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特許7542549光学ビーム合成のためのデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】光学ビーム合成のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/34 20060101AFI20240823BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20240823BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20240823BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240823BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G02B6/34
H01S3/067
H01S3/10 Z
G02B6/26
G02B5/18
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021549370
(86)(22)【出願日】2020-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 IL2020050195
(87)【国際公開番号】W WO2020174461
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】265027
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(31)【優先権主張番号】271130
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】514288875
【氏名又は名称】エルビット システムズ エレクトロ-オプティクス エロップ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】シファー,ゼーブ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マロム,ラン ツヴィ
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0082863(US,A1)
【文献】特開2000-162466(JP,A)
【文献】特開2003-172813(JP,A)
【文献】特開2015-072955(JP,A)
【文献】特開2001-004447(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107240856(CN,A)
【文献】特表2003-515187(JP,A)
【文献】国際公開第00/029888(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-1/39
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
H01S 3/00-4/00
H01S 5/00-5/50
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバから発せられる複数のスペクトル微分された入射光学ビームを合成するためのスペクトルビーム合成(SBC)デバイスであって、
モノリシック本体であって、少なくとも部分的に透明であり、かつ
前記複数の光ファイバに固定的に接続された、または接続可能な平坦な入力面と、
単一の回折面と、
出力面と、
少なくとも1つの反射面と、
の少なくとも4つの異なる面を有する、モノリシック本体を備え、
前記モノリシック本体は、前記入射光学ビームを方向付けるように構成され、その出力面を介して前記モノリシック本体を出射する単一のマルチスペクトル合成出力光学ビームに前記入射光学ビームを合成するために、前記回折面に少なくとも2回衝突させるように前記入射光学ビームを方向付けることにより、前記モノリシック本体の内側の多重回折光学路を通って、前記入力面を介して内部に入射し、
前記モノリシック本体が、入射光学ビームを多重回折光路に導くことによって、すべての光学ビームが出力面を介して前記モノリシック本体から平行な出射軌道で出射するように、前記入射光学ビームを結合し、それによって結合された出射光学ビームを形成するように構成されている、SBCデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの反射面は、前記回折面に向かってそれらを方向付けるために、少なくとも1回光学ビームを反射するように位置決めされた、請求項1に記載のSBCデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの反射面のうちの1つは、前記回折面に対して平行又は角度を付けて位置決めされる、請求項2に記載のSBCデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの反射面は、全内部反射(TIR)または部分内部反射(PIR)のために構成された多数の反射面を備える、請求項1~3のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項5】
前記出力面は、反射領域および透明領域を含み、前記反射領域に衝突する光学ビームを前記モノリシック本体内に向かって反射して戻し、前記回折面に再び方向付けられるようにし、かつ前記透明領域に方向付けられた光学ビームがそこから前記モノリシック本体を出射することを可能にするように位置決めされる、請求項1~4のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項6】
すべての入射光学ビームは、平行な軌道で前記入力面を通って前記モノリシック本体に入射し、それらが前記モノリシック本体に入射する際の前記入射光学ビームの前記軌道は、前記回折面に対して角度を有する、請求項1~5のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項7】
前記モノリシック本体の前記入力面および/または前記出力面のうちの少なくとも1つは、平坦である、請求項1~6のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項8】
前記モノリシック本体の構成およびそれに対する前記光ファイバの接続は、前記入射光学ビームを前記入力面から前記回折面に向かって、前記回折面から前記少なくとも1つの反射面に、前記少なくとも1つの反射面から再び前記回折面に、および前記回折面から前記出力面に方向付けるように、互いに平行に入射する前記入射光学ビームを、二重光学路を通るよう方向付けるように設計される、請求項1~7のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項9】
前記入射光学ビームは、異なる波長または波長帯域のもので、それにより、互いとスペクトル微分され、前記回面は、前記入射光学ビームの前記波長間の差に関して構成される、請求項1~8のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項10】
前記回折面は、少なくとも1つの回折格子マスク、プリズムのうちの少なくとも1つを含み、前記少なくとも1つの回折格子マスクは、前記モノリシック本体の幾何学的形状および寸法、ならびに前記入射光学ビームの前記波長に対応して構成される、請求項9に記載のSBCデバイス。
【請求項11】
前記回面は、前記モノリシック本体の少なくとも片側にエッチングされるか、エンボス加工されるか、または取り付けられる少なくとも1つの位相マスクを備える、請求項1~10のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項12】
複数のスペクトル微分された入射光学ビームを合成するためのスペクトルビーム合成(SBC)デバイスであって、
複数のスペクトル微分された光学ビームを出力する複数の光ファイバと、
モノリシック本体であって、少なくとも部分的に透明であり、かつ
前記複数の光ファイバに固定的に接続された入力面と、
単一の回折面と、
出力面と、
少なくとも1つの反射面と、
の少なくとも4つの異なる面を有する、モノリシック本体を備え、
前記モノリシック本体は、前記入射光学ビームを方向付けるように構成され、前記出力面を介して前記モノリシック本体を出射する単一のマルチスペクトル合成出射光学ビームに前記入射光学ビームを合成するために、前記回折面に少なくとも2回衝突させるように前記入射光学ビームを方向付けることにより、前記モノリシック本体の内側の多重回折光学路を通って、前記入力面を介して内部に入射し、
前記モノリシック本体が、入射光学ビームを多重回折光路に導くことによって、すべての光学ビームが出力面を介して前記モノリシック本体からお互いに平行な出射軌道で出射するように、前記入射光学ビームを結合し、それによって単一のマルチスペクトル合成出射光学ビームを形成するように構成されている、SBCデバイス。
【請求項13】
前記光ファイバは、ドープされた光ファイバおよび/または二重クラッド光ファイバを含む、請求項12に記載のSBCデバイス。
【請求項14】
前記入射光学ビームが平行な入射軌道でそこを通って入射するように、前記光ファイバは平坦な入射面に固定的に接続される、請求項12または13に記載のSBCデバイス。
