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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】計測支援システム及び計測方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240823BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020117446
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2022014931
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】坂本 佳暉
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-125779(JP,A)
【文献】特開2018-169210(JP,A)
【文献】特開2019-220745(JP,A)
【文献】特開2014-103617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測機器と、表示端末と、を備え、
前記計測機器は、物理量を計測する計測部と、計測機器記憶部と、計測機器通信部と、計測機器制御部とを有し、
前記表示端末は、表示部と、表示端末記憶部と、表示端末通信部と、表示端末制御部とを有し、
前記計測機器と前記表示端末とは、前記計測機器通信部と前記表示端末通信部との通信により情報の送受信が可能であり、
前記計測機器制御部は、前記計測部により計測された前記物理量を計測値として前記計測機器記憶部に記憶し、前記計測値を含む計測情報を前記表示端末に送信し、
前記表示端末制御部は、前記計測機器通信部から送信された前記計測情報を前記表示部に表示し、かつ、前記計測情報を前記表示端末記憶部に記憶し、
前記表示端末制御部は、前記表示端末に入力された個体識別番号と、工事名称とに基づいて、計測箇所を前記表示部に表示し、
前記計測機器は、入力部を更に有し、
前記計測機器制御部は、前記入力部に入力された情報から作成された電子データを計測付加情報として、前記計測機器記憶部に記憶し、
前記計測機器制御部は、前記計測付加情報を前記計測情報に含めて前記表示端末に送信し、
前記表示端末制御部は、前記計測付加情報に基づき特定の計測箇所を認識し、
前記表示端末制御部は、前記計測情報を、前記表示部の前記特定の計測箇所に対応する表示領域に表示し、かつ、前記特定の計測箇所に関連付けて記憶する、
計測支援システム。
【請求項2】
前記入力部は、音声を集音するマイクと、前記マイクにて集音された音声に基づき電子データを作成する音声認識回路を有し、
前記入力された情報は、前記マイクによって集音した音声である、
請求項に記載の計測支援システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されている計測支援システムを準備し、
前記計測部で、物理量を計測し、
前記計測した物理量の計測結果を計測値として前記計測機器記憶部に記憶させ、
前記計測値を含む計測情報を、前記計測機器から前記表示端末に送信し、
前記表示端末記憶部に、前記計測情報を前記表示部に表示させ、かつ、記憶させる計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計測値を記憶する計測支援システム及び計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターの交換工事においては、エレベーターの複数の箇所の寸法に基づき、工事の計画を立てていた。必要な寸法は、作業者が、計測機器で計測し、計測値を紙媒体、又は電子媒体に記録していた。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-150021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されている従来技術では、電子媒体に計測値を記録する際に、人手による入力を行っていた。そのため、人為的なミスによって誤った計測値が電子媒体に記録されるという問題が生じていた。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、計測値をより正確に記録する計測支援システム及び計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による計測支援システムは、計測機器と、表示端末と、を備え、計測機器は、物理量を計測する計測部と、計測機器記憶部と、計測機器通信部と、計測機器制御部とを有し、表示端末は、表示部と、表示端末記憶部と、表示端末通信部と、表示端末制御部とを有し、計測機器と表示端末とは、計測機器通信部と表示端末通信部との通信により情報の送受信が可能であり、計測機器制御部は、計測部により計測された物理量を計測値として計測機器記憶部に記憶し、計測値を含む計測情報を表示端末に送信し、表示端末制御部は、計測機器通信部から送信された計測情報を表示部に表示し、かつ、計測情報を表示端末記憶部に記憶する。
【発明の効果】
【0007】
本開示による計測支援システムによれば、計測値を正確に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1による計測支援システムの概略図である。
図2図1の計測機器の機能構成図である。
図3図1の表示端末の機能構成図である。
