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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】防災行政情報配信システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/04 20060101AFI20240823BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240823BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20240823BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240823BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240823BHJP
【FI】
H04M11/04
G08B27/00 Z
H04M3/42 B
H04M1/00 K
G06Q50/26
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020098272
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2021192474
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】513034187
【氏名又は名称】株式会社J-WAVEi
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】勝又 教男
(72)【発明者】
【氏名】水野 啓太
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-038309(JP,A)
【文献】特開2018-128964(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1889778(CN,A)
【文献】特許第6661182(JP,B1)
【文献】特開2014-127864(JP,A)
【文献】特開2009-159502(JP,A)
【文献】特開2009-124596(JP,A)
【文献】国際公開第2009/063832(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101861726(CN,A)
【文献】特開2011-192037(JP,A)
【文献】特開2017-041777(JP,A)
【文献】特開2002-269656(JP,A)
【文献】特開2017-216597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
1/24- 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
99/00
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G08B23/00-31/00
G16Z99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災行政情報を配信する情報配信装置と、前記情報配信装置から配信される防災行政情報を受信して出力する情報受信端末とが通信回線を介して接続された防災行政情報配信システムであって、
前記情報配信装置は、
外部の装置から前記防災行政情報の配信先を指定するための配信先情報と防災行政無線放送の音声ファイルとを含んだ防災行政無線情報を受信する防災行政無線情報受信手段と、
前記防災行政無線情報に含まれる前記配信先情報に基づいて配信先とするユーザのグループを特定し、特定したグループに属するユーザを防災行政情報の配信先のユーザとして特定する配信先特定手段と、
前記配信先特定手段によって特定された配信先のユーザが所持する前記情報受信端末へ防災行政情報の配信通知を行うための情報を送信する通知情報送信手段とを備え、
前記情報受信端末は、
前記防災行政情報の配信通知を行うための情報を受信する通知情報受信手段と、
前記通知情報受信手段によって前記防災行政情報の配信通知を行うための情報が受信されたときに、ユーザに対して前記防災行政情報が配信されたことを通知する通知手段と、
前記情報配信装置にアクセスして防災行政無線放送の音声ファイルを取得する音声ファイル取得手段と、
前記音声ファイル取得手段によって取得された前記音声ファイルに基づいて、防災行政無線放送の音声を出力する音声出力手段とを備えることを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記配信先特定手段は、ユーザとユーザが所属するグループを関連付けた所属グループ管理情報を参照して、前記防災行政無線情報に含まれる前記配信先情報で指定されている配信先に一致するグループに所属するユーザを特定することにより、防災行政情報の配信先のユーザを特定することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記配信先特定手段は、前記防災行政無線情報に含まれる前記配信先情報で指定されている配信先の情報とユーザが所属するグループとの対応関係を示した対応表のデータを参照して、前記防災行政無線情報に含まれる前記配信先情報で指定されている配信先に対応するグループに所属するユーザを特定することにより、防災行政情報の配信先のユーザを特定することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記音声ファイル取得手段は、前記通知情報受信手段で前記防災行政情報の配信通知を受信したときに、前記情報配信装置から防災行政無線放送の音声ファイルを取得することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記音声ファイル取得手段は、防災行政情報が緊急情報の場合に、前記通知情報受信手段で前記防災行政情報の配信通知を受信したときに、前記情報配信装置から防災行政無線放送の音声ファイルを取得することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記音声ファイル取得手段は、防災行政情報の自動再生が指示されている場合に、前記通知情報受信手段で前記防災行政情報の配信通知を受信したときに、前記情報配信装置から防災行政無線放送の音声ファイルを取得することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記音声ファイル取得手段は、ユーザによって防災行政無線放送の音声の再生が指示されたときに前記情報配信装置から防災行政無線放送の音声ファイルを取得することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項8】
