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特許7542386情報配信システム、情報配信装置、および情報配信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報配信システム、情報配信装置、および情報配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20240823BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240823BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H04L67/02
G06Q50/10
G08B27/00 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020167527
(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公開番号】P2022059747
(43)【公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】513034187
【氏名又は名称】株式会社J-WAVEi
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】勝又 教男
(72)【発明者】
【氏名】水野 啓太
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-199851(JP,A)
【文献】特開2004-118702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G06Q 50/10
G08B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住民に避難準備を呼びかけるための避難準備情報または住民に対して避難を呼びかけるための避難情報を配信する情報配信装置と、前記情報配信装置から配信される情報を受信して出力する情報受信端末とが通信回線を介して接続された情報配信システムであって、
前記情報配信装置は、
前記避難準備情報または前記避難情報の配信先グループと、前記避難準備情報または前記避難情報の内容を示す発令情報とを含んだ配信用情報の入力を受け付ける配信用情報入力受付手段と、
前記配信用情報が前記避難準備情報の配信用情報である場合には、前記配信先グループに所属するユーザであって、あらかじめ支援が必要な避難行動要支援者として登録されているユーザと、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者として登録されているユーザとを配信先のユーザとして特定する第1の配信先特定手段と、
前記配信用情報が前記避難情報の配信用情報である場合には、前記配信先グループに所属するユーザを配信先のユーザとして特定する第2の配信先特定手段と、
前記第1の配信先特定手段または前記第2の配信先特定手段によって特定された配信先のユーザが所持する前記情報受信端末へ、前記避難準備情報または前記避難情報の発令を通知するための通知情報を送信する通知情報送信手段とを備え、
前記情報受信端末は、
前記情報配信装置から前記通知情報を受信する通知情報受信手段と、
前記通知情報受信手段によって受信された前記通知情報に基づいて前記避難準備情報または前記避難情報を出力してユーザに通知する通知手段とを備え
前記第2の配信先特定手段は、前記避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのうち、自宅位置のハザード情報が避難情報の配信対象となっているハザード種別に一致しているユーザを配信先のユーザとして特定することを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報配信システムにおいて、
前記第1の配信先特定手段は、避難準備情報の配信対象地区に所属している避難行動要支援者と、該避難行動要支援者に支援者として紐づけられている避難行動支援者を特定することにより、配信先のユーザを特定することを特徴とする情報配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報配信システムにおいて、
前記第1の配信先特定手段は、避難行動要支援者と該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者とを関連付けた支援者関連付け情報を参照して、避難行動要支援者に紐づけられている避難行動支援者を特定することを特徴とする情報配信システム。
【請求項4】
請求項のいずれか一項に記載の情報配信システムにおいて、
前記第1の配信先特定手段、および前記第2の配信先特定手段は、ユーザの自宅位置に基づいて特定された居住区に基づいて、前記避難準備情報または前記避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定することを特徴とする情報配信システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の情報配信システムにおいて、
前記発令情報は、テキスト情報または音声情報であることを特徴とする情報配信システム。
【請求項6】
住民に避難準備を呼びかけるための避難準備情報または住民に対して避難を呼びかけるための避難情報の配信先グループと、前記避難準備情報または前記避難情報の内容を示す発令情報とを含んだ配信用情報の入力を受け付ける配信用情報入力受付手段と、
前記配信用情報が前記避難準備情報の配信用情報である場合には、前記配信先グループに所属するユーザであって、あらかじめ支援が必要な避難行動要支援者として登録されているユーザと、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者として登録されているユーザとを配信先のユーザとして特定する第1の配信先特定手段と、
前記配信用情報が前記避難情報の配信用情報である場合には、前記配信先グループに所属するユーザを配信先のユーザとして特定する第2の配信先特定手段と、
前記第1の配信先特定手段または前記第2の配信先特定手段によって特定された配信先のユーザが所持する情報受信端末へ、前記避難準備情報または前記避難情報の発令を通知するための通知情報を送信する通知情報送信手段とを備え
前記第2の配信先特定手段は、前記避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのうち、自宅位置のハザード情報が避難情報の配信対象となっているハザード種別に一致しているユーザを配信先のユーザとして特定することを特徴とする情報配信装置。
【請求項7】
請求項に記載の情報配信装置において、
前記第1の配信先特定手段は、避難準備情報の配信対象地区に所属している避難行動要支援者と、該避難行動要支援者に支援者として紐づけられている避難行動支援者を特定することにより、配信先のユーザを特定することを特徴とする情報配信装置。
【請求項8】
請求項に記載の情報配信装置において、
前記第1の配信先特定手段は、避難行動要支援者と該避難行動要支援者を支援する支援者とを関連付けた支援者関連付け情報を参照して、避難行動要支援者に紐づけられている避難行動支援者を特定することを特徴とする情報配信装置。
【請求項9】
請求項のいずれか一項に記載の情報配信装置において、
前記第1の配信先特定手段、および前記第2の配信先特定手段は、ユーザの自宅位置に基づいて特定された居住区に基づいて、前記避難準備情報または前記避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定することを特徴とする情報配信装置。
【請求項10】
請求項のいずれか一項に記載の情報配信装置において、
前記発令情報は、テキスト情報または音声情報であることを特徴とする情報配信装置。
【請求項11】
住民に避難準備を呼びかけるための避難準備情報または住民に対して避難を呼びかけるための避難情報の配信先グループと、前記避難準備情報または前記避難情報の内容を示す発令情報とを含んだ配信用情報の入力を受け付ける配信用情報入力受付手順と、
前記配信用情報が前記避難準備情報の配信用情報である場合には、前記配信先グループに所属するユーザであって、あらかじめ支援が必要な避難行動要支援者として登録されているユーザと、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者として登録されているユーザとを配信先のユーザとして特定する第1の配信先特定手順と、
前記配信用情報が前記避難情報の配信用情報である場合には、前記配信先グループに所属するユーザを配信先のユーザとして特定する第2の配信先特定手順と、
前記第1の配信先特定手順または前記第2の配信先特定手順で特定した配信先のユーザが所持する情報受信端末へ、前記避難準備情報または前記避難情報の発令を通知するための通知情報を送信する通知情報送信手順とをコンピュータに実行させるための情報配信プログラムであって、
前記第2の配信先特定手順は、前記避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのうち、自宅位置のハザード情報が避難情報の配信対象となっているハザード種別に一致しているユーザを配信先のユーザとして特定することを特徴とする情報配信プログラム
