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特許7542500妥当性確認方法、妥当性確認システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】妥当性確認方法、妥当性確認システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
G05B23/02 R
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021146770
(22)【出願日】2021-09-09
(65)【公開番号】P2023039583
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】平井 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】永田 英隆
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 和基
(72)【発明者】
【氏名】森田 克明
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-157597(JP,A)
【文献】特開2022-061689(JP,A)
【文献】特開2019-197329(JP,A)
【文献】特開2012-008744(JP,A)
【文献】特開2012-252519(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/146983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00-23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群を算出するステップと、
確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算するステップと、
前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群を算出するステップと、
前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定するステップと、
を有する妥当性確認方法。
【請求項2】
前記特定するステップの前に、前記第1のクラスタ群の各々についてそのクラスタの特徴を表す情報を設定するステップ、
をさらに有する請求項1に記載の妥当性確認方法。
【請求項3】
前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットが含まれないクラスタを、前記確認を要するクラスタとして特定する、
請求項1から請求項2の何れか1項に記載の妥当性確認方法。
【請求項4】
前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットのみを含むクラスタを、前記確認を要するクラスタとして特定する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の妥当性確認方法。
【請求項5】
前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットが含まれるクラスタについて、当該クラスタの前記第2のカットセットの確率と、当該クラスタに対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる各カットセットの確率との差が所定の閾値以上の場合、前記第2のカットセットが含まれるクラスタを、前記確認を要するクラスタとして特定する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の妥当性確認方法。
【請求項6】
前記特定するステップの後に、前記第1のクラスタ群の各々について設定した特徴を表す情報を修正するステップ、
をさらに有し、
前記特徴を表す情報を修正するステップでは、前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットのみを含むクラスタについて特徴を表す情報を設定する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の妥当性確認方法。
【請求項7】
前記特定したクラスタに基づいて、前記確認対象の確率論的リスク評価モデルを修正するステップ、をさらに有する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の妥当性確認方法。
【請求項8】
前記確率論的リスク評価モデルを修正するステップでは、
前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットが含まれないクラスタについて、当該クラスタに対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれるカットセットに関連するフォリトツリーまたはイベントツリーを提示する、
請求項7に記載の妥当性確認方法。
【請求項9】
前記第1のクラスタ群を算出するステップでは、複数のプラントの全てに共通する前記第1のカットセットを含むクラスタと、前記複数のプラントのうちの一部に共通する前記第1のカットセットを含むクラスタと、前記プラントごとに当該プラントに固有の前記第1のカットセットのみを含むクラスタと、を算出し、
前記第2のクラスタ群を算出するステップでは、前記複数のプラントに確認対象のプラントを加えた全ての前記プラントに共通する前記第2のカットセットを含むクラスタと、全ての前記プラントのうちの一部に共通する前記第2のカットセットを含むクラスタと、全ての前記プラントごとに当該プラントに固有の前記第2のカットセットのみを含むクラスタと、を算出する、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の妥当性確認方法。
【請求項10】
確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群を算出する手段と、
確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算する手段と、
前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群を算出する手段と、
前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定する手段と、
を有する妥当性確認システム。
【請求項11】
コンピュータに、
確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群を算出するステップと、
確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算するステップと、
