IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デックスコム・インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】軟質検体センサ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1486 20060101AFI20240823BHJP
   A61B 5/1473 20060101ALI20240823BHJP
   G01N 27/30 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
A61B5/1486
A61B5/1473
G01N27/30 311A
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019538648
(86)(22)【出願日】2018-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 US2018014193
(87)【国際公開番号】W WO2018136610
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-18
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】62/448,295
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シャンガー・ワン
(72)【発明者】
【氏名】デヴォン・エム・ヘッデン
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン・ベーム
(72)【発明者】
【氏名】テッド・タン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ヒューズ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・シー・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】ジオン・ゾウ
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】渡▲辺▼ 純也
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-534483(JP,A)
【文献】特開2015-107345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/06-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内で使用するように構成されている連続検体センサであって、
細長芯と、
前記細長芯上に配設されている作用電極と、
前記作用電極の少なくとも一部を覆う膜とを備え、
前記膜は酵素層を含み、
前記連続検体センサは、生体外で自立細長導電体であり生体内で非自立細長導電体であるように構成され、
前記連続検体センサの一部はセンサ電子機器ハウジングから延在し、前記センサ電子機器ハウジングから延在する部分が、前記連続検体センサの長手方向と平行な方向に圧縮されるときに、生体内で0.25ニュートン(N)未満の座屈力を有し、生体外で0.25ニュートン(N)超の座屈力を有するように構成されている、連続検体センサ。
【請求項2】
前記細長芯は、細長導電性芯を備え
前記センサ電子機器ハウジングから延在する部分が、生体内で500MPa未満のヤング率を有し、生体外で500MPaから147GPaの範囲内のヤング率を有する、請求項1に記載の連続検体センサ。
【請求項3】
前記細長導電性芯の少なくとも一部を覆う導電性材料の層をさらに含む、請求項2に記載の連続検体センサ。
【請求項4】
前記細長導電性芯は、銅、金、マグネシウム、銀、スズ、チタン、チタン合金、および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項3に記載の連続検体センサ。
【請求項5】
前記導電性材料は、白金、白金イリジウム、金、パラジウム、イリジウム、これらの合金、黒鉛、炭素、および導電性ポリマーからなる群から選択される導電性材料を含む、請求項4に記載の連続検体センサ。
【請求項6】
前記導電性材料の前記層の少なくとも一部を覆う絶縁材料の層をさらに含み、前記作用電極は、一部は、前記導電性材料の前記層の電極部分を露出する絶縁材料の前記層内の窓によって形成される、請求項3に記載の連続検体センサ。
【請求項7】
絶縁材料の前記層の少なくとも一部を覆う追加の導電性層をさらに含み、前記追加の導電性層は参照電極を含む、請求項6に記載の連続検体センサ。
【請求項8】
前記細長芯は、細長ポリマー芯を含み、前記センサ電子機器ハウジングから延在する部分は、生体内で1.5GPa未満の曲げ弾性率を有する、請求項1に記載の連続検体センサ。
【請求項9】
前記細長ポリマー芯の長さに沿って延びる少なくとも1つの導電性トレースをさらに含み、前記導電性トレースの一部は前記作用電極を含む、請求項8に記載の連続検体センサ。
【請求項10】
前記細長ポリマー芯は、細長楕円形ポリマー芯を含み、少なくとも1つの導電性トレースは、前記細長楕円形ポリマー芯に沿って延びる、請求項8に記載の連続検体センサ。
【請求項11】
前記作用電極は、前記少なくとも1つの導電性トレースの一部を含む、請求項10に記載の連続検体センサ。
【請求項12】
前記細長芯は、細長繊維芯を含む、請求項1に記載の連続検体センサ。
【請求項13】
前記細長芯は、
前記細長繊維芯を囲む細長絶縁体と、
前記細長絶縁体に沿って延びる少なくとも1つの導電性トレースとをさらに含む、請求項12に記載の連続検体センサ。
【請求項14】
前記細長繊維芯は、1つまたは複数のケブラー繊維を含む、請求項12に記載の連続検体センサ。
【請求項15】
前記細長芯は、前記1つまたは複数のケブラー繊維上の導電性コーティングをさらに含み、前記導電性コーティングを有する前記1つまたは複数のケブラー繊維の一部は、前記作用電極を形成する、請求項14に記載の連続検体センサ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の連続検体センサと、前記連続検体センサからのセンサ信号を処理するように構成されているセンサ電子機器とを備える連続検体センサシステムであって、前記センサ電子機器は、前記センサ電子機器ハウジング内に配設され、前記センサ電子機器ハウジングは、患者の皮膚の外側に取り付けられるように構成される連続検体センサシステム。
【請求項17】
前記センサ電子機器ハウジングから延在する部分は、生体内で0.02N未満の座屈力を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の連続検体センサ。
【請求項18】
前記センサ電子機器ハウジングから延在する部分は、生体内で0.1kPaから300kPaの間のヤング率を有する、請求項17に記載の連続検体センサ。
【請求項19】
生体内で使用するように構成されている連続検体センサであって、
作用電極を備える細長導電体であって、前記細長導電体は複数の平面状の層を含み、前記連続検体センサは、生体外で自立細長導電体であり生体内で非自立細長導電体であるように構成され、前記複数の平面状の層の一部が、連続検体センサシステムのハウジングから延在するように構成され、前記ハウジングから延在する部分が、前記連続検体センサの長手方向と平行な方向に圧縮されるときに、全体として生体内で0.25ニュートン(N)未満の座屈力を有し、生体外で0.25ニュートン(N)超の座屈力を有する、細長導電体と、
前記作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、前記膜は酵素層を含む、膜と
を備える連続検体センサ。
【請求項20】
前記複数の平面状の層は、
絶縁ポリマー層と、
前記絶縁ポリマー層の第1の側に配設されている第1の電極層と、
前記絶縁ポリマー層の対向する第2の側に配設されている第2の電極層であって、前記作用電極は、前記第1の電極層の一部を含み、前記第2の電極層は、参照電極を含む、第2の電極層と
を含む、請求項19に記載の連続検体センサ。
【請求項21】
前記第1の電極層上に形成された追加の絶縁ポリマー層をさらに含み、前記追加の絶縁ポリマー層は、前記作用電極を画定する窓を備える、請求項20に記載の連続検体センサ。
【請求項22】
前記膜は、前記追加の絶縁ポリマー層内の前記窓内の前記第1の電極層上に配設され、前記窓の外の前記追加の絶縁ポリマー層には、前記膜がない、請求項21に記載の連続検体センサ。
【請求項23】
前記複数の平面状の層は、断面において、楕円形の外面を備える、請求項21に記載の連続検体センサ。
【請求項24】
前記絶縁ポリマー層は、第1および第2の絶縁ポリマー層を含み、前記複数の平面状の層は、前記第1の絶縁ポリマー層と前記第2の絶縁ポリマー層との間に配設される対向電極層をさらに含む、請求項21に記載の連続検体センサ。
【請求項25】
前記複数の平面状の層は、前記第1の電極層と前記絶縁ポリマー層との間に配設される導電性トレース層をさらに含む、請求項20に記載の連続検体センサ。
【請求項26】
前記複数の平面状の層は、前記導電性トレース層上に形成された追加の絶縁ポリマー層をさらに含み、前記追加の絶縁ポリマー層は、前記作用電極を画定する窓を備える、請求項25に記載の連続検体センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照による組込み
出願データシートに明記されているありとあらゆる優先権の主張、またはその補正は、37 CFR 1.57の下で参照により本明細書に組み込まれている。本出願は、2017年1月19日に出願した米国仮出願第62/448,295号の利益を主張するものである。前述の出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれ、これにより明示的に本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、一般的にセンサに関し、より詳細には、連続検体センサ(continuous analyte sensor)に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病は、膵臓が十分なインスリンを産生できない(I型またはインスリン依存性)および/またはインスリンが有効でない(2型または非インスリン依存性)疾患である。糖尿病状態では、犠牲者は、微小血管の劣化、たとえば、腎機能障害、皮膚潰瘍、または目の硝子体中への出血に関連する数々の生理学的混乱の原因となり得る、高血糖を患っている。低血糖反応(低血糖)は、インスリンの不注意過量摂取によって、または異常な運動量もしくは不十分な食糧摂取量を伴うインスリンもしくは血糖降下剤の通常投与の後に、誘発され得る。
【0004】
従来、糖尿病を患っている人は、典型的には不快な指先穿刺方法を必要とする、血糖自己測定(SMBG)モニターを持ち運ぶ。快適さおよび便利さを欠いているので、糖尿病を患っている人は、通常、日に2から4回自分の血糖値を測定するだけである。残念なことに、そのような時間間隔はかなり広く、糖尿病を患っている人が高血糖または低血糖状態に気付くのに遅すぎる可能性があり、時には危険な副作用を生じる。血糖値は、代替的に、皮膚上センサアセンブリを備えるセンサシステムによって連続的に監視され得る。センサシステムは、測定結果に基づき情報を処理し表示することができる受信機に測定データを伝送するワイヤレス送信機を有するものとしてよい。
【0005】
埋め込み型グルコースセンサおよび経皮グルコースセンサは、グルコース値を連続的に測定するために開発された。しかしながら、多くの埋め込み型グルコースセンサは、体内にあると合併症を起こす問題を抱え、血糖の短期間の、精度の低い感知を行うにすぎない。
【0006】
皮膚は複雑な粘弾性組織である。皮膚の機械的特性は動的であり、年齢とともに、皮膚領域に応じて、変化し、人によっても異なる。したがって、生体力学的に適合する経皮センサを実現することは難題であり得る。
【0007】
この「背景技術」は、この後の「発明の概要」および「発明を実施するための形態」についての文脈を手短に紹介するために用意されている。この「背景技術」は、主張されている主題の範囲を決定する助けとなることも、主張されている主題を上で提示されている不利点または問題のいずれかもしくはすべてを解決する実装形態に制限するものとしてみなされることも意図されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第6,001,067号
【文献】米国特許出願第13/788,375号
【文献】米国特許出願公開第US-2006-0020187-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2008-0119703-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2007-0213611-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2007-0027385-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2005-0143635-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2007-0020641-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2007-002064-A11号
【文献】米国特許出願公開第US-2005-0196820-A1号
【文献】米国特許第5,517,313号
【文献】米国特許第5,512,246号
【文献】米国特許第6,400,974号
【文献】米国特許第6,711,423号
【文献】米国特許第7,308,292号
【文献】米国特許第7,303,875号
【文献】米国特許第7,289,836号
【文献】米国特許第7,289,204号
【文献】米国特許第5,156,972号
【文献】米国特許第6,528,318号
【文献】米国特許第5,738,992号
【文献】米国特許第5,631,170号
【文献】米国特許第5,114,859号
【文献】米国特許第7,273,633号
【文献】米国特許第7,247,443号
【文献】米国特許第6,007,775号
【文献】米国特許第7,074,610号
【文献】米国特許第6,846,654号
【文献】米国特許第7,288,368号
【文献】米国特許第7,291,496号
【文献】米国特許第5,466,348号
【文献】米国特許第7,062,385号
【文献】米国特許第7,244,582号
【文献】米国特許第7,211,439号
【文献】米国特許第7,214,190号
【文献】米国特許第7,171,312号
【文献】米国特許第7,135,342号
【文献】米国特許第7,041,209号
【文献】米国特許第7,061,593号
【文献】米国特許第6,854,317号
【文献】米国特許第7,315,752号
【文献】米国特許第7,312,040号
【文献】米国特許第5,711,861号
【文献】米国特許第6,642,015号
【文献】米国特許第6,654,625号
【文献】米国特許第6,565,509号
【文献】米国特許第6,514,718号
【文献】米国特許第6,465,066号
【文献】米国特許第6,214,185号
【文献】米国特許第5,310,469号
【文献】米国特許第5,683,562号
【文献】米国特許第6,579,690号
【文献】米国特許第6,484,046号
【文献】米国特許第6,103,033号
【文献】米国特許第6,512,939号
【文献】米国特許第6,424,847号
【文献】米国特許出願公開第US-2005-0245799-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2006-0229512-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2007-0173709-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2006-0253012-A1号
【文献】米国特許第7,074,307号
【文献】米国特許出願公開第US-2005-0176136-A1号
【文献】米国特許第7,081,195号
【文献】米国特許出願公開第US-2005-0054909-A1
【文献】米国特許出願公開第US-2005-0090607-A1号
【文献】米国特許第4,803,243号
【文献】米国特許第4,686,044号
【文献】米国特許出願公開第US-2007-0244379-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2005-0027463-A1号
【文献】米国特許第6,329,161号
【文献】米国特許第4,703,756
【文献】米国特許出願公開第US-2007-0027370-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2008-0083617-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2008-0108942-A1号
【文献】米国特許出願公開第US-2009-0018424-A1号
【文献】米国特許第9,131,885号
【非特許文献】
【0009】
【文献】Updikeら「Diabetes Care 5」207~21頁(1982年)
【文献】Rhodesら、Anal. Chem., 66:1520~1529頁(1994年)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
様々な実施形態により、軟質連続検体センサなどの軟質検体センサが開示される。軟質検体センサは、センサ電子機器を収納するハウジングを有し、そのハウジングから軟質検体センサが延在する、連続検体センサシステムの一部として提供され得る。軟質検体センサは、軟質検体センサがセンサ電子機器ハウジングから患者の皮膚内に貫入し経皮または皮下検体測定を行うように生体内埋め込みを行うように構成され得る。
【0011】
軟質検体センサは、いくつかの実施形態による、低弾性軟質金属芯などの低弾性軟質芯を備え得る。他の実施形態において、軟質検体センサは低弾性軟質非金属芯を備え得るか、または複数の実質的に平面状の軟質層から形成されるものとしてよい。
【0012】
従来の生体内センサと比較して、軟質検体センサは、たとえば、生体内使用中のセンサの微小運動および圧力、界面応力を誘発し得る様々な運動によって引き起こされる皮膚変形、局部組織に関する経皮センサの変位による組織摩耗、局部的な炎症および代謝、サイトカインおよび他の細胞生産物の産生、微小出血、リンパ節破壊、間質液混合、ならびに異物反応の発生によって引き起こされるセンサ周辺の局部組織への挿入後応力および/または関連組織反応を低減するか、または排除し得る。センサへの組織反応(たとえば、周辺組織の炎症および/またはセンサの被包化)を低減することによって、信号の品質および信頼性が従来の経皮センサと比べてさらに改善され得る。たとえば、センサ信号品質がセンサの埋め込みの結果生じる炎症によって損なわれ得る、センサの埋め込みの後の初日効果は、低減されるか、または排除され得る。より具体的には、軟質検体センサは、反復組織損傷および慢性炎症を引き起こし得る頻繁な微動を低減し得る。炎症反応のこれらの急性および慢性効果の低減は、センサ精度に対する故障センサデータおよび/または負の効果の発生を低減することができる。それに加えて、局所的感知領域に関するセンサの摺動運動の低減は、デリケートな組織センサ界面の外乱を低減し、センサ信号の変動を引き起こし得る局所的間質液組成およびグルコース濃度勾配の再確定を防ぐのに役立ち得る。
【0013】
さらに、軟質検体センサは、組織の集積を円滑にし、局部組織に関するセンサの微小運動によって誘発される痛い感覚を低減するか、または排除するものとしてよく、したがって、特にセンサに固定されているハウジングおよび電子コンポーネントがさらに小型化されるときに、ユーザエクスペリエンスを改善し得る。さらに、局部組織に関するセンサの運動を低減することによって、センサにかかる力が低減され、センサそれ自体の機能的寿命は延命され、それによって、新しいセンサの挿入のために患者を針で穿刺する患者コストおよび頻度を低減し得る。
【0014】
軟質検体センサは、いくつかの実施形態において、たとえば、タンタルのヤング率より小さいヤング率(たとえば、おおよそ186ギガパスカル(GPa))を有し得る。別の例として、軟質検体センサは、いくつかの実施形態において、たとえば、白金のヤング率より小さいヤング率(たとえば、おおよそ147GPa)を有し得る。いくつかの実施形態において、軟質検体センサは、周辺組織のヤング率と実質的に同じであるヤング率を有し得る。軟質検体センサは、150GPa未満(たとえば、金属芯軟質検体センサの場合)または5GPa未満、2GPa未満、もしくは1 1/2GPa未満(たとえば、ポリマー芯もしくは繊維強化芯軟質検体センサの場合)の曲げ弾性率を有し得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、軟質検体センサは、埋め込みの前の第1の剛性と生体中での第2の剛性とを有し得る。たとえば、センサの剛性は、センサと生体内環境との間の相互作用に応じて低減され得る。様々な実施形態において、センサは、温度の変化に応答して、流体の吸収に応答して、化学反応に応答して、または印加されるかもしくは除去された電磁場に応答して、実質的に自立しているセンサから実質的に自立していないセンサに変形し得る。
【0016】
一実施形態により、生体内で使用するように構成されている連続検体センサが提供され、連続検体センサは、細長芯と、細長芯上に配設されている作用電極と、作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、膜は酵素層を含み、連続検体センサの一部はセンサ電子機器ハウジングから延在し、0.25ニュートン(N)未満の座屈力を有するように構成されている、膜とを備える。
【0017】
別の実施形態により、生体内で使用するように構成されている連続検体センサが提供され、連続検体センサは、作用電極を有する細長導電体であって、細長導電体は複数の実質的に平面状の層を有し、連続検体センサシステムのハウジングから延在するように構成されている複数の実質的に平面状の層の一部が全体として0.25ニュートン(N)未満の座屈力を有する、細長導電体と、作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、膜は酵素層を含む、膜とを備える。
【0018】
別の実施形態により、生体内で使用するように構成されている連続検体センサが提供され、連続検体センサは、作用電極を備える細長導電体であって、細長導電体は生体外の自立細長導電体および生体内の非自立細長導電体であるように構成される、細長導電体と、作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、膜は酵素層を含む、膜とを備える。
【0019】
対象技術の様々な構成は、当業者にとって本開示から容易にわかるものであり、対象技術の様々な構成は、図示され、例示として説明されていることは理解される。解されるように、対象技術は、他のおよび異なる構成を実現可能にし、そのいくつかの詳細は、様々な他の点に関して修正することが可能であり、すべて対象技術の範囲から逸脱しない。したがって、発明の概要、図面、および詳細な説明は、制限ではなく、事実上例示するものとみなされるべきである。
【0020】
そこで、本発明の実施形態について、有利な特徴を特に詳述することに重点を置きつつ詳細に説明する。これらの実施形態では、例示することのみを目的とし、縮尺通りでなく、その代わりに、本開示の原理を重点的に説明するためのものである添付図面に示されている新規性のある、また明白でない、センサ信号処理ならびに較正システムおよび方法を明示する。これらの図面は、類似の番号が類似の部分を示す以下の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ホストに取り付けられ複数の例示的なデバイスと通信する連続検体センサシステムの概略図である。
図2図1のセンサシステムに関連付けられている電子機器を例示するブロック図である。
図3】連続検体センサシステムのハウジングから延在する自立連続検体センサを有する連続検体センサシステムを例示する概略底面斜視図である。
図4】連続検体センサシステムのハウジングから延在する非自立連続検体センサを有する連続検体センサシステムを例示する概略底面斜視図である。
図5A】検体センサの一部を例示する概略側断面図である。
図5B】検体センサの一部を例示する概略斜視図である。
図5C】検体センサの一部を例示する概略側断面図である。
図6A】直線6-6で切り取った図5Aの検体センサの概略端面断面図である。
図6B】検体センサのための膜の概略断面図である。
図7】検体センサの一部を例示する概略斜視図である。
図8】外力に対する自立検体センサの応答を例示する概略図である。
図9】外力に対する非自立検体センサの応答を例示する概略図である。
図10】検体センサのための導電性トレースを有する細長ポリマー芯の一部を例示する概略斜視図である。
図11図10の導電性トレースを有する細長ポリマー芯に対する共押出成型製造システムの概略斜視図である。
図12】検体センサのための導電性トレースを有する別の細長ポリマー芯の一部を例示する概略斜視図である。
図13】検体センサのための細長ポリマー芯の一部を例示する概略斜視図である。
図14図13の細長ポリマー芯に対するスキージ製造システムの概略斜視図である。
図15】検体センサのための導電性ワイヤトレースを有する別の細長ポリマー芯の一部を例示する概略斜視図である。
図16図12の細長ポリマー芯に対するワイヤトレース積層(wire trace-lamination)製造システムの概略斜視図である。
図17図12の細長ポリマー芯上へのトレース積層のための誘導加熱式製造システムの概略斜視図である。
図18】検体センサのための導電性トレースおよび堆積電極パッドを有する細長ポリマー芯の一部を例示する概略斜視図である。
図19】検体センサのための細長絶縁体内の細長繊維強化芯の一部を例示する概略斜視図である。
図20】検体センサのための導電性トレースを有する細長絶縁体内の細長繊維強化芯の一部を例示する概略斜視図である。
図21】検体センサのための細長絶縁体、導電性トレース、および絶縁されたセンサ内の細長繊維強化芯の一部を例示する概略斜視図である。
図22】検体センサのための細長絶縁体内の細長繊維強化芯の後端部分を例示する概略斜視図である。
図23】検体センサのための細長絶縁体、導電性トレース、絶縁されたセンサ、および参照電極内の細長繊維強化芯の一部を例示する概略斜視図である。
図24図23のセンサの後端部分を例示する概略斜視図である。
図25A】検体センサのための細長絶縁体内の細長金属化ケブラー芯(elongated metalized Kevlar core)の一部を例示する概略斜視図である。
図25B】検体センサのための細長絶縁体内の細長金属化単繊維ケブラー芯の一部を例示する概略斜視図である。
図26図25Aのセンサの後端部分を例示する概略斜視図である。
図27】作用電極およびその上の導電性トレースのステンシル印刷時の様々な段階における検体センサのための別の細長ポリマー芯の一部を例示する概略斜視図である。
図28】複数の実質的に平面状の層を有する検体センサの一部を例示する概略斜視図である。
図29図28のセンサの後端部分を例示する概略斜視図である。
図30】複数の平面状の層を有するシートを例示する概略斜視図である。
図31図30のシートから検体センサリールを生成するための個片化機器を例示する概略側面図である。
図32図30のシートから丸みのある縁を有する検体センサを生成するためのプロセスを例示する概略斜視図である。
図33】対向電極を有する個片化センサ構造を例示する概略斜視図である。
図34A図33の個片化センサ構造から形成された対向電極および丸みのある縁を有する検体センサを例示する概略斜視図である。
図34B】別の個片化検体センサを例示する概略斜視図である。
図35】スパッタコーティングされた白金を電極材料として使用する軟質検体センサの例示的な背景雑音低減特性を例示する一対のグラフを示す図である。
図36】軟質検体センサの例示的な曲げ特性を例示するグラフを示す図である。
図37】細長親水性構造を有する検体センサの一部の概略端面断面図である。
図38】化学的/生物学的軟化過程を受ける検体センサの一部の概略端面断面図である。
図39】化学的/生物学的軟化構造を有する検体センサの一部の概略斜視図である。
図40】自立構成の浸漬コーティング作業を受ける検体センサの一部の概略図である。
図41】非自立構成の浸漬コーティング作業がうまくいかなかった検体センサの一部の概略図である。
図42】印加電磁場によって生成される自立構成のハウジングから延在する検体センサの一部の概略側面図である。
図43】非自立構成のハウジングから延在する検体センサの一部の概略側面図である。
図44】連続検体センサシステムのための磁場制御構造の概略斜視図である。
図45】連続検体センサシステムのための電磁場制御構造の概略斜視図である。
図46】様々な軟質検体センサの例示的な疲労特性を例示する均等目盛りグラフを示す図である。
図47】様々な軟質検体センサの例示的な疲労特性を例示する対数目盛りグラフを示す図である。
図48】軟質検体センサの例示的な座屈力特性を例示するグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
全体を通して類似の参照番号は、類似の要素を指す。要素は別段の指定のない限り縮尺通りでない。
【0023】
次の説明および例は、開示されている発明のいくつかの例示的な実装形態、実施形態、および配置構成を詳細に例示している。当業者であれば、本発明の範囲に包含される本発明の数多くの変更形態および修正形態があることを認識するであろう。したがって、いくつかの例示的な実施形態の説明は本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。
【0024】
定義
本明細書で説明されている様々な実施形態の理解を円滑にするために、多数の術語が以下で定義されている。
【0025】
本明細書で使用されているような「検体」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、分析され得る生体液(たとえば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、もしくは尿)中の物質または化学成分を指す。検体は、天然物質、人工物質、代謝産物、および/または反応生成物を含むことができる。いくつかの実施形態において、センサヘッド、デバイス、および方法による測定のための検体は検体である。しかしながら、限定はしないが、アカルボキシプロトロンビン、アシルカルニチン、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アルブミン、αフェトプロテイン、アミノ酸組成(アルギニン(クレブス回路)、ヒスチジン/ウロカニン酸、ホモシステイン、フェニルアラニン/チロシン、トリプトファン)、アンドロステンジオン、アンチピリン、アラビニトール光学異性体、アルギナーゼ、ベンゾイルエクゴニン(コカイン)、ビオチニダーゼ、ビオプテリン、C-反応性タンパク質、カルニチン、カルノシナーゼ、CD4、セルロプラスミン、ケノデオキシコール酸、クロロキン、コレステロール、コリンエステラーゼ、共役1-βヒドロキシコール酸、コルチゾール、クレアチンキナーゼ、クレアチンキナーゼMMイソエンザイム、シクロスポリンA、D-ペニシラミン、デエチルクロロキン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェイト、DNA(アセチル化能の多型、アルコール脱水素酵素、α1-抗トリプシン、嚢胞性線維症、デュシェンヌ型/ベッカー型筋ジストロフィー、検体-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘモグロビンA、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンF、D-Punjab、βサラセミア、B型肝炎ウイルス、HCMV、HIV-1、HTLV-1、レーベル遺伝性視神経症、MCAD、RNA、PKU、三日熱マラリア原虫、性分化、21-デオキシコルチゾール)、デスブチルハロファントリン、ジヒドロプテリジン還元酵素、ジフテリア/破傷風抗毒素、赤血球アルギナーゼ、赤血球プロトポルフィリン、エステラーゼD、脂肪酸/アシルグリシン、遊離β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、遊離赤血球ポルフィリン、遊離チロキシン(FT4)、遊離トリヨードサイロニン(FT3)、フマリルアセトアセターゼ、ガラクトース/ガラ-1-リン酸、ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ、ゲンタマイシン、検体-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グリココール酸、グリコシル化ヘモグロビン、ハロファントリン、ヘモグロビン変異体、ヘキソサミニダーゼA、ヒト赤血球炭酸脱水酵素I、17-α-ヒドロキシプロゲステロン、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ、免疫反応性トリプシン、乳酸塩、鉛、リポタンパク質((a)、B/A-l、β)、リゾチーム、メフロキン、ネチルミシン、フェノバルビトン、フェニトイン、フィタン/プリスタン酸、プロゲステロン、プロラクチン、プロリダーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、キニーネ、逆位トリヨードチロニン(rT3)、セレン、血清膵リパーゼ、シソマイシン、ソマトメジンC、特異抗体(アデノウイルス、抗核抗体、抗zeta抗体、アルボウイルス、オーエスキー病ウイルス、デングウイルス、メジナ虫、単包条虫、赤痢アメーバ、エンテロウイルス、ランブル鞭毛虫、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV-1、IgE(アトピー性疾患)、インフルエンザウイルス、ドノバンリーシュマニア、レプトスピラ、はしか/おたふく風邪/風疹、ハンセン菌、肺炎マイコプラズマ、ミオグロビン、回旋糸状虫、パラインフルエンザウイルス、熱帯熱マラリア原虫、ポリオウイルス、緑膿菌、呼吸器合胞体ウイルス、リケッチア(草原熱)、マンソン住血吸虫、トキソプラズマ原虫、梅毒トレポネーマ、クルーズトリパノソーマ/ランゲルトリパノソーマ、水疱性口内炎ウイルス、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス)、特異性抗原(B型肝炎ウイルス、HIV-1)、サクシニルアセトン、スルファドキシン、テオフィリン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、サイロキシン(T4)、サイロキシン結合グロブリン、微量元素、トランスフェリン、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ、尿素、ウロポルフィリノーゲンIシンターゼ、ビタミンA、白血球、および亜鉛プロトポルフィリンを含む、他の検体も企図される。血液または間質液中に天然に存在する塩、糖類、タンパク質、脂肪、ビタミン、およびホルモンも、いくつかの実施形態において検体をなすものとしてよい。検体は、生体液中に自然に存在するものとしてよく、たとえば、代謝産物、ホルモン、抗原、抗体などである。代替的に、検体、たとえば、画像診断のための造影剤、放射性同位体、化学薬剤、フッ化炭素ベースの人工血液、または薬物もしくは医薬品組成物が体内に導入されるものとしてよく、これらの薬物もしくは医薬品組成物は、限定はしないが、インスリン、エタノール、大麻(マリワナ、テトラヒドロカナビノール、ハシシ)、吸入剤(亜酸化窒素、亜硝酸アミル、亜硝酸ブチル、クロロ炭化水素、炭化水素)、コカイン(クラックコカイン)、刺激剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、リタリン、サイラート、プレルジン、ディドレックス、プレステート、ヴォラニル、サンドレックス、プレギン)、鎮静剤(バルビツール酸塩、メタカロン、ヴァリウム、リブリウム、ミルタウン、セラックス、イクオニル、トランキセンなどのトランキライザー)、幻覚剤(フェンシクリジン、リゼルギン酸、メスカリン、ペヨーテ、サイロシビン)、麻薬(ヘロイン、コデイン、モルヒネ、アヘン、メペリジン、パーコセット、パーコダン、ツシオネックス、フェンタニル、ダーヴォン、タルウィン、ロモティル)、デザイナードラッグ(フェンタニル、メペリジン、アンフェタミン、メタンフェタミン、およびフェンシクリジンの類似体、たとえばエクスタシー)、タンパク同化ステロイド、およびニコチンを含む。薬物および医薬組成物の代謝産物も、検体として企図される。たとえば、アスコルビン酸、尿酸、ドパミン、ノルアドレナリン、3-メトキシチラミン(3MT)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)、5-ヒドロキシトリプタミン(5HT)、および5-ヒドロキシインドール酢酸(FHIAA)など、体内で生成される神経化学系化合物および他の化学物質などの検体を分析することもできる。