【請求項15】
前記光ファイバは、互いに等間隔で前記入力面に接続する、請求項12~14のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項16】
前記回折面は、回折格子マスク、プリズムのうちの少なくとも1つを含む、請求項12~15のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項17】
前記モノリシック本体は、光学ビームを前記回折面に向かって方向付けるように、少なくとも1回反射させるように位置決めされる少なくとも1つの反射面をさらに備える、請求項12~16のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項18】
前記モノリシック本体は、すべての光学ビームが、平行な出射軌道で、前記出力面を介して前記モノリシック本体から出射するように、前記多重回折光学路を通って方向付けることで、前記入射光学ビームを合成して、前記合成出光学ビームを形成するように構成される、請求項12~17のいずれか一項以上に記載のSBCデバイス。
【請求項19】
スペクトル微分された光学ビームをスペクトルビーム合成(SBC)するための方法であって、
-多数の光ファイバに接続可能な平坦な入力面と、出力面と、単一の回折面と、少なくとも1つの反射面と、の少なくとも4つの異なる面を有するモノリシック本体を含むSBCデバイスを提供することと、
-多数のスペクトル微分された光学ビームを、前記入力面を通して前記SBCデバイスの前記モノリシック本体に方向付けることと、
-前記回折面に少なくとも2回衝突させるよう、前記多数のスペクトル微分された光学ビームを方向付けることによって可能となる、多重回折光学路を通ってそれらを方向付けることで前記SBCデバイスの前記モノリシック本体の内側で前記多数のスペクトル微分された光学ビームを合成し、マルチスペクトル合成出力ビームを形成することと、
-前記SBCデバイスのモノリシック本体の出力面を介して前記マルチスペクトル合成出力ビームを出力することと、を含み、
前記モノリシック本体が、入射光学ビームを多重回折光路に導くことによって、すべての光学ビームが出力面を介して前記モノリシック本体から平行な出射軌道で出射するように、前記入射光学ビームを結合し、それによって結合された出射光学ビームを形成するように構成されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、多数の光学ビームを合成するためのデバイス、装置、システム、および構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
光学増幅器は、ますます多くの産業および用途のための多くのシステム、特に高電力のレーザ出力を必要とするシステムで広く使用されている。
【0003】
光学増幅器は、増幅されるべき光信号を電気信号のような非光信号に変換し、次に、光信号に戻すことを必要とすることなく、光学機器および/または要素を使用することによって光信号の増幅を可能にするデバイスまたはシステムである。光学増幅のためのいくつかの方法は、二重クラッドドープ光ファイバのような1つ以上のドープされた光導波路が光学入力のパワースケーリングのために使用される、ドープされたファイバ増幅(DFA)を含む。1つのタイプのDFAは、ゲイン媒体としてドープされた光ファイバを使用するファイバレーザを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
これらの図は、本文書で考察されている様々な実施形態を、限定ではなく例として一般的に示している。
【0005】
図を簡潔かつ明確にするために、図に示されている要素は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。例えば、一部の要素の寸法は、提示を明確にするために他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、参照番号は、対応するまたは類似の要素を示すために図の間で繰り返され得る。以前に提示された要素への言及は、それらが現れる図面または説明を必ずしもさらに引用することなく示唆されている。図は以下のとおりである。
【0006】
図1】コヒーレントビーム合成の背景技術のセットアップを示す。
図2】いくつかの実施形態による、モノリシック本体と位相マスクを有する光学要素とを含む、多数の光ファイバから発せられる多数の光学ビームを合成するためのコヒーレントビーム合成システムの一般的なレイアウトを示す。
図3A】いくつかの実施形態による、回折光学要素としてビームスプリッタがどのようにして使用されるかを示すための、ビームスプリッタの一般的な光学効果を例示する図を示す。
図3B】例示的なビームスプリッタの位相マスクの断面エッチングパターンを例示する図を示す。
図3C図3Bに与えられる位相マスクによる、ビームスプリッタによって分割されたビームの高オーダーのサイドローブを示す。
図4】いくつかの実施形態による、その出力面上に位相マスクが埋め込まれたモノリシック本体を含む多数の光ファイバから発せられる多数の光学ビームを合成するためのコヒーレントビーム合成システムの一般的なレイアウトを示す。
図5】いくつかの実施形態による、レンズ形状の出力面および分離された(非結合の)光学要素を有するモノリシック本体を使用するコヒーレントビーム合成システムを示す。
図6】いくつかの実施形態による、内側反射面を備えたモノリシック本体と、その出力面上にエッチング、エンボス加工、または接着された位相マスクとを使用するコヒーレントビーム合成システムを示す。
図7】いくつかの実施形態による、湾曲した入力面を備えたモノリシック本体と、その出力面上にエッチング、エンボス加工、または接着された位相マスクとを使用するコヒーレントビーム合成システムを示す。
図8】いくつかの実施形態による、徐々に変化する屈折指数化構成を有するモノリシック本体を含むコヒーレントビーム合成デバイスを示す。
図9】いくつかの実施形態による、多数のビーム合成デバイスを有するコヒーレントビーム合成のためのシステムを示す。
図10A】単一の回折格子要素を使用した、スペクトルビーム合成のための背景技術の光学セットアップを示す。
図10B】2つの回折格子要素を使用した、スペクトルビーム合成のための背景技術の光学セットアップを示す。
図11】いくつかの実施形態による、単一の回折面およびそれに平行な反射面を有するモノリシック本体を使用するスペクトルビーム合成デバイスを示す。
図12】いくつかの実施形態による、単一の回折面およびそれに対して角度が付けられた反射面を有するモノリシック本体を使用するスペクトルビーム合成デバイスを示す。
図13】いくつかの実施形態による、単一の回折面および多数の反射面を有するモノリシック本体を使用するスペクトルビーム合成デバイスを示す。
図14】いくつかの実施形態による、複数のコヒーレントビーム合成デバイスから発せられるスペクトル微分された光学ビームのスペクトル合成のためのシステムを示す。
図15】いくつかの実施形態による、コヒーレントビーム合成のための方法のフローチャートを示す。
図16】いくつかの実施形態による、スペクトルビーム合成のための方法のフローチャートを示す。
図17】いくつかの実施形態による、カスケードビーム合成のための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
開示される実施形態の態様は、多数の光ファイバのような多数の光源から発せられる多数のビームを合成することによる光学増幅のためのデバイスおよびシステムに関わる。
【0008】
パワースケーリングのための光学増幅器として使用されるファイバレーザは、ゲイン媒体として、ドープされた光ファイバ(「ドープされたファイバ」とも称される)のような1つ以上の光ファイバを使用する。ファイバレーザの出力ビームのビーム品質および/または最大ゲインパワーは、誘導ブリルアン散乱(SBS)、誘導ラマン散乱(SRS)、および/またはモード熱不安定性などのいくつかの物理的影響を受ける可能性がある。これらの影響は、出力ビームの品質および/または最大出力ビームパワーを制限するなど、ファイバレーザ出力ビームの物理的特性を制限し得る。
【0009】
「ドープされた光ファイバ」という用語は、エルビウム、ジスプロシウム、イッテルビウム、ネオジム、ツリウム、プラセオジム、および/またはホルミウムなどであるがこれらに限定されない、1つ以上の元素でドープされた任意のタイプの光ファイバに関する。
【0010】
本明細書で(交換可能に)使用される「光学ビーム」または「ビーム」という用語は、光波長範囲内の任意の伝搬電磁信号、場、および/または波を指し得る。
【0011】
「ビーム品質」という用語は、波面(プロファイル)品質、ビーム廃棄物、ビーム半径、ビーム発散、ビーム強度/振幅、ビー明るさレベル(輝き)、位相偏差(位相コヒーレンス)など、および/またはこれらのビーム特性の経時的および/または距離的な維持などであるがこれらに限定されない、任意の1つ以上のビーム特性に関し得る。
【0012】
出力パワーおよび/または近回折ビームの品質の制限などの、ファイバレーザまたは他のDFAベースのデバイスおよびシステムにおける制限的な物理的影響のいくつかを克服するために、少なくともパワースケーリングおよび/またはビーム品質を改善するために、ビーム合成を使用することができ、いくつかの光学導波路(コアドープされた、または任意の他のタイプの光ファイバ)から任意選択的に発せられる多数の光学ビームを単一の光学ビームに合成することを伴う。
