(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】バンパ開口部のカバー
(51)【国際特許分類】
B60R 13/04 20060101AFI20240823BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20240823BHJP
F16B 21/08 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B60R13/04 Z
F16B5/06 Q
F16B21/08
(21)【出願番号】P 2021133863
(22)【出願日】2021-08-19
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジェミン
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-168175(JP,A)
【文献】実開昭58-178511(JP,U)
【文献】特開2001-294105(JP,A)
【文献】特開2011-084168(JP,A)
【文献】実開昭57-159548(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/04
F16B 5/06
F16B 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のバンパに形成された開口部を塞ぐカバーであって、
カバー本体の一辺部に備えられて前記開口部に導入される第一突出部と、
前記カバー本体の前記一辺部に対向する他辺部に備えられて前記開口部に導入される第二突出部とを備えており、
前記第一突出部は、弾性変形を生じ易く構成された易変形部分と、この易変形部分の支持部分とを備えており、
前記易変形部分を前記開口部の口縁部に接しさせることに伴う前記易変形部分の前記他辺部側への弾性変形によって、前記第二突出部を前記開口部の口縁部に密着させると共に、前記カバー本体を前記バンパに密着させるようにしてな
り、
しかも、前記第一突出部の前記支持部分は、前記開口部の前記口縁部に外面を向き合わせる基部と、前記バンパの内面側に位置して前記バンパからの外れ止めとなる外れ止め部とを備えてなると共に、
前記第一突出部の前記易変形部分を、前記支持部分の前記外れ止め部から前記基部側に向けて傾斜状に延び出して前記基部側に自由端を位置させるアーム片としてなる、バンパ開口部のカバー。
【請求項2】
前記第二突出部
における前記開口部の前記口縁部に向き合う側に前記口縁部に対する係合部を備えさせてなる、請求項1に記載のバンパ開口部のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車などの車両のバンパに取り付けられて、バンパに形成された開口部を塞ぐカバーの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
バンパに形成された開口部を、取り外し可能に塞ぐカバーとして、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
特許文献1に示されるカバーは、左右に爪部を持ち、この爪部をバンパの開口部に係止させてバンパに取り付けられるようになっている。カバーの取り外しが必要になったときは、開口部とカバーとの間の下側の隙間にマイナスドライバの先端を挿入してカバーを上側に移動させる。こうすると、カバーの上側の傾斜面を開口部側の傾斜面に摺接させてカバーを変形させることができ、この変形によって爪部に取り外し方向の力を作用させて前記係止を解くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるカバーは、取り外しに前記の変形を要する構成であり、取り外しに要する力が過大となりやすいなど、その調整が難しい。また、取り外しに当たり前記力によるカバーとバンパとの接触を必要不可欠とすることから、バンパ側に少なからず損傷を生じさせる。この点は特許文献1においても言及されているところである(特許文献1の段落番号0027参照)。
