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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】溶接状態の検出方法、および溶接装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20240823BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240823BHJP
【FI】
B23K26/00 P
B23K26/00 Q
B23K26/21 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020205602
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092729
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】増田 梨沙
(72)【発明者】
【氏名】外川 隆一
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-153379(JP,A)
【文献】特開2004-330277(JP,A)
【文献】特開2000-061672(JP,A)
【文献】特開2016-147279(JP,A)
【文献】国際公開第2013/171848(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0026389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザが照射された部分からの反射光、および、前記レーザが照射された部分における発光を検出する工程と、
検出された前記反射光、および、検出された前記発光に基づいて、前記レーザが照射された部分の溶接状態を検出する工程と、
を備え、
前記溶接状態を検出する工程において、前記発光の信号レベルが所定の第1の閾値以上となり、且つ、前記反射光の信号レベルが所定の第2の閾値以下となるか否かを検出し、
前記発光の信号レベルが前記第1の閾値以上となり、且つ、前記反射光の信号レベルが前記第2の閾値以下となった場合には、前記レーザが照射された部分に凹部が発生したと判定する溶接状態の検出方法。
【請求項2】
前記溶接状態を検出する工程において、前記反射光の信号レベルが前記第2の閾値以下となっている時間と、前記レーザが照射された部分の移動速度と、の積から前記凹部の長さを演算する請求項記載の溶接状態の検出方法。
【請求項3】
前記溶接状態を検出する工程において、前記第2の閾値と、前記信号レベルの最小値との差から、前記凹部の深さを演算する請求項またはに記載の溶接状態の検出方法。
【請求項4】
前記溶接状態を検出する工程において、予め求められた前記凹部が発生していない場合の、前記発光の信号レベルの積分値と、前記凹部が発生した場合の、前記発光の信号レベルの積分値と、の差に基づいて、前記凹部の大きさを演算する請求項のいずれか1つに記載の溶接状態の検出方法。
【請求項5】
前記溶接状態を検出する工程において、前記発光の信号の入力開始時点と、前記信号レベルが増加し始めた時点との間の時間に基づいて、前記凹部の深さを演算する請求項のいずれか1つに記載の溶接状態の検出方法。
【請求項6】
前記溶接状態を検出する工程において、前記反射光の信号レベルが所定の第3の閾値以上となった場合には、意図しない部分に前記レーザが照射されたと判定する請求項1~のいずれか1つに記載の溶接状態の検出方法。
【請求項7】
前記溶接状態を検出する工程において、前記発光の信号レベルが所定の第4の閾値以上となった場合には、意図しない部分に前記レーザが照射されたと判定する請求項1~のいずれか1つに記載の溶接状態の検出方法。
【請求項8】
ワークにレーザを照射可能なレーザ照射部と、
前記レーザが照射された部分からの反射光、および、前記レーザが照射された部分における発光を検出可能な検出部と、
検出された前記反射光、および、検出された前記発光に基づいて、前記レーザが照射された部分の溶接状態を検出可能なコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記発光の信号レベルが所定の第1の閾値以上となり、且つ、前記反射光の信号レベルが所定の第2の閾値以下となるか否かを検出し、
前記発光の信号レベルが前記第1の閾値以上となり、且つ、前記反射光の信号レベルが前記第2の閾値以下となった場合には、前記レーザが照射された部分に凹部が発生したと判定する溶接装置。
【請求項9】
前記ワークの、前記レーザが照射される位置を移動可能な移動部をさらに備え、
前記コントローラは、前記反射光の信号レベルが前記第2の閾値以下となっている時間と、前記レーザが照射された部分の移動速度と、の積から前記凹部の長さを演算する請求項記載の溶接装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記第2の閾値と、前記信号レベルの最小値との差から、前記凹部の深さを演算する請求項またはに記載の溶接装置。
