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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240823BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20240823BHJP
   B24B 55/05 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25F5/00 G
B25F5/00 A
B24B23/02
B24B55/05
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020024528
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021126752
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 彰良
(72)【発明者】
【氏名】大谷 亮介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 史佳
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0272494(US,A1)
【文献】国際公開第2017/051893(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B24B 23/02
B24B 55/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータを制御する制御装置と、
前記モータに接続された動力伝達機構と、
前記モータ、前記制御装置および前記動力伝達機構を収容するハウジングと、
前記動力伝達機構に接続された先端工具保持部と、
前記ハウジングに着脱可能な付属品と、
前記付属品が取り付けられているか否かを検出する検出部を備えており、
前記検出部が、
前記付属品の着脱に応じて前記ハウジングに対して移動するリンク部材と、
前記リンク部材と前記ハウジングの一方に対して位置が固定された磁石と、
前記リンク部材と前記ハウジングの他方に対して位置が固定された磁気センサを備えており、
前記リンク部材が、前記ハウジングに対して、第1の位置と、前記第1の位置と比べて前記磁石と前記磁気センサの間の距離が小さい第2の位置と、の間で移動可能であり、
前記検出部が、前記リンク部材を前記ハウジングに対して前記第1の位置に向けて付勢する付勢部材をさらに備えており、
前記付属品を前記ハウジングから取り外した状態では、前記付勢部材の付勢力によって、前記リンク部材が前記第1の位置に保持され、
前記付属品を前記ハウジングに取り付けると、前記リンク部材が前記付勢部材の前記付勢力に抗して前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、電動工具。
【請求項2】
前記リンク部材が、前記ハウジングに対して、前記第2の位置と比べて前記磁石と前記磁気センサの間の距離が大きい第3の位置にも移動可能であり、
前記付属品を前記ハウジングに取り付けると、前記リンク部材が前記付勢部材の前記付勢力に抗して前記第1の位置から前記第2の位置を経て前記第3の位置に移動する、請求項1の電動工具。
【請求項3】
モータと、
前記モータを制御する制御装置と、
前記モータに接続された動力伝達機構と、
前記モータ、前記制御装置および前記動力伝達機構を収容するハウジングと、
前記動力伝達機構に接続された先端工具保持部と、
前記ハウジングに着脱可能な付属品と、
前記付属品が取り付けられているか否かを検出する検出部を備えており、
前記検出部が、
前記付属品の着脱に応じて前記ハウジングに対して移動するリンク部材と、
前記リンク部材と前記ハウジングの一方に対して位置が固定された磁石と、
前記リンク部材と前記ハウジングの他方に対して位置が固定された磁気センサを備えており、
前記リンク部材が、前記ハウジングに対して、第1の位置と、前記第1の位置と比べて前記磁気センサで検出される前記磁石からの磁力が強くなる第2の位置と、の間で移動可能であり、
前記検出部が、前記リンク部材を前記ハウジングに対して前記第1の位置に向けて付勢する付勢部材をさらに備えており、
前記付属品を前記ハウジングから取り外した状態では、前記付勢部材の付勢力によって、前記リンク部材が前記第1の位置に保持され、
前記付属品を前記ハウジングに取り付けると、前記リンク部材が前記付勢部材の前記付勢力に抗して前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、電動工具。
【請求項4】
前記リンク部材が、前記ハウジングに対して、前記第2の位置と比べて前記磁気センサで検出される前記磁石からの磁力が弱くなる第3の位置にも移動可能であり、
前記付属品を前記ハウジングに取り付けると、前記リンク部材が前記付勢部材の前記付勢力に抗して前記第1の位置から前記第2の位置を経て前記第3の位置に移動する、請求項3の電動工具。
【請求項5】
モータと、
前記モータを制御する制御装置と、
前記モータに接続された動力伝達機構と、
前記モータ、前記制御装置および前記動力伝達機構を収容するハウジングと、
前記動力伝達機構に接続された先端工具保持部と、
前記ハウジングに着脱可能な付属品と、
前記付属品が取り付けられているか否かを検出する検出部を備えており、
前記検出部が、
前記付属品の着脱に応じて前記ハウジングに対して移動するリンク部材と、
前記リンク部材と前記ハウジングの一方に対して位置が固定された磁石と、
前記リンク部材と前記ハウジングの他方に対して位置が固定された磁気センサを備えており、
前記リンク部材が、前記ハウジングに対して、第1の位置と、前記第1の位置と比べて前記磁石と前記磁気センサの間の距離が小さい第2の位置と、前記第2の位置と比べて前記磁石と前記磁気センサの間の距離が大きい第3の位置と、の間で移動可能であり、
前記検出部が、前記リンク部材を前記ハウジングに対して前記第1の位置に向けて付勢する付勢部材をさらに備えており、
前記付属品を前記ハウジングから取り外した状態では、前記付勢部材の付勢力によって、前記リンク部材が前記第1の位置に保持され、
前記付属品を前記ハウジングに取り付けると、前記リンク部材が前記付勢部材の前記付勢力に抗して前記第1の位置から前記第2の位置を経て前記第3の位置に移動する、電動工具。
【請求項6】
前記磁石が、前記リンク部材に対して位置が固定されており、
前記磁気センサが、前記ハウジングに対して位置が固定されている、請求項1から5の何れか一項の電動工具。
【請求項7】
前記リンク部材が、
前記付属品の着脱に応じて前記ハウジングに対して揺動する揺動部材と、
前記揺動部材の揺動に応じて前記ハウジングに対してスライドするスライド部材を備える、請求項1から6の何れか一項の電動工具。
【請求項8】
前記スライド部材が、前記ハウジングに対して前記電動工具の長手方向に沿って移動可能である、請求項の電動工具。
【請求項9】
前記リンク部材が、前記スライド部材を付勢する前記付勢部材をさらに備える、請求項7または8の電動工具。
【請求項10】
前記モータが、モータ収容室に収容されており、
前記磁石および前記磁気センサが、前記モータ収容室とは別個に形成されたセンサ収容室に収容されている、請求項1から9の何れか一項の電動工具。
【請求項11】
前記センサ収容室に、前記磁気センサと前記制御装置を接続するための配線が通過する開口が形成されており、
前記配線の周りの前記開口を閉塞するシール部材をさらに備える、請求項10の電動工具。
【請求項12】
前記センサ収容室が、前記ハウジングの外面に設けられている、請求項10または11の電動工具。
【請求項13】
前記磁気センサの外側を覆う磁気シールド部材をさらに備えている、請求項1から12の何れか一項の電動工具。
【請求項14】
前記磁気センサが、前記電動工具の長手方向に関して、前記モータから見て前記動力伝達機構とは反対側に配置されている、請求項1から13の何れか一項の電動工具。
【請求項15】
交流電源に接続可能な電源コードと、
前記電源コードから供給される交流電力を直流電力に変換する電源回路をさらに備えている、請求項1から14の何れか一項の電動工具。
【請求項16】
前記ハウジングの外面に、スライド溝と、前記スライド溝に連通するセンサ収容室が設けられており、
前記リンク部材が、前記スライド溝から前記センサ収容室にわたって配置されており、前記ハウジングに対してスライドするスライド部材を備えており、
前記磁石が、前記スライド部材に対して位置が固定されており、
前記磁気センサが、前記センサ収容室に配置されており、
前記スライド溝と前記センサ収容室を覆うセンサカバーをさらに備える、請求項1から5の何れか一項の電動工具。
【請求項17】
前記センサカバーが、前記センサ収容室を覆う磁気シールド部材を内蔵している、請求項16の電動工具。
【請求項18】
前記ハウジングの前記スライド溝または前記センサ収容室に、第1のばね受け壁が設けられており、
前記スライド部材が、第2のばね受け壁を備えており、
前記リンク部材が、前記第1のばね受け壁に一端が当接し、前記第2のばね受け壁に他端が当接する圧縮ばねをさらに備える、請求項16または17の電動工具。
【請求項19】
前記リンク部材が、
前記ハウジングの外面に固定されたベース部材と、
前記付属品の着脱に応じて前記ベース部材に対して揺動する揺動部材をさらに備えており、
前記スライド部材が、前記揺動部材の揺動に応じて前記ハウジングに対してスライドする、請求項16から18の何れか一項の電動工具。
【請求項20】
前記ベース部材が、前記揺動部材が配置される溝を備えており、
前記溝が、前記センサカバーによって覆われる、請求項19の電動工具。
【請求項21】
前記センサカバーの一方の端部の近傍が、ねじによって前記ハウジングに固定されており、前記センサカバーの他方の端部の近傍が、別のねじによって前記ハウジングに固定されている、請求項16から20の何れか一項の電動工具。
【請求項22】
前記センサカバーの一方の端部が、前記ハウジングの内側に差し込まれており、前記センサカバーの他方の端部の近傍が、ねじによって前記ハウジングに固定されている、請求項16から20の何れか一項の電動工具。
【請求項23】
前記検出部によって、前記付属品が取り付けられていることが検出されない場合に、前記制御装置が、前記モータの駆動を禁止する、請求項1から22の何れか一項の電動工具。
【請求項24】