前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群を算出するステップと、
前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、確率論的リスク評価モデルの妥当性確認方法、妥当性確認システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントのリスク評価に確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment:PRA)モデル(以下、PRAモデルと記載する。)が用いられることがある(特許文献1)。リスク評価の精度を保つため、PRAモデルに基づいて生成される頂上事象のカットセットの妥当性を確認する必要がある。
【0003】
特許文献2には、トレーニングデータの特徴ベクトルをクラスタリングし、クラスタリングされた特徴ベクトルを用いて、認識すべきデータの特徴ベクトルを補間演算した後に音声認識モデルに入力して、音声認識モデルを最適に調整する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5480033号公報
【文献】国際公開第2018/005858号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
原子力発電プラントのPRAモデルから出力される頂上事象のカットセットの数は、1プラントあたり数万から数十万になることがある。膨大な数のカットセットを効率よく確認する方法が求められている。
【0006】
本開示は、上記課題を解決することができる妥当性確認方法、妥当性確認システム及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の妥当性確認方法は、確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群を算出するステップと、確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算するステップと、前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群を算出するステップと、前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定するステップと、を有する。
【0008】
また、本開示の妥当性確認システムは、確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群を算出する手段と、確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算する手段と、前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群を算出する手段と、前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定する手段と、を有する。
【0009】
また、本開示のプログラムは、コンピュータに、確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群を算出するステップと、確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算するステップと、前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群を算出するステップと、前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上述の妥当性確認方法、妥当性確認システム及びプログラムによれば、PRAモデルの妥当性を効率的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る妥当性確認システムの一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る妥当性確認処理の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る頂上事象のカットセットを説明するための図である。
図4】実施形態に係るカットセットの一例を示す図である。
図5】実施形態に係る階層的クラスタリングについて説明する図である。
図6】実施形態の第1のカットセットから作成されたグループを例示する図である。
図7】実施形態の第1のカットセットおよび第2のカットセットから作成されたグループを例示する図である。
図8】実施形態に係る不足カットセットの抽出処理について説明する図である。
図9】実施形態の妥当性確認システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、本開示の妥当性確認システムについて、図1図9を参照しながら説明する。
(システム構成)
図1は、実施形態に係る妥当性確認システムの一例を示すブロック図である。
妥当性確認システム1は、PRAモデルを構成する頂上事象のカットセットの妥当性を確認する作業を支援する。図示するように妥当性確認システム1は、PRAモデル管理装置10と、妥当性確認支援装置20とを備える。PRAモデル管理装置10と妥当性確認支援装置20は通信可能に接続されている。
【0013】
(PRAモデル管理装置の構成)
PRAモデル管理装置10は、カットセット出力部11と、修正受付部12と、記憶部13とを備える。
カットセット出力部11は、PRAモデルを解析して、頂上事象のカットセットを出力する。頂上事象とは、例えば、原子力発電プラントにおける重大な事故事象である。頂上事象のカットセットとは、頂上事象を引き起こす、1または複数の基事象の組合せである。基事象は、例えば、ポンプの起動失敗、逆止弁の開失敗など、重大な事故事象に繋がる個々の事故事象である。以下、頂上事象のカットセットを単にカットセットと記載する。例えば、原子力発電プラントの場合、PRAモデルから出力されるカットセットの数は、数万から数十万になることがある。PRAモデルから出力される複数のカットセットをカットセットリストと呼ぶ。
修正受付部12は、PRAモデルに対する修正指示を受け付け、PRAモデルを修正する。
記憶部13は、PRAモデルを記憶する。PRAモデルには、FT(Fault Tree)やET(Event Tree)が含まれている。
【0014】
(妥当性確認支援装置の構成)
妥当性確認支援装置20は、カットセット取得部21と、入力受付部22と、制御部23と、特徴量演算部24と、クラスタリング部25と、出力部26と、記憶部27と、を備える。
【0015】
カットセット取得部21は、PRAモデル管理装置10が出力したカットセットを取得する。
入力受付部22は、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン等の入力装置を用いて入力された各種の設定情報、処理の実行を指示する指示情報などを受け付ける。入力部51は、受け付けた入力の内容を制御部23に出力する。
