(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】撮影装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240823BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240823BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240823BHJP
B61L 23/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H04N23/60
G03B15/00 V
G08G1/16 C
B61L23/00 A
(21)【出願番号】P 2020117266
(22)【出願日】2020-07-07
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100213654
【氏名又は名称】成瀬 晃樹
(72)【発明者】
【氏名】間嶋 義喜
(72)【発明者】
【氏名】小林 広幸
(72)【発明者】
【氏名】二神 拓也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄介
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 達哉
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紀康
(72)【発明者】
【氏名】服部 陽平
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-052131(JP,A)
【文献】特開2009-071706(JP,A)
【文献】特開2009-177250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G03B 15/00
G08G 1/16
B61L 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる撮影部であって、撮影条件に関する撮影パラメータに基づいて、撮影対象を撮影する撮影部と、
走行中の前記車両の走行環境情報を取得する車両情報取得部と、
前記撮影部が撮影する撮影画像、および、前記車両情報取得部が取得する前記走行環境情報に基づいて、前記撮影パラメータを更新する撮影パラメータ更新部と、を備え
、
前記撮影パラメータ更新部は、
前記車両情報取得部が取得する前記走行環境情報に基づいて、前記撮影画像内から、少なくとも前記撮影対象を含む所定領域を設定し、
前記車両情報取得部が取得する前記走行環境情報に基づいて、前記所定領域における画像特徴量の基準値を取得し、
前記撮影画像内から設定された前記所定領域における画像特徴量と前記基準値との比較に基づいて、前記撮影パラメータを更新する、撮影装置。
【請求項2】
前記撮影パラメータ更新部は、予め得られた前記走行環境情報と、予め得られた前記撮影画像内の前記所定領域と、が関係付けられた第1関係に、前記車両情報取得部が取得する前記走行環境情報を適用することにより、前記撮影部が撮影する前記撮影画像内から前記所定領域を設定する、請求項
1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記基準値は、予め得られた前記撮影画像内の前記所定領域における画像特徴量である、請求項
1または請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮影パラメータ更新部は、予め得られた前記走行環境情報と、前記基準値と、が関係付けられた第2関係に、前記車両情報取得部が取得する前記走行環境情報を適用することにより、前記基準値を取得する、請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記撮影パラメータ更新部は、
前記撮影画像内から設定された前記所定領域における画像特徴量が前記基準値を含む所定範囲外である場合、前記撮影パラメータを更新し、
前記撮影画像内から設定された前記所定領域における画像特徴量が前記所定範囲内である場合、前記撮影パラメータを更新しない、請求項
1から請求項
4のいずれか一項に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記撮影パラメータ更新部は、前記車両の走行経路上の所定区間毎に、前記撮影画像内の前記所定領域を再び設定する、請求項
1から請求項
5のいずれか一項に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記撮影パラメータ更新部は、所定時間毎に、前記撮影画像内の前記所定領域を再び設定する、請求項
1から請求項