【請求項11】
前記コントローラは、予め求められた前記凹部が発生していない場合の、前記発光の信号レベルの積分値と、前記凹部が発生した場合の、前記発光の信号レベルの積分値と、の差に基づいて、前記凹部の大きさを演算する請求項10のいずれか1つに記載の溶接装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記発光の信号の入力開始時点と、前記信号レベルが増加し始めた時点との間の時間に基づいて、前記凹部の深さを演算する請求項11のいずれか1つに記載の溶接装置。
【請求項13】
前記コントローラは、前記反射光の信号レベルが所定の第3の閾値以上となった場合には、意図しない部分に前記レーザが照射されたと判定する請求項12のいずれか1つに記載の溶接装置。
【請求項14】
前記コントローラは、前記発光の信号レベルが所定の第4の閾値以上となった場合には、意図しない部分に前記レーザが照射されたと判定する請求項13のいずれか1つに記載の溶接装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、溶接状態の検出方法、および溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物にレーザを照射して溶接を行う溶接装置がある。この様な溶接装置において、レーザを対象物に照射した際に、対象物の材料などに起因する溶接欠陥が発生する場合がある。
【0003】
溶接欠陥には、例えば、レーザ溶接時に溶融金属が飛散することで、溶接部に発生した凹みなどがある。凹みが発生すると、外観を損なうだけでなく、接合部の強度不足が生じたり、封止溶接の場合には、リークが生じたりするおそれがある。凹みが発生した場合、凹みの程度によっては、不良品となる場合があるが、凹みが発生した箇所に再度レーザを照射し、対象部分を再溶融させることにより、表面部を平滑化すれば、良品にできる場合がある。そのため、凹みの発生した位置やその程度を知る必要がある。
この場合、レーザ溶接が完了した後に、目視または光学観察により凹みを検出し、その程度を確認した後に再度レーザを照射する方法がある。しかし、この方法では、生産効率が低下するという課題がある。また、溶接時に発生するレーザ照射部からの発光をリアルタイムで測定し、その強度により溶接金属の飛散を検出する方法が提案されているが、凹みの程度までは分からない。また、溶接時に発生するレーザ照射部からの反射光をリアルタイムで測定し、凹みを検出する方法が提案されているが、溶接位置における対象物の表面形状の影響を受けるので、過検出や見逃しが発生するという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-6036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、レーザ溶接時に発生する、溶融金属の飛散による凹みの発生をリアルタイムに検出し、その凹み量を推定して、再溶融による修復の可否を判断する機能を有する溶接状態の検出方法、および溶接装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る溶接状態の検出方法は、レーザが照射された部分からの反射光、および、前記レーザが照射された部分における発光を検出する工程と、検出された前記反射光、および、検出された前記発光に基づいて、前記レーザが照射された部分の溶接状態を検出する工程と、を備えている。前記溶接状態を検出する工程において、前記発光の信号レベルが所定の第1の閾値以上となり、且つ、前記反射光の信号レベルが所定の第2の閾値以下となるか否かを検出する。前記発光の信号レベルが前記第1の閾値以上となり、且つ、前記反射光の信号レベルが前記第2の閾値以下となった場合には、前記レーザが照射された部分に凹部が発生したと判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】溶接装置を例示するための模式図である。
図2】(a)~(c)は、凹部の発生を例示するための模式断面図である。
図3】(a)は、可視光を検出するセンサからの信号レベルの変化を例示するためのグラフである。(b)は、反射光を検出するセンサからの信号レベルの変化を例示するためのグラフである。
図4図3(b)におけるA部の拡大図である。
図5】レーザの1パルスの照射に対応する可視光の信号レベルの変化を例示するためのグラフである。
図6】(a)~(d)は、凹部の判定を例示するための模式図である。
図7】ワークの溶接位置の近傍に設けられた膜を例示するための模式斜視図である。
図8】溶接位置を例示するための模式平面図である。
図9】レーザの1パルスの照射に対応する可視光の信号レベルの変化を例示するためのグラフである。