【請求項12】
請求項1に記載の情報配信プログラムにおいて、
前記第1の配信先特定手順は、避難準備情報の配信対象地区に所属している避難行動要支援者と、該避難行動要支援者に支援者として紐づけられている避難行動支援者を特定することにより、配信先のユーザを特定することを特徴とする情報配信プログラム。
【請求項13】
請求項1に記載の情報配信プログラムにおいて、
前記第1の配信先特定手順は、避難行動要支援者と該避難行動要支援者を支援する支援者とを関連付けた支援者関連付け情報を参照して、避難行動要支援者に支援者として紐づけられている避難行動支援者を特定することを特徴とする情報配信プログラム。
【請求項14】
請求項1~1のいずれか一項に記載の情報配信プログラムにおいて、
前記第1の配信先特定手順、および前記第2の配信先特定手順は、ユーザの自宅位置に基づいて特定された居住区に基づいて、前記避難準備情報または前記避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定することを特徴とする情報配信プログラム。
【請求項15】
請求項1~1のいずれか一項に記載の情報配信プログラムにおいて、
前記発令情報は、テキスト情報または音声情報であることを特徴とする情報配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報配信装置、および情報配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような緊急情報伝達システムが知られている。この緊急情報伝達システムでは、防災センターからの防災情報を管轄地域内に予め配置した受信設備に配信するとともに、災害に係る緊急時には防災センターからの緊急の防災情報を電気通信事業者が提供する無線通信システムを介して、当該災害地域内に存する携帯無線端末機に対しても緊急の防災情報を伝達する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-36645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防災行政無線のように特定の地域に対して避難情報を放送する仕組みが存在している。また、高齢者や子供など避難に時間の要する人へ避難準備を呼びかけるための情報、例えば避難準備・高齢者等避難開始が発令される場合がある。そして、避難準備を呼びかけるための情報の発令対象者は避難準備を支援する支援者を必要とする場合がある。このような状況を鑑み、避難準備を呼びかけるための情報を発令するときには、避難準備が必要な地区のユーザが避難行動要支援者である場合に、そのユーザの避難行動支援者にも避難準備を呼びかけるための情報の発令を通知するための仕組みが望まれるが、従来のシステムではこのための方法について何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による情報配信システムは、住民に避難準備を呼びかけるための避難準備情報または住民に対して避難を呼びかけるための避難情報を配信する情報配信装置と、情報配信装置から配信される情報を受信して出力する情報受信端末とが通信回線を介して接続された情報配信システムであって、情報配信装置は、避難準備情報または避難情報の配信先グループと、避難準備情報または避難情報の内容を示す発令情報とを含んだ配信用情報の入力を受け付ける配信用情報入力受付手段と、配信用情報が避難準備情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザであって、あらかじめ支援が必要な避難行動要支援者として登録されているユーザと、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者として登録されているユーザとを配信先のユーザとして特定する第1の配信先特定手段と、配信用情報が避難情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザを配信先のユーザとして特定する第2の配信先特定手段と、第1の配信先特定手段または第2の配信先特定手段によって特定された配信先のユーザが所持する情報受信端末へ、避難準備情報または避難情報の発令を通知するための通知情報を送信する通知情報送信手段とを備え、情報受信端末は、情報配信装置から通知情報を受信する通知情報受信手段と、通知情報受信手段によって受信された通知情報に基づいて避難準備情報または避難情報を出力してユーザに通知する通知手段とを備え、第2の配信先特定手段は、避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのうち、自宅位置のハザード情報が避難情報の配信対象となっているハザード種別に一致しているユーザを配信先のユーザとして特定することを特徴とする。
本発明による情報配信装置は、住民に避難準備を呼びかけるための避難準備情報または住民に対して避難を呼びかけるための避難情報の配信先グループと、避難準備情報または避難情報の内容を示す発令情報とを含んだ配信用情報の入力を受け付ける配信用情報入力受付手段と、配信用情報が避難準備情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザであって、あらかじめ支援が必要な避難行動要支援者として登録されているユーザと、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者として登録されているユーザとを配信先のユーザとして特定する第1の配信先特定手段と、配信用情報が避難情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザを配信先のユーザとして特定する第2の配信先特定手段と、第1の配信先特定手段または第2の配信先特定手段によって特定された配信先のユーザが所持する情報受信端末へ、避難準備情報または避難情報の発令を通知するための通知情報を送信する通知情報送信手段とを備え、第2の配信先特定手段は、避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのうち、自宅位置のハザード情報が避難情報の配信対象となっているハザード種別に一致しているユーザを配信先のユーザとして特定することを特徴とする。
本発明による情報配信プログラムは、住民に避難準備を呼びかけるための避難準備情報または住民に対して避難を呼びかけるための避難情報の配信先グループと、避難準備情報または避難情報の内容を示す発令情報とを含んだ配信用情報の入力を受け付ける配信用情報入力受付手順と、配信用情報が避難準備情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザであって、あらかじめ支援が必要な避難行動要支援者として登録されているユーザと、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者として登録されているユーザとを配信先のユーザとして特定する第1の配信先特定手順と、配信用情報が避難情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザを配信先のユーザとして特定する第2の配信先特定手順と、第1の配信先特定手順または第2の配信先特定手順で特定した配信先のユーザが所持する情報受信端末へ、避難準備情報または避難情報の発令を通知するための通知情報を送信する通知情報送信手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、第2の配信先特定手順は、避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのうち、自宅位置のハザード情報が避難情報の配信対象となっているハザード種別に一致しているユーザを配信先のユーザとして特定することを特徴とする
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、避難準備を呼びかけるための情報が発令された場合には、該当する地区の避難行動要支援者とともに、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者にも通知することができ、避難情報が発令された場合には、該当する地区のユーザに通知することができる。これによって、避難情報が発令された場合には、該当する地区のユーザに避難を促すことができ、避難準備を呼びかけるための情報が発令されたときには、避難行動要支援者に避難準備を促すとともに、そのユーザを支援する避難行動支援者に避難準備の支援を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報配信システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】情報配信装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図3】記録装置200一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4】情報送信端末300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図5】情報受信端末400の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図6】居住区グループマスタとハザード情報マスタの一例を示す図である。
