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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/24 20060101AFI20240823BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20240823BHJP
   A01D 57/04 20060101ALI20240823BHJP
   A01D 69/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
A01D34/24 102
A01D34/24 105A
A01D41/12 D
A01D57/04
A01D69/00 302B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020165526
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057328
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】朝田 諒
(72)【発明者】
【氏名】宮下 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】江戸 俊介
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0021226(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110262287(CN,A)
【文献】特開2000-060275(JP,A)
【文献】特開昭53-007442(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0082442(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02517549(EP,A1)
【文献】Yasumaru HIRAI, Kunihiko HAMAGAMI and Ken MORI,Investigation of a Laser Scanner for Measurement of Lodging Posture of a Wheat Bunch,Journal of The Faculty of Agriculture Kyushu University,日本,2008年02月28日,Vol. 53, No. 1,pp. 89 - 93
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/24
A01D 41/12
A01D 57/04
A01D 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の植立作物を収穫する収穫部と、
機体の進行方向前方に植立する収穫前の植立作物の実高さを検出する作物高さ検出ユニットと、
作物品種、作物生育特性、圃場特性、または同一圃場における前記実高さの統計値に応じて定まる前記圃場の植立作物の基準高さを取得する基準高さ取得部と、
前記基準高さ取得部によって設定された前記基準高さに対する前記実高さの比率に基づいて、機体の作業状態を決定する制御パラメータを調節する制御ユニットと、
が備えられる収穫機。
【請求項2】
前記比率が複数の比率範囲にクラス分けされ、前記比率範囲に基づいて前記制御パラメータが導出される請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
圃場のうち、少なくとも前記作物高さ検出ユニットの検出対象範囲を含む機体の進行方向前方の領域を撮影して撮影画像を取得するカメラユニットと、
前記撮影画像から前記植立作物の特徴データを生成する特徴データ生成部と、が備えられ、
前記比率と前記特徴データとに基づいて前記制御パラメータが導出される請求項1または2に記載の収穫機。
【請求項4】
前記特徴データに、植立作物の倒伏方向が含まれている請求項3に記載の収穫機。
【請求項5】
前記収穫部に、植立作物を掻き込む掻込リールが備えられ、
前記制御パラメータに、前記掻込リールの高さを調節するリール高さパラメータが含まれており、
前記制御ユニットは、前記比率が低い場合、前記掻込リールが降下するように前記リール高さパラメータを調節する請求項1から4のいずれか一項に記載の収穫機。
【請求項6】
前記収穫部に、植立作物を掻き込む掻込リールが備えられ、
前記制御パラメータに、前記掻込リールの前後位置を調節するリール前後位置パラメータが含まれており、
前記制御ユニットは、前記比率が低い場合、前記掻込リールが前方に移動するように前記リール前後位置パラメータを調節する請求項1から5のいずれか一項に記載の収穫機。
【請求項7】
前記制御パラメータに、前記収穫部の収穫高さを調節する収穫高さパラメータが含まれており、