【0006】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種のカバーにおいて、バンパからの取り外しを、より容易かつ適切になし得るようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、バンパ開口部のカバーを、車両のバンパに形成された開口部を塞ぐカバーであって、
カバー本体の一辺部に備えられて前記開口部に導入される第一突出部と、
前記カバー本体の前記一辺部に対向する他辺部に備えられて前記開口部に導入される第二突出部とを備えており、
前記第一突出部は、弾性変形を生じ易く構成された易変形部分と、この易変形部分の支持部分とを備えており、
前記易変形部分を前記開口部の口縁部に接しさせることに伴う前記易変形部分の前記他辺部側への弾性変形によって、前記第二突出部を前記開口部の口縁部に密着させると共に、前記カバー本体を前記バンパに密着させるようにしてなる、ものとした。
【0008】
かかる構成によれば、バンパに対するカバーの取り付け状態は安定的なものとされる。また、カバーのバンパから取り外しは、カバー本体の他辺部と開口部との間に、ドライバなどの工具の端部を差し込み、前記易変形部分の付勢に抗する向きにカバー本体を押圧することで前記第二突出部を開口部から抜き出し、ついで、第一突出部を開口部から抜き出すことでなすことができ、この取り外しにあたりカバー本体を大きく変形させる必要がなく、また、カバー本体をバンパに過大な力で押しつけさせる必要もない。また、前記易変形部分の肉厚や形状を変更するだけで、そのほかの構成を変えることなく、前記押圧に必要な力を容易にチューニング可能な特長を有する。
【0009】
前記第一突出部の前記支持部分を、前記開口部の前記口縁部に外面を向き合わせる基部と、前記バンパの内面側に位置して前記バンパからの外れ止めとなる外れ止め部とを備えてなるものとすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0010】
また、前記第一突出部の前記易変形部分を、前記支持部分の前記外れ止め部から前記基部側に向けて傾斜状に延び出して前記基部側に自由端を位置させるアーム片とすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0011】
また、前記第二突出部に、前記開口部の前記口縁部に向き合う側に前記口縁部に対する係合部を備えさせることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、カバーのバンパからの取り外しを、カバー本体を変形させることなく、かつ、バンパに損傷を生じさせることのない態様でなすことができ、かかる取り外しを容易かつ適切になすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかるカバー及びバンパの要部の斜視図である。
【
図2】
図2は、前記カバーの斜視図であり、
図1と反対の側から前記カバーを見て示している。
【
図3】
図3は、前記カバーに備えられる第一突出部の形成箇所の斜視図である。
【
図4】
図4は、前記第一突出部の形成箇所の斜視図であり、
図3と反対の側から前記第一突出部を見て示している。
【
図5】
図5は、前記カバーに備えられる第二突出部の形成箇所の斜視図である。
【
図6】
図6は、前記バンパに前記カバーを取り付けた状態を、バンパの内面側から見て示した背面図である。
【
図7】
図7は、
図6におけるA-A線位置での切断端面図であり、バンパに取り付けられる直前のカバーとバンパとを一緒に表している。
【
図8】
図8は、
図6におけるA-A線位置での切断端面図である。
【
図9】
図9は、
図6におけるB-B線位置での切断端面図であり、バンパに取り付けられる直前のカバーとバンパとを一緒に表している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1~
図10に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかるカバー1は、自動車などの車両のバンパBに取り付けられて、バンパBに形成された開口部Baを塞ぐものである。かかるカバー1は、取り外し可能で、また、取り外し後、再度バンパBに取り付け可能な構成となっている。典型的には、かかるカバー1は、バンパBに形成された車両の牽引用のフック(図示は省略する。)が臨む開口部Baを、かかるフックを使用しないときは塞ぎ、かかるフックを使用するときはバンパBから取り外されて開口部Baを通じてかかるフックを利用可能とするものである。