前記付属品が、ホイールカバーである、請求項1から23の何れか一項の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータと、前記モータを制御する制御装置と、前記モータに接続された動力伝達機構と、前記モータ、前記制御装置および前記動力伝達機構を収容するハウジングと、前記動力伝達機構に接続された先端工具保持部と、前記ハウジングに着脱可能な付属品と、前記付属品が取り付けられているか否かを検出する検出部を備える電動工具が開示されている。前記検出部は、前記付属品に対して位置が固定された磁石と、前記ハウジングに対して位置が固定された磁気センサを備えている。この電動工具によれば、付属品がハウジングに取り付けられているか否かを、磁石と磁気センサを備える非接触式の検出部によって検出するので、振動や衝撃に起因して検出部が誤検知することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/051893号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ハウジングに対して着脱可能な付属品においては、付属品をハウジングに取り付けた時の付属品とハウジングの相対的な位置関係にバラツキが生じることがある。上記の電動工具では、磁石の位置が付属品に対して固定されており、磁気センサの位置がハウジングに対して固定されているので、付属品をハウジングに取り付けた時に、磁石と磁気センサの相対的な位置関係にバラツキが生じて、検出部の検出精度に影響を及ぼすおそれがある。本明細書では、電動工具に付属品が取り付けられているか否かを、精度良く検出することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、電動工具を開示する。前記電動工具は、モータと、前記モータを制御する制御装置と、前記モータに接続された動力伝達機構と、前記モータ、前記制御装置および前記動力伝達機構を収容するハウジングと、前記動力伝達機構に接続された先端工具保持部と、前記ハウジングに着脱可能な付属品と、前記付属品が取り付けられているか否かを検出する検出部を備えていてもよい。前記検出部は、前記付属品の着脱に応じて前記ハウジングに対して移動するリンク部材と、前記リンク部材と前記ハウジングの一方に対して位置が固定された磁石と、前記リンク部材と前記ハウジングの他方に対して位置が固定された磁気センサを備えていてもよい。
【0006】
上記の構成によれば、付属品がハウジングに取り付けられているか否かを、磁石と磁気センサを備える非接触式の検出部によって検出するので、振動や衝撃に起因して検出部が誤検知することを防止することができる。また、上記の構成によれば、磁石が、リンク部材とハウジングの一方に対して位置が固定されており、磁気センサが、リンク部材とハウジングの他方に対して位置が固定されている。リンク部材はハウジングに対して着脱されるものではないので、リンク部材とハウジングの間の相対的な位置関係にはバラツキが生じにくい。このため、上記の電動工具によれば、磁石と磁気センサの相対的な位置関係にバラツキが生じることを抑制することができ、検出部の検出精度を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1のグラインダ2を前方右方上方から見た斜視図である。
図2】実施例1のグラインダ2の縦断面図である。
図3】実施例1のグラインダ2について、ホイールカバー12と、センサカバー80と、シール部材65を取り外した状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
図4】実施例1のグラインダ2の揺動部材68と、スライド部材70と、圧縮ばね72と、センサ基板64の位置関係を、前方左方上方から見た斜視図である。
図5】実施例1のグラインダ2について、ホイールカバー12を取り外した状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
図6】実施例1のグラインダ2について、ホイールカバー12を取り外した状態における、揺動部材68の近傍の縦断面図である。
図7】実施例1のグラインダ2について、ホイールカバー12を取り外した状態における、センサ基板64の近傍の縦断面図である。
図8】実施例1のグラインダ2について、ホイールカバー12を取り付けた状態における、揺動部材68の近傍の縦断面図である。
図9】実施例1のグラインダ2について、ホイールカバー12を取り付けた状態における、センサ基板64の近傍の縦断面図である。
図10】実施例2のグラインダ102の縦断面図である。
図11】実施例2のグラインダ102の揺動部材112と、スライド部材114と、圧縮ばね116と、センサ基板108の位置関係を、前方左方上方から見た斜視図である。
図12】実施例2のグラインダ102について、ホイールカバー12を取り外した状態における、揺動部材112の近傍の縦断面図である。
図13】実施例2のグラインダ102について、ホイールカバー12を取り外した状態における、センサ基板108の近傍の縦断面図である。
図14】実施例2のグラインダ102について、ホイールカバー12を取り付けた状態における、揺動部材112の近傍の縦断面図である。
図15】実施例2のグラインダ102について、ホイールカバー12を取り付けた状態における、センサ基板108の近傍の縦断面図である。
図16】実施例1の変形例のグラインダ2について、ホイールカバー12を取り外した状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
図17】実施例1の変形例のグラインダ2について、ホイールカバー12と、センサカバー80と、シール部材65を取り外した状態を、前方左方下方から見た斜視図である。
図18】実施例1の変形例のグラインダ2の揺動部材68と、スライド部材70と、圧縮ばね72と、センサ基板64の位置関係を、前方左方上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された電動工具、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、電動工具は、モータと、前記モータを制御する制御装置と、前記モータに接続された動力伝達機構と、前記モータ、前記制御装置および前記動力伝達機構を収容するハウジングと、前記動力伝達機構に接続された先端工具保持部と、前記ハウジングに着脱可能な付属品と、前記付属品が取り付けられているか否かを検出する検出部を備えていてもよい。前記検出部は、前記付属品の着脱に応じて前記ハウジングに対して移動するリンク部材と、前記リンク部材と前記ハウジングの一方に対して位置が固定された磁石と、前記リンク部材と前記ハウジングの他方に対して位置が固定された磁気センサを備えていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、付属品がハウジングに取り付けられているか否かを、磁石と磁気センサを備える非接触式の検出部によって検出するので、振動や衝撃に起因して検出部が誤検知することを防止することができる。また、上記の構成によれば、磁石が、リンク部材とハウジングの一方に対して位置が固定されており、磁気センサが、リンク部材とハウジングの他方に対して位置が固定されている。リンク部材はハウジングに対して着脱されるものではないので、リンク部材とハウジングの間の相対的な位置関係にはバラツキが生じにくい。このため、上記の電動工具によれば、磁石と磁気センサの相対的な位置関係にバラツキが生じることを抑制することができ、検出部の検出精度を良好なものとすることができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記磁石は、前記リンク部材に対して位置が固定されていてもよい。前記磁気センサは、前記ハウジングに対して位置が固定されていてもよい。
【0014】
仮に、磁石がハウジングに対して位置が固定されており、磁気センサがリンク部材に対して位置が固定されている構成とすると、リンク部材がハウジングに対して移動した時に、磁気センサもハウジングに対して移動してしまい、制御装置と磁気センサを接続する配線が移動してしまう。上記の構成によれば、磁石がリンク部材に対して位置が固定されており、磁気センサがハウジングに対して位置が固定されているので、リンク部材がハウジングに対して移動した場合でも、磁気センサがハウジングに対して移動することがなく、制御装置と磁気センサを接続する配線が移動してしまうことがない。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記リンク部材は、前記付属品の着脱に応じて前記ハウジングに対して揺動する揺動部材と、前記揺動部材の揺動に応じて前記ハウジングに対してスライドするスライド部材を備えていてもよい。
【0016】
ハウジングに対する付属品の取付位置は、先端工具保持部の近傍に配置されることがある。先端工具保持部の近傍は、ワークの加工により生じる粉塵の影響を受けやすい位置である。このため、磁気センサや磁石が、付属品の取付位置の近傍に配置されていると、ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、検出部による検出精度が低下するおそれがある。上記の構成によれば、リンク部材が、揺動部材と、スライド部材を備えているので、ハウジングに対する付属品の取付位置から離れた箇所に磁気センサや磁石を配置することができる。ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、検出部による検出精度が低下することを抑制することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記スライド部材は、前記ハウジングに対して前記電動工具の長手方向に沿って移動可能であってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、磁気センサや磁石を、ハウジングに対する付属品の取付位置から、より離れた箇所に配置することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記リンク部材は、前記スライド部材を付勢する付勢部材をさらに備えていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、付属品の取り付け(又は取り外し)に応じてリンク部材が移動した後に、付属品の取り外し(又は取り付け)に応じてリンク部材を初期の状態に自動的に復帰させることができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記モータは、モータ収容室に収容されていてもよい。前記磁石および前記磁気センサは、前記モータ収容室とは別個に形成されたセンサ収容室に収容されていてもよい。
【0022】
