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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】PTHコンジュゲートの液体医薬製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/29 20060101AFI20240823BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240823BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240823BHJP
   A61K 47/56 20170101ALI20240823BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20240823BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 3/14 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 5/18 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240823BHJP
   A61P 39/02 20060101ALI20240823BHJP
   C07K 14/635 20060101ALN20240823BHJP
   C12N 15/16 20060101ALN20240823BHJP
【FI】
A61K38/29
A61K9/08
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/20
A61K47/26
A61K47/56
A61K47/60
A61P1/02
A61P3/14
A61P5/18 ZNA
A61P7/00
A61P7/04
A61P17/14
A61P19/02
A61P19/08
A61P19/10
A61P29/00 101
A61P35/00
A61P39/02
C07K14/635
C12N15/16
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021546680
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020053316
(87)【国際公開番号】W WO2020165087
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】19156485.5
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19168857.1
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518310145
【氏名又は名称】アセンディス ファーマ ボーン ディジージズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スカンズ,アンヤ アール.エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】クリーマン,フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ソレンセン,マイケル デュエルンド
(72)【発明者】
【氏名】バロン,ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】スプローエ,ケネット
【審査官】愛清 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/148883(WO,A1)
【文献】特表2001-525372(JP,A)
【文献】特表2015-504087(JP,A)
【文献】国際公開第2009/053106(WO,A1)
【文献】特表2007-537274(JP,A)
【文献】特表2008-542364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00-38/58
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
C07K 14/635
C12N 15/16
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体医薬製剤であって、前記医薬製剤がPTHコンジュゲート、緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤を含み、前記PTHコンジュゲートが共有結合的及び可逆的に水溶性キャリアに結合したPTH部分を含み、
前記医薬製剤が、
約0.3mg/mLのPTH部分
約1.18mg/mLのコハク酸
約41.7mg/mLのD-マンニトール;及び
約2.5mg/mLのm-クレゾール
を含み、
pHが約4.0であり、
PTHコンジュゲートは、下記式(IIf-i)のものである:
【化1】
[式中、
マークを付されていない破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示しており;
アスタリスクでマークを付された破線は、下記の部分への結合を示す:
【化2】
[式中、
m及びpは独立に400以上500以下の整数である]]
液体医薬製剤。
【請求項2】
0.3mg/mLのPTH部分、1.18mg/mLのコハク酸、41.7mg/mLのD-マンニトール、2.5mg/mLのm-クレゾールを含み、pHは4.0である、請求項1に記載の液体医薬製剤。
【請求項3】
前記医薬製剤がさらにpH調整剤を含む、請求項1又は2に記載の液体医薬製剤。
【請求項4】
前記pH調整剤が、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、水酸化カリウム、リジン、水酸化ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~のいずれか1項に記載の液体医薬製剤。
【請求項5】
前記pH調整剤が、水酸化ナトリウムである、請求項1~のいずれか1項に記載の液体医薬製剤。
【請求項6】
前記PTH部分が、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114及び配列番号115の配列からなる群から選択される配列を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の液体医薬製剤。
【請求項7】
-Dが配列番号51の配列を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の液体医薬製剤。
【請求項8】
-Dは、PTH部分のN末端アミン官能基を介して式(IIf-i)のPTHコンジュゲートに結合している、請求項1~7のいずれか1項に記載の液体医薬製剤。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の液体医薬製剤の製造方法であって、当該方法が、
(i)PTHコンジュゲートを少なくとも緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤と混合する段階;
(ii)段階(i)の混合物のpHを調整する段階;
(iii)任意に、段階(ii)からの混合物を濾過する段階;
(iv)所望の用量数に相当する段階(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる段階;
(v)前記容器を密閉する段階
を含み、
段階(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い、製造方法。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の液体医薬製剤の製造方法であって、当該方法が、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤と混合する段階;
(ii)段階(i)の混合物のpHを調整する段階;
(iii)任意に、段階(ii)からの混合物を濾過する段階;
(iv)所望の用量数に相当する段階(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる段階;
(v)前記容器を密閉する段階
を含み、
段階(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い、製造方法。
【請求項11】
段階(ii)及び(iii)が逆にはならない、請求項9又は10に記載の製造方法。
【請求項12】
段階(i)における前記PTHコンジュゲートをコハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤と混合する、請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
医薬として使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の液体医薬製剤。
【請求項14】
PTHによって治療、抑制、遅延若しくは予防可能な1以上の疾患の治療、抑制、遅延若しくは予防での使用のための、請求項1~12のいずれか1項に記載の液体医薬製剤。
【請求項15】
前記疾患が、低ホスファターゼ血症、ステロイド誘発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症、関節炎、骨関節炎、骨形成不全症、線維性骨異形成、関節リウマチ、パジェット病、悪性腫瘍関連の体液性高カルシウム血症、骨減少症、歯周病、骨折、脱毛症、化学療法誘発性脱毛症及び血小板減少症、慢性歯周炎、顎骨壊死及びALPL遺伝子突然変異による難治性骨折の患者での副甲状腺機能低下症、高リン血症、骨粗鬆症、骨折修復、骨軟化症、骨軟化症及び骨粗鬆症からなる群から選択される、請求項14に記載の使用のための液体医薬製剤。
【請求項16】
前記疾患が副甲状腺機能低下症である、請求項14又は15に記載の使用のための液体医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTHコンジュゲート、緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤を含む液体医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
副甲状腺機能低下症は、最も多くの場合で甲状腺手術に続発する成人での、低血清カルシウム及び不適切に低い(不十分な)循環副甲状腺ホルモンレベルを伴う希な内分泌疾患である。細胞毒性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、及びそれのリガンドPD-L1などの免疫チェックポイント分子を標的とする免疫療法を受けた患者も、副甲状腺での免疫関連の有害事象として副甲状腺機能低下症を発症する可能性がある。副甲状腺機能低下症の標準治療には、活性化ビタミンDアナログ及びカルシウム補充などがあり、これらは、尿中カルシウム排泄の異常増加という代償を払って、カルシウムとリンの吸収と血清レベルを高めるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
PTHは、カルシウムレベル低下に応答して副甲状腺から分泌される内分泌ホルモンである。2015年に、副甲状腺機能低下症患者のビタミンDとカルシウムに対する補助剤として、PTH(1-84)であるナトパラが、1日1回の皮下注射用として承認された。これは当該疾患の治療における重要な進歩を代表するものであるが、ナトパラは、治療を受ける患者での従来の治療法と比較して、高カルシウム血症(高い血清カルシウムレベル)、低カルシウム血症(低い血清カルシウム)、又は高カルシウム尿症(高い尿中カルシウム)の発生率を低下させる能力を示していない。
【0004】
PTHはプロテアーゼによって分解されるため、皮下経路で投与すると、急速に吸収及び代謝される。そのため、副甲状腺機能低下症に対する改善されたPTHに基づく治療法が強く必要とされている。
【0005】
PEG化によるPTHのPEGへの結合が、生理的安定性を改善するための一つのアプローチである。WO2003/064462A1に、PTH(1-34)及びCys-PTH(1-35)の安定なコンジュゲート並びにPEG誘導体を含む製剤が開示されている。その特許出願は、PTHバリアントと水溶性ポリマーがPTH上のアルデヒド-PEGとアミン基の反応によって得られる加水分解性連結を介して連結され得ることも示唆しているが、投与まで、そのようなコンジュゲートを取得または保存する方法については詳細を提供していない。
【0006】
可逆的プロドラッグリンカーを介した、PEGなどの水溶性キャリア部分(water-soluble carrier moiety)への結合に基づくPTHのイン・ビボ半減期を増加させる範囲の拡大が、WO2017/148883A1、WO2018/060310A1、WO2018/060311A1及びWO2018/060312A1で検討されている。しかしながら、これらの可逆的コンジュゲートの安定な貯蔵を可能にする液体医薬製剤に関する情報は提供されていない。
【0007】
水溶性キャリアが可逆的連結を介してPTHに結合している、そのようなPTHコンジュゲートの医薬製剤は、貯蔵時の早期PTH放出を回避するために、PTHコンジュゲートの十分な安定性を提供しなければならない。キャリアとPTHの間の可逆的連結が貯蔵中に劣化した場合、その容易に入手可能な薬剤の濃度が上昇する。これは、超生理的レベルのPTH投与をもたらして、投与時に過剰投与を生じる可能性があり、それによって高カルシウム血症又は骨減少症に至り得る。したがって、カルシウム恒常性及び正常な代謝速度を維持するPTHの徐放を達成することが、副甲状腺機能低下症の治療において重要である。
【0008】
さらに、貯蔵時に放出される薬剤は、患者への投与時に急速な腎クリアランスを受け、その結果、長時間作用型製剤が治療的に妥当な量の薬剤を提供する時間が短縮される。
【0009】
さらに、PTH又はそれのバリアント、コンジュゲート又は誘導体は、貯蔵時に分解反応を受ける可能性があり、その結果、下記のものなどの相当する製剤内に不純物の形成/ペプチド損傷が生じ得ることが知られている。
・メチオニン(Met-M)残基のメチオニンスルホキシド及びメチオニンスルホンへの酸化から生じる分解生成物;
・トリプトファン(Trp/T)残基のオキシインドール-3-アラニン、5-ヒドロキシトリプトファン又は二酸化を介したN-ホルミルキヌレニン及びキヌレニンへの酸化から生じる分解生成物;
・アスパラギン酸(Asp/D)又はアスパラギン酸残基のスクシンイミド中間体などを介したイソアスパラギン酸又はイソアスパラギン酸への異性化から生じる分解生成物;
・アスパラギン酸又はアスパラギン酸残基でのペプチド結合開裂から生じるC末端Asp切断ペプチドなどの分解生成物;
・アスパラギン残基(Asn/N)のアスパラギン酸又はアスパラギン酸塩への脱アミド化、及び/又はスクシンイミド中間体などを介したイソアスパラギン酸若しくはイソアスパラギン酸塩への脱アミド化から生じる分解生成物;
・アスパラギン残基でのペプチド結合開裂から生じるC末端Asn又はAsp切断ペプチドなどの分解生成物;
・グルタルイミド中間体などを介したグルタミン残基(Gln/Q)のグルタミン酸又はイソグルタミン酸への脱アミド化から生じる分解生成物;並びに
・ペプチドの凝集から生じる凝集体。
【0010】
貯蔵時に形成され得る前述の分解生成物又は凝集体は、PTH部分の生理活性を損なう可能性があることから、貯蔵中のそれらの形成を最小限に抑えることが望ましい。さらに、PTH部分と水溶性キャリアとの間の可逆的連結は、PTHコンジュゲートを含む液体製剤の貯蔵を困難にする。
【0011】
そこで、可逆的リンカーを介して水溶性キャリアに共有結合的に連結されたPTHを含むPTHコンジュゲートの好適な液体医薬製剤であって、ペプチドが長期貯蔵後であっても許容される不純物プロファイル及び制限された早期PTH放出を示す液体医薬製剤を確認することが重要である。
【0012】
従って、本発明の目的は、上記の欠点を少なくとも部分的に克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、液体医薬製剤であって、当該液体医薬製剤がPTHコンジュゲート、緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤を含み、当該PTHコンジュゲートが共有結合的及び可逆的に水溶性キャリア部分に結合したPTH部分を含む液体医薬製剤で達成される。
【0014】
驚くべきことに、本発明の液体医薬製剤によって、安定な長期貯蔵が可能となることが見出された。さらに驚くべきことに、液体医薬製剤中でのPTHコンジュゲートの凝集が本発明の液体医薬製剤では低減されることが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の意味の範囲内で、用語は下記のように用いられる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「PTH」という用語は、血清カルシウム及び腎臓リン排泄を上昇させること、及び血清リン及び腎臓カルシウム排泄を低下させることを特徴とする、特定の実施形態においては哺乳動物種からの、例えばヒト及び哺乳動物種からの、特にはヒト及びネズミ科の種からの全てのPTHポリペプチド、並びにそれらのバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、そしてそれらの誘導体及び断片を指す。
【0017】
「PTH」という用語は、共通のPTH/PTHrP1受容体と結合し、それを活性化する、全てのPTHrPポリペプチドも指す。特定の実施形態において、「PTH」という用語は、PTHポリペプチド、並びに本質的に同じ生理活性を示す、すなわち、血清カルシウム及び腎臓リン排泄を上昇させ、血清リン及び腎臓カルシウム排泄を低下させる、それのバリアント、ホモログ及び誘導体を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「PTHポリペプチドバリアント」という用語は、基準PTH又はPTHrPポリペプチドとは異なる、同じ種からのポリペプチドを指す。特定の実施形態において、そのような基準は、PTHポリペプチド配列である。一般に、差は限られていることから、基準及びバリアントのアミノ酸配列は、全体にわたって近似しており、多くの領域において同一である。特定の実施形態において、PTHポリペプチドバリアントは、基準PTH又はPTHrPポリペプチドと、少なくとも70%、80%、90%又は95%同一である。クエリアミノ酸配列と少なくとも例えば95%「同一の」アミノ酸配列を有するポリペプチドは、対象ポリペプチドのアミノ酸配列が、クエリアミノ酸配列のアミノ酸100個ごとに5個以下のアミノ酸変化を含み得ることを除いて、クエリ配列と同一であることを意味する。基準配列のこれらの変化は、基準アミノ酸配列のアミノ末端(N末端)若しくはカルボキシ末端(C末端)位置に存在してもよく、又は基準配列内の残基の中に個々に散在する、若しくは基準配列内の1以上の隣接する基内に散在する、これらの末端位置の間のいずれの位置に存在してもよい。クエリ配列は、基準配列の全アミノ酸配列であってもよく、又は本明細書に記載のいずれの断片であってもよい。
【0019】
そのようなPTHポリペプチドバリアントは、染色体若しくは生物の所与の座位を占有するPTH又はPTHrPのいくつかの代替形態のうちの一つによってコードされた天然対立遺伝子バリアントなどの、天然に存在するバリアントであることができ、又は単一の一次転写産物に由来する天然スプライスバリアントによってコードされたアイソフォームであることができる。あるいは、PTHポリペプチドバリアントは、天然に存在することが知られておらず、当技術分野で公知の変異誘発法によって作ることができるバリアントであってもよい。
【0020】
生物学的機能をほとんど失うことなく、生理活性ポリペプチドのN末端又はC末端から1以上のアミノ酸を欠失させることができることは、当技術分野において公知である。そのようなN及び/又はC末端欠失も、PTHポリペプチドバリアントという用語によって包含される。
【0021】
PTH又はPTHrPポリペプチドの一部のアミノ酸配列を、該ポリペプチドの構造又は機能にほとんど影響を与えることなく変えることができることも、当業者は認識している。そのような変異体は、活性に殆ど影響を与えないように当技術分野において公知の一般則に従って選択される、欠失、挿入、反転、反復及び置換を含む。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を行う方法に関する指針が、Bowie et al. (1990), Science 247:1306-1310(参照によって、全体が本明細書に組み入れられる)に提供されており、その著者らは、変化に対するアミノ酸配列の耐容性を研究するのに二つの主要アプローチがあることを示している。
【0022】
PTHバリアントは、脱アミド化又は脱アミド化様反応(例えば、異性化)を受け得るいずれか1以上、最大で全ての残基が、貯蔵前に、脱アミド化又は脱アミド化様反応によって、いずれかの程度、最大で100%変換/被変換残基まで、他の残基に意図的に変換されるペプチドであることもできる。PTHバリアントは、酸化を受け得るいずれか1以上、最大で全ての残基が、貯蔵前に、いずれかの程度、最大で100%変換/被変換残基まで、他の残基に意図的に変換されるペプチドであることもできる。
【0023】
特定の実施形態において、「PTH」という用語は、下記のポリペプチド配列を指す。
配列番号1 (PTH 1-84):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKSQ
配列番号2 (PTH 1-83):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKS
配列番号3 (PTH 1-82):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAK
配列番号4 (PTH 1-81):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKA
配列番号5 (PTH 1-80):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTK
配列番号6 (PTH 1-79):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLT
配列番号7 (PTH 1-78):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVL
配列番号8 (PTH 1-77):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNV
配列番号9 (PTH 1-76):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVN
配列番号10 (PTH 1-75):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADV
配列番号11 (PTH 1-74):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKAD
配列番号12 (PTH 1-73):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKA
配列番号13 (PTH 1-72):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADK
配列番号14 (PTH 1-71):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEAD
配列番号15 (PTH 1-70):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEA
配列番号16 (PTH 1-69):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGE
配列番号17 (PTH 1-68):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLG
配列番号18 (PTH 1-67):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSL
配列番号19 (PTH 1-66):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKS
配列番号20 (PTH 1-65):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEK
配列番号21 (PTH 1-64):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHE
配列番号22 (PTH 1-63):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESH
配列番号23 (PTH 1-62):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVES
配列番号24 (PTH 1-61):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVE
配列番号25 (PTH 1-60):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLV
配列番号26 (PTH 1-59):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVL
配列番号27 (PTH 1-58):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNV
配列番号28 (PTH 1-57):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDN
配列番号29 (PTH 1-56):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKED
配列番号30 (PTH 1-55):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKE
配列番号31 (PTH 1-54):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKK
配列番号32 (PTH 1-53):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRK
配列番号33 (PTH 1-52):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPR
配列番号34 (PTH 1-51):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRP
配列番号:35 (PTH 1-50):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQR
配列番号36 (PTH 1-49):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQ
配列番号37 (PTH 1-48):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGS
配列番号38 (PTH 1-47):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAG
配列番号39 (PTH 1-46):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDA
配列番号40 (PTH 1-45):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRD
配列番号41 (PTH 1-44):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPR
配列番号42 (PTH 1-43):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAP
配列番号43 (PTH 1-42):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLA
配列番号44 (PTH 1-41):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPL
配列番号45 (PTH 1-40):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAP
配列番号46 (PTH 1-39):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGA
配列番号47 (PTH 1-38):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALG
配列番号48 (PTH 1-37):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVAL
配列番号49 (PTH 1-36):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVA
配列番号:50 (PTH 1-35):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFV
配列番号51 (PTH 1-34):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNF
配列番号52 (PTH 1-33):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHN
配列番号53 (PTH 1-32):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVH
配列番号:54 (PTH 1-31):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDV
配列番号55 (PTH 1-30):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQD
配列番号56 (PTH 1-29):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQ
配列番号57 (PTH 1-28):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKL
配列番号58 (PTH 1-27):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKK
配列番号59 (PTH 1-26):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRK
配列番号60 (PTH 1-25):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLR
配列番号61 (アミド化PTH 1-84):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKSQ(C末端がアミド化されている)
配列番号62 (アミド化PTH 1-83):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKS(C末端がアミド化されている)
配列番号63 (アミド化PTH 1-82):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAK(C末端がアミド化されている)
配列番号64 (アミド化PTH 1-81):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKA(C末端がアミド化されている)
配列番号65 (アミド化PTH 1-80):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTK(C末端がアミド化されている)
配列番号66 (アミド化PTH 1-79):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLT(C末端がアミド化されている)
配列番号67 (アミド化PTH 1-78):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVL(C末端がアミド化されている)
配列番号68 (アミド化PTH 1-77):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNV(C末端がアミド化されている)
配列番号69 (アミド化PTH 1-76):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVN(C末端がアミド化されている)
配列番号70 (アミド化PTH 1-75):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADV(C末端がアミド化されている)
配列番号71 (アミド化PTH 1-74):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKAD(C末端がアミド化されている)
配列番号72 (アミド化PTH 1-73):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKA(C末端がアミド化されている)
配列番号73 (アミド化PTH 1-72):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADK(C末端がアミド化されている)
配列番号74 (アミド化PTH 1-71):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEAD(C末端がアミド化されている)
配列番号75 (アミド化PTH 1-70):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEA(C末端がアミド化されている)
配列番号76 (アミド化PTH 1-69):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGE(C末端がアミド化されている)
配列番号77 (アミドPTH 1-68):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLG(C末端がアミド化されている)
配列番号78 (アミド化PTH 1-67):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSL(C末端がアミド化されている)
配列番号79 (アミド化PTH 1-66):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKS(C末端がアミド化されている)
配列番号80 (アミド化PTH 1-65):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEK(C末端がアミド化されている)
配列番号81 (アミド化PTH 1-64):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHE(C末端がアミド化されている)
