(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】Srcホモロジー-2ホスファターゼ阻害剤としての縮合三環式環誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 519/00 20060101AFI20240823BHJP
C07D 498/14 20060101ALI20240823BHJP
A61K 31/5383 20060101ALI20240823BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240823BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240823BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
C07D519/00 CSP
C07D498/14
A61K31/5383
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
C07D519/00 301
(21)【出願番号】P 2021539488
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(86)【国際出願番号】 US2019051592
(87)【国際公開番号】W WO2020061103
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-31
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521113070
【氏名又は名称】ニカング セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジピン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ, イガン
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/013597(WO,A1)
【文献】特表2018-517746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IIB)の化合物
【化281】
または薬学的に許容されるその塩であって、
式中、
(a)Zは、-Y-Mであり、Yは、結合であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(アルキレン)OR
aで置換されており、R
aは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであり;または
(b)Zは、-Y-Mであり、Yは、結合であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O-R
aで置換されており、R
aが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであり;または
(c)Zは、-OR
aであり、R
aが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであり;または
(d)Zは、-O(アルキレン)OR
bであり、R
bは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであり;または
(e)Zは、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メトキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルであり
;
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
R
5およびR
6は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR
5およびR
6の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、他方のR
5およびR
6は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され;
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
7R
8であり、R
7およびR
8は、独立に、水素またはアルキルであり;
R
9は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり;
R
10は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルキル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり;
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化284】
を形成し、
ここで、
「必要に応じて置換されているアリール」は、アルキル、ヒドロキシル、シクロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、およびシアノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されているアリールを意味し;
「必要に応じて置換されているヘテロアリール」は、アルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシル、シクロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、およびシアノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されているヘテロアリールを意味し;
「必要に応じて置換されているヘテロシクリル」は、アルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシル、シクロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、およびシアノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されているヘテロシクリルを意味し;そして
「必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル」は、Rが、必要に応じて置換されているヘテロシクリルである、-(アルキレン)-Rを意味する、
化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
Zが、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
Zが、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、請求項
1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
Zが、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、またはシクロプロピルメチルオキシメチルである、請求項3に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
Zが、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、またはメトキシエチルオキシメチルである、請求項4に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
R
1、R
2、R
3、およびR
4が、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシおよびアミノから選択される、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
R
1、R
2、R
3、およびR
4のうちの1つが、水素であり、R
1、R
2、R
3、およびR
4の残りの3つが、独立に、水素、メチル、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシ、およびアミノから選択される、請求項6に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
R
1、R
2、R
3、およびR
4のうちの3つが、水素であり、R
1、R
2、R
3、およびR
4の残りの1つが、水素、メチル、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシ、およびアミノから選択される、請求項6に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
R
1、R
2、R
3、およびR
4のそれぞれが、水素である、請求項6に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
Lが、S、S(O)またはS(O)
2である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項11】
Lが、Sである、請求項10に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項12】
Lが、S(O)
2である、請求項10に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項13】
R
9が、水素、アルキル、またはアミノである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項14】
R
9が、水素である、請求項13に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項15】
R
10が、ヒドロキシアルキルである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項16】
R
10が、ヒドロキシメチルである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項17】
Zが、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルであり;
R
1、R
2、R
3、およびR
4が、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、およびアミノから選択され;
Lが、S、S(O)、またはS(O)
2であり;
R
9が、水素、アミノ、またはアルキルであり;そして
R
10が、ヒドロキシアルキルである、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項18】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化287】
から選択される環を形成する、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項19】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化288】
から選択される環を形成する、請求項18に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項20】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化289】
から選択される環を形成する、請求項18に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項21】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化290】
から選択される環を形成する、請求項17に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項22】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化291】
から選択される環を形成する、請求項21に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項23】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化292】
から選択される環を形成する、請求項21に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項24】
Zが、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルであり;
R
1、R
2、R
3、およびR
4が、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、およびアミノから選択され;
Lが、S、S(O)、またはS(O)
2であり;
R
9が、水素、アミノ、またはアルキルであり;
R
10が、ヒドロキシアルキルであり;そして
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化293】
から選択される環を形成する、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項25】
Zが、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、またはメトキシエチルオキシメチルであり;
R
1、R
2、R
3、およびR
4が、水素であり;
Lが、S、S(O)、またはS(O)
2であり;
R
9が、水素であり;
R
10が、ヒドロキシアルキルであり;そして
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化294】
から選択される環を形成する、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項26】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化295】
から選択される環を形成する、請求項25に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項27】
R
11およびR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【化296】
から選択される環を形成する、請求項25に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項28】
Lが、Sである、請求項25に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項29】
【化304】
【化305】
【化306】
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項30】
【化307】
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項32】
患者におけるSHP2の阻害によって処置可能な疾患を処置するための組成物であって、請求項1~30のいずれか一項に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を含む、組成物。
【請求項33】
前記疾患が、がんである、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記がんが、肺がん、胃がん、肝臓がん、胃のがん、頭頸部のがん、結腸がん、腎臓がん、結腸直腸がん、乳がん、膵臓がん、若年性骨髄単球性白血病、神経芽腫、黒色腫、および急性骨髄性白血病から選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
((6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イル)メタノール:
【化302】
である、
化合物。
【請求項36】
(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール:
【化303】
である、
化合物。
【請求項37】
【化308】
である、化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年9月18日出願の米国仮出願第62/733,061号、2018年10月23日出願の米国仮出願第62/749,655号、2019年2月26日出願の米国仮出願第62/810,911号、2019年8月6日出願の米国仮出願第62/883,120号、および2019年8月6日出願の米国仮出願第62/883,121号の利益を請求する国際出願であり、それらの全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、Srcホモロジー-2ホスファターゼ(SHP2)阻害剤であり、したがってSHP2の阻害によって処置可能な疾患の処置に有用な、ある特定の縮合三環式環誘導体を提供する。また、このような化合物を含有する医薬組成物およびこのような化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【背景技術】
【0003】
SHP2は、様々な組織および細胞型において普遍的に発現する非受容体タンパク質ホスファターゼである(総説についてはTajan M et al., Eur J Med Genet 2016 58(10):509-25、Grossmann KS et al., Adv Cancer Res 2010 106:53-89を参照されたい)。SHP2は、そのNH2末端における2つのSrcホモロジー2(N-SH2およびC-SH2)ドメイン、触媒PTP(タンパク質-チロシンホスファターゼ)ドメイン、および調節的特性を有するC末端テールから構成される。基底状態では、SH2ドメインとPTPドメインの間の分子間相互作用が、触媒ポケットに基質を入れないようにして、SHP2を閉鎖された自己阻害状態のコンホメーションに維持する。リン-チロシンモチーフを有するSHP2活性化タンパク質は、刺激に応答してSH2ドメインに結合し、SHP2の活性部位の露出および酵素的活性化をもたらす。
【0004】
SHP2は、増殖、分化、細胞周期維持および運動性を含めた基礎的細胞機能において重要な役割を果たす。SHP2は、その関連シグナル伝達分子を脱リン酸化することによって、広範な増殖因子、サイトカイン、およびホルモンに応答する複数の細胞内シグナル伝達経路を調節する。SHP2が関与する細胞シグナル伝達プロセスには、RAS-MAPK(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ)経路、PI3K(ホスホイノシトール3-キナーゼ)-AKT経路、およびJAK-STAT経路が含まれる。
【0005】
RAS-MAPKシグナル伝達経路は、腫瘍の形成および維持に非常に重要である。RTK(受容体チロシンキナーゼ)、SHP2、NF1、RAS、またはRAFを含めたこの経路の様々な構成成分をコードする遺伝子は、がんにおいて変異し、MAPKシグナル伝達の上方調節をもたらす。SHP2はまた、この経路でシグナルを増強する役割を果たし、RTKの下流およびRASの上流で作用する。RTK駆動型のがん細胞は、生存のためにSHP2に依存することが実証された。したがって、SHP2阻害剤は、RTK駆動型のがんの妥当な処置として提案されてきた(Prahallad, A. et al. Cell Reports 12, 1978-1985 (2015)、Chen YN, Nature 535, 148-152(2016)を参照されたい)。
【0006】
RAS-MAPK経路に沿った様々なノードを標的にする薬理学的薬剤、例えばがんを処置するためのRTK阻害剤、BRAF阻害剤、およびMEK阻害剤を開発するために、多くの努力がなされてきた。これらの薬剤は、初期の良好な有効性を実証するが、これらの薬剤に対して抵抗性が頻繁に生じている。抵抗性の共通機序の1つは、MAPKシグナル伝達の再活性化を促すRTKの活性化を伴う。SHP2は、複数のRTKの下流でシグナル伝達に必要とされるので、SHP2阻害は、MAPK経路を標的にするがん薬物に対する抵抗性を防止するための一般的な戦略を提供することができる。前臨床モデルにおける近年の研究では、SHP2阻害が抵抗性を克服し、ALK阻害剤(Dardaei L et al. Nat Med. 24, 512-17 (2018)を参照されたい)、MEK阻害剤(Mainardi, S. et al. Nat. Med. https://doi.org/10.1038/s41591-018-0023-9 (2018)、Ruess, D. A. et al. Nat. Med. https://doi.org/10.1038/s41591-018-0024-8 (2018)、Wong, G. S. et al. Nat. Med. https://doi.org/10.1038/s41591-018-0022-x (2018)、Fedele C et al. Cancer Discov pii: CD-18-0444. doi: 10.1158/2159-8290.CD-18-0444 (2018)を参照されたい)、またはBRAF阻害剤(Prahallad, A. et al. Cell Reports 12, 1978-1985 (2015)を参照されたい)と組み合わされると、相乗的治療効果をもたらすことが示されている。特に、MEK/SHP2の組合せ阻害は、最も頻繁に変異した癌遺伝子であるKRASによって駆動されたがんを処置する潜在可能性を有することが同定されている。数年にわたる努力にもかかわらず、KRASを直接標的にする阻害剤は、臨床用途のための開発にはまだ成功していない。KRASの下流エフェクターであるMEKの阻害は、MAPKシグナル伝達を過渡的に抑制しただけであった。MEK/SHP2二重阻害の発見は、KRAS駆動型のがんをより良く理解し、治療標的にするための長期努力において重要な進歩である。
【0007】
SHP2が果たす必須の生理的機能を考慮すると、SHP2の調節解除の標的化は、広範な治療上の適用を有すると期待される。SHP2をコードする遺伝子であるPTPN11における機能獲得型変異は、ヌーナン症候群、若年性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、および急性Bリンパ芽球性のリンパ芽球性白血病を含めたいくつかのヒトの疾患に因果的に関連付けられてきた。癌遺伝子としてのSHP2機能、ならびにその過剰発現および/または突然変異の活性化は、神経芽細胞腫、乳がん、結腸がん、肺がん、黒色腫、および肝細胞癌などの様々な固形腫瘍において報告されている。
さらに、SHP-2は、CD28を脱リン酸化することによって、複数の受容体(例えばPD-1)の阻害性免疫チェックポイントシグナル伝達を媒介すると考えられる。この概念を裏付けるように、ドミナントネガティブSHP-2は、PD-1シグナル伝達経路を抑止し、細胞傷害性CAR T細胞の機能を修復する。したがって、SHP-2阻害剤は、既存の標的化されたがん免疫(Immune-Oncorocy)(IO)薬剤との併用療法において使用される潜在可能性を有する。
【0008】
SHP2の発現または活性の増大は、ヒトの腫瘍に加えて、自己免疫疾患、例えば全身性エリテマトーデス(Wang J et al. J Clin Invest. 2016 Jun 1; 126(6):2077-92)および関節リウマチ(Stanford S. M et al. Arthritis Rheum. 2013 May; 65(5):1171-80、Maeshima K et al. JCI Insight. 2016 May 19; 1(7)を参照されたい)の発病に関与するとされてきた。近年、SHP2は、TGFβ誘発性JAK2/STAT3シグナル伝達のための分子チェックポイントとしても特徴付けられており、そのことは、SHP2阻害が、線維症の処置に治療利益をもたらし得ることを示唆している(Zehender A et al. Nat Commun. 2018 Aug 14;9(1):3259を参照されたい)。したがって、SHP2は、様々な疾患を処置するための新規な治療の開発にとって、非常に魅力的な標的となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Tajan M et al., Eur J Med Genet 2016 58(10):509-25
【文献】Grossmann KS et al., Adv Cancer Res 2010 106:53-89
【文献】Prahallad, A. et al. Cell Reports 12, 1978-1985 (2015)
【文献】Chen YN, Nature 535, 148-152(2016)
【文献】Dardaei L et al. Nat Med. 24, 512-17 (2018)
【文献】Mainardi, S. et al. Nat. Med. https://doi.org/10.1038/s41591-018-0023-9 (2018)
【文献】Ruess, D. A. et al. Nat. Med. https://doi.org/10.1038/s41591-018-0024-8 (2018)
【文献】Wong, G. S. et al. Nat. Med. https://doi.org/10.1038/s41591-018-0022-x (2018)
【文献】Fedele C et al. Cancer Discov pii: CD-18-0444. doi: 10.1158/2159-8290.CD-18-0444 (2018)
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【文献】Wang J et al. J Clin Invest. 2016 Jun 1; 126(6):2077-92
【文献】Stanford S. M et al. Arthritis Rheum. 2013 May; 65(5):1171-80
【文献】Maeshima K et al. JCI Insight. 2016 May 19; 1(7)
【文献】Zehender A et al. Nat Commun. 2018 Aug 14;9(1):3259
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
第1の態様では、 式(I)の化合物
【化1】
[式中、
AおよびEは、独立に、結合、CH
2、O、NH、S、およびS(O)
2から選択され、
Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、-NR
rC(O)C(O)R
sまたは-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、または-NR
rC(O)C(O)R
sで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であり、各yは、0または1であり、各alkは、アルキレンであり、各R
c、R
d、R
f、R
h、およびR
sは、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、各R
a、R
b、R
e、R
g、R
i、Rj、R
k、R
m、R
n、R
o、R
p、R
q、R
r、およびR
sは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
iおよびRj、R
kおよびR
m、R
nおよびR
o、ならびにR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
【0011】
R1、R2、R3、およびR4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
またはR1およびR2、ならびにR3およびR4の一方は、同じ炭素に結合している場合、合わさって、オキソ、アルキルジエニル、3~6員のシクロアルキレン、もしくは4~6員の必要に応じて置換されているヘテロシクリレンを形成し、
R5およびR6は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR5およびR6の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、R5およびR6の他方は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
【0012】
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
7R
8であり、R
7およびR
8は、独立に、水素またはアルキルであり、
Z
1は、式(a)または(b)の基であり、
【化2】
式中、
R
9は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
10は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルキル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
R
13は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
14は、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
R
11およびR
15は、アミノおよびアミノアルキルから選択され、
R
12およびR
16は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されており、
またはR
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化3】
を形成し、
式中、
eは、0、1、または2であり、
kは、0、1、または2であり、ただし、e+kは、1、2、または3であり、
qは、0、1、または2、または3であり、
R
17およびR
18は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキルおよびハロアルキルから選択され、
各R
19は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、および必要に応じて置換されているヘテロアリールから選択され、または
2個のR
19基が同じ炭素原子に結合している場合、前記2個のR
19基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
環Dは、存在しないか、または存在し、
(i)環Dが存在しない場合には、QおよびWの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、QおよびWの他方は、CH
2であり、
(ii)環Dが存在する場合には、QおよびWは、独立に、NまたはCであり、ただしQおよびWの一方だけが、Nであり、環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環は、QおよびWを含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、および必要に応じて置換されているヘテロシクリルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている]、
または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0013】
第2の態様では、式(IA)の化合物
【化4】
[式中、
AおよびEは、独立に、結合、CH
2、O、NH、S、およびS(O)
2から選択され、
Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、-NR
rC(O)C(O)R
sまたは-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、または-NR
rC(O)C(O)R
sで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であり、各yは、0または1であり、各alkは、アルキレンであり、各R
c、R
d、R
f、R
h、およびR
sは、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、各R
a、R
b、R
e、R
g、R
i、Rj、R
k、R
m、R
n、R
o、R
p、R
q、R
r、およびR
sは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
iおよびR
j、R
kおよびR
m、R
nおよびR
o、ならびにR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
またはR
1およびR
2、ならびにR
3およびR
4の一方は、同じ炭素に結合している場合、合わさって、オキソ、アルキルジエニル、3~6員のシクロアルキレン、もしくは4~6員の必要に応じて置換されているヘテロシクリレンを形成し、
R
5およびR
6は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR
5およびR
6の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、R
5およびR
6の他方は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
7R
8であり、R
7およびR
8は、独立に、水素またはアルキルであり、
Z
1は、式(a)または(b)の基であり、
【化5】
式中、
R
9は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
10は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルキル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
R
13は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
14は、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
R
11およびR
15は、アミノおよびアミノアルキルから選択され、
R
12およびR
16は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されており、
またはR
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化6】
を形成し、
式中、
eは、0、1、または2であり、
kは、0、1、または2であり、ただし、e+kは、1、2、または3であり、
qは、0、1、または2、または3であり、
R
17およびR
18は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキルおよびハロアルキルから選択され、
各R
19は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、および必要に応じて置換されているヘテロアリールから選択され、または
2個のR
19基が同じ炭素原子に結合している場合、2個のR
19基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成する。
環Dは、存在しないか、または存在し、
(i)環Dが存在しない場合には、QおよびWの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、QおよびWの他方は、CH
2であり、
(ii)環Dが存在する場合には、QおよびWは、独立に、NまたはCであり、ただしQおよびWの一方だけが、Nであり、環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、そのヘテロアリール環は、QおよびWを含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、および必要に応じて置換されているヘテロシクリルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている]、
または薬学的に許容されるその塩が提供され、ただし、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、式
【化7】
の化合物または薬学的に許容されるその塩である場合
[式中、R
9は、水素であり、R
10は、水素、アミノ、およびアミノアルキル以外であり、L、R
11およびR
12は、式(I)において定義される通りである]、
(i)R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの4つが、水素であり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの残りの2つが、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、およびアミノアルキルから選択される場合には、Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、-OR
a(R
aは、水素またはアルキルである)、-OC(O)NH
2、-O-テトラヒドロフラン-3-イル、-O-オキセタン-3-イル、シアノ、ピラゾール-1-イル、-CH
2OCH
3、-OCH
2OCH
3、-OCH
2シクロプロピル、-O-CH
2CH
2OCH
3、および-SO
2CH
3以外であり、
(ii)R
5およびR
6が、水素であり、R
1、R
2、R
3、およびR
4のうちの2つが、水素であり、a)R
1およびR
2、ならびにb)R
3およびR
4の一方が、水素であり、a)R
1およびR
2、ならびにb)R
3およびR
4の他方が、同じ炭素に結合しており、一緒に合わさって、アルキリデン、3~6員のシクロアルキレンまたは4~6員のヘテロシクリレンを形成する場合には、Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、-OR
a(R
aは、水素またはアルキルである)、-NH
2、および-Y-M(Yは、結合であり、Mは、-OR
aまたは-NR
pR
qで置換されているアルキルであり、各R
aは、水素またはアルキルであり、R
pおよびR
qは、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシアルキルであり、またはR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成する)以外であり、
(iii)Zが、水素であり、a)R
1およびR
2、ならびにb)R
3およびR
4の一方が、同じ炭素に結合しており、一緒に合わさって、3~6員のシクロアルキレンまたは4~6員のヘテロシクリレンを形成し、残りのR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの3つが、水素である場合には、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの残りの1つは、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはアミノではない。
【0014】
第3の態様では、式(IB)の化合物
【化8】
[式中、
AおよびEは、独立に、結合、CH
2、O、NH、S、およびS(O)
2から選択され、
Zは、水素、アルキル、ハロアルキル、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、-NR
rC(O)C(O)R
sまたは-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、または-NR
rC(O)C(O)R
sで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であり、各yは、0または1であり、各alkは、アルキレンであり、各R
c、R
d、R
f、R
h、およびR
sは、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、各R
a、R
b、R
e、R
g、R
i、R
j、R
k、R
m、R
n、R
o、R
p、R
q、R
r、およびR
sは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
iおよびR
j、R
kおよびR
m、R
nおよびR
o、ならびにR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
またはR
1およびR
2、ならびにR
3およびR
4の一方は、同じ炭素に結合している場合、合わさって、オキソ、アルキルジエニル、3~6員のシクロアルキレン、もしくは4~6員の必要に応じて置換されているヘテロシクリレンを形成し、
R
5およびR
6は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR
5およびR
6の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、R
5およびR
6の他方は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
7R
8であり、R
7およびR
8は、独立に、水素またはアルキルであり、
Z
1は、式(a)または(b)の基であり、
【化9】
式中、
R
9は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
10は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルキル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
R
13は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
14は、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
R
11およびR
15は、アミノおよびアミノアルキルから選択され、
R
12およびR
16は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されており、
またはR
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化10】
を形成し、
式中、
eは、0、1、または2であり、
kは、0、1、または2であり、ただし、e+kは、1、2、または3であり、
qは、0、1、または2、または3であり、
R
17およびR
18は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキルおよびハロアルキルから選択され、
各R
19は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、および必要に応じて置換されているヘテロアリールから選択され、または
2個のR
19基が同じ炭素原子に結合している場合、2個のR
19基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
環Dは、存在しないか、または存在し、
(i)環Dが存在しない場合には、QおよびWの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、QおよびWの他方は、CH
2であり、
(ii)環Dが存在する場合には、QおよびWは、独立に、NまたはCであり、ただし、QおよびWの一方だけが、Nであり、環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、そのヘテロアリール環は、QおよびWを含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、および必要に応じて置換されているヘテロシクリルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている]、
または薬学的に許容されるその塩が提供され、ただし、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、式
【化11】
の化合物または薬学的に許容されるその塩である場合
[式中、R
9は、水素であり、R
10は、水素、アミノ、およびアミノアルキル以外であり、L、R
11およびR
12は、式(IB)において定義される通りである]、
(i)R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの4つが、水素であり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの残りの2つが、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、およびアミノアルキルから選択される場合には、Zは、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-OR
a、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、-NR
rC(O)C(O)R
s(R
c、R
d、R
f、R
h、およびR
sは、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、R
a、R
e、R
g、R
i、Rj、R
k、R
m、R
n、R
o、R
p、R
q、およびR
rは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
iおよびRj、R
kおよびR
m、R
nおよびR
o、ならびにR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成する)およびY-M((a)Yは、結合またはOであり、Mは、-OR
aまたは-NR
pR
qで置換されているアルキルであり、R
aは、水素またはアルキルであり、R
pおよびR
qは、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシアルキルであり、またはR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、(b)Yは、SO
2であり、Mは、シクロアルキル(-OR
aで置換されている)、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ここで、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、独立に、-OR
a、-S(O)
2R
d、または-NR
pR
qで置換されており、R
aは、水素またはアルキルであり、R
dは、アルキルであり、R
pおよびR
qは、独立に、水素またはアルキルであり、シクロアルキルは、1個のハロで必要に応じてさらに置換されており、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、1個または2個のハロで必要に応じてさらに置換されている)以外であり、
(ii)R
5およびR
6が、それぞれ、水素であり、R
1、R
2、R
3、およびR
4のうちの2つが、それぞれ、水素であり、a)R
1およびR
2、ならびにb)R
3およびR
4の一方が、水素であり、a)R
1およびR
2、ならびにb)R
3およびR
4の他方が、同じ炭素に結合しており、一緒に合わさって、アルキリデン、3~6員のシクロアルキレンまたは4~6員のヘテロシクリレンを形成する場合には、Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、シアノ、シクロアルキル、-OR
a(R
aは、水素またはアルキルである)、-NH
2、および-Y-M(Yは、結合であり、Mは、-OR
aまたは-NR
pR
qで置換されているアルキルであり、各R
aは、水素またはアルキルであり、R
pおよびR
qは、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシアルキルであり、またはR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成する)以外であり、
(iii)Zが、水素であり、a)R
1およびR
2、ならびにb)R
3およびR
4の一方が、同じ炭素に結合しており、一緒に合わさって、3~6員のシクロアルキレンまたは4~6員のヘテロシクリレンを形成し、残りのR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの3つが、水素である場合には、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6のうちの残りの1つは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、シアノ、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、またはアミノではない。
【0015】
第4の態様では、式(IC)の化合物
【化12】
[式中、
AおよびEは、独立に、結合、CH