通常、電動工具の使用時には、モータ収容室に、モータを冷却するための冷却風が流れる。冷却風には、粉塵が含まれていることがあり、仮にモータ収容室に磁石や磁気センサが収容されていると、粉塵の影響によって検出部の検出精度が低下するおそれがある。上記の構成によれば、磁石および磁気センサが、モータ収容室とは別個に形成されたセンサ収容室に収容されているので、モータ収容室を流れる冷却風に粉塵が含まれていても、粉塵の影響によって検出部の検出精度が低下することを抑制することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記センサ収容室に、前記磁気センサと前記制御装置を接続するための配線が通過する開口が形成されていてもよい。前記電動工具は、前記配線の周りの前記開口を閉塞するシール部材をさらに備えていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、磁気センサと制御装置を接続するための配線が通過する開口を介して、センサ収容室の内部に粉塵が侵入することを抑制することができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記センサ収容室は、前記ハウジングの外面に設けられていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、ハウジングの内部にセンサ収容室を設ける必要が無いので、ハウジングの内部の省スペース化を図ることができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動工具は、前記磁気センサの外側を覆う磁気シールド部材をさらに備えていてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、磁気センサが、電動工具の外部の磁力源からの磁力の影響を受けることを抑制することができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記磁気センサは、前記電動工具の長手方向に関して、前記モータから見て前記動力伝達機構とは反対側に配置されていてもよい。
【0030】
電動工具の長手方向に関して、モータから見て動力伝達機構とは反対側の箇所は、モータから見て動力伝達機構が配置されている側に比べて、空いているスペースが多い。上記の構成によれば、電動工具の長手方向に関して、モータから見て動力伝達機構とは反対側の箇所のスペースを有効に活用することができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動工具は、交流電源に接続可能な電源コードと、前記電源コードから供給される交流電力を直流電力に変換する電源回路をさらに備えていてもよい。
【0032】
交流電源からの交流電力を利用する電動工具では、電源回路によって交流電力を直流電力に変換して、制御装置のマイコンやセンサ類に直流電力を供給する。一般的に、磁気センサではない他の種類の非接触式センサ(例えばフォトカプラ、フォトインタラプタ等)は、磁気センサに比べて、大きな直流電力を必要とする。このため、検出部において、磁気センサではない他の種類の非接触式センサを使用する場合、電源回路として大型のものを使用する必要がある。上記の構成によれば、検出部において磁気センサを使用しており、磁気センサはそれほど大きな直流電力を必要としないので、電源回路を小型化することができる。また、交流電源からの交流電力を利用する電動工具では、付属品の取付位置の近傍に配置された金属部品と、電源回路と磁気センサを接続する配線の間での絶縁を確保する必要がある。上記の構成によれば、磁気センサを付属品の取付位置から離れた位置に配置することができるので、付属品の取付位置の近傍の金属部品と、電源回路と磁気センサを接続する配線の間での絶縁を確保することができる。
【0033】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングの外面に、スライド溝と、前記スライド溝に連通するセンサ収容室が設けられていてもよい。前記リンク部材が、前記スライド溝から前記センサ収容室にわたって配置されており、前記ハウジングに対してスライドするスライド部材を備えていてもよい。前記磁石が、前記スライド部材に対して位置が固定されていてもよい。前記磁気センサが、前記センサ収容室に配置されていてもよい。前記電動工具が、前記スライド溝と前記センサ収容室を覆うセンサカバーをさらに備えていてもよい。
【0034】
上記の構成によれば、スライド部材や、磁石、磁気センサが、ハウジングの外部に配置されるので、ハウジングの内部の省スペース化を図ることができる。また、上記の構成によれば、ハウジングに対する付属品の取付位置から離れた箇所に磁気センサや磁石を配置することができるので、ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、検出部による検出精度が低下することを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、スライド部材や、磁石、磁気センサがセンサカバーによって覆われるので、粉塵の影響によって、検出部による検出精度が低下することを抑制することができる。
【0035】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記センサカバーが、前記センサ収容室を覆う磁気シールド部材を内蔵していてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、磁気センサが、電動工具の外部の磁力源からの磁力の影響を受けることを抑制することができる。
【0037】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングの前記スライド溝または前記センサ収容室に、第1のばね受け壁が設けられていてもよい。前記スライド部材が、第2のばね受け壁を備えていてもよい。前記リンク部材が、前記第1のばね受け壁に一端が当接し、前記第2のばね受け壁に他端が当接する圧縮ばねをさらに備えていてもよい。
【0038】
上記の構成によれば、付属品の取り付け(又は取り外し)に応じてスライド部材が移動した後に、付属品の取り外し(又は取り付け)に応じてスライド部材を初期の状態に自動的に復帰させることができる。
【0039】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記リンク部材が、前記ハウジングの外面に固定されたベース部材と、前記付属品の着脱に応じて前記ベース部材に対して揺動する揺動部材をさらに備えていてもよい。前記スライド部材が、前記揺動部材の揺動に応じて前記ハウジングに対してスライドしてもよい。
【0040】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、付属品の着脱に応じてスライド部材をハウジングに対してスライドさせることができる。
【0041】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ベース部材が、前記揺動部材が配置される溝を備えていてもよい。前記溝が、前記センサカバーによって覆われていてもよい。
【0042】
上記の構成によれば、センサカバーを外した時に、ベース部材の溝に配置された揺動部材が露出するので、リンク部材のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0043】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記センサカバーの一方の端部の近傍が、ねじによって前記ハウジングに固定されていてもよい。前記センサカバーの他方の端部の近傍が、別のねじによって前記ハウジングに固定されていてもよい。
【0044】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、センサカバーをハウジングに対して確実に固定することができる。
【0045】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記センサカバーの一方の端部が、前記ハウジングの内側に差し込まれていてもよい。前記センサカバーの他方の端部の近傍が、ねじによって前記ハウジングに固定されていてもよい。
【0046】
上記の構成によれば、センサカバーをハウジングに対して固定するためのねじの個数を減らすことができる。電動工具の部品点数を低減することができる。
【0047】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記検出部によって、前記付属品が取り付けられていることが検出されない場合に、前記制御装置が、前記モータの駆動を禁止してもよい。
【0048】
上記の構成によれば、付属品が取り付けられていない状態で電動工具が使用されてしまう事態を防止することができる。
【0049】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記付属品が、ホイールカバーであってもよい。
【0050】
上記の構成によれば、電動工具にホイールカバーが取り付けられているか否かを、精度良く検出することができる。
【0051】
(実施例1)
図1に示すように、本実施例のグラインダ2は、モータハウジング4と、モータハウジング4の後方に取り付けられたハンドルハウジング6と、モータハウジング4の前方に取り付けられたギヤハウジング8と、ギヤハウジング8の下方に取り付けられたベアリングボックス10と、ベアリングボックス10の下方に着脱可能に取り付けられたホイールカバー12を備えている。ホイールカバー12は、グラインダ2の付属品の一例である。ハンドルハウジング6には、給気口6aが形成されている。ギヤハウジング8には、排気口8aが形成されている。
【0052】
図2に示すように、モータハウジング4の内部には、モータ14が収容されている。モータ14は、例えばブラシ付きモータである。モータ14は、前後方向に伸びる出力シャフト16を有している。出力シャフト16の後端近傍は、ベアリング18を介して、モータハウジング4に回転可能に支持されている。モータ14には、制御基板20を介して電力が供給される。モータ14の動作は、制御基板20によって制御される。制御基板20は、モータハウジング4の内部において、モータ14よりも後方の下部に配置されている。制御基板20は、交流電力を直流電力に変換する電源回路20aや、マイコン(図示せず)や、モータ14へ供給される電力を制御するトライアック(図示せず)等を備えている。出力シャフト16には、ファン22が取り付けられている。ファン22は、モータ14よりも前方に配置されている。モータ14が駆動して出力シャフト16が回転すると、ファン22の回転により空気の流れが生じる。ファン22が回転すると、ハンドルハウジング6の給気口6aを介して空気が流入し、流入した空気はモータハウジング4の内部を後方から前方に向けて通過し、ギヤハウジング8の排気口8aから排出される。ファン22の回転によって生じる空気の流れによって、モータ14や制御基板20が冷却される。