配列番号82 (アミド化PTH 1-63):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESH(C末端がアミド化されている)
配列番号83 (アミド化PTH 1-62):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVES(C末端がアミド化されている)
配列番号84 (アミド化PTH 1-61):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVE(C末端がアミド化されている)
配列番号85 (アミド化PTH 1-60):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLV(C末端がアミド化されている)
配列番号86 (アミド化PTH 1-59):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVL(C末端がアミド化されている)
配列番号87 (アミド化PTH 1-58):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNV(C末端がアミド化されている)
配列番号88 (アミド化PTH 1-57):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDN(C末端がアミド化されている)
配列番号89 (アミド化PTH 1-56):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKE(C末端がアミド化されている)
配列番号90 (アミド化PTH 1-55):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKE(C末端がアミド化されている)
配列番号91 (アミド化PTH 1-54):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKK(C末端がアミド化されている)
配列番号92 (アミド化PTH 1-53):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRK(C末端がアミド化されている)
配列番号93 (アミド化PTH 1-52):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPR(C末端がアミド化されている)
配列番号94 (アミド化PTH 1-51):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRP(C末端がアミド化されている)
配列番号95 (アミド化PTH 1-50):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQR(C末端がアミド化されている)
配列番号96 (アミド化PTH 1-49):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQ(C末端がアミド化されている)
配列番号97 (アミド化PTH 1-48):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGS(C末端がアミド化されている)
配列番号98 (アミド化PTH 1-47):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAG(C末端がアミド化されている)
配列番号99 (アミド化PTH 1-46):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDA(C末端がアミド化されている)
配列番号100 (アミド化PTH 1-45):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRD(C末端がアミド化されている)
配列番号101 (アミド化PTH 1-44):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPR(C末端がアミド化されている)
配列番号102 (アミド化PTH 1-43):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAP(C末端がアミド化されている)
配列番号103 (アミド化PTH 1-42):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLA(C末端がアミド化されている)
配列番号104 (アミド化PTH 1-41):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPL(C末端がアミド化されている)
配列番号105 (アミド化PTH 1-40):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAP(C末端がアミド化されている)
配列番号106 (アミド化PTH 1-39):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGA(C末端がアミド化されている)
配列番号107 (アミド化PTH 1-38):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALG(C末端がアミド化されている)
配列番号108 (アミド化PTH 1-37):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVAL(C末端がアミド化されている)
配列番号109 (アミド化PTH 1-36):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVA(C末端がアミド化されている)
配列番号110 (アミド化PTH 1-35):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFV(C末端がアミド化されている)
配列番号111 (アミド化PTH 1-34):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNF(C末端がアミド化されている)
配列番号112 (アミド化PTH 1-33):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHN(C末端がアミド化されている)
配列番号113 (アミド化PTH 1-32):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVH(C末端がアミド化されている)
配列番号114 (アミド化PTH 1-31):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDV(C末端がアミド化されている)
配列番号115 (アミド化PTH 1-30):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQD(C末端がアミド化されている)
配列番号116 (アミド化PTH 1-29):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQ(C末端がアミド化されている)
配列番号117 (アミド化PTH 1-28):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKL(C末端がアミド化されている)
配列番号118 (アミド化PTH 1-27):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKK(C末端がアミド化されている)
配列番号119 (アミド化PTH 1-26):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRK(C末端がアミド化されている)
配列番号120 (アミド化PTH 1-25):
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLR(C末端がアミド化されている)
配列番号121 (PTHrP):
AVSEHQLLHDKGKSIQDLRRRFFLHHLIAEIHTAEIRATSEVSPNSKPSPNTKNHPVRFGSDDEGRYLTQETNKVETYKEQPLKTPGKKKKGKPGKRKEQEKKKRRTRSAWLDSGVTGSGLEGDHLSDTSTTSLELDSRRH
【0024】
PTHポリペプチドという用語は、PTH又はPTHrPアナログ、オルソログ、及び/又は種ホモログによってコードされた全てのPTH又はPTHrPポリペプチドも包含する。PTHrP及びPTHrPアナログが共通のPTH/PTHrP1受容体に結合して該受容体を活性化させるため、PTHポリペプチドという用語が全てのPTHrPアナログも包含することも、当業者は認識している。
【0025】
本明細書で使用される場合、「PTHアナログ」という用語は、異なる無関係の生物のPTH又はPTHrPであって、各生物において同じ機能を行うが、それらの生物の祖先が共通して持っていた祖先構造が起源ではないPTH又はPTHrPを指す。そうではなく、類似のPTH及びPTHrPが別々に生じ、そしてその後、同じ又は同様の機能を果たすように進化したものである。言い換えると、類似のPTH及びPTHrPポリペプチドが全く異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドであるが、同じ生理活性を有する、すなわち血清カルシウム及び腎臓リン排泄を上昇させ、血清リン及び腎臓カルシウム排泄を低下させるポリペプチドである。
【0026】
本明細書で使用される場合、「PTHオルソログ」という用語は、二つの異なる種内のPTH又はPTHrPであって、祖先種における共通の相同PTH又はPTHrPによって互いの配列に関連性はあるが、互いに異なるものになるように進化したPTH又はPTHrPを指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「PTHホモログ」という用語は、異なる生物のPTH又はPTHrPであって、各生物において同じ機能を行い、それらの生物の祖先が共通して持っていた祖先構造が起源である、異なる生物のPTH又はPTHrPを指す。言い換えると、相同PTHポリペプチドは、同じ生物活性を有する、すなわち、血清カルシウム及び腎臓リン排泄を上昇させ、血清リン及び腎臓カルシウム排泄を低下させる、非常に近似したアミノ酸配列を有するポリペプチドである。特定の実施形態において、PTHポリペプチドホモログは、基準PTH又はPTHrPポリペプチドと少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の同一性を示すポリペプチドと定義することができる。
【0028】
したがって、PTHポリペプチドは、例えば、(i)アミノ酸残基の少なくとも一つが、保存又は非保存アミノ酸残基、特定の実施形態においては保存アミノ酸残基で置換されており、そのような置換されたアミノ酸残基が遺伝コードによってコードされているものであってもよく、又はなくてもよいもの、及び/又は(ii)アミノ酸残基の少なくとも一つが置換基を含むもの、及び/又は(iii)PTHポリペプチドが、別の化合物、例えば、該ポリペプチドの半減期を延長するための化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合しているもの、及び/又は(iv)IgG Fc融合領域ポリペプチド若しくはリーダー若しくは分泌配列、又は上記形態のポリペプチドの精製に用いられる配列、又はタンパク質前駆体配列などの、さらなるアミノ酸がPTHポリペプチドに融合しているものであることができる。
【0029】
本明細書で使用される場合、「PTHポリペプチド断片」という用語は、PTH又はPTHrPポリペプチドのアミノ酸配列の一部の連続する範囲を含む任意のポリペプチドを指す。
【0030】
より具体的には、PTHポリペプチド断片は、PTH又はPTHrPポリペプチドの少なくとも6、例えば、少なくとも8、少なくとも10又は少なくとも17の連続するアミノ酸を含む。さらに、PTHポリペプチド断片は、少なくとも6アミノ酸を含むPTH又はPTHrPポリペプチドの亜属と記載されることがあり、この場合の「少なくとも6」は、6と、PTH又はPTHrPポリペプチドのC末端アミノ酸を表す整数との間の任意の整数と定義される。N末端及びC末端位置に関してさらに指定されている、上記のような、長さ少なくとも6アミノ酸のPTH又はPTHrPポリペプチド断片の種もさらに含まれる。
【0031】
N末端及びC末端位置によって特に特定され得る、上記のような長さが少なくとも6アミノ酸の全てのPTH又はPTHrPポリペプチド断片の種も、個々の種として「PTHポリペプチド断片」という用語に包含される。すなわち、PTH又はPTHrPポリペプチドの所与のいずれかのアミノ酸配列上の、少なくとも6連続アミノ酸残基の長さの断片が占有し得るN末端位置とC末端位置のあらゆる組合せである。
【0032】
「PTH」という用語は、上記の配列を有するが、例えばデプシペプチドのような、アミド連結と非アミド連結、例えばエステル連結の両方を含む骨格を有する、ポリ(アミノ酸)コンジュゲートも含む。デプシペプチドは、骨格がアミド(ペプチド)結合とエステル結合の両方を含む、アミノ酸残基の鎖である。したがって、本明細書で使用される場合、「側鎖」という用語は、アミノ酸部分が、例えばポリペプチドでのようにアミン結合によって連結されている場合にアミノ酸部分のα-炭素に結合している部分構造を指すか、例えばデプシペプチドの場合のようなポリ(アミノ酸)コンジュゲートの骨格に結合している任意の炭素原子含有部分を指す。
【0033】
特定の実施形態において、「PTH」という用語は、アミド(ペプチド)結合によって形成される骨格を有するポリペプチドを指す。
【0034】
PTHという用語は、PTH又はPTHrPの上記バリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及び断片を含むことから、基準配列内の特定の位置に言及する場合はいずれも、具体的に述べられていない場合であっても、PTH又はPTHrP部分のバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及び断片における等価な位置も含むものである。
【0035】
本明細書で使用される場合、「PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分」という表現とそれに続くmg/mL単位での量は、当該液体製剤がPTHコンジュゲートを含むが、相当する量については、全長PTHコンジュゲートではなく、PTH部分のみを考慮する、すなわち、水溶性キャリア部分などのPTH部分以外のPTHコンジュゲートの部分は考慮しないことを意味する。PTHコンジュゲート内のPTH部分の量は、PTHコンジュゲートの酸性条件下での全加水分解後のアミノ酸定量分析によって、又は既知PTH部分含有量のPTHコンジュゲートと比較した未知サンプルの定量を可能とするいずれか公知の分析方法によって求めることができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、数値と組み合わせて使用される「約」という用語は、その数値を含めてその数値+/-当該数値の10%以下、特定の実施形態において当該数値の8%以下、特定の実施形態において当該数値の5%以下、特定の実施形態において当該数値の2%以下の範囲を示すのに使用される。例えば、「約200」という句は、200+/-10%の範囲を意味し、すなわち、180~220の範囲、特定の実施形態において200+/-8%の範囲、すなわち、184~216の範囲、特定の実施形態において200+/-5%の範囲、すなわち、190~210の範囲、最も好ましくは、200+/-2%の範囲、すなわち、196~204の範囲を意味するのに使用される。「約20%」として与えられる百分率は、「20%+/-10%」、すなわち10~30%の範囲であることを意味するのではなく、「約20%」は、18~22%、すなわち、20である数値のプラス/マイナス10%の範囲であることを意味することが理解される。
【0037】
本明細書で使用される場合、「抗菌剤」という用語は、細菌、真菌、酵母、原生動物などの微生物を死滅若しくは増殖阻害し、及び/又はウィルスを破壊する化学物質を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「吸着抑制剤」という用語は、主として、製剤の入った容器の内表面をコーティングするか競争的にその表面に吸着するのに使用されるイオン性若しくは非イオン性界面活性剤、タンパク質又は可溶性ポリマーを指す。賦形剤の選択される濃度及び種類は、回避されるべき影響によって決まるが、代表的には、界面活性剤の単層が臨界ミセル濃度(CMC)値よりわずかに高い濃度で界面に形成される。
【0039】
本明細書で使用される場合、「緩衝液」又は「緩衝剤」という用語は、pHを所望の範囲に維持する化合物を指す。生理的に耐容される緩衝剤は、例えばリン酸ナトリウム、コハク酸塩、ヒスチジン、重炭酸塩、クエン酸塩、及び酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、ピルビン酸塩である。Mg(OH)又はZnCOなどの制酸剤も用いることができる。
【0040】
本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせでの「C1-4アルキル」という用語は、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖又は分岐C1-4アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルである。分子の二つの部分がC1-4アルキルによって結合されている場合には、そのようなC1-4アルキル基の例は、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-CH-CH-CH-、-CH(C)-、-C(CH-である。C1-4アルキル炭素の各水素は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。任意に、C1-4アルキルに以下で定義の1以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせでの「C1-6アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖及び分岐C1-6アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルである。分子の二つの部分がC1-6アルキル基によって結合されている場合には、そのようなC1-6アルキル基の例は、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-CH-CH-CH-、-CH(C)-及び-C(CH-である。C1-6炭素の各水素原子は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。任意に、C1-6アルキルに下記で定義の1以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0042】
したがって、「C1-10アルキル」、「C1-20アルキル」又は「C1-50アルキル」は、それぞれ、1~10、1~20、又は1~50個の炭素原子を有するアルキル鎖を意味し、C1-10、C1-20又はC1-50炭素の各水素原子は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。任意に、C1-10、C1-20アルキル又はC1-50アルキルに下記で定義の1以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0043】
本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせでの「C2-6アルケニル」という用語は、2~6個の炭素原子を有する、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-CH=CH、-CH=CH-CH、-CH-CH=CH、-CH=CHCH-CH及び-CH=CH-CH=CHである。分子の二つの部分がC2-6アルケニルによって結合されている場合には、そのようなC2-6アルケニルの例は、-CH=CH-である。C2-6アルケニル部分の各水素原子は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。任意に、C2-6アルケニルに下記で定義の1以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0044】
したがって、単独で又は組合せでの「C2-10アルケニル」、「C2-20アルケニル」又は「C2-50アルケニル」という用語は、2~10、2~20、又は2~50個の炭素原子を有する、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。C2-10アルケニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルケニル基の各水素原子は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。任意に、C2-10アルケニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルケニルに下記で定義の1以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0045】
本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせでの「C2-6アルキニル」という用語は、2~6個の炭素原子を有する、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-C≡CH、-CH-C≡CH、CH-CH-C≡CH及びCH-C≡C-CHである。分子の二つの部分がアルキニル基によって結合されている場合には、例は、-C≡C-である。C2-6アルキニル基の各水素原子は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。任意に、1以上の二重結合が存在してもよい。任意に、C2-6アルキニルに下記で定義の1以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0046】
したがって、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせでの「C2-10アルキニル」、「C2-20アルキニル」又は「C2-50アルキニル」という用語はそれぞれ、2~10、2~20、又は2~50個の炭素原子を有する、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。C2-10アルキニル、C2-20アルキニル又はC2-50アルキニル基の各水素原子は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。任意に、1以上の二重結合が存在してもよい。任意に、C2-10アルキニル、C2-20アルキニル又はC2-50アルキニルに下記で定義の1以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0047】
上記で述べたように、C1-4アルキル、C1-6アルキル、C1-10アルキル、C1-20アルキル、C1-50アルキル、C2-6アルケニル、C2-10アルケニル、C2-20アルケニル、C2-50アルケニル、C2-6アルキニル、C2-10アルキニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルキニルに、特定の実施形態において下記のものからなる群から選択される1以上の部分が割り込んでいても良い。
【化1】
式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Rは、互いに独立に、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される。
【0048】
本明細書で使用される場合、「C3-10シクロアルキル」という用語は、飽和若しくは不飽和であることができる、3~10個の炭素原子を有する環状アルキル鎖、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシルを意味する。C3-10シクロアルキル炭素の各水素原子は、上記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。「C3-10シクロアルキル」という用語は、ノルボルナン又はノルボルネンのような架橋した二環も含む。
【0049】
本明細書で使用される場合、「8~30員カルボポリシクリル」又は「8~30員炭素多環」という用語は、8~30個の環原子を有し、二つの隣接する環が少なくとも1個の環原子を共有している、2環以上の環状部分であって、最大数までの二重結合(完全飽和、部分飽和又は不飽和である芳香族又は非芳香族環)を含有することができる環状部分を意味する。特定の実施形態において、8~30員カルボポリシクリルは、2、3、4又は5環、特定の実施形態において2、3又は4環の環状部分を意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「3~10員ヘテロシクリル」又は「3~10員複素環」という用語は、3、4、5、6、7、8、9又は10個の環原子を有し、少なくとも1個の環原子、最大で4個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられている環であって、最大数までの二重結合(完全飽和、部分飽和又は不飽和である芳香族又は非芳香族環)を含有することができ、炭素又は窒素原子によって分子の残部に結合している環を意味する。3~10員複素環の例には、アジリジン、オキシラン、チイラン、アジリン、オキシレン、チイレン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チアジアゾール、チアジアゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアジアゾリジン、スルホラン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、イミダゾリジン、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、テトラゾール、トリアゾール、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ジアゼパン、アゼピン及びホモピペラジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。3~10員ヘテロシクリル又は3~10員複素環式基の各水素原子は、下記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。
【0051】
本明細書で使用される場合、「8~11員ヘテロビシクリル」又は「8~11員複素二環」という用語は、8~11個の環原子を有し、最大数までの二重結合(完全飽和、部分飽和又は不飽和である芳香族又は非芳香族環)を含有することができる、2環の複素環式部分であって、少なくとも1個の環原子が、両方の環によって共有されており、少なくとも1個の環原子、最大で6個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられており、前記環が、炭素又は窒素原子によって分子の残部に結合している、複素環式部分を意味する。8~11員複素二環の例は、インドール、インドリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾリン、キノリン、キナゾリン、ジヒドロキナゾリン、キノリン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、デカヒドロキノリン、イソキノリン、デカヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロイソキノリン、ベンザゼピン、プリン及びプテリジンである。8~11員複素二環という用語は、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカンのような2環のスピロ構造、又は8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンのような架橋複素環も含む。8~11員ヘテロビシクリル又は8~11員複素二環炭素の各水素原子は、下記で定義の置換基によって置き換わっていても良い。
【0052】
同様に、「8~30員ヘテロ多環の」又は「8~30員ヘテロ多環」という用語は、8~30個の環原子を有し、最大数までの二重結合(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)を含有することができる、二つより多くの環、特定の実施形態においては3、4又は5環の複素環式部分であって、二つの隣接する環が、少なくとも1個の環原子を共有しており、少なくとも1個の環原子、最大で10個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)の群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられており、前記環が、炭素又は窒素原子によって分子の残部に結合している、複素環式部分を意味する。
【0053】
下記構造:
【化2】
の部分に関して、「ペアR/Rは、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルを形成する」という句は、R及びRが、下記構造を形成することを意味することが理解される。
【化3】
式中、Rは、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルである。
下記構造:
【化4】
の部分に関して、「ペアR/Rは、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成する」という句は、R及びRが、下記構造を形成することを意味することも理解される。
【化5】
【0054】
本明細書で使用される場合、「医薬(drug)」という用語は、疾患の治療、治癒、予防若しくは診断で使用される、又は他の形で身体若しくは精神の安寧を促進するのに使用される物質を指す。PTHなどの医薬が別の部分に結合している場合、そのPTHに由来した結果的な製造物の部分は「PTH部分」と称される。
【0055】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、治療剤とともに投与される化合物、例えば緩衝剤、等張性調整剤、保存剤、安定化剤、吸着抑制剤、酸化防止剤、又は他の補助剤を指す。しかしながら、場合により、一つの賦形剤が二重又は三重の機能を有し得る。「賦形剤」という用語は、医薬若しくは医薬コンジュゲートなどの治療剤を投与するのに一緒に使用される、希釈剤、アジュバント又は媒体(vehicle)を指すこともできる。そのような医薬品添加剤は、滅菌液、たとえば水及び油とすることができるが、油には、石油、動物、植物若しくは合成起源のものがあり、それには落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などがあるが、これらに限定されるものではない。医薬製剤が経口投与される場合には、水が好ましい賦形剤である。医薬製剤が静脈投与される場合、生理食塩水及びブドウ糖水溶液が好ましい賦形剤である。特定の実施形態において、注射用液用の液体賦形剤としては、生理食塩水及びブドウ糖水溶液及びグリセロール溶液を用いる。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、トレハロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどがある。液体医薬製剤は、所望に応じて、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、例えば酢酸塩、コハク酸塩、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、炭酸塩、リン酸塩、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)なども含有することもでき、又は、界面活性剤、例えばTween(登録商標)、ポロキサマー、ポロキサミン、CHAPS、Igepal(登録商標)など、又はアミノ酸、例えばグリシン、リジン若しくはヒスチジンなどを含有することができる。これらの医薬製剤は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形をとることができる。医薬製剤は、従来の結合剤及び添加剤、例えばトリグリセリドなどを用いて坐剤として製剤することができる。経口製剤は、標準的な賦形剤、例えば医薬用のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含有することができる。そのような製剤は、治療上有効な量の医薬若しくは医薬部分を、患者への適正投与のための形態を提供するために適当な量の賦形剤とともに含有することになる。製剤は投与方法にふさわしいものであるべきである。
【0056】
本明細書で使用される場合、「製剤」、「医薬製剤」、「混合物」又は「組成物」という用語は、1以上の有効成分及び1以上の賦形剤を含む製剤、並びに、直接若しくは間接に、製剤の成分のいずれか2以上の組み合わせ、複合体化若しくは凝集によって生じる、又はそれら成分の1以上の解離によって生じる、又はそれら成分の1以上の他の種類の反応若しくは相互作用によって生じる製造物を指す。従って、本発明の液体医薬製剤は、1以上のPTHコンジュゲート及び薬学的に許容される賦形剤、例えば緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤を混合することで作られる製剤又は組成物を包含する。
【0057】
本明細書で使用される場合、医薬の「遊離型」という用語は、例えばコンジュゲートから放出された後に、未修飾の薬理的に完全に活性な形態での医薬を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「官能基」という用語は、他の原子団と反応することができる原子団を意味する。官能基には、次の基:カルボン酸(-(C=O)OH)、一級又は二級アミン(-NH、-NH-)、マレイミド、チオール(-SH)、スルホン酸(-(O=S=O)OH)、カーボネート、カルバメート(-O(C=O)N<)、ヒドロキシル(-OH)、アルデヒド(-(C=O)H)、ケトン(-(C=O)-)、ヒドラジン(>N-N<)、イソシアネート、イソチオシアネート、リン酸(-O(P=O)OHOH)、ホスホン酸(-O(P=O)OHH)、ハロアセチル、ハロゲン化アルキル、アクリロイル、フッ化アリール、ヒドロキシルアミン、ジスルフィド、スルホンアミド、スルホン酸、ビニルスルホン、ビニルケトン、ジアゾアルカン、オキシラン及びアジリジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。ハロゲンはフルオロ又はクロロであることが一般に好ましい。
【0060】
本明細書で使用される場合、「中断されている」という用語は、ある部分が、2個の炭素原子間に、又は挿入がその部分の末端の一方である場合には、炭素若しくはヘテロ原子と水素原子との間に、特定の実施形態においては炭素と水素原子との間に挿入されていることを意味する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」という用語は、受容体活性化で炎症性免疫細胞機能を阻害する細胞膜発現受容体を介してシグナル伝達を誘発するリガンドの機能を阻害するか、そのリガンドの結合を阻害する化合物を指す。そのような化合物は、例えば、生物製剤、例えば抗体類、ナノボディ類、プロボディ類、アンチカリン類若しくは環状ペプチド類、又は小分子阻害剤であることができる。