図4】実施の形態1による計測方法のフローチャートである。
図5】実施の形態1における、ステップS250の終了工程の詳細フローチャートである。
図6】実施の形態2による計測支援システムの構成図である。
図7図6の計測機器の機能構成図である。
図8】実施の形態2による計測方法のフローチャートである。
図9】実施の形態2の変形例1による計測方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による計測支援システムを示す構成図である。図2は、図1の計測機器の機能構成図である。図3は、図1の表示端末の機能構成図である。
【0010】
計測支援システム1は、計測機器10と、表示端末30とを備えている。
【0011】
計測機器10は、物理量を計測できる計測部11と、計測した物理量を計測値として記憶する計測機器記憶部12と、計測機器10と表示端末30との間で通信をするための機能を有する計測機器通信部13と、計測機器制御部14と、計測機器表示部15と、計測値決定釦16と、送信釦17とを有している。本実施の形態1においては、計測部11は巻き尺である。従って、計測部11が計測可能な物理量は、長さである。
【0012】
計測機器表示部15と、計測値決定釦16と、送信釦17とは、計測機器10の表面に露出するように設けられている。計測機器記憶部12と、計測機器通信部13と、計測機器制御部14とは、計測機器10の内部に設けられている。
【0013】
計測機器表示部15には、計測部11によって計測されている値が表示される。例えば、図1中では、計測機器表示部15には、「○○○○.○」という値が表示されている。即ち、この値が計測部11によって計測されている値である。
【0014】
計測機器制御部14は、計測値決定釦16が押されたとき、計測部11によって計測されている値、即ち、計測機器表示部15に表示されている値を、計測値として計測機器記憶部12に記憶させる。
【0015】
計測機器制御部14は、計測値決定釦16が押されたときの日時を、計測日時として計測機器記憶部12に更に記憶させる。
【0016】
計測機器制御部14は、送信釦17が押されたとき、計測機器記憶部12に記憶されている計測値と、計測日時とを含む情報を計測情報として表示端末30に計測機器通信部13を介して送信する。
【0017】
表示端末30は、表示部31と、表示端末記憶部32と、計測機器10と表示端末30との間で通信をするための機能を有する表示端末通信部33と、表示端末制御部34とを有している。表示部31は、表示端末30の表面に露出されるように設けられている。本実施の形態1では、表示端末30は、タッチパネル式のタブレット端末である。表示部31は、情報を表示する機能と、情報入力を行う機能とを備えている。
【0018】
表示端末記憶部32と、表示端末通信部33と、表示端末制御部34とは、表示端末30の内部に設けられている。計測機器10と、表示端末30とは、計測機器通信部13と表示端末通信部33との通信により情報の送受信が可能である。
【0019】
表示端末記憶部32には、計測支援システム1を運用するためのソフトウエアが予め記憶されている。そのソフトウエアが起動されることで、表示端末30は、計測機器10と共に計測支援システム1を構成することができる。
【0020】
表示端末制御部34は、外部からの操作入力に基づいて、別の記憶装置から、複数のエレベーターにおける複数の工事に関連する計測箇所の情報をダウンロードする。複数の計測箇所の情報は、複数のエレベーターにおける複数の工事に関連するそれぞれの計測箇所の情報である。表示端末制御部34は、ダウンロードされた計測箇所の情報を、表示端末記憶部32に記憶する。
【0021】
計測箇所とは、物理量を計測しなければならない箇所の名称である。計測箇所には、例えば、かごの幅、奥行き、高さ、及び敷居の長さといったものがある。計測箇所は、どのエレベーターに対してどの工事を実施するかによって選択される。即ち、工事が同じでもエレベーターが異なれば計測箇所も異なる場合がある。
【0022】
ここで、別の記憶装置とは、例えば、インターネット経由で接続可能なサーバーであってもよい。又は、インターネットを経由しないで接続可能な記憶装置でもよい。表示端末30への情報のダウンロードは、有線又は無線にて実施される。
【0023】
表示端末制御部34は、表示端末30に入力されたエレベーターの個体識別番号と、工事名称とを表示する入力領域を表示部31に表示する。表示端末制御部34は、表示端末30に入力されたエレベーターの個体識別番号と、工事名称とに基づいて、計測箇所を表示端末記憶部32から呼び出す。
【0024】
ここで、実際に設置されている複数のエレベーターには、それぞれ固有の個体識別番号が付されている。エレベーターの工事には、複数の種類があり、各工事には、固有の工事名称が付与されている。例えば、一括改修、部分改修、耐震、及び油圧化といった工事名称が付与されている。
【0025】
そして、表示端末制御部34は、表示端末記憶部32から呼び出した全ての計測箇所を表示部31に表示する。計測箇所が多すぎて表示部31に一度に表示できない場合は、例えば、画面のスクロール機能を用いて計測箇所の全てが表示される。
【0026】
表示端末制御部34は、表示部31に表示された計測箇所の表示の隣の表示領域に、計測値を表示する表示領域と、対応する計測箇所における計測値の最大値及び最小値を表示する表示領域と、計測日時を表示する表示領域とを設ける。計測箇所における計測値の最大値及び最小値の情報は、別の記憶装置から複数の計測箇所をダウンロードした際に、計測箇所に関連した情報として同時にダウンロードされ、表示端末記憶部32に記憶されている。