【0013】
スペクトルビーム合成(SBC)およびコヒーレントビーム合成(CBC)の2つのビーム合成技術が使用され得る。
【0014】
SBCは、一般に、多数のビーム源から発せられる多数のビームの合成として説明され得、ここで、ビームは、異なる波長(例えば、重なり合わない、または部分的に重なり合う波長帯域)のものである。SBCに関して、合成のために使用される光学要素(すなわち、スペクトル合成器デバイスまたはスペクトル合成器)のレイアウトは、波長にセンシティブで、単一の統一された外向き方向に伝搬される広帯域出力ビームを形成するのと同じ伝搬方向に、すべてのビームが最終的その出力で伝搬されることを可能にするよう構成されるべきである。SBSデバイスは、すべての入射ビームの波長を維持するよう構成され得る。
【0015】
CBCは、一般に、例えば、出力で建設的な干渉を得るために、例えば、入射ビームの位相を制御することによって、単一の統一された外向き方向に伝搬される(例えば、パワースケーリングされた)コヒーレント狭帯域出力ビームを出力するために、類似の、重なり合う、または同一の波長もしくは波長狭帯域を有するコヒーレント光学ビームを合成するための方法として説明され得る。CBCでは、入力で、コヒーレント光学ビームは(実質的に)同一の位相を有し得る。
【0016】
図1は、コリメートされたビームを単一の合成出力ビーム15に合成するために、回折格子要素(DOE)13が位置決めされた単一の焦点面にビームを合焦するためのコリメートレンズ12を有する、多数の光ファイバ11a、11b、および11cから発せられる多数のビーム(コヒーレント、すなわち、類似、同一、または重なり合う波長のものであってもよい)を合成するための背景技術のCBC光学システム10の任意選択的なレイアウトを示す。このCBC光学システム10の要素、すなわちレンズ12のファイバ11a~11cおよびDOE13はすべて互いから離間されており、したがって、離間された状態でのそれらの位置合わせのために各要素を所定の位置で保持する必要がある。この構成は、高出力ビーム品質を生成および維持するために、CBC光学システム10のすべての光学要素間で高レベルの位置合わせを必要とするため、物理的不安定性に非常にセンシティブである。レンズ12、DOE13のわずかな揺れおよび/または光ファイバ10a~10cの出力面の互いに対する変位などの任意の動きは、全体的な合成プロセスおよび品質に影響を与え得る。
【0017】
開示される実施形態の態様は、少なくとも、モノリシック本体、およびそこから出力される単一の合成光学ビーム(本明細書では「出力ビーム」)を形成するように入射ビームのCBCのために構成される位相マスクを含む複数の光ファイバから発せられる多数の光学ビーム(本明細書では「入射ビーム」)のコヒーレントビーム合成のためのビーム合成デバイスに関わる。
【0018】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体は、すべての入射ビームを単一の焦点に合焦させるように構成され得、位相マスクは、焦点を含む平面上に位置決めされ得る。例えば、モノリシック本体は、その中を方向付けられた入射ビームが互いに同じ出射分離角において焦点で収束するように構成され得、分離角および焦点は位相マスクがその上に位置決めされる焦点面を画成する。
【0019】
位相マスクは、モノリシック本体の不可欠な部分であってもよいか、または別個の光学要素に埋め込まれ得る。別個の光学要素が使用される場合、焦点面がモノリシック本体の片側上に位置される場合、モノリシック本体は焦点および焦点面がその外側となるように、またはモノリシック本体の少なくとも片側に結合されるよう構成されると、位相マスクが中に埋め込まれた光学要素は、モノリシック本体から離れて、かつその外側に位置決めされ得る。
【0020】
開示されたCBCデバイスの実施形態は、少なくともCBCデバイスのいくつかの構成要素間の物理的な相対移動によって引き起こされる出力ビーム品質の低減を低減または防止するために、各CBCデバイスの構成要素の互いに対する改善された安定性を提供するように設計される。開示されたCBCデバイスの他の利点は、高い出力ビーム品質を維持しながら、増加された数の光ファイバを使用することを可能にし、したがってゲイン(出力パワー)を増加させることを含み得る。
【0021】
例えば、いくつかの実施形態では、モノリシック本体と複数の光ファイバとの間の相対移動は、それらの光ファイバをモノリシック本体に、例えば、溶接、溶融、接合、またはモノリシック本体へのファイバの任意の他の固定的接続の形態によって固定的に接続することによって、低減または防止することができる。
【0022】
追加的または代替的に、モノリシック本体は、間の相対的な移動を防止するために、モノリシック本体の不可欠な部分として1つ以上のコリメートレンズを組み込むように設計され得る。追加的または代替的に、CBCデバイスのOE(複数可)は、その相対的な移動を防止するためにモノリシック本体の出力面に一体的にまたは非一体的に(さらに、例えば、固定的に)取り付けられ得る。
【0023】
CBCデバイスはまた、入射ビームの数、それらの分離角、ならびに波長、波長帯域、位相、振幅、偏光、ビーム半径、ビームコヒーレンスなどの入射ビームの各々の1つ以上の特性に適合するように具体的に設計され得る。
【0024】
いくつかの実施形態によると、各光ファイバは、その入力端で光源と動作可能に関連付けられ(例えば、接続され)、それによって誘導された光をその出力端から出力され得る。光ファイバの出力端から出力された光のビームは、モノリシック本体に入射するため、入射ビームと称され得る。
【0025】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体は、少なくとも部分的に透明で、少なくとも入力面および出力面を有する三次元(3D)物体であってもよい。入力面は、複数の光ファイバに(例えば、溶融、溶接、スライシング、糊付けなどによって)固定的に接続するように構成され得、モノリシック本体の幾何学的形状は、複数の光ファイバから入射する、複数の入射する光のビームをその出力面に向かって方向付けるよう構成され得る。
【0026】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体の入力面への光ファイバ接続は、光ファイバの出力端と係合する、モノリシック本体の入力面上の点または領域であってもよい「係合スポット」を画定し得る。光ファイバの出力端とモノリシック本体の入力面との間の接続または係合は、隣接する係合スポットの各対の間に(実質的に)等しい間隔を作り出し、隣接するビームの各対間の相対角度(「入射分離角」として定義される)が隣接するビームの各対に対して等しくなるように、すなわち、互いに等しい「入射分離角」で入射ビームが入力面を介してモノリシック本体に入るように、入射ビームを特定の所望の入射角で(例えば主軸に関して)モノリシック本体に入射させ得る。
【0027】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体は、それによって方向付けられたビームが互いに同じ出射分離角でその出力面を出射するように構成され得、位相マスクは、出射ビームの出射分離角に対応して設計され得る。
【0028】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体の入力面に固定的に接続している光ファイバは、ビーム合成デバイスの不可欠な部分であってもよい。
【0029】
光ファイバは、ドープされた光ファイバであり得、および/または二重クラッドであってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体は、入力および出力面以外に1つ以上の追加的な表面を有するモノリシック本体を有する。
【0031】
いくつかの実施形態によると、入力面または出力面は、湾曲、凹状、または平坦(また、真っ直ぐ)にされ得る。
【0032】
本明細書で使用される「表面」という用語は、平面、曲面などのような任意のタイプまたは形状の表面に関し得る。
【0033】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体の入力面は、入力面と、それに接続される光ファイバの出力端との間の係合を改善するために平滑に(研磨)され得る。
【0034】
モノリシック本体は、ガラス、シリカ溶融ガラス、アクリルガラスなどのような任意の透明または部分的に透明な材料から作製することができる。
【0035】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体は、単一の屈折指数の透明な材料から作製され得る。
【0036】
他の実施形態によると、モノリシック本体は、例えば、勾配指数化を有することによって、またはモノリシック本体の異なる面積(体積)で離散的に変化する指数化を有することによって、1つ以上の屈折指数を有する完全または部分的に透明な材料より作製され得る。
【0037】
いくつかの実施形態によると、幾何学的形状、寸法、屈折指数化、透明性および透明さのレート、形状、ならびに寸法などのモノリシック本体の特性は、主軸に関して所望の出射角で出力面から出射ビームが出射し(例えば、位相マスクの設計によって要求される出射分離角に適応するために)、および/または入射するビームを単一の焦点に合焦するために収束するように、特定の方法で入力面から出力面に向かって入射ビームを誘導するように、設計および適合され得る。モノリシック本体の特性は、光ファイバが内面と係合する方法、入射ビーム、例えば、波長、ビーム分散などの特性、入射分離角、ならびに、位相マスクの特性、例えば、位相マスクプロファイル、出力面に対する位置決め、サイズ、および寸法などに応じて適合され得る。
