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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】化粧生成物を分配するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20240823BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20240823BHJP
   A45D 40/20 20060101ALI20240823BHJP
   A45D 40/28 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240823BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240823BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
A61K8/19
A45D34/04 525B
A45D34/04 550
A45D40/20 E
A45D40/28
A61K8/02
A61K8/64
A61K8/73
A61K8/81
A61Q1/00
A61Q19/00
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020117019
(22)【出願日】2020-07-07
(62)【分割の表示】P 2018563092の分割
【原出願日】2017-06-02
(65)【公開番号】P2020176128
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2020-08-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】1655053
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アンリ・サマン
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ジロン
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・ケルゴシアン
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】瀬良 聡機
【審判官】関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1516613(EP,A1)
【文献】特表2005-505505(JP,A)
【文献】特表2002-522187(JP,A)
【文献】特表平9-502172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0199254(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
A45D34/00-34/06
B65D83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- ディスペンサー(11)であって、
ハウジングと、
少なくとも2つのコンパートメントと、
駆動機構の少なくとも一部と、
を含むディスペンサー(11)と、
- 少なくとも2つのカートリッジ(30)であって、少なくとも2つの前記カートリッジ(30)がそれぞれコンパートメントに受け入れられ、それぞれの前記カートリッジ(30)は、
ベース生成物を収容するリザーバと、
分配エンドピースと、
ベース生成物を収容するリザーバの内部容積が小さくなり、前記分配エンドピースを通して一部の生成物が排出される方向に、前記駆動機構によって移動されるピストン(32)を含む容積計量機構と、
を有する、少なくとも2つのカートリッジ(30)と、
- 前記カートリッジ(30)の1つに収容される第1のベース生成物であって、増粘剤を含み、前記増粘剤はpHに依存する粘度を有する、第1のベース生成物と、
- 前記カートリッジ(30)の他に収容される第2のベース生成物と、
を備える、生成物を分配するためのシステム(10)であって、
- 第1の生成物は、2Pa.sよりも高い粘度を有し、第2のベース生成物は、酸性薬剤を含有する、
または、
- 前記第1の生成物は、0Pa.sよりも高く2Pa.s未満である粘度を有し、前記第2のベース生成物は、アルカリ剤を含有し、
前記増粘剤と前記酸性薬剤またはアルカリ剤との反応により、前記第1のベース生成物と第2のベース生成物との割合に応じて、混合物からなる生成物の粘度を変えることができるように、前記ディスペンサーが、前記第1のベース生成物および前記第2のベース生成物を互いに調整可能な割合で供給するのを可能にしている、システム(10)。
【請求項2】
前記第2のベース生成物は、質量5%以下の量のアニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記酸性薬剤またはアルカリ剤は、希釈剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のベース生成物は、前記第1のベース生成物の粘度に等しい粘度を有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
第3のベース生成物を含む第3カートリッジを備えることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第3のベース生成物は、増粘剤を含むことを特徴とする、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記増粘剤は、アラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガム、カラギーナンガム、セルロース系化合物、合成ポリマー、濃厚エマルジョン、非水溶溶剤とオイル用の増粘剤の組合せ、粘土、有機キレート剤、タンパク質、シアシニング剤またはチキソトロピックレオロジー剤から選択されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記増粘剤は、カーボポールゲル、好ましくは中性媒質またはアルカリ媒質中のカーボポールゲルであることを特徴とする、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記増粘剤は、アラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガムまたはカラギーナンガムから選択され、前記増粘剤の質量含量が、前記第1のベース生成物において0.2%から5%の間であることを特徴とする、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記カートリッジは、前記ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
各生成物は、前記カートリッジの出口通路を通って前記カートリッジから出て、前記出口通路は、前記カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記分配エンドピースは、前記カートリッジに収容された前記ベース生成物を分配するために前記ディスペンサーの駆動機構によって前記カートリッジの本体に対して回転駆動されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のベース生成物を均質化するための機構を備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
化粧および/またはメイクアップ生成物をヒトケラチン物質に塗布するための方法であって、処置すべき領域に応じて、請求項1~12のいずれか一項に記載の分配するためのシステムのディスペンサーを設定するステップと、前記ディスペンサーの設定に対応する割合で前記カートリッジからベース生成物を取り出すことによって生成物を分配するステップとを含む方法。
【請求項14】
前記設定するステップが、最高の粘度を有するように実施され、塗布することが、皮膚のシミに対して実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記設定するステップが、得られ得る終了点粘度間の中間粘度を有するように実施され、前記塗布することが、皮膚のシミに対して実行されるかまたは目の下の領域において実行される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧生成物、特にメイクアップ生成物、カラーリング生成物、日焼け止め生成物、ケア生成物、または香水を分配するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
A)密な粒子を含む組成物を用いて機能することのできるブレンダーシステム
多くの使用者が、メイクアップによって自分のアピアランス、特に自分の顔を向上させることを望む。
【0003】
これらの使用者が上記のことを望む理由には2つの種類がある。
- シミ、しわ、または毛穴などの特定の欠点を隠すこと、
- 色を変化させることによって顔の見た目を向上させること。
【0004】
これらの様々なケースにおける作業は、着色物質を供給することと、皮膚または皮膚のある領域を着色物質でカバーすることとを含む。
【0005】
魅力的な効果を得るために、使用者は着色物質を正しく選択する必要がある。
【0006】
上記で示したケースのうちの第1のケースにおける作業は、顔が全範囲の色を含むために複雑になる場合がある。
【0007】
したがって、加えられる色を周囲の皮膚の自然な色と一致させることによって、顔の数か所の領域だけをカバーすることを望む場合、顔の各々の領域に合う色を見つけ出す必要があり、この作業は、生成物のカバレッジおよび塗布される層の厚さが、下にある皮膚の色と表面の状態または皮膚の脂っぽさと相まって結果に影響を及ぼす場合があるので、一層難しいものになる。
【0008】
これらの問題を認識して、自分の顔の欠点を隠そうとする使用者には、顔全体をカバーするという習慣がある。この場合、顔の領域に応じた着色物質を選択するという問題が回避される。
【0009】
しかしながら、この場合にもたらされる均一性のため、結果として顔の自然なアピアランスが損なわれることになる。
【0010】
第2の場合でも、作業は、顔のアピアランスに最も合う着色物質を見つけ出すことが難しいため、簡単ではない。具体的には、特に使用者の自然なカラーリングと異なる大胆な色を探す場合、使用者の顔の色を見出すことは難しい。一部の使用者は、日焼けした肌の色または異なるカラーリングの他のシェードを選択しようとするが、その色が自分に合わないという恐れから実際には選択しない。選択した場合は、あきらめ、失望することが多い。結果に失望しないときは、もはや色をあえて変えようとしない。
【0011】
同じことが、唇、頬、およびまぶたに塗布されるメイクアップに当てはまる。
【0012】
これらの問題を解決するための解決策は非常に少ない。
【0013】
第1の手法は、数多くの生成物を購入し、それらすべてを試すことである。この手法は費用がかかり、一般に、試された少数の着色物質だけが保持される限り、しばしば無駄を
生じさせる。
【0014】
第2の手法は、店舗において様々な生成物を試すことである。このことは、短時間でかつ普段の目印がない場所において結果に関する感想を得ることが非常に難しいので、常に適切であるとは限らない。具体的には、メイクアップの効果を店舗で完全に評価するためには、将来の使用条件で得られるのと同じ照明を有することが可能である必要があり、これは、ほぼ不可能なことである。概して、適切であるかどうかを判定できるようにするには、1日中ずっとメイクアップを試してみる以外にない。さらに、店舗によってはアドバ
イザーがいてメイクアップを試してみることが可能であるが、他の多くの店舗およびインターネット販売ではそうではない。
【0015】
別の手法が試験されているが、開発されていない。この手法は、いくつかの着色生成物を混ぜることによって自分の手で自分の生成物を生成することからなる。この手法は、何回にもわたって同じ混合物を正確に再生成することがあまり簡単ではなく、メイクアップを施すときに必要とする混合物を素早く生成することがうまくできないため、実施するのが比較的困難である場合がある。
【0016】
可変色の化粧組成物を分配するためのディスペンサーも知られている。
【0017】
特許文献1は、消費者によって使用される化粧生成物をカスタマイズすることを可能にする方法および装置に関する。消費者は選択基準を提供し、これから、化粧生成物処方が導き出される。ベース材料が処方に応じて混ぜ合わされ、カスタマイズされた化粧生成物が、後の塗布のための中間面に分配される。
【0018】
特許文献2は、人間の皮膚の欠点をカバーすることができるファンデーションを得るための方法を開示している。方法のステップは、それぞれL値、a値、およびb値として表さ
れる皮膚の色における明るさ、赤色、および黄色の値を得るために、通常の顧客の皮膚を測定するために分光測定を用いることを含む。次に、これらの値は、計算によって、L、a、およびb補正プログラムによって決定される修正値に変換される。ファンデーションは
、これらの修正値に基づいて処方される。遠隔処方機械が、受信された指令を変換し、一連のベース生成物を計量して混ぜ合わせる。機械によって供給された混合物は、包装されて顧客に送られる。
【0019】
特許文献3は、特に香水である化粧生成物を分配するための装置を開示しており、その装置は、分配される生成物を収容する少なくとも1つのリザーバ、特にいくつかのリザーバと、洗浄装置とを備える。この装置は、マイクロコンピュータなどを用いて動作されてもよい。たとえば、キーボード、または、特にタッチスクリーンである画面など、マンマシンインターフェースによって、使用者は自分の選択の処方の分配を命令することができる。装置は、処方箋を交換するために、または、使用者がアドバイスを受けるのを可能にするために、サーバまたは他の同様の装置と通信するように設定されてもよい。装置の電子回路のメモリは、処方を要求に応じて再作成して交換することができるように最良の処方を記録してもよい。装置はまた、着色化粧生成物の混合物を生成するために使用されてもよい。したがって、たとえば一滴といった特定の量の着色組成物が、装置によって生成され、メイクアップを施すために使用され、または、ファンデーションクリームもしくは他の着色か無着色のベースとの混合が意図される。装置は、使用者によって要求される色の容易な生成を可能にし、使用者は、たとえば、短時間でいくつかの異なる色の混合物を生成することがある。
【0020】
特許文献4は、特にファンデーションである化粧生成物を噴霧するための装置に関する。処理される基材において、即座に混合物を生成することが可能である。
【0021】
特許文献5は、分配される様々なベース生成物の相対的な割合を変化させることができるディスペンサーを記載している。したがって、色を調整することが可能である。ベース生成物は、それぞれに異なるリザーバから得られ、ディスペンサーの一端において隣り合って開放する別々の通路を介して分配される。この1つの欠点は、使用者が、皮膚において、または、中間支持体において、混合を行う必要があることである。また、分配される量が過剰である場合、その分は失われる。
【0022】
特許文献6および特許文献7は、カスタマイズされた化粧組成物を分配するためのディスペンサーの他の例を記載している。
【0023】
カスタマイズされた化粧組成物の製造の自動化に関して実施できた試験のうちの多くでは、提案された解決策によって、混合物を約100gまたは場合によってはそれよりも少ない量だけ生成することが可能になるが、メイクアップを施す使用者によって一般的に必要とされる非常に少ない割合、つまり、1グラムまたはそれよりもずっと少ない程度の量だけ
生成することはできない。
【0024】
この問題を例示するために、使用者が自分の顔における1cm2の程度の2つの欠点を隠すことを望むケースについて考える。第1の領域について、対応する混合物を見つけ、次に、混合物を非常に少ない量、たとえば約10mgだけ塗布する必要がある。第2の領域について、ディスペンサーの設定を変え、次に再び、非常に少ない量の混合物を塗布する必要がある。
【0025】
そのため、非常に多くの使用者にとって、最良の結果を生み出すことになる着色物質を選択することは、依然として困難である。
【0026】
そのため、消費者の期待を満たし、この消費者が、信頼できる条件の下で非常に少量の混合物をより容易に生成するのを可能にするメイクアップ生成物を探求する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【文献】米国特許出願公開第2003069667号明細書
【文献】米国特許第5785960号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2970403号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2828101号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2877819号明細書
【文献】米国特許第5622692号明細書
【文献】米国特許第5903465号明細書
【非特許文献】
【0028】
【文献】Clement Saidou HAL Id: tel-00870761: https://tel.archives-ouvertes.fr/tel-00870761/document
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
したがって、本発明は、本発明の特定の態様により、顔をメイクアップするのをより容易にすることを追求し、特に、顔の様々な領域に最も適合された生成物を見出すのをより容易にすることを追求する。
【0030】
また、可変色の生成物を供給するための分配システムを改良し、特に、システムをより
使いやすくし、かつメイクアップの品質を向上させる必要がある。
【0031】
本発明のいくつかの態様は、ベース生成物から混合物を生成するのを可能にする分配システムに依存する。これらのベース生成物はそれぞれに異なる色を有してもよく、そのため混合物の色は変化させることができる。ベース生成物は、場合によっては、混合物のカバレッジを変化させることを可能にする場合があり、それによって、混合物をヒトケラチン物質に塗布することによって生じる色が、前記物質の色にかなり近くなるように変化する。したがって、色の概念は、広義に理解されるものであり、カバレッジレベルの変化および下にある皮膚の色の変化の結果として塗布の後に色が変化する混合物を包含する。
【0032】
得られる色の精度は、このシステムを使用する間ずっと色が一定である場合にのみ問題になる。このことは、製造業者が、システムの魅力をシステムによって可能になるメイクアップ結果に基づくものとするときに一層重要になる。したがって、第1のシナリオでは、顔のある領域について特定の色が識別された場合、システムがこの識別された色が使用されるたびにその色を再現することができる必要がある。同じことが第2のシナリオにも当てはまり、調整のための処理は選択された色に非常に忠実である必要がある。
【0033】
コンシーリング効果は粒子(顔料、充填材)の使用に基づく。知られているように、粒子は自然に分離することができる。このプロセスでは、この現象によって、システムを使用する間ずっと粒子の濃度に差が生じることがあり、これによって、メイクアップ効果が著しく変化することがある。この変化現象を理解するために、通常は(本発明の範囲外では)、顔料濃度を変化させると特にカバレッジが変化するが、色の変化の仕方はほとんど変化しないことを想起されたい。さらに、分離現象が生じる場合、使用者は以下のことを確認することによって問題を特定することができる。
1)システムが、相分離を特徴づける、粒子を含まない生成物、すなわち、水性または油性の生成物を供給していること、
2)またはシステムが、粒子を大量に含んだ生成物、すなわち、濃度が高く拡散するのが困難な生成物を供給していること。
【0034】
混合物を生成するために様々な色の成分が供給される複数のリザーバを含む分配システムでは、リザーバのうちの1つまたは複数における粒子濃度の変化は、他のリザーバによって供給される他の生成物が混合物を希釈するので気付かれない恐れがある。したがって、使用者は、混合物の外観から問題を特定することができず、このように、予期される色とは異なる色を有する混合物を塗布する。
【0035】
分離現象が各リザーバにおいて同等に生じる場合、各リザーバは互いを補償し、色の変化を制限する。しかし、使用者は、リザーバがそれぞれに異なる速度で空になるように自分のシステムを非常に安易に使用する場合がある。したがって、各コンパートメントがそれぞれに異なる率で使用されるので、分離現象がコンパートメントごとに非常に異なるものになる恐れがある。このことは、リザーバがほとんど使用されない場合にシステム内に非常に長い間留まることがあるときに当てはまる。
【0036】
以下から選択される粒子などの高密度(2g/cm3から場合によっては8g/cm3を超える範囲)の粒子を含有する生成物を使用することが望まれるときに問題が生じる。
オキシ塩化ビスマス: 7.7g/cm3
酸化セリウム: 7.6g/cm3
酸化クロム: 5.7g/cm3
酸化ジルコニウム: 5.6g/cm3
酸化鉄: 5.2g/cm3
酸化チタン: 4.3g/cm3
タルク(ヒドロキシル化ケイ酸マグネシウム): 2.7g/cm3
炭酸カルシウム: 2.7g/cm3
シリカ: 2.6g/cm3
窒化ホウ素: 2.1g/cm3
または場合によっては、炭化タングステン(15g/cm3)などの8g/cm3を超える粒子。
【0037】
1つの可能性として撹拌システムが使用されるが、これらは特に小さい処方量が必要とされる場合は複雑である。詳細には、撹拌プロセスは、数秒よりも短い時間に制限することが困難な最小時間を必要とする。しかし、システムを有効にするには、特に小さい処方量が生成される場合、使用者が過度に長く待たなくても済むように、反応時間を非常に短くし、一般には1秒未満にする必要がある。
【0038】
さらに、撹拌システムは、特に塊に直接接触した状態で作用する。したがって、たとえば、撹拌ブレードが使用される場合、特にブレードに接触する部分が撹拌される。チューブなどの他の部分に位置する生成物は撹拌されない。しかし、そのような生成物は一様な粒子密度を有する必要がある。
【0039】
撹拌システムは、エネルギー消費量、雑音などの他の制限も有し、さらに以下の制限を有する。
・ある種の成分(シアシックニング成分)を均質化するのは困難である
・リザーバが可変容積を有し、容積を変化させるようになっている場合(コンパート
メントがピストンによって押される場合)、リザーバ内に均質化システムを配置するのは
困難である
・たとえば、特に生成物が繊維を含有するときに凝集体が形成される恐れがある
【0040】
最後に、製造業者は、たとえば、塗布するたびに弱くなる抗にきび効果などの経時的な効果の変化を生じさせるために、1つまたは複数のリザーバ内に粒子または他の非粒子状材料の勾配をつけることを意図的に望む場合がある。この場合、製造業者はリザーバ全体に勾配をつけ、この勾配を使用中ずっと保持することを望む。したがって、均質化はこのような塗布を阻害する。
【0041】
第1の態様によれば、本発明は、顔の1つまたは複数の領域を処置し、色の忠実性に関して非常に正確な混合物を得ることを可能にすることを追求する。以後において、「領域」という用語は、顔の規定の部分を示すために用いられ、この部分は表面積がかなり小さく、1cm2から100cm2の間の範囲であり、より良好には、2cm2から50cm2までの範囲である
【課題を解決するための手段】
【0042】
本発明は、生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバ(コンパートメントとも呼ばれる)を各々有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、第1のベース生成物が、少なくとも0.1質量%の粒子であって、粒子を含有する媒質との密度差が少なくとも0.5g/cm3であり、密度が2g/cm3以上である粒子と、増粘剤とを含み、ディスペンサーが、少なくとも2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステムによって上記の目的を実現する。
【0043】
第1のベース生成物は、第1のベース生成物の総質量に対して少なくとも0.1質量%の粒子を含み、この粒子は、粒子を含有する媒質との密度差が少なくとも0.5g/cm3である。
【0044】
第1のベース生成物は、少なくとも2つのカートリッジのうちの1つに収容され、ディスペンサーによって調整可能な割合で供給される少なくとも2つのベース生成物は、少な
くとも2つのカートリッジのうちの他のカートリッジに収容された第1のベース生成物および第2のベース生成物であることが好ましい。
【0045】
本発明は、別個に考えられるかまたは組み合わせて考えられる以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してもよい。
【0046】
- 第1のベース生成物は、第1のベース生成物の総質量に対して少なくとも1質量%、
より良好には、第1のベース生成物の総質量に対して少なくとも2質量%、さらに良好には、第1のベース生成物の総質量に対して3質量%から10質量%の間、なお一層好ましくは第
1のベース生成物の総質量に対して4質量%から7質量%の間の粒子を含み、この粒子は、粒子を含有する媒質との密度差が、少なくとも0.5g/cm3であり、より良好には少なくとも1g/cm3であり、さらに良好には2g/cm3から10g/cm3の間であり、なお一層好ましくは4g/cm3
から8g/cm3の間である。
【0047】
- 第1のベース生成物の粘度は、2Pa.s以上であり、好ましくは4Pa.s以上であり、よ
り好ましくは4Pa.sから10Pa.sの間であり、なお一層好ましくは5Pa.sから8Pa.sの間であ
り、粘度は、1atmおよび25℃において、振動数60HzのMs-r3測定バーまたはMs-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計によって測定バーが10分間回転した後に測定される。
【0048】
- 第2のベース生成物は、粘度が第1の生成物よりも低い。
【0049】
- 第2のベース生成物は、粘度が2Pa.s以下であり、好ましくは1Pa.s以下であり、よ
り好ましくは0.8Pa.s以下であり、なお一層好ましくは0.6Pa.sから0.2Pa.sの間である。
【0050】
- 前記粒子の密度は、5g/cm3以上であり、より良好には6g/cm3以上であり、さらに良
好には6g/cm3から10g/cm3の間であり、好ましくは7g/cm3から8g/cm3の間である。
【0051】
- 粒子は、オキシ塩化ビスマス、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸
化鉄、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、窒化ホウ素、炭化タングステンのリストから選択され、好ましくはオキシ塩化ビスマスと酸化セリウムとから選択される材料のうちの少なくとも1つを含む。
【0052】
- 第2の生成物は、密度が7g/cm3であり、より良好には密度が6g/cm3以上であり、さ
らに良好には密度が5g/cm3以上であり、好ましくは密度が2g/cm3以上である粒子を有さない。
【0053】
- 第1のベース生成物の増粘剤は、アラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲラ
ンガム、カラヤガム、カラギーナンガムなどのゴム型のサッカリド化合物、CMC、HMC、HPMCなどのセルロース系化合物、カルボマー(カーボポール)などのポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸、またはポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー、逆濃厚エマルジョンまたは直接濃厚エマルジョン、非水溶溶剤とオイル用の増粘剤の組合せ、ベントナイト、アタパルジャイトなどの粘土、有機キレート剤、カゼインまたはコラーゲンなどのタンパク質、シアシニング剤またはチキソトロピックレオロジー剤から選択され、好ましくはアラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガム、カラギーナンガムなどのゴム型のサッカリド化合物から選択される。
【0054】
- 第1のベース生成物の増粘剤は、ゴム型のサッカリド化合物から選択され、第1の
ベース生成物中の増粘剤の質量含有率は、第1のベース生成物の総質量に対して0.1%から5%の間であり、より良好には第1のベース生成物の総質量に対して0.8%から2.5%の間であり、さらに良好には第1のベース生成物の総質量に対して1.5%から2.3%の間である。
【0055】
- システムは、第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える。
【0056】
- 第3のベース生成物は、第1のベース生成物の増粘剤と同一であるかまたは第1の
ベース生成物の増粘剤とは異なる増粘剤であり、好ましくは第1のベース生成物の増粘剤と同一である増粘剤を含む。
【0057】
- 第1のベース生成物の増粘剤とは異なる第3のベース生成物の増粘剤は、第1のベ
ース生成物の増粘剤と同じリストから選択され、好ましくはアラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガム、カラギーナンガムなどのゴム型のサッカリド化合物から選択される。
【0058】
- カートリッジは、ディスペンサー内に取り外し可能に受け入れられる。
【0059】
- 各生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路は
、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される。
【0060】
- システムは、第1のベース生成物を均質化するための機構、特に振動機構を備え、
この機構は、必要に応じてカートリッジに組み込まれてもよい。
【0061】
分配システム
分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【0062】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【0063】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【0064】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【0065】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【0066】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【0067】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【0068】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【0069】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【0070】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【0071】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【0072】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【0073】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【0074】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【0075】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【0076】
したがって、分配システムは、ハウジングを有するディスペンサーと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられる少なくとも1つのカートリッジとを備えてもよく、このカ
ートリッジは、本体と、本体において移動することができるピストンとを備え、ハウジングは、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える。
【0077】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【0078】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【0079】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通するエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによってディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【0080】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【0081】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【0082】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【0083】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【0084】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【0085】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【0086】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【0087】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【0088】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【0089】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【0090】
したがって、ディスペンサーは、色が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【0091】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【0092】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【0093】
すべての生成物は、分配時間の間に同時に供給されてもよく、代替として、様々な生成物の周期は、ある生成物が分配される間に他の生成物が休止されるように、位相がずらされる。
【0094】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【0095】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【0096】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【0097】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、
噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【0098】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【0099】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【0100】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【0101】
粒子
粒子を含む媒質の密度は、0.7g/cm3から1.3g/cm3の間、より良好には0.8g/cm3から1.2g/cm3の間、さらに良好には0.9g/cm3から1.1g/cm3の間であってもよい。
【0102】
1つまたは複数のコンパートメントは、密度が2g/cm3以上であり、より良好には5g/cm3以上であり、さらに良好には6g/cm3以上であり、なお一層良好には6g/cm3から10g/cm3
間であり、好ましくは7g/cm3から8g/cm3の間である粒子を含み、その含有率は、前記粒子を含有するベース生成物の質量に対して少なくとも0.1質量%であり、より良好には前記粒子を含有するベース生成物の質量に対して少なくとも1質量%であり、さらに良好には前記粒子を含有するベース生成物の質量に対して少なくとも2質量%であり、好ましくは含有率が、前記粒子を含有するベース生成物の質量に対して2質量%から10質量%の間であり、よ
り好ましくは含有率が、前記粒子を含有するベース生成物の質量に対して4質量%から7質
量%の間である。
【0103】
粒子は、チタン、鉄、コバルト、鉛、水銀、セリウム、ビスマス、亜鉛、または銅の原子などの金属原子を含有してもよい。金属原子はあらゆる形状およびサイズを有してもよい。
【0104】
本発明は、粒子が存在する媒質よりも軽量であり、したがって、上部に集合する恐れがある粒子を含む生成物にも関する。詳細には、本発明の粒子は、空気またはシリカエーロゲルなどのガスまたは低級アルカンによって発泡させたポリスチレンなどの発泡ポリマー粒子を含有する鉱物粒子または有機物粒子であってもよい。そのような粒子の密度は、0.5g/cm3以下、より良好には0.2g/cm3以下、さらに良好には0.05g/cm3から0.2g/cm3の間で
あってもよい。
【0105】
粒子は、着色またはカバレッジまたは他の光学的効果(反射、マット感、光保護)(本発
明の主要な目的)あるいは軟化効果または皮脂、水分、もしくは汚れの吸収などの他の利
点をもたらすものであってもよい。
【0106】
粘度および粘性剤
生成物の粘度は、1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3またはMS-r4の測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーの10分間の回転の後に測定される。
【0107】
レオロジーはニュートン流動または非ニュートン流動である。詳細には、シアシニングレオロジーをもたらす増粘剤が優先され、すなわち、増粘剤の粘度は、チキソトロピック性の有無にかかわらず加えられる応力に比例せず、すなわち、増粘剤の密度は経時的に低くなる。このような増粘剤は一般に、ベントナイトなどの鉱物化合物またはヒアルロン酸などの有機化合物から生成される。
【0108】
本発明の増粘剤は、ゲル化化合物、たとえば、サッカリド、たとえばアラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガムなどの天然材料、カルボマー(カーボ
ポール)などのポリアクリル酸またはポリメタクリル酸などの合成ポリマー、逆濃厚エマ
ルジョンまたは直接濃厚エマルジョン、あるいは非水溶溶剤とオイル用の増粘剤の組合せであってもよい。
【0109】
「ゴム」型のサッカリド化合物の場合、第1のベース生成物中の増粘剤の質量含有率は、ベース生成物の総質量に対して0.1%から5%の間であり、より良好にはベース生成物の総質量に対して0.8%から2.5%の間であり、さらに良好にはベース生成物の総質量に対して1%から2%の間である。
【0110】
使用できるゲル化化合物は、デンプン(E441)、ペクチン(E440)、寒天(E406)、アルギン酸(E400)、アルギン酸ナトリウム(E401)、アルギン酸カリウム(E402)、アルギン酸アンモニウム(E403)、アルギン酸カルシウム(E404)、カラギーナン(E407)、または動物由来の材料(E441などのゼラチン)など、天然化合物であっても人工化合物であってもよい。
【0111】
溶剤含有処方の場合、有機ゲル化剤が使用されてもよい。これらは一般に、マイクロスケール構造またはナノスケール構造を形成する小さい有機分子(有機ゲル化剤と呼ばれる)の超分子自己集合によって生じる3次元ネットワークに閉じ込められた有機液体、鉱物油
、または植物油である。有機ゲル化剤は、1%から10%の量だけ使用され、たとえば、4-t-
ブチル-1-アリルシクロヘキサノールの誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエステル
、ポリアルキレンなどの重合誘導体、N-ラウロイル-L-リシンエチルエステルの誘導体、
ペプチドの誘導体、小脂肪酸であってもよい。
【0112】
シアシニングレオロジーの増粘剤が使用されるとき、粘度が50Pa.sを超え、より良好には100Pa.sを超え、さらに良好には10Pa.sから100Pa.sの間である生成物が使用されてもよい。このシアシニングレオロジーは、応力が10倍になった(1s-1から10s-1への移行)とき
に粘度が少なくとも2分の1になるように定義される。
【0113】
この粘度を測定するために、Clement Saidou HAL Id: tel-00870761: https://tel.archives-ouvertes.fr/tel-00870761/documentによる論文(非特許文献1)に記載されたよ
うに試験が実施される。
【0114】
より詳細には、TAによって販売されているARG2型応力印加レオメータが使用されてもよい。試験は、プレキシグラスで作られ、エアギャップe=1mmであるクエット型の回転モジ
ュールの幾何学的形状において実施される。サンプルが充填されたシェアセルを使用することによって約30mlの生成物にトルクが加えられる。電気機械応力によって生じるこのトルクは次いで、レオメータの可動部に固定されたセンサによって監視される。次いで、対
応するせん断応力および生じる変形の速度(または速度勾配)が、使用されるクエットの特性関数として判定され、見掛け粘度(Pa.s単位)をせん断率(s-1単位)にリンクさせること
が可能になる。
【0115】
1組のコンパートメントにわたるレオロジー規則に対する適合
分配システムが高密度粒子を含有する単一のベース生成物のみを含む場合、上記で定義されたレオロジー規則に適合することが好ましい。
【0116】
システムが高密度粒子を含有する2つ以上のベース生成物を含む場合、
・高密度粒子を含有する少なくとも1つのベース生成物が、上記で定義されたレオロジー規則に適合してもよい。
・好ましくは、高密度粒子を含有するすべてのベース生成物が、上記で定義されたレオロジー規則に適合する。
【0117】
分配システムが高密度粒子を含まない少なくとも1つのコンパートメントを備える場合、高密度粒子を含有しない少なくとも1つのベース生成物は、粘度が2Pa.s以下であり、
より良好には1Pa.s以下であり、より好ましくは0.8Pa.sであり、さらに好ましくは0.6Pa.sから0.2Pa.sの間であることが好ましい。
【0118】
粘度を低下させるためのベース生成物の使用
上述のように、粒子を含まないコンパートメントは粘度が低いので、希釈によって、分配される混合物の粘度を制限することが可能になる。
【0119】
しかし、このコンパートメントが使用される割合が小さく、たとえば、3コンパートメ
ント分配システムの場合に得られる最終組成の33質量%未満である場合、この希釈効果は
比較的弱い。したがって、高密度粒子を含まないこのベース生成物にエタノールなどの粘度制限剤を添加することが可能である。
【0120】
均質化手段の任意の使用
分配システムは、振動部などの均質化手段または対応するコンパートメント内でベース生成物を移動させる他の何らかのシステムを含んでもよい。
【0121】
分配システムは、たとえば10000Hzから1Hzの間、より良好には1000Hzから5Hzの間、さ
らに良好には400Hzから100Hzの間で振動する振動台上に載せられるものであってもよい。
【0122】
均質化システムは、使用者によってトリガされてもよく、あるいは使用者によってトリガされるシーケンスの一部としてトリガされてもよい。たとえば、使用者がこの装置を起動すると、均質化が開始される。あるいは、システムが動き(加速度)を検知したときに、システムが均質化作用を生じさせる。
【0123】
均質化システムは、システムが使用されないときでも定期的にトリガされてもよい。
【0124】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域だけを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【0125】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、
あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【0126】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、色と、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、高いカバー力を有し、顔全体に塗布するにはカバー力が高すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスのメイクアップを得ることが可能である。
【0127】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にし得る。
【0128】
分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【0129】
使用者が顔のある領域に塗布するための色を探すときに、各々の領域に最も合う色を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、この色と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【0130】
分配システムは、塗布ごとに色を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の唇をメイクアップしてもよい。この手法は、まぶたまたはまつ毛にも適しており、また、使用者はファンデーションの色を変えたくなることもあるので、顔のメイクアップにも適している。たとえば、使用者は、平日には薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いタンカラーのファンデーションの色を用いるか、あるいは、目のメイクアップとして日ごとに色を変えてもよい。
【0131】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色を変化させることができるように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で色を選択する際に指導する。
【0132】
支援システムはまた、同じ顔において色のバランスをとり、全体的なメイクアップの見栄えを良くすることに寄与するように設けられてもよい。
【0133】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【0134】
段階的なメイクアップのための連続的な使用
分配システムが、生成物を供給している間に混合物の処方を確実に変更することが可能である。ベース生成物または混合物のための出口を、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動させることが可能である。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の色C1と、処置される別の領域の色C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先に色C1が必要であることと、頬に色C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの色の間で色を段階的に変化させるために、混合物を供給している間に混合物の処方を変更してもよい。このことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終結果を現実的なものにし、または、美しく見せるために色を段階的に変化させることを確実に可能にする。分配システムはまた、使用者が、開始色および/または終了色を
前もって設定することなく、分配される混合物の色における変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生成する必要がある色C1およびC2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【0135】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【0136】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【0137】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【0138】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【0139】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【0140】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【0141】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【0142】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ま
しい。
【0143】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【0144】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【0145】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【0146】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【0147】
混合物は、凝固する前に均質化され、したがって、供給された後で均質化されることが好ましい。
【0148】
カラーパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を備えてもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【0149】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【0150】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【0151】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【0152】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【0153】
したがって、分配システムは、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有してもよく、カップは、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定される。
【0154】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【0155】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくと
も一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【0156】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【0157】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【0158】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【0159】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【0160】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【0161】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【0162】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【0163】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【0164】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、着色物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域をメイクアップす
ることを目的としたいくつかの異なる色混合物の調製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【0165】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【0166】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【0167】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【0168】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【0169】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【0170】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップのサイズおよび形状は、混合物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【0171】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【0172】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【0173】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【0174】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【0175】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【0176】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【0177】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【0178】
したがって、分配システムは、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離
可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有してもよく、このインターフェースは、好ましくは混合物をキャビティ内に供給する静的ブレンダーを有し、キャビティにおいて混合物を取り出すことができる。
【0179】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【0180】
いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【0181】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【0182】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【0183】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【0184】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【0185】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【0186】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【0187】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【0188】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップ生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、ベース生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、この出
口通路が、ディスペンサーの外側に開放し、または、ディスペンサーの外面の近くで開放するシステムである。
【0189】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【0190】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【0191】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【0192】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの端部に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【0193】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【0194】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【0195】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【0196】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【0197】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛などの様々な領域をメイクアップすることができる必要がある。
【0198】
したがって、分配システムは、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップのディスペンサーと、各々をディスペンサー上に取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを有する組立体を備えてもよく、これらの出口インターフェースは、ディスペンサーによって供給される生成物を受け取ることができ、好ましくは以下から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【0199】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【0200】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【0201】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【0202】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【0203】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【0204】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【0205】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色を領域でインデックス付けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【0206】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、ま
たは、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【0207】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。
【0208】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【0209】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な色を示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【0210】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ色の使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【0211】
操作者は、マップを作成する場合、色を適用し、次いで評価する。
【0212】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【0213】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その色が適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適した顔の領域に混合物が関連付けられる。
【0214】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、可変色の混合物を分配するためのディスペンサーと、色を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システムのための学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された色の少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスである。
【0215】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【0216】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【0217】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適
した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【0218】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【0219】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【0220】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【0221】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【0222】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【0223】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【0224】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【0225】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【0226】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【0227】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【0228】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の色を提案してもよい。
【0229】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、色と、この色の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【0230】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【0231】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの色を提案するように設計されてもよい。
【0232】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された色に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されてもよい。
【0233】
ディスペンサーは、ステップb)において、色が異なる少なくとも2つの混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【0234】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【0235】
本発明のさらなる主題は、本発明による分配システムを用いてメイクアップする方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンをメイクアップするための提案された色を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【0236】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【0237】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの色およ
び/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された色の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させ
ることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物の色
と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【0238】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【0239】
遠隔支援
使用者がメイクアップを施す際に使用者を支援し、特に使用者が正しいカラーリングを選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【0240】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップを施す方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の色を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む方法である。
【0241】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色を変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色を適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【0242】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【0243】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【0244】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【0245】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【0246】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【0247】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさせてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【0248】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の色の選択の制御をより容易にする必要がある。
【0249】
したがって、分配システムは、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを有してもよく、このコンピュータシステムは、混合物の色を表示することができるタッチスクリーンと、分配される混合物の色を変化させるために画面上で移動可能な選択手段とを有する。
【0250】
好ましくは、画面はエンドポイントの色を表示し、これらのエンドポイントの色同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の色を選択することができる。
【0251】
画面は、少なくとも2つの色の間の色のスケール、または、特に三角形の輪郭の領域を表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の色を局所的に示してもよい。
【0252】
コンピュータシステムは、所望の色の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【0253】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【0254】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【0255】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【0256】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【0257】
分配システムは、スプレーシステム、好ましくはエアブラシを有してもよく、この組立体は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する。
【0258】
ディスペンサーは、色が異なるメイクアップ生成物を収容する3つのカートリッジを有してもよい。
【0259】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【0260】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【0261】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【0262】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【0263】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に色を調節できるようにするために、カメラ、および/また
は、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【0264】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【0265】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【0266】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物の色を変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【0267】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【0268】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【0269】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【0270】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【0271】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【0272】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【0273】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【0274】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【0275】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【0276】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【0277】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【0278】
本発明は、その非限定的な例示的実施形態についての以下の詳細な説明を読むこと、および添付の図面を検討することにより、より良く理解される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0279】
図1】本発明による分配システムの一例の概略的な斜視図である。
図2図1の分配システムの背面図である。
図3】分配システムによって供給される生成物の取出しを示す図である。
図4図1の分配システムの、特定の構成要素が取り外された状態での概略的な斜視図である。
図5】ディスペンサーのためのベース生成物のカートリッジを別個にかつ部分的に示す図である。
図6】駆動部品を含むカートリッジの上部を示す図である。
図7】駆動部品を別個に示す斜視図である。
図8】カートリッジのための支持体を別個に示す図である。
図9】ディスペンサー駆動機構を示す図である。
図10】駆動機構の残りの部分に結合されたモーターのうちの1つを別個に示す図である。
図11】モーターを制御するための電子基板を示す図である。
図12】ディスペンサーの断面図である。
図13】出口インターフェースのないディスペンサーのハウジングを示す図である。
図14】上方から見た、出口インターフェースの第1の例を別個に示す図である。
図15】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図15A】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図16】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図16A】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図17】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図18図17の出口インターフェースの他の図である。
図19図17の出口インターフェースの他の図である。
図20】静的ブレンダーを別個に示す図である。
図21図17の出口インターフェースの軸方向断面図である。
図22】エアブラシと協働することが意図された別の出口インターフェースを示す図である。
図23図22の出口インターフェースの様々な通路を、隠れた細部とともに示す図である。
図24】エアブラシに連結された図22および図23の出口インターフェースを示す図である。
図25】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図26】なし
図27】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図28】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図29】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図29A】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図29B】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図29C】出口インターフェースの他の例を示す図である。
図30】携帯端末を使用するディスペンサーの動作を示す図である。
図31】ディスペンサーを動作させることを可能にするグラフィックインターフェースの一例を示す図である。
図32】グラフィックインターフェースの別の例を示す図である。
図33】装置が使用されるときに図32のグラフィックインターフェースがどのように変化するかの一例を示す図である。
図34】グラフィックインターフェースの別の例を示す図である。
図35】グラフィックインターフェースの他の例を示す図である。
図36】グラフィックインターフェースの他の例を示す図である。
図37】装置が使用されている間に図36のインターフェースがどのように変化するかを示す図である。
図38】本発明によるコンピュータシステムの一例のグラフィックインターフェースを示す図である。
図39】ルックアップテーブルの一例を示す図である。
図40】本発明による方法の例のステップを示すブロック図である。
図41】方法の他の例の図40と同様の図である。
図42】方法の他の例の図40と同様の図である。
図43】方法の他の例の図40と同様の図である。
図44】方法の他の例の図40と同様の図である。
図45】いくつかの異なるカラーリングされた組成物の塗布を可能にする支持体の一例を示す図である。
図46】方法の他の例の図40と同様の図である。
図47】遠隔のアドバイザーとの情報の交換を可能にするシステムを示す図である。
図48】それぞれに異なる混合物を収容する複数の空間を備える支持体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0280】
本発明に適する場合がある分配システム10の一例が、図1および図2に示され、カスタマイズされた処方の化粧生成物が供給される出口インターフェース110が上部に設けられ
たディスペンサー11を有する。
【0281】
ディスペンサー11は片手で操作することができる。その長さは、出口インターフェースを除いて、たとえば、140mmから160mmまでの間であり、その直径は40mmから60mmまでの間である。
【0282】
分配システム10は、図示しているように、たとえば押しボタン12といった、分配を制御するための作動手段を有してもよい。
【0283】
使用者が押しボタン12を押すと、ディスペンサー11は、たとえば、後で詳述しているような無線通信を用いて、コンピュータシステムによってあらかじめディスペンサー11に通
信された情報に基づいて、生成物を供給する。押しボタン12の動作は、圧力が加えられる間連続的に混合物を供給するように、または、使用者が押しボタンを押している時間の長さにかかわらず所定の処方量だけ供給するように、コンピュータシステムのインターフェースからプログラムすることができる。
【0284】
特に図4で見ることができるように、ディスペンサー11は、ベース生成物を各々収容するいくつかのカートリッジ30を収容しており、分配された処方量が混ぜ合わされた後に所望の特性を有する生成物が得られるように、分配されるベース生成物の各々の量を計量するのを可能にする。
【0285】
カートリッジ30の各々は、図2に示しているように、後方からディスペンサー11のハウジング内に導入することができる。検討されている例では、ディスペンサー11は3つのカートリッジ30を受け入れるが、本発明は、カートリッジ30の数が異なる例にも拡張される。
【0286】
カートリッジ30は、図5に別個に示されている。このカートリッジは、ピストン32の下に据え付けられて対応するベース生成物を収容しているリザーバ33の容積を低減するように、ピストン32がカートリッジの長手方向軸Xに沿って移動できる本体31を有する。リザ
ーバの容積は、好ましくは、2mLから5mLの間であり、たとえば3mL程度である。
【0287】
ピストン32は、ピストン32を貫通する対応するねじ山と係合している雄ねじ中空ロッド34によって、軸Xに沿って駆動される。
【0288】
ロッド34は、ピストン32が本体31においてリザーバ33の容積が少なくなる方向に移動するとき、リザーバ33に収容されている生成物が循環することができる通路を画定する。
【0289】
ロッド34は、本体31に対して回ることができるヘッド36によって軸Xの周りで回転され
、ノズル37と連通している。各々のカートリッジ30は、図8において別個に示されており、図4で見ることができるロッキングリング43がスライドすることができる軸方向にスリット留めするスリーブ41を備える支持部品40によってディスペンサー11内に取り付けられる。
【0290】
カートリッジ30が嵌め込まれると、支持部品40は、ノズル37の反対側においてカートリッジ30に係合され、固定リング43は、本体31において支持部品40を締め付けるためにスリーブ41に沿って移動される。支持部品40は、カートリッジ30をディスペンサー11のハウジングにおいて不動にするのを可能にする。
【0291】
ノズル37を有するカートリッジ30のヘッド36は、図7において別個に示された駆動部品50によって被せられ、駆動部品50は、軸Xの周りにヘッド36とともに回転できるように、
ヘッド36を掴む。
【0292】
駆動部品50を軸Xの周りで回転させると、その回転はヘッド36に伝えられ、ヘッド36は
本体31に対して回り、ロッド34をヘッド36とともに回転駆動することができる。
【0293】
本体31の内面に対するピストン30の摩擦力は、ピストン32が本体31に対して回るのを妨げるのに十分な力であり、それによって、ロッド34とピストン32が相対回転することによってピストン32が軸Xに沿って移動する。この動きに伴って、リザーバ33の容積が小さく
なり、カートリッジ30に収容されたベース生成物が、ロッド34内を上昇してノズル37に入る。
【0294】
駆動部品50は、ノズル37による供給を受け、分配オリフィス53を介して外部に開放している内部通路52を有している。この通路52は、エンドピース56によって形成されている。駆動部品50は、カートリッジ30のヘッド36を軸方向で覆う取付けスカート54を有している。この取付けスカート54は、水平壁55を介してエンドピース56に連結されている。
【0295】
エンドピース56は、ディスペンサー11のハウジングの駆動機構に属する、特に図9において見られる歯車60に、エンドピース56を回転のために結合させることができる浮き出し部57を有している。
【0296】
検討されている例では、浮き出し部57は、その基部においてエンドピース56から突出して歯車60の対応する切り欠きにおいて係合する、直径方向に向かい合う2つのスタッドの形態をとる。
【0297】
エンドピース56は、Oリングシール58を収容する溝を備える狭くなった部分を有してい
る。狭くなった部分は、ショルダ59を介してエンドピースの残りの部分に接続されている。
【0298】
カートリッジ30のヘッド36は、ノズル37と駆動部品50との間の封止結合を確保するOリ
ングシールを担持してもよい。
【0299】
駆動機構は、特には図10で見られる、減速歯車71が搭載された電気モーター70を備えている。これらの減速歯車の出力軸は、歯車60と噛み合う駆動輪72に結合されている。
【0300】
検討されている例では、カートリッジ30の各々の長手方向軸Xは、ディスペンサー11の
ハウジングの長手方向軸Yの周りにおいて互いに対して120°で配置されている。
【0301】
モーター70はカートリッジ30同士の間に位置決めされ、モーターの回転の軸は、同様に、ディスペンサー11の軸Yの周りにおいて互いに対して120°で配置されている。したがって、このことは、ディスペンサー11のコンパクトな設計に役立つ。
【0302】
歯付きモーターユニットは、有利には、70nN.mを超えるトルクを有する。たとえば、Maxon218418遊星減速歯車セットと組み合わされたMaxon118392モーターが使用される。このようなモーターは、直径が10mmであり、出力が1.5Wであり、公称電圧が3Vであり、アイドル回転速度が1300回転/分であり、最大トルクが1.5mNmである。減速歯車は、直径が10mm
であり、絶対減速比が256/1であり、トルクが0.2Nmである。
【0303】
図11において別個に示されている電子回路81は、ディスペンサー1のハウジングの上
端の近くに存在する。電子回路81は、減速歯車71の出力軸のための通路83が貫通し、駆動するエンドピース56の狭くなった部分55のための開口82が貫通する基板80を有する。
【0304】
スリーブ82aは、基板80に向かう生成物のあらゆる漏れに対する障壁として作用するた
めに、基板80に固定されてもよい。エンドピース56は、好ましくは小さい隙間を伴って、スリーブ82aを通過する。
【0305】
基板80は、前述の押しボタン12を担持しており、モーター70に電力供給するために使用される特定の数の出力ピン86を支持している。
【0306】
電子回路81は、ベース生成物の各々の所望の量を分配することを目指して様々なモーター70を動作させることができるように、マイクロコントローラなどを備えている。ベース生成物を送る分解能は、たとえば、0.001mLから0.003mLまでの間であり、たとえば0.0025
mL程度である。
【0307】
ディスペンサー11のハウジングは電池も収容しており、電池のセル89は、有利なことに、図4において見られるように、それぞれ、モーター70に連続して並べられている。
【0308】
好ましくは、図30に示しているように、ディスペンサー11は、たとえば、スマートフォン、例として「iPad(登録商標)」ブランドといったタブレット、またはラップトップコンピュータといった、携帯端末などのコンピュータシステム100を介して動作させられ
る。
【0309】
ディスペンサー11の動作情報は、たとえばBluetooth(登録商標)リンクによって、端
末100によって好ましくは無線で送信される。
【0310】
特定の一例では、電子基板81は、以下に対する制御を可能にする。
・各々の生成物についての体積分率命令、動作のモード(連続的、処方量、またはパー
ジ)、流量の値、または体積の値に応じて分配させるための、各々の生成物の体積の計算

・モーター70に電力供給する電流の測定、
・コンピュータシステム100とのBluetooth(登録商標)通信、
・生成物を供給するためのボタン12の管理、
・オン/オフスイッチの管理、
・LEDの表示の管理、
・電池の充電。
【0311】
基板80は、たとえば、以下の構成要素を有する。
・Texas Instruments CC2541マイクロコントローラ、
・使用者にステータス情報を提供するための青色CMS LED、
・温度遮断ヒューズ、
・32MHz水晶発振子、
・オン/オフスイッチ。
【0312】
Texas Instruments CC2541マイクロコントローラは、256kBのRAMを持つプログラム可能なフラッシュメモリと、数々の機能とを組み込んでいる。このマイクロコントローラは、IAR埋め込みワークベンチ環境で、C言語でプログラムされてもよい。
【0313】
カートリッジ30の出口オリフィス53は、特に図13で見られるように、実質的にディスペンサー11のハウジングの上端において開放している。ディスペンサー11のハウジングの上面14は、生成物をカートリッジから取出し領域または分配領域に向かって流す出口インターフェースを取り付けるための取付け面を画定している。
【0314】
図1の例では、この出口インターフェース110は、図14において個別に描写されてお
り、図示されているようにその周辺においてディスペンサー11のハウジングに固定するために使用されるねじのための通路111を有している追加構成要素の形態をとっている。
【0315】
この例では、出口インターフェース110はカップ115を画定しており、カップ115の底部
へと供給オリフィス116が開放しており、各オリフィスは、出口インターフェース110の所で内部ダクトを介してそれぞれの出口オリフィス53と連通している。
【0316】
したがって、検討されている例では、カートリッジ30に収容されているベース生成物は、互いに混合することなく、カップ115内に分配することができる。
【0317】
ディスペンサー11を使用するとき、使用者は、図3に示しているように、既定の割合の各ベース生成物でカップ115を充填でき、次に、カップ115に存在する生成物を、塗布するために取り出すことができる。この取出しは、たとえば、図示しているように指を用いて実施されてもよく、または、任意の適切な化粧用アプリケータを用いて実施されてもよい。カップ115は、好ましくはかなり浅く、洗浄するのがより容易であり、生成物に手を届
かせるのを妨げない程度の直径を有する。したがって、カップ115の深さpは、好ましくは1mmから5mmまでの間であり、カップ115の直径d、または、クルーシブルの輪郭が円でない場合はカップ115を包囲する円の直径dは、好ましくは20mmから50mmまでの間である。4>=d/p<=50であることが好ましい。
【0318】
供給オリフィス116は、好ましくは、直径が3mm未満であり、たとえば1mm程度である。
【0319】
出口インターフェース110は、使用していないとき、生成物が乾燥するのを防止するか
、または、生成物が汚れにさらされるのを防止するために、カップ115を閉じるための蓋118を受け入れてもよい。この蓋118は、好ましくは透明のプラスチックから作られ、カッ
プ115の直立部に、またはより一般的には、出口インターフェース110の任意の適切な位置に、摩擦、ねじ込み、またはクリップによって固定されてもよい。
【0320】
カップ115の最大容量は、好ましくは0.02mlから0.25mlまでの間である。
【0321】
好ましくは、供給オリフィス53から出口インターフェース110への入口と供給オリフィ
ス116との間の出口インターフェース110の内部通路の容積によって画定される容積は、0.4ml以下である。
【0322】
ディスペンサー11のハウジングは、図13に示したディスペンサー11の構成、すなわち、前述した出口インターフェース110がない構成において、実施されるメイクアップ、お
よび/または、処置される領域に応じて、様々な形態の他の出口インターフェースに結合
できるという利点を有する。
【0323】
したがって、図15は、ディスペンサー11の長手方向軸Yに対して斜めに伸びる軸Zにおおむね沿って配置された分配エンドピース150を有する出口インターフェース110の変形形態を示している。3つの内部通路が、様々なカートリッジ30の出口オリフィス53とそれぞれ連通しており、エンドピース150の端部において開放している。出口インターフェース110は、図15Aに示しているように、ディスペンサー11のハウジングの一端において嵌め込むことができる。
【0324】
図16の変形形態では、出口インターフェース110は、出口オリフィス53とそれぞれ連
通している3つのノズル160を有する。ノズル160は、出口インターフェース110の中心に
おいてまとめられており、それによって、たとえば、図25に示しているような、まつ毛に生成物を塗布するためのエンドピース170、図27に示しているような、唇への塗布の
ための有孔エンドピース180、または、図28に示しているような、フェルトの先端など
の植毛されたエンドピース190を、ノズル160に取り付けるのが可能になる。
【0325】
図25のエンドピース170の場合、これは、たとえば図示しているように、生成物供給
オリフィスが間で開放しているトランスバースストリエーション171を有する。様々なベ
ース生成物の混合が、たとえば作り付けの静的ブレンダーによって、エンドピース170内
で行われてもよい。
【0326】
エンドピース180は、たとえば、連続気泡体から作られた唇の形の部品を有する。ベー
ス生成物は、エンドピース180の内部ダクト内で混ぜ合わされてもよい。
【0327】
エンドピース190は、図16の出口インターフェースの残りの部分に取り付けるために
使用される基部193に連結されたステム192の端部において有孔塗布部材191を有してもよ
い。
【0328】
図16Aは、カートリッジの出口ダクト30aが、ねじ付きロッドを回転させてピストン
を移動させるために使用されるときでも、これらのダクト用の通路115aを含むカップ115
を出口インターフェース110として有することが可能であることを概略的に示している。
ダクト30aの長さは、カップの底部115bに突出することなく、ダクト30aがカップの底部115bに開放するか、または、底部の近くに開放するような長さである。
【0329】
好ましくは、ダクト30aの内部断面積は、デッド容積を最小限に抑えるために小さい。
【0330】
図22図24の例では、出口インターフェース110は、ディスペンサーの長手方向軸Yに対して概して斜めに向けられたエンドピース200を有する。このエンドピース200は、それを貫いて延びる内部通路210を有しており、これら内部通路210は、カートリッジ30から来るベース生成物のための出口オリフィス53とそれぞれ連通している。
【0331】
出口インターフェース110は、エアブラシ220を、図24に示しているように出口インターフェース110に固定するのを可能にする取付け部品215を有する。
【0332】
エンドピース200は、エアブラシの通常のリザーバに代わって固定され、通路210は、エアブラシのスプレーノズル内に開放しており、そこで同伴空気の流れの速度によって生じる押圧にさらされる。
【0333】
クリップが、エアブラシ220のスタイラスの本体を受け入れ、エアブラシ220をクリップ固定によって所定位置に保持するために、2つの直立部216によって形成されている。
【0334】
好ましくは、エンドピース200の向きは、スプレー軸を、ディスペンサー11のハウジン
グの長手方向軸に対して実質的に垂直に向けるのを可能にするような向きである。そのため、このハウジングは、エアブラシを操作するためのハンドルとして使用することができる。
【0335】
出口オリフィス210は、有利には、互いに非常に近くに配置されており、エンドピース200の細かい内部仕切りによって分けられている。
【0336】
好ましくは、出口オリフィスの各々の断面積は、少なくとも5mmの長さにわたって3mm2
以下である。
【0337】
ディスペンサー11のハウジングには、上方部において、たとえば図29に示しているようなタレット250の形態で、ハウジングに対して移動することができる支持体が搭載され
てもよい。
【0338】
このタレット250は、たとえば、ディスペンサーの長手方向軸Yと一致する回転の軸の周りを回る。
【0339】
タレット250は、各空間が、対応する充填位置においてディスペンサー11によって供給
される生成物を収容することができるいくつかの空間255を有してもよい。連続して様々
な空間を充填するために、タレット250は、たとえば毎回4分の1回転だけ回転するように
なっている。いくつかの空間255が存在することが、それぞれに異なるベース生成物から
生成されたそれぞれに異なる処方の生成物を、たとえば様々な空間255に存在する生成物
のシェードを変化させるように分配するのを可能にし得る。
【0340】
図29は、実質的に顔の様々な領域のように空間が配設された支持体を示しており、各々の空間は、色が顔の対応する部分に適した混合物を収容してもよい。したがって、使用者は、所与の空間から取り出された混合物をどこに塗布するかを知ることが、容易である。
【0341】
ディスペンサー11は、処方が時間とともに変化する混合物を分配するために使用でき、かつ、ディスペンサーに対して移動できる容器内に混合物を回収するために使用でき、それによって時間とともに変わる容器の位置に混合物が堆積され、段階的な効果が実現される。
【0342】
たとえば、図29Aおよび図29Bに示しているように、分配システムは、ディスペンサーに対して固定された部分を有する出口インターフェース110と、混合物を受け入れる
ための空間253を有する可動部252とを有する。
【0343】
たとえば、ディスペンサー11は、この場合、カートリッジの出口オリフィスが下向きである状態で配置され、ブレンダーを備えており、それによって、混合物は、それ自体の重量の下で空間253内に落ちる。モーターは、出口インターフェースの可動部品を、ディス
ペンサーに対して、混合部の特性における変化と同期するように移動させてもよく、そのため、段階的な効果が、図29Bに示しているように、空間253全体に沿って得られる。
【0344】
分配システムは、ディスペンサーヘッドを下に維持するスタンド254を有してもよい。
【0345】
出口インターフェース110は、特にはカップを備えるとき、ベース生成物を混ぜ合わせ
る静的ブレンダーを有してもよい。
【0346】
図17図21は、このような静的ブレンダーを有する出口インターフェース110を示
している。
【0347】
この出口インターフェース110は、ディスペンサー11のハウジングに固定され、外部管
状直立部270を有する外部本体260を有してもよい。
【0348】
本体260は、様々なベース生成物を入れるための通路261を有する。これらの通路261は
、内部管状直立部263によって画定されている中央チャンバ262内に開放している。
【0349】
この直立部263は、直立部263を貫通するとともに、内部直立部263と外部直立部270との間で環状の空間265内に開放している開口264を有する。
【0350】
図20において別個に示されている静的ブレンダーコア280が、この空間265の内部に配設されている。
【0351】
中央チャンバ262は、ブレンダーのコアによって形成された一連の仕切りを備える周辺
チャンバと連通してもよく、その一連の仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【0352】
周辺チャンバは、穿孔285を画定する有孔環状仕切り284を有してもよく、1つの穿孔が図21に示されており、混合物が周辺チャンバを通って循環するときに各穿孔を通過する
。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁286によって、上部において閉鎖されてもよい。
【0353】
周辺チャンバの端壁287は、螺旋形状を有し、高さが出口に向かって小さくなってもよ
い。出口は、周辺チャンバの端壁287とブレンダーの上壁286とを連結する連結ランプ288
の前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【0354】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切り281とを有し、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通
過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【0355】
本体260は、外側において周辺チャンバを径方向に閉鎖する。
【0356】
ブレンダーの外側本体260とブレンダーのコア280とは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【0357】
生成物は、通路264を介して静的ブレンダーのコア280に到達してから、直立部263と直
立部270との間を事実上全周囲にわたって循環し、出口282に到達するまで循環する。
【0358】
仕切り281による多数の障害物によって、出口インターフェース110内に導入される成分が密に混合する。得られた混合物は、使用者によって静的ブレンダーの上方で空間283か
ら取り出され得る。
【0359】
上記のように、本発明による分配システム10は、使用者がディスペンサー11を容易にかつ直感的に動作させるのを可能にするマンマシンインターフェースを有することが好ましい。このインターフェースは、ディスペンサー11と通信するコンピュータシステム100の
一部を形成してもよい。
【0360】
図31図37は、使用者が様々なベース生成物を計量して分配することによって得られる混合物の色を選択するのを可能にするタッチセンシティブインターフェースの様々な例を示している。
【0361】
このインターフェースは、図31に示しているように、たとえば三角形の形態の色選択領域を有してもよく、その色選択領域の頂点は、カートリッジに収容されたベース生成物の各々の色に対応している。
【0362】
使用者は、三角形の頂点A、B、およびCに対して、たとえばボールの形態のカーソル300を移動できる。
【0363】
カーソル300を頂点のうちの1つに近づければ近づけるほど、対応するベース生成物の
割合が、分配される様々な生成物の全体の量に対して大きくなる。
【0364】
全体の量に対する各々の生成物の割合は、インターフェース上の数値によって、301に
おいて示されてもよい。
【0365】
インターフェースは、たとえばベース生成物の各々の量の厳密な調整を可能にする制御ボタン302を操作することによって、使用者が生成物の各々の量を増分または減少させる
のを可能にしてもよい。
【0366】
三角形310の表面は、各点における混合物の色を示すように局所的に変化する色を有し
てもよく、混合物の色は、その点での相対座標に対応する割合で様々なベース生成物を重み付けすることによって得られる。
【0367】
インターフェースは、ディスペンサーをパージするように分配された生成物の体積を調整するための特定のメニューへのアクセスを可能にするボタン305を有してもよい。
【0368】
インターフェースは、有利にはまた、流量を調整するための特定のメニューに戻るボタン304および306を用いて生成物の流量を調整するのを可能にしてもよい。
【0369】
検討されている例では、インターフェースは、使用者が制御ボタン12を押している限り生成物が分配される、ボタン304を用いる連続分配モードとの間の選択を可能にする。
【0370】
対応する処方量をインターフェースに送信して表示することができる。
【0371】
ボタン306は、ボタン12が短時間押されただけでも規定の処方量の分配をトリガする処
方量の動作モードの選択を可能にする。
【0372】
流量を変化させるために、ディスペンサーは、たとえば、モーターの動作デューティサイクルに作用する。
【0373】
インターフェースは、お気に入りへのアクセスを可能にするメニュー307を用いて、使
用者が、自分が好む設定をプログラムまたは記憶するのを可能にするように設計されてもよい。
【0374】
図32に示したタッチセンシティブインターフェースは、ディスペンサー11に収容されているベース生成物のうちの1つの色に各々が対応する3つのカラーリングされた領域400と、得られる混合物の色を示す中央領域410とを画面上に示す。
【0375】
ベース生成物の各々の相対量は、たとえば、領域400の各々を中心領域410に結合する線に沿って移動するカーソル415を用いて調整することができる。
【0376】
インターフェースの使用の間、インターフェースは、所与の設定を記憶し、混合物の色のボタン420を画面上に表示させてもよい。したがって、使用者は、このボタン420を押すだけで、対応する色の混合物を分配することができる。
【0377】
図34の例では、インターフェースは、領域500において、所与のシェードを表示し、
各々が対応するベース生成物の色用のボタンである制御ボタン510によって、最終的な混
合物におけるこのベース生成物の割合を増加または減少させるための機会を使用者に提供する。領域500の色は、制御ボタン510に対するアクションに応じて再計算される。
【0378】
図35における変形形態では、インターフェースは、様々なベース生成物の特定の割合に各々1つが対応するいくつかの領域530を有するカラーチャートを示している。
【0379】
使用者は、たとえば自分の指でこれらの領域のうちの1つを押すことによって、その領域を選択してもよい。
【0380】
インターフェースは、その選択された色を、領域535においてより大きいスケールに表
示するように設計されてもよい。ディスペンサー11をこの色を分配するようにプログラミングすることは、たとえば、領域を押すことによってトリガされる。
【0381】
図36の例では、使用者は、カーソル555を連続的なカラーチャート550上を移動させ、選択された色を領域558に表示させてもよい。
【0382】
その場合、使用者は、たとえば領域556を押すことによって、ディスペンサーに選択さ
れた色における生成物を分配させるための必要な命令をディスペンサー11に送ることをトリガすることができる。
【0383】
図37から明らかなように、インターフェースは、選択された様々なシェードを記憶することができ、使用者が、すでに選択されたことがあるシェードを、対応するボタン560
を押すことによって非常に簡単に再び選択するのを可能にするように、それらのシェードを画面上に表示することができる。
【0384】
図38は、好ましくは上記で説明したようなディスペンサーと、インターフェースが属するコンピュータシステム100とを備える分配システムのユーザインターフェース1000の
例を示している。
【0385】
ここでは、コンピュータシステムは、たとえば、ラップトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなど、自律的に動作する装置、または、リモートサーバに接続された装置を備える。
【0386】
検討されている例では、インターフェース1000は、このような装置のタッチスクリーンによって画定される。図示されていない変形形態では、ディスペンサーは、タッチスクリーンまたは任意の他の種類のマンマシンインターフェースを組み込んでおり、他の装置への接続なしで使用することができる。
【0387】
装置は、たとえば、前もってダウンロードされており、画面において、顔1035と、使用者が情報を入力するのを可能にする一連のボタンとを表示するアプリケーションを動作させる。
【0388】
顔は、触れることによって選択することのできるいくつかの領域Z1~Z6、たとえば額、鼻、頬、まぶた、下顎の先、および唇を備えてもよい。
【0389】
画面に存在するボタンは、たとえば、メイクアップの名前または使用者の名前を入力し、選択された領域を表示し、色を選択し、実施された試験の結果が許容可能であるかどうかに関してコンピュータシステムに通知し、または場合によっては、図示しているように、以前に実施された試験に対する結果の評価に関する情報、つまり、たとえば、より良い、または「それほど良くない」を提供することを可能にし得る。画面はまた、選択された色および領域を、検討中の領域においてその色によって試験が実施された後に記憶するのを可能にするボタンを表示してもよい。
【0390】
色の選択は、たとえば、図36を参照して説明したスケールと同様のカラースケールによって行われる。
【0391】
コンピュータシステムは、試験の間に分配された混合物を再生成するのを可能にするパラメータに顔の領域を関連付けるために、たとえばルックアップテーブルの形態でデータを記憶するように設計される。これらのパラメータには、たとえば、混合物におけるディスペンサーのベース生成物の各々の相対的な含有量、分配された量Qに加えて、たとえば
、領域の名前、混合物が分配された日付および/または任意の他の混合物識別子、ベース
生成物の識別子、一年のうちの時期、特に季節、使用者の年齢、使用者の性別、使用者の姓または名、メイクアップと関連付けられる出来事の名前、たとえば、特に誕生日、ならびに領域に適した生成物の量などの追加データがある。補助データは、使用者が、一年のうちのその時期に適していると考えられるメイクアップの見た目をより容易に再現するか、または、人生の出来事を思い出すか、または、若返りの効果をもたらすのを可能にすることができる。
【0392】
これらのデータは、コンピュータシステム100に記憶されてもよく、たとえば、前述の
装置内、および/もしくは、装置が通信しているリモートサーバ上、または代替で、ディ
スペンサー11に組み込まれた電子メモリ内に記憶されてもよい。
【0393】
したがって、本発明によれば、使用者は、ディスペンサーに第1の着色物質を供給させ、第1の着色物質を顔の第1の領域に塗布し、それが適するかどうかを判定してもよい。結果に満足できる場合、使用者はその結果を記録し、領域にインデックス付けし、結果に満足できない場合、使用者は、上記の動作を繰り返すために、新たな色を指示してもよい。
【0394】
コンピュータシステムは、この文脈において、様々な方法で使用することができる。
【0395】
たとえば、図40に示しているように、使用者は、ステップ1010において、調整ボタン1012を移動させることによって、たとえば画面に表示されたカラースケール1011を用いて、試験する色を選択している。
【0396】
次に、選択された色は、ステップ1015においてディスペンサー11に送信される。
【0397】
たとえば、装置は、分配されるベース生成物の各々の量を送信し、それに従って、電子回路81はモーターを動作させる働きをする。
【0398】
ステップ1016では、使用者はディスペンサー11の制御ボタン12を押し、これによって、たとえば、使用者によって選択された色で、混合物の処方量を分配させる。
【0399】
混合物は、たとえば、カップ115内に分配され、次に、ステップ1020において使用者に
よって取り出され、頬、または、インターフェース上で指示される任意の他の領域に塗布される。
【0400】
変形形態では、生成物は、エアブラシを用いて、または、前述したような任意の他の手段によって、塗布される。
【0401】
次に、使用者は、ステップ1022において、ボタン1021を用いて、コンピュータシステムに結果を通知する。
【0402】
結果が満足できるものであることを使用者が示す場合、システムは、たとえば、使用者が、ステップ1031において、試験のパラメータを記憶させるために、ボタンを用いてこれらのパラメータを検証することを提案する。
【0403】
使用者が結果を満足できるものと考えず、ボタン1032を用いてこのことを知らせる場合、それにもかかわらず、結果をステップ1034において自動的に保存することができる。
【0404】
したがって、各々の領域は、適切な色だけでなく、この領域に全く適していない色でも
インデックス付けすることができる。
【0405】
次に、使用者は、ステップ1010に戻ることによって、同じ領域に対してさらなる試験を実施することができる。
【0406】
使用者が結果に満足できる場合、使用者はまた、たとえば顔の異なる領域に対してさらなる試験を実行することを望む場合がある。
【0407】
適切な場合、使用者が満足できないとき、インターフェースは、対応するボタン1040および1041を用いて、結果が先の試験よりも良いと考えられるか、または、先の試験ほど良くないと考えられるかを使用者が示すことを提案してもよい。
【0408】
コンピュータシステムは、その場合に、使用者によって入力された情報に鑑みて、次にどの色を試験するかに関して、提案を自動的に行うことができるかどうかを判定するように設計されてもよい。
【0409】
適切な場合、コンピュータが、実施された試験と、使用者または使用者を支援する専門家がこれらの試験をどのように評価したかとに鑑みて色を提案する際に、コンピュータシステムを支援するために、質問事項が表示されてもよい。
【0410】
たとえば、色が「適切でない」と見なされた場合、システムは、追加情報、たとえば「明るすぎる」を使用者から受信する場合があり、この情報は、システムが、使用者の期待によりうまく適合する新しい色を提案する際に、システムを支援する。
【0411】
コンピュータシステムが、結果を先の試験と比較する情報、たとえば「より良い」または「それほど良くない」を受信することができ、そこからシステムが新たな色としてどんな色を提案すべきかを推定できれば有利である場合がある。
【0412】
別の選択肢は、コンピュータシステムが、目標との比較に関する比較情報、たとえば「ほとんど理想的なものである」を受信することができ、そこから、システムが、その色の修正を自動的に調整することができることである。
【0413】
この具体的な例では、システムは、所望の結果がほとんど達成されたという情報を受信した場合、低レベルの色変更を採用し、したがって調整の比色スケールを修正することができる。
【0414】
分配システム自体が、試験すべき着色混合物を提案する場合、これらの混合物は、あらかじめプログラムされた試験シナリオに基づくものであってもよく、システムは、シナリオが評価の成功または失敗に従ってどのように進行するかを変更してもよい。したがって、たとえば、生成物の第3の塗布から、色が使用者にとってほとんど理想的なものであるという情報を分配システムが受信した場合、分配システムは、プログラムを終了してもよく、その後、分配システム自体を操作者からの指令によって案内させてもよい。
【0415】
概して、使用者は、試験すべき色の選択において、エキスパートシステムによって支援されてもよい。
【0416】
このエキスパートシステムは、たとえば、ディスペンサーが通信する装置上で動作するか、または、ディスペンサー自体上で動作するプログラムであり、質問事項への答えに基づく、および/または、特定のセンサもしくはカメラによって得られる、たとえば皮膚の