【0027】
例えば、図1中の表示端末30の表示部31には、エレベーターの個体識別番号を示す表題としての「ID」と、そのあとに続くエレベーターの個体識別番号としての「A1234」と、工事名称を示す表題としての「Construction」と、そのあとに続く一括改修の工事名称である「Renovation」と表示されている。図1中の表示部31には、更に、計測対象となる複数の計測箇所の名称と、各計測箇所に対応した計測値と最大値及び最小値と計測日時とを表示する表示領域とが表示されている。
【0028】
表示端末制御部34は、表示部31に表示された複数の計測箇所のうちの一つ計測箇所が表示されている表示領域をタップされることで、タップされた一つの計測箇所を特定の計測箇所として認識する。表示端末制御部34は、特定の計測箇所の表示領域を強調表示とする。
【0029】
強調表示には、例えば、計測箇所の表示において地色と、文字色とを反転させる反転表示、計測箇所を表示している表示領域の色を変更する変色表示、計測箇所を表示している表示領域を点滅させる点滅表示、及び計測箇所を表示している表示領域に下線を付す下線表示といった強調表示の方法がある。例えば、表示部31にて、敷居の長さに対応する計測箇所の名称である「SILL」を表示している表示領域が強調表示であれば、表示端末制御部34は、「SILL」を特定の計測箇所として認識している。
【0030】
表示端末制御部34は、表示端末通信部33を介して計測機器10からの計測情報を受信する。表示端末制御部34は、受信した計測情報を特定の計測箇所に関連付けて表示端末記憶部32に記憶する。また、表示端末制御部34は、表示部31の特定の計測箇所に対応する位置に受信した計測情報を表示する。
【0031】
例えば、図1中では、「SILL」の表示の隣の表示領域に計測値である「○○○○.○」という数字が表示される。計測値の隣の表示領域には、予め決定されていた、「Max△△△△.△」と、「Min××××.×」といった最大値及び最小値が表示されている。最大値及び最小値の隣の表示領域には、2020年4月1日13時0分を表す「2020/4/1 13:00」とする計測日時が表示されている。
【0032】
表示端末記憶部32に記憶された計測情報は、例えば、別の記憶媒体に記憶すること、及び計測情報に基づいて帳票を作成することといったことが可能である。
【0033】
次に、本実施の形態1における、計測支援システム1における計測方法を説明する。図4は、実施の形態1による計測方法のフローチャートである。
【0034】
<データ準備工程>
ステップS100のデータ準備工程が実施される。データ準備工程は、事前の準備のための工程である。このデータ準備工程において、作業者は、表示端末30において計測支援システム1を運用するためのソフトウエアを起動する。
【0035】
そして、作業者は、複数のエレベーターにおける複数の工事に関連する計測箇所の情報を別の記憶装置からダウンロードすることを表示端末30に指示する。この指示に基づき、表示端末制御部34によって別の記憶装置からダウンロードした複数のエレベーターにおける複数の工事に関連する計測箇所の情報は、表示端末記憶部32に記憶される。
【0036】
<計測前準備工程>
ステップS200の計測前準備工程が、実際の計測現場において実施される。この計測準備前工程において、作業者は、表示端末30にて計測支援システム1を運用するためのソフトウエアを起動する。これにより、計測機器制御部14と、表示端末制御部34とによって、表示端末30と、計測機器10との通信が開始される。
【0037】
ステップS200の計測前準備工程は、ステップS100のデータ準備工程の後に実施される。しかし、ステップS100のデータ準備工程が、ステップS200の計測前準備工程の前に常に実施される必要はない。
【0038】
<工事データ選択工程>
ステップS200の計測前準備工程の後、ステップS210の工事データ選択工程が実施される。工事データ選択工程において、作業者は、表示端末30にエレベーターの個体識別番号と、対象の工事の工事名称とを入力する。すると、表示端末制御部34によって、入力されたエレベーターの個体識別番号と、工事名称とに基づいた計測箇所が表示端末記憶部32から呼び出され、表示部31にその計測箇所が表示される。
【0039】
<計測箇所選択工程>
ステップS210の工事データ選択工程の後、ステップS220の計測箇所選択工程が実施される。この計測箇所選択工程において、作業者は、表示部31上に表示された計測箇所の中から実際に計測する計測箇所を選択し、その計測箇所を表示端末30に入力する。表示端末制御部34は、入力された計測箇所を実際に計測する計測箇所である特定の計測箇所として認識する。表示部31の選択された特定の計測箇所の表示領域は強調表示となる。
【0040】
<計測工程>
ステップS220の計測箇所選択工程の後、ステップS230の計測工程が実施される。計測工程において、作業者は、計測機器10にて、特定の計測箇所の物理量を実際に計測する。計測部11である巻き尺の計測した値は、計測機器表示部15に表示されている。例えば、図1中の計測機器表示部15には、「○○○○.○」の値が表示されている。作業者は、計測が正しくなされていると判断した場合、計測値決定釦16を押す。計測値決定釦16が押されると、計測機器制御部14は、この計測した値を計測値として計測機器記憶部12に記憶させる。
【0041】
<通信工程>