図7】ユーザ情報とユーザ自宅のハザード情報の一例を示す図である。
図8】支援者関連付け情報の一例を示す図である。
図9】情報配信装置100で実行されるユーザ登録処理の流れを示すフローチャート図である。
図10】情報配信装置100で実行される支援情報登録処理の流れを示すフローチャート図である。
図11】情報配信装置100で実行される避難準備情報配信処理の流れを示すフローチャート図である。
図12】情報配信装置100で実行される避難情報配信処理の流れを示すフローチャート図である。
図13】記録装置200で実行される情報記録処理の流れを示すフローチャート図である。
図14】情報受信端末400で実行されるユーザ情報の新規登録処理の流れを示すフローチャート図である。
図15】情報受信端末400で実行される情報出力処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態における情報配信システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報配信システム10は、情報配信装置100と、記録装置200と、情報送信端末300と、情報受信端末400とが通信回線、例えばインターネットや携帯電話通信網などを介して接続される。
【0009】
情報配信装置100は、情報送信端末300で入力された避難情報や避難準備情報を情報受信端末400へ配信するための処理を実行する装置であって、例えばパソコンやサーバなどの装置が用いられる。図2は、本実施の形態における情報配信装置100として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報配信装置100は、接続インターフェース101と、制御装置102と、記憶媒体103とを備えている。なお、本実施の形態では、自治体から発令された、地域住民に対して避難を呼びかけるための情報を避難情報と呼び、避難準備を呼びかけるための情報を避難準備情報と呼ぶ。ここで避難情報は避難勧告や避難指示などの情報を含み、避難準備情報は、避難準備・高齢者等避難開始を含むものとする。
【0010】
接続インターフェース101は、情報配信装置100をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、情報配信装置100は、この接続インターフェース101を介して記録装置200、情報送信端末300、および情報受信端末400と通信する。
【0011】
制御装置102は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報配信装置100の全体を制御する。なお、制御装置102を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース101を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0012】
記憶媒体103は、情報配信装置100が蓄える種々のデータや、制御装置102が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体103に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体103にインストールすることによって、制御装置102がプログラムを実行できるようになる。
【0013】
記録装置200は、情報受信端末400を所持するユーザに関するユーザ情報などの種々の情報を保存するためのデータベースを記録するための装置であって、例えばパソコンやサーバなどの装置が用いられる。図3は、本実施の形態における記録装置200として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。記録装置200は、接続インターフェース201と、制御装置202と、記憶媒体203とを備えている。
【0014】
接続インターフェース201は、記録装置200をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、記録装置200は、この接続インターフェース201を介して情報配信装置100と通信する。
【0015】
制御装置202は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、記録装置200の全体を制御する。なお、制御装置202を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース201を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0016】
記憶媒体203は、記録装置200が蓄える種々のデータや、制御装置202が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体203に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体203にインストールすることによって、制御装置202がプログラムを実行できるようになる。本実施の形態では、後述するように、情報受信端末400を所持するユーザに関するユーザ情報などの種々の情報を保存するためのデータベースが記憶媒体203に記録される。
【0017】
情報送信端末300は、避難情報や避難準備情報の配信者によって操作され、配信対象となる避難情報や避難準備情報、およびこれらの情報の配信先などの情報の入力を受け付けて、入力された情報を情報配信装置100へ送信するための処理を実行する端末であって、例えばパソコン、タブレット端末、携帯電話、またはスマートフォンなどの装置が用いられる。図4は、情報送信端末300としてパソコンを用いた場合の一実施の形態の構成を示している。情報送信端末300は、操作部材301と、制御装置302と、記憶媒体303と、表示装置304と、通信モジュール305とを備えている。
【0018】
操作部材301は、情報送信端末300の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
【0019】
制御装置302は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報送信端末300の全体を制御する。なお、制御装置302を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
【0020】
記憶媒体303は、情報送信端末300が蓄える種々のデータや、制御装置302が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体303に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体303にインストールすることによって、制御装置302がプログラムを実行できるようになる。
【0021】
表示装置304は、例えば液晶ディスプレイなどであって、制御装置302によって出力された表示用データを表示するための装置である。
【0022】
通信モジュール305は、無線または有線により情報配信装置100と通信するための通信用モジュールを含む。
【0023】
情報受信端末400は、情報配信装置100から配信される避難情報や避難準備情報を受信して出力することにより、避難情報や避難準備情報を情報受信端末400の所有者に通知するための処理を実行する端末であって、例えばパソコン、タブレット端末、携帯電話、またはスマートフォンなどの装置が用いられる。図5は、本実施の形態における情報受信端末400として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報受信端末400は、タッチパネル401と、通信モジュール402と、制御装置403とを備えている。
【0024】
タッチパネル401は、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、情報受信端末400の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、情報受信端末400を操作することができる。タッチパネル401は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置403へ出力する。
【0025】
通信モジュール402は、無線または有線により情報配信装置100と通信するための通信用モジュールを含む。
【0026】
制御装置403は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報受信端末400の全体を制御する。なお、制御装置403を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、情報受信端末400を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
【0027】