【0026】
本明細書で使用されているような「マイクロプロセッサ」および「プロセッサ」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、コンピュータシステム、状態機械、およびコンピュータを駆動する基本命令に応答し、基本命令を処理する論理回路を使用して算術論理演算を実行する同様のものを指す。
【0027】
本明細書で使用されているような「較正」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、センサデータと対応する参照データとの間の関係を決定するプロセスを指し、これは参照データをリアルタイムで利用して、もしくはリアルタイムで利用することなくセンサデータを参照データと実質的に同等である意味のある値に変換するために使用され得る。いくつかの実施形態において、すなわち、連続検体センサにおいて、較正は、センサデータと参照データとの間の関係の変化が、たとえば、感度、ベースライン、輸送、代謝、および同様のものの変化により生じるときに時間とともに更新もしくは再較正され得る(工場で、リアルタイムで、および/または遡及的に)。
【0028】
本明細書で使用されているような「較正データ」および「較正データストリーム」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、意味のある値をユーザに提供するために、感度の使用によることを含む、関数、たとえば、変換関数を使用して未加工状態から別の状態に変換されたデータを指す。
【0029】
本明細書で使用されているような「アルゴリズム」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、たとえばコンピュータ処理を使用することによって、情報を一方の状態から別の情報に変換することに関わる計算プロセス(たとえば、プログラム)を指す。
【0030】
本明細書で使用されているような「カウント」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、デジタル信号の測定単位を指す。一例において、カウントを単位として測定された未加工データストリームは、作用電極からの電流に直接関係する、電圧に直接関係する(たとえば、A/Dコンバータによって変換される)。
【0031】
本明細書で使用されているような「センサ」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、それによって検体を定量化できるデバイスのコンポーネントまたは領域を指す。センサの「ロット」は、一般的に、同じ日またはその前後に、同じプロセスおよびツール/材料を使用して製造されたセンサのグループを指す。
【0032】
本明細書で使用されているような「グルコースセンサ」および「生体試料中のグルコースの量を決定するための部材」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、それによってグルコースを定量化できる機構(たとえば、酵素もしくは非酵素)を指す。たとえば、いくつかの実施形態では、酸素およびグルコースから過酸化水素およびグルコン酸塩への変換を触媒するグルコースオキシダーゼを含む膜を利用し、これは
グルコース+O2→グルコン酸塩H2O2
という化学反応によって例示される。
【0033】
代謝される各グルコース分子について、共反応化合物O2および生成物H2O2において比例する変化があるので、電極を使用して共反応化合物および生成物のいずれかにおける電流変化を監視しグルコース濃度を決定することができる。
【0034】
本明細書で使用されているような「動作可能に接続される」および「動作可能にリンクされる」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、1つまたは複数のコンポーネントが別のコンポーネントに、それらのコンポーネントの間の信号の伝送を可能にする方式でリンクされることを指す。たとえば、1つまたは複数の電極が、試料中のグルコースの量を検出し、その情報を信号、たとえば、電気的もしくは電磁気的信号に変換するために使用されるものとしてよく、この信号は電子回路に伝送され得る。この場合、電極は電子回路に「動作可能にリンクされる」。これらの術語は、ワイヤレス接続性を含むほど十分に広義である。
【0035】
「決定する」という術語は、多種多様のアクションを包含する。たとえば、「決定すること」は、計算すること、コンピューティング、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(たとえば、テーブル、データベース、または別のデータ構造体内を検索すること)、確認すること、および同様のアクションを含み得る。また、「決定すること」は、受信する(受け取る)こと(たとえば、情報を受信する(受け取る)こと)、アクセスすること(たとえば、メモリ内のデータにアクセスすること)、および同様のアクションを含み得る。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、計算すること、導出すること、確定すること、および/または同様のことを含み得る。決定することは、閾値の基準が満たされた、閾値を通り過ぎた、閾値を超えたなどを含む、パラメータが所定の基準とマッチすることを確認することも含み得る。
【0036】
本明細書で使用されているような「実質的に」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、大部分であるが必ずしも全体ではなく指定されているものであることを指す。
【0037】
本明細書で使用されているような「ホスト」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、哺乳類、特に人間を指す。
【0038】
本明細書で使用されているような「連続検体(またはグルコース)センサ」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、検体の濃度を連続的にまたは継続的に、たとえば、数分の1秒から最大たとえば1、2、もしくは5分またはそれ以上の範囲の時間間隔で、測定するデバイスを指す。例示的な一実施形態において、連続検体センサは、参照により全体が本明細書に組み込まれている米国特許第6,001,067号において説明されているようなグルコースセンサである。
【0039】
本明細書で使用されているような「連続検体(またはグルコース)感知」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、検体の監視が連続的にまたは継続的に、たとえば、数分の1秒から最大たとえば1、2、もしくは5分またはそれ以上の範囲の時間間隔で、実行される期間を指す。
【0040】
本明細書で使用されているような「感知膜」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、2つまたはそれ以上のドメインからなるものとしてよく、典型的には、酸素に対して透過性を有するが、グルコースに対しては透過性を有する場合も有しない場合もある、数ミクロン以上の厚さの材料から構成される透過膜または半透膜を指す。一例において、感知膜は、固定化グルコースオキシダーゼ酵素を含み、これはグルコース濃度を測定するために電気化学反応を起こすことができる。
【0041】
本明細書で使用されているような「センサデータ」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、連続検体センサなどのセンサに関連付けられている任意のデータを指す。センサデータは、検体センサからの測定された検体に直接関係するアナログもしくはデジタル信号(または別のセンサから受信された他の信号)の未加工データストリーム、または単にデータストリーム、さらには較正済みおよび/またはフィルタ処理済みの未加工データを含む。一例において、センサデータは、アナログ信号(たとえば、電圧もしくは電流)からA/Dコンバータによって変換された「カウント」を単位とするデジタルデータを含み、グルコース濃度を表す1つまたは複数のデータ点を含む。したがって、「センサデータ点」および「データ点」という術語は、一般的に、特定の時刻におけるセンサデータのデジタル表現を指す。これらの術語は、広い意味で、実質的に連続的なグルコースセンサなどのセンサからの時間に関して間隔をあけた複数のデータ点を包含し、これは数分の1秒から最大たとえば1、2、もしくは5分またはそれ以上の範囲の時間間隔で得た個別の測定結果を含む。別の例では、センサデータは、一定時間期間にわたって平均化された1つまたは複数のデータ点を表す積分されたデジタル値を含む。センサデータは、較正済みデータ、平滑化データ、フィルタ処理済みデータ、変換済みデータ、および/またはセンサに関連付けられた他のデータを含み得る。
【0042】
本明細書で使用されているような「センサ電子機器」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに限定はしないが、データを処理するように構成されているデバイスのコンポーネント(たとえば、ハードウェアおよび/またはソフトウェア)を指す。
【0043】
本明細書で使用されているような「感度」または「センサ感度」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、さらに、限定はしないが、測定された検体、または測定された検体(たとえば、グルコース)に関連付けられている測定された化学種(たとえば、H2O2)の濃度によって生成される信号の量を指す。たとえば、一実施形態において、センサは、グルコース検体1mg/dL毎に約1から約300ピコアンペアの電流の感度を有する。
【0044】
本明細書で使用されているような「試料」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、ホスト身体の試料、たとえば、血液、血清、血漿、間質液、脳脊髄液、リンパ液、眼液、唾液、口腔液、尿、排泄物、または浸出液を含む、体液を指す。
【0045】
本明細書で使用されているような「較正」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、センサデータと対応する参照データとの間の関係および/またはその関係を決定するプロセスを指す。いくつかの実施形態において、すなわち、連続検体センサにおいて、較正は、センサデータと参照データとの間の関係の変化が、たとえば、感度、ベースライン、輸送、代謝、および同様のものの変化により生じる場合に時間とともに更新もしくは再較正され得る。
【0046】
検体感知に関して本明細書で使用されているような「連続的」または「連続的に」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、たとえば、約1分から10分毎に測定を実行するなどの、検体濃度の連続的、継続的、または間欠的(たとえば、定期的)監視を指す。連続検体センサは、連続検体センサは、一般的に、たとえば、米国特許第6,001,067号において連続グルコースセンサに関して記載されているような、各測定に対するユーザ初期操作および/または相互作用を必要とすることなく検体濃度を継続的に測定することは理解されるであろう。これらの術語は、データギャップが存在し得る状況(たとえば、連続的グルコースセンサが一時的にデータを提供していないとき)を含む。
【0047】
本明細書で使用されているような「カウント」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、デジタル信号の測定単位を指す。たとえば、カウントを単位として測定された未加工データストリームまたは未加工データ信号は、作用電極からの電流に直接関係する、電圧に直接関係する(たとえば、A/Dコンバータによって変換される)。いくつかの実施形態において、これらの術語は、一定の時間期間(たとえば、5分)にわたって積分または平均されたデータを指すものとしてよい。
【0048】
本明細書で使用されているような「架橋」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、一方のポリマー(もしくはオリゴマー)鎖を他方のポリマー(もしくはオリゴマー)鎖にリンクする化学結合(たとえば、共有結合、イオン結合、水素結合、など)の形成、または一方のポリマー(もしくはオリゴマー)鎖の他方のポリマー(もしくはオリゴマー)鎖への結合力を高めるプロセスを指す。架橋は、たとえば、様々な反応またはプロセス、たとえば、熱、圧力、触媒、放射線、および同様のものによって開始される化学的プロセスを通じて形成され得る。
【0049】
本明細書で使用されているような「...の遠位」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、特定の参照点と比較した様々な要素の間の空間的関係を指す。一般に、この術語は、ある要素が、参照点から、別の要素と比べて遠い位置に配置されることを示す。
【0050】
本明細書で使用されているような「...の近位」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、特定の参照点と比較した様々な要素の間の空間的関係を指す。一般に、この術語は、ある要素が、参照点から、別の要素と比べて近い位置に配置されることを示す。
【0051】
本明細書で使用されているような「電気化学反応表面」および「電気活性表面」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、電気化学反応が生じる表面を指す。非限定的な一例として、電気化学的グルコースセンサでは、作用電極は電気活性表面において過酸化水素H2O2を測定する。過酸化水素は、検出された検体の酵素触媒反応によって生成され、電気活性表面と反応して検出可能な電流を発生する。たとえば、グルコースは、副産物として過酸化水素を生成する、グルコースオキシダーゼ(GOX)を利用して検出され得る。過酸化水素は、作用電極の表面(たとえば、電気活性表面)と反応し、2個の陽子(2H+)、2個の電子(2e-)、および1個の酸素分子(O2)を生成し、検出される電流を発生する。
【0052】
本明細書で使用されているような「電気的接続」および「電気的接触」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、当業者に知られている2つの導電体の間の任意の接続を指す。一実施形態において、電極は、デバイスの電子回路と電気的接続状態にある(たとえば、電気的に接続されている)。別の実施形態では、限定はしないが、2つの金属など、2つの材料が互いに電気的に接触するものとしてよく、それにより電流が2つの材料のうちの一方から他の材料に流れることができる。
【0053】
本明細書で使用されているような「電子機器」、「センサ電子機器」、および「システム電子機器」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないがセンサに動作可能なように結合され、センサに関連付けられているデータを測定し、処理し、受信し、および/もしくは伝送するように構成されている電子機器、および/または流量制御デバイスと通信し、流量制御デバイスによる流体計量を制御し、ならびに/または監視するように構成されている電子機器を指す。
【0054】
本明細書で使用されているような「細長導電体」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、少なくとも一部は導電性材料で形成され、その上に形成され得る任意の数のコーティングを含む細長体を指す。例として、「細長導電体」は、裸細長導電性芯(たとえば、金属線)、各々導電性である場合もそうでない場合もある1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれ以上の材料層でコーティングされている細長導電性芯、またはその上に導電性コーティング、トレース、および/もしくは電極を備え、各々導電性である場合もそうでない場合もある1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれ以上の材料層でコーティングされている細長非導電性芯を意味し得る。
【0055】
本明細書で使用されているような「ホスト」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、植物または動物、たとえば人間を指す。
【0056】
本明細書で使用されているような「生体外部分」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、ホストの生体の外側に留まりおよび/または存在するように適合されているデバイスの一部(たとえば、センサ)を指す。
【0057】
本明細書で使用されているような「生体内部分」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、ホストの生体内に挿入され、および/または生体内に存在するように適合されているデバイスの一部(たとえば、センサ)を指す。
【0058】
本明細書で使用されているような「多軸曲げ」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、複数の平面内の、または複数の軸の周りの曲げを優先することを指す。
【0059】
本明細書で使用されているような「動作可能なように接続される」、「動作可能なようにリンクされる」、「動作可能に接続される」、および「動作可能にリンクされる」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、1つまたは複数の他のコンポーネントにリンクされた1つまたは複数のコンポーネントを指す。これらの術語は、機械的接続、電気的接続、またはコンポーネントの間の信号の伝送を可能にする任意の接続を指すものとしてよい。たとえば、1つまたは複数の電極が、試料中の検体の量を検出し、その情報を信号に変換するために使用されるものとしてよく、この信号は回路に伝送され得る。そのような一例において、電極は電子回路に「動作可能にリンクされる」。これらの術語は、有線接続と無線接続とを含む。
【0060】
本明細書で使用されているような「ポテンショスタット」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、1つまたは複数のプリセット値において作用電極と参照電極との間の電位を制御する電子機器を指す。
【0061】
本明細書で使用されているような「プロセッサモジュール」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、コンピュータシステム、状態機械、プロセッサ、そのコンポーネント、およびコンピュータを駆動する基本命令に応答し、基本命令を処理する論理回路を使用して算術もしくは論理演算を実行するように設計されている同様のものを指す。
【0062】
本明細書で使用されているような「未加工データ」、「未加工データストリーム」、「未加工データ信号」、「データ信号」、および「データストリーム」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、測定された検体に直接関係する検体センサからのアナログもしくはデジタル信号を指す。たとえば、未加工データストリームは、検体濃度を表すアナログ信号(たとえば、電圧もしくは電流)からA/Dコンバータによって変換された「カウント」を単位とするデジタルデータである。これらの術語は、広い意味で、実質的に連続的な検体センサからの時間に関して間隔をあけた複数のデータ点を含むものとしてよく、各々数分の1秒から最大たとえば1、2、もしくは5分またはそれ以上の範囲の時間間隔で得た個別の測定結果を含む。いくつかの実施形態において、これらの術語は、一定の時間期間(たとえば、5分)にわたって積分または平均されたデータを指すものとしてよい。
【0063】
本明細書で使用されているような「センサ」および「センサシステム」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、それによって検体を定量化できるデバイス、コンポーネント、またはデバイスの領域を指す。
【0064】
本明細書で使用されているような「センサセッション」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、センサが使用中である時間期間、たとえば、限定はしないが、センサが(たとえば、ホストによって)埋め込まれた時刻から始まりセンサの取り外し(たとえば、ホストの身体からのセンサの取り外しおよび/またはシステム電子機器の取り外し(たとえば、システム電子機器からの切断))までの時間期間を指す。
【0065】
本明細書で使用されているような「膜システム」および「膜」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、1つまたは複数の層を含み、酸素に対して透過性を有するが、注目している検体に対しては透過性を有する場合も有しない場合もある材料から構成され得る透過膜または半透膜を指す。一例において、膜システムは、固定化グルコースオキシダーゼ酵素を含み、これはグルコース濃度を測定するために電気化学反応を起こすことができる。
【0066】
本明細書で使用されているような「実質的な」および「実質的に」という術語は、広義語であり、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、所望の機能を付与する十分な量を指す。
【0067】
以下の説明内で、いくつかの場合において術語の使用の文脈から、他の定義が提示され得る。
【0068】
本明細書において採用されているように、次に示す略語、すなわち、EqおよびEqs(当量)、mEq(ミリ当量)、M(モル濃度)、mM(ミリモル濃度)、μM(マイクロモル濃度)、N(規定度)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、μmol(マイクロモル)、nmol(ナノモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、Kg(キログラム)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、dL(デシリットル)、μL(マイクロリットル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、nm(ナノメートル)、hおよびhr(時)、min.(分)、sおよびsec.(秒)、℃(摂氏温度)、°F(華氏温度)、Pa(パスカル)、kPa(キロパスカル)、MPa(メガパスカル)、GPa(ギガパスカル)、Psi(ポンド毎平方インチ)、kPsi(キロポンド毎平方インチ)が適用される。
【0069】
システムの概要/一般説明
生体内連続検体感知技術は、膜内でのセンサのコーティングを成功させグルコース濃度測定を円滑にするために最小剛性に基づき決定される剛性(たとえば、ヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力によって定義される剛性)を有する生体内センサに依存し得る。
【0070】
弾性率とも称される、ヤング率は、線形弾性固体材料の機械的特性であり、材料中の応力(単位面積当たりの力)とひずみ(比例する変形)との間の関係を定義する。曲げ弾性率は、曲げ変形における応力対ひずみの比、または材料が曲がる傾向として計算され得る物体の示強特性である。物体の曲げ弾性率は、曲げ試験(ASTM D 790曲げ試験など)によって発生する応力-ひずみ曲線の勾配から決定されるものとしてよく、面積当たりの力の単位として表され得る。いくつかの配置構成における金属などの等方性材料については、ヤング率および曲げ弾性率は、同じであり得る。しかしながら、細長ポリマー物体などのいくつかの物体について、曲げ弾性率はヤング率と異なる場合がある。座屈力は、物体に座屈が生じるまで印加され得る最大圧縮荷重として定義され得る。
【0071】
たとえば、メタルクラッド、タンタル線は、時には、連続検体センサ用の芯裸感知要素として使用される。この感知要素は膜内でコーティングされ、最終センサを形成する。これらの構成における全体としてのセンサの剛性は、周辺皮膚および脂肪組織よりかなり高くなり得る。この種類の剛性不整合は、生体内でのセンサへの異物巨細胞応答を悪化させ得る基本的コンプライアンスミスマッチ(fundamental compliance mismatch)を引き起こし得ることが発見されている。本質的に、センサおよび周辺組織の剛性の差により、運動の増大とともに、組織とセンサとの間の界面に応力増大が生じ得る。センサはより剛性が大きいので、これは、最初の負傷の後に周辺組織に追加の損傷を引き起こす可能性があり、したがって炎症カスケードを再活性化する。
【0072】
様々な皮膚層に対して広範な弾性率が報告されており、角質層については水分減少で5~1000MPa、真皮については56~260kPa、およびSubQ組織については0.12~23kPaである。タンタル芯センサのヤング率は、27×10^6psiまたは186GPaと高くてよく、これは生活皮膚組織のヤング率(たとえば、角質層を除く組織では0.1~260kPaの範囲のヤング率)の6000倍を超える。これは、生体力学的適合性に対する大きな問題を引き起こす。
【0073】
本明細書で説明されているのは、生体適合性を高めた連続検体監視のための軟質検体センサである。本明細書において説明されているシステムおよび方法は、デバイス-組織間相互作用を改善するために軟質組織適合芯を備える弾性率不整合低減センサを提供する。本明細書において説明されている軟質検体センサは、センサに対するコーティングプロセスなどの製造作業を円滑にする機械的特性を維持しながら改善された生体適合性を提供する。本明細書において説明されている軟質検体センサは、微小運動からの挿入後負傷を低減し、組織損傷によって引き起こされるセンサ雑音を最小にし得る。
【0074】
次の説明および例では、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明した。図面において、本発明の実施形態の要素に参照番号をラベルとして付けてある。これらの参照番号は、対応する図面の特徴の説明に関連して以下に複製される。
【0075】
センサシステム
図1は、いくつかの例示的な実装形態による、例示的なシステム100を示している。システム100は、センサ電子機器112と連続検体センサ110とを備える連続検体センサシステム101を具備する。システム100は、薬剤送達ポンプ102およびグルコースメーター104などの、他のデバイスおよび/またはセンサを備え得る。連続検体センサ110は、センサ電子機器112に物理的に接続されてよく、連続検体センサ110と一体である(たとえば、解放不可能に取り付けられる)か、または連続検体センサ110に解放可能に取り付け可能であるものとしてよい。センサ電子機器112、薬剤送達ポンプ102、および/またはグルコースメーター104は、表示デバイス114、116、118、および/または120などの、1つまたは複数のデバイスと結合されるものとしてよい。
【0076】
いくつかの例示的な実装形態において、システム100は、ホスト(患者とも称される)に関連付けられる、センサシステム101および表示デバイス114、116、118、および/または120などの、他のデバイスからネットワーク406経由で(たとえば、有線、ワイヤレス、またはこれらの組合せを介して)提供される検体データ(および/または他の患者関係データ)を分析し、特定の時間枠にわたる測定された検体に関して、統計量などの、高水準情報を提供する報告を生成するように構成されているクラウドベースの検体プロセッサ490を備えるものとしてよい。クラウドベースの検体処理システムを使用することに関する詳細な説明は、参照により全体が本明細書に組み込まれている2013年3月7日に出願した米国特許出願第13/788,375号、名称「Cloud-Based Processing of Analyte Data」に記載されている。いくつかの実装形態において、工場較正アルゴリズムの1つまたは複数のステップは、クラウドにおいて実行できる。
【0077】
いくつかの例示的な実装形態において、センサ電子機器112は、連続検体センサ110によって生成されるデータを測定し処理することに関連付けられている電子回路を備え得る。この生成された連続検体センサデータは、連続検体センサデータを処理し、較正するために使用され得る、アルゴリズムも備えるものとしてよいが、これらのアルゴリズムは、他の仕方でも提供され得る。センサ電子機器112は、連続的グルコースセンサなどの、連続検体センサを介して検体のレベルの測定を提供するための、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せを備え得る。センサ電子機器112の例示的な一実装形態は、図2に関して以下でさらに説明される。
【0078】
一実装形態において、本明細書において説明されている工場較正アルゴリズムは、センサ電子機器によって実行され得る。
【0079】
センサ電子機器112は、指摘したように、表示デバイス114、116、118、および/または120などの、1つまたは複数のデバイスと(たとえば、ワイヤレス方式および同様の方式で)結合されるものとしてよい。表示デバイス114、116、118、および/または120は、表示デバイス114、116、118、および/または120に表示するためにセンサ電子機器112によって伝送されるセンサ情報などの、情報を提示する(および/または警報を発する)ように構成され得る。
【0080】
表示デバイスは、比較的小型のキーフォブに似た表示デバイス114、比較的大型のハンドヘルド型表示デバイス116、携帯電話118(たとえば、スマートフォン、タブレット、および同様のもの)、コンピュータ120、および/または情報(たとえば、薬剤送達情報、離散的自己監視グルコース読み取り値、心拍数モニター、カロリー摂取量モニター、および同様のもの)を少なくとも提示するように構成されている他のユーザ機器を含み得る。
【0081】
一実装形態において、本明細書において説明されている工場較正アルゴリズムは、少なくとも一部は表示デバイスによって実行され得る。
【0082】
いくつかの例示的な実装形態において、比較的小型のキーフォブに似た表示デバイス114は、腕時計、ベルト、ネックレス、ペンダント、宝石、接着パッチ、ページャ、キーフォブ、プラスチックカード(たとえば、クレジットカード)、識別(ID)カード、および/または同様のものを含み得る。この小型表示デバイス114は、比較的小型のディスプレイ(たとえば、大型表示デバイス116より小さい)を備えていてもよく、数値、および矢印、またはカラーコードなどの、いくつかの種類の表示可能センサ情報を表示するように構成され得る。
【0083】
いくつかの例示的な実装形態において、比較的大型のハンドヘルド表示デバイス116は、ハンドヘルド型受信機デバイス、パームトップコンピュータ、および/または同様のものを含み得る。この大型表示デバイスは、比較的大型のディスプレイ(たとえば、小型表示デバイス114より大きい)を備えていてもよく、センサシステム100によって出力される電流センサデータおよび履歴センサデータを含む連続センサデータのグラフ表示などの、情報を表示するように構成され得る。
【0084】
いくつかの例示的な実装形態において、連続検体センサ110は、検体を検出し、および/または測定するためのセンサを備え、連続検体センサ110は、非侵襲的デバイス、皮下デバイス、経皮デバイス、および/または血管内デバイスとして検体を連続的に検出し、および/または測定するように構成され得る。いくつかの例示的な実装形態において、連続検体センサ110は複数の間欠的血液試料を分析し得るが、他の検体も使用され得る。
【0085】
いくつかの例示的な実装形態において、連続検体センサ110は、酵素測定、化学的測定、物理学的測定、電気化学的測定、分光光度測定、偏光測定、熱量測定、イオン導入測定、放射線測定、免疫化学的測定、および同様の測定などの1つまたは複数の測定技術を使用して血液または間質液中のグルコースを測定するように構成されているグルコースセンサを含み得る。連続検体センサ110がグルコースセンサを含む実装形態において、グルコースセンサは、グルコースの濃度を測定することができるデバイスを含むものとしてよく、侵襲的、低侵襲的、および非侵襲的感知技術(たとえば、蛍光監視)を含む様々な技術を使用してグルコースを測定し、ホスト体内のグルコースの濃度を指示する、データストリームなどのデータを提供し得る。データストリームは、ユーザ、患者、または介護人(たとえば、親、血縁者、保護者、教師、医者、看護婦、またはホストの健康に関心を有している他の個人)などの、ホストにグルコースの値を提供するために使用される較正済みデータストリームに変換され得る、センサデータ(未加工および/またはフィルタ処理済みデータ)であってよい。さらに、連続検体センサ110は、埋め込み型グルコースセンサ、ホストの血管に埋め込まれるかもしくは体外に置かれる経皮グルコースセンサ、皮下センサ、詰め替え可能皮下センサ、血管内センサの軟質検体センサのうちの少なくとも1つとして埋め込まれ得る。