前記制御ユニットは、前記比率が低い場合、前記収穫高さが低下するように前記収穫高さパラメータを調節する請求項1から6のいずれか一項に記載の収穫機。
【請求項8】
前記制御パラメータに、車速を調節する車速パラメータが含まれており、
前記制御ユニットは、前記比率が低い場合、前記車速が低下するように前記車速パラメータを調節する請求項1から7のいずれか一項に記載の収穫機。
【請求項9】
前記作物高さ検出ユニットは、物体の空間位置を測定する物体位置計測器と、前記物体位置計測器からの点群データから前記実高さを演算する作物実高さ演算部とを有する請求項1から8のいずれか一項に記載の収穫機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の植立作物を収穫する収穫部が備えられている収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
収穫時期における圃場面からの植立作物の高さは、作物の品種や生育度合いなどによって様々である。特に、米や麦などの植立作物では、実り過ぎや風などにより倒伏すると、その高さは、標準の高さよりかなり低くなる。
【0003】
例えば、特許文献1によるコンバインは、収穫作業において、倒伏状態の植立穀稈に対して直立状態の植立穀稈とは異なる制御を行うために、刈取部の前方の穀稈を撮影するテレビカメラと画像処理装置とを備えている。画像処理装置は、テレビカメラからの画像と、予め記憶させておいた種々の穀稈の植立状態を示す画像とを比較して、穀稈の植立状態を検出する。刈取部前方の穀稈の一部が倒伏していることが検出されると、掻込みリールが下方に傾動される。これにより、倒伏穀稈の刈取性能が向上する。
【0004】
特許文献2によるコンバインでは、刈取作業時に取得された撮影画像に基づいて求められたパワースペクトル分布から、刈取り前に、植立穀稈の倒伏度合の判定が行われる。画像処理を通じて判定された倒伏度合に応じて適時に車速等の制御を行うことで脱穀負荷の調節が行われる。これにより、倒伏穀稈であっても、円滑な脱穀作業が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-155340号公報
【文献】特開平10-304734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1や特許文献2によるコンバインにおいては、画像処理技術により倒伏穀稈を検出し、その検出結果に基づいて、コンバインの作業状態が調節される。しかしながら、米や麦などの植立作物の高さは、品種、生育度合い実り過ぎ、強風などによって、様々に変動する。したがって、より良好な収穫作業を達成するためには、収穫作業の対象となる植立作物の標準高さとの差異を考慮して、収穫機の作業状態を調節する必要がある。
【0007】
このような実情に鑑み、本発明の目的は、植立作物の標準高さとの差異を考慮して、収穫機の作業状態が調節される収穫機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による収穫機は、圃場の植立作物を収穫する収穫部と、機体の進行方向前方に植立する収穫前の植立作物の実高さを検出する作物高さ検出ユニットと、圃場の植立作物の基準高さを取得する基準高さ取得部と、前記基準高さに対する前記実高さの比率に基づいて、機体の作業状態を決定する制御パラメータを調節する制御ユニットと、を備える。
【0009】
本発明によると、収穫前の植立作物の実高さが、作物高さ検出ユニットによって検出される。さらに、この実高さの基準高さに対する比率が演算され、当該比率に基づいて、機体の作業状態が適正に調節される。基準高さは、作物品種、作物生育特性、圃場特性、同一圃場における実高さの統計値などに応じて、基準高さ設定部で管理されている。
【0010】
比率に基づく制御処理を簡単にするためには、算出された比率をクラス分けして、クラス単位で制御処理を行うことが好ましい。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記比率が複数の比率範囲にクラス分けされ、前記比率範囲に基づいて前記制御パラメータが導出される。
【0011】
作物高さ検出ユニットによって植立作物の実高さが検出されるが、高さ以外の特徴データ、例えば、植立作物の姿勢や色味の検出は困難である。そのような植立作物の特徴データは、植立作物の撮影画像を画像処理することによって得られる。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、圃場のうち、少なくとも前記作物高さ検出ユニットの検出対象範囲を含む機体の進行方向前方の領域を撮影して撮影画像を取得するカメラユニットと、前記撮影画像から前記植立作物の特徴データを生成する特徴データ生成部と、が備えられ、前記比率と前記特徴データとに基づいて前記制御パラメータが導出される。
【0012】