本実施の形態における情報配信システム10では、情報受信端末400のユーザは、あらかじめ情報配信システム10を利用するためのソフトウェア、例えば情報配信システム用アプリを情報受信端末400にインストールすることにより情報配信装置100から避難情報や避難準備情報を受信することができる。ユーザは、情報配信システム用アプリをインストールした後に、情報配信システム用アプリを利用するための設定を行う。
【0028】
情報配信システム用アプリを利用するための設定の方法について説明する。制御装置403は、ユーザによって情報配信システム用アプリの起動が指示されると、タッチパネル401に情報配信システムにログインするためのログイン画面を表示する。本実施の形態では、メールアドレスとパスワードを入力してログインするものとし、登録済みのユーザは、ログイン画面上で登録済みのメールアドレスとパスワードを入力すれば情報配信システム用アプリを利用することができる。なお、本実施の形態では、あらかじめ登録されているログイン情報に含まれるメールアドレスとパスワードの情報を用いてログインのためのユーザ認証処理を行うものとする。メールアドレスとパスワードを用いたログインの方法は公知のため説明を省略するが、ユーザ認証処理は情報配信装置100で行ってもよいし情報受信端末400で行ってもよい。
【0029】
一方、未登録のユーザは、タッチパネル401上に新規登録用の画面を表示させて情報配信システムを利用するためのユーザ情報の新規登録を行う。以下、本実施の形態におけるユーザ情報を登録するための処理について説明する。情報受信端末400の制御装置403は、タッチパネル401上に表示した新規登録用の画面上で、ユーザ登録情報の入力を受け付ける。本実施の形態では、ユーザは、ログイン用のメールアドレスとパスワード、ユーザ名、およびユーザが所属する避難対象グループの各情報をユーザ登録情報として入力するものとする。なお、ユーザは、ユーザ名として自身の氏名やニックネームなどを入力すればよい。
【0030】
本実施の形態では、ユーザは、ユーザが住んでいる居住区に応じてグループ分けされるものとし、避難対象グループの情報としては、ユーザが住んでいる居住区の情報が入力される。居住区の情報は、例えば、町、行政区、常会などの地域コミュニティの単位を示す情報が入力される。なお、居住区の情報は、ユーザがタッチパネル401上で直接入力してもよいし、あらかじめ用意されたリストの中から選択して指定できるようにしてもよい。
【0031】
制御装置403は、ユーザによってユーザ登録情報が入力されると、入力された居住区の情報に基づいて、該居住区を中心とした地図をタッチパネル401上に表示する。表示する地図のデータは、情報受信端末400のメモリから読み出してもよいし、インターネット上の地図提供サービスから取得してもよい。ユーザは、タッチパネル401上に表示された地図上で自宅の場所を指定する。例えば、地図上には十字カーソルが表示されており、ユーザは、地図上の自身の自宅位置に十字カーソルを合わせた状態で決定ボタンをタップすることにより、タッチパネル401上に表示された地図上で自宅の場所を指定することができる。制御装置403は、地図上で指定された自宅位置の緯度経度情報を取得し、取得した緯度経度情報を情報配信装置100へ送信する。
【0032】
情報配信装置100では、制御装置102は、情報受信端末400から緯度経度情報を受信すると、受信した緯度経度情報に基づいて当該場所のハザード情報を取得する。本実施の形態では、情報配信装置100では、あらかじめ自治体が提供するハザードマップに基づく災害区域に関する情報が記録されており、制御装置102は、該災害区域に関する情報を参照することにより、情報受信端末400から受信した緯度経度情報が示す場所のハザード情報を特定することができるようになっている。ここで、特定されるハザード情報は、洪水浸水想定区域、津波浸水区域、土砂災害警戒区域などである。制御装置102は、特定したハザード情報を情報受信端末400へ送信する。
【0033】
情報受信端末400では、制御装置403は、情報配信装置100からユーザの自宅位置に応じたハザード情報を受信すると、受信した情報に基づく確認用メッセージをタッチパネル401上に表示することにより、ユーザに自宅のハザード情報の確認を促す。例えば、制御装置403は、タッチパネル401上に「あなたがお住まいのところは、土砂災害警戒区域です」のようなメッセージを表示するとともに、確認ボタンを表示してユーザに確認を促す。ユーザは、タッチパネル401に表示されたメッセージ内容に間違いがない場合は確定ボタンをタップする。制御装置403は、ユーザによって確定ボタンがタップされた場合は、上述したユーザ登録情報とハザード情報とを情報配信装置100へ送信する。
【0034】
情報配信装置100では、制御装置102は、情報受信端末400からユーザ登録情報とハザード情報を受信した場合には、受信した情報を記録装置200へ送信する。記録装置200では、制御装置202は、情報配信装置100から受信したユーザ登録情報とハザード情報に基づいて、ユーザ情報とユーザ自宅のハザード情報とを記憶媒体203に記録する。以下、制御装置202によるユーザ情報とユーザ自宅のハザード情報の記録処理について説明する。
【0035】
制御装置202は、情報配信装置100からユーザ登録情報とハザード情報を受信すると、ユーザを一意に特定するためのユーザIDを発行する。また、あらかじめ記憶媒体203に記録されている居住区グループマスタとハザード情報マスタを参照して、ユーザの居住区に応じた居住区IDと、ハザード情報に応じたハザードIDを特定する。
【0036】
本実施の形態における居住区グループマスタでは、例えば図6(A)に示すように、居住区IDと居住区を示すグループ名とが関連付けて記録されている。制御装置202は、図6(A)に示す居住区グループマスタを参照して、グループ名が情報配信装置100から受信したユーザ登録情報に含まれる居住区に一致するレコードを抽出し、抽出したレコードの居住区IDをユーザ居住区の居住区IDとして特定する。
【0037】
また、本実施の形態におけるハザード情報マスタでは、例えば図6(B)に示すように、ハザードIDとハザードマップに基づく災害区域を示すリスク名とが関連付けて記録されている。制御装置202は、図6(B)に示すハザードマスタを参照して、リスク名が情報配信装置100から受信したハザード情報に一致するレコードを抽出し、抽出したレコードのハザードIDをユーザ居住区のハザードIDとして特定する。
【0038】
制御装置202は、ユーザIDとユーザ名と居住区IDとを関連付けた情報をユーザ情報として記憶媒体203に記録する。また、制御装置202は、ユーザIDとハザードIDとを関連付けた情報をユーザ自宅のハザード情報として記憶媒体203に記録する。これによって、例えば図7(A)に示すようなユーザ情報と図7(B)に示すようなユーザ自宅のハザード情報が記憶媒体203に記録される。なお、本実施の形態におけるユーザ情報では、図7(A)に示すように、さらに要支援者の情報と支援者の情報が付される。
【0039】
本実施の形態では、ユーザ、すなわち情報受信端末400の所有者が避難の際に支援を要する避難行動要支援者である場合に、あらかじめユーザが避難行動要支援者であることを登録することができ、避難行動要支援者として登録されたユーザは、図7(A)に示すユーザ情報において要支援者に「はい」が記録される。一方、避難行動要支援者として登録されていないユーザは、図7(A)に示すユーザ情報において要支援者に「いいえ」が記録される。また、避難の際に避難行動要支援者を支援するユーザについてもあらかじめユーザが避難行動支援者であることを登録することができ、避難行動支援者として登録されたユーザは、に図7(A)に示すユーザ情報において支援者に「はい」が記録される。一方、避難行動支援者として登録されていないユーザは、図7(A)に示すユーザ情報において支援者に「いいえ」が記録される。以下、ユーザ情報に要支援者の情報と支援者の情報を登録するための処理について説明する。
【0040】
本実施の形態では、避難行動要支援者と避難行動支援者は、例えば図8に示す支援者関連付け情報によりユーザIDを用いて紐づけして管理される。例えば、図7に示した例において、ユーザIDが1のユーザが、ユーザIDが2のユーザの支援者である場合には、支援者関連付け情報は、図8に示すようになる。図8に示す例では、ユーザID=1と要支援者のユーザID=2とを紐づけることにより、ユーザIDが1のユーザが、ユーザIDが2のユーザの支援者であることを示している。
【0041】
図7に示すユーザ情報に要支援者の情報や支援者の情報を登録するため、および図8に示す支援者関連付け情報で支援者と要支援者とを紐づけるために、支援に関する情報の登録者が避難行動要支援者と避難行動支援者を登録するための操作を行う。本実施の形態では、自治体の担当者が支援に関する情報の登録者となり、情報送信端末300を操作して避難行動要支援者と避難行動支援者を登録する方法について説明する。例えば、地域の区長、民生員などが避難行動要支援者と避難行動支援者をペアにして自治体に避難行動要支援者と避難行動支援者の登録を申請すると、自治体の担当者が避難行動要支援者と避難行動支援者の登録作業を行う場合を想定する。このとき、自治体の担当者は、登録対象の人物が避難行動要支援者と避難行動支援者として適切か審査を行って、問題がない場合に以下に説明する登録作業を進めればよい。なお、本実施の形態では、紐づけ対象となる避難行動要支援者と避難行動支援者のユーザ情報は、あらかじめ登録されて記録装置200に登録されているものとする。