色の測定値に基づくプログラムである。したがって、使用者は、たとえば色センサなどの
計器による評価から支援を得ることができる。エキスパートシステムは、場合によっては、装置またはディスペンサーが情報を交換するリモートサーバ上に実装することができる。操作者は、場合によっては、開始色選択肢を事前プログラムすることができる専門家に自分の顔の画像を送信してもよい。別の例示的な実施形態では、使用者は、自分の顔の写真をコンピュータシステムに提示し、コンピュータシステムは、この写真を分析し、色と量の両方に関して、試験される領域と、供給される第1の生成物とを定義するプログラムを作成するように設計される。たとえば、コンピュータシステムは、図42において示しているように、ステップ1070において、写真を撮ることによって、使用者に提案すべきメイクアップの色を自動的に選択するように設計されてもよい。たとえば、ディスペンサー11と通信する装置にはカメラが搭載されており、使用者は自分の顔の写真を撮る。次に、画像がステップ1071で分析され、たとえば規定の色の組合せ規則に従って、ステップ1072において顔の領域ごとに色が提案される。
【0417】
分配システムは、色を決定し、また、分配される生成物の量を決定するように、使用者によって向きを定められてもよい。たとえば、使用者は「鼻」または「シミ」を示してもよく、分配システムは、処方量の記憶されたマップに従って分配される処方量を、処置される領域に応じて分配させるように適合するように設計される。
【0418】
コンピュータシステムは、使用者が満足する結果を得るまでに必要とされる試験の数を制限するように、使用者を、試される混合物における色の選択において指導してもよい。
【0419】
したがって、図41に示しているように、ディスペンサーによって分配された混合物が、ステップ1060において顔の所与の領域に塗布された後、コンピュータシステムは、結果に満足できるかどうかを使用者に問い合わせ、結果が満足できるものではないと見なされる場合、分配された混合物を修正するために、ディスペンサーパラメータの変更1061を独自に行う。
【0420】
使用者は次いで、修正された混合物で新たな試験を実施するだけでよい。
【0421】
混合物が満足できるものであることが示されると、コンピュータシステムは、後で混合物を再生成することが可能になるように対応するパラメータを記憶することができる。
【0422】
この場合、システムは、新たな塗布領域に関して上記のステップを新たに開始することができる。
【0423】
連続する試験の間、操作者は、顔全体を処置する必要はない。操作者は、たとえば、3つから8つまでの間の小さい領域、たとえば5つの小さい領域を選択してもよい。分配システムは、この場合、有利なことに、適切であると見なされる色に関するデータを内挿および/または外挿して、処置が行われていない領域に適すると見なされるべきである色を
計算するように設計される。
【0424】
学習段階の終わりにおいて、システムは、試験または計算された、様々な領域上の適切な色の表示を生成してもよい。
【0425】
分配システムは、特定の色が正しくないように見えるかどうかを示すように設計されてもよく、このことを、メモリ内にある標準的なマップとの比較の強度に関して示す。したがって、分配システムは、使用者がこのマッピング訓練の全部または一部を繰り返すことを提案してもよい。
【0426】
コンピュータシステムがその学習を完了し、すなわち、混合物の色が、特定の領域をメ
イクアップするうえで使用者に合う色として特定された後、メイクアップを施すことを望む使用者は、図43のステップ1080において、メイクアップされる領域を呼び出すだけでよく、システムは、ステップ1081において、使用者に混合物の適切な色を自動的に提案することができる。
【0427】
図44に示した変形形態では、使用者は、ステップ1090において色を選択し、コンピュータシステムは、ステップ1091において、実施された試験に基づいて以前に集められた情報に基づいて、この色の混合物を塗布すべき領域を提案する。
【0428】
提案される領域は、たとえば、同一の色または非常に近い色がすでに塗布されており、結果が使用者によって許容可能と見なされている領域である。
【0429】
図46は、ステップ2010において様々なゾーンで試験を実行し、使用者が、自分が最良の結果を与えると考える1つまたは複数の混合物をシステムに知らせ、これによって、ステップ2012において、対応するパラメータをシステムに知らせることができる、本発明の実装形態の一例を示している。次に、ステップ2014では、システムは、同じ特性または非常に近い特性を有する市販の生成物の参照を使用者に提案してもよい。
【0430】
一変形形態では、システムは、使用者が試験し、満足できるものであることがわかった混合物と同じ処方または同じ特性を有する組成物を生成することができるように、遠隔の製造センターにパラメータを送信する。
【0431】
図45は、様々な混合物のいくつかの処方量2020a~2020dを支持体2021において互いに隣り合わせて分配することによって、これらを同じ領域の隣接する個別の領域に塗布するのを可能にするように、ディスペンサーを使用することが可能であることを示している。
【0432】
使用者は、迅速に適切な色の的を絞るために、一連の色を1回で塗布することができる
。支持体2021に存在する着色物質は、操作者自身によって選択されていてもよいし、または、分配システムによって提案されていてもよい。
【0433】
支持体2021は、たとえば、ディスペンサーのハウジングに対して移動でき、様々な領域2020a~2020dにおいて対応する混合物を堆積させるように連続して移動され、たとえば、図29または図29Aを参照して説明した支持体と同様である。したがって、使用者は、様々な領域同士の間で結果を容易に比較し、どの混合物が最良の効果を生成するかをシステムに通知することができる。
【0434】
図47は、使用者が、メイクアップを施すとき、特に正しいカラーリングを選択するときに、使用者を支援するシステムを示している。
【0435】
このシステムは、第1の場所2061におけるカメラ2060と第2の場所2062との間で、たとえばインターネットを介して、ビデオリンクを確立するのを可能にする。
【0436】
カメラ2060は、たとえば、コンピュータシステム100を構成するタブレットまたはスマ
ートフォンに組み込まれる。
【0437】
第2の場所2062は、第1の場所2061に存在するディスペンサー11を直接的に動作させるかあるいは間接的に動作させることができる。
【0438】
したがって、第1の場所に存在する使用者は、分配される混合物を塗布し、対応する画像を第2の場所2062に送信し、それに応じたメイクアップの結果に関する情報を受信する
ことができる。
【0439】
第2の場所2062は表示画面2064を有してもよく、この表示画面2064は、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された混合物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色を修正し、第1の場所に存在する使用者の顔に色をよりうまく適合させるように、ディスペンサー11を操作してもよい。したがって、2つの場所の間でのデータの交換についてのプロトコルは、コマンド命令をディスペンサー11に直接送るか、あるいは、第1の場所に存在するコンピュータシステム100を介して送
るのを可能にする。したがって、第2の場所に存在する使用者は、ディスペンサー11によって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【0440】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクであり、そのため、第1の場所に存在する使用者は、コンピュータシステムの画面において、アドバイザーの画像を見ることができる。このアドバイザーは、必要な場合、第1の場所に存在する使用者にチュートリアルを送信することができる。
【0441】
ディスペンサー11の設定パラメータを記憶することは、与えられた混合物が満足できると見なされた後、第2の場所から命令されてもよい。
【0442】
有利には、分配システム10は、使用者が自分の顔の色を変更することを望む場合、各々の領域についてすべての色を美しく見えるように修正できるように設計される。分配システムは、使用者が1つの領域における単一の色を修正するだけでシステムが他のすべての色を修正できるように設計されてもよい。分配システムは、そのために、たとえば、色の彩度を記録するか、または、シェードをずらすことによって、トランスレーションを使用することができる。
【0443】
分配システムは、現実または仮想の他の使用者のマップを受信するように設計されてもよい。固有の特性を失うことなくメイクアップを昇華させるために、使用者のマップを別の使用者のマップと組み合わせてもよい。
【0444】
インターフェースは、メイクアップすべき領域の順序、または、提案すべき色の順序が定義されたメイクアッププログラムを定義するために使用されてもよい。
【0445】
実施例
図3に示したようなディスペンサー11が作製される。ディスペンサーは、iPad(登録商標)などのタブレット100と通信するように設計されている。このコンピュータシステム
は、Objective-C言語で特定のApple環境(XCode 4およびiOSシミュレータ)において開発された「μMix」と呼ばれるアプリケーションを実行する。
【0446】
このコンピュータシステムは、ユーザグラフィックインターフェースと関連付けられたデータ構造、計算ツール、および機能を操作するためのツールを供給するFoundation、UIKit、およびCoreGraphicsベーシックフレームワークを使用する。
【0447】
このアプリケーションはまた、Bluetooth(登録商標) 4 Low Energyペリフェラルへのアクセスを可能にするCoreBluetooth(登録商標)フレームワークを使用し、以下の主要
なタスクを有する。
・Bluetooth(登録商標) 4.0 Low Energyペリフェラルの探索、
・接続/切断および接続パラメータの管理、
・GATT(Generic Attribute Profile)アーキテクチャに基づく読取りおよび/または書込みモードにおける通信。
【0448】
このアプリケーションでは、以下の機能を提案する。
・ベース生成物の割合の定義、
・制御ボタン12を押したときの動作モードの選択、つまり、連続、パージ、または処方量の選択、
図30に示しているような体積分率の三角形の表示と、三角形に触れるか、または、各々の生成物と関連付けられた+/-ボタンを用いることによる、体積分率の管理、
・Bluetooth(登録商標)接続/切断、および、ディスペンサーへの命令のリアルタイム転送、
・連続モードにおける流量の設定、および、処方量モードにおける量の設定、
・命令に応じた、リアルタイムでの生成物の体積分率の計算、表示、およびディスペンサーへの転送、この場合、割合の合計は常に100%に等しくなる、
・リアルタイムでの3つのモーターのトルクの回収および表示、および
・構成ファイルにおける重要パラメータの保存。
【0449】
連続モードは、使用者が分配ボタン12を押している限り3つのベース生成物の混合物が分配される分配モードである。生成物は、「連続」ボタン304の上方に推定値が表示され
る流量で、分配される。流量の選択は「設定」メニューで行われる。
【0450】
「処方量」モードは、混合物を処方量だけ分配するモードであり、このモードでは、使用者が分配ボタン12を押した後に処方量が供給される。1回押すだけで十分であり、使用
者は、1回押した後にボタンを離すことができる。分配される生成物の全体的な投与量は
、たとえば0.1mlのように、「処方量」ボタン306の上方に示される処方量である。この体積は「設定」メニューで変更することができる。
【0451】
「パージ」モードは、「処方量」モードにおけるように、使用者が分配ボタン12を押すとすぐに、体積分率(33%)が等しいある処方量の混合物が供給される分配モードである。1回押すだけで十分であり、使用者は、1回押した後にボタンを離すことができる。処方量
が完全に分配されたときに、ボタンを離してもよい。終了する前にボタンを離した場合、指定された体積が達成されていなくても、分配は停止する。分配される生成物の全体的な処方量は、たとえば3mlのように、「パージ」ボタン305の上方に示される処方量である。この体積は「設定」メニューで変更することができる。
【0452】
使用者は、タブレット上で動作し、様々な生成物の割合を計算するアプリケーションによって、所望の色を決定する。タブレットは、Bluetooth(登録商標)接続によって、こ
の値をディスペンサーに通信する。
【0453】
ディスペンサー11に組み込まれた電子機器は、所望の色の混合物を得るために、情報を集め、3つのカートリッジの流量を自動的に調整する。
【0454】
使用者は、生成物を使用することを望むとき、生成物を放出させるために、ディスペンサーのボタン12を押す。使用者は、「連続」モードにおいて、生成物を必要な限りボタンを押す。「処方量」モードでは、使用者は、ボタン12を1回押し、規定の投与量が供給さ
れる。
【0455】
分配は、連続的に実施されてもよく、つまり、モーターが連続的に動作し、全体的な体
積が、1回で分配されるか、または、反復的に分配される。その結果、モーターはパルス
式に動作し、その場合、2回のパルスの間の時間の間隔によって流量を変化させることが
可能である。小さい体積が、いくつかの段階を経て次々と分配される。
【0456】
パルスは、たとえば、50ms、100ms、または200msの間隔で分けられてもよい。モーターが回転しているパルスの持続時間は、たとえば50ms~150msである。
【0457】
この例における「μMix」アプリケーションのメインページは、特に図31で見られる
ような、以下の要素を備える。
・画面の上部におけるステータスバー:Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示すステータスバー、
・画面の下部におけるサムネイル:アクティブページ、つまり、メインページ、設定、Bluetooth(登録商標)、生成物、およびお気に入りを選択するためのサムネイル、
・生成物が連続的に分配されるモードを選択するための連続ボタン304、
・パージモードを選択するためのパージボタン305、
・分配が処方量だけ行われるモードを選択するための処方量ボタン306、この場合、処
方量の体積が処方量ボタンと関連付けられる、
・ドラッグするか、または、ダブルタップを用いるかのいずれかによって、体積を表す三角形の内部で使用者が動かすことができる青色ボール300、
・各々の生成物A、B、およびCのための「-」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を結ぶ直線に沿った移動があったときに、選択された生成物の割合を小さくするボタン、
・各々の生成物A、B、およびCのための「+」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を結ぶ直線に沿った移動があったときに、選択された生成物の割合を大きくするボタン、
・百分率としての各々の生成物の体積分率:使用者によって修正可能であり、+ボタンおよび-ボタン302からの命令と、ボール300の位置とに従って、リアルタイムで更新される
【0458】
体積分率は、ボールを移動させるか、または、+ボタンおよび-ボタンを用いることによって修正されるが、生成物A、B、およびCの体積分率の値は自動的に更新される。体積分
率が+ボタンおよび-ボタンを用いて修正されたとき、ボール300は、三角形における対応
する位置に自動的に移動される。
【0459】
タブレット上で動作するこのアプリケーションは、起動されると、ディスペンサー11が検出された場合にディスペンサー11に自動的に接続する。ディスペンサーがオフに切り替えられるか、または、Bluetooth(登録商標)接続が切断されると、タブレットは接続切
断する。使用者が、生成物AおよびBの割合を調整するカーソルを移動すると、値はリアルタイムでディスペンサー11に送信される。
【0460】
アプリケーションの設定ページは以下の要素を含む。
- 画面の上部におけるステータスバー:Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示すステータスバー、
- 画面の下部におけるサムネイル:アクティブページ、つまり、メインページ、設定、Bluetooth(登録商標)、または情報を選択するためのサムネイル、
- ml単位の処方量の体積(たとえば2ml)を定義するために使用者によって埋められるテキストフィールドと、ml単位のパージ体積(たとえば3ml)に関するフィールドとを含む「
体積」部分:この例における最小処方量は0.023mlであり、最大処方量は9.90ml(3×3.3ml)である、
- 流量の選択に関する「流量」部分:高速(≫0.03ml/s)、中速(≫0.02ml/s)、または低速(≫0.01ml/s)、
- いくつかの段階を経て次々に供給される少量の生成物の混合物を分配するための、
混合物の反復的な選択に関する「処方量」部分、
【0461】
逆の場合、各生成物の全体積が1回で分配される。
- ディスペンサー11によって供給される色で三角形を表示することができるように、
メインページにおいて表示される三角形の画像を選択するための「三角形画像」部分。「設定」ページにおける「画像選択」ボタンを使用することによって、アルバムにアクセスすることができる。
【0462】
検討されている例では、アプリケーションの「生成物」ページは、以下の要素を含む。
- 0~1414のコードステップ単位での各生成物の値の選択。各単位は、2.33μlの、生
成物の供給体積に対応し、これは、この例におけるディスペンサーが供給できる最小量である。このページが表示されると、このページにおける生成物の値がディスペンサーにリアルタイムで送信される。ページがもはや表示されなくなるとすぐに、ディスペンサーに送られる値は、三角形を含むメインページの値となる。
- 45個の値ごとにリアルタイムでリフレッシュされるA、B、およびCについてのモータートルクの表示。
【0463】
生成物が供給されるモードは、設定ページにおいて選択される選択肢に従う反復処方量モードまたは直接処方量モードである。
【0464】
「お気に入り」ページは、構成をファイルに保存するのを可能にする。「お気に入り」ページは、検討されている例では、デフォルトファイルに加えて、10個のファイル、つまり「構成1」~「構成10」へのアクセスを可能にする。これらのファイルは、たとえば、
以下のパラメータを記録する。
- 生成物A、B、およびCの割合、
- パージ体積、
- 処方量体積、
- 高流量、中流量、または低流量、
- 処方量モード、パージモード、または連続モード、
- 連続分配または反復分配。
【0465】
実施例1(本発明の第1の態様)
いくつかのベース生成物を、高密度顔料および低密度顔料として知られているものを用いて作製する。
【0466】
ベース生成物「A」、「B」および「C」は、個別のカートリッジを意図する。特定のベ
ース生成物は、濃縮のレベルが高く(A1、B1、C1)、その他は高くない(A2、B2、C2)。
【0467】
【表1】
【0468】
比率は、質量による。
【0469】
【表2】
【0470】
配合物の密度を測定する(1atmおよび25℃で、MS-r4測定棒が取り付けられたCONTRAVES TV回転粘度計を60Hzの振動数で用いて、測定棒を10分回転した後に)。
A1: 2.6Pa.s
A2: 0.55Pa.s
B1: 2.4Pa.s
B2: 0.4Pa.s
C1: 2.6Pa.s
C2: 0.6Pa.s
【0471】
試験1(本発明によるもの)
システムを
・A1、
・B1、
・C1
を用いて試験した。
【0472】
分配するためのシステムによって、最終混合物中に以下の容積比率を有する混合物を決定する。
A: 25%、B: 25%、C: 50%。
システムをt0で使用し、生成物200mgを供給する。次いで、混合物を広げる。
同じ操作を数日(20日)間行う。
結果を比較することによって、これらが一定であることは明らかである。
【0473】
試験2(本発明のものではない)
システムを
・A2、
・B2、
・C1
を用いて試験した。
試験1の場合のように、以下の容積比率を有する混合物を分配する。
A: 25%、B: 25%、C: 50%。
試験1と同じ試験を行う。
結果を比較することによって、得られた色が毎日変化することは明らかである。
【0474】
試験3
システムを
・A1、
・B2、
・C1
を用いて試験した。
試験1の場合のように、以下の容積比率を有する混合物を作製する。
A: 25%、B: 25%、C: 50%。
試験1と同じ試験を行う。
結果を比較することによって、得られた色が毎日変化するが、試験2よりは少ないこと
は明らかである。
【0475】
試験4
システムを
・A1、
・B1、
・C2
を用いて試験した。
試験1の場合のように、以下の混合物を作製する。
A: 25%、B: 25%、C: 50%。
試験1と同じ試験を行う。
結果を比較することによって、得られた色は一定なままであることは明らかである。試験1の場合、塗布が容易であるために、この構成が好ましい。
【0476】
実施例2(本発明の第1の態様)
グリセロール以外は同一のベース生成物を作製し、高密度粒子を含まない配合物中の一部の水をエタノールと置き換える。
【0477】
【表3】
【0478】
試験1
システムを
・A1、
・B1、
・C1
を用いて試験した。
システムによって、以下の混合物を決定する。A: 40%、B: 40%、C: 20%。
システムをt0で使用し、生成物200mgを供給する。次いで、混合物を広げる。
同じ操作を数日(20日)間行う。
結果を比較することによって、これらが一定であることは明らかである。
コンパートメントAおよびBにおけるベース生成物が高レオロジーにもかかわらず、塗布が容易な混合物を得た。
【0479】
B)生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、増粘剤を含み、第2のベース生成物が、増粘剤の粘度を調節するための薬剤を含むシステム。
得られる色の精度は、品質結果を得るための非常に重要な因子である。しかし、最も魅力的な結果を得るには、生成物が考えられる最良の塗布能力を有する必要もある。
【0480】
このことは特に、欠点を有する領域を隠す場合に当てはまる。この場合、拡散反射を避けるために局所への塗布が必要になる。
【0481】
他のいくつかの点を考慮すべきである。
垂直/水平:たとえば、額などの垂直領域では、(目の下の領域などの水平領域と比較し
て)生成物が流れる恐れがある。
皮粒:「開いた」皮粒(毛孔拡大腫、小皺)を伴う領域では、特にこのような欠点が「目
立つ」のを避けるために、より平滑な領域と比較して塗布に関する様々な問題が生じる。
カバレッジ:カラーリングされるいくつかの領域には大きい厚さが必要であることがわ
かっている。したがって、このことを可能にする塗布能力が必要である。カバレッジを低くして顔を自然なアピアランスのままにし、メイクアップを通して皮膚が見えるようにする場合も、逆の意味で同様である。
二重層:場合によっては、(たとえば、視覚的効果を得るために)2つの生成物が2層の形で反応または相互作用させられる。このような場合、生成物の塗布量の比を配慮することが重要である。この場合も、生成される各層の量をうまく調節する必要がある。
【0482】
最後に、使用者が生成物の塗布能力に失望し、その塗布能力が使用者の特定のケースにあまり適していないことを知る場合もある。したがって、使用者が数回の試験の後で使用者のシステムによって生成された生成物の塗布能力を修正できると有利である。
【0483】
このことは、製造業者が、システムの魅力をシステムによって可能になるメイクアップ結果に基づくものとするときに一層重要になる。使用者が様々なシナリオに対処するためにいくつかのシステムを購入するか、あるいはこれらのシナリオに応じてコンパートメントを取り換えるシステムを使用することは容易には考えられない。他の可能性として、非常に多数のコンパートメントを設けることがあるが、これを実現するのも容易ではない。
【0484】
本発明の態様のうちの第2の態様によれば、本発明の主題は、生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、増粘剤を含み、第2のベース生成物が、増粘剤の粘度を調節するための薬剤を含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステムである。
【0485】
この第2の態様によれば、本発明は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してもよい。
- 第1の実装形態: 第1のベース生成物は、粘度が2Pa.s以上であり、好ましくは4Pa.s以上であり、より好ましくは4Pa.sから10Pa.sの間であり、なお一層好ましくは5Pa.sから8Pa.sの間であり、pH感受性増ちょう活性薬剤を含み、第2のベース生成物は、第1
の生成物の活性薬剤の粘度を2つの生成物が接触したときに修正する酸性薬剤を含有する。第1の生成物の増ちょう活性薬剤は特に、第1の生成物の質量に対して0.8質量%から2.5質量%の間、より良好には第1の生成物の質量に対して1質量%から2.3質量%の間、さらに良好には第1の生成物の質量に対して1.5質量%から2.2質量%の間で使用されるカルボマーなどの、アクリレートポリマーまたはコポリマーあるいはメタクリレートポリマーまたは
コポリマー系ゲル化剤であり、酸性化剤は特に、第2の生成物の質量に対して0.2質量%から10質量%の間、より良好には第2の生成物の質量に対して2質量%から10質量%の間、さらに良好には第2の生成物の質量に対して5質量%から8質量%の間で使用される、鉱酸あるいはクエン酸または乳酸などの有機酸である。第1の生成物は、(pH感受性を有さない)他の増粘剤、たとえばポリオース増粘剤を含有してもよい。第2の生成物の粘度は、第1の生成物の粘度未満か超か等しいかのいずれであってもよく、ポリオースゲル化剤によって生じさせてもよい。第2の生成物の粘度は1Pa.sから3Pa.sの間であることが好ましい。第1の生成物のpHは、6以上であり、好ましくは7以上であり、より好ましくは8以上である。
第2の生成物のpHは、6以下であり、より良好には5以下であり、好ましくは2から5の間であり、より好ましくは3から5の間である。第2の生成物の酸性化剤は、第2の生成物のpHが2以上になるように塩基性化剤と組み合わされることが好ましい。この組合せでは、塩
基性化剤および酸性化剤は、第2の生成物のpHが7以下であり、好ましくは2以上になるように、アルカリ/酸標準比が1以下になるように、好ましくは以下になるように調整される。アルカリ剤は、水酸化ナトリウムなどの鉱物であり、酸性化剤は、クエン酸または乳酸などのカルボン酸などの有機物であることが好ましい。
- 第2の実装形態: 第1のベース生成物は、粘度が2Pa.s以上であり、好ましくは4Pa.s以上であり、より好ましくは4Pa.sから10Pa.sの間であり、なお一層好ましくは5Pa.sから8Pa.sの間であり、第2のベース生成物は、粘度が0.01Pa.sから2Pa.sの間であり、より良好には0.05Pa.sから1Pa.sの間であり、好ましくは0.1Pa.sから0.5Pa.sの間である。
第1の生成物および第2の生成物は、特に、カルボマーなどの、アクリレートポリマーまたはコポリマーあるいはメタクリレートポリマーまたはコポリマー系ゲル化剤、あるいはポリオース系ゲル化剤を含有し、ゲル化剤(すべてのゲル化剤)の濃度が、第1の生成物については、第1の生成物の質量に対して0.8質量%から2.5質量%の間、より良好には第1の生成物の質量に対して1質量%から2.3質量%の間、さらに良好には第1の生成物の質量に対して1.5質量%から2.2質量%の間であり、第2の生成物については、第2の生成物の質量に対して0質量%から2.5質量%の間、より良好には第2の生成物の質量に対して0質量%から2
質量%の間、さらに良好には第2の生成物の質量に対して0質量%から1質量%の間であり、
好ましくは第2の生成物の質量に対して0質量%から0.5質量%の間である。特定の一ケースでは、第1の生成物および第2の生成物はpH感受性ゲル化活性薬剤を含有する。この場合、2つのベース生成物は、この増粘剤をそれぞれに異なる濃度で含有してもよく、あるいは同様の濃度で含有してもよい。第2のケース(同様の濃度)では、第1の生成物については6以上、好ましくは7以上、より好ましくは8以上であり、第2のベース生成物について
は6未満、好ましくは5未満など、pH値が異なってもよい。
- 第3の実装形態: 第1のベース生成物は、粘度が2Pa.s以下であり、より良好に
は1Pa.s以下であり、pH感受性増ちょう活性薬剤を含有し、第2のベース生成物は、第1
の生成物の活性薬剤の粘度を2つの生成物が接触したときに修正するアルカリ薬剤を含有する。第1の生成物の増ちょう活性薬剤は特に、カルボマーなどの、アクリレートポリマーまたはコポリマーあるいはメタクリレートポリマーまたはコポリマー系増粘剤であり、第2の生成物は、アミンまたはアンモニア水などの鉱物または有機塩基などの塩基性化剤である。第2の生成物の粘度は、第1の生成物の粘度未満か超か等しいかのいずれであってもよい。第2の生成物の粘度は1Pa.sから3Pa.sの間であることが好ましい。第1の生成物中の増粘剤の濃度は、第1の生成物の質量に対して0.8質量%から5質量%の間であってもよく、より良好には第1の生成物の質量に対して1質量%から2.3質量%の間であってもよく、さらに良好には第1の生成物の質量に対して1.5質量%から2.2質量%の間の範囲であってもよい。第1の生成物のpHは6未満であり、好ましくは5未満である。第2の生成物のpHは6よりも高く、より良好には7よりも高く、さらに良好には8以上である。第2の生成物の
塩基性化剤は、第2の生成物のpHが10以下になるように酸性化剤と組み合わされることが好ましい。この組合せでは、塩基性化剤および酸性化剤は、pHが7以上であり、好ましく
は10以下になるように、アルカリ/酸標準比が1以上になるように調整される。好ましくは、アルカリ剤は、有機アミンなどの有機物であり、酸性化剤は、塩酸などの鉱物である。
- 第2のベース生成物は、5%以下の量のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。そ
のような量のアニオン性界面活性剤は、発泡効果、洗浄剤効果またはメイクアップ除去効果などの、追加の特性を第2の生成物に与えるのを可能にし、第2のベース生成物に対して増ちょう効果をもたらすことはなく、増ちょう効果が生じるのは、第1のベース生成物と第2のベース生成物が混合されるときだけである。アニオン性界面活性剤は、たとえば、ラウレス硫酸ナトリウム、オキシエチレン化ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウムなどのスルホン酸塩機能を含む界面活性剤から選択される。
- 分配システムは、第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備えてもよい

- 第3のベース生成物は、特に第1のベース生成物のものとは異なる濃度を有する
増粘剤を含んでもよい。
- 第3のベース生成物の増粘剤は、アラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲ
ランガム、カラヤガム、カラギーナンガムなどのゴム型のサッカリド化合物、CMC、HMC、HPMCなどのセルロース系化合物、カルボマー(カーボポール)などのポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸、またはポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー、逆濃厚エマルジョンまたは直接濃厚エマルジョン、非水溶溶剤とオイル用の増粘剤の組合せ、ベントナイト、アタパルジャイトなどの粘土、有機キレート剤、カゼインまたはコラーゲンなどのタンパク質、シアシニング剤またはチキソトロピックレオロジー剤から選択され、好ましくは、たとえば、エリトリトールアリルエーテル基、またはカルボマー(カーボポール)などのスクロースアリルエーテル基もしくはプロピレンアリルエーテル基によって部分的に架橋されたポリアクリル酸またはポリメタクリル酸などの合成ポリマーから選択される。
- 増粘剤は、好ましくは中性媒質またはアルカリ媒質中のカーボポールゲルであっ
てもよく、特には含有量が第3のベース生成物の総質量に対して0.1質量%から2.5質量%の間であり、より良好には第1のベース生成物の総質量に対して0.8質量%から2.5質量%の間であり、さらに良好には第1のベース生成物の総質量に対して1.5質量%から2.3質量%の間である。
- カートリッジは、ディスペンサー内に取り外し可能に受け入れられてもよい。
- 各生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出てもよく、出
口通路は、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される。
- システムは、第1のベース生成物を均質化するための機構、特に振動機構を有し
てもよい。
【0486】
本発明のこの態様は、化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生成物を
ヒトケラチン物質に塗布する方法であって、処置すべき領域に応じてディスペンサーを設定することと、ディスペンサーの設定に対応する割合でベース生成物をカートリッジから取り出すことによって生成物を分配することとを含む方法にも関する。
【0487】
設定することが、最高の粘度を有するように実施され、塗布することが、皮膚のシミに対して実行されてもよい。
【0488】
設定することが、得られる終了点粘度間の中間粘度を有するように実施され、塗布することが、皮膚のシミに対してまたは目の下の領域において実行されてもよい。
・したがって、本発明のこの第2の態様によれば、分配システムは、少なくとも2つのコンパートメントを備える。
- 1つのコンパートメント1は増粘剤Eを含み、
- 別のコンパートメント2は、増粘剤の増ちょう効果に対する調整剤Rを含む。
【0489】
存在してもよい他のコンパートメント(3、4など)は、メイクアップ用の他の薬剤Mまた
はスキンケア用の他の薬剤(顔料、生物学的活性薬剤、保護活性薬剤、着色剤など)を含む。
・Eは一般に、pH剤によって調節可能な増粘剤である。
・Rは一般に、pH剤である。
あるいは以下の通りである。
・Eは増粘剤である。
・Rは希釈剤である。
【0490】
薬剤Mをコンパートメント1およびコンパートメント2内に、ある程度論理的に配置する
ことができる。
【0491】
第2の態様によれば、本発明は、顔の1つまたは複数の領域を処置することを可能にし、かつ、色の忠実性および特に有効な効果を得るのに適切な塗布能力に関して非常に正確な混合物を得ることを可能にする。以後において、「領域」という用語は、顔の規定の部分を示すために用いられ、表面積がかなり小さく、1cm2から100cm2の間の範囲であり、より良好には、2cm2から50cm2までの範囲である。
【0492】
分配システムは、上記で定義したようなディスペンサーを有することが好ましい。分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【0493】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【0494】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【0495】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【0496】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【0497】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【0498】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【0499】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【0500】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【0501】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【0502】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【0503】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【0504】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【0505】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【0506】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【0507】
したがって、本発明の一態様による本発明の1つの主題は、ハウジングを有するディスペンサーと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられた少なくとも1つのカートリッジとを備える分配システムであって、このカートリッジが、本体と、本体において移動することができるピストンとを備え、ハウジングが、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える分配システムである。
【0508】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【0509】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【0510】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによって、ディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【0511】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【0512】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【0513】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【0514】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【0515】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【0516】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【0517】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【0518】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【0519】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【0520】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディス
ペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【0521】
したがって、ディスペンサーは、色が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【0522】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【0523】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【0524】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【0525】
具体的な一実施形態では、混合物は、密閉される場合もあるいは密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティは、たとえばカップの形をしており、アプリケータ、具体的にはスタイラスまたはブラシを内部において滑らせてもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【0526】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【0527】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【0528】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面に
おける表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【0529】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【0530】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【0531】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【0532】
塗布能力の調整
本発明の例示的な一実施形態によれば、コンパートメント1は、粘度R1の組成物を収容
し、コンパートメント2は、接触時にコンパートメント1内の生成物の粘度R1を修正することを目的とした組成物を収容する。
【0533】
シナリオa:コンパートメント2は、コンパートメント1内の生成物との接触時に、コンパートメント1内の生成物の粘度を修正することができる薬剤を収容してもよい。したが
って、供給すべき生成物の比を決定することによって、最終的な粘度をその正しい値に修正し調整することが可能である。
【0534】
シナリオb:コンパートメント2は、R1未満または超の粘度R2の組成物を収容してもよ
い。この場合、接触時に、得られる粘度が修正される。したがって、供給すべき生成物の比を決定することによって、最終的な粘度をその正しい値に修正し調整することが可能である。
【0535】
シナリオc:特定の有利なケースでは、コンパートメント2は、接触によってコンパー
トメント1内の生成物の粘度が修正される場合は、R1に近い(または等しい)粘度の組成物
を収容してもよい。
【0536】
すべてのこれらのシナリオを実現するには、様々な増粘剤Eおよび調整剤Rを使用することが可能である。
【0537】
増粘剤「E」は、ゲル化化合物、たとえば、サッカリド、たとえばアラビアガム、アカ
シアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガムなどの天然材料、カルボマー(カーボポ
ール)などのポリアクリル酸またはポリメタクリル酸などの合成ポリマー、逆濃厚エマル
ジョンまたは直接濃厚エマルジョン、あるいは非水溶溶剤とオイル用の増粘剤の組合せであってもよい。
【0538】
「ゴム」型のサッカリド化合物の場合、この化合物を含むベース生成物の質量に対して0.2質量%から5質量%の間、より良好にはこの化合物を含むベース生成物の質量に対して0.8質量%から2.5質量%の間、さらに良好にはこの化合物を含むベース生成物の質量に対して
1.5質量%から2.3質量%の間で使用される。
【0539】
使用できるゲル化化合物は、デンプン(E441)、ペクチン(E440)、寒天(E406)、アルギン酸(E400)、アルギン酸ナトリウム(E401)、アルギン酸カリウム(E402)、アルギン酸アンモニウム(E403)、アルギン酸カルシウム(E404)、カラギーナン(E407)、または動物由来の材料(E441などのゼラチン)など、天然化合物であっても人工化合物であってもよい。
【0540】
溶剤含有処方の場合、有機ゲル化剤が使用されてもよい。これらは一般に、マイクロスケール構造またはナノスケール構造を形成する小さい有機分子(有機ゲル化剤とも呼ばれ
る)の超分子自己集合によって生じる3次元ネットワークに閉じ込められた有機液体、鉱物油、または植物油である。有機ゲル化剤は、これを含むベース生成物の質量に対して1質
量%から10質量%の量だけ使用され、たとえば、4-t-ブチル-1-アリルシクロヘキサノール
の誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエステル、ポリアルキレンなどの重合誘導体、N-ラウロイル-L-リシンエチルエステルの誘導体、ペプチドの誘導体、小脂肪酸であって
もよい。
【0541】
薬剤Rは以下の通りである。
・具体的にはシナリオaの場合、水、エタノール、またはオイルなどの溶剤、アンモニア水、アミン、または水酸化ナトリウムなどのpH剤、NaClなどの塩、
・具体的にはシナリオbの場合、増ちょう化合物。増ちょう化合物は、
〇化合物Eとは異なる化合物であってもよく、
〇あるいは濃度が異なる同じ化合物であってもよく、
〇あるいは濃度が同一の同じ化合物であるが、増粘化発現が異なるという条件を有する化合物であってもよい。
【0542】
シナリオcの特定のケースでは、コンパートメント2内の生成物は、粘度R1に近い粘度
を有するための増粘剤と、コンパートメント1内の生成物の粘度を修正できる第2の薬剤
とを含有する。
【0543】
シナリオaを示す実施例:
・100%中和(アンモニア水)1%カルボポールゲルがコンパートメント1内に配置される
。4%酸性化剤(クエン酸)がコンパートメント2内に配置される。
・10%中和(アンモニア水)1%カルボポールゲルがコンパートメント1内に配置される。アルカリ剤(10%アンモニア水)がコンパートメント2内に配置される。
・アニオン性界面活性剤溶液(5%LES)がコンパートメント1内に配置される。10%生理
的食塩水(NaCl)がコンパートメント2内に配置される。
【0544】
シナリオbを示す実施例:
・100%中和(アンモニア水)1%カルボポールゲルがコンパートメント1内に配置される
。希釈(0.2%)グアーガム(jaguar HP60)がコンパートメント2内に配置される。
【0545】
シナリオcを示す実施例:
・100%中和(アンモニア水)1%カルボポールゲルがコンパートメント1内に配置される
。50%中和2%カルボポールゲルがコンパートメント2内に配置される。
【0546】
最適化
コンパートメントの数をできるだけ少なくすると非常に有利である。
【0547】
したがって、色調整が望まれる場合、粘度を調節することを目的とする2つのコンパートメントに加えて2つのコンパートメントを設ける必要がある。
【0548】
システムが密な粒子を含有する単一の生成物のみを含む場合、上記で定義されたレオロジー規則に適合する必要がある。
【0549】
活性薬剤Mをコンパートメント1または2または1および2内に配置することが可能である
【0550】
たとえば、活性薬剤Mは、2つの異なる濃度でコンパートメント1および2内に配置され
る。
【0551】
コンパートメント2内の生成物がコンパートメント1内の粘度を高くすると考えられる場合、コンパートメント2内に配置する活性薬剤Mをコンパートメント1内の薬剤よりも少な
くすると有利である。具体的には、コンパートメント2内の生成物をコンパートメント1内の生成物に接触させることによって、混合物において活性薬剤Mの濃度が低下するが、混
合物の増粘性を高めることによって、生成される層の厚さが大きくなり、それによって補償効果が実現される。
【0552】
活性薬剤M1をコンパートメント1内に配置し、活性薬剤M2をコンパートメント2内に配置することが可能である。たとえば、M1はカバー成分であり、M2は抗にきび活性薬剤である。したがって、使用者が生成物をコンパートメント2内に入れてコンパートメント1内の生成物と接触させることを決定する機会が増えるほど、混合物中の活性薬剤M1の濃度が低くなり、混合物中の活性薬剤M2の濃度が高くなる。この構成は、にきび肌を処置する場合に特に有利である。コンパートメント1内の生成物が多い一実施形態では、生成物は顔全体
に塗布される。コンパートメント2内の生成物が多い一実施形態では、生成物は厚く、ボ
タンに十分に塗布される(必ずしもカバー用活性薬剤M1の濃度を高くする必要がないかあ
るいは抗にきび活性薬剤M2の濃度を高くする必要があるとき)。
【0553】
活性薬剤Mをコンパートメント3内に配置することが可能である。したがって、活性薬剤Mの濃度を調整し、かつ粘度、したがって塗布能力を調整することが可能である。
【0554】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域のみを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【0555】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。
【0556】
特に有利な一実施形態では、プログラミングにおいて、最適な結果を得るために実現すべき粘度が考慮される。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【0557】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、色と、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする
。その際、高いカバー力を有し、顔全体に塗布するにはカバー力が高すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスのメイクアップを得ることが可能である。
【0558】
分配システムは、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にする。
【0559】
分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【0560】
使用者が顔のある領域に塗布するための色を探すときに、各々の領域に最も合う色を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、この色と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することで、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【0561】
分配システムはまた、塗布ごとに色を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の唇をメイクアップしてもよい。この手法は、まぶたまたはまつ毛にも適しており、また、使用者はファンデーションの色を変えたくなることもあるので、顔のメイクアップにも適している。たとえば、使用者は、平日には薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いタンカラーのファンデーション色を用いるか、あるいは、目のメイクアップとして日ごとに色を変えてもよい。
【0562】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色を変化させることができるように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で色を選択する際に指導する。
【0563】
支援システムはまた、同じ顔における色のバランスをとり、全体的なメイクアップの見栄えを良くするように設けられてもよい。
【0564】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【0565】
本発明は、上記で説明したのと同様に段階的な効果を実現するのを可能にする場合がある。
【0566】
段階的なメイクアップのための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の色C1と、処置される別の領域の色C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先に色C1が必要であることと、頬に色C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの色の間で色を段階的に変化させるために、混合物を供給している間に混合物の処方を変更してもよい。こ
のことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終結果を現実的なものにし、または、美しく見せるために色を段階的に変化させることを確実に可能にする。分配システムはまた、使用者が、開始色および/または終了色を前もって設定する
ことなく、分配される混合物の色における変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生成する必要がある色C1およびC2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【0567】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【0568】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【0569】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【0570】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【0571】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【0572】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【0573】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【0574】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。
【0575】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【0576】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【0577】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【0578】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【0579】
薬剤EおよびRを使用すると、固体生成物または半固体生成物のレオロジー性能を調整することが可能になる。
【0580】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【0581】
カラーパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を有してもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【0582】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【0583】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【0584】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【0585】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【0586】
分配システムは、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有してもよく、カップは、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定される。
【0587】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【0588】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【0589】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【0590】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【0591】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【0592】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【0593】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【0594】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【0595】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にする。
【0596】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【0597】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つの
カップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、着色物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域をメイクアップす
ることを目的としたいくつかの異なる色混合物の調製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【0598】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【0599】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【0600】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【0601】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であり、より良好には100mm3から1000mm3の間で
あり、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【0602】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【0603】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップの深さは、好ましくは1mmから10mmの間である。カップのサイズおよび形状は、混合
物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【0604】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【0605】
カップは、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【0606】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【0607】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【0608】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【0609】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【0610】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【0611】
分配システムは好ましくは、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有し、このインターフェースは、好ましくは混合物をキャビティ内に供給する静的ブレンダーを有し、キャビティにおいて混合物を取り出すことができる。
【0612】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システム
は、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【0613】
いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【0614】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【0615】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【0616】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【0617】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【0618】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【0619】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【0620】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【0621】
ディスペンサーが、各々がベース生成物を収容するリザーバを有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるので、ベース生成物はカートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出ることができる。この出口通路は、ディスペンサーの外側またはディスペンサーの外面の近くで開放する。
【0622】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【0623】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【0624】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【0625】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの端部に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【0626】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【0627】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【0628】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【0629】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【0630】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛などの様々な領域をメイクアップすることができる必要がある。
【0631】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップ生成物のディスペンサーと、各出口インターフェースが、ディスペンサーに取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを備える組立体を備える分配システムであり、ディスペンサーによって供給される1つまたは複数の生成物を受け入れることができるこれらの出口インターフェースは、好ましくは、以下の中から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【0632】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【0633】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【0634】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【0635】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【0636】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【0637】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【0638】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色を領域でインデックス付けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【0639】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【0640】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。この学習期間には、粘度が考慮されてもよい。このプロセスでは、使用者は、いくつかの
レオロジーを試験し、得られる最良の調整値を入力する。
【0641】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【0642】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な色を示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【0643】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ色の使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【0644】
操作者は、マップを作成する場合、色を適用し、次いで評価する。
【0645】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【0646】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その色が適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適した顔の領域に混合物が関連付けられる。
【0647】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、可変色の混合物を分配するためのディスペンサーと、色を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システムのための学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された色の少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスである。
【0648】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【0649】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【0650】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【0651】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【0652】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【0653】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【0654】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【0655】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することでコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【0656】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【0657】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【0658】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【0659】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【0660】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【0661】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の色を提案してもよい。
【0662】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、色と、この色の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【0663】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【0664】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの色を提案するように設計されてもよい。
【0665】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された色に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されてもよい。
【0666】
ディスペンサーは、ステップb)において、色が異なる少なくとも2つの混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【0667】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【0668】
本発明のさらなる主題は、本発明による分配システムを用いてメイクアップする方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連する領域をメイクアップするための提案された色を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【0669】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【0670】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの色およ
び/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された色の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させ
ることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物の色
と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【0671】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでよく、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【0672】
遠隔支援
使用者がメイクアップを施す際に使用者を支援し、特に使用者が正しいカラーリングを選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【0673】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップを施す方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の色を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む方法である。
【0674】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色を変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色を適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【0675】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【0676】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【0677】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【0678】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【0679】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【0680】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさせてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【0681】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の色の選択の制御をより容易にする必要がある。
【0682】
したがって、本発明の態様のうちの別の態様であって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様によれば、本発明の1つの主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコ
ンピュータシステムとを備える分配システムであって、このコンピュータシステムが、混合物の色が表示されてもよいタッチスクリーンと、分配される混合物の色を変化させるために画面上を移動させることができる選択手段とを備える分配システムである。
【0683】
好ましくは、画面はエンドポイントの色を表示し、これらのエンドポイントの色同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の色を選択することができる。
【0684】
画面は、少なくとも2つの色の間の色のスケール、または特に三角形の輪郭の領域を表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の色を局所的に示してもよい。
【0685】
コンピュータシステムは、所望の色の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【0686】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【0687】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【0688】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【0689】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【0690】
ディスペンサーは、色が異なるメイクアップ生成物を収容する3つのカートリッジを有してもよい。
【0691】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【0692】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【0693】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【0694】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【0695】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に色を調節できるようにするために、カメラ、および/また
は、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【0696】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【0697】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【0698】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物の色を変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【0699】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【0700】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【0701】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【0702】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【0703】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【0704】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【0705】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【0706】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【0707】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【0708】
本発明の特定の一実施形態では、システムは、スプレー塗布には10-2Pa.s以下の粘度を選択し、手または器具による塗布には高い粘度を選択する。
【0709】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステ
ムを有してもよい。
【0710】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【0711】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【0712】
上記では、分配システムの実施例について図面を参照しながら説明した。これらの図の説明は、本発明のこの態様にも当てはまり、ここではこの説明を繰り返さない。
【0713】
実施例1(本発明の第2の態様)
いくつかのベース生成物を作製する(比率は質量による)。
【0714】
【表4】
【0715】
pH値および粘度は、
A1:pH=2.84 粘度=0.65Pa.s
B1:pH=9.90 粘度=0.044Pa.s
C1:pH=6.80 粘度=0.04Pa.s
である。
【0716】
生成物の粘度を、1atmおよび25℃で、MS-r3またはMS-r4測定棒が取り付けられたCONTRAVES TV回転粘度計を60Hzの振動数で用いて、測定棒を10分回転した後に測定する。
【0717】
分配システムを
・A1→コンパートメント1
・B1→コンパートメント2
・C1→コンパートメント3
を用いて試験した。
【0718】
試験1
第1の混合物を、以下の容積比率で作製した。A: 50%、B: 0%、C: 50%。
システムを使用し、生成物200mgを供給する。したがって、混合物は、非常に容易に広
げられる(非常に流動性があるため、粘度=0.45Pa.s)。
【0719】
試験2
第2の混合物を以下のように作製した。A: 30%、B: 20%、C: 40%。
システムを使用し、生成物200mgを供給する。したがって、混合物は、カバーする領域
にわたって厚い層として容易に広げられる(厚いため、粘度=1.9Pa.s)。
【0720】
試験3
第3の混合物を以下のように作製した。A: 40%、B: 40%、C: 20%。
システムを使用し、生成物200mgを供給する。混合物はわずかしかカバーしないが、極
めて粘性である(粘度=4.7Pa.s.)。それは、額などの領域に理想的である。それは、塗布
時は流れ落ちず、かつ自然な外観を維持する。
【0721】
実施例2(本発明の第2の態様)
以下の調合物Zを調製する。
Carbopol 980 Polymer(Lubrizol社) 2%
水中の10%水性アンモニア 2.44%
水 適量 100%とする。
【0722】
【表5】
【0723】
pH値および粘度は、
A1:pH=9.44 粘度=7.8Pa.s
B1:pH=9.02 粘度=0.047Pa.s
C1:pH=6.80 粘度=0.04Pa.s
である。
【0724】
生成物の粘度を、1atmおよび25℃で、MS-r3またはMS-r4測定棒が取り付けられたCONTRAVES TV回転粘度計を60Hzの振動数で用いて、測定棒を10分回転した後に測定する。
【0725】
システムを
・A1→コンパートメント1
・B1→コンパートメント2
・C1→コンパートメント3
を用いて試験した。
【0726】
試験1
第1の混合物を以下のように作製した。A: 50%、B: 0%、C: 50%。
結果はベージュ色でありかつ厚く(粘度=4.701Pa.s)、皮膚のシミのある領域の広範なカバレッジに理想的である。
【0727】
試験2
第2の混合物を以下のように作製した。A: 20%、B: 30%、C: 50%。
結果はまた、ベージュ色であるが、試験1よりもはるかに流動性がある(粘度=1.9Pa.s)
。したがって、混合物は、カバーする領域にわたって厚い層として容易に広げられる(厚
いため)。
【0728】
試験3
第3の混合物を以下のように作製した。A: 40%、B: 40%、C: 20%。
結果は、より明るくかつ中程度の粘度(粘度=3.75Pa.s)のものであり、目の下の領域を
処置するのに理想的である。
【0729】
C)顔の上の様々な位置に適した特性を有する膜を得るためのシステム
得られる色の精度は、高品質の結果を得るための非常に重要な因子である。しかし、最も魅力的な結果を得るには、生成物が考えられる最良の膜質を有する必要もある。
【0730】
膜質は、皮膚に塗布し次いで乾燥させた後の堆積の品質であると理解される。
【0731】
膜の良好な品質は、単純な概念ではない。これは、いくつかの膜質が顔の特定の領域に適しており、他の品質が顔の他の領域に適しているからである。
【0732】
同一のシステムによって顔全体のメイクアップまたはケアが可能になるように膜の特性を顔の様々な部分に適合できることが望ましい。唇の処置にはある程度の柔軟性が必要であることがわかっており、したがって、膜がいくらか油性である必要がある。目の周りの領域の処置では、より乾燥しており、タイトニング効果がより強い膜が必要であることがわかっている。ベースの処置には、塗布後に単一の膜を形成しないという点で凝集性を有しない膜が必要である。可動性がより低い他の領域は、不快感を与えずに耐性を示す膜が有利である場合がある(たとえば、額)。
【0733】
通常、この解決策は、顔の様々な部分用に生成された一連の生成物を使用することからなる。この手法は、非常に普及しているが、色に関するすべてのニーズを満たすために設けるべき基準の数が問題となる。
【0734】
(使用者が領域ごとに最も適した色を有することができるように)着色材料の濃度を変化させることができることが望まれるとすれば、単一の膜質を実現することは困難である。1つの可能性は、いくつかの色についてはある種の膜質を実現し、他の色については他の膜質を実現する生成物を備える、色を変化させるためのいくつかのシステムを使用者に提供することである。
【0735】
しかし、この手法は、使用者がいくつかの混合システムを有する必要があるので現実的ではない。
【0736】
別の可能性は、いくつかの色にはある種の膜質を実現し、他の色には他の膜質を実現する生成物を備える、色を変化させる単一のシステムを使用者に提供することである。この場合、処置すべき領域に応じて、使用者はそれぞれに異なる生成物を搭載する。しかし、この手法は、使用者がシステム内で生成物のカートリッジを連続的に交換する必要があるので現実的ではない。
【0737】
別の可能性は、様々な膜質を実現するベース生成物のカートリッジのセット全体を備える、色を変化させるための単一のシステムを使用者に提供することである。この場合、システムは、処置すべき領域に応じて、使用者がシステムのコンパートメント内の生成物のカートリッジを交換する必要なしに様々な生成物を使用する。しかし、この手法は、システムが非常に多数のコンパートメントを有する必要があり、複雑でコストのかかる技術が必要になるので現実的ではない。
【0738】
したがって、着色材料の濃度および膜質を調節するための単純なシステムを提案することを追求している。
【0739】
このシステムは、(システムまたはカートリッジを交換する必要なしに)顔のすべての領域を迅速に処置し、色を変化させ、適切な膜質を確保するうえで特に有利である。
【0740】
このシステムは、視覚的効果および快適さに関する最良の性能が実現されるまで使用者が色および膜質を試験するのを可能にする。
【0741】
したがって、第3の態様による本発明の一主題は、生成物を分配するシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にして、少なくとも1つの特性が調整に応じて変化する膜を形成するシステムである。
【0742】
この第3の態様によれば、本発明は、以下の好ましい特徴のうちの1つまたは複数を有してもよい。
- 変化する膜の特性は膜の可撓性であり、
- 変化する膜の特性は膜の油性であり、
- 変化する膜の特性は膜のタイトニング性であり、
- 2つのベース生成物としては、互いに反応して膜を形成するベース生成物が選択
され、
- 第1のベース生成物は反応性シリコーンを含み、第2のベース生成物は、反応性
シリコーンの架橋を生じさせる触媒を含み、
- 反応性シリコーンは、2つの鎖末端にビニル機能を保持するテレキーレックポリ
オルガノシロキサンとポリ水素シロキサンの混合物を含み、
- 触媒は白金ベースであり、
- 第1のベース生成物は、膜形成ポリマーを含み、第2のベース生成物は、室温で
は液体である油性化合物を含み、
- 膜形成ポリマーは、ガラス転移温度Tgが30℃以上、より良好には60℃以上であり

- 膜形成ポリマーは、ビニル、特にアクリル、ポリマー、またはコポリマーから選
択され、
- 膜形成ポリマーは脂溶性であり、
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物は、異なるそれぞれの膜形成ポリ
マーを含有し、
- 第1のベース生成物の膜形成ポリマーは、ガラス転移温度Tg1を有し、第2のベース生成物のポリマーは、Tg1とは異なるガラス転移温度Tg2を有し、好ましくはTg1>60℃およびTg2<10℃であり、
- 第1のベース生成物は、メタクリルポリマーおよびコポリマー、ポリアミド、ア
ルキルセルロース、ビニルピロリドンのポリマーおよびコポリマー、ならびにシリコーン樹脂から選択されるポリマーまたはコポリマーを含み、
- 第2のベース生成物は、アクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルポリマーお
よびコポリマー、ならびにポリエステルおよびポリウレタンなどの重縮合物から選択されるポリマーまたはコポリマーを含み、
- 第1のベース生成物は、融点Tf1>20℃である油性化合物を含み、第2のベース生
成物は、融点Tf2>20℃である油性化合物を含む。
【0743】
本発明のこの第3の態様は、化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生
成物をヒトケラチン物質に塗布する方法であって、処置すべき領域に応じてディスペンサーを設定することと、ディスペンサーの設定に対応する割合でベース生成物をカートリッジから取り出すことによって生成物を分配することとを含む方法にも関する。
【0744】
したがって、本発明の第3の態様によれば、本発明は以下の構成に基づく。
・分配システム、
・少なくとも2つのコンパートメント、
・これらのコンパートメントが、接触によって膜を形成する化合物を含むこと、およびこれらの化合物としては、組み合わせることによって一連の膜質が得られるような化合物が選択されること。
【0745】
この第3の態様によれば、本発明は、顔の1つまたは複数の領域を処置することと、色の忠実性および快適さならびに特に有効な効果を得るのに適切な耐久性に関して非常に正確な混合物を得ることとを可能にする。以後において、「領域」という用語は、顔の規定の部分を示すために用いられ、表面積がかなり小さく、1cm2から100cm2の間の範囲であり、より良好には、2cm2から50cm2までの範囲である。
【0746】
以下では、「メイクアップ」の概念が、色またはコンシーリング能力の実現を超えて拡張される。この概念は、ここでは、膜が皮膚の上に堆積されるか、または前記膜がカラーリングされるか、またはコンシーリングが施されるか、またはそれらが行われないすべての処置に当てはまる。たとえば、この概念は、(スクリーニング剤を含む)保護膜または(
生物学的活性薬剤を含む)トリーティング膜またはタイトニング膜の塗布を含む。
【0747】
膜質は、膜の機械的特性を意味するものと理解される。機械的特性は連続体を形成するが、膜はいくつかの種類の機械的特性に分割することができる。
1)油性膜
2)可撓性膜
3)剛性膜
4)タイトニング膜
【0748】
本発明によるシステムは、生成される膜を変化させることができる。したがって、選択される調整に応じて、膜の機械的特性は同じではない。本発明の好ましい実施形態では、システムは、調整に応じて異なる範疇の膜を生成する(または上記の3つの範疇にわたる
膜を生成する)。
【0749】
膜の品質は、厚さが400μmの膜を可撓性の支持体(羊皮紙のシート)に塗布し、次いで膜を1日中乾燥させることによって対処される。最後に、膜の品質を確認するために以下の
試験が実施される。
【0750】
次のように、いくつかのシナリオが区別される。
1)油性膜:支持体が曲率半径が1cmになるように折り畳まれるときに、膜はその支持体に取り付けられたままである。膜が吸収紙(たとえば、キッチンタオル)によって数秒間すり込まれたときに、膜のすべてまたは一部が吸収紙の上に移る。
2)可撓性膜:支持体が曲率半径が1cmになるように折り畳まれるときに、膜はその支持体に取り付けられたままである。膜が吸収紙(たとえば、キッチンタオル)によって数秒間すり込まれたときに、膜が吸収紙に移ることはない。
3)剛性膜:支持体が曲率半径が1cmになるように折り畳まれるときに、膜は少なくとも部分的にその支持体から切り離される。
4)タイトニング膜は、乾燥時に支持体を収縮させる効果を生じさせる特定の種類である。
【0751】
分配システムは好ましくは、上述の本発明の最初の2つの態様に関して定義されたシステムである。
【0752】
分配システム
したがって、分配システムは、本発明の第1および第2の態様の場合と同様に本発明の第3の態様によって、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【0753】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【0754】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【0755】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電
力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【0756】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【0757】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【0758】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【0759】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【0760】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【0761】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【0762】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【0763】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【0764】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【0765】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【0766】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成
することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【0767】
したがって、本発明の一態様による本発明の1つの主題は、ハウジングを有するディスペンサーと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられた少なくとも1つのカートリッジとを備える分配システムであり、このカートリッジは、本体と、本体において移動することができるピストンとを備え、ハウジングは、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える。
【0768】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【0769】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【0770】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによって、ディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【0771】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【0772】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【0773】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【0774】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【0775】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【0776】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【0777】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【0778】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピスト
ンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【0779】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【0780】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【0781】
したがって、ディスペンサーは、色が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【0782】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【0783】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【0784】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【0785】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【0786】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【0787】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【0788】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【0789】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【0790】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【0791】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【0792】
フィルム品質の調整を実施する例
コンパートメント1は組成物C1を含む。
コンパートメント2は組成物C2を含む。
C1とC2を異なる比率で接触させると、異なるフィルム品質が得られる。
【0793】
・実装形態a:
互いに反応することができる(2つの個別のコンパートメント中の)2つの成分を使用することができ、かつ相対比率を調整することができる。
【0794】
典型的には、C1には、反応性シリコーンを含む生成物が存在し、かつ、C2には、その触媒を含む生成物が存在する。調整に応じて、フィルムの特性は異なるはずである。
【0795】
「反応性シリコーン」は、典型的には、2つの鎖末端にビニル官能を有するテレケリックポリオルガノシロキサン(特にAndisil VS(商標)としてAB Specialty Silicones社から
入手可能)、およびポリ水素シロキサン(特にAndisil XL(商標)としてAB Specialty Silicones社から入手可能)の混合物であってもよい。
【0796】
「触媒」は、典型的には、Umicore社から入手可能な参照名PT-50175Fなどの白金系触媒であってもよい。
【0797】
・実装形態b:
フィルム形成ポリマーA、および室温で液体である油性化合物Bを使用することも可能で
ある。コンパートメント1を対象とする生成物にAを、かつコンパートメント2を対象とす
る生成物にBを入れることによって、混合物を調整して、最終的なフィルム品質を変更す
ることが可能である。
【0798】
「フィルム形成ポリマー」は、それ自体によってまたはフィルム形成補助剤の存在下で、ケラチン材料に付着する巨視的に連続したフィルム、好ましくは粘着性フィルム、より良好には、たとえば、前記フィルムが非粘着表面、たとえばテフロン(登録商標)コーティングまたはシリコーンコーティング表面上に注がれることによって調製されるときに、その密着性および機械的特性が、単離時に前記フィルムが単離可能および操作可能であり得るようなフィルムを形成することができるポリマーであると理解される。
【0799】
それは、好ましくは、30℃超の、好ましくは60℃超のガラス転移温度(Tg)を有するポリマーから選択される。
【0800】
本発明の組成物中に使用することのできるフィルム形成ポリマーの中でも、フリーラジカルタイプまたは重縮合物タイプの合成ポリマー、天然起源のポリマー、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0801】
「フリーラジカルフィルム形成ポリマー」は、不飽和、特にエチレン性不飽和モノマーを重合することによって得られるポリマーであり、各モノマーは(重縮合ではなく)単独重合することができると理解される。
【0802】
フリーラジカルタイプのフィルム形成ポリマーは、特にビニルポリマーまたはコポリマー、特にアクリルポリマーであってもよい。
【0803】
ビニルフィルム形成ポリマーは、少なくとも1つの酸基を含有するエチレン性不飽和モノマー、および/またはこれらの酸モノマーのエステル、および/またはこれらの酸モノマーのアミドの重合から得てもよい。
【0804】
酸基を有する使用してもよいモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはイタコン酸などのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸である。(メタ)アクリル酸およびクロトン酸が好ましくは使用され、より好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。
【0805】
酸性モノマーのエステルは、有利には、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレー
トとしても知られている)、特にアルキル(メタ)アクリレート、特にC1~C30、好ましくはC1~C20アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、特にC6~C10アリール(メタ)アクリレート、およびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特にC2~C6ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選択される。
【0806】
アルキル(メタ)アクリレートのうち、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートまたはシクロヘキシルメタクリレートを挙げることができる。
【0807】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのうち、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートまたは2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。
【0808】
アリール(メタ)アクリレートのうち、ベンジルアクリレートおよびフェニルアクリレートを挙げることができる。
【0809】
特に好ましい(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル(メタ)アクリレートである。
【0810】
酸モノマーの挙げられてもよいアミドの例は、(メタ)アクリルアミド、特にN-アルキル(メタ)アクリルアミド、特にC2~C12アルキル(メタ)アクリルアミドである。N-アルキル(メタ)アクリルアミドのうち、N-エチルアクリルアミド、N-(t-ブチル)アクリルアミド、N-(t-オクチル)アクリルアミドおよびN-ウンデシルアクリルアミドを挙げることができる
【0811】
ビニルフィルム形成ポリマーは、ビニルエステルおよびスチレンモノマーから選択されるモノマーの単独重合または共重合からも生じ得る。特に、これらのモノマーは、酸モノマーおよび/またはこれらのエステルおよび/またはそれらのアミド、たとえば上述のものと重合されていてもよい。
【0812】
挙げられてもよいビニルエステルの例は、酢酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニルおよびt-ブチル安息香酸ビニルである。
【0813】
挙げられてもよいスチレンモノマーは、スチレンおよびアルファ-メチルスチレンであ
る。
【0814】
フィルム形成重縮合物のうち、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂およびポリ尿素が挙げられてもよい。ポリウレタンは、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性および両性ポリウレタン、ポリウレタン-アクリル
樹脂、ポリウレタン-ポリビニル-ピロリドン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテ
ル-ポリウレタン、ポリ尿素およびポリ尿素-ポリウレタン、ならびにそれらの混合物から選択されてもよい。
【0815】
ポリエステルは、既知の方法で、ジカルボン酸をポリオール、特にジオールと重縮合することによって得られてもよい。
【0816】
ジカルボン酸は、脂肪族、脂環族または芳香族であってもよい。このような酸の例として、シュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、ドデカン二酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、ジグリコール酸、チオジプロピオン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。これらのジカルボン酸モノマーは、単独で、または少なくとも2つのジカルボン酸モノマーの組合せとして使用してもよい。これらのモノマーのうち、優先的に選択されるものは、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸である。
【0817】
ジオールは、脂肪族、脂環族および芳香族のジオールから選択してもよい。使用されるジオールは、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよび4-ブタンジオールから選択される。使用してもよい他のポリオールは、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびトリメチロールプロパンである。
【0818】
ポリエステルアミドは、ポリエステルのものと同様の方法で、二酸をジアミンまたはアミノアルコールと重縮合することによって得てもよい。使用してもよいジアミンは、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびメタ-またはパラ-フェニレンジアミンで
ある。使用してもよいアミノアルコールは、モノエタノールアミンである。
【0819】
ポリエステルはまた、少なくとも1つの-SO3M基を有する少なくとも1つのモノマーを
含んでいてもよい(式中、Mは水素原子、アンモニウムイオンNH4+、または、たとえば、Na+、Li+、K+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Fe2+もしくはFe3+イオンなどの金属イオンを表す)。-SO3M基などを含む二官能性芳香族モノマーを特に使用してもよい。
【0820】
上述のような-SO3M基も有する二官能性芳香族モノマーの芳香核は、たとえば、ベンゼ
ン核、ナフタレン核、アントラセン核、ビフェニル核、オキシビフェニル核、スルホニルビフェニル核、およびメチレンビフェニル核から選択してもよい。-SO3M基も有する二官
能性芳香族モノマーの例として、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸および4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸が挙げられてもよい。
【0821】
本発明による組成物の1つの例によれば、フィルム形成ポリマーは、有機溶媒または油を含む液体脂肪相中に溶解したポリマーであってもよい(したがって、フィルム形成ポリ
マーは脂溶性ポリマーであると考えられる)。液体脂肪相は、好ましくは、不揮発性油と
任意選択で混合された揮発性の油を含む。
【0822】
挙げられてもよい脂溶性ポリマーの例は、ビニルエステル(ビニル基は、エステル基の
酸素原子に直接連結しており、かつビニルエステルは、エステルのカルボニルに結合している、飽和の、直鎖状または分岐状の、1~19個の炭素原子の炭化水素系ラジカル基を含
む)と、少なくとも1つの他のモノマーであって、ビニルエステル(すでに存在しているビニルエステル以外の)、α-オレフィン(8~28個の炭素原子を含む)、アルキルビニルエー
テル(ここで、アルキル基は、2~18個の炭素原子を含む)またはアリルもしくはメタリル
エステル(エステル基のカルボニルに結合している、飽和の、直鎖状または分岐状の、1~19個の炭素原子の炭化水素系ラジカル基を含む)であってもよいモノマーとのコポリマー
である。
【0823】
これらのコポリマーは、架橋剤を用いて架橋されていてもよく、架橋剤はビニル型またはアリルもしくはメタリル型のいずれかのもの、たとえばテトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート、およびジビニルオクタデカンジオエートなどであってもよい。
【0824】
挙げられてもよいこれらのコポリマーの例としては以下のコポリマーがある:酢酸ビニ
ル/ステアリン酸アリル、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニ
ル、酢酸ビニル/オクタデセン、酢酸ビニル/オクタデシルビニルエーテル、プロピオン酸ビニル/ラウリン酸アリル、プロピオン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル/1-オクタデセン、酢酸ビニル/1-ドデセン、ステアリン酸ビニル/エチルビニルエーテル
、プロピオン酸ビニル/セチルビニルエーテル、ステアリン酸ビニル/酢酸アリル、2,2-ジメチルオクタン酸ビニル/ラウリン酸ビニル、2,2-ジメチルペンタン酸アリル/ラウリン酸ビニル、ジメチルプロピオン酸ビニル/ステアリン酸ビニル、ジメチルプロピオン酸アリ
ル/ステアリン酸ビニル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたプロピオン酸ビニル/ステアリン酸ビニル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたジメチルプロピオン酸ビニル/ラウリ
ン酸ビニル、0.2%テトラアリルオキシエタンで架橋された酢酸ビニル/オクタデシルビニ
ルエーテル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋された酢酸ビニル/ステアリン酸アリル、0.2%
ジビニルベンゼンで架橋された酢酸ビニル/1-オクタデセン、および0.2%ジビニルベンゼ
ンで架橋されたプロピオン酸アリル/ステアリン酸アリル。
【0825】
挙げられてもよい脂溶性フィルム形成ポリマーの例としては、ビニルエステルと、少なくとも1つの他のモノマーであって、ビニルエステル、特にネオデカン酸ビニル、安息香
酸ビニルおよびt-ブチル安息香酸ビニル、α-オレフィン、アルキルビニルエーテルまた
はアリルもしくはメタリルエステルであってもよいモノマーとのコポリマーがある。
【0826】
また挙げられてもよい脂溶性フィルム形成ポリマーとしては、脂溶性コポリマー、特に、9~22個の炭素原子を含むビニルエステルを、またはアルキル基が10~20個の炭素原子
を含むアルキルアクリレートもしくはメタクリレートを共重合して生じるものがある。
【0827】
そのような脂溶性コポリマーは、ステアリン酸ポリビニル、ジビニルベンゼンを用いて、ジアリルエーテルを用いて、またはフタル酸ジアリルを用いて架橋されたステアリン酸ポリビニル、ポリステアリル(メタ)アクリレートコポリマー、ラウリン酸ポリビニル、およびポリラウリル(メタ)アクリレート(これらのポリ(メタ)アクリレートは、エチレング
リコールジメタクリレートまたはテトラエチレングリコールジメタクリレートで場合により架橋されている)のコポリマーから選択されてもよい。
【0828】
上記で定義される脂溶性コポリマーは既知であり、特に仏国特許出願公開第2232303号
明細書に記載されている。それらの脂溶性コポリマーは、2000~500000、好ましくは4000~200000の範囲の重量平均分子量を有していてもよい。
【0829】
本発明において使用してもよい脂溶性フィルム形成ポリマーとして、ポリアルキレン、特にポリブテンなどのC2~C20のアルケンコポリマー、直鎖状または分岐状の、飽和また
は不飽和のC1~C8アルキル基を含むアルキルセルロース、たとえばエチルセルロース、およびプロピルセルロース、ビニルピロリドン(VP)のコポリマー、特にビニルピロリドンとC2~C40、より良好にはC3~C20アルケンとのコポリマーもまた挙げられてもよい。本発明において使用してもよいVPコポリマーの例として、VP/酢酸ビニル、VP/メタクリル酸エチル、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/メタクリル酸エチル/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレンまたはVP/アクリル酸/メ
タクリル酸ラウリルのコポリマーが挙げられてもよい。
【0830】
また、一般にシリコーンオイルに可溶性または膨潤性であるシリコーン樹脂を挙げてもよい。シリコーン樹脂の名称はMDTQの呼称で知られており、樹脂はそれが含む多様なシロキサンモノマー単位に応じて記載され、MDTQの文字の各々は、単位の種類を特徴づける。例として、ポリメチルシルセスキオキサン樹脂、ポリプロピルシルセスキオキサン樹脂、およびトリメチルシロキシケイ酸樹脂(TMS)が挙げられてもよい。
【0831】
「室温で液体の油性化合物」は、室温および大気圧で少なくとも数時間、皮膚上に残存する油であり、特に0.13Pa(0.01mmHg)未満の蒸気圧を有すると理解される。
