(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】多層階構造物の構築方法、ファサード及び建物
(51)【国際特許分類】
E04B 2/56 20060101AFI20240823BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
E04B2/56 642F
E04B1/00
(21)【出願番号】P 2021506525
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(86)【国際出願番号】 AU2019050825
(87)【国際公開番号】W WO2020028947
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-03
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】508212705
【氏名又は名称】ジョン、クレメント、プレストン
【氏名又は名称原語表記】JOHN CLEMENT PRESTON
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195017
【氏名又は名称】水間 章子
(72)【発明者】
【氏名】ジョン クレメント プレストン
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-164757(JP,A)
【文献】特開2000-352196(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02502362(GB,A)
【文献】仏国特許出願公開第03058430(FR,A1)
【文献】特開平10-054090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/56,2/88
E04B 1/00,1/348
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層階構造物の周囲の少なくとも一部の周りに配置されたファサードを有する多層階構造物の構築方法であって、建設中に、ファサードの少なくとも一部は、構造物の上部の作業領域を超えて延びるように配置され、前記作業領域の安全バリアの少なくとも一部を形成し、前記多層階構造物を構築する際に、前記構造物の少なくとも1つのさらなる床は、前記上部の作業領域の上に構築され、前記さらなる床のそれぞれは、前記構造物のそれぞれの後続の上部の作業領域を形成し、前記ファサードは、前記作業領域のための安全バリアを維持するように形成されるいずれかの床の上に1階又は2階の高さのファサードが配置されるように、前記少なくとも1つのさらなる床の形成前に建設される、多層階構造物の構築方法。
【請求項2】
前記さらなる床のそれぞれは、前記床が前記ファサードと連結するように形成されている、請求項1に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項3】
前記ファサードは、複数の連結されたファサードパネル及び/又はファサードモジュールから建設される、請求項1~2のいずれか1項に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項4】
前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールは、互いに並んで、且つ上下になるように連結される、請求項3に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項5】
前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールはそれぞれ、パネル係合部分及び床連結部分を含み、前記パネル係合部分は、前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールを、前記ファサード内の上又は下の別のファサードパネル及び/又はファサードモジュールと係合できるように構成され、前記床連結部分は、床を前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールに連結するように適合されている、請求項4に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項6】
前記多層階構造物の構築中に、前記少なくとも1つのさらなる床は、前記上部の作業領域を越えて延びる前記ファサードにおける複数の前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールの前記床連結部分と係合し、前記ファサードは、複数の前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールを、前記パネル係合部分を介して前記ファサードに相互接続することにより、前記少なくとも1つのさらなる床よりも前に建設される、請求項5に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項7】
前記ファサードを、内枠を有するファサード枠組として建設することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項8】
前記ファサード枠組は、複数の連結されたファサードモジュールから形成され、各モジュールは、使用時に前記ファサード枠組の内枠の一部を形成する内枠部分を含む、請求項7に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項9】
前記ファサード枠組は外枠を有し、前記ファサードモジュールはさらに、使用時に前記ファサード枠組の外枠の一部を形成する外枠部分を含む、請求項8に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項10】
建設中に、前記ファサード枠組から延びる1つ以上の積載プラットフォームを支持することを含み、前記1つ以上の積載プラットフォームは、前記ファサード枠組から外側に突出する、請求項7~9のいずれか1項に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項11】
前記ファサード枠組で1つ以上のバルコニーを支持することを含み、前記バルコニーは、前記ファサード枠組内にある又は前記ファサード枠組から突出している、請求項7~10のいずれか1項に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項12】
前記ファサード枠組によって支持される充填部材を提供することを含み、前記充填部材は、前記少なくとも1つのさらなる床の建設中に、前記安全バリアの少なくとも一部を形成する、請求項11に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項13】
前記多層階構造物の内部に延びる支持部分を有する前記ファサードを建設することと、
少なくとも1つのさらなる床の延在部を形成する前記支持部分を有する該少なくとも1つのさらなる床を形成することとを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項14】
前記多層階構造物は自動車駐車場構造物であり、前記自動車駐車場構造物に適した1つ以上の取付部が、前記支持部分に固定される又は前記支持部分から延びる、請求項13に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項15】
前記支持部分は、前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールに固定される、請求項3に従属する場合の、請求項14に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項16】
前記1つ以上の取付部は、前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールの設置前に前記支持部分に固定される、請求項15に記載の多層階構造物の構築方法。