倒伏した植立作物が存在している圃場における収穫作業において、倒伏した植立作物の倒伏方向が重要な特徴データとなる。同じ程度に倒伏しており、その実高さが同じ程度であっても、その倒伏方向によって、機体の作業状態を変更することが好ましい。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記特徴データに、植立作物の倒伏方向が含まれている。
【0013】
本発明では、基準高さに対する実高さの比率に基づいて、機体の作業状態を決定する制御パラメータが調節される。機体の作業状態に影響を与える機器として、植立作物を掻き込む掻込リールの高さや前後位置を調節する機器、収穫高さを調節する機器などが、収穫部に備えられている。さらに、車速も機体の作業状態に影響を与える。したがって、好適な実施形態では、制御パラメータに、掻込リールの高さを調節するリール高さパラメータ、掻込リールの前後位置を調節するリール前後位置パラメータ、収穫高さを調節する収穫高さパラメータ、車速を調節する車速パラメータが含まれている。制御ユニットが、基準高さに対する実高さの比率に基づいて、各制御パラメータを変更することで、良好な収穫作業結果が得られる。基準高さに対する実高さの比率と制御パラメータの変更度との関係は、実験的かつ経験的に求められる。その好適な例を以下に列挙する。
(1)比率が低い場合、掻込リールが降下するようにリール高さパラメータが調節される。逆に、比率が高くなれば、掻込リールが上昇するようにリール高さパラメータが調節される。
(2)比率が低い場合、掻込リールが前方に移動するようにリール前後位置パラメータが調節される。逆に、比率が高くなれば、掻込リールが後方に移動するようにリール前後位置パラメータが調節される。
(3)比率が低い場合、収穫部の収穫高さが低下するように収穫高さパラメータが調節される。逆に、比率が高くなれば、収穫部の収穫が上昇するように収穫高さパラメータが調節される。
(4)比率が低い場合、車速が低下するように車速パラメータが調節される。逆に、比率が高くなれば、車速が上昇するように車速パラメータが調節される。
【0014】
作物高さ検出ユニットとして、超音波測定方式、ステレオマッチング測定方式、ToF(Time of flight)測定方式を用いることができる。超音波測定方式は測定精度が低いが、安価である。ステレオマッチング測定方式やToF測定方式は、その測定によって得られる点群データを処理することで、植立穀稈の高さ(空間位置)が得られる。ToF測定方式を採用した物体位置計測器の一種であるLiDARは、自動車の衝突防止等に用いられ、広く流通している。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記作物高さ検出ユニットは、物体の空間位置を測定する物体位置計測器と、前記物体位置計測器からの点群データから前記実高さを演算する作物実高さ演算部とを有する。さらに、物体位置計測器からの点群データに、撮影画像によって得られる色情報を組み合わせることで、より正確に植立作物の高さを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】収穫機の全体側面図である。
図2】収穫機の全体平面図である。
図3】収穫機の制御系を示す機能ブロック図である。
図4】実高さと基準高さとから制御パラメータが導出されるプロセスを示す模式図である。
図5】収穫部の作業状態を示す要部側面図である。
図6】収穫部の作業状態を示す要部側面図である。
図7】ジグザグ刈りを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る収穫機の一例としてのコンバインの実施形態が、図面に基づいて以下に記載されている。この実施形態で、機体1の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義する。図1及び図2に符号(F)で示す方向が機体前側、図1及び図2に符号(B)で示す方向が機体後側である。図1に符号(U)で示す方向が機体上側、図1に符号(D)で示す方向が機体下側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。機体1の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。
【0017】
〔収穫機の基本構成〕
図1及び図2に示されるように、収穫機の一形態である普通型のコンバインに、機体1と、左右一対のクローラ式の走行装置11とが備えられている。機体1に、搭乗部12と、脱穀装置13と、穀粒タンク14と、収穫部15と、搬送装置16と、穀粒排出装置18とが備えられている。
【0018】
走行装置11は、コンバインの下部に備えられている。走行装置11は左右一対のクローラ走行機構を有し、コンバインは、走行装置11によって圃場を走行可能である。搭乗部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置11よりも上側に備えられ、これらは機体1の上部として構成されている。コンバインの搭乗者やコンバインの作業を監視する監視者が、搭乗部12に搭乗可能である。搭乗部12の下方に駆動用のエンジン(不図示)が備えられている。穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の後下部に連結されている。
