(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】熱交換器および排煙処理装置
(51)【国際特許分類】
F28F 9/02 20060101AFI20240823BHJP
F23J 13/00 20060101ALI20240823BHJP
F23J 99/00 20060101ALI20240823BHJP
F28D 1/02 20060101ALI20240823BHJP
F28F 9/013 20060101ALI20240823BHJP
F28F 9/04 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
F28F9/02 Z
F28F9/02 J
F28F9/02 301Z
F23J13/00 Z
F23J99/00
F28D1/02
F28F9/013 B
F28F9/04
(21)【出願番号】P 2020158562
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2022-08-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】315016723
【氏名又は名称】三菱重工パワー環境ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】徳重 信
(72)【発明者】
【氏名】田中 崇雄
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 研治
(72)【発明者】
【氏名】仮屋 英治
(72)【発明者】
【氏名】荒若 宏人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 輝
(72)【発明者】
【氏名】平山 涼介
(72)【発明者】
【氏名】三坂 環奈
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】村山 美保
【審判官】水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-26939(JP,A)
【文献】特開2016-65708(JP,A)
【文献】特開平9-296998(JP,A)
【文献】特開平10-325502(JP,A)
【文献】特開2013-148243(JP,A)
【文献】特開平5-141891(JP,A)
【文献】特開2015-160288(JP,A)
【文献】特開平9-280767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J13/00-99/00
F28F9/00-9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置される複数の伝熱管と、
前記ハウジングに固定されて前記複数の伝熱管の一端部が連結される第1ヘッダと、
前記ハウジングに固定されて前記複数の伝熱管の他端部が連結される第2ヘッダと、
前記第1ヘッダの外部から前記第1ヘッダの内部における前記複数の伝熱管の連結部にアクセスする第1アクセス部と、
前記第2ヘッダの外部から前記第2ヘッダの内部における前記複数の伝熱管の連結部にアクセスする第2アクセス部と、
前記ハウジングの内部に配置されて複数の支持孔に前記複数の伝熱管が挿通されて支持する支持板と、
前記ハウジングの内部に配置されて前記複数の伝熱管の間に位置する共鳴防止板と、
を備え、
前記共鳴防止板は、
前記複数の伝熱管の長手方向に沿って配置され、周囲が前記ハウジングに
固定されると共に前記第1ヘッダおよび前記第2ヘッダ側に延出され、且つ、前記支持板と交差するように配置されることで前記ハウジングの内部を複数の空間部に区画する、
熱交換器。
【請求項2】
前記第1アクセス部および前記第2アクセス部は、前記第1ヘッダおよび前記第2ヘッダにそれぞれ設けられる第1開口部および第2開口部を有する、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第1開口部は、前記第1ヘッダにおける前記伝熱管の連結部に対向して設けられ、前記第2開口部は、前記第2ヘッダにおける前記伝熱管の連結部に対向して設けられる、
請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1開口部および前記第2開口部は、それぞれ第1プラグおよび第2プラグが着脱自在に設けられる、
請求項2または請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記伝熱管は、円筒形状をなす素管の外周面にらせん形状をなすフィンが固定されたフィンチューブである、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記支持孔は、内径が前記伝熱管の外径より若干大きく形成されると共に、前記支持板は、厚さが前記伝熱管の長手方向における前記フィンの隙間より大きく形成される、