2、O、NH、S、およびS(O)
2から選択され、
Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、-NR
rC(O)C(O)R
sまたは-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、または-NR
rC(O)C(O)R
sで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であり、各yは、0または1であり、各alkは、アルキレンであり、各R
c、R
d、R
f、R
h、およびR
sは、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、各R
a、R
b、R
e、R
g、R
i、R
j、R
k、R
m、R
n、R
o、R
p、R
q、R
r、およびR
sは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
iおよびR
j、R
kおよびR
m、R
nおよびR
o、ならびにR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
またはR
1およびR
2、ならびにR
3およびR
4の一方は、同じ炭素に結合している場合、合わさって、オキソ、アルキルジエニル、3~6員のシクロアルキレン、もしくは4~6員の必要に応じて置換されているヘテロシクリレンを形成し、
R
5およびR
6は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR
5およびR
6の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、他方は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
7R
8であり、R
7およびR
8は、独立に、水素またはアルキルであり、
Z
1は、式(a)または(b)の基であり、
【化13】
式中、
R
9は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
10は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルキル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
R
13は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
14は、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
R
11およびR
15は、アミノおよびアミノアルキルから選択され、
R
12およびR
16は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されており、
またはR
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化14】
を形成し、
式中、
eは、0、1、または2であり、
kは、0、1、または2であり、ただし、e+kは、1、2、または3であり、
qは、0、1、または2、または3であり、
R
17およびR
18は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、およびハロアルキルから選択され、
各R
19は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、および必要に応じて置換されているヘテロアリールから選択され、または
2個のR
19基が同じ炭素原子に結合している場合、2個のR
19基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
環Dは、存在しないか、または存在し、
(i)環Dが存在しない場合には、QおよびWの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、QおよびWの他方は、CH
2であり、
(ii)環Dが存在する場合には、QおよびWは、独立に、NまたはCであり、ただしQおよびWの一方だけが、Nであり、環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、そのヘテロアリール環は、QおよびWを含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、および必要に応じて置換されているヘテロシクリルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている]、
または薬学的に許容されるその塩が提供され、ただし、式(IC)の化合物は、本明細書で以下に開示される実施形態37~42および45~63ならびにそれらに含有される実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩ではない。
【0016】
第5の態様では、式(I)、(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物(または本明細書に記載されるその実施形態のいずれか)、あるいは薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
【0017】
第6の態様では、患者におけるSHP2の阻害によって処置可能な疾患を処置する方法であって、患者に、好ましくはこのような処置を必要とする患者に、治療有効量の式(I)、(IA)、(IB)、もしくは(IC)の化合物(または本明細書に記載されるその実施形態のいずれか)を投与するステップを含むか、あるいは患者に、好ましくはこのような処置を必要とする患者に、式(I)、(IA)、(IB)、もしくは(IC)の化合物(または本明細書に記載されるその実施形態のいずれか)、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一実施形態では、疾患は、がんである。別の実施形態では、疾患は、肺がん、胃がん、肝臓がん、結腸がん、腎臓がん、乳がん、膵炎、若年性骨髄単球性白血病、神経芽腫(neurolastoma)、黒色腫、および急性骨髄性白血病から選択されるがんである。一実施形態では、疾患は、ヌーナン症候群およびレオパード症候群から選択される。
【0018】
第7の態様では、医薬として使用するための、式(I)、(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物(または本明細書に記載されるその任意の実施形態)あるいは薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0019】
第8の態様では、SHP2の活性が、疾患の病理および/または症状に寄与する、このような処置を必要とする患者における疾患を処置するための医薬の製造における、式(I)、(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物、または薬学的に許容されるその塩(および本明細書に開示されるその任意の実施形態)の使用が提供される。
【0020】
第9の態様では、SHP2を阻害する方法であって、SHP2を、式(I)、(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物(または本明細書に記載されるその実施形態のいずれか)あるいは薬学的に許容されるその塩と接触させるステップを含むか、あるいはSHP2を、本開示の化合物(または本明細書に記載されるその実施形態のいずれか)あるいは薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物と接触させるステップを含む、方法が提供される。
【0021】
第10の態様では、式(V)の中間体
【化15】
[式中、
Qは、ハロまたはSHであり、
AおよびEは、独立に、結合、CH
2、O、NH、S、およびS(O)
2から選択され、
Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、-NR
rC(O)C(O)R
sまたは-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
yR
a、-O(alk)
yOR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、または-NR
rC(O)C(O)R
sで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であり、各yは、0または1であり、各alkは、アルキレンであり、各R
c、R
d、R
f、R
h、およびR
sは、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、各R
a、R
b、R
e、R
g、R
i、Rj、R
k、R
m、R
n、R
o、R
p、R
q、R
r、およびR
sは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
iおよびRj、R
kおよびR
m、R
nおよびR
o、ならびにR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
またはR
1およびR
2、ならびにR
3およびR
4の一方は、同じ炭素に結合している場合、合わさって、オキソ、アルキルジエニル、3~6員のシクロアルキレン、もしくは4~6員の必要に応じて置換されているヘテロシクリレンを形成し、
R
5およびR
6は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR
5およびR
6の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、R
5およびR
6の他方は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択される]、
または許容されるその塩が提供される。
【0022】
第10の態様の第1の実施形態では、Qは、ハロである。第1の実施形態の下位実施形態では、Qは、クロロ、ブロモ、またはヨードである。
【0023】
第10の態様の第2の実施形態では、Qは、-S-M+であり、M+は、金属イオンである。第2の実施形態の下位実施形態では、M+は、ナトリウムまたはカリウム(potasium)である。
【0024】
第10の態様、その第1および第2の実施形態、ならびにそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの第3の実施形態では、
【化16】
は、
【化17】
である。
【0025】
第10の態様、その第1、第2および第3の実施形態、ならびにそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの第4の実施形態では、A、E、Z、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6は、本明細書の以下の実施形態のセクションで定義される通りである。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
式(I)の化合物
【化274】
[式中、
AおよびEは、独立に、結合、CH
2
、O、NH、S、およびS(O)
2
から選択され、
Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
y
R
a
、-O(alk)OR
b
、-S(O)R
c
、-S(O)
2
R
d
、-NR
e
C(O)R
f
、-NR
g
SO
2
R
h
、-OC(O)NR
i
R
j
、-C(O)NR
k
R
m
、-S(O)
2
NR
n
R
o
、-NR
p
R
q
、-NR
r
C(O)C(O)R
s
または-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2
であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
y
R
a
、-O(alk)OR
b
、-S(O)R
c
、-S(O)
2
R
d
、-NR
e
C(O)R
f
、-NR
g
SO
2
R
h
、-OC(O)NR
i
R
j
、-C(O)NR
k
R
m
、-S(O)
2
NR
n
R
o
、-NR
p
R
q
、または-NR
r
C(O)C(O)R
s
で置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であり、各yは、0または1であり、各alkは、アルキレンであり、各R
c
、R
d
、R
f
、R
h
、およびR
s
は、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、各R
a
、R
b
、R
e
、R
g
、R
i
、Rj、R
k
、R
m
、R
n
、R
o
、R
p
、R
q
、R
r
、およびR
s
は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
i
およびRj、R
k
およびR
m
、R
n
およびR
o
、ならびにR
p
およびR
q
は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
R
1
、R
2
、R
3
、およびR
4
は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
またはR
1
およびR
2
、ならびにR
3
およびR
4
の一方は、同じ炭素に結合している場合、合わさって、オキソ、アルキルジエニル、3~6員のシクロアルキレン、もしくは4~6員の必要に応じて置換されているヘテロシクリレンを形成し、
R
5
およびR
6
は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR
5
およびR
6
の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、他方のR
5
およびR
6
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2
、またはCR
7
R
8
であり、R
7
およびR
8
は、独立に、水素またはアルキルであり、
Z
1
は、式(a)または(b)の基であり、
【化275】
式中、
R
9
は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
10
は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2
OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルキル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
R
13
は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
14
は、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
R
11
およびR
15
は、アミノおよびアミノアルキルから選択され、
R
12
およびR
16
は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されており、
またはR
11
およびR
12
、ならびにR
15
およびR
16
は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化276】
を形成し、
式中、
eは、0、1、または2であり、
kは、0、1、または2であり、ただし、e+kは、1、2、または3であり、
qは、0、1、または2、または3であり、
R
17
およびR
18
は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキルおよびハロアルキルから選択され、
各R
19
は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、および必要に応じて置換されているヘテロアリールから選択され、または
2個のR
19
基が同じ炭素原子に結合している場合、前記2個のR
19
基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
環Dは、存在しないか、または存在し、
(i)環Dが存在しない場合には、QおよびWの一方は、CH
2
、O、S、S(O)、S(O)
2
、またはNHであり、QおよびWの他方は、CH
2
であり、
(ii)環Dが存在する場合には、QおよびWは、独立に、NまたはCであり、ただしQおよびWの一方だけが、Nであり、環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環は、QおよびWを含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、および必要に応じて置換されているヘテロシクリルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている]、
または薬学的に許容されるその塩。
(項目2)
Zが、-Y-Mであり、Yが、結合であり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O(alk)OR
a
で置換されており、R
a
が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目3)
Zが、-Y-Mであり、Yが、結合またはOであり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O(alk)OR
b
、-S(O)
2
R
d
、-NR
e
C(O)R
f
、-NR
g
SO
2
R
h
、-OC(O)NR
i
R
j
、-C(O)NR
k
R
m
、または-S(O)
2
NR
n
R
o
で置換されている、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目4)
Zが、-Y-Mであり、Yが、結合であり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O-R
a
で置換されており、R
a
が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目5)
Zが、-OR
a
であり、R
a
が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目6)
Zが、-O(alk)OR
b
であり、R
b
が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目7)
Zが、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
y
R
a
、-O(alk)OR
b
、-S(O)
2
R
d
、-OC(O)NR
i
R
j
、-S(O)
2
NR
n
R
o
、-NR
p
R
q
、または-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2
であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
y
R
a
、-O(alk)OR
b
、-S(O)
2
R
d
、または-NR
p
R
q
で置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)である、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目8)
Zが、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、項目2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目9)
Zが、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシ、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、項目3に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目10)
Zが、水素、フルオロ、シアノ、メトキシ、ヒドロキシ、シクロペンチルオキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、オキセタン-3-イルオキシ、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メチルスルホニル、アミノカルボニルオキシ、ピラゾール-1-イル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシ、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、項目7に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目11)
Zが、フルオロである、項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目12)
前記化合物が、式(II)の構造
【化277】
を有する、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目13)
前記化合物が、式(IIA)の構造
【化278】
を有する、項目1~12のいずれか一項に記載の化合物、およびまたは薬学的に許容されるその塩。
(項目14)
前記化合物が、式(III)の構造
【化279】
を有する、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目15)
前記化合物が、式(IIIA)の構造
【化280】
を有する、項目1~11および14に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目16)
Eが、Oであり、Aが、CH
2
または結合である、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目17)
Eが、Oであり、Aが、結合である、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目18)
式(IIB)の構造
【化281】
を有する、項目2~13のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目19)
式(IIIB)の構造
【化282】
を有する、項目2~11、14、および15のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目20)
R
9
およびR
13
が、水素である、項目1~19のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目21)
R
9
およびR
13
が、アミノである、項目1~19のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目22)
R
9
およびR
13
が、メチルである、項目1~19のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目23)
R
9
およびR
13
が、独立に、水素、アルキル、またはアミノである、項目1~19のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目24)
Lが、Sである、項目1~23のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目25)
Lが、S(O)またはS(O)
2
である、項目1~23のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目26)
Lが、結合である、項目1~23のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目27)
Lが、CR
7
R
8
であり、R
5
およびR
6
が、独立に、水素またはアルキルである、項目1~23のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目28)
R
10
が、ヒドロキシアルキルである、項目1~13、16~18および20~27のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目29)
R
10
が、ヒドロキシメチルである、項目1~13、16~18および20~27のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目30)
R
10
が、水素である、項目1~13、16~18および20~27のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目31)
R
14
が、水素またはメチルである、項目1~11、14~17、19、および20~28のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目32)
R
11
およびR
15
が、アミノおよびアミノアルキルから選択され、R
12
およびR
16
が、独立に、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されている、項目1~31のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目33)
R
11
およびR
15
が、アミノメチルであり、R
12
およびR
16
が、メチルである、項目32に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目34)
R
11
およびR
12
、ならびにR
15
およびR
16
が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化283】
を形成する、項目1~31のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目35)
式(c)の環が、
【化284】
である、項目32に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目36)
R
11
およびR
12
、ならびにR
15
およびR
16
が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化285】
を形成する、項目1~31のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目37)
式(c)の環が、
【化286】
である、項目36に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目38)
R
1
、R
2
、R
3
、およびR
4
が、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、およびヒドロキシ、アミノから選択される、項目1~37のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目39)
R
1
、R
2
、R
3
、およびR
4
が、水素であり、R
1
、R
2
、R
3
、およびR
4
の残りの3つが、独立に、水素、メチル、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシ、およびアミノから選択される、項目38に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目40)
R
1
、R
2
、R
3
、およびR
4
が、水素である、項目38に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目41)
R
5
が、水素、アルキル、ハロ、またはアミノであり、R
6
が、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、またはシアノである、項目1~40のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容される塩。
(項目42)
R
5
およびR
6
が、水素である、項目41に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目43)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((R)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-フルオロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-フルオロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール;
(6aS,8R)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8R)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8S)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(オキセタン-3-イルオキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(2-メトキシエトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(シクロプロピルメトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a’,7’-ジヒドロ-6’H,9’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン]-4’-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール;
(6aS,8R)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール;
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-カルボニトリル;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メチルスルホニル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルカルバメート;
(6aS,8R)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルカルバメート;
(6-(((6aS,8S)-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピラジン-2-イル)メタノール;
(6-(((6aS,8R)-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((R)-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-d]ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-d]ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b][1,4]チアジノ[4,3-d][1,4]オキサジン8,8-ジオキシド;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((2-メトキシエトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((シクロプロピルメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((オキセタン-3-イルメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-2-アミノ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8R)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((S)-5-アミノ-13-オキサ-9-アザジスピロ[3.1.56.24]トリデカン-9-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((S)-5-アミノ-13-オキサ-9-アザジスピロ[3.1.56.24]トリデカン-9-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-5-メチルピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)メタノール;および
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)メタノール
から選択される項目1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目44)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((2-メトキシエトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((シクロプロピルメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((オキセタン-3-イルメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((S)-5-アミノ-13-オキサ-9-アザジスピロ[3.1.56.24]トリデカン-9-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(((メトキシメトキシ)メトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3S,4S)-8-(5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン;
(3S,4S)-8-(6-アミノ-5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン;
(S)-1’-(5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン;
(S)-1’-(6-アミノ-5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-5,7-ジヒドロスピロ-[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン;
(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-5-メチルピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール;および
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)メタノール
から選択される項目2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(項目45)
項目1~44のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
(項目46)
患者におけるSHP2の阻害によって処置可能な疾患を処置する方法であって、このような処置を必要とする前記患者に、治療有効量の項目1~44のいずれか一項に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含むか、またはこのような処置を必要とする前記患者に、項目1~44のいずれか一項に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
(項目47)
前記疾患が、がんである、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記がんが、肺がん、胃がん、肝臓がん、結腸がん、腎臓がん、乳がん、膵炎、若年性骨髄単球性白血病、神経芽腫、黒色腫、および急性骨髄性白血病から選択される、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記疾患が、ヌーナン症候群およびレオパード症候群から選択される、項目46に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で提供されるある特定の構造は、1個または複数の浮動置換基(floating substituent)を伴って図示される。別段提供されていない、または他に文脈から明らかでない限り、置換基(単数または複数)は、化学的に可能であり、原子価規則が許す場合には、それが結合している環の任意の原子上に存在することができる。例えば、構造
【化18】
において、R
3、R
4、およびZ置換基は、AがCH
2である場合のCH
2基の水素の一方または両方、およびAがNHである場合のNHの水素を含めた、A基を含む6員環上の任意の水素を置き換えることができる。別の例では、式(c)の環
【化19】
において、環Dが存在せず、Qおよび/またはWがCH
2である場合、これらの水素の一方または両方は、1個または2個のR
19基で必要に応じて置き換えられる。
【0027】
定義
別段記述されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される以下の用語は、本願の目的のために定義され、以下の意味を有する。
【0028】
「アルキル」は、1~6個の炭素原子の一価の飽和直鎖炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子の一価の飽和分岐炭化水素ラジカル、例えば、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、ブチル、ペンチルなどを意味する。「アルキル」という用語には、「アルキレン」基が含まれ得ることを当業者は認識されよう。
【0029】
「アルキレン」は、別段記述されない限り、1~6個の炭素原子の二価の飽和直鎖炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子の二価の飽和分岐炭化水素ラジカル、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、1-メチルプロピレン、2-メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
【0030】
「アルケニル」は、二重結合を含有する、2~6個の炭素原子の一価の直鎖炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子の一価の分岐炭化水素ラジカル、例えば、プロペニル、ブテニルなどを意味する。
【0031】
「アルキルジエニル」は、末端の二価の炭素を介して結合している、先に定義される通りのアルケニルである。例えば、以下の化合物
【化20】
において、アルキルジエニル基は、矢印によって示される四角い枠によって囲まれている。
【0032】
「アルキルチオ」は、Rが先に定義される通りのアルキルである-SRラジカル、例えば、メチルチオ、エチルチオなどを意味する。
【0033】
「アルキルスルホニル」は、Rが先に定義される通りのアルキルである-SO2Rラジカル、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどを意味する。
【0034】
「アルキルスルホキシド」は、Rが先に定義される通りのアルキルである-SORラジカル、例えば、メチルスルホキシド、エチルスルホキシドなどを意味する。
【0035】
「アミノ」は、-NH2を意味する。
【0036】
「アルキルアミノ」は、Rが先に定義される通りのアルキルである-NHRラジカル、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、または2-プロピルアミノなどを意味する。
【0037】
「アシルアミノ」は、Rが先に定義される通りのアルキルである-NHC(O)Rラジカル、例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ(propionoylamino)などを意味する。
【0038】
「アミノアルキル」は、-NR’R’’(R’およびR’’は、独立に、それぞれ本明細書で定義される通りの、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシアルキルであり、またはR’およびR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成する)で置換されている、1~6個の炭素原子の一価の直鎖炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素の一価の分岐炭化水素ラジカル、例えば、アミノメチル、アミノエチル、メチルアミノメチル、モルホリニルエチル、ピペラジン-1-イルエチルなどを意味する。
【0039】
「アルコキシ」は、Rが先に定義される通りのアルキルである-ORラジカル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたは2-プロポキシ、n-、イソ-またはtert-ブトキシなどを意味する。
【0040】
「アルコキシアルキル」は、先に定義される通りの少なくとも1個のアルコキシ基、例えば1個または2個のアルコキシ基で置換されている、1~6個の炭素原子の一価の直鎖炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素の一価の分岐炭化水素ラジカル、例えば、2-メトキシエチル、1-、2-、または3-メトキシプロピル、2-エトキシエチルなどを意味する。
【0041】
「アルコキシカルボニル」は、Rが先に定義される通りのアルキルである-C(O)ORラジカル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどを意味する。
【0042】
「アリール」は、6~10個の環原子の一価の単環式または二環式芳香族炭化水素ラジカル、例えば、フェニルまたはナフチルを意味する。
【0043】
「アラルキル」は、Rが先に定義される通りのアリールである-(アルキレン)-R、例えば、ベンジルまたはフェネチルを意味する。
【0044】
「シクロアルキル」は、別段記述されない限り、アルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、およびシアノから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている3~10個の炭素原子の一価の飽和単環式炭化水素ラジカルを意味する。例として、それに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどが挙げられる。
【0045】
「シクロアルキルアルキル」は、Rが先に定義される通りのシクロアルキルである-(アルキレン)-Rラジカル、例えば、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチルなどを意味する。
【0046】
「シクロアルキレン」は、別段記述されない限り、それぞれ本明細書で定義される通り、アルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、およびシアノから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている、3~6個の炭素原子の二価の飽和単環式炭化水素ラジカルを意味する。例として、それに限定されるものではないが、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、またはシクロヘキシレンなどが挙げられる。
【0047】
「カルボキシ」は、-C(O)OHを意味する。
【0048】
「ジアルキルアミノ」は、RおよびR’が先に定義される通りのアルキルである-NRR’ラジカル、例えば、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノなどを意味する。
【0049】
「アミノスルホニル」は、RおよびR’が、独立に、それぞれ本明細書で定義される通りの、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルである、-SO2NRR’ラジカル、例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニルなどを意味する。
【0050】
「アミノカルボニル」は、RおよびR’が、独立に、それぞれ本明細書で定義される通りの、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルである、-CONRR’ラジカル、例えば、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニルなどを意味する。
【0051】
「アミノカルボキシ」は、RおよびR’が、独立に、それぞれ本明細書で定義される通りの、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルである、-C(O)ONRR’ラジカル、例えば、アミノカルボニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシなどを意味する。
【0052】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード、好ましくはフルオロまたはクロロを意味する。
【0053】
「ハロアルキル」は、様々なハロゲンで置換されているもの、例えば、-CH2Cl、-CF3、-CHF2、-CH2CF3、-CF2CF3、-CF(CH3)2などを含めた、1個または複数のハロゲン原子、例えば1~5個のハロゲン原子、例えばフッ素または塩素で置換されている、先に定義される通りのアルキルラジカルを意味する。アルキルが、フルオロだけで置換されている場合、本願ではフルオロアルキルと呼ぶことができる。
【0054】
「ハロアルコキシ」は、Rが先に定義される通りのハロアルキルである-ORラジカル、例えば、-OCF3、-OCHF2などを意味する。Rが、アルキルがフルオロだけで置換されているハロアルキルである場合、本願ではフルオロアルコキシと呼ばれる。
【0055】
「ヒドロキシアルキル」は、1個または2個のヒドロキシ基で置換されている1~6個の炭素原子の一価の直鎖炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素の一価の分岐炭化水素ラジカルを意味し、ただし、2個のヒドロキシ基が存在する場合、それらが共に同じ炭素原子上に存在することはない。代表例として、それに限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシ-エチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシブチル、3,4-ジヒドロキシブチルおよび2-(ヒドロキシメチル)-3-ヒドロキシプロピル、好ましくは2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、および1-(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0056】
「ヘテロシクリル」は、1個、2個または3個の環原子が、N、O、およびS(O)n(nは、0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCである、4~10個の環原子の一価の飽和または不飽和単環式または二環式環を意味する。さらに、ヘテロシクリル環における1個または2個の環炭素原子は、必要に応じて-CO-基によって置き換えられていてもよい。より具体的には、ヘテロシクリルという用語には、それに限定されるものではないが、ピロリジノ、ピペリジノ、ホモピペリジノ、2-オキソピロリジニル、2-オキソピペリジニル、モルホリノ、ピペラジノ、テトラヒドロ-ピラニル、チオモルホリノ、6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、6,7-ジヒドロピリミド[2,1-c][1,4]オキサジン-4(9H)-オンなどが含まれる。ヘテロシクリル環が不飽和である場合、その環は、1個または2個の環二重結合を含有することができ、ただしその環は芳香族ではない。ヘテロシクリル基が少なくとも1個の窒素原子を含有する場合、これは本明細書ではヘテロシクロアミノとも呼ばれ、ヘテロシクリル基のサブセットである。
【0057】
「ヘテロシクリレン」は、別段記述されない限り、1個、2個または3個の環原子が、N、O、およびS(O)n(nは、0~2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCである、4~6個の環原子の二価の飽和または不飽和単環式または二環式環を意味する。ヘテロシクリレンは、それぞれ本明細書で定義される通りの、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、またはヒドロキシから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されていてもよい。