【0062】
本明細書で使用される場合、「等張剤」という用語は、注射デポーでの浸透圧差による細胞損傷から生じ得る疼痛、刺激及び組織損傷を低下させる化学物質を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「液体医薬製剤」という用語は、水溶性PTHコンジュゲート及び1以上の溶媒、例えば水を含む混合物を指す。
【0064】
明細書で使用される場合、「乾燥医薬製剤」又は「乾燥された医薬製剤」という用語は、医薬製剤が乾燥形態で提供されることを意味する。適切な乾燥方法は、噴霧乾燥及び凍結乾燥、すなわちフリーズドライである。PTHコンジュゲートを含むそのような乾燥製剤は、カールフィッシャー法による測定で、最大10%、ある種の実施形態では5%未満、ある種の実施形態では2%未満の残留水分含有量を有する。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、凍結乾燥によって乾燥される。
【0065】
本明細書で使用される場合、「部分」という用語は、相当する試薬と比較して1以上の原子を欠く、分子の一部を意味する。例えば、式「H-X-H」の試薬が別の試薬と反応し、反応生成物の一部になる場合、その反応生成物の相当する部分は、構造「H-X-」又は「-X-」を有し、他方で各「-」は、別の部分への結合を示す。したがって、PTH部分などの薬剤部分が、コンジュゲートからPTHなどの医薬として放出される。
【0066】
原子団が、二つの部分に結合している又は一つの部分に割り込んでいる、原子団の配列又は化学構造が提供されている場合、別段の明確な記述がない限り、前記配列又は化学構造は、いずれの配向で前記二つの部分に結合していてもよいことが理解される。例えば、部分「-C(O)N(R)-」は、「-C(O)N(R)-」として、又は「-N(R)C(O)-」として、二つの部分に結合していることができ、又は一つの部分に割り込んでいることもできる。同様に、部分:
【化6】
は、
【化7】
として、又は
【化8】
として、二つの部分に結合しているか、一つの部分に割り込んでいることができる。
【0067】
PTH部分が1以上の酸性又は塩基性基を含む場合、液体医薬製剤は、それらの相当する薬学的に又は毒物学的に許容される塩、特にそれらの薬学的に利用可能な塩も含む。したがって、1以上の酸性基を含むPTH部分が存在することができ、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩として使用することができる。そのような塩のより詳細な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニア若しくは有機アミン(例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミンなど)若しくはアミノ酸との塩、並びに当業者に公知である他の塩若しくはアミンが挙げられる。1以上の塩基性基、すなわちプロトン化され得る基を含むPTH部分が存在することもでき、無機又は有機酸とそれらの付加塩の形態で使用することができる。適切な酸の例には、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、及び当業者に公知の他の酸などがある。正電荷アンモニウム基及びその塩の適切な対イオンをもたらすアミン基のアルキル化のような、塩基性基をカチオンに変換するさらなる方法が、当業者には公知である。PTH部分が酸性基と塩基性基を同時に含む場合、本発明による医薬製剤は、言及した塩形態に加えて、分子内塩又はベタイン(両性イオン)も含む。それぞれの塩は、例えば、これらのコンジュゲートを溶媒若しくは分散剤中で有機若しくは無機の酸若しくは塩基と接触させることによる、又は他の塩とのアニオン交換若しくはカチオン交換によるような、当業者に公知である慣用的方法によって得ることができる。本発明による製剤は、生理的適合性が低いため、直接的には医薬品における使用に適さないが、例えば、中間体として化学反応に又は薬学的に許容される塩の調製に使用することができる、PTHコンジュゲートの全ての塩も含む。
【0068】
本明細書で使用される場合、「酸化防止剤」又は「酸化保護剤」という用語は、ペプチドの酸化を抑制する化合物を指す。
【0069】
本明細書で使用される場合、「pH調整剤」という用語は、液体溶液又は製剤のpHを調節するのに用いられる化合物を指す。
【0070】
「薬学的に許容される」という用語は、患者に投与されたとき害を及ぼさない物質を意味し、好ましくは、規制当局、例えば、EMA(欧州)及び/又はFDA(米国)及び/又はいずれか他の国の規制当局によって、動物での使用に、好ましくはヒトでの使用に承認されていることを意味する。
【0071】
本明細書で使用される場合、「生理的条件」という用語は、pH7.4、37℃の水系緩衝液を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、ペプチド(アミド)連結によって連結された少なくとも2及び50以下のアミノ酸モノマー部分の鎖を指す。PTH医薬及びPTH部分の場合にのみ、50を超えるアミノ酸を有する配列も、簡単にするため、「ポリペプチド」と称される。
【0073】
本明細書で使用される場合、「タンパク質」という用語は、ペプチド連結によって連結された50を超えるアミノ酸モノマー部分の鎖を指し、好ましくは12000以下のアミノ酸モノマーがペプチド連結によって連結されており、例えば10000以下のアミノ酸モノマー部分、8000以下のアミノ酸モノマー部分、5000以下のアミノ酸モノマー部分又は2000以下のアミノ酸モノマー部分である。
【0074】
本明細書で使用される場合、「保存剤」という用語は、細菌などの微生物を殺すことで、そしてそのような微生物の増殖を防止することで、静菌特性及び殺菌特性の両方を有する化合物を指す。
【0075】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、化学結合によって直鎖、環状、分岐、架橋若しくはデンドリマー状に又はこれらの組合せで連結されている反復構造単位、すなわちモノマーを含む分子であって、合成起源であっても、生体起源であっても、又は両方の組合せであってもよい分子を意味する。ポリマーは、例えば1以上の官能基などの、1以上の他の化学基及び/又は部分も含み得ることが理解される。特定の実施形態において、可溶性ポリマーは、少なくとも0.5kDaの分子量、例えば、少なくとも1kDaの分子量、少なくとも2kDaの分子量、少なくとも3kDaの分子量、又は少なくとも5kDaの分子量を有する。ポリマーが可溶性である場合、それは最大で1000kDa、例えば最大で750kDa、例えば最大で500kDa、例えば最大で300kDa、例えば最大で200kDa、例えば最大で100kDaの分子量を有する。
【0076】
タンパク質又はポリペプチドは、各アミノ酸の側鎖が異り得るとしても、アミノ酸が反復構造単位であるポリマーでもあることが理解される。
【0077】
本明細書で使用される場合、「ポリマーの」又は「ポリマー部分」という用語は、1以上のポリマー又はポリマー部分を含む試薬又は部分を意味する。ポリマー試薬又は部分は、任意に1以上の他の部分も含み得るものであり、それは、特定の実施形態において、以下のものからなる群から選択される。
・C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
・以下のものを含む群から選択される連結:
【化9】
式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Rは、互いに独立に、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される。
【0078】
当業者であれば、重合反応から得られる重合生成物が、全て同じ分子量を有するとは限らず、むしろ分子量分布を示すことは理解するものである。結果的に、本明細書において使用する分子量範囲、分子量、ポリマー中のモノマー数範囲、及びポリマー中のモノマー数は、数平均分子量及びモノマー数平均を指すものであり、すなわち、ポリマー又はポリマー部分の分子量の算術平均、及びポリマー又はポリマー部分のモノマー数の算術平均を指す。
【0079】
したがって、「x」個のモノマー単位を含むポリマー部分の場合、「x」に当てはめられるいずれの整数もモノマーの算術平均数に相当する。「x」に当てはめられる整数のいずれの範囲も、モノマーの算術平均数が存する整数範囲を提供する。「約x」として示される「x」の整数は、モノマーの算術平均数が、x+/-10%の整数範囲にあること、特定の実施形態においてはx+/-8%の整数範囲にあること、特定の実施形態においてはx+/-5%の整数範囲にあること、そして特定の実施形態においてはx+/-2%の整数範囲にあることを意味する。
【0080】
本明細書で使用される場合、部分又は試薬に関しての「PEG系」という用語は、前記部分又は試薬がPEGを含むことを意味する。特定の実施形態において、PEG系部分又は試薬は、少なくとも10重量%PEG、例えば少なくとも20重量%PEG、例えば少なくとも30重量%PEG、例えば少なくとも40重量%PEG、例えば少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%PEG、例えば少なくとも70重量%PEG、例えば少なくとも80重量%PEG、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%のPEGを含む。前記PEG系部分又は試薬の残りの重量百分率は、以下の部分及び連結から選択される他の部分である。
・C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
・以下のものを含む群から選択される連結:
【化10】
式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Rは、互いに独立に、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される。
【0081】
本明細書で使用される場合、部分又は試薬に関しての「少なくともX%PEGを含むPEG系」という用語は、前記部分又は試薬が少なくともX重量%エチレングリコール単位(-CHCHO-)を含むことを意味し、前記エチレングリコール単位は、交互ブロック状に配列されていることができるか、前記部分若しくは試薬内にランダムに分布していることができ、特定の実施形態において、前記部分又は試薬の全てのエチレングリコール単位が一つのブロック内に存在し、そのPEG系部分又は試薬の残りの重量百分率は、特定の実施形態においては下記の部分及び連結から選択される他の部分である。
・C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
・以下のものを含む群から選択される連結:
【化11】
式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Rは、互いに独立に、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される。
【0082】
本明細書で使用される場合、「少なくともX%ヒアルロン酸を含むヒアルロン酸系」という用語は適宜に使用される。
【0083】
本発明のコンジュゲートがプロドラッグであることも、当業者にはわかる。本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、可逆的リンカー部分を介して-Zなどの水溶性キャリアに可逆的かつ共有結合的に結合した医薬部分、例えばPTH部分を指す。プロドラッグは、それの相当する医薬の形態で可逆的かつ共有結合的に結合した医薬部分を放出する。すなわち、プロドラッグは、可逆的リンカー部分を介して水溶性キャリアに共有結合的及び可逆的に結合している医薬部分、例えばPTH部分を含むコンジュゲートであり、キャリアの可逆的リンカー部分への結合が直接であるかスペーサーを介したものである。そのようなプロドラッグ又はコンジュゲートは、元は結合していた医薬部分を遊離医薬の形態で放出する。
【0084】
本明細書で使用される場合、「ランダムコイル」という用語は、室温、pH7.4において水性緩衝液中で行われる円偏光二色性分光法によって特定される、明確な二次及び三次構造を実質的に欠いた立体構造を採る/有する/形成する、特定の実施形態においては有する、ペプチド若しくはタンパク質を指す。特定の実施形態において、室温(周囲温度)は約20℃、すなわち18℃~22℃であり、他方で特定の実施形態において、環境温度は20℃である。
【0085】
本明細書で使用される場合、「可逆的連結」という用語は、生理的条件(pH7.4の水系緩衝液、37℃)下で酵素非存在下に開裂可能な連結であり、半減期は1時間~6か月、例えば1時間~4か月、1時間~3か月、1時間~2か月、又は1時間~1か月の範囲である。従って、安定な連結は、生理的条件下(pH7.4、37℃での水系緩衝液)での半減期6ヶ月超を有する連結である。
【0086】
本明細書で使用される場合、「可逆的リンカー部分」という用語は、可逆的連結によって、PTH部分などの医薬部分に共有結合的に結合しており、-Zなどの水溶性キャリアにも共有結合的に結合している部分であって、前記キャリアへの共有結合的結合が直接であるか、-L-などのスペーサー部分を介したものである部分である。特定の実施形態において、-Zと-L-との連結は安定な連結である。
【0087】
本明細書で使用される場合、「薬剤」という用語は、別の化合物又は医薬の官能基との反応のための少なくとも一つの官能基を含む化合物を意味する。官能基(例えば、一級若しくは二級アミン又はヒドロキシ官能基)を含む医薬も薬剤であることは理解される。
【0088】
本明細書で使用される場合、「スペーサー」又は「スペーサー部分」という用語は、二つの部分をつなぐのに適切な部分を指す。適切なスペーサーは、C1-50アルキル、C2-50アルケニル又はC2-50アルキニルからなる群から選択することができ、その部分は、-NH-、-N(C1-4アルキル)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)NH-、-C(O)N(C1-4アルキル)-、-O-C(O)-、-S(O)-、-S(O)-、4~7員ヘテロシクリル、フェニル及びナフチルから選択される1以上の基によって割り込まれていても良い。
【0089】
本明細書で使用される場合、「置換されている」という用語は、分子又は部分の1以上の-H原子が「置換基」と称される異なる原子若しくは原子団によって置き換わっていることを意味する。
【0090】
特定の実施形態において、そのような1以上の置換基は、互いに独立に、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)x1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)N(Rx1ax1b)、-SRx1、-N(Rx1x1a)、-NO、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)x1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1ax1b)、-OC(O)N(Rx1x1a)、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0091】
-Rx1、-Rx1a、-Rx1bは、互いに独立に、-H、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-;-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0092】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く;
【0093】
各-Rx2は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)x4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)N(Rx4ax4b)、-SRx4、-N(Rx4x4a)、-NO、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)x4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4ax4b)、-OC(O)N(Rx4x4a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、同一であるか異なっている1以上のハロゲンで置換されていても良く;
【0094】
各-Rx3、-Rx3a、-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、同一であるか異なっている1以上のハロゲンで置換されていても良い。
【0095】
特定の実施形態において、前記1以上の置換基は、互いに独立に、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)x1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)N(Rx1ax1b)、-SRx1、-N(Rx1x1a)、-NO、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)x1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1ax1b)、-OC(O)N(Rx1x1a)、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0096】
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx3、-Rx3aは独立に、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
【0097】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く;
【0098】
各-Rx2は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)x4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)N(Rx4ax4b)、-SRx4、-N(Rx4x4a)、-NO、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)x4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4ax4b)、-OC(O)N(Rx4x4a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、同一であるか異なっている1以上のハロゲンで置換されていても良く;
【0099】
各-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは独立に、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択される。
【0100】
特定の実施形態において、前記1以上の置換基は、互いに独立に、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)x1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)N(Rx1ax1b)、-SRx1、-N(Rx1x1a)、-NO、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)x1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1ax1b)、-OC(O)N(Rx1x1a)、-T、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0101】
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx2、-Rx3、-Rx3aは独立に、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
【0102】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良い。
【0103】
特定の実施形態において、置換されていても良い分子の最大6個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、例えば5個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、4個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、3個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、2個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、又は1個のH原子が置換基によって独立に置き換わっている。
【0104】
本明細書で使用される場合、医薬製剤に関しての「安定な」および「安定性」という用語は、貯蔵時間後、例えば1ヶ月後、2ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後、12ヶ月後、18ヶ月後、24ヶ月後、36ヶ月後、特には指定の貯蔵期間後に、医薬製剤が、5%未満の遊離形態での医薬及び20%未満、例えば10%未満、例えば5%未満の不純物、例えばメチオニン若しくはトリプトファンの酸化;アスパラギン酸若しくはアスパラギン酸の異性化;アスパラギン酸、アスパラギン酸塩若しくはアスパラギンでのペプチド結合開裂;アスパラギン若しくはグルタミンの脱アミド化;及びペプチドの凝集によって生じる不純物を含むことを意味する。不純物は、クロマトグラムにおける全てのPTHコンジュゲート関連ピークの総ピーク面積に対する個々のピーク面積に基づいてRP-HPLC又はSECによって定量することができ、PTHコンジュゲートのPTH部分における不純物は、PTHコンジュゲートからPTH部分を放出させた後に測定することができる。
【0105】
本明細書で使用される場合、「安定化剤」という用語は、医薬コンジュゲートを安定化させるのに用いられる化合物を指す。安定化は、ペプチド安定化力の強化によって、又は医薬コンジュゲートへの賦形剤の直接結合によって達成することができる。
【0106】
本明細書で使用される場合、「界面活性剤」という用語は、液体の表面張力を低下させる湿潤剤を指す。
【0107】
本明細書で使用される場合、「容器を密閉する」という用語は、容器が気密となるように密閉して、外部と内部の間のガス交換が全く起こらないようにし、内容物を無菌に維持することを意味する。
【0108】
本明細書で使用される場合、「治療上有効量」という用語は、所定の疾患とその合併症の臨床症状を治癒、軽減又は部分的に阻止するのに十分な量を意味する。それぞれの目的に有効な量は、疾患又は損傷の重度だけでなく、対象者の体重及び全身状態によって決まる。理解されるように、適切な投与量を決定することは、数値の行列を構築し、その行列内の各種ポイントを試験することによって、日常的な実験を用いて行うことができ、これらは全て、熟練した医師の通常の技術の範囲内である。本発明の範囲内で、治療上有効量は、長期間にわたり、少なくとも1日間、例えば2日間、例えば3日間、例えば4日間、例えば5日間、例えば6日間、例えば1週間又は例えば2週間にわたり、治療効果を達成することを目標とする投与量に関するものである。
【0109】
本明細書で使用される場合、「痕跡を残さないリンカー」という用語は、開裂時に薬物をその遊離型として放出する可逆的リンカーを意味する。
【0110】
本明細書で使用される場合、「単位用量」という用語は、単一用量で患者に投与される医薬の量を意味する。
【0111】
本明細書で使用される場合、水溶性キャリアに関連して「水溶性」という用語は、そのような水溶性キャリアがPTHコンジュゲートの一部である場合に、そのような水溶性キャリアを含むPTHコンジュゲート少なくとも1gを、20℃の水1リットルに溶解させて、均一溶液を形成することができることを意味する。
【0112】
一般に、「を含む」又は「含む」という用語は、「からなる」又は「からなっている」も包含する。
【0113】
特定の実施形態において、PTHコンジュゲートのPTH部分は、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114又は配列番号115の配列を有する。特定の実施形態において、そのPTH部分は、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号110、配列番号111又は配列番号112の配列を有する。特定の実施形態において、そのPTH部分は、配列番号50の配列を有する。特定の実施形態において、そのPTH部分は、配列番号52の配列を有する。特定の実施形態において、そのPTH部分は、配列番号110の配列を有する。特定の実施形態において、そのPTH部分は、配列番号111の配列を有する。特定の実施形態において、そのPTH部分は、配列番号112の配列を有する。特定の実施形態において、そのPTH部分は、配列番号51の配列を有する。
【0114】
特定の実施形態において、前記水溶性キャリアは可変要素-Zと定義され、それについては本明細書における他の箇所でより詳細に説明されている。
【0115】
本発明による液体医薬製剤は緩衝剤を含む。その緩衝剤は、コハク酸、クエン酸、乳酸、酢酸、グルタミン酸、フマル酸、アスパラギン酸、グルタル酸、リン酸、ヒスチジン、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。緩衝剤の相当するコンジュゲート塩基又は塩、例えばコハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酢酸塩、グルタミン酸塩、フマル酸塩、アスパラギン酸塩、グルタル酸塩、リン酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩及びこれらの混合物も含まれることは、当業者には明らかである。
【0116】
特定の実施形態において、緩衝剤はコハク酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はクエン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤は乳酸である。特定の実施形態において、緩衝剤は酢酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はグルタミン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はフマル酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はアスパラギン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はグルタル酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はリン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はヒスチジンである。特定の実施形態において、緩衝剤はグルコン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤は酒石酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はリンゴ酸である。
【0117】
特定の実施形態において、緩衝剤は、0.25~24mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、0.6~6.0mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、1.0~1.4mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、約1.18mg/mLの濃度を有する。
【0118】
一定のpH又はpH範囲を維持するため、液体医薬製剤は緩衝剤を含む。緩衝剤は、液体医薬製剤のpHを所望の範囲内に維持する。特定の実施形態において、塩基性条件下ではPTH-コンジュゲートなの可逆的連結が安定ではない可能性があることから、液体医薬製剤のpHは6より高くない。
【0119】
特定の実施形態において、液体医薬製剤のpHは約pH3.0~約pH6.0である。特定の実施形態において、液体医薬製剤のpHは約pH3.5~約pH5.0である。特定の実施形態において、液体医薬製剤のpHは約pH3.7~約pH4.3である。特定の実施形態において、液体医薬製剤のpHは4.0である。
【0120】
本発明による液体医薬製剤は等張剤を含む。等張剤は、マンニトール、トレハロース、ショ糖、ラフィノース、ゼラチン、乳糖、リン酸二カルシウム、ソルビトール、キシリトール、グリシン、ヒスチジン、エタノール、ヒドロキシエチルデンプン、塩化カリウム、塩化ナトリウム、デキストロース、デキストラン、Ficoll(登録商標)、プロピレングリコール及びこれら混合物からなる群から選択することができる。
【0121】
特定の実施形態において、等張剤は、マンニトール、トレハロース、ショ糖、ラフィノース、ゼラチン、乳糖、リン酸二カルシウム、ソルビトール、キシリトール、グリシン、ヒスチジン、エタノール、ヒドロキシエチルデンプン、塩化カリウム、塩化ナトリウム、デキストロース、デキストラン、プロピレングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0122】
特定の実施形態において、等張剤はマンニトールである。特定の実施形態において、等張剤はトレハロースである。特定の実施形態において、等張剤はショ糖である。特定の実施形態において、等張剤はラフィノースである。特定の実施形態において、等張剤はゼラチンである。特定の実施形態において、等張剤は乳糖である。特定の実施形態において、等張剤はリン酸二カルシウムである。特定の実施形態において、等張剤はソルビトールである。特定の実施形態において、等張剤はキシリトールである。特定の実施形態において、等張剤はグリシンである。特定の実施形態において、等張剤はヒスチジンである。特定の実施形態において、等張剤はエタノールである。特定の実施形態において、等張剤はヒドロキシエチルデンプンである。特定の実施形態において、等張剤は塩化カリウムである。特定の実施形態において、等張剤は塩化ナトリウムである。特定の実施形態において、等張剤はデキストロースである。特定の実施形態において、等張剤はデキストランである。特定の実施形態において、等張剤はFicoll(登録商標)である。特定の実施形態において、等張剤はプロピレングリコールである。
【0123】
本明細書で定義される場合、「トレハロース」という用語は、トレハロースの全ての塩及び水和状態、例えばトレハロース無水物又はトレハロース・2水和物を包含することを意図したものである。特定の実施形態において、「トレハロース」という用語はトレハロース無水物を指す。特定の実施形態において、「トレハロース」という用語はトレハロース・2水和物を指す。
【0124】
本明細書で定義される場合、「マンニトール」という用語は、D-マンニトール及びL-マンニトールの両方、並びにこれらの混合物を包含することを意図したものである。特定の実施形態において、「マンニトール」という用語はL-マンニトールを指す。特定の実施形態において、「マンニトール」という用語はD-マンニトールを指す。特定の実施形態において、「マンニトール」という用語はL-マンニトール及びD-マンニトールの混合物を指す。
【0125】
特定の実施形態において、等張剤は、10~200mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、等張剤は、30~60mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、等張剤は、36~48mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、等張剤は、約41.7mg/mLの濃度を有する。
【0126】
本発明による液体医薬製剤は保存剤を含む。保存剤は、m-クレゾール、ベンジルアルコール、安息香酸、フェノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム、2-エトキシエタノール、クロルヘキシジン、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0127】
特定の実施形態において、保存剤はm-クレゾールである。特定の実施形態において、保存剤はベンジルアルコールである。特定の実施形態において、保存剤は安息香酸である。特定の実施形態において、保存剤はフェノールである。特定の実施形態において、保存剤はメチルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はエチルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はプロピルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はブチルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はソルビン酸カリウムである。特定の実施形態において、保存剤はクロロクレゾールである。特定の実施形態において、保存剤はベンジルアルコールである。特定の実施形態において、保存剤は硝酸フェニル水銀である。特定の実施形態において、保存剤はチメロサールである。特定の実施形態において、保存剤はソルビン酸である。特定の実施形態において、保存剤はソルビン酸カリウムである。特定の実施形態において、保存剤はクロロクレゾールである。特定の実施形態において、保存剤は塩化ベンザルコニウムである。特定の実施形態において、保存剤は2-エトキシエタノールである。特定の実施形態において、保存剤はクロルヘキシジンである。特定の実施形態において、保存剤はクロロブタノールである。特定の実施形態において、保存剤はフェニルエチルアルコールである。特定の実施形態において、保存剤は酢酸フェニル水銀である。
【0128】
特定の実施形態において、保存剤は、1~10mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、保存剤は、1.5~3.5mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、保存剤は、2~3mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、保存剤は、約2.5mg/mLの濃度を有する。
【0129】
本発明による液体医薬製剤はさらに、pH調整剤を含むことができる。特定の実施形態において、pH調整剤は酸である。酸の例は、塩酸、リン酸、炭酸、硝酸及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0130】
特定の実施形態において、pH調整剤は塩酸である。特定の実施形態において、pH調整剤はリン酸である。特定の実施形態において、pH調整剤は炭酸である。特定の実施形態において、pH調整剤は硝酸である。
【0131】
特定の実施形態において、pH調整剤は塩基である。塩基の例は、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、水酸化カリウム、リジン、水酸化ナトリウム及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0132】