請求項5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記伝熱管は、一端部が前記第1ヘッダに形成された第1連結孔に挿入され、他端部が前記第2ヘッダに形成された第2連結孔に挿入され、前記一端部および前記他端部が拡管されることで前記第1ヘッダおよび前記第2ヘッダにそれぞれ連結される、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ハウジングは、周囲に前記ハウジングを支持する複数の支持脚が設けられ、前記支持脚は、筒形状に形成される、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
排ガスの熱の一部を回収する熱回収装置と、
熱回収後の前記排ガスに含まれるばいじんを除去する集塵装置と、
集塵後の前記排ガスに含まれる硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、
脱硫後の前記排ガスを再加熱する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱交換器が適用される再加熱器と、
を備える排煙処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排煙処理装置などで使用される熱交換器、熱交換器を備える排煙処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火力発電設備などに設けられる排煙処理装置は、熱回収装置と、電気集塵装置と、脱硫装置と、再加熱装置などから構成される。排煙処理装置にて、ボイラから排出される排ガスは、電気集塵装置により含有するばいじんが除去され、脱硫装置により含有する亜硫酸ガスが除去される。このとき、熱回収装置は、排ガスから熱を回収する。再加熱装置は、熱回収装置が回収した熱により脱硫後の排ガスを再加熱し、白煙の排出を抑制する。
【0003】
再加熱装置は、排ガス通路に配置される複数の伝熱管を有する。再加熱装置は、複数の伝熱管内に高温の熱媒体を流動させ、熱媒体と排ガス通路を流れる排ガスとの間で熱交換することで、排ガスを加熱して昇温する。再加熱装置は、完全向流方式として、排ガス通路を流れる排ガスの流れ方向に対向するように、伝熱管内に熱媒体を流動させる。すなわち、排ガス通路を流れる排ガスの流れ方向と、伝熱管内を流れる熱媒体の流れ方向とを逆方向にすることで、効率良く熱交換を行う。
【0004】
ところが、再加熱装置に流入する排ガスは、腐食性不純物含有ミストが含まれる。そのため、再加熱装置の入口側に配置される伝熱管は、腐食性不純物含有ミストの付着と蒸発の事象が繰り返し生じている。すると、伝熱管に対して、腐食性不純物の濃縮と乾湿が繰り返し行われることで、早期腐食してしまうおそれがある。このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された熱交換器は、高温予熱向流方式であって、高温加熱部および低温加熱部より排ガスの流れ方向の上流側に予熱部を設けることで、再加熱装置の入口側における排ガスの温度を上昇させ、伝熱管の早期腐食を抑制するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した排煙処理装置で使用される再加熱装置にて、伝熱管は、素管の外周部にフィンが固定されたフィンチューブが適用される。フィンチューブは、排ガスに含まれる腐食性不純物含有ミストの付着により腐食が発生しやすく、素管が損傷して熱媒体の漏洩が発生することがある。伝熱管(フィンチューブ)が損傷すると、損傷した伝熱管の入口部と出口部を止栓して使用不能とする。伝熱管の止栓作業は、再加熱装置のハウジングなどを解体して実施する必要があり、大掛かりな作業となり、作業時間が長くなると共に作業コストが増加してしまうという課題がある。また、伝熱管の止栓作業の間、排煙処理装置を停止する必要があり、排煙処理が困難となってしまう。
【0007】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、伝熱管のメンテナンス作業の作業性の向上を図ると共に排煙処理作業の停止を抑制する熱交換器および排煙処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本開示の熱交換器は、ハウジングと、前記ハウジングの内部に配置される複数の伝熱管と、前記ハウジングに固定されて前記複数の伝熱管の一端部が連結される第1ヘッダと、前記ハウジングに固定されて前記複数の伝熱管の他端部が連結される第2ヘッダと、前記第1ヘッダの外部から前記第1ヘッダの内部における前記複数の伝熱管の連結部にアクセスする第1アクセス部と、前記第2ヘッダの外部から前記第2ヘッダの内部における前記複数の伝熱管の連結部にアクセスする第2アクセス部と、を備える。
【0009】
また、本開示の排煙処理装置は、排ガスの熱の一部を回収する熱回収装置と、熱回収後の前記排ガスに含まれるばいじんを除去する集塵装置と、集塵後の前記排ガスに含まれる硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、脱硫後の前記排ガスを再加熱する前記熱交換器が適用される再加熱器と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の熱交換器および排煙処理装置によれば、伝熱管のメンテナンス作業の作業性の向上を図ることができると共に、排煙処理作業の停止を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態の排煙処理装置を表す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の熱交換器としての再加熱装置を表す概略構成図である。