【0019】
収穫部15は圃場の植立作物を収穫する。植立作物は、例えば稲や麦等の植立穀稈であるが、大豆やトウモロコシ等であっても良い。そして、コンバインは、収穫部15によって圃場の植立作物を収穫しながら走行装置11によって走行する作業走行が可能である。搬送装置16は収穫部15よりも後側に隣接して設けられている。収穫部15及び搬送装置16は、機体1の前部に上下昇降可能に支持されている。収穫部15及び搬送装置16は、伸縮動作可能なヘッダ用アクチュエータ15Hによって上下に昇降操作されることによって、一体的に上下揺動する。
【0020】
収穫部15に、収穫ヘッダ15Aと、掻込リール15Bと、横送りオーガ15Cと、バリカン状の切断刃15Dとが備えられている。収穫ヘッダ15Aは、前方の植立作物を収穫対象と非収穫対象とに分草するとともに、前方の植立作物のうちの収穫対象を受け入れる。
【0021】
掻込リール15Bは収穫ヘッダ15Aの上方に位置する。収穫ヘッダ15Aにリール支持アーム15Kが揺動可能に支持され、リール支持アーム15Kは、伸縮動作可能な第1リールアクチュエータ15Jによって揺動操作される。掻込リール15Bの回転軸芯部分は、リール支持アーム15Kの遊端領域に支持されている。このことから、掻込リール15Bは、第1リールアクチュエータ15Jの伸縮動作によって上下揺動可能に構成されている。
【0022】
掻込リール15Bは、リール支持アーム15Kに支持された状態で、機体横向き軸芯まわりに回転可能に構成されている。また、掻込リール15Bの回転軸芯部分は、リール支持アーム15Kの遊端領域で、第2リールアクチュエータ15Lによって、前後方向に沿ってスライド可能に構成されている。つまり、掻込リール15Bは、収穫ヘッダ15Aに対して上下高さ可能に構成されるとともに、収穫ヘッダ15Aに対して前後位置変更可能に構成されている。
【0023】
掻込リール15Bに複数のタイン15Tが備えられ、タイン15Tは植立作物に掻込作用する。掻込リール15Bは、圃場から植立作物を収穫する際に、植立作物のうちの先端寄りの箇所をタイン15Tで後方に向けて掻込む。
【0024】
切断刃15Dは、掻込リール15Bによって後方に掻き込まれた植立作物の株元側を切断する。横送りオーガ15Cは、機体横向き軸芯に回転駆動し、切断刃15Dによる切断後の収穫作物を左右方向の中間側に横送りして寄せ集めて後方の搬送装置16に向けて送り出す。
【0025】
脱穀装置13における脱穀負荷を軽減するため、収穫ヘッダ15Aの対地高さCH(収穫高さ:図5及び図6参照)が高く設定され、植立作物は穂先側のみが収穫される場合がある。このとき、切断後の植立穀桿の残稈が、背丈の高い状態で圃場に残されないようにするため、収穫部15の後方に設けられているバリカン式の残稈処理部19によって切断される。
【0026】
収穫部15によって収穫された作物(例えば刈取穀稈)は、搬送装置16によって脱穀装置13へ搬送される。収穫された作物は脱穀装置13によって脱穀処理される。脱穀装置13は、脱穀部13Aと選別処理部13Bと唐箕13Cを有する。なお、図1では脱穀部13Aは扱胴として示されているが、この扱胴を収納する扱室と、扱室の上部に配置された送塵弁と、扱胴の下側領域の周囲に位置する受網と、も脱穀部13Aに含まれる。送塵弁は、扱室に送り込まれた処理作物を後方へ案内する。脱穀部13Aは、搬送装置16によって扱室に送り込まれた作物、即ち脱穀装置13の処理対象である処理作物を脱穀処理する。選別処理部13Bは、脱穀部13Aの下方に設けられるとともに、脱穀部13Aによって脱穀処理された処理作物を受け止めて後方へ揺動搬送しながら、処理作物を収穫物と非収穫物とに篩選別する。
【0027】
公知の技術であるため、図示はしないが、選別処理部13Bにチャフシーブが備えられ、チャフシーブは複数のチャフリップを有する。チャフリップの夫々は機体横方向に延びる。複数のチャフリップは処理作物が搬送される搬送方向(前後方向)に沿って並べられ、複数のチャフリップの夫々は、後端側ほど斜め上方に向かう傾斜姿勢で配置されている。チャフリップの夫々の漏下開度が変更可能に構成されている。漏下開度が変更可能とは、傾斜姿勢が変更されることを意味する。具体的には、チャフリップが前後方向に対して平行に近くなる程、漏下開度が小さくなり、チャフリップが上下方向に対して平行に近くなる程、漏下開度が大きくなる。処理作物は、チャフリップの上で後方へ揺動搬送され、収穫物としての穀粒が複数のチャフリップ間の隙間から下方へ漏下する。唐箕13Cは選別処理部13Bに選別風を供給する。
【0028】