特定の実施形態において、pH調整剤はTrisである。特定の実施形態において、pH調整剤は水酸化カリウムである。特定の実施形態において、pH調整剤はリジンである。特定の実施形態において、pH調整剤は水酸化ナトリウムである。
【0133】
特定の実施形態において、pH調整剤は、少なくとも一つの塩基及び少なくとも一つの酸の混合物である。特定の実施形態において、pH調整剤は一つの塩基及び一つの酸の混合物である。特定の実施形態において、pH調整剤は、水酸化ナトリウム及び塩酸の混合物である。
【0134】
特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、0.01~5mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、0.04~2.5mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、0.08~1.25mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、約0.13mg/mLの濃度を有する。pH調整剤の混合物の場合、提供される濃度は、全てのpH調整剤の合計濃度を指すことは理解される。
【0135】
本発明による液体医薬製剤は、任意に酸化防止剤を含む。酸化防止剤の例は、メチオニン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、重亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、システイン、グルタチオン、モノチオグリセロール、ポリ(エチレンイミン)、ビタミンE、エクトイン、モリン及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0136】
特定の実施形態において、酸化防止剤はメチオニンである。特定の実施形態において、酸化防止剤はアスコルビン酸である。特定の実施形態において、酸化防止剤はブチルヒドロキシトルエンである。特定の実施形態において、酸化防止剤はブチルヒドロキシアニソールである。特定の実施形態において、酸化防止剤はトコフェロールである。特定の実施形態において、酸化防止剤は没食子酸プロピルである。特定の実施形態において、酸化防止剤は重亜硫酸ナトリウムである。特定の実施形態において、酸化防止剤はモノチオグリセロールである。特定の実施形態において、酸化防止剤はEDTAである。特定の実施形態において、酸化防止剤はシステインである。特定の実施形態において、酸化防止剤はグルタチオンである。特定の実施形態において、酸化防止剤はポリ(エチレンイミン)である。特定の実施形態において、酸化防止剤はビタミンEである。特定の実施形態において、酸化防止剤はエクトインである。特定の実施形態において、酸化防止剤はモリンである。
【0137】
本明細書で定義される場合、「メチオニン」という用語は、D-メチオニン及びL-メチオニンの両方、並びにこれらの混合物を包含するものである。特定の実施形態において、「メチオニン」という用語はL-メチオニンを指す。特定の実施形態において、「メチオニン」という用語はD-メチオニンを指す。特定の実施形態において、「メチオニン」という用語はD-メチオニン又はL-メチオニンの混合物を指す。
【0138】
本明細書で定義される場合、「EDTA」という用語は、当業界で公知である全てのEDTA型、例えばEDTA塩、例えばEDTA金属塩、例えばEDTA・2ナトリウム塩、EDTA・2カリウム塩、EDTAカルシウム塩、EDTA・2マグネシウム塩又はこれらの混合物を包含するものである。特定の実施形態において、EDTAはEDTA・2ナトリウム塩を指す。特定の実施形態において、「EDTA」という用語はEDTA・カルシウム塩を指す。特定の実施形態において、「EDTA」という用語はEDTA無水物を指す。
【0139】
特定の実施形態において、酸化防止剤のPTH部分に対するモル比は、約0.1:1~約100:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のPTH部分に対するモル比は約0.1:1~約70:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のPTH部分に対するモル比は、約0.1:1~約15:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のPTH部分に対するモル比は、約1:1~約10:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のPTH部分に対するモル比は、約3:1~約7:1である。
【0140】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は酸化防止剤を全く含まない。
【0141】
本発明の液体医薬製剤はPTHコンジュゲートを含む。
【0142】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、PTH部分が0.05~5.0mg/mLの濃度で存在するPTHコンジュゲートを含む。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、PTH部分が0.1~5.0mg/mLの濃度で存在するPTHコンジュゲートを含む。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、PTH部分が0.1~1.5mg/mLの濃度で存在するPTHコンジュゲートを含む。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、PTH部分が0.25~0.35mg/mLの濃度で存在するPTHコンジュゲートを含む。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、PTH部分が約0.3mg/mLの濃度で存在するPTHコンジュゲートを含む。上記で提供された濃度は、PTH部分の量を指すものであって、全PTHコンジュゲートの量を指すものではないことは理解される。
【0143】
特定の実施形態において、PTHコンジュゲートは下記式(Ia)又は(Ib)のものである。
【化12】
式中、
-DはPTH部分であり;
-L-は、PTHの官能基を介してPTH部分-Dに結合した可逆的リンカー部分であり;
-L-は単一化学結合又はスペーサー部分であり;
-Zは水溶性キャリア部分であり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15及び16からなる群から選択される整数であり;
yは1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。
【0144】
特定の実施形態において、-Dは、共有結合的及び可逆的に-L-に結合している。
【0145】
特定の実施形態において、式(Ia)のxは、1、2、3、4、6及び8からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ia)のxは、1、2、4、及び6からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ia)のxは、1、4及び6からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ia)のxは1である。
【0146】
特定の実施形態において、式(Ib)のyは、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは、2、3、及び4からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは、2及び3からなる群から選択される整数である。
【0147】
特定の実施形態において、式(Ib)のyは1、2及び3からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは1である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは2である。
【0148】
特定の実施形態において、PTHコンジュゲートは、x=1である式(Ia)のものである。
【0149】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114又は配列番号115の配列を有する。
【0150】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号110、配列番号111又は配列番号112の配列を有する。
【0151】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号50の配列を有する。特定の実施形態において、-Dは、配列番号52の配列を有する。特定の実施形態において、-Dは配列番号110の配列を有する。特定の実施形態において、-Dは配列番号111の配列を有する。特定の実施形態において、-Dは配列番号112の配列を有する。特定の実施形態において、-Dは配列番号51の配列を有する。
【0152】
部分-L-は、-Dのアミノ酸残基の側鎖の官能基に、又は-DのN末端アミン官能基若しくはC末端カルボキシル官能基に、又は-Dの骨格ポリペプチド鎖中の窒素原子に結合している。N末端又はC末端への結合は、それぞれ相当するアミン又はカルボキシル官能基を介して直接であるか、又はスペーサー部分が最初にスペーサー部分-L-が結合しているアミン若しくはカルボキシル官能基に結合して間接的であることができる。
【0153】
特定の実施形態において、-L-が結合しているPTHのアミノ酸残基は、カルボン酸、1級及び2級アミン、マレイミド、チオール、スルホン酸、カーボネート、カーバメート、ヒドロキシル、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、イソシアネート、イソチオシアネート、リン酸、ホスホン酸、ハロアセチル、アルキルハライド、アクリロイル、アリールフルオリド、ヒドロキシルアミン、サルフェート、ジスルフィド、ビニルスルホン、ビニルケトン、ジアゾアルカン、オキシラン、グアニジン及びアジリジンからなる群から選択される官能基を含む。特定の実施形態において、-L-が結合しているPTHのアミノ酸残基は、ヒドロキシル、1級及び2級アミン及びグアニジンからなる群から選択される官能基を含む。特定の実施形態において、-L-が結合しているPTHのアミノ酸残基は、1級又は2級アミン官能基を含む。特定の実施形態において、-L-が結合しているPTHのアミノ酸残基は、1級アミン官能基を含む。
【0154】
部分-L-がPTHのアミノ酸残基の側鎖の官能基に結合している場合、当該アミノ酸残基は、タンパク質原性アミノ酸残基及び非タンパク質原性アミノ酸残基からなる群から選択される。
【0155】
特定の実施形態において、-L-は、PTHの非タンパク質原性アミノ酸残基の側鎖の官能基に結合している。そのような非タンパク質原性アミノ酸は天然PTH又はそれの断片の配列には認められず、それはPTHのバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ及び誘導体でのみ存在し得ることが理解される。
【0156】
特定の実施形態において、-L-は、PTHのタンパク質原性アミノ酸残基の側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、前記アミノ酸は、ヒスチジン、リジン、トリプトファン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸及びアルギニンからなる群から選択される。特定の実施形態において、前記アミノ酸は、リジン、アスパラギン酸、アルギニン及びセリンからなる群から選択される。特定の実施形態において、前記アミノ酸はリジン、アルギニン及びセリンからなる群から選択される。
【0157】
特定の実施形態において、-L-は、PTHのヒスチジンの側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのリジンの側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのトリプトファンの側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのセリンの側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのスレオニンの側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのチロシンの側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのアスパラギン酸の側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのグルタミン酸の側鎖の官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTHのアルギニンの側鎖の官能基に結合している。
【0158】
全てのPTH部分がこれらアミノ酸残基の全てを含み得るとは限らないことは理解される。
【0159】
特定の実施形態において、-L-は、相当するアミン官能基を介して直接、又はスペーサー部分が最初に、スペーサー部分-L-が結合しているアミン官能基に結合して間接的に、PTHのN末端アミン官能基に結合している。特定の実施形態において、-L-は、PTH、例えばPTH1-34、すなわち配列番号51の配列を有するPTHのN末端アミン官能基に直接結合している。-L-のN末端結合、すなわちPTHのN末端への-L-の結合が有利である。その理由としては、そのような結合部位が、PTH活性に必須であるN末端を保護することが認められたからである。-L-のN末端結合とのPTHコンジュゲートから形成される主たる代謝物はPTH(1-33)である。すなわち、PTHの33N末端アミノ酸であり、その代謝物は活性であることが知られている。
【0160】
特定の実施形態において、-L-は、相当するカルボキシル官能基を介して直接、又はスペーサー部分が最初にスペーサー部分-L-が結合したカルボキシル官能基に結合して間接的に、PTHのC末端官能基に結合している。
【0161】
特定の実施形態において、-L-は、PTHのN末端アミン官能基に直接結合している。
【0162】
部分-L-は、あらゆる種類の連結を介して-Dに連結されていることができ、ただしそれは可逆的である。特定の実施形態において、-L-は、アミド、エステル、カーバメート、アセタール、アミナール、イミン、オキシム、ヒドラゾン、ジスルフィド及びアシルグアニジンからなる群から選択される連結を介して-Dに連結されている。特定の実施形態において、-L-は、アミド、エステル、カーバメート及びアシルグアニジンからなる群から選択される連結を介して-Dに連結されている。これらの連結の一部自体は可逆的ではなく、-L-に含まれている隣接基によってこれらの連結を可逆的にすることは理解される。
【0163】
特定の実施形態において、-L-は、エステル連結を介して-Dに連結されている。特定の実施形態において、-L-は、カーバメート連結を介して-Dに連結されている。特定の実施形態において、-L-は、アシルグアニジンを介して-Dに連結されている。特定の実施形態において、-L-は、アミド連結を介して-Dに連結されている。
【0164】
部分-L-は、医薬、すなわちPTHがそれの遊離型で放出される可逆的リンカーであり、-L-が痕跡を残さないリンカーであることを意味する。適切な可逆的リンカーは当業界では公知であり、例えばWO2005/099768A2、WO2006/136586A2、WO2011/089216A1及びWO2013/024053A1(これらは参照によって本明細書に組み込まれる。)に開示されている可逆的リンカー部分である。
【0165】
特定の実施形態において、-L-は、WO2011/012722A1、WO2011/089214A1、WO2011/089215A1、WO2013/024052A1及びWO2013/160340A1(これらは参照によって本明細書に組み込まれる。)に記載の可逆的リンカーである。
【0166】
部分-L-はWO2009/095479A2に開示されている。従って、特定の実施形態において、部分-L-は下記式(II)のものである。
【化13】
式中、
破線は、PTH部分である-Dの窒素、ヒドロキシル又はチオールへの結合を示しており;
-X-は、-C(R4a)-;-N(R)-;-O-;-C(R4a)-C(R5a)-;-C(R5a)-C(R4a)-;-C(R4a)-N(R)-;-N(R)-C(R4a)-;-C(R4a)-O-;-O-C(R4a)-;又は-C(R7a)-であり;
は、C;又はS(O)であり;
-X-は、-C(R8a)-;又は-C(R8a)-C(R9a)-であり;
=Xは、=O;=S;又は=N-CNであり;
-R、-R1a、-R、-R2a、-R、-R4a、-R、-R5a、-R、-R、-R8a、-R、-R9aは独立に、-H;及びC1-6アルキルからなる群から選択され;
-R、-R3aは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ただし-R、-R3aのうちの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、sp混成炭素原子を介して結合しているNに連結されており;
-Rは-N(R1010a)又は-NR10-(C=O)-R11であり;
-R7a、-R10、-R10a、-R11は互いに独立に、-H又はC1-6アルキルであり;
任意に、ペア-R1a/-R4a、-R1a/-R5a、-R1a/-R7a、-R4a/-R5a、-R8a/-R9aの1以上が化学結合を形成しており;
任意に、ペア-R/-R1a、-R/-R2a、-R/-R4a、-R/-R5a、-R/-R8a、-R/-R9aの1以上がそれらが結合している原子と一体となって、C3-10シクロアルキル;又は3~10員ヘテロシクリルを形成しており;
任意に、ペア-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R7a、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-Rの1以上がそれらが結合している原子と一体となって、環Aを形成しており;
任意に、R/R3aがそれらが結合している窒素原子と一体となって、3~10員複素環を形成しており;
Aは、フェニル;ナフチル;インデニル;インダニル;テトラリニル;C3-10シクロアルキル;3~10員ヘテロシクリル;及び8~11員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(II)中でアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換わることはなく;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0167】
特定の実施形態において、式(II)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0168】
特定の実施形態において、式(II)の-L-は、それ以上置換されていない。
【0169】
式(II)の-R/-R3aが、それらが結合している窒素原子と一体となって3~10員複素環を形成している場合、その窒素に直接結合している原子がsp混成炭素原子であるそのような3~10員複素環のみが形成され得ることは理解される。すなわち、-R/-R3aがそれらが結合している窒素原子とともに形成しているそのような3~10員複素環は、下記の構造を有する。
【化14】
式中、
破線は、-L-の残りの部分への結合を示し;
当該環は、少なくとも1個の窒素を含む3~10個の原子を含み;
及びR##はsp混成炭素原子を表す。
3~10員複素環がさらに置換されていることができることも理解される。
【0170】
式(II)の-R/-R3aがそれらが結合している窒素原子とともに形成している適切な3~10員複素環の例示的実施形態は、下記のものである。
【化15】
式中、
破線は、分子の残りの部分への結合を示し;
-Rは、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択される。
【0171】
式(II)の-L-は、さらに置換されていても良い。概して、開裂原理が影響されない限りにおいて、いずれの置換基も使用可能である。すなわち、式(II)中でアスタリスクでマークを付された水素は置き換わらず、式(II)の下記部分:
【化16】
の窒素は、1級、2級若しくは3級アミンの一部のままである。すなわち、-R及び-R3aは互いに独立に-Hであり、又はsp混成炭素原子を介して-N<に連結されている。
【0172】
特定の実施形態において、式(II)の-R又は-R1aは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R又は-R2aは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R又は-R3aは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-Rは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R又は-R5aは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-Rは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R又は-R7aは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R又は-R8aは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R又は-R9aは-L-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R10は-L-Zで置換されているう。特定の実施形態において、式(II)の-R11は-L-Zで置換されている。
【0173】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R4a)-、-N(R)-及び-C(R7a)-からなる群から選択される。
【0174】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R4a)-である。
【0175】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R7a)-である。
【0176】
特定の実施形態において、式(II)の-Rは、-NR10-(C=O)-R11である。
【0177】
特定の実施形態において、式(II)の-R7aは、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R7aは-Hである。
【0178】
特定の実施形態において、式(II)の-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R10はメチルである。
【0179】
特定の実施形態において、式(II)の-R11は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R11は-Hである。
【0180】
特定の実施形態において、式(II)の-R11は-L-Zで置換されている。
【0181】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は-N(R)-である。
【0182】
特定の実施形態において、式(II)の-Rは-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。
【0183】
特定の実施形態において、式(II)の-Rは-Hである。
【0184】
特定の実施形態において、式(II)のXはCである。
【0185】
特定の実施形態において、式(II)の=Xは=Oである。
【0186】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は-C(R8a)-である。
【0187】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R8aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R8aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R8aの両方が-Hである。
【0188】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R1aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。
【0189】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R1aのうちの少なくとも一つが-Hである。
【0190】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R1aの両方が-Hである。
【0191】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R1aのうちの少なくとも一つがメチルである。
【0192】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R1aの両方がメチルである。
【0193】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R2aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R2aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R2aの両方がHである。
【0194】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R3aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。
【0195】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R3aのうちの少なくとも一つがメチルである。
【0196】
特定の実施形態において、式(II)の-Rはメチルであり、式(II)の-R3aは-Hである。
【0197】
特定の実施形態において、式(II)の-R及び-R3aは両方とも-Hである。
【0198】
特定の実施形態において、-Dは、アミド結合を形成することで窒素を介して-L-に連結されている。
【0199】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIa-i)のものである。
【化17】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
-R、-R1a、-R、-R2a、-R、-R3a、-R、-R7a及び-X-は、式(II)で定義のように使用され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIa-i)でアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換えられていない。
【0200】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0201】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0202】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R1aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R1aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R1aの両方が-Hである。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-Rは-NR10-(C=O)-R11である。
【0203】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R7aは、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R7aは-Hである。
【0204】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R10はメチルである。
【0205】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R11は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R11は-Hである。
【0206】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R11は-L-Zで置換されている。
【0207】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-X-は-C(R8a)-である。
【0208】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R8aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R又は-R8aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R8aの両方が-Hである。
【0209】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R2aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R又は-R2aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R2aの両方がHである。
【0210】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R及び-R3aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R又は-R3aのうちの少なくとも一つがメチルである。
【0211】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-Rは-Hであり、式(IIa-i)の-R3aはメチルである。
【0212】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIa-ii)のものである。
【化18】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
-R、-R3a、-R10、-R11及び-X-は、式(II)で定義のように使用され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIa-ii)でアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換えられていない。
【0213】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0214】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0215】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-X-は-C(R8a)-である。
【0216】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R及び-R8aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R又は-R8aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R及び-R8aの両方が-Hである。
【0217】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R及び-R3aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R又は-R3aのうちの少なくとも一つがメチルである。
【0218】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-Rは-Hであり、式(IIa-ii)の-R3aはメチルである。
【0219】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R10はメチルである。
【0220】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R11は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R11は-Hである。
【0221】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R11は-L-Zで置換されている。
【0222】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIa-ii′)のものである。
【化19】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクでマークを付された破線は、-L-への結合を示し;
-R、-R3a、-R10及び-X-は式(II)で定義のように使用され;
-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIa-ii′)においてアスタリスクでマークを付された水素は、置換基によって置き換えられていない。
【0223】
特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0224】
特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-X-は、-C(R8a)-である。
【0225】
特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-R及び-R8aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-R又は-R8aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-R及び-R8aの両方が-Hである。
【0226】
特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-R及び-R3aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-R及び-R3aのうちの少なくとも一つがメチルである。
【0227】
特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-Rは-Hであり、式(IIa-ii′)の-R3aはメチルである。特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii′)の-R10はメチルである。
【0228】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIa-iii)のものである。