【0086】
本明細書の開示はグルコースセンサを含む連続検体センサ110を備えるいくつかの実装形態を参照しているが、連続検体センサ110は、他の種類の軟質検体センサも含み得る。さらに、いくつかの実装形態ではグルコースセンサを埋め込み型グルコースセンサとして参照しているが、グルコースの濃度を検出し、グルコース濃度を表す出力信号を提供することができる他の種類のデバイスも使用されてよい。さらに、本明細書の説明ではグルコースを測定される、処理される、および同様の操作がなされる検体として参照しているが、たとえば、ケトン体(たとえば、アセトン、アセト酢酸およびβヒドロキシ酪酸、乳酸塩など)、グルカゴン、アセチルCoA、トリグリセリド、脂肪酸、クエン酸回路内の中間物、コリン、インスリン、コルチゾール、テストステロン、および同様のものを含む他の検体も使用され得る。
【0087】
図2は、いくつかの例示的な実装形態による、センサ電子機器112の一例を示している。センサ電子機器112は、たとえば、プロセッサモジュールを介して、センサデータなどの、センサ情報を処理し、変換されたセンサデータおよび表示可能なセンサ情報を生成するように構成されているセンサ電子機器を含み得る。たとえば、プロセッサモジュールは、センサデータを、フィルタ処理済みセンサデータ(たとえば、1つもしくは複数のフィルタ処理済み検体濃度値)、未加工センサデータ、較正済みセンサデータ(たとえば、1つもしくは複数の較正済み検体濃度値)、変化率情報、傾向情報、加速/減速率情報、センサ診断情報、位置情報、アラーム/アラート情報、本明細書において開示されているような工場較正アルゴリズムによって決定され得るような較正情報、センサデータの平滑化および/もしくはフィルタ処理アルゴリズム、ならびに/または同様のもののうちの1つまたは複数に変換し得る。
【0088】
いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、工場較正に関係するデータ処理を含む、データ処理のうちの、すべてではないが実質的な部分を達成するように構成される。プロセッサモジュール214は、センサ電子機器12と一体であってよく、ならびに/またはデバイス114、116、118、および/もしくは120ならびに/またはクラウド490のうちの1つもしくは複数の内など、リモートに配置されてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、複数のより小型のサブコンポーネントまたはサブモジュールを含み得る。たとえば、プロセッサモジュール214は、アラートモジュール(図示せず)もしくは予測モジュール(図示せず)、またはデータを効率よく処理するために利用され得る他の好適なモジュールを含み得る。プロセッサモジュール214が、複数のサブモジュールから構成されるときに、サブモジュールは、センサ電子機器112または他の関連付けられているデバイス(たとえば、114、116、118、120、および/または490)内を含む、プロセッサモジュール214内に配置され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、少なくとも部分的にクラウドベースの検体プロセッサ490内に、またはネットワーク406内の別のところに配置されてよい。
【0089】
いくつかの例示的な実装形態において、プロセッサモジュール214は、センサデータを較正するように構成されるものとしてよく、データ記憶メモリ220は、較正済みセンサデータ点を変換済みセンサデータとして記憶し得る。さらに、プロセッサモジュール214は、いくつかの例示的な実装形態において、センサ110からセンサデータの較正を行えるようにするために、デバイス114、116、118、および/または120などの、表示デバイスから較正情報をワイヤレス方式で受信するように構成され得る。さらに、プロセッサモジュール214は、センサデータ(たとえば、較正済みおよび/またはフィルタ処理済みデータおよび/または他のセンサ情報)に対して追加のアルゴリズム処理を実行するように構成されてよく、データ記憶メモリ220は、アルゴリズムに関連付けられている変換済みセンサデータおよび/またはセンサ診断情報を記憶するように構成されてよい。プロセッサモジュール214は、以下で説明されているように、工場較正から決定された較正情報を記憶し、使用するようにさらに構成され得る。
【0090】
いくつかの例示的な実装形態において、センサ電子機器112は、ユーザインターフェース222に結合されている特定用途向け集積回路(ASIC)205を含み得る。ASIC205は、ポテンショスタット210、センサ機器112からデバイス114、116、118、および/もしくは120などの1つもしくは複数のデバイスにデータを伝送するための遠隔計測モジュール232、ならびに/または信号処理およびデータ記憶のための他のコンポーネント(たとえば、プロセッサモジュール214およびデータ記憶メモリ220)をさらに含み得る。図2はASIC205を示しているが、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、センサ電子機器12によって実行される処理の(すべてではないとしても)一部を提供するように構成されている1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、アナログ回路、デジタル回路、またはこれらの組合せを含む、他の種類の回路も使用され得る。
【0091】
図2に示されている例において、センサデータに対する第1の入力ポート211を通じて、ポテンショスタット210は、検体からセンサデータを生成するためにグルコースセンサなどの連続検体センサ110に結合されている。ポテンショスタット210は、また、データライン212を介して、電圧を連続検体センサ110に提供し、ホスト内の検体濃度を指示する値(たとえば、電流および同様のもの)(センサのアナログ部分とも称される)の測定に対してセンサにバイアスをかけるものとしてよい。ポテンショスタット210は、連続検体センサ110の作用電極の数に応じて1つまたは複数のチャネルを有し得る。
【0092】
いくつかの例示的な実装形態において、ポテンショスタット210は、センサ110からの電流値を電圧値に変換する抵抗器を備え得るが、いくつかの例示的な実装形態において、電流-周波数コンバータ(図示せず)は、たとえば電荷計数デバイスを使用してセンサ110からの測定された電流値を連続的に積分するようにも構成され得る。いくつかの例示的な実装形態において、アナログ/デジタルコンバータ(図示せず)は、センサ110からのアナログ信号をいわゆる「カウント」に2値化してプロセッサモジュール214による処理を可能にし得る。その結果得られるカウントは、ポテンショスタット210によって測定される電流に直接関係するものとしてよく、これはホスト体内のグルコースレベルなどの検体レベルに直接関係し得る。
【0093】
遠隔計測モジュール232は、プロセッサモジュール214に動作可能に接続されるものとしてよく、センサ電子機器112と表示デバイス、プロセッサ、ネットワークアクセスデバイス、および同様のものなどの1つまたは複数の他のデバイスとの間のワイヤレス通信を使用可能にするハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアを提供し得る。遠隔計測モジュール232において実装され得る様々なワイヤレス無線技術は、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low-Energy、ANT、ANT+、ZigBee、IEEE 802.11、IEEE 802.16、セルラー無線アクセス技術、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、ページングネットワーク通信、磁気誘導、衛星データ通信、スペクトラム拡散通信、周波数ホッピング通信、近距離場通信、および/または同様のものを含む。いくつかの例示的な実装形態において、遠隔計測モジュール232はBluetooth(登録商標)チップを備えるが、Bluetooth(登録商標)技術は、遠隔計測モジュール232とプロセッサモジュール214との組合せで実装されてもよい。
【0094】
プロセッサモジュール214は、センサ電子機器112によって実行される処理を制御し得る。たとえば、プロセッサモジュール214は、プロセッサからのデータ(たとえば、カウント)を処理し、データをフィルタ処理し、データを較正し、フェイルセーフチェックを実行し、および/または同様の操作を実行するように構成され得る。
【0095】
いくつかの例示的な実装形態において、プロセッサモジュール214は、たとえば、無限インパルス応答(IIR)または有限インパルス応答(FIR)フィルタなどの、デジタルフィルタを備え得る。このデジタルフィルタは、センサ110から受信された未加工データストリームを平滑化し得る。一般的に、デジタルフィルタは、所定の時間間隔(サンプルレートとも称される)でサンプリングされたデータをフィルタ処理するようにプログラムされる。ポテンショスタット210が離散的時間間隔で検体(たとえば、グルコースおよび/または同様のもの)を測定するように構成されているときなど、いくつかの例示的な実装形態において、これらの時間間隔は、デジタルフィルタのサンプリングレートを決定する。いくつかの例示的な実装形態において、ポテンショスタット210は、たとえば、電流-周波数コンバータを使用して、検体を連続的に測定するように構成され得る。これらの電流-周波数コンバータ実装形態において、プロセッサモジュール214は、所定の時間間隔(捕捉時間)で、電流-周波数コンバータの積分器にデジタル値を要求するようにプログラムされ得る。積分器からプロセッサモジュール214によって取得されたこれらのデジタル値は、電流測定の連続性により捕捉時間にわたって平均され得る。そのようなものとして、捕捉時間は、デジタルフィルタのサンプリングレートによって決定され得る。
【0096】
プロセッサモジュール214は、表示デバイス114、116、118、および/または120などのデバイスに伝送するデータパッケージを生成するように構成されているデータ生成器(図示せず)をさらに備え得る。さらに、プロセッサモジュール214は、遠隔計測モジュール232を介してこれらの外部ソースに伝送するデータパケットを生成し得る。いくつかの例示的な実装形態において、データパッケージは、指摘されているように、各表示デバイスに合わせてカスタマイズ可能であるものとしてよく、および/またはタイムスタンプ、表示可能なセンサ情報、変換済みセンサデータ、センサおよび/またはセンサ電子機器112に対する識別子コード、未加工データ、フィルタ処理済みデータ、較正済みデータ、変化率情報、傾向情報、誤り検出もしくは訂正、および/または同様のものなどの利用可能なデータを含み得る。
【0097】
プロセッサモジュール214は、プログラムメモリ216および他のメモリ218も備え得る。プロセッサモジュール214は、通信ポート238などの通信インターフェース、および電池234などの電源に結合され得る。さらに、電池234は、電池充電器および/またはレギュレータ236にさらに結合され、電力をセンサ電子機器12に供給し、および/または電池234を充電し得る。
【0098】
プログラムメモリ216は、結合されているセンサ110に対する識別子(たとえば、センサ識別子(ID))などのデータを記憶し、本明細書において説明されている演算/機能のうちの1つまたは複数を実行するようにASIC205を構成するコード(プログラムコードとも称される)を記憶するためのセミスタティックメモリとして実装されてよい。たとえば、プログラムコードは、プロセッサモジュール214を、データストリームまたはカウントを処理し、フィルタ処理し、以下で説明されている較正方法を実行し、フェイルセーフチェックを実行し、および同様の操作を実行するように構成し得る。
【0099】
メモリ218は、情報を記憶するためにも使用され得る。たとえば、メモリ218を備えるプロセッサモジュール214は、センサから受信された最近のセンサデータに対する一時記憶が実現される、システムのキャッシュメモリとして使用されてもよい。いくつかの例示的な実装形態において、メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM、スタティックRAM、非スタティックRAM、容易に消去可能なプログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、書き換え可能ROM、フラッシュメモリ、および同様のものなどのメモリ記憶コンポーネントを含み得る。
【0100】
データ記憶メモリ220は、プロセッサモジュール214に結合されるものとしてよく、様々なセンサ情報を記憶するように構成され得る。いくつかの例示的な実装形態において、データ記憶メモリ220は、1日またはそれ以上の日数分の連続検体センサデータを記憶する。たとえば、データ記憶メモリは、センサ110から受信された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、および/または30日(もしくはそれ以上の日数)分の連続検体センサデータを記憶し得る。記憶されるセンサ情報は、タイムスタンプ、未加工センサデータ(1つもしくは複数の未加工検体濃度値)、較正済みデータ、フィルタ処理済みデータ、変換済みセンサデータ、および/または他の表示可能なセンサ情報、較正情報(たとえば、参照BG値および/または工場較正などからの事前較正情報)、センサ診断情報、および同様のもののうちの1つまたは複数を含み得る。
【0101】
ユーザインターフェース222は、1つまたは複数のボタン224、液晶ディスプレイ(LCD)226、振動器228、音響変換器(たとえば、スピーカー)230、バックライト(図示せず)、および/または同様のものなどの様々なインターフェースを含み得る。ユーザインターフェース222を備えるコンポーネントは、ユーザ(たとえば、ホスト)と相互作用するための制御を提供し得る。1つまたは複数のボタン224には、たとえば、トグル、メニュー選択、オプション選択、ステータス選択、画面上の質問へのyes/no応答、「turn off」機能(たとえば、アラーム用)、「acknowledged」機能(たとえば、アラーム用)、リセット、および/または同様のものを可能としてよい。LCD226は、ユーザに、たとえば、視覚的データ出力をもたらし得る。音響変換器230(たとえば、スピーカー)は、現在のおよび/または予測される高血糖症および低血糖症の病状などの、いくつかのアラートのトリガーに応答して可聴信号を提供し得る。いくつかの例示的な実装形態において、可聴信号は、音色、音量、デューティサイクル、パターン、持続時間、および/または同様のものによって区別され得る。いくつかの例示的な実装形態において、可聴信号は、センサ電子機器112上の1つまたは複数のボタン224を押すことによって、および/または表示デバイス(たとえば、キーフォブ、携帯電話、および/または同様のもの)上のボタンもしくは選択を使用してセンサ電子機器112にシグナリングすることによって無音にされる(たとえば、承認されるか、またはオフにされる)ように構成され得る。
【0102】
音および振動アラームは図2に関して説明されているが、他のアラーム発生機構も使用され得る。たとえば、いくつかの例示的な実装形態において、1つまたは複数のアラーム状態に応答して患者を「つつく」、または物理的に接触するように構成されているつつき機構を含む触覚アラームが提供される。
【0103】
電池234は、プロセッサモジュール214(および場合によってはセンサ電子機器12の他のコンポーネント)に動作可能なように接続され、センサ電子機器112に必要な電力を供給するものとしてよい。いくつかの例示的な実装形態において、電池は、二酸化マンガンリチウム電池であるが、適切なサイズおよび電力を有するものでればどのような電池でも使用できる(たとえば、単4電池、ニッカド電池、亜鉛炭素電池、アルカリ電池、リチウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、亜鉛空気電池、亜鉛水銀電池、銀亜鉛電池、または密閉型電池)。いくつかの例示的な実装形態において、電池は、再充電可能である。いくつかの例示的な実装形態において、システムに給電するために複数の電池が使用され得る。さらに他の実装形態では、受信機は、たとえば、誘導結合を介して経皮的に給電され得る。
【0104】
電池充電器および/またはレギュレータ236は、内部および/または外部充電器からエネルギーを受けるように構成され得る。いくつかの例示的な実装形態において、電池レギュレータ(または平衡器)236は、センサ電子機器112内のすべてのセルもしくは電池が他のセルもしくは電池を過充電することなく完全に充電されることを可能にするように過剰な充電電流を減らすことによって再充電プロセスを調節する。いくつかの例示的な実装形態において、(1つまたは複数の)電池234は、誘導および/またはワイヤレス充電パッドを介して充電されるように構成されるが、他の充電および/または給電機構も使用されてよい。
【0105】
外部コネクタとも称される、1つまたは複数の通信ポート238は、他のデバイスと通信することを可能にするように提供されるものとしてよく、たとえば、センサ電子機器112から分離しているか、または一体であるシステムと通信することを可能にするようにPC通信(com)ポートが提供され得る。通信ポートは、たとえば、シリアル(たとえば、ユニバーサルシリアルバスもしくは「USB」)通信ポートを備え、別のコンピュータシステム(たとえば、PC、携帯情報端末もしくは「PDA」、サーバ、または同様のもの)との通信を可能にし得る。いくつかの例示的な実装形態において、センサ電子機器112は、患者および/または医師によるレトロスペクティブ分析のために履歴データをPCまたは他のコンピューティングデバイス(たとえば、本明細書で開示されているような検体プロセッサ)に伝送することができる。データ伝送の別の例として、工場情報も、センサから、またはクラウドデータソースからアルゴリズムに送信されてよい。
【0106】
1つまたは複数の通信ポート238は、較正データが受信され得る第2の入力ポート237と、較正済みデータ、または較正されるべきデータを受信機またはモバイルデバイスに伝送するために採用され得る出力ポート239とをさらに備え得る。図2は、これらの態様を概略的に例示している。これらのポートは物理的に分離され得るが、代替的実装形態では、第2の入力ポートおよび出力ポートの両方の機能を単一の通信ポートで提供し得ることは理解されるであろう。
【0107】
いくつかの連続検体センサシステムでは、センサ電子機器の皮膚に載る部分は、皮膚に載る電子機器の複雑度および/またはサイズを最小にするように簡素化され、たとえば、較正とセンサデータを表示するために必要な他のアルゴリズムとを実行するように構成されている表示デバイスに未加工の、較正済みの、および/またはフィルタ処理済みのデータのみを提供し得る。しかしながら、センサ電子機器112は(たとえば、プロセッサモジュール214を介して)、変換済みセンサデータおよび/または表示可能なセンサ情報を生成するために使用されるプロスペクティブアルゴリズム(prospective algorithm)を実行するように実装されてよく、このアルゴリズムは参照および/またはセンサデータの臨床的受け入れ可能性を評価するアルゴリズム、試験対象患者基準に基づき最良の較正を行うために較正データを評価するアルゴリズム、較正の質を評価するアルゴリズム、推定された検体値と測定された検体値に対応する時間とを比較するアルゴリズム、推定された検体値の変動を分析するアルゴリズム、センサおよび/またはセンサデータの安定性を評価するアルゴリズム、信号アーチファクト(雑音)を検出するアルゴリズム、信号アーチファクトを置き換えるアルゴリズム、センサデータの変化率および/または傾向を決定するアルゴリズム、動的およびインテリジェント検体値推定を実行するアルゴリズム、センサおよび/またはセンサデータに対して診断を実行するアルゴリズム、動作モードを設定するアルゴリズム、異常についてデータを評価するアルゴリズム、および/または同様のアルゴリズムを含む。
【0108】
図2には別々のデータ記憶およびプログラムメモリが図示されているが、様々な構成も使用され得る。たとえば、センサ電子機器112におけるデータ処理および記憶要求条件に対応できる記憶空間を提供するために1つまたは複数のメモリが使用され得る。
【0109】
図3は、連続検体センサ110の少なくとも一部が延在するハウジング300(たとえば、ハウジング300の外側に配置構成されて位置決めされ、経皮的挿入のためそこから延在する一部)とともに実装される連続検体センサシステム101の例示的な実装形態を示している。ハウジング300は、センサ電子機器112用のエンクロージャを形成するセンサ電子機器ハウジングであってよい。
【0110】
図3に示されているように、連続検体センサ110の少なくとも一部は、ハウジング300の底面302内の開口部304から延在し得る。ハウジング300から延在する連続検体センサ110の部分は、いくつかの実装形態における底面302によって画定される平面を超えて延在するセンサ110の部分であってよい。様々な実装形態において、ハウジング300から延在する連続検体センサ110の部分は、ハウジング300内に配設されている追加の部分を有する連続検体センサの一部分であり得るか(たとえば、センサ110の内部または近位端がハウジング300内のある位置でセンサ電子機器112に結合される実装形態において)、またはハウジング300から延在する連続検体センサ110の部分は、実質的に連続検体センサ全体であり得る(たとえば、連続検体センサ110の近位端がハウジング300の底面302のところもしくはその近くのセンサ回路112に結合される実装形態において)。ハウジング300は、ホストの皮膚に取り付けられ、底面302がホストの皮膚と接触し、連続検体センサ110がホストの皮膚内に貫入するように構成されているポッドを形成し得る。たとえば、底面302は、底面302をホストの皮膚もしくはハウジング300に直接取り付ける生体適合性接着剤を付けられるものとしてよく、および/または周囲の接着剤もしくは他の取付機構によってホストの皮膚に取り付けられ得る。
【0111】
図3の例において、連続検体センサ110は、支持力なしで、重力に関するその向きに関係なく、その形状および位置を保持する実質的に自立するセンサである。図3の構成において、ハウジング300から延在する連続検体センサ110の部分は、たとえば500MPaから147GPaの範囲内のヤング率、たとえば2GPaもしくは5GPaを超える曲げ弾性率、および/またはたとえば0.25ニュートン(N)超、0.02N超、0.01N超、0.001N超、もしくは様々な実装形態におけるハウジング300から延在する連続検体センサ110の部分が軟質であるが自立しているように重力の下でセンサ110それ自体の部分の重量より大きい座屈力を有し得る。
【0112】
図3および図4に示されているように、センサ110は、細長導電体などの細長体から形成され得る。いくつかの実装形態において、以下でさらに詳しく説明されているように、細長導電体は、細長導電性芯を備える。他の実装形態において、以下でさらに詳しく説明されているように、細長導電体は、ポリマー芯または繊維芯などの細長非導電性芯を備える。他の実装形態において、以下でさらに詳しく説明されているように、細長導電体は、複数の実質的に平面状の層を備える。
【0113】
図4は、連続検体センサ110の少なくとも一部が非自立構成で延在するハウジング300とともに実装される連続検体センサシステム101の別の例示的な構成を示している。図4の構成において、ハウジング300に関する連続検体センサ110の延在する部分の形状および位置は、重力および/または外部の物体もしくはガスからの接触力または流体力などの他の力に関する連続検体センサ110および/またはハウジング300の向きの影響を受け得る。図4に示されている連続検体センサ110の構成は、非自立または「ウェットヌードル」構成として説明され得る。
【0114】
図3および図4に示されている構成は、連続検体センサ110の異なる実装形態(たとえば、それぞれ自立実装形態および非自立実装形態)を例示し得るか、または図3および図4に示されている構成は、同じ連続検体センサ110の異なる状態であってよい。たとえば、図3の構成は、連続検体センサ110がまだ埋め込まれておらず、自立センサである生体外構成であってよい。埋め込んだ(たとえば、ホストの皮膚内に挿入した)後、連続検体センサ110は、いくつかの実施形態では、生体内で非自立センサに変わり得る。
【0115】
以下でさらに詳しく説明されているように、連続検体センサ110は、生体外で自立細長導電体であり生体内で非自立細長導電体であるように構成され、(i)細長導電体の少なくとも一部と患者の組織との間の接触、(ii)遷移温度(たとえば、いくつかの実装形態において78°Fから100°Fの範囲内の遷移温度)にわたる温度変化、(iii)細長導電体の少なくとも一部による患者組織からの流体(たとえば、水)の吸収、(iv)患者組織からの流体と細長導電体の少なくとも一部との間の生体および/もしくは化学反応、かつ/または(v)電磁場(たとえば、電場、磁場、またはたとえば、連続検体センサ用のセンサ電子機器、もしくは外部電子機器によって生成される電場と磁場との組合せ)に応答して自立細長導電体から非自立細長導電体に変わるように構成されている細長導電体を備え得る。
【0116】
図4の構成において、非自立連続検体センサ110は、たとえば500MPa未満のヤング率、たとえば2~5GPa未満もしくは1.5GPa未満の曲げ弾性率、および/または0.25ニュートン(N)未満、0.02N未満、0.01N未満、0.001N未満、または実質的に0であるかもしくは重力(海抜0メートルから500kmまでの範囲内で地球が発生する重力)の下でセンサ110それ自体の延在する部分の重量より小さい座屈力を有し得る。1つまたは複数の実施形態において、図4の構成(たとえば、生体内構成)では、連続検体センサ110は、センサが埋め込まれる組織のヤング率と実質的に同じであるヤング率を有し得る(たとえば、様々な実装形態において0.1kPaと300kPaとの間のヤング率)。
【0117】
いくつかの実施形態において、センサは、単一の検体を監視するように構成され配置される。しかしながら、他の実施形態では、センサは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれ以上の異なる検体などの、複数の検体を監視するように構成され配置される。さらに別の実施形態では、センサは、少なくとも1つの検体を実質的に連続的に監視し、少なくとも1つの検体を間欠的に監視するように構成される。実質的に、連続的に監視される検体および間欠的に監視される検体は、同じ検体であっても異なる検体であってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、センサは、ホスト体内に埋め込み、センサセッションにおいてホストの試料中の検体に関連付けられている信号を生体内で生成するように構成され配置される。いくつかの実施形態において、センサセッションの時間長は、約10分未満、10分、20分、30分、40分、または50分から約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間またはそれ以上である。いくつかの実施形態において、センサセッションの時間長は、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、または10時間から約11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間またはそれ以上である。いくつかの実施形態において、センサセッションの時間長は、約0.25日未満、0.25日、0.5日、0.75日、1日から約2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日またはそれ以上である。
【0119】
検体センサは、経皮埋め込み、皮下埋め込み、またはホストの循環系内(たとえば、静脈もしくは動脈などの血管内)への埋め込みなどの、任意の種類の埋め込みに合わせて構成され得る。それに加えて、センサは、全体的埋め込み可能であるか、または生体外で埋め込み可能であるように構成され得る(たとえば、心臓バイパス装置または血液透析装置などの生体外血液循環デバイス内に)。その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第US-2006-0020187-A1号は、ホストの腹部組織内に挿入することによる経皮的埋め込みに使用され得る例示的な連続検体センサを説明している。その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第US-2008-0119703-A1号は、ホストの静脈内に(たとえば、カテーテルを介して)挿入するために使用され得る連続検体センサの例示的な実施形態を説明している。いくつかの実施形態において、センサは、生体外使用に合わせて構成され配置される。
【0120】
一例として、限定はしないが、多種多様の好適な検出方法は、限定はしないが酵素検出方法、化学的検出方法、物理学的検出方法、電気化学的検出方法、免疫化学的検出方法、光学的検出方法、放射線測定検出方法、熱量測定検出方法、タンパク質結合検出方法、およびマイクロスケール検出方法を含み、いくつかの実施形態において採用されるものとしてよいが、他の技術も使用できる。使用できる検体センサ構成および検出方法の追加の説明は、米国特許出願公開第US-2007-0213611-A1号、米国特許出願公開第US-2007-0027385-A1号、米国特許出願公開第US-2005-0143635-A1号、米国特許出願公開第US-2007-0020641-A1号、米国特許出願公開第US-2007-002064-A11号、米国特許出願公開第US-2005-0196820-A1号、米国特許第5,517,313号、米国特許第5,512,246号、米国特許第6,400,974号、米国特許第6,711,423号、米国特許第7,308,292号、米国特許第7,303,875号、米国特許第7,289,836号、米国特許第7,289,204号、米国特許第5,156,972号、米国特許第6,528,318号、米国特許第5,738,992号、米国特許第5,631,170号、米国特許第5,114,859号、米国特許第7,273,633号、米国特許第7,247,443号、米国特許第6,007,775号、米国特許第7,074,610号、米国特許第6,846,654号、米国特許第7,288,368号、米国特許第7,291,496号、米国特許第5,466,348号、米国特許第7,062,385号、米国特許第7,244,582号、米国特許第7,211,439号、米国特許第7,214,190号、米国特許第7,171,312号、米国特許第7,135,342号、米国特許第7,041,209号、米国特許第7,061,593号、米国特許第6,854,317号、米国特許第7,315,752号、および米国特許第7,312,040号に掲載され、これらはすべて、それらの開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている。
【0121】
いくつかのセンサ構成および製造方法が本明細書において説明されているが、様々な知られているセンサ構成のうちのいずれも本明細書において説明されている検体センサシステムおよび製造方法とともに採用され得ることは理解されるべきであり、これは、たとえば、Wardらの米国特許第5,711,861号、Vachonらの米国特許第6,642,015号、Sayらの米国特許第6,654,625号、Sayらの米国特許第6,565,509号、Hellerの米国特許第6,514,718号、Essenpreisらの米国特許第6,465,066号、Offenbacherらの米国特許第6,214,185号、Cunninghamらの米国特許第5,310,469号、およびShafferらの米国特許第5,683,562号、Bonnecazeらの米国特許第6,579,690号、Sayらの米国特許第6,484,046号、Sayらの米国特許第6,103,033号、Colvinらの米国特許第6,512,939号、Mastrototaroらの米国特許第6,424,847号、Mastrototaroらの米国特許第6,424,847号などであり、これらはすべて、それらの開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている。上に明記されている特許文書において説明されているセンサは、すべての適用可能な検体センサを包含するわけではない。開示されている実施形態は、様々な検体センサ構成に適用可能であることは理解されるであろう。これらの実施形態の説明の多く、たとえば、以下で説明されている膜システムは、生体内センサで実装され得るだけでなく、血糖測定器(SMBG)などの生体外センサでも実装され得ることに留意されたい。
【0122】
いくつかの実施形態のセンサは、身体構造内に埋め込むように構成され配置される。使用時に、センサの生体内部分は、1つまたは複数の軸の周りで曲げられる。この曲がりは、埋め込み部位の性質(たとえば、周辺組織の種類、組織の厚さなど)、ホスト活動の種類もしくは量、および/またはセンサの構成などの因子に応じて、間欠的に生じ得るが、これは頻繁であるかあまり頻度が高くないこともある。
【0123】
一実施形態において、センサは、経皮的埋め込みに合わせて構成され配置される。例示的な一経皮的埋め込み部位は腹部であり、これは(たとえば、ホストの移動に応答して)互いに関して横方向に移動し、および/または摺動することができる複数の層(たとえば、皮膚、筋膜、脂肪、筋肉)を伴う腹壁を含む。筋膜は、時には、下にある脂肪または筋肉組織を横切ってわずかな距離だけ摺動するか、伸長するか、または移動することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、センサが経皮的に埋め込まれたときに、生体内部分は皮膚を通過し、下にある組織層に貫入する。埋め込み部位の性質に応じて、センサは2つまたはそれ以上の組織層を通過し得る。その結果、ホストによる随意または不随意運動は、組織層を移動することができ、これは次いで様々な力を埋め込まれているセンサに印加し得る。同様に、センサが、静脈または動脈などのホストの循環系内に埋め込まれ、ホストが移動する(たとえば、腕、手首、および/または手を動かす)と、力が埋め込まれているセンサに印加され得る。
【0125】