【0832】
これらの不揮発性油は、炭化水素系油、特に動物もしくは植物由来の炭化水素系油、シリコーン油、またはそれらの混合物であってもよい。「炭化水素系油」は、主に水素原子および炭素原子、ならびに場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン
原子を含有する油であると理解される。
【0833】
特に挙げることができる不揮発性炭化水素系油としては、以下がある。
- 動物由来の炭化水素系油、
- 植物由来の炭化水素系油、たとえば、グリセロールの脂肪酸エステルで構成された
トリグリセリド、その脂肪酸は、鎖長がC4~C24まで様々であってもよく、これらの鎖は
、場合により直鎖状または分岐状であり、飽和または不飽和であり;これらの油は、特に
ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、あるいはコムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、アブラナ種子油、綿実油、ヘー
ゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、ブラックカラント油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイナッツ油、パッションフラワー油およびジャコウバラ油;シアバター;あるいはその他にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである、
- 10~40個の炭素原子を含む合成エーテル、
- 鉱物または合成物質由来の直鎖状または分岐状炭化水素、たとえば、ワセリン、ポ
リデセン、水添ポリイソブテン、スクワランおよび流動パラフィン、ならびにそれらの混合物、
- 合成エステル、たとえば式R1COOR2の油(式中、R1は、1から40個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の脂肪酸残基を表し、R2は、1から40個の炭素原子を含む特に分岐状の
炭化水素系鎖を表し、ただし、R1+R2≧10であることを条件とする)、例としてピュアセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12~C15安息香酸アルキル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸またはリシノール酸アルキルまたはポリアルキル、たとえばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、たとえば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルお
よび乳酸2-オクチルドデシル;ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル

- 12~26個の炭素原子を含む分岐および/または不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体である脂肪族アルコール、たとえば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノール、
- 高級脂肪酸、たとえばオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸、およびそれらの
混合物。
【0834】
本発明による組成物に使用することができる不揮発性シリコーン油は、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、(ポリジメチルシロキサンは、アルキル基またはアルコキシ基
を含み、これらの基はペンダント状であり、かつ/またはシリコーン鎖の末端にあり、こ
れらの基それぞれは2~24個の炭素原子を含む)、フェニルシリコーン、たとえば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、およびそれらの混合物であってもよい。
【0835】
・実装形態c:
フィルム形成ポリマーAおよびフィルム形成ポリマーBを使用することも可能である。コンパートメント1を対象とする生成物にAを、かつコンパートメント2を対象とする生成物
にBを入れることによって、混合物を調整して、最終的なフィルム品質を変更することが
可能である。
【0836】
上述のものから、高Tg(典型的には、60℃超)のフィルム形成ポリマーAおよび低Tg(典型的には、10℃未満)のフィルム形成ポリマーBが、典型的には使用される。
【0837】
高Tgのフィルム形成ポリマーAは、好ましくは、メタクリルポリマーまたはコポリマー
、ポリアミド、エチルセルロースおよびプロピルセルロースなどのアルキルセルロース、ビニルピロリドンのポリマーおよびコポリマー、ならびにシリコーン樹脂から選択される。
【0838】
低Tgのフィルム形成ポリマーBは、好ましくは、アクリルポリマーまたはコポリマー、
ビニルコポリマー、ならびにポリエステルおよびポリウレタンなどの重縮合物から選択される。
【0839】
・実装形態d:
室温を超える融点を有する油性化合物(ワックス)Aおよび室温で液体である油性化合物Bを使用することも可能である。コンパートメント1を対象とする生成物にAを、かつコンパートメント2を対象とする生成物にBを入れることによって、混合物を調整して、最終的なフィルム品質を変更することが可能である。
【0840】
「室温を超える融点を有する油性化合物」は、室温で固体である脂肪性物質と理解される。
【0841】
ペースト状の脂肪物質は、以下の物理化学的特性のうちの少なくとも1つを用いて定義することができる。
- 40℃で、MS-r3またはMS-r4測定棒が取り付けられたCONTRAVES TV回転粘度計を60Hz
の振動数で用いて測定された、0.1~40Pa.s(1~400ポアズ)の粘度、
- 25~70℃、好ましくは25~55℃の融点。
【0842】
本発明に従って使用してもよいワックスとして、以下のものが挙げられてもよい。
- 蜜ろう、鯨ろう、ラノリンワックスおよびラノリン誘導体などの動物由来のワック
ス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オーリクリーワックス、木ろう、カカオバター、コルク繊維ワックスまたはサトウキビワックスなどの植物ワックス、
- 鉱物ワックス、たとえば、パラフィンワックス、ワセリンワックス、亜炭ワックス
、微結晶ワックスまたはオゾケライト、
- ポリエチレンワックスおよびFischer-Tropsch合成により得られるワックスを含む、合成ワックス、
- シリコーンワックス、特に、置換直鎖状ポリシロキサン;挙げられてもよい例としては、ポリエーテルシリコーンワックス、16~45個の炭素原子を含むアルキルまたはアルコキシジメチコン、アルキルメチコンがある。
- 水素化ヒマシ油、水素化ホホバ油、水素化パーム油、水素化獣脂または水素化ココ
ナツ油などの25℃で固体である水素化油、および25℃で固体である脂肪エステル、たとえばC20~C40アルキルステアレート、
- ならびに/またはそれらの混合物。
【0843】
好ましくは、ポリエチレンワックス、微結晶性ワックス、カルナウバワックス、水素化ホホバ油、カンデリラワックス、蜜ろう、および/またはそれらの混合物が使用されるこ
とになる。
【0844】
最適化
コンパートメントの数をできるだけ少なくすると非常に有利である。
【0845】
したがって、システムが色を調整できることが望まれる場合(これは主要目的である)、膜質を調節することを目的とした2つのコンパートメントに加えて2つのコンパートメントを設ける必要がある。したがって、以下の構成要素を設ける必要がある。
・膜の品質を変化させるための材料を収容するコンパートメント1および2、ならびに
・色を変化させるための材料Mを配置するための他のコンパートメント(たとえば、3
または4)。
【0846】
活性薬剤Mをコンパートメント1または2あるいは1および2内に配置することも可能であ
る。
【0847】
このようにして、コンパートメントの総数は、4つではなく3つ、または場合によっては2つに減らされる。
【0848】
たとえば、活性薬剤Mは、コンパートメント1および2に入れられた生成物に添加される
。コンパートメント1では、Mは高濃度に設定され、コンパートメント2では、Mは低濃度に設定される。
【0849】
したがって、膜を生成し膜の特性を調節する活性薬剤は、コンパートメント1および2内に配置される。乳化されたワックスがコンパートメント1内の生成物に添加され、オイル
がコンパートメント2内の生成物に添加される。
【0850】
システムが1におけるマジョリティ設定にて使用される場合、濃縮されたワックスおよ
び活性薬剤Mを含む生成物が得られる。
【0851】
その場合、1におけるマジョリティ設定は、広範なカバレッジおよび乾燥した膜が望ま
れる目輪郭領域上で使用することができる。
【0852】
2におけるマジョリティ設定は、特に使用者が乾燥肌を有するときに、顔の表面全体に
おける「ファンデーション生成物」として使用することができる。顔料が低レベルであるので自然なアピアランスが確保され、膜は油性であるが厄介な作用を有さない。
【0853】
活性薬剤M1を、コンパートメント1に収容される生成物に添加し、活性薬剤M2を、コン
パートメント2に収容される生成物に添加することが可能である。たとえば、M1は黄色顔
料であり、M2は赤色顔料である。
【0854】
したがって、膜を生成し膜の特性を調節する活性薬剤は、コンパートメント1および2内に入れられる。たとえば、乳化された反応性シリコーンがコンパートメント1内の生成物
に添加され、触媒がコンパートメント2内の生成物に添加される。
【0855】
1におけるマジョリティ設定を含むシステムが使用される場合、反応性シリコーン/触媒比が高く高濃度の黄色顔料を含む生成物が得られる。
【0856】
次いで、黄色が適している顔に1におけるマジョリティ設定を使用することができ、油
性膜は、高レベルの移動度、したがって快適さを実現する。
【0857】
2におけるマジョリティ設定は唇に使用することができる。唇には赤色が適しており、
架橋がより強力なので膜の耐性がより強く、より高い耐久性が実現される。
【0858】
活性薬剤Mをコンパートメント3内に入れることが可能である。たとえば、黄色顔料がコンパートメント3内に入れられる。
【0859】
したがって、膜を生成し膜の特性を調節する活性薬剤は、コンパートメント1および2内に入れられる。たとえば、乳化されたワックスがコンパートメント1内の生成物に添加さ
れ、オイルがコンパートメント2内の生成物に添加される。
・70/20/10設定を有するシステムが使用される場合、カバー力はほとんどないが、すり込まれる領域、たとえば首に適した膜が得られる。
・20/70/10設定を有するシステムが使用される場合、カバー力がほとんどなく、非常に快適であり、顔の表面の大部分に適した結果が得られる。
・30/10/60設定を有するシステムが使用される場合、カバー力が高く、たとえばシミ
が目立つ領域に適した結果が得られる。
・10/30/60設定を有するシステムが使用される場合、カバー力が高く、非常に快適であり、たとえばまつ毛をメイクアップするのに適した結果が得られる。
【0860】
この第3の態様による発明は、カラーリング効果をもたらす活性薬剤に限定されない。アンチエージング、抗酸化活性薬剤、抗しわ活性薬剤、制汗活性薬剤、シミ防止、光防護活性薬剤、および保湿活性薬剤などのケア活性薬剤を使用することが可能である。
【0861】
カラーリング効果およびケア効果を実現する活性薬剤を混合することも可能である。
【0862】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域のみを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【0863】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。
【0864】
特に有利な一実施形態では、プログラミングにおいて、最適な結果を得るために実現すべき耐性および快適さが考慮される。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【0865】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、色と、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、高いカバー力を有し、顔全体に塗布するにはカバー力が高すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスのメイクアップを得ることが可能である。
【0866】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にし得る。
【0867】
分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【0868】
使用者が顔のある領域に塗布するための色を探すときに、各々の領域に最も合う色を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、この色と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【0869】
分配システムは、塗布ごとに色を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の唇をメイクアップしてもよい。この手法は、ま
ぶたまたはまつ毛にも適しており、また、使用者はファンデーションの色を変えたくなることもあるので、顔のメイクアップにも適している。たとえば、使用者は、平日には薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いタンカラーのファンデーションの色を用いるか、あるいは、目のメイクアップとして日ごとに色を変えてもよい。
【0870】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色を変化させることができるように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で色を選択する際に指導する。
【0871】
支援システムはまた、同じ顔における色のバランスをとり、全体的なメイクアップの見栄えを良くすることに寄与するように設けられてもよい。
【0872】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【0873】
段階的なメイクアップのための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の色C1と、処置される別の領域の色C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先に色C1が必要であることと、頬に色C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの色の間で色を段階的に変化させるために、混合物を供給している間に混合物の処方を変更してもよい。このことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終結果を現実的なものにし、または、美しく見せるために色を段階的に変化させることを確実に可能にする。分配システムはまた、使用者が、開始色および/または終了色を前もって設定する
ことなく、分配される混合物の色における変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生成する必要がある色C1およびC2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【0874】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【0875】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【0876】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【0877】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするよう
に設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【0878】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【0879】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【0880】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【0881】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。
【0882】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【0883】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【0884】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【0885】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【0886】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【0887】
カラーパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を有してもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【0888】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【0889】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【0890】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【0891】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【0892】
したがって、分配システムは、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有してもよく、カップは、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定される。
【0893】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【0894】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【0895】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【0896】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【0897】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【0898】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【0899】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【0900】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【0901】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【0902】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【0903】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、着色物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域をメイクアップす
ることを目的としたいくつかの異なる色混合物の調製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【0904】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【0905】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【0906】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【0907】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【0908】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【0909】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップのサイズおよび形状は、混合物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【0910】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【0911】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【0912】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディス
ペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【0913】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【0914】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【0915】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【0916】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【0917】
分配システムは、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有してもよく、このインターフェースは、好ましくは混合物をキャビティ内に供給する静的ブレンダーを有し、キャビティにおいて混合物を取り出すことができる。
【0918】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【0919】
いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【0920】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【0921】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【0922】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【0923】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過す
ることによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【0924】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【0925】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【0926】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【0927】
ベース生成物は、対応するカートリッジの出口通路を通ってこのカートリッジから出ることができ、この出口通路は、ディスペンサーの外側またはディスペンサーの外面の近くにおいて開放する。
【0928】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【0929】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【0930】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【0931】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【0932】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【0933】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【0934】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【0935】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【0936】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛などの様々な領域をメイクアップすることができる必要がある。
【0937】
分配システムは、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップのディスペンサーと、各々をディスペンサー上に取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを有する組立体を備えてもよく、これらの出口インターフェースは、ディスペンサーによって供給される生成物を受け取ることができ、好ましくは以下から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【0938】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【0939】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【0940】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【0941】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【0942】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーととも
に同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【0943】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【0944】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色を領域でインデックス付けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【0945】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【0946】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。この学習期間には、耐性および快適さが考慮されてもよい。このプロセスでは、使用者は、いくつかのレオロジーを試験し、得られる最良の調整値を入力する。
【0947】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【0948】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な色を示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【0949】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ色の使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【0950】
操作者は、マップを作成する場合、色を適用し、次いで評価する。
【0951】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【0952】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その色が適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適した顔の領域に混合物が関連付けられる。
【0953】
可変色の混合物を分配するためのディスペンサーと、色を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える本発明による分配システム用の学習プロセスは、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された色の少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む。
【0954】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【0955】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【0956】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【0957】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【0958】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【0959】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【0960】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【0961】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【0962】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【0963】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【0964】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【0965】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【0966】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【0967】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の色を提案してもよい。
【0968】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、色と、この色の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【0969】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【0970】
コンピュータシステムは、ユーザによって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの色を提案するように設計されてもよい。
【0971】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された色に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されてもよい。
【0972】
ディスペンサーは、ステップb)において、色が異なる少なくとも2つの混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【0973】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【0974】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いるメイクアップの方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンをメイクアップするための提案された色を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【0975】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【0976】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの色およ
び/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された色の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させ
ることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物の色
と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすること
とを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【0977】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【0978】
遠隔支援
メイクアップを施す方法によって、メイクアップを施す際、特に正しいカラーリングを選択する際に使用者を支援できることが望ましく、この方法は、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の色を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む。
【0979】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色を変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色を適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【0980】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【0981】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【0982】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【0983】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【0984】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【0985】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさ
せてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【0986】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の色の選択の制御をより容易にする必要がある。
【0987】
したがって、本発明の態様のうちの別の態様であって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた、特に前述の態様と組み合わされた態様によれば、本発明の1つの主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを備える分配システムであって、このコンピュータシステムが、混合物の色が表示されてもよいタッチスクリーンと、分配される混合物の色を変化させるために画面上を移動させることができる選択手段とを備える分配システムである。
【0988】
好ましくは、画面はエンドポイントの色を表示し、これらのエンドポイントの色同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の色を選択することができる。
【0989】
画面は、少なくとも2つの色の間の色のスケール、または、特に三角形の輪郭の領域を表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の色を局所的に示してもよい。
【0990】
コンピュータシステムは、所望の色の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【0991】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【0992】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【0993】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【0994】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【0995】
本発明の主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを備える組立体でもある。
【0996】
ディスペンサーは、色が異なるメイクアップ生成物を収容する3つのカートリッジを有してもよい。
【0997】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【0998】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【0999】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【1000】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【1001】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に色を調節できるようにするために、カメラ、および/また
は、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【1002】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【1003】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【1004】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物の色を変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【1005】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【1006】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【1007】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【1008】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【1009】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【1010】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備える
CONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【1011】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【1012】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【1013】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【1014】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【1015】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【1016】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【1017】
この第3の態様による本発明を実施するのに使用できる分配システムの一例について、図を参照しながらすでに説明した。したがって、図の説明はここでは繰り返さない。
【1018】
実施例1(本発明の第3の態様)
いくつかのベース生成物を作製する(比率は質量による)。
A1:
BASF社製Ultrahold strong 10%
(Tg=80℃のアクリレートコポリマー)
Carbopol Ultrez 10(Lubrizol社)* 1%
モノエタノールアミン 適量 pH9
水 適量 100%
B1:
AQ 1350(Eastman chemicals社) 10%
(スルホン官能を有するポリエステル、Tg=0℃)
Carbopol Ultrez 10(Lubrizol社)* 1%
モノエタノールアミン 適量 pH9
水 適量 100%
C1:
顔料(酸化鉄、二酸化チタン20/80) 20%
(スルホン官能を有するポリエステル、Tg=0℃)
Carbopol(Lubrizol社)* 1%
モノエタノールアミン 適量 pH9
水 適量 100%
*酢酸エチル/シクロヘキサン混合物で合成される架橋カルボキシビニルホモポリマー
【1019】
試験
混合物を作製する。
システムを使用し、50~200mgの用量の生成物を供給する。次いで、混合物を、用量ご
とに少しずつ広げる。
頬のメイクアップ用は50/10/40の比率として、カラーおよび光沢効果を与える(500mg)

まぶた用は20/40/40として、色およびわずかな光沢をその上に与える。フィルムの可撓性は、体のこの敏感なかつ柔軟な部分に不快感を与えないようにするのに十分である(合
計100mg)。
濃いあざなどの局部的欠陥を隠すために20/20/60とする。(合計200mg)
【1020】
実施例2(本発明の第3の態様)
いくつかの配合物を作製する。
A1:
BASF社製Ultrahold strong* 10%
(Tg=80°C℃)
Jaguar HP 60(Rhodia社) 1%
モノエタノールアミン 適量 pH9
水 適量 100%
*アクリル酸/アクリル酸エチル/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマー
B1:
AQ 1350(Eastman chemicals社) 10%
(スルホン官能を有するポリエステル、Tg=0℃)
Jaguar HP 60(Rhodia社) 1%
モノエタノールアミン 適量 pH9
水 適量 100%
C1:
Mexoryl SX(UVA遮蔽剤) 20%
Jaguar HP 60(Rhodia社) 1%
モノエタノールアミン 適量 pH9
水 適量 100%
システムは、
・A1→コンパートメント1
・B1→コンパートメント2
・C1→コンパートメント3
を用いて試験した。
【1021】
試験
混合物を作製する。
システムを使用し、50~200mgの用量の生成物を供給する。次いで、混合物を、用量ご
とに少しずつ広げる。
母斑の保護用に、50/10/40の比率とする(500mg)。
顔全体の保護用に20/40/40とする。フィルムの可撓性は、体のこの敏感なかつ柔軟な部分に不快感を与えないようにするのに十分である(合計100mg)。
目の周囲領域の処置および保護用に20/20/60とし、あざが出現するリスクを避ける。
【1022】
D)溶剤含有量が多い組成物の混合物を生成するための分配システム
本発明のこの第4の態様は、より詳細には、特にメイクアップ生成物、ケア生成物、フレグランス生成物、および衛生生成物を分配するための方法およびシステムに関する。
【1023】
多くの使用者が、メイクアップによって自分のアピアランス、特に自分の顔を向上させることを望む。使用者は、皮膚を保護して魅力的なアピアランスを維持することができること、または皮膚を処置して欠点を補正することができることも望む。
【1024】
これらの使用者が上記のことを望む理由には2つの種類がある。
- (一般には数平方センチメートルにわたる)局所的な処置。これは、シミ、しわ、ま
たは毛穴を隠すか、UV光からあざを保護するか、しわまたは毛穴を処置するか、または匂い化合物を塗布することが目的であり得る。
- 特に、色を変えるかまたはUV放射に対する保護を実現することによって顔の見た目
を変えるための、広い表面(100cm2以上)にわたる処置。
【1025】
これらの様々なケースにおける作業は、1つまたは複数の材料を含有する生成物を塗布することと、皮膚または皮膚の領域を生成物でカバーすることとを含む。
【1026】
したがって、不溶性材料(メイクアップ用顔料、抗油脂効果のためのパウダー)を含む組成物が塗布される。これらの材料は、たとえば水で運ばれてよい。
【1027】
媒質に溶解する材料も塗布される。この例では、2つのシナリオがある。
【1028】
材料が水に溶解するとき、水を溶剤として使用することができる。
【1029】
材料が有機溶剤では溶解するが水では全くまたは不十分にしか溶解しないとき、水を含有し、これらの材料を解膠剤、界面活性剤、または相溶化分子と組み合わせた製剤で処方が行われることが多い。これらの組成物は、水ベースまたは水+オイルベースである。こ
の手法は、界面活性剤/解膠剤が皮膚の上に残って、ねばねばした感じがするなどのある
種の欠点をもたらすという制限がある。
【1030】
別の手法では、材料を有機溶剤で溶解する。
【1031】
手法I: 重有機溶剤での材料の溶解
材料は、オイルなどの(沸点が高い(>100℃))重有機溶剤で溶解することができる。この手法は、(塗布されても気付かれないという点で)比較的目立たない有機溶剤を見つけるために何度も試験が行われるにもかかわらず、この手法には、塗布時も(手が脂っぽくなる)その後も(皮膚の上に脂っぽい層が残っている感じがする)それほど快適ではないという制限があるので、不十分であることが多い。さらに、生成された層はかなり急速にその効果を失う(摩耗または蒸発によってのみ効果を失う場合)。2つの状況がある。
a)これらの組成物が広範囲に塗布される場合、不快感および化粧崩れが大きな問題になる。不快感を軽減するうえで最も良いことは、制限された量の組成物を塗布することである。この場合、化粧崩れの恐れが増し、組成物を塗布し直す必要が生じる。
b)これらの組成物が局所的に塗布される場合、特に蓋然的な摩耗の問題が生じる。これは、制御されない動きによって特定の領域において膜が除去された場合、効果が失われる(メイクアップ/光保護組成物などの場合はコンシーリング/保護効果などが失われる)からである。
【1032】
したがって、どちらの状況でも、1日の間に少量の組成物を連続的に塗布する必要があ
る。具体的には、局所的な処置の場合、必要な処方量が部位ごとに異なることがあるので、材料の量および/または品質を調整できる必要がある。このことは、広域的な処置の場
合にも必要であり、その理由は塗布ごとに材料の量および/または品質を調整できる必要
があるからである。たとえば、朝メイクアップを施しており、昼食時にメイクアップを直す必要がある場合、コンシーリング材料の濃度を状況に適合させる必要がある(化粧崩れ
に応じて濃度を高くするかまたは低くする)。
【1033】
手法II: 軽有機溶剤での材料の溶解
より軽い溶剤(たとえば、エタノール)を使用することも可能である。これらの溶剤はその跡が残るにしてもほんの少ししか残らないので有利である。この有機溶剤の乾燥速度は、特に広域的な処置の場合、欠点である。局所的な処置の場合、一度に塗布する組成物の量が少ないので乾燥速度はそれほど厄介な問題ではない。広域的な処置の場合、乾燥速度に起因して、一度に塗布する生成物を少量にする必要がある。
【1034】
どちらの場合も、材料の品質および/または量を変更できると有利である。
a) 広域的な治療の場合、乾燥速度に起因して拡散が不可能になるので、材料の量を変更できる必要がある。これは、メイクアップ組成物(したがって、コンシーリング材
料を含む)を塗布する際に、特定の領域が他の領域よりも多くの組成物でカバーされてい
ることを知るからである。この不規則性は、アピアランスに影響を与えるので、さらに少しずつ塗布することによって補正する必要があり、この材料濃度を状況に適合させる必要がある。不規則性が低い場合、コンシーリング材料はほとんど必要とされない。不規則性が高い場合はコンシーリング材料の濃度を高くする必要がある。
b) 局所的な処置の場合、材料の品質および/または量を調整できる必要がある。
その理由は、i)これらのパラメータを顔の各領域の状況に適合させ、ii)少しずつ塗布で
きるようにすることが望ましいからである。たとえば、シミを隠すには、最初に、高濃度のコンシーリング材料を含有する組成物を塗布する。次に、目視または装置によって、付加すべき量を推定する。したがって、より少ないコンシーリング材料を含む組成物の層を設けることによって、同じ位置に第2の塗布を施す必要があることは確かである。シミがもはや見えなくなるという点で完全な結果が得られるまで塗布を続ける。
【1035】
したがって、軽有機溶剤系の組成物において材料が塗布されるケースでは、材料の量および/または品質を調整し、かつ一度に少しずつ塗布することができる必要もある。
【1036】
フレグランス組成物またはリフレッシング組成物の特定のケース。
【1037】
この場合も、使用者は、局所的に少量の組成物を顔に塗布できる(香水)か、または組成物をより広域的に塗布できる(リフレッシング組成物)ことを望む。第1のケースでは、フレグランス材料は一般に、水に不溶性であるか、またはそれほど溶解しない。したがって、重溶剤であってもまたは軽溶剤であってもよい有機ベースにフレグランス材料を溶解させる必要がある。第2のケースでは、組成物がまたフレグランス材料を含有してもよい。したがって、組成物は一般に、フレグランス材料をエタノールに溶解させたもの(コロン)である。得られる効果を変更するにはフレグランス材料の量を変更する必要がある。
【1038】
要約すれば、場合によっては、これらの組成物中の材料の品質および/または量(可溶性であるかまたは微粒子状であるかまたは可溶性でありかつ微粒子状である)を調節するこ
とができる油性組成物または軽溶剤ベースの組成物を少量だけ利用可能にすることが必要になる。
【1039】
すべてのこれらの状況において、システムが少量の組成物を(正しい設定によって)短時間だけ、一般には数秒またはそれよりも短い時間だけ供給できるようにする必要があるこ
とが理解されよう。システムが昼間容易に使用することができ、したがって、好ましくは携帯可能である必要があることも理解されよう。システムが、人間による処置を可能な限り減らしても容易に制御される必要があることも理解されよう。したがって、システムがプログラムすることができ、特に使用者の個人的なニーズに合わせてプログラムできることが必要である。
【1040】
したがって、以下の要素から形成されたシステムを検討する。
1)分配システム、
2)組成物を収容するカートリッジが配置されるいくつかのコンパートメント、
3)組成物が、同じ量および/または品質の材料を含有しないこと、
4)制御システム。
【1041】
そのようなシステムの作製には精度の問題が伴う。精度が十分ではない場合、供給される量、したがって混合物は、所望の量とはかけ離れたものになることがある。それぞれに異なるカートリッジによって数回の試験が実施されており、材料の量および/または品質
を変更するために試験が実施されている。調整が不十分であり、得られる材料の量および/または品質が目標とはかけ離れたものになることは明らかである。
【1042】
したがって、本発明の態様のうちの第4の態様による本発明の1つの主題は、化粧品を分配するためのシステムであって、それぞれが、ベース生成物を含むリザーバを有する少なくとも2つのカートリッジを収容しているディスペンサーを含み、第1のベース生成物は少なくとも1つの有機溶媒を含み、その有機溶媒を含むカートリッジは、単純なポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミドおよび半芳香族ポリアミド、ポリフェニレ
ン・サルファイド(PPS)、ポリビスマレイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエポ
キシド、ポリエーテル-ブロック-アミド、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、FEP(ペルフルオロ化エチレンプロピレン)、PFA(ポリフルオロアルコキシ)、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン)、およびETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、ならびにそれらの混合物、好まし
くは、単純なポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミドおよび半芳香族ポリア
ミド、ポリフェニレン・サルファイド(PPS)、ポリビスマレイミド、ならびにそれらの混
合物を含むリストから選択される熱可塑性材料のうちの少なくとも1つから作製された本体を有する、システムである。
【1043】
本発明のこの第4の態様によれば、本発明はまた、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してもよい。
- カートリッジは、第1のベース生成物を含み、カートリッジの本体の他に、第1
のベース生成物にさらされる他の成分を含み、これらの成分のうちの少なくとも1つ、および好ましくはこれらの成分のすべてが、上記のリストから選択され、
第1のベース生成物中の有機溶剤の総含有量は、第1のベース生成物の総水含有量以上であり、
- 第1のベース生成物中の有機溶剤の総含有量は、すべての溶剤に対して50%以上であり、
- 各カートリッジは、その含有量および場合によっては識別子を除いて同一であり

- 組成物のうちの少なくとも1つは香水を含み、
- カートリッジは、ディスペンサー内に取り外し可能に受け入れられ、
- 各生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路
は、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される。
【1044】
したがって、この第4の態様による発明は、カートリッジと、ベース生成物と、制御装置とを有し、カートリッジが、特定の材料から形成される分配システムの使用に基づく。その結果、精度が良好になる。
【1045】
したがって、この態様による発明は、材料の品質および/または量(可溶性であるかまたは微粒子状であるかまたは可溶性でありかつ微粒子状である)を調節することができる、
少量の油性組成物または軽溶剤ベース組成物の供給に関するこの問題の解決策を与えることを可能にする。その結果、メイクアップを広域的に施すかまたは小さい領域に施すことが可能になり、欠点(しわ、毛穴、シミ)を処置し、保護要素を広域的に塗布するかまたは正確な領域に塗布し、自分に香水を付けることが可能である。処方の最も適切な調整値を見つけることも可能である。具体的には、システムは、少量を供給するのを可能にし、その結果、塗布後に、調整値が適切であるかどうかを判定するか、または新しい調整値を見つけることが可能である。したがって、このシステムは、理想的な調整値を見つける手段である。
【1046】
これらの問題の解決策を与える利点の他に、オイルまたはオイルの混合物、特にエッセンシャルオイルの混合物を塗布するためのシステムから(したがって、オイルが材料を形
成する際に)利益を得ることも可能である。
【1047】
一般に、この第4の態様による発明は、溶媒が、すべての溶剤に対して50%を超え、特
に溶剤の水に対して80%を超える豊富な量の重有機溶剤および/または軽有機溶剤を含有するすべてのシナリオにおいて使用される。たとえば、20%匂い材料+70%エタノール+10%水
を含むフレグランス組成物は、87.5%有機溶剤を有すると考えられる(70/80)。
【1048】
これらの態様による発明は、組成が有機溶剤に加えて溶剤に溶解する材料を含有するケースを処置することができる。この発明は、有機溶剤に加えて微粒子状材料を含有する組成物にも適用される(顔料、パウダー、スクリーニング剤)。
【1049】
同一のシステムにおいていくつかのカートリッジが使用され、これらのカートリッジのうちのいくつかが有機溶剤の含有量が多い組成を有し、他のカートリッジがそのような組成を有さないハイブリッド状況が生じる可能性がある。したがって、以下のようにシステムを使用することが可能である。
1)すべてのカートリッジが、有機溶剤の含有量が多いか否かにかかわらず(選択され
た材料を含む)本発明によるカートリッジである。
2)有機溶剤の含有量が多い組成物用の(選択された材料を含む)本発明によるカートリッジ、および有機溶剤の含有量が多くない組成物用の本発明の範囲外のカートリッジ。
【1050】
状況1)は、製造およびリサイクルの産業ロジスティックスの点で単純であるので好ましい。
【1051】
本発明は、顔の1つまたは複数の領域を処置するのを可能にする。以後において、「領域」という用語は、顔の規定の部分を示すために用いられ、この部分は、表面積がかなり小さく、1cm2から100cm2の間の範囲であり、より良好には、2cm2から50cm2までの範囲で
ある。
【1052】
分配システム
本発明の本態様による分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成される効果
の種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【1053】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【1054】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【1055】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【1056】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【1057】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【1058】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【1059】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【1060】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【1061】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【1062】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【1063】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【1064】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【1065】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【1066】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【1067】
したがって、本発明の一態様による本発明の1つの主題は、ハウジングを有するディスペンサーと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられた少なくとも1つのカートリッジとを備える分配システムであり、このカートリッジは、本体と、本体において移動することできるピストンとを備え、ハウジングは、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える。
【1068】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【1069】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【1070】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによって、ディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【1071】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【1072】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【1073】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【1074】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【1075】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【1076】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【1077】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【1078】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【1079】
効果を調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【1080】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【1081】
したがって、ディスペンサーは、いくつかの異なるベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、効果を調整することができるように動作させられてもよい。
【1082】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【1083】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【1084】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【1085】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【1086】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【1087】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【1088】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【1089】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、使用者が完全に顔を処置するまで必要とされる回数繰り返される。
【1090】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【1091】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【1092】
有機溶媒に関する詳細
有機溶媒は、液体炭素系化合物または液体シリコーン化合物または液体塩(イオン液体
として知られている)であると理解される。
【1093】
たとえば、エタノールまたは他のアルコール、アセトン、酢酸アルキル、炭酸アルキレン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、イソドデカン、ヘキサデカンおよび他のアルカン、ジメチコン、ジアルキルイミダゾリウムアセテート、ジアルキルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートなど。
【1094】
1つの特定の場合において、溶媒は標準温度で気体であり、かつ加圧下のままの場合は液体である。この場合、溶媒は、イソペンタン、ブタン、またはその沸点が室温(0~20℃)に近い特定のフッ化化合物であってもよい。
【1095】
溶媒は、上述の成分の混合物であってもよい。
【1096】
システムに導入されるカートリッジは、溶媒または異なる溶媒の混合物を含むベース生成物を含んでいてもよい。
【1097】
カートリッジカートリッジおよび材料
本発明のこの第4の態様によれば、カートリッジは、本体、および本体に含まれる生成物を押すことを目的とする可動部を有する。
【1098】
組成物を出口オリフィスに送る部品などの計量の精度に関与しないカートリッジの部品、および任意の外部カバーは、材料の選択に関して、この第4の態様による本発明の定義に含まれない。
【1099】
優れた精度で送達するために(したがって混合物の作製において)、材料は、好ましくは以下に記載するものから選択される。
【1100】
カートリッジの本体および可動部に関しては、選択されるプラスチックは、好ましくは以下である。
・単純なポリオレフィン
・ポリ塩化ビニル(PVC)
・ポリアミドおよび半芳香族ポリアミド
・ポリフェニレン・サルファイド(PPS)
・ポリビスマレイミド
好ましくはないが
・ポリウレタン
・ポリエステル
・ポリエポキシド
・ポリエーテル-ブロック-アミド
・ポリアセタール
・ポリエステル
・ポリエーテルケトン
・ポリエーテルイミド(PEI)
・ポリイミド
・ポリアミドイミド(PAI)
・特定のフッ素化ポリマー: FEP(ペルフルオロ化エチレンプロピレン)、PFA(ポリフル
オロアルコキシ)、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン)、ETFE(エチレンテトラ
フルオロエチレン)
以下のものは除外する
・ポリスチレンおよびABS
・ポリメチルメタクリレート(PMMA)
・フェノール樹脂、
・アミノ樹脂、
・ポリカーボネート、
・ポリフェニル酸化物(PPO)
・ポリスルホン
・PET
【1101】
ポリオレフィン
これらは異なる密度のポリエチレンであり、異なるコモノマー(他のアルケン、特にア
ルファ-オレフィン(ブテン、ヘキセン、オクテンまたはプロピレン)および/または酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリル酸エステル)で作製される。それらの作製は、当業者
に一般的であり、結晶形態で高含有量をもたらす重合条件を使用する。それらは以下のものである。
a)密度直鎖状ポリエチレン(VLDPE)(領域中の密度は0.855~0.91g/cm3)。
b)高圧低密度ポリエチレン(LDPE)(低密度ポリエチレン)(領域中の密度は0.915~0.935g/cm3)。
c)直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(領域中の密度は0.91~0.93g/cm3)。
d)高密度および中密度ポリエチレン(HDPEおよびMDPE)(領域中の密度は、前者に関
しては0.930~0.945g/cm3および後者に関しては0.945~0.970g/cm3)。
e)UHMW(超高分子量)ポリエチレン(領域中の密度は0.94g/cm3)。
【1102】
本発明に関して好ましいものはc、dおよびeであり、これらによって最高の精度が得ら
れる。
【1103】
ポリオレフィンはまた、ポリプロピレンである。「アイソタクチック」型のみが好適である(アイソタクチックのレベルは少なくとも90%)。それらは、コモノマー(エチレン)を
用いてまたは用いずに生成することができる。共重合異型(PPCO)はブロックコポリマーまたはランダムコポリマーとして知られており、かつ約1%~30%のエチレンが使用される。
【1104】
非晶質または低結晶化度ポリオレフィンを使用することも可能である。この場合、塩化ビニル型のモノマーを使用する。得られたポリマー(PVC)は、低結晶化度(一般的に10%未
満)であるが高密度(1.4g/cm3)のものである。「可塑剤不含」形態が好ましくは使用され
る。
【1105】
PEおよびPPは、Basell社、Exxon Mobil社、Arkema社、Dow社などの多数の供給元から入手可能である。
【1106】
PVCは、信越化学工業株式会社、Solvay社、Arkema社などの多数の供給元から入手可能
である。
【1107】
ポリアミド
以下のものが使用可能である。
ポリアミドPAn(-CO-NH-R)n
a)PA6(n=6)
b)PA12(n=12)
ポリアミドPAnm(-CONHR1-NHCOR2)(式中、R1=(CH2)nおよびR2=(CH2)m)
c)PA66(nおよびm=6)
d)PA610(n=6およびm=10)
e)PA612(n=6およびm=10)
好ましいものはb)、d)およびe)である。
PA6の例: EMS社製のGrilon、Dupont社製のMinlon
PA66の例: EMS社製のGrilonT、Dupont社製のZytel
PA610の例: BASF社製のUltramid S
PA612の例: Degussa社製のVestamid D
ポリフェニレン・サルファイド(-Ph-S-)n
PPSの例: Chevron Phillips社製のRyton、Solvay社製のPrimet
ポリビスマレイミド
PBMIの例: Neopreg社製のKinel
【1108】
実装プロセス
本発明の第4の態様による各部を作製するには、以下のようないくつかの実装プロセスが可能である。
a)金型への射出
b)機械加工
【1109】
実用的な理由でa)が好ましい。
【1110】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域を処置するための使用
分配システムは、毎日、正確な領域のみを処置することによって、メイクアップを施すか、またはスキンケアのために皮膚を処置するか、皮膚を保護するか、または香水を皮膚に付けるのを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【1111】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【1112】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、色もしくは効果と、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、高いカバー力を有し、顔全体に塗布するにはカバー力が高すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスのメイクアップまたは他の処置の結果を得ることが可能である。
【1113】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にし得る。
【1114】
生成物を隠す場合、分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【1115】
使用者が顔のある領域に塗布するための生成物を探すときに、各々の領域に最も適した混合物(コンパートメント内の生成物間の比)を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、効果と、上記の比と、対応する領域とを記憶するように設
計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【1116】
分配システムは、塗布ごとに効果を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の皮膚をメイクアップするか、または自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なるノートの香水を皮膚に付けてもよい。たとえば、使用者は、平日には薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いタンカラーのファンデーションの色を用いるか、あるいは、目のメイクアップとして日ごとに色を変えてもよい。たとえば、使用者は、平日には一定の香水を塗布し、週末には異なる香水を塗布する。
【1117】
システムは、様々な少量の生成物を塗布した結果に応じて少量の生成物を供給するように設計されてもよい。したがって、いくつかの少量の生成物を塗布した後、結果を完全なものにするうえで欠けているものがあることが使用者に明らかである場合、システムは、要求に応じて、結果を完全なものにする少量の生成物を実現するための混合物を供給することができる。
【1118】
たとえば、色の場合、使用者がエタノールベースのファンデーションを塗布する場合、蒸発の速度を考慮して、顔の特定の領域のカラーリングを他の領域よりも少なくすることが可能である。使用者はその場合、色の付いていない領域における色を完全なものにするために着色剤の濃度がより低い混合物をシステムに問い合わせることができる。
【1119】
香水についても同様である。使用者が少量の香水をある位置に塗布し、次に別の少量の(異なる)香水を別の領域に塗布する場合、使用者は、同じ領域または異なる領域に別の少量の(異なる)混合物を塗布することによって臭覚的印象を完成することを望むことがある。
【1120】
したがって、システムは、変更を提案するように設けられ、かつ単純な命令を混合物の生成に変換するためのインターフェースを有するように設けられる。
【1121】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように材料を変更するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で効果を選択する際に指導する。
【1122】
支援システムはまた、同じ顔における効果のバランスをとり、全体的な処置を成功させることに寄与するように設けられてもよい。
【1123】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【1124】
段階的な処置のための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。
【1125】
この機能は、乾燥速度が急速であり、拡散の可能性が制限される場合には、一層重要である。
【1126】
また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の色または効果C1と、処置される別の領域の色または効果C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先に色C1が必要であることと、頬に色C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの色の間で色を段階的に変化させるために、混合物を供給している間に混合物の処方を変更してもよい。このことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終結果を現実的なものにし、または、美しく見せるために色を段階的に変化させることを確実に可能にする。分配システムはまた、使用者が、開始効果および/または終
了効果を前もって設定することなく、分配される混合物の効果の変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生じさせる必要がある効果C1およびC2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【1127】
本発明の第4の態様は、色および光保護に適用可能である。同じ概念が、フレグランス生成物に適用可能であり、その場合、使用者は香水のグラデーションを有することを望むことがある。たとえば、使用者は、首に沿って香水のグラデーションを作成し、別の人に首の所に近づいて匂いの強さを確認してもらってもよい。
【1128】
本発明は、保護組成物に適用可能である。使用者は、保護指数のグラデーションを作成し、それによって、日光にさらした後で、段階的な日焼け結果を得ることができる。
【1129】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【1130】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【1131】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。この場合、システムは、固体材料の含有量が多い処方物と、比較的少量(70%未満で好ましくは50%未満)の軽有機溶剤または重有機溶剤ととともに使用される。
【1132】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【1133】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収
容されるかのいずれかである。
【1134】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【1135】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成する。
【1136】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。
【1137】
システムに導入される組成物のうちの1つまたは複数がオイルを含有することが好ましい(少なくとも20質量%)。
【1138】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【1139】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【1140】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【1141】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【1142】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【1143】
カラーパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を有してもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【1144】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【1145】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【1146】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【1147】
他のパレットの作成
本発明は、匂いパレットまたは(ケア活性薬剤を含む)ケアパレットまたは(UVスクリー
ニング剤を含む)保護パレットを作成するように実施されてもよい。
【1148】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【1149】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、少なくとも1つのメイクアップ生成物またはケア生成物または保護生成物またはフレグランス生成物を分配するためのシステムであって、カップと、カップを少なくとも1つの生成物で充填するためのディスペンサーとを備え、カップが、少なくとも充填される間、ディスペンサーに固定されるシステムである。
【1150】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【1151】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【1152】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【1153】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【1154】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【1155】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ生成される効果に応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【1156】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【1157】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【1158】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【1159】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【1160】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域を処置することを目的
としたいくつかの異なる混合物の調製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【1161】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【1162】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【1163】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【1164】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【1165】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【1166】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップのサイズおよび形状は、混合物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータで取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【1167】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【1168】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレ
ンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【1169】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物、芳香生成物、ケア生成物、または保護生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【1170】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【1171】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【1172】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【1173】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【1174】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有する分配システムであって、このインターフェースが、好ましくは、混合物を取り出すことができるキャビティ内に混合物を供給する静的ブレンダーを有する分配システムである。
【1175】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【1176】
本発明のこの態様によれば、いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【1177】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【1178】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【1179】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁
によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【1180】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【1181】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【1182】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【1183】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【1184】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップ生成物またはケア生成物または保護生成物またはフレグランス生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、ベース生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、この出口通路が、ディスペンサーの外側に開放し、または、ディスペンサーの外面の近くで開放するシステムである。
【1185】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【1186】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【1187】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【1188】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【1189】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【1190】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【1191】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【1192】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【1193】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目または異なるケア効果または異なる保護効果または異なるフレグランス効果を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛、首、および髪の毛などの様々な領域を処置することができる必要がある。
【1194】
本発明の主題は、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップ生成物、ケア生成物、保護生成物、またはフレグランス生成物のディスペンサーと、各々をディスペンサー上に取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを有する組立体を備える分配システムであって、これらの出口インターフェースが、ディスペンサーによって供給される生成物を受け取ることができ、好ましくは以下から選択される分配システムでもある。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【1195】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【1196】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【1197】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【1198】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサ
ーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【1199】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【1200】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含む、メイクアップまたはケアまたは保護またはフレグランスの方法である。
【1201】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色、匂い、保護、ケアを領域でインデックス付けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【1202】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【1203】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップまたはケアまたは保護またはフレグランス塗布のために使用することができる。
【1204】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【1205】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な色および/または適切なケアおよび/または適切な保護および/または適切な匂いを示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【1206】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ色またはケアまたは保護または匂いの使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【1207】
操作者は、マップを作成する場合、色またはケアまたは保護または匂いを適用し、次いで評価する。
【1208】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【1209】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その色またはケアまたは保護または匂いが適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適した顔の領域に混合物が関連付けられる。
【1210】
本発明の主題は、可変混合物を分配するためのディスペンサーと、効果を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システム用の学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された効果を近似するように少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価する(見た目、
快適さ、匂い、感触)ステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスでもある。
【1211】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域を処置することを目的として実施することができる。
【1212】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【1213】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【1214】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【1215】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【1216】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すか、または皮膚をケアするか、または皮膚を保護するか、または香水を付けることを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すか、または皮膚をケアするか、または皮膚を保護するか、または香水を付けることを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【1217】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【1218】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【1219】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【1220】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【1221】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【1222】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【1223】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【1224】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物を提案してもよい。
【1225】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、色またはその他の効果と、この色またはこの効果の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【1226】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【1227】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの効果を提案するように設計されてもよい。
【1228】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された効果に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されてもよい。
【1229】
ディスペンサーは、ステップb)において、少なくとも2つの異なる混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【1230】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【1231】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いるメイクアップ方法またはフレグランス塗布方法またはケア方法または保護方法であって、
a)使用者がニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンを処置するための提案を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された混合物が使用者によって確認された場合、提案された混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【1232】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【1233】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの効果お
よび/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された混合物を供給するようにディスペンサーを動作させるこ
とと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物と、
関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【1234】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、ニーズに関する使用者
からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの効果および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された混合物が使用者によって確認された場合、提案された混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【1235】
遠隔支援
メイクアップを施すか、または皮膚をケアするかもしくは皮膚を保護するか、または香水を付ける際、特に正しいカラーリング、正しい臭覚的ノート、または正しいケア効果もしくは保護効果を選択する際にユーザを支援できることが望ましい。
【1236】
したがって、本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップ方法またはケア方法または保護方法またはフレグランス塗布方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の色、保護効果またはケア効果、あるいは匂いを変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像または
コメントを第2の場所に送信し、それに応じて塗布結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含むメイクアップ方法またはケア方法または保護方法またはフレグランス塗布方法である。
【1237】
同じ概念が皮膚のケアまたは保護に適用可能である。
【1238】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップ結果またはケア結果または保護結果またはフレグランス塗布結果に
関するコメントを見るかまたは聞くかまたは読み、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色またはケアまたは保護または匂いを変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色またはケアまたは保護または匂いを適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分にメイクアップを施すか、または皮膚をケアもしくは保護するか、または自分に香水を付けてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的な効果が得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【1239】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これによって、第1の場所において施されるメイクアップまたはケアまたは保護をより忠実に表示することができる。
【1240】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【1241】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【1242】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【1243】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【1244】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施し、皮膚をケアまたは保護し、あるいは香水を付けるのを助けさせることであってもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストまたは「ビューティーコーチ」または「パフュームコーチ」およびその作業を、施設内のメイクアップアーティストまたは「ビューティーコーチ」または「パフュームコーチ」および施設内で行われる作業とするか、またはインターネット上のメイクアップアーティストまたは「ビューティーコーチ」または「パフュームコーチ」およびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すか、または保護を行うか、またはケアを行うか、または香水を付けるのを可能にする。
【1245】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の効果の選択の制御をより容易にする必要がある。
【1246】
本発明のさらなる主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを有する分配システムであって、混合物の色または予想される効果を表示することができるタッチスクリーンと、分配される混合物の色または保護効果もしくはケア効果または匂いを変化させるために画面上で移動可能な選択手段とを有する。
【1247】
好ましくは、画面はエンドポイントの効果を表示し、これらのエンドポイント同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の効果を選択することができる。
【1248】
画面は、効果のスケールを線または領域(三角形の輪郭)の形で表示してもよい。
【1249】
コンピュータシステムは、所望の効果の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【1250】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【1251】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【1252】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【1253】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【1254】
本発明の態様のうちの別の態様によれば、本発明は、スプレーシステム、好ましくはエアブラシを有する分配システムをまたさらに改良することを追求し、本発明の1つの主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する組立体である。
【1255】
ディスペンサーは、互いに色が異なるメイクアップ生成物、またはそれぞれに異なるフレグランス生成物、それぞれに異なるケア生成物、およびそれぞれに異なる保護生成物を収容する3つのカートリッジを有してもよい。
【1256】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【1257】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【1258】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【1259】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【1260】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に色または保護効果もしくはケア効果または香水を調節できるようにするために、カメラ、および/または、加速度計などの1つもしくは複数のセン
サを有してもよい。
【1261】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いたメイクアップ方法またはケア方法または保護方法またはフレグランス塗布方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【1262】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【1263】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔が処置されている間、特に処置すべき領域が変わるときに、分配される混合物の色を変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【1264】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【1265】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【1266】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【1267】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【1268】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【1269】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.001Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【1270】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【1271】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【1272】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【1273】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【1274】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【1275】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【1276】
分配システムは、特に互いに対して移動するすべての部分に関して、本発明の第4の態様による材料の選択を優先する、上述の図に示す種類のシステムであってもよい。
【1277】
したがって、すべての図について再び説明するとは限らず、分配システムが、1つのメイクアップ生成物に限定されず、ケア生成物、日焼け止め生成物、または香水を分配することを目的としたものであることが理解されよう。
【1278】
したがって、ユーザインターフェースの説明に関して、画面に存在するボタンは、たとえば、メイクアップまたはケアまたは保護または香水の名前あるいは使用者の名前を入力し、選択された領域を表示し、色またはケアまたは保護または匂いを選択し、実施された試験の結果が許容可能であるかどうかに関してコンピュータシステムに通知し、または場合によっては、図示しているように、以前に実施された試験に対する結果の評価に関する情報、つまり、たとえば、より良い、または「それほど良くない」を提供することを可能にする。画面はまた、選択された色、保護、ケア、または匂い、および領域を、検討中の領域において試験が実施された後に記憶するのを可能にするボタンを表示してもよい。
【1279】
色または保護またはケアまたは匂いの選択は、たとえば、図36を参照して説明したスケールと同様のスケールによって行われる。
【1280】
コンピュータシステムは、試験の間に分配された混合物を再生成するのを可能にするパラメータに顔の領域を関連付けるために、たとえばルックアップテーブルの形態でデータを記憶するように設計される。これらのパラメータには、たとえば、混合物におけるディスペンサーのベース生成物の各々の相対的な含有量、分配された量Qに加えて、たとえば
、領域の名前、混合物が分配された日付および/または任意の他の混合物識別子、ベース
生成物の識別子、一年のうちの時期、特に季節、使用者の年齢、使用者の性別、使用者の姓または名、メイクアップ、保護、ケア、またはフレグランス塗布に関連付けられる出来事の名前、たとえば、特に誕生日、ならびに領域に適した生成物の量などの追加データがある。補助データは、使用者が、一年のうちのその時期に適していると考えられる効果をより容易に再現するか、または、人生の出来事を思い出すか、または、若返りの効果をもたらすのを可能にしてもよい。
【1281】
これらのデータは、コンピュータシステム100に記憶されてもよく、たとえば、前述の
装置内、および/もしくは、装置が通信しているリモートサーバ上、または代替で、ディ
スペンサー11に組み込まれた電子メモリ内に記憶されてもよい。
【1282】
したがって、本発明によれば、使用者は、ディスペンサーに第1の物質を供給させ、第1の物質を顔の第1の領域に塗布し、それが適するかどうかを判定してもよい。結果に満足できる場合、使用者はその結果を記録し、領域にインデックス付けし、結果に満足できない場合、使用者は、上記の動作を繰り返すために、新たな物質を指示してもよい。
【1283】
コンピュータシステムは、この文脈において、様々な方法で使用することができる。
【1284】
たとえば、図40に示しているように、使用者は、ステップ1010において、調整ボタン1012を移動させることによって、たとえば画面に表示されたスケール1011を用いて、試験する色またはケアまたは保護または匂いを選択する。
【1285】
次に、選択は、ステップ1015においてディスペンサー11に送信される。
【1286】
たとえば、装置は、分配されるベース生成物の各々の量を送信し、それに従って、電子回路81はモーターを動作させる働きをする。
【1287】
ステップ1016では、使用者はディスペンサー11の制御ボタン12を押し、これによって、たとえば、使用者によって選択された色またはケア効果または保護効果または匂いで、混合物の処方量を分配させる。
【1288】
混合物は、たとえば、カップ115内に分配され、次に、ステップ1020において使用者に
よって取り出され、頬、または、インターフェース上で指示される任意の他の領域に塗布される。
【1289】
変形形態では、生成物は、エアブラシを用いて、または、前述したような任意の他の手段によって、塗布される。
【1290】
次に、使用者は、ステップ1022において、ボタン1021を用いて、コンピュータシステムに結果を通知する。
【1291】
結果が満足できるものであることを使用者が示す場合、システムは、たとえば、使用者が、ステップ1031において、試験のパラメータを記憶させるために、ボタンを用いてこれらのパラメータを検証することを提案する。
【1292】
使用者が結果を満足できるものと考えず、ボタン1032を用いてこのことを知らせる場合、それにもかかわらず、結果をステップ1034において自動的に保存することができる。
【1293】
したがって、各々の領域は、適切な色またはケアまたは保護または匂いだけでなく、この領域に全く適していない色またはケアまたは保護または匂いでもインデックス付けすることができる。
【1294】
次に、使用者は、ステップ1010に戻ることによって、同じ領域に対してさらなる試験を実施することができる。
【1295】
使用者が結果に満足できる場合、使用者は、たとえば顔の異なる領域に対して、さらなる試験を実行することを望む場合がある。
【1296】
適切な場合、使用者が満足できないとき、インターフェースは、対応するボタン1040および1041を用いて、結果が先の試験よりも良いと考えられるか、または、先の試験ほど良くないと考えられるかを使用者が示すことを提案してもよい。
【1297】
コンピュータシステムは、その場合に、使用者によって入力された情報に鑑みて、次にどの色またはケアまたは保護または匂いを試験するかに関して、提案を自動的に行うことができるかどうかを判定するように設計されてもよい。
【1298】
適切な場合、コンピュータが、実施された試験と、使用者または使用者を支援する専門家がこれらの試験をどのように評価したかとに鑑みて色またはケアまたは保護または匂いを提案する際に、コンピュータシステムを支援するために、質問事項が表示されてもよい。
【1299】
たとえば、色が「適切でない」と見なされた場合、システムは、追加情報、たとえば「明るすぎる」を使用者から受信する場合があり、この情報は、システムが、使用者の期待によりうまく適合する新しい色を提案する際に、システムを支援する。
【1300】
コンピュータシステムが、結果を先の試験と比較する情報、たとえば「より良い」または「それほど良くない」を受信することができ、そこからシステムが新たな色またはケアまたは保護または匂いとして何を提案すべきかを推定できれば有利である場合がある。
【1301】