【化20】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIa-iii)においてアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや-L-Z′や置換基によって置き換えられていない。
【0229】
特定の実施形態において、式(IIa-iii)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0230】
特定の実施形態において、式(IIa-iii)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0231】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIa-iii′)のものである。
【化21】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクでマークを付された破線は、-L-への結合を示し;
-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIa-iii′)においてアスタリスクでマークを付された水素は、置換基によって置き換えられていない。
【0232】
特定の実施形態において、式(IIa-iii′)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0233】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIb-i)のものである。
【化22】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
-R、-R1a、-R、-R2a、-R、-R3a、-R及び-X-は式(II)で定義のように使用され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIb-i)においてアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換えられていない。
【0234】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0235】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0236】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R1aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R又は-R1aのうちの少なくとも一つがメチルである。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R1aの両方がメチルである。
【0237】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-Rは-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-Rは-Hである。
【0238】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-X-は-C(R8a)-である。
【0239】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R8aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R8aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R8aの両方が-Hである。
【0240】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R2aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R又は-R2aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R2aの両方がHである。
【0241】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R3aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R又は-R3aのうちの少なくとも一つが-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R及び-R3aの両方が-Hである。
【0242】
特定の実施形態において、部分-L-は下記式(IIb-ii)のものである。
【化23】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
-R、-R2a、-R、-R3a及び-X-は式(II)で定義のように使用され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIb-ii)においてアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換えられていない。
【0243】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0244】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0245】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-X-は-C(R8a)-である。
【0246】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R及び-R8aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R又は-R8aのうちの少なくとも一つは-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R及び-R8aの両方が-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R及び-R2aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R又は-R2aのうちの少なくとも一つは-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R及び-R2aの両方がHである。
【0247】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R及び-R3aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R又は-R3aのうちの少なくとも一つは-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R及び-R3aの両方が-Hである。
【0248】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIb-ii′)のものである。
【化24】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクでマークを付された破線は、-L-への結合を示し;
-R、-R2a、-R3a及び-X-は式(II)で定義のように使用され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIb-ii′)においてアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換えられていない。
【0249】
特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0250】
特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-X-は-C(R8a)-である。
【0251】
特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R及び-R8aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R又は-R8aのうちの少なくとも一つは-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R及び-R8aの両方が-Hである。
【0252】
特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R及び-R2aは独立に、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R又は-R2aのうちの少なくとも一つは-Hである。特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R及び-R2aの両方はHである。
【0253】
特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R3aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii′)の-R3aは-Hである。
【0254】
特定の実施形態において、部分-L-は下記式(IIb-iii)のものである。
【化25】
式中、
アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIb-iii)においてアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換えられていない。
【0255】
特定の実施形態において、式(IIb-iii)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0256】
特定の実施形態において、式(IIb-iii)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0257】
特定の実施形態において、部分-L-は、下記式(IIb-iii′)のものである。
【化26】
式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクでマークを付された破線は、-L-への結合を示し;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く、ただし、式(IIb-iii′)においてアスタリスクでマークを付された水素は、-L-Zや置換基によって置き換えられていない。
【0258】
特定の実施形態において、式(IIb-iii′)の部分-L-は、それ以上置換されていない。
【0259】
別の部分-L-がWO2016020373A1に開示されており、その公報は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。従って、特定の実施形態において、部分-L-は下記式(III)のものである。
【化27】
式中、
破線は、それぞれアミド又はエステル連結を形成することによる、PTH部分である-Dの1級若しくは2級アミン又はヒドロキシルへの結合を示し;
-R、-R1a、-R、-R2a、-R及び-R3aは互いに独立に、-H、-C(R8a8b)、-C(=O)R、-C≡N、-C(=NR)R8a、-CR(=CR8a8b)、-C≡CR及び-Tからなる群から選択され;
-R、-R及び-R5aは互いに独立に、-H、-C(R9a9b)及び-Tからなる群から選択され;
a1及びa2は互いに独立に、0又は1であり;
各-R、-R6a、-R、-R7a、-R、-R8a、-R8b、-R、-R9a、-R9bは互いに独立に、-H、ハロゲン、-CN、-COOR10、-OR10、-C(O)R10、-C(O)N(R1010a)、-S(O)N(R1010a)、-S(O)N(R1010a)、-S(O)10、-S(O)R10、-N(R10)S(O)N(R10a10b)、-SR10、-N(R1010a)、-NO、-OC(O)R10、-N(R10)C(O)R10a、-N(R10)S(O)10a、-N(R10)S(O)R10a、-N(R10)C(O)OR10a、-N(R10)C(O)N(R10a10b)、-OC(O)N(R1010a)、-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルは、1以上の-R11で置換されていても良く、その-R11は同一であるか異なっており、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(R12)S(O)N(R12a)-、-S-、-N(R12)-、-OC(OR12)(R12a)-、-N(R12)C(O)N(R12a)-、及び-OC(O)N(R12)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
各-R10、-R10a、-R10bは独立に、-H、-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルは1以上の-R11で置換されていても良く、その-R11は同一であるか異なっており、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(R12)S(O)N(R12a)-、-S-、-N(R12)-、-OC(OR12)(R12a)-、-N(R12)C(O)N(R12a)-、及び-OC(O)N(R12)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
各Tは互いに独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、1以上の-R11で置換されていても良く、その-R11は同一であるか異なっており;
各-R11は互いに独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR13、-OR13、-C(O)R13、-C(O)N(R1313a)、-S(O)N(R1313a)、-S(O)N(R1313a)、-S(O)13、-S(O)R13、-N(R13)S(O)N(R13a13b)、-SR13、-N(R1313a)、-NO、-OC(O)R13、-N(R13)C(O)R13a、-N(R13)S(O)13a、-N(R13)S(O)R13a、-N(R13)C(O)OR13a、-N(R13)C(O)N(R13a13b)、-OC(O)N(R1313a)、及びC1-6アルキルから選択され;C1-6アルキルは1以上のハロゲンで置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっており;
各-R12、-R12a、-R13、-R13a、-R13bは独立に、-H、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上のハロゲンで置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっており;
任意に、ペア-R/-R1a、-R/-R2a、-R/-R3a、-R/-R6a、-R/-R7aの1以上がそれらが結合している原子と一体となって、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルを形成しており;
任意に、ペア-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-Rの1以上がそれらが結合している原子と一体となって、環Aを形成しており;
Aは、フェニル;ナフチル;インデニル;インダニル;テトラリニル;C3-10シクロアルキル;3~10員ヘテロシクリル;及び8~11員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0260】
特定の実施形態において、式(III)の-L-の任意のさらなる置換基は上記で記載の通りである。
【0261】
特定の実施形態において、式(III)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0262】
特定の実施形態において、式(III)の-L-は、それ以上置換されていない。
【0263】
-L-についてのさらなる実施形態が、EP1536334B1、WO2009/009712A1、WO2008/034122A1、WO2009/143412A2、WO2011/082368A2及びUS8618124B2に開示されており、それら公報は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
【0264】
-L-についてのさらなる実施形態が、US8946405B2及びUS8754190B2に開示されており、それら公報は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。従って、部分-L-は、下記式(IV)のものである。
【化28】
式中、
破線は、PTH部分である-Dへの結合を示し、結合は-OH、-SH及び-NHからなる群から選択される-Dの官能基を介したものであり;
mは0又は1であり;
-R及び-Rの少なくとも一方又は両方が互いに独立に、-CN、-NO、置換されていても良いアリール、置換されていても良いヘテロアリール、置換されていても良いアルケニル、置換されていても良いアルキニル、-C(O)R、-S(O)R、-S(O)及び-SRからなる群から選択され;
-R及び-Rの一方及び一方のみが、-H、置換されていても良いアルキル、置換されていても良いアリールアルキル、及び置換されていても良いヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
-Rは、-H、置換されていても良いアルキル、置換されていても良いアリール、置換されていても良いアリールアルキル、置換されていても良いヘテロアリール、置換されていても良いヘテロアリールアルキル、-OR及び-N(Rからなる群から選択され;
-Rは、置換されていても良いアルキル、置換されていても良いアリール、置換されていても良いアリールアルキル、置換されていても良いヘテロアリール、及び置換されていても良いヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
各-Rは独立に、-H、置換されていても良いアルキル、置換されていても良いアルケニルアルキル、置換されていても良いアルキニルアルキル、置換されていても良いアリール、置換されていても良いアリールアルキル、置換されていても良いヘテロアリール及び置換されていても良いヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
-Rは、-H及び置換されていても良いアルキルからなる群から選択され;
-Y-は、非存在であり、-X-は-O-又は-S-であり;又は
-Y-は-N(Q)CH-であり、-X-は-O-であり;
Qは、置換されていても良いアルキル、置換されていても良いアリール、置換されていても良いアリールアルキル、置換されていても良いヘテロアリール及び置換されていても良いヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
任意に、-R及び-Rが一体となって、3~8員環を形成していることができ;
任意に、両方の-Rがそれらが結合している窒素とともに、複素環を形成しており;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0265】
式(IV)の文脈においてのみ、使用される用語は下記の意味を有する。
【0266】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~8個の炭素、又は一部の実施形態では1~6若しくは1~4個の炭素原子の直鎖、分岐若しくは環状飽和炭化水素基を含む。
【0267】
「アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシなど、酸素に結合したアルキル基を含む。
【0268】
「アルケニル」という用語は、炭素-炭素二重結合を有する非芳香族不飽和炭水化物を含む。
【0269】
「アルキニル」という用語は、炭素-炭素三重結合を有する非芳香族不飽和炭水化物を含む。
【0270】
「アリール」という用語は、6~18個の炭素、特定の実施形態において6~10個の炭素の芳香族炭化水素基を含み、フェニル、ナフチル、及びアントラセニルなどの基などがある。「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個のN、O又はS原子を含む3~15個の炭素、好ましくは少なくとも1個のN、O又はS原子を含む3~7個の炭素を含む芳香環を含み、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル、インデニルなどの基などがある。
【0271】
一部の場合において、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分は、アルキレン連結を介して分子の残りの部分にカップリングしていることができる。これらの状況下では、その置換基は、アルケニルアルキル、アルキニルアルキル、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルと称されるようになり、それは、アルキレン部分が、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分とアルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールがカップリングしている分子との間にあることを示している。
【0272】
「ハロゲン」という用語は、ブロモ、フルオロ、クロロ及びヨードを含む。
【0273】
「複素環」という用語は、3~7個の炭素原子及び少なくとも一つのN、O若しくはS原子を含む4~8員の芳香環若しくは非芳香環を指す。例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジン及びテトラヒドロフラニル、並びに上記の「ヘテロアリール」という用語に提供された例示的な基である。
【0274】
環系が置換されていても良い場合、適切な置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びさらなる環からなる群から選択され、それらはそれぞれ、さらに置換されていても良い。上記のものなどのいずれかの基上の任意の置換基には、ハロ、ニトロ、シアノ、-OR、-SR、-NR、-OCOR、-NRCOR、-COOR、-CONR、-SOR、-SOR、-SONR、-SONRなどがあり、各Rは独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはヘテロアリールであり、又は2個のR基がそれらが結合している原子とともに環を形成している。
【0275】
特定の実施形態において、式(IV)の-L-は、一つの部分-L-Zで置換されている。
【0276】
-L-についてのさらなる実施形態がWO2013/036857A1に開示されており、その公報は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。従って、部分-L-は下記式(V)のものである。
【化29】
式中、
破線は、PTH部分である-Dへの結合を示し、その結合は-Dのアミン官能基を介したものであり;
-Rは、置換されていても良いC-C直鎖、分岐若しくは環状のアルキル;置換されていても良いアリール;置換されていても良いヘテロアリール;アルコキシ;及び-NR からなる群から選択され;
-Rは、-H;置換されていても良いC-Cアルキル;置換されていても良いアリール;及び置換されていても良いヘテロアリールからなる群から選択され;
-Rは、-H;置換されていても良いC-Cアルキル;置換されていても良いアリール;及び置換されていても良いヘテロアリールからなる群から選択され;
-Rは、-H;置換されていても良いC-Cアルキル;置換されていても良いアリール;及び置換されていても良いヘテロアリールからなる群から選択され;
各-Rは互いに独立に、-H;置換されていても良いC-Cアルキル;置換されていても良いアリール;及び置換されていても良いヘテロアリールからなる群から選択され;又は一緒になった場合に、2個の-Rがシクロアルキル又はシクロヘテロアルキルであることができ;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0277】
式(V)の文脈でのみ、使用される用語は下記の意味を有する。
【0278】
「アルキル」、「アルケニル」及び「アルキニル」は、1~8個の炭素又は1~6個の炭素又は1~4個の炭素の直鎖、分岐若しくは環状の炭化水素基を含み、アルキルは飽和炭化水素であり、アルケニルは1以上の炭素-炭素二重結合を含み、アルキニルは1以上の炭素-炭素三重結合を含む。別断の断りがない限り、これらは1~6個のCを含む。
【0279】
「アリール」は、6~18個の炭素、好ましくは6~10個の炭素の芳香族炭化水素基を含み、フェニル、ナフチル、及びアントラセンなどの基などがある。
【0280】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のN、O若しくはS原子を含む3~15個の炭素、特定の実施形態において少なくとも1個のN、O若しくはS原子を含む3~7個の炭素を含む芳香環を含み、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル、インデニルなどの基などがある。
【0281】
「置換されている」という用語は、1以上の水素原子に代えて1以上の置換基を含むアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールを意味する。置換基は、F、Cl、Br及びIなどのハロゲン;直鎖、分岐及び環状などの低級アルキル;フルオロアルキル、クロロアルキル、ブロモアルキル、及びヨードアルキルなどの低級ハロアルキル;OH;直鎖、分岐及び環状などの低級アルコキシ;SH;直鎖、分岐及び環状などの低級アルキルチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シリル、例えばアルキルシリル、アルコキシシリル及びアリールシリル;ニトロ;シアノ;カルボニル;カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、アミノカルボニル;アミノアシル;カーバメート;尿素;チオカーバメート;チオ尿素;ケテン;スルホン;スルホンアミド;フェニル、ナフチル、及びアントラセニルなどのアリール;ヘテロアリール、例えばピロール、イミダゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール及びテトラゾールなどの5員ヘテロアリール、ピリジン、ピリミジン、ピラジンなどの6員ヘテロアリール、及びベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソオキサゾール及びベンゾイソチアゾールなどの縮合ヘテロアリールから選択することができる。
【0282】
特定の実施形態において、式(V)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0283】
-L-の別の実施形態がUS7585837B2に開示されており、その公報は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。従って、部分-L-は下記式(VI)のものである。
【化30】
式中、
破線は、PTH部分である-Dへの結合を示し、その結合は-Dのアミン官能基を介したものであり;
及びRは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、-SOH、-SONHR、アミノ、アンモニウム、カルボキシル、PO、及びOPOからなる群から選択され;
、R、及びRは独立に、水素、アルキル、及びアリールからなる群から選択され;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0284】
式(VI)についての適切な置換基は、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、アルキニル(例えば、C2-6アルキニル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール(例えば、芳香族4~7員複素環)又はハロゲン部分である。
【0285】
式(VI)の文脈においてのみ、使用される用語は下記の意味を有する。
【0286】
「アルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「アリール」、「アルカリール」及び「アラルキル」という用語は、1~8個、特定の実施形態において1~4個の炭素原子のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチル、及び6~10個の炭素原子のアリール基、例えばフェニル及びナフチルを意味する。「ハロゲン」という用語は、ブロモ、フルオロ、クロロ及びヨードを含む。
【0287】
特定の実施形態において、式(VI)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0288】
-L-のさらなる実施形態がWO2002/089789A1に開示されており、その公報は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。従って、特定の実施形態において、-L-は下記式(VII)のものである。
【化31】
式中、
破線はPTH部分である-Dへの結合を示しており、その結合は-Dのアミン官能基を介したものであり;
は二官能性連結基であり;
及びYは独立にO、S又はNRであり;
、R、R、R、R及びRは独立に、水素、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6置換されているアルキル、C3-8置換されているシクロアルキル、アリール、置換されているアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されているC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシ、及びC1-6ヘテロアルコキシからなる群から選択され;
Arは、式(VII)に含まれている場合に多置換芳香族炭化水素又は多置換複素環基を形成している部分であり;
Xは、化学結合又は標的細胞中に能動的に輸送される部分、疎水性部分、又はこれらの組み合わせであり、
yは0又は1であり;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0289】
式(VII)の文脈においてのみ、使用される用語は下記の意味を有する。
【0290】
「アルキル」という用語は、例えば直鎖、分岐、置換されているC1-12アルキルを含むものと理解されるものであり、例えばアルコキシ、C3-8シクロアルキル又は置換されているシクロアルキルなどがある。
【0291】
「置換されている」という用語は、官能基又は化合物内に含まれる1以上の原子に1以上の異なる原子が付加されていること、又はそれによって置き換わっていることを含むものと理解されるべきである。
【0292】
置換されているアルキルには、カルボキシアルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル及びメルカプトアルキルなどがあり;置換されているシクロアルキルには、4-クロロシクロヘキシルなどの部分などがあり;アリールには、ナフチルなどの部分などがあり;置換されているアリールには、3-ブロモ-フェニルなどの部分などがあり;アラルキルにはトルイルなどの部分などがあり;ヘテロアルキルには、エチルチオフェンなどの部分などがあり;置換されているヘテロアルキルには、3-メトキシチオフェンなどの部分などがあり;アルコキシには、メトキシなどの部分などがあり;及びフェノキシには、3-ニトロフェノキシなどの部分などがある。ハロ-は、フルオロ、クロロ、ヨード及びブロモを含むものと理解されるべきである。
【0293】
特定の実施形態において、式(VII)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0294】
特定の実施形態において、-L-は、下記式(VIII)の構造を含む。
【化32】
式中、
アスタリスクでマークを付された破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
マークの付されていない破線は、-L-の残りの部分への結合を示しており;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0295】
特定の実施形態において、式(VIII)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0296】
特定の実施形態において、式(VIII)の-L-は、それ以上置換されていない。
【0297】
特定の実施形態において、-L-は、下記式(IX)の下位構造を含む。
【化33】
式中、
アスタリスクでマークを付された破線は、カーバメート結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し;
マークの付されていない破線は、-L-の残りの部分への結合を示しており;
-L-は-L-Zで置換されており、-L-はさらに置換されていても良く;
-L-は単一化学結合又はスペーサーであり;
-Zは水溶性キャリアである。
【0298】
特定の実施形態において、式(IX)の-L-は一つの部分-L-Zで置換されている。
【0299】
特定の実施形態において、式(IX)の-L-は、それ以上置換されていない。
【0300】
特定の実施形態において、-L-は化学結合又はスペーサー部分である。
【0301】
特定の実施形態において、-L-は化学結合である。
【0302】
特定の実施形態において、-L-はスペーサー部分である。
【0303】
-L-が単一化学結合以外である場合、-L-は、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは1以上の-Ry2で置換されていても良く、その-Ry2は同一であるか異なっており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0304】
-Ry1及び-Ry1aは互いに独立に、-H、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは1以上の-Ry2で置換されていても良く、その-Ry2は同一であるか異なっており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0305】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロシクリル、8~30員カルボポリシクリル、及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、1以上の-Ry2で置換されていても良く、その-Ry2は同一であるか異なっており;
【0306】
各-Ry2は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5y5a)、-S(O)N(Ry5y5a)、-S(O)N(Ry5y5a)、-S(O)y5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)N(Ry5ay5b)、-SRy5、-N(Ry5y5a)、-NO、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)y5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5ay5b)、-OC(O)N(Ry5y5a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上のハロゲンによって置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっており;