【0038】
図2を参照するに、いくつかの実施形態による、多数の光ファイバから発せられる多数の光学ビームを合成するためのCBCシステム1000が示される。CBCシステム1000は、ビーム合成デバイス1100、光源1200a、1200b、1200c、ならびに1200dなどの多数の光源、および光ファイバ1300a、1300b、1300c、ならびに1300dなどの多数の光ファイバであって、ビーム合成デバイス1100に固定的に接続可能であり、その不可欠な部分であり得る、各光ファイバ1300a/1300b/1300c/1300dを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態によると、ビーム合成デバイス1100は、モノリシック本体1110と、例えば、OE1120の片側(表面)に位相マスクがエッチングされる、刻まれる、エンボス加工される、または接着されることによって、位相マスクを有する光学要素(OE)1120などの1つ以上の光学要素と、を含み得る。
【0040】
モノリシック本体1110は、入力面1111Aおよび出力面1111B(側)を有する3Dの完全に透明な、または部分的に透明な要素であり得る。モノリシック本体1110は、光ファイバ1300a~1300dの出力端から出力され、その入力面1111Aからモノリシック本体1110に入射する、光の入射光学ビーム(本明細書では「入射ビーム」)を出力面1111Bに向かって方向付けるように構成され得る。OE1120は、モノリシック本体1110の出力面1111Bに結合される、またはモノリシック本体1110の出力面1111Bから短い距離に位置され得(すなわち、非結合位置に)、出力面1111Bを出射する光ビーム(本明細書では「出射ビーム」または「出射光学ビーム」)を合成するように構成され得る。回折構成、回折面(複数可)の設計、モノリシック本体1110の出力面1111Bからの寸法および距離などのようなOE1120の特徴は、最適なビーム合成を達成するように設計され得、モノリシック本体1110の設計、ならびに波長、波長帯域、ビーム半径、ビーム分散、ビームパワー、振幅、偏光などのような、入射および/または出射ビームの各々のビーム特性、すなわち、入力面1111Aに入射するときのビームの特性に対応し得る。
【0041】
出射ビームのビーム特性は、入射ビーム(光ファイバによって出力される)のビーム特性、ならびにモノリシック本体の構成および光ファイバがその入力面に接続される方法に関連(すなわち、依存)し得る。
【0042】
モノリシック本体1110および/またはOE1120の設計および/またはそれらの相対的な位置決めが各CBCシステム要件および特徴について配置され得るように、各CBCシステム1000について、入射および/または出射ビームの特性を事前に知ることができる。
【0043】
いくつかの実施形態によると、各光ファイバ1300a、1300b、1300c、または1300dは、例えば、光ファイバ1300a、1300b、1300c、および1300dの各々の入力端1301a、1301b、1301c、および1301dの入力端を、それぞれの光源1200a、1200b、1200c、または1200dの出力に接続することで、それぞれの光源1200a、1200b、1200c、または1200dから発生する光を方向付け得る。例えば、光ファイバ1300aは、光源1200aなどから発生する光を方向付け得る。
【0044】
使用される光源1200a~1200dの各々は、レーザデバイスおよび/または発光ダイオード(LED)などの、同じ、重なり合う、または単一の波長もしくは波長帯域の光を発するように構成された少なくとも1つの発光デバイスを含み得る。各光ファイバ1300a、1300b、1300c、または1300dは、特定の狭波長帯域または特定の波長、および/または特定の光源出力パワーなど、それが接続するそれぞれの光源1200a、1200b、1200c、または1200dによって出力される光の特定の特性に従って、ならびに特定のゲイン目的などに従って、光を方向付けるように構成され得る。光ファイバ1300a~1300dは各々、任意選択的に二重クラッドを有するドープされたファイバであってもよい。
【0045】
各光ファイバ1300a、1300b、1300c、または1300dは、それぞれの出力端1302a、1302b、1302c、または1302dで、モノリシック本体1110の入力面1111Aに固定的に接続され得、それにより、光ファイバの出力端と入力面1111Aとの間の(固定の)係合の体積、面積、または点として画定される、それぞれの係合スポット1101a、1101b、1101c、または1101dが画定される。各光ファイバ1300a、1300b、1300c、または1300dは、例えば、接合、溶接、糊付け、溶融によって、および/または光コネクタまたはノードを介して、モノリシック本体1110の入力面111Aに固定的に接続され得る。
【0046】
OE1120は、モノリシック本体1110の出力面1111Bを出射するビーム(本明細書では「出射ビーム」)を合成し、すべての入射ビームの元の狭/単一波長帯域を維持するパワースケーリングされたビームであり得る合成ビーム1500を出力するように設計され、位置決めされ得る。
【0047】
OE1120は、例えば局所的な相変化を誘発することによって、光のビームを操作または成形するように構成された位相マスクを含み得る。OE1120は、例えば、逆ビーム回折を引き起こすことによって、CBC用に構成された位相パターンを有する位相マスク1121を含み得る。CBCのために使用することができるOE1120位相マスク1121の設計に対する1つの例は、逆ビームスプリッタとして機能するものである。
【0048】
ビームスプリッタは、単一入射ビームを互いに等しい分離角でいくつかのビームに分割するように構成される位相マスクを含む回折OEであり、ビーム分割から結果として生ずるビームの数Nは、ビームスプリッタの「オーダー」として定義される。ビームスプリッタOE1120を逆の方向性に配置することは、ビーム合成のために使用され得る。
【0049】
いくつかの実施形態によると、ビームスプリッタOE1120の構造は、周期的な位相パターンが上にエッチングされ得る光学基板(通常はガラス、例えば、溶融シリカガラス)から作製され得る。位相マスクの表面は、反射的であってもよいか、またはクリアであってもよく、OE1120の合成効果は、ビームにそこを通過させるまたはそこから反射させるようにすることで達成され得る。位相パターンは、周期的であってもよく、OE1120に入力されるビーム数N(分割順序)および/または分離角は、OE1120の位相マスク1121の周期的なパターンの設計を決定し得る。
【0050】
図3Aは、ビームスプリッタが、ビーム合成器として機能するよう反転され得る例示的な方法を示す。左側では、入来する光学ビーム320Aは、入来する光学ビーム320Aを多数の出力光学ビーム301a、302a、303a、304a、および305aに分割するように設計されたビームスプリッタ310Aに向かって方向付けられる。出力光学ビーム301a、302a、303a、304a、および305aは、等しい分離角α(アルファ)で互いと分離される。ビームスプリッタ310Aと同じ位相マスクパターンおよび設計を有するビームスプリッタ要素310Bを使用し、同じ分離角α(アルファ)で離間され、波長などのビーム特性を有する多数の入力ビーム301b、302b、303b、304b、および305bを出力ビームα(アルファ)として入力することにより、ビームスプリッタ要素310Bは、入力ビーム301b、302b、303b、304b、および305bを単一の合成出力ビーム320Bに合成し、これは、入来する入力ビーム301b、302b、303b、304b、および305bの同じ波長(複数可)を維持し得る。
【0051】
図3Bは、ビームスプリッタの位相マスクの断面パターンの例示的な図を示す。OEの側面の1つに作り出されるエッチングの相対的な厚さおよび深さには、マスクを出射するときにビームがどのように回折するかを決定する反復位相マスクが含まれる。この場合、図3Cに見られるように、5つの主なビームと、いくつか高オーダーのビームサイドローブに分割される。OEの効率性は、主オーダーのパワーを総パワーで割ることで決定され得る。出力ビーム(グラフ内のピーク)間の分離角は、位相マスクにおける周期の特性(例えば、ピーク間の間隔)によって決定され得る。この例では、周期長さは200μm(マイクロメートル)であり、結果として得られる分離角は0.005Radである。周期長さを減少させると、分離角が増加し、その逆も同様である。
【0052】
コヒーレントビーム合成では、ビームスプリッタOEは、等しい分離角で分離されたN個のビームを単一の合成出力ビームに合成することによって反転され得る。この効果は、回折OEの効果を逆にし、特定のOE位相マスク設計に対応する正確な分離角でN個のビームを逆方向にのみ複製して、OEから出てくるのではなく、OEに入射するようにすることで実現することができる(図3Aに示されるように)。
【0053】