別の選択肢は、コンピュータシステムが、目標との比較に関する比較情報、たとえば「ほとんど理想的なものである」を受信することができ、そこから、システムが、色またはケアまたは保護または匂いの修正を自動的に調整することができることである。
【1302】
この具体的な例では、システムは、所望の結果がほとんど達成されたという情報を受信した場合、低レベルの色変更またはケア変更または保護変更または匂い変更を採用し、それに応じて調整のスケールを修正することができる。
【1303】
分配システム自体が、試験すべき混合物を提案する場合、これらの混合物は、あらかじめプログラムされた試験シナリオに基づくものであってもよく、システムは、シナリオが評価の成功または失敗に従ってどのように進行するかを変更してもよい。したがって、たとえば、生成物の第3の塗布から、色またはケアまたは保護または匂いが使用者にとってほとんど理想的なものであるという情報を分配システムが受信した場合、分配システムは、プログラムを終了してもよく、その後、分配システム自体を操作者からの指令によって案内させてもよい。
【1304】
概して、使用者は、試験すべき色またはケアまたは保護または匂いの選択において、エキスパートシステムによって支援されてもよい。
【1305】
このエキスパートシステムは、たとえば、ディスペンサーが通信する装置において動作するか、または、ディスペンサー自体において動作するプログラムであり、質問事項への答えに基づく、および/または、特定のセンサもしくはカメラによって得られる、たとえ
ば皮膚の色の測定値に基づくプログラムである。したがって、使用者は、たとえば色センサ、画像センサ、または匂いセンサといった、計器による評価から支援を得ることができる。エキスパートシステムは、場合によっては、装置またはディスペンサーが情報を交換するリモートサーバ上に実装することができる。操作者は、場合によっては、開始点とする色またはケアまたは保護または匂いの選択を事前プログラムすることができる専門家に自分の顔の画像を送信してもよい。別の例示的な実施形態では、使用者は、自分の顔の写真をコンピュータシステムに提示し、コンピュータシステムは、この写真を分析し、色、ケア、保護、および匂いと量との両方に関して、試験される領域と、供給される第1の生成物とを定義するプログラムを作成するように設計される。たとえば、コンピュータシステムは、図42において示しているように、ステップ1070において、写真を撮ることによって、使用者に提案すべき色、ケア、保護、または匂いを自動的に選択するように設計されてもよい。たとえば、ディスペンサー11と通信する装置にはカメラが搭載されており、使用者は自分の顔の写真を撮る。次に、画像がステップ1071で分析され、たとえば規定の色の組合せ規則に従って、ステップ1072において顔の領域ごとに色またはケアまたは保護または匂いが提案される。
【1306】
分配システムは、色またはケアまたは保護または匂いを決定し、また、分配される生成物の量を決定するように、使用者によって向きを定められてもよい。たとえば、使用者は「鼻」または「シミ」を示してもよく、分配システムは、処方量の記憶されたマップに従って分配される処方量を、処置される領域に応じて分配させるように適合するように設計される。
【1307】
コンピュータシステムは、使用者が満足する結果を得るまでに必要とされる試験の数を制限するように、使用者を、試される混合物における色またはケアまたは保護または匂いの選択において指導してもよい。
【1308】
したがって、図41に示しているように、ディスペンサーによって分配された混合物が、ステップ1060において顔の所与の領域に塗布された後、コンピュータシステムは、結果に満足できるかどうかを使用者に問い合わせ、結果が満足できるものではないと見なされる場合、分配された混合物を修正するために、ディスペンサーパラメータの変更1061を独自に行う。
【1309】
使用者は次いで、修正された混合物で新たな試験を実施するだけでよい。
【1310】
混合物が満足できるものであることが示されると、コンピュータシステムは、後で混合物を再生成することが可能になるように対応するパラメータを記憶することができる。
【1311】
この場合、システムは、新たな塗布領域に関して上記のステップを新たに開始することができる。
【1312】
連続する試験の間、操作者は、顔全体を処置する必要はない。操作者は、たとえば、3つから8つまでの間の小さい領域、たとえば5つの小さい領域を選択してもよい。分配システムは、この場合、有利なことに、適切であると見なされる色またはケアまたは保護または匂いに関するデータを内挿および/または外挿して、処置が行われていない領域に適
すると見なされるべきである色を計算するように設計される。
【1313】
学習段階の終わりにおいて、システムは、試験または計算された、様々な領域上の適切な色またはケアまたは保護または匂いの表示を生成してもよい。
【1314】
分配システムは、特定の色またはケアまたは保護または匂いが正しくないように見えるかどうかを示すように設計されてもよく、このことを、メモリ内にある標準的なマップとの比較の強度に関して示す。したがって、分配システムは、使用者がこのマッピング訓練の全部または一部を繰り返すことを提案してもよい。
【1315】
コンピュータシステムがその学習を完了し、すなわち、混合物の色またはケアまたは保護または匂いが、特定の領域をメイクアップするうえで使用者に合う色として特定された後、メイクアップを施すまたはケアするまたは保護するまたは香水を付けることを望む使用者は、図43のステップ1080において、メイクアップされる領域を呼び出すだけでよく、システムは、ステップ1081において、使用者に混合物の適切な色またはケアまたは保護または匂いを自動的に提案することができる。
【1316】
図44に示した変形形態では、使用者は、ステップ1090において色またはケアまたは保護または匂いを選択し、コンピュータシステムは、ステップ1091において、実施された試験に基づいて以前に集められた情報に基づいて、この色またはケアまたは保護または匂いの混合物を塗布すべき領域を提案する。
【1317】
提案される領域は、たとえば、同一の色またはケアまたは保護または匂いあるいは非常に近い色またはケアまたは保護または匂いがすでに適用されており、結果が使用者によって許容可能と見なされている領域である。
【1318】
図46は、ステップ2010において様々なゾーンで試験を実行し、使用者が、自分が最良の結果を与えると考える1つまたは複数の混合物をシステムに知らせ、これによって、ステップ2012において、対応するパラメータをシステムに知らせることができる、本発明の実装形態の一例を示している。次に、ステップ2014では、システムは、同じ特性または非常に近い特性を有する市販の生成物の参照を使用者に提案してもよい。
【1319】
一変形形態では、システムは、使用者が試験し、満足できるものであることがわかった混合物と同じ処方または同じ特性を有する組成物を生成することができるように、遠隔の製造センターにパラメータを送信する。
【1320】
図45は、様々な混合物のいくつかの処方量2020a~2020dを支持体2021において互いに隣り合わせて分配することによって、これらを同じ領域の隣接する個別の領域に塗布するのを可能にするように、ディスペンサーを使用することが可能であることを示している。
【1321】
使用者は、迅速に適切な色またはケアまたは保護または匂いの的を絞るために、一連の色またはケアまたは保護または匂いを1回で適用することができる。支持体2021に存在す
る物質は、操作者自身によって選択されていてもよいし、または、分配システムによって提案されていてもよい。
【1322】
支持体2021は、たとえば、ディスペンサーのハウジングに対して移動でき、様々なゾーン2020a~2020dにおいて対応する混合物を堆積させるように連続して移動され、たとえば、図29または図29Aを参照して説明した支持体と同様である。したがって、使用者は、様々な領域同士の間で結果を容易に比較し、どの混合物が最良の効果を生成するかをシステムに通知することができる。
【1323】
図47は、使用者が自分の顔を処置し、特に正しい色またはケアまたは保護または匂いを選択するのを支援するシステムを示す。
【1324】
このシステムは、第1の場所2061におけるカメラ2060と第2の場所2062との間で、たとえばインターネットを介して、ビデオリンクを確立するのを可能にする。
【1325】
カメラ2060は、たとえば、コンピュータシステム100を構成するタブレットまたはスマ
ートフォンに組み込まれる。
【1326】
第2の場所2062は、第1の場所2061に存在するディスペンサー11を直接的に動作させるかあるいは間接的に動作させることができる。
【1327】
したがって、第1の場所に存在する使用者は、分配される混合物を塗布し、対応する画像を第2の場所2062に送信し、それに応じた結果に関する情報を受信することができる。
【1328】
第2の場所2062は表示画面2064を有してもよく、この表示画面2064は、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された混合物での結果を見るかまたはコメントを通じて結果を理解して、使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色、ケア、保護、または匂いを変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色、ケア、保護、または匂いを適合させる
ようにディスペンサー11を操作してもよい。したがって、2つの場所の間でのデータの交換についてのプロトコルは、コマンド命令をディスペンサー11に直接送るか、あるいは、第1の場所に存在するコンピュータシステム100を介して送るのを可能にする。したがっ
て、第2の場所に存在する使用者は、ディスペンサー11によって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分にメイクアップを施すか、または自分のケアもしくは保護を行うか、または自分に香水を付けてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的な処置が達成されるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【1329】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクであり、そのため、第1の場所に存在する使用者は、コンピュータシステムの画面において、アドバイザーの画像を見ることができる。このアドバイザーは、必要な場合、第1の場所に存在する使用者にチュートリアルを送信することができる。
【1330】
ディスペンサー11の設定パラメータを記憶することは、与えられた混合物が満足できると見なされた後、第2の場所から命令されてもよい。
【1331】
インターフェースは、処置すべき領域の順序、または、提案すべき生成物の順序が定義されたメイクアッププログラムまたはケアプログラムまたは保護プログラムまたは匂いプログラムを定義するために使用されてもよい。
【1332】
実施例
図3に示される種類の、かつ本発明の3つの第1の態様に関する上述のディスペンサー11を作製する。
本発明の第4の態様を説明するために、いくつかの材料を本体部および可動部に関して検討した。
MDPE(Dow社)
HDPE(Dow社)
ポリアセタール(POM社)
PET
ポリアセタールだけ別に機械によって作製し、その他は射出によって作製する。
【1333】
実施例1(本発明の第4の態様)
3つのベース生成物のセットを作製する(比率は質量による)。
F1:
アネトール 6%(アニシード香)
水 5%
無水エタノール 適量 100
F2:
フェニルエチルエタノール 6%(ローズ香)
水 5%
無水エタノール 適量 100
F3:
Jaguar HP 60 2%
水 適量 100%
【1334】
試験1
3つのベース生成物を3つのカートリッジに入れ、
F1はHDPEから製造されたカートリッジに入れ
F2はHDPEから製造されたカートリッジに入れ
F3はPETから製造されたカートリッジに入れた。
3つのカートリッジを3つのコンパートメントC1、C2およびC3に入れた。
次に、t=0で、以下の容積比率を有する第1の混合物M0を作製した。C1 30%、C2 30%、C3 40%。
次に、t=1jで、同じ比率を有する第2の混合物M1を作製した。
次に、t=30jで、同じ比率を有する第3の混合物M30を作製した。
最後に、同じ組成物および同じ比率を有する混合物Mを手動で作製した(精度を比較する)。
次に、混合物を専門家に提出した。
作製した混合物M0、M1およびM30は、それらが嗅覚的用語の点で混合物M(ローズおよび
アニシードの混合物)と同様であったために、十分であった。
POMで得られた結果は、t=1jで依然として許容可能であった。PSで得られた結果は、(M
と比較して)香水が実質的には全く匂うことができなかったために許容できなかった。
【1335】
試験2
カートリッジを交換することによって、組成物F1およびF3を逆にした。
したがって、3つの配合物を3つのカートリッジに入れ、
F1はPETから製造されたカートリッジに入れ
F2はHDPEから製造されたカートリッジに入れ
F3はHDPEから製造されたカートリッジに入れた。
3つのカートリッジを3つのコンパートメントC1、C2およびC3に入れた。
次に、前述のように、第1の混合物M0をt=0: C1 30%、C2 30%、C3 40%で作製した。
次に、t=1jで、同じ比率を有する第2の混合物M1を作製した。
次に、t=30jで、同じ比率を有する第3の混合物M30を作製した。
最後に、同じ組成物および同じ比率を有する混合物Mを手動で作製した(精度を比較する)。
次に、混合物を専門家に提出した。
作製した混合物M0は、それが嗅覚的用語の点で混合物M(ローズおよびアニシードの混合物)と同様であったために、十分であった。他のもの(M1およびM30)は、嗅覚的用語の点で混合物Mと異なっていたために、十分なものではなかった(結果はアニシードの特徴を含んでいなかった)。
【1336】
試験3
F1を、POMから製造されたカートリッジに導入した。
したがって、3つの配合物を3つのカートリッジに入れ、
F1はPOMから製造されたカートリッジに入れ
F2はHDPEから製造されたカートリッジに入れ
F3はPETから製造されたカートリッジに入れた。
3つのカートリッジを3つのコンパートメントC1、C2およびC3に入れた。
次に、前述のように、第1の混合物M0をt=0: C1 30%、C2 30%、C3 40%で作製した。
次に、t=1jで、同じ比率を有する第2の混合物M1を作製した。
次に、t=30jで、同じ比率を有する第3の混合物M30を作製した。
最後に、同じ組成物および同じ比率を有する混合物Mを手動で作製した(精度を比較する)。
次に、混合物を専門家に提出した。
作製した混合物M0およびM1は、それらが嗅覚的条件の点で混合物M(ローズおよびアニシードの混合物)と同様であったために、十分であった。残り(M30)は、嗅覚的用語の点で異なっていたために、十分なものではなかった(結果はアニシードの特徴を含んでいなかっ
た)。
【1337】
実施例2(本発明の第4の態様)
実施例1、試験1の構成を再現した。
香料専門家に、自身の理想的な混合物を選択するように依頼した。
そのため、各専門家は、C1、C2およびC3の含有量を変えて、香りおよび香水の強度を変化させたいくつかの混合物を試みた。専門家は組成物100mgを作製するたびに、それを自
身の好みに従って嗅覚的に評価することによって試験を行った。
専門家は、システムで保管した3つの混合物を選択した。
専門家は、これらの3つの混合物を、必要に応じて特定の時間で毎日使用することができた。そのため、専門家は供給する量を選択した。システムは十分に正確であり、作製された混合物の香りを重視しながら、ごく少ない用量(20mgまで)を放出することができた。
【1338】
実施例3(本発明の第4の態様)
3つの組成物のセットを作製した。
F1:
クルクミン 0.5%(オレンジ色)
ヒマワリ植物油 適量 100
F2:
Solvent red 27 0.5%(赤レンガ色)
ヒマワリ植物油 適量 100
F3:
ヒマワリ植物油
【1339】
試験1
3つの配合物を3つのカートリッジに入れ、
F1はMDPEから製造されたカートリッジに入れ
F2はMDPEから製造されたカートリッジに入れ
F3はMDPEから製造されたカートリッジに入れた。
3つのカートリッジを3つのコンパートメントC1、C2およびC3に入れた。
t=0で、専門家が第1の混合物M0: C1 20%、C2 0%、C3 80%を使用した。
次に、専門家が、100mgを指先で触れることによって、浅黒い皮膚の使用者の顔にこの混
合物を塗布した。
これに続いて、第2の混合物P0: C1 20%、C2 20%、C3 60%を供給し、頬に塗布することによって完了した。
これに続いて、第3の混合物Q0: C1 20%、C2 60%、C3 20%を供給し、まぶたに塗布することによって完了した。
使用者は、一旦システムおよび取扱説明書を持って専門家と別れて、同様の塗布を自宅で1カ月に1回再現した。一致する結果を得た。
【1340】
試験2
本試験は、別のカートリッジを使用して同じ操作を行うことからなる。
F1はMDPEから製造されたカートリッジに入れ
F2はPETから製造されたカートリッジに入れ
F3はMDPEから製造されたカートリッジに入れた。
試験は実施例3、試験1と同じであった。
1カ月後、結果は一致したが、2カ月後、結果は一致しなかった(3つの領域でオレンジ色)。
【1341】
実施例4(本発明の第4の態様)
実施例2、試験1の構成を再現した。
使用者に、使用者の唇をメイクアップするのに使用者にとって最適な色を見い出すよう
に依頼した。
そのために、被験者はC1、C2およびC3の含有量を変えて、色および色の強度を変化させたいくつかの混合物を試みた。組成物100mgを作製するたびに、手の甲の色彩評価によっ
て試験を行った。
被験者は、システムで保管した混合物を選択した。
被験者は、自身の混合物を毎日使用することができた。
【1342】
実施例5(本発明の第4の態様)
3つの組成物のセットを作製した。
F1:
クルクミン 2%(オレンジ色)
ミリスチン酸イソプロピル 適量 100%
F2:
エタノール 100%
F3:
ミリスチン酸イソプロピル 100%
3つの配合物を3つのカートリッジに入れ、
F1はHDPEから製造されたカートリッジに入れ
F2はHDPEから製造されたカートリッジに入れ
F3はHDPEから製造されたカートリッジに入れた。
3つのカートリッジを3つのコンパートメントC1、C2およびC3に入れた。
t=0で、専門家が第1の混合物M0: C1 10%、C2 0%、C3 90%を使用した。
次に、それを使用者の顔に塗布した。
翌日、専門家が、使用者が感じた快適さに関して使用者に質問した。
作製された混合物から、領域にわたって最高の快適さが得られることを見い出すまで、使用者はC3と引き換えにするなどしてC2の含有量を10ポイント上げた。
次に、使用者は、最良の色強度を見い出すまでC1の含有量を変えた。
使用者は、各領域に対して最も好適な混合物を見い出して終了した。
使用者は、システムを用いて開始し、領域ごとに自身の混合物を塗布することができた。
【1343】
E)マット感/ツヤ感のレベルに影響を与えることなくファンデーションのカバレッジの
レベルを調整するためのシステム
シミのある皮膚の場合、シミのある皮膚の領域は、顔の表面のわずかな割合を構成するにすぎない。皮膚のこれらの領域を処置する場合、通常、カバレッジの大きい(ただし、
コンシーリング効果の欠陥を伴う)生成物またはカバレッジの小さい(ただし、シミが隠れないという欠点を有する)生成物のいずれかを使用する。それぞれに異なるカバー効果を
有するいくつかの生成物を使用することが可能であるが、これらの生成物は概して、ツヤ/マット感のレベルが異なり、これらの生成物によって、メイクアップがはっきり見える
ようになる(さらにシミのある領域が目立つようになる)。
【1344】
違いがわからないように同一の顔に適用することができる、全範囲のカバーレベルを利用可能にするための解決策が必要である。
【1345】
これらの問題を解決するための解決策は非常に少ない。
【1346】
第1の手法は、数多くの生成物を購入し、それらすべてを試すことである。この手法は費用がかかり、一般に、試された少数の着色物質だけが保持される限り、しばしば無駄を生じさせる。
【1347】
第2の手法は、店舗において様々な生成物を試すことである。このことは、短時間でかつ普段の目印がない場所において結果に関する感想を得ることが非常に難しいので、常に適切であるとは限らない。具体的には、メイクアップの効果を店舗で完全に評価するためには、将来の使用条件で得られるのと同じ照明を有することが可能である必要があり、これは、ほぼ不可能なことである。概して、適切であるかどうかを判定できるようにするには、1日中ずっとメイクアップを試してみる以外にない。さらに、店舗によってはアドバ
イザーがいてメイクアップを試してみることが可能であるが、他の多くの店舗およびインターネット販売ではそうではない。
【1348】
別の手法が試験されているが、開発されていない。この手法は、いくつかの着色生成物を混ぜることによって自分の手で自分の生成物を生成することからなる。この手法は、何回にもわたって同じ混合物を正確に再生成することがあまり簡単ではなく、メイクアップを施すときに必要とする混合物を素早く生成することがうまくできないため、実施するのが比較的困難である場合がある。
【1349】
カスタマイズされた化粧組成物の製造の自動化に関して実施できた試験のうちの多くでは、提案された解決策によって、混合物を約100gまたは場合によってはそれよりも少ない量だけ生成することが可能になるが、メイクアップを施す使用者によって一般的に必要とされる非常に少ない割合、つまり、1グラムまたはそれよりもずっと少ない程度の量だけ
生成することはできない。
【1350】
この問題を例示するために、使用者が自分の顔における1cm2の程度の2つの欠点を隠すことを望むケースについて考える。第1の領域について、対応する混合物を見つけ、次に、混合物を非常に少ない量、たとえば約10mgだけ塗布する必要がある。第2の領域について、ディスペンサーの設定を変え、次に再び、非常に少ない量の混合物を塗布する必要がある。
【1351】
そのため、非常に多くの使用者にとって、最良の結果を生み出すことになる着色物質を選択することは、依然として困難である。
【1352】
そのため、消費者の期待を満たし、この消費者が、信頼できる条件の下で様々な量の混合物をより容易に生成するのを可能にするメイクアップ生成物を探求する必要がある。
【1353】
それぞれに異なるコンシーリング力を有するいくつかの生成物を同じ顔に塗布する必要もある。具体的には、顔には、より大きい範囲のシミまたはより小さい範囲のシミがあり、したがって、それぞれに異なるコンシーリング強度を必要とする領域がある場合がある。したがって、それぞれに異なるコンシーリング強度を有するコンシーリング処方物を生成するための手段を有することができると有利である。
【1354】
混合によってコンシーリング生成物を生成すると、重大な問題が生じる。このような生成物は微粒子状材料(顔料、真珠層)をベースとしているので、選択されたコンシーリングレベル(したがって、微粒子状材料の量)に応じて、皮膚に様々なマット感/ツヤ感態様を
もたらす混合物が得られる。
【1355】
したがって、同じマット感/ツヤ感レベルを保持しつつ可変色の生成物を供給するため
の分配システムを改良し、特に、システムをより使いやすくし、かつメイクアップの品質を向上させる必要がある。
【1356】
本発明の第5の態様によれば、本発明は、ベース生成物から混合物を生成するのを可能にする分配システムに基づく。これらのベース生成物はそれぞれに異なる色を有してもよ
く、そのため混合物の色は変化させることができる。ベース生成物は、場合によっては、混合物のカバレッジを変化させることを可能にする場合があり、それによって、混合物をヒトケラチン物質に塗布することによって生じる色が、前記物質の色にかなり近くなるように変化する。ベース生成物はまた、色およびカバレッジを変化させてもよい。したがって、色の概念は、広義に理解されるものであり、カバレッジレベルの変化および下にある皮膚の色の変化の結果として塗布の後に色が変化する混合物を包含する。
【1357】
本発明の態様のうちの第5の態様によれば、本発明の主題は、生成物を分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、顔料を含み、第2のベース生成物が、第1のベース生成物の顔料とは別個のフィラーを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステムである。
【1358】
この第5の態様によれば、本発明はまた、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有していてもよい。
- フィラーの体積による粒子サイズD50は、100nmから1mmの間、より良好には1ミクロ
ンから100ミクロンの間、さらにより良好には2ミクロンから50ミクロンの間である。
- 顔料の体積による粒子サイズD50は、100nmから25ミクロンの間、より良好には200nmから10ミクロンの間である。
- 顔料は、無機顔料、好ましくは疎水性修飾された無機顔料、特に酸化鉄または酸化
チタンのものから選択してもよい。
- 顔料は、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有して
いてもよい。
- フィラーは、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポ
リエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アク
リロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロスフィア、アクリル酸コポリマーミクロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィアおよびガラスまたはセラミックマイクロカプセル、中空球体の一部の形態である粒子、ならびにそれらの混合物から選択してもよく、好ましくはタルクまたはマイカである。
- フィラーは、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有
していてもよい。
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物は、逆エマルジョンを含んでいても
よい。
- 第1のベース生成物の顔料の質量含量は、5%以上、好ましくは10%超であってもよい。
- 第2のベース生成物のフィラーの質量含量は、0.5%以上、好ましくは1%超であって
もよい。
- システムは、第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを含んでいてもよい。
- カートリッジは、取り外し可能な様式でディスペンサー中に収容されていてもよく
、各生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから排出されてもよく、出口通路は、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される。
【1359】
本発明のこの第5の態様によれば、本発明の主題はまた、化粧生成物、メイクアップ生
成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布する方法であって、処置すべ
き領域に応じてディスペンサーを設定することと、ディスペンサーの設定に対応する割合でベース生成物をカートリッジから取り出すことによって生成物を分配することとを含む方法でもある。
【1360】
したがって、この第5の態様によれば、本発明はコンシーリング効果をもたらす材料として選択された(2つの)微粒子状材料を含有する少なくとも2つの異なるベース生成物を収容するコンパートメントを有する分配システムに基づく。これらの処方物は、一方の部分に濃縮された顔料を含み、他方の部分に濃縮されたフィラーを含む、逆エマルジョンを含有することが好ましい。したがって、混合物を生成することによって、ツヤおよびマット感が変化することはない。したがって、同じアピアランスを保持しつつカバレッジレベルを変化させることが可能である。このシステムは、顔の上の位置ごとに最良のカバー混合物(カバレッジが過度に大きくもなくあるいは過度に小さくもない)を供給するようにプログラムされてもよい。全体的なアピアランスによって、顔が様々なレベルのカバレッジによって処置されたことがわかることはない。このシステムはまた、必要に応じ、かつ時間に応じてカバレッジレベルを変化させ、たとえば、レベルを昼間にはより高くし、夜にはより低くするために使用されてもよい。
【1361】
分配システム
分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【1362】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたはいくつかのコンパートメントを加圧するように設計される。
【1363】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【1364】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【1365】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【1366】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【1367】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【1368】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【1369】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【1370】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【1371】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【1372】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【1373】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【1374】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【1375】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【1376】
したがって、本発明の一態様による本発明の1つの主題は、ハウジングを有するディスペンサーと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられた少なくとも1つのカートリッジとを備える分配システムであって、このカートリッジが、本体と、本体において移動することができるピストンとを備え、ハウジングが、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える分配システムである。
【1377】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【1378】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【1379】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによってディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【1380】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【1381】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【1382】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【1383】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【1384】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【1385】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【1386】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【1387】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【1388】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【1389】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディス
ペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【1390】
したがって、ディスペンサーは、色が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【1391】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【1392】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【1393】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【1394】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【1395】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【1396】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【1397】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面に
おける表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【1398】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【1399】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【1400】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【1401】
微粒子成分
微粒子成分は、典型的には、100nmから1mmの間、より良好には200nmから100ミクロンの間、さらにより良好には200nmから50ミクロンの間のサイズを有する粒子である。
【1402】
本発明の意味の範囲内において、粒子の「サイズ」は、粒子の50容積%がD50未満のサイズを有することになるように定義された粒子サイズに対応するD50容積平均サイズである
と理解される。
【1403】
容積平均サイズは、Malvern社のMaster Sizerレーザー粒子サイズアナライザーを使用
した光回折によって評価してもよく、評価する前記粒子は、液体媒体、たとえばネオペンタン酸オクチルドデシル中に分散されている。
【1404】
微粒子成分は、顔料およびフィラーである。
【1405】
顔料
「顔料」という用語は、白色または有色の、無機または有機粒子であって、水性媒体に不溶性であり、かつ得られた組成物および/またはフィルムを着色するおよび/または不透明にすることを目的とする粒子を意味すると理解される。これらの顔料は、白色であっても有色であってもよく、無機物および/または有機物であってもよい。
【1406】
1つの実施形態によれば、本発明による顔料粒子のサイズは、100nmから25μmの間、好ましくは200nmから10μmの間の範囲である。
【1407】
本発明による使用される顔料は、好ましくは無機顔料から選択され、好ましくは疎水性修飾された無機顔料から選択される。
【1408】
疎水性修飾された無機顔料は、より詳細には、酸化鉄および/または二酸化チタンの、
疎水性修飾された顔料である。
【1409】
本発明による組成物は、有利には、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物でコーティングされた少なくとも1つの顔料を含む。
【1410】
コーティングはまた、少なくとも1つの追加の非親油性化合物を含んでいてもよい。
【1411】
本発明の意味の範囲内において、本発明による顔料の「コーティング」は、概して、顔料の全体的または部分的表面処理を表す。この表面処理は、表面剤が前記顔料に吸収、吸着、またはグラフト化されることによる。
【1412】
表面処理された顔料は、当業者には周知である、化学的、電子的、機械化学的または機械的性質の表面処理技法に従って調製することができる。また、市販の生成物を使用してもよい。
【1413】
表面剤は、溶媒の蒸発、化学反応、および共有結合の形成によって、顔料に吸収、吸着、またはグラフト化してもよい。
【1414】
1つの変化形態によれば、表面処理は、顔料のコーティングより構成される。
【1415】
コーティングは、たとえば、メイクアップまたはケア組成物の他の成分に固体粒子を組み込む前に、任意に加熱しながら、これらの粒子および液体表面剤を撹拌することで単純に混合することにより、粒子の表面上に前記表面剤を吸着させることによって達成することができる。
【1416】
コーティングは、たとえば、表面剤と固体顔料粒子の表面とを化学反応させて、表面剤と粒子との間において共有結合を形成することによって達成してもよい。この方法は、特に、US 4,578,266の特許に記載されている。
【1417】
化学的表面処理は、揮発性溶媒で表面剤を希釈すること、この混合物に顔料を分散させること、およびその後、表面剤が顔料の表面に堆積するように揮発性溶媒をゆっくり蒸発させることからなっていてもよい。
【1418】
本発明の特定の実施形態によれば、顔料は、本発明に従って、シリコーン表面剤、フルオロ表面剤、フルオロシリコーン表面剤、金属石鹸、N-アシルアミノ酸またはその塩、レシチンおよびその誘導体、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、セバシン酸イソステアリル、天然の植物性または動物性ワックス、極性合成ワックス、脂肪エステル、リン脂質、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物でコーティング
され得る。
【1419】
1つの特定の実施形態によれば、顔料は、N-アシルアミノ酸またはその塩、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン;シリコーン表面剤;天然植物性または動物性ワックス;水
素化レシチン、脂肪エステル;およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化
合物でコーティングされていてもよい。
【1420】
より特に好ましい実施形態によれば、顔料は、N-アシルアミノ酸および/またはその塩
、具体的にはグルタミン酸誘導体および/またはその塩、特にステアロイルグルタメート
、たとえばステアロイルグルタミン酸アルミニウムでコーティングされていてもよい。
【1421】
もう1つのより特に好ましい実施形態によれば、たとえば、参照名NAI(登録商標)で三
好化成株式会社によって販売されている、ステアロイルグルタミン酸アルミニウムでコーティングされた二酸化チタンおよび酸化鉄から選択される疎水性被覆顔料が使用されることになる。
【1422】
フィラー
これらのフィラーは、任意の形態の無色または白色固体粒子であり、組成物の媒体中に不溶であり、かつその媒体中に分散されている形態である。
【1423】
これらのフィラーの例示としては、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末(テフロン(登録商標))、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロス
フィア、たとえばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマーミク
ロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ(たとえば、東芝製のTospearls(登録商標))
、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィア、およびガラスまたはセラミックマイクロカプセルが挙げられてもよい。また、特許出願JP-2003128788およびJP-2000191789に記載されているような、中空球体の一部の形態である粒子も使用することができる。
【1424】
フィラーは、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有していてもよい。
【1425】
コーティングは、たとえば、メイクアップまたはケア組成物の他の成分に固体粒子を組み込む前に、任意に加熱しながら、これらの粒子および液体表面剤を撹拌することで単純に混合することにより、粒子の表面上に前記表面剤を吸着させることによって達成することができる。
【1426】
コーティングは、たとえば、表面剤と固体フィラー粒子の表面とを化学反応させて、表面剤と粒子との間において共有結合を形成することによって達成してもよい。
【1427】
化学的表面処理は、揮発性溶媒で表面剤を希釈すること、この混合物に顔料を分散させること、およびその後、表面剤がフィラーの表面に堆積するように揮発性溶媒をゆっくり蒸発させることからなっていてもよい。
【1428】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、フィラーは、本発明に従って、シリコーン表面剤、フルオロ表面剤、フルオロシリコーン表面剤、金属石鹸、N-アシルアミノ酸またはその塩、レシチンおよびその誘導体、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、セバシン酸イソステアリル、天然の植物性または動物性ワックス、極性合成ワックス、脂肪エステル、リン脂質、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物でコーティングされていてもよい。
【1429】
1つの特定の実施形態によれば、フィラーは、N-アシルアミノ酸またはその塩、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン;シリコーン表面剤;天然植物性または動物性ワックス;水素化レシチン、脂肪エステル;およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物でコーティングされていてもよい。
【1430】
より特に好ましい実施形態によれば、フィラーは、N-アシルアミノ酸および/またはそ
の塩、具体的にはグルタミン酸誘導体および/またはその塩、特にステアロイルグルタメ
ート、たとえばステアロイルグルタミン酸アルミニウムでコーティングされていてもよい。
【1431】
もう1つのより特に好ましい実施形態によれば、たとえば、参照名NAI(登録商標)で三
好化成株式会社によって販売されている、ステアロイルグルタミン酸アルミニウムでコーティングされたタルクおよびマイカから選択される疎水性コーティングフィラーが使用されることになる。
【1432】
逆エマルジョン/無水組成物
本発明によれば、組成物が逆エマルジョンの形態であると考えられるときに、当該組成物に応じて代わりに他の形態になることもできることは理解されるであろう。
【1433】
ベース生成物は、エマルジョン、たとえば、O/W、W/O、O/W/OもしくはW/O/Wエマルジョン、好ましくはW/O逆エマルジョンの形態、または特に炭化水素系油および/もしくはシリコーン油などの炭素系化合物および/もしくはシリコーン化合物を含む無水組成物の形態
であってもよい。
【1434】
本発明によるエマルジョンは、好ましくは油中水(W/O)エマルジョンであり、逆エマル
ジョンとしても知られており、すなわち水性相が液滴の形態で分散されている油性連続相より構成され、その結果、肉眼で巨視的に均質な混合物が観察される。
【1435】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域のみを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【1436】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【1437】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、色と、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、高いカバー力を有し、顔全体に塗布するにはカバー力が高すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスのメイクアップを得ることが可能である。
【1438】
したがって、システムは、局所的な塗布を実行するのを可能にし、具体的には同じレベルのマット感/ツヤ感を得るのを可能にする。
【1439】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にし得る。
【1440】
分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【1441】
分配システムはまた、単一のレベルのマット感/ツヤ感によって1つまたは複数のシミ
を隠すのに使用されてもよい。
【1442】
特に有利な変形形態では、システムは、コンシーリング力のより低い処方物を顔のベースに塗布し、次に、コンシーリング力のより高い処方物を顔の正確な領域に1回または2回塗布するのに使用されてもよい。まず顔の正確な領域にコンシーリング処方物を塗布し、次によりコンシーリング効果の低い処方物を顔のベースに塗布することも可能である。
【1443】
第2のケースでは、第2の層が第1の層を剥がさないように、第2の層を塗布する前に時間をおき、正確な領域への塗布によって生成された膜が十分に凝集するのを待つ。
【1444】
代替的には、第2の層はすり込まれずに塗布される(たとえば、スプレーまたはスポン
ジ)。
【1445】
使用者が顔のある領域に塗布するための色を探すときに、各々の領域に最も合う色を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、この色と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【1446】
分配システムは、塗布ごとに色を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の唇をメイクアップしてもよい。この手法は、まぶたまたはまつ毛にも適しており、また、使用者はファンデーションの色を変えたくなることもあるので、顔のメイクアップにも適している。たとえば、使用者は、平日には薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いタンカラーのファンデーションの色を用いるか、あるいは、目のメイクアップとして日ごとに色を変えてもよい。カバレッジの変化についても同様である。
【1447】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色を変化させることができるように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で(大ざっぱに言えば)色を選択する際に指導する。
【1448】
支援システムはまた、同じ顔において色のバランスをとり、全体的なメイクアップの見栄えを良くすることに寄与するように設けられてもよい。
【1449】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【1450】
段階的なメイクアップのための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の色C1と、処置される別の領域の色C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先に色C1が必要であることと、頬に色C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの色の間で色を段階的に変化させるために、混合物を供給している間に混合物の処方を変更してもよい。こ
のことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終結果を現実的なものにし、または、美しく見せるために色を段階的に変化させることを確実に可能にする。分配システムはまた、使用者が、開始色および/または終了色を前もって設定する
ことなく、分配される混合物の色における変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生成する必要がある色C1およびC2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【1451】
これらの様々な効果は、一定のマット感/ツヤ感効果とともにもたらすことができる。
【1452】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【1453】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【1454】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【1455】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【1456】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【1457】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【1458】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【1459】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【1460】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【1461】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【1462】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【1463】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【1464】
各生成物は、それぞれに異なるカバレッジを有し、同等のマット感/ツヤ感効果を有す
る。
【1465】
カラーパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を有してもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【1466】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【1467】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【1468】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【1469】
パレット内の生成物は、それぞれに異なるカバレッジを有し、同時に同等のマット感/
ツヤ感効果を有してもよい。
【1470】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【1471】
本発明のさらなる主題は、少なくとも1つのメイクアップ生成物を分配するためのシステムであって、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有し、カップが、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定されるシステムである。
【1472】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【1473】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペン
サーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【1474】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【1475】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【1476】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【1477】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【1478】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【1479】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【1480】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【1481】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【1482】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、着色物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域をメイクアップす
ることを目的としたいくつかの異なる色混合物の調製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【1483】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【1484】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【1485】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジング
は、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【1486】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【1487】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【1488】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップのサイズおよび形状は、混合物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【1489】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【1490】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【1491】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【1492】
各生成物は、それぞれに異なるカバレッジを有し、同等のマット感/ツヤ感効果を有す
る。
【1493】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【1494】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【1495】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【1496】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【1497】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有する分配システムであって、このインターフェースが、好ましくは、混合物を取り出すことができるキャビティ内に混合物を供給する静的ブレンダーを有する分配システムである。
【1498】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【1499】
本発明のこの態様によれば、いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【1500】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【1501】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【1502】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【1503】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【1504】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【1505】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【1506】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【1507】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの
主題は、メイクアップ生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、ベース生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、この出口通路が、ディスペンサーの外側に開放し、または、ディスペンサーの外面の近くで開放するシステムである。
【1508】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【1509】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【1510】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【1511】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【1512】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【1513】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【1514】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【1515】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【1516】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛などの様々な領域をメイクアップすることができる必要がある。
【1517】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップ生成物のディスペンサーと、各
出口インターフェースが、ディスペンサーに取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを備える組立体を備える分配システムであり、ディスペンサーによって供給される1つまたは複数の生成物を受け入れることができるこれらの出口インターフェースは、好ましくは、以下の中から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【1518】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【1519】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【1520】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【1521】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【1522】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【1523】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【1524】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色を領域でインデックス付けし、記録するプ
ロセスを意味すると理解されるべきである。
【1525】
使用者が、すべての領域についていくつかのレベルのカバレッジと単一のレベルのマット感/ツヤ感とを必要とする場合がある。
【1526】
いくつかのレベルのカバレッジを必要とするとともに、顔のある部分にはあるレベルのマット感/ツヤ感を必要とし、別の領域には別のレベルのマット感/ツヤ感を必要とする場合もある。たとえば、使用者は、額にいくつかのシミがあり、頬にいくつかのシミがある。したがって、使用者は、額についてはいくつかのレベルのカバレッジを設け、この表面については1つのレベルのマット感/ツヤ感を付与することを望む場合がある。使用者は
、頬についてはいくつかのレベルのカバレッジを設け、この表面については1つのレベルのマット感/ツヤ感を付与することを望む場合がある。
【1527】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【1528】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。
【1529】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【1530】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な色を示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【1531】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ色の使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【1532】
操作者は、マップを作成する場合、色を適用し、次いで評価する。
【1533】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【1534】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その色が適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適した顔の領域に混合物が関連付けられる。
【1535】
本発明の主題は、可変色の混合物を分配するためのディスペンサーと、色を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システム用の学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された色の少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスでもある。
【1536】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【1537】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【1538】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【1539】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【1540】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【1541】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【1542】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【1543】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【1544】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【1545】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【1546】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【1547】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【1548】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【1549】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の色を提案してもよい。
【1550】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、色と、この色の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【1551】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【1552】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの色を提案するように設計されてもよい。
【1553】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された色に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されてもよい。
【1554】
ディスペンサーは、ステップb)において、色が異なる少なくとも2つの混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【1555】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【1556】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いるメイクアップの方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンをメイクアップするための提案された色を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【1557】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【1558】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの色およ
び/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された色の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させ
ることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物の色
と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすること
とを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【1559】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【1560】
使用者は、使用者が望むマット感/ツヤ感のレベルを顔の各領域についてマップに組み
込むか、あるいは領域ごとまたは領域のセットごとにマップに組み込んでもよい。その場合、システムは、望ましい色およびカバレッジならびに必要なマット感/ツヤ感を確保す
るために生成する必要がある混合物を解釈する。
【1561】
マップはその後修正されてもよい。したがって、最初に色/カバレッジに関してマップ
を作成し、その後マット感/ツヤ感のレベルを定義することによってマップを修正するこ
とが可能である。
【1562】
遠隔支援
使用者がメイクアップを施す際に使用者を支援し、特に使用者が正しいカラーリングを選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【1563】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップを施す方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の色を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む方法である。
【1564】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色を変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色を適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【1565】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【1566】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【1567】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【1568】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【1569】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【1570】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさせてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【1571】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の色の選択の制御をより容易にする必要がある。
【1572】
本発明のさらなる主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを有する分配システムであって、このコンピュータシステムが、混合物の色を表示することができるタッチスクリーンと、分配される混合物の色を変化させるために画面上で移動可能な選択手段とを有する分配システムである。
【1573】
好ましくは、画面はエンドポイントの色を表示し、これらのエンドポイントの色同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の色を選択することができる。
【1574】
画面は、少なくとも2つの色の間の色のスケール、または、特に三角形の輪郭の領域を表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の色を局所的に示してもよい。
【1575】
コンピュータシステムは、所望の色の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【1576】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【1577】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【1578】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【1579】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【1580】
本発明の態様のうちの別の態様は、スプレーシステム、好ましくはエアブラシを備える分配システムをまたさらに改良するものであり、本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様、特に前述の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する組立体である。
【1581】
ディスペンサーは、色が異なるメイクアップ生成物を収容する3つのカートリッジを有してもよい。
【1582】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【1583】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【1584】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【1585】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【1586】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に色を調節できるようにするために、カメラ、および/また
は、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【1587】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【1588】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【1589】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物の色を変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【1590】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【1591】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【1592】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【1593】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【1594】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【1595】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【1596】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【1597】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【1598】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【1599】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【1600】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【1601】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【1602】
本発明は、各図に示す例を利用してこの第5の態様に従って実施されてもよく、各図については上記で説明してあり、その説明はここでは繰り返さない。
【1603】
実施例(本発明の第5の態様)
微粒子成分を有するいくつかのベース生成物を作製する。
【1604】
ベース生成物F1およびF2は、顔料が豊富である(かつ色が異なる)。ベース生成物F3は、フィラーが豊富である。
【1605】
【表6A】
【1606】
【表6B】
【1607】
【表6C】
【1608】
手順
相Aの構成成分を主ビーカーに秤量し、Moritzブレンダー(1000rpm)を用いて室温を維持しながら撹拌する。相Bを、顔料およびシクロペンタシロキサンの混合物を3本ロールミルで3回粉砕することによって、個別に調製する。次いで、この相Bを、撹拌を続けながらフィラー(相C)と一緒に添加する。
【1609】
水性相Dをまた、ブチレングリコール、硫酸マグネシウム、水素化マルトース溶液、お
よび水をビーカーに秤量することによって、室温で個別に調製する。水性相Dを、均質化
されるまで磁気撹拌子を用いて撹拌する。エマルジョンを、室温で作製する:撹拌速度(Moritzブレンダー)を4000rpmまで徐々に増加させながら、水性相Dを脂肪相中に注ぎ入れる
。撹拌を7分間続ける。最後に、相E(エチルアルコール)を、5分の乳化のうちの最後の3分間で添加する。
【1610】
試験
分配システムを使用し、いくつかの混合物を作製する(混合物内の比率は容積である):
M1: A 50%、B 20%、C 30%
M2: A 50%、B 0%、C 50%
M3: A 50%、B 40%、C 10%
混合物M1、M2、M3を、顔の異なる領域に塗布する。同等のレベルのマット感を有するが、異なるカバレッジおよび異なる色(おおむねピンク色)が得られた。
【1611】
F)ファンデーションのマット感およびツヤ感レベルを修正せずにファンデーションの光保護レベルをカスタマイズするための分配システム
女性は、自分自身をメイクアップし日光から保護することができる必要がある。UVレベルは日ごとに変化することがあり、したがって、光保護のニーズも変化する場合があるので、全範囲の光保護レベルを利用可能にし、同時にある範囲の色およびカバレッジを利用可能にすることができる必要がある。
【1612】
シミのある皮膚の場合、たいていの場合、シミのある皮膚の領域は、顔の表面のわずかな割合を構成するにすぎない。このような領域は、太陽放射の下で変化し、特により多くのシミを生じさせる場合があることがわかっているので、特に高度の保護を必要とする。
【1613】
傷などの他の領域も高レベルの保護を必要とする。
【1614】
対照的に、皮膚のベースに必要な保護はより程度が低く、日焼けが見た目を良くするために行われることを理解されたい。したがって、スクリーニング剤をほとんど含有しないかまたは全く含有しないメイクアップ生成物を提供できる必要がある。
【1615】
違いがわからないように同一の顔に適用することができる、全範囲の光保護レベルを利用可能にするための解決策が必要である。
【1616】
これらの問題を解決するための解決策は非常に少ない。
【1617】
第1の手法は、スクリーニング剤を含む数多くのメイクアップ生成物を購入し、それらすべてを試すことである。この手法は費用がかかり、一般に、試された少数の生成物だけが保持される限り、しばしば無駄を生じさせる。
【1618】
第2の手法は、店舗において様々な生成物を試すことである。このことは、短時間でかつ普段の目印がない場所において結果に関する感想を得ることが非常に難しいので、常に適切であるとは限らない。具体的には、メイクアップの効果を店舗で完全に評価するためには、将来の使用条件で得られるのと同じ照明を有することが可能である必要があり、これは、ほぼ不可能なことである。概して、適切であるかどうかを判定できるようにするには、1日中ずっとメイクアップを試してみる以外にない。さらに、店舗によってはアドバ
イザーがいてメイクアップを試してみることが可能であるが、他の多くの店舗およびインターネット販売ではそうではない。
【1619】
別の手法が試験されているが、開発されていない。この手法は、いくつかの着色生成物を混ぜることによって自分の手で自分の生成物を生成することからなる。この手法は、何回にもわたって同じ混合物を正確に再生成することがあまり簡単ではなく、メイクアップを施すときに必要とする混合物を素早く生成することがうまくできないため、実施するのが比較的困難である場合がある。
【1620】
可変色の化粧組成物を分配するためのディスペンサーも知られている。
【1621】
カスタマイズされた化粧組成物の製造の自動化に関して実施できた試験のうちの多くでは、提案された解決策によって、混合物を約100gまたは場合によってはそれよりも少ない量だけ生成することが可能になるが、メイクアップを施す使用者によって一般的に必要とされる非常に少ない割合、つまり、1グラムまたはそれよりもずっと少ない程度の量だけ
生成することはできない。
【1622】
この問題を例示するために、使用者が自分の顔における1cm2の程度の2つの欠点を隠すことを望むケースについて考える。第1の領域について、対応する混合物を見つけ、次に、混合物を非常に少ない量、たとえば約10mgだけ塗布する必要がある。第2の領域について、ディスペンサーの設定を変え、次に再び、非常に少ない量の混合物を塗布する必要がある。
【1623】
そのため、非常に多くの使用者にとって、最良の結果を生み出すことになる着色物質を選択することは、依然として困難である。
【1624】
そのため、消費者の期待を満たし、この消費者が、信頼できる条件の下で様々な量の混合物をより容易に生成するのを可能にするスクリーニングメイクアップ生成物を探求する必要がある。
【1625】
したがって、いくつかの態様によれば、本発明は、顔に光保護のメイクアップを施し、特に、顔の様々な領域に最も適した生成物を見つけるのをより容易にすることを追求する。
【1626】
また、可変色の生成物を供給するための分配システムを改良し、特に、システムをより使いやすくし、かつメイクアップの品質を向上させる必要がある。
【1627】
それぞれに異なる光保護力を有するいくつかの生成物を同じ顔に塗布する必要もある。具体的には、使用者の顔には、より大きい範囲のシミまたはより小さい範囲のシミがあり、したがって、それぞれに異なる光保護強度を必要とする領域がある場合がある。したがって、それぞれに異なる光保護強度を有する光保護処方物を生成するための手段を有することができると有利である。
【1628】
混合によってコンシーリング生成物および光保護生成物を生成すると、重大な問題が生じる。これらの生成物は油性材料(有機スクリーニング剤)をベースとしているので、選択された光保護レベル(したがって、油性材料の量)に応じて、皮膚に様々なマット感/ツヤ
感態様をもたらす混合物が得られる。
【1629】
したがって、同じマット感/ツヤ感レベルを保持しつつ可変光保護の生成物を供給する
ための分配システムを改良し、特に、システムをより使いやすくし、かつメイクアップおよび光保護の品質を向上させる必要がある。
【1630】
したがって、本発明の態様のうちの第6の態様による本発明の1つの主題は、生成物を分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、特に逆エマルジョンの形態の有機サンスクリーン剤とオイルとを含み、第2のベース生成物がオイルを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にし、第1のベース生成物中のサンスクリーン剤の濃度が、第2のベース生成物のサンスクリーン剤の濃度よりも高く、第2のベース生
成物中のオイルの濃度が、第1のベース生成物のオイルの濃度よりも高いシステムである。
【1631】
この第6の態様によれば、本発明は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してもよい。
- 第1のベース生成物中の有機サンスクリーン剤の質量含量は、第1のベース生成
物の質量の2%以上、より良好には第1のベース生成物の質量の4%以上であり、たとえば4%から30%の間であり、
- 第2のベース生成物中のオイルの質量含量は、第2のベース生成物の質量の10%以上、好ましくは第2のベース生成物の質量の15%以上、好ましくは20%以上であり、たとえば、20%から60%の間であり、第2のベース生成物は、有機サンスクリーン剤を含有せず、
- 第2のベース生成物は、有機サンスクリーン剤を含み、
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物の少なくとも一方は着色剤を含有
し、
- 着色剤は、顔料、特に酸化鉄から選択され、
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物の各々が着色剤を含み、
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物の少なくとも一方は無色フィラー
を含有し、
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物の各々が無色フィラーを含み、
- 分配システムは、第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備え、
- カートリッジは、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられ、
- 各生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路
は、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される。
【1632】
この第6の態様による本発明のさらなる主題は、上記で説明したシステムを調整するためのプロセスであって、生成物および/またはUV放射の強度によって処置すべき領域に応
じてディスペンサーを調整することを含むプロセスである。
【1633】
本発明の第6の態様によれば、本発明は、ベース生成物から混合物を生成するのを可能にする分配システムに基づく。これらのベース生成物はそれぞれに異なる色を有してもよく、そのため混合物の色は変化させることができる。ベース生成物は、混合物の光保護レベルを変化させるのを可能にする。ベース生成物はまた、色およびカバレッジを変化させてもよい。したがって、色の概念は、広義に理解されるものであり、カバレッジレベルの変化および下にある皮膚の色の変化の結果として塗布の後に色が変化する混合物を包含する。
【1634】
この第6の態様によれば、本発明は、スクリーニング効果をもたらす材料として選択された有機スクリーニング材料を含有する少なくとも2つの異なるベース処方物を収容するコンパートメントを有する分配システムに基づく。これらの処方物は、一方の部分に濃縮された有機スクリーニング剤を含み、他方の部分に濃縮されたオイルを含む、逆エマルジョンを含有することが好ましい。したがって、混合物を生成することによって、ツヤおよびマット感が変化することはない。したがって、同じアピアランスを保持しつつスクリーニングレベルを変化させることが可能である。
【1635】
この分配システムは、顔の上の位置ごとに最良のスクリーニング混合物(スクリーニン
グ効果が過度に高くもなくあるいは過度に低くもない)を供給するようにプログラムされ
てもよい。全体的なアピアランスによって、顔が様々なレベルのスクリーニングによって処置されたことがわかることはない。このシステムはまた、必要に応じ、かつ時間に応じ
てスクリーニングレベルを変化させるために使用されてもよい(たとえば、スクリーニン
グを昼食時にはより強くし、午後にはより弱くする)。
【1636】
分配システム
分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【1637】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【1638】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【1639】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【1640】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【1641】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【1642】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【1643】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【1644】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【1645】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合
がある。
【1646】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【1647】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【1648】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【1649】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mg
から500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【1650】
したがって、本発明の一態様による本発明の1つの主題は、ハウジングを有するディスペンサーと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられた少なくとも1つのカートリッジとを備える分配システムであって、このカートリッジが、本体と、本体において移動することができるピストンとを備え、ハウジングが、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える分配システムである。
【1651】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【1652】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【1653】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによってディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【1654】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【1655】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【1656】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【1657】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【1658】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【1659】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【1660】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【1661】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【1662】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【1663】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【1664】
したがって、ディスペンサーは、色が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【1665】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【1666】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物は
また、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【1667】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【1668】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【1669】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【1670】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【1671】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【1672】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【1673】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【1674】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分
配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【1675】
遮蔽成分
遮蔽成分は、液体親油性有機UV遮蔽剤から選択される。「液体親油性有機UV遮蔽剤」という用語は、少なくとも280から400nmの間の波長範囲のUV放射を吸収することができる任意の有機化学分子であって、前記分子が室温(20~25℃)でかつ大気圧(760mmHg)で液体形
態であり、かつ油性相中に混和することができる分子を意味すると理解される。
【1676】
本発明に従って使用可能である液体有機UV遮蔽剤は、
- 液体親油性β,β-ジフェニルアクリレート化合物
- 液体親油性サリチレート化合物
- 液体親油性シンナメート化合物
- およびそれらの混合物
から選択してもよい。
【1677】
i)β,β-ジフェニルアクリレート化合物
本発明に従って使用可能である液体親油性有機UVB遮蔽剤のうち、液体親油性アルキル
β,β-ジフェニルアクリレートまたは以下の式(I)のα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリ
レート化合物が挙げられてもよい。
【1678】
【化1】
【1679】
式中、R1~R3は、以下の意味を有することができる。
- R1およびR'1は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、直鎖状もしくは分岐鎖状のC1~C8アルコキシ基または直鎖状もしくは分岐鎖状のC1~C4アルキル基を表し;
- R1およびR'1は、メタ位またはパラ位にあり;
- R2は、直鎖状または分岐鎖状のC1~C12アルキル基を表し;
- R3は、水素原子またはCN基を表す。
【1680】
直鎖状または分岐鎖状のC1~C8アルコキシ基のうち、たとえば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、n-アミル
オキシ、イソアミルオキシ、ネオペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、n-オクチルオキシおよび2-エチルヘキシルオキシ基が挙げられてもよい。
【1681】
直鎖状または分岐鎖状のC1~C4アルキル基のうち、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチル基がより詳細には挙げられてもよい
。C1~C12アルキル基に関しては、例として、上に挙げたものに加えて、n-アミル、イソ
アミル、ネオペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、デシルおよびラウリル基が挙げられてもよい。
【1682】
一般式(I)の化合物のうち、以下の化合物がより特に好ましい。
- 特にBASF社によって商標名Uvinul N539(登録商標)で販売されている2-エチルヘキシルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレートまたはオクトクリレン
- エチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、たとえば特にBASF社によりUvinul N35(登録商標)の商品名で販売されているエトクリレン;
- 2-エチルヘキシルβ,β-ジフェニルアクリレート;
- エチルβ,β-ジ(4'-メトキシフェニル)アクリレート。
【1683】
一般式(I)の化合物のうち、化合物2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートまたはオクトクリレンがさらにより特に好ましい。
【1684】
ii)サリチレート化合物
本発明に従って使用可能である液体親油性サリチレート化合物のうち、以下を挙げることができる。
- ホモサレート、Rona/EM Industries社によりEusolex HMS(登録商標)の名称で販売されているもの、
- Symrise社からNeo Heliopan OS(登録商標)の名称で販売されているサリチル酸エチ
ルヘキシル。
【1685】
iii)シンナメート化合物
本発明に従って使用可能である液体親油性シンナメート化合物のうち、以下を挙げることができる。
- 特にDSM Nutritional Products社によりParsol MCX(登録商標)の商品名で販売され
ているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
- メトキシケイ皮酸イソプロピル、
- Symrise社によって商品名Neo Heliopan E1000で販売されているメトキシケイ皮酸イソアミル。
【1686】
本発明による液体親油性遮蔽剤のうち、より詳細には、化合物メトキシケイ皮酸エチルヘキシルが使用されることになる。
【1687】
不揮発性フルオロおよび/またはシリコーン油のうち、以下が挙げられてもよい。
- EP-A-847752に記載されているような、任意選択で部分的に炭化水素系および/また
はシリコーンのフッ素油、たとえば、フルオロシリコーン油、フルオロポリエーテルおよびフルオロシリコーン;
- 不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS);フェニル化シリコーン、たとえばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートなどのシリコーン油。
【1688】
本発明の1つの特定の様式によれば、油性相は、上記で定義されたような少なくとも1つのシリコーン油および上記で定義されたような少なくとも1つの液体親油性有機UV遮蔽剤を含む。
【1689】
本発明の1つの特定の様式によれば、油性相は、少なくともメトキシケイ皮酸エチルヘキシルを含む。
【1690】

「油」という用語は、室温および大気圧で少なくとも数時間皮膚上に残存し、かつ特に0.13Pa(0.01mmHg)未満の蒸気圧を有する油を意味すると理解される。
【1691】
これらの不揮発性油は、炭化水素系油、特に動物もしくは植物由来の炭化水素系油、シリコーン油、またはそれらの混合物であってよい。「炭化水素系油」は、主に水素原子および炭素原子、および場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子
を含有する油であると理解される。
【1692】
特に挙げることができる不揮発性炭化水素系油としては、以下がある。
- 動物由来の炭化水素系油、
- 植物由来の炭化水素系油、たとえば、グリセロールの脂肪酸エステルで構成された
トリグリセリド、その脂肪酸は、鎖長がC4~C24まで様々であってもよく、これらの鎖は
、場合により直鎖状または分岐状であり、飽和または不飽和であり;これらの油は、特に
ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、あるいはコムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、アブラナ種子油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、ブラックカラント油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイナッツ油、パッションフラワー油およびジャコウバラ油;シアバター;あるいはその他にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである、
- 10~40個の炭素原子を含む合成エーテル、
- 鉱物または合成物質由来の直鎖状または分岐状炭化水素、たとえば、ワセリン、ポ
リデセン、水添ポリイソブテン、スクワランおよび流動パラフィン、ならびにそれらの混合物、
- 合成エステル、たとえば式R1COOR2の油(式中、R1は、1から40個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の脂肪酸残基を表し、R2は、1から40個の炭素原子を含む特に分岐状の
炭化水素系鎖を表し、ただし、R1+R2≧10であることを条件とする)、例としてピュアセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12~C15安息香酸アルキル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸またはリシノール酸アルキルまたはポリアルキル、たとえばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、たとえば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルお
よび乳酸2-オクチルドデシル;ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル

- 12~26個の炭素原子を含む分岐および/または不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体である脂肪族アルコール、たとえば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノール、
- 高級脂肪酸、たとえばオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸、およびそれらの
混合物。
【1693】
本発明による組成物に使用することができる不揮発性シリコーン油は、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、アルキル基またはアルコキシ基を含み、これらの基がペンダント状である、かつ/またはシリコーン鎖の末端にあり、これらの基それぞれが2~24個の炭素原子を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、たとえば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、およびそれらの混合物であってもよい。
【1694】
好ましくは、油性相は、少なくとも1つのシリコーン油を含み、さらにより好ましくは
以下から選択される。
- 室温で8cSt未満の粘度を有し、かつ特に4~7個のケイ素原子を含む揮発性の環状シ
リコーン油、これらのシリコーンは、1~10個の炭素原子を含むアルキル基またはアルコ
キシ基を任意選択で含み、特にヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(シクロヘキサシロキサン)、ならびにそれらの混合物から選択される;
- 揮発性または不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)(INCI名:ジメチコン)
- フェニル化シリコーン;
- 脂肪族基、特にアルキル基またはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンであ
って、これらの基がペンダント状であるかつ/またはシリコーン鎖の末端にあり;これらの基それぞれが6~24個の炭素原子を含む、ポリジメチルシロキサン、より詳細には、Dow Corning社製の市販の生成物Dow Corning FZ-3196(登録商標)などのカプリリルメチコン;
- それらの混合物。
【1695】
逆エマルジョン/無水組成物
本発明によれば、組成物が逆エマルジョンの形態であると考えられるときに、当該組成物に応じて代わりに他の形態になることもできることは理解されるであろう。
【1696】
ベース生成物は、エマルジョン、たとえば、O/W、W/O、O/W/OもしくはW/O/Wエマルジョン、好ましくはW/O逆エマルジョンの形態、または特に炭化水素系油および/もしくはシリコーン油などの炭素系化合物および/もしくはシリコーン化合物を含む無水組成物の形態
であってもよい。
【1697】
本発明の第6の態様によるエマルジョンは、好ましくは油中水(W/O)エマルジョンであ
り、逆エマルジョンとしても知られており、すなわち水性相が液滴の形態で分散されている油性連続相より構成され、その結果、肉眼で巨視的に均質な混合物が観察される。
【1698】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域のみを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、より強いスクリーニング作用またはより弱いスクリーニング作用を有する少量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【1699】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【1700】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、必要なスクリーニングと、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、強いスクリーニング作用を有し、顔全体に塗布するにはスクリーニングが強すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスを示すが、特に有効なレベルのスクリーニングが施されたメイクアップ結果を得ることが可能である。
【1701】
したがって、システムは、様々なスクリーニング機能の局所的な塗布を実行するのを可能にし、特に同じレベルのマット感/ツヤ感を得るのを可能にする。
【1702】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にする。
【1703】
分配システムは、顔全体についてUVを遮断する必要なしに、保護したい領域を処置するのに適している。
【1704】
分配システムはまた、単一のレベルのマット感/ツヤ感によって1つまたは複数のシミ
を隠しおよび/または保護するのに使用されてもよい。
【1705】
特に有利な変形形態では、システムは、スクリーニング作用のほとんどない処方物を顔のベースに塗布し、次に、スクリーニング作用のより強い処方物を顔の正確な領域に1回
または2回塗布するのに使用されてもよい。まず顔の正確な領域にスクリーニング処方物
を塗布し、次にスクリーニング作用のほとんどない処方物を顔のベースに塗布することも可能である。
【1706】
第2のケースでは、第2の層が第1の層を剥がさないように、第2の層を塗布する前に時間をおき、正確な領域への塗布によって生成された膜が十分に凝集するのを待つ。
【1707】
代替的には、第2の層はすり込まれずに塗布される(たとえば、スプレーまたはスポン
ジ)。
【1708】
使用者が顔のある領域に適用するためのスクリーニング作用を探すときに、各々の領域に最も合うスクリーニング作用を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、このスクリーニング作用と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【1709】
分配システムはまた、塗布ごとにスクリーニング作用を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。たとえば、使用者は、平日には、弱いスクリーニング作用を有する薄い色のファンデーションを塗布し、週末には、より濃いタンカラーと強いスクリーニング作用とを有するファンデーションを塗布する。
【1710】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色および/またはスクリーニング作用を変化させることができるよ
うに設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で色およびスクリーニング作用を選択する際に指導する。
【1711】
支援システムはまた、同じ顔において色のバランスをとり、全体的なメイクアップの見栄えを良くすることに寄与するように設けられてもよい。
【1712】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システ
ムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【1713】
段階的なスクリーニングのための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域のスクリーニングF1と、処置される別の領域のスクリーニングF2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。
【1714】
これらの様々な効果は、一定のマット感/ツヤ感効果とともにもたらすことができる。
【1715】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【1716】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【1717】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【1718】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【1719】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【1720】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【1721】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
-凝固し、
-すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【1722】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。
【1723】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するもの
などの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【1724】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【1725】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【1726】
各生成物は、それぞれに異なる作用を有し、同等のマット感/ツヤ感効果を有する。
【1727】
スクリーニングパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を有してもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【1728】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【1729】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【1730】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【1731】
パレット内の生成物は、それぞれに異なるカバレッジを有し、同時に同等のマット感/
ツヤ感効果を有してもよい。
【1732】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【1733】
本発明のさらなる主題は、少なくとも1つのメイクアップ生成物を分配するためのシステムであって、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有し、カップが、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定されるシステムである。