【0016】
制御部23は、特徴量演算部24、クラスタリング部25、出力部26を用いてカットセットの妥当性確認支援処理を実行する。より具体的には、制御部23は、参照用の1つ又は複数のプラントのPRAモデルから出力されたカットセット(第1のカットセットとよぶ。)を分類してできたグループと、チェック対象の1つ又は複数のプラントのPRAモデルから出力されたカットセット(第2のカットセットとよぶ。)を第1のカットセットに加えて同様に分類したときにできたグループを比較し、チェック対象のプラントのPRAモデルに欠けているカットセットを抽出する。また、制御部23は、同じグループに分類された第1のカットセットと第2のカットセットの発生確率が大きく異なるような場合にそれらのカットセットを抽出する。制御部23は、抽出したカットセットを技術者に提示する。
【0017】
特徴量演算部24は、カットセット取得部21が取得した各カットセットの特徴量を演算する。具体的には、カットセットに含まれる基事象のID(識別情報)は、所定のルールに従ってコード化されているが、コード化されたテキストデータを所定の単位に分節し、分節された文字列を単語、カットセットを文書のように扱って、tfidfやword2vec等のテキスト分析を用いて、カットセットに出現する単語に基づく特徴量を演算する。演算結果の特徴量は、ベクトルとして表される。このベクトルの各要素は、基事象IDから分節して得られる文字列(単語)についてテキスト分析した値である。
【0018】
クラスタリング部25は、特徴量演算部24が演算したカットセットの特徴量に基づいて、例えば、階層的クラスタリングを実行し、PRAモデルから生成された全カットセットを、類似するカットセット同士に分類する。
【0019】
出力部26は、クラスタリングの結果、制御部23が抽出した情報などを表示装置に表示したり、電子データとして出力したりする。
記憶部27は、カットセット、処理中のデータなどを記憶する。
【0020】
(動作)
次に図2図8を用いて、妥当性確認システム1の動作について説明する。
図2は、実施形態に係る妥当性確認処理の一例を示す図である。
妥当性確認システム1の動作は、比較参照用のプラントA~CのPRAモデルから出力された第1のカットセットをテキスト分析と階層的クラスタリングによって特徴別に分類する処理(ステップS1~S5)と、チェック対象のプラントDのPRAモデルから出力された第2のカットセットをテキスト分析した結果を第1のカットセットに対するテキスト分析の結果に加えて階層的クラスタリングを実行し、2つの階層的クラスタリングの結果を比較して差分を抽出し、チェック対象のプラントのPRAモデルの修正などを実施する処理(ステップS6~S19)の2段階で構成されている。以下、これらの処理について説明する。
【0021】
<比較参照用のデータベース作成>
記憶部13には、予めプラントA~DのPRAモデルが記録されているとする。技術者が、PRAモデル管理装置10へ参照用のPRAモデルのカットセットリストを出力するよう指示する。カットセット出力部11は、記憶部13から比較参照用のPRAモデルを読み出して、第1のカットセットを出力する(ステップS1)。例えば、比較参照用のPRAモデルとは、事前に技術者によって妥当であることが確認されたプラントA~CのPRAモデルである。図3を参照してカットセットについて説明する。
【0022】
図3は、実施形態に係る頂上事象のカットセットを説明するための図である。
図3にPRAモデルに含まれるFTの一例を示す。図3の円で示したA~Eは基事象を示し、四角で示したP~Qは中間事象を示し、ORゲートは、基事象A、C、中間事象Pの何れかが発生すると、頂上事象が発生することを示す。下のANDゲートは、基事象Bと中間事象Qが発生すると、中間事象Pが発生することを示している。さらに下のANDゲートは、基事象Dと基事象Eが発生すると、中間事象Qが発生することを示している。図3のFTの場合、頂上事象を引き起こすカットセットは、(1)基事象A、(2)基事象B、基事象D、基事象Eの組合せ、(3)基事象Cである。PRAモデル管理装置10のカットセット出力部11は、例えば、図3のFTに基づいて、カットセット1(基事象A)、カットセット2(基事象B、基事象D、基事象E)、カットセット3(基事象C)を含むカットセットリストを出力する。
【0023】
妥当性確認支援装置20では、カットセット取得部21が、カットセット出力部11によって出力されたプラントA~Cに関する第1のカットセットを取得する(ステップS2)。記憶部27は、第1のカットセットを記憶する。図4を参照してカットセットの妥当性の確認について説明する。
【0024】
図4は、実施形態に係るカットセットの一例を示す図である。
図4図3のFTに基づくカットセットを示す。IDはカットセットのID、発生確率はカットセットの事象が発生する確率、基事象はカットセットに含まれる基事象を示す。図4の例の場合、ID=1は、図3で説明したカットセット1に相当し、確率はX1%、このカットセットを構成する基事象は基事象Aである。確率の算出方法については、公知のため説明しないが、例えば、図3のFT及び図示しないETに基づいて算出することができる。例えば、ID=2のカットセット(図3で説明したカットセット2に相当)の場合、カットセット2の事象が発生する確率X2%は、基事象B、基事象D、基事象Eが発生する確率に基づいて算出される。確率は、リスクの大きさを示す。ここで、X1%>X3%>X2%が成立するとする。図4に例示するカットセットは3個の為、技術者は全てを確認することができるが、カットセットが全部で数万個あり、カットセット1の確率X1%とカットセット3の確率X3%が確率の観点から数万個のうちの上位(例えば、上から100個以内)に入り、カットセット2の確率X2%が数万個のうちの下位に順位付けられるとする。確率が大きいカットセットは、それだけ頂上事象(事故)を引き起こしやすいという意味で重要である。その為、技術者は、例えば、確率が高い(リスクが高い)カットセットから順に妥当性の確認を行う。
【0025】
図3のFTに誤りがあり、図3の一番下のANDゲートはORゲートが正しいとする。この場合、カットセット2は誤りであって、正しいFTから出力されるカットセットリストには、基事象Bと基事象Dから構成されるカットセット2aと、基事象Bと基事象Eから構成されるカットセット2bと、上記のカットセット1と、カットセット3と、が含まれる。カットセット2aの確率をX2a%、カットセット2bの確率をX2b%とし、例えば、確率X2a%が上位に順位付けられるとするならば、本来であれば、高リスクのカットセット2aは技術者によって確認されるはずのカットセットである。しかし、PRAモデル(例えば、FT)の誤りにより、カットセットの確率が小さく算出されている場合、技術者の確認の対象から漏れる可能性がある。仮にPRAモデルが正しく、カットセット2aが出力されていれば、カットセット2aに関する基事象Bと基事象Dについて、注意が向けられ、リスク情報活用の観点に基づき、頂上事象の発生確率を低減するための対策を講じることが可能となる。しかし、PRAモデルの誤りにより、発生確率が高いカットセット2aが出力されない場合、カットセット2aは見過ごされ、それが原因でリスク低減のための対策が講じられない可能性がある。妥当性確認支援装置20は、チェック対象のプラントDのPRAモデルから出力されたカットセットについて、発生確率の高低に関わらず、広い範囲のカットセットを対象に妥当性の確認が行えるよう、比較参照用のプラントA~CのPRAモデルから出力された第1のカットセットとの比較によって差異があるカットセットを抽出し、技術者へ提示する。