脱穀処理によって得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。穀粒排出装置18は機体後部の縦軸芯回りに揺動可能に構成されている。即ち、穀粒排出装置18の遊端部が機体1よりも機体横外側へ張り出して作物を排出可能な排出状態と、穀粒排出装置18の遊端部が機体1の機体横幅の範囲内に位置する収納状態と、に切換可能なように穀粒排出装置18は構成されている。穀粒排出装置18が収納状態である場合、穀粒排出装置18の遊端部は搭乗部12よりも前側に位置するとともに収穫部15の上方に位置する。
【0029】
搭乗部12の前上部に、機体1の進行方向前方に植立する収穫前の植立作物の実高さを検出する作物高さ検出ユニット21を構成する第1物体検出器21Aが設けられている。第1物体検出器21Aは物体の空間位置を測定する物体位置計測器である。作物高さ検出ユニット21の測定方式には、超音波測定方式、ステレオマッチング測定方式、ToF(Time of flight)測定方式などが用いられるが、この第1物体検出器21AはToF測定方式である二次元スキャンLiDARである。二次元スキャンLiDARに代えて三次元スキャンLiDARが用いられてもよい。第1物体検出器21Aからの点群データを演算することで機体後方の植立穀稈の高さ(空間位置)が得られる。この実施形態では、機体1の進行方向後方の植立穀桿の切断跡及び周辺の植立作物の実高さを検出するために、第1物体検出器21Aと同様な第2物体検出器21Bが、脱穀装置13と穀粒タンク14との間で機体1の上部となる領域に設けられている。第2物体検出器21Bも空間位置を測定する物体位置計測器であり、作物高さ検出ユニット21を構成する。もちろん、第2物体検出器21Bは省略可能である。
【0030】
さらに、搭乗部12の前上部に、第1カメラ22Aが設けられている。第1カメラ22Aは、圃場のうち、少なくとも第1物体検出器21Aの検出対象範囲を含む機体1の進行方向前方の領域を撮影して色情報を含む撮影画像を取得するカメラユニット22を構成する。第1カメラ22Aで取得された撮影画像から植立作物の特徴データが生成される。撮影画像には、色情報が含まれているので、植立作物を認識する画像認識技術を利用することで、植立作物の色情報や姿勢を含む特徴データを生成することが可能である。この実施形態では、脱穀装置13と穀粒タンク14との間で機体1の上部となる領域に、第1カメラ22Aと同様な第2カメラ22Bが設けられている。第2カメラ22Bは、圃場のうち、少なくとも第2物体検出器21Bの検出対象範囲を含む機体1の進行方向後方の領域を撮影して色情報を含む撮影画像を取得するカメラユニット22を構成する。もちろん、第2カメラ22Bも省略可能である。
【0031】
作物高さ検出ユニット21によって検出される植立作物の例が、図1及び図2で示されている。この例では、標準的な高さを有する標準植立作物群が符号Z0で示され、標準植立作物群より高さが低い短尺作物群が符号Z1で示され、倒伏植立作物群が符号Z2で示されている。
【0032】
搭乗部12の天井部には、衛星測位モジュール80が設けられている。衛星測位モジュール80は、人工衛星GSからのGNSS(Global Navigation Satellite System)の信号(GPS信号を含む)を受信して、自車位置を取得する。なお、衛星測位モジュール80による衛星航法を補完するために、ジャイロ加速度センサや磁気方位センサを組み込んだ慣性航法ユニットが衛星測位モジュール80に組み込まれている。もちろん、慣性航法ユニットは、コンバインにおいて衛星測位モジュール80と別の箇所に配置されても良い。
【0033】
〔制御ユニットの構成〕
図3に示される制御ユニット3は、コンバインの制御系の中核要素であり、複数のECUの集合体として示されている。植立作物の高さ検出に関係する機能部として、制御ユニット3に、特徴データ生成部30、作物実高さ演算部31、基準高さ取得部32、比率演算部33が備えられている。コンバインの走行や作業に関係する機能部として、制御ユニット3に、制御パラメータ調節部34、走行制御部35、作業制御部36、自車位置算出部37が備えられている。
【0034】
第1カメラ22Aと第2カメラ22Bとから出力された画像データ、第1物体検出器21Aと第2物体検出器21Bとから出力された点群データ、衛星測位モジュール80から出力された測位データは、制御ユニット3に入力される。収穫高さ検出部23から出力された収穫高さデータ、リール高さ検出部24aから出力されたリール高さデータ、リール前後位置検出部24bから出力されたリール前後位置データ、オーガ高さ検出部25から出力されたオーガ高さデータも、制御ユニット3に入力される。
【0035】
