(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】動翼翼列及び蒸気タービン
(51)【国際特許分類】
F01D 5/30 20060101AFI20240823BHJP
F01D 5/14 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
F01D5/30
F01D5/14
(21)【出願番号】P 2020144652
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 善継
(72)【発明者】
【氏名】石井 龍一
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-092161(JP,A)
【文献】特開平10-037702(JP,A)
【文献】特開平11-200806(JP,A)
【文献】特開平09-079001(JP,A)
【文献】実開昭53-087303(JP,U)
【文献】特開平07-229404(JP,A)
【文献】特開平09-072202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/00- 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車軸の周方向に延びる植込溝に嵌め込まれる翼植込部と、前記翼植込部から立ち上がる翼有効部と、前記翼有効部の先端に設けられたスナッバカバと、を有し、環状をなすように配列される複数の動翼を備え、
前記動翼には、止め翼と、前記周方向で前記止め翼の両側に配置される第1止め隣接翼及び第2止め隣接翼と、前記第1止め隣接翼及び前記第2止め隣接翼それぞれの前記止め翼側とは反対の側に配列される複数の一般翼と、が含まれ、
前記第1止め隣接翼と前記第2止め隣接翼との間に前記止め翼を配置した際、前記止め翼の前記スナッバカバの前記第1止め隣接翼側の端面が、前記止め翼の前記翼植込部と前記第1止め隣接翼の前記翼植込部との接触面を含み径方向外側に延びる第1面を前記第1止め隣接翼側に全体的に越えている
か、及び/又は、前記止め翼の前記スナッバカバの前記第2止め隣接翼側の端面が、前記止め翼の前記翼植込部と前記第2止め隣接翼の前記翼植込部との接触面を含み径方向外側に延びる第2面を前記第2止め隣接翼側に全体的に越えて
おり、
前記止め翼の前記翼植込部を、径方向外側から前記第1止め隣接翼と前記第2止め隣接翼との間に配置できる、動翼翼列。
【請求項2】
前記止め翼の前記翼有効部の腹側に前記第1止め隣接翼が配置され、前記止め翼の前記翼有効部の背側に前記第2止め隣接翼が配置されて
いる、請求項1に記載の動翼翼列。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の動翼翼列を車軸に支持した、蒸気タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、動翼翼列及び蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンは、高温蒸気を流入させる車室と、車室内に配置される回転自在な車軸と、車軸側に支持される複数の動翼と、車室側に支持される複数の静翼と、を備える。
【0003】
複数の動翼は、環状に配列されることで動翼翼列を構成し、複数の静翼は、環状に配列されることで静翼翼列を構成する。これら動翼翼列と静翼翼列は、車軸の軸方向で交互に並ぶ。このような蒸気タービンでは、車室に流入した高温蒸気が静翼翼列の各静翼で整流化された後、動翼翼列の各動翼に衝突する。この衝突時のエネルギーによって車軸が回転する。
【0004】
近年の一般的な動翼は、車軸から径方向外側に張り出すロータディスクに設けられた植込溝に嵌め込まれる翼植込部と、翼植込部から立ち上がる翼有効部と、翼有効部の先端に設けられるスナッバカバと、を有する。このような動翼で構成される動翼翼列では、通常、各動翼のスナッバカバが周方向の全域に一連に延びる環状をなす。このような構造は、全周一群構造と一般に呼ばれる。当該全周一群構造によれば、運転中に生じる振動を効果的に抑制できるとともに、動翼間から径方向外側への高温蒸気の漏出を効果的に抑制できるため、回転効率が向上し得る。
【0005】
動翼翼列は、動翼が軸方向に沿って植込溝に嵌め込まれるアキシャルエントリータイプと、動翼が周方向に沿って植込溝に嵌め込まれるタンジェンシャルエントリータイプと、に大別される。
【0006】
タンジェンシャルエントリータイプの動翼翼列は、例えば車軸の周方向全域に延びる植込溝に動翼を順次嵌め込んでいき、最後に止め翼と呼ばれる動翼を植込溝に嵌め込むことで環状をなす。