【0058】
「ヘテロアリール」は、別段記述されない限り、1個または複数(一実施形態では、1個、2個または3個)の環原子が、N、O、またはSから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である、5~10個の環原子の一価の単環式または二環式芳香族ラジカルを意味する。代表例として、それに限定されるものではないが、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、インドリル、イソインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリルなどが挙げられる。本明細書で定義される通り、「ヘテロアリール」および「アリール」という用語は、互いに排他的である。ヘテロアリール環が5個または6個の環原子を含有する場合、これは本明細書では5員または6員ヘテロアリールとも呼ばれる。
【0059】
「ヘテロアラルキル」は、Rが先に定義される通りのヘテロアリールである-(アルキレン)-R、例えば、ベンジルまたはフェネチルを意味する。
【0060】
「オキソ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組合せで、=(O)を指す。
【0061】
必要な場合、本明細書における任意の定義は、複合構造の基を説明するために任意の他の定義と組み合わせて使用することができる。慣習によって、このような任意の定義の末尾の要素は、親部分に結合している要素である。例えば、複合基であるアルコキシアルキルは、アルコキシ基が、アルキル基を介して親分子に結合していることを意味する。
【0062】
本開示はまた、式(I)、(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物、またはその実施形態の保護された誘導体を含む。例えば、式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物が、ヒドロキシ、カルボキシ、チオールまたは任意の窒素原子含有基などの基を含有する場合、これらの基は、適切な保護基で保護することができる。適切な保護基の包括的な一覧は、T.W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, 5th Ed., John Wiley & Sons, Inc. (2014)に見出すことができ、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の保護された誘導体は、当技術分野で周知の方法によって調製することができる。
【0063】
本開示はまた、式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の多形体および重水素化形態を含む。「プロドラッグ」という用語は、in vivoでより活性になる化合物を指す。本明細書に開示されるある特定の化合物は、Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism : Chemistry, Biochemistry, and Enzymology (Testa, Bernard and Mayer, Joachim M. Wiley-VHCA, Zurich, Switzerland 2003)に記載されている通り、プロドラッグとして存在することもできる。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、生理条件下で容易に化学変化を受けて活性化合物を提供する、化合物の構造的に修飾された形態である。プロドラッグは、一部の状況では、化合物すなわち親薬物よりも投与しやすい場合があるので、しばしば有用である。プロドラッグは、例えば、親化合物が生体利用不可能であるのに対して、経口投与によって生体利用可能となり得る。多種多様なプロドラッグ誘導体、例えば、プロドラッグの加水分解的切断または酸化的活性化に依存する誘導体が、当技術分野で公知である。限定されるものではないが、プロドラッグの一例は、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、次に活性な実体であるカルボン酸に代謝的に加水分解される化合物である。さらなる例として、化合物のペプチジル誘導体が挙げられる。
【0064】
式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩には、以下が含まれる。
【0065】
無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと形成される、または有機酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などと形成される、酸付加塩、あるいは
【0066】
親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンによって置き換えられるか、または有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどと配位結合する場合に形成される塩。薬学的に許容される塩は、非毒性であると理解される。適切な薬学的に許容される塩に関するさらなる情報は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985に見出すことができ、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、不斉中心を有することができる。非対称に置換されている原子を含有する式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ形態で単離することができる。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を含有する商業的に入手可能な出発材料から、あるいはエナンチオマー生成物の混合物を調製し、その後、ジアステレオマー混合物への変換、その後の分離もしくは再結晶、クロマトグラフィー技術、キラルクロマトグラフィーカラムでのエナンチオマーの直接的な分離、または当技術分野で公知の任意の他の適切な方法などの分離を行うことによって、合成的に調製することができる。すべてのキラル、ジアステレオマー、キラルまたはジアステレオマー(diasteromeric)形態のすべての混合物、およびラセミ形態は、具体的な立体化学形態または異性体形態が具体的に示されない限り、本開示の範囲内にある。化合物が(R)立体異性体として示される場合、その化合物は、対応する(S)立体異性体を不純物として含有する場合があり、その逆もあり得ることもまた、当業者には理解されよう。
【0068】
式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)のある特定の化合物は、互変異性体および/または幾何異性体として存在することができる。個々の形態およびそれらの混合物としての、すべての可能な互変異性体、ならびにシスおよびトランス異性体が、本開示の範囲内にある。さらに、本明細書で使用される場合、アルキルという用語は、わずかな例しか記載されていないが、前記アルキル基のすべての可能な異性体形態を含む。さらに、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルなどの環式基が置換されている場合、それらは、わずかな例しか記載されていないが、すべての位置異性体を含む。さらに、式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物のすべての水和物が、本開示の範囲内にある。
【0069】
式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、このような化合物を構成する原子の1個または複数において非天然量の同位体を含有することもできる。同位体の非天然量とは、当該の原子の自然に見出される量から100%の量までの範囲と定義することができる。1個または複数の同位体的に濃縮された原子の存在だけが異なっている。本発明の化合物、例えば式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物(および特定の化合物を含めた本明細書に開示されるその任意の実施形態)に組み込むことができる例示的な同位体として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iが挙げられる。同位体標識された化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識された化合物)は、化合物または基質の組織分布アッセイにおいて有用となり得る。トリチウム標識(すなわち、3H)および炭素-14(すなわち、14C)同位体は、それらの調製および検出性の容易さから有用となり得る。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、2H)による置換は、より高い代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点(例えばin vivo半減期の増大または必要投薬量の低減)をもたらすことができる。一部の実施形態では、以下の表1の化合物を含めた本明細書に開示される化合物において、1個もしくは複数の水素原子は、2Hもしくは3Hによって置き換えられ、または1個もしくは複数の炭素原子は、13C-もしくは14C-濃縮炭素によって置き換えられる。陽電子放出同位体、例えば15O、13N、11C、および15Fは、基質受容体占有率を調査するための陽電子放出断層撮影(PET)研究に有用である。同位体標識された化合物は、一般に、本明細書のスキームまたは実施例に開示される手順に類似の手順に従って、非同位体標識試薬の代わりに同位体標識試薬を用いることによって調製することができる。
【0070】
「必要に応じて置換されているアリール」は、アルキル、ヒドロキシル、シクロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、およびシアノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されているアリールを意味する。
【0071】
「必要に応じて置換されているアラルキル」は、Rが、先に定義される通りの必要に応じて置換されているアリールである、-(アルキレン)-Rを意味する。
【0072】
「必要に応じて置換されているヘテロアリール」は、アルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシル、シクロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、およびシアノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されている、先に定義される通りのヘテロアリールを意味する。
【0073】
「必要に応じて置換されているヘテロアラルキル」は、Rが、先に定義される通りの必要に応じて置換されているヘテロアリールである、-(アルキレン)-Rを意味する。
【0074】
「必要に応じて置換されているヘテロシクリル」は、アルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシル、シクロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、およびシアノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で必要に応じて置換されている、先に定義される通りのヘテロシクリルを意味する。
【0075】
「必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル」は、Rが、先に定義される通りの必要に応じて置換されているヘテロシクリルである、-(アルキレン)-Rを意味する。
【0076】
「薬学的に許容される担体または賦形剤」は、一般に安全であり、非毒性であり、生物学的にもその他の方式でも望ましくないことがない、医薬組成物の調製において有用な担体または賦形剤を意味し、それには、獣医学での使用およびヒトの製薬用途に許容される担体または賦形剤が含まれる。本明細書および特許請求の範囲で使用される「薬学的に許容される担体/賦形剤」は、1種および1種より多くの両方のこのような賦形剤を含む。
【0077】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、それが修飾する数値を、このような値を誤差限度内で可変であると示すものと認定することを意図される。特定の誤差限度、例えばデータのチャートまたは表に与えられる平均値に対して標準偏差が記載されない場合、「約」という用語は、その記載値および範囲の±10%、好ましくは±5%を包含する範囲が含まれることを意味すると理解されるべきである。
【0078】
「疾患」という用語は、本明細書で使用される場合、正常な機能を損なっており、典型的に際立った徴候および症状によって現れ、ヒトまたは動物に生存期間または生活の質の低下を強いる、ヒトもしくは動物の身体またはその一部のある異常な状態をすべてが反映しているという点で、「障害」、「症候群」および「状態(condition)」(病状(medical condition)におけるような)という用語と一般に同義であることが意図され、交換可能に使用される。
【0079】
「併用療法」という用語は、本開示に記載される疾患または障害を処置するために、2種またはそれよりも多い治療剤を投与することを意味する。このような投与は、固定比の活性成分を有する単一カプセル剤または活性成分ごとの複数の別個のカプセル剤などで、実質的に同時方式でこれらの治療剤を併用投与することを包含する。さらに、このような投与は、各タイプの治療剤を逐次的な方式で使用することも包含する。いずれの場合も、処置レジメンは、本明細書に記載される状態または障害の処置において、薬物の組合せの有益な効果を提供する。
【0080】
「患者」という用語は、「対象」という用語と一般に同義であり、それにはヒトを含めたすべての哺乳動物が含まれる。患者の例として、ヒト、家畜、例えばウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタおよびウサギ、ならびにペット、例えばイヌ、ネコ、ウサギおよびウマが挙げられる。好ましくは、患者は、ヒトである。
【0081】
疾患を「処置すること」またはその「処置」は、
(1)疾患を防止すること、すなわち、疾患に曝露され得るかもしくはその疾患にかかりやすい場合があるが、その疾患の症状をまだ経験していないもしくは示していない哺乳動物において、その疾患の臨床症状が生じないようにすること、
(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患もしくはその臨床症状の発症を抑止もしくは低減すること、または
(3)疾患を軽減すること、すなわち、疾患もしくはその臨床症状の退行を引き起こすこと
を含む。一実施形態では、処置することまたは処置は、先の(2)または(3)を意味する。
【0082】
「治療有効量」は、疾患を処置するために患者に投与される場合、その疾患のためにこのような処置に影響を与えるのに十分な、式(I)、(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変わる。
【0083】
SHP2に関する「阻害すること」および「低下させること」という用語、またはこれらの用語の任意の変形形態は、所望の結果を達成するための、任意の測定可能な低減または完全な阻害を含む。例えば、正常と比較して、SHP2活性の、約、多くて約、または少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%もしくはそれを超える低減、またはそれらから誘導可能な任意の範囲の低下が存在し得る。
【0084】
式(I)の代表的な化合物は、以下の表(I)に開示される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
式(I)の企図される化合物は、以下の表2に開示される。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【0085】
実施形態
以下のさらなる実施形態1~36では、本開示は、以下を含む。
1.実施形態1では、先の概要に記載される通りの式(I)、(IA)、(IB)もしくは(IC)の化合物、または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0086】
実施形態1の第1の下位実施形態では、化合物は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。実施形態1の第2の下位実施形態では、化合物は、式(IA)の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。実施形態1の第3の下位実施形態では、化合物は、式(IB)の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。実施形態1の第4の下位実施形態では、化合物は、式(IC)の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
【0087】
2.実施形態2では、実施形態1および実施形態1に含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(II)の構造(すなわち、Z
1は、式(a)の基である)
【化21】
を有するものである。
【0088】
3.実施形態3では、実施形態1および2、ならびにそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、ならびにまたは薬学的に許容されるその塩は、式(IIA)の構造
【化22】
を有するものである。
【0089】
4.実施形態5では、実施形態1および実施形態1に含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(III)の構造(すなわち、Z
1は、式(b)の基である)
【化23】
を有するものである。
【0090】
5.実施形態5では、実施形態1および4、ならびにそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(IIIA)の構造
【化24】
を有するものである。
【0091】
6.実施形態6では、実施形態1~5およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Eが、Oであり、Aが、CH2または結合であるものである。
【0092】
7.実施形態7では、実施形態1~5およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Eが、Oであり、Aが、結合であるものである。
【0093】
8.実施形態8では、実施形態3およびそれに含有されている下位実施形態の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(IIB)の構造
【化25】
を有する。
【0094】
9.実施形態9では、実施形態5およびそれに含有されている下位実施形態の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(IIIB)の構造
【化26】
を有する。
【0095】
10.実施形態10では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)yRa、-O(alk)ORb、-S(O)2Rd、-OC(O)NRiRj、-S(O)2NRnRo、-NRpRq、または-Y-M(Yは、結合、O、またはSO2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)yRa、-O(alk)ORb、-S(O)2Rd、または-NRpRqで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であるものである。
【0096】
11.実施形態11では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、-Y-Mであり、Yが、結合またはOであり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O(alk)ORb、-S(O)2Rd、-NReC(O)Rf、-NRgSO2Rh、-OC(O)NRiRj、-C(O)NRkRm、または-S(O)2NRnRoで置換されているものである。
【0097】
12.実施形態12では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、-Y-Mであり、Yが、結合であり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O-Raで置換されており、Raが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであるものである。
【0098】
13.実施形態13では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、-Y-Mであり、Yが、結合であり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O(alk)ORaで置換されており、Raが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであるものである。
【0099】
14.実施形態14では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、-ORaであり、Raが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであるものである。
【0100】
15.実施形態15では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、-O(alk)ORbであり、Rbが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールであるものである。
【0101】
16.実施形態16では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、水素、フルオロ、シアノ、メトキシ、ヒドロキシ、シクロペンチルオキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、オキセタン-3-イルオキシ、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メチルスルホニル、アミノカルボニルオキシ、ピラゾール-1-イル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシ、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルであるものである。
【0102】
17.実施形態17では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシ、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルであるものである。
【0103】
18.実施形態18では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルであるものである。
【0104】
19.実施形態18では、実施形態1~9およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Zが、フルオロであるものである。
【0105】
20.実施形態20では、実施形態1~19およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R9およびR13が、水素であるものである。
【0106】
21.実施形態21では、実施形態1~19およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R9およびR13が、アミノであるものである。
【0107】
21A.実施形態21Aでは、実施形態1~19およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R9およびR13が、メチルであるものである。
【0108】
21B.実施形態21Bでは、実施形態1~19およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R9およびR13が、独立に、水素、アルキル、またはアミノであるものである。
【0109】
22.実施形態22では、実施形態1~21Bおよびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、Sであるものである。
【0110】
23.実施形態23では、実施形態1~21Bおよびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、S(O)またはS(O)2であるものである。
【0111】
24.実施形態24では、実施形態1~21Bおよびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、結合であるものである。
【0112】
25.実施形態25では、実施形態1~24およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、CR7R8であり、R5およびR6が、独立に、水素またはアルキルであるものである。実施形態10の1つの下位実施形態では、Lは、CH2である。実施形態10の別の下位実施形態では、Lは、C(CH3)2である。
【0113】
26.実施形態26では、実施形態1~3、6~8、および10~25、ならびにそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R10が、ヒドロキシアルキルであるものである。実施形態11の第1の下位実施形態では、R10は、ヒドロキシメチルである。
【0114】
27.実施形態27では、R10が、アルキルスルホニルである、実施形態1~3、6~8、および10~25、ならびにそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩が提供される。実施形態27の第1の下位実施形態では、R2は、メチルスルホニルまたはエチルスルホニルである。
【0115】
27A.実施形態27Aでは、実施形態1~3、6~8、および10~25、ならびにそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R10が、水素であるものである。
【0116】
28.実施形態28では、実施形態11~25およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R14が、水素であるものである。
【0117】
29.実施形態29では、実施形態11~25およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R14が、-アルキルであるものである。第1の下位実施形態では、R14は、メチルである。
【0118】
30.実施形態30では、実施形態1~29およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、
R11およびR15が、アミノおよびアミノアルキルから選択され、R12およびR16が、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されているものである。実施形態30の下位実施形態では、R11およびR15は、アミノメチルであり、R12およびR16は、メチルである。
【0119】
31.実施形態31では、実施形態1~29およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化27】
を形成するものである。
【0120】
実施形態31の第1の下位実施形態では、式(c)の環は、
【化28】
である。実施形態31の第2の下位実施形態では、式(c)の環は、
【化29】
である。
【0121】
32.実施形態32では、1~29およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化30】
を形成するものである。
【0122】
実施形態32の第1の実施形態では、式(c)の環は、
【化31】
である。
【0123】
33.実施形態33では、実施形態1~32およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R1、R2、R3、およびR4が、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、またはヒドロキシ、アミノから選択されるものである。第1の下位実施形態33では、R1、R2、R3、およびR4のうちの1つは、水素であり、R1、R2、R3、およびR4の残りの3つは、独立に、水素、メチル、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシ、またはアミノから選択される。第2の下位実施形態33では、R1、R2、R3、およびR4のうちの2つまたは3つは、水素であり、R1、R2、R3、およびR4の残りの1つまたは2つは、独立に、水素、メチル、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシ、またはアミノから選択される。第3の下位実施形態33では、R1、R2、R3、およびR4は、水素である。
【0124】
34.実施形態34では、実施形態1~32およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R5が、水素、アルキル、ハロ、またはアミノであり、R6が、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、またはシアノであるものである。
【0125】
35.実施形態35では、実施形態1~32およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R5が、水素、クロロ、メチル、またはアミノであり、R6が、水素、メチル、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、またはメトキシであるものである。
【0126】
36.実施形態34では、実施形態1~32およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R5およびR6が、水素であるものである。
【0127】
前述の実施形態は、実施形態およびそれに列挙される下位実施形態のあらゆる組合せを含むと理解される。例えば、実施形態31、ならびに実施形態31の第1および第2の下位実施形態に列挙される式(c)の環は、独立に、実施形態1~30および32~36、ならびに/またはそれらに含有されている下位実施形態の1つまたは複数と組み合わせることができる。
【0128】
追加の実施形態には、以下の実施形態37~63が含まれる。
37.式(I’)の化合物
【化32】
[式中、
Aは、R
a、R
b、および/またはR
cで置換されている、
【化33】
であり、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アルキル、アミノ、シクロアルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、-S(O)R、S(O)
2R、-C(O)R、-OR’、-NR’C(O)R、-NR’SO
2R、-OC(O)NR’R’’、-C(O)NR’R’’、-S(O)
2NR’R’’、-NR’R’’、または-NR’C(O)C(O)Rであり、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、R’およびR’’は、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、またはR’およびR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、あるいはR
cおよびR
aが、シクロアルキルまたは縮合ヘテロアリール環の同じ炭素に結合している場合には、R
cおよびR
aは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンまたはヘテロシクリレンを形成し、
あるいはAは、構造(d)であって
【化34】
(式中、
tは、0、1、または2であり、
環Eは、O、N、S、およびSO
2から独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を含有し、残りの原子が炭素である、4~7員の複素環であり、Wは、O、CH
2、またはNである)、
R
a、R
b、および/またはR
cで置換されている構造(d)を有し、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アミノ、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシもしくはアルコキシであり、またはR
aおよびR
cが、同じ炭素原子に結合している場合、R
aおよびR
cは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
Q
1は、NまたはCR
1であり、R
1は、水素または重水素であり、
Q
2は、NもしくはCH、またはCDであり、
R
2は、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
5R
6であり、R
5およびR
6は、独立に、水素またはアルキルであり、
【化35】
は、式(a)または(b)の環
【化36】
であり、
式中、
mは、0、1、または2であり、
nは、0、1、または2であり、nが2である場合には、CH
2のうちの1つは、O、S、またはSO
2で置き換えられていてもよく、ただし、m+nは、1、2、または3であり、
kは、0、1、または2であり、
zは、0、1、または2であり、
各R
dは、独立に、水素、アルキル、またはハロゲンであり、
R
eおよびR
e1は、独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノもしくはオキソであり、または
R
eおよびR
e1が、同じ炭素原子に結合している場合には、R
eおよびR
e1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
R
fおよびR
gは、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
各R
hは、独立に、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、シアノもしくはオキソであり、または
1つのR
hが、ピペリジン(b)環の炭素2もしくは3に接続しており、第2のR
hが、ピペリジン(b)環の炭素5もしくは6に結合しており、窒素原子が位置1にある場合には、第1および第2のR
hは、合わさってアルキレン鎖を形成し、
環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、その環は、XおよびX
1を含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアシルアミノから独立に選択される1個または2個の基で必要に応じて置換されていてもよく、
XおよびX
1は、独立に、NまたはCであり、ただし、XおよびX
1の一方だけが、Nであることができ、
R
3は、アミノまたはアミノアルキルであり、
R
4は、アルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル(heterocyclalkyl)、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、または4~6員のヘテロシクリルであり、ここで、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルは、それ自体が、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキルの一部として、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルスルホキシドまたはアルキルスルホニルから独立に選択されるR
iおよび/またはR
jで置換されており、あるいは
R
3およびR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化37】
を形成し、
式中、
m1は、0、1、または2であり、
n1は、0、1、または2であり、ただし、m1+n1は、1、2、または3であり、
R
kおよびR
mは、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
YおよびZの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、XおよびYの他方は、CH
2であり、式(c)の環は、水素、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから独立に選択されるR
nおよび/もしくはR
oで置換されており、または
R
nおよびR
oが、同じ炭素原子に結合している場合には、R
nおよびR
oは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成する]、または
薬学的に許容されるその塩。
【0129】
38.式(I’A)の構造を有する、実施形態37の化合物
【化38】
[式中、
Aは、R
a、R
b、および/またはR
cで置換されている、
【化39】
であり、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アルキル、アミノ、シクロアルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、-S(O)R、S(O)
2R、-C(O)R、-NR’C(O)R、-NR’SO
2R、-C(O)NR’R’’、-S(O)
2NR’R’’、-NR’R’’、または-NR’C(O)C(O)Rであり、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、R’およびR’’は、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、またはR’およびR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、あるいはR
cおよびR
aが、シクロアルキルまたは縮合ヘテロアリール環の同じ炭素に結合している場合には、R
cおよびR
aは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンまたはヘテロシクリレンを形成し、
Aは、構造(d)であって
【化40】
(式中、
tは、0、1、または2であり、
環Eは、O、N、S、およびSO
2から独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を含有し、残りの原子が炭素である、4~7員の複素環であり、Wは、O、CH
2、またはNである)、
R
a、R
b、および/またはR
cで必要に応じて置換されている構造(d)を有し、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アミノ、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシもしくはアルコキシであり、またはR
aおよびR
cが、同じ炭素原子に結合している場合、R
aおよびR
cは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
Q
1は、NまたはCR
1であり、R
1は、水素または重水素であり、
Q
2は、NもしくはCH、またはCDであり、
R
2は、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
5R
6であり、R
5およびR
6は、独立に、水素またはアルキルであり、
【化41】
は、式(a)または(b)の環
【化42】
であり、
式中、
mは、0、1、または2であり、
nは、0、1、または2であり、ただし、m+nは、1、2、または3であり、
kは、0、1、または2であり、
zは、0、1、または2であり、
各R
dは、独立に、水素、アルキル、またはハロゲンであり、
R
eは、水素、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノまたはオキソであり、
R
fおよびR
gは、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
各R
hは、独立に、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、シアノもしくはオキソであり、または
1つのR
hが、ピペリジン(b)環の炭素2もしくは3に接続しており、第2のR
hが、ピペリジン(b)環の炭素5もしくは6に結合しており、窒素原子が位置1にある場合には、第1および第2のR
hは、合わさってアルキレン鎖を形成し、
環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、その環は、XおよびX
1を含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアシルアミノから独立に選択される1個または2個の基で必要に応じて置換されていてもよく、
XおよびX
1は、独立に、NまたはCであり、ただし、XおよびX
1の一方だけが、Nであることができ、
R
3は、アミノまたはアミノアルキルであり、
R
4は、アルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、または4~6員のヘテロシクリルであり、ここで、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルは、それ自体が、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキルの一部として、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルスルホキシドまたはアルキルスルホニルから独立に選択されるR
iおよび/またはR
jで置換されており、あるいは
R
3およびR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化43】
を形成し、
式中、
m1は、0、1、または2であり、
n1は、0、1、または2であり、ただし、m1+n1は、1、2、または3であり、
R
kおよびR
mは、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
YおよびZの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、XおよびYの他方は、CH
2であり、式(c)の環は、水素、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから独立に選択されるR
nおよび/またはR
oで置換されている]、または
薬学的に許容されるその塩。
【0130】
39.式(I’B)の化合物
【化44】
[式中、
Aは、R
a、R
b、および/またはR
cで置換されている、
【化45】
であり、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、-S(O)R、S(O)
2R、-C(O)R、-NR’C(O)R、-NR’SO
2R、-C(O)NR’R’’、-S(O)
2NR’R’’、-NR’R’’、または-NR’C(O)C(O)Rであり、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、R’およびR’’は、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、またはR’およびR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
Q
1は、NまたはCR
1であり、R
1は、水素または重水素であり、
Q
2は、NもしくはCH、またはCDであり、
R
2は、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
5R
6であり、R
5およびR
6は、独立に、水素またはアルキルであり、
【化46】
は、式(a)または(b)の環
【化47】
であり、
式中、
mは、0、1、または2であり、
nは、0、1、または2であり、ただし、m+nは、1、2、または3であり、
kは、0、1、または2であり、
zは、0、1、または2であり、
各R
dは、独立に、水素、アルキル、またはハロゲンであり、
R
eは、水素、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノまたはオキソであり、
R
fおよびR
gは、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
各R
hは、独立に、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、シアノもしくはオキソであり、または
1つのR
hが、ピペリジン(b)環の炭素2もしくは3に接続しており、第2のR
hが、ピペリジン(b)環の炭素5もしくは6に結合しており、窒素原子が位置1にある場合には、第1および第2のR
hは、合わさってアルキレン鎖を形成し、
環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、その環は、XおよびX
1を含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアシルアミノから独立に選択される1個または2個の基で必要に応じて置換されていてもよく、
XおよびX
1は、独立に、NまたはCであり、ただし、XおよびX
1の一方だけが、Nであることができ、
R
3は、アミノまたはアミノアルキルであり、
R
4は、アルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、または4~6員のヘテロシクリルであり、ここで、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルは、それ自体が、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキルの一部として、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルスルホキシドまたはアルキルスルホニルから独立に選択されるR
iおよび/またはR
jで置換されており、あるいは
R
3およびR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化48】
を形成し、
式中、
m1は、0、1、または2であり、
n1は、0、1、または2であり、ただし、m1+n1は、1、2、または3であり、
R
kおよびR
mは、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
YおよびZの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、XおよびYの他方は、CH
2であり、式(c)の環は、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから独立に選択されるR
nおよび/またはR
oで置換されている]、または
薬学的に許容されるその塩。
【0131】
40.式(I’C)の化合物
【化49】
[式中、
Aは、R
a、R
b、および/またはR
cで置換されている、
【化50】
であり、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アルキル、アミノ、シクロアルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、-NHCOR、または-NR’R’’であり、Rは、アルキル、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、R’およびR’’は、独立に、水素もしくはアルキルであり、またはR’およびR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、あるいはR
cおよびR
aが、シクロアルキルまたは縮合ヘテロアリール環の同じ炭素に結合している場合には、R
cおよびR
aは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンまたはヘテロシクリレンを形成し、
Aは、構造(d)であって
【化51】
(式中、
tは、0、1、または2であり、
環Eは、O、N、S、およびSO