上述したように、収穫部15及び搬送装置16(図1等参照)は上下揺動可能に構成され、収穫高さ検出部23は搬送装置16の揺動軸芯箇所に設けられている。収穫高さ検出部23は、搬送装置16の揺動角度を検出することによって、収穫部15の下端部における対地高さ:CH(図5及び図6参照)を検出可能に構成されている。リール高さ検出部24aは、収穫ヘッダ15Aに対するリール支持アーム15Kの揺動角度を検出することによって、掻込リール15Bの収穫ヘッダ15Aに対する高さ位置RH(図5及び図6参照)を検出可能に構成されている。リール前後位置検出部24bは、リール支持アーム15Kに対する掻込リール15Bの前後方向スライド位置を検出することによって、掻込リール15Bの前後位置:RL(図5及び図6参照)を検出可能に構成されている。オーガ高さ検出部25は、横送りオーガ15Cを上下昇降させるアクチュエータ(不図示)の上下位置を検出することによって、横送りオーガ15Cの高さ位置:OH(図5及び図6参照)を検出可能に構成されている。
【0036】
特徴データ生成部30は、カメラユニット22から送られてくる色情報を含む画像データから、ニューラルネットワークを含む画像認識等の技術を用いて、圃場における未収穫植立作物や収穫済植立作物の領域の区分け、倒伏した植立作物の倒伏方向などの特徴データを生成する。
【0037】
この実施形態では、本発明の作物高さ検出ユニット21は、第1物体検出器21Aと作物実高さ演算部31とから構成されている。第1物体検出器21Aからの点群データを用いて機体1の進行方向前方に植立する収穫前の植立作物の実高さを求めることができる。作物高さ検出ユニット21に第2物体検出器21Bが含まれている場合、第2物体検出器21Bからの点群データを用いて機体1の進行方向後方に植立する収穫前の植立作物の実高さを求めることができる。さらに、第2物体検出器21Bからの点群データに基づいて求めた機体1の後方の収穫前の植立作物の実高さを、第1物体検出器21Aを用いて求めた収穫前の植立作物の実高さの参照データまたは代替データとして用いることも可能である。また、第1物体検出器21Aを用いた実高さと第2物体検出器21Bを用いた実高さとが取得されている場合には、これらの平均値(重み平均値などを含む)を、最終的な実高さとすることも可能である。さらに、作物実高さ演算部31は、特徴データ生成部30によって生成された特徴データ、例えば色情報を利用することも可能である。色情報を付与された点状データを分析することで、植立作物の先端部(穂先など)の高さをより正確に求めることができる。
【0038】
なお、詳しい説明は省略されるが、第1物体検出器21A及び第2物体検出器21Bからの点群データは、障害物検出のためにも利用可能である。
【0039】
基準高さ取得部32は、圃場の収穫対象となっている植立作物の基準高さを取得する。基準高さとしてデフォルトで所定の値が設定可能であるが、監視者によって、任意の値の設定が可能である。また、圃場及び植立作物の品種に適した基準高さが、通信部38を通じて遠隔地のサーバ2からダウンロードされ、この基準高さ取得部32に設定されてもよい。さらには、収穫作業中に作物実高さ演算部31によって経時的に算出される実高さの平均値や中間値などの統計値が基準高さとして採用されてもよい。比率演算部33は、基準高さ取得部32から読み出された基準高さに対する、前記作物実高さ演算部31によって出力された実高さの比率を演算して、出力する。
【0040】
制御パラメータ調節部34は、比率演算部33から出力された比率に基づいて、機体1の作業状態を決定する制御パラメータを調節する。この実施形態では、制御パラメータ調節部34には、クラス分け部34aとクラス/パラメータテーブル34bとが含まれている。クラス分け部34aは、入力した比率を複数の比率範囲にクラス分けする。クラス/パラメータテーブル34bは、クラス分け部34aによりクラス分けされたクラス(比率範囲)と、走行装置11や収穫部15を構成する機器の作業状態を決定する制御パラメータとを関係付けたテーブルを備えている。つまり、クラス/パラメータテーブル34bは、入力されたクラスに基づいて制御パラメータを出力するルックアップテーブルに相当する機能を有する。
【0041】
特徴データ生成部30から倒伏した植立作物の倒伏方向が特徴データとして出力されている場合には、制御パラメータ調節部34は、この特徴データも参照して、制御パラメータを調節することができる。つまり、クラス/パラメータテーブル34bは、倒伏方向によって決定される複数のモードを有する。
【0042】
図4に、検出された実高さと特徴データとに基づいて制御パラメータが導出されるプロセスにおけるデータの流れが、模式的に例示されている。この例では、まず、実高さと基準高さとから、基準高さに対する実高さの比率が求められる。次いで、比率がクラス1、クラス2、クラス3、クラス4のいずれかにクラス分けされる。なお、実高さの低下の原因が植立作物の倒伏とすれば、クラス1は「直立」、クラス2は「やや倒伏」、クラス3は「倒伏」、クラス4は「べたごけ(穂先が圃場面に接するように倒伏した状態)」となる。
【0043】
クラス/パラメータテーブル34bは、4つのクラス毎に、制御パラメータとして、リール高さパラメータ(図4では、リール高さと略称されている)、リール前後位置パラメータ(図4では、リール前後と略称されている)、収穫高さパラメータ(図4では、収穫高さと略称されている)、車速パラメータ(図4では、車速と略称されている)のパラメータ値が関係付けられている。さらに、この4つのクラス毎の制御パラメータ群は、例えば、3つのモード(モードA、モードB、モードC)毎に設定されている。この実施形態では、倒伏方向によって3つのモードのいずれかが選択される。