請求項~7のいずれか一項に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記音声ファイル取得手段は、前記通知情報受信手段によって前記防災行政情報の配信通知が受信されたときに前記情報配信装置から防災行政情報の音声ファイルの記録先を示す情報を含んだ音声配信リストのデータを取得し、取得した音声配信リストのデータに基づいて防災行政無線放送の音声ファイルの記録先を特定し、特定した記録先から音声ファイルを取得することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項9】
請求項8に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記音声ファイル取得手段は、前記音声配信リストのデータに複数の防災行政情報が含まれている場合には、優先度が高い情報から順番に音声ファイルを取得することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項10】
請求項~7のいずれか一項に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記防災行政情報の配信通知には防災行政無線放送の音声ファイルの記録先を示す情報が含まれており、
前記音声ファイル取得手段は、前記防災行政情報の配信通知に基づいて防災行政無線放送の音声ファイルの記録先を特定し、特定した記録先から音声ファイルを取得することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、前記防災行政無線情報に含まれる防災行政無線放送の音声ファイルをあらかじめ設定されたフォーマットの音声ファイルに変換してから記憶媒体に記録することを特徴とする防災行政情報配信システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の防災行政情報配信システムにおいて、
前記情報受信端末は、
ユーザから居住地域の指定を受け付ける居住地域指定受付手段と、
前記居住地域指定受付手段によって入力を受け付けた居住地域の情報を前記情報配信装置へ送信する居住地域情報送信手段をさらに備え、
前記情報配信装置は、
前記情報受信端末から受信した前記居住地域情報に基づいてユーザが所属するグループを特定する所属グループ特定手段をさらに備えることを特徴とする防災行政情報配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災行政情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような緊急情報伝達システムが知られている。この緊急情報伝達システムでは、防災センターからの防災情報を管轄地域内に予め配置した受信設備に配信するとともに、災害に係る緊急時には防災センターからの緊急の防災情報を電気通信事業者が提供する無線通信システムを介して、当該災害地域内に存する携帯無線端末機に対しても緊急の防災情報を伝達する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-36645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防災行政無線のように特定の地域に対して防災行政情報を放送する仕組みが存在している。この防災行政無線をスマートフォンなどの端末に宛てて配信するためには、防災行政無線が想定する地域など、配信対象とするグループを考慮して配信先を決定することが望まれるが、従来のシステムではこのための方法について何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による防災行政情報配信システムは、防災行政無線の情報を配信する情報配信装置と、情報配信装置から配信される防災行政無線の情報を受信して出力する情報受信端末とが通信回線を介して接続された防災行政情報配信システムであって、情報配信装置は、外部の装置から防災行政情報の配信先を指定するための配信先情報と防災行政無線放送の音声ファイルとを含んだ防災行政無線情報を受信する防災行政無線情報受信手段と、防災行政無線情報に含まれる配信先情報に基づいて配信先とするユーザのグループを特定し、特定したグループに属するユーザを防災行政情報の配信先のユーザとして特定する配信先特定手段と、配信先特定手段によって特定された配信先のユーザが所持する情報受信端末へ防災行政情報の配信通知を行うための情報を送信する通知情報送信手段とを備え、情報受信端末は、防災行政情報の配信通知を行うための情報を受信する通知情報受信手段と、通知情報受信手段によって防災行政情報の配信通知を行うための情報が受信されたときに、ユーザに対して防災行政情報が配信されたことを通知する通知手段と、情報配信装置にアクセスして防災行政無線放送の音声ファイルを取得する音声ファイル取得手段と、音声ファイル取得手段によって取得された音声ファイルに基づいて、防災行政無線放送の音声を出力する音声出力手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配信先とするユーザのグループを特定し、特定したグループに属するユーザを防災行政情報の配信先のユーザとして特定するようにしたので、防災無線情報が配信先として想定しているグループのユーザを防災行政情報の配信先とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】防災行政情報配信システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】情報配信装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図3】情報受信端末200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4】情報配信装置100に記録されるテーブルの例を示す図である。
図5】音声の再生画面の具体例を示す図である。