2から独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を含有し、残りの原子が炭素である、4~7員の複素環であり、Wは、O、CH
2、またはNである)、
R
a、R
b、および/またはR
cで必要に応じて置換されている構造(d)を有し、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アミノ、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシもしくはアルコキシであり、またはR
aおよびR
cが、同じ炭素原子に結合している場合、R
aおよびR
cは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
Q
1は、NまたはCR
1であり、R
1は、水素または重水素であり、
Q
2は、N、CH、またはCDであり、
R
2は、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合、O、S、SO、SO
2、またはCR
5R
6であり、R
5およびR
6は、独立に、水素またはアルキルであり、
【化52】
は、式(a)または(b)の環
【化53】
であり、
式中、
mは、0、1、または2であり、
nは、0、1、または2であり、ただし、m+nは、1、2、または3であり、
R
dは、水素またはアルキルであり、
R
eは、水素、アルキル、ハロゲン、またはオキソであり、
R
hは、独立に、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、シアノ、またはオキソであり、
環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、その環は、XおよびX
1を含めて、N、O、またはSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキルで必要に応じて置換されていてもよく、
XおよびX
1は、独立に、NまたはCであり、ただし、XおよびX
1の一方だけが、Nであることができ、
R
3は、アミノまたはアミノアルキルであり、
R
4は、アルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、または4~6員のヘテロシクリルであり、ここで、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシドまたはアルキルスルホニルから独立に選択されるR
iおよび/またはR
jで置換されており、あるいは
R
3およびR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化54】
を形成し、
式中、
m1は、0、1、または2であり、
n1は、0、1、または2であり、ただし、m1+n1は、1、2、または3であり、
YおよびZの一方は、CH
2、O、S、SO、SO
2、またはNHであり、XおよびYの他方は、CH
2であり、式(c)の環は、水素、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、またはオキソから独立に選択されるR
nおよび/またはR
oで置換されている]、または
薬学的に許容されるその塩。
【0132】
41.式(I’D)の化合物
【化55】
[式中、
Aは、R
a、R
b、および/またはR
cで置換されている、
【化56】
であり、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、-NHCOR、または-NR’R’’であり、Rは、アルキル、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、R’およびR’’は、独立に、水素もしくはアルキルであり、またはR’およびR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
Q
1は、NまたはCR
1であり、R
1は、水素または重水素であり、
Q
2は、N、CH、またはCDであり、
R
2は、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
Lは、結合、O、S、SO、SO
2、またはCR
5R
6であり、R
5およびR
6は、独立に、水素またはアルキルであり、
【化57】
は、式(a)または(b)の環
【化58】
であり、
式中、
mは、0、1、または2であり、
nは、0、1、または2であり、ただし、m+nは、1、2、または3であり、
R
dは、水素またはアルキルであり、
R
eは、水素、アルキル、ハロゲン、またはオキソであり、
R
hは、独立に、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、シアノ、またはオキソであり、
環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、その環は、XおよびX
1を含めて、N、O、またはSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキルで必要に応じて置換されていてもよく、
XおよびX
1は、独立に、NまたはCであり、ただし、XおよびX
1の一方だけが、Nであることができ、
R
3は、アミノまたはアミノアルキルであり、
R
4は、アルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、または4~6員のヘテロシクリルであり、ここで、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシドまたはアルキルスルホニルから独立に選択されるR
iおよび/またはR
jで置換されており、あるいは
R
3およびR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化59】
を形成し、
式中、
m1は、0、1、または2であり、
n1は、0、1、または2であり、ただし、m1+n1は、1、2、または3であり、
YおよびZの一方は、CH
2、O、S、SO、SO
2、またはNHであり、XおよびYの他方は、CH
2であり、式(c)の環は、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、またはオキソから独立に選択されるR
nおよび/またはR
oで置換されている]、または
薬学的に許容されるその塩。
【0133】
42.実施形態42では、実施形態37~41のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(III’)の構造
【化60】
を有する。
【0134】
43.実施形態43では、実施形態37~41のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(IV’)の構造
【化61】
を有する。
【0135】
44.実施形態44では、実施形態37~41のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(V’)または(VI’)の構造
【化62】
を有する。
【0136】
実施形態4の1つの下位実施形態では、化合物または薬学的に許容されるその塩は、構造(V)を有する。実施形態4の別の下位実施形態では、化合物または薬学的に許容されるその塩は、構造(VI)を有する。
【0137】
45.実施形態45では、R1が、水素である、実施形態37~43およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0138】
46.実施形態46では、実施形態37~43およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R1が、重水素であるものである。
【0139】
47.実施形態7では、実施形態37~46およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、Sであるものである。
【0140】
48.実施形態8では、実施形態37~46およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、S(O)またはS(O)2であるものである。
【0141】
49.実施形態49では、実施形態37~46およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、結合であるものである。
【0142】
50.実施形態50では、実施形態37~46およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、Lが、CR5R6であり、R5およびR6が、独立に、水素またはアルキルであるものである。実施形態50の1つの下位実施形態では、Lは、CH2である。実施形態50の別の下位実施形態では、Lは、C(CH3)2である。
【0143】
51.実施形態11では、実施形態37~50およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R2が、ヒドロキシアルキルであるものである。実施形態51の第1の下位実施形態では、R2は、ヒドロキシメチルである。
【0144】
52.実施形態52では、実施形態37~50およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R2が、アルキルスルホニルであるものである。実施形態52の第1の下位実施形態では、R2は、メチルスルホニルまたはエチルスルホニルである。
【0145】
53.実施形態53では、実施形態37~50およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R2が、アルキルスルホキシドであるものである。実施形態53の第1の下位実施形態では、R2は、メチルスルホキシド、エチルスルホキシド、またはイソプロピルスルホキシドである。実施形態53の第2の下位実施形態では、R2は、メチルスルホキシドである。
【0146】
54.実施形態54では、実施形態37~50およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R2が、-CD2OHであるものである。
【0147】
55.実施形態55では、実施形態37~50およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R2が、アルコキシカルボニル、アミノスルホニルまたはアミノカルボニルであるものである。実施形態55の第1の下位実施形態では、R2は、-S(O)2NH2である。実施形態55の第2の下位実施形態では、R2は、-CONH2である。実施形態55の第3の下位実施形態では、R2は、-C(O)CH3である。
【0148】
56.実施形態16では、実施形態37~50およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R2が、ヒドロキシであるものである。
【0149】
57.実施形態57では、実施形態37~50およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R2が、ハロであるものである。実施形態17の下位実施形態では、R2は、クロロである。
【0150】
58.実施形態58では、実施形態37~57およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、
【化63】
が、式(a)の環
【化64】
であり、
式中、
mが、0、1、または2であり、
nが、0、1、または2であり、nが2である場合には、CH
2の1つは、O、S、またはSO
2で置き換えられていてもよく、ただし、m+nは、1、2、または3であり、
kが、0、1または2であり、
zが、0、1、または2であり、
各R
dが、独立に、水素、アルキル、またはハロゲンであり、
R
eおよびR
e1が、独立に、水素、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノもしくはオキソであり、または
R
eおよびR
e1が、同じ炭素原子に結合している場合には、R
eおよびR
e1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成するものである。
【0151】
実施形態58の第1の実施形態では、
【化65】
は、式
【化66】
の環である。
【0152】
59.実施形態59では、実施形態37~57およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、
【化67】
が、式(a)の環
【化68】
であるものである。
実施形態59の第1の下位実施形態では、
【化69】
は、
【化70】
である。
【0153】
実施形態59の第2の下位実施形態では、
【化71】
は、
【化72】
である。
【0154】
実施形態59の第3の下位実施形態では、
【化73】
は、
【化74】
である。
【0155】
60.実施形態60では、実施形態37~57およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、
【化75】
が、
【化76】
であり、
好ましくはzが、1であり、
R
3が、アミノまたはアミノアルキルであり、
R
4が、アルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、または4~6員のヘテロシクリルであり、ここで、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルが、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシドまたはアルキルスルホニルから独立に選択されるR
iおよび/またはR
jで置換されているものである。実施形態20の下位実施形態では、zは、0であり、R
3は、アミノメチルであり、R
4は、メチルである。
【0156】
61.実施形態61では、実施形態37~57およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、
【化77】
が、
【化78】
であり、
好ましくはzが、1であり、
R
3およびR
4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化79】
を形成し、
式中、
m1が、0、1、または2であり、
n1が、0、1、または2であり、ただし、m1+n1は、1、2、または3であり、
R
kおよびR
mが、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
YおよびZの一方が、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、XおよびYの他方が、CH
2であり、式(c)の環が、水素、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから独立に選択されるR
nおよび/もしくはR
oで置換されており、または
R
nおよびR
oが、同じ炭素原子に結合している場合には、R
nおよびR
oは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成するものである。
【0157】
実施形態61の第1の下位実施形態では、
【化80】
は、
【化81】
である。
【0158】
62.実施形態62では、実施形態37~57およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、
【化82】
が、
【化83】
であり、
好ましくはzが、1であり、
R
3およびR
4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化84】
を形成し、
式中、
m1が、0、1、または2であり、
n1が、0、1、または2であり、ただし、m1+n1は、1、2、または3であり、
R
kおよびR
mが、独立に、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
YおよびZの一方が、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、XおよびYの他方が、CH
2であり、式(c)の環が、水素、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから独立に選択されるR
nおよび/またはR
oで置換されているものである。
【0159】
実施形態62の第1の下位実施形態では、
【化85】
は、
【化86】
である。
【0160】
実施形態62の第2の下位実施形態では、
【化87】
は、
【化88】
である。
【0161】
実施形態62の第3の下位実施形態では、
【化89】
は、
【化90】
である。
【0162】
実施形態62の第4の下位実施形態では、
【化91】
は、
【化92】
である。
【0163】
63.実施形態63では、実施形態37~60およびそれらに含有されている下位実施形態のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、RaおよびRbが、独立に、水素、アルキル、アミノ、シクロアルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、Rcが、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているヘテロアリール、-S(O)R、S(O)2R、-C(O)R、-NR’C(O)R、-NR’SO2R、-C(O)NR’R’’、-S(O)2NR’R’’、-NR’R’’、または-NR’C(O)C(O)Rであり、Rが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、R’およびR’’が、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、またはR’およびR’’が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、あるいは
RcおよびRaが、シクロアルキルまたは縮合ヘテロアリール環の同じ炭素に結合している場合には、RcおよびRaは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンまたはヘテロシクリレンを形成する。
【0164】
実施形態63の第1の下位実施形態では、RaおよびRbは、独立に、水素、アルキル、アミノ、シクロアルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、およびシアノから選択され、Rcは、水素または-NR’R’’であり、R’およびR’’は、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0165】
実施形態63の第2の下位実施形態では、RaおよびRbは、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、およびシアノから選択され、Rcは、水素または-NR’R’’であり、R’およびR’’は、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0166】
実施形態63の第3の下位実施形態では、RaおよびRbは、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、およびシアノから選択され、Rcは、水素または-NR’R’’であり、R’およびR’’は、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。
【0167】
実施形態63の第4の下位実施形態では、RaおよびRbは、独立に、水素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、クロロ、フルオロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、またはシアノから選択され、Rcは、水素である。
【0168】
実施形態63およびその第1の下位実施形態の第5の下位実施形態では、環Aは、構造(d)であって
【化93】
[式中、
tは、0、1、または2であり、
環Eは、O、N、S、およびSO
2から独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を含有し、残りの原子が炭素である、4~7員の複素環であり、Wは、O、CH
2、またはNである]、
R
a、R
b、および/またはR
cで置換されている構造(d)を有し、R
aおよびR
bは、独立に、水素、アミノ、アルキル、アルキルジエニル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノアルキル、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルから選択され、R
cは、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、もしくはアルコキシであり、または
R
aおよびR
cが、同じ炭素原子に結合している場合、R
aおよびR
cは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成する。
【0169】
第5の下位実施形態の第1の実施形態では、環Aは、
【化94】
である。第4の下位実施形態の第2の実施形態では、環Aは、
【化95】
である。
【0170】
第5の下位実施形態の第2の実施形態では、環Aは、
【化96】
である。
【0171】
実施形態63の第6の下位実施形態では、環Aは、
【化97】
である。
【0172】
前述の実施形態37~63は、実施形態およびそれに列挙される下位実施形態のあらゆる組合せを含むと理解される。例えば、実施形態63の第5の下位実施形態に列挙される環Aは、独立に、実施形態35~62および/またはそれらに含有されている下位実施形態の1つまたは複数と組み合わせることができる。
【0173】
追加の実施形態には、以下の実施形態66~112が含まれる。
66. 式(I)の化合物
【化98】
[式中、
AおよびEは、独立に、結合、CH
2、O、NH、S、およびS(O)
2から選択され、
Zは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、-NR
rC(O)C(O)R
sまたは-Y-M(Yは、結合、O、またはSO
2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)
yR
a、-O(alk)OR
b、-S(O)R
c、-S(O)
2R
d、-NR
eC(O)R
f、-NR
gSO
2R
h、-OC(O)NR
iR
j、-C(O)NR
kR
m、-S(O)
2NR
nR
o、-NR
pR
q、または-NR
rC(O)C(O)R
sで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)であり、各yは、0または1であり、各alkは、アルキレンであり、各R
c、R
d、R
f、R
h、およびR
sは、独立に、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、各R
a、R
b、R
e、R
g、R
i、Rj、R
k、R
m、R
n、R
o、R
p、R
q、R
r、およびR
sは、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアラルキル、必要に応じて置換されているヘテロアリールもしくは必要に応じて置換されているヘテロアラルキルであり、または互いに独立に、各R
iおよびRj、R
kおよびR
m、R
nおよびR
o、ならびにR
pおよびR
qは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換されているヘテロシクリルを形成し、
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
またはR
1およびR
2、ならびにR
3およびR
4の一方は、同じ炭素に結合している場合、合わさって、オキソ、アルキルジエニル、3~6員のシクロアルキレン、もしくは4~6員の必要に応じて置換されているヘテロシクリレンを形成し、
R
5およびR
6は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、またはR
5およびR
6の一方は、必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、他方のR
5およびR
6は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミノ、およびアミノアルキルから選択され、
Lは、結合、O、S、S(O)、S(O)
2、またはCR
7R
8であり、R
7およびR
8は、独立に、水素またはアルキルであり、
Z
1は、式(a)または(b)の基であり、
【化99】
式中、
R
9は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
10は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-CD
2OH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルキル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、またはアルコキシカルボニルであり、
R
13は、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、またはハロアルキルであり、
R
14は、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、
R
11およびR
15は、アミノおよびアミノアルキルから選択され、
R
12およびR
16は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されており、
またはR
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化100】
を形成し、
式中、
eは、0、1、または2であり、
kは、0、1、または2であり、ただし、e+kは、1、2、または3であり、
qは、0、1、または2、または3であり、
R
17およびR
18は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキルおよびハロアルキルから選択され、
各R
19は、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルホキシド、アルキルスルホニル、オキソ、シクロアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、および必要に応じて置換されているヘテロアリールから選択され、または
2個のR
19基が同じ炭素原子に結合している場合、前記2個のR
19基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンもしくはヘテロシクリレンを形成し、
環Dは、存在しないか、または存在し、
(i)環Dが存在しない場合には、QおよびWの一方は、CH
2、O、S、S(O)、S(O)
2、またはNHであり、QおよびWの他方は、CH
2であり、
(ii)環Dが存在する場合には、QおよびWは、独立に、NまたはCであり、ただしQおよびWの一方だけが、Nであり、環Dは、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、前記ヘテロアリール環は、QおよびWを含めて、N、O、およびSから独立に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、環Dは、アルキル、シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシ、および必要に応じて置換されているヘテロシクリルから独立に選択される1個または2個の置換基で必要に応じて置換されている]、
または薬学的に許容されるその塩。
【0174】
67.実施形態66の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、上記化合物が、式(II)の構造
【化101】
を有するものである。
【0175】
68.実施形態67もしくは68の化合物、およびまたは薬学的に許容されるその塩は、上記化合物が、式(IIA)の構造
【化102】
を有するものである。
【0176】
69.実施形態66の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、上記化合物が、式(III)の構造
【化103】
を有するものである。
【0177】
70.実施形態66もしくは69の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、上記化合物が、式(IIIA)の構造
【化104】
を有するものである。
【0178】
71.Eが、Oであり、Aが、CH2または結合である、実施形態66~70の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0179】
72.Eが、Oであり、Aが、結合である、実施形態66~70のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0180】
73.請求項68に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(IIB)の構造
【化105】
を有する。
【0181】
74.請求項70に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩は、式(IIIB)の構造
【化106】
を有する。
【0182】
75.Zが、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じて置換されている)、-O(alk)yRa、-O(alk)ORb、-S(O)2Rd、-OC(O)NRiRj、-S(O)2NRnRo、-NRpRq、または-Y-M(Yは、結合、O、またはSO2であり、Mは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、-O(alk)yRa、-O(alk)ORb、-S(O)2Rd、または-NRpRqで置換されており、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールは、1~3個のハロで必要に応じてさらに置換されている)である、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0183】
76.Zが、-Y-Mであり、Yが、結合またはOであり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O(alk)ORb、-S(O)2Rd、-NReC(O)Rf、-NRgSO2Rh、-OC(O)NRiRj、-C(O)NRkRm、または-S(O)2NRnRoで置換されている、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0184】
77.Zが、-Y-Mであり、Yが、結合であり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O-Raで置換されており、Raが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0185】
78. Zが、-Y-Mであり、Yが、結合であり、Mが、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、-O(alk)ORaで置換されており、Raが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0186】
79. Zが、-ORaであり、Raが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0187】
80. Zが、-O(alk)ORbであり、Rbが、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノアルキル、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されているアリール、または必要に応じて置換されているヘテロアリールである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0188】
81. Zが、水素、フルオロ、シアノ、メトキシ、ヒドロキシ、シクロペンチルオキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、オキセタン-3-イルオキシ、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メチルスルホニル、アミノカルボニルオキシ、ピラゾール-1-イル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシ、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0189】
82.Zが、メトキシメチルオキシ、メトキシエチルオキシ、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシ、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0190】
83.Zが、メトキシメチル、メトキシメチルオキシメチル、エトキシメチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシメチル、またはオキセタン-3-イルメチルオキシメチルである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0191】
84.Zが、フルオロである、実施形態66~74のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0192】
85. R9およびR13が、水素である、実施形態66~84のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0193】
86. R9およびR13が、アミノである、実施形態66~84のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0194】
87. R9およびR13が、アミノである、実施形態66~84のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0195】
88. R9およびR13が、メチルである、実施形態66~84のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0196】
89. R9およびR13が、独立に、水素、アルキル、またはアミノである、実施形態66~84のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0197】
90. Lが、Sである、実施形態66~89のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0198】
91. Lが、S(O)またはS(O)2である、実施形態66~89のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0199】
92. Lが、結合である、実施形態66~89のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0200】
93. Lが、CR7R8であり、R5およびR6が、独立に、水素またはアルキルである、実施形態66~89のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0201】
94. R10が、ヒドロキシアルキルである、実施形態66~68、71~73および75~93のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0202】
95. R10が、ヒドロキシメチルである、実施形態66~68、71~73および75~93のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0203】
96. 実施形態66, 69~72、および74~93のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩は、R14が、水素またはメチルであるものである。
【0204】
97. R11およびR15が、アミノおよびアミノアルキルから選択され、R12およびR16が、独立に、水素、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、およびシアノから独立に選択される1~3個の置換基で必要に応じて置換されている、実施形態66~96のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0205】
98. R11およびR15が、アミノメチルであり、R12およびR16が、メチルである、実施形態97の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0206】
99. R
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化107】
を形成する、実施形態66~96のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0207】
100. 式(c)の環が、
【化108】
である、実施形態99の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0208】
101. R
11およびR
12、ならびにR
15およびR
16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、式(c)の環
【化109】
を形成する、実施形態66~96のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0209】
102. 式(c)の環が、
【化110】
である、実施形態101の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0210】
103. R1、R2、R3、およびR4が、独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、シアノ、およびヒドロキシ、アミノから選択される、実施形態66~102のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0211】
104. R1、R2、R3、およびR4が、水素であり、R1、R2、R3、およびR4の残りの3つが、独立に、水素、メチル、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシ、およびアミノから選択される、実施形態103の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0212】
105. R1、R2、R3、およびR4が、水素である、実施形態103の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0213】
106. R5が、水素、アルキル、ハロ、またはアミノであり、R6が、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、またはシアノである、実施形態66~105のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容される塩。
【0214】
107. R5およびR6が、水素である、実施形態106の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0215】
108. 実施形態66~107のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0216】
109. 患者におけるSHP2の阻害によって処置可能な疾患を処置する方法であって、患者、好ましくはこのような処置を必要とする前記患者に、治療有効量の実施形態66~107のいずれか1つの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含むか、または患者、好ましくはこのような処置を必要とする前記患者に、実施形態66~107のいずれか1つの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
【0217】
110. 前記疾患が、がんである、実施形態109の方法。
【0218】
111. 前記がんが、肺がん、胃がん、肝臓がん、結腸がん、腎臓がん、乳がん、膵炎、若年性骨髄単球性白血病、神経芽腫、黒色腫、および急性骨髄性白血病から選択される、実施形態110の方法。
【0219】
112. 前記疾患が、ヌーナン症候群およびレオパード症候群から選択される、実施形態109の方法。
【0220】
一般合成スキーム
本開示の化合物は、以下に示される反応スキームに図示される方法によって作製することができる。
【0221】
これらの化合物の調製において使用される出発材料および試薬は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee、Wis.)、Bachem(Torrance、Calif.)もしくはSigma(St.Louis、Mo.)などの商業供給社から入手可能であるか、または当業者に公知の方法によって、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989)、Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991), March’s Advanced Organic Chemistry (John Wiley and Sons, 4th Edition)およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)などの参考文献に記載される手順に従って調製されるかのいずれかである。これらのスキームは、本開示の化合物を合成することができるいくつかの方法の単なる例であり、これらのスキームには様々な修正を加えることができ、それらの修正は、本開示を読む当業者に示唆されよう。反応の出発材料および中間体、ならびに最終生成物は、それに限定されるものではないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含めた従来技術を使用して、所望に応じて単離し、精製することができる。このような材料は、物理定数およびスペクトルデータを含めた従来の手段を使用して特徴付けることができる。
【0222】
逆のことが定められていない限り、本明細書に記載される反応は、約-78℃~約150℃、例えば約0℃~約125℃の温度範囲にわたって、さらには、例えばおよそ室温(または周囲温度)、例えば約20℃において、大気圧で行われる。
【0223】
一般合成スキーム
LがSであり、他の基が概要で定義される通りの、式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、以下のスキーム1に例示され、記載される通り調製することができる。
【0224】
スキーム1
【化111】
X
1がハロゲンであり、Z、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が概要において定義される通りまたはその前駆体基であり、EおよびAが概要において定義される通りの式1-aの化合物と、M
1が金属、例えばナトリウムまたはカリウムである式1-dの化合物との、遷移金属触媒、例えばPd
2(dba)
3、およびキサントホスの存在下、標準カップリング条件下でのカップリングにより、式(I)の化合物が提供される。式1-aの化合物が、アミノ基で置換されている場合には、アミノ基は、カップリング反応の前にt-ブチルカルバメートなどの適切な保護基で保護することができる。次に、当技術分野で周知の方法によってアミノ保護基を除去することにより、式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物が提供される。
【0225】
あるいは、式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物は、遷移金属触媒、例えばPd2(dba)3、およびキサントホスの存在下、標準カップリング条件下で、式1-aの化合物を3-メルカプトプロパン酸エステルと反応させて、R’がアルキル基、例えば3-メチルヘプタンである、式1-bの化合物を提供することによって調製することができる。式1-bの化合物を、塩基、例えばカリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、ナトリウムメトキシドなどで処理することにより、式1-cの化合物がチオ塩として提供され、ここで、M+は、金属イオン、例えばカリウムまたはナトリウムである。1-cを、X2またはX3がハロである式1-eまたは式1-fの化合物とカップリングすることにより、Z1がそれぞれ式(a)または(b)の基である式(I)、(IA)、(IB)、または(IC)の化合物が提供される。
【0226】
X1がハロゲンであり、EがOであり、A、E、Z、R1、R2、R3、R4、R5、R6が概要において定義される通りまたはその前駆体基である式1-aの化合物は、以下の方法1および2に例示され、記載される通り調製することができる。
【0227】
方法(1)
【化112】
R
5およびR
6が概要において定義される通りまたはその前駆体基である式2-bの化合物を、PGが適切なアミノ酸保護基、例えばBocである、式2-aのアルコールと、光延条件下で、例えばアゾジカルボン酸ジエチルおよびトリフェニルホスフィンを使用してカップリングすることにより、式2-cの化合物が提供される。式2-bの化合物は、商業的に入手可能であり、または当技術分野で周知の方法によって調製することができる。例えば、2-フルオロピリジン-3-オールは、商業的に入手可能である。式2-aの化合物は、商業的に入手可能であり、または当技術分野で周知の方法によって調製することができる。例えば、tert-ブチル(S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(R)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(2S,4S)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-ピロリジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(2S,4R)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(S)-4,4-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(2S,4R)-2-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(S)-6-(ヒドロキシメチル)-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-カルボキシレート、tert-ブチル(R)-3-(ヒドロキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレート、tert-ブチル(S)-3-(ヒドロキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレート、tert-ブチル(R)-2-(ヒドロキシメチル)アゼチジン-1-カルボキシレート、tert-ブチル(S)-2-(ヒドロキシメチル)アゼチジン-1-カルボキシレートは、商業的に入手可能である。
【0228】
アミノ保護基の除去により、式2-dの化合物が提供される。例えば、Boc基は、ジオキサン中HClなどの酸性条件下で切断することができる。化合物2-dを、塩基、例えばK2CO3、炭酸ナトリウムなどで環化することにより、式2-eの化合物が提供される。化合物2-eを、n-BuLiなどのアルキルリチウムを使用してリチウム化し、その後、ヨウ素で捕捉することにより、式1-aの化合物が提供される。
【0229】
方法(2)
【化113】
あるいは、X
1がハロゲンであり、R
5およびR
6が概要に定義される通りの式3-aの化合物と、PGがアミノ保護基、例えばBocである、式2-aのアルコールとを、光延条件下で、例えばアゾジカルボン酸ジエチルおよびトリフェニルホスフィンを使用してカップリングすることにより、式3-bの化合物が提供される。式3-aの化合物は、商業的に入手可能であり、または当技術分野で周知の方法によって調製することができる。例えば、2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-オールは、商業的に入手可能である。化合物3-cは、先のスキーム1に記載される通り、式1-aの化合物に変換される。
【0230】
有用性