【0007】
複数の動翼のうちの止め翼に周方向で隣接するものは、一般に止め隣接翼と呼ばれる。上述のようなタンジェンシャルエントリータイプの動翼翼列では、止め翼を、止め隣接翼間に嵌め込む際に、止め翼が、止め隣接翼と干渉し、止め翼を上手く組み込めない場合がある。この際、止め隣接翼のスナッバカバ又は止め翼のスナッバカバの一部を切り欠いて、止め翼を止め隣接翼の間に通すことがあった。
【0008】
しかしながら、上述のようにスナッバカバの一部を切り欠くと、切り欠き部分から高温蒸気が漏出し性能低下が生じ得るだけでなく、動翼の組み込み作業にかかる時間が増加し、工期遅延が生じ得る。このような点を考慮し、止め翼の翼植込部を分割式にしたり、止め翼のスナッバカバにその幅を漸減させるための傾斜を設けたりする構造等がこれまでに提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第4284204号公報
【文献】特許第5380323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
止め翼の組み込みを容易化するための技術は種々提案されているが、これまでの技術では、多くの部品が必要であったり、製造負荷が過度に大きくなったりという問題がある。
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、部品点数及び製造負荷の増加を抑制しつつ、動翼の組み込み作業を容易化できる動翼翼列およびそれを備える蒸気タービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施の形態に係る動翼翼列は、車軸の周方向に延びる植込溝に嵌め込まれる翼植込部と、前記翼植込部から立ち上がる翼有効部と、前記翼有効部の先端に設けられたスナッバカバと、を有し、環状をなすように配列される複数の動翼を備える。前記動翼には、止め翼と、前記周方向で前記止め翼の両側に配置される第1止め隣接翼及び第2止め隣接翼と、前記第1止め隣接翼及び前記第2止め隣接翼それぞれの前記止め翼側とは反対の側に配列される複数の一般翼と、が含まれる。そして、前記第1止め隣接翼と前記第2止め隣接翼との間に前記止め翼を配置した際、前記止め翼の前記スナッバカバの前記第1止め隣接翼側の端面が、前記止め翼の前記翼植込部と前記第1止め隣接翼の前記翼植込部との接触面を含み径方向外側に延びる第1面を前記第1止め隣接翼側に全体的に越えているか或いは一部で越えて他の一部で前記第1面と面一になっているか、及び/又は、前記止め翼の前記スナッバカバの前記第2止め隣接翼側の端面が、前記止め翼の前記翼植込部と前記第2止め隣接翼の前記翼植込部との接触面を含み径方向外側に延びる第2面を前記第2止め隣接翼側に全体的に越えているか或いは一部で越えて他の一部で前記第2面と面一になっている。
【0013】
一実施の形態に係る蒸気タービンは、前記の動翼翼列を車軸に支持した、蒸気タービンである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、部品点数及び製造負荷を抑制しつつ、動翼の組み込み作業を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施の形態に係る蒸気タービンが備えるタービンロータの斜視図であり、タービンロータを構成する車軸側に動翼のうちの止め翼を組み込む際の様子を示した図である。
【
図2】
図1に示したタービンロータに組み込まれた動翼翼列の一部を軸方向で見た図である。
【
図3】
図2に示した動翼翼列の一部を径方向外側から見た図である。
【
図4】一般的な動翼翼列の一部を軸方向で見た図である。
【
図5】
図4に示した動翼翼列の一部を径方向外側から見た図である。
【
図6】
図2に示した実施の形態に係るタービンロータの動翼翼列において一対の止め隣接翼間に形成される空間の大きさと、
図4に示した一般的な動翼翼列において一対の止め隣接翼間に形成される空間の大きさと、を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して一実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、一実施の形態に係る蒸気タービン1が備えるタービンロータ10の斜視図であり、その一部が切断された状態のタービンロータ10を示している。タービンロータ10は、図示省略する車室内で回転可能な車軸11と、車軸11の外周面から径方向外側に張り出したロータディスク12と、ロータディスク12に形成された植込溝12Aに嵌め込まれた複数の動翼20からなる動翼翼列VSと、を備えている。
【0018】