【請求項17】
多層階構造物の周囲の少なくとも一部の周りに配置されるように構成され
たファサードであって、前記ファサードの少なくとも一部は、構造物の上部の作業領域を超えて延び、前記作業領域のための安全バリアの少なくとも一部を形成し、前記ファサードは、後続の床の上で1階又は2階の高さであり、後続の床のための安全バリアを維持するために前記上部の作業領域の上に形成される、ファサード。
【請求項18】
多層階構造物の周囲の少なくとも一部の周りに配置されるように構成されたファサードであって
、前記ファサードの少なくとも一部は、前記
多層階構造物の上部の作業領域を超えて延びるように配置され、前記作業領域のための安全バリアの少なくとも一部を形成し、前記ファサードは、複数のファサードパネル及び/又はファサードモジュールから形成され、各ファサードパネル及び/又はファサードモジュールは、パネル係合部分及び床連結部分を含み、前記パネル係合部分は、前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールを、前記ファサード内の上又は下の別のファサードパネル及び/又はファサードモジュールと係合できるように構成され、前記床連結部分は、前記ファサードパネル及び/又はファサードモジュールを有する床と連結又は係合できるように適合され、前記多層階構造物の建設中に、前記床連結部分が前記多層階構造物の内側に延びるように前記ファサードが向けられ、前記多層階構造物の少なくとも1つのさらなる床が、前記床連結部分の高さに形成され、且つ、前記床連結部分と係合して、前記上部の作業領域の上に構築され、前記さらなる床のそれぞれは、前記多層階構造物のそれぞれの後続の上部の作業領域を形成し、前記ファサードは、前記上部の作業領域のための安全バリアを維持するように前記上部の作業領域の上に形成されるいずれかの後続の床の上に1階又は2階の高さのファサードが配置されるように、前記少なくとも1つのさらなる床の形成前に建設される、ファサード。
【請求項19】
前記ファサードは、複数の連結されたファサードパネル及びファサードモジュールから形成される、請求項18に記載のファサード。
【請求項20】
前記ファサードは、内枠を有するファサード枠組として形成されている、請求項18に記載のファサード。
【請求項21】
前記ファサードは、複数の連結されたファサードモジュールから形成され、各ファサードモジュールは、使用時に前記内枠の一部を形成する内枠部分を含む、請求項20に記載のファサード。
【請求項22】
多層階の建物の周囲の少なくとも一部の周りに配置されるファサードを有する該多層階の建物であって、前記建物は
、前記建物の上部の作業領域を越えて延びる前記ファサードの少なくとも一部を有し、前記作業領域のための安全バリアの少なくとも一部を形成し、前記ファサードの高さは、後続の床のための安全バリアを維持するように形成され、前記後続の床よりも上の1階又は2階の高さである、建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外装ファサードを有する多層階構造物並びに構造物及びファサードの構築又は組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多層階構造物のファサードは、構造物の構築後に多層階構造物に取り付けられる既製のモジュール式の要素を利用することが知られている。いくつかの形態において、多層階構造を建設する既知の方法では、事前に製造されたファサード要素を構造物の任意の階で床に追加して、構造物の壁及びいくつかの形態では窓を提供するために、安全レール又は足場が必要である。多層階構造物を構築する既知の方法は、i)足場又は周囲スクリーンを構築すること、ii)地面又はスラブから上方に延びる支柱を構築すること、iii)上層階用に型枠を建設すること、iv)上層階を形成すること、v)構造物が必要な高さになるまで繰り返すこと、vi)足場又は周囲スクリーンを撤去すること、及び、vii)構造物に外装ファサードを取り付けることを含む。あるいは、既知の方法は、多層階構造物の任意の床に安全レールを構築することと、落下を防止するためにハーネスを利用することを含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いずれかの従来技術が本明細書において言及されている場合、そのような言及は、先行技術がオーストラリア又はその他の国における当該技術における一般知識の一部を形成していることの容認を構成しないことが理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
多層階構造物の周囲の少なくとも一部の周りに配置されたファサードを有し、建設中に、ファサードの少なくとも一部は、構造物の上部の作業領域を超えて延びるように配置され、作業領域のための安全バリアの少なくとも一部を形成する多層階構造物の構築方法を開示する。
【0005】
いくつかの形態において、ファサードは複数のパネルから形成され、パネルは、安全バリアの少なくとも一部を形成する。
【0006】
この方法には、高価な足場又は周囲スクリーンを構築する必要なしに、多層階構造物の建設を可能にするという利点がある。この方法には、安全性を高めるという利点もある。これは、ファサードが周囲のスクリーン又は足場として機能し、構造物からの落下を防ぐためである。この方法は、構造物の外装ファサード又は外壁と、足場とが、本質的に一体化し得ることを意味する。
【0007】
いくつかの形態において、ファサードを有する多層階構造物の構築方法が開示されており、この方法は、多層階構造物の1階の周囲の少なくとも一部の周りに複数のファサードパネルを配置することと、上層階の連結部材が多層階構造物の内側に延びるようにファサードパネルを向けることと、上層階の連結部材が上層階と係合して上層階と複数のファサードパネルとを連結するように、上層階の連結部材の高さに上層階を形成することとを含み、ファサードパネルは、パネルの第1の対向面から延びる上層階の接続部材を備えた2つの対向面を有する。
【0008】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、落下防止システムとしても、構造物の恒久的なファサードパネルとしても機能する。いくつかの形態において、ファサードパネルは、構造物の床の下に配置されるように構成された部分と、構造物の床の上に配置されるように構成された部分とを含む。
【0009】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、上端及び下端を有し、使用時に、上層階の連結部材は、上端と下端の中間に配置される。
【0010】
上端と下端の中間にある上層階の連結部材は、床が打設されると、新しい床の上にファサードパネルを延ばすという利点があり、このことは、新しい床に立っている作業者又は他の人が、ファサードパネルによって囲まれ、ある程度の保護が与えられることを意味する。
【0011】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、落下防止及び窓を含む恒久的なファサードとして機能するのに十分な強度の材料で構成されている。
【0012】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、建物の建設中及び建設後に人が構造物から落下するのを防ぐ。
【0013】
さらに、2つの対向面、並びに、その場の上端及び下端を含むファサードパネルと、ファサードパネルの第1の対向面から延びる連結部分とが開示され、連結部分は、上端と下端の中間に配置されている。
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一実施形態における多層階構造物の簡略的な等角図である。
【
図2】本開示の一実施形態を使用して建設される多層階構造物の一部の断面図である。
【
図3】
図2の建設に利用される複数のファサードパネルの断面図である。
【
図4】
図2の建設に利用される複数のファサードパネルの断面図である。
【
図5】本開示の一実施形態における建築パネルの内側からの等角図である。
【
図6】本開示の一実施形態における建設パネルの外側からの等角図である。