Srcホモロジー-2ホスファターゼ(SHP2)は、増殖、分化、細胞周期維持および遊走を含めた複数の細胞機能に寄与するPTPN11遺伝子によってコードされたタンパク質チロシンホスファターゼである。SHP2は、Ras-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ、JAK-STATまたはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介してシグナル伝達に関与する。SHP2は、受容体チロシンキナーゼ、例えばErbB1、ErbB2およびc-MetによるErk1およびErk2(Erk1/2、Erk)MAPキナーゼの活性化を媒介する。
【0231】
SHP2は、2つのN末端Srcホモロジー2ドメイン(N-SH2およびC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)、およびC末端テールを有する。2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内局在および機能調節を制御する。この分子は、不活性なコンホメーションで存在し、N-SH2およびPTPドメインの両方からの残基を伴う結合ネットワークを介して、それ自体の活性を阻害する。SHP2は、増殖因子刺激に応答して、そのSH2ドメインを介してGab1およびGab2などのドッキングタンパク質上の特異的チロシン-リン酸化部位に結合する。これは、SHP2を活性化するコンホメーションの変化を誘導する。
【0232】
PTPN11における突然変異は、いくつかのヒトの疾患、例えばヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんにおいて同定されている。SHP2は、血小板由来増殖因子(PDGF-R)、線維芽細胞増殖因子(FGF-R)および上皮増殖因子(EGF-R)の受容体を含めた様々な受容体チロシンキナーゼのための重要な下流シグナル伝達分子である。SHP2はまた、がんの発症の必須条件である細胞形質転換をもたらすおそれがあるマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ経路の活性化の、重要な下流シグナル伝達分子である。SHP2のノックダウンは、SHP2突然変異またはEML4/ALK転位を有する肺がん細胞系の細胞成長、ならびにEGFR増幅型の乳がんおよび食道がんを、著しく阻害した。SHP2はまた、胃癌、未分化大型細胞リンパ腫および神経膠芽腫において、癌遺伝子の下流で活性化される。
【0233】
ヌーナン症候群(NS)およびレオパード症候群(LS):PTPN11突然変異は、LS(多発性黒子(lentigenes)、心電図上の伝導異常、両眼隔離症、肺動脈弁狭窄症、生殖器異常、成長遅滞、感音難聴)およびNS(心臓欠陥、頭蓋顔面奇形および低身長を含めた先天性異常)を引き起こす。これらの障害は共に、正常な細胞の成長および分化に必要な、RAS/RAF/MEK/ERKマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ経路の構成成分における生殖細胞系列突然変異によって引き起こされた、常染色体優性症候群ファミリーの一部である。この経路の異常調節は、特に心臓発達に対して顕著な影響を有し、弁中隔(valvuloseptal)欠損および/または肥大型心筋症(HCM)を含めた様々な異常を生じる。MAPKシグナル伝達経路の撹乱は、これらの障害の中心として確立されており、この経路に沿ったKRAS、NRAS、SOS1、RAF1、BRAF、MEK1、MEK2、SHOC2、およびCBLにおける突然変異を含めたいくつかの候補遺伝子が、ヒトにおいて同定されている。NSおよびLSにおいて最も一般的に変異した遺伝子は、PTPN11である。PTPN11における生殖細胞系列突然変異(SHP2)は、NSの症例の約50%、およびNSとある特定の特色を共有するLSを有するほとんどすべての患者において見出される。NSについては、タンパク質におけるY62DおよびY63C置換は、大部分が不変であり、最も一般的な突然変異に含まれる。これらの突然変異は共に、ホスファターゼと、そのリン酸化シグナル伝達パートナーの結合を撹乱することなく、SHP2の触媒不活性なコンホメーションに影響を及ぼす。
【0234】
若年性骨髄単球性白血病(JMML):PTPN11における体細胞突然変異(SHP2)は、JMML、小児骨髄増殖性障害(MPD)を有する患者の約35%において生じる。これらの機能獲得型突然変異は、典型的に、N-SH2ドメインまたはホスファターゼドメインにおける点突然変異であり、触媒ドメインとN-SH2ドメインの間の自己阻害を防止して、SHP2活性を生じる。
【0235】
急性骨髄性白血病:PTPN11突然変異は、小児急性白血病、例えば骨髄異形成症候群(MDS)の約10%、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の約7%、および急性骨髄性白血病(AML)の約4%において同定されている。
【0236】
NSおよび白血病の突然変異は、自己阻害型SHP2コンホメーションにおけるN-SH2ドメインおよびPTPドメインによって形成された界面に位置するアミノ酸に変化を引き起こして、阻害性の分子内相互作用を破壊し、触媒ドメインの活動亢進をもたらす。
【0237】
SHP2は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)シグナル伝達における正の調節因子として作用する。RTK変化(EGFR amp、Her2 amp、FGFR amp、Met 31’’15、転座/活性化RTK、すなわちALK、BCR/ABL)を含有するがんには、食道、乳房、肺、結腸、胃、神経膠腫、頭頸部のがんが含まれる。
【0238】
食道(esophageal)がん(または食道(oesophageal)がん)は、食道の悪性腫瘍である。様々なサブタイプ、主に扁平細胞がん(<50%)および腺癌がある。食道腺癌および扁平細胞がんでは、RTKの発現率が高い。したがって、本発明のSHP2阻害剤は、革新的な処置戦略のために用いることができる。
【0239】
乳がんは、主要ながん型であり、女性の主な死因となっており、患者は、現在の薬物に対して抵抗性を生じる。管腔A、管腔B、Her2様、およびトリプルネガティブ/基底様を含めた、乳がんの主な4種のサブタイプがある。トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、特に標的化された治療がない、侵襲性乳がんである。上皮増殖因子受容体I(EGFR)は、TNBCにおける有望な標的として浮上している。SHP2を介するHer2およびEGFRの阻害は、乳がんの有望な治療となり得る。
【0240】
肺がん-NSCLCは、現在、がん関連死亡率の主な原因となっており、肺がん(主に腺癌および扁平細胞癌)の約85%を占める。細胞傷害性の化学療法は、処置の重要な一部であり続けるが、腫瘍におけるEGFRおよびALKなどの遺伝的変更に基づく標的化治療は、標的化治療から利益を得る可能性がより高い。
【0241】
結腸がん-結腸直腸腫瘍のおよそ30%~50%は、変異型(異常)KRASを有していることが公知であり、BRAF突然変異は、結腸直腸がんの10~15%において生じる。EGFRを過剰発現することが実証されている結腸直腸腫瘍を有する患者のサブセットについて、これらの患者は、抗EGFR治療に対して好ましい臨床応答を示す。
【0242】
胃(Gastic)がんは、最も蔓延しているがん型の1つである。胃がん細胞における異常チロシンリン酸化によって反映されるようなチロシンキナーゼの異常発現は、当技術分野で公知である。c-met(HGF受容体)、FGF受容体2、およびerbB2/neuの3種の受容体-チロシンキナーゼは、胃癌において頻繁に増幅する。したがって、異なるシグナル経路の破壊は、様々な種類の胃がんの進行に寄与し得る。
【0243】
神経芽細胞腫は、小児がんの約8%を占める、発達中の交感神経系の小児腫瘍である。未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子のゲノム変化は、神経芽細胞腫の病変形成に寄与すると想定されている。
【0244】
頭頸部の扁平細胞癌(SCCHN)。高レベルのEGFR発現は、様々ながんにおいて、主に頭頸部の扁平細胞癌(SCCHN)において、予後不良および放射線治療に対する抵抗性と相関性がある。EGFRシグナル伝達の遮断により、受容体の刺激、細胞増殖が阻害され、侵襲性および転移が低減する。したがって、EGFRは、SCCHNにおける新しい抗がん治療の第一標的である。
【0245】
本発明は、SHP2の活性を阻害することができる化合物に関する。本発明はさらに、本発明の化合物およびこのような化合物を含む医薬調製物を調製するためのプロセスを提供する。本発明の別の態様は、SHP2媒介性障害を処置する方法であって、それを必要とする患者に、概要に定義される通りの治療有効量の式Iの化合物を投与するステップを含む、方法に関する。
【0246】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記SHP2媒介性障害が、それに限定されるものではないが、JMML、AML、MDS、B-ALL、神経芽細胞腫、食道がん、乳がん、肺がん、結腸がん、胃がん、頭頸部がんから選択されるがんである、前述の方法に関する。
【0247】
本発明の化合物はまた、SHP2の異常活性と関係する他の疾患または状態の処置において有用となり得る。したがって、さらなる態様として、本発明は、NS、LS、JMML、AML、MDS、B-ALL、神経芽細胞腫、食道がん、乳がん、肺がん、結腸がん、胃がん、頭頸部がんから選択される障害の処置方法に関する。
【0248】
本発明のSHP2阻害剤は、特にがんの処置において、別の薬理学的に活性な化合物と、または2種もしくはそれよりも多い他の薬理学的に活性な化合物と有用に組み合わせることができる。例えば、先に定義される本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩は、化学療法薬剤、例えば有糸分裂阻害剤、例えばタキサン、ビンカアルカロイド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンまたはビンフルニン、および他の抗がん剤、例えばシスプラチン、5-フルオロウラシルもしくは5-フルオロ-2-4(1H,3H)-ピリミジンジオン(5FU)、フルタミドまたはゲムシタビンから選択される1種または複数の薬剤と組み合わせて、同時に、逐次的に、または別個に投与することができる。このような組合せは、相乗的活性を含めた著しい利点を治療に提供することができる。
【0249】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記化合物が、非経口投与される、前述の方法に関する。
【0250】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記化合物が、筋肉内、静脈内、皮下、経口、経肺、髄腔内、局所または鼻腔内投与される、前述の方法に関する。
【0251】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記化合物が、全身的に投与される、前述の方法に関する。
【0252】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記患者が、哺乳動物である、前述の方法に関する。
【0253】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記患者が、霊長類である、前述の方法に関する。
【0254】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記患者が、ヒトである、前述の方法に関する。
【0255】
別の態様では、本発明は、SHP2媒介性障害を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の化学療法剤を、概要に定義される通りの治療有効量の式Iの化合物と組み合わせて投与するステップを含む、方法に関する。
【0256】
SHP2の阻害は、ヒトのがんに加えて、全身性エリテマトーデス、関節リウマチおよび線維症の処置のための潜在的な治療可能性も有する。
【0257】
試験
式(I)、(IA)、(IB)、および(IC)の化合物のSHP2阻害活性は、以下の生物学的実施例1に記載されるin vitroアッセイを使用して試験することができる。
【0258】
医薬組成物
一般に、本開示の化合物は、類似の有用性を果たす薬剤について許容された投与方法のいずれかによって、治療有効量で投与される。本開示の化合物の治療有効量は、1日当たり患者の体重1kgにつき約0.01~約500mgの範囲であってよく、これは単回または多回用量で投与することができる。適切な投薬量レベルは、1日当たり約0.1~約250mg/kg、1日当たり約0.5~約100mg/kgであり得る。適切な投薬量レベルは、1日当たり約0.01~約250mg/kg、1日当たり約0.05~約100mg/kg、または1日当たり約0.1~約50mg/kgであり得る。この範囲内で投薬量は、1日当たり約0.05~約0.5mg/kg、約0.5~約5mg/kgまたは約5~約50mg/kgであり得る。経口投与では、組成物は、約1.0~約1000ミリグラムの活性成分、特に約1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900、および1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。本開示の化合物、すなわち活性成分の実際の量は、処置される疾患の重症度、患者の年齢および相対的健康状態、利用される化合物の効力、投与の経路および形態、ならびに他の因子などの数々の因子に応じて決まる。
【0259】
一般に、本開示の化合物は、以下の経路、経口、全身(例えば、経皮、鼻腔内または坐剤による)、または非経口(例えば、筋肉内、静脈内または皮下)投与のいずれか1つによって、医薬組成物として投与される。好ましい投与方式は、罹患度に従って調整することができる好都合な1日投薬量レジメンを使用する経口投与方式である。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体剤、散剤、持続放出製剤、溶液剤、懸濁液剤、エリキシル剤、エアロゾル剤、または任意の他の適切な組成物の形態を取ることができる。
【0260】
製剤の選択は、薬物投与方法(例えば、経口投与では、腸溶コーティングまたは遅延放出の錠剤、丸剤またはカプセル剤を含めた錠剤、丸剤またはカプセル剤の形態の製剤が好ましい)および薬物物質の生体利用可能性などの様々な因子に応じて決まる。
【0261】
組成物は、一般に、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と組み合わされた本開示の化合物から構成される。許容される賦形剤は、非毒性であり、投与の一助になり、本開示の化合物の治療利益に有害な影響を及ぼさない。このような賦形剤は、任意の固体、液体、半固体であってよく、またはエアロゾル組成物の場合には、当業者に一般に利用可能な気体賦形剤であってもよい。
【0262】
固体の医薬賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、塩化ナトリウム、乾燥脱脂粉乳などが含まれる。液体および半固体の賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール、および石油、動物、植物または合成起源の油、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などを含めた様々な油から選択することができる。特に注射可能な溶液剤のための好ましい液体担体には、水、生理食塩水、水性ブドウ糖、およびグリコールが含まれる。
【0263】
化合物は、注射による、例えばボーラス注射または持続注入による非経口投与のために製剤化され得る。注射用製剤は、単位剤形、例えばアンプルで、または多回用量容器で、添加保存剤と共に提供され得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルションなどの形態を取ることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの製剤化用薬剤を含有することができる。製剤は、単位用量または多回用量容器、例えば封止アンプルおよびバイアルで提供することができ、使用直前に、滅菌液体担体、例えば、生理食塩水または発熱物質を含まない滅菌水を添加するだけで済む粉末形態またはフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時注射溶液および懸濁液は、上記の種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0264】
非経口投与のための製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および製剤を所期のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る活性化合物の水性および非水性(油性)滅菌注射溶液剤、ならびに懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液剤が含まれる。適切な親油性溶媒またはビヒクルには、脂肪油、例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド、またはリポソームが含まれる。水性注射懸濁液剤は、懸濁液の粘度を増大する物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランを含有することができる。必要に応じて、懸濁液剤は、適切な安定剤、または化合物の溶解度を増大して高濃度溶液剤を調製することを可能にする薬剤を含有することもできる。
【0265】
上記の製剤に加えて、化合物は、デポー調製物として製剤化することもできる。このような長期作用性製剤は、移植(例えば皮下もしくは筋肉内)によってまたは筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば化合物は、適切なポリマー性もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは可溶性がやや低い誘導体として、例えば可溶性がやや低い塩として製剤化することができる。
【0266】
口腔内頬側または舌下投与では、組成物は、従来の方式で製剤化された錠剤、舐剤、トローチ剤、またはゲル剤の形態を取ることができる。このような組成物は、スクロースおよびアカシアなどのフレーバー付き基材またはトラガント中に活性成分を含むことができる。
【0267】
化合物はまた、例えば従来の坐剤基剤、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、または他のグリセリドを含有する直腸用組成物、例えば坐剤または停留浣腸剤に製剤化することができる。
【0268】
本明細書に開示されるある特定の化合物は、局所的に、すなわち非全身投与によって投与することができる。これには、本明細書に開示される化合物が著しく血流に入らないように、その化合物を上皮もしくは頬側口腔に外部から塗布すること、ならびに耳、目および鼻にこのような化合物を滴下注入することが含まれる。それとは対照的に、全身投与は、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与を指す。
【0269】
局所投与に適した製剤には、皮膚を介して炎症部位に浸透させるのに適した液体または半液体調製物、例えばゲル剤、リニメント剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤またはペースト剤、および目、耳または鼻への投与に適した滴下剤が含まれる。局所投与のための活性成分は、例えば、製剤の0.001%~10%w/w(重量による)を構成することができる。ある特定の実施形態では、活性成分は、10%w/wという多量を構成することができる。他の実施形態では、5%w/w未満を構成することができる。ある特定の実施形態では、活性成分は、2%w/w~5%w/wを構成することができる。他の実施形態では、製剤の0.1%~1%w/wを構成することができる。
【0270】
吸入による投与では、化合物は、好都合には、吹送器、ネブライザー加圧パック、またはエアロゾルスプレーを送達する他の好都合な手段から送達することができる。加圧パックは、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガスを含むことができる。加圧エアロゾルの場合、投薬量単位は、計量された量を送達するための弁を提供することによって決定することができる。あるいは、吸入または吹送法による投与では、本開示による化合物は、乾燥粉末組成物、例えば化合物および適切な粉末基材、例えばラクトースまたはデンプンの粉末ミックスの形態を取ることができる。粉末組成物は、例えば、カプセル、カートリッジ、ゼラチンまたはブリスターパック中の単位剤形で提供することができ、それから吸入器または吹送器を用いてその粉末を投与することができる。他の適切な医薬賦形剤およびそれらの製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, edited by E. W. Martin (Mack Publishing Company, 20th ed., 2000)に記載されている。
【0271】
製剤中の化合物のレベルは、当業者によって用いられる全範囲内で変わり得る。典型的に、製剤は、重量パーセント(wt.%)ベースで、全製剤に対して約0.01~99.99wt.%の本開示の化合物を含有し、残りは1つまたは複数の適切な医薬賦形剤である。例えば、化合物は、約1~80wt.%のレベルで存在する。
【0272】
組合せ物および併用療法
本開示の化合物は、本開示の化合物またはその他の薬物が実用性を有することができる疾患または状態の処置において、他の1種または複数の薬物と組み合わせて使用することができる。したがってこのような他の薬物(単数または複数)は、一般に使用される経路および量で、式(I)の化合物と同時または逐次的に投与することができる。本開示の化合物が他の1種または複数の薬物と同時に使用される場合、このような他の薬物および式(I)の化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかし併用療法は、本開示の化合物および他の1種または複数の薬物が異なる重複スケジュールで投与される治療を含むこともできる。また、他の1種または複数の活性成分と組み合わせて使用される場合、式(I)の化合物およびその他の活性成分は、それぞれが単一で使用される場合よりも低用量で使用され得ることが企図される。
【0273】
したがって、式(I)の医薬組成物には、式(I)の化合物に加えて、他の1種または複数の薬物を含有する医薬組成物も含まれる。
【0274】
先の組合せには、他の1種の薬物だけでなく、2種またはそれよりも多い他の活性薬物との本開示の化合物の組合せが含まれる。同様に、本開示の化合物は、本開示の化合物が有用となる疾患または状態の防止、処置、制御、緩和、またはリスクの低下に使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。したがって、このような他の薬物は、一般に使用される経路および量で、式(I)の化合物と同時または逐次的に投与することができる。本開示の化合物が他の1種または複数の薬物と同時に使用される場合、本開示の化合物に加えて、このような他の薬物を含有する医薬組成物を使用することができる。したがって、式(I)の医薬組成物には、本開示の化合物に加えて他の1種または複数の活性成分も含有する医薬組成物も含まれる。第2の活性成分に対する本開示の化合物の重量比は、各成分の有効用量に応じて変わり得、決まる。一般に、それぞれの有効用量が使用される。
【0275】
必要とする対象が、がんに罹患しているか、または罹患するリスクがある場合、その対象は、本開示の化合物と、それに限定されるものではないが以下を含めた他の1つまたは複数の抗がん剤との任意の組合せで処置され得る。
それに限定されるものではないが、ベムラフェニブ(Vemurafanib)(PLX4032)、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ(LGX818)、TQ-B3233、XL-518(Cas番号1029872-29-4、ACC Corpから入手可能である);トラメチニブ、セルメチニブ(AZD6244)、TQ-B3234、PD184352、PD325901、TAK-733、ピマセルチブ(pimasertinib)、ビニメチニブ、レファメチニブ、コビメチニブ(GDC-0973)、AZD8330、BVD-523、LTT462、ウリキセルチニブ、AMG510、ARS853、および特許WO2016049565、WO2016164675、WO2016168540、WO2017015562、WO2017058728、WO2017058768、WO2017058792、WO2017058805、WO2017058807、WO2017058902、WO2017058915、WO2017070256、WO2017087528、WO2017100546、WO2017172979、WO2017201161、WO2018064510、WO2018068017、WO2018119183に開示されている任意のRAS阻害剤を含めた、MAPキナーゼ経路(RAS/RAF/MEK/ERK)阻害剤。
CSF1R阻害剤(PLX3397、LY3022855など)およびCSF1R抗体(IMC-054、RG7155)TGFベータ受容体キナーゼ阻害剤、例えばLY2157299。
BTK阻害剤、例えばイブルチニブ;BCR-ABL阻害剤:イマチニブ(Gleevec(登録商標));ニロチニブ(Inilotinib)塩酸塩;ニロチニブ(Tasigna(登録商標));ダサチニブ(BMS-345825);ボスチニブ(SKI-606);ポナチニブ(AP24534);バフェチニブ(INNO406);ダヌセルチブ(PHA-739358)、AT9283(CAS1133385-83-7);サラカチニブ(AZD0530);およびA/-[2-[(15,4R)-6-[[4-(シクロブチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリミジニル]アミノ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,4-イミン-9-イル]-2-オキソエチル]-アセトアミド(A/-[2-[(15,4R)-6-[[4-(Cyclobutylarmno)-5-(trifluoromethyl)-2 -pyrimidinyl]amino]-l, 2,3,4- tetrahydronaphthalen-l,4-imin-9-yl]-2-oxoethyl]-acetamide)(PF-03814735、CAS942487-16-3)。
ALK阻害剤:PF-2341066(XALKOPJ(登録商標);クリゾチニブ);5-クロロ-N4-(2-(イソプロピルスルホニル)フェニル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;GSK1838705A;CH5424802;セリチニブ(ZYKADIA);TQ-B3139、TQ-B3101 PI3K阻害剤:4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(4-[2-(lH-Indazol-4-yl)-6-[[4-(methylsulfonyl)piperazin-l- yl]methyl]thieno[3,2-d]pyrimidin-4-yl]moφholine)(GDC0941としても公知であり、PCT公開WO09/036082およびWO09/055730に記載されている)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ235またはNVP-BEZ235としても公知であり、PCT公開WO06/122806に記載されている)。
血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤:ベバシズマブ(Genentech/Rocheによって商標Avastin(登録商標)で販売されている)、アキシチニブ、(N-メチル-2-[[3-[(E)-2-ピリジン-2-イルエテニル]-1H-インダゾール-6-イル]スルファニル]ベンズアミド、AG013736としても公知であり、PCT公開WO01/002369に記載されている)、ブリバニブアラニネート((S)-((R)-1-(4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イルオキシ)-5-メチルピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イルオキシ)プロパン-2-イル)2-アミノプロパノエート、BMS-582664としても公知である)、モテサニブ(N-(2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-1H-インドール-6-イル)-2-[(4-ピリジニルメチル)アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド、PCT公開WO02/066470に記載されている)、パシレオチド(SOM230としても公知であり、PCT公開WO02/010192に記載されている)、ソラフェニブ(商品名Nexavar(登録商標)で販売されている);AL-2846MET阻害剤、例えばフォレチニブ、カボザンチニブ(carbozantinib)、またはクリゾチニブ。
FLT3阻害剤-スニチニブリンゴ酸塩(Pfizerによって商品名Sutent(登録商標)で販売されている);PKC412(ミドスタウリン);タヌチニブ(tanutinib)、ソラフェニブ、レスタウルチニブ、KW-2449、キザルチニブ(AC220)およびクレノラニブ。
上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤:ゲフィチニブ(Gefitnib)(商品名Iressa(登録商標)で販売されている)、N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[[(3’’S’’)-テトラヒドロ-3-フラニル]オキシ]-6-キナゾリニル]-4(ジメチルアミノ)-2-ブテナミド、Boehringer Ingelheimによって商品名Tovok(登録商標)で販売されている)、セツキシマブ(Bristol-Myers Squibbによって商品名Erbitux(登録商標)で販売されている)、パニツムマブ(Amgenによって商品名Vectibix(登録商標)で販売されている)。
HER2受容体阻害剤:トラスツズマブ(Genentech/Rocheによって商標Herceptin(登録商標)で販売されている)、ネラチニブ(HKI-272、(2E)-N-[4-[[3-クロロ-4-[(ピリジン-2-イル)メトキシ]フェニル]アミノ]-3-シアノ-7-エトキシキノリン-6-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミドとしても公知であり、PCT公開WO05/028443に記載されている)、ラパチニブまたはジトシル酸ラパチニブ(GlaxoSmithKlineによって商標Tykerb(登録商標)で販売されている);トラスツズマブエムタンシン(米国では、アド-トラスツズマブエムタンシン、商品名Kadcyla)-細胞傷害剤メルタンシン(DM1)に連結したモノクローナル抗体トラスツズマブ(Herceptin)からなる抗体-薬物コンジュゲート。
HER二量体化阻害剤:ペルツズマブ(Genentechによって商標Omnitarg(登録商標)で販売されている)。
CD20抗体:リツキシマブ(Genentech/Rocheによって商標Riuxan(登録商標)およびMabThera(登録商標)で販売されている)、トシツモマブ(GlaxoSmithKlineによって商標Bexxar(登録商標)で販売されている)、オファツムマブ(GlaxoSmithKlineによって商標Arzerra(登録商標)で販売されている)。
チロシンキナーゼ阻害剤:エルロチニブ塩酸塩(Genentech/Rocheによって商標Tarceva(登録商標)で販売されている)、リニファニブ(N-[4-(3-アミノ-1H-インダゾール-4-イル)フェニル]-N’-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)ウレア、ABT869としても公知であり、Genentechから入手可能である)、スニチニブリンゴ酸塩(Pfizerによって商品名Sutent(登録商標)で販売されている)、ボスチニブ(4-[(2,4-ジクロロ-5-メトキシフェニル)アミノ]-6-メトキシ-7-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-3-カルボニトリル、SKI-606としても公知であり、米国特許第6,780,996号に記載されている)、ダサチニブ(Bristol-Myers Squibbによって商品名Sprycel(登録商標)で販売されている)、アルマラ(armala)(パゾパニブとしても公知であり、GlaxoSmithKlineによって商品名Votrient(登録商標)で販売されている)、イマチニブおよびイマチニブメシル酸塩(Novartisによって商品名Gilvec(登録商標)およびGleevec(登録商標)で販売されている)。
DNA合成阻害剤:カペシタビン(Rocheによって商標Xeloda(登録商標)で販売されている)、ゲムシタビン塩酸塩(Eli Lilly and Companyによって商標Gemzar(登録商標)で販売されている)、ネララビン((2R3S,4R,5R)-2-(2-アミノ-6-メトキシ-プリン-9-イル)-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-3,4-ジオール、GlaxoSmithKlineによって商品名Arranon(登録商標)およびAtriance(登録商標)で販売されている)。
抗悪性腫瘍剤:オキサリプラチン(Sanofi-Aventisによって商品名Eloxatin(登録商標)で販売されており、米国特許第4,169,846号に記載されている)。
ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)モジュレーター:フィルグラスチム(Amgenによって商品名Neupogen(登録商標)で販売されている)。
免疫モジュレーター:アフツズマブ(Roche(登録商標)から入手可能である)、ペグフィルグラスチム(Amgenによって商品名Neulasta(登録商標)で販売されている)、レナリドミド(CC-5013としても公知であり、商品名Revlimid(登録商標)で販売されている)、サリドマイド(商品名Thalomid(登録商標)で販売されている)。
CD40阻害剤:ダセツズマブ(SGN-40またはhuS2C6としても公知であり、Seattle Genetics,Incから入手可能である);アポトーシス促進性受容体アゴニスト(PARA):デュラネルミン(AMG-951としても公知であり、Amgen/Genentechから入手可能である)。
ヘッジホッグアンタゴニスト:2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(2-ピリジニル)フェニル]-4-(メチルスルホニル)-ベンズアミド(GDC-0449としても公知であり、PCT公開WO06/028958に記載されている)。
ホスホリパーゼA2阻害剤:アナグレリド(商品名Agrylin(登録商標)で販売されている)。
BCL-2阻害剤:4-[4-[[2-(4-クロロフェニル)-5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル]メチル]-1-ピペラジニル]-N-[[4-[[(1R)-3-(4-モルホリニル)-1-[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]-3-[(トリフルオロメチル)スルホニル]フェニル]スルホニル]ベンズアミド(ABT-263としても公知であり、PCT公開WO09/155386に記載されている)。
MCl-1阻害剤:MIK665、S64315、AMG397、およびAZD5991。
アロマターゼ阻害剤:エキセメスタン(Pfizerによって商標Aromasin(登録商標)で販売されている)、レトロゾール(Novartisによって商品名Femara(登録商標)で販売されている)、アナストロゾール(商品名Arimidex(登録商標)で販売されている)。
トポイソメラーゼI阻害剤:イリノテカン(Pfizerによって商標Camptosar(登録商標)で販売されている)、トポテカン塩酸塩(GlaxoSmithKlineによって商品名Hycamtin(登録商標)で販売されている)。
トポイソメラーゼII阻害剤:エトポシド(VP-16およびリン酸エトポシドとしても公知であり、商品名Toposar(登録商標)、VePesid(登録商標)およびEtopophos(登録商標)で販売されている)、テニポシド(VM-26としても公知であり、商品名Vumon(登録商標)で販売されている)。
mTOR阻害剤:テムシロリムス(Pfizerによって商品名Torisel(登録商標)で販売されている)、リダフォロリムス(以前はデフォロリムス(deferolimus)、(1R,2R,4S)-4-[(2R)-2[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28Z,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-19,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-2,3,10,14,20-ペンタオキソ-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.0 4’9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-12-イル]プロピル]-2-メトキシシクロヘキシルジメチルホスフィネートとして公知であり、AP23573およびMK8669としても公知であり、PCT公開WO03/064383に記載されている)、エベロリムス(Novartisによって商品名Afinitor(登録商標)で販売されている)。
プロテアソーム阻害剤、例えばカルフィルゾミブ、MLN9708、デランゾミブ、またはボルテゾミブ。
BET阻害剤、例えばINCB054329、OTX015、CPI-0610;LSD1阻害剤、例えばGSK2979552、INCB059872;HIF-2α阻害剤、例えばPT2977およびPT2385。
破骨細胞性骨吸収阻害剤:1-ヒドロキシ-2-イミダゾール-1-イル-ホスホノエチル)ホスホン酸一水和物(Novartisによって商品名Zometa(登録商標)で販売されている);CD33抗体薬物コンジュゲート:ゲムツズマブオゾガマイシン(Pfizer/Wyethによって商品名Mylotarg(登録商標)で販売されている)。
CD22抗体薬物コンジュゲート:イノツズマブオゾガマイシン(CMC-544およびWAY-207294とも呼ばれ、Hangzhou Sage Chemical Co.,Ltd.から入手可能である)。
CD20抗体薬物コンジュゲート:イブリツモマブチウキセタン(商品名Zevalin(登録商標)で販売されている)。
ソマトスタチン(Somatostain)アナログ:オクトレオチド(オクトレオチド酢酸塩としても公知であり、商品名Sandostatin(登録商標)およびSandostatin LAR(登録商標)で販売されている)。
合成インターロイキン-11(IL-11):オプレルベキン(Pfizer/Wyethによって商品名Neumega(登録商標)で販売されている)。
合成エリスロポエチン:ダルベポエチンアルファ(Amgenによって商品名Aranesp(登録商標)で販売されている)。
核内因子κB(RANK)阻害剤のための受容体アクチベーター:デノスマブ(Amgenによって商品名Prolia(登録商標)で販売されている)。
トロンボポエチン模倣薬ペプチボディ:ロミプロスチム(Amgenによって商品名Nplate(登録商標)で販売されている)。
細胞成長刺激物質:パリフェルミン(Amgenによって商品名Kepivance(登録商標)で販売されている)。
抗インスリン様増殖因子-1受容体(IGF-1R)抗体:フィギツムマブ(CP-751,871としても公知であり、ACC Corpから入手可能である)、ロバツムマブ(CAS番号934235-44-6)。
抗CSl抗体:エロツズマブ(HuLuc63、CAS番号915296-00-3)。
CD52抗体:アレムツズマブ(商品名Campath(登録商標)で販売されている)。
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDI):ボリノスタット(Voninostat)(Merckによって商品名Zolinza(登録商標)で販売されている)。
アルキル化剤:テモゾロミド(Schering-Plough/Merckによって商品名Temodar(登録商標)およびTemodal(登録商標)で販売されている)、ダクチノマイシン(アクチノマイシン-Dとしても公知であり、商品名Cosmegen(登録商標)で販売されている)、メルファラン(L-PAM、L-サルコリシン、およびフェニルアラニンマスタードとしても公知であり、商品名Alkeran(登録商標)で販売されている)、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても公知であり、商品名Hexalen(登録商標)で販売されている)、カルムスチン(商品名BiCNU(登録商標)で販売されている)、ベンダムスチン(商品名Treanda(登録商標)で販売されている)、ブスルファン(商品名Busulfex(登録商標)およびMyleran(登録商標)で販売されている)、カルボプラチン(商品名Paraplatin(登録商標)で販売されている)、ロムスチン(CCNUとしても公知であり、商品名CeeNU(登録商標)で販売されている)、シスプラチン(CDDPとしても公知であり、商品名Platinol(登録商標)およびPlatinol(登録商標)-AQで販売されている)、クロラムブシル(商品名Leukeran(登録商標)で販売されている)、シクロホスファミド(商品名Cytoxan(登録商標)およびNeosar(登録商標)で販売されている)、ダカルバジン(DTIC、DICおよびイミダゾールカルボキサミドとしても公知であり、商品名DTIC-Dome(登録商標)で販売されている)、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても公知であり、商品名Hexalen(登録商標)で販売されている)、イホスファミド(商品名Ifex(登録商標)で販売されている)、プロカルバジン(商品名Matulane(登録商標)で販売されている)、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード、ムスチンおよびメクロレタミン(mechloroethamine)塩酸塩としても公知であり、商品名Mustargen(登録商標)で販売されている)、ストレプトゾシン(商品名Zanosar(登録商標)で販売されている)、チオテパ(チオホスホルアミド(thiophosphoamide)、TESPAおよびTSPAとしても公知であり、商品名Thioplex(登録商標)で販売されている);生物学的応答修飾物質:カルメットゲラン桿菌(商品名theraCys(登録商標)およびTICE(登録商標)BCGで販売されている)、デニロイキンジフチトクス(商品名Ontak(登録商標)で販売されている)。
抗腫瘍抗生物質:ドキソルビシン(商品名Adriamycin(登録商標)およびRubex(登録商標)で販売されている)、ブレオマイシン(商品名lenoxane(登録商標)で販売されている)、ダウノルビシン(ダウノルビシン(dauorubicin)塩酸塩、ダウノマイシン、およびルビドマイシン(rubidomycin)塩酸塩としても公知であり、商品名Cerubidine(登録商標)で販売されている)、ダウノルビシンリポソーム(ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム、商品名DaunoXome(登録商標)で販売されている)、ミトキサントロン(DHADとしても公知であり、商品名Novantrone(登録商標)で販売されている)、エピルビシン(商品名Ellence(商標)で販売されている)、イダルビシン(商品名Idamycin(登録商標)、Idamycin PFS(登録商標)で販売されている)、マイトマイシンC(商品名Mutamycin(登録商標)で販売されている)。
抗微小管剤:エストラムスチン(商品名Emcyl(登録商標)で販売されている)。
カテプシンK阻害剤:オダナカチブ(MK-0822、N-(1-シアノシクロプロピル)-4-フルオロ-N2-{(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-[4’-(メチルスルホニル)ビフェニル-4-イル]エチル}-L-ロイシンアミドとしても公知であり、Lanzhou Chon Chemicals、ACC Corp.、およびChemieTekから入手可能であり、PCT公開WO03/075836に記載されている);エポチロンBアナログ:イクサベピロン(Bristol-Myers Squibbによって商品名Lxempra(登録商標)で販売されている)。
熱ショックタンパク質(HSP)阻害剤:タネスピマイシン(17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、KOS-953および17-AAGとしても公知であり、SIGMAから入手可能であり、米国特許第4,261,989号に記載されている)、NVP-HSP990、AUY922、AT13387、STA-9090、Debio0932、KW-2478、XL888、CNF2024、TAS-116。
TpoRアゴニスト:エルトロンボパグ(GlaxoSmithKlineによって商品名Promacta(登録商標)およびRevolade(登録商標)で販売されている)。
抗有糸分裂剤:ドセタキセル(Sanofi-Aventisによって商品名Taxotere(登録商標)で販売されている);副腎ステロイド阻害剤:アミノグルテチミド(商品名Cytadren(登録商標)で販売されている)。
抗アンドロゲン剤:ニルタミド(商品名Nilandron(登録商標)およびAnandron(登録商標)で販売されている)、ビカルタミド(商品名Casodex(登録商標)で販売されている)、フルタミド(商品名Fulexin(商標)で販売されている)。
アンドロゲン:フルオキシメステロン(商品名Halotestin(登録商標)で販売されている)。
プロテアソーム阻害剤:ボルテゾミブ(商品名Velcade(登録商標)で販売されている)。
それに限定されるものではないが、アルボシジブ(汎CDK阻害剤、フラボピリドール(flovopirdol)またはHMR-1275、2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-[(3S,4R)-3-ヒドロキシ-1-メチル-4-ピペリジニル]-4-クロメノンとしても公知であり、米国特許第5,621,002号に記載されている)を含めたCDK(CDK1、CDK2、CDK3、CDK5、CDK7、CDK8、またはCDK9)阻害剤。
CDK4/6阻害剤であるパルボシクリブ(pabociclib)、リボシクリブ、アベマシクリブ、およびトリラシクリブ;CDK9阻害剤であるAZD4573、P276-00、AT7519M、TP-1287。
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体アゴニスト:ロイプロリドまたはロイプロリド酢酸塩(Bayer AGによって商品名Viadure(登録商標)、Sanofi-AventisによってEligard(登録商標)およびAbbott LabによってLupron(登録商標)で販売されている)。
タキサン抗悪性腫瘍剤:カバジタキセル(1-ヒドロキシ-7,10-ジメトキシ-9-オキソ-5,20-エポキシタキサ-11-エン-2a,4,13a-トリイル-4-アセテート-2-ベンゾエート-13-[(2R,3S)-3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパノエート)、ラロタキセル((2α,3ξ,4α,5β,7α,10β,13α)-4,10-ビス(アセチルオキシ)-13-({(2R,3S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパノイル}オキシ)-1-ヒドロキシ-9-オキソ-5,20-エポキシ-7,19-シクロタキサ-11-エン-2-イルベンゾエート)。
5HT1a受容体アゴニスト:キサリプロデン(SR57746、1-[2-(2-ナフチル)エチル]-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンとしても公知であり、米国特許第5,266,573号に記載されている);HPCワクチン:GlaxoSmithKlineによって販売されているCervarix(登録商標)、Merckによって販売されているGardasil(登録商標);鉄キレート剤:デフェラシロクス(Deferasinox)(Novartisによって商品名Exjade(登録商標)で販売されている)。