【
図3】
図3は、再加熱装置を表す概略平面図である。
【
図4】
図4は、再加熱装置を表す概略正面図である。
【
図5】
図5は、高温加熱部を表す概略平面図である。
【
図6】
図6は、高温加熱部を表す概略側面図である。
【
図7】
図7は、第1伝熱管の支持構造を表す概略図である。
【
図9】
図9は、第1ヘッダと第1伝熱管の連結構造を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0013】
[排煙処理装置]
図1は、本実施形態の排煙処理装置を表す概略構成図である。
【0014】
本実施形態において、
図1に示すように、排煙処理装置100は、各種の発電プラントや工場などにて、ボイラ111から排出される排ガス(排煙)Gが煙突112から放出される過程で、排ガスGに含まれるばいじんや硫黄酸化物(SOx)を除去するものである。
【0015】
排煙処理装置100は、熱回収装置101と、電気集塵装置102と、送風装置(誘引通風機)103と、脱硫装置104と、再加熱装置105と、送風装置(脱硫通風機)106とを備える。送風装置103,106が駆動することで、ボイラ111から排出される排ガスGは、熱回収装置101、電気集塵装置102、脱硫装置104、再加熱装置105を通って煙突112に送られる。なお、熱回収装置101の上流側に脱硝装置を設けてもよい。
【0016】
ボイラ111は、2つの排ガス通路121a,121bが設けられる。排ガス通路121aは、熱回収装置101aと電気集塵装置102aと送風装置103aが設けられ、排ガス通路121bは、熱回収装置101bと電気集塵装置102bと送風装置103bが設けられる。2つの排ガス通路121a,121bは、下流側が排ガス通路121cに合流する。排ガス通路121cは、脱硫装置104と再加熱装置105が設けられる。排ガス通路121cは、下流側が2つの排ガス通路121d,121eに分岐する。排ガス通路121dは、送風装置106aが設けられ、排ガス通路121eは、送風装置106bが設けられる。2つの排ガス通路121d,121eは、下流側が排ガス通路121fに合流する。排ガス通路121fは、煙突112に連結される。また、排ガス通路121cにおける脱硫装置104の上流側と排ガス通路121fとを連結する排ガス通路121gが設けられる。排ガス通路121gは、開閉弁122が設けられる。
【0017】
熱回収装置101(101a,101b)は、ボイラ111から排出された排ガスG(約140℃)と熱媒体(水など)との間で熱交換することで、排ガスGから熱を回収する。熱回収装置101で熱回収された排ガスG(約90℃)は、電気集塵装置102(102a,102b)に導入される。電気集塵装置102は、排ガスGからばいじんを除去する。
【0018】
電気集塵装置102でばいじんが除去された排ガスGは、脱硫装置104に導入される。脱硫装置104は、石灰石(CaCO3)により、排ガスG中の硫黄酸化物を吸収除去し、副生成物として石膏(CaSO4.2H2O)を生成する。脱硫装置104は、ミストエリミネータ123を有する。ミストエリミネータ123は、脱硫後の排ガスGからミストを除去する。
【0019】
脱硫装置104により脱硫処理された排ガスG(約50℃)は、ガスガスヒータの再加熱装置105に導入される。再加熱装置105は、熱回収装置101との間で熱媒体を循環する過程で、熱回収装置101により回収された熱により排ガスGを再加熱する。熱回収装置101と再加熱装置105とは、第1熱媒体循環ラインL11および第2熱媒体循環ラインL12により連結される。第1熱媒体循環ラインL11は、循環ポンプ131が設けられる。循環ポンプ131を駆動することで、再加熱装置105の熱媒体を第1熱媒体循環ラインL11により熱回収装置101に戻す。第2熱媒体循環ラインL12は、ヒータ132が設けられる。循環ポンプ131により熱回収装置101の熱媒体を第2熱媒体循環ラインL12により再加熱装置105に供給する。この過程で、必要に応じてヒータ132を作動することで、熱媒体を加熱する。
【0020】
排ガスGは、脱硫装置104で脱硫処理されることで温度が低下し、低温のままでは拡散しにくく白煙になるおそれがある。再加熱装置105は、拡散および白煙低減を目的として排ガスGを再加熱することで昇温(約90℃)させ、煙突112から大気に放出する。
【0021】
[再加熱装置の構成]
図2は、本実施形態の熱交換器としての再加熱装置を表す概略構成図である。本実施形態では、本発明の熱交換器を、上述した排煙処理装置100における再加熱装置105に適用して説明する。
【0022】
図2に示すように、再加熱装置105は、完全向流方式の熱交換器であるが、高温予熱向流方式や他の方式の熱交換器であってもよい。
【0023】
再加熱装置105は、高温加熱部11と、中温加熱部12と、低温加熱部13とを備える。高温加熱部11と中温加熱部12と低温加熱部13は、排ガス通路121cに配置される。
【0024】
高温加熱部11は、複数の第1伝熱管21を有する。第1伝熱管21は、排ガス通路121cに排ガスGの流れ方向に沿って配置される。第1伝熱管21は、排ガスGの流れ方向の下流側に位置する端部21aが第1ヘッダ22に連結され、排ガスGの流れ方向の上流側に位置する端部21bが第2ヘッダ23に連結される。