6のいずれか一項に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記撮影パラメータ更新部は、前記所定領域が設定される毎に、前記撮影パラメータを更新する、請求項
1から請求項
7のいずれか一項に記載の撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による実施形態は、撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両前方に監視目的で設置されたカメラを用いて取得された画像から、車両と衝突する可能性のある障害物を検出して、運転士に通知する障害物検知システムが存在する。障害物検知システムは、鉄道の自動運転に向けても走行安全性確保の観点から重要で、全走行区間に渡って高い障害物検出精度を維持することが求められる。
【0003】
しかし、白飛びや黒つぶれが発生しやすいトンネルやホームなどの照度変化の顕著な場面で撮影されたカメラ画像は、品質(例えば、コントラストなど)が著しく低下する場合がある。そのような品質が低下した画像に対して、画像認識技術を用いて障害物を検知することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-037061号公報
【文献】特開2018-002007号公報
【文献】特開2009-027651号公報
【文献】特開2019-221115号公報
【文献】特開2018-181254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
環境変化による撮影画像の品質低下を抑制することができる撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態による撮影装置は、撮影部と、車両情報取得部と、撮影パラメータ更新部と、を備える。撮影部は、車両に設けられる撮影部であって、撮影条件に関する撮影パラメータに基づいて、撮影対象を撮影する。車両情報取得部は、走行中の車両の走行環境情報を取得する。撮影パラメータ更新部は、撮影部が撮影する画像、および、車両情報取得部が取得する走行環境情報に基づいて、撮影パラメータを更新する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態における撮影装置を含む監視システムの構成を模式した図。
【
図2】第1実施形態における監視システムに内包される各装置の機能構成を模式した図。
【
図3】第1実施形態における監視システムの動作フロー図。
【
図4】撮影パラメータ辞書から参照される調整領域と画像特徴量の基準値との一例を示す図。
【
図5】トンネル付近を走行する鉄道車両における調整領域の選択の一例を示す図。
【
図6】トンネル入口付近およびトンネル出口付近での走行中に障害物検知を実施する事例を一例として説明する図。
【
図7】第2実施形態における監視システムに内包される各装置の機能構成を模式した図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
鉄道車両の走行において、走行の支障となりうる要因をいち早く発見することが運転士に求められている。運転士は、例えば、車両の進行方向の線路付近に障害となりうる飛来物や動物などの障害物を発見した際に、車両の緊急停止を迅速に実施する。そのような障害物の迅速な発見を機械的に実施するために、例えば、カメラなどの撮影機材を用いて障害物検知を実施する場合がある。第1実施形態は、鉄道車両の走行中に車両前方の線路付近において支障となる障害物をより高精度に検知する一例を示す。
【0010】
まず、実施形態1の構成について説明する。
図1は、第1実施形態における撮影装置1を含む監視システム100の構成を模式した図である。監視システム100は、一対で構成されている走行線路R上を方向Gに沿って走行する鉄道車両RVに搭載されている。監視システム100は、撮影装置1と、検知装置2と、インターフェイス装置3と、を備える。撮影装置1は、例えば、運転席窓際付近に設置され、鉄道車両RVの走行方向G(鉄道車両前方)の風景を撮影することができる。
【0011】
図2は、第1実施形態における監視システム100に内包される各装置の機能構成を模式した図である。撮影装置1は、車両情報取得部1Aと、撮影部1Bと、画像取得部1Cと、撮影パラメータ更新部1Dと、画像出力部1Eと、を備える。検知装置2は、検知部2Aと、検知結果出力制御部2Bと、を備える。インターフェイス装置3は、検知結果出力部3Aを備える。
【0012】