【0044】
図4では、制御パラメータ値は明示されていないが、比率(クラス)との関係は次の通りである。
(1)比率が低い場合、掻込リール15Bが降下するような制御パラメータ値(リール高さパラメータ値)となる。逆に、比率が高くなれば、掻込リール15Bが上昇するような制御パラメータ値となる。
(2)比率が低い場合、掻込リール15Bが前方に移動するような制御パラメータ値(前後位置パラメータ値)となる。逆に、比率が高くなれば、掻込リール15Bが後方に移動するような制御パラメータ値となる。
(3)比率が低い場合、収穫部15の収穫高さが減少するような制御パラメータ値(収穫高さパラメータ)となる。逆に、比率が高くなれば、収穫部15の収穫高さが増大するような制御パラメータ値となる。
(4)比率が低い場合、車速が低下するような制御パラメータ値(車速パラメータ値)が調節される。逆に、比率が高くなれば、車速が上昇するような制御パラメータ値となる。
図4では、モードAが選択され、クラス1が入力した場合に導出される制御パラメータとして、P[h1,d1,c1,v1]で示すように、上記(1)から(4)の内の全てが出力されている。もちろん、上記(1)から(4)の内のいずれかが出力されてもよいし、付加的に別な機器の調整のための制御パラメータ値が追加されてもよい。
【0045】
図3に示すように、走行制御部35は、車速制御部35Aと車高制御部35Bとを有する。制御パラメータ調節部34から出力された制御パラメータに基づいて、現状の走行制御部35の制御パラメータが調整される。制御パラメータ調節部34から出力された制御パラメータが車速パラメータであれば、車速制御部35Aが車速を調節する。
【0046】
走行制御部35は、エンジン制御機能、操舵制御機能、車速制御機能、車高制御機能などを有し、制御パラメータに基づいて、走行装置11に走行制御信号を与える。手動操舵の場合、搭乗者による操作に基づいて、走行制御部35が制御信号を生成し、走行装置11を制御する。
【0047】
このコンバインは、自動操舵も可能である。自車位置算出部37は、衛星測位モジュール80からの測位データに基づいて自車位置を算出する。自動操舵の場合、制御ユニット3の自動走行制御モジュール(非図示)によって与えられる目標走行経路と、自車位置算出部37によって算出された自車位置とに基づいて、走行制御部35は、操舵や車速に関する制御を走行装置11に対して行う。
【0048】
作業制御部36は、ヘッダ制御部36Aと、リール制御部36Bと、オーガ制御部36Cと、を有する。制御パラメータ調節部34から出力された制御パラメータに基づいて、現状の作業制御部36の制御パラメータが調整される。
【0049】
制御ユニット3は、通信部38を介して遠隔地のサーバ2と通信可能である。例えば、圃場の微小区画における作物の高さ情報、倒伏情報、作業状態情報等が、無線通信ネットワークを介して圃場のサーバ2へ送信され、サーバ2で管理されている圃場のマップ情報に記録される。これにより、圃場の管理者は、作物の高さ情報、倒伏情報、作業状態情報等を次年度の農業計画に活用できる。
【0050】
〔比率によって変更される作業状態〕
機体1の前方の収穫対象である植立作物の実高さの基準高さに対する比率による作業状態の変更形態例を、図5及び図6を用いて以下に説明する。
収穫部15の作業状態は、主に、収穫高さとなる収穫ヘッダ15Aの対地高さ:CH、掻込リール15Bの高さ位置:RH、掻込リール15Bの前後位置:RLに依存する。収穫ヘッダ15Aの対地高さ:CHは、収穫高さパラメータによって調節可能であり、掻込リール15Bの高さ位置:RHは、リール高さパラメータによって調節可能であり、掻込リール15Bの前後位置:RLは、リール前後位置パラメータによって調節可能である。
【0051】
掻込リール15Bの高さ位置:RHが高すぎると、掻込リール15Bが作物に対しての掻き込み作用が難しくなる。また、掻込リール15Bの高さ位置:RHが低すぎると、作物が掻込リール15Bに絡み付き易くなる。図5及び図6に示されるように、圃場の作物が収穫部15によって収穫される際に、掻込リール15Bのタイン15Tが穂先を前上方から後方に掻き込むように、タイン15Tの回転軌跡が作物の穂先領域と重複するのが望ましい。
【0052】
本発明では、比率演算部33によって演算された比率に基づいて、制御パラメータ調節部34で調整された各パラメータを用いて、作業制御部36が、目標となる対地高さ:CH、高さ位置:RH、前後位置:RLを実現するための制御信号を生成する。
【0053】
さらに、収穫における作業状態は、車速によっても変更できる。したがって、車速パラメータを用いて、走行制御部35が、目標となる車速を実現するための制御信号を生成する。
【0054】