【1734】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【1735】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【1736】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【1737】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【1738】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【1739】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【1740】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【1741】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【1742】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【1743】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【1744】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【1745】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【1746】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【1747】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【1748】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【1749】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代
替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【1750】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップの深さは、好ましくは1mmから10mmの間である。カップのサイズおよび形状は、混合
物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【1751】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【1752】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【1753】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【1754】
各生成物は、それぞれに異なるカバレッジを有し、同等のマット感/ツヤ感効果を有す
る。
【1755】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【1756】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【1757】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【1758】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【1759】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有する分配システムであって、このインターフェースが、好ましくは、混合物を取り出すことができるキャビティ内に混合物を供給する静的ブレンダーを有する分配システムである。
【1760】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【1761】
本発明のこの態様によれば、いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【1762】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【1763】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【1764】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【1765】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【1766】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【1767】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【1768】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【1769】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップ生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、ベース生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、この出口通路が、ディスペンサーの外側に開放し、または、ディスペンサーの外面の近くで開放するシステムである。
【1770】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【1771】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【1772】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【1773】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【1774】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【1775】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【1776】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【1777】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【1778】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、首などの様々な領域をメイクアップしならびに/あるいは保護することができる必要がある。
【1779】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップ生成物および/または光保護生
成物のディスペンサーと、各々をディスペンサーに取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを備える組立体を備える分配システムであり、ディスペンサーによって供給される1つまたは複数の生成物を受け入れることができるこれらの出口インターフェースは、好ましくは、以下の中から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【1780】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【1781】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【1782】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【1783】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【1784】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【1785】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【1786】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色を領域でインデックス付けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【1787】
使用者が、すべての領域についていくつかのレベルのスクリーニングと単一のレベルのマット感/ツヤ感とを必要とする場合がある。
【1788】
使用者はいくつかのレベルのスクリーニングを必要とするとともに、顔のある部分には
あるレベルのマット感/ツヤ感を必要とし、別の領域には別のレベルのマット感/ツヤ感を必要とする場合もある。たとえば、使用者は、額にいくつかのシミがあり、頬にいくつかのシミがある。したがって、使用者は、額についてはいくつかのレベルのスクリーニングを施し、この表面については1つのレベルのマット感/ツヤ感を付与することを望む場合
がある。使用者は、頬についてはいくつかのレベルのスクリーニングを施し、この表面については1つのレベルのマット感/ツヤ感を付与することを望む場合がある。
【1789】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【1790】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。
【1791】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【1792】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な色を示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【1793】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ色の使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【1794】
操作者は、マップを作成する場合、色を適用し、次いで評価する。
【1795】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【1796】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その色が適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適する顔の領域に混合物が関連付けられる。
【1797】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、可変色の混合物を分配するためのディスペンサーと、色を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システムのための学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された色の少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む
学習プロセスでもある。
【1798】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【1799】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【1800】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【1801】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【1802】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【1803】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【1804】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【1805】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【1806】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【1807】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【1808】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【1809】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使
用者に中継するように設計されてもよい。
【1810】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【1811】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の色を提案してもよい。
【1812】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、色と、この色の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【1813】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【1814】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの色を提案するように設計されてもよい。
【1815】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された色に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されてもよい。
【1816】
ディスペンサーは、ステップb)において、色が異なる少なくとも2つの混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【1817】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【1818】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いるメイクアップの方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンをメイクアップするための提案された色を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【1819】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【1820】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの色およ
び/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された色の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させ
ることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物の色
と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【1821】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【1822】
使用者は、使用者が望むマット感/ツヤ感のレベルを顔の各領域についてマップに組み
込むか、あるいは領域ごとまたは領域のセットごとにマップに組み込んでもよい。その場合、システムは、望ましい色およびカバレッジならびに必要なマット感/ツヤ感を確保す
るために生成する必要がある混合物を解釈する。
【1823】
マップはその後修正されてもよい。したがって、最初に色/カバレッジ/スクリーニングに関してマップを作成し、その後マット感/ツヤ感のレベルを定義することによってマッ
プを修正することが可能である。
【1824】
遠隔支援
使用者がメイクアップを施しならびに/あるいは自分自身を保護する際に使用者を支援
し、特に使用者が正しいカラーリングを選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【1825】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、スクリーニングメイクアップを施す方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の色を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む方法である。
【1826】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、自分自身にメイクアップを施しならびに/あるいは
自分自身を保護した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色を変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色を適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。彼らは、スクリーニングのレベルに関するアドバイスを与えることができる。
【1827】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【1828】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【1829】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【1830】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【1831】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【1832】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさせてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【1833】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の色の選択の制御をより容易にする必要がある。
【1834】
本発明のさらなる主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを有する分配システムであって、このコンピュータシステムが、混合物の色を表示することができるタッチスクリーンと、分配される混合物の色を変化させるために画面上で移動可能な選択手段とを有する分配システムである。
【1835】
好ましくは、画面はエンドポイントの色を表示し、これらのエンドポイントの色同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の色を選択することができる。
【1836】
画面は、少なくとも2つの色の間の色のスケール、または、特に三角形の輪郭の領域を表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の色を局所的に示してもよい。
【1837】
コンピュータシステムは、所望の色の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【1838】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【1839】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【1840】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【1841】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【1842】
本発明の主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する組立体でもある。
【1843】
ディスペンサーは、色が異なるメイクアップ生成物を収容する3つのカートリッジを有してもよい。
【1844】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【1845】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【1846】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【1847】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【1848】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に色を調節できるようにするために、カメラ、および/また
は、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【1849】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【1850】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【1851】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物の色を変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【1852】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【1853】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【1854】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【1855】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【1856】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【1857】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【1858】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【1859】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【1860】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【1861】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【1862】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【1863】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【1864】
この第6の態様による発明は、各図を参照しながら上記で説明した分配システムによって実施することができる。これらの図については説明を繰り返さない。
【1865】
実施例(本発明の第6の態様)
遮蔽成分および油性成分を有するいくつかのベース生成物を作製する。
【1866】
配合物F1はUV遮蔽剤が豊富である。配合物F2は油が豊富である。
【1867】
【表7A】
【1868】
【表7B】
【1869】
手順
相Aの構成成分を主ビーカーに秤量し、Moritzブレンダー(1000rpm)を用いて室温を維持しながら撹拌する。相Bを、顔料およびシクロペンタシロキサンの混合物を3本ロールミルで3回粉砕することによって、個別に調製する。次いで、この相Bを、撹拌を続けながらフィラー(相C)と一緒に添加する。
【1870】
水性相Dをまた、ブチレングリコール、硫酸マグネシウム、水素化マルトース溶液、お
よび水をビーカーに秤量することによって、室温で個別に調製する。水性相Dを、均質化
されるまで磁気撹拌子を用いて撹拌する。エマルジョンを、室温で作製する:撹拌速度(Moritzブレンダー)を4000rpmまで徐々に増加させながら、水性相Dを脂肪相中に注ぎ入れる
。撹拌を7分間続ける。最後に、相E(エチルアルコール)を、5分の乳化のうちの最後の3分間で添加する。
【1871】
試験
分配システムを
・コンパートメントA中のF1
・コンパートメントB中のF2
を用いて試験した。
システムを使用し、いくつかの混合物を作製した(容積比率):
M1: A30%、B70%
M2: A70%、B30%
混合物M1、およびM2を、顔の異なる領域に塗布した。同等のレベルのマット感を有するが、異なる遮蔽作用が得られた。
【1872】
G)顔の領域に応じてファンデーションおよびそのツヤ消し力をカスタマイズするための分配システム
全体的なメイクアップまたはシミのある皮膚のメイクアップの場合、可能な限り魅力的なアピアランスが得られることが望ましい。しかし、顔の見た目を完全なものにするには、最良の色を正しい位置に塗布するのでは不十分である。したがって、検討中の領域に応じてマット感/ツヤ感の理想のレベルが異なり得ることは明らかである。使用者によって
は、頬などの領域にツヤを持たせることを好む。対照的に、額などの他の領域はマットにすることを好む。
【1873】
この問題を解決するための解決策は非常に少ない。
【1874】
第1の手法は、数多くの生成物を購入し、それらすべてを試すことである。この手法は費用がかかり、一般に、試された少数の着色物質だけが保持される限り、しばしば無駄を生じさせる。
【1875】
第2の手法は、店舗において様々な生成物を試すことである。このことは、短時間でかつ普段の目印がない場所において結果に関する感想を得ることが非常に難しいので、常に適切であるとは限らない。具体的には、メイクアップの効果を店舗で完全に評価するためには、将来の使用条件で得られるのと同じ照明を有することが可能である必要があり、これは、ほぼ不可能なことである。概して、適切であるかどうかを判定できるようにするには、1日中ずっとメイクアップを試してみる以外にない。さらに、店舗によってはアドバ
イザーがいてメイクアップを試してみることが可能であるが、他の多くの店舗およびインターネット販売ではそうではない。
【1876】
別の手法が試験されているが、開発されていない。これは、いくつかの着色生成物を混ぜることによって自分の手で自分の生成物を生成する手法である。この手法は、何回にもわたって同じ混合物を正確に再生成することがあまり簡単ではなく、メイクアップを施すときに必要とする混合物を素早く生成することがうまくできないため、実施するのが比較的困難である場合がある。
【1877】
可変色の化粧組成物を分配するためのディスペンサーも知られている。
【1878】
カスタマイズされた化粧組成物の製造の自動化に関して実施できた試験のうちの多くでは、提案された解決策によって、混合物を約100gまたは場合によってはそれよりも少ない量だけ生成することが可能になるが、メイクアップを施す使用者によって一般的に必要とされる非常に少ない割合、つまり、1グラムまたはそれよりもずっと少ない程度の量だけ
生成することはできない。
【1879】
この問題を例示するために、使用者が、鼻(マット感)から頬(ツヤ感)へとマット肌からツヤ肌に変化させ、次に顔の縁へと(マット感)変化させる段階的なマット感/ツヤ感によ
って顔をメイクアップすることを望む場合を考える。この効果をもたらすには、使用者が、色は同じであるがマット感/ツヤ感のレベルが異なりかつ調節可能である少量の生成物
を数回塗布することができる必要がある。2つの生成物では、領域間に境界ができるので不十分である。したがって、可変マット感/ツヤ感を有する少量の生成物を迅速にかつ確
実に得る必要がある。この量はたとえば、1回当たり10mg~50mg程度である場合があり、
数cm2の領域のみをカバーする働きをすることがある。これを実施することは、使用者が
、一種の一様性を回避するために、マット感/ツヤ感のレベルを変化させながら色(色およびカバレッジ)を変化させることを望む場合にはなお一層困難になる。
【1880】
したがって、いくつかの態様によれば、本発明は、顔にメイクアップを施し、特にそれぞれに異なる領域用のマット感/ツヤ感に関して最も適切な生成物を見つけ、それぞれに
異なる領域に適したマット感/ツヤ感のレベルでの結果を迅速に得ることをより容易にす
ることを追求する。
【1881】
本発明はまた、様々なレベルのマット感/ツヤ感を有する所与の色を得ることも追求す
る。
【1882】
本発明の第7の態様によれば、本発明は、ベース生成物から混合物を生成するのを可能にする分配システムに基づく。これらのベース生成物はそれぞれに異なる色を有してもよく(または無色でもよく)、そのため混合物のマット感/ツヤ感を変化させることができる
。ベース生成物は、場合によっては、混合物のカバレッジおよび/または色を変化させる
ことを可能にする場合があり、それによって、混合物をヒトケラチン物質に塗布することによって生じる色が、前記物質の色にかなり近くなるように変化する。したがって、この第7の態様によれば、本発明は、色および/またはツヤ感を一定にしてマット感/ツヤ感を変化させるか、または色およびマット感/ツヤ感のすべてを変化させるのを可能にする。
色の概念は、広義に理解されるものであり、カバレッジレベルの変化および下にある皮膚の色の変化の結果として塗布の後に色が変化する混合物を包含する。
【1883】
したがって、本発明の態様のうちの第7の態様によれば、本発明の主題は、生成物を分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、オイル、干渉顔料、またはメタリックティントを有する顔料のうちの少なくとも1つを含み、第2のベース生成物がツヤ消しフィラーを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステムである。
【1884】
この第7の態様によれば、本発明は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してもよい。
- 第1のベース生成物は油を含む、
- 第1のベース生成物は干渉顔料を含む、
- 第1のベース生成物はメタリックな色合いを有する顔料を含む、
- 顔料のおよびフィラーの体積による粒子サイズD50は、100nmから1mmの間、より良好には200nmから100ミクロンの間、さらにより良好には200nmから50ミクロンの間である、
- フィラーは、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポ
リエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アク
リロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロスフィア、アクリル酸コポリマーミクロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロ
スフィアおよびガラスまたはセラミックマイクロカプセル、中空球体の一部の形態である粒子、およびそれらの混合物から選択してもよく、好ましくは、タルク、マイカ、シリカ、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、およびそれらの混合物から選択され、さらにより好ましくはタルクである、
- フィラーは、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有
していてもよい、
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物は、逆エマルジョンを含む、
- 第2のベース生成物中のフィラーの質量含量は、第1のベース生成物の質量の0.5%
以上、好ましくは第1のベース生成物の質量の1%超、さらにより好ましくは第1のベース生成物の質量の1%から5%の間である、
- 分配システムは、第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備えている、
- カートリッジは、取り外し可能な様式でディスペンサー中に収容されている、
- ベース生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから排出され、出
口通路は、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される。
【1885】
本発明のこの第7の態様によれば、本発明の主題はまた、化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布する方法であって、処置すべ
き領域に応じてディスペンサーを設定することと、ディスペンサーの設定に対応する割合でベース生成物をカートリッジから取り出すことによって生成物を分配することとを含む方法である。
【1886】
したがって、本発明の第7の態様によれば、本発明は、少なくとも2つの異なる処方物を収容するコンパートメントを有する分配システムに基づき、これらの処方物は、一方の部分に濃縮されたオイル、濃縮された真珠層、またはメタリックティントを有する濃縮された粒子を含み、他方の部分に濃縮された(ツヤ消し)フィラーを含む、逆エマルジョンを含有することが好ましい。
【1887】
したがって、同じカラーアピアランスを保持しつつマット感/ツヤ感のレベルを変化さ
せることが可能である。
【1888】
このシステムは、顔の上の位置ごとに最良のツヤ消し混合物またはツヤ感混合物(マッ
ト感またはツヤ感が過度に強くもなくあるいは過度に弱くもない)を供給するようにプロ
グラムされてもよい。全体的なアピアランスはナチュラルな顔のアピアランスに近づくので、全体的なアピアランスによって、顔が処置されたことがわかることはない。
【1889】
分配システム
分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【1890】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【1891】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【1892】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【1893】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【1894】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【1895】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【1896】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【1897】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【1898】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【1899】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【1900】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【1901】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【1902】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【1903】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【1904】
ディスペンサーは、好ましくは、ハウジングと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられる少なくとも1つのカートリッジとを有し、このカートリッジは、本体と、本体において移動することができるピストンとを有し、ハウジングは、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える。
【1905】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【1906】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【1907】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによってディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【1908】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【1909】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【1910】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【1911】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【1912】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【1913】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【1914】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【1915】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【1916】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【1917】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【1918】
したがって、ディスペンサーは、色が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【1919】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【1920】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【1921】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【1922】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。
【1923】
取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【1924】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえ
ば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【1925】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【1926】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【1927】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【1928】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【1929】
したがって、本発明の第7の態様によれば、本発明は、少なくとも2つの異なる処方物を収容するコンパートメントを有する分配システムに基づき、これらの処方物は、一方の部分に濃縮されたオイル、濃縮された真珠層、またはメタリックティントを有する濃縮された粒子を含み、他方の部分に濃縮された(ツヤ消し)フィラーを含む、逆エマルジョンを含有してもよい。
【1930】

「油」という用語は、室温および大気圧で少なくとも数時間皮膚上に残存し、かつ特に0.13Pa(0.01mmHg)未満の蒸気圧を有する油を意味すると理解される。
【1931】
これらの不揮発性油は、炭化水素系油、特に動物もしくは植物由来の炭化水素系油、シリコーン油、またはそれらの混合物であってよい。「炭化水素系油」は、主に水素原子および炭素原子、場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子を含有
する油であると理解される。
【1932】
特に挙げることができる不揮発性炭化水素系油としては、以下がある。
- 動物由来の炭化水素系油、
- 植物由来の炭化水素系油、たとえば、グリセロールの脂肪酸エステルで構成された
トリグリセリド、その脂肪酸は、鎖長がC4~C24まで様々であってもよく、これらの鎖は
、場合により直鎖状または分岐状であり、飽和または不飽和であり;これらの油は、特に
ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、あるいはコムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、アブラナ種子油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、ブラックカラント油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイナッツ油、パッションフラワー油およびジャコウバラ油;シアバター;あるいはその他にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである、
- 10~40個の炭素原子を含む合成エーテル、
- 鉱物または合成物質由来の直鎖状または分岐状炭化水素、たとえば、ワセリン、ポ
リデセン、水添ポリイソブテン、スクワランおよび流動パラフィン、ならびにそれらの混合物、
- 合成エステル、たとえば式R1COOR2の油(式中、R1は、1から40個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の脂肪酸残基を表し、R2は、1から40個の炭素原子を含む特に分岐状の
炭化水素系鎖を表し、ただし、R1+R2≧10であることを条件とする)、例としてピュアセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12~C15安息香酸アルキル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸またはリシノール酸アルキルまたはポリアルキル、たとえばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、たとえば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルお
よび乳酸2-オクチルドデシル;ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル

- 12~26個の炭素原子を含む分岐および/または不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体である脂肪族アルコール、たとえば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノール、
- 高級脂肪酸、たとえばオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸、およびそれらの
混合物。
【1933】
本発明による組成物に使用することができる不揮発性シリコーン油は、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、アルキル基またはアルコキシ基を含み、これらの基がペンダント状である、かつ/またはシリコーン鎖の末端にあり、これらの基それぞれが2~24個の炭素原子を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、たとえば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、およびそれらの混合物であってもよい。
【1934】
好ましくは、油性相は、少なくとも1つのシリコーン油を含み、さらにより好ましくは以下から選択される。
- 室温で8cSt未満の粘度を有し、かつ特に4~7個のケイ素原子を含む揮発性の環状シ
リコーン油、これらのシリコーンは、1~10個の炭素原子を含むアルキル基またはアルコ
キシ基を任意選択で含み、特にヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(シクロヘキサシロキサン)、ならびにそれらの混合物から選択される;
- 揮発性または不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)(INCI名:ジメチコン);
- フェニル化シリコーン;
- 脂肪族基、特にアルキル基またはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンであ
って、これらの基がペンダント状であるかつ/またはシリコーン鎖の末端にあり;これらの基それぞれが6~24個の炭素原子を含む、ポリジメチルシロキサン、より詳細には、Dow Corning社製の市販の生成物Dow Corning FZ-3196(登録商標)などのカプリリルメチコン;
- それらの混合物。
【1935】
干渉顔料(真珠層)
「干渉顔料」という用語は、「真珠層」としても知られており、特に特定の軟体動物によってそれらの殻の中に生成される、あるいは合成される、光学的干渉を介して色効果を有する、玉虫色または非玉虫色の、任意の形状の有色粒子を意味するとして理解されたい。
【1936】
真珠層は、真珠光沢顔料、たとえば、酸化鉄でコーティングされたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスでコーティングされたチタンマイカ、酸化クロムでコーティングされたチタンマイカ、有機染料でコーティングされたチタンマイカ、さらにまた、オキシ塩化ビスマスをベースとする真珠光沢顔料から選択することができる。それらはまた、金属酸化物および/または有機染料の少なくとも2つの連続層が表面に重ねられたマイカ粒子であっ
てもよい。
【1937】
さらに挙げることができる真珠層の例としては、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料、またはオキシ塩化ビスマスでコーティングされた天然マイカがある。
【1938】
真珠光沢剤は、より詳細には、黄色、ピンク色、赤色、青銅色、オレンジ色、褐色、金色および/または銅色またはそれらの色合いを有し得る。
【1939】
有利には、本発明による真珠層は、二酸化チタンまたは酸化鉄、およびまたオキシ塩化ビスマスでコーティングされたマイカである。
【1940】
メタリックな色合いを有する粒子
本発明の意味の範囲内で、「メタリックな輝きを持つ粒子」という用語は、その特質、サイズ、構造および表面仕上げが、特に非玉虫色様式で入射光を反射することを可能にする任意の化合物を意味すると理解される。
【1941】
本発明において使用可能なメタリックな色合いを有する粒子は、特に以下から選択される。
- 少なくとも1つの金属のおよび/または少なくとも1つの金属誘導体の粒子;
- 少なくとも1つの金属および/または少なくとも1つの金属誘導体を含むメタリックな色合いを有する少なくとも1つの層で少なくとも部分的にコーティングされている単材料または多材料の有機または無機基質を含む粒子;および
- 前記粒子の混合物。
【1942】
前記粒子に存在していてもよい金属のうち、たとえば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、TeおよびSe、ならびにそれらの混合物または
合金が挙げられてもよい。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、MoおよびCr、ならびにそれらの混合物または合金(たとえば、青銅および黄銅)は、好ましい金属である。
【1943】
「金属誘導体」という用語は、金属由来の化合物、特に酸化物、フッ化物、塩化物、および硫化物を表す。
【1944】
フィラー
これらのフィラーは、任意の形態の無色または白色固体粒子であり、組成物の媒体中に不溶であり、かつその媒体中に分散されている形態である。
【1945】
これらのフィラーの例示としては、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末(テフロン(登録商標))、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロス
フィア、たとえばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマーミク
ロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ(たとえば、東芝製のTospearls(登録商標))
、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィア、およびガラスまたはセラミックマイクロカプセルが挙げられてもよい。また、特許出願JP-2003128788およびJP-2000191789に記載されているような、中空球体の一部の形態である粒子も使用することができる。
【1946】
フィラーは、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有していてもよい。
【1947】
逆エマルジョン/無水組成物
本発明によれば、組成物が逆エマルジョンの形態であると考えられるときに、当該組成物に応じて代わりに他の形態になることもできることは理解されるであろう。
【1948】
ベース生成物は、エマルジョン、たとえば、O/W、W/O、O/W/OもしくはW/O/Wエマルジョン、好ましくはW/O逆エマルジョンの形態、または特に炭化水素系油および/もしくはシリコーン油などの炭素系化合物および/もしくはシリコーン化合物を含む無水組成物の形態
であってもよい。
【1949】
本発明の第7の態様によるエマルジョンは、好ましくは油中水(W/O)エマルジョンであ
り、逆エマルジョンとしても知られており、すなわち水性相が液滴の形態で分散されている油性連続相より構成され、その結果、肉眼で巨視的に均質な混合物が観察される。
【1950】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域のみを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【1951】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【1952】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、マット感/ツヤ感と、顔の領域と、必要とされる量との間
の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、
かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、強いツヤ消し作用を有し、施されるツヤ消しが強すぎるかあるいはツヤ感が強いかまたは顔全体に塗布するにはツヤ感が強すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスのメイクアップを得ることが可能である。
【1953】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にし得る。
【1954】
分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【1955】
特に有利な変形形態では、システムは、マットな処方物を顔のベースに塗布し、次に、ツヤ感のより強い処方物を顔の正確な領域に1回または2回塗布するのに使用されてもよい。まず顔の正確な領域にツヤ感処方物を塗布し、次によりマットな処方物を顔のベースに塗布することも可能である。
【1956】
第2のケースでは、第2の層が第1の層を剥がさないように、第2の層を塗布する前に時間をおき、正確な領域への塗布によって生成された膜が十分に凝集するのを待つ。
【1957】
代替的には、第2の層はすり込まれずに塗布される(たとえば、スプレーまたはスポン
ジ)。
【1958】
使用者が顔のある領域に適用するためのマット感/ツヤ感を探すときに、各々の領域に
最も合うマット感/ツヤ感を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有
利なことに、このマット感/ツヤ感と、対応する領域とを記憶するように設計される。し
たがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【1959】
分配システムは、塗布ごとにマット感/ツヤ感を変化させることによって領域を処置す
るのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の唇をメイクアップしてもよい。この手法は、まぶたにも適しており、また、使用者はファンデーションの色を変えたくなることもあるので、顔のメイクアップにも適している。たとえば、使用者は、平日には、よりマットなカラーリングされたファンデーションを塗布し、週末には、ツヤ感のより強いファンデーションを塗布する。
【1960】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色/カバレッジパラメータに加えてマット感/ツヤ感を変化させることができるように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分でマット感/ツヤ感および/または(大ざっ
ぱに言えば)色を選択する際に指導する。
【1961】
支援システムはまた、同じ顔におけるマット感/ツヤ感のバランスをとり、全体的なメ
イクアップの見栄えを良くすることに寄与する働きをしてもよい。
【1962】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティッ
ク、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【1963】
段階的なマット感/ツヤ感によるメイクアップのための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域のマット感/ツヤ感C1と、処置される別の領域のマット感/ツヤ感C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先にマット感/ツヤ感C1が必要であることと、頬にマット感/ツヤ感C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの点の間でマット感/ツヤ感を段階的に変化させ
るために、混合物を供給しつつ混合物の処方を変更してもよい。このことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終結果を現実的なものにし、または、美しく見せるためにマット感/ツヤ感を段階的に変化させることを確実に可能にする。
分配システムはまた、使用者が、開始マット感/ツヤ感および/または終了マット感/ツヤ
感を前もって設定することなく、分配される混合物のマット感/ツヤ感の変化を命令でき
るように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生じさせる必要があるマット感/ツヤ感C1およびC2を推定し、したがって必要になる
混合物の変化を推定してもよい。
【1964】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【1965】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【1966】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【1967】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【1968】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【1969】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【1970】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【1971】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。
【1972】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【1973】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【1974】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【1975】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【1976】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【1977】
マット感/ツヤ感パレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を備えてもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連のマット感/ツヤ感を
自動的に生成するように設計されてもよい。
【1978】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【1979】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【1980】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【1981】
パレット内の生成物は、それぞれに異なる色を有し、同時にそれぞれに異なるマット感/ツヤ感効果を有してもよい。
【1982】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【1983】
本発明のさらなる主題は、少なくとも1つのメイクアップ生成物を分配するためのシステムであって、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有し、カップが、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定されるシステムである。
【1984】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【1985】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【1986】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【1987】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【1988】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【1989】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【1990】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【1991】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【1992】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【1993】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【1994】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、着色物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域をメイクアップす
ることを目的としたそれぞれに異なる色およびマット感/ツヤ感のいくつかの混合物の調
製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔
の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【1995】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【1996】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の外観を見ることができるように、好ましくは透明である。
【1997】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【1998】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【1999】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【2000】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップの深さは、好ましくは1mmから10mmの間である。カップのサイズおよび形状は、混合
物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【2001】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【2002】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【2003】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【2004】
各生成物は、それぞれに異なるマット感/ツヤ感効果を有する。
【2005】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【2006】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に
提案されている。
【2007】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【2008】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【2009】
本発明のさらなる主題は、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有する分配システムであって、このインターフェースが、好ましくは混合物をキャビティ内に供給する静的ブレンダーを有し、キャビティにおいて混合物を取り出すことができる分配システムである。
【2010】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【2011】
いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【2012】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【2013】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【2014】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【2015】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【2016】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【2017】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各
々が作製されてもよい。
【2018】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の生成物をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【2019】
ベース生成物は、カートリッジの出口通路を通ってこのカートリッジから出ることができ、この出口通路は、ディスペンサーの外側またはディスペンサーの外面の近くにおいて開放する。
【2020】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【2021】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【2022】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【2023】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【2024】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【2025】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【2026】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【2027】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【2028】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛などの様々な領
域をメイクアップすることができる必要がある。
【2029】
分配システムは、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップのディスペンサーと、各々をディスペンサー上に取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを有する組立体を備えてもよく、これらの出口インターフェースは、ディスペンサーによって供給される生成物を受け取ることができ、好ましくは以下から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【2030】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【2031】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【2032】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【2033】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【2034】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【2035】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【2036】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、マット感/ツヤ感を領域でインデックス付け
し、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【2037】
使用者が、すべての領域についていくつかのレベルのマット感/ツヤ感と単一の色およ
び/またはカバレッジとを必要とする場合がある。
【2038】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【2039】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。
【2040】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【2041】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切なマット感/ツヤ感を示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【2042】
グラフィックインターフェースはまた、その同じマット感/ツヤ感の使用が適切である
顔の他の領域を示してもよい。
【2043】
操作者は、マップを作成する場合、(所与のマット感/ツヤ感の)色を適用し、次いで評
価する。
【2044】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【2045】
別の選択肢は、所与のマット感/ツヤ感の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつか
の領域に塗布することである。その場合、操作者は、そのマット感/ツヤ感が適している
顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適する顔の領域に混合物が関連付けられる。
【2046】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、可変マット感/ツヤ感の混合物を分配するためのディスペンサーと、マット感/ツヤ感を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システムのための学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つのマット感/ツヤ感を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択されたマット感/ツヤ感の少なくとも1つの混
合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと

d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスでもある。
【2047】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【2048】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【2049】
所与のマット感/ツヤ感の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域
を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【2050】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【2051】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【2052】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【2053】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物のマット感/ツヤ感
をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【2054】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【2055】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【2056】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【2057】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【2058】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【2059】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【2060】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物のマット感/ツヤ感を提案してもよい。
【2061】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、マット感/ツヤ感と、この
マット感/ツヤ感の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【2062】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【2063】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つのマット感/ツヤ感を提案するように設計されてもよ
い。
【2064】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知されたマット感/ツヤ感に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するよう
に設計されてもよい。
【2065】
ディスペンサーは、ステップb)において、マット感/ツヤ感が異なる少なくとも2つ
の混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【2066】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【2067】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いるメイクアップの方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンをメイクアップするための提案されたマット感/ツヤ感を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案されたマット感/ツヤ感が使用者によって確
認された場合、提案されたマット感/ツヤ感の混合物を生成するようにディスペンサーを
動作させる方法である。
【2068】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【2069】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つのマット
感/ツヤ感および/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択されたマット感/ツヤ感の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物のマ
ット感/ツヤ感と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを
可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【2070】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つのマット感/ツヤ感および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案されたマット感/ツヤ感が使用者によって確認された場合、提案されたマット感/ツヤ感の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせる
のを可能にする。
【2071】
使用者は、使用者が望むマット感/ツヤ感のレベルを顔の各領域についてマップに組み
込むか、あるいは領域ごとまたは領域のセットごとにマップに組み込んでもよい。その場合、システムは、望ましい色およびカバレッジならびに必要なマット感/ツヤ感を確保す
るために生成する必要がある混合物を解釈する。
【2072】
マップはその後修正されてもよい。したがって、最初にマット感/ツヤ感に関してマッ
プを作成し、その後色およびカバレッジのレベルを定義することによってマップを修正することが可能である。
【2073】
遠隔支援
使用者がメイクアップを施す際に使用者を支援し、特に使用者が正しいマット感/ツヤ
感を選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【2074】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップを施す方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物のマット感/ツヤ感を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む方法である。
【2075】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物のマット感/ツヤ感を変更し
、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うようにマット感/ツヤ感を適合させるよう
にディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【2076】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【2077】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【2078】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【2079】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【2080】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【2081】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさせてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【2082】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物のマット感/ツヤ感の選択の制御
をより容易にする必要がある。
【2083】
したがって、本発明の態様のうちの別の態様であって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様によれば、本発明の1つの主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを備える分配システムであって、このコンピュータシステムが、混合物のマット感/ツヤ感が表示されてもよいタッチスクリーンと、分配される混合物のマ
ット感/ツヤ感を変化させるために画面上を移動させることができる選択手段とを備える
分配システムである。
【2084】
好ましくは、画面はマット感/ツヤ感のエンドポイントを表示し、これらのエンドポイ
ント同士の間で選択手段を移動させることによって混合物のマット感/ツヤ感を選択する
ことができる。
【2085】
画面は、少なくとも2つのマット感/ツヤ感の間のマット感/ツヤ感のスケール、または、特に三角形の輪郭の領域を表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物のマット感/ツヤ感を局所的に示してもよい。
【2086】
コンピュータシステムは、所望のマット感/ツヤ感の混合物をもたらすベース生成物の
各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【2087】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペ
ンサーのハウジングに組み込まれる。
【2088】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【2089】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【2090】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【2091】
本発明の態様のうちの別の態様は、スプレーシステム、好ましくはエアブラシを備える分配システムをまたさらに改良するものであり、本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様、特に前述の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する組立体である。
【2092】
ディスペンサーは、マット感/ツヤ感が異なるメイクアップ生成物を収容する3つのカ
ートリッジを有してもよい。
【2093】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【2094】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【2095】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【2096】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【2097】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的にマット感/ツヤ感を調節できるようにするために、カメラ
、および/または、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【2098】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【2099】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【2100】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物のマット感/ツヤ感を変化させ
るのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【2101】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【2102】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【2103】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【2104】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【2105】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【2106】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【2107】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【2108】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【2109】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【2110】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【2111】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【2112】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現する
ことができる。
【2113】
分配システムは、上述の図に示す種類のシステムであってもよい。したがって、図のすべてを再び説明することはない。
【2114】
図29は、実質的に顔の様々な領域のように空間が配設された支持体を示しており、各々の空間は、マット感/ツヤ感が顔の対応する部分に適した混合物を収容してもよい。し
たがって、使用者は、所与の空間から取り出された混合物をどこに塗布するかを知ることが、容易である。
【2115】
ディスペンサー11は、処方が時間とともに変化する混合物を分配するために使用でき、かつ、ディスペンサーに対して移動できる容器内に混合物を回収するために使用でき、それによって、時間とともに変わる容器の位置に混合物が堆積され、段階的な効果が実現される。
【2116】
たとえば、図29Aおよび図29Bに示しているように、分配システムは、ディスペンサーに対して固定された部分を有する出口インターフェース110と、混合物を受け入れる
ための空間253を有する可動部252とを有する。
【2117】
たとえば、ディスペンサー11は、この場合、カートリッジの出口オリフィスが下向きである状態で配置され、ブレンダーを備えており、それによって、混合物は、それ自体の重量の下で空間253内に落ちる。モーターは、出口インターフェースの可動部品を、ディス
ペンサーに対して、混合部の特性における変化と同期するように移動させてもよく、そのため、段階的な効果が、図29Bに示しているように、空間253全体に沿って得られる。
【2118】
上記のように、本発明による分配システム10は、使用者がディスペンサー11を容易にかつ直感的に動作させるのを可能にするマンマシンインターフェースを有することが好ましい。このインターフェースは、ディスペンサー11と通信するコンピュータシステム100の
一部を形成してもよい。
【2119】
図31図37は、使用者が様々なベース生成物を計量して分配することによって得られる混合物のマット感/ツヤ感を選択するのを可能にするタッチセンシティブインターフ
ェースの様々な例を示している。
【2120】
このインターフェースは、図31に示しているように、たとえば三角形の形態のマット感/ツヤ感選択領域を有してもよく、そのマット感/ツヤ感選択領域の頂点は、カートリッジに収容されたベース生成物の各々のマット感/ツヤ感に対応している。
【2121】
使用者は、三角形の頂点A、B、およびCに対して、たとえばボールの形態のカーソル300を移動できる。
【2122】
カーソル300を頂点のうちの1つに近づければ近づけるほど、対応するベース生成物の
割合が、分配される様々な生成物の全体の量に対して大きくなる。
【2123】
全体の量に対する各々の生成物の割合は、インターフェース上の数値によって、301に
おいて示されてもよい。
【2124】
インターフェースは、たとえばベース生成物の各々の量の厳密な調整を可能にする制御ボタン302を操作することによって、使用者が生成物の各々の量を増分または減少させる
のを可能にしてもよい。
【2125】
三角形310の表面は、各点における混合物のマット感/ツヤ感を示すように局所的に変化するマット感/ツヤ感を有してもよく、混合物のマット感/ツヤ感は、その点での相対座標に対応する割合で様々なベース生成物を重み付けすることによって得られる。
【2126】
インターフェースは、ディスペンサーをパージするように分配された生成物の体積を調整するための特定のメニューへのアクセスを可能にするボタン305を有してもよい。
【2127】
インターフェースは、有利にはまた、流量を調整するための特定のメニューに戻るボタン304および306を用いて生成物の流量を調整するのを可能にしてもよい。
【2128】
検討されている例では、インターフェースは、使用者が制御ボタン12を押している限り生成物が分配される、ボタン304を用いる連続分配モードとの間の選択を可能にする。
【2129】
対応する処方量をインターフェースに送信して表示することができる。
【2130】
ボタン306は、ボタン12が短時間押されただけでも規定の処方量の分配をトリガする処
方量の動作モードの選択を可能にする。
【2131】
流量を変化させるために、ディスペンサーは、たとえば、モーターの動作デューティサイクルに作用する。
【2132】
インターフェースは、お気に入りへのアクセスを可能にするメニュー307を用いて、使
用者が、自分が好む設定をプログラムまたは記憶するのを可能にするように設計されてもよい。
【2133】
図32に示したタッチセンシティブインターフェースは、ディスペンサー11に収容されているベース生成物のうちの1つのマット感/ツヤ感に各々が対応する3つのカラーリン
グされた領域400と、得られる混合物のマット感/ツヤ感を示す中央領域410とを画面上に
示す。
【2134】
ベース生成物の各々の相対量は、たとえば、領域400の各々を中心領域410に結合する線に沿って移動するカーソル415を用いて調整することができる。
【2135】
インターフェースの使用の間、インターフェースは、所与の設定を記憶し、混合物のマット感/ツヤ感のボタン420を画面上に表示させてもよい。したがって、使用者は、このボタン420を押すだけで、対応するマット感/ツヤ感の混合物を分配することができる。
【2136】
図34の例では、インターフェースは、領域500において、所与のシェードを表示し、
各々が対応するベース生成物のマット感/ツヤ感用のボタンである制御ボタン510によって、最終的な混合物におけるこのベース生成物の割合を増加または減少させるための機会を使用者に提供する。領域500のマット感/ツヤ感は、制御ボタン510に対するアクションに
応じて再計算される。
【2137】
図35における変形形態では、インターフェースは、様々なベース生成物の特定の割合に各々1つが対応するいくつかの領域530を有するカラーチャートを示している。
【2138】
使用者は、たとえば自分の指でこれらの領域のうちの1つを押すことによって、その領域を選択してもよい。
【2139】
インターフェースは、その選択されたマット感/ツヤ感を、領域535においてより大きいスケールに表示するように設計されてもよい。ディスペンサー11をこのマット感/ツヤ感
を分配するようにプログラミングすることは、たとえば、領域を押すことによってトリガされる。
【2140】
図36の例では、使用者は、カーソル555を連続的なカラーチャート550上を移動させ、選択されたマット感/ツヤ感を領域558に表示させてもよい。
【2141】
その場合、使用者は、たとえば領域556を押すことによって、ディスペンサーに選択さ
れたマット感/ツヤ感における生成物を分配させるための必要な命令をディスペンサー11
に送ることをトリガすることができる。
【2142】
図37から明らかなように、インターフェースは、選択された様々なシェードを記憶することができ、使用者が、すでに選択されたことがあるシェードを、対応するボタン560
を押すことによって非常に簡単に再び選択するのを可能にするように、それらのシェードを画面上に表示することができる。
【2143】
図38は、好ましくは上記で説明したようなディスペンサーと、インターフェースが属するコンピュータシステム100とを備える分配システムのユーザインターフェース1000の
例を示している。
【2144】
ここでは、コンピュータシステムは、たとえば、ラップトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなど、自律的に動作する装置、または、リモートサーバに接続される装置を備える。
【2145】
検討されている例では、インターフェース1000は、このような装置のタッチスクリーンによって画定される。図示されていない変形形態では、ディスペンサーは、タッチスクリーンまたは任意の他の種類のマンマシンインターフェースを組み込んでおり、他の装置への接続なしで使用することができる。
【2146】
装置は、たとえば、前もってダウンロードされており、画面において、顔1035と、使用者が情報を入力するのを可能にする一連のボタンとを表示するアプリケーションを動作させる。
【2147】
顔は、触れることによって選択することのできるいくつかの領域Z1~Z6、たとえば額、鼻、頬、まぶた、下顎の先、および唇を備えてもよい。
【2148】
画面に存在するボタンは、たとえば、メイクアップの名前または使用者の名前を入力し、選択された領域を表示し、マット感/ツヤ感を選択し、実施された試験の結果が許容可
能であるかどうかに関してコンピュータシステムに通知し、または場合によっては、図示しているように、以前に実施された試験に対する結果の評価に関する情報、つまり、たとえば、より良い、または「それほど良くない」を提供することを可能にし得る。画面はまた、選択されたマット感/ツヤ感および領域を、検討中の領域においてそのマット感/ツヤ感によって試験が実施された後に記憶するのを可能にするボタンを表示してもよい。
【2149】
マット感/ツヤ感の選択は、たとえば、図36を参照して説明したスケールと同様のマ
ット感/ツヤ感スケールによって行われる。
【2150】
コンピュータシステムは、試験の間に分配された混合物を再生成するのを可能にするパラメータに顔の領域を関連付けるために、たとえばルックアップテーブルの形態でデータ
を記憶するように設計される。これらのパラメータには、たとえば、混合物におけるディスペンサーのベース生成物の各々の相対的な含有量、分配された量Qに加えて、たとえば
、領域の名前、混合物が分配された日付および/または任意の他の混合物識別子、ベース
生成物の識別子、一年のうちの時期、特に季節、使用者の年齢、使用者の性別、使用者の姓または名、メイクアップと関連付けられる出来事の名前、たとえば、特に誕生日、ならびに領域に適した生成物の量などの追加データがある。補助データは、使用者が、一年のうちのその時期に適していると考えられるメイクアップの見た目をより容易に再現するか、または、人生の出来事を思い出すか、または、若返りの効果をもたらすのを可能にすることができる。
【2151】
これらのデータは、コンピュータシステム100に記憶されてもよく、たとえば、前述の
装置内、および/もしくは、装置が通信しているリモートサーバ上、または代替で、ディ
スペンサー11に組み込まれた電子メモリ内に記憶されてもよい。
【2152】
したがって、本発明によれば、使用者は、ディスペンサーに第1の着色物質を供給させ、第1の着色物質を顔の第1の領域に塗布し、それが適するかどうかを判定してもよい。結果に満足できる場合、使用者はその結果を記録し、領域にインデックス付けし、結果に満足できない場合、使用者は、上記の動作を繰り返すために、新たなマット感/ツヤ感を
指示してもよい。
【2153】
コンピュータシステムは、この文脈において、様々な方法で使用することができる。
【2154】
たとえば、図40に示しているように、使用者は、ステップ1010において、調整ボタン1012を移動させることによって、たとえば画面に表示されたマット感/ツヤ感スケール1011を用いて、試験すべき色を選択している。
【2155】
次に、選択された色は、ステップ1015においてディスペンサー11に送信される。
【2156】
たとえば、装置は、分配されるベース生成物の各々の量を送信し、それに従って、電子回路81はモーターを動作させる働きをする。
【2157】
ステップ1016では、使用者はディスペンサー11の制御ボタン12を押し、これによって、たとえば、使用者によって選択されたマット感/ツヤ感で、混合物の処方量を分配させる
【2158】
混合物は、たとえば、カップ115内に分配され、次に、ステップ1020において使用者に
よって取り出され、頬、または、インターフェース上で指示される任意の他の領域に塗布される。
【2159】
変形形態では、生成物は、エアブラシを用いて、または、前述したような任意の他の手段によって、塗布される。
【2160】
次に、使用者は、ステップ1022において、ボタン1021を用いて、コンピュータシステムに結果を通知する。
【2161】
結果が満足できるものであることを使用者が示す場合、システムは、たとえば、使用者が、ステップ1031において、試験のパラメータを記憶させるために、ボタンを用いてこれらのパラメータを検証することを提案する。
【2162】
使用者が結果を満足できるものと考えず、ボタン1032を用いてこのことを知らせる場合
、それにもかかわらず、結果をステップ1034において自動的に保存することができる。
【2163】
したがって、各々の領域は、適切なマット感/ツヤ感だけでなく、この領域に全く適し
ていないマット感/ツヤ感でもインデックス付けすることができる。
【2164】
次に、使用者は、ステップ1010に戻ることによって、同じ領域に対してさらなる試験を実施することができる。
【2165】
使用者が結果に満足できる場合、使用者はまた、たとえば顔の異なる領域に対してさらなる試験を実行することを望む場合がある。
【2166】
適切な場合、使用者が満足できないとき、インターフェースは、対応するボタン1040および1041を用いて、結果が先の試験よりも良いと考えられるか、または、先の試験ほど良くないと考えられるかを使用者が示すことを提案してもよい。
【2167】
コンピュータシステムは、その場合に、使用者によって入力された情報に鑑みて、次にどのマット感/ツヤ感を試験するかに関して、提案を自動的に行うことができるかどうか
を判定するように設計されてもよい。
【2168】
適切な場合、コンピュータが、実施された試験と、使用者または使用者を支援する専門家がこれらの試験をどのように評価したかとに鑑みてマット感/ツヤ感を提案する際に、
コンピュータシステムを支援するために、質問事項が表示されてもよい。
【2169】
たとえば、マット感/ツヤ感が「適切でない」と見なされた場合、システムは、追加情
報、たとえば「マット感が強すぎる」、「ツヤ感が強すぎる」を使用者から受信する場合があり、この情報は、システムが、使用者の期待によりうまく適合する新しいマット感/
ツヤ感を提案する際に、システムを支援する。
【2170】
コンピュータシステムが、結果を先の試験と比較する情報、たとえば「より良い」または「それほど良くない」を受信することができ、そこからシステムが新たなマット感/ツ
ヤ感としてどんなマット感/ツヤ感を提案すべきかを推定できれば有利である場合がある
【2171】
別の選択肢は、コンピュータシステムが、目標との比較に関する比較情報、たとえば「ほとんど理想的なものである」を受信することができ、そこから、システムが、そのマット感/ツヤ感の修正を自動的に調整することができることである。
【2172】
この具体的な例では、システムは、所望の結果がほとんど達成されたという情報を受信した場合、低レベルのマット感/ツヤ感変更を採用し、したがって調整の反映スケールを
修正することができる。
【2173】
分配システム自体が、試験すべき着色混合物を提案する場合、これらの混合物は、あらかじめプログラムされた試験シナリオに基づくものであってもよく、システムは、シナリオが評価の成功または失敗に従ってどのように進行するかを変更してもよい。したがって、たとえば、生成物の第3の塗布から、マット感/ツヤ感が使用者にとってほとんど理想
的なものであるという情報を分配システムが受信した場合、分配システムは、プログラムを終了してもよく、その後、分配システム自体を操作者からの指令によって案内させてもよい。
【2174】
概して、使用者は、試験すべきマット感/ツヤ感の選択において、エキスパートシステ
ムによって支援されてもよい。
【2175】
このエキスパートシステムは、たとえば、ディスペンサーが通信する装置上で動作するか、または、ディスペンサー自体上で動作するプログラムであり、質問事項への答えに基づく、および/または、特定のセンサもしくはカメラによって得られる、たとえば皮膚の
マット感/ツヤ感の測定値に基づくプログラムである。したがって、使用者は、たとえば
マット感/ツヤ感センサなどの計器による評価から支援を得ることができる。エキスパー
トシステムは、場合によっては、装置またはディスペンサーが情報を交換するリモートサーバ上に実装することができる。操作者は、場合によっては、開始マット感/ツヤ感選択
肢を事前プログラムすることができる専門家に自分の顔の画像を送信してもよい。別の例示的な実施形態では、ユーザは、コンピュータシステムに自分の顔の写真を提示し、コンピュータシステムは、この写真を分析し、マット感/ツヤ感と量の両方に関して、試験さ
れる領域と、供給される第1の生成物とを定義するプログラムを作成するように設計される。たとえば、コンピュータシステムは、図42において示しているように、ステップ1070において、写真を撮ることによって、使用者に提案すべきメイクアップのマット感/ツ
ヤ感を自動的に選択するように設計されてもよい。たとえば、ディスペンサー11と通信する装置にはカメラが搭載されており、使用者は自分の顔の写真を撮る。次に、画像がステップ1071で分析され、たとえば規定のマット感/ツヤ感の組合せ規則に従って、ステップ1072において顔の領域ごとにマット感/ツヤ感が提案される。
【2176】
分配システムは、マット感/ツヤ感を決定し、また、分配される生成物の量を決定する
ように、使用者によって向きを定められてもよい。たとえば、使用者は「鼻」または「シミ」を示してもよく、分配システムは、処方量の記憶されたマップに従って分配される処方量を、処置される領域に応じて分配させるように適合するように設計される。
【2177】
コンピュータシステムは、使用者が満足する結果を得るまでに必要とされる試験の数を制限するように、使用者を、試される混合物におけるマット感/ツヤ感の選択において指
導してもよい。
【2178】
したがって、図41に示しているように、ディスペンサーによって分配された混合物が、ステップ1060において顔の所与の領域に塗布された後、コンピュータシステムは、結果に満足できるかどうかを使用者に問い合わせ、結果が満足できるものではないと見なされる場合、分配された混合物を修正するために、ディスペンサーパラメータの変更1061を独自に行う。
【2179】
使用者は次いで、修正された混合物で新たな試験を実施するだけでよい。
【2180】
混合物が満足できるものであることが示されると、コンピュータシステムは、後で混合物を再生成することが可能になるように対応するパラメータを記憶することができる。
【2181】
この場合、システムは、新たな塗布領域に関して上記のステップを新たに開始することができる。
【2182】
連続する試験の間、操作者は、顔全体を処置する必要はない。操作者は、たとえば、3つから8つまでの間の小さい領域、たとえば5つの小さい領域を選択してもよい。分配システムは、この場合、有利なことに、適切であると見なされるマット感/ツヤ感に関する
データを内挿および/または外挿して、処置が行われていない領域に適すると見なされる
べきであるマット感/ツヤ感を計算するように設計される。
【2183】
学習段階の終わりにおいて、システムは、試験または計算された、様々な領域上の適切
なマット感/ツヤ感の表示を生成してもよい。
【2184】
分配システムは、特定の色が正しくないように見えるかどうかを示すように設計されてもよく、このことを、メモリ内にある標準的なマップとの比較の強度に関して示す。したがって、分配システムは、使用者がこのマッピング訓練の全部または一部を繰り返すことを提案してもよい。
【2185】
コンピュータシステムがその学習を完了し、すなわち、混合物のマット感/ツヤ感が、
特定の領域をメイクアップするうえで使用者に合うマット感/ツヤ感として特定された後
、メイクアップを施すことを望む使用者は、図43のステップ1080において、メイクアップされる領域を呼び出すだけでよく、システムは、ステップ1081において、使用者に混合物の適切なマット感/ツヤ感を自動的に提案することができる。
【2186】
図44に示した変形形態では、使用者は、ステップ1090においてマット感/ツヤ感を選
択し、コンピュータシステムは、ステップ1091において、実施された試験に基づいて以前に集められた情報に基づいて、このマット感/ツヤ感の混合物を塗布すべき領域を提案す
る。
【2187】
提案される領域は、たとえば、同一のマット感/ツヤ感または非常に近いマット感/ツヤ感がすでに適用されており、結果が使用者によって許容可能と見なされている領域である。
【2188】
図46は、ステップ2010において様々なゾーンで試験を実行し、使用者が、自分が最良の結果を与えると考える1つまたは複数の混合物をシステムに知らせ、これによって、ステップ2012において、対応するパラメータをシステムに知らせることができる、本発明の実装形態の一例を示している。次に、ステップ2014では、システムは、同じ特性または非常に近い特性を有する市販の生成物の参照を使用者に提案してもよい。
【2189】
一変形形態では、システムは、使用者が試験し、満足できるものであることがわかった混合物と同じ処方または同じ特性を有する組成物を生成することができるように、遠隔の製造センターにパラメータを送信する。
【2190】
図45は、様々な混合物のいくつかの処方量2020a~2020dを支持体2021において互いに隣り合わせて分配することによって、これらを同じ領域の隣接する個別の領域に塗布するのを可能にするように、ディスペンサーを使用することが可能であることを示している。
【2191】
使用者は、迅速に適切なマット感/ツヤ感の的を絞るために、一連のマット感/ツヤ感を1回で塗布することができる。支持体2021に存在する着色物質は、操作者自身によって選
択されていてもよいし、または、分配システムによって提案されていてもよい。
【2192】
支持体2021は、たとえば、ディスペンサーのハウジングに対して移動でき、様々な領域2020a~2020dにおいて対応する混合物を堆積させるように連続して移動され、たとえば、図29または図29Aを参照して説明した支持体と同様である。したがって、使用者は、様々な領域同士の間で結果を容易に比較し、どの混合物が最良の効果を生成するかをシステムに通知することができる。
【2193】
図47は、使用者が、メイクアップを施すとき、特に正しいカラーリングを選択するときに、使用者を支援するシステムを示している。
【2194】
このシステムは、第1の場所2061におけるカメラ2060と第2の場所2062との間で、たと
えばインターネットを介して、ビデオリンクを確立するのを可能にする。
【2195】
カメラ2060は、たとえば、コンピュータシステム100を構成するタブレットまたはスマ
ートフォンに組み込まれる。
【2196】
第2の場所2062は、第1の場所2061に存在するディスペンサー11を直接的に動作させるかあるいは間接的に動作させることができる。
【2197】
したがって、第1の場所に存在する使用者は、分配される混合物を塗布し、対応する画像を第2の場所2062に送信し、それに応じたメイクアップの結果に関する情報を受信することができる。
【2198】
第2の場所2062は表示画面2064を有してもよく、この表示画面2064は、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された混合物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物のマット感/ツヤ感を変更し、第1の場所に存在す
る使用者の顔に最も合うようにマット感/ツヤ感を適合させるように、ディスペンサー11
を操作してもよい。したがって、2つの場所の間でのデータの交換についてのプロトコルは、コマンド命令をディスペンサー11に直接送るか、あるいは、第1の場所に存在するコンピュータシステム100を介して送るのを可能にする。したがって、第2の場所に存在す
る使用者は、ディスペンサー11によって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【2199】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクであり、そのため、第1の場所に存在する使用者は、コンピュータシステムの画面において、アドバイザーの画像を見ることができる。このアドバイザーは、必要な場合、第1の場所に存在する使用者にチュートリアルを送信することができる。
【2200】
ディスペンサー11の設定パラメータを記憶することは、与えられた混合物が満足できると見なされた後、第2の場所から命令されてもよい。
【2201】
有利には、分配システム10は、使用者が自分の顔のマット感/ツヤ感を変更することを
望む場合、各々の領域についてすべてのマット感/ツヤ感を美しく見えるように修正でき
るように設計される。分配システムは、使用者が1つの領域における単一のマット感/ツ
ヤ感を修正するだけでシステムが他のすべてのマット感/ツヤ感を修正できるように設計
されてもよい。分配システムは、そのために、たとえば、マット感/ツヤ感飽和度を記録
するか、または、シェードをずらすことによって、トランスレーションを使用することができる。
【2202】
分配システムは、現実または仮想の他の使用者のマップを受信するように設計されてもよい。固有の特性を失うことなくメイクアップを昇華させるために、使用者のマップを別の使用者のマップと組み合わせてもよい。
【2203】
インターフェースは、メイクアップすべき領域の順序、または、提案すべきマット感/
ツヤ感の順序が定義されたメイクアッププログラムを定義するために使用されてもよい。
【2204】
実施例
図3に示される上記のようなディスペンサー11を作製する。ディスペンサーは、iPad(
登録商標)などのタブレット100と通信するように設計されている。このコンピュータシ
ステムは、Objective-C言語で特定のApple環境(XCode 4およびiOSシミュレータ)において開発された「μMix」と呼ばれるアプリケーションを実行する。
【2205】
このコンピュータシステムは、ユーザグラフィックインターフェースと関連付けられたデータ構造、計算ツール、および機能を操作するためのツールを供給するFoundation、UIKit、およびCoreGraphicsベーシックフレームワークを使用する。
【2206】
このアプリケーションはまた、Bluetooth(登録商標) 4 Low Energyペリフェラルへのアクセスを可能にするCoreBluetooth(登録商標)フレームワークを使用し、以下の主要
なタスクを有する。
・Bluetooth(登録商標) 4.0 Low Energyペリフェラルの探索、
・接続パラメータの接続/切断および管理、
・GATT(Generic Attribute Profile)アーキテクチャに基づく読取りモードおよび/または書込みモードにおける通信。
【2207】
このアプリケーションでは、以下の機能を提案する。
・ベース生成物の割合の定義、
・制御ボタン12を押したときの動作モードの選択、つまり、連続、パージ、または処方量の選択、
図30に示しているような体積分率の三角形の表示と、三角形に触れるか、または、各々の生成物と関連付けられた+/-ボタンを用いることによる、体積分率の管理、
・Bluetooth(登録商標)接続/切断、および、ディスペンサーへの命令のリアルタイム転送、
・連続モードにおける流量の設定、および、処方量モードにおける量の設定、
・命令に応じた、リアルタイムでの生成物の体積分率の計算、表示、およびディスペンサーへの転送、この場合、割合の合計は常に100%に等しくなる、
・リアルタイムでの3つのモーターのトルクの回収および表示、および
・構成ファイルにおける重要パラメータの保存。
【2208】
連続モードは、使用者が分配ボタン12を押している限り3つのベース生成物の混合物が分配される分配モードである。生成物は、「連続」ボタン304の上方に推定値が表示され
る流量で、分配される。流量の選択は「設定」メニューで行われる。
【2209】
「処方量」モードは、混合物を処方量だけ分配するモードであり、このモードでは、使用者が分配ボタン12を押した後に処方量が供給される。1回押すだけで十分であり、使用
者は、1回押した後にボタンを離すことができる。分配される生成物の全体的な処方量は
、たとえば0.1mlのように、「処方量」ボタン306の上方に示される処方量である。この体積は「設定」メニューで変更することができる。
【2210】
「パージ」モードは、「処方量」モードにおけるように、使用者が分配ボタン12を押すとすぐに、体積分率(33%)が等しいある処方量の混合物が供給される分配モードである。1回押すだけで十分であり、使用者は、1回押した後にボタンを離すことができる。処方量
が完全に分配されたときに、ボタンを離してもよい。終了する前にボタンを離した場合、指定された体積が達成されていなくても、分配は停止する。分配される生成物の全体的な処方量は、たとえば3mlのように、「パージ」ボタン305の上方に示される処方量である。この体積は「設定」メニューで変更することができる。
【2211】
使用者は、タブレット上で動作し、様々な生成物の割合を計算するアプリケーションによって、所望のマット感/ツヤ感を決定する。タブレットは、Bluetooth(登録商標)接続
によって、この値をディスペンサーに通信する。
【2212】
ディスペンサー11に組み込まれた電子機器は、所望のマット感/ツヤ感の混合物を得る
ために、情報を集め、3つのカートリッジの流量を自動的に調整する。
【2213】
使用者は、生成物を使用することを望むとき、生成物を放出させるために、ディスペンサーのボタン12を押す。使用者は、「連続」モードにおいて、生成物を必要な限りボタンを押す。「処方量」モードでは、使用者は、ボタン12を1回押し、規定の処方量が供給さ
れる。
【2214】
分配は、連続的に実施されてもよく、つまり、モーターが連続的に動作し、全体的な体積が、1回で分配されるか、または、反復的に分配される。その結果、モーターはパルス
式に動作し、その場合、2回のパルスの間の時間の間隔によって流量を変化させることが
可能である。小さい体積が、いくつかの段階を経て次々と分配される。