ステップS230の計測工程の後、ステップS240の通信工程が実施される。通信工程において、作業者は、送信釦17を押す。送信釦17が押されると、計測機器制御部14は、計測値と、計測日時とを含む情報である計測情報を計測機器通信部13から表示端末30に送信する。表示端末30は、表示端末通信部33を介して計測情報を受信する。表示端末制御部34は、受信した計測情報を、特定の計測箇所に関連付けられて表示端末記憶部32に記憶する。また、表示端末制御部34は、受信した計測情報を、表示部31の特定の計測箇所に対応する位置に表示する。
【0042】
表示部31において、例えば、「SILL」の表示領域の隣の表示領域には、計測値である「○○○○.○」という数字が表示される。計測値の隣の表示領域には、予め定められていた「Max△△△△.△」と、「Min×××××.×」という最大値及び最小値が表示されている。最大値及び最小値の隣の表示領域には、計測箇所を計測した日時である2020年4月1日13時0分を示す「2020/4/1 13:00」と表示される。これにより、1つの計測箇所の計測が終了する。
【0043】
<終了判断工程>
ステップS240の通信工程の後に、ステップS245の終了判断工程が実施される。終了判断工程において、作業者は、計測が必要な計測箇所の全てについて、ステップS220の計測箇所選択工程と、ステップS230の計測工程と、ステップS240の通信工程とが終了したか否かを判断する。即ち、作業者は、計測が必要な全ての計測箇所について、計測が終了したか否かを判断する。
【0044】
作業者は、全ての計測箇所について計測が終了していると判断した場合、ステップS250の終了工程を実施する。作業者は、全ての計測箇所について計測が終了していないと判断した場合、ステップS220の計測箇所選択工程を実施し、計測が必要な箇所について計測を行う。即ち、ステップS220の計測箇所選択工程の後に、ステップS230の計測工程を実施する。更に、ステップS230の計測工程の後、ステップS240の通信工程が実施され、再度ステップS245の終了判断工程を実施する。
【0045】
<終了工程>
ステップS245において、作業者が全ての計測箇所について計測が終了していると判断した場合には、ステップS250の終了工程が実施される。終了工程において、作業者は、表示部31上に表示されている完了釦を押す。図1中では、完了釦は、「SAVE」釦として表示されている。
【0046】
図5は、実施の形態1における、ステップS250の終了工程の詳細フローチャートである。作業者によって完了釦が押されると、ステップS251において、表示端末制御部34は、完了釦が押されたことを認識する。
【0047】
この後、表示端末制御部34の処理がステップS252に進む。表示端末制御部34は、ステップS252において、各計測箇所に関連付けられた計測情報について、異常な状態の計測情報があるか否かの判断をする。計測情報が異常な状態であるとは、例えば、計測情報に何のデータも入っていない状態、計測値がその最大値と最小値との間の範囲から外れている状態である。
【0048】
計測情報の1つでも異常な状態であると表示端末制御部34が判断した場合には、表示端末制御部34の処理が、ステップS253に進む。ステップS253において、表示端末制御部34は、警報を表示する。警報は、例えば、表示部31上に警報表示を表示すること、警報音を発すること、又は表示部31において異常な状態の計測情報を有する計測箇所に対応する表示領域を強調表示することといったものである。
【0049】
表示端末制御部34は、警報の表示とともに、作業者が次に取りうる選択肢を表示部31に表示する。選択肢は、選択肢Aとして「計測を実施する」こと、及び選択肢Bとして「警報を解除し計測を終了する」ことの2つの選択肢である。そして、表示端末制御部34の処理は、ステップS254に進む。
【0050】
一方、ステップS252において、全ての計測情報において異常な状態の計測情報が見つからないと表示端末制御部34が判断した場合には、表示端末制御部34の処理が、ステップS256に進む。ステップS256において、計測が終了する。
【0051】
ステップS256において、表示端末制御部34は、計測が終了すると、表示部31にエレベーターの個体識別番号と、工事名称との入力領域を備えた画面を表示する。
【0052】
ステップS254において、表示端末制御部34は、選択肢Aが選択されたとする入力と、選択肢Bが選択されたとする入力とのいずれかの入力がなされたか判断をする。選択肢Aが選択されたとする入力を表示端末制御部34が認識した場合、表示端末制御部34の処理は、ステップS255に進む。即ち、作業者が選択肢Aを選択する入力をした場合である。
【0053】
ステップS255において、表示端末制御部34は、表示部31に計測箇所の一覧を表示する。この表示の後、表示端末制御部34は、計測が可能な状態として待機する。
【0054】
本実施の形態1において、計測が可能な状態とは、表示端末制御部34が、表示部31に表示された複数の計測箇所のうちの一つ計測箇所が表示されている表示領域をタップされることで、タップされた一つの計測箇所を特定の計測箇所として認識できうる状態である。即ち、作業者がステップS220の計測箇所選択工程を実施できる状態である。
【0055】
次いで、作業者は、ステップS220の計測箇所選択工程から再度作業フローに従って計測をする。そして、再度ステップS250の終了工程を実施する。ステップS250の終了工程において、計測終了とならない限り、ステップS220の計測箇所選択工程の後に、ステップS230の計測工程と、ステップS240の通信工程と、ステップS245の終了判断工程と、ステップS250の終了工程とが繰り返し実施される。