対地高さ:CH、高さ位置:RH、前後位置:RL以外に、収穫部15の作業状態に影響を与える要因として、掻込リール15Bの回転速度、タイン15Tの回転軌跡、横送りオーガ15Cの高さ(図5図6ではOHで示されている)などがある。これらの要因少なくとも1つを、実高さの基準高さに対する比率によって調節するような構成を採用してもよい。
【0055】
また、植立作物の実高さの基準高さに対する比率によって、脱穀装置13の作業状態が変更されてもよい。脱穀装置13の作業状態は、唐箕13Cの回転速度、選別処理部13Bにおけるチャフシーブの漏下開度の調節により変更することができる。その場合、制御パラメータに、唐箕速度パラメータや漏下開度パラメータが含まれることになる。
【0056】
圃場面近くまで倒伏することで植立作物の実高さが極端に低くなり、しかもその倒伏方向が収穫部15に向かっているような場合、その収穫作業は向い刈りと呼ばれ、通常の直線走行では収穫作業は困難となる。このような収穫作業では、機体1をジグザグに走行させるジグザグ刈りが有効である。ジグザグ走行は、向い刈り領域に基づいて設定される所定距離、ないしは所定時間だけ行われる。図7にジグザグ刈りの一例が示されている。図7において、機体1の走行目標となる目標走行ラインが符号BLで示され、収穫部15による収穫幅(刈幅)が符号Wで示され、収穫幅の両端に設定されるオーバ―ラップ値は符号Lで示されている。隣接する目標走行ラインの間隔をDとすれば、D=W-2Lが成立する。ジグザグ刈りでは機体1は、ジグザグ走行を行う。ジグザグ走行では、短い周期で左右交互に操舵で行われ、その走行軌跡は、図7において符号Zが付与され、太線で示されている。ジグザグ走行において、機体1は目標走行ラインから横方向左右に振動するようにずれながら走行する。図7において、この横ずれの左側最大ずれ量はdLで示され、右側最大ずれ量はdRで示されている。ジグザグ走行での収穫作業で収穫残し(刈り残し)を避けるため、最大ずれ量は、オーバ―ラップ値を超えないように操舵量が設定される。この操舵量も、制御パラメータに含めることで、比率及び特徴データに基づく自動のジグザグ走行が可能となる。このように左右の横ずれを伴いながら進行することにより、機体1(結果的には収穫部15)が植立穀稈に対して斜めの姿勢で突入し、向い刈りにおける刈取り性能が改善される。左側最大ずれ量:dLと右側最大ずれ量:dRとは同じでもよいし、倒伏状態に応じて異なってもよい。
【0057】
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
【0058】
(1)上述の実施形態では、作物実高さ演算部31は、作物高さを算出するために、点群データだけでなく、特徴データ生成部30からの特徴データとしての色情報を用いていたが、点群データだけで作物高さを算出してもよい。
【0059】
(2)図3の機能ブロック図の各機能部は、主に説明目的で区分けされており、実際には、任意の機能部の統合や分離は自在である。例えば、作物実高さ演算部31や特徴データ生成部30は、制御ユニット3の外部ユニットとして構成してもよい。あるいは、特徴データ生成部30、作物実高さ演算部31、比率演算部33、統合された1つのユニットで構成してもよい。
【0060】
(3)上述の実施形態では、走行装置11はクローラ式に構成されているが、走行装置11はホイール式に構成されてもよい。
【0061】
(4)上述の実施形態では、クラス/パラメータテーブル34bは、倒伏方向によって決定される複数のモードを有していたが、植立作物の品種や圃場によって異なるモードが用意されてもよい。その際、使用されるモードは、監視者の意向などによって決定される。なお、クラス/パラメータテーブル34bは、比率のみで制御パラメータを導出するように構成されてもよいし、比率をクラス分けせずに、比率から直接制御パラメータを導出するように構成されてもよい。
【0062】
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、普通型コンバインのみならず、自脱型コンバイン等、作物を収穫する収穫機全般(例えばトウモロコシ収穫機やニンジン収穫機)に適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 :機体
3 :制御ユニット
30 :特徴データ生成部
31 :作物実高さ演算部
32 :基準高さ取得部
33 :比率演算部
34 :制御パラメータ調節部
34a :クラス分け部
34b :クラス/パラメータテーブル
11 :走行装置
15 :収穫部
15A :収穫ヘッダ
15B :掻込リール
21 :作物高さ検出ユニット
21A :第1物体検出器(物体位置計測器)
21B :第2物体検出器(物体位置計測器)
22 :カメラユニット
22A :第1カメラ
22B :第2カメラ
23 :収穫高さ検出部
24a :リール高さ検出部
24b :リール前後位置検出部
25 :オーガ高さ検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7