代謝拮抗物質:クラドリビン(Claribine)(2-クロロデオキシアデノシン、商品名leustatin(登録商標)で販売されている)、5-フルオロウラシル(商品名Adrucil(登録商標)で販売されている)、6-チオグアニン(商品名Purinethol(登録商標)で販売されている)、ペメトレキセド(商品名Alimta(登録商標)で販売されている)、シタラビン(アラビノシルシトシン(Ara-C)としても公知であり、商品名Cytosar-U(登録商標)で販売されている)、シタラビンリポソーム(リポソームAra-Cとしても公知であり、商品名DepoCyt(商標)で販売されている)、デシタビン(商品名Dacogen(登録商標)で販売されている)、ヒドロキシ尿素(商品名Hydrea(登録商標)、Droxia(商標)およびMylocel(商標)で販売されている)、フルダラビン(商品名Fludara(登録商標)で販売されている)、フロクスウリジン(商品名FUDR(登録商標)で販売されている)、クラドリビン(2-クロロデオキシアデノシン(2-CdA)としても公知であり、商品名Leustatin(商標)で販売されている)、メトトレキセート(アメトプテリン、メトトレキセートナトリウム(sodim)(MTX)としても公知であり、商品名Rheumatrex(登録商標)およびTrexall(商標)で販売されている)、ペントスタチン(商品名Nipent(登録商標)で販売されている)。
ビスホスホネート:パミドロネート(商品名Aredia(登録商標)で販売されている)、ゾレドロン酸(商品名Zometa(登録商標)で販売されている);脱メチル化剤:5-アザシチジン(商品名Vidaza(登録商標)で販売されている)、デシタビン(商品名Dacogen(登録商標)で販売されている)。
植物性アルカロイド:タンパク質結合パクリタキセル(商品名Abraxane(登録商標)で販売されている)、ビンブラスチン(ビンブラスチン硫酸塩、ビンカロイコブラスチンおよびVLBとしても公知であり、商品名Alkaban-AQ(登録商標)およびVelban(登録商標)で販売されている)、ビンクリスチン(ビンクリスチン硫酸塩、LCR、およびVCRとしても公知であり、商品名Oncovin(登録商標)およびVincasar Pfs(登録商標)で販売されている)、ビノレルビン(商品名Navelbine(登録商標)で販売されている)、パクリタキセル(商品名TaxolおよびOnxal(商標)で販売されている)。
レチノイド:アリトレチノイン(商品名Panretin(登録商標)で販売されている)、トレチノイン(オールトランスレチノイン酸、ATRAとしても公知であり、商品名Vesanoid(登録商標)で販売されている)、イソトレチノイン(13-シス-レチノイン酸、商品名Accutane(登録商標)、Amnesteem(登録商標)、Claravis(登録商標)、Clarus(登録商標)、Decutan(登録商標)、Isotane(登録商標)、Izotech(登録商標)、Oratane(登録商標)、Isotret(登録商標)、およびSotret(登録商標)で販売されている)、ベキサロテン(商品名Targretin(登録商標)で販売されている)。
糖質コルチコステロイド:ヒドロコルチゾン(コルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウムとしても公知であり、商品名Ala-Cort(登録商標)、リン酸ヒドロコルチゾン、Solu-Cortef(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)およびLanacort(登録商標)で販売されている)、デキサメタゾン(dexamethazone)((8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17R)-9-フルオロ-11,17-ジヒドロキシ-17-(2-ヒドロキシアセチル)-10,13,16-トリメチル-6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-ドデカヒドロ-3H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オン)、プレドニゾロン(商品名Delta-Cortel(登録商標)、Orapred(登録商標)、Pediapred(登録商標)およびPrelone(登録商標)で販売されている)、プレドニゾン(商品名Deltasone(登録商標)、Liquid Red(登録商標)、Meticorten(登録商標)およびOrasone(登録商標)で販売されている)、メチルプレドニゾロン(6-メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン酢酸エステル、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムとしても公知であり、商品名Duralone(登録商標)、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、M-Prednisol(登録商標)およびSolu-Medrol(登録商標)で販売されている)。
サイトカイン:インターロイキン-2(アルデスロイキンおよびIL-2としても公知であり、商品名Proleukin(登録商標)で販売されている)、インターロイキン-11(オプレルベキン(oprevelkin)としても公知であり、商品名Neumega(登録商標)で販売されている)、アルファインターフェロンアルファ(IFN-アルファとしても公知であり、商品名Intron(登録商標)A、およびRoferon-A(登録商標)で販売されている);[00209]エストロゲン受容体下方制御物質:フルベストラント(商品名Faslodex(登録商標)で販売されている)。
抗エストロゲン薬:タモキシフェン(商品名Novaldex(登録商標)で販売されている);トレミフェン(商品名Fareston(登録商標)で販売されている)。
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):ラロキシフェン(商品名Evista(登録商標)で販売されている)。
黄体化ホルモン放出ホルモン(Leutinizing hormone releasing hormone)(LHRH)アゴニスト:ゴセレリン(商品名Zoladex(登録商標)で販売されている);プロゲステロン:メゲストロール(メゲストロール酢酸エステルとしても公知であり、商品名Megace(登録商標)で販売されている)。
種々の細胞傷害剤:三酸化ヒ素(商品名Trisenox(登録商標)で販売されている)、アスパラギナーゼ(L-アスパラギナーゼ、エルウィニアL-アスパラギナーゼとしても公知であり、商品名Elspar(登録商標)およびKidrolase(登録商標)で販売されている)。
【0276】
1種または複数の追加の免疫チェックポイント阻害剤は、SHP2関連疾患、障害または状態の処置のために、本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用することができる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤として、免疫チェックポイント分子、例えばCD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD39、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAMキナーゼ、アルギナーゼ、CD137(4-1BBとしても公知である)、ICOS、A2AR、A2BR、HIF-2α、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3、TIM3、VISTA、CD96、TIGIT、PD-1、PD-L1およびPD-L2に対する阻害剤(smack分子または生物製剤)が挙げられる。一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40、GITR、CD137およびSTINGから選択される刺激性チェックポイント分子である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子は、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、TDO、アルギナーゼ、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、CD96、TIGITおよびVISTAから選択される阻害性チェックポイント分子である。一部の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤およびTGFRベータ阻害剤から選択される1種または複数の薬剤と組み合わせて使用することができる。
【0277】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-1の阻害剤、例えば抗PD-1モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ(MK-3475としても公知である)、ピディリズマブ、SHR-1210、PDR001、またはAMP-224である。一部の実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブ、またはペンブロリズマブ、またはPDR001である。一部の実施形態では、抗PD1抗体は、ペンブロリズマブである。
【0278】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1の阻害剤、例えば抗PD-L1モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280A(RG7446としても公知である)、またはMSB0010718Cである。一部の実施形態では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、MPDL3280A(アテゾリズマブ)またはMEDI4736(デュルバルマブ)である。
【0279】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CTLA-4の阻害剤、例えば抗CTLA-4抗体である。一部の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブまたはトレメリムマブである。一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤、例えば抗LAG3抗体である。一部の実施形態では、抗LAG3抗体は、BMS-986016またはLAG525である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、GITRの阻害剤、例えば抗GITR抗体である。一部の実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518、またはMK-4166、INCAGN01876、またはMK-1248である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、OX40の阻害剤、例えば抗OX40抗体またはOX40L融合タンパク質である。一部の実施形態では、抗OX40抗体は、MEDI0562、またはINCAGN01949、GSK2831781、GSK-3174998、MOXR-0916、PF-04518600、またはLAG525である。一部の実施形態では、OX40L融合タンパク質は、MEDI6383である。
【0280】
本発明の化合物は、抗原に対する免疫応答を増大することを含めて免疫応答を増大または増強するため、ワクチンの有効性を増大することを含めて免疫獲得を改善するため、および炎症を増大するために使用することもできる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、限定されるものではないが、リステリアワクチン、腫瘍溶解性ウイルス(viarl)ワクチン、およびがんワクチン、例えばGVAX(登録商標)(顆粒細胞マクロファージコロニー刺激因子(GM-CF)遺伝子をトランスフェクトした腫瘍細胞ワクチン)を含めた、ワクチンに対する免疫応答を増強するために使用することができる。抗がんワクチンには、樹状細胞、合成ペプチド、DNAワクチンおよび組換えウイルスが含まれる。他の免疫調節物質には、免疫細胞の遊走を遮断する物質、例えばCCR2およびCCR4を含めたケモカイン受容体に対するアンタゴニスト、StingアゴニストならびにToll受容体アゴニストも含まれる。
【0281】
他の抗がん剤には、免疫系を増大する薬剤、例えばアジュバントまたは養子T細胞移入も含まれる。本願の化合物は、T細胞の活性化のためのブースターとしてのCAR(キメラ抗原受容体)T細胞処置との組合せにおいて有効となり得る。
【0282】
本発明の化合物は、以下の補助的治療薬と組み合わせて使用することもできる。
嘔吐抑制薬物:NK-1受容体アンタゴニスト:カソピタント(GlaxoSmithKlineによって商品名Rezonic(登録商標)およびZunrisa(登録商標)で販売されている)、ならびに
細胞保護剤:アミホスチン(商品名Ethyol(登録商標)で販売されている)、ロイコボリン(ロイコボリンカルシウム、シトロボラム因子およびフォリン酸としても公知である)。
【実施例】
【0283】
式(I)の中間体(参照)化合物の以下の調製は、当業者が本開示をより明確に理解し、実施できるようにするために記載される。以下の調製は、本開示の範囲を制限するものではなく、単に本開示を例示し、代表するものとみなされるべきである。
【0284】
参照1
(5S)-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-5-アミン二塩酸塩の合成
【化114】
ステップ1:1-[1-[(tert-ブトキシ)(ヒドロキシ)メチル]-4-[ヒドロキシ(メトキシ)メチル]ピペリジン-4-イル]エタン-1-オール
【化115】
[1-[(tert-ブトキシ)(ヒドロキシ)メチル]ピペリジン-4-イル](メトキシ)メタノール(20g、80.86mmol、1.0当量)のTHF(200mL)溶液に、-78℃においてLDA(48.52mL、97.03mmol、1.2当量)を窒素雰囲気下で滴下添加した。-78℃~-60℃において1.5時間撹拌した後、先の混合物に、アセトアルデヒド(5.34g、121.29mmol、1.5当量)を5分にわたって-78℃において滴下添加し、生じた混合物を-78℃~-40℃においてさらに2時間撹拌した。次に、反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE、0~50%)によって精製して、標題化合物12g(収率50.9%)を淡黄色の油状物として得た。
【0285】
ステップ2:1-tert-ブチル4-メチル4-[1-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)エチル]ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート
【化116】
1-tert-ブチル4-メチル4-(1-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(9.5g、33.06mmol、1当量)のDCM(100mL)溶液に、ピリジン(10.4g、131.48mmol、4.0当量)および(トリフルオロメタン)スルホニルトリフルオロメタンスルホネート(18.7g、66.27mmol、2.0当量)を、0℃において窒素雰囲気下で滴下添加した。0℃において2時間撹拌した後、反応混合物を、0℃において水でクエンチした。生じた混合物を、CH
2Cl
2で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、標題化合物20g(粗製)を得た。この粗生成物を、さらなる精製なしに次のステップで直接使用した。
【0286】
ステップ3:1-tert-ブチル4-メチル4-エテニルピペリジン-1,4-ジカルボキシレート
【化117】
撹拌した1-tert-ブチル4-メチル4-[1-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-エチル]ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(20g、粗製)のDCM(300mL)溶液に、DBU(28.50mL、187.18mmol)をrtにおいて窒素雰囲気下で添加した。rtにおいて4時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE、6%)によって精製して、標題化合物(4.5g、2ステップで収率55.2%)を淡黄色の油状物として得た。
【0287】
ステップ4:1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-4-エテニルピペリジン-4-カルボン酸
【化118】
1-tert-ブチル4-メチル4-エテニルピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(4.8g、17.82mmol、1.0当量)のMeOH(40mL)溶液に、水(10mL)およびLiOH(2.35g、98.01mmol、5.5当量)を室温において添加した。rtにおいて16時間撹拌した後、混合物を、0.5MのHCl水溶液でpH=5に酸性にした。次に、反応混合物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、標題化合物(4.5g、収率98.9%)を淡黄色の油状物として得、それをさらなる精製なしに次のステップのために使用した。
【0288】
ステップ5:tert-ブチル4-エテニル-4-[メトキシ(メチル)カルバモイル]ピペリジン-1-カルボキシレート
【化119】
1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-4-エテニルピペリジン-4-カルボン酸(4.5g、17.62mmol、1.0当量)およびメトキシ(メチル)アミン(1.61g、26.43mmol、1.5当量)のDCM(70mL)溶液に、HATU(13.40g、35.25mmol、2.0当量)およびEt
3N(5.35g、52.86mmol、3.0当量)をrtにおいて窒素雰囲気下で添加した。rtにおいて12時間撹拌した後、反応混合物を、室温において水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE、5%)によって精製して、標題化合物(5g、収率95%)を白色の固体として得た。
【0289】
ステップ6:tert-ブチル4-アセチル-4-エテニルピペリジン-1-カルボキシレート
【化120】
tert-ブチル4-エテニル-4-[メトキシ(メチル)カルバモイル]ピペリジン-1-カルボキシレート(5g、16.75mmol、1.0当量)のTHF(60mL)溶液に、2.5MのCH
3MgBr(16.76mL、41.89mmol、2.50当量)を0℃において窒素雰囲気下で滴下添加した。rtにおいて12時間撹拌した後、反応を、飽和NH
4Cl水溶液で0℃においてクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE、1/3)によって精製して、標題化合物(3.5g、収率82.4%)を淡黄色の油状物として得た。
【0290】
ステップ7:tert-ブチル4-[(2Z)-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エノイル]-4-エテニルピペリジン-1-カルボキシレート
【化121】
tert-ブチル4-アセチル-4-エテニルピペリジン-1-カルボキシレート(2.2g、8.68mmol、1.0当量)の[(tert-ブトキシ)(ジメチルアミノ)メチル]ジメチルアミン(2mL、9.69mmol、1.1当量)溶液を、100℃において窒素雰囲気下で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(1:1)で溶出して精製して、標題化合物(1.6g、収率59.7%)を淡黄色の油状物として得た。
【0291】
ステップ8:tert-ブチル4-エテニル-4-(1H-ピラゾール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化122】
撹拌したtert-ブチル4-[(2Z)-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エノイル]-4-エテニルピペリジン-1-カルボキシレート(2.2g、7.13mmol、1.0当量)のEtOH(50mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.54g、10.78mmol、1.5当量)を25℃において窒素雰囲気下で添加した。25℃において16時間撹拌した後、反応を水でクエンチし、生じた混合物をDCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(30%~60%)で溶出して精製して、標題化合物(1.6g、収率80.8%)を白色の固体として得た。
【0292】
ステップ9:tert-ブチル4-(オキシラン-2-イル)-4-(1H-ピラゾール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化123】
DCM(30mL)中、撹拌したtert-ブチル4-エテニル-4-(1H-ピラゾール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2g、7.2mmol、1.0当量)およびメチルトリオキソレニウム(VII)(179.72mg、0.72mmol、0.1当量)の混合物に、ピリジン(228.14mg、2.88mmol、0.4当量)およびH
2O
2(30%)(1.23g、10.85mmol、1.5当量)をrtにおいて添加した。rtにおいて16時間撹拌した後、反応を水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(30%~60%)で溶出して精製して、標題化合物(0.8g、37.82%)を白色の固体として得た。
【0293】
ステップ10:tert-ブチル5-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-1-カルボキシレート
【化124】
撹拌したtert-ブチル4-(オキシラン-2-イル)-4-(1H-ピラゾール-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.7g、2.38mmol、1.0当量)のTHF(10mL)溶液に、LiBr(0.62g、7.15mmol、3.0当量)およびCH
3COOH(0.43g、7.15mmol、3.0当量)を室温において添加した。rtにおいて16時間撹拌した後、反応混合物を、45℃において8時間撹拌した。rtに冷却した後、反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(30%~100%)で溶出して精製して、標題化合物(0.4g、収率57.1%)を白色の固体として得た。
【0294】
ステップ11:tert-ブチル5-オキソ-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-1-カルボキシレート
【化125】
tert-ブチル5-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-1-カルボキシレート(0.4g、1.36mmol、1.0当量)のDCM(8mL)溶液に、デス-マーチン(0.87g、2.04mmol、1.5当量)をrtにおいて添加した。室温において4時間撹拌した後、反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液で室温においてクエンチし、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE、20%~60%)によって精製して、標題化合物(0.36g、90.62%)を白色の固体として得た。
【0295】
ステップ12:tert-ブチル(S)-5-[(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-1-カルボキシレート
【化126】
tert-ブチル5-オキソ-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-1-カルボキシレート(0.36g、1.23mmol、1.0当量)のTHF(6mL)溶液に、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(0.30g、2.47mmol、2.0当量)およびTi(OEt)
4(1.13g、4.94mmol、4.0当量)をrtにおいて窒素雰囲気下で添加した。75℃において4時間撹拌した後、反応混合物を-20℃に冷却した。先の混合物に、MeOH(1mL)およびLiBH
4(40.38mg、1.85mmol、1.50当量)を-20℃において添加した。0℃においてさらに6時間撹拌した後、反応混合物を、飽和NH
4Cl水溶液で0℃においてクエンチした。次に、混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をMeOH(3mL)に溶解させた。先の混合物に、LiBH
4(80.75mg、3.71mmol、3.0当量)を室温において添加した。生じた混合物を、45℃においてさらに8時間撹拌した。反応混合物を、0℃において飽和NH
4Cl水溶液でクエンチした。生じた混合物を、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(30%~70%)で溶出して精製して、標題化合物(200mg、収率40.8%)を白色の固体として得た。
【0296】
ステップ13:(5S)-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-5-アミン二塩酸塩
【化127】
撹拌したtert-ブチル(S)-5-[(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]-5,6-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4-ピロロ[1,2-b]ピラゾール]-1-カルボキシレート(100mg、0.252mmol、1.0当量)の1,4-ジオキサン(0.5mL)溶液に、HClのジオキサン溶液(4M、0.50mL)を室温において滴下添加した。rtにおいて30分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物にEt
2O(1mL)を添加し、沈殿物を濾過によって収集し、標題化合物(60mg、収率89.7%)を白色の固体として得た。
【0297】
(実施例1)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化128】
【0298】
ステップ1:tert-ブチル(2S)-2-[[(2-フルオロピリジン-3-イル)オキシ]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【化129】
THF(15mL)中、撹拌した2-フルオロピリジン-3-オール(1g、8.84mmol、1.00当量)およびtert-ブチル(2S)-2-(ヒドロキシルメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(tert-butyl (2S)-2-(hydroxylmethyl)prrolidine-1-carboxylate)(2.14g、10.61mmol、1.2当量)の混合物に、PPh
3(3.48g、13.26mmol、1.50当量)およびDEAD(2.31g、13.26mmol、1.5当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。室温において16時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(15:1)で溶出して精製して、標題化合物(2.5g、収率95.4%)を淡黄色の油状物として得た。
【0299】
ステップ2:2-フルオロ-3-[[(2S)-ピロリジン-2-イル]メトキシ]ピリジン二塩酸塩
【化130】
撹拌したtert-ブチル(2S)-2-[[(2-フルオロピリジン-3-イル)オキシ]メチル]-ピロリジン-1-カルボキシレート(2500mg、8.43mmol、1.00当量)のDCM(15mL)溶液に、塩化水素(ジオキサン中4M)(15mL)を室温において添加した。rtにおいて4時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮して、標題化合物(2.20g、収率96.8%)を白色の固体として得た。
【0300】
ステップ3:(S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化131】
撹拌した2-フルオロ-3-[[(2S)-ピロリジン-2-イル]メトキシ]ピリジン二塩酸塩(2.20g、8.17mmol、1.00当量)のエタノール(50mL)溶液に、K
2CO
3(5.64g、40.87mmol、5.00当量)を室温において添加し、生じた混合物を65℃において12時間撹拌した。次に、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(3:1)で溶出して精製して、標題化合物(1.34g、収率93%)を無色の油状物として得た。
【0301】
ステップ4:(S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化132】
撹拌した(S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(600mg、3.41mmol、1.00当量)のTHF(15mL)溶液に、n-ブチルリチウム溶液(ヘキサン中2.5M、3.4mL、8.5mmol、2.50当量)を-78℃においてN
2雰囲気下で滴下添加した。反応混合物を0℃に加温し、1.5時間撹拌した。先の混合物を、I
2(950.60mg、3.74mmol、1.10当量)のTHF(2mL)溶液に、-78℃において滴下添加した。生じた混合物を、室温に加温し、室温において2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(3:1)で溶出して精製して、標題化合物(700mg、収率68%)を黄色の固体として得た。
【0302】
ステップ5:2-エチルヘキシル3-(((S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエート
【化133】
1,4-ジオキサン(2mL)中、撹拌した(S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(150.00mg、0.496mmol、1.00当量)、2-エチルヘキシル3-スルファニルプロパノエート(162.62mg、0.745mmol、1.50当量)、Pd
2(dba)
3(22.73mg、0.025mmol、0.05当量)およびXantphos(14.36mg、0.025mmol、0.05当量)の混合物に、DIEA(192.51mg、1.489mmol、3.00当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。90℃において1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~30%)で溶出して精製して、標題化合物(160mg、収率82%)を淡黄色の固体として得た。
【0303】
ステップ6:カリウム(S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-チオレート
【化134】
撹拌した2-エチルヘキシル3-(((S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエート(140.00mg、0.357mmol、1.0当量)のTHF(2mL)溶液に、1.0Mのt-BuOK(0.43mL、0.43mmol、1.20当量)を-10℃において添加した。0℃において0.5時間撹拌した後、反応混合物を石油エーテルで希釈した。沈殿した固体を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄して、標題化合物(75mg、収率85%)を淡黄色の固体として得た。
【0304】
ステップ7:メチル6-ブロモ-3-[(3S,4S)-4-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ピラジン-2-カルボキシレート
【化135】
メチル3,6-ジブロモピラジン-2-カルボキシレート(500mg、1.690mmol、1当量)、(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン二塩酸塩(493.05mg、2.028mmol、1.2当量)およびDIEA(1091.88mg、8.448mmol、5.0当量)のDMA(10mL)溶液を、55℃において2時間撹拌した。次に、ジ炭酸ジ-tert-ブチル(552.33mg、2.531mmol、1.5当量)を添加し、生じた混合物を室温において2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc=1:1で溶出して精製して、標題化合物(615mg、2ステップの収率75%)を黄色の油状物として得た。
【0305】
ステップ8:tert-ブチルN-[(3S,4S)-8-[5-ブロモ-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート
【化136】
撹拌したメチル6-ブロモ-3-[(3S,4S)-4-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]-アミノ]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ピラジン-2-カルボキシレート(150mg、0.309mmol、1当量)のDCM(3.75mL)溶液に、DIBAL-H(DCM中1.0M、1.24mL、1.240mmol、4.01当量)を-78℃において窒素雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、-78℃において窒素雰囲気下で30分間撹拌し、rtに加温し、次に飽和ロッシェル塩水溶液を添加することによってクエンチした。生じた混合物を、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~50%)で溶出して精製して、標題化合物(65mg、46%)を黄色の固体として得た。
【0306】
ステップ9:tert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート
【化137】
1,4-ジオキサン(1mL)中、撹拌したtert-ブチルN-[(3S,4S)-8-[5-ブロモ-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(25.00mg、0.055mmol、1.00当量)、カリウム(S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-チオレート(20.20mg、0.082mmol、1.50当量)、Pd
2(dba)
3(15.02mg、0.0164mmol、0.30当量)およびXantphos(9.49mg、0.0164mmol、0.30当量)の混合物に、DIEA(21.19mg、0.164mmol、3.00当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。100℃において1.5時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(50%~100%)で溶出して精製して、標題化合物(25mg、収率78%)を淡黄色の固体として得た。
【0307】
ステップ10:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールホルメート
【化138】
撹拌したtert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((S)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(20.00mg、0.034mmol、1.0当量)のDCM(1.5mL)溶液に、TFA(0.3mL)を室温において添加した。室温において5時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、標題化合物(7mg、収率39%)を淡黄色の固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=485.2。
【0308】
(実施例2)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((R)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化139】
化合物2を、実施例1に記載される方法によって、ステップ1においてtert-ブチル(2S)-2-(ヒドロキシルメチル)-ピロリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(2R)-2-(ヒドロキシルメチル)ピロリジン-1-カルボキシレートを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=485.3。
【0309】
(実施例3)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-フルオロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化140】
ステップ1:tert-ブチル(2S,4S)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化141】
撹拌した(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロピロリジン-2-カルボン酸(2.33g、9.99mmol、1.0当量)のTHF(25mL)溶液に、BH
3-Me
2S(2.8mL、29.5mmol、3.0当量)を0~5℃において窒素雰囲気下で滴下添加し、生じた混合物を室温において一晩撹拌した。その混合物を0℃に冷却し、MeOHでクエンチした。生じた混合物を、減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(1/1)で溶出して精製して、標題化合物(2.0g、91.3%)を得た。
【0310】
ステップ2:tert-ブチル(2S,4S)-4-フルオロ-2-[[(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【化142】
撹拌した2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-オール(436mg、1.82mmol、1.0当量)、tert-ブチル(2S,4S)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(400mg、1.82mmol、1.0当量)およびPPh
3(717mg、2.73mmol、1.5当量)のTHF(4.00mL)溶液に、DEAD(476mg、2.73mmol、1.5当量)を0℃において窒素雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、室温において窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、生じた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~50%)で溶出して精製して、標題化合物(610mg、75.5%)を得た。
【0311】
ステップ3:2-フルオロ-3-(((2S,4S)-4-フルオロピロリジン-2-イル)メトキシ)-4-ヨードピリジン塩酸塩
【化143】
撹拌したtert-ブチル(2S,4S)-4-フルオロ-2-[[(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(560mg、1.272mmol、1.0当量)の1,4-ジオキサン(5mL)溶液に、1,4-ジオキサン中3.3MのHCl溶液(5mL、16.5mmol、13当量)を、0℃において滴下添加した。室温において1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をEt
2Oで摩砕した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、生成物をHCl塩として(375mg、78.3%)得た。
【0312】
ステップ4:(6aS,8S)-8-フルオロ-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化144】
EtOH(4mL)中、2-フルオロ-3-(((2S,4S)-4-フルオロピロリジン-2-イル)メトキシ)-4-ヨードピリジン塩酸塩(370mg、0.983mmol、1.0当量)およびK
2CO
3(407mg、2.95mmol、3.0当量)の混合物を、60℃において2時間撹拌した。生じた混合物を、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~30%)で溶出して精製して、標題化合物(245mg、77.9%)を得た。
【0313】
ステップ5:2-エチルヘキシル3-([5-[(3S,4S)-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル]スルファニル)プロパノエート
【化145】
tert-ブチルN-[(3S,4S)-8-[5-ブロモ-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(580.0mg、1.27mmol、1.0当量)、2-エチルヘキシル3-スルファニルプロパノエート(332.29mg、1.52mmol、1.2当量)、Pd
2(dba)
3(116.1mg、0.127mmol、0.10当量)、XantPhos(73.38mg、0.127mmol、0.10当量)およびDIEA(491.69mg、3.804mmol、3.00当量)の1,4-ジオキサン(12.0mL)溶液を、100℃において窒素雰囲気下で1時間撹拌した。生じた混合物を、真空下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~50%)で溶出して精製して、標題化合物(600mg、79.54%)を得た。
【0314】
ステップ6:ナトリウム5-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]-デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-チオレート
【化146】
撹拌した2-エチルヘキシル3-([5-[(3S,4S)-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル]スルファニル)プロパノエート(680.0mg、1.14mmol、1.0当量)のCH
3OH(6.80mL)溶液に、CH
3ONa(247.04mg、1.372mmol、1.20当量、MeOH中30%)を5℃において滴下添加した。rtにおいて16時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をEt
2Oで摩砕して、標題化合物(390mg、粗製)を得、それをさらなる精製なしに次のステップのために使用した。
【0315】
ステップ7:tert-ブチル((3S,4S)-8-(5-(((6aS,8S)-8-フルオロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート
【化147】
(6aS,8S)-8-フルオロ-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(30.00mg、0.094mmol、1.0当量)、ナトリウム5-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-チオレート(48.64mg、0.112mmol、1.2当量)、Pd
2(dba)
3(25.75mg、0.028mmol、0.30当量)、XantPhos(16.27mg、0.028mmol、0.30当量)およびDIEA(36.34mg、0.281mmol、3.00当量)のジオキサン(0.90mL)溶液を、80℃において窒素雰囲気下で1時間撹拌した。rtに冷却した後、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってMeOH/CH
2Cl
2(0~10%)で溶出して精製して、標題化合物(32mg、56.4%)を得た。
【0316】
ステップ8:(3-((S)-4-アミノ-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-フルオロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化148】
tert-ブチル((3S,4S)-8-(5-(((6aS,8S)-8-フルオロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(26mg、0.043mmol、1.00当量)のDCM(1.2mL)溶液に、TFA(0.4mL、5.23mmol、122当量)を5℃において滴下添加した。rtにおいて1時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を、分取HPLCによって精製して、標題化合物(3.1mg、14.30%)を得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=503.2。
【0317】
(実施例4)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-フルオロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化149】
標題化合物を、実施例3に記載される方法によって、ステップ1において(2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロピロリジン-2-カルボン酸を使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=503.3。
【0318】
(実施例5)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化150】
ステップ1:1-tert-ブチル2-メチル(2S,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート
【化151】
撹拌した1-tert-ブチル2-メチル(2S,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(6.0g、24.46mmol、1.0当量)およびイミダゾール(2.5g、36.72mmol、1.50当量)のDCM(60mL)溶液に、TBS-Cl(5.53g、36.69mmol、1.50当量)を0~5℃において数回に分けて添加した。室温において一晩撹拌した後、反応混合物を、MeOHおよび水でクエンチし、生じた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~10%)で溶出して精製して、標題化合物(9.0g、102.3%)を得た。
【0319】
ステップ2:tert-ブチル(2S,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化152】
THF(30mL)中、撹拌した1-tert-ブチル2-メチル(2S,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(3.0g、8.344mmol、1.0当量)の混合物に、LiAlH
4(475mg、12.516mmol、1.50当量)を0℃において窒素雰囲気下で数回に分けて添加し、生じた混合物を、室温において窒素雰囲気下で2時間撹拌した。0℃に冷却した後、反応混合物を、飽和Na
2SO
4水溶液でクエンチした。生じた混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~100%)で溶出して精製して、標題化合物(1.6g、57.8%)を得た。
【0320】
ステップ3:tert-ブチル(2S,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-[[(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【化153】