図6】情報配信装置100で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図7】情報受信端末200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図8】地域の階層構造の例を模式的に表した図である。
図9】行政区グループ管理テーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態における防災行政情報配信システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。防災行政情報配信システム10は、防災行政無線の情報を配信する情報配信装置100と、情報配信装置100から配信される防災行政無線の情報を受信して出力する情報受信端末200とが通信回線、例えばインターネットや携帯電話通信網などを介して接続される。本実施の形態では、防災行政無線を通じて配信される情報は、自治体職員により発話された発信情報やJアラートからの発信情報や消防指令システムからの発信情報など、広く住民に周知する必要がある防災や行政に関する情報が含まれる。本実施の形態では、これらの発信情報は、外部の防災サーバ300へ入力され、該防災サーバ300を介して情報配信装置100へ送信されるものとする。なお、防災サーバ300は、屋外子局に向けた発信情報や国から発信されたJアラート等、または消防署が指令システムから発信する情報等を一括して管理制御するための公知の装置であり、防災行政無線メーカーが管理を行うものである。
【0009】
情報配信装置100は、防災サーバ300からインターネットなどの通信回線を介して受信した防災行政無線情報を情報受信端末200へ配信するための処理を実行する装置であって、例えば、パソコンやサーバ装置が用いられる。図2は、本実施の形態における情報配信装置100として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報配信装置100は、接続インターフェース101と、制御装置102と、記憶媒体103とを備えている。
【0010】
接続インターフェース101は、情報配信装置100をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、情報配信装置100は、この接続インターフェース101を介して情報受信端末200や防災サーバ300と通信する。
【0011】
制御装置102は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報配信装置100の全体を制御する。なお、制御装置102を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース101を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0012】
記憶媒体103は、情報配信装置100が蓄える種々のデータや、制御装置102が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体103に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体103にインストールすることによって、制御装置102がプログラムを実行できるようになる。
【0013】
情報受信端末200は、情報配信装置100から配信される防災行政無線の情報を受信して出力することにより、防災行政情報を情報受信端末200の所有者に通知するための端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末、またはパソコンなどが用いられる。図3は、本実施の形態における情報受信端末200として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0014】
情報受信端末200は、タッチパネル201と、通信モジュール202と、制御装置203と、スピーカー204とを備えている。
【0015】
タッチパネル201は、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、情報受信端末200の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、情報受信端末200を操作することができる。タッチパネル201は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置203へ出力する。
【0016】
通信モジュール202は、無線または有線により情報配信装置100と通信するための通信用モジュールを含む。
【0017】
制御装置203は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報受信端末200の全体を制御する。なお、制御装置203を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、情報受信端末200を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
【0018】
スピーカー204は、音声を出力するための出力装置である。
【0019】
本実施の形態における防災行政情報配信システム10では、防災サーバ300から送信される防災行政無線の情報を情報配信装置100で受信し、情報配信装置100から情報受信端末200へ防災行政情報を配信する。本実施の形態では、防災サーバ300から送信される防災行政無線の情報は、防災放送の音声ファイルのデータと防災行政情報に関するメタデータとを含んでいる。防災放送の音声ファイルのデータは、上述したように、自治体職員による発話内容を録音した音声のデータや合成音声の音声データやJアラートまたは消防指令システムから発信された音声のデータなどを想定する。また、メタデータに含まれる情報は特に限定されないが、本実施の形態では、防災行政情報の配信先を指定するための配信先情報が含まれるものとする。防災行政情報の配信先を指定するための情報については後述する。
【0020】
本実施の形態では、情報受信端末200のユーザは、あらかじめ防災行政情報配信システム10を利用するためのソフトウェア、例えば防災行政情報配信システム用アプリを情報受信端末200にインストールすることにより情報配信装置100から防災行政無線情報を受信することができる。ユーザは、防災行政情報配信システム用アプリをインストールした後に、防災行政情報配信システム用アプリを利用するための設定を行う。
【0021】