撮影装置1が有する車両情報取得部1Aは、車両の周辺情報を取得する機能を有しており、天候情報取得部1A1と、運行情報取得部1A2と、現在位置情報取得部1A3と、前照灯情報取得部1A4と、を備える。天候情報取得部1A1は、車両の走行あるいは停止時における晴れ、曇り、雨、雪、雹、風向、風速、太陽の位置などの天候に関する情報を取得する機能を有する。運行情報取得部1A2は、車両運行時に獲得できる現在速度や、走行における進行方向、進行予定の線路形状、設備情報などの車両情報を取得する機能を有する。現在位置情報取得部1A3は、車両の現在位置情報を取得する機能を有する。前照灯情報取得部1A4は、車両前方に設置されている前照灯の明るさや、照射角度などの情報を取得する機能を有する。
【0013】
すなわち、車両情報取得部1Aは、走行中の鉄道車両RV(車両)の走行環境情報を取得する。走行環境情報は、例えば、上記のように、鉄道車両RVの周辺の天候状態、速度、進行方向、進行予定の線路情報、進行予定の設備情報、位置、および、前照灯の状態の少なくとも1つを含む。車両情報取得部1Aは、例えば、鉄道車両RV内に設けられた各種センサから走行環境情報を取得してもよく、鉄道車両RVの外部と通信することにより走行環境情報を取得してもよい。車両情報取得部1Aは、車両環境情報を撮影パラメータ更新部1Dに送る。
【0014】
撮影装置1が有する撮影部1Bは、撮影パラメータ決定部1D3で設定された撮影パラメータをもとに撮影される撮影機器を指す。
【0015】
すなわち、撮影部1Bは、鉄道車両RVに設けられ、撮影条件に関する撮影パラメータに基づいて、撮影対象を撮影する。撮影された画像は画像取得部1Cによって取得される。撮影条件は、例えば、撮影部1Bのシャッタースピード、ゲイン、絞り値、HDR(High Dynamic Range)パラメータ、および、画角の少なくとも1つを含む。撮影対象は、例えば、鉄道車両RVの走行経路(走行線路R)、該走行経路の周辺、および、該周辺に設けられる標識の少なくとも1つを含む。撮影対象は、監視対象または監視目的によって変更されてもよい。
【0016】
撮影装置1が有する画像取得部1Cは、撮影部1Bで撮影された画像を取得する。すなわち、画像取得部1Cは、撮影パラメータに基づいて撮影部1Bが撮影する撮影画像を取得する。画像取得部1Cは、撮影画像を撮影パラメータ更新部1Dに送る。撮影部1Bは、撮影画像を画像取得部1Cおよび画像出力部1Eに送り、撮影パラメータを撮影パラメータ更新部1Dから受け取る。
【0017】
撮影装置1が有する撮影パラメータ更新部1Dは、撮影パラメータ辞書部1D1と、撮影パラメータ調整領域決定部1D2と、撮影パラメータ決定部1D3と、を備える。撮影パラメータ辞書部1D1は、撮影パラメータの調整を行う基準となる調整領域と画像特徴量などの基準値とを取得するための参照辞書部である。このとき、参照辞書に入力される値は、車両情報取得部1Aで得られる前述した情報を元に参照される。撮影パラメータ調整領域決定部1D2は、前述した撮影パラメータ辞書部1D1で参照された調整領域を設定する。撮影パラメータ決定部1D3は、設定された調整領域と画像取得部1Cで得られた画像をもとに白とびあるいは黒つぶれなどをしないように各撮影パラメータの値を設定する。ここで示す撮影パラメータとは、シャッタースピード、ゲイン、絞り値、HDRパラメータ、画角などの撮影条件のパラメータ(値)である。このとき、撮影パラメータの決定のために、前述した車両情報取得部1Aで得られる情報が参照されてもよい。
【0018】
すなわち、撮影パラメータ更新部1Dは、画像取得部1Cが取得する撮影画像(撮影部1Bが撮影する撮影画像)、および、車両情報取得部1Aが取得する走行環境情報に基づいて、撮影パラメータを更新する。撮影部1Bは、更新された撮影パラメータに基づいて、撮影対象を撮影する。画像取得部1Cは、更新された撮影パラメータに基づいて撮影部1Bが撮影する、撮影対象の撮影画像を取得する。これにより、撮影装置1は、環境変化による撮影画像の品質低下(例えば、白とびあるいは黒つぶれなど)を抑制して撮影対象を撮影することができる。撮影パラメータ更新部1Dは、走行環境情報および撮影画像を、それぞれ車両情報取得部1Aおよび画像取得部1Cから受け取り、撮影パラメータを撮影部1Bに送る。
【0019】
尚、調整領域を用いた撮影パラメータの更新の詳細については、
図3~
図5を参照して、後で説明する。
【0020】
撮影装置1が有する画像出力部1Eは、前述した画像取得部1Cが取得した撮影物を受け取り、後述する検知装置2が有する検知部2Aに出力する。
【0021】
検知装置2は、検知部2Aと、検知結果出力制御部2Bと、を備える。検知装置2が有する検知部2Aは、前述した画像出力部1Eから撮影物を取得し障害物検知を実施する。
【0022】
より詳細には、検知部2A(検知装置2)は、撮影対象の異常を画像に基づいて検知する。撮影対象の異常は、走行線路R上の障害物に限られず、例えば、走行線路R周辺に動物が近づくこと、および、標識の異常などであってもよい。
【0023】
検知装置2が有する検知結果出力制御部2Bは、障害物検知の結果を後述するインターフェイス装置3が有する検知結果出力部3Aに出力する。