【0042】
自治体の担当者は、情報送信端末300の操作部材301を操作して表示装置304に情報配信システム管理画面を表示させる。例えば、支援に関する情報の登録者は、Webブラウザ上であらかじめ指定されている管理用URLにアクセスすることにより、管理画面を表示させることができる。本実施の形態では、管理用URLは、情報配信装置100に記録されている管理用ページにアクセス可能なURLが指定されているものとし、管理用ページにアクセスすると表示装置304に管理画面が表示されるようになっている。そして、この管理画面上で入力された情報は、制御装置302によって情報配信装置100に送信され、制御装置102が管理画面上で入力された情報に基づいて種々の処理を実行したり、表示装置304に表示する画面を切り替えたりするものとする。
【0043】
自治体の担当者は、管理画面上で避難行動支援者の紐づけを行うための操作を行う。自治体の担当者によって管理画面上で避難行動支援者の紐づけを行うための操作開始が指示されると、制御装置102は、情報送信端末300の表示装置304に、登録が申請された避難行動要支援者を検索するための避難行動要支援者検索画面を表示する。自治体の担当者は、避難行動要支援者検索画面上でユーザ情報に登録が申請された避難行動要支援者のユーザ情報を検索する。ここでは、自治体の担当者は名前、メールアドレス、居住区などを検索キーワードとして管理画面のユーザ検索欄に入力して、登録が申請された避難行動要支援者の検索を指示する。
【0044】
情報配信装置100の制御装置102は、避難行動要支援者検索画面上でユーザの検索が指示された場合には、記録装置200にアクセスして、入力された検索キーワードに合致するユーザ情報を抽出する。そして、制御装置102は、抽出したユーザ情報を検索結果画面に一覧表示する。自治体の担当者は、一覧表示されたユーザ情報の中から避難行動要支援者として登録するユーザを選択する。制御装置102は、選択されたユーザを登録対象の避難行動要支援者として特定し、該登録対象の避難行動要支援者のユーザ情報を表示したユーザ情報詳細画面を情報送信端末300の表示装置304に表示する。ユーザ情報詳細画面には、該登録対象の避難行動要支援者に対して避難行動支援者を新たに紐づけるための「避難行動支援者の追加」ボタンが配置されている。また、該登録対象の避難行動要支援者が既に避難行動支援者や避難行動要支援者として登録されている場合には、制御装置102は、図8に示した支援者関連付け情報を参照して該該登録対象の避難行動要支援者に紐づけられている避難行動要支援者または避難行動支援者を特定して、特定した避難行動要支援者または避難行動支援者のユーザ情報をユーザ情報詳細画面に表示する。
【0045】
制御装置102は、自治体の担当者によってユーザ情報詳細画面で「避難行動支援者の追加」ボタンがクリックされると、登録対象の避難行動要支援者に対して紐づける避難行動支援者を検索するための避難行動支援者検索画面を情報送信端末300の表示装置304に表示する。自治体の担当者は、避難行動支援者検索画面において、登録対象の避難行動支援者の名前、メールアドレス、居住区などを検索キーワードとして入力してユーザの検索を指示する。制御装置102は、記録装置200にアクセスして、入力された検索キーワードに合致するユーザ情報を抽出して、抽出したユーザ情報を検索結果画面に一覧表示する。自治体の担当者は、一覧表示されたユーザ情報の中から登録が申請された避難行動支援者のユーザ情報を選択する。制御装置102は、ユーザ情報が選択されたユーザを紐づけ対象の避難行動支援者として特定する。
【0046】
制御装置102は、記録装置200にアクセスし、登録対象の避難行動要支援者のユーザIDと紐づけ対象の避難行動支援者のユーザIDとを関連付けて図8に示した支援者関連付け情報を登録する。また、登録対象の避難行動要支援者のユーザ情報の「要支援者」を「はい」に更新し、紐づけ対象の避難行動支援者のユーザ情報の「支援者」を「はい」に更新する。これによって、図7に示すユーザ情報に要支援者の情報や支援者の情報を登録することができる。また、図8に示す支援者関連付け情報に支援者と要支援者の紐づけ情報を登録することができる。
【0047】
本実施の形態では、図7に示したユーザ情報の登録が完了すると、ユーザ登録が完了しているユーザを対象として避難準備情報や避難情報を配信することができる。また、図8に示した支援者関連付け情報の登録が完了すると、避難行動要支援者として登録されているユーザに対して避難準備情報や避難情報を配信するときに、紐づけられている避難行動支援者に対しても避難準備情報や避難情報を配信することができる。以下、避難準備情報を配信するための避難準備情報配信処理と、避難情報を配信するための避難情報配信処理について説明する。
【0048】
まずは本実施の形態における避難準備情報配信処理について説明する。避難準備情報とは高齢者や子供など避難に時間の要する人へ避難準備を呼びかけるための情報であって、本実施の形態では、自治体の担当者が情報送信端末300を操作して避難準備情報の配信を指示することができる。自治体の担当者は、情報送信端末300の操作部材301を操作して表示装置304に上述した管理画面を表示させる。自治体の担当者は、管理画面上で避難準備情報を配信するための操作を行う。自治体の担当者は、管理画面上で避難準備情報を配信するための操作開始を指示すると、管理画面上に避難準備情報を入力するための避難準備情報入力画面が表示される。
【0049】
自治体の担当者は、避難準備情報入力画面上で避難準備情報を発令するために必要な情報を含んだ配信用情報を入力する。本実施の形態では、自治体の担当者は、避難準備情報の配信対象とする配信先グループと、避難準備情報として発令する発令情報とを配信用情報として入力する。本実施の形態では、避難準備情報の配信先グループは、避難準備情報の配信対象地区が指定され、該配信対象地区に属するユーザに対して避難準備情報を配信するようにする。また、発令情報は、避難準備情報の内容を示す情報として例えば「A川のB橋付近の水位が上昇、避難準備・高齢者等避難開始」のようなテキスト情報が入力される。
【0050】
情報配信装置100の制御装置102は、記録装置200にアクセスし、ユーザ情報の居住区IDと要支援者の情報に基づいて、避難準備情報入力画面上で選択された配信対象地区に所属している避難行動要支援者を特定し、特定した避難行動要支援者のユーザ情報を取得する。また、制御装置102は、支援者関連付け情報に基づいて、特定した避難行動要支援者に紐づけられている避難行動支援者を特定し、特定した避難行動支援者のユーザ情報も取得する。また、制御装置102は、ユーザ情報を取得した避難行動要支援者と避難行動支援者を配信対象者として、配信する避難準備情報を作成する。ここで、避難準備情報には、例えば情報を配信する自治体名、ユーザの所属行政区名、件名、発令する情報のテキストなどが含まれる。
【0051】
制御装置102は、避難準備情報の配信対象者が所持する情報受信端末400に宛てて避難準備情報の配信を通知する。本実施の形態では、制御装置102は、避難準備情報の配信通知は、例えば情報受信端末400へ通知情報をプッシュ通知することにより行う。プッシュ通知の方法は公知の技術ため説明を省略するが、例えば、制御装置102は、外部のプッシュ通知用サーバへ情報受信端末400への配信する避難準備情報を通知情報として送信することにより、プッシュ通知用サーバを介して行う方法などが考えられる。
【0052】
配信対象者の情報受信端末400では、制御装置403は、通知情報を受信すると、それをトリガにして受信した避難準備情報をタッチパネル401に表示する。これによって、避難準備情報の発令対象地区に居住している避難行動要支援者と、該避難行動要支援者の避難行動支援者に対して避難準備情報を配信することができる。
【0053】
次に本実施の形態における避難情報配信処理について説明する。本実施の形態では、自治体の担当者が情報送信端末300を操作して避難情報の配信を指示することができる。自治体の担当者は、情報送信端末300の操作部材301を操作して表示装置304に上述した管理画面を表示させる。自治体の担当者は、管理画面上で避難情報を配信するための操作を行う。自治体の担当者は、管理画面上で避難情報を配信するための操作開始を指示すると、管理画面上に避難情報を入力するための避難情報入力画面が表示される。
【0054】
自治体の担当者は、避難情報入力画面上で避難情報を発令するために必要な情報を含んだ配信用情報を入力する。本実施の形態では、自治体の担当者は、避難情報の配信対象とする配信先グループ、避難情報レベル、ハザード種別、および避難情報として発令する発令情報を配信用情報として入力する。避難情報の配信先グループは避難情報の配信対象地区として、避難情報を発令する地区が指定される。避難情報レベルは、避難準備、避難勧告、避難指示、避難解除などが指定される。ハザード種別は、洪水浸水想定区域、津波浸水区域、土砂災害警戒区域などが指定される。発令情報は、避難情報の内容を示す情報として例えば「A川のB橋付近の水位が上昇、避難準備・高齢者等避難開始」のようなテキスト情報が入力される。
【0055】