防災行政情報配信システム用アプリを利用するための設定の方法について説明する。制御装置203は、ユーザによって防災行政情報配信システム用アプリの起動が指示されると、タッチパネル201に防災行政情報配信システム10にログインするためのログイン画面を表示する。本実施の形態では、メールアドレスとパスワードを入力してログインするものとし、登録済みのユーザは、ログイン画面上で登録済みのメールアドレスとパスワードを入力すれば防災行政情報配信システム用アプリを利用することができる。なお、メールアドレスとパスワードを用いたログインの方法は公知のため説明を省略するが、ユーザを認証するための認証処理は情報配信装置100で行ってもよいし情報受信端末200で行ってもよい。
【0022】
一方、未登録のユーザは、新規登録用の画面を表示させてログイン用のメールアドレスとパスワードとを含んだログイン情報を入力する。制御装置203は、ユーザからログイン用のメールアドレスとパスワードの入力を受け付けると、ユーザが所属するグループを決定するための情報の入力を促す。本実施の形態では、ユーザは居住地域に基づいてグループ分けされるものとし、制御装置203は、タッチパネル201に居住地域の指定画面を表示してユーザに居住地域の指定を促す。居住地域は、例えば、地域、校区、行政区などを選択することにより指定が可能になっている。
【0023】
本実施の形態では、制御装置203は、さらにユーザに名前、ニックネーム、年齢などの登録を促してこれらの入力を受け付ける。そして、制御装置203は、ユーザによって入力されたログイン情報、居住地域に基づくグループ情報、名前やニックネームや年齢などのユーザ情報を含んだ登録用情報を情報配信装置100へ送信する。なお、ニックネームや年齢の登録はユーザの任意としてもよい。
【0024】
情報配信装置100では、制御装置102は、情報受信端末200から受信した登録用情報を記憶媒体103へ記録する。これによって情報受信端末200に登録用情報が登録される。なお、登録用情報に含まれるログイン情報、グループ情報、ユーザ情報の各情報は、ユーザが防災行政情報配信システム用アプリ上で任意に変更することができるようにしてもよい。
【0025】
本実施の形態では、登録用情報のうち、グループ情報とユーザ情報は、図4に示すようなテーブルに格納されて記録されるものとする。以下、図4を用いてグループ情報とユーザ情報の記録例について説明する。
【0026】
ユーザは、ユーザを一意に特定するためのユーザIDによって管理される。制御装置102は、情報受信端末200から登録用情報を受信すると、ユーザに対してユーザIDを発行して、例えば図4(A)に示すユーザ管理テーブルに登録する。図4(A)は、ユーザIDとユーザの名前とユーザが所属するグループを示すグループIDとを関連付けて管理するテーブルの例を示している。図4(A)では、グループIDは、ユーザが指定した地域を示す地域IDと、ユーザが指定した校区を示す校区IDと、ユーザが指定した行政区を示す行政区IDとを含んでいる。なお、ユーザ情報にニックネームや年齢を含める場合は、ユーザ管理テーブルにニックネームや年齢の情報を追加してもよい。
【0027】
図4(A)に示す地域IDや校区IDや行政区IDなどのグループIDは、図4(D)に示すグループ管理テーブルを用いて管理される。このグループ管理テーブルは、記憶媒体103にあらかじめ記録されている。図4(D)に示すグループ管理テーブルでは、グループIDごとにグループ名が関連付けて記録されている。図4(D)に示すグループ管理テーブルを参照すると、図4(A)に登録されているユーザIDが1のユーザは、地域がBB地域、校区がDD校区、行政区がFF南1-1の各グループに属していることがわかる。
【0028】
また、本実施の形態では、図4(B)に示す所属グループ管理テーブルを用いて、ユーザIDと所属するグループIDを関連付けている。ユーザは、上述した居住地域に基づくグループの他に、利用登録後に任意にグループを作成したり、作成済みのグループに参加したりすることができる。任意に作成されるグループは、例えば、警察や農業協同組合などの公的なグループや、家族や婦人会などの私的なグループなどが考えられる。図4(B)に示す所属グループ管理テーブルは、ユーザIDに対してグループIDを付して管理している。図4(B)に示す例では、ユーザIDが1のユーザは、グループIDが1、1000、5000、50000の各グループ、すなわちAA市、FF南1-1、JAGG、町内サッカークラブに属していることを示している。
【0029】
また、図4(C)に示す管理者管理テーブルを用いて各グループに対して管理権限を有するユーザを管理している。図4(C)に示す例では、ユーザIDが1のユーザは、グループIDが1000のグループ、すなわちFF南1-1のグループに対して管理権限を有していることを示している。
【0030】
以上の処理によって情報配信装置100に登録用情報が登録されると、ユーザは防災行政情報配信システム用アプリを用いて防災行政情報配信システム10を利用することが可能になる。本実施の形態では、情報配信装置100では、制御装置102は、防災サーバ300から防災行政無線情報を受信すると、メタデータに含まれる配信先情報に基づいて配信先とするグループを特定し、特定したグループに属しているユーザに宛てて防災行政情報を配信する。これによって、防災行政無線情報の配信先グループに所属しているユーザに宛てて防災行政情報を配信することができる。以下、情報配信装置100で実行される防災行政情報の配信処理について説明する。
【0031】
上述したように、防災サーバ300から送信される防災行政無線情報は、防災放送の音声ファイルのデータと防災行政情報に関するメタデータとを含んでいる。制御装置102は、防災サーバ300から受信した音声データをあらかじめ設定されたフォーマットの音声ファイルに変換することにより配信用の防災行政無線放送の音声ファイルを生成する。配信用の音声ファイルの形式は特に限定されないが、本実施の形態では、例えば、AAC LC(m4a)、モノラル、80kbps、44.1kHzの形式とし、ファイル名はyyyymmdd_hhmmss.m4aの形式で付されるものとする。制御装置102は、生成した配信用の音声ファイルを記憶媒体103に記録する。
【0032】
また、メタデータは、防災行政情報の配信先を指定するための配信先情報と、防災行政情報の放送日時を示すデータと、防災行政情報が緊急情報であるか否かを示す情報と、防災行政情報の情報源を示すデータと、防災放送の件名を示すデータと、防災放送の内容を示す文字データとを含んでいる。なお、防災放送の件名を示すデータと防災放送の内容を示す文字データはメタデータに含まれない場合もある。