【0053】
ハンドルハウジング6は、ユーザが把持するグリップ23と、グリップ23の下面から下方に突出するトリガーレバー24と、トリガーレバー24の前端に設けられたロックレバー26を備えている。ハンドルハウジング6の後端には、外部の交流電源に接続可能な電源コード28が設けられている。グリップ23の内部には、スイッチユニット30が収容されている。電源コード28は、スイッチユニット30を介して、モータハウジング4の制御基板20に接続されている。トリガーレバー24は、圧縮ばね32によって下方に向けて付勢されている。ユーザがトリガーレバー24を操作しておらず、圧縮ばね32の付勢力によってトリガーレバー24が下方に押し下げられた状態では、スイッチユニット30は、電源コード28と制御基板20の間を遮断している。この場合、制御基板20には電源コード28からの電力が供給されず、モータ14が回転することはない。ユーザがトリガーレバー24を操作し、トリガーレバー24が上方に引き上げられると、スイッチユニット30は、電源コード28と制御基板20の間を導通させる。この場合、制御基板20には電源コード28からの電力が供給され、モータ14が回転する。トリガーレバー24が上方に引き上げられた状態で、ユーザがロックレバー26をロック位置に操作すると、ユーザがトリガーレバー24から手を離しても、トリガーレバー24は上方に引き上げられた状態のまま保持される。この状態から、ユーザがトリガーレバー24をさらに引き上げると、ロックレバー26がロック位置からロック解除位置に移動する。この状態から、ユーザがトリガーレバー24から手を離すと、トリガーレバー24は圧縮ばね32の付勢力によって下方に押し下げられる。
【0054】
ギヤハウジング8は、ベアリング34を介して出力シャフト16の前端近傍を回転可能に支持している。ギヤハウジング8の内部には、互いに噛み合うように配置された第1ベベルギヤ36と第2ベベルギヤ38が収容されている。第1ベベルギヤ36は、出力シャフト16の前方端部に固定されている。第2ベベルギヤ38は、上下方向に伸びるスピンドル40の上方端部に固定されている。以下では、第1ベベルギヤ36と第2ベベルギヤ38を総称して、単にベベルギヤ42ともいう。ベベルギヤ42は、モータ14の回転を減速してスピンドル40に伝達する動力伝達機構である。ギヤハウジング8は、ベアリング44を介して、スピンドル40の上方端部を回転可能に支持している。図1に示すように、ギヤハウジング8の上面には、シャフトロック46が設けられている。ユーザがシャフトロック46を下方に押し込むと、第2ベベルギヤ38の回転が禁止されて、スピンドル40の回転が禁止される。また、ギヤハウジング8の右面および左面には、サイドハンドル(図示せず)を着脱可能なハンドル取付部8b、8cが設けられている。サイドハンドルは、グラインダ2の付属品の一例である。サイドハンドルをハンドル取付部8bまたはハンドル取付部8cに取り付けた状態では、ユーザは、一方の手でハンドルハウジング6のグリップ23を把持し、他方の手でサイドハンドルを把持することによって、グラインダ2を安定して保持することができる。
【0055】
図2に示すように、ベアリングボックス10は、ベアリング48を介して、スピンドル40を回転可能に支持している。スピンドル40はベアリングボックス10に対して、上下方向に沿った回転軸周りに回転可能である。スピンドル40の下端近傍には、インナフランジ50とアウタフランジ52を介して、研削ホイール54を取り付け可能である。グラインダ2において、モータ14が回転すると、スピンドル40とともに研削ホイール54が回転軸周りに回転することで、ワークの研削を行うことができる。スピンドル40は、先端工具である研削ホイール54を保持する先端工具保持部ということもできる。なお、以下の説明では、モータハウジング4、ハンドルハウジング6、ギヤハウジング8およびベアリングボックス10を総称して、単にハウジング56ともいう。
【0056】
ホイールカバー12は、ベアリングボックス10に形成された略円筒形状のカバー取付部58に取り付けられている。ホイールカバー12は、グラインダ2に取り付けられた時に、研削ホイール54を少なくとも部分的に覆う形状に形成されている。ホイールカバー12は、グラインダ2に取り付けられた時に、スピンドル40を少なくとも部分的に覆う形状を有しているということもできる。ホイールカバー12は、研削ホイール54がワークを研削する際に、ユーザ側に切削粉が飛び散ることを防止する。
【0057】
図3に示すように、グラインダ2は、カバー検出機構60を備えている。カバー検出機構60は、リンク部材62と、センサ基板64を備えている。
【0058】
リンク部材62は、ベース部材66と、揺動部材68と、スライド部材70と、圧縮ばね72を備えている。ベース部材66は、カバー取付部58よりも後方で、ベアリングボックス10の下部に取り付けられている。ベース部材66は、前後方向に貫通する貫通孔66aを備えている。
【0059】
図4に示すように、揺動部材68は、揺動シャフト68aと、当接片68bと、係合片68cを備えている。揺動部材68は、ベース部材66の貫通孔66aの内部に配置されている。揺動部材68は、左右方向に沿った揺動シャフト68a周りに揺動可能に、ベース部材66に支持されている。スライド部材70は、スライドバー70aと、係合部70bと、ばね保持部70cと、検出部70dを備えている。スライドバー70aは、前後方向に沿って延びている。係合部70bは、スライドバー70aの前端に設けられている。係合部70bは、揺動部材68の係合片68cに左右方向に沿った揺動軸周りに揺動可能に連結している。具体的には、係合部70bは、左方向および右方向に突出する略円筒形状の軸部70hを備えている。係合片68cは、それぞれの軸部70hに対応して設けられており、揺動シャフト68aから後方下方に伸びた後、前方下方に伸びる係合爪68dを備えている。係合部70bの軸部70hが係合片68cの係合爪68dの前側の屈曲部に摺動可能に入り込むことで、係合部70bと係合片68cが連結している。ばね保持部70cは、スライドバー70aの後端に設けられている。ばね保持部70cは、後方から圧縮ばね72の内部に挿入された後側突起70eと、前方から圧縮ばね72の内部に挿入された前側突起70fと、圧縮ばね72の後端と当接するばね受け壁70gを備えている。検出部70dは、ばね保持部70cから後方に伸びている。検出部70dには、永久磁石74(図7図9参照)が設けられている。
【0060】
センサ基板64は、スライド部材70の検出部70dの下方に配置されている。センサ基板64は、永久磁石74からの磁力を検出するホールセンサ76を備えている。
【0061】
図3に示すように、モータハウジング4の下側の外面には、スライド溝4aと、センサ収容室4bが形成されている。スライド溝4aと、センサ収容室4bは、周囲をリブ4dで囲われている。スライド溝4aは、モータハウジング4の内部とは連通していない。センサ収容室4bは、開口4cによってモータハウジング4の内部と連通している。なお、以下の説明では、モータハウジング4の内部をモータ収容室4eともいう。センサ基板64は、センサ収容室4bに収容された状態で、モータハウジング4にねじ78によって固定されている。センサ基板64は、配線64aを介して、制御基板20に接続されている。配線64aは、開口4cを介して、センサ収容室4bからモータ収容室4eに取り回されている。開口4cには、シール部材65(図7図9参照)が取り付けられている。シール部材65は、例えばスポンジである。シール部材65は、配線64aの周りの開口4cを閉塞する。
【0062】
ギヤハウジング8の下側の外面には、スライド溝8dが形成されている。リンク部材62のスライド部材70は、スライドバー70aがギヤハウジング8のスライド溝8dおよびモータハウジング4のスライド溝4aに収容され、検出部70dがセンサ収容室4bに収容されている。スライド部材70は、前後方向にスライド可能にハウジング56に保持されている。スライド部材70がハウジング56に取り付けられた状態では、圧縮ばね72の前端は、モータハウジング4のスライド溝4aに形成されたばね受け壁4f(図7図9参照)に当接する。
【0063】
図5に示すように、モータハウジング4のスライド溝4a、センサ収容室4bと、ギヤハウジング8のスライド溝8dは、センサカバー80によって覆われている。センサカバー80は、前端をギヤハウジング8の内側に差し込んだ状態で、モータハウジング4にねじ82によって固定されている。センサカバー80によって、スライド部材70、圧縮ばね72、センサ基板64は、外部から遮蔽されている。センサカバー80のセンサ収容室4bに対応する箇所には、磁気シールド部材80a(図7図9参照)が内蔵されている。磁気シールド部材80aは、例えば金属製のメッシュ部材である。
【0064】
図6図7に示すように、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていない状態では、圧縮ばね72によってスライド部材70はハウジング56に対して後方に向けて付勢されている。この初期状態では、図7に示すように、検出部70dの永久磁石74は、センサ基板64のホールセンサ76よりも後方にオフセットした位置に配置される。本実施例では、この時のリンク部材62の位置を「第1の位置」とも呼ぶ。また、図6に示すように、揺動部材68は、係合片68cが後方に位置し、当接片68bが前方に位置する状態にある。この場合、制御基板20は、ホールセンサ76の検出信号に基づいて、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていないと判断する。例えば、制御基板20は、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていない場合に、モータ14の回転を禁止する。
【0065】