いくつかの力(たとえば、好ましくない曲げ軸においてセンサを曲げる力)が従来のセンサに印加されると、これらはセンサおよび/またはセンサの周囲の組織に損傷を引き起こし得る。対照的に、これらの実施形態のうちのいくつかのセンサは、周辺組織および/または身体運動によって印加される力に応答して曲がり、および/または屈曲する(たとえば、いくつかの対応する配置でいくつかの曲げ軸に沿って同時にまたはセンサの長さに沿って連続的に)ように構成され配置される。本明細書において開示されているような軟質検体センサは、センサ精度をそのまま維持しながらホスト組織損傷およびセンサ損傷の危険性を低減し得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、センサは、多くの場合に同時に様々な曲げ配置で複数の軸の周りに生じる間欠的なおよび/または繰り返される曲げおよび/または屈曲に耐えながらセンサが少なくとも1日、2日、3日、またはそれ以上の日数の間埋め込まれ、埋め込みの後に少なくとも1つの検体を測定することを可能にする強度と柔軟性とを固有の組合せで併せ持つように構成され配置される。いくつかの実施形態において、センサは、その長さに沿って(たとえば、ホスト体内に埋め込まれた生体部分に対応する長さに沿って)1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の地点でまたは連続的に曲がりおよび/または屈曲するように構成され配置される。それに加えて、または代替的に、センサは、複数の軸の周り(たとえば、多軸曲がり)で、および/または複数の平面内で、曲がることができるものとしてよい。本明細書の別のところでより詳しく説明されているように、センサのコンポーネントは、少なくとも1日、2日、3日、またはそれ以上の日数の間に埋め込み環境に耐えながら、いくつかのセンサ実施形態が実質的に正確な連続検体データを提供することを可能にする強度もしくは柔軟性の必要な組合せをもたらすような仕方で取り扱われ、形成され、および/または組み合わされ得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、センサの生体内部分は、センサが組織に適合して、組織の運動に対する抵抗を実質的に生じないようにセンサが埋め込まれる組織のヤング率と実質的に同じであるヤング率を有するものとしてよい。
【0128】
連続検体センサ110(センサ電子機器ハウジングから延在する連続検体センサ110の部分)のヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力は、いくつかの実施形態において、センサに対する(たとえば、センサのその部分に対する)細長芯構造のヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力のそれぞれによって実質的に決定され得る。様々な実施形態において、細長芯構造は、細長導電性芯または細長ポリマー芯もしくは細長繊維芯(たとえば、Kevlar(登録商標)繊維などの1つまたは複数のパラアミド合成繊維から形成された芯)などの細長非導電性芯として実装され得る。
【0129】
図5A図5B図5Cは、細長導電性芯を含む実装形態における軟質連続検体センサ110の一態様(たとえば、生体内部分)を例示している。図5Aに示されているように、連続検体センサ110は、細長芯510と芯510を少なくとも部分的に囲む第1の層512とを備える細長導電体502を備え得る。第1の層512は、作用電極(たとえば、窓506内に配置される)を備えるものとしてよく、膜508は、作用電極上に配設され得る。図5A図5Cの例において、芯510は、多軸曲げに合わせて構成され配置されている軟質導電性芯として実装され得る。いくつかの実施形態において、芯510および第1の層512は、普通の軟質金属または金属合金から形成され得る。いくつかの実施形態において、細長導電体502は、2つの導電性材料の複合体、または少なくとも1つの導電性材料と少なくとも1つの非導電性材料との複合体などの、少なくとも2つの材料の複合体であってよい。いくつかの実施形態において、細長導電体は複数の層を備える。いくつかの実施形態において、第1の材料から形成される芯510および第2の材料から形成される第1の層512などの、少なくとも2つの同心円(たとえば、環状)層がある。しかしながら、いくつかの実施形態では追加の層が含まれ得る。いくつかの実施形態において、層は同軸状である。
【0130】
細長導電体502は、長く、薄く、それでいて軟質で強靱であるものとしてよい。たとえば、いくつかの実施形態において、細長導電体の最小寸法は、約0.1インチ未満、0.075インチ、0.05インチ、0.025インチ、0.01インチ、0.004インチ、0.002インチ、または12ミクロンである。細長導電体502は図5Aから図5Cに円形断面を有するように例示されているが、他の実施形態では、細長導電体の断面は、卵形、楕円形、矩形、三角形、多角形、星形、C字形、T字形、X字形、Y字形、不規則な形状、または同様の形状であるものとしてよい。いくつかの実施形態において、細長導電体502の芯510は、導線電極として実装され得る。導線電極芯は、1つまたは複数の追加導電性層を有する(たとえば、電気的絶縁のために絶縁層が介在する)クラッドであってよい。導電性層は、任意の好適な材料からなるものとしてよい。いくつかの実施形態において、ポリマーまたは他の結合材中の導電性粒子(すなわち、導電性材料の粒子)を含む導電性層を採用することが望ましい場合がある。
【0131】
いくつかの実施形態において、細長導電体の低曲げ弾性率を有する細長芯は、表面金属クラッドを付けられるものとしてよい。細長芯は、27×106psi(186GPa)未満のヤング率を有する、低弾性ポリマー、金属、金属合金、またはこれらの組合せから形成され得る。表面金属は、白金またはおよび白金合金などの1つまたは複数の金属を含み得る。細長芯および表面金属は、長手方向で同軸上に配置構成されてよく、100ミクロン未満の合計直径を有し得る。好ましくは、低弾性芯ポリマー、金属、または合金は生体適合性も有し、機械的曲げおよび捻れに対して疲労抵抗を備える。
【0132】
低弾性細長芯510を形成するために使用され得る低弾性金属および金属合金の例は、銅、金、マグネシウム、銀、スズ、チタン、様々なチタン合金(たとえば、β型チタン合金、Ti-13Nb-13Zr、Ti-12Mo-6Zr-2Fe、Ti-15Mo、Ti-5Mo-5Zr-3Al、Ti-35Nb-7Zr-5Ta、Ti-9Nb-13Ta-4.6Zr)、および/または亜鉛を含む。
【0133】
いくつかの実施形態において、細長芯510(たとえば、芯510の非導電性実装形態)は、非導電性材料(たとえば、ポリウレタンおよび/またはポリイミドを含む軟質ポリマー/ポリマー材料および/または本明細書で説明されているような形状記憶もしくは他の状態変化ポリマー材料)を含む。いくつかの実施形態において、細長芯510は、軟化可能な形状記憶熱可塑性材料から形成され、共重合体(たとえば、ブロックまたはセグメント化共重合体)および別のポリマーを含み得る。他のポリマーは共重合体とブレンドされて逆可塑剤として働き得る。好適なポリマーは、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルポリエステル、ポリエーテルポリアミド、ポリノルボルネン、高分子量(たとえば、より大きく100kDa)ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸アルキル)共重合体、ポリスチレン共重合体、フィラー修飾エポキシ網目構造、化学的架橋非晶質ポリウレタン、ポリ((メチルメタクリレート)-co-(N-ビニル-2-ピロリドン))-PEG semi-IPN、HDI-HPED-TEA網目構造、生物分解性コポリエステル-ウレタン網目構造、およびその共重合体を含み得る。
【0134】
構造支持、弾力性、および柔軟性を備えることに加えて、いくつかの実施形態において、芯510(またはそのコンポーネント)は、本明細書の別のところで説明されている、作用電極からセンサ電子機器(図示せず)への電気信号の電気伝導をもたらす。当業者であれば、追加の構成が可能であることを了解するであろう。
【0135】
再び図5A図5Cを参照すると、いくつかの実施形態において、第1の層512は導電性材料から形成される。作用電極は、第1の層512の表面の露出されている部分によって形成され得る。したがって、第1の層512は、作用電極に対する好適な電気的活性表面をもたらすように構成されている材料から形成されてよく、材料は、限定はしないが白金、白金イリジウム、金、パラジウム、イリジウム、黒鉛、炭素、導電性ポリマー、合金、および/または同様のものなどである。
【0136】
図5A図5Cに示されているように、第2の層504は、いくつかの実施形態において第1の層512の少なくとも一部を囲むものとしてよく、それによって作用電極の境界を画定する。いくつかの実施形態において、第2の層504は絶縁体としての機能を果たし、ポリイミド、ポリウレタン、パリレン、または他の知られている絶縁材料などの、絶縁材料から形成される。たとえば、一実施形態において、第2の層504は第1の層上に配設され、作用電極が窓506を介して露出されるように構成される。別の実施形態では、芯510、第1の層512、および第2の層504を含む細長導電体が提供され、作用電極は第2の層504の一部を取り除くことによって露出され、それによって窓506を形成し、この窓を通して作用電極の電気活性表面(たとえば、第1の層の露出されている表面)が露出される。いくつかの実施形態において、作用電極は、第2の層および(任意選択で)第3もしくは他の層の一部を取り除くことによって露出される(たとえば、それによって窓506が形成される)。(たとえば、作用電極の電気活性表面を露出させるために)細長導電体の1つまたは複数の層からコーティング材料を取り除くことは、手作業で、エキシマレーザーにより、化学エッチングにより、レーザー切断により、グリットブラスティングにより、または同様の方法により実行され得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、センサは、導電性材料を含む第3の層514をさらに備える。さらなる実施形態において、第3の層514は、第2の層(たとえば、絶縁体)上に塗布される銀含有材料から形成され得る、参照電極を備え得る。銀含有材料は様々な材料のうちのいずれかを含むものとしてよく、たとえば、Ag/AgCl-ポリマーペースト、塗料、ポリマー系導電性混合物、および/または市販されているインクなどの、様々な形態をとり得る。第3の層514は、ペースト/浸漬/コーティング工程を使用して、たとえば、ダイ計測浸漬コーティングプロセス(die-metered dip coating process)を使用して処理され得る。例示的な一実施形態において、本体を浸漬コーティングし(たとえば、メニスカスコーティング技術を使用し)、次いで本体をダイに通して展伸しコーティングを正確な厚さになるように計測することによってAg/AgClポリマーペーストが細長体に塗布される。いくつかの実施形態において、コーティングの厚さを所定の厚さに構築するために複数のコーティング工程が使用される。そのような展伸方法は、図5Bに示されているデバイス内に電極のうちの1つまたは複数を形成するために利用され得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、Ag/AgCl溶液またはペースト中の銀粒子は、約100ミクロン未満、または約50ミクロン未満、または約30ミクロン未満、または約20ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満である最大粒子寸法に関連付けられている平均粒径を有することができる。Ag/AgCl溶液またはペースト中の塩化銀粒子は、約100ミクロン未満、または約80ミクロン未満、または約60ミクロン未満、または約50ミクロン未満、または約20ミクロン未満、または約10ミクロン未満である最大粒子寸法に関連付けられている平均粒径を有することができる。銀粒子および塩化銀粒子は、重量で約0.01:1から2:1の、または約0.1:1から1:1の塩化銀粒子:銀粒子の比で組み込まれ得る。次いで、銀粒子および塩化銀粒子は、担体(たとえば、ポリウレタン)と混合され、溶液またはペーストを形成する。いくつかの実施形態において、Ag/AgCl成分は全Ag/AgCl溶液またはペーストの約10重量%から約65重量%、または約20重量%から約50重量%、または約23重量%から約37重量%を占める。いくつかの実施形態において、Ag/AgCl溶液またはペーストは、約1から約500センチポアズ、または約10から約300センチポアズ、または約50から約150センチポアズである粘度(周囲条件の下で)を有する。
【0139】
いくつかの実施形態において、Ag/AgCl粒子は、ポリウレタン、ポリイミド、または同様のものなどのポリマー中に混合され、参照電極に対する銀含有材料を形成する。いくつかの実施形態において、第3の層514は、たとえば、炉または他の硬化プロセスを使用することによって硬化される。いくつかの実施形態において、中にある導電性粒子(たとえば、炭素粒子)による流体透過性ポリマーの被覆が参照電極および/または第3の層514上に施される。絶縁材料の層は、いくつかの実施形態において、銀含有材料の一部の上に配置され得る。
【0140】
いくつかの実施形態において、細長導電体502は、芯と第1の層との間に配置されている1つまたは複数の中間層をさらに備える。たとえば、いくつかの実施形態において、中間層は、絶縁体、導体、ポリマー、および/または接着剤である。
【0141】
Ag/AgCl層の厚さと絶縁体(たとえば、ポリウレタンまたはポリイミド)層の厚さとの間の比は、結果としてセンサを故障させる(たとえば、エッチングプロセスが意図されているよりも深く切り込み、それにより意図せずに電気活性表面を露出させることになる結果生じる欠陥により)ことにならない特定の許容誤差(たとえば、エッチングプロセスに関連付けられている誤差)を許すように制御され得ることが企図されている。この比は、使用されるエッチングプロセスの種類、レーザー切断であるか、グリットブラスティングであるか、化学エッチングであるか、または他の何らかのエッチング方法であるか、に応じて異なり得る。Ag/AgCl層およびポリウレタン層を取り除くためにレーザー切断が実行される一実施形態において、Ag/AgCl層の厚さとポリウレタン層の厚さとの比は、約1:5から約1:1、または約1:3から約1:2であるものとしてよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、連続検体センサに対する芯は非導電性ポリマーを含み、第1の層は導電性材料を含む。そのようなセンサ構成は、時には、材料コストを低減し、柔軟性を高め、および/または状態変化特性をもたらし得る。たとえば、いくつかの実施形態において、芯は、ナイロンもしくはポリエステルのフィラメント、糸、もしくはひもなどの非導電性ポリマーから形成され、これは白金、白金イリジウム、金、パラジウム、イリジウム、黒鉛、炭素、導電性ポリマー、および合金、またはこれらの組合せなどの導電性材料でコーティングされ、および/またはメッキされ得る。
【0143】
図5Aおよび図5Cに示されているように、センサ110は、作用電極の少なくとも一部を覆う膜508も備え得る。いくつかの実施形態において、センサ110は、電気活性表面(たとえば、少なくとも作用電極)と接触している膜508を備える。本明細書の別のところで説明されているように、埋め込まれたセンサは、複数の軸に沿って曲げおよび/または屈曲の繰り返しを受ける可能性がある。この過酷な取り扱いに耐え、1日、2日、3日、またはそれ以上の日数にわたって検体データを提供するために、センサ膜は、膜機能を実質的に維持しながら(たとえば、裂けたり、座屈したり、または切れたりすることなく)繰り返される圧縮、屈曲、および引張に耐えるように構成され得る。したがって、センサ膜は、強くしかも弾力のあるものとしてよい。ショア硬さは、材料の弾性の尺度である。いくつかの実施形態において、膜508は、少なくとも約65A、70A、75A、80A、85A、90A、95A、30D、35D、40D、45D、50D、55D、60D、またはそれ以上のショア硬さを有するポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、約70Aから約55Dのショア硬さを有する。約70Aから約55Dの範囲内のショア硬さを有するポリマーは、限定はしないが、本明細書の別のところで説明されているようなポリウレタン、ポリイミド、シリコーン、および同様のものを含む。
【0144】
いくつかの実施形態において、膜全体は、約70Aから約55Dのショア硬さを有する1つまたは複数のポリマーから形成される。しかしながら、他の実施形態において、膜層またはドメインなどの膜の一部のみがこれらのポリマーのうちの1つから形成される。例示的な一実施形態において、膜の外側層は、約70Aから約55Dのショア硬さを有するポリマーから形成される。いくつかの実施形態において、おおよそ膜の外側5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、35%、40%、45%、または50%が、約70Aから約55Dのショア硬さを有するポリマーから形成される。いくつかの実施形態において、抵抗ドメインは、約70Aから約55Dのショア硬さを有するポリマーから形成される。追加の膜ドメインも、他の実施形態において、この範囲内のショア硬さを有するポリマーから形成される。一実施形態において、膜の少なくとも一部は、約70Aから約55Dのショア硬さを有するポリマーから形成され、そのポリマー内に酵素が配設される。
【0145】
本明細書において説明されているように、膜は任意の好適な方法によって形成され得る。センサを異なる長さで浸漬すること、マスキングすること、制御されたUV硬化を行うこと、印刷すること、および/または類似の方法によっていくつかの実施形態のセンサの様々な露出されている電極上に膜を形成することが望ましいことがある。
【0146】
図6Aは、直線6-6で切り取った図5Aに示されているセンサの断面図である。図6Aに示されているように、膜508は、センサの電気活性表面上に堆積されるものとしてよく、以下でより詳しく説明されているような、複数のドメインまたは層を含み得る。いくつかの実施形態において、膜は、単一層を備える。いくつかの実施形態において、単一層は、1つまたは複数の機能ドメイン(たとえば、部分もしくは領域)を含む。他の実施形態では、膜は、2つ以上の層を備える。いくつかの実施形態において、層の各々は異なる機能を実行する。いくつかの実施形態において、複数の層は、同じ機能を実行することができる。膜508は、知られている薄膜技術(たとえば、噴霧、電着、浸漬、および同様の技術)を使用して露出されている電気活性表面上に堆積され得る。例示的な一実施形態において、各ドメインは、センサを溶液中に浸漬し、適切なドメイン厚さをもたらす速度でセンサを鍛伸することによって堆積される。例示的な別の実施形態において、各ドメインは、適切なドメイン厚さをもたらす時間期間にわたって溶液をセンサ上に噴霧することによって堆積される。一般に、膜システムは、当業者によって了解される方法を使用することで電気活性表面上に配設され(堆積され)得る。
【0147】
一般に、膜システムは、図6Aに示されているように、複数のドメイン、たとえば、電極ドメイン602、干渉ドメイン604、酵素ドメイン606(たとえば、グルコースオキシダーゼを含む)、および/または抵抗ドメイン608を備え、米国特許出願公開第US-2005-0245799-A1号でより詳しく説明され、以下でより詳しく説明されているような、高酸素可溶性ドメイン、および/または生体保護ドメイン(図示せず)を含むことができる。膜システムは、知られている薄膜技術(たとえば、蒸着、噴霧、電着、浸漬、および同様の技術)を使用して露出されている電気活性表面上に堆積され得る。しかしながら、代替的実施形態において、たとえば、超音波蒸着、静電沈着、蒸発堆積、スパッタリングによる堆積、パルスレーザー堆積、高速度酸素燃料堆積、熱蒸発器堆積、電子ビーム蒸発器堆積、反応性スパッタリング分子ビームエピタキシーによる堆積、大気圧化学気相堆積(CVD)、原子層CVD、ホットワイヤCVD、低圧CVD、マイクロ波プラズマ支援CVD、プラズマ強化CVD、高速熱CVD、リモートプラズマ強化CVD、および超高真空CVDを含む、他の蒸着プロセス(たとえば、物理的および/または化学的蒸着プロセス)が、絶縁および/または膜層のうちの1つまたは複数を提供するのに有用であり得る。しかしながら、膜システムは、当業者によって了解されるように、知られている方法を使用することで電気活性表面上に配設され(または堆積され)得る。加工がしやすいように、たとえば、特定の二重作用電極グルコースセンサ較正において、酵素が採用されるときに、電極の各々は酵素を含む酵素ドメインで浸漬され得る。次いで、作用電極(たとえば、第2の作用電極)のうちの1つの上の酵素は、たとえば、UVもしくは他の照射への曝露によって、または酵素を変性させることについて当技術分野で知られているような他の薬剤もしくは処理方法への曝露によって、変性/不活化され得る。いくつかの実施形態において、膜システムの1つまたは複数のドメインは、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン-co-テトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、生体安定性ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンのホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリウレタン、セルロースポリマー、ポリサルフォン、およびたとえば、ジブロック、トリブロック、交互、ランダムおよびグラフトコポリマーを含むこれらのブロックコポリマーなどの材料から形成される。米国特許出願公開第US-2005-0245799-A1号では、適用され得る生体界面および膜システムの構成および材料を説明している。
【0148】
選択された実施形態では、膜システムは、電極ドメイン602を備える。電極ドメイン602は、作用電極の電気活性表面と参照電極との間に電気化学反応が起きることを確実にするために与えられ、したがって、電極ドメインは、干渉ドメイン604および/または酵素ドメイン606よりも近い、電気活性表面の近位に置かれ得る。電極ドメイン602は、センサの電気化学反応表面において水の層を維持するコーティングを備え得る。言い換えると、電極ドメインは、電極間の電気化学反応を円滑にする環境を作用電極の表面と参照電極との間に提供し得る。たとえば、結合材中の保湿剤は電極ドメインとして採用することができ、これは、水性環境中でイオンの完全輸送を可能にする。電極ドメインは、不適切な電解質によって引き起こされる電極始動およびドリフト問題を加速することによってセンサの動作を安定させやすくすることもできる。電極ドメインを形成する材料は、電極の電気化学活性による大きなpH勾配の形成の結果生じ得るpH媒介損傷から保護する環境も提供し得る。
【0149】
一実施形態において、電極ドメインは、約0.05ミクロン以下から約20ミクロン以上、または約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、もしくは3.5ミクロンから約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは19.5ミクロン、または約3、2.5、2、もしくは1ミクロン以下から約3.5、4、4.5、もしくは5ミクロン以上の「乾燥フィルム」厚さを有する親水性ポリマーフィルム(たとえば、軟質水膨潤性ヒドロゲル)を含む。「乾燥フィルム」厚さは、標準的なコーティング技術によるコーティング配合から鋳造される硬化フィルムの厚さを指す。
【0150】
いくつかの実施形態において、電極ドメイン602は、ウレタンポリマーと親水性ポリマーとの硬化性混合物から形成される。いくつかの実施形態において、コーティングはカルボキシラートまたはヒドロキシル官能基および非イオン親水性ポリエーテルセグメントを有するポリウレタンポリマーから形成され、ポリウレタンポリマーは、ポリビニルピロリドンの存在下で水溶性カルボジイミド(たとえば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC))と架橋され、約50℃の中温度で硬化される。
【0151】
いくつかの実施形態において、電極ドメイン602は、電極ドメインを上にあるドメイン(たとえば、干渉ドメイン、酵素ドメイン)よりも実質的に親水性であるようにする親水性ポリマー(たとえば、ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、官能化ポリアミド、官能化ポリラクトン、官能化ポリイミド、官能化ポリラクタムまたはこれらの組合せ)から形成される。いくつかの実施形態において、電極ドメイン602は、親水性ポリマーから実質的に全体として、および/または主として形成される。いくつかの実施形態において、電極ドメインは、PVPから実質的に全体的に形成される。いくつかの実施形態において、電極ドメイン602は、親水性ポリマーから全体として形成される。有用な親水性ポリマーは、限定はしないが、ポリ-N-ビニルピロリドン(PVP)、ポリ-N-ビニル-2-ピペリドン、ポリ-N-ビニル-2-カプロラクタム、ポリ-N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、ポリ-N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、ポリ-N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、ポリ-N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、ポリ-N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、ポリ-N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ-N,N-ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリ-2-エチル-オキサゾリン、これらのコポリマーおよびこれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では2つ以上の親水性ポリマーのブレンドが使用され得る。いくつかの実施形態において、親水性ポリマーは架橋されない。代替的実施形態において、架橋は、限定はしないがEDCなどの架橋剤を加えること、またはドメインを通るより蛇行した拡散経路を形成すると信じられている、親水性ポリマー分子の間の架橋を促すのに十分な波長の照射を行うこと、などによって実行され得る。
【0152】
親水性ポリマー(たとえば、PVP)から形成される電極ドメインは、検体センサ、たとえば、本明細書の別のところでより詳しく説明されているようなセルロース系干渉ドメインを利用するグルコースセンサのブレークイン時間を実質的に短縮することが示されている。いくつかの実施形態において、単一の親水性ポリマー(たとえば、PVP)から形成される単一コンポーネント電極ドメインは、グルコースセンサのブレークイン時間を約2時間未満、約1時間未満、約20分未満、および/または実質的即時にまで実質的に短縮することが示されている。
【0153】
一般的に、センサブレークインは、センサ信号が検体濃度を実質的に表すことになるのに必要な(埋め込みの後の)時間の長さである。センサブレークインは、膜ブレークインおよび電気化学的ブレークインの両方を含み、これらは本明細書の別のところでより詳しく説明されている。いくつかの実施形態において、ブレークイン時間は、約2時間未満である。他の実施形態において、ブレークイン時間は、約1時間未満である。さらに他の実施形態では、ブレークイン時間は、約30分未満、約20分未満、約15分未満、約10分未満、またはそれ以下である。一実施形態において、センサブレークインは、実質的に即時に生じる。有利には、ブレークイン時間が約0分(実質的に即時)である実施形態において、センサは、たとえば、挿入され、挿入後、ほとんど即時に実質的に正確な検体(たとえば、グルコース)濃度を提供することを開始することができ、膜ブレークインは始動時間を制限しない。
【0154】
いくつかの実施形態において、軟質センサ(たとえば、2~5GPa未満の曲げ弾性率もしくは147GPa未満のヤング率を有するか、またはセンサが埋め込まれる組織の1つもしくは複数の層の弾性率と実質的に一致するセンサ)を提供することで、ブレークイン時間を短縮するものとしてよく、および/または新しく埋め込まれたセンサへの組織反応(たとえば、炎症)によって引き起こされる誤測定などのブレークイン時間に従う初日効果を防ぎ得る。
【0155】
さらに、次のより遠位にある膜層もしくはドメイン(たとえば、上にあるドメイン、干渉ドメインもしくは酵素ドメインなどの、電極ドメインより遠い、電気活性表面の遠位にある層)より実質的に親水性が高い電極ドメインを提供することで、膜システムが周辺ホスト組織によって水分を与えられる速度を高めることによって、埋め込まれたセンサのブレークイン時間を短縮する。上にある層(たとえば、干渉ドメイン、酵素ドメインなどの電極ドメインと接触する遠位層)に関する電極ドメインの親水性の大きさを高めると、吸水率が高くなり、その結果センサブレークイン時間が短縮され得る。電極ドメインの親水性は、互いに関する、および上にある層(たとえば、セルロース系干渉ドメイン)に関する親水性に基づき、親水性ポリマーの適切な選択によって実質的に高められるものとしてよく、いくつかのポリマーは上にある層より実質的に親水性が高い。例示的な一実施形態において、PVPは電極ドメインを形成し、干渉ドメインは、限定はしないが酢酸酪酸セルロースおよび酢酸セルロースなどの、セルロース誘導体のブレンドから形成され、PVPはセルロース系干渉ドメインより親水性が実質的に高いので、PVPは水を電極ドメインへの膜内に素早く引き込み、センサが所望の感度および精度で機能することを可能にし、埋め込み後に実質的に短縮された時間期間内に開始すると信じられている。センサブレークイン時間の短縮は、ホストがセンサ読み取り値を得るために待たなければならない時間の長さを短縮し、これは特に外来用途(ambulatory application)だけでなく特に、時間に厳しい病院現場内でも有利である。
【0156】
上にあるドメイン(たとえば、電極ドメインの上にあるドメイン)の吸水率が(たとえば、膜平衡において)電極ドメインの吸水率より小さいときに、2つのドメイン間の吸水率の差は膜平衡を促し、したがって膜ブレークインを促し得る。すなわち、親水性の差(たとえば、2つのドメインの間の)を高めると、結果として、吸水率が高くなり、延いては、結果として、膜ブレークイン時間および/またはセンサブレークイン時間の短縮を引き起こし得る。本明細書の別のところで説明されているように、上にあるドメインと比較した電極ドメインの相対的親水性は、電極ドメインの形成に対する親水性のより高い材料の選択(および/または上にあるドメインに対する疎水性のより高い材料)によって変調され得る。たとえば、より大量の水を吸収することができる親水性ポリマーを含む電極ドメインが、第1の親水性ポリマーより少ない量の水を吸収することができる第2の親水性ポリマーの代わりに選択され得る。いくつかの実施形態において、電極ドメインと上にあるドメインとの間の含水量の差(たとえば、膜平衡においてまたは膜平衡の後)は、約1%以下から約90%以上である。他の実施形態において、電極ドメインと上にあるドメインとの間の含水量の差は、約10%以下から約80%以上である。さらに他の実施形態において、電極ドメインと上にあるドメインとの間の含水量の差は、約30%以下から約60%以上である。いくつかの実施形態において、電極ドメインは、隣接する(上にある)ドメイン(たとえば、電極ドメインより遠い、電気活性表面の遠位にあるドメイン)に比べて5wt.%以下から95wt.%以上の水、または約5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50wt.%から約55、60、65、70、75、80、85、90、もしくは95wt.%の水を吸収する。
【0157】
別の例では、ポリマーによる吸水率は、限定はしないがポリマーの分子量などの、他の因子の影響を受け得る。たとえば、PVPによる吸水率は、その分子量に依存し、これは典型的には約40kDa以下から約360kDa以上であり、低分子量のPVP(たとえば、40kDa)は高分子量のPVPより速く水を吸収する。したがって、ポリマーによる吸水率に影響を及ぼす、分子量などの変調因子は、電極ドメイン加工に対する材料の適切な選択を促すことができる。一実施形態において、ブレークイン時間を短縮するために、より低分子量のPVPが選択される。
【0158】
電極ドメイン602は、知られている薄膜堆積技術(たとえば、センサの電気活性表面を噴霧コーティングまたは浸漬コーティングすること)によって堆積され得る。いくつかの実施形態において、電極ドメインは、電極ドメイン溶液(たとえば、脱イオン水中で5、10、15、20、25、または30%以上のPVP)に電気活性表面を浸漬コーティングし、約40℃から約55℃の温度で約15分から約30分の時間をかけてドメインを硬化させることによって形成される(また、真空(たとえば、20から30mmHg)下で遂行され得る)。電極ドメインを堆積するために浸漬コーティングが使用される実施形態において、電極ドメイン溶液中への毎分約1から約3インチの挿入速度が使用されるものとしてよく、電極ドメイン溶液中の滞留時間は約0.5から約2分であり、電極ドメイン溶液からの毎分約0.25から約2インチの引き抜き速度が機能性コーティングをもたらす。しかしながら、上で述べた値を外れる値は、当業者であれば了解するように、たとえば、溶液粘度および溶液表面張力に応じて、いくつかの実施形態では許容可能であるか、または望ましい場合すらあり得る。一実施形態において、電極システムの電気活性表面は、1回(1つの層)浸漬コーティングされ、20分間、真空下で50℃の温度により硬化される。別の実施形態において、電極システムの電気活性表面は、1回目、浸漬コーティングされ、20分間真空下で50℃の温度により硬化され、続いて、2回目、浸漬コーティングされ、20分間真空下で50℃の温度により硬化される(2つの層)。さらに他の実施形態では、電気活性表面は、3回以上の回数(3つ以上の層)浸漬コーティングされ得る。他の実施形態において、PVPの1つ、2つ、3つ以上の層は、噴霧コーティングまたは蒸着によって電気活性表面に施される。いくつかの実施形態において、架橋剤(たとえば、EDC)が電極ドメイン鋳造溶液に加えられ、それにより、ドメイン内(たとえば、電極ドメインポリマー成分、ラテックスなどの間)の架橋を促進することができる。しかしながら、いくつかの代替的実施形態において、架橋剤はいっさい使用されず、電極ドメインは実質的に架橋されない。
【0159】