【0024】
インターフェイス装置3は、検知結果出力部3Aを備える。インターフェイス装置3が有する検知結果出力部3Aは、前述した検知結果出力制御部2Bから障害物検知の結果を取得し、各インターフェイス装置を通して通知する。通知を受ける対象は、運転士、乗客、鉄道指令所、走行周辺の一般人、動物などである。通知方法は通知を受ける対象者が理解可能な形式であれば、特に指定しない。理解可能な形式は、例えば、通知を受ける対象者が車内にいる場合、車両内のディスプレイや掲示板などの記述や付属するスピーカーを通して通知したり、通知対象者が車外の場合、車両の警笛や外部スピーカーなどの音声によって通知したり、などである。すなわち、表示装置としての検知結果出力部3Aは、画像または検知装置2の検知結果を表示する。
【0025】
図3は、第1実施形態における監視システム100の動作フロー図を示す。
図3は、例えば、撮影パラメータが1回更新される動作のフローチャートを示す。
図3に示す動作は、例えば、鉄道車両RVの走行中に繰り返し実行される。
【0026】
始めに、ステップS001では、車両情報取得部1Aは、撮影パラメータを決定するための天候情報、運行情報、現在位置、および、前照灯情報を取得する。天候情報は、例えば、車両の走行あるいは停止時における晴れ、曇り、雨、雪、雹、風向、風速、太陽の位置などを指す。運行情報は、例えば、進行方向の線路形状や、線路分岐、設備情報のトンネル、駅ホーム、陸橋、および、踏切などを含めた情報を指す。現在位置情報は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)もしくはTG(Tachogenerator)と呼ばれる位置検知装置を用いた鉄道車両RVの現在位置を指す。現在位置は、例えば、緯度・経度やキロ程で表記される。ここで、キロ程は、例えば、始発駅などの起点から100m単位で表現された車両の走行位置を示し、緯度・経度は位置検知装置から取得可能な計測値を示す。前照灯情報は、鉄道車両RVの前方に設置された前照灯の明るさや照射角度などを指す。
【0027】
次に、ステップS002では、画像取得部1Cは、撮影部1Bが撮影する画像を取得する。ステップS002で撮影された画像は撮影パラメータを調整する前の画像とする。例えば、検知処理を実施する画像の時刻をtとすると、時刻t-1の時点で撮影された画像が用いることとする。このとき、時刻t-1において撮影パラメータを調整して撮影された画像が用いられてもよい。
【0028】
次に、ステップS003では、撮影パラメータ更新部1Dは、取得した情報をもとに撮影パラメータ辞書部1D1から調整領域と画像特徴量の基準値とを取得する。尚、画像特徴量の基準値は、以下では、特徴基準値とも呼ばれる場合がある。
【0029】
図4は、撮影パラメータ辞書から参照される調整領域と画像特徴量の基準値との一例を示す図である。
図4(a)は、撮影パラメータ辞書部1D1に格納される、走行環境情報と、調整領域および特徴基準値と、の対応関係を示す関係情報である。対応関係は、撮影パラメータ辞書部1D1内に複数(例えば、
図4(a)に示す例ではn個)格納されている。現在位置は、例えば、緯度Xn°(n=1,2,・・・)および経度Yn°(n=1,2,・・・)で表される。前照灯角度は、Zm°(m=1,2,・・・)で表される。また、走行環境情報の各パターンに、調整領域An(n=1,2,・・・)および特徴基準値CVn(n=1,2,・・・)が関連付けられている。
図4(b)は、撮影画像および撮影画像内の調整領域を示す。
【0030】
調整領域の候補は、例えば、四角形のような任意の大きさ・形状で区切られた撮影画面上の任意の各マスなどが挙げられる。また、各マスを複数選択することで、拡大・縮小が可能な調整領域の選択や、隣接したマスの選択に限定しない調整領域の選択を実施することが可能となる。
図4(b)は、調整領域A1、A2を示す。走行環境情報によって、調整領域が変更される場合がある。
【0031】
図5は、トンネルT付近を走行する鉄道車両RVにおける調整領域Aの選択の一例を示す図である。
図5(a)は、鉄道車両RVを上方から見た図である。
図5(b)は、鉄道車両RVから撮影した撮影画像を示す。
【0032】
図5(b)では、撮影画面Cにおいて64マスの行列に区切られた調整領域の候補ACから走行線路R付近のマスの集合を調整領域Aとして取得している。すなわち、線路が曲線であっても、線路の形状に合わせて調整領域Aが設定される。また、画像特徴量の基準値は、例えば、取得した画像の調整領域内のエッジ量を基準として使用されてもよい。基準値は、例えば、運転士または管理員によって十分に鮮明と判断された調整領域におけるエッジ量である。この場合、各天候、運行情報、現在位置、前照灯に応じて調整領域内に適したエッジ量の基準値が得られる。この基準値に基づき、後のステップにおいて撮影パラメータを動的に決定する。