【0033】
防災行政情報の配信先を指定するための配信先情報は、図4に示したグループIDを用いて指定される。図4に示した例では、例えば、AA市の全体を配信対象とする場合には1が指定されている。また、配信先情報は複数のグループIDが指定されることもあり、例えば、BB地域とCC地域を配信対象とする場合には10と11が指定され、DD校区とEE校区を配信対象とする場合には100と101が指定される。
【0034】
防災行政情報の放送日時を示すデータは、例えば2020年6月1日13時の場合は、「2020-06-01 13:00:00」のように指定される。
【0035】
防災行政情報が緊急情報であるか否かを示す情報は、緊急時の防災行政情報の場合は「TRUE」、緊急時以外の防災行政情報の場合は「FALSE」が指定される。
【0036】
防災行政情報の情報源を示すデータは、防災行政情報の情報源が何であるかを示す情報が指定される。例えば、防災行政情報の情報源がJアラートの場合には「Jアラート」が、防災行政情報の情報源が消防の場合には「消防」が、防災行政情報の情報源が市役所の場合には「市役所」が指定される。
【0037】
防災放送の件名を示すデータは、防災行政情報が件名を含んでいる場合に指定され、例えば「国民保護情報」のような件名が指定される。
【0038】
防災放送の内容を示す文字データは、音声放送の内容を文字で表示するための情報として音声放送の内容を示すテキストデータが指定される。例えば、「2019年12月04日11時00分(改行)これは、Jアラートのテストです。(改行)対象地域:(改行)全土区域」のような文字列データが指定される。なお(改行)はこの位置で改行することを意味し、実際にはあらかじめ定義された改行コードで表される。なお、本実施の形態では、防災放送の内容を示す文字データには、該データを一意に特定するためのメッセージIDが付与されて記憶媒体103に記録される。
【0039】
情報配信装置100の制御装置102は、図4(B)に示した所属グループ管理テーブルを参照して、メタデータに含まれる配信先情報で指定されているグループと一致するグループに所属するユーザを特定し、特定したユーザに対して防災行政情報の配信通知を行う。防災行政情報の配信通知は、例えば情報受信端末200へのプッシュ通知により行う。プッシュ通知の方法は公知の技術ため説明を省略するが、例えば、制御装置102は、外部のプッシュ通知用サーバへ情報受信端末200へのプッシュ通知のために必要なプッシュ通知用情報を送信することにより、プッシュ通知用サーバを介して行う方法などが考えられる。
【0040】
配信対象のユーザの情報受信端末200では、制御装置203は、プッシュ通知を受信すると、それをトリガにして情報配信装置100から音声配信リストのデータを取得する。本実施の形態では、制御装置203は、プッシュ通知を受信すると情報配信装置100へ音声配信リストのデータを取得するための問い合わせを行う。
【0041】
情報配信装置100の制御装置102は、情報受信端末200から音声配信リストのデータを取得するための問い合わせを受け付けると、情報受信端末200のユーザを特定し、防災サーバ300から受信した防災行政無線情報に基づいて音声配信リストを作成する。本実施の形態では、音声配信リストは、防災行政情報のメッセージIDと、防災行政情報の件名と、防災行政情報の優先度と、配信日時と、配信用の防災行政無線放送の音声ファイルのURLの各情報を含んでいる。なお、配信用の音声ファイルは上述したように記憶媒体103に記録されているため、制御装置102は、情報受信端末200から通信回線を介して配信用の音声ファイルにアクセスすることができるURLを配信用の音声ファイルのURLとして音声配信リストに含めればよい。ここで、配信対象の防災行政情報が複数件ある場合は、上記の情報を配信対象の件数分含んだ音声配信リストのデータが作成される。
【0042】
制御装置203は、情報配信装置100から音声配信リストのデータを取得すると、取得したデータをメモリに記録するとともに、音声配信リストに基づいて防災行政情報の自動再生を行うことにより防災行政情報が配信されたことをユーザに通知する。
【0043】
ここで制御装置203による防災行政情報の自動再生処理について説明する。本実施の形態では、制御装置203は、タッチパネル201上に防災行政情報の自動再生画面を表示する。そして、制御装置203は、メモリに記録した音声配信リストのデータに配信対象とする防災行政情報が1件分含まれている場合は、そのデータの配信用の音声ファイルのURLにアクセスして配信用の防災行政無線放送の音声ファイルをダウンロードする。そして、制御装置203は、タッチパネル201上に表示した自動再生画面上に防災行政情報の件名などの情報を表示するとともに、ダウンロードした音声ファイルに基づいて防災放送の音声をスピーカー204から出力する。これによって、ユーザは、防災行政無線放送の音声を聞くことができる。
【0044】
また、制御装置203は、メモリに記録した音声配信リストのデータに配信対象とする防災行政情報が複数件分含まれている場合は、優先度が高い情報から順番に防災行政無線放送の音声の再生を行う。優先度は、緊急情報か否かや配信対象とするグループに基づいて設定されるものとし、本実施の形態では、例えば、緊急情報が最も優先度が高く、配信対象地域が市、配信対象地域が地域、配信対象地域が校区、配信対象地域が行政区、配信対象が公的なグループの順に優先度が低くなるように設定されている。
【0045】
制御装置203は、未再生の防災行政無線放送の音声ファイルのうち最も優先度が高いもののURLにアクセスして配信用の防災行政無線放送の音声ファイルをダウンロードし、タッチパネル201上に表示した自動再生画面上に防災行政情報の件名などの情報を表示するとともに、ダウンロードした音声ファイルに基づいて防災放送の音声をスピーカー204から出力する。制御装置203は、再生を行った防災行政無線放送の音声に対しては再生したことを示す情報をメモリに記録し、続けて未再生の防災行政無線放送の音声ファイルのうち最も優先度が高いものに対して上記と同様の再生処理を行う。これを未再生の防災行政無線放送の音声ファイルがなくなるまで繰り返す。これによって、再生対象の防災行政無線放送が複数ある場合には、ユーザは優先度が高いものから順番に防災行政無線放送の音声を聞くことができる。
【0046】
制御装置203は、全ての防災行政無線放送の音声の再生を完了した場合には、タッチパネル201上に表示した自動再生画面を閉じる。