【2215】
パルスは、たとえば、50ms、100ms、または200msの間隔で分けられてもよい。モーターが回転しているパルスの持続時間は、たとえば50ms~150msである。
【2216】
この例における「μMix」アプリケーションのメインページは、特に図31で見られる
ような、以下の要素を備える。
・画面の上部におけるステータスバー: Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示すステータスバー、
・画面の下部におけるサムネイル: アクティブページ、つまり、メインページ、設定
、Bluetooth(登録商標)、生成物、およびお気に入りを選択するためのサムネイル、
・生成物が連続的に分配されるモードを選択するための連続ボタン304、
・パージモードを選択するためのパージボタン305;
・分配が処方量だけ行われるモードを選択するための処方量ボタン306、この場合、処
方量の体積が処方量ボタンと関連付けられる、
・ドラッグするか、または、ダブルタップを用いるかのいずれかによって、体積を表す三角形の内部で使用者が動かすことができる青色ボール300、
・各々の生成物A、B、およびCのための「-」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を結ぶ直線に沿った移動があったときに、選択された生成物の割合を小さくするボタン、
・各々の生成物A、B、およびCのための「+」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を結ぶ直線に沿った移動があったときに、選択された生成物の割合を大きくするボタン、
・百分率としての各々の生成物の体積分率:使用者によって修正可能であり、+ボタンおよび-ボタン302からの命令と、ボール300の位置とに従って、リアルタイムで更新される
【2217】
体積分率は、ボールを移動させるか、または、+ボタンおよび-ボタンを用いることによって修正されるが、生成物A、B、およびCの体積分率の値は自動的に更新される。体積割
合が+ボタンおよび-ボタンを用いて修正されたとき、ボール300は、三角形における対応
する位置に自動的に移動される。
【2218】
タブレット上で動作するこのアプリケーションは、起動されると、ディスペンサー11が検出された場合にディスペンサー11に自動的に接続する。ディスペンサーがオフに切り替えられるか、または、Bluetooth(登録商標)接続が切断されると、タブレットは接続切
断する。使用者が、生成物AおよびBの割合を調整するカーソルを移動すると、値はリアルタイムでディスペンサー11に送信される。
【2219】
アプリケーションの設定ページは以下の要素を含む。
- 画面の上部におけるステータスバー: Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示すステータスバー、
- 画面の下部におけるサムネイル:アクティブページ、つまり、メインページ、設定、Bluetooth(登録商標)、または情報を選択するためのサムネイル、
- ml単位の処方量の体積(たとえば2ml)を定義するために使用者によって埋められるテキストフィールドと、ml単位のパージ体積(たとえば3ml)に関するフィールドとを含む「
体積」部分:この例における最小処方量は0.023mlであり、最大処方量は9.90ml(3×3.3ml)である、
- 流量の選択に関する「流量」部分:高速(≫0.03ml/s)、中速(≫0.02ml/s)、または低速(≫0.01ml/s)、
- いくつかの段階を経て次々に供給される少量の生成物の混合物を分配するための、
混合物の反復的な選択に関する「処方量」部分、
【2220】
逆の場合、各生成物の全体積が1回で分配される。
- ディスペンサー11によって供給されるマット感/ツヤ感で三角形を表示することができるように、メインページにおいて表示される三角形の画像を選択するための「三角形画像」部分。
【2221】
「設定」ページにおける「画像選択」ボタンを使用することによって、アルバムにアクセスすることができる。
検討されている例では、アプリケーションの「生成物」ページは、以下の要素を含む。
- 0~1414のコードステップ単位での各生成物の値の選択。各単位は、2.33μlの、生
成物の供給体積に対応し、これは、この例におけるディスペンサーが供給できる最小量である。このページが表示されると、このページにおける生成物の値がディスペンサーにリアルタイムで送信される。ページがもはや表示されなくなるとすぐに、ディスペンサーに送られる値は、三角形を含むメインページの値となる。
- 45個の値ごとにリアルタイムでリフレッシュされるA、B、およびCについてのモータートルクの表示。
【2222】
生成物が供給されるモードは、設定ページにおいて選択される選択肢に従う反復処方量モードまたは直接処方量モードである。
【2223】
「お気に入り」ページは、構成をファイルに保存するのを可能にする。「お気に入り」ページは、検討されている例では、デフォルトファイルに加えて、10個のファイル、つまり「構成1」~「構成10」へのアクセスを可能にする。これらのファイルは、たとえば、
以下のパラメータを記録する。
- 生成物A、B、およびCの割合、
- パージ体積、
- 処方量体積、
- 高流量、中流量、または低流量、
- 処方量モード、パージモード、または連続モード、
- 連続分配または反復分配。
【2224】
実施例(本発明の第7の態様)
いくつかのベース生成物が生成される(割合は質量による)。
【2225】
ベース生成物F1およびF2は、フィラーの含有量が多い(かつ色が異なる)。処方物F3は、真珠層(オキシ塩化ビスマス)の含有量が多い。
【2226】
【表8A】
【2227】
【表8B】
【2228】
【表8C】
【2229】
手順
相Aの構成成分を主ビーカーに秤量し、Moritzブレンダー(1000rpm)を用いて室温を維持しながら撹拌する。相Bを、顔料およびシクロペンタシロキサンの混合物を三本ロールミ
ルで3回粉砕することによって、個別に調製する。次いで、この相Bを、撹拌を続けながらフィラー(相C)と一緒に添加する。
【2230】
水性相Dをまた、ブチレングリコール、硫酸マグネシウム、水素化マルトース溶液、お
よび水をビーカーに秤量することによって、室温で個別に調製する。水性相Dを、均質化
されるまで磁気撹拌子を用いて撹拌する。C D Eエマルジョンを、室温で生成する:撹拌速度(Moritzブレンダー)を4000rpmまで徐々に高くしながら、水性相Dを脂肪相中に注ぎ入れる。撹拌を7分間続ける。最後に、相E(エチルアルコール)を、5分の乳化のうちの最後の3分間で添加する。
【2231】
試験
システムを以下の構成によって試験した。
・コンパートメントAにF1を収容
・コンパートメントBにF2を収容
・コンパートメントCにF3を収容
M1(分配される混合物中の割合は体積に関する) A 30%、B 20%、C 50%
M2: A 30%、B 50%、C 20%
M3: A 30%、B 30%、C 40%
混合物M1、M2、M3を、顔の様々な領域に塗布する。様々な色が得られ、かつ様々なマット感/ツヤ感が得られる。
【2232】
G)使用者の皮膚の状態に応じて使用者のファンデーションをカスタマイズするためのシステム
本発明は、特にメイクアップ生成物を分配するための方法およびシステムに関する。
【2233】
多くの使用者が、メイクアップによって自分のアピアランス、特に自分の顔を向上させることを望む。
【2234】
これらの使用者が上記のことを望む理由には2つの種類がある。
- シミ、しわ、または毛穴などの特定の欠点を隠すこと、
- 色を変化させることによって顔の見た目を向上させること。
【2235】
これらの様々なケースにおける作業は、着色物質を供給することと、皮膚または皮膚のある領域を着色物質でカバーすることとを含む。
【2236】
魅力的な効果を得るために、使用者は着色物質を正しく選択する必要がある。
【2237】
上記で示したケースのうちの第1のケースにおける作業は、顔が全範囲の色を含むために複雑になる場合がある。
【2238】
したがって、加えられる色を周囲の皮膚の自然な色と一致させることによって、顔の数か所の領域だけをカバーすることを望む場合、顔の各々の領域に合う色を見つけ出す必要があり、この作業は、生成物のカバレッジおよび塗布される層の厚さが、下にある皮膚の色と表面の状態または皮膚の脂っぽさと相まって結果に影響を及ぼす場合があるので、一層難しいものになる。
【2239】
これらの問題を認識して、自分の顔の欠点を隠そうとする使用者には、顔全体をカバーするという習慣がある。この場合、顔の領域に応じた着色物質を選択するという問題が回避される。
【2240】
しかしながら、この場合にもたらされる均一性のため、結果として顔の自然なアピアランスが損なわれることになる。
【2241】
第2の場合でも、作業は、顔のアピアランスに最も合う着色物質を見つけ出すことが難しいため、簡単ではない。具体的には、特に使用者の自然なカラーリングと異なる大胆な色を探す場合、使用者の顔の色を見出すことは難しい。一部の使用者は、日焼けした肌の色または異なるカラーリングの他のシェードを選択しようとするが、その色が自分に合わないという恐れから実際には選択しない。選択した場合は、あきらめ、失望することが多い。結果に失望しないときは、使用者はもはや色をあえて変えようとしない。
【2242】
同じことが、唇、頬、およびまぶたに塗布されるメイクアップに当てはまる。
【2243】
使用者は、時間、天候、または季節に応じるだけでなく、顔の上の位置にも応じて自分のメイクアップの品質、耐久性、および快適さを変更できる必要もある。通常、フィラー含有量が多い生成物を使用することによって、メイクアップは、比較的脂っぽい領域に適したものになり、そのような領域に1日中マット感を与える。しかし、この解決策は、皮
膚の他の領域では不快感の問題を生じさせ得、乾燥した領域では魅力のないメイクアップ結果をもたらす傾向があるので、不十分である。グリコール、たとえばグリセロールなどの保湿剤の含有量が多い組成を使用すると、最も乾燥した領域を含む顔全体をメイクアップすることが可能になる。しかし、この解決策は、顔の他の領域にはそれほど満足行くも
のではない。鼻の周りの領域の例が典型的な例である。鼻の下の領域は乾燥することが多く、したがって、保湿剤を含有する処方物を塗布する必要がある。そこから数センチメートル離れた鼻の側部は、脂っぽくなることが多く、保湿剤の塗布にはそれほど適さず、テカリおよび不快感をもたらし、したがって、1日中マット感を与えるためにフィラーを含
有する処方物を塗布する必要がある。
【2244】
天候の変化(日々の変化および1年の間の変化)によって問題が複雑になる。
【2245】
この問題を解決するにあたって、考えられる最も単純な解決策が追求される。
【2246】
さらに、生成物の色またはカバレッジを調節できることが望ましい。
【2247】
これによって状況は複雑になる。
【2248】
色および/またはカバレッジが異なるいくつかの生成物を使用することが可能であるが
、これらの生成物は概して、メイクアップの快適さおよび品質のレベルが適切ではない。したがって、単一の領域に快適さが十分に適合されないことに起因してその領域に不快感が生じる場合でも、問題になるのは全体としての快適さであり、場合によってはメイクアップが断念される。同様に、単一の領域にメイクアップの品質が十分に適合されないことに起因してその領域においてメイクアップの品質に欠陥がある場合、問題になるのは全体としてのメイクアップの品質であり、場合によってはメイクアップが断念される。
【2249】
快適さおよびメイクアップの品質に関して問題を生じさせずに、同一の顔に適用され得る色およびカバーリングレベルの全範囲に対処するための解決策が必要である。
【2250】
これらの問題を解決するための解決策は非常に少ない。
【2251】
第1の手法は、数多くの生成物を購入し、それらすべてを試すことである。この手法は費用がかかり、一般に、試された少数の着色物質だけが保持される限り、しばしば無駄を生じさせる。
【2252】
第2の手法は、店舗において様々な生成物を試すことである。このことは、短時間でかつ普段の目印がない場所において結果に関する感想を得ることが非常に難しいので、常に適切であるとは限らない。具体的には、メイクアップの効果を店舗で完全に評価するためには、将来の使用条件で得られるのと同じ照明を有することが可能である必要があり、これは、ほぼ不可能なことである。概して、結果および快適さに関して適切であるかどうかを判定できるようにするには、1日中ずっとメイクアップを試してみる以外にない。さら
に、店舗によってはアドバイザーがいてメイクアップを試してみることが可能であるが、他の多くの店舗およびインターネット販売ではそうではない。
【2253】
別の手法が試験されているが、開発されていない。これは、いくつかの着色生成物を混ぜることによって使用者の生成物を手作業で生成する手法である。この手法は、何回にもわたって同じ混合物を正確に再生成することがあまり簡単ではなく、メイクアップを施すときに必要とする混合物を素早く生成することがうまくできないため、実施するのが比較的困難である場合がある。
【2254】
可変色の化粧組成物を分配するためのディスペンサーも知られている。
【2255】
カスタマイズされた化粧組成物の製造の自動化に関して実施できた試験のうちの多くでは、提案された解決策によって、混合物を約100gまたは場合によってはそれよりも少ない
量だけ生成することが可能になるが、メイクアップを施す使用者によって一般的に必要とされる非常に少ない割合、つまり、1グラムまたはそれよりもずっと少ない程度の量だけ
生成することはできない。
【2256】
この問題を例示するために、使用者が自分の顔における1cm2の程度の2つの欠点を隠すことを望むケースについて考える。第1の領域について、対応する混合物を見つけ、次に、混合物を非常に少ない量、たとえば約10mgだけ塗布する必要がある。第2の領域について、ディスペンサーの設定を変え、次に再び、非常に少ない量の混合物を塗布する必要がある。
【2257】
そのため、非常に多くの使用者にとって、最良の結果を生み出すことになる着色物質を選択することは、依然として困難である。
【2258】
そのため、消費者の期待を満たし、この消費者が、信頼できる条件の下で様々な量の混合物をより容易に生成するのを可能にするメイクアップ生成物を探求する必要がある。
【2259】
したがって、本発明は、本発明の特定の態様により、顔をメイクアップするのをより容易にすることを追求し、特に、メイクアップの快適さおよび品質の観点から顔の様々な領域に最も適合された生成物を見出すのをより容易にすることを追求する。
【2260】
また、可変色の生成物を分配するための分配システムを改良し、特に、システムをより使いやすくし、かつメイクアップの品質を向上させる必要がある。
【2261】
皮膚の状態に適した材料含量として選択された材料含量を有するいくつかの生成物を同じ顔に塗布する必要もある。
【2262】
具体的には、顔には、より大きい範囲のシミまたはより小さい範囲のシミがあり、したがって、それぞれに異なるコンシーリング強度を必要とする領域がある場合がある。したがって、領域の特性に対してメイクアップの快適さおよび品質を最適化するために様々な種類の材料を含む処方物を生成するための手段を有することができると有利である。
【2263】
したがって、特に、領域の特性に対してメイクアップの快適さおよび品質を最適化するために材料を調節しつつ、可変色の生成物を供給するための分配システムを改良する必要がある。
【2264】
本発明の第8の態様によれば、本発明は、ベース生成物から混合物を生成するのを可能にする分配システムに基づく。これらのベース生成物はそれぞれに異なる色を有してもよく、そのため混合物の色は変化させることができる。ベース生成物は、場合によっては、混合物中のフィラーおよび保湿剤の割合を変化させることを可能にする場合があり、それによって、混合物をヒトケラチン物質に塗布することによって生じるメイクアップの快適さおよび品質が、前記物質の快適さおよび品質にかなり近くなるように変化する。ベース生成物はまた、色およびカバレッジを変化させてもよい。したがって、色の概念は、広義に理解されるものであり、カバレッジレベルの変化および下にある皮膚の色の変化の結果として塗布の後に色が変化する混合物を包含する。
【2265】
本発明の態様のうちの第8の態様によれば、本発明の主題は、生成物を分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、保湿剤を含み、第2のベース生成物が、フィラーを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能
にするシステムである。
【2266】
この第8の態様によれば、本発明は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有してもよい。
- 保湿剤は、ポリオール、尿素および特にヒドロキシアルキル尿素、特にヒドロキシ
エチル尿素などのこれらの誘導体、ヒアルロン酸、グリシン、β-アラニン、タウリン、
トリメチルグリシン、ならびにそれらの混合物から選択され、好ましくは、エチレングリコールなどのポリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物から選択され、より好ましくはプロピレングリコールおよびグリセロールから選択される、
- フィラーの粒子の体積による粒子サイズD50は、100nmから1mmの間、より良好には1
ミクロンから100ミクロンの間、さらにより良好には2ミクロンから50ミクロンの間である、
- フィラーは、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポ
リエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アク
リロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロスフィア、アクリル酸コポリマーミクロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィアおよびガラスまたはセラミックマイクロカプセル、中空球体の一部の形態である粒子、およびそれらの混合物から選択してもよく、好ましくは、タルク、マイカ、シリカ、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、およびそれらの混合物から選択され、さらにより好ましくはタルクである、
- フィラーは、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有
していてもよい、
- 第1のベース生成物および第2のベース生成物は、逆エマルジョンを含む、
- 第2のベース生成物中のフィラーの質量含量は、第2の生成物の質量に対して0.5質量%以上、好ましくは第2の生成物の質量に対して1質量%超である、
- 分配システムは、第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備えている、
- カートリッジは、取り外し可能な様式でディスペンサー中に収容されている、
- 各生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから排出され、出口通
路は、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される。
【2267】
本発明のこの第8の態様によれば、本発明の主題は、化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布する方法であって、処置すべき領
域に応じてディスペンサーを設定することと、ディスペンサーの設定に対応する割合でベース生成物をカートリッジから取り出すことによって生成物を分配することとを含む方法でもある。
【2268】
本発明の第8の態様によれば、本発明は、少なくとも2つの異なる処方物を収容するコンパートメントを有する分配システムに基づく。コンパートメントは、一方の逆エマルジョンが濃縮されたフィラーを含み、他方の逆エマルジョンがグリコール、たとえばグリセロールなどの濃縮された保湿剤を含む、それぞれに異なる逆エマルジョンを収容してもよい。
【2269】
システムは、顔の上の位置ごとに、マット感、色、カバレッジ、および快適さに関して
最良の混合物(フィラーの含有量が多すぎることも少なすぎることもなく、保湿剤の含有
量が多すぎることも少なすぎることもない)を供給するようにプログラムされてもよい。
システムはまた、時間の状態あるいは現在または将来の天候の状態に応じてフィラーおよび保湿剤のレベルを変化させるのに使用されてもよい(たとえば冬には保湿剤がより多く
、夏にはフィラーがより多く含まれる)。
【2270】
分配システム
分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【2271】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【2272】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【2273】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【2274】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【2275】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【2276】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【2277】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【2278】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【2279】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除
される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【2280】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【2281】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【2282】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【2283】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【2284】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【2285】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【2286】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【2287】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによってディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【2288】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよ
い。
【2289】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【2290】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【2291】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【2292】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【2293】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【2294】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【2295】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【2296】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【2297】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【2298】
したがって、ディスペンサーは、フィラーおよび保湿剤の割合が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【2299】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【2300】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【2301】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【2302】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【2303】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【2304】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【2305】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【2306】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【2307】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【2308】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【2309】
本発明の第8の態様によれば、本発明は、少なくとも2つの異なる処方物を収容するコンパートメントを有する分配システムに基づく。コンパートメントはそれぞれに異なる逆エマルジョンを収容し得る。一方の逆エマルジョンは、濃縮されたフィラーを含み、他方の逆エマルジョンは、濃縮された保湿剤を含む。
【2310】
フィラー
これらのフィラーは、任意の形態の無色または白色固体粒子であり、組成物の媒体中に不溶であり、かつその媒体中に分散されている形態である。
【2311】
これらのフィラーの例示としては、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末(テフロン(登録商標))、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロス
フィア、たとえばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマーミク
ロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ(たとえば、東芝製のTospearls(登録商標))
、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィア、およびガラスまたはセラミックマイクロカプセルが挙げられてもよい。また、特許出願JP-2003128788およびJP-2000191789に記載されているような、中空球体の一部の形態である粒子も使用することができる。
【2312】
フィラーは、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有していてもよい。
【2313】
フィラーは、真珠層または酸化鉄などの、組成物に色を与える有色顔料以外のものである。
【2314】
保湿剤
「保湿剤」は、本発明によれば、角質層へ浸透しかつのちに保湿を維持することができる任意の化合物であると理解される。
【2315】
本発明に従って使用可能である保湿剤は、特に、ポリオール、尿素および特にヒドロキシアルキル尿素、特にAkzo Nobel社によってHydrovance(登録商標)の商品名で販売されている生成物などのヒドロキシエチル尿素などのその誘導体、ヒアルロン酸、グリシン、β-アラニン、タウリン、トリメチルグリシン、ならびにそれらの混合物から選択される。
【2316】
本発明の意味の範囲内で、「ポリオール」は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子であると理解される。
【2317】
1つの特定の形態によれば、ポリオールは、トレハロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、およびそれらの混合物などの糖から選択してもよい。
【2318】
好ましくは、本発明によるポリオールは、室温で液体の形態で存在する。
【2319】
本発明における使用に好適であるポリオールは、直鎖状、分岐鎖状または環状であり、飽和または不飽和のアルキル型であり、アルキル鎖に少なくとも2個の-OH官能、詳細には少なくとも3個の-OH官能、より詳細には少なくとも4個の-OH官能を有する化合物であり得る。
【2320】
本発明による組成物を配合するのに有利に好適であるポリオールは、特に2~32個の炭
素原子、好ましくは3~16個の炭素原子を含むものである。
【2321】
有利には、ポリオールは、たとえば、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、グリセロールオリゴマーなどのポリグリセロール、たとえばジグリセロール、およびポリエチレングリコール、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【2322】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ポリオールは、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物から選択される。
【2323】
特定の様式によれば、本発明の組成物は、少なくともプロピレングリコールおよび/ま
たはグリセロールを含んでいてもよい。
【2324】
逆エマルジョン/無水組成物
本発明によれば、組成物が逆エマルジョンの形態であると考えられるときに、当該組成物に応じて代わりに他の形態になることもできることは理解されるであろう。
【2325】
ベース生成物は、エマルジョン、たとえば、O/W、W/O、O/W/OもしくはW/O/Wエマルジョン、好ましくはW/O逆エマルジョンの形態、または特に炭化水素系油および/もしくはシリコーン油などの炭素系化合物および/もしくはシリコーン化合物を含む無水組成物の形態
であってもよい。
【2326】
本発明の第8の態様によるエマルジョンは、好ましくは油中水(W/O)エマルジョンであ
り、逆エマルジョンとしても知られており、すなわち水性相が液滴の形態で分散されている油性連続相より構成され、その結果、肉眼で巨視的に均質な混合物が観察される。
【2327】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域のみを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【2328】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【2329】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、色と、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、高いカバー力を有し、顔全体に塗布するにはカバー力が高すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわから
ないほどのアピアランスのメイクアップを得ることが可能である。
【2330】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にし得る。
【2331】
分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【2332】
分配システムはまた、1つまたは複数のシミを隠し、一方生成物をその領域に対する最良の快適さおよびメイクアップの最良の品質に適合させるために使用されてもよい。
【2333】
特に有利な変形形態では、システムは、コンシーリング効果のほとんどない処方物を顔のベースに塗布し、次に、コンシーリング効果のより高い処方物を顔の正確な領域に1回
または2回塗布するのに使用されてもよく、この場合、常に領域ごとに最良の快適さおよ
びメイクアップの最良の品質がもたらされる。まず顔の正確な領域にコンシーリング処方物を塗布し、次によりコンシーリング効果の低い処方物を顔のベースに塗布することも可能である。
【2334】
第2のケースでは、第2の層が第1の層を剥がさないように、第2の層を塗布する前に時間をおき、正確な領域への塗布によって生成された膜が十分に凝集するのを待つ。
【2335】
代替的には、第2の層はすり込まれずに塗布される(たとえば、スプレーまたはスポン
ジ)。
【2336】
使用者が顔のある領域に塗布するための色を探すときに、各々の領域に最も合う色を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、この色と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【2337】
分配システムは、塗布ごとに色を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の唇をメイクアップしてもよい。この手法は、まぶたまたはまつ毛にも適しており、また、使用者はファンデーションの色を変えたくなることもあるので、顔のメイクアップにも適している。たとえば、使用者は、平日には薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いタンカラーのファンデーションの色を用いるか、あるいは、目のメイクアップとして日ごとに色を変えてもよい。同様に、各領域に対して最良の快適さおよびメイクアップの最良の品質が得られるようにフィラーおよび保湿剤の割合が変更される。
【2338】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色を変化させることができるように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で(大ざっぱに言えば)色を選択する際に指導し、かつフィラーおよび保湿剤の割合を選択する際に指導する。
【2339】
同じ顔における色のバランスをとり、全体的なメイクアップの見た目を良くすることに寄与するための支援システムがさらに設けられてもよく、この場合、常に領域ごとに理想的なメイクアップ結果および快適さがもたらされ、したがって、顔全体に対して最適なメイクアップ結果および快適さがもたらされる。
【2340】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【2341】
段階的な保湿/ツヤ消し効果によるメイクアップのための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の保湿/ツヤ消し効果C1と、処置される別の領域の保湿/ツヤ消し効果C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先に保湿/ツヤ消し効果C1が必要であることと、頬に保湿/ツヤ消し効果C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの点の間の処置を実行するために、混合物を供給しつつ混合物の処方を変更してもよい。これによって、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠し、一方、それぞれに異なる状態を有する皮膚の各領域がカバーされる場合でも、最終結果が快適なものになり、かつメイクアップが高品質になることを確実にすることも可能である。分配システムはまた、使用者が、開始保湿/ツヤ消し効果および/または終了保湿/ツヤ消し効果を前もって設定することなく、分配される混合物の保湿/ツヤ消し効果の変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生じさせる必要がある保湿/ツヤ消し効果C1および保湿/ツヤ消し効果C2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【2342】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【2343】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【2344】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【2345】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【2346】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【2347】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に
硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【2348】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【2349】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。
【2350】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【2351】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【2352】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【2353】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【2354】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【2355】
様々なカバレッジを有する生成物は、皮膚のそれぞれに異なる状態に適したそれぞれに異なる保湿/ツヤ消し効果を示す。
【2356】
カラーパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を有してもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【2357】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【2358】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【2359】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【2360】
パレット内の生成物は、それぞれに異なる保湿/ツヤ消し効果を示してもよい。
【2361】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【2362】
したがって、分配システムは、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有し、カップは、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定されることが好ましい。
【2363】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【2364】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【2365】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【2366】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【2367】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【2368】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【2369】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【2370】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【2371】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【2372】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【2373】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受け
ることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、着色物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域をメイクアップす
ることを目的としたいくつかの異なる保湿/ツヤ消し混合物の調製を可能にする場合があ
る。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【2374】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【2375】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【2376】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【2377】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【2378】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【2379】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップのサイズおよび形状は、混合物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【2380】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【2381】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【2382】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【2383】
各生成物は、それぞれに異なるカバレッジを有し、同等のマット感/ツヤ感効果を有す
る。
【2384】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【2385】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【2386】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【2387】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【2388】
本発明の1つの主題は、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有する分配システムであって、このインターフェースが、好ましくは混合物をキャビティ内に供給する静的ブレンダーを有し、キャビティにおいて混合物を取り出すことができる分配システムである。
【2389】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【2390】
本発明のこの態様によれば、いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【2391】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【2392】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において閉鎖されてもよい。
【2393】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【2394】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【2395】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【2396】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【2397】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色または保湿/
ツヤ消し効果をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【2398】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、ベース生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、この出口通路が、ディスペンサーの外側に開放し、または、ディスペンサーの外面の近くで開放するシステムである。
【2399】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【2400】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【2401】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【2402】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【2403】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【2404】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【2405】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【2406】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【2407】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛などの様々な領域をメイクアップすることができる必要がある。
【2408】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップ生成物のディスペンサーと、各出口インターフェースが、ディスペンサーに取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを備える組立体を備える分配システムであり、ディスペンサーによって供給される1つまたは複数の生成物を受け入れることができるこれらの出口インターフェースは、好ましくは、以下の中から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【2409】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【2410】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【2411】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【2412】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【2413】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【2414】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【2415】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、保湿/ツヤ消し効果を領域でインデックス付
けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【2416】
使用者が、すべての領域についていくつかのレベルの保湿/ツヤ消し効果と単一の色お
よび/またはカバレッジとを必要とする場合がある。
【2417】
いくつかのレベルのカバレッジを必要とするとともに、顔のある部分にはあるレベルの保湿/ツヤ消し効果を必要とし、別の領域には別のレベルの保湿/ツヤ消し効果を必要とする場合もある。たとえば、使用者は、額にいくつかのシミがあり、頬にいくつかのシミがある。したがって、使用者は、額についてはいくつかのレベルのカバレッジを設け、この表面については所与のレベルの保湿/ツヤ消し効果を付与することを望む場合がある。使
用者は、頬についてはいくつかのレベルのカバレッジを設け、この表面については1つのレベルの保湿/ツヤ消し効果を付与することを望む場合がある。
【2418】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【2419】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。
【2420】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【2421】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な保湿/ツ
ヤ消し効果を示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すこと
ができる。
【2422】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ保湿/ツヤ消し効果の使用が適切であ
る顔の他の領域を示してもよい。
【2423】
操作者は、マップを作成する場合、保湿/ツヤ消し効果を適用し、次いで評価する。
【2424】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【2425】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その保湿/ツヤ消し効果が適している顔の領域を探す必
要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適する顔の領域に混合物が関連付けられる。
【2426】
本発明の主題は、可変保湿/ツヤ消し効果の混合物を分配するためのディスペンサーと
、保湿/ツヤ消し効果を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備え
る分配システム用の学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの保湿/ツ
ヤ消し効果を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された保湿/ツヤ消し効果を有する少なくとも
1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスでもある。
【2427】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【2428】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【2429】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【2430】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【2431】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【2432】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【2433】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【2434】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【2435】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【2436】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【2437】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【2438】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【2439】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【2440】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の保湿/ツヤ消し効果を提案してもよい。
【2441】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、保湿/ツヤ消し効果と、こ
の保湿/ツヤ消し効果の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【2442】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【2443】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの保湿/ツヤ消し効果を提案するように設計されても
よい。
【2444】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された保湿/ツ
ヤ消し効果に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されてもよい。
【2445】
ディスペンサーは、ステップb)において、保湿/ツヤ消し効果が異なる少なくとも2
つの混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【2446】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【2447】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いるメイクアップの方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、
関連するゾーンをメイクアップするための提案された保湿/ツヤ消し効果を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された保湿/ツヤ消し効果が使用者によって
確認された場合、提案された保湿/ツヤ消し効果の混合物を生成するようにディスペンサ
ーを動作させる方法である。
【2448】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【2449】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの保湿/ツヤ消し効果および/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された保湿/ツヤ消し効果の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物の保
湿/ツヤ消し効果と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするの
を可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【2450】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの保湿/ツヤ消し効果および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された保湿/ツヤ消し効果が使用者によって確認された場合、提案された保湿/ツヤ消し効果の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させることとを行わ
せるのを可能にする。
【2451】
使用者は、使用者が望むマット感/ツヤ感のレベルを顔の各領域についてマップに組み
込むか、あるいは領域ごとまたは領域のセットごとにマップに組み込んでもよい。その場合、システムは、望ましい保湿/ツヤ消し効果およびカバレッジならびに必要なマット感/ツヤ感を確保するために生成する必要がある混合物を解釈する。
【2452】
マップはその後修正されてもよい。したがって、最初に色に関してマップを作成し、その後保湿/ツヤ消し効果のレベルを定義することによってマップを修正することが可能で
ある。
【2453】
遠隔支援
使用者がメイクアップを施す際に使用者を支援し、特に使用者が正しいカラーリングを選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【2454】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、メイクアップを施す方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の保湿/ツヤ消し効果を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む方法である。
【2455】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の保湿/ツヤ消し効果を変更
し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように保湿/ツヤ消し効果を適合させる
ようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【2456】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【2457】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【2458】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【2459】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の保湿/ツヤ消し効果を正確に決定することが可能になる場合がある。
【2460】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【2461】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさせてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、保湿/ツヤ消し効果を見分けるのが困難である
人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【2462】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の保湿/ツヤ消し効果の選択の制
御をより容易にする必要がある。
【2463】
本発明のさらなる主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを有する分配システムであって、このコンピュータシステムが、混合物の保湿/ツヤ消し効果を表示することができるタッチスクリーンと、分配される混合物
の保湿/ツヤ消し効果を変化させるために画面上で移動可能な選択手段とを有する分配シ
ステムである。
【2464】
好ましくは、画面は保湿/ツヤ消し効果のエンドポイントを表示し、これらのエンドポ
イント同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の保湿/ツヤ消し効果を選択
することができる。
【2465】
画面は、少なくとも2つのレベルの間の保湿/ツヤ消し効果のスケール、または、特に
三角形の輪郭の領域を表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の保湿/ツヤ消し効果を局所的に示してもよい。
【2466】
コンピュータシステムは、所望の保湿/ツヤ消し効果の混合物をもたらすベース生成物
の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【2467】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【2468】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【2469】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【2470】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【2471】
本発明の主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する組立体でもある。
【2472】
ディスペンサーは、保湿/ツヤ消し効果が異なるメイクアップ生成物を収容する3つの
カートリッジを有してもよい。
【2473】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【2474】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【2475】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【2476】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【2477】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に保湿/ツヤ消し効果を調節できるようにするために、カメ
ラ、および/または、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【2478】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【2479】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【2480】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物の保湿/ツヤ消し効果を変化さ
せるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【2481】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【2482】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【2483】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【2484】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【2485】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【2486】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【2487】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【2488】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【2489】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【2490】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステ
ムを有してもよい。
【2491】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【2492】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【2493】
本発明の第8の態様による本発明を実施するのに適した分配システムの例は、上述の図に示されており、したがって、これらの図のすべてについてが再度詳述されるわけではない。
【2494】
図29は、実質的に顔の様々な領域のように空間が配設された支持体を示しており、各々の空間は、保湿/ツヤ消し効果が顔の対応する部分に適した混合物を収容してもよい。
したがって、使用者は、所与の空間から取り出された混合物をどこに塗布するかを知ることが容易である。
【2495】
ディスペンサー11は、処方が時間とともに変化する混合物を分配するために使用でき、かつ、ディスペンサーに対して移動できる容器内に混合物を回収するために使用でき、それによって時間とともに変わる容器の位置に混合物が堆積され、段階的な効果が実現される。
【2496】
たとえば、図29Aおよび図29Bに示しているように、分配システムは、ディスペンサーに対して固定された部分を有する出口インターフェース110と、混合物を受け入れる
ための空間253を有する可動部252とを有する。
【2497】
たとえば、ディスペンサー11は、この場合、カートリッジの出口オリフィスが下向きである状態で配置され、ブレンダーを備えており、それによって、混合物は、それ自体の重量の下で空間253内に落ちる。モーターは、出口インターフェースの可動部品を、ディス
ペンサーに対して、混合部の特性における変化と同期するように移動させてもよく、そのため、段階的な効果が、図29Bに示しているように、空間253全体に沿って得られる。
【2498】
分配システムは、ディスペンサーヘッドを下に維持するスタンド254を有してもよい。
【2499】
出口インターフェース110は、特にはカップを備えるとき、ベース生成物を混ぜ合わせ
る静的ブレンダーを有してもよい。
【2500】
図17図21は、このような静的ブレンダーを有する出口インターフェース110を示
している。
【2501】
この出口インターフェース110は、ディスペンサー11のハウジングに固定され、外部管
状直立部270を有する外部本体260を有してもよい。
【2502】
本体260は、様々なベース生成物を通すための通路261を有する。これらの通路261は、
内部管状直立部263によって画定された中央チャンバ262内に開放している。
【2503】
この直立部263は、直立部263を貫通するとともに、内部直立部263と外部直立部270との間で環状の空間265内に開放している開口264を有する。
【2504】
図31図37は、使用者が様々なベース生成物を計量して分配することによって得られる混合物の保湿/ツヤ消し効果を選択するのを可能にするタッチセンシティブインター
フェースの様々な例を示している。
【2505】
このインターフェースは、図31に示しているように、たとえば三角形の形態の保湿/
ツヤ消し効果選択領域を有してもよく、その三角形の頂点は、カートリッジに収容されたベース生成物の各々の保湿/ツヤ消し効果に対応している。
【2506】
使用者は、三角形の頂点A、B、およびCに対して、たとえばボールの形態のカーソル300を移動できる。
【2507】
カーソル300を頂点のうちの1つに近づければ近づけるほど、対応するベース生成物の
割合が、分配される様々な生成物の全体の量に対して大きくなる。
【2508】
全体の量に対する各々の生成物の割合は、インターフェース上の数値によって、301の
所に示されてもよい。
【2509】
インターフェースは、たとえばベース生成物の各々の量の厳密な調整を可能にする制御ボタン302を操作することによって、使用者が生成物の各々の量を増分または減少させる
のを可能にしてもよい。
【2510】
三角形310の表面は、各点における混合物の保湿/ツヤ消し効果を示すように局所的に変化する保湿/ツヤ消し効果を有してもよく、混合物の保湿/ツヤ消し効果は、その点での相対座標に対応する割合で様々なベース生成物を重み付けすることによって得られる。
【2511】
インターフェースは、ディスペンサーをパージするように分配された生成物の体積を調整するための特定のメニューへのアクセスを可能にするボタン305を有してもよい。
【2512】
インターフェースは、有利にはまた、流量を調整するための特定のメニューに戻るボタン304および306を用いて生成物の流量を調整するのを可能にしてもよい。
【2513】
検討されている例では、インターフェースは、使用者が制御ボタン12を押している限り生成物が分配される、ボタン304を用いる連続分配モードとの間の選択を可能にする。
【2514】
対応する処方量をインターフェースに送信して表示することができる。
【2515】
ボタン306は、ボタン12が短時間押されただけでも規定の処方量の分配をトリガする処
方量の動作モードの選択を可能にする。
【2516】
流量を変化させるために、ディスペンサーは、たとえば、モーターの動作デューティサイクルに作用する。
【2517】
インターフェースは、お気に入りへのアクセスを可能にするメニュー307を用いて、使
用者が、自分が好む設定をプログラムまたは記憶するのを可能にするように設計されてもよい。
【2518】
図32に示したタッチセンシティブインターフェースは、ディスペンサー11に収容され
ているベース生成物のうちの1つの保湿/ツヤ消し効果に各々が対応する3つのカラーリ
ングされた領域400と、得られる混合物の保湿/ツヤ消し効果を示す中央領域410とを画面
上に示す。
【2519】
ベース生成物の各々の相対量は、たとえば、領域400の各々を中心領域410に結合する線に沿って移動するカーソル415を用いて調整することができる。
【2520】
インターフェースの使用の間、インターフェースは、所与の設定を記憶し、混合物の保湿/ツヤ消し効果のボタン420を画面上に表示させてもよい。したがって、使用者は、このボタン420を押すだけで、対応する保湿/ツヤ消し効果の混合物を分配することができる。
【2521】
図34の例では、インターフェースは、領域500において、所与のシェードを表示し、
各々が対応するベース生成物の保湿/ツヤ消し効果用のボタンである制御ボタン510によって、最終的な混合物におけるこのベース生成物の割合を増加または減少させるための機会を使用者に提供する。領域500の保湿/ツヤ消し効果は、制御ボタン510に対するアクショ
ンに応じて再計算される。
【2522】
図35における変形形態では、インターフェースは、様々なベース生成物の特定の割合に各々1つが対応するいくつかの領域530を有するカラーチャートを示している。
【2523】
使用者は、たとえば自分の指でこれらの領域のうちの1つを押すことによって、その領域を選択してもよい。
【2524】
インターフェースは、その選択された保湿/ツヤ消し効果を、領域535においてより大きいスケールに表示するように設計されてもよい。ディスペンサー11をこの保湿/ツヤ消し
効果を分配するようにプログラミングすることは、たとえば、領域を押すことによってトリガされる。
【2525】
図36の例では、使用者は、カーソル555を連続的な保湿/ツヤ消し効果チャート550上
を移動させ、選択された保湿/ツヤ消し効果を領域558に表示させてもよい。
【2526】
その場合、使用者は、たとえば領域556を押すことによって、ディスペンサーに選択さ
れた保湿/ツヤ消し効果における生成物を分配させるための必要な命令をディスペンサー11に送ることをトリガすることができる。
【2527】
図37から明らかなように、インターフェースは、選択された様々なシェードを記憶することができ、使用者が、すでに選択されたことがあるシェードを、対応するボタン560
を押すことによって非常に簡単に再び選択するのを可能にするように、それらのシェードを画面上に表示することができる。
【2528】
図38は、好ましくは上記で説明したようなディスペンサーと、インターフェースが属するコンピュータシステム100とを備える分配システムのユーザインターフェース1000の
例を示している。
【2529】
ここでは、コンピュータシステムは、たとえば、ラップトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなど、自律的に動作する装置、または、リモートサーバに接続された装置を備える。
【2530】
検討されている例では、インターフェース1000は、このような装置のタッチスクリーンによって画定される。図示されていない変形形態では、ディスペンサーは、タッチスクリ
ーンまたは任意の他の種類のマンマシンインターフェースを組み込んでおり、他の装置への接続なしで使用することができる。
【2531】
装置は、たとえば、前もってダウンロードされており、画面において、顔1035と、使用者が情報を入力するのを可能にする一連のボタンとを表示するアプリケーションを動作させる。
【2532】
顔は、触れることによって選択することのできるいくつかの領域Z1~Z6、たとえば額、鼻、頬、まぶた、下顎の先、および唇を備えてもよい。
【2533】
画面に存在するボタンは、たとえば、メイクアップの名前または使用者の名前を入力し、選択された領域を表示し、保湿/ツヤ消し効果を選択し、実施された試験の結果が許容
可能であるかどうかに関してコンピュータシステムに通知し、または場合によっては、図示しているように、以前に実施された試験に対する結果の評価に関する情報、つまり、たとえば、より良い、または「それほど良くない」を提供することを可能にし得る。画面はまた、選択された保湿/ツヤ消し効果および領域を、検討中の領域においてその保湿/ツヤ消し効果によって試験が実施された後に記憶するのを可能にするボタンを表示してもよい。
【2534】
保湿/ツヤ消し効果の選択は、たとえば、図36を参照して説明したスケールと同様の
保湿/ツヤ消し効果スケールによって行われる。
【2535】
コンピュータシステムは、試験の間に分配された混合物を再現するのを可能にするパラメータに顔の領域を関連付けるために、たとえばルックアップテーブルの形態でデータを記憶するように設計される。これらのパラメータには、たとえば、混合物におけるディスペンサーのベース生成物の各々の相対的な含有量、分配された量Qに加えて、たとえば、
領域の名前、混合物が分配された日付および/または任意の他の混合物識別子、ベース生
成物の識別子、一年のうちの時期、特に季節、使用者の年齢、使用者の性別、使用者の姓または名、メイクアップと関連付けられる出来事の名前、たとえば、特に誕生日、ならびに領域に適した生成物の量などの追加データがある。補助データは、使用者が、一年のうちのその時期に適していると考えられるメイクアップの見た目をより容易に再現するか、または、人生の出来事を思い出すか、または、若返りの効果をもたらすのを可能にすることができる。
【2536】
これらのデータは、コンピュータシステム100に記憶されてもよく、たとえば、前述の
装置内、および/もしくは、装置が通信しているリモートサーバ上、または代替で、ディ
スペンサー11に組み込まれた電子メモリ内に記憶されてもよい。
【2537】
したがって、本発明によれば、使用者は、ディスペンサーに第1の着色物質を供給させ、第1の着色物質を顔の第1の領域に塗布し、それが適するかどうかを判定してもよい。結果に満足できる場合、使用者はその結果を記録し、領域にインデックス付けし、結果に満足できない場合、使用者は、上記の動作を繰り返すために、新たな保湿/ツヤ消し効果
を指示してもよい。
【2538】
コンピュータシステムは、この文脈において、様々な方法で使用することができる。
【2539】
たとえば、図40に示しているように、使用者は、ステップ1010において、調整ボタン1012を移動させることによって、たとえば画面に表示された保湿/ツヤ消し効果スケール1011を用いて、試験すべき保湿/ツヤ消し効果を選択している。
【2540】
次に、選択された保湿/ツヤ消し効果は、ステップ1015においてディスペンサー11に送
信される。
【2541】
たとえば、装置は、分配されるベース生成物の各々の量を送信し、それに従って、電子回路81はモーターを動作させる働きをする。
【2542】
ステップ1016では、使用者はディスペンサー11の制御ボタン12を押し、これによって、たとえば、使用者によって選択された保湿/ツヤ消し効果で、混合物の処方量を分配させ
る。
【2543】
混合物は、たとえば、カップ115内に分配され、次に、ステップ1020において使用者に
よって取り出され、頬、または、インターフェース上で指示される任意の他の領域に塗布される。
【2544】
変形形態では、生成物は、エアブラシを用いて、または、前述したような任意の他の手段によって、塗布される。
【2545】
次に、使用者は、ステップ1022において、ボタン1021を用いて、コンピュータシステムに結果を通知する。
【2546】
結果が満足できるものであることを使用者が示す場合、システムは、たとえば、使用者が、ステップ1031において、試験のパラメータを記憶させるために、ボタンを用いてこれらのパラメータを検証することを提案する。
【2547】
使用者が結果を満足できるものと考えず、ボタン1032を用いてこのことを知らせる場合、それにもかかわらず、結果をステップ1034において自動的に保存することができる。
【2548】
したがって、各々の領域は、適切な保湿/ツヤ消し効果だけでなく、この領域に全く適
していない保湿/ツヤ消し効果でもインデックス付けすることができる。
【2549】
次に、使用者は、ステップ1010に戻ることによって、同じ領域に対してさらなる試験を実施することができる。
【2550】
使用者が結果に満足できる場合、使用者はまた、たとえば顔の異なる領域に対してさらなる試験を実行することを望む場合がある。
【2551】
適切な場合、使用者が満足できないとき、インターフェースは、対応するボタン1040および1041を用いて、結果が先の試験よりも良いと考えられるか、または、先の試験ほど良くないと考えられるかを使用者が示すことを提案してもよい。
【2552】
コンピュータシステムは、その場合に、使用者によって入力された情報に鑑みて、次にどの保湿/ツヤ消し効果を試験するかに関して、提案を自動的に行うことができるかどう
かを判定するように設計されてもよい。
【2553】
適切な場合、コンピュータが、実施された試験と、使用者または使用者を支援する専門家がこれらの試験をどのように評価したかとに鑑みて、保湿/ツヤ消し効果を提案する際
に、コンピュータシステムを支援するために、質問事項が表示されてもよい。
【2554】
たとえば、保湿/ツヤ消し効果が「適切でない」と見なされた場合、システムは、追加
情報、たとえば「過度に脂っぽい」または「過度に乾燥している」を使用者から受信する
場合があり、このことは、システムが、使用者の期待によりうまく適合する新しい保湿/
ツヤ消し効果を提案する際に、システムを支援する。
【2555】
コンピュータシステムが、結果を先の試験と比較する情報、たとえば「より良い」または「それほど良くない」を受信することができ、そこからシステムが新たな保湿/ツヤ消
し効果としてどんな保湿/ツヤ消し効果を提案すべきかを推定できれば有利である場合が
ある。
【2556】
別の選択肢は、コンピュータシステムが、目標との比較に関する比較情報、たとえば「ほとんど理想的なものである」を受信することができ、そこから、システムが、その保湿/ツヤ消し効果の修正を自動的に調整することができることである。
【2557】
この具体的な例では、システムは、所望の結果がほとんど達成されたという情報を受信した場合、低レベルの保湿/ツヤ消し効果変更を採用し、それに応じて保湿調整スケール
を修正することができる。
【2558】
分配システム自体が、試験すべき着色混合物を提案する場合、これらの混合物は、あらかじめプログラムされた試験シナリオに基づくものであってもよく、システムは、シナリオが評価の成功または失敗に従ってどのように進行するかを変更してもよい。したがって、たとえば、生成物の第3の塗布から、保湿/ツヤ消し効果が使用者にとってほとんど理
想的なものであるという情報を分配システムが受信した場合、分配システムは、プログラムを終了してもよく、その後、分配システム自体を操作者からの指令によって案内させてもよい。
【2559】
概して、使用者は、試験すべき保湿/ツヤ消し効果の選択において、エキスパートシス
テムによって支援されてもよい。
【2560】
このエキスパートシステムは、たとえば、ディスペンサーが通信する装置上で動作するか、または、ディスペンサー自体上で動作するプログラムであり、質問事項への答えに基づく、および/または、特定のセンサもしくはカメラによって得られる、たとえば皮膚の
保湿/ツヤ消し効果の測定値に基づくプログラムである。したがって、使用者は、計器の
評価による支援、たとえば、皮膚の乾燥または皮膚の脂っぽさの状態に関するセンサによる支援を得ることができる。エキスパートシステムは、場合によっては、装置またはディスペンサーが情報を交換するリモートサーバ上に実装することができる。操作者は、場合によっては、開始保湿/ツヤ消し効果選択肢を事前プログラムすることができる専門家に
自分の顔の画像を送信してもよい。別の例示的な実施形態では、使用者は、自分の顔の写真をコンピュータシステムに提示し、コンピュータシステムは、この写真を分析し、保湿/ツヤ消し効果と量の両方に関して、試験される領域と、供給される第1の生成物とを定
義するプログラムを作成するように設計される。たとえば、コンピュータシステムは、図42において示しているように、ステップ1070において、写真を撮ることによって、使用者に提案すべきメイクアップの保湿/ツヤ消し効果を自動的に選択するように設計されて
もよい。たとえば、ディスペンサー11と通信する装置にはカメラが搭載されており、使用者は自分の顔の写真を撮る。次に、画像がステップ1071で分析され、たとえば規定の保湿/ツヤ消し効果の組合せ規則に従って、ステップ1072において顔の領域ごとに保湿/ツヤ消し効果が提案される。
【2561】
分配システムは、保湿/ツヤ消し効果を決定し、また、分配される生成物の量を決定す
るように、使用者によって向きを定められてもよい。たとえば、使用者は「鼻」または「シミ」を示してもよく、分配システムは、処方量の記憶されたマップに従って分配される処方量を、処置される領域に応じて分配させるように適合するように設計される。
【2562】
コンピュータシステムは、使用者が満足する結果を得るまでに必要とされる試験の数を制限するように、使用者を、試される混合物における色の選択において指導してもよい。
【2563】
したがって、図41に示しているように、ディスペンサーによって分配された混合物が、ステップ1060において顔の所与の領域に塗布された後、コンピュータシステムは、結果に満足できるかどうかを使用者に問い合わせ、結果が満足できるものではないと見なされる場合、分配された混合物を修正するために、ディスペンサーパラメータの変更1061を独自に行う。
【2564】
使用者は次いで、修正された混合物で新たな試験を実施するだけでよい。
【2565】
混合物が満足できるものであることが示されると、コンピュータシステムは、後で混合物を再生成することが可能になるように対応するパラメータを記憶することができる。
【2566】
この場合、システムは、新たな塗布領域に関して上記のステップを新たに開始することができる。
【2567】
連続する試験の間、操作者は、顔全体を処置する必要はない。操作者は、たとえば、3つから8つまでの間の小さい領域、たとえば5つの小さい領域を選択してもよい。分配システムは、この場合、有利なことに、適切であると見なされる保湿/ツヤ消し効果に関す
るデータを内挿および/または外挿して、処置が行われていない領域に適すると見なされ
るべきである保湿/ツヤ消し効果を計算するように設計される。
【2568】
学習段階の終わりにおいて、システムは、試験または計算された、様々な領域上の適切な保湿/ツヤ消し効果の表示を生成してもよい。
【2569】
分配システムは、特定の保湿/ツヤ消し効果レベルが正しくないように見えるかどうか
を示すように設計されてもよく、このことを、メモリ内にある標準的なマップとの比較の強度に関して示す。したがって、分配システムは、使用者がこのマッピング訓練の全部または一部を繰り返すことを提案してもよい。
【2570】
コンピュータシステムがその学習を完了し、すなわち、混合物の保湿/ツヤ消し効果レ
ベルが、特定の領域をメイクアップするうえで使用者に合う保湿/ツヤ消し効果レベルと
して特定された後、メイクアップを施すことを望む使用者は、図43のステップ1080において、メイクアップされる領域を呼び出すだけでよく、システムは、ステップ1081において、使用者に混合物の適切な保湿/ツヤ消し効果を自動的に提案することができる。
【2571】
図44に示した変形形態では、使用者は、ステップ1090において保湿/ツヤ消し効果を
選択し、コンピュータシステムは、ステップ1091において、実施された試験に基づいて以前に集められた情報に基づいて、この保湿/ツヤ消し効果の混合物を塗布すべき領域を提
案する。
【2572】
提案される領域は、たとえば、同一の保湿/ツヤ消し効果または非常に近い保湿/ツヤ消し効果がすでに適用されており、結果が使用者によって許容可能と見なされている領域である。
【2573】
図46は、ステップ2010において様々なゾーンで試験を実行し、使用者が、自分が最良の結果を与えると考える1つまたは複数の混合物をシステムに知らせ、これによって、ステップ2012において、対応するパラメータをシステムに知らせることができる、本発明の
実装形態の一例を示している。次に、ステップ2014では、システムは、同じ特性または非常に近い特性を有する市販の生成物の参照を使用者に提案してもよい。
【2574】
一変形形態では、システムは、使用者が試験し、満足できるものであることがわかった混合物と同じ処方または同じ特性を有する組成物を生成することができるように、遠隔の製造センターにパラメータを送信する。
【2575】
図45は、様々な混合物のいくつかの処方量2020a~2020dを支持体2021において互いに隣り合わせて分配することによって、これらを同じ領域の隣接する個別の領域に塗布するのを可能にするように、ディスペンサーを使用することが可能であることを示している。
【2576】
使用者は、迅速に適切な保湿/ツヤ消し効果レベルの的を絞るために、一連の保湿/ツヤ消し効果レベルを1回で適用することができる。支持体2021に存在する着色物質は、操作
者自身によって選択されていてもよいし、または、分配システムによって提案されていてもよい。
【2577】
支持体2021は、たとえば、ディスペンサーのハウジングに対して移動でき、様々な領域2020a~2020dにおいて対応する混合物を堆積させるように連続して移動され、たとえば、図29または図29Aを参照して説明した支持体と同様である。したがって、使用者は、様々な領域同士の間で結果を容易に比較し、どの混合物が最良の効果を生成するかをシステムに通知することができる。
【2578】
図47は、使用者が、メイクアップを施すとき、特に正しいカラーリングを選択するときに、使用者を支援するシステムを示している。
【2579】
このシステムは、第1の場所2061におけるカメラ2060と第2の場所2062との間で、たとえばインターネットを介して、ビデオリンクを確立するのを可能にする。
【2580】
カメラ2060は、たとえば、コンピュータシステム100を構成するタブレットまたはスマ
ートフォンに組み込まれる。
【2581】
第2の場所2062は、第1の場所2061に存在するディスペンサー11を直接的に動作させるかあるいは間接的に動作させることができる。
【2582】
したがって、第1の場所に存在する使用者は、分配される混合物を塗布し、対応する画像を第2の場所2062に送信し、それに応じたメイクアップの結果に関する情報を受信することができる。
【2583】
第2の場所2062は表示画面2064を有してもよく、この表示画面2064は、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された混合物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の保湿/ツヤ消し効果を変更し、第1の場所に存在
する使用者の顔に最も合うように色を適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、2つの場所の間でのデータの交換についてのプロトコルは、コマンド命令をディスペンサー11に直接送るか、あるいは、第1の場所に存在するコンピュータシステム100を介して送るのを可能にする。したがって、第2の場所に存在する使用者は、ディ
スペンサー11によって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【2584】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクであり、そのため、第1の場所に存在する使用者は、コンピュータシステムの画面において、アドバイザーの画像を見ることができる。このアドバイザーは、必要な場合、第1の場所に存在する使用者にチュートリアルを送信することができる。
【2585】
ディスペンサー11の設定パラメータを記憶することは、与えられた混合物が満足できると見なされた後、第2の場所から命令されてもよい。
【2586】
分配システムは、現実または仮想の他の使用者のマップを受信するように設計されてもよい。固有の特性を失うことなくメイクアップを昇華させるために、使用者のマップを別の使用者のマップと組み合わせてもよい。
【2587】
インターフェースは、メイクアップすべき領域の順序、または、提案すべき保湿/ツヤ
消し効果の状態の順序が定義されたメイクアッププログラムを定義するために使用されてもよい。
【2588】
実施例(本発明の第8の態様)
図3に示したようなディスペンサー11が作製される。ディスペンサーは、iPad(登録商標)などのタブレット100と通信するように設計されている。このコンピュータシステム
は、Objective-C言語で特定のApple環境(XCode 4およびiOSシミュレータ)において開発された「μMix」と呼ばれるアプリケーションを実行する。
【2589】
このコンピュータシステムは、ユーザグラフィックインターフェースと関連付けられたデータ構造、計算ツール、および機能を操作するためのツールを供給するFoundation、UIKit、およびCoreGraphicsベーシックフレームワークを使用する。
【2590】
このアプリケーションはまた、Bluetooth(登録商標) 4 Low Energyペリフェラルへのアクセスを可能にするCoreBluetooth(登録商標)フレームワークを使用し、以下の主要
なタスクを有する。
・Bluetooth(登録商標) 4.0 Low Energyペリフェラルの探索、
・接続/切断および接続パラメータの管理、
・GATT(Generic Attribute Profile)アーキテクチャに基づく読取りモードおよび/または書込みモードにおける通信。
【2591】
このアプリケーションでは、以下の機能を提案する。
・ベース生成物の割合の定義、
・制御ボタン12を押したときの動作モードの選択、つまり、連続、パージ、または処方量の選択、
図30に示しているような体積分率の三角形の表示と、三角形に触れるか、または、各々の生成物と関連付けられた+/-ボタンを用いることによる、体積分率の管理、
・Bluetooth(登録商標)接続/切断、および、ディスペンサーへの命令のリアルタイム転送、
・連続モードにおける流量の設定、および、処方量モードにおける量の設定、
・命令に応じた、リアルタイムでの生成物の体積分率の計算、表示、およびディスペンサーへの転送、この場合、割合の合計は常に100%に等しくなる、
・リアルタイムでの3つのモーターのトルクの回収および表示、および
・構成ファイルにおける重要パラメータの保存。
【2592】
連続モードは、使用者が分配ボタン12を押している限り3つのベース生成物の混合物が
分配される分配モードである。生成物は、「連続」ボタン304の上方に推定値が表示され
る流量で、分配される。流量の選択は「設定」メニューで行われる。
【2593】
「処方量」モードは、混合物を処方量だけ分配するモードであり、このモードでは、使用者が分配ボタン12を押した後に処方量が供給される。1回押すだけで十分であり、使用
者は、1回押した後にボタンを離すことができる。分配される生成物の全体的な処方量は
、たとえば0.1mlのように、「処方量」ボタン306の上方に示される処方量である。この体積は「設定」メニューで変更することができる。
【2594】
「パージ」モードは、「処方量」モードにおけるように、使用者が分配ボタン12を押すとすぐに、体積分率(33%)が等しいある処方量の混合物が供給される分配モードである。1回押すだけで十分であり、使用者は、1回押した後にボタンを離すことができる。処方量
が完全に分配されたときに、ボタンを離してもよい。終了する前にボタンを離した場合、指定された体積が達成されていなくても、分配は停止する。分配される生成物の全体的な処方量は、たとえば3mlのように、「パージ」ボタン305の上方に示される処方量である。この体積は「設定」メニューで変更することができる。
【2595】
使用者は、タブレット上で動作し、様々な生成物の割合を計算するアプリケーションによって、所望の保湿/ツヤ消し効果を決定する。タブレットは、Bluetooth(登録商標)接続によって、この値をディスペンサーに通信する。
【2596】
ディスペンサー11に組み込まれた電子機器は、所望の保湿/ツヤ消し効果の混合物を得
るために、情報を集め、3つのカートリッジの流量を自動的に調整する。
【2597】
使用者は、生成物を使用することを望むとき、生成物を放出させるために、ディスペンサーのボタン12を押す。使用者は、「連続」モードにおいて、生成物を必要な限りボタンを押す。「処方量」モードでは、使用者は、ボタン12を1回押し、規定の処方量が供給さ
れる。
【2598】
分配は、連続的に実施されてもよく、つまり、モーターが連続的に動作し、全体的な体積が、1回で分配されるか、または、反復的に分配される。その結果、モーターはパルス
式に動作し、その場合、2回のパルスの間の時間の間隔によって流量を変化させることが
可能である。小さい体積が、いくつかの段階を経て次々と分配される。
【2599】
パルスは、たとえば、50ms、100ms、または200msの間隔で分けられてもよい。モーターが回転しているパルスの持続時間は、たとえば50ms~150msである。
【2600】
この例における「μMix」アプリケーションのメインページは、特に図31で見られる
ような、以下の要素を備える。
・画面の上部におけるステータスバー: Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示すステータスバー、
・画面の下部におけるサムネイル:アクティブページ、つまり、メインページ、設定、Bluetooth(登録商標)、生成物、およびお気に入りを選択するためのサムネイル、
・生成物が連続的に分配されるモードを選択するための連続ボタン304、
・パージモードを選択するためのパージボタン305、
・分配が処方量だけ行われるモードを選択するための処方量ボタン306、この場合、処
方量の体積が処方量ボタンと関連付けられる、
・ドラッグするか、または、ダブルタップを用いるかのいずれかによって、体積を表す三角形の内部で使用者が動かすことができる青色ボール300、
・各々の生成物A、B、およびCのための「-」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を
結ぶ直線に沿った移動があったときに、選択された生成物の割合を小さくするボタン、
・各々の生成物A、B、およびCのための「+」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を結ぶ直線に沿った移動があったときに、選択された生成物の割合を大きくするボタン、
・百分率としての各々の生成物の体積分率:使用者によって修正可能であり、+ボタンおよび-ボタン302からの命令と、ボール300の位置とに従って、リアルタイムで更新される
【2601】
体積分率は、ボールを移動させるか、または、+ボタンおよび-ボタンを用いることによって修正されるが、生成物A、B、およびCの体積分率の値は自動的に更新される。体積分
率が+ボタンおよび-ボタンを用いて修正されたとき、ボール300は、三角形における対応
する位置に自動的に移動される。
【2602】
タブレット上で動作するこのアプリケーションは、起動されると、ディスペンサー11が検出された場合にディスペンサー11に自動的に接続する。ディスペンサーがオフに切り替えられるか、または、Bluetooth(登録商標)接続が切断されると、タブレットは接続切
断する。使用者が、生成物AおよびBの割合を調整するカーソルを移動すると、値はリアルタイムでディスペンサー11に送信される。
【2603】
アプリケーションの設定ページは以下の要素を含む。
- 画面の上部におけるステータスバー:Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示すステータスバー、
- 画面の下部におけるサムネイル:アクティブページ、つまり、メインページ、設定、Bluetooth(登録商標)、または情報を選択するためのサムネイル、
- ml単位の処方量の体積(たとえば2ml)を定義するために使用者によって埋められるテキストフィールドと、ml単位のパージ体積(たとえば3ml)に関するフィールドとを含む「
体積」部分:この例における最小処方量は0.023mlであり、最大処方量は9.90ml(3×3.3ml)である。
- 流量の選択に関する「流量」部分:高速(≫0.03ml/s)、中速(≫0.02ml/s)、または低速(≫0.01ml/s)、
- いくつかの段階を経て次々に供給される少量の生成物の混合物を分配するための、
混合物の反復的な選択に関する「処方量」部分、
【2604】
逆の場合、各生成物の全体積が1回で分配される。
- ディスペンサー11によって供給される保湿/ツヤ消しレベルで三角形を表示することができるように、メインページにおいて表示される三角形の画像を選択するための「三角形画像」部分。「設定」ページにおける「画像選択」ボタンを使用することによって、アルバムにアクセスすることができる。
【2605】
検討されている例では、アプリケーションの「生成物」ページは、以下の要素を含む。
【2606】
- 0~1414のコードステップ単位での各生成物の値の選択。各単位は、2.33μlの、生
成物の供給体積に対応し、これは、この例におけるディスペンサーが供給できる最小量である。このページが表示されると、このページにおける生成物の値がディスペンサーにリアルタイムで送信される。ページがもはや表示されなくなるとすぐに、ディスペンサーに送られる値は、三角形を含むメインページの値となる。
- 45個の値ごとにリアルタイムでリフレッシュされるA、B、およびCについてのモータートルクの表示。
【2607】
生成物が供給されるモードは、設定ページにおいて選択される選択肢に従う反復処方量モードまたは直接処方量モードである。
【2608】
「お気に入り」ページは、構成をファイルに保存するのを可能にする。「お気に入り」ページは、検討されている例では、デフォルトファイルに加えて、10個のファイル、つまり「構成1」~「構成10」へのアクセスを可能にする。これらのファイルは、たとえば、
以下のパラメータを記録する。
- 生成物A、B、およびCの割合、
- パージ体積、
- 処方量体積、
- 高流量、中流量、または低流量、
- 処方量モード、パージモード、または連続モード、
- 連続分配または反復分配。
【2609】
いくつかのベース生成物が生成される(割合は質量による)。
ベース生成物F1およびF2は、フィラーの含有量が多い(かつ色が異なる)。処方物F3は保湿剤の含有量が多い。
【2610】
【表9A】
【2611】
【表9B】
【2612】
【表9C】
【2613】
手順
相Aの構成成分を主ビーカーに秤量し、Moritzブレンダー(1000rpm)を用いて室温を維持しながら撹拌する。相Bを、顔料およびシクロペンタシロキサンの混合物を三本ロールミ
ルで3回粉砕することによって、個別に調製する。次いで、この相Bを、撹拌を続けながらフィラー(相C)と一緒に添加する。
【2614】
水性相Dをまた、グリセロール、ブチレングリコール、硫酸マグネシウム、水素化マル
トース溶液、および水をビーカーに秤量することによって、室温で個別に調製する。水性相Dを、均質化されるまで磁気撹拌子を用いて撹拌する。C D Eエマルジョンを、室温で生成する:撹拌速度(Moritzブレンダー)を4000rpmまで徐々に高くしながら、水性相Dを脂肪
相中に注ぎ入れる。撹拌を7分間続ける。最後に、相E(エチルアルコール)を、5分の乳化
のうちの最後の3分間で添加する。
【2615】
試験1
システムを以下の構成によって試験した。
・コンパートメントAにF1を収容
・コンパートメントBにF2を収容
・コンパートメントCにF3を収容
システムを使用し、いくつかの混合物を作成した。
M1: A 30%、B 0%、C 70%
M2: A 70%、B 0%、C 30%
M3: A 50%、B 0%、C 50%
混合物M1、M2、M3を、顔の様々な領域に塗布した: 頬などの乾燥した領域にM1を塗布
し、額などの脂っぽい領域にM2を塗布し、下顎の先などの中間領域にM3を塗布した。
【2616】
試験2
システムを使用し、いくつかの混合物を作成した。
M1: A 80%、B 10%、C 10%
M2: A 35%、B 35%、C 30%
M3: A 20%、B 20%、C 60%
M1およびM2は脂っぽい領域を対象としている。M1は、かなり濃い黄色であり、目の下の隈に塗布される。M2は、よりピンク色に近く、鼻の横に塗布される。
M3は、口の上の領域などの非常に乾燥した領域に塗布される。
【2617】
I)アルコール処方物に基づいて特注の混合物を生成するためのシステム
この第9の態様によれば、本発明は、より詳細には、高濃度のアルコールを含む生成物を分配するための方法およびシステムに関する。
【2618】
本発明は、より詳細には、香水(高濃度、オードパルファン、オードトワレなど)、フレグランス生成物、およびデオドラントの生成に関する。
【2619】
これらの生成物は、自分自身に香水を付けて匂いを楽しむか、または不愉快な(体の)匂いを隠すために使用される。
【2620】
使用者は、それぞれに異なるノートおよび強度を有する多数の香水を有することを望む。そのために、業者は、多数の使用者に好ましいノートを生成する過程で、様々な材料の混合物を生成し販売している。しかし、社会の変化によって、使用者は、特注のノートおよび強度を有する自分固有の香水を望むようになった。使用者は、特注の混合物を作る場合があるが、この場合、定期的な変更のニーズは十分に満たされない。さらに、フレグランスの種類の選択肢全体を提案できることが望まれる。しかし、混合物がアルコール組成物を使用する特注品であるときは、様々な材料または材料の調製物が適切に計量されない場合、混合物がプログラムされた匂いに対応するものではなくなる恐れがあることは明らかである。割合の誤りによって、香りの目立った違い、または場合によっては許容できない違いが生じることがある。
【2621】
使用者が特注の香水の調製物にかなり高額の料金を支払わなければならず(あるいは自
分自身で生成することを望んだ場合に時間を費やし)、したがって、匂いが意図した匂い
に対応していないことに失望したとすれば、誤りはさらに許容できないものになる。たとえば、使用者が古い調製物を有する場合は、比較したときにすぐに違いを認識する。知られているように、この問題は、混合物が生成されるたびに起こるわけではないが、顧客が満足しない可能性は常にある。調製物が大量にあればこのような可能性を限定することができるが、使用者は処方を使用するたびに変更するかまたは頻繁に変更することを望むので使用される量が限定される(たとえば、1日当たり200mg)ことが多いと仮定すると、大量の調製物は、経済的ではなく、また合理的でもない。
【2622】
この問題は、使用される材料または材料ベースが(匂いの点で)互いに異なることが多いと仮定すると一層深刻になる。
【2623】
(香りの点で)類似した材料または材料ベースの混合に限定することが可能であることがあるが、この場合、考えられる香水の範囲が大幅に狭くなる。
【2624】
したがって、既存の解決策はいずれも十分ではなく、現在に至るまで特注の香水の開発
は制限されている。
【2625】
本発明は、その第9の態様によれば、この問題に対処し、本発明の1つの主題は、芳香生成物を分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、少なくとも1つのアルコールと増粘剤として働く少なくとも1つのセルロース誘導体とを含有する組成物を含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つの生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステムである。
【2626】
この第9の態様によれば、本発明は以下の特徴のうちの1つまたは複数を有していてもよい。
- 各ベース生成物は、少なくとも1つのアルコールおよび少なくとも1つのセルロー
ス誘導体を含む組成物を含む、
- 第1のベース生成物または各ベース生成物は、少なくとも80/20、より良好には85/15、さらにより良好には90/10の、アルコール対第1の生成物の他の非アルコール性化合物の質量濃度を有する、
- 第1のベース生成物または各ベース生成物は、その溶媒相中に少なくとも50質量%のエタノール、より良好にはその溶媒相中に少なくとも80質量%のエタノール、さらにより
良好にはその溶媒相中に少なくとも85質量%のエタノールを含む、
・-第1のベース生成物または各ベース生成物は、好ましくは、エステル、カーボネ
ート、酸、無水物、アルデヒド、アルコール、アルカンおよびアルケン以外の官能を有さない脂肪族化合物、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの香気化合物を含む、
・香気化合物は、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルデカナール、2-メチルウンデカナール、トランス-2-ヘキサナール、シス-4-ヘプタナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-オール、E-4-デセナール、10-ウンデセナール、2-ドデセナール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、2-メチル-2-ペンテン酸、(S)-(+)-2-メチルブタン酸、ギ酸エチル、ギ酸シス-3-ヘキセニル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル、酢酸トランス-2-ヘキセニル、酢酸シス-3-ヘキセニル、プロ
ピオン酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、イソ酪酸シス-3-ヘキセニル、イソ吉草酸エチル、2-メチル酪酸エチル、ヘキサン酸エチル、2-メチ
ルペンタン酸エチル、ヘキサン酸2-プロペニル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸2-プロペニル、オクタン酸エチル、2-ノネン酸メチル、2-トランス-4-シス-デカジエン酸エチル、2-オクチン酸メチル、2-ノニン酸メチル、3-オクトブタン酸エチル、グリコール酸アリルアミル、炭酸メチルZ-3-ヘキセニル、3-オクタノール;2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、トランス-2-ヘキセン-1オール;3-ヘキセン-1-オール;1-オクテン-3-オール;9-デセン-1-オ
ール;10-ウンデセン-1-オール;2-トランス-6-シス-ノナジエン-1-オール;4-メチル-3-デ
セン-5-オール、ミルセン、オシメン、ベータ-ファルネセン、シトラール、シトラール酢酸ジエチル、シトロネラル、メトキシジヒドロシトロネラル、2,6,10-トリメチル-9-ウンデカナール、シス-ゲラン酸、シトロネル酸、ゲラニルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、イソバレレート)、酢酸ネリル、リナリルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート)、シトロネリルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、イソバレレート、チグレート)、およびミルセノール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ミルセノール、ラベン
デュロール、シトロネロール、トランス,トランス-ファルネソール、トランス-ネロリド
ール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、アベンデュロール、トランス,トランス-ファルネソール、トランス-ネロリドール、テトラヒドロゲラニオール、テ
トラヒドロリナロールのエステル、リモネン、テルピネン、テルピノレン、フェランドレン、カンフェン、3-カレン、メンチルエステル(アセテート、ラクテート)、アルファ-テ
ルピニルエステル(アセテート)、ノリルエステル(アセテート)、ボルニルエステル(アセ
テート)、イソボルニルエステル(アセテート)、セドリルエステル(アセテート)、2,4-ジ
メチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3シクロヘキセンカルボキサルデヒド、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-
トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)ブテノール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シ
クロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、インドール、p-シメン、ジフェニルメタン、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ジヒドロケイ皮アルデヒド、2-フェニルプロパナール、シクラメンアルデヒド、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール、ケイ皮アルデヒド、ヘリオトロ
ピン、フルフルアルデヒド、ベンジルエステル(アセテート、プロピオネート、イソバレ
レート)、フェネチルエステル(アセテート、イソブチレート、イソバレレート)、アルフ
ァ-トリクロロメチルベンジルエステル(アセテート)、酢酸シンナミル、安息香酸エステ
ル(アセテート、ヘキシル、ベンジル)、酢酸フェニルエチル、酢酸フェニルゲラニル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、ケイ皮酸フェニルエチル、酢酸オイゲノール、酢酸フェニル、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、スチラリルアルコール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、シンナミルアルコール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、チモール、アネトール、イソオイゲノール、オイゲノール、アニスアルコール、ラズベリーケトン、エチルマルトール、2,6-ジメトキシフェノール、2-プロピルフェノール、2-(メチルチオ)フェノール、オルト-グアヤコール、4-メチルグアヤコ
ール、アビエチン無水物、シトラコン無水物から選択される、
・セルロース誘導体は、塩基性化セルロースを酸化プロピレンまたはエチレンオキシドと反応させることによって得られたセルロースの誘導体から選択される、
・セルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルセルロースである、
・セルロース誘導体の分子量サイズは、10000以上、より良好には約850000から約1150000の間である、
・セルロース化合物の合計質量含有量は、0.1%から20%の間、より良好には0.5%から5%の間、さらにより良好には0.7%から2%の間で変化し、百分率は、ベース生成物の質量に
対して示される、
・システムは、第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを含む、
・カートリッジは、取り外し可能な様式でディスペンサー中に収容されている、
・各生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから排出され、出口通路は、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースは、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、
・分配システムは、分配された生成物に関して、この生成物の各ベース生成物の個別の比率を記録して、後にこの生成物を再び自動的に分配可能にするための電子メモリを有する。