図4は、いくつかの実施形態による、多数の光学ビームを合成するためのCBCシステム4000の一般的なレイアウトを示している。CBCシステム4000は、光源4200a、4200b、4200c、および4200dなどの多数の光源と、光ファイバ4300a、4300b、4300c、および4300dなどの多数の光ファイバと、その出力面4111Bに位相マスク4112が埋め込まれたか、または一体的に接続されたモノリシック本体4110を含むビーム合成デバイス4100と、を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態によると、各光ファイバ4300a、4300b、4300c、または4300dは、例えば、光ファイバ4300a、4300b、4300c、および4300dの各々の入力端4301a、4301b、4301c、および4301dの入力端を、それぞれの光源4200a、4200b、4200c、または4200dの出力に接続することで、それぞれの光源4200a、4200b、4200c、または4200dから発生する光を方向付け得る。例えば、光ファイバ4300aは、光源4200aなどから発生する光を方向付けることができる。
【0055】
使用される光源4200a~4200dの各々は、レーザデバイスおよび/または発光ダイオード(LED)などの、同じ、重なり合う、または単一の波長もしくは波長帯域の光を発するように構成された少なくとも1つの発光デバイスを含み得る。各光ファイバ4300a、4300b、4300c、または4300dは、特定の狭波長帯域または特定の波長、および/または特定の光源出力パワーなど、それが接続するそれぞれの光源4200a/4200b/4200c/4200dによって出力される光の特定の特性に従って、ならびに特定のゲイン目的などに従って、光を方向付けるように構成され得る。光ファイバ4300a~4300dは各々、任意選択的に二重クラッドを有するドープされたファイバであってもよい。
【0056】
各光ファイバ4300a、4300b、4300c、または4300dは、それぞれの出力端4302a、4302b、4302c、または4302dで、モノリシック本体4110の入力面4111Aに固定的に接続され得、それにより、光ファイバの出力端と入力面4111Aの間の(固定の)係合の体積、面積、または点として画定される、それぞれの係合スポット4101a、4101b、4101c、または4101dが画定される。各光ファイバ4300a、4300b、4300c、または4300dは、例えば、接合、溶接、糊付け、溶融によって、および/または光コネクタまたはノードを介して、モノリシック本体4110の入力面4111Aに固定的に接続され得る。
【0057】
いくつかの実施形態によると、光ファイバ4300a、4300b、4300c、および4300dは、例えば、スライシング、溶融、溶接接着などによって、モノリシック本体4110の出力面4111Bに接続され得、ビーム合成デバイス4100の不可欠な部分であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体4110は、出射ビームが、位相マスクの設計に対応する等しく特定の出射分離角、および任意選択的に主軸に対する特定の出射角で位相マスク4112に到達するように、出力面4111Bに向かって入力面4111Aを介して入射する入射ビームを方向付けるように構成され得る。
【0059】
いくつかの実施形態によると、位相マスク4112は、モノリシック本体4110の出力面4111Bに刻まれる、エッチングされる、またはエンボス加工され得、CBC用に設計され得る。
【0060】
例えば、位相マスク4112は、位相マスク4112を通過した出射ビームを、パワーがスケールアップされた、および高出力ビーム品質の単一のコヒーレント出力結合ビーム4500に合成するための位相マスク、例えば、回折格子マスクとして設計され得る。
【0061】
図5を参照するに、いくつかの実施形態による、コリメータ設計を備えたモノリシック本体5200と、位相マスクが埋め込まれた別個の外部OE5300とを有するビーム合成デバイス5000が示される。ビーム合成デバイス5000はまた、モノリシック本体5200の平坦化された入力面5210Aに、その出力端で、固定的に接続された光ファイバ5100a、5100b、5100c、5100d、および5100eなどの多数の光ファイバを含み得る。
【0062】
光ファイバ5100a、5100b、5100c、および5100dの各々は、1つ以上の光源から発生する光を誘導し、モノリシック本体5200の入力面5210Aに接続するその出力端から誘導された光を出力するように構成され得る。光ファイバ5100a、5100b、5100c、および5100dの出力端から出力されるビームは、その平坦化された、または真っ直ぐな入力面5210Aから、等しい間隔および、この構成では、互いに平行であるため主軸×5に関してゼロの角度である等しい分離角で、モノリシック本体5200に入射するように設定され得る(したがって、「入射ビーム」と称される)。
【0063】
モノリシック本体5200は、完全に透明であり得、主軸x5上に位置し、主軸x5に対して実質的に垂直であり、距離Dだけ離れている焦点面内にある焦点FPに、主軸x5に対してゼロの入射角で入射する入射ビームをコリメートするためのレンズのようなコリメータ設計を形成するように湾曲した出力面5210Bを有し得、このとき、Dは、焦点距離として定義される。OE5300は、その焦点面上に、モノリシック本体5200の出力面5210BのコリメーションピークPから焦点距離Dに位置され得、このとき、Dは、焦点距離として定義され得る。図5に見られるように、平坦化された入力面5210Aはまた、入射ビームが互いに、かつ主軸x5に平行に入射することを可能にするために、主軸x5に対して垂直であってもよい。
【0064】
OE5300は、モノリシック本体5200の出力面5210Bを出射する、出射ビームを合成して、任意選択的に主軸x5に沿って方向付けられた、合成出力ビーム5500を出力するように構成された、例えば、それにエッチング、エンボス加工、または接着された位相マスク5301を含み得る。
【0065】
OE5300は、波長、位相、強度などのような入射および/または出射ビーム特性、ならびに設計、寸法、および/または合焦特性、焦点距離などのコリメータモノリシック本体の特性などに対応する、エッチング、エンボス加工、または接着された位相マスクを有するビームスプリッタなどの回折格子であってもよい。位相マスクの設計は、出力面および/または入力面5210B/5210Aからモノリシック本体5200を出射および/または入射する光学ビームの分離角θ(シータ)にも依存し得る。
【0066】
ここで、図6を参照すると、他の実施形態による、多数の光ファイバ6100a、6100b、6100cおよび6100d(コヒーレント入射ビームを出力するための1つ以上の光源に接続可能)と、3つの表面を備えたモノリシック本体6200と、を有するビーム合成デバイス6000を示す。
【0067】
モノリシック本体6200は、光ファイバ6100a、6100b、6100c、および6100dに固定的に接続可能な平坦化された入力面6210A、位相マスク6301が埋め込まれているか、またはOE6300を介して接続されている平坦化された出力面6210B、および入力面6210Aと出力面6210Bとの間に位置された追加的な第3の面6210Cである3つの表面を有し得る。
【0068】
第3の表面6210Cは、隣接する各出射ビーム間の分離角が、OE6300の位相マスク6301の設計および位置決めと一致するように、入射ビームを反射することで、出力面6210Bに向かって入力面6210Aからモノリシック本体6200に平行に入射する入射ビームを方向付けるために、反射層6211を、例えば、その内側または外側にコーティングまたは取り付けることにより、湾曲され、反射的とすることができる。
【0069】
いくつかの実施形態によると、OE6300の位相マスク6301は、回折格子位相マスク、または出射ビームをコヒーレントパワースケーリングされた合成出力光学ビーム6500に合成することを可能にする任意の他のマスクプロファイル設計を含み得る。
【0070】
モノリシック本体6200の幾何学的形状、およびその入力面6210A、第3の面6210C、および出力面6210Bの相対的な位置決め、ならびに第3の表面6210Cの湾曲形状は、入力面6210Aから入射する、光ファイバ6100aおよび6100dからそれぞれ発せられるビーム6101aまたは6101dなどの入射ビームが、位相マスク6301も位置されている出力面6210Bに位置された焦点に収束/合焦されるような形状であり得る。
【0071】
いくつかの実施形態によると、入力面6210Aは、平坦化され、平坦化された出力面6210Bが垂直であり得る軸x6を画定し得(すなわち、入力面6210Aは、出力面6210に垂直であり、軸x6に垂直な係合軸を介してそれと係合し得る)、ここで、(反射的な)第3の表面6210Cの湾曲、および位相マスク6301の設計ならびに位置決めは、合成出力光学ビーム6500がx6軸方向に平行に出力されるようであり得る。
【0072】
ここで、図7を参照すると、多数の光ファイバ7100a、7100b、7100c、および7100d(コヒーレント入射ビームを出力するための1つ以上の光源に接続可能)と、湾曲した入力面7210Aおよび平坦化された出力面7210Bを有する半球形またはレンズ形状のモノリシック本体7200と、を有するビーム合成デバイス7000が示される。
【0073】