【0025】
中温加熱部12は、高温加熱部11より排ガスGの流れ方向の上流側に配置される。中温加熱部12は、複数の第2伝熱管31を有する。第2伝熱管31は、排ガス通路121cに排ガスGの流れ方向に沿って配置される。第2伝熱管31は、排ガスGの流れ方向の下流側に位置する端部31aが第1ヘッダ32に連結され、排ガスGの流れ方向の上流側に位置する端部31bが第2ヘッダ33に連結される。
【0026】
低温加熱部13は、中温加熱部12より排ガスGの流れ方向の上流側に配置される。低温加熱部13は、複数の第3伝熱管41を有する。第3伝熱管41は、排ガス通路121cに排ガスGの流れ方向に沿って配置される。第3伝熱管41は、排ガスGの流れ方向の下流側に位置する端部41aが第1ヘッダ42に連結され、排ガスGの流れ方向の上流側に位置する端部41bが第2ヘッダ43に連結される。
【0027】
第2熱媒体循環ラインL12は、上流側の端部が熱回収装置101に接続され、下流側の端部が高温加熱部11の第1ヘッダ22に接続される。第1熱媒体循環ラインL11は、下流側の端部が熱回収装置101に接続され、上流側の端部が低温加熱部13の第2ヘッダ43に接続される。高温加熱部11の第2ヘッダ23と中温加熱部12の第1ヘッダ32は、第1接続ラインL21よりに接続される。中温加熱部12の第2ヘッダ33と低温加熱部13の第1ヘッダ42は、第2接続ラインL22よりに接続される。
【0028】
また、第1熱媒体循環ラインL11は、循環ポンプ131とドレンタンク133が設けられ、第2熱媒体循環ラインL12は、ヒータ132が設けられる。そして、蒸気供給源(図示略)からヒータ132、ドレンタンク133に対して蒸気ラインL13が設けられ、ドレンタンク133に蒸気ドレンラインL14が設けられる。そして、蒸気ラインL13は、開閉弁134が設けられる。
【0029】
そのため、熱回収された高温の熱媒体は、第2熱媒体循環ラインL12から高温加熱部11の第1伝熱管21における排ガスGの流れ方向における下流側の端部21aに供給される。第1伝熱管21の熱媒体は、排ガスGの流れ方向における上流側の端部21bから第1接続ラインL21により中温加熱部12の第2伝熱管31における排ガスGの流れ方向における下流側の端部31aに供給される。第2伝熱管31の熱媒体は、排ガスGの流れ方向における上流側の端部31bから第2接続ラインL22により低温加熱部13の第3伝熱管41における排ガスGの流れ方向における下流側の端部41aに供給される。第3伝熱管41の熱媒体は、排ガスGの流れ方向における上流側の端部41bから第1熱媒体循環ラインL11に排出される。
【0030】
図3は、再加熱装置を表す概略平面図、
図4は、再加熱装置を表す概略正面図である。
【0031】
再加熱装置105は、第1バンドル51と、第2バンドル52と、第3バンドル53を備える。第1バンドル51は、高温加熱部11により構成され、第2バンドル52は、中温加熱部12により構成され、第3バンドル53は、低温加熱部13により構成される。第1バンドル51は、第1ハウジング54の内部に複数の第1伝熱管21が配置され、第2バンドル52は、第2ハウジング55の内部に複数の第2伝熱管31が配置され、第3バンドル53は、第3ハウジング56の内部に複数の第3伝熱管41が配置される。
【0032】
高温加熱部11にて、第1ヘッダ22は、第1バンドル51の第1ハウジング54における排ガスGの流れ方向の下流側に固定され、第2ヘッダ23は、第1バンドル51の第1ハウジング54における排ガスGの流れ方向の上流側に固定される。中温加熱部12にて、第1ヘッダ32は、第2バンドル52の第2ハウジング55における排ガスGの流れ方向の下流側に固定され、第2ヘッダ33は、第2バンドル52の第2ハウジング55における排ガスGの流れ方向の上流側に固定される。低温加熱部13にて、第1ヘッダ42は、第3バンドル53の第3ハウジング56における排ガスGの流れ方向の下流側に固定され、第2ヘッダ43は、第3バンドル53の第3ハウジング56における排ガスGの流れ方向の上流側に固定される。
【0033】
第1ヘッダ22は、内部に連通するフランジ接手24が取付けられ、第2ヘッダ23は、内部に連通するフランジ接手25が取付けられる。複数の第1伝熱管21は、U字形状をなす複数の連結管26により直列に連結され、排ガスGの流れ方向に沿う面方向に配置される。直列に連結された複数の第1伝熱管21は、排ガスGの流れ方向に直交する方向に所定間隔を空けて複数配置されることで、第1伝熱管群が構成される。複数の第1伝熱管21は、端部21aが第1ヘッダ22に連結され、端部21bが第2ヘッダ23に連結される。第1ヘッダ32は、内部に連通するフランジ接手34が取付けられ、第2ヘッダ33は、内部に連通するフランジ接手35が取付けられる。複数の第2伝熱管31は、U字形状をなす連結管36により直列に連結されたものが排ガスGの流れ方向に沿って複数列配置される。複数の第2伝熱管31は、端部31aが第1ヘッダ32に連結され、端部31bが第2ヘッダ43に連結される。第1ヘッダ42は、内部に連通するフランジ接手44が取付けられ、第2ヘッダ33は、内部に連通するフランジ接手45が取付けられる。複数の第3伝熱管41は、U字形状をなす連結管46により直列に連結されたものが排ガスGの流れ方向に沿って複数列配置される。複数の第3伝熱管41は、端部41aが第1ヘッダ42に連結され、端部41bが第2ヘッダ43に連結される。