【0026】
次に技術者の指示により、制御部23が、特徴量演算部24、クラスタリング部25、出力部26を使って、チェック対象のプラントDのカットセットの妥当性確認支援処理を実行する。プラントDのカットセットのチェックに先立って、制御部23は、比較参照用のプラントA~Cの第1のカットセットをグループに分類し、グループごとにその特徴を設定する処理を行う(ステップS3~S5)。これにより、適切なカットセットのグループとその特徴をデータベース化する。そして、その後に、プラントDのカットセットの妥当性を、このデータベースに基づいて評価する。
【0027】
まず、特徴量演算部24が、カットセット取得部21が取得した第1のカットセットのそれぞれについて、テキスト分析しベクトル化する処理を実行する(ステップS3)。基事象はコード化されたテキストデータとして表すことができる。例えば、基事象AのIDは、図4に例示するように“Aa1bbb1052A”である。例えば、先頭の3桁“Aa1”はプラントの系統ID、次の4桁”bbb1”は故障モードID、最後の4桁“052A”は故障に関する機器番号を示している。このように基事象IDには、故障事象が生じた機器、系統、故障の種類に関する情報が含まれている。そこで、カットセットを文章として捉え、カットセットに含まれる各基事象の基事象IDを、系統ID、故障モードID、機器番号等の意味のある要素(単語)に分節して、これらの単語のカットセットにおける重要度や意味をテキスト分析によって分析し、その分析結果をカットセットの特徴量として扱う。このような考えに基づいて、特徴量演算部24は、カットセットに含まれる基事象のテキストデータに対してテキスト分析を行って、カットセットを数値化、ベクトル化する。後述するように、カットセットをベクトル化することにより、ベクトルの近接性(テキストの類似性)に基づいてカットセットを分類することができるようになる。
【0028】
次にカットセットの特徴量の演算、つまり、カットセットのベクトル化の一例について具体的に説明する。説明の便宜のため、カットセットリストには、カットセット1~3のみが含まれ、カットセット1は基事象Aのみ、カットセット2は基事象Bのみ、カットセット3は基事象Cのみを含むものとする。基事象A~Cの基事象IDを図4に示す。まず、各カットセットのベクトルの次元を、全カットセット(カットセット1~3)に存在する全ての基事象(基事象A~C)の基事象IDを分節して得られる要素(単語)の数とする。具体的には、基事象AのIDは、“Aa1”、“bbb1”、“052A”に分節され、基事象BのIDは、“Aa1”、“ddd2”、“052A”に分節され、基事象CのIDは、“Aa2”、“ccc3”、“024B”に分節されることから、要素の数は、“Aa1”、“Aa2”、“bbb1”、“ccc3”、“ddd2”、“052A”、“024B”の7つとなり、ベクトルの次元数は7となる。例えば、特徴量演算部24は、カットセット1~3のそれぞれについて(単語“Aa1”についてのテキスト分析値、単語“Aa2”についてのテキスト分析値、単語“bbb1”についてのテキスト分析値、単語“ccc3”についてのテキスト分析値、単語“ddd2”についてのテキスト分析値、単語“052A”についてのテキスト分析値、単語“024B”についてのテキスト分析値)で表されるベクトルを作成する。テキスト分析とは、例えば、tfidfである。例えば、カットセット1のベクトルの要素の1つ目、単語“Aa1”についてのtfidfによるテキスト分析値は、以下の式によって演算することができる。
【0029】
tf(“Aa1”、カットセット1)=カットセット1(“Aa1bbb1052A”)内における“Aa1”の出現回数/カットセット1の全ての単語(“Aa1”と、”bbb1“と、”052A”)の出現回数の和・・・(1)
idf(“Aa1”)=log(総カットセット数(=3)/単語“Aa1”が出現するカットセット数(=2))・・・(2)
カットセット1の1つ目の要素のテキスト分析値(tfidf)=tf(“Aa1”、カットセット1)×idf(“Aa1”)=式(1)×式(2)・・・(3)
【0030】
あるカットセット内での出現回数は多いが(tfが大きい)、他のカットセットには出現していない(idfが大きい)単語は、tfidfによるテキスト分析値が大きくなる。また、それ以外の単語はtfidfが小さくなる。例えば、複数のカットセットに出現している単語は、各カットセットの特徴を表しているとは言えないためtfidfの値は小さい。一方、特定のカットセットのみに出現している単語は、カットセットの特徴を表していると言えるためtfidfの値は大きくなる。tfidfにより、カットセットにおける単語の重要度を算出できる。このような性質を有するtfidfによる分析値を各要素とするベクトルを作成することで、基事象IDを構成するテキスト(単語の組合せ)の観点からカットセットの特徴を表すことができる。ベクトルの要素の値は、word2vecによって演算してもよい。
【0031】
特徴量演算部24が、各カットセットを表すベクトルを演算すると、次にクラスタリング部25が、全ての第1のカットセットのベクトルを対象に階層的クラスタリングを行って、ベクトルが類似するカットセット同士を同じクラスタに分類する(ステップS4)。クラスタリング部25は、ベクトルの距離が近いカットセット同士で集合(クラスタ)にしていく過程を、最終的に全カットセットが1つのクラスタに統合されるまで繰り返す。この処理は、カットセットに含まれる単語のテキスト分析結果が、基事象の組み合わせの類似度を表すと想定して、カットセットをカテゴライズするために行う。図5にクラスタリングの結果の一例を示す。制御部23は、階層的クラスタリングによって生成したクラスタ群を、任意の階層(図5の閾値L1)で分割し、所望の数のグループに分ける。図5の樹形図(デンドログラム)に記載したC1~C3の各々が、閾値L1で分割したときに生成されるグループである。閾値L1は、予め定められていてもよいし、分割後のグループ数が予め定められていて、このグループ数に応じて、制御部23が閾値L1を設定してもよい。また、このグループ数は、例えば、各グループに含まれるカットセットが複数のプラントに共通の特徴を表すもの同士が分類されたグループと、各プラントに固有の特徴だけが分類されたグループに分離されるように繰り返し調整され、設定されてもよい。