【0307】
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは1以上のハロゲンによって置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっている。
【0308】
-L-が単一化学結合以外である場合、-L-は、特定の実施形態において、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルから選択され;-T-、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルは1以上の-Ry2で置換されていても良く、その-Ry2は同一であるか異なっており、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0309】
-Ry1及び-Ry1aは互いに独立に、-H、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは1以上の-Ry2で置換されていても良く、その-Ry2は同一であるか異なっており、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0310】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロシクリル、8~30員カルボポリシクリル、及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、1以上の-Ry2で置換されていても良く、-Ry2は同一であるか異なっており;
【0311】
-Ry2は、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5y5a)、-S(O)N(Ry5y5a)、-S(O)N(Ry5y5a)、-S(O)y5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)N(Ry5ay5b)、-SRy5、-N(Ry5y5a)、-NO、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)y5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5ay5b)、-OC(O)N(Ry5y5a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上のハロゲンで置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっており;
【0312】
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは互いに独立に、-H、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上のハロゲンで置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっている。
【0313】
-L-が単一化学結合以外である場合、-L-は、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは1以上の-Ry2で置換されていても良く、その-Ry2は同一であるか異なっており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0314】
-Ry1及び-Ry1aは独立に、-H、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群から選択され;
【0315】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロシクリル、8~30員カルボポリシクリル、及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から選択され;
【0316】
各-Ry2は独立に、ハロゲン、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;
【0317】
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは互いに独立に、-H、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上のハロゲンで置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっている。
【0318】
特定の実施形態において、-L-はC1-20アルキル鎖であり、それは-O-、-T-及び-C(O)N(Ry1)-から独立に選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;C1-20アルキル鎖は-OH、-T及び-C(O)N(Ry6y6a)から独立に選択される1以上の基で置換されていても良く;-Ry1、-Ry6、-Ry6aは独立に、H及びC1-4アルキルからなる群から選択され、Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロシクリル、8~30員カルボポリシクリル、及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から選択される。
【0319】
特定の実施形態において、-L-は、1~20個の原子の鎖長を有する。
【0320】
本明細書で使用される場合、部分-L-に関して「鎖長」という用語は、-L-と-Zの間の最も短い連結中に存在する-L-の原子数を指す。
【0321】
特定の実施形態において、-L-は、下記式(i)のものである。
【化34】
式中、
アスタリスクでマークを付された破線は、-L-への結合を示し;
マークを付していない破線は、-Zへの結合を示し;
nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17及び18からなる群から選択され;
式(i)の部分はさらに置換されていても良い。
【0322】
特定の実施形態において、式(i)のnは、3、4、5、6、7、8及び9からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)のnは4、5、6又は7である。特定の実施形態において、式(i)のnは4である。特定の実施形態において、式(i)のnは5である。特定の実施形態において、式(i)のnは6である。
【0323】
特定の実施形態において、部分-L-L-は、下記のものからなる群から選択される。
【化35】
式中、
マークを付していない破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示しており;
アスタリスクでマークを付された破線は、-Zへの結合を示す。
【0324】
特定の実施形態において、部分-L-L-は、下記のものからなる群から選択される。
【化36】
式中、
マークを付していない破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示しており;
アスタリスクでマークを付された破線は、-Zへの結合を示す。
【0325】
特定の実施形態において、部分-L-L-は、式(IIca-ii)のものである。
【0326】
特定の実施形態において、部分-L-L-は、式(IIcb-iii)のものである。
【0327】
特定の実施形態において、PTHコンジュゲートは、x=1である式(Ia)のものである。
【0328】
キャリア-Zは、C8-24アルキル又はポリマーを含む。特定の実施形態において、-Zはポリマーを含む。特定の実施形態において、-Zは、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0329】
特定の実施形態において、-Zは、5~200kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、8~100kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、10~80kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、12~60kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、15~40kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、約20kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、約40kDaの分子量を有する。
【0330】
特定の実施形態において、そのような水溶性キャリア-Zは、タンパク質を含む。特定の実施形態において、タンパク質は、US2012/0035101A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載の絨毛性ゴナドトロピンのカルボキシル末端ポリペプチド;アルブミン;WO2011/123813A2(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のXTEN配列;WO2011/144756A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のプロリン/アラニンランダムコイル配列;WO2008/155134A1及びWO2013/024049A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のプロリン/アラニン/セリンランダムコイル配列;及びFc融合タンパク質からなる群から選択される。
【0331】
特定の実施形態において、-Zはポリサルコシンである。特定の実施形態において、-Zは、ポリ(N-メチルグリシン)を含む。特定の実施形態において、-Zは、ランダムコイルタンパク質部分を含む。
【0332】
特定の実施形態において、-Zは、1個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、2個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、3個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、4個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、5個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、6個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、7個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、8個のランダムコイルタンパク質部分を含む。
【0333】
特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも25個のアミノ酸残基及び多くとも2000個のアミノ酸を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも30個のアミノ酸残基及び多くとも1500個のアミノ酸残基を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも50個のアミノ酸残基及び多くとも500個のアミノ酸残基を含む。
【0334】
特定の実施形態において、-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において少なくとも85%、特定の実施形態において少なくとも90%、特定の実施形態において少なくとも95%、特定の実施形態において少なくとも98%及び特定の実施形態において少なくとも99%がアラニン及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分のアミノ酸残基の総数の少なくとも10%であるが75%未満、特定の実施形態において65%未満がプロリン残基である。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2011/144756A1(参照によってそれの全内容が本明細書に組み込まれる。)に記載のものである。
【0335】
特定の実施形態において、-Zは、WO2011/144756(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示の配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号51及び配列番号61からなる群から選択される少なくとも一つの部分を含む。アラニン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質を含む部分は、「PA」又は「PA部分」と称される。
【0336】
従って、-Zは、PA部分を含む。
【0337】
特定の実施形態において、-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において少なくとも85%、特定の実施形態において少なくとも90%、特定の実施形態において少なくとも95%、特定の実施形態において少なくとも98%及び特定の実施形態において少なくとも99%がアラニン、セリン及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分のアミノ酸残基の総数の少なくとも4%であるが40%未満がプロリン残基である。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2008/155134A1(参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているものである。特定の実施形態において、-Zは、WO2008/155134A1(参照によって本明細書に組み込まれる)で開示の配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号50、配列番号52、配列番号54及び配列番号56からなる群から選択される少なくとも一つの部分を含む。アラニン、セリン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、「PAS」又は「PAS部分」と称される。
【0338】
従って、-Zは、PAS部分を含む。
【0339】
特定の実施形態において、-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において少なくとも85%、特定の実施形態において少なくとも90%、特定の実施形態において少なくとも95%、特定の実施形態において少なくとも98%及び特定の実施形態において少なくとも99%がアラニン、グリシン及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。アラニン、グリシン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、「PAG」又は「PAG部分」と称される。
【0340】
従って、-Zは、PAG部分を含む。
【0341】
特定の実施形態において、-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において少なくとも85%、特定の実施形態において少なくとも90%、特定の実施形態において少なくとも95%、特定の実施形態において少なくとも98%及び特定の実施形態において少なくとも99%がプロリン及びグリシンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。プロリン及びグリシンを含むそのようなランダムコイルタンパク質を含む部分部分は、「PG」又は「PG部分」と称される。
【0342】
特定の実施形態において、そのようなPG部分は、下記式(a-0)の部分を含む。
[(Gly)-Pro-(Gly)(a-0);
式中、
pは、0、1、2、3、4及び5からなる群から選択され;
qは、0、1、2、3、4及び5からなる群から選択され;
rは、10~1000の範囲(両端を含む)の整数であり;
ただし、p及びqのうちの少なくとも一つが少なくとも1である。
【0343】
特定の実施形態において、式(a-0)のpは、1、2及び3からなる群から選択される。
【0344】
特定の実施形態において、式(a-0)のqは、0、1及び2から選択される。
【0345】
特定の実施形態において、PG部分は、配列番号122:GGPGGPGPGGPGGPGPGGPGの配列を含む。
【0346】
特定の実施形態において、PG部分は、下記式(a-0-a)の配列番号97の配列を含む。
(GGPGGPGPGGPGGPGPGGPG)(a-0-a)
[式中、
vは1~50の範囲(両端を含む)の整数である]。
【0347】
従って、-Zは、PG部分を含む。
【0348】
特定の実施形態において、-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において少なくとも85%、特定の実施形態において少なくとも90%、特定の実施形態において少なくとも95%、特定の実施形態において少なくとも98%及び特定の実施形態において少なくとも99%がアラニン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタミン酸及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2010/091122A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のものである。特定の実施形態において、-Zは、WO2010/091122A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示の配列番号182、配列番号183、配列番号184;配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号759、配列番号760、配列番号761、配列番号762、配列番号763、配列番号764、配列番号765、配列番号766、配列番号767、配列番号768、配列番号769、配列番号770、配列番号771、配列番号772、配列番号773、配列番号774、配列番号775、配列番号776、配列番号777、配列番号778、配列番号779、配列番号1715、配列番号1716、配列番号1718、配列番号1719、配列番号1720、配列番号1721及び配列番号1722からなる群から選択される少なくとも一つの部分を含む。アラニン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタミン酸及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、WO2010/091122A1での呼称と一致して「XTEN」又は「XTEN部分」と称される。
【0349】
従って、-Zは、XTEN部分を含む。
【0350】
特定の実施形態において、-Zは脂肪酸誘導体を含む。特定の実施形態において、脂肪酸誘導体は、WO2005/027978A2及びWO2014/060512A1(これらは、参照によって本明細書に組み込まれる)に開示のものである。
【0351】
特定の実施形態において、-Zは、ヒアルロン酸系ポリマーである。
【0352】
特定の実施形態において、-Zは、WO2012/02047A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示のキャリアである。特定の実施形態において、-Zは、WO2013/024048A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示のキャリアである。
【0353】
特定の実施形態において、-ZはPEG系ポリマー、例えば直鎖、分岐若しくは多アームPEG系ポリマーである。
【0354】
特定の実施形態において、-Zは直鎖PEG系ポリマーである。
【0355】
特定の実施形態において、-Zは多アームPEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは少なくとも4個のPEG系アームを有する多アームPEG系ポリマーである。
【0356】
特定の実施形態において、そのような多アームPEG系ポリマー-Zは複数の部分-L-L-Dに連結されており、各部分-L-L-Dは、特定の実施形態において、アームの末端に連結されている。特定の実施形態において、そのような多アームPEG系ポリマー-Zは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16個の部分-L-L-Dに連結されている。特定の実施形態において、そのような多アームPEG系ポリマー-Zは、2、3、4、6又は8個の部分-L-L-Dに連結されている。特定の実施形態において、そのような多アームPEG系ポリマー-Zは、2、4又は6個の部分-L-L-Dに連結されており、特定の実施形態においてそのような多アームPEG系ポリマー-Zは4又は6個の部分-L-L-Dに連結されており、特定の実施形態においてそのような多アームPEG系ポリマー-Zは4個の部分-L-L-Dに連結されている。
【0357】
特定の実施形態において、そのような多アームPEG系ポリマー-Zは、例えば、JenKem Technology, USAの製品リスト(2014年12月18日のhttp://www.jenkemusa.com/Pages/PEGProducts.aspxからのダウンロードによってアクセス)に詳細に記載されている多アームPEG誘導体であり、例えば4アームPEG誘導体、特にはペンタエリスリトールコアを含む4アームPEG、ヘキサグリセリンコアを含む8アームPEG誘導体、及びトリペンタエリスリトールコアを含む8アームPEG誘導体である。特定の実施形態において、水溶性PEG系キャリア-Zは、下記のものから選択される部分を含む:
ペンタエリスリトールコアを含む4アームPEGアミン:
【化37】
(nは20~500の範囲である。);
ヘキサグリセリンコアを含む8アームPEGアミン:
【化38】
(nは20~500の範囲であり;
R=ヘキサグリセリン若しくはトリペンタエリスリトールコア構造である。);
ソルビトール若しくはトリペンタエリスリトールコアを含む6アームPEGアミン:
【化39】
(nは20~500の範囲であり;
R=ソルビトール若しくはジペンタエリスリトールコアを含み;
破線は、PTHコンジュゲートの残りの部分への結合を示す。)。
【0358】
特定の実施形態において、-Zは分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1、2、3、4、5又は6個の分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1、2又は3個の分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1個の分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、2個の分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、3個の分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。
【0359】
特定の実施形態において、分岐点は、-N<、-CH<及び>C<からなる群から選択される。
【0360】
特定の実施形態において、そのような分岐PEG系部分-Zは、少なくとも10kDaの分子量を有する。
【0361】
特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zは、10kDa~500kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zは、10kDa~250kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zは、10kDa~150kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zは、12kDa~100kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zは、15kDa~80kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。
【0362】
特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zは、10kDa~80kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、その分子量は約10kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zの分子量は、約20kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zの分子量は、約30kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zの分子量は、約40kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zの分子量は、約50kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zの分子量は、約60kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zの分子量は、約70kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zの分子量は、約80kDaである。特定の実施形態において、そのような分岐部分-Zは、約40kDaの分子量を有する。
【0363】
特定の実施形態において、-Zは下記部分を含む。
【化40】
【0364】
特定の実施形態において、-Zはアミド結合を含む。
【0365】
特定の実施形態において、-Zは、下記式(a)の部分を含む。
【化41】
式中、
破線は、-L-への又は-Zの残りの部分への結合を示しており;
BPは-N<、-CR<及び>C<からなる群から選択される分岐点であり;
-Rは、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;
BPが-N<又は-CR<である場合、aは0であり、BPが>C<である場合、nは1であり;
-S-、-Sa′-、-Sa″-及び-Sa′″-は互いに独立に、化学結合であり、又はC1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、1以上の-Rで置換されていても良く、そのRは同一であるか異なっており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(R)S(O)N(R2a)-、-S-、-N(R)-、-OC(OR)(R2a)-、-N(R)C(O)N(R2a)-及び-OC(O)N(R)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
各-T-は独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロシクリル、8~30員カルボポリシクリル、及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から選択され;各-T-は独立に、1以上の-Rで置換されていても良く、そのRは同一であるか異なっており;
各-Rは独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR、-OR、-C(O)R、-C(O)N(R3a)、-S(O)N(R3a)、-S(O)N(R3a)、-S(O)、-S(O)R、-N(R)S(O)N(R3a3b)、-SR、-N(R3a)、-NO、-OC(O)R、-N(R)C(O)R3a、-N(R)S(O)3a、-N(R)S(O)R3a、-N(R)C(O)OR3a、-N(R)C(O)N(R3a3b)、-OC(O)N(R3a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、1以上のハロゲンで置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっており;
各-R、-R2a、-R、-R3a及び-R3bは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは1以上のハロゲンで置換されていても良く、そのハロゲンは同一であるか異なっており;
-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は独立にポリマー性部分である。
【0366】
特定の実施形態において、式(a)のBPは-N<である。特定の実施形態において、式(a)のBPは>C<である。特定の実施形態において、式(a)のBPは-CR<である。特定の実施形態において、-Rは-Hである。従って、式(a)のaは0である。
【0367】
特定の実施形態において、式(a)の-S-は化学結合である。
【0368】
特定の実施形態において、式(a)の-S-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(R)S(O)N(R4a)-、-S-、-N(R)-、-OC(OR)(R4a)-、-N(R)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R)-からなる群から選択される1以上の化学基によって割り込まれていても良く;-T-は3~10員ヘテロシクリルであり;-R及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。
【0369】
特定の実施形態において、式(a)の-S-はC1-10アルキルであり、それは-T-、-C(O)N(R)-及び-O-からなる群から選択される1以上の化学基によって割り込まれている。
【0370】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa′-は化学結合である。
【0371】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa′-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは、1以上の化学基からなる群から選択される-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(R)S(O)N(R4a)-、-S-、-N(R)-、-OC(OR)(R4a)-、-N(R)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R)-によって割り込まれていても良く;-R及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa′-はメチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、それらは、-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R)-からなる群から選択される1以上の化学基によって割り込まれていても良い。
【0372】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa″-は化学結合である。
【0373】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa″-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(R)S(O)N(R4a)-、-S-、-N(R)-、-OC(OR)(R4a)-、-N(R)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R)-からなる群から選択される1以上の化学基によって割り込まれていても良く;-R及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa″-はメチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択される、それらは、-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R)-からなる群から選択される1以上の化学基によって割り込まれていても良い。
【0374】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa′″-は化学結合である。
【0375】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa′″-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)N(R)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(R)S(O)N(R4a)-、-S-、-N(R)-、-OC(OR)(R4a)-、-N(R)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R)-からなる群から選択される1以上の化学基によって割り込まれていても良く;-R及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa′″-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、それらは、-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R)-からなる群から選択される1以上の化学基によって割り込まれていても良い。
【0376】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は独立に、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0377】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は独立に、PEG系部分を含む。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は独立に、少なくとも20%PEGを含む、特定の実施形態において少なくとも30%を含む、特定の実施形態において少なくとも40%PEGを含む、特定の実施形態において少なくとも50%PEGを含む、特定の実施形態において少なくとも60%PEGを含む、特定の実施形態において少なくとも70%PEGを含む、特定の実施形態において少なくとも80%PEGを含む、及び特定の実施形態において少なくとも90%PEGを含むPEG系部分を含む。
【0378】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は独立に、5kDa~50kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有し、特定の実施形態において5kDa~40kDaの範囲(両端を含む)の、特定の実施形態において7.5kDa~35kDaの範囲(両端を含む)の、特定の実施形態において7.5~30kDaの範囲(両端を含む)の、特定の実施形態において10~30kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。
