(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】需要予測装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0202 20230101AFI20240823BHJP
【FI】
G06Q30/0202
(21)【出願番号】P 2021542962
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2020032179
(87)【国際公開番号】W WO2021039840
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2019156075
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】大杉 巧
(72)【発明者】
【氏名】出水 宰
(72)【発明者】
【氏名】深澤 佑介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基紹
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/053821(WO,A1)
【文献】特開2019-79208(JP,A)
【文献】特開2019-125048(JP,A)
【文献】特開2019-53609(JP,A)
【文献】谷口洋司 他2名,広告効果予測のための制約付きニューラルネットワーク学習方式,電気学会論文誌C,日本,社団法人電気学会,1997年04月20日,第117-C巻 第5号,p.625-630,ISSN:0385-4221
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐久財の需要を予測する需要予測装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
特定の大区分に属する耐久財の過去の需要数の時系列データを基に、前記大区分に属する耐久財の将来の需要数の予測値の時系列データを、時系列分析によって算出し、
ユーザの属性情報と、前記ユーザによって過去に購入された前記耐久財の種類に関する情報及び当該購入の時期に関する情報とを基に、各ユーザの時期ごとの前記耐久財の購入確率及び各ユーザの前記耐久財の前記大区分及び複数の小区分ごとの購入確率を算出する機械学習のモデルを構築し、
少なくとも各ユーザの属性情報を前記モデルに入力することにより、前記各ユーザの将来の時期ごとの前記耐久財の購入確率と、前記各ユーザの前記耐久財の前記大区分及び前記複数の小区分ごとの購入確率とを含む購入確率データを算出し、
前記予測値の時系列データ及び前記購入確率データを基に、将来の特定時期の前記耐久財の前記複数の小区分ごとの全体の需要数の予測値を算出および出力する、
需要予測装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記全体の需要数の予測値を算出する際には、前記予測値の時系列データから前記特定時期における前記耐久財の需要数の予測値を抽出した後、前記各ユーザの前記購入確率データを基に、前記特定時期における前記耐久財の前記購入確率を基に前記需要数の予測値の数だけ複数のユーザを抽出し、抽出した複数のユーザに対応する前記大区分及び複数の小区分ごとの前記購入確率を基に前記小区分ごとの需要数を積算することにより、前記複数の小区分ごとの前記全体の需要数の予測値を算出する、
請求項1に記載の需要予測装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記モデルを用いて、複数階層の前記複数の小区分ごとの購入確率のデータを算出し、
前記全体の需要数の予測値を算出する際には、抽出した前記複数のユーザのそれぞれにおいて、前記購入確率が最も高い前記小区分の選択を、前記複数階層ごとに繰り返す、
請求項2に記載の需要予測装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記複数のユーザを抽出する際には、前記大区分の前記購入確率が相対的に高いユーザを、前記耐久財の前記購入確率を基に抽出する、
請求項2又は3に記載の需要予測装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
将来の特定時期の前記耐久財の前記複数の小区分ごとの全体の需要数の予測を繰り返すことにより、時系列の前記予測値のデータを算出および出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の需要予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、耐久財の需要を予測する需要予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品の需要を予測する装置が知られている(下記特許文献1~3参照。)。例えば、下記特許文献1に記載の装置は、商品の過去の販売実績データから商品の売上予測モデルを算出し、推定した売上推移段階と顧客類型と売上予測モデルとを基に予測対象商品の売り上げまたは流行の度合いを予測する。また、下記特許文献2に記載の装置は、商品の販売開始からの経過期間と商品の名称に含まれる単語と販売開始以降の商品の需要数量とを基に予測モデルを学習する。また、下記特許文献3に記載の装置は、商品の購入数の時間的変化を示す時系列データを回帰分析処理することにより、任意の時点の需要予測値を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-307808号公報
【文献】国際公開2017/163278号公報
【文献】特開2008-305229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1~3に記載の技術においては、複数の大小の区分を有し製品の性能アップ等に応じた市場での入れ替えがある程度頻繁な耐久財を対象にした場合に、各ユーザ毎の区分選択の傾向が時期的な需要数の変化の予測値に対して反映されていない。そのため、各ユーザの選択の嗜好を加味した区分ごとの需要の変化を予測することを困難にしている。