【0056】
ステップS254において、選択肢Bが選択されたとする入力を表示端末制御部34が認識した場合、表示端末制御部34の処理がステップS256に進む。即ち、作業者が選択肢Bを選択する入力をした場合である。ステップS256では、表示端末制御部34は、上述の通りの処理を実施する。
【0057】
このように、実施の形態1による計測支援システム1では、計測機器10から表示端末30に計測値を含む計測情報が送信される。そして、送信された計測情報は、表示端末記憶部32に記憶される。このため、計測値の人手による入力はない。したがって、人為的なミスを防止することができ、計測値を正確に記録することができる。
【0058】
また、表示端末30に入力された計測対象の個体識別番号と、工事名称とに基づいて、計測箇所が機械的に表示部31に表示される。このため、計測箇所を余すこと無く計測することができる。さらに、作業者が、不要な計測箇所を計測することもない。また、全ての計測箇所が表示されているか否かの確認も不要である。したがって、計測漏れがなくなり、かつ、計測箇所の確認のための時間が削減できる。
【0059】
また、表示端末制御部34は、選択された特定の計測箇所を認識し、計測情報を特定の計測箇所に関連付けて記憶する。このことで、人的関与がなく計測値が選択された計測箇所に関連づいて表示記憶される。したがって、計測値と、計測箇所との関連性がより完璧に保たれ、計測箇所と、計測値との関連を正確に記録することができる。
【0060】
また、実施の形態1による計測支援システム1を用いた計測方法では、計測機器10から表示端末30に計測値を含む計測情報が送信される。そして、計測情報は、表示端末記憶部32に記憶され、かつ、表示部31に表示される。このため、計測値の人手による入力はない。したがって、計測値を正確に記録することができる。
【0061】
なお、実施の形態1によれば、ステップS100のデータ準備工程により、複数のエレベーターにおける複数の工事に関連する計測箇所の情報をダウンロードしていた。しかし、これに限らず、例えば、ステップS100のデータ準備工程を実施しなくてもよい。
【0062】
ステップS100のデータ準備工程に代わりに、ステップS210の工事データ選択工程にて表示端末30にエレベーターの個体識別番号と、工事名称とが入力された際に、そのエレベーターの個体識別番号と、工事名称とに関連付いた計測箇所の情報のみを、別の記憶装置から表示端末30にダウンロードしてもよい。この場合、表示端末30は、有線又は無線によるインターネット経由で別の記憶装置から計測箇所の情報をダウンロードすることができる。
【0063】
また、実施の形態1によれば、各計測箇所の計測情報は、最終的に表示端末記憶部32に記憶されている。しかし、これに限らず、各計測箇所の計測情報を最終的に表示端末記憶部32に記憶させる以外にも、例えば、各計測箇所の計測情報を、エレベーターの個体識別番号と、工事名称とに関連付けて、インターネット経由で、他の記憶装置に記憶することでもよい。
【0064】
また、実施の形態1では、作業者は、表示部31に強調表示されている特定の計測箇所の物理量を計測した。しかし、計測箇所として、表示部31に表示されていない計測箇所を計測してもよい。この場合、表示端末30は、所望の計測箇所を追加することができる構成を有していてもよい。例えば、表示端末30は、表示端末30に新たな計測箇所の名称を入力することで、所望の計測箇所を追加できる構成を有していてもよい。
【0065】
また、実施の形態1では、作業者は、表示部31に表示された計測箇所に基づき計測する。しかし、作業者は、表示部31に表示のある計測箇所の計測を取りやめることもできる。表示部31に表示のある計測箇所の計測を取りやめたい場合は、例えば、作業者は、表示部31の取りやめたい計測箇所の表示領域を長押しすることで、該当する計測箇所の計測が不要であると表示端末制御部34に認識させることができる。
【0066】
また、実施の形態1では、作業者が計測値決定釦16を押した日時を計測日時としていた。しかし、これに限らず、例えば、計測機器10が計測情報を送信した日時を計測日時としてもよい。
【0067】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2による計測支援システムを示す構成図である。図7は、図6の計測機器の機能構成図である。実施の形態2に係る計測機器10は、入力部18と、入力釦21とを更に有している。入力部18は、計測機器10の内部に設けられている。入力釦21は、計測機器10の表面に露出するように設けられている。入力部18は、マイク19と、音声認識回路20とを有している。
【0068】
入力部18は、入力された情報に基づいて電子データを作成する。マイク19は、音声を集音する。音声認識回路20は、マイク19にて集音された音声に基づき電子データを作成する。即ち、入力部18に入力された情報は、マイク19にて集音された音声の情報である。
【0069】
より詳細には、計測機器制御部14は、入力釦21が押されている間、入力部18にマイク19にて周囲の音声を集音させる。マイク19にて集音された音声は音声認識回路20に入力される。音声認識回路20は、マイク19により集音された音声から、電子データを作成する。電子データは、集音した音声の中に含まれる人間が発声した言葉をテキストデータとして認識できる形式にした電子データである。
【0070】