【0033】
次に、ステップS004では、撮影パラメータ更新部1Dは、ステップS002で取得した画像から画像処理あるいは信号処理を用いて調整領域内における所定の画像特徴を取得する。画像特徴は、撮影パラメータ辞書に設定されている画像特徴を指し、例えば、エッジ量である。尚、画像特徴量は、エッジ量に限られず、他の特徴量であってもよい。
【0034】
次に、ステップS005では、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影パラメータの更新が必要かどうかを判定する。例えば、取得した画像特徴量が撮影パラメータ辞書で参照した画像特徴量の基準値の範囲内であれば撮影パラメータの更新は不要とする。撮影パラメータ更新部1Dは、更新が不要だと判定した場合、ステップS009に移行し、処理を継続する。一方で、撮影パラメータ更新部1Dは、取得した画像特徴量が特徴基準値の範囲内であれば撮影パラメータを更新すると判定し、ステップS006に移行する。
【0035】
次に、ステップS006では、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影パラメータを更新する。撮影パラメータを走行場面に合わせて更新することで、白とびや黒つぶれなどを考慮した検知に適した撮影画像を取得する。ここで撮影パラメータは、シャッタースピード、ゲイン、絞り値、HDRパラメータ、画角などの撮影条件のパラメータ(値)を指す。撮影パラメータの変更方法としては、例えばゲインの撮影パラメータを一段階上昇するなど知見に基づく一定のルールをまとめた辞書から、撮影パラメータが決定されてもよい。この辞書には、走行環境情報と撮影パラメータとの対応関係が含まれていてもよい。また、目的関数が設定され、その目的関数を最小化するように撮影パラメータを決定してもよい。
【0036】
すなわち、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影画像内から設定された調整領域に基づいて、撮影パラメータを更新する。より詳細には、撮影パラメータ更新部1Dは、調整領域における画像品質を維持または向上させるように、撮影パラメータを更新する。
【0037】
尚、ステップS003~S006に関する撮影パラメータの更新の詳細については、
図6を参照して、後で説明する。
【0038】
次に、ステップS007では、撮影パラメータ更新部1Dは、調整された撮影パラメータを撮影部1Bに送信する。
【0039】
次に、ステップS008では、撮影部1Bは、受信した調整済みの撮影パラメータを適用し再度撮影を実施する。画像取得部1Cは、撮影部1Bにより再度撮影された画像を取得する。
【0040】
次に、ステップS009では、画像取得部1Cは、調整済みの撮影パラメータを適用し取得された画像を画像出力部1Eに送信する。あるいは、ステップS005で撮影パラメータの更新が不要と判定された場合、画像取得部1Cは、撮影パラメータを調整前に取得された画像(未調整の撮影パラメータにより撮影された画像)を画像出力部1Eに送信する。
【0041】
次に、ステップS010では、画像出力部1Eは、受信した画像を検知装置2に送信する。
【0042】
次に、ステップS011では、検知装置2は、受信した画像から対象物を検知する検知処理を実施する。その際、画像上に検知結果を表示してもよい。また画像上に検知結果を明示せず、別ファイルに記述する形を取ってもよい。検知方法については、例えば、特許文献4や特許文献5のような公知例を参照してもよい。
【0043】
終わりに、ステップS012では、インターフェイス装置3が有する検知結果出力部3Aは、前述のステップS011で得られた検知結果を通知する。ここで、通知方法がディスプレイなどのような画像出力可能なデバイスを通じた検知出力画像の表示・描画の場合、表示・描画更新頻度を適切に設定しなければ、運転士の車両操縦に支障をきたす場合がある。例えば、検知結果画像を画像出力部1Eから得た画像に描画することで運転士にディスプレイを通して通知する場合、走行環境の急激な変化に伴う画像の明るさの変化や画面のちらつきによって、運転士の車両操縦に支障をきたす可能性がある。その場合、インターフェイス装置3のデバイスに描画される検知結果画像の表示・描画更新頻度が、検知装置2が検知する頻度と同程度、あるいは少なくされてもよい。
【0044】
次に、
図6を参照して、
図3のステップS003~S006に関する具体的な実施場面における撮影パラメータの動的な更新の一例について説明する。
【0045】
図3のステップS003では、撮影パラメータを設定する際に各環境条件を入力することにより、撮影パラメータの調整領域と画像特徴量の基準値とを出力する辞書(
図4(a)を参照)が用いられる。この辞書は、実装される車両から事前に取得されてもよい。また、この辞書は、ソフトウェア上でのシミュレーションによって事前に収集されてもよい。