【0005】
そこで、上述の課題を解決するために、各ユーザの選択の嗜好を加味した耐久財の区分ごとの需要の変化を予測することのできる需要予測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の需要予測装置は、耐久財の需要を予測する需要予測装置であって、少なくとも1つのプロセッサを備え、少なくとも1つのプロセッサが、特定の大区分に属する耐久財の過去の需要数の時系列データを基に、大区分に属する耐久財の将来の需要数の予測値の時系列データを、時系列分析によって算出し、ユーザの属性情報と、ユーザによって過去に購入された耐久財の種類に関する情報及び当該購入の時期に関する情報とを基に、各ユーザの時期ごとの耐久財の購入確率及び各ユーザの耐久財の大区分及び複数の小区分ごとの購入確率を算出する機械学習のモデルを構築し、少なくとも各ユーザの属性情報をモデルに入力することにより、各ユーザの将来の時期ごとの耐久財の購入確率と、各ユーザの耐久財の大区分及び複数の小区分ごとの購入確率とを含む購入確率データを算出し、予測値の時系列データ及び購入確率データを基に、将来の特定時期の耐久財の複数の小区分ごとの全体の需要数の予測値を算出および出力する。
【0007】
本実施形態によれば、大区分に属する耐久財の需要数の予測値の時系列データが算出される一方で、ユーザの属性情報が予め構築された機械学習のモデルに入力されることにより、各ユーザの時期ごとの耐久財の購入確率と、各ユーザの大区分及び複数の小区分ごとの購入確率とを含む購入確率データが算出される。そして、予測値の時系列データと購入確率データを基に、将来の耐久財の複数の小区分ごとの全体の需要数の予測値が算出される。このように、ユーザ全体の耐久財の需要数の予測値に、ユーザ毎の時期的な購入確率と区分ごとの購入確率が反映されるので、各ユーザの選択の嗜好を加味した小区分ごとの詳細な耐久財の需要の変化を精度高く予測することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、各ユーザの選択の嗜好を加味した耐久財の区分ごとの需要の変化を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の需要予測装置100の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】顧客データ管理装置200に格納される購入実績データを含む顧客データの構成の一例を示す図である。
【
図3】時系列分析部101によって算出された将来の月毎の時系列データを示すグラフである。
【
図4】モデル生成部102によって構築されたモデルの機能を説明するための図である。
【
図5】購入確率算出部104によって算出された将来の月ごとの耐久財の購入確率のデータの構成を示す図である。
【
図6】購入確率算出部104によって算出された小区分ごとの耐久財の選択確率のデータの構成を示す図である。
【
図7】予測値算出部105によって算出および出力される時系列データの構成を示す図である。
【
図8】需要予測装置100のモデル構築処理を示すフローチャートである。
【
図9】需要予測装置100における予測値算出処理を示すフローチャートである。
【
図10】予測値算出部105によって需要予測装置100のディスプレイに出力された出力画面のイメージを示す図である。
【
図11】本開示の一実施の形態に係る需要予測装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態の需要予測装置100の機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるとおり、需要予測装置100は、時系列分析部101、モデル生成部102、購入確率算出部103、ユーザ抽出部104、及び予測値算出部105を含んでいる。この需要予測装置100は、図示しないLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークを介して顧客データ管理装置200とデータ通信可能に接続され、顧客データ管理装置200からデータを読み取り可能に構成されている。この顧客データ管理装置200は、顧客データ格納部201を備えるデータベースサーバであり、顧客データ格納部201に特定サービスに加入するユーザに関する属性データあるいは当該サービスに付随する消費財のユーザによる購入実績データを格納する。
【0012】
時系列分析部101は、顧客データ管理装置200から購入実績データを読み出し、特定の大区分に属する耐久財の将来の需要数の予測値の時系列データを時系列分析によって算出する。例えば、対象とする特定の大区分の耐久財としては、特定のOS(オペレーティングシステム)を搭載する情報処理装置が挙げられるが、これには限定されずその他の特定種類の電子機器等であってもよい。
【0013】
図2には、顧客データ管理装置200に格納される購入実績データを含む顧客データの構成の一例を示す。このように、顧客データには、ユーザを識別する識別子に対応付けて、そのユーザが過去に購入した製品の機種及び購入した日時を示す購入情報と、そのユーザの性別、年齢等の属性を示す属性情報と、そのユーザが過去に利用していた製品を示す利用製品情報と、そのユーザが過去に利用していたサービスを示す利用サービス情報のような、ユーザに関するその他の情報が含まれることが想定される。このような顧客データの購入情報を集計することにより、時系列分析部101は、過去の月毎の大区分に属する耐久財の需要数を集計する。さらに、時系列分析部101は、このようにして集計した過去の月毎の需要数のデータを用いて時系列分析を実行することにより、大区分に属する耐久財の将来の月毎の予測値の時系列データを算出する。例えば、時系列分析としては、ARモデル(自己回帰モデル)、MAモデル(移動平均モデル)、これらを組み合わせたARMAモデル、状態空間モデル等が用いられる。
図3には、時系列分析部101によって算出された将来の月毎の時系列データをグラフ化して示している。このように、過去の長期的及び短期的な全体の需要数の傾向から将来の全体の需要数の変化が予測される。