いくつかの実施形態において、堆積済みPVP電極ドメインは、約0.05ミクロン以下から約20ミクロン、または約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、もしくは3.5ミクロンから約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは19.5ミクロン、または約2、2.5、もしくは3ミクロンから約3.5、4、4.5、もしくは5ミクロンの「乾燥フィルム」厚さを有する。独立した電極ドメインが本明細書によって説明されているが、いくつかの実施形態において、水性環境内で(たとえば、別個の電極ドメインなしで)イオンの完全な輸送を行うために干渉ドメインおよび/または酵素ドメイン(電気活性表面に隣接するドメイン)内に十分な親水性をもたらすことができる。これらの実施形態において、電極ドメインは必要ない。
【0160】
細長芯(たとえば、細長導電性芯または細長非導電性芯)は、浸漬作業中に芯がその形状を保つように十分に大きい(たとえば、500MPaを超える)ヤング率または曲げ弾性率(たとえば、少なくとも生体外ヤング率または曲げ弾性率)を有し得る(たとえば、芯は芯が流体中に浸漬されるときに浸漬流体の表面からの力により曲げられない)。いくつかの実施形態において、ヤング率または曲げ弾性率は、浸漬作業中に(たとえば、電磁場を印加することによって、または閾値温度まで冷却することによって)高められ得る。他の実施形態では、ヤング率または曲げ弾性率は、これ以降でさらに詳しく説明されているように生体中で減少し得る(たとえば、温度上昇、1つもしくは複数の層または他の構造の湿潤もしくは水和、電磁場の印加もしくは除去、または化学反応もしくは生体反応により)。
【0161】
細長芯(たとえば、センサ電子機器ハウジングから延在するように構成されている連続検体センサの一部に対する細長導電性芯または細長非導電性芯)は、浸漬作業中に芯がその形状を保つように十分に大きい(たとえば、0.25Nより大きい、0.02Nより大きい、0.01Nより大きい、0.001Nより大きい、または重力下で芯の重量より大きい)座屈力(たとえば、少なくとも生体外座屈力)を有し得る(たとえば、芯は芯が流体中に浸漬されるときに浸漬流体の表面からの力により曲げられない)。いくつかの実施形態において、座屈力は、浸漬作業中に(たとえば、電磁場を印加することによって、または閾値温度まで冷却することによって)高められ得る。他の実施形態では、座屈力は、これ以降でさらに詳しく説明されているように生体中で減少し得る(たとえば、温度上昇、1つもしくは複数の層または他の構造の湿潤もしくは水和、電磁場の印加もしくは除去、または化学反応もしくは生体反応により)。
【0162】
干渉物は、偽陽性検体信号(たとえば、非検体関係信号)を発生する、直接的に、または電子移動剤を介して、のいずれかで、センサの電気化学的に反応する表面で還元または酸化される分子または他の化学種である。この偽陽性信号は、ホストの検体濃度(たとえば、グルコース濃度)を真の検体濃度よりも高く見せる。偽陽性信号は、いくつかの従来のセンサにおける臨床的に深刻な問題である。たとえば、ホストが干渉物(たとえば、アセトアミノフェン)を摂取している、危険な低血糖状況にある場合に、偽りの高いグルコース信号が発生すると、ホストは自分が正常血糖である(または、場合によっては、高血糖症である)と信じ込む可能性がある。その結果、ホストは、適切な行動指針が摂食を開始することであるときに、なにもしないなどの、不適切な処置決定を下す可能性がある。別の例では、正常血糖または高血糖状況にある場合に、ホストはアセトアミノフェンを消費していると、アセトアミノフェンによって引き起こされる偽りの高いグルコース信号のせいで、ホストは自分のグルコース濃度が真の濃度よりかなり高いと信じ込む可能性がある。ここでもまた、偽りの高いグルコース信号の結果として、ホストは、多すぎるインスリンを自分に与えるなど不適切な処置決定を下す可能性があり、延いては、危険な低血糖発作を引き起こし得る。
【0163】
いくつかの実施形態において、中を通る1つまたは複数の干渉化学種の流れを実質的に制限または遮断する干渉ドメイン604が提供され、それによって、偽りの信号増大を実質的に防ぐ。本明細書においてより詳しく説明されているように、グルコースセンサに対するいくつかの知られている干渉化学種は、アセトアミノフェン、アスコルビン酸、ビリルビン、コレステロール、クレアチニン、ドパミン、エフェドリン、イブプロフェン、L-ドパ、メチルドパ、サリチル酸塩、テトラサイクリン、トラザミド、トルブタミド、トリグリセリド、および尿酸を含む。一般に、いくつかの実施形態の干渉ドメインは、測定された化学種、たとえば、限定はしないがH2O2などの、電気活性表面において測定される酵素反応の生成物、と比べて干渉化学種のうちの1つまたは複数に対して透過性が低い。
【0164】
一実施形態において、干渉ドメインは、1つまたは複数のセルロース誘導体から形成される。セルロース誘導体は、限定はしないが、セルロースエステルおよびセルロースエーテルを含み得る。一般に、セルロース誘導体は、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、2-ヒドロキシエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、および同様のものなどのポリマー、さらには、他のセルロースまたは非セルロースモノマーとのコポリマーおよびターポリマーを含む。セルロースは、β-D-グルコースの多糖ポリマーである。セルロース誘導体が、いくつかの実施形態において使用され得るが、セルロース誘導体に類似する特性を有する他のポリマー多糖類も、他の実施形態において採用され得る。セルロース干渉ドメインの説明は、米国特許出願公開第US-2006-0229512-A1号、米国特許出願公開第US-2007-0173709-A1号、米国特許出願公開第US-2006-0253012-A1号、米国特許出願公開第US-2007-0213611-A1号に記載されており、これらはすべて、それらの開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている。
【0165】
いくつかの実施形態において、干渉物の等価グルコース信号応答(センサによって測定される)は、50mg/dL以下である。いくつかの実施形態において、干渉物は、40mg/dL以下の等価グルコース信号応答を発生する。いくつかの実施形態において、干渉物は、約30未満、20、または10mg/dLの等価グルコース信号応答を発生する。例示的な一実施形態において、干渉ドメインは、アセトアミノフェンが中を通るのを実質的に遮断するように構成され、アセトアミノフェンの等価グルコース信号応答は、約30mg/dL未満である。
【0166】
代替的実施形態において、干渉ドメインは、治療用量のアセトアミノフェンを実質的に遮断するように構成される。本明細書で使用されているような「治療用量」という術語は、広義語であり、その通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、疾病の治癒を行わせ、痛みを軽減するために必要な、または薬物などの、治療的に適用される化合物とともに使用される有効用量などの、食べ物の中の特定の因子の欠損の兆候を是正する、物質の量を指す。たとえば、アセトアミノフェンの治療用量は、頭痛を軽減するか、または熱を下げるために必要なアセトアミノフェンの量であってよい。さらなる例として、アセトアミノフェンの500mgのタブレット2個を嚥下することなどによって経口摂取する1,000mgのアセトアミノフェンは、頭痛のために頻繁に摂取する治療用量である。いくつかの実施形態において、干渉膜は、治療用量のアセトアミノフェンを遮断するように構成され、アセトアミノフェンの等価グルコース信号応答は、約60mg/dL未満である。一実施形態において、干渉膜は、治療用量のアセトアミノフェンを遮断するように構成され、アセトアミノフェンの等価グルコース信号応答は、約40mg/dL未満である。別の実施形態において、干渉膜は、治療用量のアセトアミノフェンを遮断するように構成され、アセトアミノフェンの等価グルコース信号応答は、約30mg/dL未満である。
【0167】
いくつかの代替的実施形態において、干渉ドメインの等価なおよび/または強化された機能を提供するために、NAFION(登録商標)などの追加のポリマーがセルロース誘導体と組み合わせて使用され得る。一例として、5wt.%のNAFION(登録商標)鋳造溶液の層が8wt.%の酢酸セルロースの以前に施された(たとえば、硬化された)層の上に、たとえば、酢酸セルロースの少なくとも1つの層を浸漬コーティングし、その後、少なくとも1つの層NAFION(登録商標)を針型センサ上に浸漬コーティングすることによって、施された。干渉ドメインを形成するのに、任意の順序で形成された任意の数のコーティングまたは層が適しているものとしてよい。
【0168】
いくつかの代替的実施形態において、干渉ドメインに対する基礎材料として利用され得る他の種類のポリマーは、たとえば、ポリウレタン、ペンダントイオン基を有するポリマー、および制御された細孔サイズを有するポリマーを含む。そのような一代替的実施形態において、干渉ドメインは、非膨潤性であり、高分子量化学種の拡散を制限する薄い疎水性膜を含む。干渉ドメインは、過酸化水素などの比較的低分子量の物質に対して透過性を有するが、グルコースおよびアスコルビン酸を含む、より高分子量の物質の通過を制限する。膜システムに適用され得る干渉化学種を低減もしくは排除するための他のシステムおよび方法は、米国特許第7,074,307号、米国特許出願公開第US-2005-0176136-A1号、米国特許第7,081,195号、および米国特許出願公開第US-2005-0143635-A1号において説明されており、これらはすべて、それらの開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている。いくつかの代替的実施形態において、別個の干渉ドメインは含まれない。
【0169】
いくつかの実施形態において、干渉ドメインは、センサの電気活性表面上または電極ドメインの遠位表面上のいずれかに直接的に、約0.05ミクロンから約20ミクロン、または約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、もしくは3.5ミクロンから約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは19.5ミクロン、または約1、1.5、もしくは2ミクロンから約2.5もしくは3ミクロンのドメイン厚さで、堆積される。いくつかの実施形態では、膜は厚ければ厚いほど望ましい場合もあるが、より薄い膜が使用されてもよく、それは酵素膜から電気活性表面への過酸化水素の拡散速度に及ぼす影響が少ないからである。
【0170】
一般に、いくつかの実施形態の膜システムは、知られている薄膜技術(たとえば、鋳造、噴霧コーティング、鍛伸、電着、浸漬コーティング、および同様のもの)を使用して露出されている電気活性表面(たとえば、作用電極および参照電極のうちの1つまたは複数)上に形成され、および/または堆積され得るが、鋳造、印刷、または他の知られている応用技術も利用され得る。干渉ドメイン604は、噴霧もしくは浸漬コーティング(例として)によって堆積され得る。本明細書において説明されているような針型(経皮)センサの例示的な一実施形態において、干渉ドメイン604は、センサを干渉ドメイン溶液中に浸漬コーティングすることを、約0.5インチ/分から約60インチ/分、または約1インチ/分の挿入速度、約0分から約2分、または約1分の滞留時間、および約0.5インチ/分から約60インチ/分、または約1インチ/分の引き抜き速度を使用して行い、約1分から約30分、または約3分から約15分の間にドメインを硬化(乾燥)させることによって形成される(および室温もしくは真空(たとえば、20から30mmHg)下で遂行され得る)。酢酸酪酸セルロース干渉ドメインを含む例示的な一実施形態において、3分の硬化(すなわち、乾燥)時間は、時には、施される各層の間である。酢酸セルロース干渉ドメインを採用する別の例示的な実施形態において、15分の硬化(すなわち、乾燥)時間は、施される各層の間で使用される。
【0171】
いくつかの実施形態において、浸漬プロセスは、少なくとも1回、最大10回以上まで繰り返すことができる。他の実施形態では、浸漬は1回のみ実行される。使用される浸漬プロセスの繰り返し回数は、使用されるセルロース誘導体、その濃度、堆積(たとえば、浸漬)時の条件、および望ましい厚さ(たとえば、特定の干渉物の機能性遮断をもたらす十分な厚さ)、ならびに同様のものに依存する。いくつかの実施形態において、干渉ドメインの厚さとして1から3ミクロンが使用され得るが、これらから外れる値は、当業者であれば了解するように、たとえば、粘度および表面張力に応じて、いくつかの実施形態では許容可能であるか、または望ましい場合すらあり得る。例示的な一実施形態において、酢酸酪酸セルロースの3つの層から干渉ドメインが形成される。例示的な別の実施形態において、酢酸セルロースの10個の層から干渉ドメインが形成される。別の実施形態において、酢酸セルロースと酢酸酪酸セルロースとのブレンドの1つの層から干渉ドメインが形成される。代替的実施形態において、干渉ドメインは、当業者であれば了解するように、知られている方法、および酢酸セルロースと酢酸酪酸セルロースとの組合せを使用して形成され得る。いくつかの実施形態において、電気活性表面は、干渉ドメインを施す前に清浄化され、平滑化され、または他の何らか方法で処置され得る。いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態の干渉ドメインは、生体保護または生体適合ドメイン、すなわち、安定性および生体適合性により動物(たとえば、人間)内に埋め込まれたときにホスト組織との界面をなすドメインとして有用であり得る。さらに他の実施形態では、限定はしないが酵素ドメインおよび/または抵抗ドメインなどの、膜システムの他の部分は、干渉遮断を行うように構成され得る。さらに他の実施形態では、干渉ドメインは、他の膜ドメインより遠いまたは近い、電気活性表面の遠位または近位のいずれかに配置され得る。たとえば、干渉ドメインは、いくつかの実施形態において酵素ドメインまたは抵抗ドメインより遠い、電気活性表面の遠位に配置され得る。
【0172】
いくつかの実施形態において、膜システムは、干渉ドメインより遠い、電気活性表面からの遠位に配設されている酵素ドメイン606をさらに含むが、他の構成も望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、酵素ドメイン606は、以下でより詳しく説明されているように、検体およびその共反応化合物の反応を触媒する酵素を提供する。グルコースセンサのいくつかの実施形態において、酵素ドメイン606は、グルコースオキシダーゼ(GOX)を含むが、他のオキシダーゼ、たとえば、ガラクトースオキシダーゼまたはウリカーゼオキシダーゼも使用できる。いくつかの実施形態において、酵素ドメインは、アルブミン、アルカリ性ホスファターゼ、アラニンアミノ基転移酵素、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、CO2、塩化物、クレアチニン、グルコース、ガンマグルタミントランスペプチダーゼ、ヘマトクリット、乳酸塩、乳酸脱水素酵素、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク量、尿酸、代謝マーカー、薬物、様々なミネラル、様々な代謝産物、および/または同様のもののうちの少なくとも1つの検出を行うように構成され配置される。さらなる実施形態において、センサは、アルブミン、アルカリ性ホスファターゼ、アラニンアミノ基転移酵素、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、CO2、塩化物、クレアチニン、グルコース、ガンマグルタミントランスペプチダーゼ、ヘマトクリット、乳酸塩、乳酸脱水素酵素、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク量、尿酸、代謝マーカー、薬物、様々なミネラル、様々な代謝産物、および/または同様のもののうちの2つ以上を検出するように構成され配置される。
【0173】
酵素ベースの電気化学グルコースセンサが正常に機能するために、センサの応答は、酵素活性にも共反応化合物濃度にも制限され得ない。グルコースオキシダーゼを含む、酵素は周囲条件であっても時間の経過とともに失活を受けるので、この挙動は、酵素ドメインを形成する際に補償される。いくつかの実施形態において、酵素ドメインは、酵素を含むコロイド状ポリウレタンポリマーの水性分散液から構成される。しかしながら、代替的実施形態では、酵素ドメインは、酸素増強材料、たとえば、シリコーン、またはフッ化炭素から構成され、これにより、一過性虚血の際に過剰酸素を供給する。酵素は、ドメイン内に固定化され得る。たとえば、その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第US-2005-0054909-A1号を参照のこと。いくつかの実施形態において、酵素ドメイン606は、約0.05ミクロンから約20ミクロン、または約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、もしくは3.5ミクロンから約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは19.5ミクロン、または約2、2.5、もしくは3ミクロンから約3.5、4、4.5、もしくは5ミクロンのドメイン厚さで干渉ドメイン604上に堆積され得る。しながら、いくつかの実施形態において、酵素ドメイン606は、電気活性表面上に直接堆積されるものとしてよい。酵素ドメインは、噴霧もしくは浸漬コーティングによって堆積され得る。本明細書において説明されているような針型(経皮)センサの一実施形態において、酵素ドメインは、干渉ドメインコーティングセンサを酵素ドメイン溶液中に浸漬コーティングし、そのドメインを約15から約30分間、約40℃から約55℃の温度で硬化させることによって形成される(また、真空(たとえば、20mmHgから30mmHg)下で遂行され得る)。酵素ドメインを室温で堆積し機能性コーティングを提供するために浸漬コーティングが使用される実施形態において、使用される挿入速度は、毎分約0.25インチから毎分約3インチであってよく、滞留時間は約0.5分から約2分であり、引き抜き速度は毎分約0.25インチから毎分約2インチである。しかしながら、上で述べた値を外れる値は、当業者であれば了解するように、たとえば、粘度および表面張力に応じて、いくつかの実施形態では許容可能であるか、または望ましい場合すらあり得る。一実施形態において、酵素ドメインは、酵素ドメイン溶液中で2回浸漬コーティングし(すなわち、2つの層を形成し)、20分間、真空下で50℃の温度により硬化させることによって形成される。しかしながら、いくつかの実施形態において、酵素ドメインは、コーティング溶液の所定の濃度、挿入速度、滞留時間、引き抜き速度、および/または所望の厚さで1つまたは複数の層を浸漬コーティングし、および/または噴霧コーティングすることによって形成され得る。
【0174】
酵素検体センサは、これらが含む酵素の反応速度に依存する。当業者であれば理解するように、1つの反応物質/検体の濃度を(たとえば、酵素の定義済み量を使用して)計算するために、他のすべての反応物質/共反応物質が過剰に存在している。しかしながら、身体において、これは多くの場合に当てはまらず、時には検体が過剰である。したがって、いくつかの実施形態において、センサ膜は、検体の酵素ドメインへの拡散を制限するように構成され配置され、それにより、検体を正確に測定することができる。いくつかの実施形態において、膜システムは、酵素ドメインより遠い、電気活性表面からの遠位に配設されている抵抗ドメイン608を含む。次の説明はグルコースセンサに対する抵抗ドメインを対象としているが、抵抗ドメインは、他の検体および共反応物質に対しても修飾され得る。
【0175】
グルコースセンサに関して、血中の酸素の量に関して過剰モル濃度のグルコースが存在する、すなわち、細胞外液中のすべての遊離酸素分子について、典型的には100個を超えるグルコース分子が存在する(それらの開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれているUpdikeら「Diabetes Care 5」207~21頁(1982年)を参照)。しかしながら、共反応物として酸素を採用する固定化酵素ベースのグルコースセンサは、酸素濃度の変化に応答していない間、センサがグルコース濃度の変化に直線的に応答するために、律速しない過剰量の酸素を供給されるものとしてよい。特に、グルコース監視反応が酸素制限されるときに、線形性は、グルコースの最小濃度を超えては達成されない。グルコースおよび酸素の流束を制御するために半透膜が酵素ドメインの上に置かれないと、グルコースレベルへの線形応答は最大約40mg/dLまでのグルコース濃度についてしか得られない。しかしながら、臨床現場では、グルコースレベルへの線形応答は、最大少なくとも約400mg/dLまで望ましい。
【0176】
抵抗ドメイン608は、下にある酵素ドメインへの酸素およびグルコースの流束を制御する半透膜を備えるものとしてよく、それによって、律速しない過剰量の酸素を与える。その結果、グルコース測定値の線形性の上限は、抵抗ドメインなしで達成される値よりかなり高い値に拡大される。一実施形態において、抵抗ドメイン608は、約50:1以下から約400:1以上、または約200:1の、酸素対グルコースの透過性の比を示す。その結果、1次元反応物拡散は皮下マトリックス中に見られるすべての妥当なグルコースおよび酸素濃度で過剰酸素を提供するのに十分である(その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれているRhodesら、Anal. Chem., 66:1520~1529頁(1994年)を参照)。
【0177】
代替的実施形態において、酸素対グルコースの低い比は、酵素ドメインへの酸素の供給/輸送を増強するために高酸素可溶性ドメイン(たとえば、シリコーンもしくはフッ化炭素系材料もしくはドメイン)を使用することによって過剰酸素を提供するのに十分であり得る。酵素により多くの酸素が供給される場合、酸素律速過剰を引き起こすことなくより多くのグルコースも酵素に供給され得る。代替的実施形態において、抵抗ドメインは、その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第US-2005-0090607-A1号で説明されているようなシリコーン組成物から形成される。
【0178】
一実施形態において、抵抗ドメイン608は、検体センサへのグルコースおよび酸素の拡散を制御するために親水性領域と疎水性領域の両方を有するポリウレタン膜を備え、この膜は市販の材料から容易に、再生可能に加工される。好適な疎水性ポリマー成分は、ポリウレタン、またはポリエーテルウレタン尿素である。ポリウレタンは、ジイソシアネートと二官能性ヒドロキシル含有材料との縮合反応によって生成されるポリマーである。ポリウレタン尿素は、ジイソシアネートと二官能性アミン含有材料との縮合反応によって生成されるポリマーである。使用され得るジイソシアネートは、限定はしないが、約4から約8個のメチレン単位を含有する脂肪族ジイソシアネートを含む。脂環式部分を含むジイソシアネートは、また、いくつかの実施形態の膜のポリマーおよびコポリマー成分の調製において有用であり得る。抵抗ドメインの疎水性マトリックスの基礎を形成する材料は、センサデバイス内の膜として使用するのに適切であるような、また関連する化合物が通過するのを許す、たとえば、酸素分子が調査対象の試料から膜を通過し活性酵素または電気化学的電極に到達するのを許す十分な透過性を有するような、当技術分野で知られている任意のものであってよい。非ポリウレタン型膜を形成するために使用され得る材料の例は、ビニルポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサンおよびポリカルボシロキサンなどの無機ポリマー、セルロース系材料およびタンパク質系材料などの天然ポリマー、ならびにこれらの混合物または組合せを含む。
【0179】
一実施形態において、親水性ポリマー成分はポリエチレンオキシドである。たとえば、1つの有用な疎水性-親水性コポリマー成分は、約20%の親水性ポリエチレンオキシドを含むポリウレタンポリマーである。コポリマーのポリエチレンオキシド部分は、コポリマーの疎水性部分および疎水性ポリマー成分から分離する方向に熱力学的に推進される。最終的ブレンドを形成するために使用されるコポリマーの20%ポリエチレンオキシド系軟セグメント部分は、膜の吸水およびその後のグルコース透過性に影響を及ぼす。
【0180】
いくつかの実施形態において、抵抗ドメインは、検体(たとえば、グルコース)輸送を許すように修飾されたシリコーンポリマーから形成される。
【0181】
いくつかの実施形態において、抵抗ドメインは、シリコーンポリマー/疎水性-親水性ポリマーブレンドから形成される。一実施形態において、ブレンドに使用される疎水性-親水性ポリマーは、限定はしないが、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレンオキシドなどのポリエーテル、ならびにたとえば、ジブロック、トリブロック、交互、ランダム、櫛形、星形、樹枝状、およびグラフトコポリマーを含む、これらのコポリマーなどの成分を含む、任意の好適な疎水性-親水性ポリマーであってよい(ブロックコポリマーは、米国特許第4,803,243号および米国特許第4,686,044号において説明されており、両方ともそれらの開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている)。一実施形態において、疎水性-親水性ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)とポリ(プロピレンオキシド)(PPO)とのコポリマーである。好適なそのようなポリマーは、限定はしないが、PEO-PPOジブロックコポリマー、PPO-PEO-PPOトリブロックコポリマー、PEO-PPO-PEOトリブロックコポリマー、PEO-PPOの交互ブロックコポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマー、およびこれらのブレンドを含む。いくつかの実施形態において、コポリマーは、任意選択で、ヒドロキシ置換基と置換される。PEOおよびPPOコポリマーの市販の例は、BASF(登録商標)から入手可能なポリマーのPLURONIC(登録商標)ブランドを含む。一実施形態において、PLURONIC(登録商標)F-127が使用される。他のPLURONIC(登録商標)ポリマーは、PPO-PEO-PPOトリブロックコポリマー(たとえば、PLURONIC(登録商標)R製品)を含む。他の好適な市販のポリマーは、限定はしないが、UNIQEMA(登録商標)から入手可能なSYNPERONICS(登録商標)製品を含む。その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第US-2007-0244379-A1号は、膜システムの抵抗および/または他のドメインに好適なシステムおよび方法を説明している。
【0182】
いくつかの実施形態において、抵抗ドメイン608は、約0.05ミクロンから約20ミクロン、または約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、もしくは3.5ミクロンから約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは19.5ミクロン、または約2、2.5、もしくは3ミクロンから約3.5、4、4.5、もしくは5ミクロンのドメイン厚さを形成するように酵素ドメイン606上に堆積される。抵抗ドメインは、蒸着、噴霧コーティング、印刷、または浸漬コーティングによって酵素ドメイン上に堆積され得る。一実施形態において、噴霧コーティングは、好ましい堆積技術である。噴霧プロセスは溶液を霧化し、ミストにし、したがって、コーティング材料が下にあるドメイン上に沈降する前に溶媒のほとんどまたは全部が蒸発し、それによって、溶媒と酵素との接触を最小にする。
【0183】
別の実施形態において、物理的蒸着(たとえば、超音波蒸着)は、電極上に膜ドメインのうちの1つまたは複数をコーティングするために使用され、蒸着装置およびプロセスは、真空室内に微小液滴のミストを発生する超音波ノズルを含む。これらの実施形態において、微小液滴は、真空室内で乱流により移動し、基材の表面に等方的に衝撃を与え、付着する。有利には、上で説明されているような蒸着は、たとえば、以下で説明されているような、膜蒸着プロセスの高い生産スループット(たとえば、室1つ当たり少なくとも約20から約200以上の電極)、各センサ上の膜のより高いコンシステンシー、およびセンサ性能の均一さの向上をもたらすように実装され得る。
【0184】
いくつかの実施形態において、抵抗ドメインを(たとえば、上で説明されている技術のうちの1つを使用して)堆積することは、アスコルビン酸塩を実質的に遮断または抵抗する膜システムの形成を含む(過酸化水素測定グルコースセンサ内の知られている電気化学的干渉物)。抵抗ドメインを堆積するプロセスにおいて、アスコルビン酸塩が実質的に中を通って透過しないことを特徴とする構造形態が形成され得る。
【0185】
一実施形態において、抵抗ドメイン608は、約1wt.%から約5wt.%のポリマーおよび約95wt.%から約99wt.%の溶媒からなる溶液を噴霧コーティングすることによって酵素ドメイン606上に堆積される。溶媒を含む、抵抗ドメイン材料の溶液を、酵素ドメイン上に噴霧する際に、酵素ドメインの下にある酵素を脱活性化することができる噴霧溶液中の溶媒の酵素との接触を軽減するか、または実質的に低減することが望ましい。テトラヒドロフラン(THF)は、噴霧後に酵素ドメインの酵素に及ぼす影響が最小であるか、無視できるくらいに小さい一溶媒である。当業者であれば了解するように、他の溶媒の使用も好適であり得る。
【0186】
様々な噴霧または堆積技術が使用され得るが、抵抗ドメイン材料を噴霧し、センサを少なくとも1回180°回転させることで、典型的には、抵抗ドメインによる適切な被覆をもたらすことができる。上でより詳しく説明されているように、抵抗ドメイン材料を噴霧し、センサを少なくとも2回120°回転させることで、より大きい被覆をもたらし(360°被覆の1つの層)、それによって、グルコースに対する抵抗を確実にする。
【0187】
いくつかの実施形態において、抵抗ドメイン608は噴霧コーティングされ、その後、約15分から約90分の時間に、約40℃から約60℃の温度で硬化される(および真空(たとえば、20から30mmHg)下で遂行され得る)。最大約90分以上までの硬化時間は、抵抗ドメインの完全な乾燥を確実にするために有利であり得る。
【0188】
一実施形態において、抵抗ドメインは、少なくとも6つの層を噴霧コーティングし(すなわち、センサを360°被覆の少なくとも6つの層に対して17回120°回転させる)、60分間、真空下で50℃の温度により硬化させることによって形成される。しかしながら、抵抗ドメインは、溶液の濃度、挿入速度、滞留時間、引き抜き速度、および/または結果として得られるフィルムの所望の厚さに応じて、任意の層もしくは複数の層を浸漬コーティングまたは噴霧コーティングすることによって形成され得る。それに加えて、対流式オーブン内での硬化も採用され得る。
【0189】
いくつかの実施形態において、膜ドメイン/層を硬化させるために可変周波数マイクロ波オーブンが使用され得る。一般に、マイクロ波オーブンは、溶媒の回転モードを直接励起する。その結果、マイクロ波オーブンは、従来の対流式オーブンの場合のように外側から内へではなく内側から外へコーティングを硬化させる。この直接回転モード励起は、マイクロ波オーブン内の典型的に観察される「高速」硬化に関わる。従来のマイクロ波オーブン内に置かれた場合に誘電体(金属)基材のアーク放電を引き起こす固定周波数の放射に依存する、従来のマイクロ波オーブンとは対照的に、可変周波数マイクロ波(VFM)オーブンは、100ミリ秒以内に数千の周波数を放射し、これは誘電体基材のアーク放電を実質的に排除する。その結果、膜ドメイン/層は、本明細書において説明されているように金属電極上の堆積後であっても硬化され得る。VFM硬化は、従来の対流式オーブンにおける硬化について観察される溶剤蒸発の速度および完全さと比較して、センサに塗布される液体膜溶液からの溶剤蒸発の速度および完全さを高めることができる。いくつかの実施形態において、VFMは対流式オーブンによる硬化とともに使用され、硬化時間をさらに短縮できる。電極上に施される前に膜が硬化されるいくつかのセンサ応用例において(たとえば、その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第US-2005-0245799-A1号を参照)、従来のマイクロ波オーブン(たとえば、固定周波数マイクロ波オーブン)は、膜層を硬化させるために使用され得る。
【0190】
様々な治療(生物活性)薬が、いくつかの実施形態の検体センサシステムとともに使用され得る。いくつかの実施形態において、治療薬は、抗凝血剤である。いくつかの実施形態において、抗凝血剤は、センサ内またはセンサ上の(たとえば、カテーテル内のもしくはカテーテル上の、またはセンサ内のもしくはセンサ上の)血液凝固を防ぐために検体センサシステムに備えられる。いくつかの実施形態において、治療薬は、限定はしないが、抗生物質または抗真菌剤化合物などの、抗菌剤である。いくつかの実施形態において、治療薬は、防腐薬および/または消毒薬である。治療薬は、単独で、またはこれらのうちの2つ以上の組合せで使用され得る。治療薬は、センサ(および/またはカテーテル)の材料全体を通して分散され得る。いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態の膜システムは治療薬を含み、これは膜システムの少なくとも一部に組み込まれるか、またはデバイス内に組み込まれ膜を通して拡散するように適合される。治療薬を膜内に組み込む様々なシステムおよび方法がある。いくつかの実施形態において、治療薬は、膜システムの製造時に組み込まれる。たとえば、治療薬は、膜システムを硬化させる前に、または膜システムの製造の後に、たとえば、膜システム内への生物活性剤のコーティング、吸収、溶媒鋳造、または吸着によってブレンドされ得る。治療薬は膜システム内に組み込まれ得るが、いくつかの実施形態では、治療薬は、デバイスを、たとえば経口投与により経脈管的に、またはたとえば埋め込み部位の近くへの皮下注入により局部的に、挿入するのと同時に、その前に、またはその後に、投与され得る。膜システム内に組み込まれた治療薬と治療薬の局部および/または全身投与の組合せは、いくつかの実施形態において使用され得る。
【0191】