【0015】
かかるカバー1は、カバー本体2と、第一突出部3と、第二突出部4とを備えている。かかるカバー1を、合成樹脂の成形品とすることで、第一突出部3の後述の易変形部分7などに対し所要の弾性変形特性を容易且つ適切に付与することができる。
【0016】
前記カバー本体2は、前記開口部Baに整合した輪郭を備えた板体となっている。図示の例では、開口部Baは、バンパBを正面から見た状態において、上辺Bbと、左右側辺Bcと、下辺Bdとを備え、かつ、四隅をアール状とした、四角形の輪郭のもの、より具体的には菱形の輪郭のものとなっている。カバー本体2はかかる開口部Baの輪郭に倣った輪郭を備えたものとなっており、カバー本体2の一辺部2aが開口部Baの上辺に沿い、カバー本体2の他辺部2bが開口部Baの下辺に沿うようにしてカバー1をバンパBに取り付けると、開口部Baとカバー本体2との間にわずかな隙間を形成した状態でカバー本体2によって開口部Baが塞がれるようになっている。
【0017】
図示の例では、開口部Ba内には、バンパBの外面Beとの間に周回段差面Bfを形成するようにして、周回鍔部Bgが形成されている。図示の例は、第一突出部3の後述の易変形部分7は、この周回鍔部Bgの突き出し端Bhを開口部Baの口縁部Baaとしてこの周回鍔部Bgに接して開口部Baの中央側に向けた弾性変形を生じるようになっている(
図10参照)。
【0018】
図示の例では、カバー本体2の内面2c(カバー1をバンパBに取り付けた状態においてバンパBの内面Bi側に位置される面)には、前記第一突出部3と第二突出部4との形成箇所を除いた箇所において、カバー本体2の縁部を縁取る突条2dが形成されている。突条2dとカバー本体2の外面2eとの間の距離は、周回鍔部BgとバンパBの外面Beとの間の距離と等しくなっており、前記周回鍔部Bgに突条2dを接しさせた状態でバンパBにカバー1は取り付けられ、この取り付け状態においてカバー本体2の外面2eとバンパBの外面Beとは面一となるようになっている(
図8、
図10)。
【0019】
なお、図示の例では、開口部Baの上辺Bb及び下辺Bdの中央側において、周回鍔部Bgに切り欠きが形成されて、周回鍔部Bgに幅狭部Bjが形成されており、前記第一突出部3と第二突出部4とは、この幅狭部Bjを構成する切り欠き通じてバンパBの内面Bi側に導入されるようになっている。また、図示の例では、開口部Baの上辺Bb側に位置する隅の一方において、周回鍔部Bgに幅広部Bkが形成されると共に、この幅広部Bkに長穴Bmが形成されている。図示の例では、カバー1は、カバー本体2の一辺部2aと左右の縦辺部2fの一方とが接する隅部に一端を一体化させると共に他端に錨状の係合部5aを備えた紐状の連繋体5を備えている。連繋体5は係合部5aを弾性変形させて長穴Bmに通され、通された後はバンパBの内面Bi側において弾性復帰した係合部5aが周回鍔部Bgに引っかかるようになっている。これにより、カバー1をバンパBから取り外しても、連繋体5によってバンパBから完全にカバー1が分離しないようになっている。
【0020】
第一突出部3は、カバー本体2の一辺部2aに備えられて前記開口部Baに導入される。図示の例では、第一突出部3は、カバー本体2の一辺部2aの左右方向中程の位置において、カバー本体2の内面2cから一体に突き出した構成となっている。
【0021】
また、第二突出部4は、前記カバー本体2の前記一辺部2aに対向する他辺部2bに備えられて前記開口部Baに導入される。図示の例では、第二突出部4は、カバー本体2の他辺部2bの左右方向中程の位置において、カバー本体2の内面2cから一体に突き出した構成となっている。
【0022】
また、前記第一突出部3は、弾性変形を生じ易く構成された易変形部分7と、この易変形部分7の支持部分6とを備えている。そして、前記易変形部分7を前記開口部Baの口縁部Baa(図示の例では、前記幅狭部Bjを構成する切り欠き箇所における周回鍔部Bgの突き出し端Bh)に接しさせることに伴う前記易変形部分7の前記他辺部2b側への弾性変形によって、前記第二突出部4を前記開口部Baの口縁部Baaに密着させると共に、前記カバー本体2を前記バンパBに密着させるようにしている。
【0023】