より具体的には、例えば、プラントの系統機能やヒューマンエラーの種類ごとに分類されるように、複数のプラントの共通する1つの故障に関するカットセットが1つのグループに分類されるように閾値L1を調整する。図5の例では、C1はプラントA~Bに共通の特徴が分類されたグループ、C2はプラントA~Cに共通の特徴が分類されたグループ、C3はプラントAに固有の特徴が分類されたグループである。
【0032】
図6に階層化クラスタリングの結果、作成されたグループの一例を示す。グループG1はプラントA~Cに共通のカットセットのグループであり、グループG2はプラントA,Cに共通のカットセットのグループであり、グループG3はプラントB,Cに共通のカットセットのグループであり、グループG4はプラントA,Bに共通のカットセットのグループであり、グループG5はプラントAに固有のカットセットのグループであり、グループG6はプラントBに固有のカットセットのグループであり、グループG7はプラントCに固有のカットセットのグループである。図6では、便宜的に各グループが1つのみ記載されているが、実際には、G1~G7の各グループは、複数存在することが多い。
【0033】
次に制御部23が、各グループの特徴を設定する(ステップS5)。例えば、グループG1に分類されるカットセットが、プラントA~Cに共通する「XXポンプによる注入失敗」という基事象を含むカットセットであれば、技術者は、グループG1について、グループの特徴「XXポンプによる注入失敗」を妥当性確認支援装置20に入力する。制御部23は、入力受付部22を通じて「XXポンプによる注入失敗」を取得し、グループG1と対応付けて記憶部27に記録する(後述するように、図8に例示するグループ管理情報30を更新する。)。技術者は、他のグループG2~G7についても各グループに分類されるカットセットを分析して、各グループの特徴を設定する。ステップS5の特徴を設定する処理は、技術者が手動で行うほか、制御部23が自動で処理してもよい。例えば、カットセットの基事象コード(図4)を構成する文字列の一部とグループの特徴とが対応付けて登録されたグループ特徴設定テーブルが記憶部27に記録されている。制御部23は、グループG1に分類された全カットセットの基事象コードから共通する文字列を抽出して、抽出した文字列に基づいて記憶部27のグループ特徴設定テーブルを参照し、抽出した文字列に対応する特徴を読み出す。そして、制御部23は、読み出したグループの特徴をグループG1と対応付けて記憶部27に記録することにより、グループG1の特徴を設定する。グループ特徴設定テーブルの登録内容は、知見を有する技術者が予め設定しておいてもよい。あるいは、制御部23が、技術者が手動でグループG1~G7の特徴を設定した際に、例えば、そのグループの特徴量と設定された特徴を記憶部27に記録しておき、情報が蓄積された段階で特徴量と特徴の関係を学習して学習済みモデルを構築する。そして、制御部23は、ステップS4で分類された各グループに対応する1つ又は複数の特徴量と学習済みモデルとに基づいて、各グループの特徴を設定してもよい。
【0034】
また、制御部23は、図8に例示する、記憶部27が記憶するグループ管理情報30の「グループNo」、「特徴」、「グループに含まれるプラント」の各項目を設定する。「グループNo」、「特徴」には、ステップS5で設定した内容が設定される。「グループに含まれるプラント」項目の丸印は、そのグループに丸印が付いたプラントのカットセットが含まれていることを示す。制御部23は、各グループに分類されたカットセットの基事象コード(例えば、先頭3桁)を解析することによって、各グループにどのプラントのカットセットが分類されているかを算出し、「グループに含まれるプラント」項目の値を設定する。以上の処理によって、プラントA~CのPRAモデルから出力されたカットセットのグループとその特徴がデータベース化される。具体的には、図6に例示する各グループと、図8のグループ管理情報30が、比較参照用のデータベースとして利用される。
【0035】
<チェック対象のプラントのカットセットの妥当性確認>
次に技術者が、PRAモデル管理装置10へチェック対象のプラントDのPRAモデルのカットセットリストを出力するよう指示する。カットセット出力部11は、記憶部13からチェック対象のプラントDのPRAモデルを読み出して、第2のカットセットを出力する(ステップS6)。妥当性確認支援装置20では、カットセット取得部21が、第2のカットセットを取得する(ステップS7)。記憶部27は、第2のカットセットを記憶する。次に特徴量演算部24が、第2のカットセットのそれぞれについて、テキスト分析しベクトル化する処理を実行する(ステップS8)。ステップS8の処理は、処理対象がプラントDの第2のカットセットとなるだけであってステップS3の処理と同様である。次にクラスタリング部25が、ステップS3にて算出された第1のカットセットのベクトルと、ステップS8にて算出された第2のカットセットのベクトルと、を対象に階層的クラスタリングを行って、ベクトルが類似するカットセット同士を同じグループに分類する(ステップS9)。ステップS9の階層的クラスタリングの処理自体は、処理対象が第1のカットセットおよび第2のカットセットから算出されるベクトルとなるだけであってステップS4の処理と同様である。ただし、ステップS9では、階層的クラスタリングによって作成されるグループが、ステップS4で作成されたグループと対比可能なように閾値L1(図5)を調整し、グループを作成する。対比可能にグループを作成するとは、例えば、ステップS4で作成されたグループとステップS9で作成されたグループを各グループの構成要素(カットセット)が類似するもの同士で比較した場合に、プラントA~Cのカットセットについては両者がなるべく一致するような結果となるようにグループを作成することをいう。また、技術者は、プラントDのカットセットのみを含むグループ、プラントA,Dのカットセットのみを含むグループ、・・・などが新たに作成されることを考慮して閾値L1を調整する。
【0036】
例えば、クラスタリング部25は、ステップS4において、複数のプラントA~Cの全てに共通するカットセットを含むグループと、プラントA~Cのうちの一部に共通するカットセットを含むグループと、プラントA~Cごとにプラント固有のカットセットのみを含むグループとを算出し、ステップS9において、プラントA~Dの全てに共通するカットセットを含むグループと、プラントA~Dのうちの一部に共通するカットセットを含むグループと、プラントA~Dごとにプラント固有のカットセットのみを含むグループとを算出する。
【0037】
図7にステップS10の結果作成されたグループの一例を示す。グループG1-1は、図6のグループG1に対応し、プラントA~Dに共通のカットセットのグループである。図示する領域G1´はグループG1-1の一部であり、グループG1-1にはプラントDのカットセットが付加されていることを概念的に表している。同様にグループG3-1は、図6ではプラントB,Cのカットセットのみを含むグループG3に対応し、さらにプラントDのカットセットが付加(領域G3´)されてプラントB~Dのカットセットを含むグループとなったことを表している。グループG5-1についても同様である。グループG4,G6,G7については図6の状態と同様であり、プラントDのカットセットのみで構成されたグループG8が新たに作成されている。