【0047】
図5は、本実施の形態における音声の自動再生画面の例を示す図である。図5に示すように、自動再生画面では、音声の再生時間の情報5aや防災行政情報の件名5bなどの情報とともに、防災放送の内容を示す文字データ5cが表示される。これによって、ユーザは、再生中の音声を聞きながら文字でも防災放送の内容を確認することができる。なお、防災放送の内容を示す文字データは、上述したようにメッセージIDによって特定可能であるため、制御装置203は、音声配信リストのデータに含まれるメッセージIDに基づいて情報配信装置100から防災放送の内容を示す文字データを取得して表示すればよい。
【0048】
図6は、本実施の形態における情報配信装置100で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図6に示す処理は、防災サーバ300から防災行政無線情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、図6において、上述した登録用情報はあらかじめ記憶媒体103に記録されているものとし、図4に示したユーザ管理テーブル、所属グループ管理テーブル、管理者管理テーブル、およびグループ管理テーブルについてもあらかじめデータが登録されているものとする。
する。
【0049】
ステップS10において、制御装置102は、防災サーバ300から防災行政無線情報を受信すると、メタデータに含まれる配信先情報に基づいて配信先とするグループを特定する。その後、ステップS20へ進む。
【0050】
ステップS20では、制御装置102は、上述したように防災サーバ300から受信した音声データをあらかじめ設定されたフォーマットの音声ファイルに変換することにより配信用の防災行政無線放送の音声ファイルを生成する。そして、制御装置102は、生成した配信用の音声ファイルを記憶媒体103に記録する。その後、ステップS30へ進む。
【0051】
ステップS30では、制御装置102は、上述したように、ステップS10で特定した配信先のユーザに宛てて防災行政情報の配信通知を行うために、外部のプッシュ通知用サーバへプッシュ通知用情報を送信する。その後、処理を終了する。
【0052】
図7は、本実施の形態における情報受信端末200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、外部のプッシュ通知用サーバを介して情報配信装置100からプッシュ通知を受信すると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。なお、図7においては、上述した防災行政情報配信システム用アプリを利用するための設定は事前に行われているものとする。
【0053】
ステップS110において、制御装置203は、情報配信装置100から上述した音声配信リストのデータを取得してメモリに記録する。その後、ステップS120へ進む。
【0054】
ステップS120では、制御装置203は、タッチパネル201上に防災行政情報の自動再生画面を表示する。その後、ステップS130へ進む。
【0055】
ステップS130では、制御装置203は、メモリに記録した音声配信リストのデータに基づいて、未再生の音声のうち優先度が最も高い防災行政情報を対象として、その音声ファイルのURLにアクセスして配信用の防災行政無線放送の音声ファイルをダウンロードして取得する。その後、ステップS140へ進む。
【0056】
ステップS140では、制御装置203は、タッチパネル201上に表示した自動再生画面上に防災行政情報の件名などの情報を表示するとともに、ダウンロードした音声ファイルを再生して防災放送の音声をスピーカー204から出力する。その後、ステップS150へ進む。
【0057】
ステップS150では、制御装置203は、上述したように、再生を行った防災行政無線放送の音声に対しては再生したことを示す情報をメモリに記録して再生済みに設定する。その後、ステップS160へ進む。
【0058】
ステップS160では、制御装置203は、音声配信リストに未再生の音声ファイルの情報があるか否かを判断する。ステップS160で肯定判断した場合には、ステップS130へ戻り、未再生の防災行政無線放送の音声ファイルのうち最も優先度が高いものを対象としてステップS130からステップS150の処理を繰り返す。これに対して、ステップS160で否定判断した場合には、ステップS170へ進む。
【0059】
ステップS170では、制御装置203は、タッチパネル201上に表示した自動再生画面を閉じる。その後、処理を終了する。
【0060】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)情報配信装置100では、制御装置102は、外部の装置である防災サーバ300から防災行政情報の配信先を指定するための配信先情報と防災行政無線放送の音声ファイルとを含んだ防災行政無線情報を受信し、防災行政無線情報に含まれる配信先情報に基づいて、配信先とするユーザのグループを特定し、特定したグループに属するユーザを防災行政情報の配信先のユーザとして特定し、特定した配信先のユーザが所持する情報受信端末200へ防災行政情報の配信通知を行うための情報を送信するようにした。情報受信端末200では、制御装置203は、防災行政情報の配信通知を行うための情報を受信すると、ユーザに対して防災行政情報が配信されたことを通知するようにした。これによって、防災無線情報が配信先として想定しているグループのユーザに宛てて防災行政情報を配信することができる。
【0061】
(2)情報配信装置100では、制御装置102は、ユーザとユーザが所属するグループを関連付けた所属グループ管理情報を参照して、防災行政無線情報に含まれる配信先情報で指定されている配信先に一致するグループに所属するユーザを特定することにより、防災行政情報の配信先のユーザを特定するようにした。これによって、所属グループ管理情報を参照して容易に配信先とするユーザを特定することができる。
【0062】
(3)情報受信端末200では、制御装置203は、防災行政情報の配信通知を受信したときに、情報配信装置100から防災行政無線放送の音声ファイルを取得し、取得した音声ファイルに基づいて、防災行政無線放送の音声を出力するようにした。これによって、情報配信装置100から防災行政情報の配信通知を受信すると、防災行政無線放送の音声を自動的に再生することができる。
【0063】