THF(4mL)中、撹拌した2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-オール(400mg、1.674mmol、1.0当量)、tert-ブチル(2S,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(555mg、1.674mmol、1.00当量)およびPPh
3(658mg、2.511mmol、1.50当量)の混合物に、DEAD(437mg、2.51mmol、1.50当量)を0℃において窒素雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、室温において窒素雰囲気下で2時間撹拌し、次に0℃において水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~30%)で溶出して精製して、標題化合物(735mg、79.4%)を得た。
【0321】
ステップ4:(3S,5S)-5-[[(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ]メチル]ピロリジン-3-オール塩酸塩
【化154】
撹拌したtert-ブチル(2S,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-[[(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(750mg、1.357mmol、1.0当量)の溶液に、1,4-ジオキサン中3.0MのHClの溶液(5mL、15mmol、11当量)を0~5℃において滴下添加した。室温において1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をEt
2Oで摩砕した。沈殿物を濾過によって収集し、減圧下で乾燥させて、標題化合物(400mg、78.7%)を得た。
【0322】
ステップ5:(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール
【化155】
EtOH(4mL)中、(3S,5S)-5-[[(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ]メチル]ピロリジン-3-オール塩酸塩(400mg、1.068mmol、1.00当量)およびK
2CO
3(443mg、3.205mmol、3.00当量)の混合物を、60℃において2時間撹拌した。rtに冷却した後、生じた混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~40%)で溶出して精製して、標題化合物(300mg、88.3%)を得た。
【0323】
ステップ6:(6aS,8S)-4-ヨード-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化156】
撹拌した(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール(100.00mg、0.314mmol、1.0当量)およびAg
2O(364.23mg、1.572mmol、5.0当量)のDMF(1.00mL)溶液に、MeI(133.86mg、0.943mmol、3.00当量)を室温において滴下添加し、生じた混合物を、50℃において4時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過した。濾液を、H
2Oおよびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EA(2/1)で溶出して精製して、標題化合物(89mg、85.2%)を得た。
【0324】
ステップ7:tert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((6aS,8S)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート
【化157】
ジオキサン(0.30mL)中、撹拌した(6aS,8S)-4-ヨード-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(30.00mg、0.090mmol、1.0当量)およびtert-ブチルN-[(3S,4S)-8-[3-(ヒドロキシメチル)-5-スルファニルピラジン-2-イル]-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(37.08mg、0.090mmol、1.0当量)の混合物に、Pd
2(dba)
3(24.81mg、0.027mmol、0.30当量)、Xantphos(15.68mg、0.027mmol、0.30当量)およびDIEA(35.02mg、0.271mmol、3.0当量)を室温においてN
2雰囲気下で添加した。生じた混合物を、80℃においてN
2雰囲気下で1時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってDCM/MeOH(10/1)で溶出して精製して、標題化合物(25mg、45.6%)を得た。
【0325】
ステップ8:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールホルメート
【化158】
TFA(1.3mL)を、tert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((6aS,8S)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(130.0mg、0.21mmol、1.0当量)のDCM(3.0mL)溶液に室温において添加した。rtにおいて2時間撹拌した後、反応溶液を濃縮し、残留物を、分取HPLCによって精製して、生成物(19mg、16.1%)を得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=515.3。
【0326】
(実施例6)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化159】
ステップ1:(6aS,8R)-4-ヨード-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化160】
化合物(6aS,8R)-4-ヨード-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジンを、実施例5、ステップ1~6に記載される方法によって、ステップ1において1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレートを使用して合成した。
【0327】
ステップ2:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化161】
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールを、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=515.3。
【0328】
(実施例7)
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オールの合成
【化162】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載される方法によって、ステップ7において(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オールを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=501.3。
【0329】
(実施例8)
(6aS,8R)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オールの合成
【化163】
標題化合物を、実施例7に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=501.3。
【0330】
(実施例9)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8R)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化164】
標題化合物を、実施例5、ステップ2~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ2において1-tert-ブチル2-メチル(2R,4R)-4-メトキシ-ピロリジン-1,2-ジカルボキシレートを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=515.3。
【0331】
(実施例10)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8S)-8-メトキシ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化165】
標題化合物を、実施例5、ステップ2~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ2においてtert-ブチル(2R,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボキシレートを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=515.2。
【0332】
(実施例11)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化166】
ステップ1:(6aS,8S)-4-ヨード-8-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化167】
撹拌した(3R)-オキソラン-3-イル4-メチルベンゼンスルホネート(457mg、1.886mmol、3当量)および(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール(200mg、0.629mmol、1.00当量)のDMF(2.00mL)溶液に、NaH(88mg、2.200mmol、3.5当量、60%)を0℃において窒素雰囲気下で数回に分けて添加し、生じた混合物を、室温において窒素雰囲気下で一晩撹拌した。0℃に冷却した後、反応を水でクエンチし、生じた混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、分取TLC(EtOAc100%)によって精製して、標題化合物(70mg、28.7%)を得た。
【0333】
ステップ2:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化168】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、(6aS,8S)-4-ヨード-8-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジンから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=571.3。
【0334】
(実施例12)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化169】
標題化合物を、実施例11に記載されるのと同様に進行させることによって、(3S)-オキソラン-3-イル4-メチルベンゼンスルホネートから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=571.3。
【0335】
(実施例13)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(オキセタン-3-イルオキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化170】
ステップ1:(6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルトリフルオロメタンスルホネート
【化171】
撹拌した(6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール(400mg、1.257mmol、1.00当量)およびDIEA(244mg、1.886mmol、1.50当量)のDCM(4.00mL)溶液に、Tf
2O(426mg、1.509mmol、1.20当量)を5℃において滴下添加した。反応溶液を5℃において30分間撹拌し、次に、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~40%)で溶出して精製して、標題化合物(300mg、53.0%)を白色の固体として得た。
【0336】
ステップ2:(6aS,8S)-4-ヨード-8-(オキセタン-3-イルオキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化172】
撹拌したオキセタン-3-オール(99mg、1.336mmol、2.00当量)のDMF(3.00mL)溶液に、60%NaH(67mg、1.67mmol、2.50当量)を5℃において添加した。混合物をこの温度において1時間撹拌した。(6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルトリフルオロメタンスルホネート(300.00mg、0.666mmol、1.00当量)を20℃において添加した。生じた混合物を、50℃に加温し、10分間撹拌した。反応を5℃において水でクエンチし、生じた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~100%)で溶出して精製して、標題化合物(20mg、8.0%)を白色の固体として得た。
【0337】
ステップ3:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(オキセタン-3-イルオキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化173】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ7において(6aS,8S)-4-ヨード-8-(オキセタン-3-イルオキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジンを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=557.3。
【0338】
(実施例14)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化174】
ステップ1:(6aS,8S)-4-ヨード-8-(メトキシメトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化175】
撹拌した(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d]-[1,4]オキサジン-8-オール(60mg、0.189mmol、1.00当量)およびDIEA(49mg、0.377mmol、2.00当量)のDME(1.00mL)溶液に、ブロモ(メトキシ)メタン(35.35mg、0.283mmol、1.50当量)を室温においてN
2雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、室温においてN
2雰囲気下で4時間撹拌し、次にH
2Oでクエンチした。生じた混合物を、EAで抽出し、合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EA(1/1)で溶出して精製して、標題化合物(50mg、73.2%)を淡黄色の固体として得た。
【0339】
ステップ2:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化176】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ7においてtert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((6aS,8S)-8-(メトキシメトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメートを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=545.2。
【0340】
(実施例15)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(2-メトキシエトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化177】
標題化合物を、実施例14に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ1において2-ブロモエチルメチルエーテルを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=559.3。
【0341】
(実施例16)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(シクロプロピルメトキシ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化178】
標題化合物を、実施例14に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ1において(ブロモメチル)シクロプロパンを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=555.4。
【0342】
(実施例17)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a’,7’-ジヒドロ-6’H,9’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン]-4’-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化179】
ステップ1:(S)-4’-ヨード-6a’,7’-ジヒドロ-6’H,9’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d]-[1,4]オキサジン]
【化180】
化合物(S)-4’-ヨード-6a’,7’-ジヒドロ-6’H,9’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン]を、実施例1、ステップ1~4に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ1において5-tert-ブチル6-メチル(6S)-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5,6-ジカルボキシレートを使用して合成した。
【0343】
ステップ2:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a’,7’-ジヒドロ-6’H,9’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン]-4’-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化181】
標題化合物を、実施例1、ステップ5~8に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=511.3。
【0344】
(実施例18および19)
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オールおよび(6aS,8R)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オールの合成
【化182】
ステップ1:(S)-4-ヨード-6a,7-ジヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8(9H)-オン
【化183】
撹拌した塩化オキサリル(209.47mg、1.650mmol、1.5当量)のDCM(1.4mL)溶液に、DCM(0.2mL)中DMSO(257.89mg、3.301mmol、3.0当量)を-78℃において窒素雰囲気下で滴下添加し、この温度において30分間撹拌した。先の溶液に、(6aS)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール(350.00mg、1.100mmol、1.00当量)のDCM(2.0mL)溶液を-78℃において添加した。-78℃において30分間撹拌した後、DIEA(853.1mg、6.6mmol、6.0当量)を-78℃において滴下添加した。生じた混合物を、-78℃においてさらに30分間撹拌し、次に、30分にわたって室温に加温した。rtにおいて10分間撹拌した後、反応混合物を5℃に冷却し、飽和NH
4Cl水溶液を5℃において添加することによってクエンチした。生じた混合物を、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、標題化合物(250mg、71.8%)を得た。
【0345】
ステップ2:2-エチルヘキシル3-(((S)-8-オキソ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]-オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエート
【化184】
(S)-4-ヨード-6a,7-ジヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8(9H)-オン(220.00mg、0.696mmol、1.00当量)、2-エチルヘキシル3-スルファニルプロパノエート(182.37mg、0.835mmol、1.20当量)、Pd
2(dba)
3(63.73mg、0.070mmol、0.10当量)、XantPhos(40.27mg、0.070mmol、0.10当量)およびDIEA(269.85mg、2.088mmol、3.00当量)のジオキサン(4.40mL)溶液を、100℃において窒素雰囲気下で1時間撹拌した。生じた混合物を、真空下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~50%)で溶出して精製して、標題化合物(280mg、99%)を得た。
【0346】
ステップ3:2-エチルヘキシル3-(((6aS)-8-ヒドロキシ-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエート
【化185】
撹拌した2-エチルヘキシル3-(((S)-8-オキソ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエート(160mg、0.394mmol、1.00当量)のTHF(1.60mL)溶液に、2.0Mのブロモ(メチル)マグネシウム(0.24mL、0.48mmol、1.22当量)を5℃において窒素雰囲気下で滴下添加し、生じた混合物を、5℃において1時間撹拌した。反応を、飽和NH
4Cl水溶液を添加することによって5℃においてクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~100%)で溶出して精製して、標題化合物(90mg、54.1%)を得た。
【0347】
ステップ4:(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オールおよび(6aS,8R)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール
【化186】
標題化合物を、実施例1、ステップ6~8に記載されるのと同様に進行させることによって、2-エチルヘキシル3-(((6aS)-8-ヒドロキシ-8-メチル-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエートから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=515.3。
【0348】
(実施例20)
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-カルボニトリルの合成
【化187】
ステップ1:(6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルメタンスルホネート
【化188】
撹拌した(6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール(400.00mg、1.257mmol、1.00当量)のDCM(6.00mL)溶液に、TEA(190.86mg、1.886mmol、1.50当量)およびMsCl(172.85mg、1.509mmol、1.20当量)を室温において添加した。室温において16時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、水でクエンチした。生じた混合物を、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~50%)で溶出して精製して、標題化合物(450mg、90.3%)を得た。
【0349】
ステップ2:(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-カルボニトリル
【化189】
撹拌した(6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルメタンスルホネート(300.00mg、0.757mmol、1.00当量)のDMF(5.00mL)溶液に、NaCN(55.66mg、1.136mmol、1.50当量)を室温において添加した。75℃において16時間撹拌した後、反応混合物を室温において冷却し、水でクエンチした。次に、混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~50%)で溶出して精製して、標題化合物(140mg、56.5%)を得た。
【0350】
ステップ3:(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]-オキサジン-8-カルボニトリル
【化190】
化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-カルボニトリルから合成した。[M+1]
+=510.2。
【0351】
(実施例21)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メチルスルホニル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化191】
ステップ1:1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-(メタンスルホニルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート
【化192】
撹拌した1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(9g、36.7mmol、1.0当量)およびTEA(7.43g、73.4mmol、2.0当量)のDCM(100mL)溶液に、MsCl(5g、43.6mmol、1.2当量)を0℃において滴下添加し、生じた混合物を、0℃において1時間撹拌した。反応を水でクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~50%)で溶出して精製して、標題化合物(10.5g、88.5%)を得た。
【0352】
ステップ2:1-(tert-ブチル)2-メチル(2R,4R)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボキシレート
【化193】
1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-(メタンスルホニルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(4.30g、13.298mmol、1.00当量)の乾燥DMF(20.00mL)溶液に、NaSCH
3(1.07g、15.27mmol、1.07当量)を30℃において添加した。rtにおいて一晩撹拌した後、反応混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EA(1/1)で溶出して精製して、標題化合物(4g、109.2%)を得た。
【0353】
ステップ3:tert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メチルチオ)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化194】
THF(37.0mL)中、撹拌した1-tert-ブチル2-メチル(2S,4S)-4-(メチルスルファニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(3.70g、13.44mmol、1.0当量)の混合物に、LiAlH
4(0.76g、20.03mmol、1.5当量)を0℃において数回に分けて添加した。室温において2時間撹拌した後、反応混合物を、Na
2SO
4・10H
2Oで室温においてクエンチした。生じた混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物(2.6g、78.2%)を得た。
【0354】
ステップ4:tert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メチルスルホニル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化195】
撹拌したtert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メチルスルファニル)-ピロリジン-1-カルボキシレート(3.70g、14.959mmol、1.00当量)のDCM(40mL)溶液に、室温においてm-CPBA(77%12.91g、57.60mmol、3.85当量)を5時間にわたって数回に分けて添加した。生じた混合物を、DCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってDCM/MeOH(20/1)で溶出して精製して、標題化合物(1g、23.9%)を得た。
【0355】
ステップ5:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メチルスルホニル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化196】
標題化合物を、実施例1、ステップ2~8に記載される方法によって、tert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メチルスルホニル)ピロリジン-1-カルボキシレートから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=563.3。
【0356】
(実施例22)
(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d]-[1,4]オキサジン-8-イルカルバメートの合成
【化197】
ステップ1:(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルカルバメート
【化198】
撹拌した(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オール(150.0mg、0.472mmol、1.0当量)のDCM(1.80mL)溶液に、トリクロロエタンカルボニルイソシアネート(222.08mg、1.179mmol、2.5当量)を5℃において滴下添加し、生じた混合物を、この温度において約30分間撹拌した。先の溶液に、K
2CO
3(129.88mg、0.940mmol、2.0当量)およびMeOH(1.80mL)を室温において添加し、生じた混合物を室温においてさらに6時間撹拌した。その混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~100%)で溶出して精製して、標題化合物(100mg、58.7%)を得た。
【0357】
ステップ2:(6aS,8S)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]-オキサジン-8-イルカルバメート
【化199】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、tert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メチルスルホニル)ピロリジン-1-カルボキシレートから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=544.3。
【0358】
(実施例23)
(6aS,8R)-4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルカルバメートの合成
【化200】
標題化合物を、実施例22に記載される方法によって、((6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-オールから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=544.2。
【0359】
(実施例24)
(6-(((6aS,8S)-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化201】
ステップ1:(6aS,8S)-4-ヨード-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化202】
撹拌したピラゾール(17.18mg、0.252mmol、1.0当量)のDMF(0.75mL)溶液に、NaH(20.19mg、0.505mmol、2.0当量、60%)を5℃において数回に分けて添加し、生じた混合物を、5℃において1時間撹拌した。先の混合物に、(6aS,8R)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルメタンスルホネート(100.00mg、0.252mmol、1.00当量)を室温において添加し、生じた混合物を50℃において撹拌した。0℃に冷却した後、反応を、水を添加することによってクエンチし、次に、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~100%)で溶出して精製して、標題化合物(60mg、64.5%)を得た。
【0360】
ステップ2:(6-(((6aS,8S)-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピラジン-2-イル)メタノール
【化203】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、(6aS,8S)-4-ヨード-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジンから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=551.3
【0361】
(実施例25)
(6-(((6aS,8R)-8-(1H-ピラゾール-1-イル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]-ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化204】
標題化合物を、実施例24に記載される方法によって、(6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イルメタンスルホネートから合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=551.3。
【0362】
(実施例26および27)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((R)-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-d]ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールおよび(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-d]ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化205】
標題化合物を、実施例5、ステップ2~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ2においてtert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)モルホリン-4-カルボキシレートを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=501.2。
【0363】
(実施例28)
4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b][1,4]チアジノ[4,3-d][1,4]オキサジン8,8-ジオキシドの合成
【化206】
ステップ1:4-(tert-ブトキシカルボニル)チオモルホリン-3-カルボン酸
【化207】
撹拌したチオモルホリン-3-カルボン酸(3000mg、20.382mmol、1.00当量)およびEt
3N(4125mg、40.764mmol、2.00当量)のDCM(50.00mL)溶液に、Boc
2O(6672mg、30.57mmol、1.50当量)を室温においてN
2雰囲気下で数回に分けて添加した。生じた混合物を、室温においてN
2雰囲気下で16時間撹拌し、次に、水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってDCM/MeOH(10/1)で溶出して精製して、標題化合物(3.2g、63.5%)を淡黄色の油状物として得た。
【0364】
ステップ2:tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)チオモルホリン-4-カルボキシレート
【化208】
撹拌した4-(tert-ブトキシカルボニル)チオモルホリン-3-カルボン酸(2000mg、8.087mmol、1.00当量)のTHF(20mL)溶液に、1MのBH
3-THF(16.18mL、16.180mmol、2.00当量)を0℃においてN
2雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、45℃においてN
2雰囲気下で16時間撹拌し、次に、MeOHで0℃においてクエンチした。生じた混合物を、真空下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってDCM/MeOH(10/1)で溶出して精製して、標題化合物(1.8g、95.4%)を淡黄色の油状物として得た。
【0365】
ステップ3:tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド
【化209】
tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)チオモルホリン-4-カルボキシレート(500mg、2.143mmol、1.00当量)およびm-CPBA(77%、851mg、3.78mmol、1.77当量)のDCM(10mL)溶液を、室温においてN
2雰囲気下で16時間撹拌した。反応を、飽和NaHCO
3(5mL)で室温においてクエンチした。生じた混合物を、DCMで抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO
3で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってDCM/MeOH(10/1)で溶出して精製して、標題化合物(400mg、70.4%)を淡黄色の油状物として得た。
【0366】
ステップ4:3-(ヒドロキシメチル)チオモルホリン1,1-ジオキシド;トリフルオロ酢酸
【化210】
撹拌したtert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(180mg、0.678mmol、1.00当量)のDCM(5.0mL)溶液に、TFA(3.868g、33.921mmol、50.00当量)を室温において添加した。生じた混合物を、室温において2時間撹拌した。生じた混合物を、減圧下で濃縮して、標題化合物(170mg、89.74%)を白色の固体として得た。
【0367】
ステップ5:4-ヨード-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b][1,4]チアジノ[4,3-d][1,4]オキサジン8,8-ジオキシド
【化211】
撹拌した3-(ヒドロキシメチル)チオモルホリン1,1-ジオキシドトリフルオロ酢酸(180mg、0.645mmol、1.00当量)および2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-オール(154mg、0.645mmol、1.00当量)のトルエン(3.0mL)溶液に、PPh
3(254mg、0.967mmol、1.50当量)およびDEAD(168mg、0.967mmol、1.50当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。生じた混合物を、60℃において窒素雰囲気下で16時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(PE/EtOAc5:1)によって精製して、標題化合物(45mg、19.1%)を淡黄色の固体として得た。
【0368】
ステップ6:4-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)-ピラジン-2-イル)チオ)-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b][1,4]チアジノ[4,3-d][1,4]オキサジン8,8-ジオキシド
【化212】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ7において4-ヨード-6a,7,9,10-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b][1,4]チアジノ[4,3-d][1,4]オキサジン8,8-ジオキシドを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=549.2。
【0369】
(実施例29および30)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール[29]および(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール[30]の合成
【化213】
ステップ1:1-(tert-ブチル)2-メチル(S)-4-(メトキシメチレン)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート
【化214】
MeOH(80.0mL)中、撹拌した1-(tert-ブチル)2-メチル(S)-4-オキソピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(4.00g、16.443mmol、1.00当量)およびK
2CO
3(1.50g、10.853mmol、0.66当量)の混合物に、ジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート(9.48g、49.330mmol、3.00当量)を0℃において窒素雰囲気下で添加した。室温において12時間撹拌した後、反応混合物を水に注ぎ、生じた混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(3:1)で溶出して精製して、標題化合物(1.45g、32.5%)を淡黄色の油状物として得た。
【0370】
ステップ2:1-(tert-ブチル)2-メチル(2S)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート
【化215】
撹拌した1-(tert-ブチル)2-メチル(S)-4-(メトキシメチレン)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(1.45g、5.344mmol、1.00当量)および10%Pd/C(145mg)のMeOH(20.0mL)溶液に、MgO(220mg、5.46mmol、1.02当量)を室温において水素雰囲気下で添加した。室温において2時間撹拌した後、生じた混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物(1.35g、92.42%)を淡黄色の油状物として得、それを任意のさらなる精製なしに次のステップで直接使用した。
【0371】
ステップ3:tert-ブチル(2S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化216】
撹拌した1-(tert-ブチル)2-メチル(2S)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(180mg、0.659mmol、1.00当量)のTHF(4.0mL)溶液に、LiAlH
4(37mg、0.975mmol、1.50当量)を室温において添加した。室温において2時間撹拌した後、生じた混合物をDCMで希釈し、水で0℃においてクエンチした。濾過した後、濾過ケーキを、DCMで洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(1:1)で溶出して精製して、標題化合物(90mg、55.7%)を淡黄色の油状物として得た。
【0372】
ステップ4:tert-ブチル(2S)-2-(((2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ)メチル)-4-(メトキシメチル)-ピロリジン-1-カルボキシレート
【化217】
撹拌したtert-ブチル(2S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メトキシメチル)-ピロリジン-1-カルボキシレート(90mg、0.367mmol、1.00当量)および2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-オール(88mg、0.367mmol、1.00当量)のTHF(2.00mL)溶液に、PPh
3(144mg、0.550mmol、1.50当量)およびDEAD(96mg、0.55mmol、1.50当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。室温において16時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~60%)で溶出して精製して、標題化合物(115mg、67.2%)を淡黄色の油状物として得た。
【0373】
ステップ5:2-フルオロ-4-ヨード-3-(((2S)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-イル)メトキシ)ピリジン塩化水素
【化218】
撹拌したtert-ブチル(2S)-2-(((2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ)メチル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(115mg、0.247mmol、1.00当量)のジオキサン(1.0mL)溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、0.62mL、2.48mmol、10.00当量)を室温において添加した。室温において5時間撹拌した後、反応混合物を、減圧下で濃縮して、標題化合物(110mg、粗製)を淡黄色の固体として得、それをさらなる精製なしに次のステップで直接使用した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=367.0。
【0374】
ステップ6:(6aS)-4-ヨード-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化219】