【0046】
辞書の具体的な構成の一例は、
図4(a)に示したとおりである。すなわち、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影装置1の車両情報取得部1Aから取得される天候情報、運行情報、現在位置、前照灯情報をキーとし、調整領域と画像特徴量の基準値とを値として取得する。各調整領域の一例は、同図に示したとおりである。
【0047】
図6は、トンネルT入口付近およびトンネルT出口付近での走行中に障害物検知を実施する事例を一例として説明する図である。
図6(a)は、トンネルTに対する鉄道車両RVの位置関係の一例を示す。
図6(b)は、
図4(b)とほぼ同じである。
【0048】
まず、トンネルT入口通過直前である撮影状況ST1を例に説明する。トンネルT入口通過直前で検知装置2が障害物検知する場合、障害物が検知される領域がトンネル内部の線路上であるため、動的に調整領域と撮影パラメータとを決定する必要がある。仮に車両情報取得部1Aから取得される天候情報は晴れ、運行情報は次走行線路形状が直線、設備情報はトンネル入口、現在位置は緯度X1°、経度Y1°、前照灯は消灯だったとする。その場合、撮影パラメータ更新部1Dは、
図4(a)に示す撮影パラメータ辞書部1D1から調整領域と画像特徴量の基準値とを参照し、
図6(b)の撮影画面C1上に表示される調整領域A1を取得する。
【0049】
次に、撮影パラメータ更新部1Dは、この調整領域A1と、画像取得部1Cが取得する画像情報と、をもとに撮影パラメータを決定する。まず、撮影パラメータ更新部1Dは、調整領域A1内に焦点をあて画像処理あるいは信号処理から画像特徴量を取得する。ここで、画像特徴量は、例えば、エッジ量などを指す。この画像特徴量が撮影パラメータ辞書部1D1で得られた画像特徴量の基準値の範囲内であった場合、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影パラメータの更新は不要と判定する。一方で、調整領域A1から取得した画像特徴量が画像特徴量の基準値の範囲外にあった場合、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影パラメータの更新が必要だと判定する。撮影パラメータの更新が必要であった場合、撮影パラメータ更新部1Dは、例えば、ゲインなどの撮影パラメータを一段階上昇するなど知見に基づく一定のルールをまとめた辞書から撮影パラメータを決定する。撮影パラメータ更新部1Dは、調整領域がトンネルT内部の線路上であるため、例えば、シャッタースピードを1/30s、ゲインを高め、絞り値(F値)を低めに設定し、HDRパラメータをEV値2段階で取得し、調整領域内が画像中央に表示されるように画角を高めに設定する。撮影パラメータ更新部1Dは、この決定された撮影パラメータを撮影部1Bに適用し、画像取得部1Cは再度画像を取得する。その後、画像出力部1Eは検知装置2に画像を出力し、検知装置2は障害物検知により適した画像で検知処理を行う。
【0050】
すなわち、撮影パラメータ更新部1Dは、車両情報取得部1Aが取得する走行環境情報に基づいて、撮影画像内から、少なくとも撮影対象を含む所定領域(調整領域)を設定(決定)する。より詳細には、撮影パラメータ更新部1Dは、予め得られた走行環境情報と、予め得られた撮影画像内の調整領域と、が関係付けられた第1関係に、車両情報取得部1Aが取得する走行環境情報を適用することにより、撮影部1Bが撮影する撮影画像内から調整領域を設定する。尚、「予め得られた走行環境情報」は、例えば、車両情報取得部1Aが過去に取得した鉄道車両RVの過去走行環境情報、または、シミュレーションにより得られた走行環境情報などを含む。「予め得られた撮影画像」は、例えば、画像取得部1Cが過去に取得した(撮影部1Bが過去に撮影した)過去撮影画像、または、シミュレーションにより得られた撮影画像などを含む。シミュレーションは、例えば、ソフトウェア上で車両走行をシミュレートすることである。実際に現地で走行環境情報および撮影画像を取得することはコストが高いため、上記のシミュレーションが用いられる場合がある。「車両情報取得部1Aが取得する走行環境情報」は、現在(走行中)の走行環境情報を示す。現在の走行環境情報は、将来において、過去走行環境情報として撮影パラメータの更新に用いられる場合がある。「撮影部1Bが撮影する撮影画像」は、現在(走行中)の撮影画像を示す。現在の撮影画像は、将来において、過去撮影画像として撮影パラメータの更新に用いられる場合がある。また、第1関係は、撮影パラメータ辞書部1D1の一部である。撮影パラメータ辞書部1D1の調整領域は、例えば、運転士または管理員によって予め得られた撮影画像内から選択されてもよく、画像認識により予め得られた撮影画像から撮影対象を特定することにより選択されてもよい。