(4)制御装置203は、防災行政情報の配信通知を受信したときに情報配信装置100から防災行政情報ごとの音声ファイルの記録先を示す情報を含んだ音声配信リストのデータを取得し、取得した音声配信リストのデータに基づいて防災行政無線放送の音声ファイルの記録先を特定し、特定した記録先から音声ファイルを取得するようにした。これによって、音声配信リストに基づいて取得対象の音声データを特定することができる。
【0064】
(5)制御装置203は、音声配信リストのデータに複数の防災行政情報が含まれている場合には、優先度が高い情報から順番に音声ファイルを取得するようにした。これによって、優先度が高い情報から順番に音声ファイルを再生することができる。
【0065】
(6)情報受信端末200では、制御装置203は、ユーザから居住地域の指定を受け付け、入力を受け付けた居住地域の情報を情報配信装置100へ送信するようにした。また、情報配信装置100では、制御装置102は、情報受信端末200から受信した居住地域情報に基づいてユーザが所属するグループを特定して所属グループ管理テーブルに記録するようにした。これによって、ユーザを居住地域に基づいてグループ分けすることができ、特定の地域に宛てて配信された防災行政無線放送に基づく防災行政情報を、該当する地域のユーザに配信することができる。
【0066】
(7)情報配信装置100では、制御装置102は、防災行政無線情報に含まれる防災行政無線放送の音声ファイルをあらかじめ設定されたフォーマットの音声ファイルに変換してから記憶媒体103に記録するようにした。これによって、防災サーバ300から配信される音声ファイルを情報受信端末200で再生可能なフォーマットに変換してから配信することができる。
【0067】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の防災行政情報配信システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、防災放送の音声は配信対象のユーザの情報受信端末200上で自動再生されるようになっており、制御装置203は、プッシュ通知を受信すると情報配信装置100から音声配信リストを取得して防災放送の音声をスピーカー204から出力する例について説明した。しかしながら、防災放送の音声はユーザからの指示に基づいて再生するようにしてもよい。この場合、制御装置203は、ユーザによって防災放送の再生が指示されたときに情報配信装置100から音声配信リストを取得して防災放送の音声をスピーカー204から出力するようにすればよい。あるいは、制御装置203は、防災行政情報が緊急情報の場合に防災放送の音声を自動再生し、それ以外の場合はユーザから指示を受けてから再生するようにしてもよい。あるいは、プッシュ通知の際に送信する情報に音声の自動再生を指示するための情報を含めておき、制御装置203は、プッシュ通知の情報に音声の自動再生を指示するための情報が含まれているときに防災放送の音声を自動再生し、それ以外の場合はユーザから指示を受けてから再生するようにしてもよい。
【0068】
(2)上述した実施の形態では、防災放送の音声を自動再生するときに、図5に示した再生画面を表示する例について説明した。ここで、図5に示した再生画面は、ユーザが表示を指示できるようにしてもよい。例えば、ユーザは、タッチパネル201を操作して防災行政情報配信システム用アプリの画面上で再生画面の表示を指示できるようにし、制御装置203は、ユーザによって再生画面の表示が指示されたときに、タッチパネル201上に図5に示した再生画面を表示すればよい。この場合、ユーザは、図5に示した再生時間を表示したエリア5aにタッチすることにより、音声ファイルの再生を指示できるようにしてもよい。
【0069】
(3)上述した実施の形態において、情報受信端末200の制御装置203は、図5に示した再生画面を表示して音声ファイルを自動再生した場合には、情報配信装置100へユーザIDと再生対象のメッセージIDとを含んだ既読情報を送信するようにしてもよい。この場合、情報配信装置100の記憶媒体103には、例えば、ユーザIDとメッセージIDと既読フラグとを関連付けた既読管理テーブルが記録されており。制御装置102は、情報受信端末200から既読情報を受信した場合には、既読テーブルの既読フラグを、未読を示す情報から既読を示す情報に変更して更新するようにしてもよい。これによって、情報配信装置100においてユーザによる防災行政情報の既読と未読を管理することができる。
【0070】
(4)上述した実施の形態では、ユーザは居住地域に基づいてグループ分けされるものとし、居住地域は、例えば、地域、校区、行政区などが選択可能な例について説明した。しかしながらグループ分けの方法はこれに限定されない。例えば、自治体で地区や常会という呼び方を行っている場合は、地区や常会を選択できるようにしてもよい。また、市外に住むユーザも登録できるように「市外」というグループを設けてもよい。
【0071】
(5)上述した実施の形態では、情報配信装置100の制御装置102は、配信先ユーザの情報受信端末200へプッシュ通知を行うことにより配信通知を行う例について説明した。しかしながら、制御装置102は、あらかじめ登録されている配信先ユーザのメールアドレスに宛てて、配信用の防災行政無線放送の音声ファイルのURLが記載されたメールを送信することにより配信通知を行うようにしてもよい。この場合、配信通知を受けたユーザは、メール本文に記載されたURLにアクセスすることにより、音声ファイルを聞くことができる。これにより、プッシュ通知に対応していない情報受信端末200でも防災行政情報配信システム10を利用することができる。なお、制御装置102は、ユーザ端末200に宛ててプッシュ通知を行うかメール送信を行うかは、情報受信端末200がプッシュ通知に対応した機種であるか否かに応じて自動的に判定してもよい。
【0072】
(6)上述した実施の形態では、防災行政情報配信システム用アプリをインストールした情報受信端末200上で防災行政無線の音声を聞くことに加えて、パソコンやガラケーと呼ばれるフィーチャーフォンから防災行政情報配信を配信するウェブサイトにアクセスして防災行政音声を聞くことができるようにしてもよい。
【0073】
(7)上述した実施の形態では、情報配信装置100の制御装置102は、防災サーバ300から受信した音声データをあらかじめ設定されたフォーマットの音声ファイルに変換することにより配信用の防災行政無線放送の音声ファイルを生成する例について説明した。このとき、制御装置102は、防災サーバ300から受信した音声データの先頭に、音声データの再生をユーザに通知するための通知音、例えばチャイム音を付加して配信用の防災行政無線放送の音声ファイルを生成するようにしてもよい。これによって、情報受信端末200での再生時に、防災行政情報の前に通知音を鳴らして再生の開始をユーザに通知することができる。あるいは、情報配信装置100の制御装置102では通知音を付加せずに、情報受信端末200の制御装置203が音声を再生する前に通知音を出力するようにしてもよい。