非制限的な一例として、いくつかの実施形態において、検体センサ110は、ホスト内の検体の濃度に関連付けられている信号を測定するように構成されている、少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの参照電極とを備えるように構成されている連続電気化学的検体センサである。出力信号は、典型的には、たとえば、ホスト内の測定済み検体濃度の有用な値を患者または医者に提供するために使用される未加工データストリームである。しかしながら、いくつかの実施形態の検体センサは、本明細書の別のところで説明されているように、少なくとも1つの追加の信号を測定するように構成されている少なくとも1つの追加の作用電極を備える。たとえば、いくつかの実施形態において、追加の信号は、検体センサのベースラインおよび/または感度に関連付けられ、それによって、時間の経過とともに生じ得るベースラインおよび/または感度の変化を監視することを可能にする。
【0192】
一般に、電気化学的連続検体センサは、ユーザ(たとえば、患者もしくは医者)にとって意味のあるセンサ生成測定結果(たとえば、pA、nA、またはA/D変換後のデジタルカウントを単位とする電流)と、参照測定結果(たとえば、グルコース濃度mg/dLもしくはmmol/dL)との間の関係を定義する。たとえば、埋め込み可能な拡散ベースのグルコースオキシダーゼ電気化学的グルコースセンサの場合、感知機構は、一般的に、グルコース濃度に関して直線的な現象に依存し、これらの現象は、たとえば、(1)埋め込み部位および/または電極表面との間に置かれている膜システム(たとえば、生体界面膜および膜システム)を通るグルコースの拡散、(2)膜システム内の酵素反応、および(3)センサへのH2O2の拡散である。このような直線性があるので、センサの較正は、式y=mx+bを解くことによって理解することができ、ここで、yはセンサ信号(たとえば、カウント)を表し、xは推定グルコース濃度(たとえば、mg/dL)を表し、mはグルコースへのセンサ感度(たとえば、カウント/mg/dL)を表し、bはベースライン信号(たとえば、カウント)を表す。感度mおよびベースライン(背景)bの両方が時間の経過とともに生体内で変化するときに、較正は、少なくとも2つの独立したマッチ済みデータ対(x1,y1;x2,y2)を使用してmおよびbについて解くことによって改善することができ、したがって、センサ信号yのみが利用可能であるときにグルコース推定を可能にする。マッチ済みデータ対は、参照データ(たとえば、血糖測定器からの1つまたは複数の参照グルコースデータ点、または同様のもの)と実質的に時間対応するセンサデータ(たとえば、1つまたは複数のグルコースセンサデータ点)とをマッチさせることによって形成され、その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている同時係属米国特許出願公開第US-2005-0027463-A1号において説明されているような1つまたは複数のマッチ済みデータ対を提供し得る。その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれているHellerらの米国特許第6,329,161号においてより詳しく説明されているようないくつかの埋め込み可能なグルコースセンサにおいて、感知層は、拡散媒介物を使用する代わりに、固定化された媒介物(たとえば、レドックス化合物)を利用して、酵素を作用電極に電気的に接続する。その開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,703,756号においてより詳しく説明されているようないくつかの埋め込み可能なグルコースセンサにおいて、システムは、酸素透過性ハウジング内に置かれている2つの酸素センサを有し、一方のセンサは不変であり、他方はグルコースオキシダーゼと接触し、グルコースレベルを指示する体液または組織中の酸素含有量の示差測定を可能にする。ホスト内のグルコースを測定する様々なシステムおよび方法が知られており、これらはすべて、実施形態のすべてのうちのいくつかの恩恵を受けるものとしてよく、一定しない雑音の影響を実質的に受けない信号対雑音比を有するセンサをもたらすものとしてよい。
【0193】
有利には、連続検体監視が可能にされる。たとえば、検体がグルコースであるときに、連続グルコース監視は厳密なグルコース制御を可能にし、これにより、糖尿病ホスト間の疾病率および死亡率を低減することができる。いくつかの実施形態において、患者との追加の相互作用必要要件による過度の負担が医療スタッフにかからない。
【0194】
有利には、ホストに対する正味試料(たとえば、血液)損失はなく、これはいくつかの臨床現場では重要な特徴である。たとえば、新生児集中治療室では、ホストはきわめて小さく、数ミリリットルの血液が喪失しても生命に関わることがある。さらに、体液試料を、廃棄物容器に送る代わりにホストに戻すことで、専用処分手続きを必要とするバイオハザード廃棄物の蓄積を大幅に低減する。集積センサシステムコンポーネントは、中に置かれる検体センサとの併用は、以下でより詳しく説明される。
【0195】
様々な知られているセンサ構成および/または特徴は、本明細書において説明されているセンサシステムとともに採用することができ、これは、たとえば、Wardらの米国特許第5,711,861号、Vachonらの米国特許第6,642,015号、Sayらの米国特許第6,654,625号、Sayらの米国特許第6,565,509号、Hellerの米国特許第6,514,718号、Essenpreisらの米国特許第6,465,066号、Offenbacherらの米国特許第6,214,185号、Cunninghamらの米国特許第5,310,469号、およびShafferらの米国特許第5,683,562号、Bonnecazeらの米国特許第6,579,690号、Sayらの米国特許第6,484,046号、Colvinらの米国特許第6,512,939号、Mastrototaroらの米国特許第6,424,847号、Mastrototaroらの米国特許第6,424,847号、Bristerらの米国特許出願公開第US-2006-0020187-A1号、Braukerらの米国特許出願公開第US-2007-0027370-A1号、Kamathらの米国特許出願公開第US-2005-0143635-A1号、Bristerらの米国特許出願公開第US-2007-0027385-A1号、Simpsonらの米国特許出願公開第US-2007-0213611-A1号、Simpsonらの米国特許出願公開第US-2008-0083617-A1号、Bristerらの米国特許出願公開第US-2008-0119703-A1号、Bristerらの米国特許出願公開第US-2008-0108942-A1号、Kamathらの米国特許出願公開第US-2009-0018424-A1号などであり、(例として)これらはすべて、それらの開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている。上で参照されている特許おび公開は、すべての適用可能な検体センサを包含しているわけではなく、一般に、開示されている実施形態は様々な検体センサ構成に適用可能であることは理解されるべきである。
【0196】
特に細長導電性または非導電性芯を有するセンサに対する、含まれ得る追加の特徴および詳細は、米国特許第9,131,885号において説明されており、これはその開示が本明細書に含まれる開示に反しない範囲で全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0197】
図5A図5B図5C、および図6Aに関連して上で説明されているセンサ110の実施形態は、細長導電性芯を含むが、これは単なる例示にすぎない。
【0198】
他の実施形態において、細長ポリマー構造または細長繊維構造などの細長非導電性構造は、芯として採用されてよい。さらに他の実施形態では、センサ110は、複数の実質的に平面状の層から形成され得る。細長非導電性芯を含む実施形態では、芯は、導電性トレースおよび/または他の接点を備え、様々な実施形態に関連して以下でさらに詳しく説明されるような細長導電体を形成し得る。
【0199】
様々な実施形態において、金属芯、ポリマー芯、もしくは繊維芯を含む、および/または複数の実質的に平面状の層を含む連続検体センサ110が説明されている。一般に、様々な実施形態において、金属芯、ポリマー芯、もしくは繊維芯、または平面状の層センサは、たとえば、147GPa未満のヤング率、たとえば、147GPa未満(たとえば、金属芯実装形態の場合)または2~5GPa未満(たとえば、ポリマー芯もしくは繊維強化芯実装形態の場合)の曲げ弾性率、および/またはたとえば、0.25N未満、0.02N未満、0.01N未満、0.001N未満、またはいくつかの実施形態において、実質的にゼロであるか、もしくはセンサの自重未満である座屈力によって定められる柔軟性を備え得る。等方性を有する材料では、ヤング率は曲げ弾性率を反映し、したがってセンサの剛性を反映し得ることは了解されるであろう。様々な実施形態において、芯材料(たとえば、細長導電性もしくは非導電性芯を使用する実施形態において)および/または材料の層(たとえば、細長芯もしくは複数の実質的に平面状の層のうちの1つの周りに形成される層)は、埋め込み済みセンサが埋め込み後に軟化するように生体外の値から生体内の値まで減少するヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力を有する状態変化材料であってよい。このようにして、連続検体センサ(または芯もしくは実質的に平面状のもしくは他の層などの、中にある少なくとも支持構造)は、生体外で比較的堅く(たとえば、自立する)、製造、包装、および/または埋め込みプロセスを円滑にするものとしてよく、生体内では比較的柔軟性があるものとしてよい(たとえば、非自立)。
【0200】
それに加えて、センサが埋め込み環境に耐えられる能力の測定は疲労寿命である。いくつかの実施形態において、金属芯、ポリマー芯、もしくは繊維芯を有するか、または複数の実質的に平面状の層から形成されるセンサ110の疲労寿命は、約0.125インチの曲げ半径で約28°から約110°の曲げの少なくとも1,000サイクルである。
【0201】
図6Aの構成では、膜508は略円形体502上に形成され、断面内で、芯を実質的に囲む。これは単なる例示にすぎない。他の実施形態では、膜508は、図6Bの例のように実質的に平面状の作用電極上に配設される複数の実質的に平面状の膜層を含み得る。
【0202】
図6Bに示されているように、電極ドメイン602は、実質的に平面状の導電性層610上に形成された実質的に平面状の層であるものとしてよい。導電性層610は、たとえば、銀トレース層または芯(たとえば、細長体の実質的に円筒形の芯)などの下にある実質的に平面状の層612上に形成された白金、白金合金、または他の導電性コーティングであってよい。トレース層612または芯は、絶縁層、作用電極層、補助電極層、参照電極層、対向電極層、および/または本明細書で説明されているような他の導電性層などの1つまたは複数の追加の実質的に平面状の層上に形成されてよい。図6の例において、干渉ドメイン604は、実質的に平面状の電極ドメイン602上に形成された実質的に平面状の干渉層として実装され、酵素ドメイン606は、実質的に平面状の干渉ドメイン上に形成された実質的に平面状の酵素層として実装され、抵抗ドメイン608は、実質的に平面状の酵素ドメイン上に形成された実質的に平面状の干渉層として実装される。他の実施形態では、生体界面または生体保護ドメイン(図示せず)は、異物反応を制御しやすいように膜システム内に組み込まれ得る。たとえば、生体界面または生体保護ドメインは、生体材料関連炎症を低減するか、または膜の生物付着速度を低下させるために使用されてよく、それによって、埋め込まれたデバイスの寿命を延ばす。様々な実施形態において、上で説明されているドメインのいずれか(たとえば、図6Aまたは図6Bに開示されている)は、好ましい実施形態の精神から逸脱することなく省かれ、改変され、置換され、および/または一緒に組み込まれてよい。たとえば、いくつかの実施形態において、電極ドメインは存在しなくてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、干渉ドメインは、電極ドメインの機能を遂行するように設計され得る。
【0203】
センサ110が複数の実質的に平面状の層から形成される図6Bに示されている実施形態などの実施形態において、膜508は、センサ110の他の部分に膜材料が実質的にないように作用電極上に局所的に(たとえば、印刷または他のパターン形成堆積作業を使用して)形成され得る。このようにして、センサのコストは、センサ上に形成される未使用の膜材料(たとえば、作用電極から離れて形成される膜材料)の量を減らすことによって低減され得る。
【0204】
図6Aの膜508および本明細書において説明されている変更形態は、非導電性(たとえば、ポリマーもしくは繊維芯)を有する様々なセンサでも実装され得る。たとえば、図7は、細長非導電性芯を有する連続検体センサを例示している。この特定の実施形態において、センサ700(たとえば、連続検体センサ110の一実装形態)は、多軸曲げに合わせて構成され配置される細長芯702を備える。細長芯702(たとえば、芯510の非導電性実装形態)は、非導電性材料(たとえば、ポリウレタンおよび/またはポリイミドを含む軟質ポリマー/ポリマー材料および/または本明細書で説明されているような形状記憶もしくは他の状態変化ポリマー材料)を含む。作用電極704は、細長芯702上に配置され得る。参照または対向電極706も、細長芯702上に配置され得る。膜508は芯702上に配設され少なくとも作用電極704を覆うものとしてよい。導電性経路708および710(たとえば、導電性トレース)は、細長非導電性芯702の長さに沿って延び(run along)、作用電極704および参照または対向電極706(それぞれ)をセンサ電子機器(図示せず)に接続するものとしてよい。概して、芯702およびその上に形成される導電性特徴部(たとえば、1つまたは複数の作用電極、参照もしくは対向電極、導電性トレースなど)は、軟質検体センサ110に対する細長導電体を形成し得る。
【0205】
様々な実施形態において、図7のセンサは、センサの疲労寿命が約0.125インチの曲げ半径で約28°から約110°の曲げの少なくとも1,000サイクルとなるように構成され配置され得る。非導電性芯702は、たとえば、147GPa未満、1GPa未満、1MPa未満、または1kPaから1MPaの間(例として)のヤング率を有し得る。
【0206】
いくつかの実施形態において、非導電性芯702は、センサ110が埋め込まれている組織からの環境影響に対して生体内で応答し、および/または外部から印加されるか、もしくは除去される電磁場などの外部影響に応答して軟化するように構成されている材料から形成され得る。たとえば、非導電性芯702は、いくつかの実施形態において、温度依存のヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力を有する形状記憶材料から形成され得る。たとえば、センサ700がホスト内に埋め込まれたときに、ホスト組織(たとえば、78°Fから98°Fの間の温度を有するホスト組織)から熱を吸収することで生じる芯702の温度上昇は、芯702のヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力が低減される(たとえば、5倍、10倍、100倍、または100倍超)ように芯702を軟化し得る。別の例として、ホスト組織から水などの流体を吸収することで生じる芯702の水和は、芯702のヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力が低減される(たとえば、5倍、10倍、100倍、または100倍超)ように芯702の軟化を引き起こし得る。いくつかの実施形態において、ヤング率、曲げ弾性率、および/座屈力は、ホスト組織からの熱および液体の吸収への1桁、2桁、3桁、または3超の桁の大きさの応答によって低減され得る。
【0207】
たとえば、芯702は、軟化可能な形状記憶熱可塑性材料から形成され得る。軟化可能な形状記憶熱可塑性材料は、コポリマー(たとえば、ブロックまたはセグメント化コポリマー)および別のポリマーを含み得る。他のポリマーはコポリマーとブレンドされて逆可塑剤として働き得る。好適なコポリマーは、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルポリエステル、および/またはポリエーテルポリアミドを含み得る。好適な一例において、芯702は、高分子量フェノキシとのポリエステル/ポリエーテルブロックコポリマーから形成されるものとしてよい。芯702を形成するために使用され得る形状記憶ポリマーの他の例は、ポリノルボルネン、高分子量(たとえば、より大きく100kDa)ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸アルキル)コポリマー、ポリスチレンコポリマー、フィラー修飾エポキシ網目構造、化学的架橋非晶質ポリウレタン、ポリ((メチルメタクリレート)-co-(N-ビニル-2-ピロリドン))-PEG semi-IPN、HDI-HPED-TEA網目構造、および生物分解性コポリエステル-ウレタン網目構造を含む。
【0208】
たとえば、軟化可能形状記憶熱可塑性材料は、生体外での芯702の剛性(たとえば、自立剛性)を設定し、芯702が実質的に軟化する(たとえば、いくつかの実装形態において非自立的になる)遷移温度(たとえば、78°Fから98°Fの間の温度)を決定するように適宜選択されるポリマー材料のブレンドから形成され得る。芯702は、生体中で水を吸収することにより、遷移温度をさらに下げ、埋め込み後に芯702の軟化を速くするように親水性であってよい。以下でより詳しく説明されるように、ポリマー材料はブレンドされ、いくつかの実施形態における押出成形機を使用して適切に整形され得る。
【0209】
図8および図9は、自立センサ110および非自立センサ110の例を示している。たとえば、図8の構成は、センサ110が自立センサ(たとえば、500MPaより大きいヤング率および/もしくは曲げ弾性率を有するか、または重力下でセンサの重量より実質的に大きい座屈力を有するセンサ)であるセンサ110の生体外構成を表し得る。たとえば、図9の構成は、センサ110が非自立センサ(たとえば、500MPa未満のヤング率および/もしくは曲げ弾性率を有するか、または0.01Nより小さいか、もしくは重力下でセンサの重量より実質的に小さい座屈力を有するセンサ)であるセンサ110の生体内構成を表し得る。図9に示されているようなセンサは、図8に示されているような自立センサから遷移した後に非自立となり得るか、またはいくつかの実装形態において恒久的に非自立センサであり得る。
【0210】
図8に示されているように、自立センサ110は、矢印802によって示されているように、十分な力800がそれに印加されたときに曲がるか、または変形するものとしてよく、矢印804によって示されているように、力の印加を止めたときに力800の印加の前と同じ形状および位置に戻り得る。図9に示されているように、非自立センサ110は、矢印902によって示されているように、十分な力(たとえば、センサ110の座屈力より大きい力)900がそれに印加されたときに様々な配置で曲がるか、または変形するものとしてよく、矢印904によって示されているように、力の印加を止めたときに曲げられた、または変形された形状のままとなり得る。図9の力900は、いくつかのシナリオにおいて図8の力800より大きいものとしてよい。しかしながら、いくつかの配置構成において、センサ110の座屈力は、力800が図9に示されている座屈を引き起こし得るように低減され得る(たとえば、生体内留置により)。
【0211】
様々な実施形態において、図5A図6Aの芯510および/または図7の芯702などの細長芯は、薄い細長構造に形成され得る非導電性材料から形成され得る。さらなる実施形態において、非導電性材料はポリマーである。ポリマーは、ナイロンまたはポリエステルフィラメント、糸またはひもなどであってよい。いくつかの実施形態において、細長体は、本明細書で説明されているような非平面であり、したがって、非矩形断面を有する。しかしながら、いくつかの実施形態において、細長体は平面状である。いくつかの実施形態において、細長体の最小寸法(たとえば、直径または幅)は、約0.004インチ未満である。しかしながら、いくつかの実施形態において、比較的大きいまたは小さいセンサ直径も、本明細書の別のところで説明されているように許容可能である。
【0212】
図7に例示されているセンサ700は、本明細書で説明されているような様々な技術を使用して製造することができる。いくつかの実施形態において、作用電極704は、導電性材料(たとえば、白金、白金イリジウム、金、パラジウム、イリジウム、黒鉛、炭素、導電性ポリマー、および合金のうちの少なくとも1つ)を細長体に堆積することによって施される。いくつかの実施形態において、導電性材料は、インク、塗料、またはペーストであり、限定はしないが、スクリーン印刷、ジェット印刷、ブロック印刷、および/または本明細書において説明されているような他の技術などの、当技術分野で知られている厚膜および/または薄膜堆積技術を使用して堆積される。しかしながら、いくつかの実施形態において、作用電極材料は、限定はしないが電気メッキなどの、当技術分野で知られているメッキ技術を使用して、細長体上にメッキされる。参照および/または対向電極は、細長体上に銀含有材料を堆積することによって施され得る。作用電極と同様に、干渉電極の銀含有材料は、厚膜および/または薄膜堆積技術、当技術分野で知られている様々な印刷技術、および/またはメッキを使用して堆積され得る。膜508は、本明細書において説明されているような1つまたは複数のプロセスを使用して少なくとも作用電極に施され得る。特に、いくつかの実施形態において、膜は、約70Aから約55Dのショア硬さを有するポリマーを施すことによって施される。図6Aおよび図6Bを参照しつつ説明されているように、膜は複数の層および/またはドメインを含み得る。
【0213】
非導電性芯702を有する連続検体センサ110に対する様々な例示的な配置構成および製造プロセスは、図10図27に関連して説明されている。特に、図10図18および図27は、センサ110に対する非導電性ポリマー芯実装形態を例示し、図19図26は、センサ110に対する繊維芯実装形態を例示している。次いで、センサ110が複数の実質的に平面状の層を備える様々な実装形態が図28から図34に関連して説明される。軟質金属芯、軟質非導電性芯、および/または複数の平面状の層を伴う実装形態に関係する軟質検体センサ110の様々な特徴および特性が図35図45に関連して説明される。
【0214】
図10図18および図27の例において、ポリマー系またはポリマー芯702が説明され、表面積が明確に定められている作用(たとえば、白金)電極、参照(たとえば、銀および/または塩化銀)電極、電極とセンサ電子機器112との間をインターフェースするための1つもしくは複数の導電性トレース、およびセンサ電子機器インターフェースのための好適な絶縁/パターンを有する軟質検体センサを形成するための様々な方法および配置構成が説明される。
【0215】
図10に示されているように、軟質検体センサ110用のポリマー系芯702は、楕円形の断面形状1002を有するものとしてよく、その上に1つまたは複数の導電性トレース1000を備え得る。導電性トレース1000は、たとえば、カーボンブラック、白金、白金イリジウム、銀/塩化銀、または他の好適な導電性材料から形成され得る。芯702の楕円形の断面形状は、センサ110に対する強化された捻れおよび/または配向制御をもたらすものとしてよく、リールツーリールプロセスにおいて「ライン」内の捻れが生じないようにするためセンサ製造時に有益であり得る。たとえば、楕円形の断面形状(または直交する短軸寸法より大きい長軸寸法を有する矩形断面形状などを有する類似の断面形状)は、長軸に平行な好ましい曲げ軸をもたらし得る。このようにして、芯上に形成される電極および/またはトレースなどの構造への潜在的曲げ損傷は低減され得る。図10の例において、導電性トレース1000は、芯702の長軸の対向する側の溝内に形成される。細長センサ体に楕円形断面を備えることでも、電極構成のために、鋭利な縁のない、広い表面積の利点をもたらし得る。したがって、間質液中で測定されたグルコースを感知し平均し、局所的環境変動の影響を最小化するのに有益であり得る比較的広い表面積の電極が形成され得る。鋭利な縁のない楕円形断面のセンサを形成することで、局部応力および組織損傷を低減し、より望ましい埋め込み設計を行いやすくできる。
【0216】
図11は、芯702および/または導電性トレース1000を形成するための製造システムを示している。図11に示されているように、製造システム100は、たとえば、上で説明されているようなコポリマーおよび他のポリマー材料のブレンドから芯702を押出成形するためのフィラメント押出成形機1102を備える押出成形システムであってよい。フィラメント押出成形機1102は、たとえば、芯702(たとえば)をブレンドし押出成形するように構成されている二軸押出機であってよい、図11の例において、導電性トレース1000は、トレース押出成形機1104および1106を使用して芯702とともに同時押出成形される。次いで、冷媒1108が押出成形機システムの出力を冷却し、ポリマー芯702および導電性トレース1000を有する芯構造などの細長芯構造1110を形成するものとしてよい。
【0217】
しかしながら、これは単なる例示にすぎない。他の実施形態では、図12の導電性トレース1200などの導電性トレースは、溝付き芯702の形成(たとえば、押出成形を介して)後図13の溝1300などの溝の中に堆積され得る。たとえば、トレース1200は、図14に例示されているように、芯702が形成された後、スキージ1400を使用して溝1300の中に堆積され得る。一実施形態において、トレース1200は、液体導体1402(たとえば、炭素、白金、銀、または他の導電性粒子が中に懸濁されているポリマー液などの導電性インク)を矢印1404によって示されているように芯702に沿ってスキージ1400を移動することによって溝1300内にぬぐうことによって形成される。
【0218】
他の実施形態において、金属リボンなどの導電性リボンが非導電性芯702内の1つまたは複数の溝1300の中にラミネート(たとえば、熱ラミネート)され得る。図16は、芯702が芯702の対向側の溝内に配設される一対の導電性リボントレース1600(たとえば、銀または塩化銀トレース)を含む例示的な実装形態を示している。
【0219】
図15は、トレース1600を芯702内の溝の中に置くために使用され得る製造システムを示している。図15に示されているように、芯702およびトレース1600は、繊維加熱器1502およびラミネートダイ1504に通して(たとえば、リール、スプール、または他のフィーダー機器の間に)送られ、それにより、トレース1600は加熱され芯702上にラミネートされ、軟質検体センサ110用の細長導電性芯構造1510を形成するものとしてよい。しかしながら、図15のシステムは単なる例示にすぎない。図16は、導電性トレースを芯702上にラミネートするために使用され得る別の例示的な製造システムを示している。図16の例では、芯702と接触する前にトレース1600を加熱するために誘導加熱器1700が使用される。図17に例示されているように、誘導加熱器1700によって加熱した後、位置決めガイド1702が使用され、それにより芯702および加熱されたトレース1600をローラー1704の間にガイドし、加熱されたトレース1600と芯702との間に接触圧力を発生させ、トレース1600を芯702上にラミネートし、軟質検体センサ110用の細長導電性芯構造1710を形成するものとしてよい。このようにして、芯702の加熱、および潜在的な関係する問題および/または欠陥(たとえば、リールツーリールプロセスにおける加熱および張力の下のくびれおよび破壊)が回避され得るように熱および圧力がトレース1600にもっぱら施され得る。
【0220】
様々な実際形態において、トレース1600の1つまたは複数の部分が軟質検体センサ110用の作用電極もしくは参照電極の一部を形成するために使用され得るか、またはトレース1600がそれぞれの電極を、たとえば、センサ電子機器にセンサ電子機器ハウジングの近位にあるか、またはセンサ電子機器ハウジングの中にある芯702の後端のところで導電結合する図7のトレース708および710の実装形態であってよい。図18は、トレース1800とともに細長ポリマー芯702から形成される例示的な細長導電性芯(たとえば、トレース1000、1200、または1600の実装形態)と、トレース1800の上に形成され、トレース1800と導電性接触する電極1802とを示している。
【0221】
電極1802は、たとえば、パッド印刷、ステンシル印刷、エアロゾルジェット印刷、または当業者によって理解されるであろう他の好適な堆積もしくは印刷プロセスによって形成されてよい。パッド印刷は、説明に役立つ一例として、容器から導電性インクを基材内の電極形状陥凹部内に供給し、転写パッドを電極形状陥凹部内の導電性インクに押し付けて電極形状を有する導電性インクを転写パッド上に持ち上げ、転写パッドを電極形状導電性インクとともに芯702およびトレース1800上に押し、所望の形状を有する導電性インクをトレース1800と導電性により連通する芯702上に堆積することを含む。ステンシル印刷およびエアロゾルジェット印刷は、たとえば、図27に関連して以下でさらに詳しく説明される。
【0222】
図7図10図12図15、および図18の様々な例において、他の層(たとえば、絶縁層、追加の電極層、膜層、または同様のもの)は、本明細書において説明されているような1つまたは複数の方法を使用して上に配設されている芯702および/またはトレースの1つまたは複数の部分の上に形成され、それにより、センサ電子機器112に結合するための完成軟質検体センサを形成し得る。
【0223】
いくつかの実施形態において、芯702は、機械疲労および熱変形に対して耐性を示す材料および/またはコンポーネントを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、非導電性芯702は、1つまたは複数の繊維要素を有する繊維芯として実装され得る。繊維要素は、センサ基材が、たとえば、リールツーリール製造プロセスにおいて望ましいものとしてよい、熱関係の伸縮および伸長を示すのを防ぎ得る。
【0224】
図19は、繊維1901の束を使用して実装される軟質検体センサ用の非導電性芯の例示的な実装形態を示している。繊維1901は、たとえば、Kevlar(登録商標)繊維などのパラアミド合成繊維であってよく、これはたとえば同時押出成形時に張力の下で加熱することにより生じる芯直径の変化を防ぎ、伸縮を防ぐ長手方向の強度を付与する。繊維1901は、細長絶縁体1900内にカプセル封入され得る。細長絶縁体1900は、いくつかの実装形態において熱可塑性接着材から形成され得る。たとえば、熱可塑性接着材から形成された細長絶縁体1900を形成することで、導電性トレースを形成するためのその後の金属リボンの接着力を高め得る。細長絶縁体1900および繊維芯702は同時押出成形され、軟質検体センサ110用の細長非導電性芯構造1902を形成し得る。それに加えて、繊維強化非導電性芯は、軸方向変形に抵抗するという利点をもたらすものとしてよく、これはセンサに対する電極の表面積および電気的接続性を維持するのに役立ち得る。
【0225】
図20に示されているように、導電性トレース2000などの1つまたは複数の導電性トレースが細長絶縁体1900上に形成され得る。導電性トレース2000は、たとえば、白金または白金合金トレース(例として)であってよく、図15に関連して上で説明されているような加熱器およびラミネーティングダイを使用して熱および圧力をトレース2000および細長絶縁体1900に印加し、トレース2000および/または細長絶縁体1900を少なくとも部分的に溶融してトレース2000を細長絶縁体1900上にラミネートすることによって細長絶縁体1900に取り付けられ得る。図21に示されているように、パターン形成絶縁層2100は、絶縁層2100内の窓2102が電極(たとえば、作用電極)として使用されるべきトレース2000の一部の上に形成されるようにトレース2000の一部の上に形成され得る。細長導電性芯構造2101の片側のみが図21に示されているが、いくつかの実装形態では、導電性トレース2000(たとえば、図20を参照)およびパターン形成絶縁層2100は、芯1902の対向側に形成され、それにより、本体2101の第1の側に作用電極を、本体2101の対向する第2の側に追加の(たとえば、作用、参照、または対向)電極を形成し得る。図19に示されているように、芯構造1902は、芯構造1902に対する捻れおよび/または配向制御の尺度および電極構成に対する広い表面積をもたらす楕円形断面を有する細長絶縁体内にカプセル封入された実質的に円筒形の繊維束1901によって形成され得る。本明細書で説明されている実施形態のうちのいくつかは、芯の対向側に形成される2つの溝、トレース、および/または電極を有しているが、代替的実施形態において、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、またはそれ以上の溝、トレース、および/または電極があり得る。これらの代替的実施形態のうちのいくつかにおいて、溝、トレース、および/または電極は、細長芯の長手方向軸に沿って実質的に対称的であり得る。たとえば、3つの溝、トレース、および/または電極を有する一実施形態において、3つの溝、トレース、および/または電極は、細長芯の長手方向軸から実質的に等しい距離にあり、細長体の断面斜視図に関して互いから実質的に等しい間隔で並ぶものとしてよい。
【0226】
図22は、非導電性繊維強化芯から形成された細長導電体の例示的な後端または近位端2200(たとえば、図21に示されている遠位端よりセンサ電子機器の近位にある)を示し、細長絶縁体1900内にカプセル封入されている繊維の束1901が後端までどのように延在し得るかを示し、絶縁層2100が後端のところでどのようにパターン形成され得るかを示している。
【0227】
繊維強化芯を備える軟質検体センサを使用する検体感知は、いくつかの実施形態において追加の作用電極、対向電極、および/または参照電極の感知領域を用意し複数の電極から空間信号平均をもたらすことによって改善され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、繊維芯軟質検体センサは、図23に示されているように、作用信号の空間平均および同軸コーティング2302を使用する参照負荷の増大の両方のために鏡像対称的配向導電性トレース2000(たとえば、白金または白金ベースのリボン)と同軸コーティング2302(たとえば、AgClコーティング)とを備え得る。図示されているように、同軸絶縁層2300は、コーティング2302とトレース2000との間に配設され、コーティング2302をトレース200から電気的に絶縁するものとしてよい。窓2303(たとえば、絶縁層2300の切欠部分)は、軟質細長導電体2301の第1の側2304および第2の側2306上に対称的に配設される作用電極を形成するために備えられ得る。絶縁層2300および電極層2302は、図23の例における繊維強化芯の周全体の周りに延在するので、これらの層の形成および/またはパターン形成は、たとえば図21に示されているようにリボン型層を形成することより高速であり、あまり複雑でなく、および/またはコストもあまりかからない可能性がある。