【0034】
第2熱媒体循環ラインL12を構成する配管の端部は、フランジ接手24を介して第1ヘッダ22に連結される。第1接続ラインL21を構成する配管の一端部は、フランジ接手25を介して第2ヘッダ23に連結され、第1接続ラインL21を構成する配管の他端部は、フランジ接手34を介して第1ヘッダ32に連結される。第2接続ラインL22を構成する配管の一端部は、フランジ接手35を介して第2ヘッダ33に連結され、第2接続ラインL22を構成する配管の他端部は、フランジ接手44を介して第1ヘッダ42に連結される。第1熱媒体循環ラインL11を構成する配管の端部は、フランジ接手45を介して第2ヘッダ43に連結される。
【0035】
[再加熱装置の作動]
図1および
図2に示すように、熱回収装置101(101a,101b)は、排ガスGと熱媒体との間で熱交換することで、排ガスGから熱を回収する。熱が回収された排ガスGは、電気集塵装置102および脱硫装置104を通って再加熱装置105に流れる。一方、熱を回収した熱媒体は、第2熱媒体循環ラインL12により再加熱装置105に送られる。
【0036】
熱媒体は、第2熱媒体循環ラインL12から高温加熱部11の複数の第1伝熱管21の端部21aに供給される。高温加熱部11は、熱媒体が端部21aから端部21bに流れるとき、排ガス通路121cを流れる排ガスGとの間で熱交換することで、排ガスGを加熱する。高温加熱部11で熱交換した熱媒体は、第1伝熱管21から第1接続ラインL21を通って中温加熱部12の複数の第2伝熱管31の端部31aに供給される。中温加熱部12は、熱媒体が端部31aから端部31bに流れるとき、排ガス通路121cを流れる排ガスGとの間で熱交換することで、排ガスGを加熱する。
【0037】
中温加熱部12で熱交換した熱媒体は、第2伝熱管31から第2接続ラインL22を通って低温加熱部13の複数の第3伝熱管41の端部41aに供給される。低温加熱部13は、熱媒体が端部41aから端部41bに流れるとき、排ガス通路121cを流れる排ガスGとの間で熱交換することで、排ガスGを加熱する。その後、低温加熱部13で熱交換した熱媒体は、第3伝熱管41から第1熱媒体循環ラインL11に排出され、第1熱媒体循環ラインL11により熱回収装置101に送られる。
【0038】
[高温加熱部の構成]
図5は、高温加熱部を表す概略平面図、
図6は、高温加熱部を表す概略側面図、
図7は、第1伝熱管の支持構造を表す概略図である。
【0039】
図5から
図7に示すように、高温加熱部11は、第1バンドル51により構成される。第1バンドル51は、第1ハウジング54の内部に複数の第1伝熱管21が配置される。第1ヘッダ22は、第1ハウジング54の一端部に固定され、第2ヘッダ23は、第1ハウジング54の他端部に固定される。複数の第1伝熱管21は、排ガスGの流れ方向に沿って配置されたものが複数の連結管26により直列に連結され、直列に連結された複数の第1伝熱管21は、排ガスGの流れ方向に直交する方向に所定間隔を空けて複数配置される。
【0040】
第1ハウジング54は、内部に複数(
図5および
図6では、1つだけ記載)の支持板61が配置される。複数の支持板61は、第1伝熱管21の長手方向に所定間隔を空けて配置され、周囲が第1ハウジング54に固定される。支持板61は、複数の支持孔62が形成される。複数の支持孔62は、支持板61に当間隔を空けて配置され、例えば、格子状または千鳥格子状に形成される。複数の第1伝熱管21は、複数の支持孔62に挿通されて支持される。
【0041】
第1伝熱管21は、素管21cと、フィン21dとを有する。素管21cは、円筒形状をなす。素管21cは、外周面にフィン21dが固定される。フィン21dは、らせん形状をなすように素管21cに固定される。そのため、第1伝熱管21は、フィンチューブとして構成される。第1伝熱管21としてのフィンチューブは、素管21cにおける直線部だけにフィン21dが固定される。すなわち、第1伝熱管21は、端部21a,21bや連結管26にフィン21dが設けられていない。
【0042】
支持板61に形成された支持孔62は、内径d1が第1伝熱管21の外径(フィン21dの外径)d2より若干大きく形成される。また、支持板61は、厚さt1が第1伝熱管21の長手方向におけるフィン21dの隙間t2より大きく形成される。この場合、内径d1と外径d2との差、厚さt1と隙間t2との差は、第1伝熱管21の熱膨張量に応じて設定される。そのため、第1伝熱管21としてのフィンチューブを支持板61の支持孔62に容易に挿入することができる。このとき、第1伝熱管21は、フィン21dにおける鉛直方向の下端が支持板61における支持孔62の内面に適正に載置される。そして、第1伝熱管21は、フィン21dにおける鉛直方向の上端と支持板61における支持孔62の内面との間に隙間が確保される。そのため、第1伝熱管21が熱膨張しても、フィン21dが支持孔62の内面に接触して損傷することがない。
【0043】
また、第1ハウジング54は、内部に共鳴防止板63が配置される。共鳴防止板63は、複数の第1伝熱管21の間に位置し、周囲が第1ハウジング54に固定される。共鳴防止板63は、複数の第1伝熱管21が配置された第1ハウジング54の内部を2つの空間部に区画する。なお、共鳴防止板63を複数配置し、第1ハウジング54の内部を複数の空間部に区画してもよい。そのため、共鳴防止板63により、複数の第1伝熱管21が振動することで発生する音の共鳴が抑制される。