図10】レーザの1パルスの照射に対応する光のスペクトルを例示するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
まず、本実施の形態に係る溶接状態の検出方法を実行可能な溶接装置1について説明する。
図1は、溶接装置1を例示するための模式図である。
溶接装置1は、ワーク100に向けてレーザ20aを照射し、ワーク100のレーザ20aが照射された部分を溶融させることで溶接を行う。例えば、図1に示すように、ワーク100aとワーク100bの接続部分にレーザ20aを照射して溶接を行うことができる。なお、溶接の形態には特に限定がなく、例えば、突き合わせ溶接であってもよいし、隅肉溶接であってもよい。図1に例示をした溶接の形態は、突き合わせ溶接である。
【0010】
溶接装置1には、トーチ10、レーザ照射部20、検出部30、移動部40、およびコントローラ50を設けることができる。
トーチ10は、例えば、筐体11、レンズ12、レンズ13、およびハーフミラー14を有する。
【0011】
筐体11は、筒状を呈し、一方の方向に延びる形状を有する。筐体11の中心軸は、ワーク100の溶接を行う面に対して傾けることもできるし、略垂直となるように設けることもできる。ただし、図1に示すように、筐体11の中心軸がワーク100の溶接を行う面に対して略垂直となっていれば、ワーク100に照射されたレーザ20aの反射光20bや、レーザ20aが照射された部分において生じた可視光や赤外光を含む発光20cを精度良く検出することができる。また、ワーク100の溶接を行う面に対して略垂直な方向からレーザ20aを照射すれば、レーザ20aをワーク100に効率よく吸収させることができる。
【0012】
レンズ12は、筐体11の内部に設けることができる。レンズ12は、筐体11の、ワーク100側とは反対側の端部に設けることができる。レンズ12は、レーザ照射部20から照射されたレーザ20aを集光する。
【0013】
レンズ13は、筐体11の内部に設けることができる。レンズ13は、筐体11の、ワーク100側の端部に設けることができる。レンズ13は、レンズ12により集光されたレーザ20aをさらに集光して、ワーク100に照射する。レーザ20aがワーク100に照射されると、照射されたレーザ20aの一部がワーク100に吸収されて溶接が行われる。
【0014】
また、ワーク100に照射されたレーザ20aの一部は、反射されてレンズ13に入射する。そのため、レンズ13は、ワーク100からの反射光20bを集光することもできる。また、レーザ20aの照射が行われると、レーザ20aが照射された部分が溶融し、高温の金属蒸気100dが発生したりして、可視光や赤外光などを含む発光20cが発生する。発光20cの一部は、レンズ13に入射する。そのため、レンズ13は、入射した発光20c1(発光20cの一部)を集光することもできる。
【0015】
ハーフミラー14は、筐体11の内部に設けることができる。ハーフミラー14は、レンズ12とレンズ13の間に設けることができる。ハーフミラー14は、筐体11の中心軸に対して傾けて設けることができる。ハーフミラー14は、レンズ12側から入射したレーザ20aを透過させる。ハーフミラー14を透過したレーザ20aは、レンズ13に入射する。また、ハーフミラー14は、レンズ13側から入射した反射光20bと発光20c1を反射させる。ハーフミラー14は、筐体11の中心軸に対して傾いているので、ハーフミラー14より反射された反射光20bと発光20c1は、筐体11の側方に出射する。
【0016】
レーザ照射部20は、例えば、レーザ発振器21、照射ヘッド22、および伝送部23を有する。
レーザ発振器21は、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ発振器とすることができる。この場合、レーザ発振器21から出射したレーザ20aの基本波の波長は、例えば、1064nm程度とすることができる。
【0017】
また、レーザ発振器21は、レーザ20aのパルス発振が可能なもの、すなわち、パルスレーザ発振器とすることができる。パルス発振は、1パルスの照射時間が短いので、ピークパワーを高くしても、レーザ20aが照射された部分の周囲に与える熱影響を小さくすることができる。また、ピークパワーを高くすることができるので、アルミニウムやアルミニウム合金などの高反射材料の溶接に有利となる。この場合、ワーク100の溶接部100cは点状(パルススポット溶接)とすることもできるし、図1に示すように線状(パルスシーム溶接)とすることもできる。
【0018】
照射ヘッド22は、レーザ発振器21から出射したレーザ20aをレンズ12に照射する。
伝送部23は、レーザ発振器21と照射ヘッド22との間に設けられ、レーザ発振器21から出射したレーザ20aを照射ヘッド22に伝達する。伝送部23は、例えば、光ファイバなどとすることができる。
以上に説明した様に、レーザ照射部20は、ワーク100にレーザ20aを照射する。
【0019】