【0014】
図1に戻って、モデル生成部102は、顧客データ管理装置200に格納される顧客データを基に、後述する購入確率データを算出するための機械学習のモデルを構築する。機械学習のモデルに採用されるアルゴリズムとしては、ロジスティック回帰、k近傍法、サポートベクターマシーン、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ディープニューラルネットワーク等が挙げられる。すなわち、モデル生成部102は、各ユーザの顧客データに含まれる属性情報、利用製品情報、及び利用サービス情報等を特徴量(入力データ)とし、各ユーザの顧客データに含まれる購入情報に含まれる購入製品の種類に関するデータを教師データとして、ユーザの特徴量から大区分に属する耐久財を該ユーザが購入時に選択する選択確率(購入確率)を算出するモデル「予測モデルA」を構築する。
【0015】
また、モデル生成部102は、同様のデータを特徴量及び教師データとして、ユーザの特徴量から複数階層からなる複数の小区分ごとの該ユーザの選択確率を算出するモデルを構築する。例えば、モデル生成部102は、上位階層の2つの区分(「上位階層区分1」、「上位階層区分」)ごとの選択確率を算出するモデル「予測モデルB」と、上位階層「上位階層区分1」に属する3つの下位階層(「下位階層区分1」、「下位階層区分2」、及び「下位階層区分3」)ごとの選択確率を算出するモデル「予測モデルC」と、上位階層「上位階層区分2」に属する3つの下位階層(「下位階層区分4」、「下位階層区分5」、及び「下位階層区分6」)ごとの選択確率を算出するモデル「予測モデルD」とを構築する。ただし、モデルの構築対象とする小区分の階層数及び区分数は任意の数であってよく、モデル生成部102は、小区分の分岐数に対応した数のモデルを構築する。
【0016】
また、モデル生成部102は、同様のデータを特徴量とし、各ユーザの顧客データに含まれる購入情報に含まれる購入時期に関するデータを教師データとして、ユーザの特徴量から耐久財の時期(年月)ごとの該ユーザの購入確率を算出するモデル「月毎購入予測モデル」を構築する。
【0017】
図4は、モデル生成部102によって構築されたモデルの機能を説明するための図である。このように、全ユーザについて「月毎購入予測モデル」を適用することにより、耐久財の将来の月ごとの購入確率を算出できる。また、全ユーザに対して「予測対象モデルA」を適用することにより、予測対象の大区分の耐久財の選択確率が算出できる。さらに、全ユーザに対して「予測モデルB」、「予測モデルC」、及び「予測モデルD」を適用することにより、階層的に区分された耐久財の選択確率を階層構造の小区分ごとに算出できる。このように、階層構造の小区分ごとの選択確率が求められることにより、ユーザの実際の購入時の嗜好に沿って選択確率のより高い区分を特定することができる。
【0018】
図1に戻って、購入確率算出部103は、全ユーザの顧客データに含まれる属性情報、利用製品情報、及び利用サービス情報等を特徴量とし、モデル生成部102によって構築されたモデルに特徴量を入力することにより、全ユーザに関して、将来の月ごとの耐久財の購入確率と、耐久財の大区分及び複数の小区分ごとの選択確率を示す購入確率データを算出する。
【0019】
図5には、購入確率算出部103によって算出された将来の月ごとの耐久財の購入確率のデータの構成を示し、
図6には、購入確率算出部103によって算出された小区分ごとの耐久財の選択確率のデータの構成を示す。このように、このように、ユーザを識別する識別子に対応付けて、算出された将来の月毎の購入確率、大区分の選択確率、及び階層構造を有する小区分ごとの選択確率を示すデータが記憶される。
【0020】
再び
図1に戻って、ユーザ抽出部104は、将来の特定時期(月)における大区分の耐久財の全体の需要数の予測値を、時系列分析部101によって算出された時系列データから抽出する。そして、ユーザ抽出部104は、購入確率算出部103によって算出された購入確率データを基に、抽出した需要数の予測値分だけ複数のユーザを抽出する。具体的には、ユーザ抽出部104は、購入確率データを参照することにより、上記特定月における購入確率が予め設定された閾値よりも高いユーザの中から、予測対象の大区分の耐久財を選択する選択確率が高い順に、需要数の予測値分だけユーザを抽出する。ユーザ抽出部104は、このようなユーザの抽出を予測対象期間に含まれる月毎に繰り返し実行する。
【0021】
予測値算出部105は、ユーザ抽出部104によって予測対象期間に含まれる月ごとに抽出されたユーザを対象に処理することにより、複数の小区分ごとのユーザ全体の需要数の予測値を時系列データとして算出および出力する。具体的には、予測値算出部105は、複数階層の小区分の選択確率を上位階層から順に参照し、選択確率が最も高い小区分の選択を複数階層ごとに繰り返し、最終的に選択した最下層の小区分を、抽出した全ユーザ分特定する。そして、予測値算出部105は、最下層の小区分ごとに特定したユーザの数を積算することにより、複数の小区分ごとの全体の需要数の予測値を算出する。このとき、予測値算出部105、はユーザの数の積算値をそのまま予測値にしてもよいし、耐久財を購入しうる全体のユーザ数に応じて積算値を換算した値を予測値としてもよい。さらに、予測値算出部105は、小区分ごとの需要数の予測値の算出を、予測対象期間に含まれる月毎に繰り返し行うことにより、予測値の時系列データを算出する。
【0022】
図7には、予測値算出部105によって算出および出力される時系列データの構成の一例を示す。このように、時系列データにおいては、予測対象期間に含まれる時期ごとに、最下層の小区分である、「下位階層区分1」、…、「下位階層区分n」、「下位階層区分n+1」、…ごとの需要数の予測値が含まれる。時系列データは、通信ネットワークを介して受動的あるいは能動的に需要予測装置100の利用者であるユーザの端末装置等の外部装置に送信されてもよいし、需要予測装置100内のディスプレイ等の出力装置に出力されてもよいし、需要予測装置100の内部メモリ等に格納してもよい。
【0023】
このように構成された需要予測装置100の処理について説明する。