【0044】
さらに、第1ハウジング54は、周囲に複数の支持脚64が設けられる。複数の支持脚64は、上部が第1ハウジング54の外面に固定され、下端部が所定の床面に設置される。支持脚64は、筒形状に形成される。支持脚64は、円筒形状であることが好ましいが、楕円筒形状や多角筒形状であってもよい。支持脚64は、排ガス通路に位置することから、排ガスGが接触して摩耗または腐食が発生する。このとき、支持脚64が筒形状をなすことから、排ガスGの接触面積が減少し、摩耗または腐食の進行を遅らせることができる。
【0045】
ここでは、高温加熱部11の構成について説明したが、中温加熱部12および低温加熱部13も同様の構成となっている。
【0046】
[ヘッダの構成]
図8は、第1ヘッダを表す断面図、
図9は、第1ヘッダと第1伝熱管の連結構造を表す断面図である。
【0047】
図5に示すように、第1ヘッダ22は、第1アクセス部71を有し、第2ヘッダ23は、第2アクセス部72を有する。第1アクセス部71は、第1ハウジング54や第1ヘッダ22の外部から、第1ヘッダ22の内部における第1伝熱管21の連結部にアクセスするためのものである。第2アクセス部72は、第1ハウジング54や第2ヘッダ23の外部から、第2ヘッダ23の内部における第1伝熱管21の連結部にアクセスするためのものである。ここで、アクセスとは、作業者が第1伝熱管21の検査や修理作業などを実施するとき、外部から第1伝熱管21までの到達経路である。
【0048】
図5および
図8に示すように、第1ヘッダ22は、円筒形状をなし、第1伝熱管21の端部21aが連結され、第1ヘッダ22と第1伝熱管21の内部が連通する。そのため、第1ヘッダ22の熱媒体が第1伝熱管21に流れる。第1ヘッダ22は、第1アクセス部71を構成する第1開口部としての第1作業孔73が形成される。第1作業孔73は、第1ヘッダ22における第1伝熱管21の端部21aが連結される連結部に対向して設けられる。第1作業孔73は、第1プラグ74が着脱自在に設けられる。第1プラグ74は、ねじや嵌合などにより第1作業孔73に取付けられる。高温加熱部11の運転時、第1作業孔73は、第1プラグ74が取付けられて閉止される。高温加熱部11が停止したメンテナンス時、第1作業孔73は、第1プラグ74が取外されて開放される。
【0049】
同様に、第2ヘッダ23は、第2アクセス部72を構成する第2開口部としての第2作業孔75が形成される。第2作業孔75は、第2ヘッダ23における第1伝熱管21の端部21bが連結される連結部に対向して設けられる。第2作業孔75は、第2プラグ76が着脱自在に設けられる。高温加熱部11の運転時、第2作業孔75は、第2プラグ76が取付けられて閉止される。高温加熱部11が停止したメンテナンス時、第2作業孔75は、第2プラグ76が取外されて開放される。
【0050】
高温加熱部11(再加熱装置105)は、腐食性不純物含有ミストが含まれる排ガスGが流入し、付着と蒸発の事象が繰り返し生じる。すると、第1伝熱管21は、腐食が発生して熱媒体の漏洩が発生することがある。
【0051】
そのため、例えば、高温加熱部11の運転を停止した定期検査時に、複数の第1伝熱管21のリーク検査を実施する。第1伝熱管21のリーク検査を実施するとき、第1アクセス部71および第2アクセス部72を使用する。
【0052】
リーク検査にて、まず、複数の第1伝熱管21と第1ヘッダ22および第2ヘッダ23から熱媒体を排出する。次に、第1作業孔73から第1プラグ74を取外し、第2作業孔75から第2プラグ76を取外すことで、第1作業孔73と第2作業孔75を開放する。この状態で、第1伝熱管21に対して、第1作業孔73から第1ヘッダ22の内部に図示しない閉止治具を挿入し、第1ヘッダ22に連結された第1伝熱管21の端部21aを閉止する。そして、第2作業孔75から第2ヘッダ23の内部に図示しない加圧ノズルを挿入し、第2ヘッダ23に連結された第1伝熱管21の端部21bから空気を供給して加圧する。ここで、第1伝熱管21における端部21aと端部21bとの間の領域の圧力が保持できれば、第1伝熱管21にリークはないと判定される。なお、第1伝熱管21における端部21aと端部21bとの間の領域の圧力は、閉止治具などに設けられた圧力計により検出すればよい。
【0053】
一方、第1伝熱管21における端部21aと端部21bとの間の領域の圧力が保持できなければ、第1伝熱管21にリークがあると判定される。このようなリーク検査を全ての第1伝熱管21に対して実施する。
【0054】
ここで、リークがあると判定された第1伝熱管21は、隔離されて使用不能とする。すなわち、リークがあると判定された第1伝熱管21は、各端部21a,21bを閉塞する。第1伝熱管21に対して、まず、第1作業孔73から第1ヘッダ22の内部に図示しない閉止治具を用いて止栓77を挿入する。そして、閉止治具を操作し、第1ヘッダ22に連結された第1伝熱管21の端部21aに止栓77を挿入して固定する。次に、第2作業孔75から第2ヘッダ23の内部に図示しない閉止治具を用いて止栓(図示略)を挿入する。そして、閉止治具を操作し、第2ヘッダ23に連結された第1伝熱管21の端部21b止栓を挿入して固定する。第1伝熱管21におけるリーク検査や止栓作業が完了すると、第1作業孔73に第1プラグ74を取付け、第2作業孔75に第2プラグ76を取付けることで、第1作業孔73と第2作業孔75を閉止する。