これにより、カバー本体2の前記一辺部2a及び他辺部2bに交叉する方向(
図8、
図10における上下方向)におけるバンパBに対するカバー1の取り付け状態は安定的なものとされ、かつ、カバー本体2の外面2e及び内面2cに交叉する方向(
図8、
図10における左右方向)におけるバンパBに対するカバー1の取り付け状態も安定的なものとされる。
【0024】
また、カバー1のバンパBから取り外しは、カバー本体2の他辺部2bと開口部Baとの間に、ドライバなどの工具の端部を差し込み、前記易変形部分7の付勢に抗する向き(図示の例では上向き)にカバー本体2を押圧することで前記第二突出部4を開口部Baから抜き出し、ついで、第一突出部3を開口部Baから抜き出すことでなすことができ、この取り外しにあたりカバー本体2を大きく変形させる必要がなく、また、カバー本体2をバンパBに過大な力で押しつけさせる必要もない。また、前記易変形部分7の肉厚や形状を変更するだけで、そのほかの構成を変えることなく、前記押圧に必要な力を容易にチューニング可能な特長を有する。
【0025】
この実施の形態にあっては、前記第一突出部3の前記支持部分6は、前記開口部Baの前記口縁部Baaに外面を向き合わせる基部6aと、前記バンパBの内面Bi側に位置して前記バンパBからの外れ止めとなる外れ止め部6bとを備えている。
【0026】
すなわち、支持部分6の基部6aの外面6cは、前記一辺部2aよりもカバー本体2の中央側(前記他辺部2b側)に位置している。この支持部分6の基部6aの外面6cと後述する第二突出部4の係合部4a下の外面4b間の距離x1(
図2参照)は、開口部Baの上辺Bb側の周回鍔部Bgの突き出し端Bhと開口部Baの下辺Bd側の周回鍔部Bgの突き出し端Bh間の距離y(
図1参照)よりもやや小さくなっている。
【0027】
外れ止め部6bは、基部6aの突き出し端から、カバー本体2の中央側と反対の側に向けて延び出している。外れ止め部6bの延び出し端6dは前記一辺部2aの外側に位置している(
図1参照)。これにより、外れ止め部6bの延び出し端6dと後述する第二突出部4の係合部4a下の外面4b間の距離x2(
図2参照)は、開口部Baの上辺Bb側の周回鍔部Bgの突き出し端Bhと開口部Baの下辺Bd側の周回鍔部Bgの突き出し端Bh間の距離y(
図1参照)よりも大きくなっている。
【0028】
より具体的には、基部6aはカバー本体2の内面2cに実質的に直交する向きに突き出している。外れ止め部6bは、このように突き出す基部6aの突き出し端から、外れ止め部6bの延び出し端6dに近づくに連れて、次第にカバー本体2の内面2cを含む仮想の平面との間の距離を漸増させるように、傾斜状に延び出している。
【0029】
図示の例では、支持部分6は、それぞれ屈曲された左右脚部6eの一端をそれぞれカバー本体2の内面2cに一体化させるとと共に、この左右脚部6eの他端間に連接部6fを架設させた構成となっている。左右脚部6eの根本と屈曲箇所6gとの間が前記基部6aとなり、屈曲箇所6gと左右脚部6eの端末との間が前記外れ止め部6bとなっている(
図3参照)。
【0030】
一方、この実施の形態にあっては、前記第一突出部3の前記易変形部分7は、前記支持部分6の前記外れ止め部6bから前記基部6a側に向けて傾斜状に延び出して前記基部6a側に自由端7aを位置させるアーム片となっている。
【0031】
易変形部分7における前記開口部Baの口縁部Baaに接するその自由端7a側の外面部(カバー本体2の中央側と反対の
図9における上側に位置される面部)と第二突出部4の係合部4a下の外面4b間の距離x3(
図9参照)は、開口部Baの上辺Bb側の周回鍔部Bgの突き出し端Bhと開口部Baの下辺Bd側の周回鍔部Bgの突き出し端Bh間の距離y(
図1参照)よりもやや大きくなっている。
【0032】
より具体的には、易変形部分7は前記左右脚部6e間に配されている。易変形部分7は前記連接部6fから前記外れ止め部6bの傾斜に倣うように傾斜状に延び出している。易変形部分7の自由端7a側は前記基部6aの外面6cに倣った形態となっており、易変形部分7は屈曲部7bを備えた形態となっている。カバー1をバンパBに取り付けていない状態において、易変形部分7の屈曲部7bと自由端7aとの間の外面部は、支持部分6の基部6aの外面6cよりもやや外側(
図9の上側)に位置している。
【0033】