撹拌した2-フルオロ-4-ヨード-3-(((2S,4S)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-イル)-メトキシ)ピリジン塩化水素(110mg、0.273mmol、1.00当量)のEtOH(3.0mL)溶液に、K
2CO
3(208mg、1.50mmol、5.51当量)を室温において添加した。60℃において2時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~60%)で溶出して精製して、標題化合物(80mg、2ステップで93.5%)を淡黄色の油状物として得た。
【0375】
ステップ7:tert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((6aS)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート
【化220】
ジオキサン(1.50mL)中、撹拌した(6aS)-4-ヨード-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド-[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(80mg、0.231mmol、1.00当量)、ナトリウム5-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシ-メチル)ピラジン-2-チオレート(100mg、0.231mmol、1.0当量)、Pd
2(dba)
3(63mg、0.069mmol、0.30当量)およびXantPhos(40mg、0.069mmol、0.30当量)の混合物に、DIEA(90mg、0.693mmol、3.00当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。80℃において1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってMeOH/DCM(0~10%)で溶出して精製して、標題化合物(110mg、75.7%)を黄色の固体として得た。
【0376】
ステップ8:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-ピラジン-2-イル)メタノール[29]および(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール[30]
【化221】
撹拌したtert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(70.00mg、0.111mmol、1.00当量)のDCM(1.0mL)溶液に、TFA(0.20mL、2.61mmol、23.5当量)を室温において添加した。室温において2時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。その混合物を分取HPLCによって精製して、粗生成物50mgを得た。粗生成物(50mg)を、キラル-HPLCによってさらに精製して、標題化合物[29](9.9mg、16.8%)、MS(ES,m/z):[M+1]
+=529.3および[30](5.5mg、9.4%)、MS(ES,m/z):[M+1]
+=529.3を白色の固体として得た。
【0377】
(実施例31)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化222】
ステップ1:tert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化223】
撹拌した(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-カルボン酸(180g、694.171mmol、1.00当量)のTHF(1.8L)溶液に、BH
3-Me
2S(173.00mL、1824.073mmol、2.63当量)を0℃においてN
2雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、室温においてN
2雰囲気下で16時間撹拌した。反応を、MeOH(200mL)で0℃においてクエンチし、生じた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EA(1/1)で溶出して精製して、標題化合物(160g、94%)を無色の油状物として得た。
【0378】
ステップ2:tert-ブチル(2S,4S)-2-(((2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ)メチル)-4-(メトキシメチル)-ピロリジン-1-カルボキシレート
【化224】
撹拌したtert-ブチル(2S,4S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(メトキシメチル)-ピロリジン-1-カルボキシレート(7.0g、28.534mmol、1.00当量)、2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-オール(6.8g、28.534mmol、1.00当量)およびPPh
3(11.2g、42.7mmol、1.50当量)のTHF(140.00mL)溶液に、DEAD(7.5g、43mmol、1.5当量)をrtにおいてN
2雰囲気下で滴下添加し、生じた混合物を、室温において16時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EA(5/1)で溶出して精製して、標題化合物(11.5g、86.4%)を淡黄色の油状物として得た。
【0379】
ステップ3:2-フルオロ-4-ヨード-3-(((2S,4S)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-イル)メトキシ)ピリジン二塩酸塩
【化225】
1,4-ジオキサン(20.0mL)中tert-ブチル(2S,4S)-2-(((2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)オキシ)メチル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(11.5g、24.663mmol、1.00当量)および1,4-ジオキサン中4.0MのHCl(50.0mL)の溶液を、室温においてN
2雰囲気下で3時間撹拌した。生じた混合物を、減圧下で濃縮して、標題化合物(14g、粗製)を淡黄色の油状物として得、それをさらなる精製なしに次のステップのために使用した。
【0380】
ステップ4:(6aS,8S)-4-ヨード-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化226】
EtOH(280.0mL)中、粗製2-フルオロ-4-ヨード-3-(((2S,4S)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-イル)-メトキシ)ピリジン二塩酸塩(14.0g、31.88mmol、1.00当量)およびK
2CO
3(15.9g、115mmol、3.6当量)の混合物を、60℃において3時間撹拌した。rtにおいて冷却した後、生じた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EA(2/1)で溶出して精製して、標題化合物(6.6g、2ステップで77%)を淡黄色の固体として得た。
【0381】
ステップ5:((6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イル)-メタノール
【化227】
CH
3CN(5.00mL)中、撹拌した(6aS,8S)-4-ヨード-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(250mg、0.722mmol、1.00当量)およびNaI(357mg、2.383mmol、3.3当量)の混合物に、SiCl
4(405mg、2.383mmol、3.30当量)を室温において窒素雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、80℃において窒素雰囲気下で2時間撹拌した。その混合物を室温に冷却し、水で希釈し、溶液のpHを、飽和NaHCO
3水溶液でpH=8に調整した。生じた混合物を、DCMで抽出し、有機層を、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(1:1)で溶出して精製して、標題化合物(200mg、83.4%)を黄色の固体として得た。
【0382】
ステップ6:(6aS,8S)-4-ヨード-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化228】
撹拌した((6aS,8S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-8-イル)メタノール(75mg、0.226mmol、1.00当量)およびDIEA(88mg、0.68mmol、3.0当量)のDCM(3.75mL)溶液に、ブロモ(メトキシ)メタン(85mg、0.68mmol、3.0当量)を室温において窒素雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、室温において窒素雰囲気下で24時間撹拌した。反応溶液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(1:1)で溶出して精製して、標題化合物(65mg、76.5%)を黄色の固体として得た。
【0383】
ステップ7:tert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート
【化229】
ジオキサン(2.0mL)中、撹拌したナトリウム5-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-チオレート(55mg、0.127mmol、1.00当量)、(6aS,8S)-4-ヨード-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(48mg、0.128mmol、1当量)およびXantPhos(22mg、0.038mmol、0.30当量)の混合物に、DIEA(82mg、0.63mmol、5当量)およびPd
2(dba)
3(35mg、0.038mmol、0.30当量)を室温において窒素雰囲気下で数回に分けて添加した。生じた混合物を、80℃において窒素雰囲気下で1時間撹拌し、次に、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってDCM/MeOH(10:1)で溶出して精製して、標題化合物(45mg、53.8%)を褐色の固体として得た。
【0384】
ステップ8:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化230】
撹拌したtert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(((6aS,8S)-8-((メトキシ-メトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(35mg、0.053mmol、1.00当量)のDCM(1.80mL)溶液に、TFA(0.15mL)を室温において滴下添加した。生じた混合物を、室温において2時間撹拌し、次に、水酸化アンモニア水溶液でpH=8の塩基性にした。有機溶媒を真空下で除去し、残留物を分取HPLCによって精製して、標題化合物(7mg、23.6%)を白色の固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=559.3。
【0385】
(実施例32)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((2-メトキシエトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化231】
標題化合物を、実施例31、ステップ6~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ6において1-ブロモ-2-メトキシエタンを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=573.3。
【0386】
(実施例33)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((シクロプロピルメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化232】
標題化合物を、実施例31、ステップ6~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ6において(ブロモメチル)シクロプロパンを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=569.3
【0387】
(実施例34)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((オキセタン-3-イルメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化233】
標題化合物を、実施例31、ステップ6~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ6において3-(ブロモメチル)オキセタンを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=585.3
【0388】
(実施例35)
ギ酸;(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-2-アミノ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化234】
ステップ1:2-フルオロ-4-ヨード-6-ニトロピリジン-3-オール
【化235】
撹拌した2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-オール(100mg、0.418mmol、1.00当量)およびBu
4NNO
3(191mg、0.628mmol、1.50当量)のDCM(2.0mL)溶液に、TFAA(0.10mL、0.595mmol、1.42当量)を0℃において窒素雰囲気下で滴下添加し、生じた混合物を、0℃において1時間撹拌した。反応を、飽和NH
4Cl(水溶液)で0℃においてクエンチし、生じた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(5:1)で溶出して精製して、標題化合物(10mg、8.4%)を黄色の固体として得た。
【0389】
ステップ2:tert-ブチル(S)-2-(((2-フルオロ-4-ヨード-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【化236】
撹拌した2-フルオロ-4-ヨード-6-ニトロピリジン-3-オール(170mg、0.599mmol、1.00当量)、tert-ブチル(2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(180mg、0.898mmol、1.50当量)およびPPh
3(235mg、0.9mmol、1.5当量)のTHF(2mL)溶液に、DIAD(181mg、0.9mmol、1.5当量)を0℃において窒素雰囲気下で滴下添加した。生じた混合物を、60℃において窒素雰囲気下で一晩撹拌し、次に、水で室温においてクエンチした。生じた混合物を、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~30%)で溶出して精製して、標題化合物(50mg、17.9%)を黄色の油状物として得た。
【0390】
ステップ3:(S)-2-フルオロ-4-ヨード-6-ニトロ-3-(ピロリジン-2-イルメトキシ)ピリジン塩酸塩
【化237】
8mLの封止管に、tert-ブチル(S)-2-(((2-フルオロ-4-ヨード-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(50mg、0.107mmol、1.00当量)および1,4-ジオキサン中4MのHClの溶液(0.50mL、2.0mmol、18.69当量)を、0℃において添加した。反応溶液を、室温において1時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をEt
2Oで摩砕して、粗製標題生成物(30mg)を黄色の油状物として得、それを、さらなる精製なしに次のステップで直接使用した。
【0391】
ステップ4:(S)-4-ヨード-2-ニトロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化238】
8mLの封止管に、(S)-2-フルオロ-4-ヨード-6-ニトロ-3-(ピロリジン-2-イルメトキシ)ピリジン塩酸塩(30mg、粗製)、K
2CO
3(34mg、0.246mmol)およびEtOH(0.30mL)を室温において添加した。生じた混合物を、60℃において2時間撹拌し、次に、室温に冷却した。生じた混合物を、EtOAcで抽出し、合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EtOAc(5:1)で溶出して精製して、標題化合物(13mg、2ステップで34.6%)を黄色の固体として得た。
【0392】
ステップ5:(S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-2-アミン
【化239】
EtOH(0.10mL)およびH
2O(0.10mL)中、(S)-4-ヨード-2-ニトロ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(13mg、0.037mmol、1.0当量)、NH
4Cl(4mg、0.075mmol、2.0当量)およびFe(4mg、0.075mmol、2.0当量)の混合物を、60℃において2時間撹拌した。その混合物を室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキを、EtOAcで洗浄し、濾液を水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~100%)で溶出して精製して、標題化合物(9mg、75.8%)を黄色の固体として得た。
【0393】
ステップ6:ギ酸;(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((S)-2-アミノ-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化240】
標題化合物を、実施例5、ステップ7~8に記載されるのと同様に進行させることによって、ステップ7において(S)-4-ヨード-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-2-アミンを使用して合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=500.3。
【0394】
(実施例36および37)
(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール[36]および(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8R)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール[37]の合成
【化241】
ステップ1:2-エチルヘキシル3-(((6aS)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエート
【化242】
1,4-ジオキサン(7.5mL)中、撹拌した(6aS)-4-ヨード-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(500mg、1.444mmol、1.00当量)、2-エチルヘキシル3-スルファニルプロパノエート(378mg、1.733mmol、1.20当量)、Pd
2(dba)
3(130mg、0.142mmol、0.10当量)およびXantPhos(85mg、0.147mmol、0.10当量)の混合物に、DIEA(560mg、4.333mmol、3.00当量)を室温において窒素雰囲気下で添加し、生じた混合物を、85℃において2時間撹拌した。rtに冷却した後、反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~60%)で溶出して精製して、標題化合物(500mg、79.3%)を淡黄色の油状物として得た。
【0395】
ステップ2:ナトリウム(6aS)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-チオレート
【化243】
撹拌した2-エチルヘキシル3-(((6aS)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)プロパノエート(500mg、1.145mmol、1.00当量)のMeOH(10.0mL)溶液に、NaOMe(68mg、1.260mmol、1.10当量)を室温において添加した。室温において5時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をEt
2Oで摩砕して、標題化合物(220mg、70%)を黄色の固体として得た。
【0396】
ステップ3:(3-クロロ-6-(((6aS)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化244】
1,4-ジオキサン(2mL)中、撹拌したナトリウム(6aS)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-チオレート(100mg、0.365mmol、1.00当量)、(6-ブロモ-3-クロロピラジン-2-イル)メタノール(90mg、0.40mmol、1.10当量)、Pd
2(dba)
3(33mg、0.036mmol、0.10当量)およびXantPhos(21mg、0.036mmol、0.10当量)の混合物に、DIEA(141mg、1.09mmol、3.0当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。85℃において2時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEtOAc/PE(0~60%)で溶出して精製して、標題化合物(105mg、72.9%)を淡黄色の油状物として得た。
【0397】
ステップ4:(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールおよび(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8R)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化245】
ACN(2.0mL)中、撹拌した(3-クロロ-6-(((6aS)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール(50mg、0.127mmol、1.00当量)および(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン三塩酸塩(50mg、0.159mmol、1.25当量)の混合物に、DIEA(82mg、0.63mmol、5.0当量)を室温において添加し、生じた混合物を、80℃において48時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過し、濾過ケーキを、MeOHで洗浄し、合わせた濾液を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、標題化合物を得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=562.3。
【0398】
(実施例38)
(3-((S)-5-アミノ-13-オキサ-9-アザジスピロ[3.1.56.24]トリデカン-9-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化246】
(3-クロロ-6-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール(35mg、0.089mmol、1.00当量)、(S)-13-オキサ-9-アザジスピロ[3.1.5
6.2
4]トリデカン-5-アミン二塩酸塩(29mg、0.106mmol、1.20当量)およびDIEA(57mg、0.443mmol、5.00当量)のCH
3CN(0.56mL)溶液を、80℃において16時間撹拌した。反応混合物を、Pre-HPLCによって精製して、標題化合物(9.8mg、18.4%)を黄色の固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=555.2。
【0399】
(実施例39および40)
(3-((S)-5-アミノ-13-オキサ-9-アザジスピロ[3.1.56.24]トリデカン-9-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール[39]の合成
【化247】
標題化合物を、実施例36および37に記載されるのと同様に進行させることによって、(6aS,8S)-4-ヨード-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジンおよび(S)-13-オキサ-9-アザジスピロ[3.1.5
6.2
4]トリデカン-5-アミン二塩酸塩から合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=585.3。
【0400】
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(((メトキシメトキシ)メトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール[40]
【0401】
【0402】
(実施例41)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(ヒドロキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化249】
ステップ1:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-(ヒドロキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化250】
実施例31の合成中、化合物42も、副生成物として単離した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=515.3。
【0403】
(実施例42)
(3S,4S)-8-(5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミンの合成
【化251】
ステップ1:(6aS,8S)-4-((5-クロロピラジン-2-イル)チオ)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化252】
THF(2mL)中、(6aS,8S)-4-ヨード-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(90mg、0.239mmol、1.00当量)、ナトリウム5-クロロピラジン-2-チオレート(61mg、0.36mmol、1.51当量)(WO2016/203406を参照されたい)、Pd
2(dba)
3(22mg、0.024mmol、0.10当量)、Xantphos(14mg、0.024mmol、0.10当量)およびDIEA(93mg、0.72mmol、3.0当量)の混合物を、60℃において窒素雰囲気下で0.5時間撹拌した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物(93mg、98.5%)を褐色の油状物として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=395.2。
【0404】
ステップ2:(3S,4S)-8-(5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン
【化253】
(6aS,8S)-4-((5-クロロピラジン-2-イル)チオ)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(40mg、0.101mmol、1.00当量)、(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン二塩酸塩(42mg、0.173mmol、1.70当量)およびDIEA(65mg、0.50mmol、5.00当量)のCH
3CN(0.40mL)溶液を、100℃において16時間撹拌した。残留物を、Pre-HPLCによって精製して、標題化合物(16mg、29.9%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=529.3
【0405】
(実施例43)
(3S,4S)-8-(5-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミンの合成
【化254】
標題化合物を、実施例42に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=499.3。
【0406】
(実施例44)
(3S,4S)-8-(6-アミノ-5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミンの合成
【化255】
ステップ1:6-クロロ-3-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-アミン
【化256】
THF(2.00mL)中、(6aS,8S)-4-ヨード-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(90.00mg、0.239mmol、1.00当量)、ナトリウム3-アミノ-5-クロロピラジン-2-チオレート(60mg、0.359mmol、1.5当量)(WO2015/107494を参照されたい)、Pd
2(dba)
3(22mg、0.024mmol、0.1当量)、Xantphos(14mg、0.024mmol、0.1当量)およびDIEA(93mg、0.72mmol、3.0当量)の混合物を、60℃において窒素雰囲気下で0.5時間撹拌した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物(93mg、98.9%)を褐色の油状物として得た。
【0407】
ステップ2:(3S,4S)-8-(6-アミノ-5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン
【化257】
6-クロロ-3-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-アミン(40mg、0.1mmol、1.00当量)、(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン二塩酸塩(42mg、0.17mmol、1.76当量)およびDIEA(65mg、0.5mmol、5.1当量)のCH
3CN(0.40mL)溶液を、100℃において16時間撹拌した。残留物を、Pre-HPLCによって精製して、標題化合物(16mg、30%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=544.3。
【0408】
(実施例45)
(3S,4S)-8-(6-アミノ-5-(((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミンの合成
【化258】
標題化合物を、実施例44に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=514.3
【0409】
(実施例46)
(S)-1’-(5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミンの合成
【化259】
(6aS,8S)-4-((5-クロロピラジン-2-イル)チオ)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(40mg、0.10mmol、1.0当量)、(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン三塩酸塩(48mg、0.15mmol、1.5当量)およびDIEA(65mg、0.50mmol、5.00当量)のCH
3CN(0.40mL)溶液を、100℃において16時間撹拌した。反応溶液を、Pre-HPLCによって精製して、標題化合物(12.0mg、21.2%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=562.3。
【0410】
(実施例47)
(S)-1’-(6-アミノ-5-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミンの合成
【化260】
6-クロロ-3-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-アミン(40mg、0.098mmol、1.00当量)、(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン三塩酸塩(46mg、0.147mmol、1.50当量)およびDIEA(63mg、0.487mmol、5.0当量)のCH
3CN(0.40mL)溶液を、100℃において16時間撹拌した。反応溶液を、Pre-HPLCによって精製して、標題化合物(16.0mg、28.4%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=577.3。
【0411】
(実施例48)
(3-((S)-5-アミノ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ-[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化261】
撹拌した(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン三塩酸塩(28mg、0.09mmol、1.53当量)およびDIEA(38mg、0.294mmol、5.0当量)のACN(0.5mL)溶液に、(3-クロロ-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール(25mg、0.059mmol、1.00当量)を室温において窒素雰囲気下で添加した。生じた混合物を、100℃において一晩撹拌し、混合物を室温に冷却した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、標題化合物(6.5mg、18.67%)を白色の固体として得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=592.3。
【0412】
(実施例49)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)-5-メチルピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化262】
標題化合物を、実施例31に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。MS(ES,m/z):[M+1]
+=573.3。
【0413】
(実施例50)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化263】
ステップ1:(3-クロロ-6-(((6aS)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド-[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化264】
THF(10.00mL)中、(6aS)-4-ヨード-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(1.00g、2.658mmol、1.00当量)およびナトリウム5-クロロ-6-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-チオレート(0.78g、3.93mmol、1.48当量)の混合物に、XantPhos(0.15g、0.26mmol、0.10当量)およびDIEA(1.02g、7.892mmol、2.97当量)を室温において添加した。次に、Pd
2(dba)
3(0.12g、0.13mmol、0.05当量)を、その溶液に窒素雰囲気下で添加し、生じた混合物を60℃において窒素雰囲気下で1時間撹拌した。生じた混合物を、rtに冷却し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってPE/EA(0~100%)で溶出して精製して、生成物(790mg、69.9%)を得た。
【0414】
ステップ2:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aS,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【化265】
ACN(5mL)中、(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン二塩酸塩(730mg、3.002mmol、1.72当量)およびDIEA(1.30g、10.06mmol、5.77当量)の混合物に、(3-クロロ-6-(((6aS)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール(740mg、1.742mmol、1.00当量)を室温において添加した。生じた混合物を、60℃において窒素雰囲気下で16時間撹拌し、次に、分取HPLCおよびキラルHPLCによって精製して、生成物を得た。MS(ES,m/z):[M+1]
+=559.3。
【0415】
(実施例51および52)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールおよび(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化266】
ステップ1:(6aR)-4-ヨード-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン
【化267】
標題化合物を、実施例29~30、ステップ1~6に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。
【0416】
ステップ2:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノールおよび(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ-[4.5]デカン-8-イル)-6-(((6aR,8R)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)チオ)ピラジン-2-イル)メタノール
【0417】
【化268】
標題化合物の混合物を、実施例31、ステップ5~8に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。次に、材料を、HPLCによって精製して、化合物51および52を得た。化合物51:MS(ES,m/z):[M+1]
+=559.3。化合物52:MS(ES,m/z):[M+1]
+=559.3。
【0418】
(実施例53)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化269】
ステップ1:((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d]-[1,4]オキサジン-4-イル)ボロン酸
【化270】
撹拌した(6aS,8S)-4-ヨード-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン(100mg、0.289mmol、1.00当量)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(110mg、0.433mmol、1.5当量)、AcOK(57mg、0.581mmol、2.0当量)のトルエン(2mL)溶液に、Pd(dppf)Cl
2(12mg、0.0164mmol、0.057当量)を室温においてN
2雰囲気下で添加した。生じた混合物を、100℃においてN
2雰囲気下で16時間撹拌し、生じた混合物を、さらなる精製なしに次のステップで直接使用した。
【0419】
ステップ2:tert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート
【化271】
トルエン中の、直前のステップからの((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ボロン酸の混合物に、K
2CO
3(120mg、0.87mmol、3.00当量)、tert-ブチル((3S,4S)-8-(5-ブロモ-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(132mg、0.290mmol、1.00当量)、Pd(dppf)Cl
2(12.00mg、0.064mmol、0.057当量)およびH
2O(0.2mL)をN
2下で添加した。100℃において3時間撹拌した後、生じた混合物を、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによってEAで溶出して精製して、標題化合物(70mg、40.7%、2ステップ)を淡黄色の油状物として得た。MS(ES,m/z):[M+1]=597.3。
【0420】
ステップ3:(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)メタノール
【化272】
DCM(3mL)およびTFA(1mL)中、tert-ブチル((3S,4S)-8-(3-(ヒドロキシメチル)-5-((6aS,8S)-8-(メトキシメチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(70mg、0.117mmol、1.00当量)の混合物を、室温において3時間撹拌した。生じた混合物を、濃縮し、分取HPLCによって精製して、標題化合物(17mg、29.3%)を得た。MS(ES,m/z):[M+H]
+=497.3。
【0421】
(実施例54)
(3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((6aS,8S)-8-((メトキシメトキシ)メチル)-6a,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]ピロロ[1,2-d][1,4]オキサジン-4-イル)ピラジン-2-イル)メタノールの合成
【化273】
標題化合物を、実施例54に記載されるのと同様に進行させることによって合成した。MS(ES,m/z):[M+H]
+=527.3。
【0422】
生物学的アッセイ
SHP2アロステリック阻害アッセイ
SHP2は、2つのN末端Srcホモロジー2(SH2)ドメイン、中心のタンパク質-チロシンホスファターゼ(PTP)ドメイン、およびC末端テールを有する。SHP2は、基底状態では自己阻害状態であり、触媒部位への基質の接近は、SH2ドメインとPTPドメインの間の分子間相互作用によって遮断される。ビス-チロシル-リン酸化ペプチドが、SHP2のSH2ドメインに結合すると、PTPドメインは、基質認識および反応触媒作用に利用可能になり、SHP2は、アロステリック的に活性化される。SHP2の触媒活性は、蛍光発生的な人工基質DiFMUPを使用して測定することができる。
【0423】
ホスファターゼ反応は、384ウェル黒色ポリスチレンプレート(Greiner Bio-One、カタログ番号784076)中、60mMのHEPES(pH7.2)、75mMのNaCl、75mMのKCl、1mMのEDTA、0.05%のP-20、および5mMのDTTを含有するアッセイ緩衝剤を使用して、室温において行った。
【0424】
0.33nMのSHP2を、0.5μMのビスホス-IRS1ペプチド(配列:H2N-LN(pY)IDLDLV(dPEG8)LST(pY)ASINFQK-アミド)および様々な濃度の化合物と共に、室温において30~60分間インキュベートした。次に、代替の基質DiFMUP(Invitrogen、カタログ番号D6567、最終濃度100uM)を添加することによって、反応を開始させた。
【0425】
DiFMUPからDiFMU(6,8-ジフルオロ-7-ヒドロキシル-4-メチル-クマリン)へのリアルタイム変換を、マイクロプレートリーダー(CLARIOstar、BMG Labtech)を使用し、それぞれ340nmおよび450nmの励起波長および発光波長を用いて5分ごとに30分間測定した。初期反応速度を、データを線形フィッティングすることによって決定し、阻害剤の用量応答曲線を、対照ベースの標準化を用いた正規化IC50回帰曲線ティングを使用して解析した。
【0426】
先の化合物の表1において付番されている化合物についてのIC50値は、以下の表4に提供されており、そのIC50は、100nMまたはそれ未満として測定された。
【0427】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【0428】
p-ERK細胞アッセイ
Detroit562細胞を、96ウェルプレートに播種し、一晩培養させた(1ウェル当たり細胞30,000個、総体積200ul)。翌朝、細胞を、本開示の化合物で、出発濃度10uMおよび1nMへの1/2log希釈で37℃において2時間処理した。DMSO処理は対照として働く。次に、p-ERKを、AlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra(商標)p-ERK 1/2(Thr202/Tyr204)アッセイキット(PerkinElmer、ALSU-PERK-A500)を使用説明書に従って使用して測定した。短時間に培地を除去し、1×溶解緩衝剤50ulを添加し、その後、プレートシェーカーで室温において10分間インキュベートした。次に、溶菌液10ulを、白色384ウェルプレートに移し、アクセプターミックス5ulおよびドナーミックス5ulを添加した(共に製造者の使用説明書に従って調製した)。プレートをホイルで包み、プレートリーダーで1~2分間振とうし、2時間を超えてインキュベートした。次に、シグナルをCLARIOstar(登録商標)プレートリーダーで測定した。阻害パーセンテージを、DMSO処理を100%のシグナルとして用いて計算し、IC50を、Graphpad Prism 7によって計算する。
【0429】
製剤実施例
以下は、式(I)の化合物を含有する代表的な医薬製剤である。
【0430】
錠剤製剤
以下の成分を十分に混合し、単一割線の錠剤に圧縮する。
成分 錠剤1個当たりの量(mg)
本開示の化合物 400
コーンスターチ 50
クロスカルメロースナトリウム 25
ラクトース 120
ステアリン酸マグネシウム 5
【0431】
カプセル剤製剤
以下の成分を十分に混合し、硬シェルゼラチンカプセル剤に充填する。
成分 カプセル剤1個当たりの量(mg)
本開示の化合物 200
スプレー乾燥させたラクトース 148
ステアリン酸マグネシウム 2
【0432】
注射可能な製剤
2%HPMC、DI水中1%Tween 80(pH2.2)および少なくとも20mg/mLまでの適量のMSA中、本開示の化合物(例えば、化合物1)
【0433】
吸入用組成物
吸入送達のための医薬組成物を調製するために、本明細書に開示される化合物20mgを、無水クエン酸50mgおよび0.9%塩化ナトリウム溶液100mLと混合する。その混合物を、吸入投与に適したネブライザーなどの吸入送達ユニットに組み込む。
【0434】
局所用ゲル組成物
医薬品用の局所用ゲル組成物を調製するために、本明細書に開示される化合物100mgを、ヒドロキシプロピルセルロース1.75g、プロピレングリコール10mL、ミリスチン酸イソプロピル10mLおよび精製アルコールUSP 100mLと混合する。次に、生じたゲル混合物を、局所投与に適した管などの容器に組み込む。
【0435】
眼科用溶液組成物
医薬品用の眼科用溶液組成物を調製するために、本明細書に開示される化合物100mgを、精製水100mL中NaCl 0.9gと混合し、0.2ミクロンフィルターを使用して濾過する。次に、生じた等張溶液を、眼科的投与に適した点眼容器などの眼科用送達ユニットに組み込む。
【0436】
鼻腔用スプレー溶液剤
医薬品用の鼻腔用スプレー溶液剤を調製するために、本明細書に開示される化合物10gを、0.05Mのリン酸緩衝液(pH4.4)30mLと混合する。この溶液を、適用ごとにスプレー100ulを送達するように設計された経鼻投与装置に入れる。