計測機器制御部14は、音声に基づき作成した電子データを、直前に記憶した計測値と計測日時に関連付けて計測機器記憶部12に記憶する。例えば、直前に記憶した計測値が、「○○○○.○」であって、人間が発声した言葉が、「SILL」であり、計測日時が「2020/4/1 13:00」であったとする。この場合、計測機器記憶部12には、「○○○○.○ 2020/4/1 13:00 SILL」といった情報が記憶される。
【0071】
送信釦17が押されると、計測機器制御部14は、計測値と、計測日時と、音声に基づき作成された電子データである計測付加情報とを含む計測情報を、計測機器通信部13を介して表示端末30に送信する。
【0072】
表示端末30は、表示端末通信部33を介して計測機器10からの計測情報を受信する。表示端末制御部34は、受信した計測情報に含まれる計測付加情報を解析する。表示端末制御部34は、計測付加情報に合致する計測箇所を表示端末記憶部32から呼び出した複数の計測箇所から検索する。表示端末制御部34は、計測付加情報に合致した計測箇所を特定の計測箇所として認識する。
【0073】
表示端末制御部34は、認識した特定の計測箇所に関連付けて計測情報を表示端末記憶部32に記憶させる。同時に、表示端末制御部34は、表示部31の特定の計測箇所に対応する表示領域を強調表示とする。そして、表示部31の特定の計測箇所に対応する表示領域に計測値を始めとする計測情報を表示する。
【0074】
実施の形態2におけるその他の構成は、実施の形態1の構成と同一である。
【0075】
次に、本実施の形態2における、計測支援システム1における計測方法を説明する。図8は、実施の形態2による計測方法のフローチャートである。
【0076】
<データ準備工程>
ステップS100のデータ準備工程は、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
【0077】
<計測前準備工程>
ステップS200の計測前準備工程は、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
【0078】
<工事データ選択工程>
ステップS210の工事データ選択工程は、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
【0079】
本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、ステップS220の計測箇所選択工程は実施されない。ステップS210の工事データ選択工程の後、ステップS230の計測工程が実施される。
【0080】
<計測工程>
ステップS230の計測工程は、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
【0081】
<計測箇所記憶工程>
ステップS230の計測工程の後、ステップS231の計測箇所記憶工程が実施される。計測箇所記憶工程において、作業者は、入力釦21を押しながら、ステップS230の計測工程にて実際に計測した計測箇所の名称を発声する。
【0082】
作業者が発声した計測箇所の名称に基づき、音声認識回路20により電子データが作成される。そして、電子データは、計測付加情報として、ステップS230の計測工程にて記憶された計測値に関連付けて計測機器記憶部12に記憶される。
【0083】
<通信工程>
ステップS231の計測箇所記憶工程の後、ステップS240の通信工程が実施される。通信工程において、作業者は、送信釦17を押す。送信釦17が押されると、計測機器制御部14は、計測値と、計測日時と、計測付加情報とを含む計測情報を計測機器通信部13から表示端末30に送信する。
【0084】
表示端末30が計測情報を受信すると、表示端末制御部34によって計測付加情報に基づいて認識した特定の計測箇所に対応する表示部31の表示領域に、計測情報が表示される。同時に計測付加情報に基づいて表示端末制御部34が認識した特定の計測箇所に関連付けて計測情報が表示端末記憶部32に記憶される。これで1つの特定の計測箇所の計測が終了する。
【0085】
<終了判断工程>
ステップS240の通信工程の後に、ステップS245の終了判断工程が実施される。終了判断工程において、作業者は、計測が必要な計測箇所の全てについて、ステップS23の計測工程と、ステップS240の通信工程とが終了したか否かを判断する。即ち、作業者は、計測が必要な全ての計測箇所について、計測が終了したか否かを判断する。
【0086】
作業者は、全ての計測箇所について計測が終了していると判断した場合、ステップS250の終了工程を実施する。作業者は、全ての計測箇所について計測が終了していないと判断した場合、ステップS230の計測工程を実施し、計測が必要な箇所について計測を行う。ステップS230の計測工程の後に、ステップS231の計測箇所記憶工程と、ステップS240の通信工程とが実施され、再度ステップS245の終了判断工程を実施する。
【0087】
<終了工程>
実施の形態2による表示端末制御部34の計測方法のフローにおいても、ステップS255にて、表示端末制御部34は、計測が可能な状態として待機する。ここで、本実施の形態2において、計測が可能な状態とは、表示端末30が表示端末通信部33を介して計測機器10からの計測情報を受信することができ、表示端末制御部34が、受信した計測情報に含まれる計測付加情報を解析することができる状態である。即ち、作業者がステップS230の計測工程を実施できる状態である。
【0088】