【0055】
このようにリークがあると判定された第1伝熱管21の各端部21a,21bに止栓77を固定することで、熱媒体を流入させずに使用不能する。つまり、リークがあると判定された第1伝熱管21だけを使用不能とし、リークがないと判定された第1伝熱管21だけを使用可能とする。そのため、使用不能とする第1伝熱管21を少なくして伝熱面積の減少を抑制できる。
【0056】
また、
図8に示すように、第1伝熱管21は、各端部21a,21bが第1ヘッダ22および第2ヘッダ23に対して拡管により連結される。すなわち、
図9に示すように、第1ヘッダ22は、第1プラグ74が取外されて第1作業孔73が開放される。第1ヘッダ22は、第1連結孔81が形成され、第1伝熱管21は、端部21aが第1連結孔81に挿入される。この状態で、第1作業孔73から拡管用工具82を挿入し、加圧部83を第1連結孔81に挿入された第1伝熱管21の端部21aの内側に位置させる。ここで、加圧部83が端部21aの内面を押圧して拡管させる。
【0057】
すると、
図8に示すように、第1伝熱管21は、端部21aの外面が外方に突出されて突起部21eが形成される。突起部21eは、第1連結孔81の内面を凹状に変形させて係止する。なお、突起部21eは、端部21aの周方向に複数形成してもよく、リング形状に形成してもよい。第1伝熱管21は、端部21aに形成された突起部21eが第1連結孔81の内面に係止することで、第1伝熱管21の端部21aが第1ヘッダ22に連結される。その後、第1ヘッダ22の第1連結孔81の内周面と第1伝熱管21の端部21aとがシール溶接される。
【0058】
図示しないが、同様に、第1伝熱管21は、端部21bに形成された突起部が第2ヘッダ23に形成された第2連結孔の内面に係止することで、第1伝熱管21の端部21bが第2ヘッダ23に連結される。
【0059】
なお、ここでは、高温加熱部11の構成について説明したが、中温加熱部12および低温加熱部13も同様の構成となっている。
【0060】
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る熱交換器は、ハウジング54(55,56)と、ハウジング54(55,56)の内部に配置される複数の伝熱管21(31,41)と、ハウジング54に固定されて複数の伝熱管21(31,41)の端部21a(31a,41a)が連結される第1ヘッダ22(32,42)と、ハウジング54(55,56)に固定されて複数の伝熱管21(31,41)の他端部21b(31b,41b)が連結される第2ヘッダ23(33,43)と、第1ヘッダ22(32,42)の外部から第1ヘッダ22(32,42)の内部における複数の伝熱管21(31,41)の端部(連結部)21aにアクセスする第1アクセス部71と、第2ヘッダ23(33,43)の外部から第2ヘッダ23,33,43の内部における複数の伝熱管21(31,41)の端部(連結部)21bにアクセスする第2アクセス部72とを備える。
【0061】
第1の態様に係る熱交換器は、伝熱管21(31,41)に対する各種のメンテナンス作業を実施するとき、第1アクセス部71から第1ヘッダ22(32,42)を通して伝熱管21(31,41)の端部(一端部)21aにアクセスすることができると共に、第2アクセス部72から第2ヘッダ23(33,43)を通して伝熱管21(31,41)の端部(他端部)21bにアクセスすることができる。そのため、ハウジング54(55,56)などを解体せずに各種のメンテナンス作業を実施することができ、伝熱管21(31,41)のメンテナンス作業の作業性の向上を図ることができると共に、排煙処理作業の停止を抑制することができる。
【0062】
第2の態様に係る熱交換器は、第1アクセス部71および第2アクセス部72は、第1ヘッダ22(32,42)および第2ヘッダ23(33,43)にそれぞれ設けられる第1作業孔(第1開口部)73および第2作業孔(第2開口部)75を有する。これにより、第1アクセス部71および第2アクセス部72の構成を簡素化することができる。
【0063】
第3の態様に係る熱交換器は、第1作業孔73は、第1ヘッダ22における第1伝熱管21の端部(連結部)21aに対向して設けられ、第2作業孔75は、第2ヘッダ23における第1伝熱管21の端部(連結部)21bに対向して設けられる。これにより、外部から第1作業孔73および第2作業孔75により第1伝熱管21の端部21a,21bに対して容易にアクセスすることができる。
【0064】
第4の態様に係る熱交換器は、第1作業孔73および第2作業孔75は、それぞれ第1プラグ74および第2プラグ76が着脱自在に設けられる。これにより、第1プラグ74および第2プラグ76を第1作業孔73および第2作業孔75に取付けて閉止することで、高温加熱部11を適正に運転することができる。一方、第1作業孔73および第2作業孔75から第1プラグ74および第2プラグ76を取外して開放することで、高温加熱部11に対するメンテナンス作業を容易に実施することができる。
【0065】
第5の態様に係る熱交換器は、伝熱管21(31,41)は、円筒形状をなす素管21cの外周面にらせん形状をなすフィン21dが固定されたフィンチューブである。これにより、伝熱管21の表面積を増加させることで熱交換面積が増加し、熱交換効率の向上を図ることができる。
【0066】