【0038】
第1のカットセットと第2のカットセットのクラスタリングが完了すると、次に制御部23が、チェック対象のプラントDのカットセットが含まれないグループを抽出する(ステップS10)。制御部23は、ステップS9にて作成された各グループのカットセット(例えば、基事象コードの先頭3桁)を確認して、プラントDのカットセットが含まれるかどうかを判定し、その結果を、図8に例示するグループ管理情報30の「チェック対象のプラント(D)が含まれるか?」項目に設定する。そして、制御部23は、プラントDが含まれないグループを抽出する。例えば、図8の例であればグループNo=G2のグループはプラントDのカットセットを含まないグループである。出力部26は、プラントDのカットセットを含まないグループの一覧を表示装置等へ出力する。技術者は、プラントDのカットセットを含まないグループが妥当かどうかを判断する(ステップS11)。技術者は、抽出されたグループの特徴とプラントDの特性を踏まえ、当該グループにプラントDのカットセットが含まれないことが妥当かどうか確認を行う。例えば、抽出されたカットセットがプラントA,C,Dに共通するカットセットの場合、技術者は、グループG2にプラントDのカットセットが含まれていないことを妥当ではないと判断する。「妥当ではない」と判断される場合(ステップS11;No)、本来は出現すべきはずのカットセットが得られていないことになる。原因として、プラントDのPRAモデルに不足するカットセットに関するFTが欠けていたり、FTが存在したとしてもそのFTの構造が誤っていたりすることが考えられる。技術者は、チェック対象のプラントDのPRAモデルを修正する(ステップS12)。このとき、制御部23は、PRAモデル管理装置10に問い合わせてグループG2のカットセットに関連するFTやETを取得して、参考情報としてこれらを表示してもよい。この場合のFTは、対象のカットセットの出力元となるFTである。また、ETは、FTの頂上事象をヘディングに含むETである。技術者は、参考情報として提示されたFTやETを参照しながら、提示されたものと同様のETやFTがプラントDのPRAモデルに存在するかどうかや、同様のFTが存在する場合にはその構成に誤りが無いかどうかを確認してPRAモデルを修正する。技術者は、PRAモデル管理装置10にPRAモデルの修正情報を入力する。PRAモデル管理装置10の修正受付部12は、PRAモデルの修正情報を取得し、修正情報に基づいて、記憶部13のPRAモデルを修正する。一方、「妥当」と判断される場合(ステップS11;Yes)、ステップS12の処理は実施しない。
【0039】
次に制御部23は、確率が乖離しているチェック対象のカットセットを抽出する(ステップS13)。制御部23は、チェック対象のプラントDのカットセットが含まれているグループ(プラントDのカットセットのみで構成されたグループG8は除く。)について、プラントDのカットセットの確率(図4の確率)と他のプラントの同じ種類のカットセットの確率を比較して、両者が所定の閾値以上乖離していないかどうかを確認する。例えば、グループG2の「XX信号送信失敗」という特徴に関係して、グループG2には、XX信号を送信する制御装置の故障によってXX信号送信失敗が起こることを示すカットセットが存在するとする。このような場合に制御装置の故障確率がプラントDと他のプラントとで例えば2桁以上違う場合、制御部23は、プラントDの当該カットセットを抽出する。出力部26は、抽出されたプラントDのカットセットと確率、他のプラントにおける同じ種類のカットセットの確率を表示装置等へ出力する。技術者は、プラントDのカットセットの確率が妥当かどうかを判断する(ステップS14)。技術者は、プラントDの特性を踏まえ、プラントDの当該カットセットの発生確率が妥当かどうかを判断する。「妥当ではない」と判断される場合(ステップS14;No)、原因としてプラントDのPRAモデルの当該事象の発生確率が誤っていることが考えられる。技術者は、チェック対象のプラントDのPRAモデルを修正する(ステップS15)。ステップS12と同様に、制御部23は、プラントA,Cの関連するFTをPRAモデル管理装置10から取得して、参考情報として表示してもよい。技術者は、PRAモデル管理装置10にPRAモデルの修正情報を入力する。PRAモデル管理装置10の修正受付部12は、PRAモデルの修正情報を取得し、修正情報に基づいて、記憶部13のPRAモデルを修正する。一方、「妥当」と判断される場合(ステップS14;Yes)、ステップS15の処理は実施しない。
【0040】
次に制御部23は、PRAモデルを修正したかどうかを判定する(ステップS16)。例えば、技術者によって修正情報が入力されると、PRAモデル管理装置10はPRAモデルが修正されたことを示す信号を妥当性確認支援装置20へ出力するように構成されていて、制御部23は、この信号を受信したか否かに基づいて、ステップS16の判定を行ってもよい。PRAモデルを修正した場合(ステップS16;Yes)、修正後のプラントDのPRAモデルに基づいて、ステップS6からの処理を再度実行する。プラントDのPRAモデルの修正を行って、プラントDのPRAモデルが妥当なものとなると、ステップS11、S14の判定において妥当と判定され、PRAモデルの修正が不要となる。
【0041】
PRAモデルの修正を行わなかった場合(ステップS16;No)、つまり、プラントDのカットセットが、プラントA~Cのカットセットと比較して妥当だと判断された場合、制御部23は、プラントDのカットセットのみを含むカットセットグループG8を抽出する(ステップS17)。制御部23は、ステップS9で作成された各カットセットグループを確認し、プラントDのカットセットだけで構成されたグループを抽出する。なお、図8では、グループG8は一つだけ記載されているが、プラントDに固有のグループは複数存在してもよい。出力部26は、抽出されたグループG8を表示装置等へ出力する。
【0042】
次に制御部23が、チェック対象のプラントDに固有のグループの特徴を設定する(ステップS18)。技術者は、ステップS17で抽出されたグループに対して、特徴を設定する。制御部23は、設定された特徴を、入力受付部22を通じて取得し、グループG8と特徴とを対応付けて記憶部27に記録する(グループ管理情報30を更新する。)。ステップS5で説明したように、この処理は、制御部23が自動処理によって実行してもよい。また、制御部23が設定した特徴を、出力部26を通じて表示装置等へ出力し、制御部23が設定した特徴で問題が無いかどうかの最終的な判断を技術者が行ってもよい。
【0043】