【0379】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は、約5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は約7.5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は約10kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は、約12.5kDaの分子量を有する。別の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は、約15kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa′″は、約20kDaの分子量を有する。
【0380】
特定の実施形態において、-Zは、一つの式(a)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは二つの式(a)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、三つの式(a)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは式(a)の部分である。
【0381】
特定の実施形態において、-Zは、下記の式(b)の部分を含む。
【化42】
式中、
破線は、-L-への、又は-Zの残りの部分への結合を示しており;
m及びpは互いに独立に、150~1000の範囲(両端を含む)の整数;特定の実施形態において、150~500の範囲(両端を含む)の整数;特定の実施形態において、200~500の範囲(両端を含む)の整数;及び特定の実施形態において、400~500の範囲(両端を含む)の整数である。
【0382】
特定の実施形態において、式(b)のm及びpは同じ整数である。特定の実施形態において、式(b)のm及びpは約450である。
【0383】
特定の実施形態において、-Zは式(b)の部分である。
【0384】
特定の実施形態において、PTHコンジュゲートの総質量は、少なくとも10kDa、例えば少なくとも12kDa、例えば少なくとも15kDa、例えば少なくとも20kDa又は例えば少なくとも30kDaである。特定の実施形態において、PTHコンジュゲートの総質量は、最大250kDa、例えば最大200kDa、180kDa、150kDa又は100kDaである。
【0385】
特定の実施形態において、PTHコンジュゲートは、下記式(IIe-i)のものである。
【化43】
式中、
マークを付されていない破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示しており;
アスタリスクでマークを付された破線は、下記部分への結合を示す。
【化44】
式中、
m及びpは独立に、400~500の範囲(両端を含む)の整数である。
【0386】
特定の実施形態において、-Dは、PTH部分のN末端アミン官能基を介して式(IIe-i)のPTHコンジュゲートに結合している。
【0387】
特定の実施形態において、PTHコンジュゲートは、下記式(IIf-i)のものである。
【化45】
式中、
マークを付されていない破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示しており;
アスタリスクでマークを付された破線は、下記の部分への結合を示す。
【化46】
式中、
m及びpは独立に400~500の範囲(両端を含む)の整数である。
【0388】
特定の実施形態において、-Dは、PTH部分のN末端アミン官能基を介して式(IIf-i)のPTHコンジュゲートに結合している。
【0389】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は、1以上のさらなる賦形剤、例えば、安定化剤、吸着抑制剤、粘度調整剤及び抗生物質を含むことができる。特定の実施形態において、一つの賦形剤が複数の、例えば二重若しくは三重の機能を有することができる。
【0390】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤はさらに安定化剤、例えばアラニン;アルギニン;アスパラギン酸;グリシン;ヒスチジン;リジン;プロリン;糖類、例えばグルコース、ショ糖、及びトレハロース;多価アルコール、例えばグリセロール及びソルビトール;塩類、例えばリン酸カリウム及び硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばEDTA及びヘキサホスフェート;リガンド類、例えば二価金属イオン;他の塩又は有機分子、例えばフェノール誘導体;オリゴマー又はポリマー、例えばシクロデキストリン類、デキストラン、デンドリマー類、PEG、PVP、プロタミン及びHSAからなる群から選択される安定化剤を含むことができる。糖は、複数の機能、例えば等張剤かつ安定化剤であることができることが理解される。
【0391】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤はさらに、吸着抑制剤、例えばポロキサマー(Pluronic F-68)、PEGドデシルエーテル(Brij 35)、ポリソルベート20及び80、デキストラン、ポリエチレングリコール、PEG-ポリヒスチジン、BSA、HSA及びゼラチン類などの製剤又は製剤容器の内表面をコーティング又は競争的吸着するのに使用される主としてイオン性若しくは非イオン性界面活性剤又は他のタンパク質若しくは可溶性ポリマーからなる群から選択される吸着抑制剤を含むことができる。賦形剤の選択される濃度及び種類は、回避されるべき効果によって決まるが、代表的には、CMCよりわずかに高い濃度で界面に界面活性剤の単層が形成される。
【0392】
驚くべきことに、本発明の液体医薬製剤内において、少なくとも6ヶ月間にわたって、PTH部分のメチオニン残基に酸化は認められず、酸化防止剤が必要とされないことが認められた。従って、特定の実施形態において、液体医薬製剤は酸化防止剤を全く含まない。
【0393】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は、PTHコンジュゲート、コハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤を含む。
【0394】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.05~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、
pHは3.0~6.0の範囲である。
【0395】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.05~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、
pHは3.5~5.0の範囲である。
【0396】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.05~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、pHは3.7~4.3の範囲である。
【0397】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.1~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、
pHは3.0~6.0の範囲である。
【0398】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.1~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、
pHは3.5~5.0の範囲である。
【0399】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.1~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、
pHは3.7~4.3の範囲である。
【0400】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.1~1.5mg/mL
コハク酸:0.6~6.0mg/mL
D-マンニトール:30~60mg/mL
m-クレゾール:1.5~3.5mg/mL
を含み、
pHは3.0~6.0の範囲である。
【0401】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.1~1.5mg/mL
コハク酸:0.6~6.0mg/mL
D-マンニトール:30~60mg/mL
m-クレゾール:1.5~3.5mg/mL
を含み、
pHは3.5~5.0の範囲である。
【0402】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.1~1.5mg/mL
コハク酸:0.6~6.0mg/mL
D-マンニトール:30~60mg/mL
m-クレゾール:1.5~3.5mg/mL
を含み、
pHは3.7~4.3の範囲である。
【0403】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.25~0.35mg/mL
コハク酸:1.0~1.4mg/mL
D-マンニトール:36~48mg/mL
m-クレゾール:2.0~3.0mg/mL
を含み、
pHは3.0~6.0の範囲である。
【0404】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.25~0.35mg/mL
コハク酸:1.0~1.4mg/mL
D-マンニトール:36~48mg/mL
m-クレゾール:2.0~3.0mg/mL
を含み、
pHは3.5~5.0の範囲である。
【0405】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.25~0.35mg/mL
コハク酸:1.0~1.4mg/mL
D-マンニトール:36~48mg/mL
m-クレゾール:2.0~3.0mg/mL
を含み、
pHは3.7~4.3の範囲である。
【0406】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:約0.15mg/mL
コハク酸:1.0~3.0mg/mL
D-マンニトール:33~51mg/mL
m-クレゾール:1.0~3.0mg/mL
を含み、
pHは3.0~6.0の範囲である。
【0407】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.15mg/mL
コハク酸:1.0~3.0mg/mL
D-マンニトール:33~51mg/mL
m-クレゾール:1.0~3.0mg/mL
を含み、
pHは3.0~6.0の範囲である。
【0408】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤は、約0.3mg/mL PTH部分を含むPTHコンジュゲート、約1.18mg/mLコハク酸、約41.7mg/mL D-マンニトール、約2.5mg/mL m-クレゾールを含み、pHは約4.0である。
【0409】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤は、0.3mg/mL PTH部分を含むPTHコンジュゲート、1.2mg/mLコハク酸、42mg/mL D-マンニトール、3mg/mL m-クレゾールを含み、pHは4である。
【0410】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤は、0.3mg/mL PTH部分を含むPTHコンジュゲート、1.18mg/mLコハク酸、41.7mg/mL D-マンニトール、2.5mg/mL m-クレゾールを含み、pHは4.0である。
【0411】
本発明の液体医薬製剤がpH調整剤を含み得ることは、当業者には認識される。
【0412】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤は、約0.3mg/mL PTH部分を含むPTHコンジュゲート、約1.18mg/mLコハク酸、約41.7mg/mL D-マンニトール、約2.5mg/mL m-クレゾール、約3.5mg/mLの1.0N水酸化ナトリウムを含み、pH約4.0を有する。
【0413】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤は、0.3mg/mL PTH部分を含むPTHコンジュゲート、1.2mg/mLコハク酸、42mg/mL D-マンニトール、3mg/mL m-クレゾール、4mg/mLの1.0N水酸化ナトリウムを含み、pH4を有する。
【0414】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤は、0.3mg/mL PTH部分を含むPTHコンジュゲート、1.18mg/mLコハク酸、41.7mg/mL D-マンニトール、2.5mg/mL m-クレゾール、3.5mg/mLの1.0N水酸化ナトリウムを含み、pH4.0を有する。
【0415】
上記の液体医薬製剤は、少なくとも6ヶ月間、例えば少なくとも7ヶ月間、例えば少なくとも8ヶ月間、例えば少なくとも9ヶ月間、例えば少なくとも10ヶ月間、例えば少なくとも11ヶ月間、例えば少なくとも12ヶ月間安定な液体医薬製剤である。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、少なくとも14ヶ月間、例えば少なくとも16ヶ月間、例えば少なくとも18ヶ月間、例えば少なくとも20ヶ月間、例えば少なくとも22ヶ月間、例えば少なくとも24ヶ月間、例えば少なくとも36ヶ月間安定である。
【0416】
特定の実施形態において、上記の液体医薬製剤は、-80℃~25℃、例えば-20℃~25℃、例えば-15℃~25℃、例えば-10℃~25℃、例えば-5℃~25℃、例えば0℃~25℃、例えば2℃~8℃の範囲の温度で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は2℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は4℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は5℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は8℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は10℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は16℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は20℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は25℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は30℃で保存される。特定の実施形態において、液体医薬製剤は40℃で保存される。
【0417】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、2℃~8℃で保存される場合少なくとも36ヶ月間安定である。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、2℃で保存される場合少なくとも36ヶ月間安定である。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、5℃で保存される場合少なくとも6ヶ月間安定である。特定の実施形態において、液体医薬製剤は、30℃で保存される場合少なくとも2週間安定である。
【0418】
本願人は、驚くべきことに、本発明の液体医薬製剤内で、PTHと水溶性キャリアの間の可逆的連結が安定であり、凍結乾燥や凍結乾燥物からの再生(再構成)の必要がなくなることを見出した。しかしながら、所望に応じて、本発明の液体医薬製剤を、例えば凍結乾燥によって乾燥して、乾燥医薬製剤、例えばフリーズドライ医薬製剤を形成しても良い。
【0419】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくとも緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤と混合する工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHを調整する工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(v)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0420】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0421】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートは、緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤と混合される。
【0422】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤と混合する工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHを調整する工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(v)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0423】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0424】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートは、コハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤と混合される。
【0425】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤と混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.05~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHをNaOH及びHClで調整して、pH3.0~pH6.0の範囲のpHとする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(v)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0426】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0427】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートを、コハク酸、マンニトール及びm-クレゾールと混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.05~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含む製剤を得る。
【0428】
特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.5~pH5.0の範囲のpHに調整する。特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.7~pH4.3の範囲のpHに調節する。
【0429】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール、任意に酸化防止剤と混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.10~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHをNaOH及びHClで調整して、pH3.0~pH6.0の範囲のpHとする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(vi)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(vii)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0430】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0431】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートを、コハク酸、マンニトール及びm-クレゾールと混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.10~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含む製剤を得る。
【0432】
特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.5~pH5.0の範囲のpHに調節する。特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.7~pH4.3の範囲のpHに調節する。
【0433】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール、及び任意に酸化防止剤と混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.10~1.5mg/mL
コハク酸:0.6~6mg/mL
D-マンニトール:30~60mg/mL
m-クレゾール:1.5~3.5mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHをNaOH及びHClで調整して、pH3.0~pH6.0の範囲のpHとする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(v)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0434】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0435】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートを、コハク酸、マンニトール及びm-クレゾールと混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.10~1.5mg/mL
コハク酸:0.6~6mg/mL
D-マンニトール:30~60mg/mL
m-クレゾール:1.5~3.5mg/mL
を含む製剤を得る。
【0436】
特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.5~pH5.0の範囲のpHに調節する。特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.7~pH4.3の範囲のpHに調整する。
【0437】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール、及び任意に酸化防止剤と混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.25~0.35mg/mL
コハク酸:1.0~1.4mg/mL
D-マンニトール:36~48mg/mL
m-クレゾール:2.0~3.0mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHをNaOH及びHClで調整して、pH3.0~pH6.0の範囲のpHとする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(v)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0438】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0439】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートを、コハク酸、マンニトール及びm-クレゾールと混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.25~0.35mg/mL
コハク酸:1.0~1.4mg/mL
D-マンニトール:36~48mg/mL
m-クレゾール:2.0~3.0mg/mL
を含む製剤を得る。
【0440】
特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.5~pH5.0の範囲のpHに調節する。特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.7~pH4.3の範囲のpHに調整する。
【0441】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール、及び任意に酸化防止剤と混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:約0.15mg/mL
コハク酸:1.0~3.0mg/mL
D-マンニトール:33~51mg/mL
m-クレゾール:1.0~3.0mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHをNaOH及びHClで調整して、pH3.0~pH6.0の範囲のpHとする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(v)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0442】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0443】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートを、コハク酸、マンニトール及びm-クレゾールと混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.15mg/mL
コハク酸:1.0~3.0mg/mL
D-マンニトール:33~51mg/mL
m-クレゾール:1.0~3.0mg/mL
を含む製剤を得る。
【0444】
特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.5~pH5.0の範囲のpHに調節する。特定の実施形態において、工程(ii)で、pHを、pH3.7~pH4.3の範囲のpHに調節する。
【0445】
特定の実施形態において、本発明による液体医薬製剤の製造方法は、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール、及び任意に酸化防止剤と混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.30mg/mL
コハク酸:1.18mg/mL
D-マンニトール:41.7mg/mL
m-クレゾール:2.5mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHをNaOH及びHClで調整して、pH約4.0とする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望の用量数に相当する工程(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる工程;
(v)前記容器を密閉する工程
を含み、
工程(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い。
【0446】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0447】
特定の実施形態において、工程(i)におけるPTHコンジュゲートを、コハク酸、マンニトール及びm-クレゾールと混合して、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.30mg/mL
コハク酸:1.18mg/mL
D-マンニトール:41.7mg/mL
m-クレゾール:2.5mg/mL
を含む製剤を得る。
【0448】
特定の実施形態において、工程(i)の製剤のpHをpH4に調整する。
【0449】
本発明の別の態様は、本発明の液体医薬製剤を含む容器を指す。
【0450】
特定の実施形態において、容器は、バイアル;注射器、例えば二室型注射器;アンプル及びカートリッジ、例えば二室型カートリッジからなる群から選択され得る。
【0451】
特定の実施形態において、カートリッジは、ペン型注入器、例えば自動注入器とともに用いるためのものである。
【0452】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は単一用量として提供され、それは液体医薬製剤を含む容器が1治療用量を含むことを意味する。
【0453】
特定の実施形態において、液体医薬製剤は、複数用量を含み、それは、液体医薬製剤を含む容器が複数の治療用量を含むことを意味する。
【0454】
特定の実施形態において、複数用量の液体医薬製剤は、少なくとも2用量、例えば少なくとも4用量、例えば少なくとも6用量、例えば少なくとも8用量、例えば少なくとも10用量、例えば少なくとも12用量のPTHコンジュゲートを含み、特定の実施形態においては例えば少なくとも14用量を含む。
【0455】
特定の実施形態において、複数用量の液体医薬製剤は、少なくとも2、4、6、8、10、12又は14用量のPTHコンジュゲートを含む。
【0456】
従って、本発明の別の態様において、液体医薬製剤は複数用量製剤として提供される。
【0457】
本発明の別の態様は、医薬としての使用のための本発明の液体医薬製剤である。
【0458】
別の態様において、本発明は、PTHによって治療、抑制、遅延若しくは予防できる1以上の疾患の治療、抑制、遅延又は予防での使用のための本発明の液体医薬製剤に関するものである。
【0459】
特定の実施形態において、本発明は、PTHによって治療できる1以上の疾患の治療での使用のための本発明の液体医薬製剤に関するものである。
【0460】
本発明のさらなる態様は、患者における、PTHによって治療できる1以上の疾患の治療、抑制、遅延若しくは予防方法であって、当該患者に対して、治療上有効量の本発明の液体医薬製剤を投与することを含む方法である。
【0461】
特定の実施形態において、PTHによって治療、抑制、遅延若しくは予防できる前記1以上の疾患は、低ホスファターゼ血症、ステロイド誘発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症、関節炎、骨関節炎、骨形成不全症、線維性骨異形成、関節リウマチ、パジェット病、悪性腫瘍関連の体液性高カルシウム血症、骨減少症、歯周病、骨折、脱毛症、化学療法誘発性脱毛症及び血小板減少症の患者における副甲状腺機能低下症、高リン血症、骨粗鬆症、骨折修復、骨軟化症、骨軟化症及び骨粗鬆症からなる群から選択される。
【0462】
特定の実施形態において、PTHによって治療、抑制、遅延若しくは予防できる前記1以上の疾患は、低ホスファターゼ血症、ステロイド誘発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症、関節炎、骨関節炎、骨形成不全症、線維性骨異形成、関節リウマチ、パジェット病、悪性腫瘍関連の体液性高カルシウム血症、骨減少症、歯周病、骨折、脱毛症、化学療法誘発性脱毛症及び血小板減少症、慢性歯周炎、顎骨壊死及びALPL遺伝子突然変異による難治性骨折の患者における副甲状腺機能低下症、高リン血症、骨粗鬆症、骨折修復、骨軟化症、骨軟化症及び骨粗鬆症からなる群から選択される。
【0463】
特定の実施形態において、前記疾患は副甲状腺機能低下症である。
【0464】
特定の実施形態において、前記疾患は、免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0465】
特定の実施形態において、前記疾患は、CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4)、PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)、PD-L1(プログラム死リガンド1)、PD-L2(プログラム死リガンド2)、KIR(キラー細胞免疫グロブリン様受容体)、B7-H3、B7-H4、BTLA(B及びTリンパ球減弱因子)、LAG3(リンパ球活性化遺伝子3)、TIM-3(T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有-3)、VISTA(T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー)、ILT2/LILRB1(Ig様転写物2/白血球Ig様受容体1)、ILT3/LILRB4(Ig様転写物3/白血球Ig様受容体4)、ILT4/LILRB2(Ig様転写物4/白血球Ig様受容体2)、TIGIT(Igドメイン及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)、NKG2A、PVRIG又はこれらの組み合わせを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0466】
特定の実施形態において、前記疾患は、CTLA-4、PD-1、PD-L1又はこれらの組み合わせを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0467】
特定の実施形態において、前記疾患は、イピリムマブ、トレメリムマブ、MK-1308、FPT155、PRS010、BMS-986249、BPI-002、CBT509、JS007、ONC392、TE1254、IBI310、BR02001、CG0161、KN044、PBI5D3H5、BCD145、ADU1604、AGEN1884、AGEN1181、CS1002又はCP675206などの免疫チェックポイント阻害剤によるCTLA-4を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0468】
特定の実施形態において、前記疾患は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、AMP-224、BMS-936559、セミプリマブ又はPDR001などの免疫チェックポイント阻害剤によるPD-1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0469】
特定の実施形態において、前記疾患は、MDX-1105、MEDI4736、アテゾリズマブ、アベルマブ、BMS-936559又はデュルバルマブなどの免疫チェックポイント阻害剤によるPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0470】
特定の実施形態において、前記疾患は、PD-L2を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0471】
特定の実施形態において、前記疾患は、リリルマブ(IPH2102)又はIPH2101などの免疫チェックポイント阻害剤によるKIRを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0472】
特定の実施形態において、前記疾患は、MGA271などの免疫チェックポイント阻害剤によるB7-H3を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0473】