次いで、作業者は、ステップS230の計測工程から再度作業フローに従って計測をする。そして、再度ステップS250の終了工程を実施する。ステップS250の終了工程において、計測終了とならない限り、ステップS230の計測箇所工程の後に、ステップS231の計測箇所記憶工程と、ステップS240の通信工程と、ステップS245の終了判断工程と、ステップS250の終了工程とが繰り返し実施される。
【0089】
ステップS250の終了工程の他の構成は、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
【0090】
このように、実施の形態2による計測支援システム1では、計測機器制御部14は、入力部18から入力された情報から電子データを作成し、電子データを計測付加情報として、計測機器記憶部12に記憶し、計測付加情報を計測情報に含めて表示端末30に送信する。そして、表示端末制御部34は、計測付加情報に基づき特定の計測箇所を認識し、表示端末制御部34は、計測情報を、特定の計測箇所に関連付けて記憶する。このことから、計測を担当する作業者が、計測箇所と、計測値とを計測機器10に入力することができる。従って、計測値と、計測箇所との関連性がより確実に保たれ、計測箇所と、計測値との関連を正確に記録することができる。
【0091】
また、作業者の発音する言葉を含む音声により、作業者は、計測支援システム1に対して特定の計測箇所を認識させることができる。このことで、作業者による計測支援システム1に対する計測箇所の指定がより迅速に行われる。従って、計測作業の時間がより削減できる。
【0092】
なお、本実施の形態2では、入力部18は、マイク19と、音声認識回路20とを有していた。しかし、この限りではない。入力部18は、作業者が次に計測する計測箇所を表示端末30に認識させることができる情報を入力できればよい。
【0093】
従って、入力部18は、例えば、タッチパネル式文字入力装置、又はテンキー入力装置といった周知な入力装置を有することができる。タッチパネル式文字入力装置で、計測箇所の名称を入力してもよい。また、テンキー入力装置によって、番号化された計測箇所の番号を入力してもよい。
【0094】
また、ステップS230の計測工程の後にステップS231の計測箇所記憶工程を実施している。しかしこの限りではなく、ステップS231の計測箇所記憶工程の後にステップS230の計測工程を実施してもよい。
【0095】
また、本実施の形態2では、ステップS230の計測工程、及びステップS231の計測箇所記憶工程を実施した後、ステップS240の通信工程を実施している。しかしこの限りではなく、例えば、ステップS230の計測工程とステップS231の計測箇所記憶工程とを複数回繰り返して実施した後、ステップS240の通信工程を実施してもよい。
【0096】
即ち、複数の計測情報が、ステップS240の通信工程により、表示端末30に送信される。このとき、送信された計測付加情報における計測箇所に基づき、計測箇所に計測情報を関連付けて記憶、及び表示することができる。
【0097】
実施の形態2の変形例1.
図9は、実施の形態2の変形例1による計測方法のフローチャートである。本実施の形態2の変形例1では、実施の形態2による計測支援システム1を用いた計測方法におけるステップS231の計測箇所記憶工程に、ステップS232の備考記憶工程を含んでいる。
【0098】
実施の形態2における表示端末制御部34は、入力釦21が押されている間に集音した音声に基づき電子データを作成していた。そして、その電子データは、直前に表示端末記憶部32に記憶した計測値、及び計測日時に関連付けて記憶されていた。ここで、本変形例1では、直前に記憶した計測値、及び計測日時に関連付けて記憶できる電子データを2つとした。
【0099】
即ち、実施の形態2においては、入力釦21が押されている間、計測機器制御部14は、集音した音声に基づき電子データを作成し、計測機器記憶部12に記憶していた。更に、本変形例1では、続いて再度入力釦21が押されている間、計測機器制御部14は、入力部18にマイク19にて周囲の音声を集音させる。
【0100】
マイク19にて集音された音声は、音声認識回路20に入力される。音声認識回路20は、マイク19により集音された音声から電子データを作成する。電子データは、集音された音声の中に存在する人間が発声した言葉をテキストデータとして認識できる形式にした電子データである。
【0101】
計測機器制御部14は、音声に基づき作成された電子データを、直前に記憶した計測値、及び計測日時に関連付けて計測機器記憶部12に記憶する。例えば、直前に記憶した計測値が「○○○○.○」であって、計測日時が「2020/4/1 13:00」であったとする。次いで、1回目の入力釦21を押して作業者が発声した言葉が「SILL」であり、2回目の入力釦21を押して作業者が発声した言葉が「角部に傷あり」であったとする。
【0102】
このとき、計測機器記憶部12には、「○○○○.○ 2020/4/1 13:00 SILL 角部に傷あり」といった情報が記憶される。
【0103】
なお、2回目の入力釦21を押して作業者が発声した言葉としての情報を備考情報とする。即ち、計測機器制御部14は、入力部18により作業者が発声した言葉に基づく備考情報としての電子データを作成させる。計測機器制御部14は、作成された備考情報の電子データを、更に計測付加情報に含めて計測機器記憶部12に記憶する。
【0104】
実施の形態2の変形例1におけるその他の構成は、実施の形態2の構成と同一である。次に、本実施の形態2の変形例1における計測方法の備考記憶工程について説明する。
【0105】
<備考記憶工程>