図8図9に示すように、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられると、ホイールカバー12の上端が揺動部材68の当接片68bに当接して、当接片68bが上方に向けて押し上げられる。これによって、揺動部材68が揺動して、係合片68cが前方に向けて移動し、係合部70bが前方に向けて引っ張られて、スライド部材70が圧縮ばね72の付勢力に抗して前方に向けてスライドする。この際、検出部70dの永久磁石74は、センサ基板64のホールセンサ76に近づくように移動し、次いでホールセンサ76の直上を後方から前方に通過し、次いでホールセンサ76から離れるように移動する。ホイールカバー12の取り付けが完了した状態では、図9に示すように、検出部70dの永久磁石74は、センサ基板64のホールセンサ76よりも前方にオフセットした位置に配置される。本実施例では、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられる過程で永久磁石74とホールセンサ76の間の距離が第1の位置よりも小さくなる時のリンク部材62の位置を「第2の位置」とも呼ぶ。第2の位置は、ホールセンサ76で検出される永久磁石74からの磁力が第1の位置よりも強くなる位置ともいえる。また、本実施例では、ホイールカバー12の取り付けが完了した時のリンク部材62の位置(図9に示す位置)を「第3の位置」とも呼ぶ。第3の位置は、永久磁石74とホールセンサ76の間の距離が第2の位置よりも大きくなる位置ともいえるし、ホールセンサ76で検出される永久磁石74からの磁力が第2の位置よりも弱くなる位置ともいえる。従って、ホイールカバー12をハウジング56に取り付ける場合、リンク部材62は、第1の位置(図7参照)から第2の位置を経て第3の位置(図9参照)まで移動する。リンク部材62が第3の位置にある場合、制御基板20は、ホールセンサ76の検出信号に基づいて、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていると判断する。例えば、制御基板20は、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられている場合に、モータ14の回転を許容する。なお、ホイールカバー12をハウジング56から取り外すと、圧縮ばね72の付勢力によってスライド部材70が後方に移動するとともに、揺動部材68が揺動して、図6図7に示す初期状態に戻る。即ち、ホイールカバー12をハウジング56から取り外す場合、リンク部材62は、第3の位置(図9参照)から第2の位置(図示せず)を経て第1の位置(図7参照)まで移動する。
【0066】
なお、図16図17に示すように、センサカバー80は、前端をギヤハウジング8の内側に差し込むことなく、ねじ82,84によってハウジング56に固定される構成としてもよい。図16図17に示す構成では、センサカバー80の前端がねじ84によってベース部材66に固定されており、センサカバー80の後端近傍がねじ82によってモータハウジング4に固定されている。また、図16図17に示す構成では、ベース部材66は、貫通孔66aの代わりに、前方および下方に向けて開口する溝66bを備えている。センサカバー80が取り付けられた状態では、ベース部材66の溝66bの下側がセンサカバー80によって覆われる。
【0067】
揺動部材68の係合片68cと、スライド部材70の係合部70bは、図4に示す構成とする代わりに、図18に示す構成としてもよい。図18に示す構成では、係合部70bが、左右方向に沿って伸びる略円筒形状の軸部70iと、軸部70iの後方に形成された開口70jを備えており、係合片68cの下端に、右方、左方および下方に向けて開口する溝68eが形成されており、軸部70iが溝68eに摺動可能に入り込むことによって、係合部70bと係合片68cが連結されている。図18に示す構成によっても、係合部70bと係合片68cを、左右方向に沿った揺動軸周りに揺動可能に連結することができる。
【0068】
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、グラインダ2(電動工具の例)は、モータ14と、モータ14を制御する制御基板20(制御装置の例)と、モータ14に接続されたベベルギヤ42(動力伝達機構の例)と、モータ14、制御基板20およびベベルギヤ42を収容するハウジング56と、ベベルギヤ42に接続されたスピンドル40(先端工具保持部の例)と、ハウジング56に着脱可能なホイールカバー12(付属品の例)と、ホイールカバー12が取り付けられているか否かを検出するカバー検出機構60(検出部の例)を備えている。カバー検出機構60は、ホイールカバー12の着脱に応じてハウジング56に対して移動するリンク部材62と、リンク部材62とハウジング56の一方(例えばリンク部材62,106)に対して位置が固定された永久磁石74(磁石の例)と、リンク部材62とハウジング56の他方(例えばハウジング56)に対して位置が固定されたホールセンサ76(磁気センサの例)を備えている。
【0069】
上記の構成によれば、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられているか否かを、永久磁石74とホールセンサ76を備える非接触式のカバー検出機構60によって検出するので、振動や衝撃に起因してカバー検出機構60が誤検知することを防止することができる。また、上記の構成によれば、永久磁石74が、リンク部材62とハウジング56の一方に対して位置が固定されており、ホールセンサ76が、リンク部材62とハウジング56の他方に対して位置が固定されている。リンク部材62はハウジング56に対して着脱されるものではないので、リンク部材62とハウジング56の間の相対的な位置関係にはバラツキが生じにくい。このため、上記のグラインダ2によれば、永久磁石74とホールセンサ76の相対的な位置関係にバラツキが生じることを抑制することができ、カバー検出機構60の検出精度を良好なものとすることができる。
【0070】
1つまたはそれ以上の実施形態において、永久磁石74は、リンク部材62に対して位置が固定されている。ホールセンサ76は、ハウジング56に対して位置が固定されている。
【0071】
仮に、永久磁石74がハウジング56に対して位置が固定されており、ホールセンサ76がリンク部材62に対して位置が固定されている構成とすると、リンク部材62がハウジング56に対して移動した時に、ホールセンサ76もハウジング56に対して移動してしまい、制御基板20とホールセンサ76を接続する配線64aが移動してしまう。上記の構成によれば、永久磁石74がリンク部材62に対して位置が固定されており、ホールセンサ76がハウジング56に対して位置が固定されているので、リンク部材62がハウジング56に対して移動した場合でも、ホールセンサ76がハウジング56に対して移動することがなく、制御基板20とホールセンサ76を接続する配線64aが移動してしまうことがない。
【0072】
1つまたはそれ以上の実施形態において、リンク部材62は、ホイールカバー12の着脱に応じてハウジング56に対して揺動する揺動部材68と、揺動部材68の揺動に応じてハウジング56に対してスライドするスライド部材70を備えている。
【0073】
グラインダ2においては、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置は、スピンドル40の近傍に配置されている。スピンドル40の近傍は、ワークの加工により生じる粉塵の影響を受けやすい位置である。このため、ホールセンサ76や永久磁石74が、ホイールカバー12の取付位置の近傍に配置されていると、ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、カバー検出機構60による検出精度が低下するおそれがある。上記の構成によれば、リンク部材62が、揺動部材68と、スライド部材70を備えているので、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置から離れた箇所にホールセンサ76や永久磁石74を配置することができる。ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、カバー検出機構60による検出精度が低下することを抑制することができる。
【0074】
1つまたはそれ以上の実施形態において、スライド部材70は、ハウジング56に対してグラインダ2の長手方向に沿って移動可能である。
【0075】
上記の構成によれば、ホールセンサ76や永久磁石74を、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置から、より離れた箇所に配置することができる。
【0076】
1つまたはそれ以上の実施形態において、リンク部材62は、スライド部材70を付勢する圧縮ばね72(付勢部材の例)をさらに備えている。
【0077】
上記の構成によれば、ホイールカバー12の取り付けに応じてリンク部材62が移動した後に、ホイールカバー12の取り外しに応じてリンク部材62を初期の状態に自動的に復帰させることができる。
【0078】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータ14は、モータ収容室4eに収容されている。永久磁石74およびホールセンサ76は、モータ収容室4eとは別個に形成されたセンサ収容室4bに収容されている。
【0079】
グラインダ2の使用時には、モータ収容室4eに、モータ14を冷却するための冷却風が流れる。冷却風には、粉塵が含まれていることがあり、仮にモータ収容室4eに永久磁石74やホールセンサ76が収容されていると、粉塵の影響によってカバー検出機構60の検出精度が低下するおそれがある。上記の構成によれば、永久磁石74およびホールセンサ76が、モータ収容室4eとは別個に形成されたセンサ収容室4bに収容されているので、モータ収容室4eを流れる冷却風に粉塵が含まれていても、粉塵の影響によってカバー検出機構60の検出精度が低下することを抑制することができる。
【0080】
1つまたはそれ以上の実施形態においては、センサ収容室4bに、ホールセンサ76と制御基板20を接続するための配線64aが通過する開口4cが形成されている。グラインダ2は、配線64aの周りの開口4cを閉塞するシール部材65をさらに備えている。
【0081】
上記の構成によれば、ホールセンサ76と制御基板20を接続するための配線64aが通過する開口4cを介して、センサ収容室4bの内部に粉塵が侵入することを抑制することができる。
【0082】
1つまたはそれ以上の実施形態において、センサ収容室4bは、ハウジング56の外面に設けられている。
【0083】
上記の構成によれば、ハウジング56の内部にセンサ収容室4bを設ける必要が無いので、ハウジング56の内部の省スペース化を図ることができる。
【0084】
1つまたはそれ以上の実施形態において、グラインダ2は、ホールセンサ76の外側を覆う磁気シールド部材80aをさらに備えている。
【0085】
上記の構成によれば、ホールセンサ76が、グラインダ2の外部の磁力源からの磁力の影響を受けることを抑制することができる。
【0086】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ホールセンサ76は、グラインダ2の長手方向に関して、モータ14から見てベベルギヤ42とは反対側に配置されている。
【0087】