情報配信装置100の制御装置102は、記録装置200にアクセスし、ユーザ情報の居住区IDに基づいて、避難情報入力画面上で指定された配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのユーザ情報を取得する。そして、図6(B)に示したハザードマスタと図7(B)に示したユーザ自宅のハザード情報を参照して、取得したユーザ情報の中から避難情報入力画面上で指定されたハザード種別に該当するユーザを避難情報の配信対象者として特定する。また、制御装置102は、避難情報の配信対象者に配信する避難情報を作成する。ここで、避難情報には、例えば情報を配信する自治体名、ユーザの所属行政区名、件名、発令する情報のテキストなどが含まれる。
【0056】
制御装置102は、避難情報の配信対象者が所持する情報受信端末400に宛てて避難情報の配信を通知する。本実施の形態では、制御装置102は、避難情報の配信通知は、例えば情報受信端末400へ通知情報をプッシュ通知することにより行う。プッシュ通知の方法は公知の技術ため説明を省略するが、例えば、制御装置102は、外部のプッシュ通知用サーバへ情報受信端末400への配信する避難情報を通知情報として送信することにより、プッシュ通知用サーバを介して行う方法などが考えられる。
【0057】
配信対象者の情報受信端末400では、制御装置403は、通知情報を受信すると、それをトリガにして受信した避難情報をタッチパネル401に表示する。これによって、避難情報の発令対象地区に居住しているユーザに対して避難情報を配信することができる。
【0058】
図9は、本実施の形態における情報配信装置100で実行されるユーザ登録処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、ユーザ登録のために情報受信端末400から緯度経度情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。
【0059】
ステップS10において、制御装置102は、上述したように、情報受信端末400から受信した緯度経度情報に基づいてユーザの自宅場所に対応するハザード情報を取得する。その後、ステップS20へ進む。
【0060】
ステップS20では、制御装置102は、ステップS10で取得したハザード情報を情報受信端末400へ送信する。その後、ステップS30へ進む。
【0061】
ステップS30では、制御装置102は、情報受信端末400から上述したユーザ登録情報とハザード情報を受信したか否かを判断する。ステップS30で肯定判断した場合には、ステップS40へ進む。
【0062】
ステップS40では、制御装置102は、情報受信端末400から受信したユーザ登録情報とハザード情報を記録装置200へ送信して記録する。その後、処理を終了する。
【0063】
図10は、本実施の形態における情報配信装置100で実行される支援情報登録処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す処理は、上述したように、操作者によって管理画面上で避難行動支援者の紐づけを行うための操作開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。
【0064】
ステップS110において、制御装置102は、避難行動要支援者検索画面上で検索キーワードが入力されてユーザの検索が指示されたか否かを判断する。ステップS110で肯定判断した場合には、ステップS120へ進む。
【0065】
ステップS120では、制御装置102は、記録装置200にアクセスして、入力された検索キーワードに合致するユーザ情報を抽出する。その後、ステップS130へ進む。
【0066】
ステップS130では、制御装置102は、ステップS120で抽出したユーザ情報を検索結果画面に一覧表示する。その後、ステップS140へ進む。
【0067】
ステップS140では、制御装置102は、一覧表示したユーザ情報の中から操作者によっていずれかのユーザが選択されたか否かを判断する。ステップS140で肯定判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0068】
ステップS150では、制御装置102は、操作者によって選択されたユーザを登録対象の避難行動要支援者として特定し、該登録対象の避難行動要支援者のユーザ情報を表示したユーザ情報詳細画面を情報送信端末300の表示装置304に表示する。その後、ステップS160へ進む。
【0069】
ステップS160では、制御装置102は、操作者によってユーザ情報詳細画面で「避難行動支援者の追加」ボタンがクリックされることにより、支援者の追加が指示されたか否かを判断する。ステップS160で肯定判断した場合には、ステップS170へ進む。
【0070】
ステップS170では、制御装置102は、情報送信端末300の表示装置304に上述した避難行動支援者検索画面を表示する。その後、ステップS180へ進む。
【0071】
ステップS180では、制御装置102は、避難行動支援者検索画面上で検索キーワードが入力されてユーザの検索が指示されたか否かを判断する。ステップS180で肯定判断した場合には、ステップS190へ進む。
【0072】
ステップS190では、制御装置102は、記録装置200にアクセスして、入力された検索キーワードに合致するユーザ情報を抽出する。その後、ステップS200へ進む。
【0073】
ステップS200では、制御装置102は、ステップS190で抽出したユーザ情報を検索結果画面に一覧表示する。その後、ステップS210へ進む。
【0074】
ステップS210では、制御装置102は、一覧表示したユーザ情報の中から操作者によっていずれかのユーザが選択されたか否かを判断する。ステップS210で肯定判断した場合には、ステップS220へ進む。
【0075】
ステップS220では、制御装置102は、操作者によって選択されたユーザを紐づけ対象の避難行動支援者として特定する。そして、制御装置102は、記録装置200にアクセスし、登録対象の避難行動要支援者のユーザIDと紐づけ対象の避難行動支援者のユーザIDとを関連付けて上述した支援者関連付け情報を登録する。また、制御装置102は、登録対象の避難行動要支援者のユーザ情報の「要支援者」を「はい」に更新し、紐づけ対象の避難行動支援者のユーザ情報の「支援者」を「はい」に更新する。その後処理を終了する。
【0076】
図11は、本実施の形態における情報配信装置100で実行される避難準備情報配信処理の流れを示すフローチャートである。図11に示す処理は、上述したように、操作者によって管理画面上で避難準備情報を配信するための操作開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。
【0077】
ステップS310において、制御装置102は、情報送信端末300の表示装置304に、上述した避難準備情報入力画面を表示する。その後、ステップS320へ進む。
【0078】
ステップS320では、制御装置102は、避難準備情報入力画面上で操作者によって上述した避難準備情報を発令するために必要な情報が入力されたか否かを判断する。ステップS320で肯定判断した場合には、ステップS330へ進む。
【0079】
ステップS330では、制御装置102は、記録装置200にアクセスして、上述したように、避難準備情報入力画面上で指定された配信対象地区に所属している避難行動要支援者を特定し、特定した避難行動要支援者のユーザ情報を取得する。その後、ステップS340へ進む。
【0080】
ステップS340では、制御装置102は、支援者関連付け情報に基づいて、特定した避難行動要支援者に紐づけられている避難行動支援者を特定し、特定した避難行動支援者のユーザ情報を取得する。その後、ステップS350へ進む。
【0081】
ステップS350では、制御装置102は、上述したように、配信する避難準備情報を作成する。その後、ステップS360へ進む。
【0082】
ステップS360では、制御装置102は、上述したように、避難準備情報の配信対象者が所持する情報受信端末400に宛てて避難準備情報の配信を通知する。その後、処理を終了する。
【0083】
図12は、本実施の形態における情報配信装置100で実行される避難情報配信処理の流れを示すフローチャートである。図12に示す処理は、上述したように、操作者によって管理画面上で避難情報を配信するための操作開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。
【0084】
ステップS410において、制御装置102は、情報送信端末300の表示装置304に、上述した避難情報入力画面を表示する。その後、ステップS420へ進む。
【0085】
ステップS420では、制御装置102は、避難情報入力画面上で操作者によって上述した避難情報を発令するために必要な情報が入力されたか否かを判断する。ステップS420で肯定判断した場合には、ステップS430へ進む。
【0086】
ステップS430では、制御装置102は、記録装置200にアクセスして、上述したように、避難情報入力画面上で指定された配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのユーザ情報を取得する。そして、図6(B)に示したハザードマスタと図7(B)に示したユーザ自宅のハザード情報を参照して、取得したユーザ情報の中から避難情報入力画面上で指定されたハザード種別に該当するユーザを避難情報の配信対象者として特定する。その後、ステップS440へ進む。
