、さらなる処理に含まれてよい。
【0046】
このように、例えば表示装置5上でユーザに示される好適な視覚化が生成されてよい。したがって、この視覚化は、任意で車両周辺の対象物または障害物となりうるものに加えて、潜在的な駐車位置または車両周辺の駐車位置に対する禁止となりうるものに関する指示も含んでよい。さらに、一部または全部が自動化された駐車プロセスにおいて、禁止となりうるものまたは潜在的な駐車位置に関するこれらの情報が含められてもよい。このようにして、乗物が好ましくは好適な駐車位置に格納されるのを確実にすることができる。一部または全部が自動化された駐車プロセスにおいて認識される制御装置1の制御設備11に対応するさらなる制御装置3-iまたはさらなるアクチュエータ4-iに対する制御命令が生成される結果、乗物は完全自動で好適な駐車位置へ走行するか、または少なくとも乗物の運転者はナビゲーションにより好適な駐車位置へと支援される。その際任意で、
図2に示されるように、さらなる制御装置3-iおよび制動システムのさらなる要素4-iを共通のバスシステムを介して制御装置1と接続してもよい。当然のことながら、さらなる制御装置3-iおよび制動システムのさらなる要素4-iは別々のバスシステムを介して制御装置1と接続されてもよい。
【0047】
図3は1つの実施形態による乗物の制御方法の基本を示すフローチャートの概略図である。ステップS1において、第1乗物側システムの制御が制御設備11を使用して第1センサデータを用いて行われる。この第1センサデータは例えば1つまたは複数の第1センサ4-iに由来してよい。特に、例えば乗物の制動システムは制動制御装置を使用して好適なセンサデータ、例えばホイールセンサなどを用いて制御されてよい。
【0048】
ステップS2において、さらに、距離センサ2-iの第2センサデータが受信される。その際、特に乗物用駐車システムの超音波センサであってよい。そのような超音波センサ2-iは例えば乗物のバンパに組み入れられてよい。
【0049】
ステップS3において、続いて、乗物の駐車プロセスが受信された第2センサデータを用いて制御設備11を使用して制御される。言い換えると、ここでは駐車システムのセンサデータの評価が制動システムの制御装置に組み入れられる。したがって、駐車システム用のセンサデータ、特に超音波センサ2-iのデータを評価するための独立した制御装置は必要ではない。その際、一般に、制動制御の処理ステップ、例えば一方の側におけるホイール回転数センサの評価や駐車機能用センサの信号の処理など、例えば互いに独立した超音波センサの信号の評価などは、しかしながら共通のハードウェアにおいて実行されてよい。駐車機能およびここで必要な駐車機能用ハードウェアはこの場合、確かに制動制御装置に組み入れられているものの、完全に制動制御用機能から独立して動作する。言い換えると、あたかも制動が独立して制御されるかのように制動が制御される、仮想制御装置の方法が実行される。
【0050】
要約すると、本発明は、乗物の駐車システム機能を乗物のさらなる制御装置に組み入れることに関する。特に、駐車システム用超音波センサのセンサ信号の評価は、すでに乗物に装備されている制御装置に引き受けられる。その際、対応する超音波センサのセンサデータは直接対応する制御装置において供給される。一例をあげると、例えば超音波センサに由来するセンサ信号の評価を乗物の制動制御装置に組み入れることができる。この場合、センサ信号の評価を引き受ける対応する制御装置は駐車システムの機能を実行する。