図示の例では、易変形部分7の前記屈曲部7bに左右方向に間隔を開けて、隆起部7cが並び設けられており、易変形部分7はこの隆起部7cによって開口部Baの口縁部Baaとしての周回鍔部Bgの突き出し端Bhに接するようになっている(
図10参照)。かかる隆起部7cを削るなどするだけで、前記チューニングを行うこともできる。
【0034】
易変形部分7は、カバー本体2の内面2c側にその自由端7aを位置させると共に、この自由端7aに近づくに連れてカバー本体2の中央側に近づく前記傾斜によって、カバー本体2の厚さ方向に平行な仮想の直線、すなわち、開口部Baの中心軸z(
図9、
図10参照)に対し易変形部分7の長さ方向を交叉させるように支持されて、開口部Baの口縁部Baaに弾性変形状態で接する(
図10参照)。これにより、
図10において符号f1で示す向きの力と符号f2で示す向きの力とが生じ、前記第二突出部4は前記開口部Baの口縁部Baaに密着され、前記カバー本体2は前記バンパBに密着される。
【0035】
また、この実施の形態にあっては、前記第二突出部4は、前記開口部Baの前記口縁部Baaに向き合う側に前記口縁部Baaに対する係合部4aを備えている。
【0036】
図示の例では、第二突出部4の係合部4aは、前記他辺部2bに沿う向きに板面を配した板体におけるカバー本体2の中央側と反対の側に向けられた外面4bに形成されている。
【0037】
係合部4aは、第二突出部4の突き出し方向略中程の位置にカバー本体2の内面2cに向き合う係合面4cを形成させる隆起部を、第二突出部4の突き出し端と前記中程の位置との間に形成させることで構成されている。係合部4aにおける前記係合面4cと第二突出部4の突き出し端との間は、突き出し端に近づくにつれて第二突出部4の肉厚を減ずる傾斜面4fとなっている。
【0038】
第一突出部3の外れ止め部6bを開口部Baの上辺Bb側に形成された幅狭部Bjを構成する切り欠きを通じてバンパBの内面Bi側に導入させた状態から、この第一突出部3を支点として、カバー本体2の他辺部2b側を開口部Baの下辺Bd側の周回鍔部Bgに突き当たる位置まで移動させることで、第二突出部4を開口部Baの下辺Bd側に形成された幅狭部Bjを構成する切り欠き通じて開口部Baに導入することができ、これによりバンパBにカバー1を取り付けることが可能となる。
【0039】
より具体的には、前記のようにカバー本体2の他辺部2b側を移動させると、前記傾斜面4fが開口部Baの下辺Bd側の周回鍔部Bgの突き出し端Bhに摺接して第一突出部3と第二突出部4との間の距離を狭める向きの弾性変形がカバー1に生じ、これにより周回鍔部Bgの内方への第二突出部4の係合部4aの導入が許容される。周回鍔部Bgの内方へ係合部4aの導入がされると、カバー1は弾性復帰して、係合面4cがバンパBの内面Bi側から周回鍔部Bgに引っかかる(
図10)。
【0040】
なお、図示の例では、第一突出部3の支持部分6の基部6aの左右外面6hにそれぞれ基部6aの突き出し方向に沿ったリブ6iが形成されると共に、第二突出部4における左右の厚さ側の端面4dにその突き出し方向に沿ったリブ4eが形成されており、これらのリブ6i、4eによって前記幅狭部Bjを構成する切り欠き内に隙間なく第一突出部3及び第二突出部4が納まり、カバー1の左右方向(
図6における左右方向)の取り付け状態の安定化が図られている。
【0041】
前記カバー本体2の他辺部2bと開口部Baとの間に、ドライバなどの工具の端部を差し込んでなす、前記カバー1のバンパBから取り外し、および、前記周回鍔部Bgの内方へ第二突出部4の係合部4aを導入してなす、前記カバー1のバンパBへの取り付けは、(1)第一突出部3の易変形部分7の弾性変形、あるいは、(2)第一突出部3の易変形部分7の弾性変形に加えてカバー本体2及び第二突出部4の双方又はいずれか一方を弾性変形させることによって許容させることができる。図示の例では、第一突出部3の易変形部分7の弾性変形に加えてカバー本体2を弾性変形させることで、かかる取り外し、および、取り付けができるようになっている。
【0042】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0043】
B バンパ
Ba 開口部
Baa 口縁部
1 カバー
2 カバー本体
2a 一辺部
2b 他辺部
3 第一突出部
4 第二突出部
6 支持部分
7 易変形部分