【2627】
本発明の第9の態様による本発明のさらなる主題は、先行する態様のいずれか1つに記載のシステムの助けを得て芳香生成物を生成する方法であって、ディスペンサーのそれぞれのカートリッジ内に収容される1つまたは複数のベース生成物が選択され、選択されたベース生成物が、選択された量だけ分配される方法である。
【2628】
分配された生成物を構成する様々なベース生成物の割合を記憶することも可能である。
1)したがって、本発明の第9の態様によれば、本発明は、いくつかのコンパートメントを有するプログラム可能なディスペンサーを備える分配システムに基づくことが好ましい。
2)各コンパートメントから非常に少量を厳密に供給することができる。
3)少なくとも1つの組成物が、アルコール(特にエタノール)を含有し、匂い化合物を含む場合も含まない場合もあり、「ヒドロキシプロピルセルロース」型のセルロース誘導体型の薬剤を含有する。
4)場合によっては、アルコールではない組成物を収容する他のコンパートメントが存在してもよい。
【2629】
第9の態様による発明によって、使用者は、
a)香水を設計して記録し、
b)意図した匂いと異なる匂いになる恐れなしに、使用される少量だけ生成し、
c)全範囲の臭覚材料を特定的に使用する
ことを行い得る。
【2630】
リザーバが枯渇するかまたは使えなくなった場合でさえも、使用者はコンパートメントに新しいカートリッジを再充填し、次いで使用される少量を生成することができる。
【2631】
使用者は、自分の香水を他の使用者と共有することもでき、このことは、他の使用者が遠隔地にいる場合でも可能である。
【2632】
このシステムはさらに、多量の混合物を生成するために使用することができ、このような量は、生成された後の寿命が制限される(通常、1カ月から48カ月の間)と見なされるべ
きであることが理解されよう。
【2633】
分配システム
分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるノートの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【2634】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメントにおいてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【2635】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【2636】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【2637】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【2638】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【2639】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【2640】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【2641】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【2642】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【2643】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【2644】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【2645】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【2646】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、少量のフレグランスを生成するのに理想的なシステムである。
【2647】
1日以上にわたるフレグランス塗布に必要とされる量など、より多くの量の混合物を生
成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、1000mg未満であり、たとえば、10mgから500mgの間、より良好には40mgから250mgの間の量である。
【2648】
したがって、本発明の一態様による本発明の1つの主題は、ハウジングを有するディス
ペンサーと、ディスペンサーのハウジングに受け入れられた少なくとも1つのカートリッジとを備える分配システムであって、このカートリッジが、本体と、本体において移動することができるピストンとを備え、ハウジングが、カートリッジのピストンを移動させるための動力化された駆動機構を備える分配システムである。
【2649】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【2650】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【2651】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによってディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【2652】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【2653】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【2654】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【2655】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【2656】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【2657】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【2658】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【2659】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【2660】
ノートを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【2661】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【2662】
したがって、ディスペンサーは、いくつかの異なる匂いベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、ノートを調整することができるように動作させられてもよい。
【2663】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【2664】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【2665】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【2666】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、手に直接的に接触せずに塗布されることが意図された処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【2667】
取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【2668】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【2669】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば
、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【2670】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所に混合物を塗布し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、使用者に完全に香水が付けられるまで必要とされる回数繰り返される。
【2671】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【2672】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【2673】
組成物の溶媒
アルコール性組成物は、第一級または非第一級アルコールを、水または他の非アルコール性溶媒に対して、少なくとも80/20、好ましくは少なくとも85/15、さらにより好ましくは少なくとも90/10の濃度で含む。アルコールは、好ましくは、他のアルコールの質量に
対して少なくとも50質量%のエタノール、好ましくは他のアルコールの質量に対して少な
くとも80質量%のエタノール、さらにより良好には他のアルコールの質量に対して少なく
とも85質量%のエタノールを含む。他のアルコールは、典型的には、グリコールおよび/またはC3以上のタイプのアルコール、特にイソプロパノールである。
【2674】
他の非アルコール溶媒は、典型的には、アセトンまたはグリコールエーテルなどのエーテルである。
【2675】
好ましくは、組成物は、その溶媒相中に、少なくとも80質量%のエタノール、および0から10質量%の間の水、および0%から20質量%の間の別の非アルコール性有機溶媒を含む。
【2676】
アルコール性組成物は、「非溶媒」と考えられる他の化合物を含むまたは含まない。
・香気化合物
・遮蔽剤、生物学的薬剤などのケア化合物
・染料
・ポリマー
【2677】
香気化合物
「香気化合物」は、香気分子、および香気分子に対する影響(刺激、修飾)を有するものを含むと理解される。これらはまた、混合物の最終的な香りに作用することができるステロイドを含むと理解される。
【2678】
2つのタイプの香気化合物が考慮される。
・エステル、
・カーボネート
・酸
・無水物
・アルデヒド
・アルコール
・アルカンおよびアルケン以外の官能を含まない脂肪族化合物
より具体的には、化合物は、脂肪族である:
・アルカンおよびアルケン
(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン
・アルデヒド
ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルデカナール、2-メチルウンデカナール、トランス-2-ヘキサ
ナール、シス-4-ヘプタナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-オール、E-4-デセナール、10-ウンデセナール、2-ドデセナール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン
・酸
2-メチル-2-ペンテン酸、(S)-(+)-2-メチルブタン酸
・エステル
ギ酸エチル、ギ酸シス-3-ヘキセニル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸
ヘキシル、酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル、酢酸トランス-2-ヘキセニル、酢酸シス-3-ヘキセニル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、イソ酪酸シス-3-ヘキセニル、イソ吉草酸エチル、2-メチル酪酸エチル、ヘキサン酸
エチル、2-メチルペンタン酸エチル、ヘキサン酸2-プロペニル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸2-プロペニル、オクタン酸エチル、2-ノネン酸メチル、2-トランス-4-シス-デカジエン酸エチル、2-オクチン酸メチル、2-ノニン酸メチル、3-オクトブタン酸エチル、グリコール酸アリルアミル
・カーボネート
炭酸メチルZ-3-ヘキセニル
・アルコール
3-オクタノール;2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、トランス-2-ヘキセン-1-オール;3-ヘ
キセン-1-オール;1-オクテン-3-オール;9-デセン-1-オール;10-ウンデセン-1-オール;2-
トランス-6-シス-ノナジエン-1-オール;4-メチル-3-デセン-5-オール
化合物は、テルペンの非環状誘導体である。
・アルカンおよびアルケン
ミルセン、オシメン、ベータ-ファルネセン
・アルデヒドおよびアセタール誘導体
シトラール、シトラール酢酸ジエチル、シトロネラル、メトキシジヒドロシトロネラル、2,6,10-トリメチル-9-ウンデカナール
・酸
シス-ゲラン酸、シトロネル酸
・エステル
ゲラニルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、イソバ
レレート)、酢酸ネリル、リナリルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート)、シトロネリルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、イソバレレート、チグレート)およびミルセノール、ラベンデュロール、
トランス,トランス-ファルネソール、トランス-ネロリドール、テトラヒドロゲラニオー
ル、テトラヒドロリナロールのエステル
・アルコール
ゲラニオール、ネロール、リナロール、ミルセノール、ラベンデュロール、シトロネロール、トランス,トランス-ファルネソール、トランス-ネロリドール、テトラヒドロゲラ
ニオール、テトラヒドロリナロール
化合物は、テルペンの環状誘導体である。
・アルカンおよびアルケン
リモネン、テルピネン、テルピノレン、フェランドレン、カンフェン、3-カレン
・エステル
メンチルエステル(アセテート、ラクテート)、アルファ-テルピニルエステル(アセテート)、ノリルエステル(アセテート)、ボルニルエステル(アセテート)、イソボルニルエステ
ル(アセテート)、セドリルエステル(アセテート)
・アルコール
メントールおよび種々のジアステレオ異性体(ネオメントール、イソメントール、ネオイ
ソメントール)、プレゴールおよび種々のジアステレオ異性体、ピペリトン、テルピネオ
ールおよび種々の異性体、ボルネオール、
化合物は、テルペン以外の環状誘導体である。
・アルカンおよびアルケン
・アルデヒドおよびアセタール誘導体
2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチ
ル)-3シクロヘキセンカルボキサルデヒド
・エステル
OTBCHA、PTBCHA、アリル4-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、
・アルコール
1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シク
ロペンテン-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)ブテノール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール
化合物は、芳香族(ベンゼンまたは複素環式)誘導体である
・追加の官能を含まない芳香族(ベンゼンまたは複素環式)環
インドール、p-シメン、ジフェニルメタン
・アルデヒドおよびアセタール誘導体
ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ジヒドロケイ皮アルデヒド、2-フェニルプロパナール、シクラメンアルデヒド、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール、ケイ皮アルデヒド、ヘリオトロピ
ン、フルフルアルデヒド
・エステル
ベンジルエステル(アセテート、プロピオネート、イソバレレート)、フェネチルエステル(アセテート、イソブチレート、イソバレレート)、アルファ-トリクロロメチルベンジル
エステル(アセテート)、酢酸シンナミル、安息香酸エステル(アセテート、ヘキシル、ベ
ンジル)、酢酸フェニルエチル、酢酸フェニルゲラニル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベン
ジル、ケイ皮酸フェニルエチル、酢酸オイゲノール
・酸
酢酸フェニル
・アルコール
ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、スチラリルアルコール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、シンナミルアルコール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、チモール、アネトール、イソオイゲノール、オイゲノール、アニスアルコール、ラズベリーケトン、エチルマルトール、2,6-ジメトキシフェノール、2-プロピルフェノール、2-(メチルチオ)フェノール、オルト-グアヤコール、4-メチルグアヤコール
その他
・アビエチン無水物
・シトラコン無水物
【2679】
セルロース誘導体
これらは、塩基性化セルロースを酸化プロピレンまたはエチレンオキシドと反応させることによって得られる。セルロースの、ヒドロキシル基に対するアルキレンオキシドの置換度は、典型的には、2超、より良好には4超である。
【2680】
分子量サイズは、10000~数百万、好ましくは70000~1500000で変化し、排除クロマト
グラフィーによって決定される。
【2681】
たとえば、セルロース誘導体は、
H→1150000
M→850000
G→370000
J→140000
L→95000
E→80000
の名称で販売されているKlucel(登録商標)(Ashland社)である。
【2682】
すべての純度グレードが使用可能である:
・工業用
・F
・CS
・F医薬用
【2683】
好ましくは、MおよびHなどの高い値のサイズが用いられる。
【2684】
セルロース化合物の合計質量含有量は、0.1%から20%の間、より良好には0.5%から5%の
間、さらにより良好には0.7%から2%の間で変化してもよく、百分率は、ベース生成物の質量に対して示される。
【2685】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域を処置するための使用
分配システムは、毎日、処置すべき正確な領域のみに香水を塗布することを可能にする。この目的で、少ない処方量の生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【2686】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【2687】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、匂いと、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。分配システムはまた、混合物を正確に生成することを可能にしてもよく、少量を分配してそれを迅速に使用するのが容易になる。
【2688】
使用者が顔のある領域に塗布するための生成物を探すときに、各々の領域に最も適した混合物(コンパートメント内の生成物間の比)を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、効果と、上記の比と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【2689】
分配システムは、塗布ごとに効果を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なるノートを用いて、自分の皮膚に香水を付けてもよい。たとえば、使用者は、平日には一定の香水を塗布し、週末には異なる香水を塗布する。
【2690】
システムは、様々な少量の生成物を塗布した結果に応じて少量の生成物を供給するように設計されてもよい。したがって、いくつかの少量の生成物を塗布した後、結果を完全なものにするうえで欠けているものがあることが使用者に明らかである場合、システムは、要求に応じて、結果を完全なものにする少量の生成物を実現するための混合物を供給することができる。
【2691】
たとえば香水の場合に、使用者が少量の香水をある位置に塗布し、次に別の少量の異なる香水を別の領域に塗布する場合、使用者は、同じ領域または異なる領域に別の少量のさらに別の異なる香水を塗布することによって臭覚的印象を完成することを望むことがある。
【2692】
したがって、システムは、変更を提案するように設けられ、かつ単純な命令を混合物の生成に変換するためのインターフェースを有するように設けられる。
【2693】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように材料を変更するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で香水のノートを選択する際に指導する。
【2694】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【2695】
段階的な処置のための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。
【2696】
また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の匂いC1と、処置される別の領域の匂いC2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、首に匂いC1が必要であることと、髪の毛に匂いC2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの匂いの間で匂いを段階的に変化させるために、混合物を供給している間に混合物の処方を変更してもよい。このことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終
結果を現実的なものにし、または、魅力を高めるために匂いを段階的に変化させることを確実に可能にする。分配システムはまた、使用者が、開始匂いおよび/または終了匂いを
前もって設定することなく、分配される混合物の匂いの変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生成する必要がある匂いC1およびC2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【2697】
たとえば、使用者は、首に沿って香水の目盛りを作成し、別の人に首の所に近づいて匂いの強さを確認してもらってもよい。
【2698】
同じ概念が、保護組成物に適用可能である。使用者は、保護指数の目盛りを作成し、それによって、日光にさらした後で、段階的な日焼け結果を得ることができる。
【2699】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、首にある匂いの香水を付け、耳には別の匂いの香水を付け、それらの間で匂いが段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【2700】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【2701】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【2702】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【2703】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【2704】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【2705】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。
【2706】
システムに導入される組成物のうちの1つまたは複数は、好ましくは20%以上の含有量
だけオイルを含む。
【2707】
これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【2708】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【2709】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【2710】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【2711】
システムは、5%よりも多い量、好ましくは10%よりも多い量などの、大量のセルロース
誘導体を収容することが好ましい。
【2712】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【2713】
匂いパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を備えてもよく、前記領域において堆積させる、顔の様々な部分に適した、匂いのいくつかの混合物を自動的に生成するように設計されてもよい。
【2714】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【2715】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【2716】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【2717】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【2718】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、少なくとも1つのフレグランス生成物を分配するためのシステムであって、カップと、カップを少なくとも1つの生成物で充填するためのディスペンサーとを備え、カップが、少なくとも充填される間、ディスペンサーに固定されるシステムである。
【2719】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【2720】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【2721】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【2722】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【2723】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【2724】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ塗布されるフレグランスに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【2725】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【2726】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【2727】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし得る。
【2728】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【2729】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、匂いの試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域にフレグランスを塗布
することを目的としたいくつかの異なる匂い混合物の調製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【2730】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【2731】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【2732】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【2733】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【2734】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップのサイズおよび形状は、混合物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【2735】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【2736】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【2737】
本発明のさらなる主題は、フレグランス生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【2738】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【2739】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【2740】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【2741】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【2742】
したがって、分配システムは、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有してもよく、このインターフェースは、好ましくは混合物をキャビティ内に供給する静的ブレンダーを有し、キャビテ
ィにおいて混合物を取り出すことができる。
【2743】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【2744】
本発明のこの態様によれば、いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【2745】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【2746】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【2747】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【2748】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【2749】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【2750】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【2751】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の匂いをできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【2752】
本発明のこの第9の態様によるフレグランス生成物を分配するためのシステムは、各々がベース生成物を収容するリザーバを有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、ベース生成物はカートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出ることができ、この出口通路は、ディスペンサーの外側またはディスペンサーの外面の近くで開放する。
【2753】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに
開放し、特にこの領域から5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放
してもよい。
【2754】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【2755】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【2756】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【2757】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【2758】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【2759】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【2760】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【2761】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるフレグランス効果を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、首、まゆ毛、または髪の毛などの様々な領域にフレグランスを塗布することができる必要がある。
【2762】
したがって、分配システムは、少なくとも1つのフレグランス生成物のディスペンサーと、各々をディスペンサー上に取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを有する組立体を備えてもよく、これらの出口インターフェースは、ディスペンサーによって供給される生成物を受け取ることができ、好ましくは以下から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【2763】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【2764】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【2765】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【2766】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【2767】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【2768】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むフレグランス塗布方法である。
【2769】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、匂いを領域でインデックス付けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【2770】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【2771】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のフレグランス塗布のために使用することができる。
【2772】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【2773】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースとともに使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な匂いを示しおよび/または供給するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【2774】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ匂いの使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【2775】
操作者は、マップを作成する場合、匂いを適用し、次いで評価する。
【2776】
顔の領域を次々に処置することができ、たとえば、処置を首の部分で行い、次に耳で行い、次に髪で行い、他の部分でも行う。
【2777】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その匂いが適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適する顔の領域に混合物が関連付けられる。
【2778】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、可変匂いの混合物を分配するためのディスペンサーと、フレグランス効果を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システムのための学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの匂いを選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された匂いを近似するように少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスでもある。
【2779】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域にフレグランスを塗布することを目的として実施することができる。
【2780】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【2781】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、
どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【2782】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【2783】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【2784】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、香水を付けることを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、香水を付けることを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【2785】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の匂いを想起させるものをその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【2786】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【2787】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【2788】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【2789】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【2790】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【2791】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【2792】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の匂いを提案してもよい。
【2793】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【2794】
ディスペンサーは、ステップb)において、色が異なる少なくとも2つの混合物を、試
験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【2795】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【2796】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いてフレグランスを塗布する方法であって、
a)使用者がニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンを処置するための提案を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された混合物が使用者によって確認された場合、提案された混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【2797】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【2798】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの匂いお
よび/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された混合物を供給するようにディスペンサーを動作させるこ
とと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物と、
関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【2799】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、フレグランスのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの匂いおよび/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された混合物が使用者によって確認された場合、提案された混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【2800】
遠隔支援
使用者が香水を付ける際に使用者を支援し、特に使用者が正しい臭覚ノートを選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【2801】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、フレグランス塗布方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の匂いを変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じて塗布結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含むフレグランス塗布方法である。
【2802】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのフレグランス塗布結果に関するコメントを聞くかまたは読み、香水を付けた使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の匂いを変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように匂いを適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分自身に香水を付けてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なフレグランスが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【2803】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【2804】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【2805】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の匂いの知覚を正確に決定することが可能になる場合がある。
【2806】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【2807】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者が香水を付けるのを助けさせてもよい。この実施形態は、「フレグランス塗布コーチ」およびその作業を、施設内の「フレグランス塗布コーチ」および施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上の「フレグランス塗布コーチ」およびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態は、自信のない使用者など、能力の限られた使用者が自分自身に香水を付けるのを可能にする。
【2808】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の効果の選択の制御をより容易にする必要がある。
【2809】
したがって、分配システムは、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを有してもよく、このコンピュータシステムは、混合物の匂いまたは予想される効果を表示することができるタッチスクリーンと、分配される混合物の匂いを変化させるために画面上で移動可能な選択手段とを有する。
【2810】
好ましくは、画面はエンドポイントの効果を表示し、これらのエンドポイント同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の効果を選択することができる。
【2811】
画面は、効果のスケールを線または領域(三角形の輪郭)の形で表示してもよい。
【2812】
コンピュータシステムは、所望の効果の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【2813】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【2814】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【2815】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【2816】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【2817】
分配システムは、スプレーシステム、好ましくはエアブラシを備えてもよく、本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様、特に前述の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する組立体である。
【2818】
ディスペンサーはフレグランス生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【2819】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【2820】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【2821】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【2822】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【2823】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切である場合、位置に応じて自動的に匂いを調節できるようにするために、カメラ、および/ま
たは、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【2824】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてフレグランスを塗布するための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【2825】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な匂いを得ることができる。
【2826】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔が処置されている間に分配される混合
物の匂いを変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【2827】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【2828】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【2829】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【2830】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【2831】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【2832】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.02Pa.sから50Pa.sまでの間、好ましくは0.2Pa.s~5Pa.sである。
【2833】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【2834】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【2835】
水性ゲルおよび(有機溶剤系の)本発明による組成物などの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物および組成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その
場でのゲル、反応性シリコーンを生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【2836】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【2837】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【2838】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【2839】
本発明の第9の態様による発明に適した分配システムの例は、上述の図に示されており
、したがって、これらの図のすべてについてが再度詳述されるわけではない。
【2840】
ディスペンサー11のハウジングは、図13に示したディスペンサー11の構成、すなわち、前述した出口インターフェース110がない構成において、実施されるフレグランス塗布
、および/または、処置される領域に応じて、様々な形態の他の出口インターフェースに
結合できるという利点を有する。
【2841】
図29は、実質的に顔の様々な領域のように空間が配設された支持体を示しており、各々の空間は、匂いが顔の対応する部分に適した混合物を収容してもよい。したがって、使用者は、所与の空間から取り出された混合物をどこに塗布するかを知ることが、容易である。
【2842】
ディスペンサー11は、処方が時間とともに変化する混合物を分配するために使用でき、かつ、ディスペンサーに対して移動できる容器内に混合物を回収するために使用でき、それによって時間とともに変わる容器の位置に混合物が堆積され、段階的な効果が実現される。
【2843】
たとえば、図29Aおよび図29Bに示しているように、分配システムは、ディスペンサーに対して固定された部分を有する出口インターフェース110と、混合物を受け入れる
ための空間253を有する可動部252とを有する。
【2844】
たとえば、ディスペンサー11は、この場合、カートリッジの出口オリフィスが下向きである状態で配置され、ブレンダーを備えており、それによって、混合物は、それ自体の重量の下で空間253内に落ちる。モーターは、出口インターフェースの可動部品を、ディス
ペンサーに対して、混合部の特性における変化と同期するように移動させてもよく、そのため、段階的な効果が、図29Bに示しているように、空間253全体に沿って得られる。
【2845】
図31図37は、使用者が様々なベース生成物を計量して分配することによって得られる混合物の匂いを選択するのを可能にするタッチセンシティブインターフェースの様々な例を示している。
【2846】
このインターフェースは、図31に示しているように、たとえば三角形の形態の匂い選択領域を有してもよく、その三角形の頂点は、カートリッジに収容されたベース生成物の各々の匂いに対応している。
【2847】
使用者は、三角形の頂点A、B、およびCに対して、たとえばボールの形態のカーソル300を移動できる。
【2848】
カーソル300を頂点のうちの1つに近づければ近づけるほど、対応するベース生成物の
割合が、分配される様々な生成物の全体の量に対して大きくなる。
【2849】
全体の量に対する各々の生成物の割合は、インターフェース上の数値によって、301の
所に示されてもよい。
【2850】
インターフェースは、たとえばベース生成物の各々の量の厳密な調整を可能にする制御ボタン302を操作することによって、使用者が生成物の各々の量を増分または減少させる
のを可能にしてもよい。
【2851】
三角形310の表面は、各点における混合物の匂いを示すように局所的に変化する匂いを
有してもよく、その混合物の匂いは、その点での相対座標に対応する割合で様々なベース
生成物を重み付けすることによって得られる。
【2852】
インターフェースは、ディスペンサーをパージするように分配された生成物の体積を調整するための特定のメニューへのアクセスを可能にするボタン305を有してもよい。
【2853】
インターフェースは、有利にはまた、流量を調整するための特定のメニューに戻るボタン304および306を用いて生成物の流量を調整するのを可能にしてもよい。
【2854】
検討されている例では、インターフェースは、使用者が制御ボタン12を押している限り生成物が分配される、ボタン304を用いる連続分配モードとの間の選択を可能にする。
【2855】
対応する処方量をインターフェースに送信して表示することができる。
【2856】
ボタン306は、ボタン12が短時間押されただけでも規定の処方量の分配をトリガする処
方量の動作モードの選択を可能にする。
【2857】
流量を変化させるために、ディスペンサーは、たとえば、モーターの動作デューティサイクルに作用する。
【2858】
インターフェースは、お気に入りへのアクセスを可能にするメニュー307を用いて、使
用者が、自分が好む設定をプログラムまたは記憶するのを可能にするように設計されてもよい。
【2859】
図32に示したタッチセンシティブインターフェースは、ディスペンサー11に収容されているベース生成物のうちの1つの匂いに各々が対応する3つのカラーリングされた領域400と、得られる混合物の匂いを示す中央領域410とを画面上に示す。
【2860】
ベース生成物の各々の相対量は、たとえば、領域400の各々を中心領域410に結合する線に沿って移動するカーソル415を用いて調整することができる。
【2861】
インターフェースの使用の間、インターフェースは、所与の設定を記憶し、混合物の匂いのボタン420を画面上に表示させてもよい。したがって、使用者は、このボタン420を押すだけで、対応する匂いの混合物を分配することができる。
【2862】
図34の例では、インターフェースは、領域500において、所与の匂いを表示し、各々
が対応するベース生成物の匂い用のボタンである制御ボタン510によって、最終的な混合
物におけるこのベース生成物の割合を増加または減少させるための機会を使用者に提供する。領域500の匂いは、制御ボタン510に対するアクションに応じて再計算される。
【2863】
図35における変形形態では、インターフェースは、様々なベース生成物の特定の割合に各々1つが対応するいくつかの領域530を有するカラーチャートを示している。
【2864】
使用者は、たとえば自分の指でこれらの領域のうちの1つを押すことによって、その領域を選択してもよい。
【2865】
インターフェースは、その選択された匂いを、領域535においてより大きいスケールに
表示するように設計されてもよい。ディスペンサー11をこの匂いを分配するようにプログラミングすることは、たとえば、領域を押すことによってトリガされる。
【2866】
図36の例では、使用者は、カーソル555を連続的な匂いチャート550上を移動させ、選
択された匂いを領域558に表示させてもよい。
【2867】
その場合、使用者は、たとえば領域556を押すことによって、ディスペンサーに選択さ
れた匂いにおける生成物を分配させるための必要な命令をディスペンサー11に送ることをトリガすることができる。
【2868】
図37から明らかなように、インターフェースは、選択された様々なシェードを記憶することができ、使用者が、すでに選択されたことがあるシェードを、対応するボタン560
を押すことによって非常に簡単に再び選択するのを可能にするように、それらのシェードを画面上に表示することができる。
【2869】
図38は、好ましくは上記で説明したようなディスペンサーと、インターフェースが属するコンピュータシステム100とを備える分配システムのユーザインターフェース1000の
例を示している。
【2870】
ここでは、コンピュータシステムは、たとえば、ラップトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなど、自律的に動作する装置、または、リモートサーバに接続された装置を備える。
【2871】
検討されている例では、インターフェース1000は、このような装置のタッチスクリーンによって画定される。図示されていない変形形態では、ディスペンサーは、タッチスクリーンまたは任意の他の種類のマンマシンインターフェースを組み込んでおり、他の装置への接続なしで使用することができる。
【2872】
装置は、たとえば、前もってダウンロードされており、画面において、顔1035と、使用者が情報を入力するのを可能にする一連のボタンとを表示するアプリケーションを動作させる。
【2873】
顔は、触れることによって選択することのできるいくつかの領域Z1~Z6、たとえば額、鼻、頬、まぶた、下顎の先、および唇を備えてもよい。
【2874】
画面に存在するボタンは、たとえば、フレグランスの名前または使用者の名前を入力し、選択された領域を表示し、匂いを選択し、実施された試験の結果が許容可能であるかどうかに関してコンピュータシステムに通知し、または場合によっては、図示しているように、以前に実施された試験に対する結果の評価に関する情報、つまり、たとえば、より良い、または「それほど良くない」を提供することを可能にし得る。画面はまた、選択された匂いおよび領域を、検討中の領域においてその匂いによって試験が実施された後に記憶するのを可能にするボタンを表示してもよい。
【2875】
匂いの選択は、たとえば、図36を参照して説明したスケールと同様のスケールによって行われる。
【2876】
コンピュータシステムは、試験の間に分配された混合物を再現するのを可能にするパラメータに顔の領域を関連付けるために、たとえばルックアップテーブルの形態でデータを記憶するように設計される。これらのパラメータには、たとえば、混合物におけるディスペンサーのベース生成物の各々の相対的な含有量、分配された量Qに加えて、たとえば、
領域の名前、混合物が分配された日付および/または任意の他の混合物識別子、ベース生
成物の識別子、一年のうちの時期、特に季節、使用者の年齢、使用者の性別、使用者の姓または名、フレグランスと関連付けられる出来事の名前、たとえば、特に誕生日、ならびに領域に適した生成物の量などの追加データがある。補助データは、使用者が、一年のう
ちのその時期に適していると考えられるフレグランスをより容易に再現するか、または、人生の出来事を思い出すか、または、若返りの効果をもたらすのを可能にしてもよい。
【2877】
これらのデータは、コンピュータシステム100に記憶されてもよく、たとえば、前述の
装置内、および/もしくは、装置が通信しているリモートサーバ上、または代替で、ディ
スペンサー11に組み込まれた電子メモリ内に記憶されてもよい。
【2878】
したがって、本発明によれば、使用者は、ディスペンサーに第1のフレグランス物質を供給させ、第1のフレグランス物質を顔の第1の領域に塗布し、それが適するかどうかを判定してもよい。結果に満足できる場合、使用者はその結果を記録し、領域にインデックス付けし、結果に満足できない場合、使用者は、上記の動作を繰り返すために、新たな匂いを指示してもよい。
【2879】
コンピュータシステムは、この文脈において、様々な方法で使用することができる。
【2880】
たとえば、図40に示しているように、使用者は、ステップ1010において、調整ボタン1012を移動させることによって、たとえば画面に表示されたスケール1011を用いて、試験する匂いを選択している。
【2881】
次に、選択された匂いは、ステップ1015においてディスペンサー11に送信される。
【2882】
たとえば、装置は、分配されるベース生成物の各々の量を送信し、それに従って、電子回路81はモーターを動作させる働きをする。
【2883】
ステップ1016では、使用者はディスペンサー11の制御ボタン12を押し、これによって、たとえば、使用者によって選択された匂いで、混合物の処方量を分配させる。
【2884】
混合物は、たとえば、カップ115内に分配され、次に、ステップ1020において使用者に
よって取り出され、頬、または、インターフェース上で指示される任意の他の領域に塗布される。
【2885】
変形形態では、生成物は、エアブラシを用いて、または、前述したような任意の他の手段によって、塗布される。
【2886】
次に、使用者は、ステップ1022において、ボタン1021を用いて、コンピュータシステムに結果を通知する。
【2887】
結果が満足できるものであることを使用者が示す場合、システムは、たとえば、使用者が、ステップ1031において、試験のパラメータを記憶させるために、ボタンを用いてこれらのパラメータを検証することを提案する。
【2888】
使用者が結果を満足できるものと考えず、ボタン1032を用いてこのことを知らせる場合、それにもかかわらず、結果をステップ1034において自動的に保存することができる。
【2889】
したがって、各々の領域は、適切な匂いだけでなく、この領域に全く適していない匂いでもインデックス付けすることができる。
【2890】
次に、使用者は、ステップ1010に戻ることによって、同じ領域に対してさらなる試験を実施することができる。
【2891】
使用者が結果に満足できる場合、使用者はまた、たとえば顔の異なる領域に対してさらなる試験を実行することを望む場合がある。
【2892】
適切な場合、使用者が満足できないとき、インターフェースは、対応するボタン1040および1041を用いて、結果が先の試験よりも良いと考えられるか、または、先の試験ほど良くないと考えられるかを使用者が示すことを提案してもよい。
【2893】
コンピュータシステムは、その場合に、使用者によって入力された情報に鑑みて、次にどの匂いを試験するかに関して、提案を自動的に行うことができるかどうかを判定するように設計されてもよい。
【2894】
適切な場合、コンピュータが、実施された試験と、使用者または使用者を支援する専門家がこれらの試験をどのように評価したかとに鑑みて匂いを提案する際に、コンピュータシステムを支援するために、質問事項が表示されてもよい。
【2895】
たとえば、匂いが「適切でない」と見なされた場合、システムは、追加情報、たとえば「フルーティーすぎる」を使用者から受信する場合があり、この情報は、システムが、使用者の期待によりうまく適合する新しい匂いを提案する際に、システムを支援する。
【2896】
コンピュータシステムが、結果を先の試験と比較する情報、たとえば「より良い」または「それほど良くない」を受信することができ、そこからシステムが新たな匂いとしてどんな匂いを提案すべきかを推定できれば有利である場合がある。
【2897】
別の選択肢は、コンピュータシステムが、目標との比較に関する比較情報、たとえば「ほとんど理想的なものである」を受信することができ、そこから、システムが、その匂いの修正を自動的に調整することができることである。
【2898】
この具体的な例では、システムは、所望の結果がほとんど達成されたという情報を受信した場合、低レベルの匂い変更を採用し、したがって調整のスケールを修正することができる。
【2899】
分配システム自体が、試験すべき匂い混合物を提案する場合、これらの混合物は、あらかじめプログラムされた試験シナリオに基づくものであってもよく、システムは、シナリオが評価の成功または失敗に従ってどのように進行するかを変更してもよい。したがって、たとえば、生成物の第3の塗布から、匂いが使用者にとってほとんど理想的なものであるという情報を分配システムが受信した場合、分配システムは、プログラムを終了してもよく、その後、分配システム自体を操作者からの指令によって案内させてもよい。
【2900】
概して、使用者は、試験すべき匂いの選択において、エキスパートシステムによって支援されてもよい。
【2901】
このエキスパートシステムは、たとえば、ディスペンサーが通信する装置上で動作するか、または、ディスペンサー自体上で動作するプログラムであり、質問事項への答えに基づく、および/または、特定のセンサもしくはカメラによって得られる、たとえば皮膚も
しくは体の匂いの測定値に基づくプログラムである。したがって、使用者は、たとえば匂いセンサなどの計器による評価から支援を得ることができる。エキスパートシステムは、場合によっては、装置またはディスペンサーが情報を交換するリモートサーバ上に実装することができる。操作者は、場合によっては、開始匂い選択肢を事前プログラムすることができる専門家に自分の顔の画像を送信してもよい。別の例示的な実施形態では、使用者は、自分の顔の写真をコンピュータシステムに提示し、コンピュータシステムは、この写
真を分析し、匂いと量の両方に関して、試験される領域と、供給される第1の生成物とを定義するプログラムを作成するように設計される。たとえば、コンピュータシステムは、図42において示しているように、ステップ1070において、写真を撮ることによって、使用者に提案すべき匂いを自動的に選択するように設計されてもよい。たとえば、ディスペンサー11と通信する装置にはカメラが搭載されており、使用者は自分の顔の写真を撮る。次に、画像がステップ1071で分析され、たとえば規定の匂いの組合せ規則に従って、ステップ1072において顔の領域ごとに匂いが提案される。
【2902】
分配システムは、匂いを決定し、また、分配される生成物の量を決定するように、使用者によって向きを定められてもよい。たとえば、使用者は「首」または「髪の毛」を示してもよく、分配システムは、処方量の記憶されたマップに従って分配される処方量を、処置される領域に応じて分配させるように適合するように設計される。
【2903】
コンピュータシステムは、使用者が満足する結果を得るまでに必要とされる試験の数を制限するように、使用者を、試される混合物における匂いの選択において指導してもよい。
【2904】
したがって、図41に示しているように、ディスペンサーによって分配された混合物が、ステップ1060において顔の所与の領域に塗布された後、コンピュータシステムは、結果に満足できるかどうかを使用者に問い合わせ、結果が満足できるものではないと見なされる場合、分配された混合物を修正するために、ディスペンサーパラメータの変更1061を独自に行う。
【2905】
使用者は次いで、修正された混合物で新たな試験を実施するだけでよい。
【2906】
混合物が満足できるものであることが通知されると、コンピュータシステムは、後で混合物を再生成することが可能になるように対応するパラメータを記憶することができる。
【2907】
この場合、システムは、新たな塗布領域に関して上記のステップを新たに開始することができる。
【2908】
連続する試験の間、操作者は、顔全体を処置する必要はない。操作者は、たとえば、3つから8つまでの間の小さい領域、たとえば5つの小さい領域を選択してもよい。分配システムは、この場合、有利なことに、適切であると見なされる匂いに関するデータを内挿および/または外挿して、処置が行われていない領域に適すると見なされるべきである匂
いを計算するように設計される。
【2909】
学習段階の終わりにおいて、システムは、試験または計算された、様々な領域上の適切な匂いの表示を生成してもよい。
【2910】
分配システムは、特定の匂いが正しくないように見えるかどうかを示すように設計されてもよく、このことを、メモリ内にある標準的なマップとの比較の強度に関して示す。したがって、分配システムは、使用者がこのマッピング訓練の全部または一部を繰り返すことを提案してもよい。
【2911】
コンピュータシステムがその学習を完了し、すなわち、混合物の匂いが、特定の領域にフレグランスを塗布するうえで使用者に合う匂いとして特定された後、香水を付けることを望む使用者は、図43のステップ1080において、処置される領域を呼び出すだけでよく、システムは、ステップ1081において、使用者に混合物の適切な匂いを自動的に提案することができる。
【2912】
図44に示した変形形態では、使用者は、ステップ1090において匂いを選択し、コンピュータシステムは、ステップ1091において、実施された試験に基づいて以前に集められた情報に基づいて、この匂いの混合物を塗布すべき領域を提案する。
【2913】
提案される領域は、たとえば、同一の匂いまたは非常に近い匂いがすでに塗布されており、結果が使用者によって許容可能と見なされている領域である。
【2914】
図46は、ステップ2010において様々なゾーンで試験を実行し、使用者が、自分が最良の結果を与えると考える1つまたは複数の混合物をシステムに知らせ、これによって、ステップ2012において、対応するパラメータをシステムに知らせることができる、本発明の実装形態の一例を示している。次に、ステップ2014では、システムは、同じ特性または非常に近い特性を有する市販の生成物の参照を使用者に提案してもよい。
【2915】
一変形形態では、システムは、使用者が試験し、満足できるものであることがわかった混合物と同じ処方または同じ特性を有する組成物を生成することができるように、遠隔の製造センターにパラメータを送信する。
【2916】
図45は、様々な混合物のいくつかの処方量2020a~2020dを支持体2021において互いに隣り合わせて分配することによって、これらを同じ領域の隣接する個別の領域に塗布するのを可能にするように、ディスペンサーを使用することが可能であることを示している。
【2917】
使用者は、迅速に適切な匂いの的を絞るために、一連の匂いを1回で塗布することがで
きる。支持体2021に存在する物質は、操作者自身によって選択されていてもよいし、または、分配システムによって提案されていてもよい。
【2918】
支持体2021は、たとえば、ディスペンサーのハウジングに対して移動でき、様々なゾーン2020a~2020dにおいて対応する混合物を堆積させるために連続して移動され、たとえば、図29または図29Aに関連して記載した支持体と同様である。したがって、使用者は、様々な領域同士の間で結果を容易に比較し、どの混合物が最良の効果を生成するかをシステムに通知することができる。
【2919】
図47は、使用者が、メイクアップを施すとき、特に正しい匂いを選択するときに、使用者を支援するシステムを示している。
【2920】
このシステムは、第1の場所2061におけるカメラ2060と第2の場所2062との間で、たとえばインターネットを介して、ビデオリンクを確立するのを可能にする。
【2921】
カメラ2060は、たとえば、コンピュータシステム100を構成するタブレットまたはスマ
ートフォンに組み込まれる。
【2922】
第2の場所2062は、第1の場所2061に存在するディスペンサー11を直接的に動作させるかあるいは間接的に動作させることができる。
【2923】
したがって、第1の場所に存在する使用者は、分配される混合物を塗布し、対応する画像を第2の場所2062に送信し、それに応じたフレグランス塗布の結果に関する情報を受信することができる。
【2924】
第2の場所2062は表示画面2064を有してもよく、この表示画面2064は、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された混合物での結果をコメン
トを介して理解し、フレグランスを塗布する使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の匂いを変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように匂いを適合させるようにディスペンサー11を操作してもよい。したがって、2つの場所の間でのデータの交換についてのプロトコルは、コマンド命令をディスペンサー11に直接送るか、あるいは、第1の場所に存在するコンピュータシステム100を介して送るのを可能にする。したがって、第2の場所に存在する使用者は、ディスペ
ンサー11によって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分自身に香水を付けてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なフレグランスが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【2925】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクであり、そのため、第1の場所に存在する使用者は、コンピュータシステムの画面において、アドバイザーの画像を見ることができる。このアドバイザーは、必要な場合、第1の場所に存在する使用者にチュートリアルを送信することができる。
【2926】
ディスペンサー11の設定パラメータを記憶することは、与えられた混合物が満足できると見なされた後、第2の場所から命令されてもよい。
【2927】
インターフェースは、処置すべき領域の順序、または、提案すべき匂いの順序が定義されたフレグランス塗布プログラムを定義するために使用されてもよい。
【2928】
実施例
図3に示すようなディスペンサー11を作製する。
【2929】
使用者は、タブレット上で動作し、様々な生成物の割合を計算するアプリケーションで、所望の香りを決定する。タブレットは、Bluetooth(登録商標)接続によって、この値
をディスペンサーに伝達する。
【2930】
ディスペンサー11に組み込まれた電子機器は、情報を集め、3つのカートリッジの流量を自動的に調節して、所望の香りの混合物を得る。
【2931】
使用者は、生成物を使用することを希望するときに、生成物を放出させるために、ディスペンサーのボタン12を押す。使用者は、「連続」モードで、生成物を希望する限りボタンを押す。「用量」モードでは、使用者は、ボタン12を1回押し、規定の用量が供給され
る。
【2932】
分配は、連続的に実施されてもよく、つまり、モーターが連続的に動作し、全体的な体積が、1回で分配されるか、または、反復的に分配される。その結果、モーターはパルス
式に動作し、その場合、2回のパルスの間の時間の間隔によって流量を変化させることが
可能である。小容量が、いくつかの段階を経て次々と供給される。
【2933】
パルスは、たとえば、50ms、100ms、または200msの間隔で分けられてもよい。モーターが回転している間のパルスの持続時間は、たとえば50ms~150msである。
【2934】
この例における「μMix」アプリケーションのメインページは、特に図31で見られる
ような、以下の要素を備える。
・画面の上部におけるステータスバー:Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示す;
・画面の下部におけるサムネイル:アクティブページ、つまり、メインページ、設定、B
luetooth(登録商標)、生成物、およびお気に入りを選択するためのもの;
・生成物が連続的に分配されるモードを選択するための連続ボタン304;
・パージモードを選択するためのパージボタン305;
・分配が、用量ボタンと関連する用量体積を有する用量で行われるモードを選択するための用量ボタン306;
・ドラッグするか、または、ダブルタップを用いるかのいずれかで、体積を表す三角形の内部で使用者が動かすことができる青色ボール300;
・各生成物A、B、およびCのための「-」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を結ぶ直線に沿って移動するときに、選択された生成物の割合が小さくなる;
・各生成物A、B、およびCのための「+」ボタン302:選択された生成物の頂点と点を結ぶ直線に沿って移動するときに、選択された生成物の割合が大きくなる;
・百分率としての各生成物の体積割合:使用者によって修正可能であり、+ボタンおよび-ボタン302からの命令と、ボール300の位置とに従って、リアルタイムで更新される。
【2935】
体積分率は、ボールを移動させるか、または、+ボタンおよび-ボタンを用いることによって修正されるが、生成物A、B、およびCの体積分率の値は自動的に更新される。体積割
合が+ボタンおよび-ボタンを用いて修正されるとき、ボール300は、三角形における対応
する位置に自動的に移動される。
【2936】
タブレット上で動作するこのアプリケーションは、起動されると、ディスペンサー11が検出された場合にディスペンサー11に自動的に接続する。ディスペンサーがオフに切り替えられるか、または、Bluetooth(登録商標)接続が切断されると、タブレットは切り離
される。使用者が、生成物AおよびBの割合を調節するカーソルを移動するときに、値はリアルタイムでディスペンサー11に送信される。
【2937】
アプリケーションの設定ページは以下の要素を含む。
- 画面の上部におけるステータスバー: Bluetooth(登録商標)接続の状況、または、Bluetooth(登録商標)接続がない場合にはμMixの状況を示す;
- 画面の下部におけるサムネイル:アクティブページ、
つまり、メインページ、設定、Bluetooth(登録商標)、または情報を選択するためのも
の;
- ml単位の用量の体積(たとえば2ml)を定義するために使用者によって埋められるテキストフィールドと、ml単位のパージ体積(たとえば3ml)に関するフィールドとを含む「体
積」部分。この例における最小用量は0.023mlであり、最大用量は9.90ml(3×3.3ml)であ
る;
- 流量の選択に関する「流量」部分:高速(≫0.03ml/s)、中速(≫0.02ml/s)、または低速(≫0.01ml/s);
- いくつかの段階を経て次々に供給される少量の生成物の混合物を分配するための、
混合物の反復的な選択に関する「用量」部分;
逆の場合、各生成物の全体積が1回で分配される;
- ディスペンサー11によって供給される香りで三角形を表示することができるように
、メインページにおいて表示される三角形の画像を選択するための「三角形画像」部分。「設定」ページにおける「画像選択」ボタンを使用することによって、アルバムにアクセスすることができる。
【2938】
検討されている例では、アプリケーションの「生成物」ページは、以下の要素を含む。
- 0~1414のコードステップ単位での各生成物の値の選択
【2939】
各単位は、供給された生成物体積2.33μlに対応し、これは、この例におけるディスペ
ンサーが供給できる最小量である。このページが表示されると、このページにおける生成
物の値がディスペンサーにリアルタイムで送信される。ページがもはや表示されなくなるとすぐに、ディスペンサーに送られる値は、三角形を含むメインページのものとなる;
- 45個の値ごとにリアルタイムでリフレッシュされるA、B、およびCについてのモータートルクの表示。
【2940】
生成物が供給されるモードは、設定ページにおいて選択される選択肢に従う反復用量モードまたは直接用量モードである。
【2941】
「お気に入り」ページは、構成をファイルに保存するのを可能にする。「お気に入り」ページは、検討されている例では、デフォルトファイルに加えて、10個のファイル、つまり「構成1」~「構成10」へのアクセスを可能にする。これらのファイルは、たとえば、
以下のパラメータを記録する。
- 生成物A、B、およびCの割合、
- パージ体積、
- 用量体積、
- 高流量、中流量、または低流量、
- 用量モード、パージモード、または連続モード、
- 連続分配または反復分配。
いくつかの試験が、分配システムを用いて行われる。
【2942】
実施例1(本発明の第9の態様)
3つのベース生成物のセットを作製した。
F1: (オレンジ果皮香)
n-デカナール 6%
n-オクタナール 5%
Klucel H CS 1%
無水エタノール 適量 100
F2(ローズ香)
フェニルエチルエタノール 6%
Klucel H CS 1%
無水エタノール 適量 100
F3(アニス香)
アネトール 2%
Klucel H CS 1%
無水エタノール 適量 100
各組成物は、2~2.7Pa.sの範囲のレオロジーを有する。
3つのカートリッジを3つのコンパートメントC1、C2およびC3に入れた。
次に、いくつかの混合物(200mg)を作製した。
混合物1: C1 0%、C2 50%、C3 50%
混合物2: C1 50%、C2 50%、C3 0%
混合物3: C1 50%、C2 0%、C3 50%
混合物4: C1 34%、C2 33%、C3 33%
これらの混合物の嗅覚的ノートを、精度を9gで比較することによって作製された混合物と比較した。
【2943】
実施例2(本発明の第9の態様)
実施例1と同じ混合物を、以下の配合で作製した。
F1: (オレンジ果皮香)
n-デカナール 6%
n-オクタナール 5%
Klucel M CS 1%
無水エタノール 適量 100
F2(ローズ香)
フェニルエチルエタノール 6%
Klucel M CS 1%
無水エタノール 適量 100
F3(アニス香)
アネトール 2%
Klucel M CS 1%
無水エタノール 適量 100
これらの混合物の嗅覚的ノートを、精度を9gで比較することによって作製された混合物と比較した。
【2944】
例3(比較例)
実施例1と同じ混合物を、以下の配合で作製した。
F1: (オレンジ果皮香)
n-デカナール 6%
n-オクタナール 5%
無水エタノール 適量 100
F2(ローズ香)
フェニルエチルエタノール 6%
Klucel M CS 1%
無水エタノール 適量 100
F3(アニス香)
アネトール 2%
Klucel M CS 1%
無水エタノール 適量 100
粘度は、配合物F2およびF3に関しては約2~2.5Pa.sであり、かつ配合物F1に関しては0.02Pa.s未満であった。
生成物の粘度は、1atmおよび25℃で、MS-r3またはMS-r4測定棒が取り付けられたCONTRAVES TV回転粘度計を60Hzの振動数で用いて、測定棒を10分回転した後に測定した。
これらの混合物の嗅覚的ノートを、精度を9gで比較することによって作製された混合物と比較した。混合物2、3および4については、嗅覚的な違いを記録した。
混合物2: C1 50%、C2 50%、C3 0%
混合物3: C1 50%、C2 0%、C3 50%
混合物4: C1 34%、C2 33%、C3 33%
【2945】
実施例4(本発明の第9の態様)
香水業界における専門家および未経験者の2名の人物が電話で会話する。
未経験者は、実施例1の組成物を含むデバイスを有する。
未経験者は、アニシードおよび花の配合物を開発することを希望する。
最初に、専門家がデバイスを調整し、未経験者を満足させると専門家が考える混合物(100mg)M1: C1 20%、C2 0%、C3 80%を作製する。
未経験者は、混合物は甘い香りが強すぎると思うと言う。専門家はこの説明を理解し、未経験者の希望の方向に向かうと専門家が考える混合物(100mg)M2: C1 20%、C2 40%、C3 40%を提案する。
未経験者は、混合物は甘い香りが強すぎるとまだ思っていると言う。専門家はこの説明を理解し、未経験者の希望の方向に向かうと専門家が考える混合物(100mg)M3: C1 30%、C2 50%、C3 20%を提案する。
未経験者は、混合物はほぼ完全だと思うと言う。専門家はこの説明を理解し、3つの混
合物(100mg):
M4: C1 35%、C2 50%、C3 15%、
M5: C1 25%、C2 50%、C3 25%、
M6: C1 25%、C2 60%、C3 15%
を提案する。
未経験者は、自身の好ましい混合物: M5を選択する。
次に、秤量(25g)によって、大量の混合物M5を作製する。次いで、未経験者が、自身が専
門家との作業セッション中に決定したものと同じ嗅覚的品質を伴う香水を有する。
実施例3の配合物で行われた同じ試験が、また可能である。
しかし、専門家との作業セッション中に選択された混合物と、秤量によって大量に作製された香水との間に違いがあった。
【2946】
J)耐久性/快適さのレベルをカスタマイズするためのカートリッジのセットを含む分配シ
ステム
得られる色の精度は、高品質の結果を得るための非常に重要な因子である。使用者は、時間に応じるだけでなく、顔の上の位置にも応じて自分のメイクアップの耐久性および快適さを変更できることも望む。通常、耐久性に優れた生成物を使用することによって、メイクアップは、応力が加えられる領域でも耐性を示す。しかし、この解決策は、不快感が伴うことに起因して不十分である。快適な組成を使用すると、最も敏感な領域を含む、顔全体をメイクアップすることが可能になる。しかし、この解決策は、露出される領域の耐久性が不十分であることに起因してそれほど満足できるものではない。
【2947】
顔の様々な部分にそれぞれに異なるレベルの耐久性および快適さが必要である場合でも、顔全体を同一のシステムによってメイクアップすることができるように、膜の特性を顔の様々な部分または時間に適合させることができることが望ましい。
【2948】
唇の処置には高い耐久性が必要であることがわかっている。目の周りの領域の処置では、より柔軟でより快適であり、場合によっては耐久性がより限定された膜が必要であることが知られている。ベースの処置には、耐性よりも快適さの方が高い膜が必要であることも知られている。可動性がより低い他の領域には、不快感を与えずに耐性を示す膜が有利である場合がある(たとえば、鼻)。
【2949】
同一のシステムによって時間に適したメイクアップを施すことができるように、膜の特性を1日のうちの時間または1年のうちの時期に適合させることができることも望ましい。
【2950】
したがって、場合によっては、使用者は、たとえばパフォーマンスまたはショーにおいて口紅ができるだけ長持ちすることを望む場合があることが知られている。対照的に、他の機会には、たとえば、人との付き合いの場では快適さが優先される。
【2951】
通常、この解決策は、顔の様々な部分用に生成された一連の生成物を使用することからなる。この手法は、非常に普及しているが、色に関するすべてのニーズを満たすために設けるべき基準の数が問題となる。
【2952】
本発明のケースでは、いくつかのレベルの耐久性/快適さをもたらすことが望ましいと
仮定した場合の手法は、生成物同士を掛け合わせることからなる。
【2953】
さらに、(ユーザが領域ごとに最も適切な色を有することができるように)着色材料の濃度を変化させることができることが望ましいとき、場合によっては、それぞれに異なる色およびそれぞれに異なるレベルの耐久性/快適さを有する一連の生成物のすべてを提供す
ることはより困難になる。
【2954】
1つの可能性は、様々な膜質を実現する生成物の1組のカートリッジのすべてを備える
、耐久性/快適さを変化させるための単一のシステムを使用者に提供することである。こ
の場合、システムは、処置すべき領域に応じて、システムのコンパートメント内の生成物のカートリッジを交換する必要なしに様々な生成物を使用する。しかし、この手法は、システムが非常に多数のコンパートメントおよびカートリッジを有する必要があり、複雑でコストのかかる技術が必要になるので現実的ではない。
【2955】
したがって、着色材料の濃度および膜質を調節するための単純なシステムを提案することを本発明では追求している。
【2956】
このシステムは、(システムまたはカートリッジを交換する必要なしに)顔のすべての領域を迅速に処置し、色を変化させ、適切な膜質を確保するうえで特に有利である。
【2957】
このシステムは、視覚的効果および快適さに関する最良の性能が実現されるまで使用者が色および膜質を試験するのを可能にする。
【2958】
第10の態様によれば、本発明は、この問題の解決を追求し、かつ本発明は、生成物を
分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にし、第1のベース生成物が、揮発性溶剤と膜形成ポリマーとを含み、第2のベース生成物が、非揮発性オイルを含むシステムによって上記の目的を実現する。
【2959】
この第10の態様によれば、本発明は以下の特徴のうちの1つまたは複数を有する。
- 第1のベース生成物は液体無水組成物の形態であり、
- 第2のベース生成物は無水液体組成物の形態であり、
- 第1のベース生成物は逆エマルジョンを含み、
- 第2のベース生成物は、逆エマルジョンを含み、
- 膜形成ポリマーは疎水性であり、
- 変化する膜の特性は膜の可撓性であり、
- 変化する膜の特性は膜の油性であり、
- 変化する膜の特性は膜のタイトニング性であり、
- 2つのベース生成物としては、互いに反応して膜を形成するベース生成物が選択
され、
- 第1のベース生成物は反応性シリコーンを含み、第2のベース生成物は、反応性
シリコーンの架橋を生じさせる触媒を含み、
- 反応性シリコーンは、2つの鎖末端にビニル機能を保持するテレキーレックポリ
オルガノシロキサンとポリ水素シロキサンの混合物を含み、
- 触媒は白金ベースであり、
- 第1のベース生成物は、膜形成ポリマーを含み、第2のベース生成物は、室温で
は液体である油性化合物を含み、
- 膜形成ポリマーは、ガラス転移温度Tgが30℃以上、より良好には60℃以上であり

- 膜形成ポリマーは、ビニル特にアクリルのポリマーまたはコポリマーから選択さ
れ、
- 膜形成ポリマーは脂溶性であり、
- 第1および第2のベース生成物は、異なるそれぞれの膜形成ポリマーを含有し、
- 第1のベース生成物の膜形成ポリマーは、ガラス転移温度Tg1を有し、第2のベース生成物のポリマーは、Tg1とは異なるガラス転移温度Tg2を有し、好ましくはTg1>60℃お
よびTg2<10℃であり、
- 第1のベース生成物は、メタクリルポリマーおよびコポリマー、ポリアミド、ア
ルキルセルロース、ビニルピロリドンのポリマーおよびコポリマー、ならびにシリコーン樹脂から選択されるポリマーまたはコポリマーを含み、
- 第2のベース生成物は、アクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルポリマーお
よびコポリマー、ポリエステルおよびポリウレタンなどの重縮合物から選択されるポリマーまたはコポリマーを含み、
- 第1のベース生成物は、融点Mp1>20℃である油性化合物を含み、第2のベース生
成物は、融点Mp2<20℃である油性化合物を含む。
【2960】
本発明のこの第10の態様によれば、本発明の主題は、化粧生成物、メイクアップ生成
物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布する方法であって、処置すべき
領域に応じてディスペンサーを設定することと、ディスペンサーの設定に対応する割合でベース生成物をカートリッジから取り出すことによって生成物を分配することとを含む方法にも関する。
【2961】
したがって、本発明の第10の態様によれば、本発明は以下の構成に基づく。
・分配システム、
好ましくはそれぞれに異なる逆エマルジョンを含む少なくとも2つのコンパートメントであり、一方の逆エマルジョンが揮発性溶剤と膜形成要素とを含むこと、他方の逆エマルジョンが非揮発性オイルを含むこと、
・このシステムが、顔の上の位置ごとに最良の混合物を供給するようにプログラムされること。
【2962】
この第10の態様によれば、本発明は、顔の1つまたは複数の領域を処置することと、
色の忠実性および快適さならびに特に有効な効果を得るのに適切な耐久性に関して非常に正確な混合物を得ることを可能にする。以後において、「領域」という用語は、顔の規定の部分を示すために用いられ、この部分は、表面積がかなり小さく、1cm2から100cm2の間の範囲であり、より良好には、2cm2から50cm2までの範囲である。
【2963】
この概念は、ここでは、膜が皮膚の上に堆積されるか、または前記膜がカラーリングされるか、またはコンシーリングが施されるか、またはそれらが行われないすべての処置に当てはまる。たとえば、この概念は、(スクリーニング剤を含む)保護膜または(生物学的
活性薬剤を含む)トリーティング膜またはタイトニング膜の塗布を含む。
【2964】
本発明によるシステムは、生成される膜を変化させることができ、優れた耐久性または優れた快適さの効果およびその中間の効果をもたらす。したがって、選択される調整に応じて、膜の耐久性/快適さ特性は同じではない。
【2965】
分配システム
分配システムは、自律して動作し、好ましくは片手で操作できる単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置からなってもよい。分配システムは、たとえば、後において明記されているように、生成されるメイクアップの種類に応じてディスペンサーに取り付けられる様々な出口インターフェースを含んでもよい。分配システムはまた、ディスペンサーを動作させるためにディスペンサーと情報を交換するコンピュータシステムを含んでもよく、このコンピュータシステムは、たとえば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備える。
【2966】
好ましくは、ディスペンサーは、容積計量装置、好ましくは対応するコンパートメント
においてピストンを移動させるモーターを介して、ベース生成物を収容する1つまたは複数のコンパートメントを加圧するように設計される。
【2967】
ディスペンサーは、ハウジングと、少なくとも2つまたは3つのコンパートメントと、好ましくはコンパートメントと同じ数のモーターとから形成されてもよい。たとえば、モーターの回転は、各々のコンパートメントのピストンを押すエンドレススクリューを駆動する。ピストンの前進移動は、たとえば、モーターに送信される命令パルスの数によって制御され、および/または、モーターが動作している時間の長さによって制御される。こ
れらのモーターは、連続して電力供給され、または、好ましくは同時に電力供給されてもよい。
【2968】
たとえば、これらのモーターは、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に、次々に電力供給されるか、または、互いに同時に電力供給され、対応する微小処方量を分配する。
【2969】
基本周期が繰り返され、場合によっては周期間に動作が休止されて、ベース生成物がコンパートメントから流れ出る時間が与えられる。
【2970】
コンパートメントは、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定されてもよい。代替として、コンパートメントは、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【2971】
各々のカートリッジは、カートリッジを洗浄できるようにするために取り外しできるストッパーによって閉じられてもよい。
【2972】
好ましくは、ディスペンサーのハウジングは、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、取り扱うのがより容易であり、カートリッジは、ハウジング内部でこの軸の周りに配置される。
【2973】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から供給される。カートリッジは個別に挿入されてもよく、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体型の組立体を構成する。
【2974】
カートリッジは、ベース生成物を収容する内部容積が小さくなり、一部の生成物が排除される方向に、ディスペンサーの駆動機構によって移動されるピストンを備える容積計量機構を各々有してもよい。カートリッジに収容される生成物の色が見えるように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利である場合がある。
【2975】
駆動機構は、モーターから形成された動力化システムを有してもよく、このモーターは、変速機に結合され、ディスペンサーの長手方向軸と平行な細長い形状を有し、カートリッジの間に位置決めされる。このようにモーターおよびカートリッジを位置決めすると、ディスペンサーが特に小形になる。
【2976】
ベース生成物は、対応するカートリッジから密封状態で出ることができ、そのため、ディスペンサーから出ていく前に、ディスペンサーのハウジングにおけるこの目的のために設けられた通路に沿って流れることができる。
【2977】
カートリッジは、有利には、カートリッジがディスペンサーのハウジング内に挿入された後、端部がハウジングと面一で配置されるように作製されたエンドピースが端部に位置する。代替として、エンドピースは、ハウジングを超えて突出するのに十分な長さを有し
、それによって、ディスペンサーのハウジングに取り付けることができる様々な出口インターフェースを連結する。
【2978】
ピストンを前進させるためのモーターを備える駆動機構によって、非常に少量の混合物を正確に供給することが可能である。したがって、駆動機構は、ベース生成物を50μL/s
以下、より良好には20μL/s、さらに良好には10μL/sの最小流量で供給することができる。駆動機構は、20μL/sから100μL/sの間、より良好には40μL/sから60μL/sの間の流量
を供給することが好ましい。したがって、約10mgの混合物を容易に生成することが可能である。したがって、そのような分配システムは、たとえば、1cm2の面積、より良好には0.5cm2の面積を被覆するためのわずかなメイクアップを施すのに理想的なシステムである。
【2979】
頬または顔をメイクアップするのに必要とされる量など、より多くの量の混合物を生成することも可能である。しかし、それでもこのような量は比較的少なく、たとえば、100mgから500mgの間、より良好には150mgから250mgの間の量である。
【2980】
好ましくは、カートリッジは、生成物が出ていく際に通る分配エンドピースを備え、この分配エンドピースは、ピストンを移動させるための駆動機構によって回転駆動される。エンドピースは、少なくとも1つの回転防止浮き出し部、さらに良好には、直径方向で向かい合う2つの回転防止スタッドを有してもよい。
【2981】
エンドピースは、シール、特にOリングシールを担持してもよい。したがって、カート
リッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することが可能になる。
【2982】
ディスペンサーは、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備えてもよく、この電子基板は、それを貫通する1つまたは複数のエンドピースを有する。これによって、ディスペンサーの実質的に断面全体にわたって延びる基板を作製することが可能になる場合があり、それによってディスペンサーのすべての電子部品を単一の基板上にまとめることができ、したがって、小形化および信頼性が向上する。基板は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に直交して延びてもよい。基板は、ディスペンサーの動作を制御するためのスイッチを担持してもよい。
【2983】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計されてもよい。
【2984】
「連続」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【2985】
「処方量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【2986】
エンドピースは、末端がハウジングの一端に位置してもよい。このことは、以下で詳細に説明するように、デッド容積を小さくすることを可能にする場合がある。
【2987】
エンドピースは、生成物がダクトにおいて乾燥するのを防止するための遮断システム、たとえば自己回復膜を、エンドピースの端部の所に有してもよい。
【2988】
カートリッジは、ピストンがねじ込まれる中空ねじを備えてもよく、ピストンは、ねじが回るにつれてねじに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。たとえば、カートリッジの本体に対するピストンの摩
擦は、ねじが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分なものであってもよい。
【2989】
好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と、変形不可能であるピストンによって、回転が不可能になる。
【2990】
モーターのトルクは、引き込まれる電流に応じて電子的に決定され、たとえば、ピストンがその行程の端部に到達したことを検出するために使用されてもよい。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムに遠隔に送信されてもよく、それによってディスペンサーの正しい動作を監視することができる。
【2991】
シェードを調整するために、本発明による分配システムは、使用者が各々のコンパートメントから供給される体積を変化させるのを可能にする必要がある。
【2992】
好ましくは、ディスペンサーは、ディスペンサーに組み込まれるコンピュータシステム、または、ディスペンサーの外部のコンピュータシステムによって動作させられ、ディスペンサーはその場合、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【2993】
したがって、ディスペンサーは、色が異なるいくつかのベース生成物の制御された同時分配または連続分配によって、シェードを調整することができるように動作させられてもよい。
【2994】
ベース生成物の分配は連続的であってもよく、このような場合、ベース生成物の各々の体積は、1回の発射で同時に分配されるかまたは連続的に分配される。
【2995】
同時分配の場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するように、様々なベース生成物のそれぞれの流量を調整することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧によって混合物を分配するときに特に適切である場合がある。流量を調整するために、たとえば、ピストンが、エンドレススクリューによって、スクリューを駆動するモーターの回転速度を変化させることによって駆動される場合、たとえば、ピストンが移動する速度を変更することが可能である。生成物はまた、各々の周期に分配時間と休止時間が含まれるパルス手法で分配されてもよい。デューティサイクルを変えることで、流量を変えることが可能である。
【2996】
すべての生成物が分配時間の間に同時に分配されてもよく、あるいは代替として、ある生成物が分配され、その間他の生成物が休止されるように、様々な生成物の周期が互いに位相をずらされる。
【2997】
本発明の特定の一実施形態では、混合物は、密閉される場合も密閉されない場合もある容器のキャビティ内に供給され、このキャビティはたとえば、カップの形態であり、アプリケータ、特にスタイラスまたはブラシがキャビティ内に滑り込んでもよい。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手に直接的に接触せずに塗布される他の処方物に特に適している。この容器は取り外し可能であってもよい。
【2998】
たとえば、分配システムは、リップカラーディスペンサーとして使用され、たとえばねじを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器はディスペンサーの本体とともに作製されてもよい。取り外し可能であるとき、容器は、特にディスペンサーに取り付けることができる1つの出力インターフェースを構成してもよい。
【2999】
コンパートメント、具体的にはカートリッジは、駆動機構の全部または一部と、たとえ
ば、動力化システム、またはより良好には、動力化システムの一部とを収容してもよく、この目的は、ディスペンサーの本体におけるカートリッジの外部にある可動部の数を少なくすることである。たとえば、カートリッジはモーターの回転子を収容する。回転子は、カートリッジがディスペンサーの本体に設置された後、固定子と相互作用するように作られる。
【3000】
分配システムは、有利なことに、システムによって供給される混合物が、連続的または不連続的に修正される、あらかじめプログラムされたシーケンスの動作を可能にするように構成される。「段階的」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに徐々に進行するのを可能にする。塗布が、特にエアブラシを使用する噴霧によるものである場合、このモードによって段階的動作を簡単に実現することが可能になる。「交互」モードは、たとえば、混合物Aから混合物Bに連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧による塗布の場合、2つの重ねられた隣接する被覆について処方が異なる多層塗布を実現することができる。別のモードは、たとえば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、たとえば画面における表示によって、混合物がどのように使用されるべきかを使用者に毎回示す。
【3001】
手動の塗布の場合、混合物は、たとえばカップ内に分配される。使用者は、カップから取り出された対応する混合物によって、推奨される場所にメイクアップを施し、次に、必要に応じて、カップを洗浄し、新たな混合物の供給を命令し、上記の作業が、メイクアップが完全に施されるまで必要とされる回数繰り返される。
【3002】
分配される混合物は、使用の種類に応じて、様々な方法で均質化することができる。手動の塗布の場合、均質化は、塗布時に塗布領域において直接的に行うか、または、混合物が取り出される前にカップにおいて行うことができ、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器内に分配される場合、均質化は、手動で行うことができ、あるいは、分配された生成物を、後で詳述するように、ディスペンサーと容器との間に位置する混合チャンバ、または、容器内に直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることによって行うことができる。
【3003】
生成物は、分配システムによって供給され、即座に使用されてもよい。代替として、分配システムによって供給された生成物は、包装され、後で、たとえば2回の使用の間に少
なくとも1日の間をおいて、たとえば何回か使用される。
【3004】
好ましい例示的な実施形態では、本発明は以下のように構成される。
コンパートメント1は組成物C1を収容する。
コンパートメント2は組成物C2を収容する。
【3005】
C1とC2を異なる比率で接触させると、異なる膜耐久性/快適さ品質が得られる。
【3006】
組成物C1は、膜形成ポリマーと揮発性溶剤とを含む親油性連続相(逆エマルジョンまた
は液体無水組成物)を含むことが好ましい。
【3007】
組成物C2は、非揮発性オイルを含む親油性連続相(逆エマルジョンまたは液体無水組成
物)を含むことが好ましい。
【3008】
フィルム形成ポリマー
このタイプのポリマーは、マット効果の耐久性を経時的に有意に高めることを可能にする限り、特に有利である。
【3009】
特に好ましい本発明の形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1つの疎水性フィルム形成ポリマーを含む。
【3010】
本発明の意味の範囲内で、「ポリマー」は、1つまたは複数の単位(これらの単位は、
モノマーとして既知の化合物から得られる)の繰返しに相当する化合物であると理解され
る。このまたはこれらの単位は、少なくとも2回繰り返され、好ましくは少なくとも3回繰り返される。
【3011】
本発明の意味の範囲内で、「疎水性フィルム形成ポリマー」は、水に対する親和性がなく、かつこの点において、水性媒体中で溶質の形態である配合物に適さないフィルム形成ポリマーを示すと理解される。特に、疎水性ポリマーは、25℃の水中で1重量%未満の溶解度を有するポリマーであると理解される。
【3012】
「フィルム形成ポリマー」は、それ自体によってまたはフィルム形成補助剤の存在下で、支持体上に、特にケラチン材上に巨視的に連続したフィルム、好ましくは粘着性フィルム、より良好には、たとえば、前記フィルムが非粘着表面、たとえばテフロン(登録商標)コーティングまたはシリコーンコーティング表面上に注がれることによって調製されるときに、その密着性および機械的特性が、単離時に前記フィルムが単離可能および操作可能であり得るようなフィルムを形成することができるポリマーであると理解される。
【3013】
具体的には、疎水性フィルム形成ポリマーは、以下を含む群から選択されるポリマーである。
- 有機溶媒媒体に可溶性であるフィルム形成ポリマー、特に脂溶性ポリマー;これは、ポリマーが有機媒体中で可溶性または混和性であり、媒体に組み入れられたときに単一の均一相を形成することを意味する;
- 有機溶媒媒体中で分散性であるフィルム形成ポリマー、これはポリマーが有機媒体
中で不溶相を形成し、ポリマーがこの媒体に一旦組み入れられると安定性および/または
相溶性が維持されることを意味する。特に、こうしたポリマーは、ポリマー粒子の非水性分散体、好ましくはシリコーン油または炭化水素系油中の分散体の形態であることができ;1つの実施形態において、非水性ポリマー分散体は、少なくとも1種の安定化剤によってその表面で安定化されたポリマー粒子を含み;これらの非水性分散体は、NADと称されることが多い;
- ポリマー粒子の水性分散液の形態のフィルム形成ポリマー、これはポリマーが水中
で不溶相を形成し、ポリマーが水中に一旦組み入れられると安定性および/または相溶性
が維持され、ポリマー粒子は少なくとも1種の安定化剤によりその表面で安定化される可
能性があることを意味する。これらのポリマー粒子は、「ラテックス」として知られていることが多い。
【3014】
特に挙げられてもよい疎水性フィルム形成ポリマーとしては、エチレン単位を有する化合物のホモポリマーおよびコポリマー、アクリルポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ニトロセルロースなどのセルロース系ポリマー、シリコーン樹脂などのシリコーンポリマー、シリコーンポリアミド、ポリシロキサンを含むモノマーでグラフト化された非シリコーン有機主鎖を有するポリマー、ポリアミドポリマーおよびコポリマー、ならびにポリイソプレンがある。
【3015】
特に、前記疎水性フィルム形成ポリマーは、全体的にまたは部分的に、好ましくはゲル化油性相のみに存在する。
【3016】
本発明における使用に最も特に好適な疎水性フィルム形成ポリマーとして、特に、ブロックエチレン性ポリマー、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマー誘導体を含む
ビニルポリマー、およびシリコーン樹脂(T樹脂、MQ樹脂)が挙げられてもよい。
【3017】
揮発性溶媒
本発明の意味の範囲内において、「揮発性溶媒」は、皮膚との接触時に、室温および大気圧で、1時間未満で蒸発することができる任意の油であると理解される。
【3018】
揮発性の油は、揮発性の化粧用化合物であり、この化合物は室温で液体であり、特に室温および大気圧で0ではない蒸気圧を有し、特に、0.13Pa~40000Pa(10-3~300mmHg)の範
囲、特に1.3Pa~13000Pa(0.01~100mmHg)の範囲、より詳細には1.3Pa~1300Pa(0.01~10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する。
【3019】
揮発性油は、炭化水素系油またはシリコーン油であり得る。
【3020】
8~16個の炭素原子を含む揮発性炭化水素系油のうち、特に、分岐状C8~C16アルカン、たとえばC8~C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られている)、イソドデカン、
イソデカン、イソヘキサデカンおよび、たとえば、IsoparまたはPermethylの商品名で販
売されている油、分岐状C8~C16エステル、たとえばネオペンタン酸イソヘキシル、なら
びにそれらの混合物が挙げられてもよい。好ましくは、揮発性炭化水素系油は、8~16個
の炭素原子を含む揮発性炭化水素系油、およびそれらの混合物から選択され、特にイソドデカン、イソデカン、およびイソヘキサデカンから選択され、特にイソヘキサデカンである。
【3021】