モノリシック本体7200の出力面7210Bは、OE7300に一体的に接続されるか、または出射ビームが位相マスク7301の設計と一致すべき特定の等しい出射分離角θ1(シータ1)で出力面7210Bに到達するように、その上に位相マスク7301が埋め込まれ得る。すべての出射ビームに等しい出射分離角の特定の値は、光ファイバ7100a、7100b、7100c、および7100dを互いに等しい間隔で湾曲した入力面7210Aに接続させ、任意選択的に、湾曲した入力面7210Aを、主軸x7を中心に球対称または半球対称となるよう構成することで達成することができ、それにより、入射ビーム間の入射分離角θ1(シータ1)は、すべての入射ビームで同じである、および/またはすべての入射ビームが主軸x7上に位置する単一の焦点に合焦される。この構成では、光ファイバ7100a、7100b、7100c、および7100dによって出力される光は、平坦化された出力面7210Bに向かって角度を付けて方向付けられ、入射ビームを、主軸x7上に位置する出力面7210B上に位置する単一の焦点に合焦させる。主軸x7は、出力面7210Bに垂直な軸として画定され得る。
【0074】
いくつかの実施形態によると、位相マスク7301は、すべての出射ビームを、主軸x7に沿って伝搬され得る単一の合成出力ビーム7500に合成するように設計および位置決めされ得る。
【0075】
入射ビームをコリメートまたは合焦させることができる別の方法は、例えば、屈折指数が徐々に変化することで入射ビームを合焦または方向付ける効果を作り出すことができるグレーデッド指数化(GRIN)を備えたモノリシック本体を使用することなど、屈折指数が変化するモノリシック本体を使用することによって達成することができる。
【0076】
図8は、複数の光ファイバ8100a、8100b、8100c、および8100dと、徐々に変化する屈折指数化構成を有するモノリシック本体8200と、別個の位相マスク8300と、を含むビーム合成デバイス8000を示す。
【0077】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体8200は、入射ビームを単一の焦点に合焦させるために、レンズのような合焦効果を作り出すことができる漸進的な屈折指数の変化をモノリシック本体8200に含み得る。例えば、モノリシック本体8200は、屈折指数が中心円柱軸x8または主軸であってもよい軸x8を含む中心平野に向かって徐々に変化する(すなわち、徐々に増加または低減する)ように、円筒形を有し得、モノリシック本体8200の外側の円筒形領域が、内側領域(明るい灰色から白色で示される)よりも低い屈折指数(暗い灰色で示される)を有することができるように設計され得る。
【0078】
モノリシック本体8200は、光ファイバ8100a、8100b、8100c、および8100dからの光が互いに、かつ主軸x8に対して平行方向に入ることを可能にする、平坦化された入力面8210Aと、平坦化され、入力面8210Aに平行、すなわち主軸x8に対しても垂直であり得る出力面8210Bとを有し得、それにより、光ファイバ8100a、8100b、8100c、および8100dの入力面8210Aへのより容易な接合、およびモノリシック本体8200の出力面8210Bへの位相マスク8300の取り付け、エッチング、またはエンボス加工が可能になる。
【0079】
いくつかの実施形態によると、図8に示されるように、位相マスク8300は、焦点が出力面8210B上に位置する場合、出力面8210B上にエッチングまたはエンボス加工された回折格子マスクとして実装され得る。
【0080】
代替的に、位相マスク8300は、入射ビームの焦点が出力面8210Bの上にある場合、出力面8210Bに取り付けられた別個の回折光学要素(DOE)として実装され得るか、または焦点がモノリシック本体8200の外部に位置する場合、そこから外部に位置する。
【0081】
位相マスク8300は、入力面および出力面8210Aおよび8210Bに平行に、かつ(したがって)主軸x8に垂直に位置決めすることができ、最終的には、マスクプロファイル設計に対応する等しい、特定の分離角θ8(シータ8)で位相マスク8300がその上に位置されている平面に出射ビームを合焦させ、任意選択的に主軸x8に沿って伝搬される、単一のコヒーレント合成出力ビーム8500に出射ビームを合成することを可能にする。
【0082】
図8に記載されたモノリシック本体の漸進的に変化する屈折指数化構成は、モノリシック本体を通過したビームが、モノリシック本体の外側にあるOEの位相マスク上に位置する、指数化の変化により、焦点または領域に収束する実施形態を示す。他の構成は、モノリシック本体を通過するビームの湾曲が、モノリシック本体の出力面に結合または位置決めされ得る位相マスク上に位置する焦点または領域にそれらを収束させるようなものであり得る。
【0083】
本明細書に記載のシステムおよび方法の実施形態または実施形態の構成要素、例えば、モノリシック本体1110、4110、5200、6200、7200、8200、および/またはOE1120、5300、7300、および/または位相マスク1121、4112、5301、6301、7301、8300は、例示目的のみで、3Dとなり得る構成要素を参照しながら、二次元(2D)構成で図面に示され得る。
【0084】
本明細書で提供される実施形態はまた、例えば1つ以上の追加的なCBCデバイス、および/またはスペクトルビーム合成(SBC)デバイスを使用することによって、追加の光信号増幅を使用することで増強されたパワースケーリングを提供するようなネットワーク構成で多数のコヒーレントビーム合成デバイス(本明細書ではCBCデバイスとも称される)を使用するシステムを含み得る。
【0085】
例えば、そのようなシステムは、それぞれの入力面に固定的に接続された光ファイバなどの多数の光導波路を各々が使用し、増幅されたコヒーレント合成出力光学ビームを各々が出力する、CBCデバイスの第1のセットを含み得る。次に、各CBCデバイスの合成出力光学ビームは、入射光学ビームとして、それぞれの入力面を通って、CBCまたはSBCデバイスなどの別のビーム合成デバイスに向かって誘導/方向付けされ得、ここで、追加的なビーム合成デバイスは、いくつかの他のビーム合成デバイスからのすべてのコヒーレント合成ビームの別の増幅を引き起こすように構成され得る。コヒーレント合成出力光学ビームの誘導または方向付けは、各CBCデバイスの出力面に接続する光導波路を使用するか、または光学ビームが空気を通って(未誘導)その入力面に到達するように追加的なビーム合成デバイスを位置決めすることによって行うことができる。
【0086】
構成は、CBCデバイスの材料特性の制限(例えば、それによって方向付けられた高パワービームによって引き起こされる高温での剛性の維持)および生じる可能性のある損失に応じて、任意の種類のCBCデバイスネットワーク(本明細書では「網状CBCシステム」)を形成するなど、同じ、または異なる構成を有する他の1つ以上のCBCデバイスの入力ビームとして、多数のCBCデバイスの出力ビームを使用することによって繰り返され得る。
【0087】
図9は、いくつかの実施形態による、多数のビーム合成デバイスを網状にすることによるCBCシステム9000を示す。CBCシステム9000は、入力CBCデバイス9100A、9100Bおよび9100Cなどの多数の入力CBCデバイス、および追加的なCBCデバイス9400を含む。いくつかの実施形態によると、入力CBCデバイス9100A、9100B、および9100Cの各々は、それぞれファイバセット9110a、9110b、および9110cなどの多数の入力光ファイバのセットを有し、および/または固定的に接続され、それぞれの光導波路9120a、9120b、および9120cを介して誘導され得るコヒーレント合成出力ビームを、追加的なCBCデバイス9400の入力面に向かって出力する。
【0088】
CBCデバイス9100A、9100B、および9100Cの各々は、上述の構成のうちの1つに従って、モノリシック本体および位相マスクを含み得る。CBCデバイス9100A、9100B、および9100Cの各々のモノリシック本体は、それぞれのCBCデバイスの光ファイバから発せられる入射ビームを、位相マスクが位置する焦点面上に位置する焦点に合焦するように構成され得る。位相マスクは、それぞれのモノリシック本体の出力面上に位置するか(例えば、この場合、出力面に位相マスクをエッチング、エンボス加工、または取り付け/結合して、平坦にすることができる)、またはモノリシック本体の外部に位置することができる(この場合、位相マスクは、DOEなどの別個のOEに実装され得る)。
【0089】
CBCデバイス9100A、9100B、および9100Cは、例えば、システム要件に応じて、入射ビームのタイプ、化学組成、波長および/または数、サイズ、幾何学的形状、それらに接続された光ファイバの数および/または構成において、互いに類似、同一、または異なる構成であってもよい。
【0090】
光導波路9120a、9120b、および9120cの各々は、合成出力ビームの高出力パワーを維持し、パワーおよび/またはコヒーレンシーの損失を回避するためにコヒーレントコリメートされた方法でそれを誘導することができるように、そのそれぞれのCBCデバイスのモノリシック本体の出力面に対して、設計され、位置決めされ得る。追加的なCBCデバイス9400は、入射ビームを焦点面上に位置する焦点に合焦させるようにモノリシック本体を構成し、入射ビームのCBCを引き起こすよう焦点面上に位置する位相マスク(図示せず)を使用して、著しく付加的に増幅され得るコヒーレント最終出力ビーム9500を出力することで、導波路9120a、9120b、および9120cから発せられる入射ビームを合焦し、合成するよう構成され得る。