【0051】
また、撮影パラメータ更新部1Dは、車両情報取得部1Aが取得する走行環境情報に基づいて、調整領域における画像特徴量の特徴基準値を取得する。特徴基準値は、予め得られた撮影画像内の調整領域における画像特徴量である。より詳細には、撮影パラメータ更新部1Dは、予め得られた走行環境情報と、特徴基準値と、が関係付けられた第2関係に、車両情報取得部1Aが取得する走行環境情報を適用することにより、特徴基準値を取得する。第2関係は、撮影パラメータ辞書部1D1の一部である。
【0052】
尚、
図4(a)に示す例では、第1関係および第2関係を含む撮影パラメータ辞書部1D1は、車両情報取得部1Aが過去に取得した鉄道車両RVの過去走行環境情報と、撮影部1Bが過去に撮影した過去撮影画像内の調整領域および特徴基準値と、が関係付けられている。
【0053】
さらに、撮影パラメータ更新部1Dは、調整領域が設定される毎に、撮影パラメータを更新する。より詳細には、撮影パラメータ更新部1Dは、調整領域が更新される毎に、撮影パラメータを更新するか否かを判定する。また、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影画像内から設定された調整領域における画像特徴量と特徴基準値との比較に基づいて、撮影パラメータを更新する。より詳細には、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影画像内から設定された調整領域における画像特徴量が特徴基準値を含む所定範囲外である場合、撮影パラメータを更新する。撮影パラメータ更新部1Dは、撮影画像内から設定された調整領域における画像特徴量が所定範囲内である場合、撮影パラメータを更新しない。従って、画像特徴量が所定範囲内である場合、撮影画像が障害物検知に十分有用であるため、撮影パラメータの更新処理を省略することができる。
【0054】
次に、トンネルT出口通過直前である撮影状況ST2を例に説明する。トンネルT入口通過直前の撮影状況ST1と異なり、障害物が検知される領域がトンネルT外部の線路上であるため、撮影状況ST1と同じく動的に調整領域と撮影パラメータとを決定する可能性が高い。仮に車両情報取得部1Aから取得される天候情報は晴れ、運行情報は次走行線路形状が直線、設備情報はトンネル出口、現在位置は緯度X2°、経度Y2°、前照灯は点灯、前照灯角度はZ1°だったとする。その場合、撮影パラメータ更新部1Dは、
図4(a)に示す撮影パラメータ辞書部1D1から調整領域と画像特徴量の基準値とを参照し、
図6(b)の撮影画面C2上に表示される調整領域A2を取得する。
【0055】
次に、撮影パラメータ更新部1Dは、この調整領域A2と、画像取得部1Cが取得する画像情報と、をもとに撮影パラメータを決定する。撮影パラメータ更新部1Dは、撮影状況ST1と同様に、調整領域内の画像特徴量を取得した画像から、画像処理あるいは信号処理によって画像特徴量を求める。撮影パラメータ更新部1Dは、求めた画像特徴量を撮影パラメータ辞書部1D1で参照した画像特徴量の基準値と比較し、撮影パラメータの更新が必要かどうかを判定する。仮に更新が必要だとした場合、撮影パラメータ更新部1Dは、調整領域がトンネルT外部の線路上であるため、例えば、シャッタースピードを1/30s、ゲインを低めに、絞り値(F値)を高めに設定し、HDRパラメータをEV値2段階で取得し、調整領域内が画像中央に表示されるように画角を高めに設定する。その後、検知装置2は、撮影状況ST1と同様に障害物検知を実施し、より高精度に障害物を検知する。
【0056】
すなわち、撮影パラメータ更新部1Dは、鉄道車両RVの走行経路上の所定区間毎に、撮影画像内の調整領域を再び設定(更新)する。所定区間は、例えば、
図6に示す撮影状況ST1、ST2の周囲500mの範囲内である。しかし、これに限られず、所定区間は、
図6の撮影状況ST1,ST2間にさらに設けられてもよく、
図6に示されない走行線路R上にも複数設けられている。従って、撮影パラメータは、鉄道車両RVの走行中に繰り返し更新される。
【0057】
以上のように、第1実施形態によれば、撮影部1Bは、撮影条件に関する撮影パラメータに基づいて、撮影対象を撮影する。また、撮影パラメータ更新部1Dは、撮影部1Bが撮影する撮影画像、および、車両情報取得部1Aが取得する走行環境情報に基づいて、撮影パラメータを更新する。また、撮影部1Bは、更新された撮影パラメータに基づいて、撮影対象を撮影する。これにより、トンネル付近の照度変化等の環境変化に応じて、撮影パラメータを変更することができる。この結果、環境変化による撮影画像の品質低下を抑制し、画像品質を向上させることができる。従って、例えば、車両前方の線路付近において支障となる障害物のより高精度な検知に有用な画像を取得することができる。尚、走行環境情報の種類によって、対応可能な環境変化が変わる場合がある。走行環境情報の種類は、上記に限られず、また、必要に応じて辞書としても用いられる数が制限されてもよい。また、環境変化は、トンネルに限られず、例えば、西日による照度変化などであってもよい。