さらに挙げることができるのは、8~16個の炭素原子、特に10~15個の炭素原子、より
詳細には11~13個の炭素原子を含む揮発性直鎖状アルカン、例としてはSasol社によって
それぞれ参照名Parafol 12-97(登録商標)およびParafol 14-97(登録商標)で販売されているn-ドデカン(C12)およびn-テトラデカン(C14)、さらにはそれらの混合物、ウンデカン-
トリデカン混合物、Cognis社からの出願WO2008/155059の実施例1および2において得られ
ているn-ウンデカン(C11)とn-トリデカン(C13)との混合物、ならびにそれらの混合物である。
【3022】
挙げることができる揮発性シリコーン油としては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサンおよびドデカメチルペンタシロキサンなどの直鎖揮発性シリコーン油がある。
【3023】
挙げることができる揮発性環状シリコーン油としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンがある。
【3024】
不揮発性油
「不揮発性油」は、室温および大気圧で少なくとも数時間皮膚上に残存し、かつ特に0.13Pa(0.01mmHg)未満の蒸気圧を有する油を意味すると理解される。
【3025】
これらの不揮発性油は、炭化水素系油、特に動物もしくは植物由来の炭化水素系油、シリコーン油、またはそれらの混合物であってよい。「炭化水素系油」は、主に水素原子および炭素原子、および場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子
を含有する油であると理解される。
【3026】
特に挙げることができる不揮発性炭化水素系油としては、以下がある。
- 動物由来の炭化水素系油、
- 植物由来の炭化水素系油、たとえば、グリセロールの脂肪酸エステルで構成された
トリグリセリド、その脂肪酸は、鎖長がC4~C24まで様々であってもよく、これらの鎖は
、場合により直鎖状または分岐状であり、飽和または不飽和であり;これらの油は、特に
ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、あるいはコムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、アブラナ種子油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、ブラックカラント油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイナッツ油、パッションフラワー油およびジャコウバラ油;シアバター;あるいはその他にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである、
- 10~40個の炭素原子を含む合成エーテル、
- 鉱物または合成物質由来の直鎖状または分岐状炭化水素、たとえば、ワセリン、ポ
リデセン、水添ポリイソブテン、スクワランおよび流動パラフィン、ならびにそれらの混合物、
- 合成エステル、たとえば式R1COOR2の油(式中、R1は、1から40個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の脂肪酸残基を表し、R2は、1から40個の炭素原子を含む特に分岐状の
炭化水素系鎖を表し、ただし、R1+R2≧10であることを条件とする)、例としてピュアセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12~C15安息香酸アルキル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸またはリシノール酸アルキルまたはポリアルキル、たとえばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、たとえば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルお
よび乳酸2-オクチルドデシル;ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル

- 12~26個の炭素原子を含む分岐および/または不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体である脂肪族アルコール、たとえば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノール、
- 高級脂肪酸、たとえばオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸、およびそれらの
混合物。
【3027】
本発明による組成物に使用することができる不揮発性シリコーン油は、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、アルキル基またはアルコキシ基を含み、これらの基がペンダント状である、かつ/またはシリコーン鎖の末端にあり、これらの基それぞれが2~24個の炭素原子を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、たとえば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、およびそれらの混合物であってもよい。
【3028】
好ましくは、油性相は、少なくとも1つのシリコーン油を含み、さらにより好ましくは以下から選択される。
- 室温で8cSt未満の粘度を有し、かつ特に4~7個のケイ素原子を含む揮発性の環状シ
リコーン油、これらのシリコーンは、1~10個の炭素原子を含むアルキル基またはアルコ
キシ基を任意選択で含み、特にヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(シクロヘキサシロキサン)、ならびにそれらの混合物から選択される;
- 揮発性または不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)(INCI名:ジメチコン);
- フェニル化シリコーン;
- 脂肪族基、特にアルキル基またはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンであ
って、これらの基がペンダント状であるかつ/またはシリコーン鎖の末端にあり;これらの基それぞれが6~24個の炭素原子を含む、ポリジメチルシロキサン、より詳細には、Dow Corning社製の市販の生成物Dow Corning FZ-3196(登録商標)などのカプリリルメチコン;
- それらの混合物。
【3029】
最適化
コンパートメントの数をできるだけ少なくすると非常に有利である。
【3030】
したがって、システムが色を調整できることが望まれる場合、膜質を調節することを目的とした2つのコンパートメントに加えて2つのコンパートメントを設ける必要がある。したがって、以下の構成要素を設ける必要がある。
・膜の耐久性/快適さの品質を変化させるための材料を収容するコンパートメント1および2、ならびに
・色を変化させるための材料Mを配置するための他のコンパートメント(たとえば、3
または4)。
【3031】
活性薬剤Mをコンパートメント1または2あるいは1および2内に配置することも可能であ
る。
【3032】
このようにして、コンパートメントの総数は、4つではなく3つ、または場合によっては2つに減らされる。
【3033】
たとえば、活性薬剤Mは、コンパートメント1および2に入れられた生成物に添加される
。コンパートメント1では、Mは高濃度に設定され、コンパートメント2では、Mは低濃度に設定される。
【3034】
したがって、膜を生成し膜の耐久性/快適さ特性を調節する活性薬剤は、コンパートメ
ント1および2内に入れられる。具体的には、この例では、コンパートメント2内にはポリ
マー+揮発性溶剤を入れ、コンパートメント1内には不揮発性溶剤を入れる。
【3035】
システムにおいて1におけるマジョリティ設定が使用される場合、濃縮された非揮発性
溶剤および活性薬剤Mを含む生成物が得られる。
【3036】
その場合、1におけるマジョリティ設定は、広範なカバレッジおよび快適な膜が望まれ
るファンデーション領域上で使用することができる。
【3037】
2におけるマジョリティ設定は、顔のシミのある領域上で使用することができる。少量
のカラーリングされた活性薬剤Mでは、優れたコンシーリング効果を得ることはできない
が、このコンシーリング効果は長持ちし、したがって、高くないコンシーリング力が補償される。このような領域における限られた領域での不快感は、厄介なものとは見なされない。
【3038】
活性薬剤M1を、コンパートメント1に収容される生成物に添加し、活性薬剤M2を、コン
パートメント2に収容される生成物に添加することが可能である。たとえば、M1は黄色顔
料であり、M2は赤色顔料である。したがって、膜を生成し膜の耐久性/快適さ特性を調節
する活性薬剤は、コンパートメント1および2内に入れられる。具体的には、この例では、コンパートメント2内にはポリマー+揮発性溶剤を入れ、コンパートメント1内には不揮発
性オイルを入れる。
【3039】
その場合、1におけるマジョリティ設定は、ベースカラーおよび快適な膜が望まれるフ
ァンデーション領域上で使用することができる。
【3040】
2におけるマジョリティ設定は、唇または頬などの領域上で使用することができる。耐
久性に優れた赤みを帯びた色が得られる。
【3041】
活性薬剤M1を、コンパートメント1に収容される生成物に添加し、同じ活性薬剤M1を、
コンパートメント2に収容される生成物に添加することが可能である。たとえば、M1は黄
色い顔料である。したがって、膜を生成し膜の耐久性/快適さ特性を調節する活性薬剤は
、コンパートメント1および2内に入れられる。具体的には、この例では、コンパートメント2内にはポリマー+揮発性溶剤を入れ、コンパートメント1内には不揮発性オイルを入れ
る。
【3042】
その場合、1におけるマジョリティ設定は、ベースカラーおよび快適な膜が望まれるフ
ァンデーション領域上で使用することができる。
【3043】
2におけるマジョリティ設定は、額の上部または鼻などの輪郭領域上で使用することが
できる。したがって、顔の残りの部分と同じ色であるが、耐久性のより優れた色が得られ、動きおよび摩擦ならびに髪の毛および/または眼鏡の動きに抵抗することが可能になる
【3044】
活性薬剤Mをコンパートメント3内に入れることが可能である。たとえば、黄色顔料がコンパートメント3内に入れられる。
【3045】
膜の耐久性/快適さを生じさせ膜の特性を調節する活性薬剤は、コンパートメント1および2内に入れられる。具体的には、この例では、コンパートメント2内にはポリマー+揮発
性溶剤を入れ、コンパートメント1内には不揮発性オイルを入れる。
【3046】
この第10の態様による発明は、カラーリング効果をもたらす活性薬剤に限定されない
。アンチエージング、抗酸化活性薬剤、抗しわ活性薬剤、制汗活性薬剤、シミ防止活性薬剤、光防護活性薬剤、保湿活性薬剤などのケア活性薬剤を使用することが可能である。
【3047】
カラーリング効果およびケア効果を実現する活性薬剤を混合することも可能である。
【3048】
皮膚の1つまたは複数の正確な領域をメイクアップするための使用
分配システムは、毎日、隠す必要がある領域のみを処置してメイクアップを施すことを可能にする。この目的で、少ない処方量のメイクアップ生成物が供給され、対応する領域に特定的に連続して塗布される。各々の少ない処方量は、領域に適合する混合物を使用して生成される。
【3049】
本発明の好ましい一実施形態では、分配システムは、どの領域を処置すべきかに関する情報を待ち、その後、対応する混合物を供給する。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用してもよく、このテーブルは、たとえば、後で定められているような学習プロセスの結果である。
【3050】
特に有利な一実施形態では、プログラミングにおいて、最適な結果を得るために実現すべき耐性および快適さが考慮される。代替として、分配システムは、混合物を供給するとき、使用者に混合物を塗布すべき領域を通知する。したがって、分配システムは、システムが、塗布すべき様々な混合物を所与の順番で供給するアプリケーションプログラムに従ってもよい。
【3051】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、供給すべき量に関して通知される。そのために、分配システムは、色と、顔の領域と、必要とされる量との間の関係を記憶し、それによって、生成物の費用および無駄を低減させることを可能にし、かつ皮膚のカバーを軽いカバーに限定し、したがって、オクルージョン効果を回避することを可能にする。その際、高いカバー力を有し、顔全体に塗布するにはカバー力が高すぎる生成物を使用することが可能である。したがって、自然なアピアランス、または場合によってはわからないほどのアピアランスのメイクアップを得ることが可能である。
【3052】
分配システムはまた、少量だけ分配しそれを迅速に使用するのを容易にすることによって、生成物が保持される時間を短縮し、それによって生成物が変化する恐れを低減させること、および/または、使用される防腐剤の量を少なくすることを可能にし得る。
【3053】
分配システムは、顔全体を隠す必要なしに、隠したい領域を処置するのに適している。
【3054】
使用者が顔のある領域に塗布するための色を探すときに、各々の領域に最も合う色を記憶しておくと有利であり、そのため、分配システムは、有利なことに、この色と、対応する領域とを記憶するように設計される。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することによって、同じ混合物を各々の領域に供給することができ、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物を同じ一連の領域に供給することができる。
【3055】
分配システムは、塗布ごとに色を変化させることによって領域を処置するのを可能にするように設計されてもよい。したがって、使用者は、自分の好みに合うように、日ごとに自分が選択する異なる色を用いて、自分の唇をメイクアップしてもよい。この手法は、まぶたまたはまつ毛にも適しており、また、使用者はファンデーションの色を変えたくなることもあるので、顔のメイクアップにも適している。たとえば、使用者は、平日には薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いタンカラーのファンデーションの色を用いるか、あるいは、目のメイクアップとして日ごとに色を変えてもよい。
【3056】
分配システムは、日、時間、使用者が着用するもの、および天候に応じて、使用者が自分の好みに合うように色を変化させることができるように設計されてもよい。したがって、有利なことに、決定を下すうえで支援するためのシステムが設けられ、使用者が自分で色を選択する際に指導する。
【3057】
支援システムはまた、同じ顔における色のバランスをとり、全体的なメイクアップの見栄えを良くすることに寄与するように設けられてもよい。
【3058】
同じグループ、たとえば家族内の数人が、分配システムを使用することができ、したがって、費用が低減し、占められる空間が最小限に抑えられることは、望ましい場合がある。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、どの使用者が分配システムを使用しているかに関して通知を受け、あらかじめ保存された個人データにアクセスすることができるような構成がとられてもよい。
【3059】
段階的なメイクアップのための連続的な使用
この適用例では、分配システムは、生成物を供給している間に混合物の処方を変更する。また、ベース生成物または混合物のための出口は、塗布表面を画定する容器または支持体に対して移動される。本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の色C1と、処置される別の領域の色C2との関数として混合物がどのように変化するかを計算するように設計される。たとえば、下顎の先に色C1が必要であることと、頬に色
C2が必要であることとがわかっている場合、分配システムは、この2つの色の間で色を段階的に変化させるために、混合物を供給している間に混合物の処方を変更してもよい。このことは、たとえば、顔の欠点をよりうまく隠すことを可能にする一方、最終結果を現実的なものにし、または、美しく見せるために色を段階的に変化させることを確実に可能にする。分配システムはまた、使用者が、開始色および/または終了色を前もって設定する
ことなく、分配される混合物の色における変化を命令できるように設計されてもよい。そのために、分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを所有してもよく、ルックアップテーブルから、分配システムが生成する必要がある色C1およびC2を推定し、したがって必要になる混合物の変化を推定してもよい。
【3060】
分配システムは、特に携帯式で操作可能なエアブラシの場合、出口ヘッドを有してもよい。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動させることなく、段階的な効果を達成することを可能にする。たとえば、分配システムが頬の近くに配置され、たとえば、頬の周辺よりも頬の中心の方が赤くなり、それらの間で色が段階的に変化するように、混合物の処方の変更と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムがトリガされる。
【3061】
分配システムは、場合によっては、数回の塗布のために保持される特注の生成物を生成するために使用されてもよい。
【3062】
固体または半固体の生成物を生成することも可能である。
【3063】
「特注の」成形体または他の固体もしくは半固体の生成物の製造
分配システムは、混合物を選択し、カップなどの容器に供給することを可能にするように設計されてもよい。混合物は、混合物を凝固させることができるような化合物を含むことが好ましい。
【3064】
より好ましくは、凝固を特に迅速化する化合物が使用される。これらの化合物は、容器において、容器が他の材料で充填される前もしくは後に堆積されるか、ディスペンサーのコンパートメント内にベース生成物の他の材料とともに供給されるか、または、ディスペンサーにおいて、これらの化合物を収容するように特に設計されたコンパートメントに収容されるかのいずれかである。
【3065】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に急速に硬化する場合がある特定の組成物が分配されてもよい。
【3066】
これらの組成物は、成形体の作製のために特に設計され、すなわち、組成物は、
- 凝固し、
- すり込まれた場合に砕けることができる物質を生成し、好ましくは着色される。
【3067】
これらの組成物は、固体粒子の含有量が非常に多く、たとえば、固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%よりも多く、より良好には固体粒子が組成物の総質量に対して20質
量%よりも多く、さらに良好には固体粒子が組成物の総質量に対して30質量%よりも多く、好ましくは固体粒子が組成物の総質量に対して10質量%から40質量%の間であることが好ましい。これらの組成物は、空気との接触で反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物、たとえばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、光、特に紫外線に反応するものなどの吸着性粒子または反応性化合物を含んでもよい。
【3068】
混合物が分配される容器は化合物Aを収容してもよく、分配される組成物は化合物Bを含んでもよく、AおよびBとしては、互いに反応し、混合物を凝固させるものが選択される。
【3069】
本発明の特定の一実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他のワックス状生成物を生成するために、たとえば電気抵抗を含む加熱手段を組み込む。その場合、ベース生成物は、供給される前に加熱される。
【3070】
分配システムはまた、混合物が容器内に分配された後に熱エネルギーおよび/または光
エネルギーを供給するための手段、たとえば、電気抵抗、または、特に紫外線のLEDを備
えてもよい。このエネルギーは、分配された混合物の凝固を加速させてもよい。
【3071】
好ましくは、混合物は、凝固する前に均質化される。
【3072】
カラーパレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を有してもよく、前記領域において堆積させるいくつかの混合物、たとえば顔の様々な部分に適した一連の色を自動的に生成するように設計されてもよい。
【3073】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかのキャビティを画定してもよく、または、たとえば、カップの形態、場合によっては、支持体から分離可能なカップの形態で、いくつかの容器を担持してもよい。
【3074】
特定の一ケースでは、支持体は、目標とされた塗布領域のために混合物を受け入れるための領域を有する顔の形をとる。
【3075】
支持体は、ディスペンサーの本体に対して移動し、特に回転することが可能であってもよく、たとえば、様々な空間または容器を連続して充填できるように、ディスペンサーによって移動可能に駆動されてもよい。
【3076】
カップ式ディスペンサー
使用者が簡単に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、分配システムによって供給されたベース生成物が、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【3077】
分配システムは、カップと、カップに少なくとも1つの生成物を充填するためのディスペンサーとを有してもよく、カップは、少なくとも充填されている間ディスペンサーに固定される。
【3078】
カップは、場合によっては「クルーシブル」とも呼ばれ、この用語は、その最も広い意味において理解されるべきである。
【3079】
「ディスペンサーに固定されるカップ」は、カップがディスペンサーにおいて少なくとも一時的に保持され、特に不動とされることを意味するものと理解されるべきであり、たとえば、ねじ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、締め付けによってディスペンサーに固定され、または、材料成型によってディスペンサー本体の一部とともに作製される。カップがディスペンサーに固定されると、それによってディスペンサーを片手で操作することができ、カップは、ディスペンサーが動かされている間、ディスペンサー上の所定位置に留まる。
【3080】
ディスペンサーは、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供されてもよい。
【3081】
代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【3082】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップに手を届かせるのがより容易であり、生成物、特に混合物をアプリケータまたは指で取り出すことが可能である。
【3083】
好ましくは、カップは、ディスペンサーから分離可能であり、以下で詳細に説明するように、使用者の選択に応じ、かつ実施されるメイクアップに応じて、ディスペンサーに取り付けることのできる出口インターフェースの集合から選択することのできる1つの出口インターフェースを構成する。
【3084】
好ましくは、分配システムは、それぞれに異なるベース生成物で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、充填オリフィスはカップ内に開放する。したがって、これらの生成物の混合はカップにおいて行われてもよい。
【3085】
カップは、好ましくは、外向きに凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカッ
プを洗浄するのがより容易である。
【3086】
また、このことは、使用者が生成物を取り出すのをより容易にし、ベース生成物を混合するのをより容易にし得る。
【3087】
好ましくは、ディスペンサーは、少なくとも2つのベース生成物を、調整可能な割合でカップ内に供給するのを可能にし、より良好には、少なくとも3つの生成物をカップ内に供給するのを可能にする。
【3088】
例示的な一実施形態では、分配システムは、ディスペンサーによる選択的な供給を受けることができる少なくとも2つのカップを有する。これによって、使用者は、この2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填できるようになる場合がある。このことは、着色物質の試験を容易にし、および/または、顔のそれぞれの領域をメイクアップす
ることを目的としたいくつかの異なる色混合物の調製を可能にする場合がある。カップは、所与のカップに収容された混合物の対象となる顔の領域を使用者に気付かせる識別子と関係付けられてもよい。
【3089】
カップは、ディスペンサーに対して移動することができてもよく、たとえば、ディスペンサーに対して回転できるタレットなどの携帯式の支持体によって担持されるか、または、ディスペンサーに対して並進移動できるスライドによって担持される。
【3090】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備えてもよい。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見ることができるように、好ましくは透明である。
【3091】
カップは、ディスペンサーから分離可能である場合、必要に応じて、ハウジング内に導入することができ、これによって、カップをより容易に運ぶことができ、このハウジングは、必要に応じて、鏡および/またはアプリケータを収容することができる。ハウジング
の蓋は、この場合、カップのための蓋として働いてもよい。
【3092】
カップの容積は、2mm3から1000mm3の間であってもよく、より良好には100mm3から1000mm3の間であってもよく、さらに良好には250mm3から750mm3の間であってもよい。
【3093】
カップ内に供給されるベース生成物は、ファンデーションであることが好ましいが、代
替として、唇またはまぶた用のメイクアップ生成物であってもよい。
【3094】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径または非円形輪郭の場合の内接円の最大内径は、好ましくは2mmから100mmの間であり、優先的には5mmから40mmの間である。カップ
の深さは、好ましくは1mmから10mmの間であり、より良好には3mmから8mmの間である。カ
ップのサイズおよび形状は、混合物を皮膚に直接塗布するのを可能にするか、あるいは混合物を指で取り出すかまたはアプリケータを使用して取り出すのを可能にするサイズおよび形状であることが好ましい。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られてもよく、たとえば、カップの底の凹部を裏返して、カップをより簡単に空にするか、または、生成物を塗布するためにカップを使用することが可能になる。
【3095】
カップはブレンダーを有さなくてもよく、その場合、ベース生成物は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態でディスペンサーからカップに到達してもよい。代替として、ディスペンサーはブレンダーを組み込み、ベース生成物は、すでに混ぜ合わされた状態でカップに到達する。
【3096】
カップはまた、後で詳述するように、静的ブレンダーを組み込んでもよく、静的ブレンダーは、ディスペンサーの個別の充填オリフィスを介して供給を受け、好ましくは、ブレンダーの上方に位置するカップのキャビティ内に混合物を供給する。
【3097】
本発明のさらなる主題は、メイクアップ生成物を調製するための方法であって、ディスペンサーからの少なくとも1つのベース生成物を先に定義したような分配システムのカップに充填するステップを含む方法である。
【3098】
いくつかの生成物は、カップの底部に供給され、指またはアプリケータ、あるいはカップ内に組み込まれた静的ブレンダーを用いて、混ぜ合わされてもよい。
【3099】
カップは、好ましくは下から充填される。ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【3100】
本発明によるカップは、生成物を供給する供給路によって運ばれた生成物を、振動して分配するためのものではない。このカップはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【3101】
出口インターフェースに組み込まれたブレンダー
使用者の側の追加の混合処置を必要とすることなく、使用者によって容易に使用することができ、特に使用者によって容易に取り出すことができる混合物を供給することができる分配システムを有することには、便益がある。
【3102】
したがって、分配システムは、ベース生成物用の出口通路と、ディスペンサーから分離可能な出口インターフェースとを有するディスペンサーを有してもよく、このインターフェースは、好ましくは混合物をキャビティ内に供給する静的ブレンダーを有し、キャビティにおいて混合物を取り出すことができる。
【3103】
静的ブレンダーは、前述のキャビティの下に位置してもよい。その場合、分配システムは、作り付けの静的ブレンダーを含むカップを出口インターフェースとして使用する成形体の作製に特に適している。その場合、カップのキャビティには、下から生成物が充填される。混ぜ合わされたベース生成物は、静的ブレンダーに進入した後、ブレンダーを覆う。
【3104】
いくつかの出口インターフェースを使用することと、ブレンダーをパージする必要なしにそれらの出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって生成物の損失を低減する。出口インターフェースは、必要に応じて使い捨てのインターフェースであってもよい。
【3105】
好ましくは、静的ブレンダーは、ベース生成物取入口と連通している中央チャンバを有する。この中央チャンバは、一連の仕切りを有する周辺チャンバと連通してもよく、仕切りは、混合物のための偏向部として作用し、混合物をせん断する。
【3106】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を画定する有孔環状仕切りを有してもよい。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れるキャビティの端壁を画定する壁によって、上部において密閉されてもよい。
【3107】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸を中心とする螺旋形状を有し、高さが出口に向かう方向で低くなってもよい。出口は、周辺チャンバの端壁とブレンダーの上壁とを連結する連結ランプの前で開放してもよく、この連結ランプは、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋を延ばす螺旋の一部である。
【3108】
好ましくは、周辺チャンバは、前述の環状仕切りと、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間で交互に循環させ、かつ径方向内側領域と径方向外側領域との間で交互に循環させる径方向仕切りとを備え、混合物は、たとえば、前述の環状の仕切りを通過することによって、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域まで循環する。
【3109】
ブレンダーは、ブレンダーのコアを形成する構成要素が収容される外側本体を有してもよく、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で密閉し、直立部を備える。直立部は、中央チャンバと周辺チャンバとを分離する。
【3110】
ブレンダーの外側本体とブレンダーのコアとは、射出成型によって単一の部品として各々が作製されてもよい。
【3111】
小さくされたデッド容積
混合物の処方を変更するときに生成物の損失を低減させると便益が得られ、かつ塗布時において、特にディスペンサーがエアブラシに結合されるときに混合物の色をできるだけ迅速に変更できるようにすると便益が得られる。
【3112】
分配システムは、各々がベース生成物を収容するリザーバを有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有してもよく、ベース生成物は、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、この出口通路は、ディスペンサーの外側またはディスペンサーの外面の近くで開放する。
【3113】
出口通路は、特に、混合物が取り出される領域内に開放し、または、この領域の近くに開放し、特に5mm未満だけ離れ、より良好には3mm未満だけ離れ、さらに良好には1mm未満
だけ離れた位置に開放し、あるいはなお一層良好にはこの領域と面一で開放してもよい。
【3114】
出口通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間である。
【3115】
したがって、カートリッジからの各ベース生成物は、別のカートリッジからのベース生成物と混合することなくディスペンサーから出ることができ、取り出すことができずシステムの慣性を増大させやすいデッド容積が最小限に抑えられる。生成物は、ディスペンサ
ーのハウジングにおける特別な通路を通って循環する必要なしにより迅速に利用可能になり、それによって、カートリッジを交換する場合に手間のかかるパージステップが回避される。
【3116】
ディスペンサーの外側は、特に、取り外せるように設計されないカップであって、内部に混合物が分配されるカップを含むようにディスペンサーが作製されるときの生成物取出し領域であってもよく、または、取出し領域を画定する取り外し可能な出口インターフェースを取り付けることを目的とした分配領域であってもよい。この出口インターフェースは、上記で定義したようなカップを有してもよい。この取付け領域は、たとえば、出口インターフェースがない場合のディスペンサーのハウジングの外側に対応する。取付け領域は、実質的に平面であってもよく、ディスペンサーのハウジングの長手方向軸に対して直交してもよい。
【3117】
ディスペンサーはベース生成物の3つのカートリッジを有してもよい。
【3118】
ディスペンサーは、カートリッジを受け入れるためのハウジングを有してもよく、カートリッジは、好ましくは、ディスペンサーにおいて取り外し可能に受け入れられる。ディスペンサーは、出口通路を画定するカートリッジ用のダクト用の通路を備えてもよい。
【3119】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端部から若干引っ込んだ位置に配置され、または、生成物を取り出すために使用されるキャビティと面一で位置し、あるいは代替で、取付け領域を画定するディスペンサーのハウジングの端面から若干引っ込んだ位置に配置され、または、その端面と面一で位置するような長さである。
【3120】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用されるエンドピースであってもよい。
【3121】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なるメイクアップの見た目を容易に実現することができる必要があり、かつ望まれる場合には、皮膚、唇、まつ毛、またはまゆ毛などの様々な領域をメイクアップすることができる必要がある。
【3122】
したがって、分配システムは、少なくとも1つの化粧生成物、特にメイクアップのディスペンサーと、各々をディスペンサー上に取り外し可能に取り付けることができる少なくとも2つの出口インターフェースとを有する組立体を備えてもよく、これらの出口インターフェースは、ディスペンサーによって供給される生成物を受け取ることができ、好ましくは以下から選択される。
- 指を用いるか、または、アプリケータを用いて、生成物を取り出すのを可能にする
容器、特にカップを有する出口インターフェース、
- スプレーシステム、特にエアブラシに生成物を供給するのを可能にする出口インタ
ーフェース、
- 生成物を受け入れるためのいくつかの領域を有し、ディスペンサーに対して移動す
ることができる出口インターフェース、
- 分配エンドピースに生成物を供給するのを可能にする出口インターフェース。
【3123】
好ましくは、組立体は、前記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備え、またはより良好には4つの出口インターフェースを備える。
【3124】
ディスペンサーは、少なくとも2つの異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にしてもよく、好ましくは、ディスペンサーは、3つの
異なるベース生成物を含み、これらのベース生成物を可変割合で供給するのを可能にする。
【3125】
各々の出口インターフェースは、出口インターフェースをディスペンサーに固定するのを可能にする基部を有してもよい。この固定は、たとえばねじを用いて行われてもよいが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。この固定は、たとえば、4分の1回転の固定、または、外部ロッキングリングを用いた固定である。
【3126】
出口インターフェースおよび/またはディスペンサーのハウジングは、ディスペンサー
のハウジングと出口インターフェースとの間の封止連通を可能にするシールを備えてもよい。適切な場合、ディスペンサーは、たとえば、出口インターフェースが、ディスペンサーによって検出される特定の浮き出し部の形態、または、ディスペンサーが認識する電子チップの形態の識別子を有することによって、上方に取り付けられた出口インターフェースを認識するように設計される。このことは、ディスペンサーの動作を、上方に取り付けられた出口インターフェースに適合させるのを可能にする場合がある。ディスペンサーは、ディスペンサーが持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに伝達してもよく、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定の画面を表示してもよく、ならびに/あるいは、たとえば、分配される処方量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合するようにディスペンサーの動作パラメータを制御するための特定のプログラムを動作させてもよい。
【3127】
使用者には、最初に、いくつかの出口インターフェースが共通のディスペンサーとともに同一のパッケージ、たとえばケースまたは段ボール箱に入れられた状態で提供されてもよい。
【3128】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースをディスペンサーに取り付けるステップと、ディスペンサーに収容された1つまたは複数の生成物をインターフェースに供給するステップとを含むメイクアップ方法である。
【3129】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色を領域でインデックス付けし、記録するプロセスを意味すると理解されるべきである。
【3130】
マッピングは、1cm2より小さい領域への塗布に関する場合がある。しかしながらこの場合、裸眼では、得られた結果が適切であるかどうかを見分けることは困難であり、裸眼による評価の代わりに、拡大による計器での評価を行うことが好ましい。少量の着色物質が、指によって塗布されてもよく、ブラシなどの従来の道具を用いて塗布されてもよく、または、特殊なアプリケータを用いて塗布されてもよい。
【3131】
マップは、使用者が顔の様々な領域上で混合物によって試験を実行する学習期間の間に生成されてもよく、作成された後、毎日のメイクアップのために使用することができる。この学習期間には、耐性および快適さが考慮されてもよい。このプロセスでは、使用者は、いくつかの調整値および入力を試験し、得られる最良の調整値を入力する。
【3132】
学習期間の間、および、マップの使用期間の間に特定のグラフィックインターフェースを使用することができる。
【3133】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースととも
に使用されてもよく、この顔は、たとえば、写真または3Dシミュレーションなど、概略的な表現、比喩的な表現、または正確な表現である。その場合、操作者は、適切な色を示しおよび/または付与するために、画面における顔の一部を指し示すことができる。
【3134】
グラフィックインターフェースはまた、その同じ色の使用が適切である顔の他の領域を示してもよい。
【3135】
操作者は、マップを作成する場合、色を適用し、次いで評価する。
【3136】
顔の各領域を次々に処置することができ、たとえば、頬の部分を処置し、次に鼻を処置し、他の部分も処置する。
【3137】
別の選択肢は、所与の混合物を生成し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。その場合、操作者は、その色が適している顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムにおいてインデックス付けされ、これによって、混合物が適する顔の領域に混合物が関連付けられる。
【3138】
本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、可変色の混合物を分配するためのディスペンサーと、色を選択し、データを記憶するためのコンピュータシステムとを備える分配システムのための学習プロセスであって、
a)コンピュータシステムのインターフェースの助けを得て少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)ディスペンサーの助けを得て、選択された色の少なくとも1つの混合物を供給するステップと、
c)分配された混合物を顔の少なくとも1つの領域に塗布した後で評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物、特に、使用者が思い出せることを望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップとを含む学習プロセスでもある。
【3139】
この記憶するステップは、特に、後で、この混合物を分配して前記領域をメイクアップすることを目的として実施することができる。
【3140】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるものであるかどうかを使用者が示すことができるように設計されるか、またはさらに、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように設計される。
【3141】
所与の混合物を生成すること、およびその混合物が適した顔の領域を探すことも可能である。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【3142】
顔全体のマップを作成し、したがって、顔用の完全なルックアップテーブルを有するように、同じ手順を他の混合物に採用することができる。
【3143】
所与の混合物を生成し、その混合物を所与の領域に塗布し、次いで最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることもできる。次に、混合物が記録され、混合物が、ルックアップテーブルにおいて、混合物が適した顔の領域に関連付けられ、ルックアップテ
ーブルはその後、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用すべきかを推定するために使用される。
【3144】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとに使用される量を評価し記憶する。このような方法は、「試験パッチ」を使用し、メイクアップを施すことを望む使用者によって必要とされる生成物を特定することを可能にする。したがって、分配システムは、メイクアップを施すことを望む使用者にアドバイスを与えるために販売所で使用することができ、または、どの生成物を注文するかを正しく定めるために家庭において使用することができる。
【3145】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物の色をその選択時に表示するタッチスクリーンを有する。
【3146】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することによってコンピュータシステムに知らせることを可能にしてもよい。
【3147】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いに関連付けるのを可能にするように設計
されることが好ましい。
【3148】
コンピュータシステムはまた、以下のデータ、すなわち、領域の名前、一年のうちの時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、前記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に付加的に関連付けるのを可能にするように設計されることが好ましい。
【3149】
ステップa)~c)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回
繰り返されてもよい。
【3150】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所与の領域に適しているとして特定された混合物の特性に基づいて、データベースを探索して市販の生成物を参照し、この情報を使用者に中継するように設計されてもよい。
【3151】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部に位置する場合も位置しない場合もあるエキスパートシステムを用いて、実行されてもよい。
【3152】
エキスパートシステムは、使用者の画像を分析し、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の色を提案してもよい。
【3153】
ステップa)の前に、コンピュータシステムが、使用者に、色と、この色の混合物によって試験すべき領域とを提案してもよい。
【3154】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果についての使用者の評価をコンピュータシステムに通知するのを可能にし、ステップa)に戻ったときに選択すべき混合物を修正することの提案を生成するように、設計されてもよい。
【3155】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に応じて、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの色を提案するように設計されてもよい。
【3156】
コンピュータシステムは、使用者によってコンピュータシステムに通知された色に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計されても
よい。
【3157】
ディスペンサーは、ステップb)において、色が異なる少なくとも2つの混合物を、試験領域に同時に塗布することができるように、好ましくは別々に供給してもよい。
【3158】
このことは、時間を節約し、結果をより容易に比較するのを可能にする場合がある。
【3159】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いるメイクアップの方法であって、
a)使用者がメイクアップのニーズに関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)これに応じて、コンピュータシステムが、あらかじめ実施された学習に基づいて、関連するゾーンをメイクアップするための提案された色を生成し、
c)コンピュータシステムが、特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生成するようにディスペンサーを動作させる方法である。
【3160】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用してもよい。
【3161】
本発明のさらなる主題は、コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コード命令が、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの色およ
び/または1つの塗布領域を使用者が選択するのを可能にすることと、
- 使用者によって選択された色の混合物を供給するようにディスペンサーを動作させ
ることと、
- 特に、後で同じ混合物を、特に同じ領域で分配することを目的として、混合物の色
と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者がトリガするのを可能にすることとを行わせるのを可能にするコンピュータプログラム製品である。
【3162】
コンピュータプログラム製品は、コード命令を含んでもよく、コード命令は、コンピュータシステムにおいて実行されたときに、コンピュータシステムに、
- 特にタッチスクリーンなどのインターフェースを使用して、メイクアップのニーズ
に関する使用者からの要求を受信することと、
- 上記で定義したような学習プロセスによって生成されたデータに少なくとも基づい
て、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を提案することと、
- 特に、提案された色が使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を生
成するようにディスペンサーを動作させることとを行わせるのを可能にする。
【3163】
遠隔支援
使用者がメイクアップを施す際に使用者を支援し、特に使用者が正しいカラーリングを選択する際に使用者を支援することができることが望ましい。
【3164】
したがって、本発明のさらなる主題は、メイクアップ方法であって、
- 第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、たとえばインターネットを介し
て、ビデオリンクを確立するのを可能にするステップと、
- 第2の場所が、第1の場所に存在するディスペンサーを直接的に動作させるかある
いは間接的に動作させるのを可能にするステップであって、このディスペンサーが、分配される混合物の色を変化させることを可能にする、ステップと、
- 第1の場所に存在する使用者が、分配された混合物を塗布し、対応する画像を第2
の場所に送信し、それに応じてメイクアップの結果に関する情報を受信するのを可能にするステップとを含む方法である。
【3165】
第2の場所は特にビューイングスクリーンを有してもよく、このビューイングスクリーンは、この画面の前に座っているアドバイザーが、ディスペンサーによって分配された生成物でのメイクアップの結果を見て、メイクアップを施した使用者にアドバイスを与えるのを可能にする。このアドバイザーはそれに応じて、混合物の色を変更し、第1の場所に存在する使用者の顔に最も合うように色を適合させるようにディスペンサーを操作してもよい。したがって、この使用者は、ディスペンサーによって供給される混合物を制御する。第1の使用者は、第2の使用者に見守られながら、自分をメイクアップしてもよい。第2の使用者は、画面上の試験の結果を見て、したがって、理想的なメイクアップが得られるまで、この第2の使用者が遠隔で制御する混合物を修正することができる。
【3166】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いるか、または、ディスペンサーによって基準面上に分配される混合物によって較正することができる。したがって、これは、第1の場所において施されるメイクアップのより忠実な表示を可能にする。
【3167】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【3168】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所からチュートリアルを受信してもよい。
【3169】
ベース生成物の識別子が第2の場所に伝達されてもよく、これによって、ベース生成物の各々の色を正確に決定することが可能になる場合がある。
【3170】
この方法は、所与の混合物が満足できるものであると見なされた後、ディスペンサー設定パラメータを記憶することを含んでもよい。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令されてもよい。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコン
ピュータシステムにおいて行われていてもよい。
【3171】
一代替実施形態では、一人の使用者に、数人の使用者がメイクアップを施すのを助けさせてもよい。この実施形態は、メイクアップアーティストおよびその作業を、施設内のメイクアップアーティストおよび施設内で行われる作業とするか、または、インターネット上のメイクアップアーティストおよびインターネット上で行われる作業とすることを可能にする。この実施形態はまた、弱視の人、色を見分けるのが困難である人、年配者、または、メイクアップを施す自信のない人など、能力の限られている人が、メイクアップを施すのを可能にする。
【3172】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御、および特に、分配される混合物の色の選択の制御をより容易にする必要がある。
【3173】
したがって、本発明の態様のうちの別の態様であって、本発明の他の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様、特に前述の態様と組み合わされた態様によれば、本発明の1つの主題は、ディスペンサーと、ディスペンサーを動作させるためのコンピュータシステムとを備える分配システムであって、このコンピュータシステムが、混合物の色が表示されてもよいタッチスクリーンと、分配される混合物の色を変化させるために画面上を移動させることができる選択手段とを備える分配システムである。
【3174】
好ましくは、画面はエンドポイントの色を表示し、これらのエンドポイントの色同士の間で選択手段を移動させることによって混合物の色を選択することができる。
【3175】
画面は、少なくとも2つの色の間の色のスケール、または、特に三角形の輪郭の領域を
表示してもよく、この内部で選択手段を移動させることができる。この領域は、たとえば、純粋なベース生成物を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の色を局所的に示してもよい。
【3176】
コンピュータシステムは、所望の色の混合物をもたらすベース生成物の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施してもよい。
【3177】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付き携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであってもよい。代替として、コンピュータシステムはディスペンサーのハウジングに組み込まれる。
【3178】
コンピュータシステムはカメラを有してもよい。カメラは、特に使用者および/または
混合物の画像をキャプチャするために使用することができる。
【3179】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計されてもよい。
【3180】
スプレー手段への分配システムの結合
分配システムは、混合物を噴霧する手段、好ましくはエアブラシを有するか、または、その手段に連結されてもよい。
【3181】
本発明の態様のうちの別の態様は、スプレーシステム、好ましくはエアブラシを備える分配システムをまたさらに改良するものであり、本発明の態様のうちの1つであって、本発明の他の態様、特に前述の態様から独立するかまたはそれらの態様と組み合わされた態様では、本発明の1つの主題は、
- 同伴空気の流れを受ける取出しチャンバを有するスプレー手段、好ましくはエアブ
ラシと、
- それぞれに異なるベース生成物を収容する少なくとも2つのコンパートメントを有
するディスペンサーであって、生成物が、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、スプレー手段に供給されるディスペンサーとを有する組立体である。
【3182】
ディスペンサーは、色が異なるメイクアップ生成物を収容する3つのカートリッジを有してもよい。
【3183】
エアブラシは、取出しチャンバを画定するスタイラスを有してもよく、スタイラスは、ディスペンサー、またはディスペンサーに固定された出口インターフェースに固定され、あるいはこの出口インターフェースの一体部分を形成する。
【3184】
分配システムは、ディスペンサーの動作を制御する回路を有してもよく、この回路が、エアブラシが動作している間、取出しチャンバに供給されるベース生成物の割合を変化させるのを可能にする。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて修正されてもよい。この移動は、適切な場合、機械化されてもよい。
【3185】
この制御回路は、先に定義したようなコンピュータシステムを有してもよく、または、そのようなコンピュータシステムによって構成されてもよい。
【3186】
ディスペンサーのハウジングは、組立体が混合物を供給するために取り扱われるとき、ハンドグリップとして働いてもよい。
【3187】
ディスペンサーは、混合物が塗布される領域の位置を自動的に特定し、かつ、適切であ
る場合、位置に応じて自動的に色を調節できるようにするために、カメラ、および/また
は、加速度計などの1つもしくは複数のセンサを有してもよい。
【3188】
本発明のさらなる主題は、上記で定義したような組立体を用いてメイクアップを施すための方法であり、その方法では、混合物は、スプレー手段、特にエアブラシを用いて、皮膚に噴霧される。
【3189】
混合物の組成は、エアブラシを皮膚に対して移動させるとき、修正することができる。段階的な効果を得ることができる。
【3190】
本発明のこの態様は、スプレーシステム、特にエアブラシを供給するためにディスペンサーを使用できるという考えに基づき、同時に、顔がメイクアップされている間、特にメイクアップすべき領域が変わるときに、分配される混合物の色を変化させるのを可能にするのに十分な分配システムによる応答を可能にする。
【3191】
生成物の分配を反復的に実施し、特に様々な生成物の間で位相がずらされない分配時間によって実施すると有利である場合がある。
【3192】
これは、経時的に分配される混合物の組成を変化させることをより容易にする場合がある。
【3193】
混合物は、事実上厄介なデッド容積なしで、エアブラシにおいて直接的に生成されてもよく、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。
【3194】
取出しチャンバにおいて生じる押圧は、いかなる点でも計量を妨げずにベース生成物を巻き込むのに十分な強さである。
【3195】
取出しチャンバにおいて優勢な押圧は、たとえば10mbarから200mbarの間であり、より
良好には50mbarから150mbarの間であり、さらに良好には75mbarから125mbarの間である。
【3196】
1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3測定バーまたはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転させた後に測定されるベース生成物の粘度は、たとえば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【3197】
ベース生成物がチャンバに到達するための通路の断面積は、たとえば、1mm2から3mm2までの間であり、より良好には2mm2から3mm2の間である。
【3198】
生成物は、好ましくは連続的に供給される。
【3199】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース生成物を同時に塗布することも可能であり、これらのベース生成物は、皮膚の上に、ピクセル化された状態で直接的に堆積され、互いに反応する一種のゲル/その場でのゲル、反応性シリコーン、または
着色料を生成する。各ベース生成物の比は、望まれる具体的な結果に応じて調整することができる。たとえば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、第1のベース生成物の体積の、第2のベース生成物の体積に対する比を10/1と1/10との間、より良好には5/1と1/5との間で変化させることができる。
【3200】
ロケーションシステムまたはオートロケーションシステム
本発明による分配システムは、ロケーションシステムまたはオートロケーションシステムを有してもよい。
【3201】
ロケーションシステムは、使用者が処置したい領域を入力するのに用いる手段に付けられた名前である。これは、特に少なくとも片手が自由になるシステムを用いて実施することができる。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用することができる。
【3202】
オートロケーションシステムは、使用者の側の介入なしで、処置される領域を入力するための手段に付けられた名前である。これは、動きから、使用者またはカメラおよび画像認識システムが対象とする方向を推定する1つまたは複数の加速度計を使用して実現することができる。
【3203】
本発明の第10の態様による発明に適した分配システムの例は、上述の図に示されてお
り、したがって、これらについては再度の詳述を省略する。
【3204】
実施例(本発明の第10の態様)
いくつかのベース生成物を作製する(比率は質量による)。
【3205】
配合物F2は、フィルム形成剤および揮発性溶媒が豊富である。配合物F1およびF3は、不揮発性油(フェニルトリメチコンおよびスクワラン)が豊富であり、かつ色が異なる。
【3206】
【表10A】
【3207】
【表10B】
【3208】
【表10C】
【3209】
【表10D】
【3210】
配合物F2の手順
相A1の構成成分を主ビーカー中に秤量し、室温を維持しながらMoritzブレンダー(1000rpm)で撹拌する。次に、相A2を室温で添加し、均質化されるまでMoritzブレンダー(1000rpm)を用いて撹拌する。相A3を、顔料およびシクロヘキサシロキサンの混合物を3本ロール
ミルで3回粉砕することによって、個別に調製する。次いで、この相A3を、撹拌を続けな
がら相A4およびA5と一緒に添加する。
【3211】
水性相Bもまた、ブチレングリコールおよび硫酸マグネシウムをビーカー中に秤量し、
かつ95℃に予熱した水を添加することによって、個別に調製する。水性相を、均質化されるまで磁気撹拌子を用いて撹拌する。エマルジョンを、室温で作製する:撹拌速度(Moritzブレンダー)を4000rpmまで徐々に増加させながら、水性相Bを脂肪相中に注ぎ入れる。撹
拌を10分間続ける。最後に、相C(エタノール)を添加する。得られた生成物を、Rayneriブレンダー(パドル)を用いて50から60rpmの間で10分間撹拌する。
【3212】
配合物F1およびF3の手順
相A1の構成成分を主ビーカー中に秤量し、室温を維持しながらMoritzブレンダー(1000rpm)で撹拌する。相A3を、顔料およびシクロペンタシロキサンの混合物を3本ロールミルで3回粉砕することによって、個別に調製する。次いで、この相A3を、撹拌を続けながらフ
ィラー(相A4)と一緒に添加する。
【3213】
水性相Bをまた、グリセロール、ブチレングリコール、硫酸マグネシウム、水素化マル
トース溶液、および水をビーカーに秤量することによって、室温で個別に調製する。水性相Bを、均質化されるまで磁気撹拌子を用いて撹拌する。エマルジョンを、室温で作製す
る:撹拌速度(Moritzブレンダー)を4000rpmまで徐々に増加させながら、水性相Bを脂肪相
中に注ぎ入れる。撹拌を7分間続ける。最後に、相C(エチルアルコール)を、5分の乳化の
うちの最後の3分間で添加する。
【3214】
システムを
・F1→コンパートメント1
・F2→コンパートメント2
・F3→コンパートメント3
を用いて試験した。
【3215】
試験1
混合物を作製する(容積比率)。
(システムを使用し、50~200mgの用量の生成物を供給する。次いで、混合物を、用量ごとに少しずつ広げる。)
・頬骨をメイクアップして、バラ色の外観を頬骨に与えるための、平均的な耐久性および中等度の快適さを伴う50/40/10。
・頬骨のシミのある領域をメイクアップするための10/80/10、これらの領域は優れた耐久性を必要とする。
・唇をメイクアップするための、優れた耐久性を伴う20/80/0。
・まぶたをメイクアップするための、優れた快適さを伴う30/20/50。
【3216】
試験2
気温が低い、ただし平日である1日に、使用者は何回か外出する機会を有する。したが
って、使用者は混合物を作製する。
(システムを使用し、50~200mgの用量の生成物を供給する。次いで、混合物を、用量ごとに少しずつ広げる。)
・頬骨をメイクアップして、バラ色の外観を頬骨に与えるための、平均的な耐久性および中等度の快適さを伴う50/40/10(容積比率)。
・頬骨のシミのある領域をメイクアップするための10/80/10、これらの領域は優れた耐久性を必要とする。
気温が低い、ただし週末である別の日に、使用者は多くの外出する機会を有する。したがって、使用者は混合物を作製する。
(システムを使用し、50~200mgの用量の生成物を供給する。次いで、混合物を、用量ごとに少しずつ広げる。)
・頬骨をメイクアップして、赤色の外観を頬骨に与えるための、平均的な耐久性および中等度の快適さを伴う50/30/10。
・頬骨のシミのある領域をメイクアップするための30/60/10、これらの領域は優れた耐久性を必要とする。
視覚効果は両方の日で同様であるが、快適さは週末日の場合に変化した。当然、快適さは、耐久性を犠牲にして改善されているが、品質を調整することによって、耐久性は最適なままである。
【3217】
本発明は、直前で記述した第10の態様のそれぞれに限定されるものではない。特に、
新規の変形の一部として、その様々な態様による本発明の特徴を組み合わせることは可能である。
【3218】
概要
i)(第1の態様)生成物を分配するためのシステムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、第1のベース生成物が、少なくとも0.1質量%の粒子であって、粒子を含有する媒質との密度差が少なくとも0.5g/cm3であり、特に密度が2g/cm3以上である粒子と、増粘剤とを含み、ディスペンサーが、少なくとも2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にし、第1のベース生成物の粘度が、2Pa.sよりも高く、好ましくは4Pa.s以上であるシステム。生成物の粘度は、1atmおよび25℃において、振動数が60HzのMS-r3またはMS-r4測定バーを備えるCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定バーを10分間回転した後に測定される。
【3219】
ii)第2のベース生成物が、粘度が第1のベース生成物の粘度よりも低く、特に1Pa.s以下であり、好ましくは2Pa.sよりも低い、i)に記載のシステム。
【3220】
iii)第2のベース生成物が、粘度が2Pa.s以下である、ii)に記載のシステム。
【3221】
iv)前記粒子の密度が、5g/cm3以上である、i)からiv)に記載のシステム。
【3222】
v)粒子が、オキシ塩化ビスマス、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、窒化ホウ素、炭化タングステンのリストから選択される材料のうちの少なくとも1つを含む、i)からiv)に記載のシステム。
【3223】
vi)第2の粒子は、密度が2g/cm3以上の粒子を有さない、i)からv)に記載のシステム。
【3224】
vii)第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える、i)からvi)に記載のシス
テム。
【3225】
viii)第3のベース生成物が増粘剤を含む、vii)に記載のシステム。
【3226】
ix)増粘剤が、アラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガム、
カラギーナンガムなどのゴム型のサッカリド化合物、CMC、HMC、HPMCなどのセルロース系化合物、カルボマー(カーボポール)などのポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸、またはポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー、逆濃厚エマルジョンまたは直接濃厚エマルジョン、非水溶溶剤とオイル用の増粘剤の組合せ、ベントナイト、アタパルジャイトなどの粘土、有機キレート剤、カゼインまたはコラーゲンなどのタンパク質、シアシニング剤またはチキソトロピックレオロジー剤から選択される、i)からviii)に記載のシステム。
【3227】
x)増粘剤が、ゴム型のサッカリド化合物から選択され、増粘剤の質量含量が、第1のベース生成物において0.1%から5%の間であり、より良好には0.8%から2.5%の間である、ix)
に記載のシステム。
【3228】
xi)カートリッジは、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、i)からx)に記
載のシステム。
【3229】
xii)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路が、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、i)からxi)に記載のシステム。
【3230】
xiii)第1のベース生成物を均質化するための機構、特に振動機構を備える、i)からxiii)に記載のシステム。
【3231】
xiv)(第2の態様)場合によってはi)からxiii)に記載の、生成物を分配するためのシス
テムであって、ベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを有し、第1のベース生成物が、増粘剤を含み、第2のベース生成物が、増粘剤の粘度を調節するための薬剤を含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステム。
【3232】
xv)以下の各ケースの構成を有する、xiv)に記載のシステム。
第1のケース:
第1の生成物が、粘度が2Pa.sよりも高く、好ましくは4Pa.sよりも高いpH感受性増ちょう活性薬剤を含み、第2の生成物が、第1の生成物の活性薬剤の粘度を2つの生成物が接触したときに修正する酸性薬剤を含有する。第1の生成物の増ちょう活性薬剤が特に、0.
8%から2.5%の間で使用される、カルボマーなどの、アクリレートポリマーまたはコポリマーあるいはメタクリレートポリマーまたはコポリマー系ゲル化剤であり、第2の生成物が、0.2%~10%で使用される、鉱酸あるいはクエン酸または乳酸などの有機酸などの酸性化
剤である。第2の生成物の粘度が、第1の生成物の粘度未満か超か等しいかのいずれであってもよい。第2の生成物の粘度は、1Pa.sから3Pa.sの間であることが好ましい。第1の生成物のpHは、6よりも大きく、好ましくは7よりも大きい。第2の生成物のpHは、6未満
であり、好ましくは5未満である。
第2のケース:
第1の生成物が、粘度が2Pa.sよりも高く、好ましくは4Pa.sよりも高く、第2の生成物が、0.01Pa.sから2Pa.sの間であり、好ましくは0.1Pa.sから05Pa.sの間である低粘度を有する。第1の生成物および第2の生成物が特に、カルボマーなどの、アクリレートポリマーまたはコポリマーあるいはメタクリレートポリマーまたはコポリマー系ゲル化剤、あるいはポリオース系ゲル化剤を含有し、ゲル化剤(すべてのゲル化剤)の濃度が、第1の生成物については0.8%から2.5%の間であり、第2の生成物については0%から2.5%の間である。第3のケース:
第1の生成物が、粘度が2Pa.s未満であり、好ましくは1Pa.s未満であるpH感受性増ちょう活性薬剤を含み、第2の生成物が、第1の生成物の活性薬剤の粘度を2つの生成物が接触したときに修正するアルカリ剤を含有する。第1の生成物の増ちょう活性薬剤が特に、カルボマーなどの、アクリレートポリマーまたはコポリマーあるいはメタクリレートポリマーまたはコポリマー系増粘剤であり、第2の生成物が、アミンまたはアンモニア水などの鉱物または有機塩基などの塩基性化剤である。第2の生成物の粘度が、第1の生成物の粘度未満か超か等しいかのいずれであってもよい。第2の生成物の粘度は、1Pa.sから3Pa.sの間であることが好ましい。第1の生成物の増ちょう活性薬剤の濃度が、0.8%~5%の範囲であってもよい。第1の生成物のpHが、6未満であり、好ましくは5未満である。第2の生成物のpHは、6よりも大きく、好ましくは7未満である。
【3233】
xvi)増粘剤が、pHに依存する粘度を有し、粘度を調節する薬剤が、特にアンモニア水、アミン、水酸化ナトリウム、クエン酸、乳酸から選択される酸または塩基である、xiv)からxv)に記載のシステム。
【3234】
xvii)粘度を調節するための薬剤が希釈剤、特に水、エタノール、オイル、またはこれ
らの薬剤のわずかに増ちょうさせた組成物である、xiv)からxvi)に記載のシステム。
xviii) ...
xix) ...
【3235】
xx)第2のベース生成物が、第1のベース生成物の粘度に実質的に等しい粘度を有する
、xiv)からxix)に記載のシステム。
【3236】
xxi)第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える、xiv)からxx)に記載のシ
ステム。
【3237】
xxii)第3のベース生成物が、特に第1のベース生成物の増粘剤とは異なる濃度を有す
る増粘剤を含む、xxi)に記載のシステム。
【3238】
xxiii)増粘剤が、アラビアガム、アカシアガム、グアーガム、ゲランガム、カラヤガム、カラギーナンガムなどのゴム型のサッカリド化合物、CMC、HMC、HPMCなどのセルロース系化合物、カルボマー(カーボポール)などのポリアクリル酸またはポリメタクリル酸、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー、逆濃厚エマルジョンまたは直接濃厚エマルジョン、非水溶溶剤とオイル用の増粘剤の組合せ、ベントナイト、アタパルジャイトなどの粘土、有機キレート剤、カゼインまたはコラーゲンなどの
タンパク質、シアシニング剤またはチキソトロピックレオロジー剤から選択される、xiv)からxxii)に記載のシステム。
【3239】
xxiv)増粘剤がカーボポールゲルであり、好ましくはこれを中性媒質またはアルカリ媒
質に溶かした薬剤であり、特に含有量が0.1質量%から2.5質量%の間である、xxiii)に記載のシステム。
【3240】
xxv)増粘剤が、ゴム型のサッカリド化合物から選択され、増粘剤の質量含量が、第1のベース生成物において0.2%から5%の間であり、より良好には0.8%から2.5%の間である、xxiii)に記載のシステム。
【3241】
xxvi)カートリッジが、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、xiv)からxxv)に記載のシステム。
【3242】
xxvii)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路が、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、xiv)からxxvi)に記載のシステム。
【3243】
xxviii)第1のベース生成物を均質化するための機構、特に振動機構を備える、xiv)か
らxxvii)に記載のシステム。
【3244】
xxix)化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布するための方法であって、処置すべき領域に応じて、上記の点のいずれかに記載の分配システムのディスペンサーを設定するステップと、ディスペンサーの設定に対応する割合でカートリッジからベース生成物を取り出すことによって生成物を分配するステップとを含む方法。
【3245】
xxx)設定するステップが、最高の粘度を有するように実施され、塗布することが、皮膚のシミに対して実行される、xxix)に記載の方法。
【3246】
xxxi)設定するステップが、得られ得る終了点粘度間の中間粘度を有するように実施さ
れ、塗布することが、皮膚のシミに対して実行されるかまたは目の下の領域において実行される、xxix)に記載の方法。
【3247】
xxxii)(第3の態様)場合によってはi)からxxxi)に記載の、生成物を分配するシステム
であって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にして、少なくとも1つの特性が調整に応じて変化する膜を形成するシステムである。
【3248】
xxxiii)変化する膜の特性が、膜の可撓性である、xxxii)に記載のシステム。
【3249】
xxxiv)変化する膜の特性が、膜の油性である、xxxii)に記載のシステム。
【3250】
xxxv)変化する膜の特性が、膜のタイトニング性である、xxxii)に記載のシステム。
【3251】
xxxvi)2つのベース生成物として、互いに反応して膜を形成するベース生成物が選択される、xxxii)からxxxv)のいずれか1つに記載のシステム。
【3252】
xxxvii)第1のベース生成物が、反応性シリコーンを含み、第2のベース生成物が、反
応性シリコーンの架橋を生じさせる触媒を含む、xxxvi)に記載のシステム。
【3253】
xxxviii)反応性シリコーンが、2つの鎖末端にビニル機能を保持するテレキーレックポリオルガノシロキサンとポリ水素シロキサンの混合物を含む、xxxvii)に記載のシステム
【3254】
xxxix)触媒が、白金系の触媒である、xxxvii)に記載のシステム。
【3255】
xl)第1のベース生成物が、膜形成ポリマーを含み、第2のベース生成物が、室温では
液体である油性化合物を含む、xxxii)からxxxix)に記載のシステム。
【3256】
xli)膜形成ポリマーが、ガラス転移温度Tgが30℃以上、より良好には60℃以上である、xl)に記載のシステム。
【3257】
xlii)膜形成ポリマーが、ビニル特にアクリルのポリマーまたはコポリマーから選択さ
れる、xl)またはxli)に記載のシステム。
【3258】
xliii)膜形成ポリマーが、脂溶性である、xl)に記載のシステム。
【3259】
xliv)第1および第2のベース生成物が、異なるそれぞれの膜形成ポリマーを含有する
、xxxii)からxxxv)に記載のシステム。
【3260】
xlv)第1のベース生成物の膜形成ポリマーが、ガラス転移温度Tg1を有し、第2のベー
ス生成物のポリマーが、Tg1とは異なるガラス転移温度Tg2を有し、好ましくはTg1>60℃およびTg2<10℃である、xliv)に記載のシステム。
【3261】
xlvi)第1のベース生成物が、メタクリルポリマーおよびコポリマー、ポリアミド、ア
ルキルセルロース、ビニルピロリドンのポリマーおよびコポリマー、ならびにシリコーン樹脂から選択されるポリマーまたはコポリマーを含む、xlv)に記載のシステム。
【3262】
xlvii)第2のベース生成物が、アクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルポリマーおよびコポリマー、ポリエステルおよびポリウレタンなどの重縮合物から選択されるポリマーまたはコポリマーを含む、xlv)に記載のシステム。
【3263】
xlviii)第1のベース生成物が、融点Mp1>20℃である油性化合物を含み、第2のベース
生成物が、融点Mp2<20℃である油性化合物を含む、xxxii)からxxxv)に記載のシステム。
【3264】
xlix) xxxii)からxlviii)に記載の分配システムの助けを得て化粧生成物、メイクアッ
プ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布するための方法であって
、処置すべき領域に応じてディスペンサーを設定するステップと、ディスペンサーの設定に対応する割合でカートリッジからベース生成物を取り出すことによって生成物を分配するステップとを含む方法。
【3265】
l)(第4の態様)任意選択で第i)項からxlix)項のいずれか一項に記載の、化粧品を分配
するためのシステムであって、それぞれが、ベース生成物を含むリザーバを有する少なくとも2つのカートリッジを収容しているディスペンサーを含み、第1のベース生成物は少なくとも1つの有機溶媒を含み、その有機溶媒を含むカートリッジは、単純なポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミドおよび半芳香族ポリアミド、ポリフェニレン・
サルファイド(PPS)、ポリビスマレイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエポキシ
ド、ポリエーテル-ブロック-アミド、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、FEP(ペルフルオロ化エチレンプロピレン)、PFA(ポリフルオロアルコキシ)、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン)
、およびETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、ならびにそれらの混合物、好ましくは、単純なポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミドおよび半芳香族ポリアミド
、ポリフェニレン・サルファイド(PPS)、ポリビスマレイミド、ならびにそれらの混合物
を含むリストから選択される熱可塑性材料のうちの少なくとも1つから作製された本体を有する、システム。
【3266】
li)第1のベース生成物を含むカートリッジが、カートリッジの本体の他に、第1のベ
ース生成物にさらされる他の成分、特に可動性成分を含み、これらの成分、特に可動性成分のうちの少なくとも1つ、および好ましくはこれらの成分のすべてが、前記リストから選択される、l)に記載のシステム。
【3267】
lii)第1のベース生成物中の有機溶剤の総含有量が、第1のベース生成物の総水含有量以上である、l)に記載のシステム。
【3268】
liii)第1のベース生成物中の有機溶剤の総含有量が、すべての溶剤に対して50%以上である、l)からlii)に記載のシステム。
【3269】
liv)各カートリッジが、その含有量を除いて同一である、l)からliii)に記載のシステ
ム。
【3270】
lv)組成物のうちの少なくとも1つが香水を含む、l)からliv)に記載のシステム。
【3271】
lvi)カートリッジが、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、l)からlv)に
記載のシステム。
【3272】
lvii)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路
が、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、l)からlvi)に記載のシステム。
【3273】
lviii)(第5の態様)場合によっては点i)からlvii)のいずれか1つに記載の、生成物を
分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、顔料を含み、第2のベース生成物が、第1のベース生成物の顔料とは別個のフィラーを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステム。
【3274】
lix)顔料のおよびフィラーの体積による粒子サイズD50が100nmから1mmの間である、第lviii)項に記載のシステム。
【3275】
lx)顔料の体積による粒子サイズD50が、100nm~25ミクロン、より良好には200nm~10ミクロンの範囲である、第lviii)項に記載のシステム。
【3276】
lxi)顔料が、無機顔料、好ましくは疎水性修飾された無機顔料、特に酸化鉄または酸化チタンのものから選択される、第lviii)項からlx)項に記載のシステム。
【3277】
lxii)顔料が、少なくとも1つの親油性または疎水性化合物を含むコーティングを有す
る、第lviii)項からlxi)項に記載のシステム。
【3278】
lxiii)フィラーが、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロ
スフィア、アクリル酸コポリマーミクロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィアおよびガラスまたはセラミックマイクロカプセル、中空球体の一部の形態である粒子、ならびにそれらの混合物から選択される、第lviii)項からlxi)項に記載のシステム。
【3279】
lxiv)第1のベース生成物および第2のベース生成物が逆エマルジョンを含む、第lviii)項からlxiii)項に記載のシステム。
【3280】
lxv)第1のベース生成物中の顔料の質量含有量が、5%以上、好ましくは10%超である、
第lviii)項からlxiii)項に記載のシステム。
【3281】
lxvi)第2のベース生成物中のフィラーの質量含有量が、0.5%以上、好ましくは1%超で
ある、第lviii)項からlxv)項に記載のシステム。
【3282】
lxvii)第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える、lviii)からlxvi)に記
載のシステム。
【3283】
lxviii)カートリッジが、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、lviii)か
らlxvii)に記載のシステム。
【3284】
lxix)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路
が、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、lviii)からlxviii)に記載のシステム。
【3285】
lxx) lviii)からlxix)に記載の分配システムの助けを得て化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布するための方法であって、処
置すべき領域に応じてディスペンサーを設定するステップと、ディスペンサーの設定に対応する割合でカートリッジからベース生成物を取り出すことによって生成物を分配するステップとを含む方法。
【3286】
lxxi)(第6の態様)場合によっては点i)からlxx)のいずれか1つに記載の、生成物を分
配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、特に逆エマルジョンの形態の有機サンスクリーン剤とオイルとを含み、第2のベース生成物がオイルを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にし、第1のベース生成物中のサンスクリーン剤の濃度が、第2のベース生成物のサンスクリーン剤の濃度よりも高く、第2のベース生成物中のオイルの濃度が、第1のベース生成物のオイルの濃度よりも高いシステム。
【3287】
lxxii)第1のベース生成物中の有機サンスクリーン剤の質量含量が、2%以上であり、好ましくは4%である、lxxi)に記載のシステム。
【3288】
lxxiii)第2のベース生成物中のオイルの質量含量が、2%よりも多く、好ましくは4%で
ある、lxxi)に記載のシステム。
【3289】
lxxiv)第2のベース生成物が、有機サンスクリーン剤を含有しない、lxxi)に記載のシ
ステム。
【3290】
lxxv)第2のベース生成物が、有機サンスクリーン剤を含有する、lxxi)に記載のシステム。
【3291】
lxxvi)第1のベース生成物および第2のベース生成物の少なくとも一方が、着色剤を含有する、lxxi)に記載のシステム。
【3292】
lxxvii)着色剤が、顔料、特に酸化鉄から選択される、lxxvi)に記載のシステム。
【3293】
lxxviii)第1のベース生成物および第2のベース生成物の各々が、着色剤を含有する、lxxvi)またはlxxvii)に記載のシステム。
【3294】
lxxix)第1のベース生成物および第2のベース生成物の少なくとも一方が、無色フィラーを含有する、lxxi)からlxxviii)に記載のシステム。
【3295】
lxxx)第1のベース生成物および第2のベース生成物の各々が無色フィラーを含む、lxxix)に記載のシステム。
【3296】
lxxxi)第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える、lxxi)からlxxx)に記載のシステム。
【3297】
lxxxii)カートリッジが、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、lxxx)からlxxxi)に記載のシステム。
【3298】
lxxxiii)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路が、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、lxxxi)からlxxxii)に記載のシステム。
【3299】
lxxxiv) lxxxi)からlxxxiii)に記載のシステムを調整するためのプロセスであって、生成物によって処置すべき領域および/またはUV放射の強度に応じてディスペンサーを調整
することを含むプロセス。
【3300】
lxxxv)(第7の態様)場合によっては上記の点のいずれか1つに記載の、生成物を分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、オイル、干渉顔料、またはメタリックティントを有する顔料のうちの少なくとも1つを含み、第2のベース生成物がツヤ消しフィラーを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステム。
【3301】
lxxxvi)第1のベース生成物が油を含む、第lxxxv)項に記載のシステム。
【3302】
lxxxvii)第1のベース生成物が干渉顔料を含む、第lxxxv)項またはlxxxvi)項に記載の
システム。
【3303】
lxxxviii)第1のベース生成物が、メタリックな色合いを有する顔料を含む、第lxxxv)
項からlxxxvii)項に記載のシステム。
【3304】
lxxxix)顔料のおよびフィラーの体積による粒子サイズD50が100nmから1mmの間である、第lxxxv)項からlxxxviii)項に記載のシステム。
【3305】
xc)フィラーが、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポ
リエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロス
フィア、アクリル酸コポリマーミクロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィアおよびガラスまたはセラミックマイクロカプセル、中空球体の一部の形態である粒子、ならびにそれらの混合物から選択される、第lxxxv)項からlxxxix)項に記載のシステム。
【3306】
xci)第1のベース生成物および第2のベース生成物が逆エマルジョンを含む、第lxxxv)項からlxxxix)項に記載のシステム。
【3307】
xcii)第2のベース生成物中のフィラーの質量含有量が、0.5%以上、好ましくは1%超で
ある、第lxxxv)項からxci)項に記載のシステム。
【3308】
xciii)第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える、lxxxv)からxcii)に記
載のシステム。
【3309】
xciv)カートリッジが、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、lxxxv)からxciii)に記載のシステム。
【3310】
xcv)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路が、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、lxxxv)からxciv)に記載のシステム。
【3311】
xcvi) lxxxv)からxcv)に記載の分配システムの助けを得て化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布するための方法であって、処
置すべき領域に応じてディスペンサーを設定するステップと、ディスペンサーの設定に対応する割合でカートリッジからベース生成物を取り出すことによって生成物を分配するステップとを含む方法。
【3312】
xcvii)(第8の態様)場合によっては上記の点のいずれか1つに記載の、生成物を分配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容するリザーバを各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、保湿剤を含み、第2のベース生成物が、フィラーを含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステム。
【3313】
xcviii)保湿剤が、ポリオール、尿素および特にヒドロキシアルキル尿素、特にヒドロ
キシエチル尿素などのその誘導体、ヒアルロン酸、グリシン、β-アラニン、タウリン、
トリメチルグリシン、ならびにそれらの混合物から選択される、第xcvii)項に記載のシス
テム。
【3314】
xcix)フィラーの体積による粒子サイズD50が、100nmから1mmの間である、第xcvii)項からxcviii)項に記載のシステム。
【3315】
c)フィラーが、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロス
フィア、アクリル酸コポリマーミクロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフィアおよびガラスまたはセラミックマイクロカプセル、中空球体の一部の形態である粒子、ならびにそれらの混合物から選択される、第xcvii)項からxcix)項に記載のシステム。
【3316】
ci)第1のベース生成物および第2のベース生成物が逆エマルジョンを含む、第xcvii)
項からc)項に記載のシステム。
【3317】
cii)第2のベース生成物中のフィラーの質量含有量が、0.5%以上、好ましくは1%超である、第xcvii)項からci)項に記載のシステム。
【3318】
ciii)第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える、xcvii)からcii)に記載
のシステム。
【3319】
civ)カートリッジが、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、xcvii)からciii)に記載のシステム。
【3320】
cv)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路が
、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、xcvii)からciv)に記載のシステム。
【3321】
cvi) xcvii)からcv)に記載の分配システムの助けを得て化粧生成物、メイクアップ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布するための方法であって、処置
すべき領域に応じてディスペンサーを設定するステップと、ディスペンサーの設定に対応する割合でカートリッジからベース生成物を取り出すことによって生成物を分配するステップとを含む方法。
【3322】
cvii)(第9の態様)場合によっては上記の点のいずれか1つに記載の、芳香生成物を分
配するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、第1のベース生成物が、少なくとも1つのアルコールと少なくとも1つのセルロース誘導体とを含有する組成物を含み、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にするシステム。
【3323】
cviii)各ベース生成物が、少なくとも1つのアルコールおよび少なくとも1つのセルロース誘導体を含む組成物を含む、第cvii)項に記載のシステム。
【3324】
cix)第1のベース生成物または各ベース生成物が、少なくとも80/20、より良好には90/10の、アルコール対非アルコール化合物の質量濃度を有する、第cvii)項またはcviii)項
に記載のシステム。
【3325】
cx)第1のベース生成物または各ベース生成物が、その溶媒相中に少なくとも50質量%のエタノール、より良好には少なくとも80%のエタノールを含む、第cvii)項からcix)項に記載のシステム。
【3326】
cxi)第1のベース生成物または各ベース生成物が、好ましくは、エステル、カーボネート、酸、無水物、アルデヒド、アルコール、アルカンおよびアルケン以外の官能を有さない脂肪族化合物、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの香気化合物を含む、第cvii)項からcx)項に記載のシステム。
【3327】
cxii)香気化合物が、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデ
カナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルデカナール、2-メチルウンデカナール、トランス-2-ヘキサナール、シス-4-ヘプタナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-オール、E-4-デセナール、10-ウンデセナール、2-ドデセナール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、2-メチル-2-ペンテン酸、(S)-(+)-2-メチルブタン酸、ギ酸エチル、ギ酸シス-3-ヘキセニル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢
酸3,5,5-トリメチルヘキシル、酢酸トランス-2-ヘキセニル、酢酸シス-3-ヘキセニル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、イソ酪酸シス-3-ヘキセニル、イソ吉草酸エチル、酪酸エチル-2-メチル、ヘキサン酸エチル、ペンタン酸エチル2-メチル、ヘキサン酸2-プロペニル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸2-プロペニル、オクタン酸エチル、2-ノネン酸メチル、2-トランス-4-シス-デカジエン酸エチル、2-オクチン酸メチル、2-ノニン酸メチル、3-オクトブタン酸エチル、グリコール酸アリルアミル、炭酸メチルZ-3-ヘキセニル、3-オクタノール;2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、トランス-2-ヘキセン-1オール;3-ヘキセン-1-オール;1-オクテン-3-オール;9-デセン-1-
オール;10-ウンデセン-1-オール;2-トランス-6-シス-ノナジエン-1-オール;4-メチル-3-
デセン-5-オール、ミルセン、オシメン、ベータ-ファルネセン、シトラール、シトラール酢酸ジエチル、シトロネラル、メトキシジヒドロシトロネラル、2,6,10-トリメチル-9-ウンデカナール、シス-ゲラン酸、シトロネル酸、ゲラニルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、イソバレレート)、酢酸ネリル、リナリルエステ
ル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート)、シトロネリルエステル(ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、イソバレレート、チグレ
ート)、およびミルセノール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ミルセノール、ラ
ベンデュロール、シトロネロール、トランス,トランス-ファルネソール、トランス-ネロ
リドール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、アベンデュロール、トランス,トランス-ファルネソール、トランス-ネロリドール、テトラヒドロゲラニオール
、テトラヒドロリナロールのエステル、リモネン、テルピネン、テルピノレン、フェランドレン、カンフェン、3-カレン、メンチルエステル(アセテート、ラクテート)、アルファ-テルピニルエステル(アセテート)、ノリルエステル(アセテート)、ボルニルエステル(アセテート)、イソボルニルエステル(アセテート)、セドリルエステル(アセテート)、2,4-
ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)ブテノール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-
シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、インドール、p-シメン、ジフェニルメタン、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ジヒドロケイ皮アルデヒド、2-フェニルプロパナール、シクラメンアルデヒド、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール、ケイ皮アルデヒド、ヘリオト
ロピン、フルフルアルデヒド、ベンジルエステル(アセテート、プロピオネート、イソバ
レレート)、フェネチルエステル(アセテート、イソブチレート、イソバレレート)、アル
ファ-トリクロロメチルベンジルエステル(アセテート)、酢酸シンナミル、安息香酸エス
テル(アセテート、ヘキシル、ベンジル)、酢酸フェニルエチル、酢酸フェニルゲラニル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、ケイ皮酸フェニルエチル、酢酸オイゲノール、酢酸フェニル、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、スチラリルアルコール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、シンナミルアルコール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、チモール、アネトール、イソオイゲノール、オイゲノール、アニスアルコール、ラズベリーケトン、エチルマルトール、2,6-ジメトキシフェノール、2-プロピルフェノール、2-(メチルチオ)フェノール、オルト-グアヤコール、4-メチルグアヤ
コール、アビエチン無水物、シトラコン無水物から選択される、第cxi)項に記載のシステム。
【3328】
cxiii)セルロース誘導体が、塩基性化セルロースを酸化プロピレンまたはエチレンオキシドと反応させることによって得られたセルロースの誘導体から選択される、第cvii)項
からcxii)項に記載のシステム。
【3329】
cxiv)セルロース誘導体がヒドロキシプロピルセルロースである、第cvii)項からcxiii)項に記載のシステム。
【3330】
cxv)セルロース誘導体のサイズが、10000以上、より良好には約850000から約1150000の間である、第cvii)項からcxiv)項に記載のシステム。
【3331】
cxvi)セルロース化合物の合計質量含有量が、0.1%から20%の間、より良好には0.5%から5%の間で変化し、百分率が、ベース生成物の質量に対して示される第cvii)項からcxv)項
に記載のシステム。
【3332】
cxvii)第3のベース生成物を含む第3のカートリッジを備える、cvii)からcxvi)に記載のシステム。
【3333】
cxviii)カートリッジが、ディスペンサーに取り外し可能に受け入れられる、cvii)からcxvii)に記載のシステム。
【3334】
cxix)各生成物が、カートリッジの出口通路を通ってカートリッジから出て、出口通路
が、カートリッジの分配エンドピースによって画定され、前記エンドピースが、カートリッジに収容されたベース生成物を分配するためにディスペンサーの駆動機構によってカートリッジの本体に対して回転駆動される、cvii)からcxviii)に記載のシステム。
【3335】
cxx)分配される生成物に関連して、この生成物のベース生成物の各々の割合を記録して、この生成物を後で再び自動的に分配できるようにするための電子メモリを有する、cvii)からcxix)に記載のシステム。
【3336】
cxxi) cvii)からcxx)に記載のシステムの助けを得て芳香生成物を生成するための方法
であって、ディスペンサーのそれぞれのカートリッジ内に収容される1つまたは複数のベース生成物が選択され、選択されたベース生成物が、選択された量だけ分配される方法。
【3337】
cxxii)分配される生成物を構成するそれぞれに異なるベース生成物の割合も記憶される、cxxi)に記載の方法。
【3338】
cxxii)(第10の態様)場合によっては上記の点のいずれか1つに記載の、生成物を分配
するためのシステムであって、それぞれ第1のベース生成物および第2のベース生成物を
収容する少なくとも2つのカートリッジを受け入れるディスペンサーを備え、ディスペンサーが、少なくともこの2つのベース生成物を調整可能な割合で供給するのを可能にし、第1のベース生成物が、揮発性溶剤と膜形成ポリマーとを含み、第2のベース生成物が、非揮発性オイルを含むシステム。
【3339】
cxxiv)第1のベース生成物が、液体無水組成物の形態である、cxxiii)に記載のシステ
ム。
【3340】
cxxv)第2のベース生成物が、無水液体組成物の形態である、cxxiii)またはcxxiv)に記載のシステム。
【3341】
cxxvi)第1のベース生成物が、逆エマルジョンを含む、cxxiii)からcxxv)に記載のシステム。
【3342】
cxxvii)第2のベース生成物が、逆エマルジョンを含む、cxxiii)からcxxvi)に記載のシステム。
【3343】
cxxviii)膜形成ポリマーが疎水性である、cxxiii)からcxxvii)に記載のシステム。
【3344】
cxxix)変化する膜の特性が、膜の可撓性である、cxxiii)に記載のシステム。
【3345】
cxxx)変化する膜の特性が、膜の油性である、cxxiii)に記載のシステム。
【3346】
cxxxi)変化する膜の特性が、膜のタイトニング性である、cxxiii)に記載のシステム。
【3347】
cxxxii)2つのベース生成物として、互いに反応して膜を形成するベース生成物が選択
される、cxxii)からcxxxi)に記載のシステム。
【3348】
cxxxiii)第1のベース生成物が、反応性シリコーンを含み、第2のベース生成物が、反応性シリコーンの架橋を生じさせる触媒を含む、cxxxii)に記載のシステム。
【3349】
cxxxiv)反応性シリコーンが、2つの鎖末端にビニル機能を保持するテレキーレックポ
リオルガノシロキサンとポリ水素シロキサンの混合物を含む、cxxxiii)に記載のシステム。
【3350】
cxxxv)触媒が、白金系の触媒である、cxxxiii)に記載のシステム。
【3351】
cxxxvi)第1のベース生成物が、膜形成ポリマーを含み、第2のベース生成物が、室温
では液体である油性化合物を含む、cxxxiii)に記載のシステム。
【3352】
cxxxvii)膜形成ポリマーが、ガラス転移温度Tgが30℃以上、より良好には60℃以上である、cxxxvi)に記載のシステム。
【3353】
cxxxviii)膜形成ポリマーが、ビニル特にアクリルのポリマーまたはコポリマーから選
択される、cxxxvi)またはcxxxvii)に記載のシステム。
【3354】
cxxxix)膜形成ポリマーが脂溶性である、cxxxvi)またはcxxxvii)に記載のシステム。
【3355】
cxl)第1および第2のベース生成物が、異なるそれぞれの膜形成ポリマーを含有する、cxxiii)からcxxviii)に記載のシステム。
【3356】
cxli)第1のベース生成物の膜形成ポリマーが、ガラス転移温度Tg1を有し、第2のベース生成物のポリマーが、Tg1とは異なるガラス転移温度Tg2を有し、好ましくはTg1>60℃およびTg2<10℃である、cxl)に記載のシステム。
【3357】
cxlii)第1のベース生成物が、メタクリルポリマーおよびコポリマー、ポリアミド、アルキルセルロース、ビニルピロリドンのポリマーおよびコポリマー、ならびにシリコーン樹脂から選択されるポリマーまたはコポリマーを含む、cxl)に記載のシステム。
【3358】
cxliii)第2のベース生成物が、アクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルポリマー
およびコポリマー、ポリエステルおよびポリウレタンなどの重縮合物から選択されるポリマーまたはコポリマーを含む、cxl)に記載のシステム。
【3359】
cxliv)第1のベース生成物が、融点Mp1>20℃である油性化合物を含み、第2のベース生成物が、融点Mp2<20℃である油性化合物を含む、cxxiii)からcxxviii)に記載のシステム
【3360】
cxlv) cxxiii)からcxliv)に記載の分配システムの助けを得て化粧生成物、メイクアッ
プ生成物、および/またはケア生成物をヒトケラチン物質に塗布するための方法であって
、処置すべき領域に応じてディスペンサーを設定するステップと、ディスペンサーの設定に対応する割合でカートリッジからベース生成物を取り出すことによってベース生成物を分配するステップとを含む方法。
【3361】
上記のリストにおいて、「…から…に記載の」は、「点…から…のうちの1つに記載の」を意味すると理解されるべきであり、たとえば、「i)からiii)に記載の」は「i)、ii)
、またはiii)に記載の」を意味する。
【符号の説明】
【3362】
1 コンパートメント
2 コンパートメント
3 コンパートメント
10 分配システム
11 ディスペンサー
12 押しボタン
30 カートリッジ
30a 出口ダクト
31 本体
32 ピストン
33 リザーバ
34 ロッド
36 ヘッド
37 ノズル
40 支持部品
41 スリーブ
43 ロッキングリング
50 駆動部品
53 分配オリフィス
54 取付けスカート
55 水平壁
56 エンドピース
57 浮き出し部
58 Oリングシール
59 ショルダ
60 歯車
70 電気モーター
71 減速歯車
72 駆動歯車
80 基板
81 電子回路
82 開口
82a スリーブ
83 通路
86 出力ピン
89 セル
100 コンピュータシステム
110 出口インターフェース
111 通路
115 カップ
115a 通路
115b 底部
150 エンドピース
160 ノズル
170 エンドピース
171 トランスバースストリエーション
180 有孔エンドピース
190 植毛されたエンドピース
191 有孔塗布部材
192 ステム
193 基部
200 エンドピース
210 内部通路
215 取付け部
216 直立部
220 エアブラシ
250 タレット
255 空間
252 可動部
253 空間
254 スタンド
260 外部本体
261 通路
262 中央チャンバ
263 内部管状直立部
264 開口
265 環状空間
270 外部管状直立部
280 静的ブレンダーコア
281 径方向仕切り
282 出口
284 有孔環状仕切り
285 穿孔
286 壁
287 端壁
300 カーソル
302 制御ボタン
304 「連続」ボタン
305 「パージ」ボタン
306 「処方量」ボタン
310 三角形
400 カラーリングされた領域
410 中央領域
420 ボタン
500 領域
510 制御ボタン
530 領域
535 領域
550 カラーチャート
555 カーソル
560 ボタン
1000 ユーザインターフェース
1011 カラースケール
1012 調整ボタン
1035 顔
1040、1041 ボタン
2020a~2020d 処方量
2021 支持体
2060 カメラ
2061 第1の場所
2062 第2の場所
C1、C2 色
M1、M2 活性薬剤
R1、R2 粘度
Tf1、Tf2 融点
Tg1、Tg2 ガラス遷移温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図15A
図16
図16A
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図29A
図29B
図29C
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48