なお、ここでは、プラントDのカットセットのみを含むグループについて、その特徴を設定することとしたが、例えば、知見を有する技術者が、プラントDのカットセットのみを含むグループを確認したときに、本来は他のプラントにも共通するはずのカットセットがプラントDのカットセットのみを含むグループG8として抽出されていることに気が付くといったこと起こり得る。そのような場合には、技術者は、ステップS11~ステップS12と同様にして、プラントDのPRAモデルの修正を行うことができる。また、PRAモデルの修正を行った場合には、技術者が、妥当性確認支援装置20に対して所定の操作を行って、ステップS6からの処理を再度行うようにする。
【0044】
次に出力部26は、制御部23の指示により、全てのグループについて設定された特徴を出力し、各グループの特徴の更新を受け付ける。例えば、グループG1について、プラントDのカットセットが加わることにより、特徴自体は変化せずとも、特徴の記載を修正した方が好ましいような場合がある。技術者は、必要に応じて、既存のグループの特徴を更新する(ステップS19)。制御部23は、入力受付部22を通じて、更新された特徴を取得し、グループ管理情報30を更新する。これにより、プラントA~Cに加えて、プラントDのカットセットの特徴付けがデータベース(グループ管理情報30)に反映される。今後、新たなチェック対象としてプラントEのPRAモデルの妥当性確認を行う際には、プラントA~Dに基づいて構築されたデータベースに基づいて、ステップS6からの処理を実施することにより、妥当性確認を行うことができる。このように本実施形態によれば、データベースを拡張しつつ、データベースと比較することにより、チェック対象のプラントのカットセットの妥当性確認を行うことができる。
【0045】
(効果)
PRAモデルから出力されるカットセットは、1プラントあたり数十万規模で生成されることがある。そのすべての妥当性や必要なカットセットが得られていることを技術者が手作業で確認することは困難である。本実施形態によれば、本来は出現すべきカットセットの不足を他のプラントとの比較により効率的に検知することができる。また、プラント間のカットセットの比較により、PRAモデルの入力条件(FT,ETおよびそれらの構成)の不備の有無を相互に確認でき、プラント間で整合性のとれた評価を行うことができる。例えば、ステップS16でNoと判定された状態で得られているカットセットを妥当なものと評価してもよい。また、不足カットセットの確認や不備に対する修正を行うとともにチェック対象プラントのカットセット(グループG8)の特徴付けを行うことで、カットセットの特徴付けデータベース(グループ管理情報30)を拡大していくことが可能である。また、技術者が手作業で数十万規模のカットセットを確認する場合、リスクが上位のカットセットから優先的に確認することが多い。これに対し、本実施形態によれば、全カットセットに対する階層的クラスタリングにより、全体から基事象の組み合わせの観点で代表的なカットセットを満遍なく抽出し、カットセットの妥当性の確認を行うことができる。これにより、リスクの高低に関わらず、全体的に偏りなくカットセットの確認を行うことができる。
【0046】
また、カットセットの確認作業は、安全性向上の観点から技術者によって継続的に実行される作業である。本実施形態の妥当性確認システム1を導入することによって(特にデータベース(グループ管理情報30)の拡大、見直しを継続的に行うことによって)、確認作業の効率化、省力化の効果を長期的に享受することができる。
【0047】
上記実施形態では、原子力発電プラントにおいて作成されたPRAモデルのカットセットの確認作業を省力化・効率化するについて述べた。上述の通り、原子力発電プラントでは、カットセットの数が数万~数十万に達することがあり、本実施形態のPRAモデルの妥当性確認方法は有効である。しかし、妥当性確認システム1の適用分野は、原子力プラントに限定されない。PRAモデルを用いてリスク評価を行うどのような産業分野にも適用が可能である。また、階層的クラスタリングの具体的手法についても特に上記した手法に限定するものでは無く、同様の手法を用いることができる。
【0048】
図9は、妥当性確認システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述のPRAモデル管理装置10、妥当性確認支援装置20は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0049】
なお、PRAモデル管理装置10、妥当性確認支援装置20の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
PRAモデル管理装置10、妥当性確認支援装置20は、それぞれ通信可能な複数のコンピュータ900によって構成されていても良い。また、PRAモデル管理装置10、妥当性確認支援装置20が1台のコンピュータ900によって構成されていても良い。
【0050】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0051】
例えば、上記実施例では、比較参照用のPRAモデルをプラントA~Cとしたが、プラントA~Cの何れか1つだけでもよい。またチェック対象のPRAモデルについてもプラントDの1つだけではなく2つ以上を同時に評価してもよい。
【0052】
<付記>
各実施形態に記載の確率論的リスク評価モデル(PRAモデル)の妥当性確認方法、妥当性確認システム1及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0053】
(1)第1の態様に係る確率論的リスク評価モデル(PRAモデル)の妥当性確認方法は、確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し(S3)、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群(例えば、図6のグループG1~G7)を算出するステップ(S4)と、確認対象の確率論的リスク評価モデル(プラントDのPRAモデル)から出力される第2のカットセットの特徴量を演算するステップ(S8)と、前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群(図7のグループG1-1~G8)を算出するステップ(S9)と、前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定するステップ(S10、S13)と、を有する。
【0054】
これにより、1プラントから数十万規模のカットセットが生成される場合であっても、カットセットを網羅的にプラント間で比較し、確認を要するカットセットを見出すことができる。例えば不足カットセットや確率が異常なカットセットの情報からPRAモデルの不備を見出すことができる。また、カットセットの特徴量を演算し数値化することにより、全カットセットを対象にクラスタリングを行うことができる。全てのカットセットを対象に階層的クラスタリングを行うことにより、全体を代表的するカットセットを抽出することができる。代表的なカットセットを抽出して確認作業を行うので偏りなく省力的にカットセットの確認を行うことができる。
【0055】