【
図7】本開示の一実施形態における建設パネルの等角投影図である。
【
図11】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の簡略的な等角図である。
【
図12】本開示の実施形態を使用して建設される多層階構造物の一部の断面図である。
【
図13】
図12の建設において利用される複数のファサードパネルの断面図である。
【
図14】
図12の建設において利用される複数のファサードパネルの断面図である。
【
図15】本開示の一実施形態における建設パネルの内側からの等角図である。
【
図16】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の簡略的な等角図である。
【
図17】本開示の実施形態を使用して建設される多層階構造物の断面図である。
【
図18】
図16の建設において利用される複数のファサードパネルの断面図である。
【
図19】
図16の建設において利用される複数のファサードパネルの断面図である。
【
図20】
図16の建設において利用されるファサードパネルの断面図である。
【
図21】
図16の建設において利用されるファサードパネルの断面図である。
【
図22】
図16の建設において利用されるファサードパネルの断面図である。
【
図23】
図16の建設において利用されるファサードパネルの断面図である。
【
図24】
図16の建設において利用されるファサードパネルの断面図である。
【
図25】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の簡略的な等角図である。
【
図26】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の簡略的な等角図である。
【
図27】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の簡略的な等角図である。
【
図28】本開示のさらなる実施形態におけるモジュール式パネルの平面図である。
【
図29】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の簡略的な等角図である。
【
図31】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の簡略的な等角図である。
【
図33】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の簡略的な等角図である。
【
図35】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の側面図である。
【
図36】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の簡略的な等角図である。
【
図39】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の簡略的な等角図である。
【
図41】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の簡略的な等角図である。
【
図42】本開示のさらなる実施形態における多層階構造物の建設の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明において、詳細な説明の一部を形成する添付図面を参照する。詳細な説明に記載され、図面に示され、特許請求の範囲で定義される図示的な実施形態は、限定することを意図するものではない。提示された主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に一般的に記載され、図面に示される本開示の態様は、本開示において企図されているように、多種多様な構成で配置され、置換され、結合され、分離され、設計され得ることは容易に理解されるであろう。
【0017】
多層階構造物の周囲の少なくとも一部の周りに配置されたファサードを有し、建築中に、ファサードの少なくとも一部は、構造物の上部の作業領域を超えて延びるように配置され、その作業領域のための安全バリアの少なくとも一部を形成する、多層階構造物の構築方法が開示される。
【0018】
いくつかの形態において、ファサードは複数のパネルから形成され、パネルは、安全バリアの少なくとも一部を形成する。いくつかの形態において、ファサードは、支持要素と充填部材とを含み、支持部材は、充填部材に接続され、かつ、充填部材によって支持され、少なくとも支持要素は、安全バリアの少なくとも一部を形成する。いくつかの形態において、充填部材は、安全バリアの一部も形成する。
【0019】
いくつかの形態において、本発明の方法は、さらに、安全バリアの一部を形成する取り外し可能なバリア部材を構築することをさらに含む。いくつかの形態において、バリア材料は、パネルの内側に配置される。いくつかの形態において、充填部材は、バリア材料を使用して、又はバリア材料を除去した後に、支持要素に連結される。
【0020】
本発明の方法のいくつかの形態において、構造物の少なくとも1つのさらなるの床が上部の作業領域の上に構築され、さらなる床のそれぞれは、構造物のそれぞれの後続の上部の作業領域を形成し、ファサードの少なくとも一部は、後続の作業領域の少なくとも1つを超えて延びるように配置され、後続の作業領域のための安全バリアの少なくとも一部を形成する。
【0021】
いくつかの形態において、ファサードが建設された後に少なくとも1つの床が形成され、床は、床がファサードと連結するように形成されている。いくつかの形態において、ファサードは連結領域を含む。床を形成する際のいくつかの形態において、床は、連結領域を取り囲む。
【0022】
構造物を構築する際のいくつかの形態において、ファサードの少なくとも一部は、ファサードが次の床が構築される高さよりも上に延びて次の床のための安全バリアが形成されるように、最上階の前に構築される。
【0023】
いくつかの形態において、安全バリアは次の床から少なくとも1.5m上にある。
【0024】
また、多層階構造物の周囲の少なくとも一部の周りに配置されるように構成されたファサードパネルも開示され、建築中に、ファサードの少なくとも一部は、構造物の上部の作業領域を超えて延びるように配置され、作業領域のための安全バリアの少なくとも一部を形成する。
【0025】
本発明の方法及びパネルにより、作業者は、独立した落下バリア又は足場を必要とせずに、上部の作業領域で安全に作業することができる。いくつかの形態において、ファサードは、建設中に、ファサードを形成するファサードパネルの少なくとも一部が作業領域の上に延びて、作業領域からの落下を防止するように設計されている。
【0026】
いくつかの形態において、多層階構造物の階の周囲の少なくとも一部の周りに複数のファサードパネルを設置することと、上層階の連結部分が多層階構造物の内側に延びるようにファサードパネルを向けることと、上層階の連結部材が上層階と係合して上層階を複数のファサードパネルと連結するように、上層階の連結部材の高さに上層階を形成することとを含み、ファサードパネルは、パネルの第1の対向面から延びる上層階の接続部材を備えた2つの対向面を有する。
【0027】
ファサードパネルは、いくつかの形態において、構造物の地上階又は上層階の周囲に配置されてもよい。
【0028】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、上端及び下端を有し、使用時に、上層階の連結部材は、上端と下端の中間に配置される。
【0029】
いくつかの形態において、上層階の連結部材は、パネルの第1の対向面から延びるフック又はバー又は他の形成された連結部を含む。
【0030】
いくつかの形態において、上層階の連結部材は、パネルの第1の対向面に貼り付けられる。いくつかの形態において、上層階の連結部材は、パネルの第1の対向面に溶接される。
【0031】
いくつかの形態において、上層階の連結部材は、パネルの第1対向面にボルト締めされている。
【0032】
いくつかの形態において、本発明の方法は、複数の第2の階のファサードパネルの下端を複数のファサードパネルの上端に取り付けることをさらに含む。