複数の動翼20はそれぞれ、植込溝12Aに嵌め込まれる翼植込部Aと、翼植込部Aから径方向外側に立ち上がる翼有効部Bと、翼有効部Bの先端に設けられたスナッバカバCと、を有する。複数の動翼20には、止め翼21と、周方向で止め翼21の両側に配置される第1止め隣接翼22及び第2止め隣接翼23と、第1止め隣接翼22及び第2止め隣接翼23それぞれの止め翼21側とは反対の側に配列される複数の一般翼24と、が含まれる。止め翼21、第1止め隣接翼22、第2止め隣接翼23及び一般翼24はそれぞれ、翼植込部Aと、翼有効部Bと、スナッバカバCと、を有している。
【0019】
ロータディスク12に形成された植込溝12Aは周方向に延びており、その一部に軸方向に広がった受け入れ口12Bを有している。植込溝12Aは径方向外側に開口しており、その底部側の幅よりも幅が狭くなる絞り部分を、底部よりも開口側の位置に有する。動翼20は、絞り部分によって翼植込部Aの抜けを防止され、この状態で植込溝12Aに嵌め込まれることになる。
【0020】
複数の動翼20をロータディスク12に組み込む際には、まず、一般翼24の翼植込部Aを径方向外側から受け入れ口12Bに通した後、一般翼24を植込溝12A内で周方向に移動させ、一般翼24の全てを植込溝12Aに嵌め込む。次に、複数の一般翼24のうちの両端に位置する一般翼24に接するように第1止め隣接翼22及び第2止め隣接翼23を、一般翼24と同様の操作で植込溝12Aに嵌め込む。最後に、止め翼21の翼植込部Aを径方向外側から受け入れ口12Bに通し、第1止め隣接翼22と第2止め隣接翼23との間に配置する。
【0021】
図1においては、最後に止め翼21を組み込む際の様子が示されている。全ての動翼20(21~24)が植込溝12Aに嵌め込まれると、動翼20(21~24)は環状をなすように配列される。この状態では、互いに隣り合う動翼20の翼植込部Aが互いに接触し、互いに隣り合う動翼20のスナッバカバCが互いに接触する。
【0022】
図2は、タービンロータ10に組み込まれた動翼翼列VSの一部を軸方向で見た図であり、止め翼21、第1止め隣接翼22、第2止め隣接翼23及び2つの一般翼24を示している。
図3は、
図2に示した動翼翼列VSの一部を径方向外側から見た図である。
【0023】
図2及び
図3において、符号S1は、止め翼21の翼植込部Aと第1止め隣接翼22の翼植込部Aとの接触面を含み径方向外側にスナッバカバCを越えて延びる第1面を示している。符号S2は、止め翼21の翼植込部Aと第2止め隣接翼23の翼植込部Aとの接触面を含み径方向外側にスナッバカバCを越えて延びる第2面を示している。
【0024】
ここで、本実施の形態では、止め翼21のスナッバカバCの第1止め隣接翼22側の端面211が、第1面S1を第1止め隣接翼22側に全体的に越えているか或いは一部で越えて他の一部で第1面S1と面一になっている。具体的に本例では、
図3に示すように端面211は、第1面S1を一部で越えて他の一部で第1面S1と面一になっている。一方で、止め翼21のスナッバカバCの第2止め隣接翼23側の端面212は、その一部で第2面S2を第2止め隣接翼23側に越えているが、他の一部では第2面S2を越えていない。
【0025】
なお、本実施の形態では止め翼21の翼有効部Bの腹側に第1止め隣接翼22が配置され、止め翼21の翼有効部Bの背側に第2止め隣接翼23が配置されている。よって、止め翼21のスナッバカバCの翼有効部B腹側の端面が、第1面S1を一部で越えて他の一部で第1面S1と面一になっている。
【0026】
上述のように止め翼21のスナッバカバCの端面211が、第1面S1を一部で越えて他の一部で第1面S1と面一になっている場合、第1止め隣接翼22と第2止め隣接翼23との間の空間が広く確保される。これにより、止め翼21を第1止め隣接翼22と第2止め隣接翼23との間に通し易くなり、組み込み作業性が向上する。
【0027】
図4は、一般的な動翼翼列の一部を軸方向で見た図であり、一般的な動翼翼列を構成する止め翼21’、第1止め隣接翼22’、第2止め隣接翼23’及び2つの一般翼を示している。
図5は、
図4に示した動翼翼列の一部を径方向外側から見た図である。
図4及び
図5においては、
図2及び
図3で示した第1面S1と第2面S2に相当する面を同じ符号で示している。
図4及び
図5に示すように、一般的な動翼翼列では、止め翼21’のスナッバカバの第1止め隣接翼22’側の端面211’が、その一部で第1面S1を越えているが、他の一部では第1面S1を越えていない。また、止め翼21’のスナッバカバの第2止め隣接翼23’側の端面212’も、その一部で第2面S2を越えているが、他の一部では第2面S2を越えていない。
【0028】