第6の態様に係る熱交換器は、ハウジング54(55,56)は、内部に複数の支持孔62が設けられた支持板61が配置され、複数の伝熱管21(31,41)が複数の支持孔62に挿通されて支持される。これにより、複数の伝熱管21と支持板61との組み付けが容易となり、高温加熱部11の組付性を向上することができる。
【0067】
第7の態様に係る熱交換器は、支持孔62は、内径d1が伝熱管21(31,41)の外径d2より若干大きく形成されると共に、支持板61は、厚さt1が伝熱管21(31,41)の長手方向におけるフィン21dの隙間t2より大きく形成される。これにより、伝熱管21が熱膨張しても、フィン21dが支持孔62の内周面を押圧して変形することがなく、伝熱管21の損傷を抑制することができる。
【0068】
第8の態様に係る熱交換器は、ハウジング54(55,56)は、複数の伝熱管21(31,41)の間に位置して共鳴防止板63が配置される。これにより、複数の伝熱管21が振動することで発生する音の共鳴が共鳴防止板63により抑制することができる。
【0069】
第9の態様に係る熱交換器は、伝熱管21(31,41)は、端部21a(31a,41a)が第1ヘッダ22(32,42)に形成された第1連結孔81に挿入され、他端部21b(31b,41b)が第2ヘッダ23(33,43)に形成された第2連結孔に挿入され、端部21aおよび他端部21bが拡管されることで第1ヘッダ22および第2ヘッダ23にそれぞれ連結される。これにより、第1ヘッダ22と伝熱管21の端部21aおよび第2ヘッダ23と伝熱管21の端部21bとを隅肉溶接などによる強度を確保するための接続処理を不要とすることができ、作業性を向上することができる。
【0070】
第10の態様に係る熱交換器は、ハウジング(55,56)は、周囲にハウジング(55,56)を支持する複数の支持脚64が設けられ、支持脚64は、筒形状に形成される。これにより、排ガスGと支持脚64との接触面積が減少し、摩耗または腐食の進行を遅らせることができる。
【0071】
第11の態様に係る排煙処理装置は、排ガスGの熱の一部を回収する熱回収装置101と、熱回収後の排ガスGに含まれるばいじんを除去する電気集塵装置102と、集塵後の排ガスGに含まれる硫黄酸化物を除去する脱硫装置104と、脱硫後の排ガスGを再加熱する再加熱装置105とを備える。これにより、再加熱装置105にて、第1アクセス部71および第2アクセス部72により、ハウジング54(55,56)などを解体せずに各種のメンテナンス作業を実施することができ、伝熱管21(31,41)のメンテナンス作業の作業性の向上を図ることができると共に、排煙処理作業の停止を抑制することができる。
【0072】
なお、上述した実施形態にて、再加熱装置105は、高温加熱部11と中温加熱部12と低温加熱部13を備える。この場合、第1伝熱管21、第2伝熱管31、第3伝熱管41の長さや本数は、使用形態に応じて適宜設定すればよいものである。
【0073】
また、上述した実施形態にて、再加熱装置105が第1バンドル51と第2バンドル52第3バンドル53を備え、高温加熱部11により第1バンドル51を構成し、中温加熱部12により第2バンドル52を構成し、低温加熱部13により第3バンドル53を構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、中温加熱部12と低温加熱部13を共用のバンドルにより構成してもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、本発明の熱交換器を排煙処理装置100の再加熱装置105に適用して説明したが、別の熱交換装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
11 高温加熱部
12 中温加熱部
13 低温加熱部
21 第1伝熱管
21a,21b 端部
21c 素管
21d フィン
21e 突起部
22 第1ヘッダ
23 第2ヘッダ
24,25 フランジ接手
26 連結管
31 第2伝熱管
31a,31b 端部
32 第1ヘッダ
33 第2ヘッダ
34,35 フランジ接手
36 連結管
41 第3伝熱管
41a,41b 端部
42 第1ヘッダ
43 第2ヘッダ
44,45 フランジ接手
46 連結管
51 第1バンドル
52 第2バンドル
53 第3バンドル
54 第1ハウジング
55 第2ハウジング
56 第3ハウジング
61 支持板
62 支持孔
63 共鳴防止板
64 支持脚
71 第1アクセス部
72 第2アクセス部
73 第1作業孔(第1開口部)
74 第1プラグ
75 第2作業孔(第2開口部)
76 第2プラグ
77 止栓
81 第1連結孔
82 拡管用工具
83 加圧部
100 排煙処理装置
101,101a,101b 熱回収装置
102,102a,102b 電気集塵装置
103,103a,103b 送風装置
104 脱硫装置
105 再加熱装置
106,106a,106b 送風装置
111 ボイラ
112 煙突
121a,121b,121c,121d,121e,121f,121g 排ガス通路
122 開閉弁
123 ミストエリミネータ
131 循環ポンプ
132 ヒータ
133 ドレンタンク
134 開閉弁
L11 第1熱媒体循環ライン
L12 第2熱媒体循環ライン
L13 蒸気ライン
L14 蒸気ドレンライン
L21 第1接続ライン
L22 第2接続ライン
G 排ガス