【0033】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、互いに隣接して配置される。
【0034】
また、2つの対向面、並びに、その場の上端及び下端を含むファサードパネルと、ファサードパネルの第1の対向面から延びる連結部材とが開示され、連結部材は、上端と下端の中間に配置されている。
【0035】
連結部材は、ファサードが床に組み込まれるように、多層階構造物の上層階と係合又は連結するように構成される。これにより、ファサードに付加的な強度が与えられ、ファサードが建造中の落下防止を提供できるようになる。
【0036】
いくつかの形態において、連結部材は、第1の対向面にボルト締めされる。これにより、パネルが損傷した場合に、パネルを取り外して交換することができる。パネルは、床からボルトを外して取り外すことができる。
【0037】
いくつかの形態において、ファサードパネルの上端又は下端には、さらにパネル連結手段が配置されている。これにより、パネルを上又は下のパネルに取り付けて、構造物のさらなる階を建造することができる。
【0038】
いくつかの形態において、連結部材は、第1の対向面から延びるフック又はバーを含む。いくつかの形態において、連結部材は、第1の対向面にボルト締めされるか、取外し可能に固定される。
【0039】
構造物が多層階駐車構造物であるいくつかの形態において、ファサードパネルは、ファサードと衝突する車両に耐えるのに十分な強度のある材料で構成されている。
【0040】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、使用時に構造物の内部に延びるように位置決めされた支持部分をさらに含む。いくつかの形態において、支持部分は、支持部分から上向きに延びる車輪止めを含む。いくつかの形態において、支持部分は、支持部分から上向きに延びるガードレールを含む。
【0041】
いくつかの形態において、ファサードパネルは構造用スチールで構成される。いくつかの形態において、ファサードパネルは換気口を含む。いくつかの形態において、ファサードパネルは、スラット、格子、又は穿孔されたスチールの形態である。いくつかの形態において、ファサードパネルは装飾的である。
【0042】
いくつかの形態において、連結部材の上のファサードパネルの部分は、落下防止バリアとして機能する。
【0043】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、構造用枠と、構造用枠に係合する外面とを含む。いくつかの形態において、外面は防水性である。いくつかの形態において、ファサードパネルは、構造用枠と係合する内面をさらに含む。いくつかの形態において、断熱材が外面と内面との間に設置される。いくつかの形態において、ファサードパネルは窓又はガラスを含む。
【0044】
いくつかの形態において、ファサードパネルは固体複合材パネルである。
【0045】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、アルミニウム、ガラス、アルミニウム及びガラスの組合せ、アルミニウム、複合材料、コンクリート、スチール、スチールとガラス、又は任意のその他の建材から構成される。いくつかの形態において、ファサードパネルは耐荷重性であり得る。いくつかの形態において、パネルが耐荷重性である場合、パネルは、コンクリート、構造用スチール又はその他の耐荷重性材料よりなる。
【0046】
いくつかの形態において、パネルは、構造物の落下防止システム及び恒久的なファサードとして機能するように構成されている。
【0047】
いくつかの形態において、外装ファサードを有する構造物を建設するためのファサード枠組が開示され、枠組は、内枠と、内枠から離間して内枠と連結された外枠とを含み、外装ファサードのファサードパネルは、内枠に取り付けられている。
【0048】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、窓又は壁を含む。
【0049】
いくつかの形態において、多層階構造物を建築するためのモジュール式建築システムが開示され、このシステムは、外面壁部分と、第2の壁部分及び床部分のうち少なくとも1つとを含むモジュール式ユニットを含む。
【0050】
ここで
図1を参照すると、マンションや高層構造物などのファサードを有する多層階構造物の建設方法が開示されている。多層階構造物10は、多層階構造物の外装ファサード13を形成している複数のファサードパネル12を含む。多層階構造物の床14は、ファサード13内に含まれる。ファサードパネル12は、ファサードパネル12が外装ファサード13内の上又は下のファサードパネルに係合できるように構成されたパネル係合部分15を含む。ファサードパネル12は、床14をファサードパネル12と連結又は係合するように適合された床連結部分17をさらに含む。
【0051】
多層階構造物10は、複数のファサードパネル12を含む最下層階18を、構造物10の下層階19の周りに配置することによって建設される。最下部のファサードパネルは、構造物の地上階、又は、地上階の上の1階、又は、地上と1階の中間に配置することができる。パネル12は、構造物の下層階又は地上階の高さ、又はそれ以上の高さまで上向きに延びる。上層階20は、最下部のファサードパネルと係合する複数のファサードパネル12を含む。上層階のファサードパネル12は、人の高さをはるかに超えて上方に延びる。床連結部分17は、ファサードパネル12の内面に設置されている。上層階のファサードパネル12が位置決めされると、床用の型枠及び支柱などが設置される。次に、床とパネルが係合するように、床が、床連結部分17の周りに施工、建設、又は打設される。次に、作業者は、次の階のファサードパネル22を位置決めすることができる。このプロセスは構造物が必要な階数になるまで続く。
【0052】
見てわかるように、プロセス全体を通して、ファサード13は、上層階が施工される前に位置決めされ、最上階よりも高く延びる。これにより、ファサードが落下防止スクリーンとして機能し、上の作業領域を最上階に安全に位置決めすることができる。プロジェクトが完了すると、ファサードは構造物の外壁として残る。
【0053】
床は、構造物によって支持されてもよい。いくつかの形態において、床は、ファサードパネルによって支持されてもよい。この形態において、パネルは耐荷重性であり、耐荷重性のある材料で構成されている。他の形態において、床は、独立したスチール又はコンクリートの柱材によって支持されてもよい。
【0054】
床は、任意の床材で構成することができる。いくつかの形態において、床は、プレキャストコンクリートで形成される。他の形態において、床は、コンクリートが流し込まれたスチールの型枠を含む。いくつかの形態において、床は、鉄筋コンクリートを含む。いくつかの形態において、床は、構造用スチール及び敷板を含む。いくつかの形態において、床は、構造用木材を含み、いくつかの形態において、床は、複合材料で構成される。
【0055】
図2~4に向けると、プロセスがより詳細に示される。
図2において、1階、2階、3階が施工されており、2階と3階のそれぞれに作業者が立っている。最上階には上の作業領域があり、ファサードは最上階よりも上に延びている。
【0056】
ファサードパネル12は、床連結部分17を含む最上部のファサードパネル12’を含む。床連結部分17は、連結プレート26から延びる連結部材25の形態である。連結部材25は、連結プレート26に溶接されてもよく、他の方法で連結されてもよい。代替の実施形態において、連結部材は、ファサードから直接延びてもよい。いくつかの形態において、連結部材は鉄筋を含む。
【0057】
図2~4に示されるように、ブレース28は、ファサード12を保持して水平にするように位置決めされる。ブレースコネクタ30がファサードパネル12上に配置され、ブレース28をファサードパネルに連結する。
【0058】
固定ガラス、窓又は開口部29は、ファサードパネル12を貫通して延びる。いくつかの形態において、窓は、任意の通常の窓、開口部、ドア、固定ガラス又は他の材料である。
【0059】
追加のファサードパネル12’’は、ファサードパネル12’の上に取り付けられる。床連結部分は、作業者の頭の高さよりも上の構造物の内方に延びる。型枠又は他の支柱27を設置して、作業者が床連結部分の高さに上層階14’を施工できるようにすることができる。