(2)第2の態様に係る妥当性確認方法は、(1)の妥当性確認方法であって、前記特定するステップの前に、前記第1のクラスタ群の各々についてそのクラスタの特徴を表す情報を設定するステップ、をさらに有する。
【0056】
これにより、技術者が妥当性を確認したカットセット群の特徴に基づいて、チェック対象のカットセットの妥当性を効率よく判断することができる。
【0057】
(3)第3の態様に係る妥当性確認方法は、(1)~(2)の妥当性確認方法であって、前記第2のクラスタ群(グループ群)における前記第2のカットセットが含まれないクラスタ(グループ)を、前記確認を要するクラスタとして特定する。
これにより、プラント間のカットセットの比較によって不足カットセットを見出すことができる。
【0058】
(4)第4の態様に係る妥当性確認方法は、(1)~(3)の妥当性確認方法であって、 前記第2のグループ群における前記第2のカットセットのみを含むクラスタ(グループ)を、前記確認を要するクラスタ(グループ)として特定する(S17)。
これにより、チェック対象のプラントに固有のカットセットの内容を確認し、必要に応じて修正や特徴づけを行うことができる。
【0059】
(5)第5の態様に係る妥当性確認方法は、(1)~(4)の妥当性確認方法であって、 前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットが含まれるクラスタについて、当該クラスタの前記第2のカットセットの確率と、当該クラスタに対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる各カットセットの確率との差が所定の閾値以上の場合、前記第2のカットセットが含まれるクラスタを、前記確認を要するクラスタとして特定する(S13)。
これにより、妥当性が確認されたカットセットの確率と大きく異なる確率が割り当てられたカットセットを見つけ出し、修正することができる。
【0060】
(6)第6の態様に係る妥当性確認方法は、(1)~(5)の妥当性確認方法であって、記特定するステップの後に、前記第1のクラスタ群の各々について設定した特徴を表す情報を修正するステップ、をさらに有し、前記修正するステップでは、前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットのみを含むグループについて特徴を表す情報を設定する。
これにより、データベースを拡大することができる。
【0061】
(7)第7の態様に係る妥当性確認方法は、(1)~(6)の妥当性確認方法であって、 前記特定したグループに基づいて、前記チェック対象の確率論的リスク評価モデルを修正するステップ(S12、S15)、をさらに有する。
これにより、効率的にチェック対象のPRAモデルの誤りに気づき、PRAモデルを修正することができる。
【0062】
(8)第7の態様に係る妥当性確認方法は、(7)の妥当性確認方法であって、前記修正するステップでは、前記第2のクラスタ群における前記第2のカットセットが含まれないクラスタについて、当該クラスタに対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれるカットセットに関連するフォリトツリーまたはイベントツリーを提示する。
これにより、技術者は、妥当性が確認された他のプラントのPRAモデルが備える類似するFT,ETを参考にしながら、PRAモデルの修正を行うことができる。
【0063】
(9)第9の態様に係る妥当性確認方法は、(1)~(8)の妥当性確認方法であって、前記第1のクラスタ群を算出するステップでは、複数のプラントの全てに共通する前記第1のカットセットを含むクラスタ(図6のG1)と、前記複数のプラントのうちの一部に共通する前記第1のカットセットを含むクラスタ(図6のG2~G4)と、前記プラントごとに当該プラントに固有の前記第1のカットセットのみを含むクラスタ(図6のG5~G7)と、を算出し、前記第2のクラスタ群を算出するステップでは、前記複数のプラントに確認対象のプラントを加えた全ての前記プラントに共通する前記第2のカットセットを含むクラスタ(図7のG1-1)と、全ての前記プラントのうちの一部に共通する前記第2のカットセットを含むクラスタ(図7のG2、G3-1、G4、G5-1)と、全ての前記プラントごとに当該プラントに固有の前記第2のカットセットのみを含むクラスタ(図7のG6~G8)と、を算出する。
これにより、チェック対象のプラントDのカットセットを既存の比較対象のプラントA~Cのカットセットと比較しやすくなる。
【0064】
(10)第10の態様に係る妥当性確認システムは、確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し(特徴量演算部24)、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群(グループ群、例えば図6のグループG1~G7)を算出する手段(クラスタリング部25)と、確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算する手段(特徴量演算部24)と、前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群(グループ群、例えば図7のグループG1-1~G8)を算出する手段(クラスタリング部25)と、前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定する手段(制御部23)と、を有する。
【0065】
(11)第11の態様に係るプログラムは、コンピュータ900に、確率論的リスク評価モデルから出力される第1のカットセットの特徴量を演算し、前記特徴量に基づくクラスタリングを実行して第1のクラスタ群を算出するステップと、確認対象の確率論的リスク評価モデルから出力される第2のカットセットの特徴量を演算するステップと、前記第1のカットセットに前記第2のカットセットを追加して、前記第1のカットセットの特徴量と前記第2のカットセットの特徴量とに基づくクラスタリングを実行し、第2のクラスタ群を算出するステップと、前記第2のクラスタ群の各クラスタに含まれる前記第1のカットセットおよび前記第2のカットセットと、前記各クラスタの各々に対応する前記第1のクラスタ群のクラスタに含まれる前記第1のカットセットと、に基づいて、前記第1のクラスタ群と前記第2のクラスタ群の対応するクラスタ同士を比較して、前記第2のクラスタ群のうちの確認を要するクラスタを特定するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・妥当性確認システム
10・・・PRAモデル管理装置
11・・・カットセット出力部
12・・・修正受付部
13・・・記憶部
20・・・妥当性確認支援装置
21・・・カットセット取得部
22・・・入力受付部
23・・・制御部
24・・・特徴量演算部
25・・・クラスタリング部
26・・・出力部
27・・・記憶部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9