図8は、需要予測装置100のモデル構築処理を示すフローチャートであり、
図9は、需要予測装置100の予測値算出処理を示すフローチャートである。モデル構築処理は、予測値算出処理が実行させる前の任意のタイミングで予め実行される。
【0024】
図8に示されるとおり、モデル生成部102は、顧客データ管理装置200から、教師データとして用いるユーザの購入情報を所定のユーザ数分の統計データとして取得し、それらの購入情報に対応するユーザの属性情報等の特徴量(入力データ)を取得する(ステップS101)。次に、モデル生成部102は、取得した教師データ及び特徴量を用いて、耐久財の月ごとのユーザの購入確率を算出するモデル「月毎購入予測モデル」を生成する(ステップS102)。さらに、モデル生成部102は、教師データ及び特徴量から、大区分および複数階層からなる複数の小区分ごとのユーザの選択確率を算出するモデル「予測モデルA」、「予測モデルB」、「予測モデルC」、及び「予測モデルD」を生成する(ステップS103)。
【0025】
図9を参照して、予測値算出処理の流れについて説明する。最初に、購入確率算出部103は、顧客データ管理装置200に格納された顧客データを参照し、全ユーザに関してモデル構築処理で生成されたモデルを適用することにより、将来の月毎の購入確率と大区分及び小区分ごとの選択確率を示す購入確率データを算出する(ステップS201)。次に、購入確率算出部103は、顧客データに格納された予測対象の全ユーザ分の識別情報を基に、予測対象期間に含まれる対象月毎にユーザリストを作成する(ステップS202)。
【0026】
その後、時系列分析部101は、顧客データに含まれる購入情報を集計することにより過去の月毎の需要数の統計データを生成し、その統計データを時系列分析することにより、将来の月毎の需要数の予測値の時系列データを算出する(ステップS203)。そして、ユーザ抽出部104は、ユーザリストおよび選択確率データを基に、予測対象期間の各月毎に、購入確率が閾値よりも高いユーザの中から、予測対象の大区分の選択確率が高い順に需要数の予測値だけユーザを抽出する(ステップS204)。次に、ユーザ抽出部104は、抽出したユーザを該当月のユーザリストから除外する(ステップS205)。さらに、ユーザ抽出部は、予測対象期間に含まれる全ての月についてユーザの抽出が完了したか否かを判定し(ステップS206)、完了していない場合には(ステップS206;No)、処理をステップS204に戻す。
【0027】
一方、ユーザの抽出が完了した場合には(ステップS206;Yes)、予測値算出部105は、予測対象期間に含まれる月毎に、複数階層の小区間ごとに選択確率の最も高い小区分の選択を繰り返すことにより、最下層の小区分を抽出された全ユーザ分特定して最下層の小区分ごとの需要数の予測値を算出する(ステップS207)。最後に、予測値算出部105は、最下層の小区分毎の需要の予測値の算出を対象期間に含まれる全ての月について繰り返すことにより、予測値の時系列データを算出及び出力する(ステップS208)。
【0028】
図10には、予測値算出部105によって需要予測装置100のディスプレイに出力された出力画面のイメージを示している。このように、予測対象期間に含まれる月毎に、小区分を表す「製品A」、「製品B」、「製品C」毎に需要数の予測値がグラフ表示される。
【0029】
つぎに、本実施形態の需要予測装置100の作用効果について説明する。この需要予測装置100によれば、大区分に属する耐久財の需要数の予測値の時系列データが算出される一方で、ユーザの属性情報が予め構築された機械学習のモデルに入力されることにより、各ユーザの時期ごとの耐久財の購入確率と、各ユーザの大区分及び複数の小区分ごとの購入確率とを含む購入確率データが算出される。そして、予測値の時系列データと購入確率データを基に、将来の耐久財の複数の小区分ごとの全体の需要数の予測値が算出される。このように、ユーザ全体の耐久財の需要数の予測値に、ユーザ毎の時期的な購入確率と区分ごとの購入確率が反映されるので、各ユーザの選択の嗜好を加味した小区分ごとの詳細な耐久財の需要の変化を精度高く予測することができる。
【0030】
また、需要予測装置100は、全体の需要数の予測値を算出する際には、予測値の時系列データから特定時期における耐久財の需要数の予測値を抽出した後、各ユーザの購入確率データを基に、特定時期における耐久財の購入確率を基に需要数の予測値の数だけ複数のユーザを抽出し、抽出した複数のユーザに対応する大区分及び複数の小区分ごとの購入確率を基に小区分ごとの需要数を積算することにより、複数の小区分ごとの全体の需要数の予測値を算出している。このようにすれば、大区分に属する耐久財の需要数の予測値分だけ複数のユーザを抽出した後に、その複数のユーザの区分ごとの購入確率を基に小区分ごとの需要数を積算することにより、各ユーザの選択の嗜好をきめ細かく反映した小区分ごとの需要の変化を予測することができる。
【0031】
また、本実施形態では、需要予測装置100は、モデルを用いて、複数階層の複数の小区分ごとの購入確率のデータを算出し、全体の需要数の予測値を算出する際には、抽出した複数のユーザのそれぞれにおいて、購入確率が最も高い小区分の選択を、複数階層ごとに繰り返している。かかる構成により、抽出したユーザ毎に階層的に購入確率の高い小区分の選択を繰り返すことにより、実際のユーザの購入時の嗜好をきめ細かく反映した小区分ごとの需要の変化を予測することができる。
【0032】
また、需要予測装置100は、複数のユーザを抽出する際には、大区分の購入確率が相対的に高いユーザを、耐久財の購入確率を基に抽出している。こうすれば、実際の大区分の耐久財の購入の確率の高いユーザの嗜好を予測結果に反映することで、小区分ごとの需要の変化をより高精度に予測することができる。
【0033】
また、需要予測装置100は、将来の特定時期の耐久財の複数の小区分ごとの全体の需要数の予測を繰り返すことにより、時系列の予測値のデータを算出および出力している。このような機能により、小区分ごとの需要の変化を時系列に予測することができる。
【0034】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0035】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0036】