ステップS231の計測箇所記憶工程の後、ステップS232の備考記憶工程が実施される。備考記憶工程にて、作業者は、ステップS231の計測箇所記憶工程での作業と同様の作業をする。
【0106】
即ち、ステップS231の計測箇所記憶工程において、作業者は、計測した計測箇所の名称を、入力釦21を押しながら発声する。その後の、ステップS232の備考記憶工程において、作業者は、計測した計測箇所に関する事項である備考情報を、入力釦21を押しながら発声する。
【0107】
これにより、備考情報の電子データは、計測付加情報に含められ、計測機器記憶部12に記憶される。備考情報の内容について決まりは設けておらず、どのような内容でもよい。
【0108】
このような実施の形態2の変形例1による計測支援システム1では、特定の計測箇所について作業者が気付いた点である備考情報を、特定の計測箇所に関連付けて記憶することができる。したがって、作業現場でしかわからない注意事項を、確実に記憶することができ、その後の工事をより円滑に実施することができる。
【0109】
なお、実施の形態2の変形例1によれば、備考記憶として1つの情報を取り扱っている。しかし、この限りではなく、計測箇所に対して複数の備考情報を取り扱ってもよい。例えば、備考情報として、「該当部に破損有り」、及び「突出部有り」といった2つの情報を取り扱ってもよい。
【0110】
このとき、計測機器記憶部12には、「○○○○.○ 2020/4/1 13:00 SILL 当部に破損有り 突出部有り」といった情報が記憶される。また、複数の備考情報を取り扱う場合は、表示部31において、各備考情報を表示する表示領域をそれぞれ用意することがこのましい。
【0111】
また、実施の形態2の変形例1では、備考情報の入力においても入力釦21を用いていた。しかし、この限りではなく、入力釦を複数設けてもよい。例えば、入力釦21を計測箇所の名称を入力するための第1入力釦とする。その他に、1回目の備考情報を入力するための第2入力釦、及び2回目の備考情報を入力するための第3入力釦といった、複数の入力釦を設けてもよい。
【0112】
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態2の変形例1において、計測箇所を増やすことも可能である。実施の形態1においては、表示部31に増やしたい任意の計測箇所を追加することで、任意の計測箇所を増やすことができる。
【0113】
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態2の変形例1において、計測が終了すると、表示部31には、エレベーターの個体識別番号と、工事名称との入力領域を備えた画面が表示された。しかし、この限りではなく、計測が終了したことを作業者に認識させる画面を表示すればよい。例えば、計測終了であることを伝える専用の画面を表示してもよい。
【0114】
実施の形態2においては、ステップS231の計測箇所記憶工程にて増やしたい任意の計測箇所を発声することで、任意の計測箇所を増やすことができる。
【0115】
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態2の変形例1において、表示端末30は、タッチパネル式のタブレット端末である。しかし、この限りではなく、持ち運び可能なコンピューター、又は専用に製造された表示端末でもよい。
【0116】
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態2の変形例1において、表示端末30は、タッチパネル式のタブレット端末であって、情報入力を行う機能を有していた。しかし、この限りではなく、タブレット端末であっても、他の情報入力を行う装置を更かしてもよい。他の情報入力を行う装置としては、例えば、キーボード、及びマウスといった装置である。さらには、情報入力を行う機能として、音声入力機能を用いてもよい。
【0117】
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態2の変形例1において、計測機器10は、巻き尺として、計測対象の長さを計測していた。しかし、この限りではない。計測機器10が計測可能な物理量は、圧力、重量、照度、及び硬度といった従来周知な物理量であってもよい。
【0118】
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態2の変形例1において、工事の対象は、エレベーターとしていた。しかし、工事の対象は、エスカレーター、又は動く歩道といった装置としてもよい。更には、その他の構造物を工事の対象としてもよい。
【0119】
また、実施の形態1における計測支援システム1の特徴と、実施の形態2における計測支援システム1の特徴とを同時にもつ計測支援システム1としてもよい。
【0120】
また、実施の形態1における計測支援システム1の特徴と、実施の形態2の変形例1における計測支援システム1の特徴とを同時にもつ計測支援システム1としてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 計測支援システム、10 計測機器、11 計測部、12 計測機器記憶部、13 計測機器通信部、14 計測機器制御部、15 計測機器表示部、16 計測値決定釦、17 送信釦、18 入力部、19 マイク、20 音声認識回路、21 入力釦、30 表示端末、31 表示部、32 表示端末記憶部、33 表示端末通信部、34 表示端末制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9