【0060】
いくつかの形態において、ファサードパネルは、ガラス、スチール、アルミニウム、複合材、コンクリート、又は任意のその他の建材、又は建材の組合せから構成される。
【0061】
図5~6を参照すると、本開示のファサードパネルは、ファサードパネル12の上端31と下端32との中間に配置される床連結部分17を含む。図示する形態において、連結部分17は、鉄筋突出部又は複数の鉄筋突出部の形態の連結部材25を含む。連結部材25は、連結プレート26から延び、連結プレート26に溶接される。代替の連結手段が利用可能であるか、又はいくつかの図示しない形態において、連結部材25は、パネル12と一体であるか、パネル12に溶接され得る。
【0062】
固定ガラス、他の材料又は窓29、又はドア又はルーバーパネルのなどの開口部は、安全な建設を可能にするためにファサードパネル12によって十分に支持されている。
【0063】
図7~10を参照すると、構造物用のファサードパネル40が開示されている。ファサードパネルは、構造物の周囲ファサードを形成するために使用してもよい。
図7に向けると、図示される形態のファサードパネルは、構造枠42を含む。構造枠は、垂直支持体43及び水平ウェブ44を含み、木材、スチール、アルミニウム、又は他の代替の建材から構成され得る。窓46は、ファサードパネルを貫通して延びる。ファサードパネルは、外面47をさらに含む。いくつかの形態において、外面47は、防水性であり得る外壁又はカバーから構成される。空洞48は、パネル40内に位置付けられ、断熱材を含み得る。
【0064】
図8~10に向けると、ファサードパネル40は、外面47と、内面49と、これらの間にあり、断熱材を含み得る空洞48とを有する。外面は、防水性でもよく、ガラス、不燃性被覆材、セメント製シート若しくはボード、アルミニウム、又は建物の外装ファサード用の任意の他の建材から構成され得る。内面49は、石膏ボード又は代替の内装ファサード材料を含むことができる。窓46は、パネルを貫通して延びていてもよい。
【0065】
いくつかの形態において、パネルは2.5~3mの高さを有し、床連結部材は、ファサードパネルが床上及び床方の両方に延びるように、ファサードパネルの約2/3の高さに位置付けられており、安全性を可能にし、ファサードパネル間の連結が、床とファサードパネルとの間の連結とは異なる高さにあることを意味する。このため、いくつかの実施形態では、手すりの追加の建設を必要とせずに、任意の高さから約1m程度の手すり又は柵が、建設方法によって作製される。次に、手すりが壁構造物の一部を形成する。代替の実施形態において、ファサードパネル間の連結は、床とファサードパネルとの間の連結と同じ高さであり得る。
【0066】
建設中、いくつかの形態において、パネル12は、クレーンを使用して所定の位置に持ち上げられる。この連結を可能にするために、フックをパネル12に組み込んでもよい。
図1及び
図6に示されるように、1つ又は複数のクレーンフック35をパネル12に位置決めしてもよい。
【0067】
図11を参照すると、多層階構造物を建設する際に使用するファサードパネルの第2の実施形態が開示され、構造物は、ファサードを含む。多層階構造物1は、多層階構造物の外装ファサード13を形成している複数のファサードパネル112を含む。多層階構造物の床114は、ファサード113内に含まれる。ファサードパネル112は、ファサードパネル112が外装ファサード113内の上又は下のファサードパネルと係合できるように構成されたパネル係合部分115を含む。ファサードパネル112は、床114をファサードパネル112と連結又は係合するように適合された床連結部分17をさらに含む。ファサードパネルは、ファサードパネル112の上部分を構成する安全バリア118を含む。安全バリア118は、床連結部分117の上のパネルの上部分を含む。
【0068】
前の実施形態と同様に、多層階構造物110は、複数のファサードパネル112を含む最下層階118を、構造物110の下層階119の周りに配置することによって建設される。最下部のファサードパネルは、構造物の地上階、又は、地上階の上の1階、又は地上と1階の中間に配置することができる。パネル112は、構造物の下層階又は地上階の高さ、又はそれ以上の高さまで上向きに延びる。上層階120は、最下部のファサードパネルと係合する複数のファサードパネル12を含む。上層階のファサードパネル112は、人の高さをはるかに超えて上方に延びる。床連結部分117は、ファサードパネル112の内面に設置されている。上層階のファサードパネル112が位置決めされると、床用の型枠及び支柱などが設置される。次に、床とパネルが係合するように、床が、床連結部分117の周りに施工、建設又は打設される。次に、作業者は、次の階のファサードパネル122を位置決めすることができる。このプロセスは、構造物が必要な階数になるまで続く。
【0069】
見て分かるように、プロセス全体を通して、安全バリア部分118は、補助的な手すりの替わりに機能し、床を建造したりファサードの上部に接近したりする作業者を保護する。さらに、ファサード113は、上層階が施工される前に位置決めされる。これにより、ファサードが落下防止スクリーンとして機能する。プロジェクトが完了すると、ファサードは構造物の外壁として残る。
【0070】
図12及び13に向けると、プロセスがより詳細に示される。
図12では、2つの階が建設されており、作業者は下の階に立っている。ファサードパネル112は、安全バリア部分118及び床連結部分117を含む。安全バリア118は、ファサードパネルの上部領域で形成されている。床連結部分117は、連結部材125の形態である。連結部材125は、ファサードに溶接されるか、ファサードにボルト締めされるか、又はファサードに溶接又はボルト締めされる連結プレートを介して連結され得る。代替の実施形態において、連結部材は、連結プレートを使用せずにファサードから直接延びていてもよい。いくつかの形態において、連結部材は鉄筋を含む。いくつかの形態において、連結部材の鉄筋は、プレキャストコンクリートで形成され、プレキャストコンクリートから外方に延びるL字状の鉄筋を含み得る。代替の実施形態において、連結部材はファサードから直接延びていてもよい。いくつかの形態において、連結部材は鉄筋を含む。代替の実施形態において、安全バリア118はパネルと係合してもよい。
【0071】
図示される形態において、構造物の建設を可能にするために、型枠124及び突っ張り棒134が含まれる。
【0072】
図13に示されるように、下部連結部分117のそれぞれの周りに床114が形成されており、最上部の連結部分の周りに形成する準備ができている。最上階を利用している、又は最上部の作業領域に立っている作業者は、建設中の床の上に上向きに延びる安全バリア118によって保護されている。
【0073】
図14に最も良く示されるように、本開示のファサードパネルは、ファサードパネル112の上端131と下端132の中間に配置された床連結部分117を含む。すなわち、床連結部分は、安全バリア118を下部のファサードパネルから分割する。図示される形態において、連結部分117は、鉄筋突出部又は複数の鉄筋突出部の形態の連結部材125を含む。連結部材125は、床連結部分117から延びる。さらに、上部の連結部材137及び下部の連結凹部138を含んでいるファサードパネル連結システム136を提供する。ファサード連結部分136が任意の形態であり得ることは明らかである。いくつかの形態において、スラリー又はエポキシを利用して突起部を挿入及び接着するために空洞に挿入してもよい。
【0074】
図15に示されるように、窓又は開口部126は、ファサードパネル112を貫通して延びる。いくつかの形態において、窓は、任意の通常の窓、開口部又はドアであり得る。いくつかの形態において、窓はファサードパネル112の下部分を貫通して延び、ファサードパネル112の上部分は安全バリア118を含む。いくつかの形態において、いくつか又はすべてのパネルが窓を含むものでないことは明らかである。
【0075】