グラインダ2の長手方向に関して、モータ14から見てベベルギヤ42とは反対側の箇所は、モータ14から見てベベルギヤ42が配置されている側に比べて、空いているスペースが多い。上記の構成によれば、グラインダ2の長手方向に関して、モータ14から見てベベルギヤ42とは反対側の箇所のスペースを有効に活用することができる。
【0088】
1つまたはそれ以上の実施形態において、グラインダ2は、交流電源に接続可能な電源コード28と、電源コード28から供給される交流電力を直流電力に変換する電源回路20aをさらに備えている。
【0089】
交流電源からの交流電力を利用するグラインダ2では、電源回路20aによって交流電力を直流電力に変換して、制御基板20のマイコンやセンサ類に直流電力を供給する。一般的に、磁気センサではない他の種類の非接触式センサ(例えばフォトカプラ、フォトインタラプタ等)は、磁気センサに比べて、大きな直流電力を必要とする。このため、カバー検出機構60において、磁気センサではない他の種類の非接触式センサを使用する場合、電源回路20aとして大型のものを使用する必要がある。上記の構成によれば、カバー検出機構60において磁気センサであるホールセンサ76を使用しており、ホールセンサ76はそれほど大きな直流電力を必要としないので、電源回路20aを小型化することができる。また、交流電源からの交流電力を利用するグラインダ2では、ホイールカバー12の取付位置の近傍に配置された金属部品(例えばギヤハウジング8やベアリングボックス10)と、電源回路20aとホールセンサ76を接続する配線64aの間での絶縁を確保する必要がある。上記の構成によれば、ホールセンサ76をホイールカバー12の取付位置から離れた位置に配置することができるので、ホイールカバー12の取付位置の近傍の金属部品(例えばギヤハウジング8やベアリングボックス10)と、電源回路20aとホールセンサ76を接続する配線64aの間での絶縁を確保することができる。
【0090】
1つまたはそれ以上の実施形態においては、ハウジング56の外面に、スライド溝4a,8dと、スライド溝4aに連通するセンサ収容室4bが設けられている。リンク部材62は、スライド溝4a,8dからセンサ収容室4bにわたって配置されており、ハウジング56に対してスライドするスライド部材70を備えている。永久磁石74は、スライド部材70に対して位置が固定されている。ホールセンサ76は、センサ収容室4bに配置されている。グラインダ2は、スライド溝4a,8dとセンサ収容室4bを覆うセンサカバー80をさらに備えている。
【0091】
上記の構成によれば、スライド部材70や、永久磁石74、ホールセンサ76が、ハウジング56の外部に配置されるので、ハウジング56の内部の省スペース化を図ることができる。また、上記の構成によれば、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置から離れた箇所にホールセンサ76や永久磁石74を配置することができるので、ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、カバー検出機構60による検出精度が低下することを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、スライド部材70や、永久磁石74、ホールセンサ76がセンサカバー80によって覆われるので、粉塵の影響によって、カバー検出機構60による検出精度が低下することを抑制することができる。
【0092】
1つまたはそれ以上の実施形態において、センサカバー80は、センサ収容室4bを覆う磁気シールド部材80aを内蔵している。
【0093】
上記の構成によれば、ホールセンサ76が、グラインダ2の外部の磁力源からの磁力の影響を受けることを抑制することができる。
【0094】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハウジング56のスライド溝4a,8dに、ばね受け壁4f(第1のばね受け壁の例)が設けられている。スライド部材70は、ばね受け壁70g(第2のばね受け壁)を備えている。リンク部材62は、ばね受け壁4fに一端が当接し、ばね受け壁70gに他端が当接する圧縮ばね72をさらに備えている。
【0095】
上記の構成によれば、ホイールカバー12の取り付け(又は取り外し)に応じてスライド部材70が移動した後に、ホイールカバー12の取り外し(又は取り付け)に応じてスライド部材70を初期の状態に自動的に復帰させることができる。
【0096】
1つまたはそれ以上の実施形態において、リンク部材62は、ハウジング56の外面に固定されたベース部材66と、ホイールカバー12の着脱に応じてベース部材66に対して揺動する揺動部材68をさらに備えている。スライド部材70は、揺動部材68の揺動に応じてハウジング56に対してスライドする。
【0097】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ホイールカバー12の着脱に応じてスライド部材70をハウジング56に対してスライドさせることができる。
【0098】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ベース部材66が、揺動部材68が配置される溝66bを備えている。溝66bは、センサカバー80によって覆われる。
【0099】
上記の構成によれば、センサカバー80を外した時に、ベース部材66の溝66bに配置された揺動部材68が露出するので、リンク部材62のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0100】
1つまたはそれ以上の実施形態において、センサカバー80の一方の端部の近傍は、ねじ84によってハウジング56に固定されている。センサカバー80の他方の端部の近傍は、別のねじ82によってハウジング56に固定されている。
【0101】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、センサカバー80をハウジング56に対して確実に固定することができる。
【0102】
1つまたはそれ以上の実施形態において、センサカバー80の一方の端部は、ハウジング56の内側に差し込まれている。センサカバー80の他方の端部の近傍は、ねじ82によってハウジング56に固定されている。
【0103】
上記の構成によれば、センサカバー80をハウジング56に対して固定するためのねじの個数を減らすことができる。グラインダ2の部品点数を低減することができる。
【0104】
1つまたはそれ以上の実施形態において、カバー検出機構60によって、ホイールカバー12が取り付けられていることが検出されない場合に、制御基板20が、モータ14の駆動を禁止する。
【0105】
上記の構成によれば、ホイールカバー12が取り付けられていない状態でグラインダ2が使用されてしまう事態を防止することができる。
【0106】
1つまたはそれ以上の実施形態において、グラインダ2に取り付けられる付属品は、ホイールカバー12である。
【0107】
上記の構成によれば、グラインダ2にホイールカバー12が取り付けられているか否かを、精度良く検出することができる。
【0108】
(実施例2)
図10に示すように、本実施例のグラインダ102は、実施例1のグラインダ2と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例のグラインダ102について、実施例1のグラインダ2と相違する点について説明する。
【0109】
本実施例のグラインダ102では、制御基板20は、モータハウジング4の内部において、モータ14よりも後方の上部に配置されている。
【0110】
本実施例のグラインダ102は、カバー検出機構60の代わりに、カバー検出機構104を備えている。カバー検出機構104は、リンク部材106と、センサ基板108を備えている。
【0111】
リンク部材106は、ベース部材110と、揺動部材112と、スライド部材114と、圧縮ばね116(図11参照)を備えている。ベース部材110は、カバー取付部58よりも後方で、ベアリングボックス10の下部に取り付けられている。ベース部材110は、前後方向に貫通する貫通孔110aを備えている。
【0112】
図11に示すように、揺動部材112は、揺動シャフト112aと、当接片112bと、押圧片112cを備えている。揺動部材112は、ベース部材110の貫通孔110aの内部に配置されている。揺動部材112は、左右方向に沿った揺動シャフト112a周りに揺動可能に、ベース部材110に支持されている。スライド部材114は、スライドバー114aと、押圧部114bと、ばね保持部114cと、検出部114dを備えている。スライドバー114aは、前後方向に沿って延びている。押圧部114bは、スライドバー114aの前端に設けられている。押圧部114bは、揺動部材112の押圧片112cに当接している。ばね保持部114cと検出部114dは、スライドバー114aの後端に設けられている。ばね保持部114cは、後方から圧縮ばね116の内部に挿入された後側突起114eと、前方から圧縮ばね116の内部に挿入された前側突起114fと、圧縮ばね116の前端と当接するばね受け壁114gを備えている。検出部114dには、永久磁石118(図13図15参照)が設けられている。
【0113】
センサ基板108は、スライド部材114の検出部114dの上方に配置されている。センサ基板108は、永久磁石118からの磁力を検出するホールセンサ120(図13図15参照)を備えている。
【0114】
図13図15に示すように、モータハウジング4の下側の外面には、スライド溝4aと、センサ収容室4bが形成されている。スライド溝4aと、センサ収容室4bは、周囲をリブ(図示せず)で囲われている。スライド溝4aは、モータハウジング4の内部(モータ収容室4e)とは連通していない。センサ収容室4bは、開口(図示せず)によってモータハウジング4の内部(モータ収容室4e)と連通している。センサ基板108は、センサ収容室4bの開口を閉塞するように、センサ収容室4bに収容されており、モータハウジング4にねじ(図示せず)によって固定されている。センサ基板108は、配線(図示せず)を介して、制御基板20に接続されている。配線は、開口を介して、センサ収容室4bからモータ収容室4eに取り回されている。
【0115】
図12図14に示すように、ギヤハウジング8の下部には、貫通孔8eが形成されている。リンク部材106のスライド部材114は、スライドバー114aがモータハウジング4のスライド溝4aに収容され、押圧部114bがギヤハウジング8の貫通孔8eを貫通しており、ばね保持部114cと検出部114dがセンサ収容室4bに収容されている。スライド部材114は、前後方向にスライド可能にハウジング56に保持されている。図13図15に示すように、スライド部材114がハウジング56に取り付けられた状態では、圧縮ばね116の後端は、モータハウジング4のセンサ収容室4bに形成されたばね受け壁4gに当接する。