【0058】
また、前記撮影パラメータ更新部1Dは、撮影画像内から決定された調整領域に基づいて、撮影パラメータを更新する。
【0059】
もし、画像全体を鮮明に撮像する撮影パラメータが設定される場合、監視対象である撮影対象が鮮明に撮影することができない可能性がある。
【0060】
これに対して、第1実施形態では、撮影画像内の調整領域に焦点をあてて、撮影パラメータを調整することができる。これにより、撮影対象の画像品質を向上させ、検知装置2が撮影画像内から撮影対象を認識しやすくさせることができる。この結果、検知装置2の検知精度を向上させることができる。
【0061】
尚、調整領域は走行中の各状況に合わせて動的に変化可能である。また、調整領域を変化させる期間は任意であってもよい。例えば、撮影装置1で取得されるカメラ(撮影部1B)のフレームレートが30fpsだった場合、撮影パラメータ更新部1Dは、1フレームを取得するごとに調整領域を更新してもよい。一方で、撮影パラメータ更新部1Dは、カメラのフレームレートに関わらず1秒ごとに調整領域を更新してもよい。すなわち、撮影パラメータ更新部1Dは、所定時間毎に、撮影画像内の調整領域を再び設定してもよい。尚、所定時間は、上記のフレームレートおよび1秒に限られない。また、撮影パラメータ更新部1Dは、所定区間毎および所定時間毎を組み合わせて、調整領域を更新してもよい。
【0062】
また、撮影部1Bは、鉄道車両RVの進行方向(走行方向G)、および、該進行方向とは反対方向の少なくとも一方における撮影対象を撮影してもよい。この場合、撮影装置1は、例えば、鉄道車両RVの後方に設けられ車両後方の撮影対象を撮影する撮影部1Bをさらに備えてもよい。尚、前方と後方とで、撮影対象が異なっていてもよく、また、撮影パラメータの更新方法は同じよい。また、撮影部1Bは、前方の撮影対象を撮影せずに、後方の撮影対象を撮影してもよい。
【0063】
また、
図3に示すステップS004、S005の画像特徴量による判定が行われなくてもよい。すなわち、撮影パラメータ更新部1Dは、調整領域の再設定毎に、撮影パラメータの更新を省略することなく行う。この場合、撮影パラメータ辞書部1D1における特徴基準値の関係付けが不要である。従って、撮影パラメータ辞書部1D1の作成の手間を削減することができる。
【0064】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態における監視システム100に内包される各装置の機能構成を模式した図を示す。第2実施形態は、検知装置2による検知が行われない場合がある点で、第1実施形態と異なる。
【0065】
インターフェイス装置3は、画像表示部3Bをさらに備える。
【0066】
表示装置としての画像表示部3Bは、画像を表示する。より詳細には、画像表示部3Bは、検知装置2を介さず、画像出力部1Eが出力する画像を表示する。これは、障害物検知ではなく、撮影対象をより鮮明に撮影することが求められる場合があるためである。従って、撮影装置1は、例えば、人が撮影画像内から撮影対象を認識しやすくさせるように、撮影パラメータを設定することができる。
【0067】
画像出力部1Eは、更新された撮影パラメータに基づいて撮影部1Bが撮影する撮影画像を、検知部2Aおよび画像表示部3Bの少なくとも一方に出力する。
【0068】
尚、
図7では、検知装置2および検知結果出力部3Aが示されているが、設けられていなくてもよい。
【0069】
第2実施形態における撮影装置1および監視システム100のその他の構成は、第1実施形態における撮影装置1および監視システム100の対応する構成と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0070】
第2実施形態による撮影装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
本実施形態による撮影装置1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、撮影装置1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。また、撮影装置1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
100 監視システム、1 撮影装置、1A 車両情報取得部、1B 撮影部、1C 画像取得部、1D 撮影パラメータ更新部、1D1 撮影パラメータ辞書部、1E 画像出力部、2 検知装置、3 インターフェイス装置、A 調整領域、G 走行方向、R 走行線路、RV 鉄道車両