【0087】
ステップS440では、制御装置102は、上述したように、配信する避難情報を作成する。その後、ステップS450へ進む。
【0088】
ステップS450では、制御装置102は、上述したように、避難情報の配信対象者が所持する情報受信端末400に宛てて避難情報の配信を通知する。その後、処理を終了する。
【0089】
図13は、本実施の形態における記録装置200で実行される情報記録処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理は、情報配信装置100から上述したユーザ登録情報とハザード情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。なお、図13において、上述した居住区グループマスタとハザード情報マスタは、あらかじめ記憶媒体203に記録されているものとする。
【0090】
ステップS510において、制御装置202は、ユーザを一意に特定するためのユーザIDを発行する。その後、ステップS520へ進む。
【0091】
ステップS520では、制御装置202は、上述したように、あらかじめ記憶媒体203に記録されている居住区グループマスタとハザード情報マスタを参照して、ユーザの居住区に応じた居住区IDと、ハザード情報に応じたハザードIDを特定する。その後、ステップS530へ進む。
【0092】
ステップS530では、制御装置202は、ユーザIDとユーザ名と居住区IDとを関連付けた情報をユーザ情報として記憶媒体203に記録する。その後、ステップS540へ進む。
【0093】
ステップS540では、制御装置202は、ユーザIDとハザードIDとを関連付けた情報をユーザ自宅のハザード情報として記憶媒体203に記録する。その後、処理を終了する。
【0094】
図14は、本実施の形態における情報受信端末400で実行されるユーザ情報の新規登録処理の流れを示すフローチャートである。図14に示す処理は、ユーザによってユーザ情報の新規登録の開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置403によって実行される。
【0095】
ステップS610において、制御装置403は、タッチパネル401上にユーザの新規登録用の画面を表示する。その後、ステップS620へ進む。
【0096】
ステップS620では、制御装置403は、ユーザによって上述したユーザ登録情報が入力されたか否かを判断する。ステップS620で肯定判断した場合には、ステップS630へ進む。
【0097】
ステップS630では、制御装置403は、上述したように、ユーザ登録情報として入力された居住区の情報に基づいて、該居住区を中心とした地図をタッチパネル401上に表示する。その後、ステップS640へ進む。
【0098】
ステップS640では、制御装置403は、ユーザによって、タッチパネル401上に表示した地図上で自宅の場所が指定されたか否かを判断する。ステップS640で肯定判断した場合には、ステップS650へ進む。
【0099】
ステップS650では、制御装置403は、地図上で指定された自宅位置の緯度経度情報を取得し、取得した緯度経度情報を情報配信装置100へ送信する。その後、ステップS660へ進む。
【0100】
ステップS660では、制御装置403は、上述したように、情報配信装置100からユーザの自宅位置に応じたハザード情報を受信したか否かを判断する。ステップS660で肯定判断した場合には、ステップS670へ進む。
【0101】
ステップS670では、制御装置403は、情報配信装置100から受信した情報に基づく確認用メッセージをタッチパネル401上に表示することにより、ユーザに自宅のハザード情報の確認を促す。その後、ステップS680へ進む。
【0102】
ステップS680では、制御装置403は、ユーザによる操作に基づいてハザード情報の確認結果がOKであるか否かを判断する。ステップS680で肯定判断した場合には、ステップS690へ進む。
【0103】
ステップS690では、制御装置403は、上述したように、ユーザ登録情報とハザード情報とを情報配信装置100へ送信する。その後、処理を終了する。
【0104】
図15は、本実施の形態における情報受信端末400で実行される情報出力処理の流れを示すフローチャートである。図15に示す処理は、上述したように、外部のプッシュ通知用サーバを介してプッシュ通知を受信すると起動するプログラムとして、制御装置403によって実行される。
【0105】
ステップS710において、制御装置403は、受信した情報、すなわち避難準備情報または避難情報をタッチパネル401に表示する。その後、処理を終了する。
【0106】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)情報配信装置100では、制御装置102は、避難準備情報または避難情報の配信先グループと、避難準備情報または避難情報の内容を示す発令情報とを含んだ配信用情報の入力を受け付け、配信用情報が避難準備情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザであって、あらかじめ支援が必要な避難行動要支援者として登録されているユーザと、該避難行動要支援者を支援する避難行動支援者として登録されているユーザとを配信先のユーザとして特定し、配信用情報が避難情報の配信用情報である場合には、配信先グループに所属するユーザを配信先のユーザとして特定して、特定した配信先のユーザが所持する情報受信端末400へ、避難準備情報または避難情報の発令を通知するための通知情報を送信するようにした。そして、情報受信端末400では、制御装置403は、情報配信装置100から通知情報を受信すると受信した通知情報に基づいて発令情報を出力してユーザに通知するようにした。これによって、自治体等から避難準備情報や避難情報が発令されたときに、配信先として指定されたグループに属するユーザへ発令された情報を通知することができる。また、避難準備のために支援が必要な避難行動要支援者については、当該ユーザを支援する避難行動支援者にも通知を行うことができるため、避難行動要支援者に避難準備を促すとともに、避難行動支援者へ避難行動要支援者の支援も促すことができる。
【0107】
(2)情報配信装置100の制御装置102は、避難準備情報の配信対象地区に所属している避難行動要支援者と、該避難行動要支援者に支援者として紐づけられている避難行動支援者を特定することにより、配信先のユーザを特定するようにした。これによって、配信対象の情報が避難準備情報である場合には、避難行動要支援者とともに避難行動支援者も配信先にすることができる。
【0108】
(3)制御装置102は、避難行動要支援者と該避難行動要支援者を支援する支援者とを関連付けた支援者関連付け情報を参照して、避難行動要支援者に支援者として紐づけられている避難行動支援者を特定するようにした。これによって、制御装置102は、支援者関連付け情報を参照するだけの簡易な処理により、避難行動要支援者に支援者として紐づけられている避難行動支援者を特定することができる。
【0109】
(4)制御装置102は、避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定し、特定したユーザのうち、自宅位置のハザード情報が避難情報の配信対象となっているハザード種別に一致しているユーザを配信先のユーザとして特定するようにした。これによって、避難情報が発令された地区であって自宅が被害を受ける可能性が高いユーザを配信先に設定することができる。
【0110】
(5)制御装置102は、ユーザの自宅位置に基づいて特定された居住区に基づいて、避難準備情報または避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを特定するようにした。これによって、あらかじめ登録された自宅位置が避難準備情報または避難情報の配信対象地区に所属しているユーザを対象として、避難準備情報または避難情報を配信することができる。
【0111】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の情報配信システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、情報受信端末400のユーザは、ログイン用のメールアドレスとパスワード、ユーザ名、およびユーザが所属する避難対象グループの各情報をユーザ登録情報として入力する例について説明した。しかしながら、ユーザの生年月日と性別を任意の入力項目としてユーザ登録情報に含めてもよい。
【0112】
(2)上述した実施の形態では、ユーザは、自宅の居住区に基づいてグループ分けされる例について説明した。しかしながら、ユーザのグループ分けは自宅の居住区に限定されない。例えば、居住区に代えて、避難に当たって支援が必要な高齢者の居所として想定される老人ホームの所在地に基づいてグループ分けをしてもよい。この場合、高齢者が上述した処理における避難行動要支援者となり、付近に住む青年団などが避難行動支援者となることが考えられる。
【0113】