図1に示すように、検出部30は、ハーフミラー14を介して筐体11の外部に出射した反射光20bと発光20c1とを検出する。すなわち、検出部30は、レーザ20aが照射された部分からの反射光20b、および、レーザ20aが照射された部分の、照射による発光20cを検出する。この場合、後述するように、反射光20bの検出値と発光20c1の検出値とに基づいて、溶接状態を検出する。そのため、検出部30は、反射光20bを検出するセンサ31と、発光20c1を検出するセンサ32とを備えることができる。
【0020】
前述したように、反射光20bは、レーザ20aの反射光であるため、波長はレーザ20aと同じとなる。そのため、センサ31は、レーザ20aの波長の光、例えば、波長が1064nm程度の光を検出可能なものとする。
【0021】
前述したように、発光20c1は、レーザ20aの照射に伴い発生した光であるため可視光や赤外光などを含む広い波長帯域を有する。そのため、センサ32として、可視光を検出可能なセンサ32a、および赤外光を検出可能なセンサ32bの少なくともいずれかを設けることができる。なお、可視光は、例えば、波長が300nm~800nmの範囲にある光とすることができる。赤外光は、例えば、波長が1100nm~1600nmの範囲にある光とすることができる。
【0022】
移動部40は、ワーク100の、レーザ20aが照射される位置を移動させる。例えば、移動部40は、トーチ10とワーク100の相対的な位置を移動させる。図1に例示をした様に、移動部40がワーク100の位置を移動させるものである場合には、移動部40はワーク100を載置可能な移動テーブルなどとすることができる。移動テーブルは、例えば、サーボモータなどを備えた一軸テーブルやXYテーブルなどとすることができる。移動部40がトーチ10の位置を移動させるものである場合には、移動部40はトーチ10を保持可能な多関節ロボットなどとすることができる。なお、移動部40は、トーチ10の位置とワーク100の位置を移動可能なものとすることもできる。
【0023】
コントローラ50は、溶接装置1に設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算素子と、半導体メモリなどの記憶素子を有することができる。コントローラ50は、例えば、コンピュータとすることができる。記憶素子には、溶接装置1に設けられた各要素の動作を制御する制御プログラムを格納することができる。演算素子は、記憶素子に格納されている制御プログラム、操作者により入力されたデータなどを用いて、溶接装置1に設けられた各要素の動作を制御する。
【0024】
また、コントローラ50は、検出部30からの検出信号に基づいて、溶接状態を検出する。コントローラ50は、検出された反射光20b、および、検出された照射による発光20c1に基づいて、レーザ20aが照射された部分の溶接状態を検出する。例えば、演算素子は、記憶素子に記憶されている判定プログラムおよび閾値などのデータと、検出部30からの検出信号に基づいて溶接状態を検出することができる。
なお、溶接状態の検出に関する詳細は後述する。
【0025】
次に、溶接装置1の作用について例示をする。
なお、以下においては、図1に例示をしたワーク100aとワーク100bの突き合わせ溶接を説明するが、ワーク101aとワーク101bの隅肉溶接の場合も同様である。
【0026】
まず、図示しない搬送装置や操作者などによって、移動部40の上にワーク100aとワーク100bが載置される。
次に、コントローラ50は、レーザ発振器21を制御して、パルス状のレーザ20aを所定の間隔で繰り返し発振させる。レーザ発振器21から出射したレーザ20aは、伝送部23を介して照射ヘッド22に伝送され、照射ヘッド22からレンズ12に向けて照射される。レンズ12に入射したレーザ20aは、レンズ12より集光され、ハーフミラー14を透過してレンズ13に入射する。レンズ13に入射したレーザ20aは、レンズ12より集光され、ワーク100aとワーク100bの接続部分(溶接位置)に照射される。
【0027】
また、コントローラ50は、移動部40を制御して、トーチ10とワーク100の相対的な位置を移動させて、前述した線状の溶接を行うことができる。
また、例えば、ワーク100aに対するワーク100bの位置が動かないようにするために、線状の溶接を行う前に、ワーク100aとワーク100bとを点状に溶接し、その後、線状の溶接を行う場合もある。この様な場合には、点状の溶接を行う位置において、パルス状のレーザ20aを発振させ、点状の溶接を行う位置と位置の間においては、パルス状のレーザ20aを発振させないようにすればよい。
【0028】
レーザ20aが溶接位置に照射されると、反射光20bと、発光20cとが発生する。発光20cには、可視光20caと赤外光20cbが含まれるが、可視光20caは、主に、金属蒸気101eにおいて発生する。そのため、可視光20caは、プラズマ発光などと称される場合もある。赤外光20cbは、主に、溶融池101dにおいて発生する。溶融池101dについては、後述する図2において説明する。