この図に示されるように、連結部分117は、ファサードパネル112から内側に延びる棚部139を含み得る。この形態では、連結部分117及びパネル112は、T字を形成している。棚部は、使用中の通路として利用してもよい。安全バリア118は、この通路上の作業員を保護するため、又は、床連結部材117の周りに床を建設するために位置決めされるか、そうでなければファサードパネルの上部領域の近くに配置される。この棚部は施工のプロセスに必須のものでないことは明らかである。
【0076】
いくつかの形態において、パネルは2.5~3mの高さを有し、床連結部材は、ファサードパネルが床の上及び下の両方に延びるように、ファサードパネルの約2/3の高さに位置付けられており、安全性を可能にし、ファサードパネル間の連結が、床とファサードパネルとの間の連結とは異なる高さにあることを意味する。このため、いくつかの形態では、手すりの追加の建設を必要とせずに、任意の高さから約1mから1.5mの手すり又は柵が、建設方法によって作製される。次に、手すりが壁構造物の一部を形成する。
【0077】
建設中、いくつかの形態において、パネル112は、クレーンを使用して所定の位置に持ち上げられる。この連結を可能にするために、フックをパネル112に組み込んでもよい。
図11に見られるように、1つ又は複数のクレーンフック135をパネル112に位置決めしてもよい。
【0078】
図16を参照すると、多層階構造物を建築する際に使用するファサードパネルの他の実施形態が開示され、構造物は、ファサードを含む。第1の実施形態と同様に、多層階構造物110は、多層階構造物の外装ファサード113を形成している複数のファサードパネル112を含む。多層階構造物の床114は、ファサード113内に含まれる。ファサードパネル112は、ファサードパネル112が外装ファサード113内の上又は下のファサードパネルと係合できるように構成されたパネル係合部分115を含む。ファサードパネル112は、床114をファサードパネル112と連結又は係合するように適合された床連結部分17をさらに含む。ファサードパネルは、ファサードパネル112の上部を構成する安全バリア118を含む。安全バリア118は、床連結部分117の上のパネルの上部を含む。
【0079】
図16を参照すると、本発明の方法の代替の実施形態が示されており、この場合、駐車場構造物を建設する。この実施形態において、ファサードを有する自動車駐車場構造物などの多層階構造物の建設方法が開示されている。多層階構造物210は、多層階構造物の外装ファサード213を形成している複数のファサードパネル212を含む。多層階構造物の床214は、ファサード213内に含まれる。ファサードパネル212は、ファサードパネル212が外装ファサード213内の上又は下のファサードパネルと係合できるように構成されたパネル係合部分215を含む。ファサードパネル212は、床214をファサードパネル212と連結又は係合するように適合された床連結部分217をさらに含む。
【0080】
多層階構造物210は、複数の最下部のファサードパネル218を、構造物210の下層階219の周りに配置することによって建設される。最下部のファサードパネルは、構造物の地上階、又は、地上階の上の1階に配置することができる。パネルは、構造物の下層階又は地上階の高さ、又はそれ以上の高さまで上向きに延びる。複数の上層階のファサードパネル220が、最下部のファサードパネル218と係合している。上層階のファサードパネル220は、人の高さをはるかに超えて上に向かって延びる。床連結部分217は、ファサードパネル220の内面に配置されている。上層階のファサードパネル220が位置決めされると、キャストコンクリート床用の型枠及び支柱などが設置される。次に、コンクリート床は、床とパネルが係合するように、床連結部分217の周りに打設される。次に、作業者は、次の階のファサードパネル222を位置決めすることができる。このプロセスは、構造物が必要な階数となるまで続く。
【0081】
見て分かるように、プロセス全体を通して、ファサード213は、上層階が施工される前に位置決めされる。これにより、ファサードが落下防止スクリーンとして機能する。プロジェクトが完了すると、ファサードは装飾的な外側のスクリーンとして残る。いくつかの形態において、ファサード213は、ガードレールとして機能し、車両が構造物から飛び出すのを防止するのに十分な強度がある。
【0082】
図17~19に向けると、プロセスがより詳細に示される。
図17において、1階及び2階が施工されており、作業者は上層作業において2階に立っている。ファサードパネル212は、床連結部分217を含む最上部のファサードパネル212’を含む。床連結部分217は、連結プレート226から延びる連結部材225の形態である。連結部材225は、連結プレート226に溶接されてもよく、又は他の方法で連結されてもよい。
【0083】
図18において、追加のファサードパネル212’’がファサードパネル212’の上方に取り付けられている。床連結部分は、作業者の頭の高さより上の構造物の内側に延びている。型枠又は他の支柱227を設置して、作業者が床連結部分の高さで上層階214’を施工できるようにしてもよい。
【0084】
図20~23を参照すると、本開示のファサードパネルは、ファサードパネル212の上端231と下端232の中間に配置される床連結部分217を含む。図示される形態において、連結部分217は、フックの形態の連結部材225を含む。連結部材225は、連結プレート226から延び、それに溶接されている。図示される形態において、連結プレート26は、ボルト235によってファサードパネル234と係合している。代替の連結手段が利用可能であるか、又はいくつかの図示しない形態において、連結部材225は、パネル212と一体であるか、パネル212に溶接され得る。
【0085】
図24を参照すると、ファサードパネル212と、隣接する上部又は下部ファサードパネル212との間の連結237が示されている。この連結は、ボルト締め240とすることができ、図示されるように、複数のプレート241を含み得るか又は溶接されるか、そうでなければ連結され得る。代替の実施形態において、他の取付け手段を使用してもよい。
【0086】
図25を参照すると、ファサードを有する自動車駐車場構造物などの多層階構造物の建設方法が開示されている。この方法は、
図16~24で上述した方法と同様である。
【0087】
多層階構造物210は、多層階構造物の外装ファサード213を形成している複数のファサードパネル212を含む。多層階構造物の床214は、ファサード213内に含まれる。ファサードパネル212は、ファサードパネル212が外装ファサード213内の上又は下のファサードパネルに係合できるように構成されたパネル係合部分215を含む。ファサードパネル212は、床連結部分217と、床連結部分217から延びる床連結プレート226とをさらに含む。
【0088】
多層階構造物210は、上述した構造物と同様に建設される。床連結部分217は、ファサードパネル220の内面に配置される。この形態において、床連結部分は、車輪止め232を組み込んだ支持部分231を含む。
【0089】
見て分かるように、プロセス全体を通して、ファサード213は、上層階が施工される前に位置決めされる。これにより、ファサードが落下防止スクリーンとして機能する。プロジェクトが完了すると、ファサードは装飾的な外側のスクリーンとして残る。いくつかの形態において、ファサード213は、ガードレールとして機能し、車両が構造物から飛び出すのを防止するのに十分な強度がある。組み込みの車輪止め及びガードレールの等価物と組合せにより、必要な構造が大幅に削減される。
【0090】
次に
図26を参照すると、多層階構造物310の建設方法が開示されている。この方法は、スチール又は任意の他の適切な建材及び支持材料で形成された垂直材311を建設することを含む。垂直材311は、構造物310の周りで互い違いになっている。
【0091】
カーテンウォール又はファサード314は、所定の位置に持ち上げられ、構造物の周囲の周り又は任意の他の位置に配置され得る。カーテンウォール314は、床連結部分317を含む。図示される形態において、床連結部分317は、垂直材を実質的に横切って延びる鉄筋の形態である。カーテンウォール314は、アルミニウム及びガラス、又は任意の他の適当な壁又は窓材料から構成され得る。
【0092】