例えば、本開示の一実施の形態における需要予測装置100は、本開示の需要予測方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図11は、本開示の一実施の形態に係る需要予測装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の需要予測装置100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0037】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。需要予測装置100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0038】
需要予測装置100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0039】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の時系列分析部101、モデル生成部102、購入確率算出部103、ユーザ抽出部104、及び予測値算出部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0040】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、時系列分析部101、モデル生成部102、購入確率算出部103、ユーザ抽出部104、及び予測値算出部105は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0041】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る需要予測方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0042】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0043】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の購入実績データを取得するための取得部(図示せず)などは、通信装置1004によって実現されてもよい。この取得部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0044】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0045】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0046】
また、需要予測装置100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0047】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0048】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0049】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0050】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0051】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0052】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0053】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0054】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0055】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0056】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0057】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0058】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0059】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0060】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0061】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0062】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0063】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0064】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0065】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0066】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0067】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の一形態は、耐久財の需要を予測する需要予測装置を使用用途とし、各ユーザの選択の嗜好を加味した耐久財の区分ごとの需要の変化を予測することを可能にするものである。
【符号の説明】
【0069】
100…需要予測装置、1001…プロセッサ、101…時系列分析部、102…モデル生成部、103…購入確率算出部、104…ユーザ抽出部、105…予測値算出部。