【0029】
反射光20bと発光20c1(発光20cの一部)は、レンズ13およびハーフミラー14を介して、検出部30に入射する。検出部30からは、反射光20bに基づく検出信号と、発光20c1に基づく検出信号とが出力される。
【0030】
コントローラ50は、反射光20bに基づく検出信号と、発光20c1に基づく検出信号とから溶接状態の検出を行うことができる。
また、コントローラ50は、溶接状態の検出結果に基づいて、溶接状態の良否を判定することができる。コントローラ50は、判定結果に基づいて、不良となった部分のリペアを行ったり、不良となった部分の情報(例えば、後述する凹部101f1の大きさや位置など)を表示装置に表示したり、不良となった部分の情報を外部の機器に送信したりすることができる。
【0031】
一連の作業が終了したワーク100(ワーク100aとワーク100b)は、図示しない搬送装置や操作者などによって、溶接装置1の外部に搬出される。
【0032】
次に、本実施の形態に係る溶接状態の検出方法についてさらに説明する。
最初に、レーザ20aが照射された部分に生じる不良について説明する。
図2(a)~(c)は、凹部101f1の発生を例示するための模式断面図である。
なお、図2(a)~(c)においては、ワーク101aとワーク101bの隅肉溶接を説明するが、図1に例示をしたワーク100aとワーク100bの突き合わせ溶接の場合も同様である。
【0033】
図2(a)に示すように、ワーク101aの内部に、異質な部分101a1がある場合がある。例えば、ワーク101aがアルミニウムやマグネシウムなどの鋳造材の場合、沸点の低い介在物、低い温度ガス化しやすい樹脂などが含まれている場合が多い。図2(b)に示すように、溶融池101dが部分101a1に到達すると、部分101a1は一気に膨張する。溶融池101dは、溶融した金属から形成されている。そのため、部分101a1が膨張すると、図2(c)に示すように、溶融した金属101gが飛び散るスパッタが発生する。溶融した金属101gが飛び散ると、溶接部101fに凹部101f1が発生する。凹部101f1が発生すると、見栄えが悪くなるため商品価値が低下する。また、溶接されたワークの用途(例えば、密閉容器に適用する場合)によっては、凹部101f1は、液体やガスがリークする要因となる。
【0034】
そこで、本実施の形態に係る溶接状態の検出方法においては、凹部101f1の発生を検出し、さらに発生した凹部101f1の大きさや形態などの情報を取得するようにしている。
【0035】
まず、凹部101f1の発生の検出について説明する。
凹部101f1が発生すると、レーザ20aの正反射が妨げられるので、反射光20bを検出するセンサ31からの信号レベルが低下する。そのため、センサ31からの信号レベルを所定の閾値などを用いて監視すれば、凹部101f1の発生を検出することができる。
【0036】
また、溶融した金属101gが飛び散ると、可視光や赤外光の強度が急激に増加する。例えば、可視光20caを検出するセンサ32aからの信号レベル、および赤外光20cbを検出するセンサ32bからの信号レベルの少なくともいずれかを所定の閾値などを用いて監視すれば、凹部101f1の発生を検出することができる。
【0037】
ここで、反射光20bを検出するセンサ31からの信号レベルは、溶接前のワークの表面状態などの影響を受ける。例えば、溶接前のワークの表面に既に凹部があると、センサ31からの信号レベルが低下する。
【0038】
この場合、可視光20caを検出するセンサ32aからの信号レベルと、赤外光20cbを検出するセンサ32bからの信号レベルとは、溶接前のワークの表面状態などの影響を受けにくい。そのため、センサ32aからの信号レベルと、センサ32bからの信号レベルは、凹部101f1の発生を検出するのに有用である。
【0039】
そこで、本実施の形態に係る溶接状態の検出方法においては、可視光20caを検出するセンサ32aからの信号レベルおよび赤外光20cbを検出するセンサ32bからの信号レベルの少なくともいずれかと、反射光20bを検出するセンサ31からの信号レベルと、を用いて溶融した金属101gが飛び散ることによって生じた凹部101f1の発生を検出している。
【0040】
図3(a)は、可視光20caを検出するセンサ32aからの信号レベルの変化を例示するためのグラフである。
なお、図3(a)においては、一例として、センサ32aからの信号レベルの変化を用いたが、可視光20caと赤外光20cbは、レーザ20aの照射により発光するため、赤外光を検出するセンサ32bからの信号レベルも同様に変化する。そのため、センサ32bからの信号レベルの変化を用いることもできる。また、センサ32aからの信号レベルとセンサ32bからの信号レベルとを用いることもできる。すなわち、レーザ20aの照射による発光20cの強度の変化が分かれば良い。
【0041】
図3(b)は、反射光20bを検出するセンサ31からの信号レベルの変化を例示するためのグラフである。