【0074】
(8)上述した実施の形態では、情報配信装置100の制御装置102は、配信対象とする防災行政情報の情報をリスト化した音声配信リストを生成するようにした。そして、情報受信端末200では、制御装置203は、プッシュ通知を受信すると情報配信装置100から音声配信リストのデータを取得して、音声配信リストに基づいて防災行政無線放送の音声を再生する例について説明した。しかしながら、情報配信装置100から情報受信端末200へ送信するプッシュ通知のための情報に防災行政情報のメッセージIDと、防災行政情報の件名と、防災行政情報の優先度と、配信日時と、配信用の防災行政無線放送の音声ファイルのURLの各情報を含めるようにし、制御装置203は、プッシュ通知を受信したときに、防災行政無線放送の音声を自動再生するようにしてもよい。この場合、制御装置203は、音声の自動再生のために以下のような処理を行えばよい。
【0075】
配信対象のユーザの情報受信端末200では、制御装置203は、プッシュ通知の情報を受信すると、タッチパネル201上に防災行政情報の自動再生画面を表示する。そして、制御装置203は、プッシュ通知の情報に含まれる配信用の音声ファイルのURLにアクセスして配信用の防災行政無線放送の音声ファイルをダウンロードする。そして、制御装置203は、タッチパネル201上に表示した自動再生画面上に防災行政情報の件名などの情報を表示するとともに、ダウンロードした音声ファイルに基づいて防災放送の音声をスピーカー204から出力する。制御装置203は、防災行政無線放送の音声の再生を完了した場合には、タッチパネル201上に表示した自動再生画面を閉じる。
【0076】
(9)上述した実施の形態では、情報配信装置100では、制御装置102は、防災サーバ300から受信した防災行政無線情報のメタデータに含まれる配信先情報は、図4に示したグループIDを用いて指定されており、制御装置102は、図4(B)に示した所属グループ管理テーブルを参照して、メタデータに含まれる配信先情報で指定されているグループと一致するグループに所属するユーザを特定し、特定したユーザに対して防災行政情報の配信通知を行う例について説明した。しかしながら、メタデータに含まれる配信先情報がグループIDでない場合にも本発明は適用可能である。この場合、あらかじめメタデータに含まれる可能性がある配信先情報と、図4(D)に示したグループ管理テーブルで管理されるグループIDとの対応関係を示した対応表をあらかじめ用意して記憶媒体103に記録しておき、制御装置102は、該対応表を参照してメタデータで指定されている配信先情報をグループIDに変換することにより配信先グループを特定するようにすればよい。例えば、配信先情報として防災行政無線放送用の屋外子局に個別に割り当てられた子局番号が指定される場合には、子局番号とグループIDを関連付けた対応表を用意しておけばよい。あるいは、配信先情報として「土砂災害警戒地域」や「浸水地域」のような情報が指定される場合には、対応表には「土砂災害警戒地域」と該「土砂災害警戒地域」に含まれる地域とを関連付けた情報や「浸水地域」と該「浸水地域」に含まれる地域とを関連付けた情報を記録しておくようにすればよい。この場合、「土砂災害警戒地域」に図4(D)に示したBB地域とCC地域が含まれる場合には、「土砂災害警戒地域」に10と11のグループIDを関連付けた対応表を用意すればよい。これによって、メタデータで配信先として「土砂災害警戒地域」が指定されている場合には、制御装置102は、対応表を参照すれば配信先のグループIDとして10と11を特定することができる。
【0077】
また、地域を階層で表すことができる場合には、その階層構造を表した対応表を用いることによって、上位の階層の地域が指定されたときに、その下位に属する地域を配信先グループとして特定するようにしてもよい。例えば、図8に示すように、図4(D)に示したBB地域にはDD校区が属し、DD校区にはFF南1-1とFF北1-2が属する場合、この地域の構造は最も上位の第1階層にBB地域が属し、第1階層の下に位置する第2階層にDD校区が属し、第2階層の下に位置する最も下位の第3階層にFF南1-1とFF北1-2が属する階層構造で表すことができる。この場合、この階層構造を表すように第1階層と第2階層を対応付け、第2階層と第3階層を対応付けた対応表を用意して記憶媒体103に記録しておくこととする。これによって、例えば、メタデータ内でBB地域を示すグループID=10が配信先と指定されている場合には、制御装置102は、対応表を参照してグループID=10の下位の階層をたどることにより最も下位の階層のグループID=1000と1001のグループを特定して、特定したグループに属するユーザを配信先とすることができる。なお、地域の階層構造を表した対応表としては、例えば図9に示す行政区グループ管理テーブルを用いればよい。この行政区グループ管理テーブルによれば、グループFF南1-1(1000)とグループFF北1-2(1001)は、BB地域(10)のDD校区(100)に所属していることがわかる。
【0078】
(10)上述した実施の形態では、防災行政無線情報のメタデータには防災放送の内容を示す文字データを含む例について説明した。制御装置102は、この文字データを他の言語に翻訳して記録するようにしてもよい。また、制御装置102は、公知の技術を使用して音声データを文字データに変換した後に、変換して得た文字データを他の言語に翻訳するようにしてもよい。さらに、翻訳後の文字データを用いて合成音声を生成するようにしてもよい。これによって、例えば防災行政無線が日本語で行われる場合でも、日本語以外の言語に翻訳して配信することができるため、日本人以外も利用可能なシステムとすることができる。
【0079】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 防災行政情報配信システム
100 情報配信装置
101 接続インターフェース
102 制御装置
103 記憶媒体
200 情報受信端末
201 タッチパネル
202 通信モジュール
203 制御装置
204 スピーカー
300 防災サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9