【0116】
モータハウジング4のスライド溝4a、センサ収容室4bは、センサカバー122によって覆われている。センサカバー122は、前端をギヤハウジング8の内側に差し込んだ状態で、モータハウジング4にねじ(図示せず)によって固定されている。センサカバー122によって、スライド部材114、圧縮ばね116、センサ基板108は、外部から遮蔽されている。
【0117】
図12図13に示すように、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていない状態では、圧縮ばね116によってスライド部材114はハウジング56に対して前方に向けて付勢されている。この初期状態では、図13に示すように、検出部114dの永久磁石118は、センサ基板108のホールセンサ120よりも前方にオフセットした位置に配置される。本実施例では、この時のリンク部材106の位置を「第1の位置」とも呼ぶ。リンク部材106が第1の位置にある場合、制御基板20は、ホールセンサ120の検出信号に基づいて、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていないと判断する。例えば、制御基板20は、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていない場合に、モータ14の回転を禁止する。また、図12に示すように、揺動部材112は、押圧片112cがスライド部材114の押圧部114bに押圧されて前方に位置しており、当接片112bが前方に位置している。
【0118】
図14図15に示すように、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられると、ホイールカバー12の上端が揺動部材112の当接片112bに当接して、当接片112bが上方に向けて押し上げられる。これによって、揺動部材112が揺動して、押圧片112cが後方に向けて移動し、スライド部材114が圧縮ばね116の付勢力に抗して後方に向けてスライドする。この際、検出部114dの永久磁石118は、センサ基板108のホールセンサ120に近づくように移動し、次いでホールセンサ120の直下を前方から後方に通過し、次いでホールセンサ120から離れるように移動する。ホイールカバー12の取り付けが完了した状態では、図15に示すように、検出部114dの永久磁石118は、センサ基板108のホールセンサ120よりも後方にオフセットした位置に配置される。本実施例では、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられる過程で永久磁石118とホールセンサ120の間の距離が第1の位置よりも小さくなる時のリンク部材106の位置を「第2の位置」とも呼ぶ。第2の位置は、ホールセンサ120で検出される永久磁石118からの磁力が第1の位置よりも強くなる位置ともいえる。また、本実施例では、ホイールカバー12の取り付けが完了した時のリンク部材106の位置(図15に示す位置)を「第3の位置」とも呼ぶ。第3の位置は、永久磁石118とホールセンサ120の間の距離が第2の位置よりも大きくなる位置ともいえるし、ホールセンサ120で検出される永久磁石118からの磁力が第2の位置よりも弱くなる位置ともいえる。従って、ホイールカバー12をハウジング56に取り付ける場合、リンク部材106は、第1の位置(図13参照)から第2の位置(図示せず)を経て第3の位置(図15参照)まで移動する。リンク部材106が第3の位置にある場合、制御基板20は、ホールセンサ120の検出信号に基づいて、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられていると判断する。例えば、制御基板20は、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられている場合に、モータ14の回転を許容する。なお、ホイールカバー12をハウジング56から取り外すと、圧縮ばね116の付勢力によってスライド部材114が前方に移動するとともに、揺動部材112が揺動して、図12図13に示す初期状態に戻る。即ち、ホイールカバー12をハウジング56から取り外す場合、リンク部材106は、第3の位置(図15参照)から第2の位置(図示せず)を経て第1の位置(図13参照)まで移動する。
【0119】
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、グラインダ102(電動工具の例)は、モータ14と、モータ14を制御する制御基板20(制御装置の例)と、モータ14に接続されたベベルギヤ42(動力伝達機構の例)と、モータ14、制御基板20およびベベルギヤ42を収容するハウジング56と、ベベルギヤ42に接続されたスピンドル40(先端工具保持部の例)と、ハウジング56に着脱可能なホイールカバー12(付属品の例)と、ホイールカバー12が取り付けられているか否かを検出するカバー検出機構104(検出部の例)を備えている。カバー検出機構104は、ホイールカバー12の着脱に応じてハウジング56に対して移動するリンク部材106と、リンク部材106とハウジング56の一方(例えばリンク部材106)に対して位置が固定された永久磁石118(磁石の例)と、リンク部材106とハウジング56の他方(例えばハウジング56)に対して位置が固定されたホールセンサ120(磁気センサの例)を備えている。
【0120】
上記の構成によれば、ホイールカバー12がハウジング56に取り付けられているか否かを、永久磁石118とホールセンサ120を備える非接触式のカバー検出機構104によって検出するので、振動や衝撃に起因してカバー検出機構104が誤検知することを防止することができる。また、上記の構成によれば、永久磁石118が、リンク部材106とハウジング56の一方に対して位置が固定されており、ホールセンサ120が、リンク部材106とハウジング56の他方に対して位置が固定されている。リンク部材106はハウジング56に対して着脱されるものではないので、リンク部材106とハウジング56の間の相対的な位置関係にはバラツキが生じにくい。このため、上記のグラインダ102によれば、永久磁石118とホールセンサ120の相対的な位置関係にバラツキが生じることを抑制することができ、カバー検出機構104の検出精度を良好なものとすることができる。
【0121】
1つまたはそれ以上の実施形態において、永久磁石118は、リンク部材106に対して位置が固定されている。ホールセンサ120は、ハウジング56に対して位置が固定されている。
【0122】
仮に、永久磁石118がハウジング56に対して位置が固定されており、ホールセンサ120がリンク部材106に対して位置が固定されている構成とすると、リンク部材106がハウジング56に対して移動した時に、ホールセンサ120もハウジング56に対して移動してしまい、制御基板20とホールセンサ120を接続する配線が移動してしまう。上記の構成によれば、永久磁石118がリンク部材106に対して位置が固定されており、ホールセンサ120がハウジング56に対して位置が固定されているので、リンク部材106がハウジング56に対して移動した場合でも、ホールセンサ120がハウジング56に対して移動することがなく、制御基板20とホールセンサ120を接続する配線が移動してしまうことがない。
【0123】
1つまたはそれ以上の実施形態において、リンク部材106は、ホイールカバー12の着脱に応じてハウジング56に対して揺動する揺動部材112と、揺動部材112の揺動に応じてハウジング56に対してスライドするスライド部材114を備えている。
【0124】
グラインダ102では、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置は、スピンドル40の近傍に配置されている。スピンドル40の近傍は、ワークの加工により生じる粉塵の影響を受けやすい位置である。このため、ホールセンサ120や永久磁石118が、ホイールカバー12の取付位置の近傍に配置されていると、ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、カバー検出機構104による検出精度が低下するおそれがある。上記の構成によれば、リンク部材106が、揺動部材112と、スライド部材114を備えているので、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置から離れた箇所にホールセンサ120や永久磁石118を配置することができる。ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、カバー検出機構104による検出精度が低下することを抑制することができる。
【0125】
1つまたはそれ以上の実施形態において、スライド部材114は、ハウジング56に対してグラインダ102の長手方向に沿って移動可能である。
【0126】
上記の構成によれば、ホールセンサ120や永久磁石118を、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置から、より離れた箇所に配置することができる。
【0127】
1つまたはそれ以上の実施形態において、リンク部材106は、スライド部材114を付勢する圧縮ばね116(付勢部材の例)をさらに備えている。
【0128】
上記の構成によれば、ホイールカバー12の取り付けに応じてリンク部材106が移動した後に、ホイールカバー12の取り外しに応じてリンク部材106を初期の状態に自動的に復帰させることができる。
【0129】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータ14は、モータ収容室4eに収容されている。永久磁石118およびホールセンサ120は、モータ収容室4eとは別個に形成されたセンサ収容室4bに収容されている。
【0130】
グラインダ102の使用時には、モータ収容室4eに、モータ14を冷却するための冷却風が流れる。冷却風には、粉塵が含まれていることがあり、仮にモータ収容室4eに永久磁石118やホールセンサ120が収容されていると、粉塵の影響によってカバー検出機構104の検出精度が低下するおそれがある。上記の構成によれば、永久磁石118およびホールセンサ120が、モータ収容室4eとは別個に形成されたセンサ収容室4bに収容されているので、モータ収容室4eを流れる冷却風に粉塵が含まれていても、粉塵の影響によってカバー検出機構104の検出精度が低下することを抑制することができる。
【0131】
1つまたはそれ以上の実施形態において、センサ収容室4bは、ハウジング56の外面に設けられている。
【0132】