【0091】
網状CBCシステムの実施形態は、例えば、その出力ビームがさらに追加的なCBCデバイスへの入力ビームとして機能する、多数の追加的なCBCデバイスを使用して、任意の分岐/ネットワーク構成に設計され得る。
【0092】
上記の実施形態のうちの1つ以上における位相マスクは、ビーム合成のために逆の方法で使用されるビームスプリッタなどの回折格子マスクとして構成され得る。回折格子マスクは、表面(例えば、ビーム合成デバイスのモノリシック本体の出力面または別個の要素の表面)上のエッチングまたはエンボス加工として実装することができる。いくつかの実施形態によると、回折格子位相マスクは、位相マスクの外側も平坦化するため、および/または出力ビームの品質を改善するために、(例えば、格子をより高い屈折指数の材料に浸漬させることによって)浸漬回折格子マスクとして実装することができる。位相マスクの平坦で平面の出力面は、例えば、網状CBCシステムのCBCデバイスで使用することができるようにするために、例えば、その導波路をCBCデバイスの位相マスクの平坦な出力面に固定的に取り付けることを可能にするために必要とされ得る。
【0093】
いくつかの実施形態によると、位相マスクは、透明または少なくとも部分的に透明な材料から作製され得る。
【0094】
スペクトルビーム合成(SBC)は、異なる波長のレーザビームを合成し、個々の源の適度な帯域幅と波長制御を必要とすることにより、ファイバレーザを非常に高い出力パワー(例えば、2000ワット以上の出力パワー)にパワースケーリングするために使用され得る。
【0095】
SBCの一般的な原理は、その波長に応じて、入射ビームを偏向することができるプリズムまたは光回折格子要素のような、ある種の波長センシティブビーム合成器を使用して、重なり合わない光学スペクトルのいくつかの入射ビームを合成することである。
【0096】
重なり合わないスペクトルの多数のビームの合成は、すべてのビームを光学格子などの位相マスクに方向付けることで行われ、各ビームは、すべてのビームが同じ角度で位相マスクから出射するように、わずかに異なる角度で位相マスクに方向付けられる。
【0097】
各ビームが単色であると仮定すると、光学格子面に対するその理想的な相対角度(理想的なビーム合成)は、次の数学的関係に従って、そのそれぞれの波長に関連している可能性がある。
θ∝gλ (1)
【0098】
Gは格子の密度を表し、λは、それぞれの入射ビームの波長を表す。
【0099】
図10A(背景技術)は、単一回折スキームに基づくSBC光学セットアップ80の概略図である。SBC光学セットアップ80は、平行光学ビーム81を出力するレーザの線形アレイ、合焦レンズ82、および回折格子光学要素83を含む。
【0100】
図10Aに示されるように、平行に入射する光学ビーム81は、合焦レンズ-82に方向付けられ、合焦レンズ82は、ビームを合焦し、ビームを共通の出射角に回折し、ビームを単一の合成出力光学ビーム85に多重化する回折格子光学要素83に方向付ける。この構成では、各ビームは異なる波長であり、入射光学ビーム81の合焦により、各光学ビームは異なる角度で回折格子光学要素83に衝突し、回折格子光学要素83が各ビームを同じ出力方向(軸y0に沿って)そらすことを可能にする。光学セットアップ80のすべての要素は互いに離間されているため、特に長期間、位置合わせおよび安定性を維持することは困難である。
【0101】
実際には、広い波長帯域を網羅する多くの光学ビームを合成して、高品質のビームを維持する能力も、図10Aに示されるような光学セットアップ80を使用する場合には制限される。回折格子光学要素83を異なる角度で、すなわち、各レーザ波長に対して異なる角度で衝突させる必要性は、隣接する光学ビーム間の特定の波長の等間隔に対してのみ共通の合焦レンズ82の使用を可能にする。これは、チャネル間の波長間隔Δλが小さい場合、小さい角度間隔Δθが必要であり、有限のファイバーピッチの場合、レンズの焦点距離が特定のアプリケーションで禁止され得ることを意味する。
【0102】
加えて、高パワーファイバレーザの非線形現象を回避するためには、有限のスペクトル帯域幅δλが必要であり、そのため、回折格子光学要素83を使用すると、以下の関係に応じて出力光学ビームの品質が低下する可能性がある。
δθ∝gδλ (2)
【0103】
ここで、δθは回折ビームの角度広がり、gは線の格子密度、δλはそれぞれのレーザ光学ビームの波長広がりである。
【0104】
式(2)によると、有限のスペクトル幅δλを有するビームの発散は、そのスペクトル幅δλに比例する係数によって劣化しており(発散角の広がり)、ここで、この係数は、それぞれの回折格子光学要素83の光学特性によって決定される。
【0105】
単一の回折格子による狭帯域レーザビーム(典型的には10GHz未満)の使用は、ファイバレーザ増幅で使用される場合、主に、レーザへの強反射によって特徴付けられる、誘導ブリルアン散乱(SBS)によりレーザビームの最大パワーを制限する。SBSセットアップ80のパワー閾値は、ファイバの長さ(L)および帯域幅(ΔV)に比例し、コア直径(A)に反比例する。
【数1】
【0106】
コア直径を大きくすると、ビームの品質が低下し(コア直径が大きいファイバでは、より高い光学モードが容易に励起される)、帯域幅を大きくすると、合成ビームの発散が損なわれ、これらの2つのパラメータが出力光学ビームの総パワーと品質を制限する。
【0107】
多くのチャネルを必要とする高パワーファイバレーザはMの大きさでビームの品質を制限し得ることに留意すべきである。
【0108】
また、効率的なSBCを実現するには、ビーム位置の位置合わせおよび光学格子の各々が衝突する角度は、非常に正確である必要があり、手順全体を通してそのように維持する必要がある。
【0109】
図10B(背景技術)は、SBC光学セットアップ90の概略図であり、2つの同一の回折格子要素(DGE):第1のDGE93Aおよび第2のDGE93Bと、各々わずかに異なる波長を有する多数の平行に入射する光学ビームを出力する多数の光源91a、91b、91c、および91dと、レンズ92aおよび92bなどの多数の合焦レンズ(各光源に対して1つ)と、を有する。
【0110】
図10Bに示されるように、レンズ92aおよび92bは、それらのそれぞれの光源の出力点がそれぞれのレンズの焦点であるように位置決めされ、実質的に維持された等しい直径(低いビーム発散を伴う)のそれぞれの光学ビームを第1のDGE93Aに向かって方向付ける。レンズを通過したビームは、それらの波長の違いにより、互いにおよび軸y2に平行な軌道で第1のDGE93Aに衝突し、互いにおよび軸y2に非平行な軌道で第1のDGE93Aから偏向される。第1のDGE93Aから偏向された光学ビームは、第2のDGE93Bに向かって方向付けられ、インピングされ、第2のDGE93Bは、それらを互いにおよび軸y2に平行に同じ方向に偏向させることで合成し、合成されたマルチスペクトル出力光学ビーム95を出力する。この構成では、2つのDGE93Aおよび93Bが、入射ビームの軌道およびy2に対して角度的に互いに平行に位置決めされる必要がある。
【0111】
開示された実施形態の態様は、固定的に接続された、または接続可能な多数の光ファイバの出力端からなど、複数の光源から発せられる多数のスペクトル微分された光学ビームのSBC用に構成されたモノリシック本体をそれぞれが有するビーム合成デバイスに関わり、ビーム合成デバイスは、光学ビームのSBC用に構成される。モノリシック本体は、少なくとも、入力面、回折面、および出力面を含み得る。
【0112】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体は、例えば、入射光学ビームを単一の合成されたマルチスペクトル合成出力光学ビームに合成し、出力面を介してモノリシック本体から出射させるために、回折面に少なくとも2回衝突させるように入射光学ビームを方向付けることで、モノリシック本体内の多重回折光学路を通りモノリシック本体の入力面を介して入射する、入射光学ビームを方向付けるように構成され得る。入射光学ビームが方向付けられる多回折経路は、入射光学ビームをモノリシック本体によって内部反射させることで、例えばモノリシック本体の1つ以上の反射面を使用することによって、またはモノリシック本体の少なくとも一部を反射(TIR)または部分内部反射(PIR)用に構成することによって、単一の回折面を使用して可能にすることができる。
【0113】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体の構成、例えば、その幾何学的形状、寸法、要素、および/または材料(複数可)は、各光ファイバが入力面(特定の入射ビームの入射点とその入射軌道を画定)上で接続される場所、特定の入射光学ビームの波長または波長帯域など、入射光学ビームのそれぞれの特性および/または位置決めに従って設計され得る。モノリシック本体の入力面、出力面、および/または回折面は、ファイバの端を入力面に簡単に接続できるようにするため(例えば、接合、溶接など)、およびモノリシック本体内の入射光学ビームの多重回折光学路を可能にするために平面(平坦)にされ得る。他の実施形態は、これらの表面のうちの1つ以上の湾曲した構成を含み得る。
【0114】