前述したように、線状の溶接を行うために、パルス状のレーザ20aが繰り返し発振される。また、1パルスのレーザ20aの照射に対して、反射光20bと、照射による発光20cとがほぼ同時に発生する。ただし、溶融した金属101gが飛び散れば照射による発光20cの強度はすぐに上昇するが、凹部101f1は溶融した金属101gが飛び散った後に形成されるため、反射光20bの信号レベルは少し遅れて低下する。例えば、ある時間における図3(a)の信号レベルと、それよりも少し遅れた時間における図3(b)の信号レベルと、を用いて凹部101f1の発生を検出することができる。
【0042】
可視光20caを検出するセンサ32aからの信号レベルの増加、および赤外光20cbを検出するセンサ32bからの信号レベルの増加の少なくともいずれかを用いれば、凹部101f1の発生を検出することができる。しかしながら、反射光20bを検出するセンサ31からの信号レベルの低下を併せて用いれば、検出精度のさらなる向上を図ることができる。
【0043】
次に、発生した凹部101f1の大きさや形態などの情報について説明する。
図4は、図3(b)におけるA部の拡大図である。
前述した様に、反射光20bを検出するセンサ31からの信号レベルは、凹部101f1の大きさや形態などの影響を受ける。そのため、センサ31からの信号には、凹部101f1の大きさや形態などの情報が含まれている。
【0044】
図4に示すように、反射光20bの信号レベルが所定の閾値S以下となっている時間T1を求め、時間T1と移動部40による移動速度の積から凹部101f1の長さ(開口寸法)の概略値を求めることができる。また、信号レベルと反射位置とには相関関係があるので、所定の閾値Sと、信号レベルの最小値との差から、凹部101f1の深さDの概略値を求めることができる。
【0045】
なお、閾値S、および、信号レベルと反射位置との相関関係は、予め実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。また、所定の期間の信号レベルの平均値を逐次求め、求められた平均値を閾値Sとすることもできる。この様にすれば、凹部101f1の周辺における信号レベルの平均値を閾値Sとすることができるので、凹部101f1の長さや深さDの演算精度を向上させることができる。
以上に説明した様に、反射光20bを検出するセンサ31からの信号レベルを用いれば、凹部101f1の大きさや形態などの情報を得ることができる。
【0046】
図5は、レーザ20aの1パルスの照射に対応する可視光20caの信号レベルの変化を例示するためのグラフである。
なお、前述したように、可視光20caと赤外光20cbは、レーザ20aの照射により発生するため、赤外光20cbの信号レベルも同様に変化する。そのため、赤外光20cbの信号レベルの変化を用いることもできる。
また、図5中の波形203は、凹部101f1の発生がない場合、波形204は凹部101f1の発生が生じた場合である。
【0047】
波形204の積分値と波形203の積分値との差Bは、飛び散った溶融金属の体積と相関がある。積分値の差Bと、飛び散った溶融金属の体積と積分値の差との相関関係と、から凹部101f1の大きさ(体積)の概略値を求めることができる。なお、飛び散った溶融金属の体積と積分値の差との相関関係は、予め、実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。
【0048】
また、信号レベルが増加し始めた時点は、溶融金属が飛び散った時間と考えられる。信号の入力開始時点と、信号レベルが増加し始めた時点との間の時間T2を求めれば、溶融金属が飛び散った時点の深さの概略値を求めることができる。この場合、時間T2が短ければ、溶融金属が飛び散った時点の深さが浅く、深さの浅い凹部101f1が発生したと考えられる。時間T2が長ければ、溶融金属が飛び散った時点の深さが深く、深さの深い凹部101f1が発生したと考えられる。時間T2と深さの相関関係は、予め、実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。
【0049】
以上に説明した様に、可視光20caを検出するセンサ32aからの信号レベル、および赤外光20cbを検出するセンサ32bからの信号レベルの少なくともいずれかを用いれば、凹部101f1の大きさや形態などの情報を得ることができる。
【0050】
図6(a)~(d)は、凹部101f1の判定を例示するための模式図である。
例えば、飛散物の量205が多くなるほど、飛散の発生位置206までの深さが深くなるほど、図6(a)に示すように、大きな凹部101f1が発生したと考えられる。
【0051】
例えば、飛散物の量205が多くても飛散の発生位置206までの深さが浅ければ、図6(b)に示すように、小さな凹部101f1が発生したと考えられる。
例えば、飛散の発生位置206までの深さが深くても飛散物の量205が少なければ、図6(c)に示すように、小さな凹部101f1が発生したと考えられる。
【0052】