建築中、床連結部分317は、コンクリート又はデッキ又は複合材などの他の代替の材料で構成される床に連結されてもよい。
【0093】
図27及び28を参照すると、マンション又は高層構造物などの多層階構造物の建設方法が開示され、構造物は、ファサード及び1つ又は複数のバルコニーを有する。多層階構造物410は、多層階構造物の外装ファサード413を形成している複数のファサードパネル412を含む。多層構造物の床414は、ファサード413内に含まれる。ファサードパネル412は、床414をファサードパネル412に連結又は係合するように適合された床連結部分417を含む。
【0094】
この形態において、いくつかのパネルは、構造物から外向きに延びるバルコニー部分419をさらに含む。バルコニー部分は、ファサードの一部を形成するために外装ファサードの一部と係合するか、あるいは、図示されるように、バルコニー部分419は、片持ち床部421と係合する。次に、ファサードパネル412は、バルコニー部分内に配置され、バルコニー壁420は、建築中の落下バリアとして機能する。このようにして、ファサードパネル412及びバルコニー壁420の組合せは、落下防止とし機能するだけでなく、構造物の恒久的な外装の一部としても機能し得る。
【0095】
多層階構造物410は、複数のファサードパネル412を含む最下層階418を、構造物の下層階の周りに配置することによって建設される。最下部のファサードパネルは、構造物の地上階、又は地上階の上の1階、又は、地上と1階の中間に配置することができる。パネル412は、構造物の下層部又は地上階の高さ、又はそれ以上の高さまで上向きに延びる。最上階425は、前の最上階と係合した複数のファサードパネル412を含む。最上部のファサードパネルは、人の高さよりも上に向かって延びている。バルコニー部分419はまた、必要な場所に位置決めされる。床連結部分417は、ファサードパネル412の内面に配置され、床連結部分427は、片持ち梁床部分421に位置決めされている。いくつかの形態において、床連結部分は、片持ち梁床部分421から延びる鉄筋の形態である。上層部のファサードパネル412が位置決めされると、床用の型枠及び支柱などが設置される。
【0096】
この後、床とパネルが係合するように、床が、床連結部分417の周りに施工、建設、又は打設される。同様に、片持ち梁床部分421が床に組み込まれる。次に、作業者は、次の階のファサードパネル412の位置決めを行い、壁を有さないバルコニー階にファサードパネルを組み入れることができる。このプロセスは、構造物が必要とされる階数となるまで続く。
【0097】
図29及び30を参照すると、多層階構造物を建設する際に使用するファサード枠組501が開示され、この構造物は、ファサードを含む。ファサード枠組501は、複数の枠モジュール502を含み、各モジュールは、内枠503及び外枠504を含んでいる。内枠503及び外枠504は、構造物から離れる方向に互いに離れて配置されている。複数のウェブ506が、内枠503と外枠504とを連結している。
【0098】
図示した形態において、内枠503は、上枠部分及び下枠部材507と、側枠部材508とを含む。いくつかの形態において、1つの枠のための側枠部材は、隣接する枠の側枠部材と一体であるか、又はそれに対応する。つまり、モジュールの内枠は、側部材を共有できる。上枠部材又は下枠部材は、単一の内枠の長さよりも長く延びていてもよい。他の形態において、内枠部材は、上枠部材又は下枠部材を共有してもよい。側枠部材はまた、複数の内枠の長さにわたって延びていてもよい。
【0099】
使用時に、内枠は、構造物の床550の周囲の一部を形成するように位置決めされる。ウェブ506は、内枠503から外枠504に向かって外側に延び、外枠504を内枠503に対して所定の位置に保持する。
【0100】
外枠504も同様に、上枠部材及び下枠部材511、並びに側枠部材512を含む。
【0101】
図29に示されるように、窓513又は壁514は、内枠503に固定され得る。これらの窓513又は壁514又は他の面部材は、枠組を構造物に位置決めする前に、枠組に固定され得る。
【0102】
一時的な積載プラットフォーム、恒久的な積載プラットフォーム、又は恒久的なバルコニーの形態のデッキ515をファサード枠組に固定し得る。いくつかの形態において、デッキ515は、内枠503から外枠504まで延び、内枠503及び外枠504の両方によって支持されている。デッキは、十分なスペースを提供するために外枠を超えて延びていてもよい。
図29に示されるように、バルコニードア517は、構造物が完成した後、バルコニーへの接近を可能にするために、壁514に位置決めされ得る。
【0103】
図30をさらに参照すると、鉄筋の形態であり得るコネクタ520が、ファサード枠組501から内側に延びる。コネクタは、ファサード枠組を構造物に位置決めした後、床550を打設できるように構成及び位置決めされる。コネクタ520は、床に組み込まれ得、床550の補強鉄筋として機能し得る。
【0104】
一時的又は恒久的な枠ブレース522は、上部の外枠部材又は内枠部材から、下部の外枠部材又は内枠部材まで対角線上に延びることができる。これらの枠ブレース522は、後で取り外すことができる。一時的又は恒久的なデッキブレース523は、枠組501からデッキ515の床又は端部まで延びることができる。
【0105】
ファサード枠組501は、構造物の恒久的なファサードとなることを目的としている。施工において、ファサード枠組501が建築される。施工業者は、1階又は2階建ての高さの枠組が、打設される床の上に配置されるようにしてもよい。これにより、枠組を利用して落下を防止することができる。次に、床が打設され、コネクタ520を介して床をファサード枠組501に連結することができる。内枠503は、窓又は壁又はそれらの組合せを固定し、外枠504は構造物の端部となる。デッキ515は、内枠及び外枠によって支持され、外枠504をこえて延びることができる。
【0106】
図31及び32を参照すると、多層階構造物を建設する際に使用するファサード枠組561が開示され、この構造物は、ファサードを有する。ファサード枠組561は、複数の枠モジュール562を含み、各モジュールは、内枠563及び外側配置564を含む。内枠563及び外側配置564は、構造物から離れる方向に互いに離れて配置されている。複数のウェブ566が、内枠563と外枠564とを連結している。
【0107】
図示される形態において、内枠563は、上枠部材及び下枠部材567並びに側枠部材568を含む。いくつかの形態において、1つの枠のための側枠部材は、隣接する枠の側枠部材と一体であるか、又はそれに対応する。つまり、モジュールの内枠は、側部材を共有することができる。上枠部材又は下枠部材は、単一の内枠の長さよりも長く延びていてもよい。他の形態において、内枠部材は、上枠部材又は下枠部材を共有していてもよい。側枠部材はまた、複数の内枠の長さにわたって延びていてもよい。
【0108】
使用時に、内枠は、構造物の床580の周囲の一部を形成するよう位置決めされる。ウェブ566は、内枠563から外側配置564に向かって外側に延び、外側配置564を内枠563に対して所定の位置に保持する。
【0109】
外側配置564は、側部材572を含む。
【0110】
内枠503は、取外し可能なバリア部材を支持し得る。メッシュ状のバリア材料又は任意の代替のバリアシートを内枠に位置決めすることができる。バリア材料は、内枠及び窓573から除去され得るか、又は、ガラスファサードが内枠503に固定され得る。
【0111】
外側配置564は、窓又はガラスファサードの外側に配置されている。
【0112】
ファサード枠組561は、枠モジュール562の形態で提供され得る。
図31に示されるように、モジュールは、複数の隣接する内枠及び外側配置を含み得る。複数の内枠563は、互いに隣接して配置され、モジュール562を形成するために隣接又は一体に形成されている。図示される形態において、モジュール562は、3つの隣接した内枠を含むが、モジュールは、任意の数の隣接した枠から形成することができ、隣接する枠が互いに並んで、又は上下になるように形成できることは明らかである。
【0113】
図31にさらに示されるように、床580を打設している間に、型枠576を利用することができる。コネクタ578を利用して、床580をファサード枠組561に連結することができる。