図6は、本実施の形態に係るタービンロータ10において一対の止め隣接翼22、23間に形成される空間の大きさと、
図4に示した一般的なタービンロータの動翼翼列において一対の止め隣接翼22’、23’間に形成される空間の大きさと、を径方向外側から見た図である。
図6では、本実施の形態に係る動翼翼列VSの下に、一般的な動翼翼列が示されている。
【0029】
図6に示す例では、
図4に示した一般的な動翼翼列において一対の止め隣接翼間22’、23’間に形成される最小の空間の周方向幅をAとし、周方向幅Aよりも翼前端側の空間の周方向幅をBとしたとき、本実施の形態に係るタービンロータ10における一対の止め隣接翼22、23間においては、上記最小の空間に対応する空間の周方向幅がA+αとなり、上記翼前端側の空間に対応する空間の周方向幅がB+βとなる。このように本実施の形態では、一対の止め隣接翼22、23間の空間を一般的な構造よりも広く確保できる。上記αとβは互いに等しくてもよいし、異なる値でもよい。
【0030】
すなわち、
図6における符号Xは、本実施の形態における止め翼21の翼植込部Aの大よその周方向幅を示し、符号X’は、一般的な動翼翼列における止め翼21’の翼植込部の大よその周方向幅を示している。本実施の形態では、止め翼21の翼植込部Aの周方向幅Xと、一対の止め隣接翼22、23間の空間の周方向幅A+α又はB+βとの差を、一般的な動翼翼列の場合の周方向幅X’と、周方向幅A又はBとの差よりもよりも小さくできる。一般的な動翼翼列では、例えば周方向幅X’と周方向幅Aとの差が大きくなっており、止め翼21’の翼植込部の幅が周方向幅Aの空間よりもだいぶ大きい。そのため、止め翼21’の翼植込部を止め隣接翼間に通す作業に手間がかかり得る。特に
図6の符号PRで囲んだ部分に、止め翼21’の翼植込部が干渉し易くなる。
つまり、本実施の形態では、止め翼21のスナッバカバCの第1止め隣接翼22側の端面211が、第1面S1を第1止め隣接翼22側に全体的に越えているか或いは一部で越えて他の一部で第1面S1と面一になるように、止め翼21のスナッバカバCの止め隣接翼22側への張り出し量、止め隣接翼22のスナッバカバCの止め翼21に対しての待避量、及び止め翼21の翼植込部Aの翼植込部Aと第1止め隣接翼22の翼植込部Aとの周方向厚さ(つまり、第1面S1の位置)を調整している。これにより、止め翼21を第1止め隣接翼22と第2止め隣接翼23との間に通し易くしている。
【0031】
以上に説明した本実施の形態の作用は、以下の通りである。
【0032】
すなわち、第1止め隣接翼22と第2止め隣接翼23との間に止め翼21を配置する際に、止め翼21の翼植込部Aが第1止め隣接翼22のスナッバカバC及び第2止め隣接翼23のスナッバカバCに干渉し難くなるため、止め翼21の組み込みが容易になる。このような組み込みの容易化は、止め翼21及び止め隣接翼22、23それぞれの翼植込部A及びスナッバカバCの寸法調整によって実現されるため、当該実現に際しては、動翼の部品点数が多くならず、動翼の製造にも過剰な手間がかからない。
【0033】
したがって、本実施の形態に係る動翼翼列VSによれば、部品点数及び製造負荷の増加を抑制しつつ、動翼の組み込み作業を容易化でできるという効果が得られる。また、動翼の組み込みの際に、例えば第1止め隣接翼22のスナッバカバCを切り欠く必要が生じる状況を回避できるため、切り欠きの加工に起因する性能低下を回避できる。
【0034】
以上、一実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述の実施の形態及びその他の変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0035】
例えば、上記実施の形態では、止め翼21のスナッバカバCの第1止め隣接翼22側の端面211が第1面S1を一部で越えて他の一部で第1面S1と面一になっているが、これに代えて又はこれと同時に、止め翼21の第2止め隣接翼23側の端面212が第2面S2を第2止め隣接翼23側に全体的に越えているか或いは一部で越えて他の一部で第2面S2と面一になっていてもよい。
【0036】
また、上記実施の形態では、第1止め隣接翼22、第2止め隣接翼23、一般翼24の翼植込部の形状がT字型であるが、このような形状は特に限られるものではなく、鞍型等でもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…蒸気タービン、10…タービンロータ、11…車軸、12…ロータディスク、12A…植込溝、12B…受け入れ口、VS…動翼翼列、20…動翼、A…翼植込部、B…翼有効部、C…スナッバカバ、21…止め翼、211…端面、22…第1止め隣接翼、23…第2止め隣接翼、24…一般翼