飛散物の量205と、飛散の発生位置206とを考慮すると、凹部101f1の判定を、例えば、図6(d)に示すようにすることができる。
例えば、図6(d)の領域C1においては、発生した凹部101f1の大きさが小さいと考えられるので良品と判定することができる。
例えば、図6(d)の領域C2においては、発生した凹部101f1の大きさが再溶融による修復が可能な大きさと判定することができる。
例えば、図6(d)の領域C3においては、発生した凹部101f1の大きさが再溶融による修復が不可能な大きさと判定することができる。
【0053】
ここで、前述したワークは、アルミニウムや銅などの金属から形成されているが、ワークの溶接位置の近傍に、ワークの材料とは異なる材料から形成された部材が設けられる場合がある。例えば、ワークの溶接位置の近傍に、ワークの材料とは異なる金属、樹脂などの有機材料、セラミックスなどの無機材料を含む膜などが形成される場合がある。
【0054】
図7は、ワークの溶接位置の近傍に設けられた膜を例示するための模式斜視図である。
図7は、板状のワーク102aと、板状のワーク102bをレーザ溶接で溶接する場合である。この場合、ワーク102aとワーク102bは、例えば、アルミニウムや銅などから形成されている。
【0055】
また、ワーク102aの、凹部102a1が開口する主面には、膜103が形成されている。膜103は、ワークの材料とは異なる材料、例えば、樹脂を含む塗膜とすることができる。
【0056】
図8は、溶接位置102b1を例示するための模式平面図である。
図8は、前述した点状の溶接を行う場合である。
図8に示すように、溶接は、ワーク102aとワーク102bの境界に沿って行われる。この場合、溶接位置102b1は、レーザ20aが膜103に照射されない位置とされている。
【0057】
しかしながら、ワーク102a幅が小さい場合などには、レーザ20aが膜103に照射される場合が生じ得る。レーザ20aが膜103に照射されると、膜103が損傷して、製品の商品価値が大幅に低下するおそれがある。
【0058】
図9は、レーザ20aの1パルスの照射に対応する可視光20caの信号レベルの変化を例示するためのグラフである。
図9中の波形102baは、アルミニウム合金を含むワーク102a、102bにのみレーザ20aが照射された場合である。
図9中の波形103aは、樹脂を含む膜103にのみレーザ20aが照射された場合である。
【0059】
図9から分かるように、レーザ20aが膜103に照射された場合には、例えば、可視光20caのピークレベルが大きく増加する。そのため、例えば、可視光20caを検出するセンサ32aからの信号レベルを所定の閾値などを用いて監視すれば、レーザ20aが膜103などの意図しない部材に照射されたことを知ることができる。
【0060】
この場合、前述した溶接状態の判定結果とともに、レーザ20aが膜103などの意図しない部材に照射されたことを、例えば、表示装置に表示することができる。また、意図しない照射が行われた部分の位置情報などを表示装置に表示したり、外部の機器に送信したりすることができる。
【0061】
なお、一例として、可視光20caを用いる場合を例示したが、赤外光20cbと反射光20bの場合も材料により信号レベルが変化する。そのため、反射光20bを検出するセンサ31、可視光20caを検出するセンサ32a、および赤外光を検出するセンサ32bの少なくともいずれかからの信号レベルを所定の閾値などを用いて監視すれば良い。
【0062】
図10は、レーザ20aの1パルスの照射に対応する発光20c1のスペクトルを例示するためのグラフである。
発光20c1は、レーザ20aの照射に伴い発生した光であるため可視光や赤外光などを含む広い波長帯域を有する。
図10中の波形102bbは、アルミニウム合金を含むワーク102a、102bにのみレーザ20aが照射された場合である。
図10中の波形103bは、樹脂を含む膜103にのみレーザ20aが照射された場合である。
【0063】
図10から分かるように、レーザ20aがワーク102a、102bに照射された場合と、膜103に照射された場合とでは、異なるスペクトルとなる。この場合、分光器などを用いればスペクトルの違いがわかるので、レーザ20aが膜103などの意図しない部材に照射されたことを知ることができる。しかしながら、この様にすると、溶接装置1の構成が複雑となる。
【0064】
そこで、本実施の形態に係る溶接装置1においては、可視光20caを検出するセンサ32a、および赤外光を検出するセンサ32bの少なくともいずれかからの信号レベルを所定の閾値などを用いて監視することで、レーザ20aが膜103などの意図しない部材に照射されたことを検出している。
【0065】
例えば、図10に示すように、波長が450nmの可視光20caを検出するセンサ32a、および、波長が730nmの赤外光を検出するセンサ32bの少なくともいずれかからの信号レベルを所定の閾値などを用いて監視すればよい。
【0066】