【0228】
図24は、同軸コーティング2302を有する非導電性繊維強化芯から形成された細長導電体2301の例示的な後端または近位端2400を示し、細長絶縁体1900内にカプセル封入されている繊維の束1901が後端までどのように延在し得るかを示し、どのように絶縁層2300およびコーティング2302が後端のところでパターン形成され、たとえばセンサ電子機器112または電気接点がセンサに結合され得る切欠2402を形成し得るかを示している。様々な実施形態において、本明細書において説明されているような1つまたは複数の膜層などの様々な追加の層が窓2102および2303内のトレース2000の少なくとも露出されている部分の上に形成され、作用電極を形成し得る。
【0229】
図19図24に関連して上で説明されている繊維強化芯の例は単なる例示にすぎない。図25Aは、軟質検体センサ用の繊維強化芯の別の実装形態を示している。図25Aの例において、芯702は繊維(たとえば、Kevlar(登録商標)繊維などのパラアミド合成繊維)の束2501から形成され、導電性コーティング2500(たとえば、白金もしくは白金ベースのクラッディング、または白金スパッタリングコーティングなどの金属クラッディング)がこの束上に形成される。このようにして、金属クラッド芯を実質的にカプセル封入する同軸絶縁層2504内の窓2503は、作用電極が金属クラッド繊維芯それ自体の一部から形成されることを可能にし得る。図25Aに示されているように、同軸導電性層2502(たとえば、銀または塩化銀電極層)が絶縁層2504の少なくとも一部の周りに配設され、それにより参照電極をもたらし得る。
【0230】
金属クラッド非導電性繊維の束が軟質検体センサ用の細長導電体として使用される図25Aの例は単なる例示にすぎないことに留意されたい。図25Bの例に示されているように、軟質検体センサ用の非導電性繊維強化芯702は、導電性コーティング2500を有し、絶縁層2504(たとえば、ポリマー材料はポリウレタンおよび/またはポリイミドを含む)および導電性層2502によって実質的に囲まれている単一繊維から形成され得る。図25Bの例において、絶縁層2504の窓(たとえば、切欠領域)2503内に形成される作用電極は、ドリップコーティング(たとえば、蒸気コーティングなど)以外の膜コーティング手順が窓2503内の導電性コーティング2500の露出されている部分上に膜508を堆積するために使用され得る十分な柔軟性を有しているものとしてよい。
【0231】
図25Aまたは図25Bに例示されている実施形態を含む、本明細書で説明されている実施形態のいずれかにおいて、作用電極の感度はその表面積を増加させることによって高められ得る。たとえば、一実施形態において、作用電極の表面積は、白金ナノ粒子などの金属ナノ粒子、または他の導電性材料から形成されるナノ粒子を使用することによって増加する。一実施形態において、導電性ナノ粒子は、導電性コーティングを形成するマトリックス内に混合され得る。一代替的実施形態において、導電性ナノ粒子は、非導電性繊維芯の表面に(たとえば、共有結合によって)結合され得る。導電性ナノ粒子はより広い表面積をもたらし得るので、測定された化学種(たとえば、過酸化水素)のより速い酸化速度が達成され得、それによって結果として、センサ感度の高いセンサが得られる。
【0232】
図26は、金属コーティング2500を有する非導電性繊維強化芯から形成された細長導電体の例示的な後端または近位端2610を示し、細長絶縁体1900内にカプセル封入されている繊維の束1901が後端までどのように延在し得るかを示し、どのように絶縁層1900が後端のところでパターン形成され、作用電極をセンサ電子機器112に結合するために金属化芯が露出される切欠2600を形成し得るかを示している。
【0233】
芯702が繊維芯として実装される実施形態において、芯702は、所望の芯直径、剛性、および/または縦強度を生じるのに適した数の繊維(たとえば、1つまたは複数の編み組まれたまたは織られた繊維の単一繊維)を含み得る。たとえば、単一繊維芯は、いくつかの実施形態において12ミクロン以下の直径を有するものとしてよい。いくつかの実施形態において、金属またはポリマー芯は、芯に対する材料の選択とともに、またはそれに加えて、芯の剛性、曲げ弾性率、および/または座屈力を低減するように比較的小さい直径または長軸(たとえば、10ミクロンから50ミクロンの間の直径または長軸)により形成され得る。
【0234】
いくつかの実施形態において、軟質検体センサの生体内部分は、センサとホスト組織との間の界面面積を減らしそれによって組織から界面への機械力の変換を低減することによって金属芯、ポリマー芯、または繊維芯を有する。たとえば、生体内部分の長さは、いくつかの実施形態では1mmから5mmの間であるものとしてよい。
【0235】
様々な実施形態において、電極および/または導電性トレース(たとえば、電極をセンサ電子機器112に結合するための)などの導電性構造が、ステンシル印刷またはジェット印刷手順を使用して非導電性芯上に形成され得る。図27は、矢印2700によって示されているように、芯702の少なくとも一部を実質的に囲み、開口部2704および2706などの開口部を含むパターン形成されたマスクまたはステンシル2702を備え得るポリマー芯として実装される芯702の一例を示している。金属材料(たとえば、白金または白金合金)などの導電性材料が開口部2704および2706内のステンシル2702に施され、導電性材料が開口部2704および2706内にのみ形成されるようにぬぐい取られる(たとえば、スキージで拭き取られる)ものとしてよい。次いで、矢印2708によって示されているように、電極2710(たとえば、軟質検体センサ用の作用電極または参照電極)および開口部2704および2706の形状に対応する導電性トレース2712を形成するために芯702上に堆積された導電性材料を残しつつステンシル2702が除去され得る。しかしながら、図27のプロセスは単なる例示にすぎない。いくつかの実施形態において、電極2710およびトレース2712(たとえば、電極704および/または706ならびにトレース708および/または710の実装形態)などの導電性構造は、芯702上に印刷されるものとしてよい(たとえば、芯702上の高分解能導電性構造を形成するために導電性インク液滴のストリームの焦点を合わせるためにシースガス流が使用されるエアロゾルジェットプリンタを使用する)。
【0236】
ワイヤタイプ(たとえば、金属、ポリマー、導電性、非導電性、および/または繊維)芯を有する軟質連続検体センサ110の様々な実装形態が本明細書において例として説明されたが、これらの例は単なる例示にすぎない。他の実施形態では、センサ110は、複数の実質的に平面状の層から形成され得る。
【0237】
たとえば、図28は、複数の平面状の層2800を使用して実装された連続検体センサ110の生体内部分の斜視図である。図28に示されているように、いくつかの実施形態において、センサ110は、実質的に平面状の絶縁層2802と、絶縁層2802の第1の側に配設されている実質的に平面状の第1の電極層2808と、絶縁層2802の対向する第2の側に配設されている実質的に平面状の第2の電極層2806とを備えるものとしてよい。様々な実施形態において、絶縁層2802は、ポリエチレン、ポリイミド、および/または状態変化材料(たとえば、温度依存形状記憶ポリマー、水和依存形状記憶ポリマー、化学薬品依存状態変化材料、または本明細書で説明されているような場依存状態変化材料)から形成された絶縁ポリマー層であってよい。
【0238】
第1の電極層2808は、たとえば、白金、白金イリジウム、金、パラジウム、イリジウム、これらの合金などの金属材料、黒鉛、炭素、または導電性ポリマーから形成され得る。第1の電極層2808の少なくとも一部は、センサ110に対する作用電極を形成するものとしてよく、追加の絶縁層2810(たとえば、追加の絶縁ポリマー層)内の窓2811の中に配設され得る。銀または銀合金トレース層などのトレース層2804は、絶縁層2802の第1の側に配設されるものとしてよく、絶縁層2802と追加の絶縁層2810との間、および絶縁層2802と第1の電極層2808との間の絶縁層2802の表面に沿って延在し得る。
【0239】
このようにして、トレース層2804は、第1の電極層2808(たとえば、作用電極)とセンサ電子機器112(図28に図示せず)または電気接点との間の導電性結合を形成し得る。第2の電極層2806は、たとえば、銀、塩化銀、または他の好適な電極材料から形成され得る。第2の電極層2806は、センサ110に対する参照電極を形成し得る。膜508に対する1つまたは複数の膜層は、たとえば、図6Bに関連して上で説明されているような少なくとも窓2811内の第1の電極層2808上に形成され得る(たとえば、図6Bの導電性層610は図28および/または図32の層2808の一実装形態であってよい)。
【0240】
図28に示されているように、層2800の各々は実質的に平面状である(たとえば、少なくとも1つの他の層の実質的に平面状の表面と接触している実質的に平面状の表面を含む)が、外縁2820は、センサ110の断面プロファイル2822が本明細書で説明されているように捻れおよび/または曲げ制御を行えるように実質的に楕円形となるように丸みを有するものとしてよい。
【0241】
図29は、図28の実装形態におけるセンサ110の後(たとえば、近位)端部分2900を示している。図29に示されているように、第2の電極層2806および絶縁層2810は、センサ電子機器112(図示せず)に結合するように構成されている切欠2906および追加の窓2909などの特徴部を備え得る。センサ110が複数の実質的に平面状の層2800を備える実装形態における、センサ110の縁部分2904は、いくつかの実施形態において層間の電気的クロストークを防ぐようにコーティングされるか、または他の何らかの方法で処置される(たとえば、絶縁コーティングにより)ものとしてよい。
【0242】
複数の実質的に平面状の層2800で実装されるセンサ110は、たとえば、すべてのトレースおよび電極を大きいシートフォーマットでパターン形成し、次いですべての所望の層を含む大きいシートを個別のセンサに個片化することによって形成され得る。図30は、一実施形態において個片化されたセンサ110を形成し得る複数の平面状の層を有する平面状のシートの一例を示している。
【0243】
図30に示されているように、絶縁材料2802'の平面状のシート(たとえば、ポリエチレン、ポリイミド、他のポリマー、および/または温度依存形状記憶ポリマー、水和依存形状記憶ポリマー、化学薬品/生体依存状態変化材料、または本明細書で説明されているような場依存状態変化材料などの状態変化材料から形成された絶縁ポリマーシート)が提供され得る。シート2802'が提供されるものとしてよく、シート2802'の第1の側を実質的に覆うトレース材料(たとえば、銀)2808'の平面状のシートでコーティングされ得る。トレース材料2808'は、スパッタリング、スクリーン印刷、または本明細書で説明されているような他の堆積技術などの様々な金属堆積技術のうちのいずれかを使用して堆積され得る。
【0244】
シート2810'は、堆積電気化学膜材料および/または電極材料堆積のため覆われていない導電性材料2808'の事前定義された表面領域(たとえば、図30に示されているような帯状物)を残しながら導電性(たとえば、トレース)材料2808'の隣接層を覆うパターンで堆積され得る。シート2810'は、たとえば、電極材料の平面状のシートの事前定義された領域上への絶縁材料(たとえば、二酸化ケイ素(SiO2)もしくは窒化ケイ素(SiNx))の無線周波数(RF)スパッタリングまたは平面状のトレース層上への絶縁材料(たとえば、有機溶媒中のポリウレタン分散液、熱可塑性シリコーンポリカーボネートウレタン、もしくはポリジメチルシロキサン(PDMS))のスクリーン印刷を使用して堆積され得る。シート2810'は、トレース層2808'の所望の部分を覆わないで残す図30に示されている材料の導電性帯状物を形成する間隙とともに堆積され得る。このようにして、電極帯状物に対する窓を画定するために絶縁材料をレーザー切断またはレーザースカイビングすることは回避され、それによって、軟質検体センサの生産時間および生産コストを低減することができる。しかしながら、これは単なる例示にすぎない。いくつかの実施形態において、絶縁材料の完全な平面状のシートがトレース材料の平面状のシート上に堆積され、レーザースカイビングまたは他の好適な技術を使用してパターン形成され得る。
【0245】
シート2802'は、参照電極材料のシートをシート2802'上に設けるか、またはシート2802'を参照電極材料の事前形成されたシート上に設けることによって第2の側(たとえば、図30には図示されていない、トレース層が形成される側と反対の側)上の参照電極材料の平面状のシート(たとえば、銀もしくは塩化銀の平面状のシート)を備え得る。本明細書において説明されているような絶縁材料、電極材料、または膜材料などの様々な追加の材料は、複数のセンサが個片化され得るシート構造3000を形成するように堆積されるか、ラミネートされるか、印刷されるか、ぬぐわれるか、または他の方法で提供され得る。
【0246】
好適な一例において、シート3000は、一部は、銀トレース材料2808'のシートを用意し、絶縁シート2810'のスクリーン印刷(または他の何らかの方法による堆積)を行って銀トレース材料のシートの一部を、他の部分を覆わずに残しながら覆うことによって形成され得る。別の好適な例において、シート3000は、一部は、銀トレース材料のシートを用意し、銀トレース材料のシートが湿っている間に白金もしくは白金合金箔の1つまたは複数の帯状物2808'を銀トレース材料のシートに貼り付け、絶縁シート2810'のスクリーン印刷(または他の何らかの方法による堆積)を行って銀トレース材料のシートの残り部分を覆うことによって形成され得る。別の好適な例において、シート3000は、一部は、チタンもしくはチタン合金トレース材料のシートを用意し、帯状物2808'の白金もしくは白金合金材料をチタンもしくはチタン合金トレース材料のシート上にスパッタリングし、絶縁シート2810'のスクリーン印刷(または他の何らかの方法による堆積)を行って銀トレース材料のシートの残り部分を覆うことによって形成され得る。
【0247】
図6Bに関連して説明されているような膜材料の帯状物は、膜材料が各センサの作用電極にのみ形成され、個片化されたセンサの残り部分には膜材料が実質的に含まれないように帯状物2808'に沿って印刷されるか、または他の何らかの方法で堆積され得る。このようにして、たとえばワイヤコア型センサの浸漬コーティングと比較した、各センサに対する膜材料のコストは、実質的に低減され得る。
【0248】
図31は、個別のセンサ110を個片化するために使用され得る個片化機器の一例を示している。図31に示されているように、シート3000は、ローラー3100で、シート3000を各々複数の非個片化センサ110を含むリールを形成する個別のセンサ帯状物110'に切断する切断装置3102(たとえば、金属刃などの均等間隔に並べられた刃のブロック、レーザー切断機の直線状配列、またはウォータージェット切断機の直線状配列)の経路内に送り込まれ得る。次いで、各センサ帯状物110'は切断され、および/またはさらなる加工がなされ(たとえば、丸みを付け、および/または縁コーティングされ)、リールを個片化して個別のセンサ110を形成するものとしてよい。代替的に、切断装置3102は、切断装置3102においてシート3000から個別のセンサを個片化するためにシート3000を2つの直交方向にスライスするように構成され得る。
【0249】
図32は、シート3000から軟質検体センサ110を形成するためのプロセスの概略図を示している。矢印3200によって示されているように、シート3000は切断され(たとえば、装置3102を使用して)、個片化されたセンサ構造110'などの複数の個片化されたセンサ構造を形成するものとしてよい。個片化されたセンサ構造110'は、実質的に矩形の断面プロファイルおよび実質的に平坦な縁3202を有する複数の実質的に平面状の層2800を有し得る。しかしながら、矢印3204によって示されているように、各個片化されたセンサ構造はさらに加工され(たとえば、熱間加圧法などの追加の熱整形プロセスで)、それにより丸い個片化されたセンサ構造110'の縁に丸みを付け、丸い側壁3206および実質的に楕円形の断面プロファイル3208を有する個片化されたセンサ110を形成するものとしてよい。この熱間加圧法は、個片化された一連の構成済みワイヤの切断前により経済的に実行され得る。しかしながら、これは単なる例示にすぎない。いくつかの実装形態において、切断装置3102は、共通切断作業においてセンサ110を個片化し、センサ110の縁に丸みを付けるように構成され得るか、または実質的に矩形のセンサが提供され得る。
【0250】
図32に示されている複数の実質的に平面状の層2800は、図28に関連して上で説明されている層と同じである。しかしながら、層のこの配置構成は単なる例示にすぎず、層の他の配置構成も企図されている。たとえば、複数の平面状の層が多重検体感知を行い(たとえば、複数の作用電極または膜層の専用配置構成を使用して)、および/または対向電極を提供するように配置されているセンサ110に対する様々な構成が企図される。たとえば、図33に示されているように、平面状のセンサ層のシートから切断された個片化されたセンサ構造110'は、対向電極3305を備え得る。
【0251】
図33の例示的な実装形態において、個片化されたセンサ構造110'は、対向電極3305の第1の側の第1の実質的に平面状の絶縁層3302と対向電極3305の第2の側の第2の実質的に平面状の絶縁層3303との間に配設されている対向電極3305を備える。第1の実質的に平面状の絶縁層3302上に実質的に平面状の第1の電極層3308(たとえば、白金または白金合金電極層)が形成され得る。第2の実質的に平面状の絶縁層3303上に実質的に平面状の第2の電極層3306(たとえば、銀または塩化銀電極層)が形成され得る。実質的に平面状の第1の電極層3308上に追加の絶縁層3310が形成され得る。実質的に平面状の絶縁層3310内に窓3311が形成され、電極層3308の一部を露出させてセンサ110用の作用電極を形成し得る。膜508(図33に明示的に示されていない)は、少なくとも窓3311内の層3308の露出された部分の上に形成され得る。たとえば、層3308の露出された部分は、図6Bの導電性層610の一実装形態であるものとしてよい。
【0252】
電極材料のシート上の窓3311の幅に対応する空間で隔てられる絶縁材料のシートを堆積するか、または絶縁材料の連続するシートで電極材料のシートを実質的に覆い、たとえば図30図32に関連して上で説明されているような電極材料のシートから各帯状物が窓3311の幅に対応する幅を有する絶縁材料の帯状物を取り除くことによって形成され得る。
【0253】
図33に示されているように、個片化されたセンサ構造110'は、実質的に矩形の断面プロファイルを有する複数の実質的に平面状の層2800を有し得る。しかしながら、図34Aに示されているように、各個片化されたセンサ構造はさらに加工され(たとえば、追加の切断および/または研削プロセスで)、それにより丸い個片化されたセンサ構造110'の縁に丸みを付け、丸い側壁3400および実質的に楕円形の断面プロファイル3402を有する個片化されたセンサ110をもたらすものとしてよい。
【0254】
図34Aに示されているように、電極層3308は作用電極の一部を形成するものとしてよく、センサ110の長さに沿って延在し、作用電極をセンサ電子機器112(図34に示されていない)に導電性結合するものとしてよい。しかしながら、これは単なる例示にすぎない。図34Bに示されているように、センサ110の複数の平面状の層2800は、絶縁層3302と電極層3308との間に配設されている追加のトレース層3420(たとえば、銀または銀合金トレース層)を含み得る。図示されているように、トレース層3420はセンサ110の長さに沿って延在し、窓3311内の局部的電極層3308とセンサ電子機器112(図34Bに示されていない)との間の導電性結合をもたらし得る。
【0255】
図28図32図34A、および/または図34Bに関連して説明されている様々な実装形態における複数の平面状の層2800は、概して、軟質検体センサ110用の細長導電体を形成し得る。複数の平面状の層2800は、概して、たとえば、147GPa未満、1.5GPa未満、1GPa未満、1MPa未満、または1kPa未満のヤング率および/または曲げ弾性率を有し得る。複数の平面状の層2800は、概して、たとえば、0.25N未満、0.02N未満、0.01N未満、0.001N未満、または重力下で複数の平面状の層2800の重量未満もしくはそれを超える座屈力(例として)を有し得る。複数の平面状の層のヤング率、曲げ弾性率、および/または座屈力は、生体外および生体内構成で実質的に変化しないままであり得るか、または層2802(図28)、もしくは3303、3302、および/もしくは3310(図34A/34B)などの実質的に平面状の層2800のうちの1つまたは複数は、たとえば、温度の変化、水和の変化、ホスト組織との化学的および/もしくは生物学的反応、または印加された電場の変化により、生体外より生体内で柔軟性が高くなる状態変化材料であってよい。たとえば、患者の皮膚に挿入した後、複数の実質的に平面状の層の集合体またはワイヤタイプ芯およびその上に形成された追加の層の集合体のヤング率および/または曲げ弾性率は、様々な実装形態において、たとえば、1GPa超から1GPa未満まで、1MPa未満、1kPa未満に下がり得る。患者の皮膚に挿入した後、複数の実質的に平面状の層の集合体またはワイヤタイプ芯およびその上に形成された追加の層の集合体の座屈力は、たとえば、重力下で複数の平面状の層2800の重量を超える大きさから重力下で複数の平面状の層2800の重量未満の大きさまで、または0.01N超から0.01N未満まで下がり得る。このようにして、生体内で非自立センサに変わる生体外で自立するセンサ110が提供され得る。
【0256】
図28および図34の例は、単一の作用電極を示しているが、平面状のシート実施形態は、センサ上に様々な配置で複数の作用電極を形成することを円滑にし(たとえば、空間信号平均処理および/または多重検体感知のため)、グルコースおよび乳酸塩二重検体センサなどの複数検体センサの加工を可能にし得る。
【0257】
背景低減および雑音低減などの様々な利点は、それぞれ、図35のグラフ3500および3600に示されているように本明細書で説明されているような軟質検体センサによってもたらされ得る。たとえば、本明細書で説明されているような低い弾性率を有する軟質芯ワイヤは、たとえば、タンタル芯ワイヤと比較して、たとえば、低レベルのFBGCカプセル封入により長期間にわたる経皮的使用に対して適しているものとしてよい。さらに、クリーンルームにおけるスパッタコーティングによる白金などの作用電極材料の堆積の使用は、それぞれの比較グラフ3500および3600によって示されるような背景信号および絶対雑音の低減に関する改善された電気化学的性能をもたらし得る。
【0258】
図36は、軟質検体センサの柔軟性の別の尺度を提供し得る、5つの例示的なセンサ実装形態に対する例示的な3点曲げ荷重のグラフを示している。特に、図36の例では、第1の曲線3602は、1,000分の4インチの直径を有するタンタル芯を有するセンサに対してミリメートル単位の伸長の関数としてのニュートン(N)単位の荷重に対応する。曲線3604は、1,000分の3インチの直径を有するタンタル芯を有するセンサに対してミリメートル単位の伸長の関数としてのニュートン(N)単位の荷重に対応する。曲線3606は、1,000分の2インチの直径を有するタンタル芯を有するセンサに対してミリメートル単位の伸長の関数としてのニュートン(N)単位の荷重に対応する。曲線3608は、1,000分の8インチの直径を有するナイロン(たとえば、ナイロン6)芯を有するセンサに対してミリメートル単位の伸長の関数としてのニュートン(N)単位の荷重に対応する。曲線3610は、1,000分の3インチの総厚さを有する複数の実質的に平面状の層(ポリマー基材を備える)を有するセンサに対してミリメートル単位の伸長の関数としてのニュートン(N)単位の荷重に対応する。曲線3602、3604、3606、3608、および3610は、1インチ/分の速度での0.5インチのスパンにわたる曲げ試験結果を表し得る。
【0259】
本明細書において説明されているように、いくつかの実施形態において、軟質検体センサは、一部は、埋め込み後に実質的に自立している状態から実質的に自立していない状態に状態を変化させる材料から形成され得る。図37は、層3700および3702(たとえば、図28または図36の層2800のうちの1つまたは複数に対応する層)などの複数の実質的に平面状の層を有するセンサ110の一例を示している。図37の例において、センサ110は、矢印3704によって示されているように水(H2O)などの流体を吸収するように構成されている親水性層3700(たとえば、本明細書において説明されているような親水性ポリマー)を含む。図37に例示されている構成において、層3700の一部3706は、ホストの組織から体液を吸収している。濡れている部分3706と濡れていない部分3708との間の水和界面3710は、層3700がホスト体液を吸収するときに、矢印3712によって示されているように、層3700の内部に貫入し得る。水和後、層3700のヤング率および/または曲げ弾性率は、たとえば、様々な実施形態において、1GPa超から1GPa未満に、1MPa未満に、または1kPa未満に低減されるものとしてよく、および/または層3700の座屈力は、たとえば、0.01N超から0.01N未満にまたは重力下で複数の平面状の層2800の重量を超える大きさから重力下で複数の平面状の層2800の重量未満の大きさに低減され得る。層3700は、生体内配置から数時間、数分、または数秒以内に水和されるように構成され得る(例として)。自立から非自立への状態変化に対する時間の長さは、流体を伴うコーティングおよび/または他の製造作業が望ましくない状態変化を引き起こさないように決定され得る。
【0260】
図38は、化学および/または生体反応による自立センサから非自立センサへのセンサ110の遷移の一例を示している。図38の例では、導電性トレース3802を含む非導電性(たとえば、ポリマー)芯3800(たとえば、本明細書において説明されているような非導電性芯702および導電性トレース1000、1600、1800、もしくは2000の一実装形態)は、ホストの組織および/または体液と生体内で化学および/または生体反応を生じる1つまたは複数の部分3804を含み得る。たとえば、部分3804は、ホスト体内で破壊できる加工済みコラーゲン、絹、髪の毛、および/または他の天然もしくは合成材料などの溶解可能材料から形成され得る。図38に示されているように、また矢印3806によって示されているように、部分3804は、センサ110が陥凹部3808から材料を失い、センサの剛性を低下させるように生体内で溶解され得る。
【0261】
図39に示されているように、部分3804は、部分3804がホスト組織と相互作用し、直接インターフェースすることができるように膜508が形成されるセンサ110の領域の縁3900を超えて延在し得る。部分3804は、膜508の下にも延在するものとしてよく、膜508の下から溶解し、それによって、膜508が配設されるセンサ110の部分の剛性を低下させ得る。
【0262】
図40は、電磁場を印加することによって堅くすることができる場依存剛性を有するセンサ110の一部の一例を示している。図40に示されているように、センサ110が膜流体4000中に浸漬される浸漬コーティング作業中に、電場または磁場4002は、浸漬方向に印加され、その方向にセンサ110の剛性を高めるものとしてよい。
【0263】
図41に示されているように、場4002の印加なしでは、センサ110の剛性は、流体4000の表面張力によりセンサ110が変形され得るように十分低いものとしてよい。したがって、いくつかの実施形態において、センサ110は、所定の場の印加後に所望の方向に堅くなる電気的または磁気的整列可能な材料を備え得る。
【0264】
図40および図41の例において、場4002は、たとえば、浸漬コーティング中に浸漬コーティング機器によって生成される外部から印加される場である。他の実施形態では、センサ110の剛性は、センサシステム101(図1)などのセンサシステム内にセンサが組み込まれたときにセンサ電子機器112によって修正され、および/または制御され得る。たとえば、図42に示されているように、ハウジング300内のセンサ電子機器は、患者の皮膚に挿入する前にセンサ110を堅くする場4200を発生し得る。場4200を除去した後、センサ110は、図42の自立センサから図43の非自立センサに、またはその逆に遷移し得る。
【0265】
図44および図45は、たとえば、ハウジング300内からセンサ110の剛性を制御するために使用され得る電磁場発生コンポーネントの例示的な構成を示している。いくつかの実施形態において、これらの電磁場発生コンポーネントは、患者の皮膚に接着された皮膚上アセンブリ(たとえば、センサ電子機器ハウジング上の)の一部であり得るセンサ電子機器112の一部であってよい。
【0266】
図44の例において、ハウジング300内に収納され得る磁場発生コンポーネント4400は、基材4402上に一対の磁場発生コンポーネント(たとえば、磁石)4404および4406を備える。図示されているように、磁石4404および4406によってそれぞれ発生させられる、同時整列される磁場4408および4410は、ハウジング300から延在しセンサ110を堅くする全体的な磁場を発生し得る。磁石4404および4406は、センサ110を患者の皮膚内に挿入する前に図44に示されているような整列配置構成で提供されてよい。矢印4414によって示されているように、たとえば、磁石4406を方向4412に回転させた後(たとえば、回転するプラットフォーム4411上で180度だけ)、磁石4406の磁場4410の方向は反転され、磁石4404の場4408をキャンセルする対向場4410'を形成し得る。このようにして、センサ110を堅くする(たとえば、挿入または他の挿入前プロセスのために)印加される磁場は、センサが生体内で非自立になるように除去され得る。磁石4406の回転は、自動的に、またはユーザによって手動で実行され得る(たとえば、プラットフォーム4411に結合され、ハウジング300の外面上でアクセス可能なボタンを作動させることによって)。
【0267】
図45の例において、ハウジング300内に収納され得る電場発生コンポーネント4500は、基材4502上に電場発生器4504を備える。図示されているように、電場4506は、センサ110を堅くするために電源4508(たとえば、電池)によって供給される電力を使用して場発生器4504によって生成され得る。場発生器4504および電源4508は、センサ110を患者の皮膚内に挿入する前に電力供給される配置構成内に用意され、基材上の導電性トレース4510に沿って場発生器4505に電力が供給される。トレース4510を切断し、それによって場発生器4505への電力供給を永久的に絶つように動作可能な機構4520(たとえば、作動可能サーキットブレーカー)が用意され得る。このようにして、センサ110を堅くする(たとえば、挿入または他の挿入前プロセスのために)印加される電場は、センサが生体内で非自立になるように除去され得る。機構4512の作動は、自動的に、またはユーザによって手動で実行され得る(たとえば、プラットフォーム4411に結合され、ハウジング300の外面上でアクセス可能なボタンを作動させることによって)。
【0268】
図46および図47は、それぞれ、様々な例示的な軟質検体センサに対する疲労特性の均等目盛りのグラフ4600および対数目盛りのグラフ4700を示している。特に、疲労特性曲線4602、4604、4606、および4608は、それぞれ、直径0.007"、直径0.004"、直径0.003"インチ、および直径0.002"のタンタルワイヤ芯を有するセンサについて示されている。図示されているように、例示されているワイヤ芯の例において、直径0.002"の芯ワイヤは、最も長い疲労寿命(すなわち、最も高い疲労耐久性限度)を有し、それに続くのは0.003"である。0.004"の芯ワイヤの疲労特性は、直径0.007"の芯に比較的類似することが見てとれる。
【0269】
図48は、様々な例示的な軟質検体センサに対する座屈力を例示するグラフを示している。図48のグラフ内の座屈力の値は、以下の表に反映されている。
【0270】
【表1】
【0271】
特に、0.402"の長さ(図48において本明細書では時には便宜上「標準長」または「Std長」とも称される)を有するワイヤ芯センサ(たとえば、いくつかの態様による本明細書において説明されているような金属芯センサ)について、座屈力は、1,000分の2、3、または4インチの芯直径(または半長軸)についてそれぞれ0.0110N、0.0481N、または0.136Nであってよい。0.307"の長さ(図48において本明細書では時には「短い長さ」と称される)を有するワイヤ芯センサについて、座屈力は、1,000分の2、3、または4インチの芯直径(または半長軸)についてそれぞれ0.0222N、0.0791N、または0.241Nであってよい。図48および上記の表における長さは、様々な実装形態におけるセンサ電子機器ハウジングから延在する連続検体センサの一部の長さに対応するものとしてよい。ポリマー芯センサまたは本明細書において説明されているような複数の平面状の層から形成されるセンサの座屈力(たとえば、センサ電子機器ハウジングから延在し、および/または0.2"から0.5"の間の長さを有するセンサの一部に対する)は、図48および上記の表のワイヤ芯センサの座屈力より実質的に小さいものとしてよい。たとえば、ポリマー芯センサまたは複数の平面状の層から形成されるセンサの座屈力は、様々な実装形態において0.25N未満、0.02N未満、0.01N未満、または0.001N未満であってよい。さらに、座屈力は、様々な実装形態において本明細書で説明されているように生体外の座屈力に関して生体内で減少し得る。
【0272】
センサの環境内の温度、水和、生体/化学、または場の条件により生体外の自立細長導電体および非自立細長導電体から変わる細長導電体を有する状態変化連続検体センサの様々な例が本明細書において説明されている。温度、水和、生体/化学、または場依存の状態変化センサは、時には、独立して本明細書において説明されているが、本明細書において説明されているセンサの様々な層の材料および配置構成は、好適な組合せで本明細書において説明されている温度、水和、生体/化学、および/または場依存の状態変化特性のうちのいずれかまたはすべての組合せをもたらし得ることは了解されるであろう。
【0273】
特に、個片化されたシートから形成される複数の平面状の層によるセンサ実装形態において、恒久的非自立センサなどの生体外および生体内で比較的低い弾性率を有するセンサ(たとえば、概して、1GPa未満、1MPa未満、または1kPa未満のヤング率、1GPa未満、1MPa未満、または1kPa未満の曲げ弾性率、および/または0.25N未満、0.02N未満、0.01N未満、0.001N未満、またはセンサの重量未満の座屈力を有する複数の実質的に平面状の層から形成されるセンサ)が形成され得ることも了解されるであろう。