上記の構成によれば、ハウジング56の内部にセンサ収容室4bを設ける必要が無いので、ハウジング56の内部の省スペース化を図ることができる。
【0133】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ホールセンサ120は、グラインダ102の長手方向に関して、モータ14から見てベベルギヤ42とは反対側に配置されている。
【0134】
グラインダ102の長手方向に関して、モータ14から見てベベルギヤ42とは反対側の箇所は、モータ14から見てベベルギヤ42が配置されている側に比べて、空いているスペースが多い。上記の構成によれば、グラインダ102の長手方向に関して、モータ14から見てベベルギヤ42とは反対側の箇所のスペースを有効に活用することができる。
【0135】
1つまたはそれ以上の実施形態において、グラインダ102は、交流電源に接続可能な電源コード28と、電源コード28から供給される交流電力を直流電力に変換する電源回路20aをさらに備えている。
【0136】
交流電源からの交流電力を利用するグラインダ102では、電源回路20aによって交流電力を直流電力に変換して、制御基板20のマイコンやセンサ類に直流電力を供給する。一般的に、磁気センサではない他の種類の非接触式センサ(例えばフォトカプラ、フォトインタラプタ等)は、磁気センサに比べて、大きな直流電力を必要とする。このため、カバー検出機構104において、磁気センサではない他の種類の非接触式センサを使用する場合、電源回路20aとして大型のものを使用する必要がある。上記の構成によれば、カバー検出機構104において磁気センサであるホールセンサ120を使用しており、ホールセンサ120はそれほど大きな直流電力を必要としないので、電源回路20aを小型化することができる。また、交流電源からの交流電力を利用するグラインダ102では、ホイールカバー12の取付位置の近傍に配置された金属部品(例えばギヤハウジング8やベアリングボックス10)と、電源回路20aとホールセンサ120を接続する配線の間での絶縁を確保する必要がある。上記の構成によれば、ホールセンサ120をホイールカバー12の取付位置から離れた位置に配置することができるので、ホイールカバー12の取付位置の近傍の金属部品(例えばギヤハウジング8やベアリングボックス10)と、電源回路20aとホールセンサ120を接続する配線の間での絶縁を確保することができる。
【0137】
1つまたはそれ以上の実施形態においては、ハウジング56の外面に、スライド溝4aと、スライド溝4aに連通するセンサ収容室4bが設けられている。リンク部材106は、スライド溝4aからセンサ収容室4bにわたって配置されており、ハウジング56に対してスライドするスライド部材114を備えている。永久磁石118は、スライド部材114に対して位置が固定されている。ホールセンサ120は、センサ収容室4bに配置されている。グラインダ102は、スライド溝4aとセンサ収容室4bを覆うセンサカバー122をさらに備えている。
【0138】
上記の構成によれば、スライド部材114や、永久磁石118、ホールセンサ120が、ハウジング56の外部に配置されるので、ハウジング56の内部の省スペース化を図ることができる。また、上記の構成によれば、ハウジング56に対するホイールカバー12の取付位置から離れた箇所にホールセンサ120や永久磁石118を配置することができるので、ワークの加工により生じる粉塵の影響によって、カバー検出機構104による検出精度が低下することを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、スライド部材114や、永久磁石118、ホールセンサ120がセンサカバー122によって覆われるので、粉塵の影響によって、カバー検出機構104による検出精度が低下することを抑制することができる。
【0139】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハウジング56のセンサ収容室4bに、ばね受け壁4g(第1のばね受け壁の例)が設けられている。スライド部材114は、ばね受け壁114g(第2のばね受け壁の例)を備えている。リンク部材106は、ばね受け壁4gに一端が当接し、ばね受け壁114gに他端が当接する圧縮ばね116をさらに備えている。
【0140】
上記の構成によれば、ホイールカバー12の取り付け(又は取り外し)に応じてスライド部材114が移動した後に、ホイールカバー12の取り外し(又は取り付け)に応じてスライド部材114を初期の状態に自動的に復帰させることができる。
【0141】
1つまたはそれ以上の実施形態において、リンク部材106は、ハウジング56の外面に固定されたベース部材110と、ホイールカバー12の着脱に応じてベース部材110に対して揺動する揺動部材112をさらに備えている。スライド部材114は、揺動部材112の揺動に応じてハウジング56に対してスライドする。
【0142】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ホイールカバー12の着脱に応じてスライド部材114をハウジング56に対してスライドさせることができる。
【0143】
1つまたはそれ以上の実施形態において、センサカバー122の一方の端部は、ハウジング56の内側に差し込まれている。センサカバー122の他方の端部の近傍は、ねじによってハウジング56に固定されている。
【0144】
上記の構成によれば、センサカバー122をハウジング56に対して固定するためのねじの個数を減らすことができる。グラインダ102の部品点数を低減することができる。
【0145】
1つまたはそれ以上の実施形態において、カバー検出機構104によって、ホイールカバー12が取り付けられていることが検出されない場合に、制御基板20は、モータ14の駆動を禁止する。
【0146】
上記の構成によれば、ホイールカバー12が取り付けられていない状態でグラインダ102が使用されてしまう事態を防止することができる。
【0147】
1つまたはそれ以上の実施形態において、グラインダ102に取り付けられる付属品は、ホイールカバー12である。
【0148】
上記の構成によれば、グラインダ102にホイールカバー12が取り付けられているか否かを、精度良く検出することができる。
【0149】
(変形例)
上記の各実施例では、電動工具がグラインダ2、102であり、動力伝達機構がベベルギヤ42であり、先端工具保持部がスピンドル40であり、付属品がホイールカバー12である場合を例として説明したが、電動工具は他の種類の電動工具であってもよいし、動力伝達機構は他の種類の減速機構であってもよいし、先端工具保持部は他の種類の先端工具保持部であってもよいし、付属品は他の種類の付属品であってもよい。例えば、実施例1のカバー検出機構60や、実施例2のカバー検出機構104と同様の構成によって、付属品であるサイドハンドルがハンドル取付部8b、8cに取り付けられているか否かを検出するハンドル検出機構を実現してもよい。
【0150】
上記の各実施例において、センサ収容室4bは、ハウジング56の内部に設けられていてもよい。例えば、モータハウジング4の内部が、モータ14を収容するモータ収容室4eと、永久磁石74,118およびホールセンサ76,120を収容するセンサ収容室4bに区画されていてもよい。
【0151】
上記の各実施例において、ホールセンサ76,120は、グラインダ2,102の長手方向に関して、モータ14とオーバーラップする位置に配置されていてもよい。
【0152】
上記の各実施例において、電源回路20aは、制御基板20とは別個の基板に設けられていてもよい。
【0153】
上記の各実施例において、グラインダ2,102は、電源コード28を介して供給される交流電力により動作する代わりに、ハウジング56に対して着脱可能なバッテリパックから供給される直流電力により動作する構成としてもよい。
【0154】
上記の各実施例において、モータ14として、ブラシ付きモータの代わりに、ブラシレスモータを使用してもよい。
【0155】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0156】
2 :グラインダ
4 :モータハウジング
4a :スライド溝
4b :センサ収容室
4c :開口
4d :リブ
4e :モータ収容室
4f :ばね受け壁
4g :ばね受け壁
6 :ハンドルハウジング
6a :給気口
8 :ギヤハウジング
8a :排気口
8b :ハンドル取付部
8c :ハンドル取付部
8d :スライド溝
8e :貫通孔
10 :ベアリングボックス
12 :ホイールカバー
14 :モータ
16 :出力シャフト
18 :ベアリング
20 :制御基板
20a :電源回路
22 :ファン
23 :グリップ
24 :トリガーレバー
26 :ロックレバー
28 :電源コード
30 :スイッチユニット
32 :圧縮ばね
34 :ベアリング
36 :第1ベベルギヤ
38 :第2ベベルギヤ
40 :スピンドル
42 :ベベルギヤ
44 :ベアリング
46 :シャフトロック
48 :ベアリング
50 :インナフランジ
52 :アウタフランジ
54 :研削ホイール
56 :ハウジング
58 :カバー取付部
60 :カバー検出機構
62 :リンク部材
64 :センサ基板
64a :配線
65 :シール部材
66 :ベース部材
66a :貫通孔
66b :溝
68 :揺動部材
68a :揺動シャフト
68b :当接片
68c :係合片
68d :係合爪
68e :溝
70 :スライド部材
70a :スライドバー
70b :係合部
70c :ばね保持部
70d :検出部
70e :後側突起
70f :前側突起
70g :ばね受け壁
70h :軸部
70i :軸部
70j :開口
72 :圧縮ばね
74 :永久磁石
76 :ホールセンサ
78 :ねじ
80 :センサカバー
80a :磁気シールド部材
82 :ねじ
84 :ねじ
102 :グラインダ
104 :カバー検出機構
106 :リンク部材
108 :センサ基板
110 :ベース部材
110a :貫通孔
112 :揺動部材
112a :揺動シャフト
112b :当接片
112c :押圧片
114 :スライド部材
114a :スライドバー
114b :押圧部
114c :ばね保持部
114d :検出部
114e :後側突起
114f :前側突起
114g :ばね受け壁
116 :圧縮ばね
118 :永久磁石
120 :ホールセンサ
122 :センサカバー
図1
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図3
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図5
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