【0114】
次に
図33及び34に向けると、多層階構造物を建設する際に使用するファサード枠組601が開示され、この構造物は、ファサードを有する。ファサード枠組601は、複数の枠モジュール602を含み、各モジュールは、内枠603及び外枠604を含む。複数のウェブ606は、内枠603及び外枠604を連結する。
【0115】
図示される形態において、内枠603は、上枠部材及び下枠部材607並びに側枠部材608を含む。
【0116】
使用時に、内枠は、構造物の床650の周囲の一部を形成するように位置決めされる。ウェブ606は、内枠603から外枠604に向かって外側に延び、外枠604を内枠603に対して所定の位置に保持する。
【0117】
外枠604も同様に、上枠部材及び下枠部材611、並びに側枠部材612を含む。
【0118】
窓613又は壁614は、内枠603に固定され得る。これらは、枠組を構造物に取り付ける前に、枠組に位置決め及び固定され得る。
【0119】
一時的な積載プラットフォーム、恒久的な積載プラットフォーム、又は恒久的なバルコニーの形態のデッキ615をファサード枠組に固定し得る。いくつかの形態において、デッキ615は、内枠603から外枠604まで延び、内枠603及び外枠604の両方によって支持されている。デッキは、十分なスペースを提供するために外枠を超えて延びていてもよい。バルコニードア617は、構造物が完成した後、バルコニーへの接近を可能にするために、壁614に位置決めされ得る。
【0120】
この実施形態において、デッキ615は、外枠604を大幅に超えては延びず、ファサード枠組601内で支持されている。
【0121】
ファサード枠組601は、枠モジュール602の形態で提供され得る。モジュールは、複数の隣接する内枠及び外枠を含み得る。さらに、モジュールは、バルコニー又は他のデッキを含み得る。
【0122】
ファサード枠組601から延びるコネクタ640は、鉄筋の形態であり得る。床650が打設されるときに、コネクタ640は床に組み込まれてもよい。取り外し可能又は恒久的なブレース618は、ファサード枠組の内枠と外枠との間に位置決めされ得る。
【0123】
図35を参照すると、いくつかの形態において、枠組が位置決めされた後、一時的な積載プラットフォーム又は恒久的な積載プラットフォーム、又は恒久的なバルコニーの形態のデッキ655を枠組651に組み込むことができる。デッキ655は、型枠内に配置して型枠の上枠部材及び下枠部材を係合して相互係合するように構成及び寸法決めされた内側支持バー656を含み得る。デッキは、型枠内に配置するために、支持バー656を角度付けすることによって配置することができる。
【0124】
図36~38を参照すると、多層階構造物を建設するためのファサードシステムが開示されている。ファサードシステムは、複数のファサードパネル701を含む。ファサードパネルは、互いに、又は鉄筋の形態の複数のブレース703を使用して構造物と係合する。図示される形態において、ブレース703は、1つのファサードから対向するファサードまで構造物を横切って延びるが、ファサードパネル701は、角度をなして延びるか、構造内に配置された支持体まで延びるブレースを利用して、所定の位置に保持され得ることは明らかである。
【0125】
ブレースは、床が打設されたときにブレースがコンクリート用の補強を形成するように、構造物の床の高さに位置付けられる。したがって、ブレース703は、コンクリートの床内に保持される。いくつかの形態において、プッシュプルプロップ704が構造物に組み込まれている。これらは後で取り外すことができる。
【0126】
図37は、構造物内のブレース703のレイアウトの平面図を示す。このレイアウトに示されているように、ブレース703は、構造物の全幅にわたって延びることができ、又は構造物のコーナー間、又は他のブレース間に延びることができる。この形態において、ブレースは、様々な角度のブレース703を含み、一部はファサードパネルに対して斜めに延び、その他はファサードパネル701を横切って又は平行に延びる。次に、ブレース又は鉄筋は、コンクリート床に流し込むときに組み込まれる。
【0127】
図39~40を参照すると、多層階構造物を建造するためのモジュール式建築システムが開示されている。この建築システムは、外壁部分751と、第2の壁部分752及び床部分753のうちの少なくとも1つとを含むモジュール式ユニット750を含む。図示する実施形態において、モジュール式ユニット750は、貫通して延びる窓755を有する外壁部分751を含む。
【0128】
第2の壁部分752は、外壁部分を横断して延び、構造物内のモジュール式ユニットの位置に応じて、外側壁部分756又は内部壁部分757のいずれかを形成する。
【0129】
床部分753は、注入された床に組み込まれるように構成された鉄筋759を含み得る。あるいは、床部分は、平面であってもよく、建設758の前に充填されていてもよい。
【0130】
建築中に、1つ又は複数のユニットを構造物に対して所定の位置にクレーンで固定し、外装ファサードを位置決めしながら部分的な内壁と床を建設してもよい。
【0131】
図41を参照すると、多層階構造物を建築するためのシステムのさらなる実施形態が開示されている。このシステムは、複数の直立柱801を含む。直立柱801は、スチール又は任意のその他の材料で構成される。直立柱は、高さがずらされるように配置され、構造物に追加の強度を与える。柱の接合部804は、柱の最も弱い点がずれるように整列されていない。
【0132】
ファサードパネル802は、外装ファサードを構築するために所定の位置に移動される。ファサードパネル802は、注入された床又は他の材料の床への連結を可能にする、鉄筋又は同様の材料の形態のコネクタ803を含む。コネクタ803は、床が配置される階に配置され、構造物内に延びる。
【0133】
ファサードパネルは、アルミニウム又はガラスのカーテンウォール、又は構造物用の任意のその他のファサードの形態とすることができる。
【0134】
図42を参照すると、ファサードパネル820を含む多層階構造物を建築するためのシステムのさらなる実施形態が開示されている。ファサードパネル820は、構造物に追加の強度を与えるためにずらされている。これは、パネル間の接合部821が整列していないことを意味する。このシステムは、パネルの互い違いを可能にするために、下の階に交互に配置された、複数のより短いパネル822と、複数の標準サイズのパネル823とを含む。
【0135】
見て分かるように、プロセス全体を通して、ファサード413及びいくつかの形態では、バルコニーの壁420は、上層階が建設される前に位置決めされ、最上階よりも高く延びる。これにより、ファサード及びバルコニーの壁は落下防止スクリーンとして機能し、最上階の作業領域を安全に最上階に位置決めすることができる。プロジェクトが完了すると、ファサードは構造物の外壁として残る。
【0136】
いくつかの形態において、本開示のパネルは、取り換え可能な充填材料メッシュを備えた建物の恒久的なファサードの一部分として機能するパネル枠を含み得る。例えば、枠は、ガラス又は他の材料と交換することができる取外し可能な充填パネルを含み得る。他の形態において、パネルは、建物の恒久的ファサードとして機能する枠及び壁材料、並びに建設が完了した後に取り外すことができる内部保護材料を含み得る。例えば、パネルは、ガラスの外装及びボード又はポリマーの内装の取外し可能な材料を含むことができる。
【0137】
本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、前述の部分に対変更及び修正を加えることができる。
【0138】
以下の特許請求の範囲及び本発明の前述の説明において、明示的な文言又は必要な含意のために文脈が他の方法で要求する場合を除いて、「含む(comprise)」という用語、又は「含む(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」などの変形は、包括的な意味で使用される、すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、本発明の様々な実施形態における他の特徴の存在又は付加を排除するものではない。