(3)上述した実施の形態では、ユーザは、ユーザ情報の新規登録の際に、タッチパネル401上に表示された地図上で自宅の場所を指定するものとし、例えば、ユーザは、地図上に表示された十字カーソルを自身の自宅位置に合わせた状態で決定ボタンをタップすることにより、タッチパネル401上に表示された地図上で自宅の場所を指定する例について説明した。しかながら、ユーザによる自宅位置の指定方法はこれに限定されない。例えば、住所を数桁の数字で表した住所コードを用意しておき、ユーザは住所コードを入力することにより自宅位置を指定できるようにしてもよい。あるいは、住所コードを二次元コードにして紙に印刷し、情報受信端末400が備える不図示のカメラによって読み取ることによって自宅位置を指定できるようにしてもよい。これによって、タッチパネル401を用いた地図の操作に不慣れなユーザでも容易に自宅位置を指定することができる。
【0114】
(4)上述した実施の形態では、自治体の担当者が支援に関する情報の登録者となり、情報送信端末100を操作して避難行動要支援者と避難行動支援者を登録するものとした。しかしながら、支援に関する情報の登録者は自治体の担当者に限定されない。
【0115】
(5)上述した実施の形態では、支援に関する情報の登録に当たり、紐づけ対象となる避難行動要支援者と避難行動支援者のユーザ情報は、あらかじめ登録されて記録装置200に登録されているものとした。しかしながら、紐づけ対象となる避難行動要支援者と避難行動支援者のユーザ情報が登録されていない場合には、支援に関する情報の登録者が紐づけ対象となる避難行動要支援者と避難行動支援者のユーザ情報を新規に登録するようにしてもよい。この場合、上述した避難行動要支援者検索画面または避難行動支援者検索画面での検索結果の中に、紐づけ対象となる避難行動要支援者と避難行動支援者のユーザ情報が存在しない場合に、支援に関する情報の登録者、例えば自治体の担当者は、上述したユーザ情報の新規登録と同様の流れで、紐づけ対象とする避難行動要支援者と避難行動支援者のユーザ登録を行えばよい。
【0116】
(6)上述した実施の形態では、情報配信装置100として1台のサーバ装置を用いる例について説明した。しかしながら、情報配信装置100は、制御装置102が実行する上述した処理のうち、情報受信端末400から受信した緯度経度情報に基づいて当該場所のハザード情報を特定し、特定したハザード情報を情報受信端末400へ送信する処理を実行するハザード情報サーバと、それ以外の処理を実行する情報配信サーバとに分けて構成してもよい。
【0117】
(7)上述した実施の形態では、ユーザ情報、ユーザ自宅のハザード情報、居住区グループマスタ、およびハザード情報マスタは、記録装置200の記憶媒体203に記録されるものとし、情報配信装置100の制御装置202は、これらの情報を記録装置200にアクセスして取得または参照する例について説明した。しかしながら、ユーザ情報、ユーザ自宅のハザード情報、居住区グループマスタ、およびハザード情報マスタは、情報配信装置100の記憶媒体103に記録するようにして、制御装置102は、これらの情報を記憶媒体103から取得または参照するようにしてもよい。この場合、図13に示したユーザ情報とユーザ自宅のハザード情報を記録するための処理を制御装置102が実行して、記憶媒体103に記録すればよい。
【0118】
(8)上述した実施の形態では、配信される避難準備情報や避難情報の本文は、例えば、「A川のB橋付近の水位が上昇、避難準備・高齢者等避難開始」のようなテキスト情報を想定する例について説明した。しかしながら、避難準備情報や避難情報の本文は、テキスト情報の他に、担当者の肉声による音声やテキスト情報に基づく合成音声の情報などであってもよい。なお、配信する情報を音声情報にする場合の音声情報の配信方法は特に限定されないが、例えば以下のような音声配信リストを用いる方法にしてもよい。
【0119】
配信対象のユーザの情報受信端末400では、制御装置403は、上述したように情報配信装置100からプッシュ通知を受信すると、それをトリガにして情報配信装置100から音声配信リストのデータを取得する。このために、本実施の形態では、制御装置403は、プッシュ通知を受信すると情報配信装置100へ音声配信リストのデータを取得するための問い合わせを行う。
【0120】
情報配信装置100の制御装置102は、情報受信端末400から音声配信リストのデータを取得するための問い合わせを受け付けると、情報受信端末400のユーザを特定し、配信対象として入力された音声情報に基づいて音声配信リストを作成する。ここでは、音声配信リストは、音声情報のメッセージIDと、音声情報の件名と、音声情報の優先度と、配信日時と、配信用の音声ファイルのURLの各情報を含んでいる。なお、配信対象として入力された音声情報は、配信用の音声ファイルとして記憶媒体103に記録されており、制御装置102は、情報受信端末400から通信回線を介して配信用の音声ファイルにアクセスすることができるURLを配信用の音声ファイルのURLとして音声配信リストに含めればよい。ここで、配信対象の音声情報が複数件ある場合は、上記の情報を配信対象の件数分含んだ音声配信リストのデータが作成される。
【0121】
制御装置403は、情報配信装置100から音声配信リストのデータを取得すると、取得したデータをメモリに記録するとともに、音声配信リストに基づいて音声情報の自動再生を行うことにより避難準備情報または避難情報が配信されたことをユーザに通知する。
【0122】
ここで制御装置403による避難情報の自動再生処理は、例えば次のようにすればよい。制御装置403は、タッチパネル401上に音声情報の自動再生画面を表示する。そして、制御装置403は、メモリに記録した音声配信リストのデータに配信対象とする音声情報が1件分含まれている場合は、そのデータの配信用の音声ファイルのURLにアクセスして配信用の音声ファイルをダウンロードする。そして、制御装置403は、タッチパネル401上に表示した自動再生画面上に音声ファイルの件名などの情報を表示するとともに、ダウンロードした音声ファイルに基づいて避難準備情報または避難情報の音声を情報受信端末400が備える不図示のスピーカーから出力する。これによって、ユーザは、自治体から配信された避難準備情報または避難情報の音声を聞くことができる。
【0123】
また、制御装置403は、メモリに記録した音声配信リストのデータに配信対象とする避難情報が複数件分含まれている場合は、優先度が高い情報から順番に音声の再生を行う。優先度は、緊急情報か否かや配信対象とするグループに基づいて設定されるものとする。
【0124】
制御装置403は、未再生の音声ファイルのうち最も優先度が高いもののURLにアクセスして配信用の音声ファイルをダウンロードし、タッチパネル401上に表示した自動再生画面上に音声情報の件名などの情報を表示するとともに、ダウンロードした音声ファイルに基づいて避難準備情報または避難情報の音声をスピーカーから出力する。制御装置403は、再生を行った避難準備情報または避難情報の音声に対しては再生したことを示す情報をメモリに記録し、続けて未再生の音声ファイルのうち最も優先度が高いものに対して上記と同様の再生処理を行う。これを未再生の音声ファイルがなくなるまで繰り返す。そして、制御装置403は、全ての音声情報の再生を完了した場合には、タッチパネル401上に表示した自動再生画面を閉じる。これによって、再生対象の音声情報が複数ある場合には、ユーザは優先度が高いものから順番に避難準備情報または避難情報の音声を聞くことができる。
【0125】
なお、音声情報は、上記のように自動再生ではなく、ユーザからの指示に基づいて再生するようにしてもよい。この場合、制御装置403は、ユーザによって音声情報の再生が指示されたときに情報配信装置100から音声配信リストを取得して避難準備情報または避難情報の音声をスピーカーから出力するようにすればよい。あるいは、プッシュ通知の際に送信する情報に音声の自動再生を指示するための情報を含めておき、制御装置403は、プッシュ通知の情報に音声の自動再生を指示するための情報が含まれているときに音声情報を自動再生し、それ以外の場合はユーザから指示を受けてから再生するようにしてもよい。
【0126】
(9)上述した実施の形態では、情報配信装置100の制御装置102は、配信先ユーザの情報受信端末400へプッシュ通知を行うことにより配信通知を行う例について説明した。しかしながら、制御装置102は、あらかじめ登録されている配信先ユーザのメールアドレスに宛てて、避難準備情報または避難情報が記載されたメールを送信することにより配信通知を行うようにしてもよい。これにより、プッシュ通知に対応していない情報受信端末400でも情報配信システム10を利用することができる。なお、制御装置102は、情報受信端末400に宛ててプッシュ通知を行うかメール送信を行うかは、情報受信端末400がプッシュ通知に対応した機種であるか否かに応じて自動的に判定してもよい。
【0127】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0128】
10 情報配信システム
100 情報配信装置
101 接続インターフェース
102 制御装置
103 記憶媒体
200 記録装置
201 接続インターフェース
202 制御装置
203 記憶媒体
300 情報送信端末
301 操作部材
202 制御装置
303 記憶媒体
304 表示装置
400 情報受信端末
401 タッチパネル
402 通信モジュール
403 制御装置
図1
図2
図3
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