【0274】
多くのプラスチックについて、圧縮剛性は、引張剛性より高く、したがって、中性表面(梁の中間の右にある)は上方にシフトする(たとえば、圧縮におけるより小さい正味断面積は張力の下でより大きい断面積に抵抗する十分な剛性を有する)。多くのポリマー材料について、圧縮剛性および引張剛性は同じでなく、したがって、ヤング率および曲げ弾性率も同じでなくなる。いくつかのシナリオにおいて(たとえば、ほとんど張力の荷重がかかるプラスチック部分について)、機械的特性はヤング率によって特徴付けられ得る。しかしながら、応力方向(たとえば、最も高い荷重がかかる領域における)の広い混合に曝され得るほとんど曲げの荷重がかかり得るセンサについては、曲げ弾性率は、ヤング率に比べて、その機械的特性の正確な指標となり得る。
【0275】
センサが生体外で非自立センサである実施形態において、センサ展開機構は、非自立センサの展開のための専用コンポーネントを備え得る。たとえば、自立センサの場合、センサは、センサとともにホストの皮膚内に挿入され、皮膚内に埋め込まれたセンサを残して引き抜かれる挿入器針の内腔内に配設され得る。非自立センサについては、いくつかの実施形態において、折畳展開機構またはコイル巻きコイル解き機構が針内に設けられ、それによりセンサの位置を制御し、望まれる場合に、円筒形針の内腔の内側の内部空隙を利用し得る。センサが針/カニューレを送達するには柔らかすぎる実施形態では、事前接続されたC字形針展開システムが使用されてよい。
【0276】
例示的なセンサおよびセンサシステム
センサ実施形態1:生体内で使用するように構成されている連続検体センサであって、細長芯と、細長芯上に配設されている作用電極と、作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、膜は酵素層を含み、連続検体センサの一部はセンサ電子機器ハウジングから延在し、0.25ニュートン(N)未満の座屈力を有するように構成されている、膜とを備える連続検体センサ。
【0277】
センサ実施形態2:細長芯は、147GPa未満のヤング率を有する細長導電性芯を備える、センサ実施形態1の連続検体センサ。
【0278】
センサ実施形態3:細長導電性芯の少なくとも一部を覆う導電性材料の層をさらに含む、センサ実施形態2の連続検体センサ。
【0279】
センサ実施形態4:細長導電性芯は、銅、金、マグネシウム、銀、スズ、チタン、チタン合金、および亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、センサ実施形態3の連続検体センサ。
【0280】
センサ実施形態5:導電性材料は、白金、白金イリジウム、金、パラジウム、イリジウム、これらの合金、黒鉛、炭素、および導電性ポリマーからなる群から選択される導電性材料を含む、センサ実施形態4の連続検体センサ。
【0281】
センサ実施形態6:導電性材料の層の少なくとも一部を覆う絶縁材料の層をさらに含み、作用電極は、一部は、導電性材料の層の電極部分を露出する絶縁材料の層内の窓によって形成される、センサ実施形態3の連続検体センサ。
【0282】
センサ実施形態7:絶縁材料の層の少なくとも一部を覆う追加の導電性層をさらに含み、追加の導電性層は参照電極を含む、センサ実施形態6の連続検体センサ。
【0283】
センサ実施形態8:細長芯は、細長ポリマー芯を含み、細長芯の部分は、1 1/2GPa未満の曲げ弾性率を有する、センサ実施形態1~7のいずれか一項の連続検体センサ。
【0284】
センサ実施形態9:細長ポリマー芯の長さに沿って延びる少なくとも1つの導電性トレースをさらに含み、導電性トレースの一部は作用電極を含む、センサ実施形態8の連続検体センサ。
【0285】
センサ実施形態10:細長ポリマー芯は、細長楕円形ポリマー芯を含み、少なくとも1つの導電性トレースは、細長楕円形ポリマー芯に沿って延びる、センサ実施形態8の連続検体センサ。
【0286】
センサ実施形態11:作用電極は、少なくとも1つの導電性トレースの一部を含む、センサ実施形態10の連続検体センサ。
【0287】
センサ実施形態12:細長芯は、細長繊維芯を含む、センサ実施形態1~11のいずれか一項の連続検体センサ。
【0288】
センサ実施形態13:細長芯は、細長繊維芯を実質的に囲む細長絶縁体と、細長絶縁体に沿って延びる少なくとも1つの導電性トレースとをさらに含む、センサ実施形態12の連続検体センサ。
【0289】
センサ実施形態14:細長繊維芯は、1つまたは複数のケブラー繊維を含む、センサ実施形態12の連続検体センサ。
【0290】
センサ実施形態15:細長芯は、1つまたは複数のケブラー繊維上の導電性コーティングをさらに含み、導電性コーティングを有する1つまたは複数のケブラー繊維の一部は、作用電極を形成する、センサ実施形態14の連続検体センサ。
【0291】
センサシステム実施形態16:センサ実施形態1~15のいずれか一項の連続検体センサと、連続検体センサからのセンサ信号を処理するように構成されているセンサ電子機器とを備える連続検体センサシステムであって、センサ電子機器は、センサ電子機器ハウジング内に配設され、センサ電子機器ハウジングは、患者の皮膚の外側に取り付けられるように構成される連続検体センサシステム。
【0292】
センサ実施形態17:細長芯の部分は、0.02N未満の座屈力を有する、センサ実施形態1~15のいずれか一項の連続検体センサ。
【0293】
センサ実施形態18:細長芯の部分は、0.1kPaから300kPaの間の曲げ弾性率を有する、センサ実施形態17の連続検体センサ。
【0294】
センサ実施形態19:生体内で使用するように構成されている連続検体センサであって、作用電極を備える細長導電体であって、細長導電体は複数の実質的に平面状の層を含み、連続検体センサシステムのハウジングから延在するように構成されている複数の実質的に平面状の層の一部が全体として0.25ニュートン(N)未満の座屈力を有する、細長導電体と、作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、膜は酵素層を含む、膜とを備える連続検体センサ。
【0295】
センサ実施形態20:複数の実質的に平面状の層は、絶縁ポリマー層と、絶縁ポリマー層の第1の側に配設されている第1の電極層と、絶縁ポリマー層の対向する第2の側に配設されている第2の電極層であって、作用電極は、第1の電極層の一部を含み、第2の電極層は、参照電極を含む、第2の電極層とを含む、センサ実施形態19の連続検体センサ。
【0296】
センサ実施形態21:第1の電極層上に形成された追加の絶縁ポリマー層をさらに含み、追加の絶縁ポリマー層は、作用電極を画定する窓を備える、センサ実施形態20の連続検体センサ。
【0297】
センサ実施形態22:膜は、追加の絶縁ポリマー層内の窓内の第1の電極層上に配設され、追加の絶縁ポリマー層には、窓の外の膜が実質的にない、センサ実施形態21の連続検体センサ。
【0298】
センサ実施形態23:複数の実質的に平面状の層は、断面において、実質的に楕円形の外面を備える、センサ実施形態21の連続検体センサ。
【0299】
センサ実施形態24:絶縁ポリマー層は、第1および第2の絶縁ポリマー層を含み、複数の実質的に平面状の層は、第1の絶縁ポリマー層と第2の絶縁ポリマー層との間に配設される対向電極層をさらに含む、センサ実施形態21の連続検体センサ。
【0300】
センサ実施形態25:複数の実質的に平面状の層は、第1の電極層と絶縁ポリマー層との間に配設される導電性トレース層をさらに含む、センサ実施形態20の連続検体センサ。
【0301】
センサ実施形態26:複数の実質的に平面状の層は、導電性トレース層上に形成された追加の絶縁ポリマー層をさらに含み、追加の絶縁ポリマー層は、作用電極を画定する窓を備える、センサ実施形態25の連続検体センサ。
【0302】
センサ実施形態27:細長導電体の追加の部分には、膜が実質的にない、センサ実施形態19~26のいずれか一項の連続検体センサ。
【0303】
センサ実施形態28:生体内で使用するように構成されている連続検体センサであって、作用電極を備える細長導電体であって、細長導電体は生体外の自立細長導電体および生体内の非自立細長導電体であるように構成される、細長導電体と、作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、膜は酵素層を含む、膜とを備える連続検体センサ。
【0304】
センサ実施形態29:細長導電体は、細長導電体の少なくとも一部と患者の組織との間の接触に応答して自立細長導電体から非自立細長導電体に変わるように構成される、センサ実施形態28の連続検体センサ。
【0305】
センサ実施形態30:細長導電体は、華氏78度から100度の間の遷移温度で自立細長導電体から非自立細長導電体に変わるように構成される、センサ実施形態28~29のいずれか一項の連続検体センサ。
【0306】
センサ実施形態31:細長導電体は、細長導電体の少なくとも一部による患者組織からの体液の吸収に応答して自立細長導電体から非自立細長導電体に変わるように構成される、センサ実施形態28~30のいずれか一項の連続検体センサ。
【0307】
センサ実施形態32:細長導電体は、患者組織からの体液と細長導電体の少なくとも一部との間の化学反応に応答して自立細長導電体から非自立細長導電体に変わるように構成される、センサ実施形態28~31のいずれか一項の連続検体センサ。
【0308】
センサ実施形態33:細長導電体は、連続検体センサに対するセンサ電子機器によって生成される電磁場に応答して自立細長導電体から非自立細長導電体に変わるように構成される、センサ実施形態28~32のいずれか一項の連続検体センサ。
【0309】
センサ実施形態34:細長導電体は、細長導電性芯を含む、センサ実施形態28~33のいずれか一項の連続検体センサ。
【0310】
センサ実施形態35:細長導電体は、細長ポリマー芯を含む、センサ実施形態28~34のいずれか一項の連続検体センサ。
【0311】
センサ実施形態36:細長導電体は、複数の実質的に平面状の層を含む、センサ実施形態28~35のいずれか一項の連続検体センサ。
【0312】
センサシステム実施形態37:センサ実施形態28~36のいずれか一項の連続検体センサと、連続検体センサからのセンサ信号を処理するように構成されているセンサ電子機器とを備える連続検体センサシステムであって、センサ電子機器は、患者の皮膚の外側に取り付けられるように構成されているハウジング内に配設される、連続検体センサシステム。
【0313】
センサシステム実施形態38:生体内では、細長導電体は、0.01N未満の座屈力を有する、センサ実施形態37の連続検体センサシステム。
【0314】
センサ実施形態39:非自立細長導電体は、重力下の重量と、重力下でその重量未満である座屈力とを有する、センサ実施形態28~38のいずれか一項の連続検体センサ。
【0315】
特定のセンサ実施形態の特徴はいずれも、一般的に適用可能である、すなわち、本明細書に明記されている他の態様または実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である。さらに、センサ実施形態の特徴はいずれも、形はどうあれ本明細書で説明されている他のセンサ実施形態と一部または全部独立して組み合わせ可能であり、たとえば、1つ、2つ、または3つもしくはそれ以上の実施形態が、全部または一部組み合わせ可能であるものとしてよい。さらに、センサ実施形態の特徴はいずれも、他の態様または実施形態に対して任意選択にされ得る。本明細書で説明されているような方法の任意の態様または実施形態は、別の態様または実施形態のセンサ、システム、または装置によって実行されてよく、センサ、システム、または装置の任意の態様または実施形態は、別の態様または実施形態の方法を実行するように構成されてもよい。
【0316】
本明細書において開示されている方法は、説明されている方法を達成するための1つまたは複数のステップもしくはアクションを含む。方法ステップおよび/またはアクションは、請求項の範囲から逸脱することなく互いに入れ換えられ得る。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されていない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、請求項の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0317】
いくつかの図に示されている要素間の接続は、例示的な通信経路を示している。追加の通信経路は、直接的であろうと中間経路を介そうと、要素間の情報の交換をさらに円滑にするために含まれ得る。通信経路は、要素が情報を交換することを可能にする双方向通信経路であってよい。
【0318】
上で説明されている方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント、回路および/またはモジュールなどの、動作を実行することができる任意の好適な手段によって実行され得る。一般に、図に示される任意の動作は、動作を実行することが可能な対応する機能的手段によって実行され得る。
【0319】
本開示に関連して説明されている様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路(図2のブロックなど)は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)もしくは他のプログラム可能論理デバイス(PLD)、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書で説明されている機能を実行するように設計されているこれらの任意の組合せにより実装されるか、または実行され得る。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的実施形態では、そのプロセッサは任意の市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されてもよい。
【0320】
1つまたは複数の態様において、説明されている様々な機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つもしくは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して伝送され得る。コンピュータ可読媒体は、一方の場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする媒体を含むコンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる利用可能な媒体であってよい。例として、限定はしないが、このようなコンピュータ可読媒体は、様々な種類のRAM、ROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造体の形態で所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用することができ、またコンピュータによってアクセスできる他の媒体を含み得る。また、任意の接続も、コンピュータ可読媒体と称しても差し支えない。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、WiFi、Bluetooth(登録商標)、RFID、NFC、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書において使用されるとき、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスクおよびBlu-ray(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。したがって、いくつかの態様において、コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、有形の媒体)を含み得る。それに加えて、いくつかの態様において、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、信号)を含み得る。上述したものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められるべきである。
【0321】
いくつかの態様は、本明細書に提示されている動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を含むものとしてよい。たとえば、そのようなコンピュータプログラム製品は、命令が記憶されている(および/または符号化された)コンピュータ可読媒体を備えてよく、命令は本明細書で説明されている動作を実行するために1つもしくは複数のプロセッサによって実行可能である。いくつかの態様について、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含み得る。
【0322】
ソフトウェアまたは命令は、伝送媒体上で伝送されてもよい。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、伝送媒体の定義に含まれる。
【0323】
さらに、本明細書で説明されている方法と技術とを実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、ユーザ端末および/または該当する場合には基地局によってダウンロードされ、および/または他の何らかの方法で取得され得ることは了解されるであろう。たとえば、そのようなデバイスは、本明細書において説明されている方法を実行するための手段の移転を円滑にするためサーバに結合され得る。代替的に、本明細書で説明されている様々な方法は、記憶手段(たとえば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理的記憶媒体など)を介して提供され、これにより、ユーザ端末および/または基地局は記憶手段をデバイスに結合するか、または提供した後に様々な方法を得ることができる。さらに、本明細書において説明されている方法および技術をデバイスに提供するための他の好適な技術も利用され得る。
【0324】
請求項は、上で例示されている正確な構成およびコンポーネントに限定されないことは理解されるであろう。様々な修正、変更、および変形が、請求項の範囲から逸脱することなく上で説明されている方法および装置の配置構成、動作、および詳細に対して行われ得る。
【0325】
別に定義されていない限り、すべての術語(技術用語および科学用語を含む)は、それらの通常の、また当業者にとって慣例的な意味を与えられ、本明細書で明確にそのように定義されていない限り特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない。本開示のいくつかの特徴または態様を説明するときの特定の用語の使用は、その用語が関連付けられている本開示の特徴もしくは態様の特定の特性を含むように制限されるように本明細書において再定義されていることを暗示するものと解釈されるべきでないことに留意されたい。本出願で使用されている術語および語句、ならびにその変形は、特に付属の請求項において、別に明確に規定されていない限り、制限することとは反対に、無制約であると解釈されるべきである。前述の例として、「含む」という語は、「限定することなく、含む」、「限定はしないが含む」、または同様の言い回しを意味すると読まれるべきであり、本明細書で使用されるような「備える」という語は、「含む」、「収容する」、または「特徴付けられる」の同義語であり、包括的または無制約であり、追加の引用されていない要素または方法ステップを排除するものではなく、「有する」という語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という語は、「限定はしないが含む」と解釈されるべきであり、「例」という語は、説明の中の項目の、網羅的なまたは限定するリストではなく、その事例を与えるために使用され、「知られている」、「通常の」、「標準的な」などの形容語、および類似の意味の語は、説明されている項目を与えられた時間期間に、または与えられた時間現在利用可能な項目に制限するものとして解釈されるべきでないが、その代わりに、現在もしくは将来の任意の時点において利用可能であり得る、または知られている可能性のある、知られている、通常の、または標準的な技術を包含すると読まれるべきであり、「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、「望ましい」、および類似の意味の単語のような語の使用は、いくつかの特徴が本発明の構造体または機能にとって重大である、本質的である、またはさらに重要であることを暗示すると理解されるべきでないが、その代わりに、本発明の特定の実施形態において利用され得るか、または利用され得ない代替的もしくは追加の特徴を強調することを単に意図されていると理解されるべきである。同様に、接続詞「and」でリンクされた項目の群は、それらの項目のありとあらゆる項目が群内に存在することを要求していると読まれるべきでなく、むしろ、別に明確に規定されていない限り「および/または」として読まれるべきである。同様に、接続詞「or」でリンクされた項目の群は、その群の間で相互排他的であることを要求していると読まれるべきでなく、むしろ、別に明確に規定されていない限り「および/または」として読まれるべきである。
【0326】
値の範囲が提示されている場合、範囲の上限および下限ならびに範囲の上限と下限との間の各間にある値は、実施形態内に包含されることは理解される。
【0327】
本明細書における実質的に複数形および/または単数形の語の使用に関して、当業者であれば、背景状況および/または用途に応じて適切に、複数形を単数形に、および/または単数形を複数形に変えることができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、本明細書ではわかりやすくするために明示的に述べる場合がある。英語原文中の不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。単一のプロセッサまたは他のユニットで、請求項に記載されているいくつかの項目の機能を遂行し得る。特定の測定が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの測定の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。請求項内の参照記号は、範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【0328】
さらに、当業者であれば、導入される請求項列挙の特定の数が意図されている場合、そのような意図は、請求項内で明示的に記載され、そのような列挙がない場合は、そのような意図は存在しないことを理解するであろう。たとえば、理解の助けとして、付属の請求項に、導入句「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」を入れて請求項列挙を導入することができる。しかし、英語原文において、このような語句を使用したとしても、不定冠詞「a」または「an」による請求項列挙の導入によって、たとえその請求項が導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」、および「a」または「an」などの不定冠詞を含むとしても、そのような導入される請求項列挙を含む特定の請求項がそのような列挙を1つしか含まない実施形態に制限されることを暗示すると解釈すべきではなく(たとえば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)、請求項列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが成り立つ。それに加えて、特定の数の導入される請求項列挙が明示的に記載されるとしても、当業者であれば、そのような列挙は、典型的には、少なくとも記載されている数を意味するものと解釈すべきであることを認識するであろう(たとえば、他に修飾子を付けない「2つの列挙」という飾りのない列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣例的言い回しが使用される場合、一般的に、このような構文は、当業者がこの慣例的言い回しを、たとえば、列挙されている項目の任意の組合せを含む、単一のメンバーを含む、として理解するという意味で意図されたものである(たとえば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定はしないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に、などを有するシステムを含む)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣例的言い回しが使用される場合、一般的に、このような構文は、当業者がこの慣例的言い回しを理解するという意味で意図されたものである(たとえば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定はしないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に、などを有するシステムを含む)。さらに、当業者であれば、説明中であろうと、請求項中であろうと、図面中であろうと2つ以上の代替語を示す実質的に任意の離接語または語句は、複数の語のうちの1つ、複数の語いずれか、または両方の語を含む可能性を企図するものと理解されるべきであることを理解するであろう。たとえば、語句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。
【0329】
本明細書で使用された、成分、反応条件等の量を表現するすべての数字は、すべての場合において「約」という語で修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうでないと記載されていない限り、本明細書に記載されている数値パラメータは概算であり、取得されるべき所望の特性によって変化することがあり得る。最低限、本出願の優先権を主張するどのような出願の特許請求の範囲への均等物の原理の適用を制限しようとするものではないが、数値パラメータはそれぞれ、有効桁および通常の丸め方法の数字に照らして解釈されるべきである。
【0330】
本明細書で引用されているすべての参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれている公報および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する場合には、本明細書がそのような矛盾材料に取って代わり、および/または優先するものとする。
【0331】
見出しは、参照のために本明細書に含まれ、様々なセクションを特定する助けとなるものである。これらの見出しは、それに関して説明されている概念の範囲を制限することを意図されていない。そのような概念は、明細書全体を通して適用可能性を有するものとしてよい。
【0332】
さらに、前述の内容は、明確さおよび理解を目的として図解と例としてある程度詳しく説明されているが、当業者にとっては、いくつかの変更および修正が実施され得ることは明らかである。したがって、説明および例は、本発明の範囲を本明細書で説明されている特定の実施形態および例に限定するものと解釈されるべきでなく、むしろ、本発明の真の範囲および精神に付随するすべての修正形態および代替的形態をも対象とするものとして解釈されるべきである。
【0333】
説明されている様々なシステムおよび方法は、任意の数のコンピューティングデバイスにおいて完全に実装され、および/または制御され得る。典型的には、命令は、一般的には非一時的なコンピュータ可読媒体上にレイアウトされ、これらの命令は、コンピューティングデバイス内のプロセッサが本発明の方法を実装することを可能にするのに十分なものである。コンピュータ可読媒体は、実行されるとき、ランダムアクセスメモリ内にロードされる命令を有するハードドライブまたはソリッドステート記憶装置であってよい。たとえば、複数のユーザから、または任意の1人のユーザから、アプリケーションへの入力は、任意の数の適切なコンピュータ入力デバイスによるものであってよい。たとえば、ユーザは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックパッド、他のポインティングデバイス、または他のそのようなコンピュータ入力デバイスを採用して計算に関連するデータを入力し得る。データは、挿入されているメモリチップ、ハードドライブ、フラッシュドライブ、フラッシュメモリ、光媒体、磁気媒体、または他の種類のファイル記憶媒体を用いても入力されてよい。出力は、ユーザによって見られるものとしてよいディスプレイに結合されているビデオグラフィックスカードまたは集積グラフィックスチップセットを用いてユーザに送られるものとしてよい。代替的に、結果のハードコピーを出力するためにプリンタが採用されてもよい。この教示が与えられたことで、任意の数の他の有形の出力は、本発明によって企図されることも理解されるであろう。たとえば、出力は、メモリチップ、ハードドライブ、フラッシュドライブ、フラッシュメモリ、光媒体、磁気媒体、または他の種類の出力に記憶されてよい。また、本発明は、任意の数の異なる種類のコンピューティングデバイス、たとえば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、およびこれらの目的のために具体的に設計されたデバイス上にも実装され得ることに留意されたい。一実装形態において、スマートフォンまたはwi-fi接続デバイスのユーザが、ワイヤレスインターネット接続を使用してアプリケーションのコピーをサーバから自分のデバイスにダウンロードする。適切な認証手順および安全なトランザクションプロセスが、売手に対する決済がなされるようにし得る。アプリケーションは、モバイル接続、またはWiFiもしくは他のワイヤレスネットワーク接続上でダウンロードするものとしてよい。次いで、アプリケーションは、ユーザによって実行され得る。そのようなネットワークシステムは、複数のユーザがシステムおよび方法に対して別々の入力を行う一実装形態に対する好適なコンピューティング環境を提供し得る。工場較正方式が企図されている以下のシステムにおいて、複数の入力は、複数のユーザが関連するデータを同時に入力することを可能にし得る。
【符号の説明】
【0334】
12 センサ電子機器
100 システム
101 連続検体センサシステム
102 薬剤送達ポンプ
104 グルコースメーター
110 連続検体センサ
110' センサ帯状物
112 センサ電子機器
114、116、118、120 表示デバイス
114 比較的小型のキーフォブに似た表示デバイス
116 比較的大型のハンドヘルド型表示デバイス
118 携帯電話
120 コンピュータ
205 特定用途向け集積回路(ASIC)
210 ポテンショスタット
211 第1の入力ポート
214 プロセッサモジュール
216 プログラムメモリ
218 メモリ
220 データ記憶メモリ
222 ユーザインターフェース
224 ボタン
226 液晶ディスプレイ(LCD)
228 振動器
230 音響変換器(たとえば、スピーカー)
232 遠隔計測モジュール
234 電池
236 レギュレータ
237 第2の入力ポート
238 通信ポート
239 出力ポート
300 ハウジング
302 底面
304 開口部
406 ネットワーク
490 クラウドベースの検体プロセッサ
502 細長導電体
504 第2の層
506 窓
508 膜
510 細長芯
512 第1の層
514 第3の層
602 電極ドメイン
604 干渉ドメイン
606 酵素ドメイン
608 抵抗ドメイン
610 実質的に平面状の導電性層
612 層
700 センサ
702 細長芯
704 作用電極
706 参照または対向電極
708、710 導電性経路
800 力
900 力
1000 導電性トレース
1002 断面形状
1102 フィラメント押出成形機
1108 冷媒
1104、1106 トレース押出成形機
1110 細長芯構造
1200 導電性トレース
1300 溝
1400 スキージ
1402 液体導体
1502 繊維加熱器
1504 ラミネートダイ
1510 細長導電性芯構造
1600 導電性リボントレース
1700 誘導加熱器
1702 位置決めガイド
1704 ローラー
1710 細長導電性芯構造
1800 トレース
1802 電極
1900 細長絶縁体
1901 繊維束
1902 細長非導電性芯構造
2000 導電性トレース
2100 パターン形成絶縁層
2101 細長導電性芯構造
2102 窓
2300 絶縁層
2301 軟質細長導電体
2302 電極層
2302 コーティング
2303 窓
2304 第1の側
2306 第2の側
2400 近位端
2402 切欠
2500 コーティング
2501 束
2504 絶縁層
2503 窓
2504 同軸絶縁層
2600 切欠
2702 ステンシル
2704、2706 開口部
2710 電極
2712 トレース
2800 層
2802 絶縁層
2802' 絶縁材料
2804 トレース層
2806 第2の電極層
2808 第1の電極層
2808' トレース材料(たとえば、銀)
2810 絶縁層
2810' シート
2811 窓
2820 外縁
2822 断面プロファイル
2900 端部分
2904 縁部分
2906 切欠
2909 窓
3000 シート
3100 ローラー
3102 切断装置
3202 実質的に平坦な縁
3206 丸い側壁
3208 実質的に楕円形の断面プロファイル
3302 絶縁層
3303 絶縁層
3305 対向電極
3306 第2の電極層
3308 層
3310 絶縁層
3311 窓
3400 丸い側壁
3402 実質的に楕円形の断面プロファイル
3420 トレース層
3500、3600 グラフ
3602 第1の曲線
3604 曲線
3606 曲線
3608 曲線
3610 曲線
3700、3702 層
3700 親水性層
3706 一部
3706 濡れている部分
3708 濡れていない部分
3710 水和界面
3800 非導電性(たとえば、ポリマー)芯
3802 導電性トレース
3804 部分
3900 縁
4000 膜流体
4002 電場または磁場
4200 場
4400 磁場発生コンポーネント
4402 基材
4404、4406 磁場発生コンポーネント
4408、4410 磁場
4410' 対向磁場
4411 回転するプラットフォーム
4412 方向
4500 電場発生コンポーネント
4502 基材
4504 電場発生器
4505 電場発生器
4506 電場
4508 電源
4510 導電性トレース
4520 機構
4600 均等目盛りのグラフ
4602、4604、4606、4608 疲労特性曲線
4700 対数目盛りのグラフ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48