特定の実施形態において、前記疾患は、FPA150などの免疫チェックポイント阻害剤によるB7-H4を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0474】
特定の実施形態において、前記疾患は、BTLAを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0475】
特定の実施形態において、前記疾患は、IMP321(エフチラギモドアルファ)、レラトリマブ、MK-4280、AVA017、BI754111、ENUM006、GSK2831781、INCAGN2385、LAG3Ig、LAG525、REGN3767、Sym016、Sym022、TSR033、TSR075又はXmAb22841などの免疫チェックポイント阻害剤によるLAG3を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0476】
特定の実施形態において、前記疾患は、LY3321367、MBG453又はTSR-022などの免疫チェックポイント阻害剤によるTIM-3を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0477】
特定の実施形態において、前記疾患は、JNJ-61610588などの免疫チェックポイント阻害剤によるVISTAを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0478】
特定の実施形態において、前記疾患は、ILT2/LILRB1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0479】
特定の実施形態において、前記疾患は、ILT3/LILRB4を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0480】
特定の実施形態において、前記疾患は、MK-4830などの免疫チェックポイント阻害剤によるILT3/LILRB2を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0481】
特定の実施形態において、前記疾患は、MK-7684、PTZ-201、RG6058又はCOM902などの免疫チェックポイント阻害剤によるTIGITを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0482】
特定の実施形態において、前記疾患は、IPH-2201などの免疫チェックポイント阻害剤によるNKG2Aを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0483】
特定の実施形態において、前記疾患は、COM701などの免疫チェックポイント阻害剤によるPVRIGを標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0484】
特定の実施形態において、前記疾患は、PD-1及びCTLA-4の両方を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0485】
特定の実施形態において、前記疾患は、ニボルマブによる免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0486】
特定の実施形態において、前記疾患は、イピリムマブによる免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0487】
特定の実施形態において、前記疾患は、ペンブロリズマブによる免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0488】
特定の実施形態において、前記疾患は、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせによる免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される副甲状腺機能低下症である。
【0489】
特定の実施形態において、前記疾患は、免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される関節リウマチである。
【0490】
特定の実施形態において、前記疾患は、PD-1又はPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される関節リウマチである。
【0491】
特定の実施形態において、前記疾患は、PD-1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される関節リウマチである。
【0492】
特定の実施形態において、前記疾患は、PD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される関節リウマチである。
【0493】
特定の実施形態において、前記疾患は、ニボルマブによる免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される関節リウマチである。
【0494】
特定の実施形態において、前記疾患は、ペンブロリズマブによる免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される関節リウマチである。
【0495】
特定の実施形態において、前記疾患は、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせによる免疫チェックポイント阻害剤治療によって誘発される関節リウマチである。
【0496】
特定の実施形態において、前記疾患は、免疫チェックポイント阻害剤治療後に再発した関節リウマチである。
【0497】
本発明の液体医薬製剤は、例えば、局所、経腸若しくは非経口投与を介して、及び関節内、関節周囲、皮内、皮下、筋肉、静脈、骨内、腹腔内、髄腔内、嚢内、眼窩内、硝子体内、鼓室内、膀胱内、心臓内、経気管、表皮下、被膜下、くも膜下、脊髄内、脳室内、胸骨内注射、注入、鼻腔内、経口、経肺及び経皮投与などの外部投与、注射若しくは注入、脳組織若しくは脳液への本発明などの送達を可能とする埋込機器(例えば、オンマイヤーリザーバー)を介した脳への直接送達、直接の脳室内注射若しくは注入、脳若しくは脳関連領域への注射若しくは注入、脈絡膜下スペースへの注射、眼窩後方注射及び好ましくは皮下注射を介した点眼などの外部投与、注射若しくは注入法によって投与することができる。
【0498】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は、皮下注射を介して投与される。
【0499】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は、注射器及び針又は自動注入器などのペン型注入器を用いる皮下注射を介して投与される。
【0500】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は、注射器及び針を用いる皮下注射を介して投与される。
【0501】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は、ペン型注入器を用いる皮下注射を介して投与される。
【0502】
特定の実施形態において、本発明の液体医薬製剤は、自動注入器を用いる皮下注射を介して投与される。
【0503】
二つの連続する皮下投与間の期間、すなわち投与間隔は、特定の実施形態において少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、120時間、132時間、144時間、156時間、1週間、2週間、3週間又は4週間毎である。
【0504】
特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は12時間である。特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は24時間である。特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は48時間である。特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は72時間である。特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は96時間である。特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は120時間である。特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は144時間である。特定の実施形態において、二つの連続する皮下投与間の期間は1週間である。
【実施例
【0505】
材料及び方法
別断の断りがある場合を除き、材料は全て市販されている。
【0506】
製剤を調製するため、賦形剤原液を調製した。全ての賦形剤を混合し、水で最終体積の90%まで充填し、計算された量のNaOH溶液をその溶液に加えて、化合物1添加後に最終製剤の所望のpH値とした。次に、適切な量の化合物1を加え、溶解した。pH調節後、メスフラスコで体積を最終体積に調節した。その製剤を0.2μm PVDFフィルターで濾過して充填に供した。
【0507】
肉眼検査:欧州薬局方(第8版;モノグラフ2.9.20)に従って、白色背景の前で5秒間及び黒色背景の前で5秒間、カートリッジを光照射下で手動で緩やかに振り混ぜ、肉眼で観察できる粒子の有無を検査した。検査は、2名の熟練した検査員が独立に行った。観察された肉眼で見える粒子を分類するため、「Deutscher Arzneimittel-Codex」(DAC 2006)に基づく数値スコアを用いた。
【0508】
pH:製剤のpHを、標準イオン強度電極を用いる較正されたpH計により室温で測定した。
【0509】
浸透圧:サンプルの浸透圧は、凝固点降下法によって測定した。
【0510】
マイクロフローイメージング:マイクロフローイメージング測定を、MFI-5200粒子分析装置システムで行った。
【0511】
HP-SECを用いて化合物1の純度を求めた。10000~600000g/molの分子量の球状タンパク質の分別に適した等級の架橋アガロース及びデキストランから構成される10×300mmカラムでサンプルを分析した。検出波長は、波長215nmであった。
【0512】
RP-HPLCを用いて遊離PTHを検出し、化合物1の純度及び含有量を求めた。孔径130Å及び粒径1.7μmを有するC18 2.1×100mmカラムを用いた。検出は波長215nmで行った。含有量は、基準サンプルの測定によって求めた。
【0513】
イン・ビトロ放出後のRP-HPLC分析:化合物1からのPTHの放出をpH10.1及び5℃で行って、ペプチド分解を最小とした。5℃で76時間インキュベートした後、酢酸を加えることで放出を停止した。得られたサンプルについて、孔径130Å及び粒径1.7μmのC18 2.1×100mmカラムでのRP-HPLCを行った。検出は、波長215nmで行った。
【0514】
[実施例1]
化合物1の合成
【化47】
コンジュゲート18についてWO2017/148883A1に記載の方法に従って、化合物1を合成した。
【0515】
[実施例2]
化合物1を含む製剤の安定性試験
液体医薬製剤のpH値の化合物1からの放出PTH(1-34)の量に対する影響を評価した。そのために、化合物1を含む4種類の異なる製剤(F1、F2、F3及びF4)を調製した(表1)。各製剤は、PTH(1-34) 0.4mg/mLを含ませた。
【0516】
【表1】
【0517】
製剤をカートリッジに充填し、最長3ヶ月間にわたり5℃、25℃/60%RH及び40℃/75%RHに設定されたインキュベータ中でインキュベートした。2週間、1ヶ月及び3ヶ月間後に、製剤及び貯蔵条件ごとに1個のカートリッジを取り出し、分析した。表2に、RP-HPLCによって検出された、F1、F2、F3及びF4について、経時的な放出遊離PTHの量を示す。pH値が高いほど、液体医薬製剤中で放出される遊離PTH量が多いことが観察された。
【0518】
【表2】
【0519】
次に、F1、F2、F3及びF4内のPTH(1-34)の純度を評価した。そのために、化合物1からのPTHの放出を、pH10.1及び5℃で誘発した。5℃で76時間インキュベートした後、酢酸を加えて放出を停止した。得られたサンプルについてRP-HPLC分析を行った。表3は、脱アミド化ペプチド種のパーセントが、pH値が高いほど製剤においてより大きいが、切断ペプチド種、すなわち、PTH(1-30)のパーセントは、pH値が低いほど製剤中で大きくなることを示す。全体的に、経時的に最も高いペプチド純度は、40℃/75%RHでインキュベートしたサンプルのうち、製剤F1で観察された。
【0520】
【表3】
【0521】
[実施例3]
化合物1を含む製剤の酸化に対する安定性
ヘッドスペース(HS)中の酸化防止剤及び酸素の化合物1及び遊離PTHの安定性に対する効果を調べた。酸化防止剤の濃度及びHS体積を変えて、pH4.0で化合物1を含む4種類の異なる製剤(F5、F6、F7及びF8)を調製した(表4)。各製剤は、PTH(1-34) 0.4mg/mLを含ませた。
【0522】
【表4】
【0523】
製剤を、各種ヘッドスペース(無HS、50μL HS、又は200μL HS)を有するカートリッジに充填した。それらのカートリッジを最長6ヶ月間にわたり5℃及び25℃/60%RHに設定したインキュベータでインキュベートした。2週間、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月後に、製剤及び貯蔵条件ごとに1個のカートリッジを取り出し、RP-HPLC分析を行った。
【0524】
表5は、5℃で貯蔵された製剤において、6ヶ月間の期間にわたり、遊離PTHが全く放出されなかったことを示している。25℃で貯蔵した製剤では、約0.9%の遊離PTHが3ヶ月後に検出された。
【0525】
【表5】
【0526】
PTHの放出を化合物1から誘発した後(pH10.1及び5℃)、得られた混合物について、RP-HPLC分析を行った。表6に示したように、酸化種の検出された量は、全ての製剤において不変であった。ヘッドスペース体積及び酸化防止剤濃度を変えても、酸化種レベルにほとんど影響しなかった。
【0527】
【表6】
【0528】
[実施例4]
化合物1の安定性に対する保存剤濃度の影響
保存剤濃度及び保存剤の種類の化合物1及びペプチドの安定性に対する影響を調べた。この目的のために、pH4.0で化合物1を含む4種類の異なる製剤(F9、F10、F11、F12)を調製した。各製剤は、PTH(1-34) 0.4mg/mLを含ませた。製剤をカートリッジに充填し、最長6ヶ月間にわたり5℃及び40℃/75%RHに設定したインキュベータでインキュベートした。1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月後に、製剤及び貯蔵条件当たり1個のカートリッジを個々のインキュベータから取り出し、分析を行った。
【0529】
【表7】
【0530】
6ヶ月間にわたり5℃で貯蔵した全ての製剤について、RP-HPLC分析で遊離PTHは認められなかった。40℃で貯蔵した製剤の場合、3ヶ月後に、遊離PTHレベルは5.0%及び5.5%まで上昇した。表8は、被験製剤において有意差は全く認められなかったことを示す。
【0531】
【表8】
【0532】
化合物1からのPTH放出後(pH10.1及び5℃)、得られた溶液について、RP-HPLC分析を行った。表9に示したように、RP-HPLC分析では、5℃で保存した全ての製剤においてペプチド純度に低下は示されなかった。脱アミド化、切断のレベル、すなわち、PTH(1-30)及び酸化の量は、5℃で6ヶ月間貯蔵した後に変化しなかった。40℃で3ヶ月間貯蔵した製剤で、t0での約90%から3ヶ月後での56~58%までペプチド純度の低下が見られた。脱アミド化は2%から約17%に上昇し、PTH(1-30)は0.1~0.2%から10%に上昇した。酸化のレベルは、製剤F9におけるわすかな上昇以外は変化が見られなかった。分析した製剤間の差は認められなかった。従って、保存剤の濃度も種類も、化合物1の安定性及びペプチドの純度に対してほとんど影響しなかった。
【0533】
【表9】
【0534】
[実施例5]
化合物1を含む製剤の安定性試験
化合物1及び賦形剤の濃度の影響、並びpHの効果を評価した。そのため、3.5~4.5の範囲のpHで化合物1を含む19種類の製剤(F13~F31、表10参照)を調製した。各製剤は、PTH(1-34)を0.2~0.8mg/mLで含ませた。
【0535】
【表10】
【0536】
製剤をカートリッジに充填し、最長6ヶ月間にわたり5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHに設定されたインキュベータでインキュベートした。1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月後、製剤及び貯蔵条件当たり1個のカートリッジを個々のインキュベータから取り出し、分析を行った。肉眼検査結果は、全ての液体医薬製剤F13~F31について、安定性試験(6ヶ月)中、サンプルは透明無色で粒子を含まないことが確認された。散発的にのみ、いくつかの肉眼でわかる粒子が検出された。さらに、選択された条件下では、肉眼で観察できる凝集物は形成されなかった。
【0537】
液体医薬製剤F13~F31のpHを、5℃で貯蔵した場合に24ヶ月間にわたり、25℃及び30℃で貯蔵した場合は6ヶ月間にわたり、そして40℃で貯蔵した場合は3ヶ月間にわたってモニタリングしたところ、pH値は標的値から±0.1の規格内に留まることが観察された。製剤における差は観察されなかった。
【0538】
次に、製剤中の賦形剤の量の異なる液体医薬製剤F13~F31において、異なる浸透圧値が測定された。5℃で24ヶ月貯蔵後、25℃及び30℃で6ヶ月貯蔵後、並びに40℃で3ヶ月貯蔵後に、全ての製剤について、浸透圧値に変化は見られなかった。
【0539】
マイクロフローイメージング(MFI)結果に関して、T0で、及び製剤を5℃で貯蔵した場合は最長24ヶ月間にわたる、製剤を25℃及び30℃で貯蔵した場合は最長6ヶ月にわたる、そして製剤を40℃で貯蔵した場合は最長3ヶ月間にわたる安定性試験中、全ての製剤について粒子濃度が非常に低いことが認められた。散発的にのみ、シリコーンオイル液滴様粒子が検出された。
【0540】
また、pH4.0でPTH(1-34) 0.3mg/mL、コハク酸1.18mg/mL、マンニトール41.7mg/mL、m-クレゾール2.5mg/mLを含む液体製剤を、8wh/mのUV露光と組み合わせた71798ルクス時間の照度に曝露する、露光試験による光安定性試験を行った。露光した製剤と基準との間に差は全く認められなかった。
【0541】
HP-SEC分析によれば、高分子量種の割合は、製剤を5℃で貯蔵した場合は24ヶ月以内、そして、製剤を25℃、30℃及び40℃で貯蔵した場合は6ヶ月以内で変化しなかった。HMW種の量が一定であったことは、製剤を5℃で貯蔵した場合は24ヶ月以内、そして、製剤を25℃、30℃及び40℃で貯蔵した場合は6ヶ月以内で凝集物が全く形成されないことを示している。
【0542】
RP-HPLCによる分析により、製剤を最長24ヶ月間にわたり5℃で貯蔵した場合に、化合物1の含有量に変化がないことが明らかになった(表11)。25℃で6ヶ月間貯蔵した場合に一部の製剤について含有量にわずかな低下が認められた。表12に示したように、この傾向は、より高い温度で貯蔵した後にはより顕著であった。相対的に高いpH値を有する製剤が、相対的に低いpHを有する製剤より、化合物1含有量にわずかながら有意な低下を示した。
【0543】
【表11】
【0544】
【表12】
【0545】
化合物1の純度は、製剤を最長24ヶ月間にわたり5℃で貯蔵した場合に、ごくわずかな低下を示した(表13)。その純度低下は、全ての製剤において温度が高いほど顕著であった(表14)。相対的に高いpH値を有する製剤は、相対的に低いpHの製剤より影響を受けた。
【0546】
【表13】
【0547】
【表14】
【0548】
24ヶ月間にわたり5℃で貯蔵した製剤において、遊離PTHは全く検出されなかった。相対的に高い温度で貯蔵した製剤の場合、経時的に、遊離PTHのわずかな上昇が認められた。
【0549】
【表15】
【0550】
【表16】
【0551】
相対的に高いpH値を有する製剤は、相対的に低いpH値を有する製剤より、遊離PTH種に強い増加を示したが、分析した製剤間でほとんど差は認められなかった。
【0552】
【表17】
【0553】
【表18】
【0554】
PTH放出(pH10.1及び5℃)後のRP-HPLCから、最長24ヶ月間にわたって5℃で貯蔵した製剤について遊離PTHの純度に有意な変化が全くないことが明らかになった。温度が高いほど、純度における時間・温度依存的低下が認められた。相対的に低いpH値を有する製剤は、相対的に高いpHを有する製剤より、純度がわずかに低いことを特徴とした。
【0555】
【表19】
【0556】
【表20】
【0557】
表21及び22で示されているように、PTH放出後に、いかなる製剤又は貯蔵条件においても、酸化化学種の増加はほとんど見られなかった。全ての製剤で、一つの酸化種のごくわずかな増加が認められた。この増加は、温度が高いほどわずかに有意であった。
【0558】
【表21】
【0559】
【表22】
【0560】
RP-HPLC分析で、全ての製剤についてPTH(1-30)の時間・温度依存的増加が明らかになった。相対的に低いpHを有する製剤は、相対的に高いpH値を有する製剤と比較して、PTH(1-30)の量がわずかに高いことを特徴とした。
【0561】
【表23】
【0562】
表24及び25は、全ての製剤についての脱アミド化種の温度・時間依存的増加を示している。5℃で貯蔵した製剤について、24ヶ月貯蔵後で、脱アミド化種の量に有意な変化はなかった。
【0563】
【表24】
【0564】
【表25】
【0565】
略称
CHAPS:3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
HEPES:4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
LC-MS-:液体クロマトグラフィー結合質量分析
M:月
n.d.:測定不能又は定量限界以下(LOQ)
pH:水素イオン濃度(potential hydrogenii)
PTH:副甲状腺ホルモン
RH:相対湿度
RP-HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
SEC:サイズ排除クロマトグラフィー
sec:秒
TFA:トリフルオロ酢酸
TRIS:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
W:週
実施形態
(1)液体医薬製剤であって、前記医薬製剤がPTHコンジュゲート、緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤を含み、前記PTHコンジュゲートが共有結合的及び可逆的に水溶性キャリアに結合したPTH部分を含む液体医薬製剤。
(2)前記緩衝剤が、コハク酸、クエン酸、乳酸、酢酸、グルタミン酸、フマル酸、アスパラギン酸、グルタル酸、リン酸、ヒスチジン、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、(1)に記載の液体医薬製剤。
(3)前記緩衝剤が、コハク酸、乳酸、酢酸、グルタミン酸、フマル酸、アスパラギン酸、グルタル酸、リン酸、ヒスチジン、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、(1)又は(2)に記載の液体医薬製剤。
(4)前記緩衝剤がコハク酸である、(1)~(3)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(5)前記等張剤が、マンニトール、トレハロース、ショ糖、ラフィノース、ゼラチン、乳糖、リン酸二カルシウム、ソルビトール、キシリトール、グリシン、ヒスチジン、エタノール、ヒドロキシエチルデンプン、塩化カリウム、塩化ナトリウム、デキストロース、デキストラン、プロピレングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、(1)~(4)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(6)前記等張剤がマンニトールである、(1)~(5)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(7)前記保存剤が、m-クレゾール、ベンジルアルコール、安息香酸、フェノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム、2-エトキシエタノール、クロルヘキシジン、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀及びこれらの混合物からなる群から選択される、(1)~(6)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(8)前記保存剤がm-クレゾールである、(1)~(7)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(9)前記酸化防止剤が、メチオニン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、重亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、システイン、グルタチオン、モノチオグリセロール、ポリ(エチレンイミン)、ビタミンE、エクトイン、モリン及びこれらの混合物からなる群から選択される、(1)~(8)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(10)前記酸化防止剤がメチオニンである、(1)~(9)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(11)前記医薬製剤がさらにpH調整剤を含む、(1)~(10)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(12)前記PTH部分が、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114又は配列番号115の配列を有する、(1)~(11)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(13)前記PTH部分が配列番号51の配列を有する、(1)~(12)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(14)前記水溶性キャリアがポリマーを含む、(1)~(13)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(15)前記ポリマーが、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択される、(14)に記載の液体医薬製剤。
(16)前記医薬製剤がPTHコンジュゲート、コハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤を含む、(1)~(15)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(17)前記医薬製剤が、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.05~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、
pHが3.0~6.0の範囲である、(1)~(16)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(18)前記医薬製剤が、
PTHコンジュゲート、そのうちのPTH部分:0.1~5.0mg/mL
コハク酸:0.25~24mg/mL
D-マンニトール:10~200mg/mL
m-クレゾール:1~10mg/mL
を含み、
pHは3.0~6.0の範囲である、(1)~(17)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(19)前記PTHコンジュゲートが下記式(Ia)又は(Ib)のものである、(1)~(18)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
【化48】
[式中、
-DはPTH部分であり;
-L -は、PTHの官能基を介してPTH部分-Dに結合した可逆的リンカー部分であり;
-L -は単一化学結合又はスペーサー部分であり;
-Zは水溶性キャリア部分であり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15及び16からなる群から選択される整数であり;
yは1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。]
(20)式(Ia)のxが1、2、3、4、6及び8からなる群から選択される整数である、(19に記載の液体医薬製剤。
(21)式(Ib)のyが2、3、4及び5からなる群から選択される整数である、(19に記載の液体医薬製剤。
(22)前記PTHコンジュゲートが式(Ia)のものであり、xが1である、(19又は20に記載の液体医薬製剤。
(23)-Dが、アミド結合を形成することで窒素を介して-L -に連結されている、(19)~(22)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(24)-L -が、-DのN末端アミン官能基に直接結合している、(19)~(23)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(25)-L -がスペーサー部分である、(19)~(24)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(26)-L -が14g/mol~750g/molの範囲の分子量を有する、(19)~(25)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(27)-L -が1~20原子の鎖長を有する、(19)~(26)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(28)-L -が下記式(i)のものである、(19)~(27)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
【化49】
[式中、
アスタリスクでマークを付された破線は、-L -への結合を示し;
マークを付していない破線は、-Zへの結合を示し;
nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17及び18からなる群から選択され;
式(i)の部分はさらに置換されていても良い。]
(29)nが3、4、5、6、7、8及び9からなる群から選択される、(28に記載の液体医薬製剤。
(30)-ZがC 8-24 アルキル又はポリマーを含む、(19)~(29)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(31)-Zがポリマーを含む、(19)~(30)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(32)-Zが、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む、(19)~(31)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(33)-Zが5~200kDaの範囲の分子量を有する、(19)~(32)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(34)-Zが下記の部分を含む、(19)~(33)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
【化50】
(35)(1)~(34)のいずれかに記載の液体医薬製剤の製造方法であって、当該方法が、
(i)PTHコンジュゲートを少なくとも緩衝剤、等張剤、保存剤及び任意に酸化防止剤と混合する段階;
(ii)段階(i)の混合物のpHを調整する段階;
(iii)任意に、段階(ii)からの混合物を濾過する段階;
(iv)所望の用量数に相当する段階(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる段階;
(v)前記容器を密閉する段階
を含み、
段階(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い、製造方法。
(36)(1)~(34)のいずれかに記載の液体医薬製剤の製造方法であって、当該方法が、
(i)PTHコンジュゲートを少なくともコハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤と混合する段階;
(ii)段階(i)の混合物のpHを調整する段階;
(iii)任意に、段階(ii)からの混合物を濾過する段階;
(iv)所望の用量数に相当する段階(ii)又は(iii)からの混合物の量を容器に移し入れる段階;
(v)前記容器を密閉する段階
を含み、
段階(ii)及び(iii)の順序は逆にしても良い、製造方法。
(37)段階(ii)及び(iii)が逆にはならない、(35又は36に記載の製造方法。
(38)段階(i)における前記PTHコンジュゲートをコハク酸、マンニトール、m-クレゾール及び任意に酸化防止剤と混合する、(36)に記載の製造方法。
(39)医薬として使用するための、(1)~(34)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(40)PTHによって治療、抑制、遅延若しくは予防可能な1以上の疾患の治療、抑制、遅延若しくは予防での使用のための、(1)~(34)のいずれかに記載の液体医薬製剤。
(41)前記疾患が、低ホスファターゼ血症、ステロイド誘発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症、関節炎、骨関節炎、骨形成不全症、線維性骨異形成、関節リウマチ、パジェット病、悪性腫瘍関連の体液性高カルシウム血症、骨減少症、歯周病、骨折、脱毛症、化学療法誘発性脱毛症及び血小板減少症、慢性歯周炎、顎骨壊死及びALPL遺伝子突然変異による難治性骨折の患者での副甲状腺機能低下症、高リン血症、骨粗鬆症、骨折修復、骨軟化症、骨軟化症及び骨粗鬆症からなる群から選択される、(40)に記載の使用のための液体医薬製剤。
(42)前記疾患が副甲状腺機能低下症である、(40)又は(41)に記載の使用のための液体医薬製剤。
(43)患者において、PTHによって治療可能な1以上の疾患を治療、抑制、遅延若しくは予防する方法であって、当該患者に対して、(1)~(34)のいずれかに記載の治療用医薬製剤を投与することを含む方法。
(44)前記疾患が、低ホスファターゼ血症、ステロイド誘発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症、関節炎、骨関節炎、骨形成不全症、線維性骨異形成、関節リウマチ、パジェット病、悪性腫瘍関連の体液性高カルシウム血症、骨減少症、歯周病、骨折、脱毛症、化学療法誘発性脱毛症及び血小板減少症、慢性歯周炎、顎骨壊死及びALPL遺伝子突然変異による難治性骨折の患者での副甲状腺機能低下症、高リン血症、骨粗鬆症、骨折修復、骨軟化症、骨軟化症及び骨粗鬆症からなる群から選択される、(43)に記載の方法。
(45)前記疾患が副甲状腺機能低下症である、(43)又は(44)に記載の方法。
【配列表】
0007542545000001.app