この場合、前述した溶接状態の判定結果とともに、レーザ20aが膜103などの意図しない部材に照射されたことを、例えば、表示装置に表示することができる。また、意図しない照射が行われた部分の位置情報などを表示装置に表示したり、外部の機器に送信したりすることができる。
【0067】
以上に説明した様に、本実施の形態に係る溶接状態の検出方法は、以下の工程を備えることができる。なお、各工程における内容は、前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。また、以下の第1の閾値~第4の閾値は、予め実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
【0068】
レーザ20aが照射された部分からの反射光20b、および、レーザ20aが照射された部分における発光20cを検出する工程。
検出された反射光20b、および、検出された発光20cに基づいて、レーザ20aが照射された部分の溶接状態を検出する工程。
溶接状態を検出する工程において、発光20cの信号レベルが所定の第1の閾値以上となり、且つ、反射光20bの信号レベルが所定の第2の閾値以下となるか否かを検出する。
【0069】
溶接状態を検出する工程において、発光20cの信号レベルが所定の第1の閾値以上となり、且つ、反射光20bの信号レベルが所定の第2の閾値以下となった場合には、レーザ20aが照射された部分に凹部101f1が発生したと判定する。
【0070】
溶接状態を検出する工程において、反射光20bの信号レベルが第2の閾値以下となっている時間T1と、レーザ20aが照射された部分の移動速度と、の積から凹部101f1の長さを演算する。
【0071】
溶接状態を検出する工程において、第2の閾値と、信号レベルの最小値との差から、凹部101f1の深さを演算する。
【0072】
溶接状態を検出する工程において、予め求められた凹部101f1が発生していない場合の、発光20cの信号レベルの積分値と、凹部101f1が発生した場合の、発光20cの信号レベルの積分値と、の差に基づいて、凹部101f1の大きさを演算する。
【0073】
溶接状態を検出する工程において、発光20cの信号の入力開始時点と、信号レベルが増加し始めた時点との間の時間T2に基づいて、凹部101f1の深さを演算する。
【0074】
溶接状態を検出する工程において、反射光20bの信号レベルが所定の第3の閾値以上となった場合には、意図しない部分にレーザ20aが照射されたと判定する。
【0075】
溶接状態を検出する工程において、発光20cの信号レベルが所定の第4の閾値以上となった場合には、意図しない部分にレーザ20aが照射されたと判定する。
【0076】
また、以上に説明した溶接状態の検出方法は、前述した溶接装置1において実行することができる。
例えば、コントローラ50は、発光20c1の信号レベルが所定の第1の閾値以上となり、且つ、反射光20bの信号レベルが所定の第2の閾値以下となるか否かを検出する。
【0077】
コントローラ50は、発光20c1の信号レベルが所定の第1の閾値以上となり、且つ、反射光20bの信号レベルが所定の第2の閾値以下となった場合には、レーザ20aが照射された部分に凹部101f1が発生したと判定する。
【0078】
コントローラ50は、反射光20bの信号レベルが第2の閾値以下となっている時間T1と、レーザが照射された部分の移動速度と、の積から凹部101f1の長さを演算する。
【0079】
コントローラ50は、第2の閾値と、信号レベルの最小値との差から、凹部101f1の深さを演算する。
【0080】
コントローラ50は、予め求められた凹部101f1が発生していない場合の、発光20c1の信号レベルの積分値と、凹部101f1が発生した場合の、発光20c1の信号レベルの積分値と、の差に基づいて、凹部101f1の大きさを演算する。
【0081】
コントローラ50は、発光20c1の信号の入力開始時点と、信号レベルが増加し始めた時点との間の時間T2に基づいて、凹部101f1の深さを演算する。
【0082】
コントローラ50は、反射光20bの信号レベルが所定の第3の閾値以上となった場合には、意図しない部分にレーザ20aが照射されたと判定する。
【0083】
コントローラ50は、発光20c1の信号レベルが所定の第4の閾値以上となった場合には、意図しない部分にレーザ20aが照射されたと判定する。
【0084】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 溶接装置、10 トーチ、20 レーザ照射部、20a レーザ、20b 反射光、20c 発光、20c1 発光、20ca 可視光、20cb 赤外光、21 レーザ発振器、30 検出部、31 センサ、32a センサ、32b センサ、40 移動部、50 コントローラ、100 ワーク、100a ワーク、100b ワーク、101a ワーク、101b ワーク、101f1 凹部
図1
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