いくつかの実施形態によると、回折面は、例えば、そのそれぞれの波長に従って偏向することによって、各衝突ビームを回折するように構成された1つ以上の位相マスクを含み得る。そのような位相マスクの非限定的な例には、回折格子マスク、プリズムなどが含まれ得る。位相マスク(複数可)は、回折面にエッチングされる、エンボス加工される、または取り付けられ得る。位相マスク(複数可)は、モノリシック本体の片側に取り付けられた別個の光学要素に埋め込まれ、それによってそのモノリシック表面を形成することができる。
【0115】
いくつかの実施形態によると、各入射光学ビームは、その入力面を通って、同じ入射角で、すなわち互いに平行にモノリシック本体に入射することができ、1回目の偏向を通じて偏向されるよう位相マスクに向かってモノリシック本体の内側で方向付けられ得る。偏向された光学ビームは、互いに平行に入射し、波長が異なるため、それぞれ異なる方向の軌道を有する。モノリシック本体は、最初に回折面の位相マスクから偏向された光学ビームを、同じ位相マスクに向かって再び方向付けるように構成することができ(例えば、モノリシック本体内に埋め込まれた反射および/または屈折手段を使用して再び偏向することによって)、ここで反射された光学ビームが戻り、互いとは異なる軌道方向で位相マスク(再び)に衝突するため、戻ってくる光学ビーム(現在は異なる軌道方向を有する)は単一の出力光学ビームに合成され、位相マスクは衝突時の角度とは異なる角度で各光学ビームを偏向させることが可能になり、ビームの2回目の回折後、すべての光学ビームは同じ軌道角度(すなわち、同じ伝搬方向)でモノリシック本体を出射し(例えば、出力面を介して)、合成出力光学ビームを形成する。
【0116】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体は、少なくとも大部分がガラス、ガラス繊維などのような透明な材料から作製され得、均一な単一屈折指数または変化する屈折指数を有し得る。
【0117】
いくつかの実施形態によると、ビーム合成デバイスは、モノリシック本体、ならびにそれに固定的に接続された光ファイバを含むものとして定義され得る。
【0118】
図11は、いくつかの実施形態による、SBCデバイス400の概略図である。SBCデバイス400は、複数の光ファイバ410a、410b、410c、410d、410e、および410fと、モノリシック本体420と、を含み得る。モノリシック本体420は、複数の光ファイバ410a~410fの出力端に固定的に接続された平坦な入力面421、その上にエッチングまたはエンボス加工された、またはそれに取り付けられた/結合された回折格子マスクなどの位相マスク422aを有する平坦な回折面422、少なくとも部分的に反射性を有する反射面423、および合成出力光学ビーム450が出射する出力面424を含む、単一のモノリシック3D要素または物体であり得る。
【0119】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体420は、少なくとも大部分がガラス、ガラス繊維などのような透明な材料から作製され、かつ任意選択的に均一な単一の屈折指数を有し得る。
【0120】
いくつかの実施形態によると、モノリシック本体420の反射面423を形成するために、モノリシック本体420のそれぞれの側面は、反射材料423aでコーティングされるか、または反射要素に取り付けられ得る。
【0121】
いくつかの実施形態によると、図11に示されるように、入力面421は、例えば、溶接、接合、および/または糊付けによって、その出力端(入射光学ビームを出力する)に光ファイバ410a~410fが固定的に接続され得る平面的な平坦な面であってもよい。入力面421への光ファイバ410a~410fの接続は、入射光学ビームが、互いに平行にモノリシック本体に入り、主軸y4(それに平行)を画定するようなものであってもよい。任意選択的に、入力面421と光ファイバ410a~410fの出力端との間の接続の係合点は、対称的に配置、および/または等間隔に離間され得る。入力面421は、光ファイバ410a~410fの出力端との接触(係合)面積を増加させるために研磨され得る。
【0122】
いくつかの実施形態によると、回折面422および反射面423は、両方とも平面であり、互いに実質的に平行であるため、光ファイバ410a~410fによって出力される入射光学ビームの各々が、入力面421から回折面422に(平行な軌道で入射する)入射ビームを方向付けることによって、回折面422に二重で衝突し、ビームが、回折面422から反射面423に向かって、反射面423から回折面422に向かって(再び)、および回折面422から出力面424に向かって、それぞれ異なる角度方向に衝突および偏向される二重回折スキームが可能になる。回折面422から出力面424に向かう光学ビームの最終光学路において、すべての光学ビームは、モノリシック本体420を出射するときに合成出力光学ビーム450を形成するように、互いに平行である。
【0123】
モノリシック本体の構成により、かつその特定の波長に関して、各ビームが通過する二重回折光学路をより良好に説明するために、光ファイバ410fの入射光学ビーム41aのマーキングされた光学路を辿ることができ(図11を参照)、光学ビーム41aは、y4軸に平行な第1の角度でその入力面421を通ってモノリシック本体420に入射し、次に、回折面422の位相マスク422aに衝突し、それにより、軸y4に対してゼロ以外の角度で、異なる軌道41bの方向に偏向され、衝突するために反射面423に方向付けられる。軌道41bの衝突ビームは、反射面423によって反射されて、軸y4に対して角度のある別の軌道41cに沿って回折面422に向かって戻され、再び、回折面422によって偏向され、別の軌道41dに沿って出力面424に向かって方向付けられる。
【0124】
図11に示すように、光ファイバ410a~410fから発せられるすべての光学ビームが、互いに平行にモノリシック本体420に入るため、その初期軌道は平行であり、回折面422に向けられている。しかしながら、光学ビームの異なる波長のために、反射面423に向かって方向付けられたビームの第2の軌道の角度は、ビームごとに異なり(回折角は衝突ビームの波長に依存するため)、したがって、光学ビームもまた互いに異なる軌道角度で回折面422に反射されて戻され、各光学ビームは、互いに異なる軌道角度で再び回折面422位相マスク422aに到達する。このようにして、位相マスク422aは、軸y4に関して同じ軌道角度でそれらをすべて再び偏向させることによって、光学ビームを合成することができる。2回目の回折では、光学ビームを単一の出力光学ビームに合わせるために必要な軌道角度で光学ビームが回折される。
【0125】
いくつかの実施形態によると、回折面422および反射面423は、互いに平行であり、入力面421に対して傾斜している。
【0126】
図11に示されるように、モノリシック本体420は、入力面、回折面、反射面、および出力面が、例えば、回折面422が反射面423に平行かつ反対であり、入力面421に対して角度をなす3D本体を形成する、3D構成を有するように平坦または湾曲し得る追加的な表面を有し得る。
【0127】
いくつかの実施形態によると、光ファイバ410a~410fによって出力される入射ビームは、異なる波長の光を出力するようにそれぞれが構成された複数の入力レーザデバイスまたはLED光源などの複数の光源(図示せず)から発せられる。
【0128】
いくつかの実施形態によると、1つ以上の外部光学要素は、モノリシック本体420から出射される出力光学ビーム450の発散を防止または減少させるために、例えば合焦レンズ470が、例えば、出力面の近くに位置されて使用され得る。
【0129】
ビーム品質と二重回折設計パラメータの関係は、次のように表すことができる。
【数2】
【0130】
ここで、BQは出力合成光学ビームのビーム品質、Δxはファイバレーザ光源間の横方向の分離距離、δλは一般的な光源のスペクトル帯域幅、Δλは光源の波長分離、ωはビームウエスト(出力ビーム半径)である。
【0131】
式(4)に見られるように、予想されるビーム品質は、入射する光学ビームの入射点間の横方向の分離距離のΔxに比例し、ビームウエストωに反比例する。
【0132】
Δxおよびωが数ミリメートルのオーダーである従来のセットアップとは異なり、SBCデバイス400などの本明細書に開示されるSBCデバイスでは、入射光学ビームの入射点間の間隔は数百ミクロンのオーダーであり得るが、ビームウエストωは、対応するビーム廃棄物ωが0.5~2milimetersの範囲となり得るよう非常に大きいこともある(Δxだけ2~5ミリメートルのオーダーであり得る)。
【0133】
入射光学ビームの入射点間の間隔を大幅に減少させることが可能となると、BQ(またはM)=1(M=1は、「回折制限」発散のビームとも呼ばれる)のときに最高のビーム品質(M)を達成することができるため、出力光学ビームの品質を大幅に改善させることができる。したがって、ビーム品質は、横方向の距離Δxが減少するにつれて増加する。
【0134】
他の実施形態によると、入射光学ビームは、モノリシック本体420に入射することができる(入力面421に接合された光ファイバを介さない)ように自由空間で方向付けられ得る。いくつかの実施形態によると、モノリシック本体420に、例えば、直接的に(例えば、ガラス)入力面421に溶接を介して、光ファイバ410a~410fを固定的に接続(例えば、接合)することは、光の伝播がガラス内で行われるため、光ファイバの先端を密閉するためのエンドキャップ(EC)の必要性をなくすことができる。このようにして、エンドキャップに関連する欠点、光がエンドキャップの先端から光ファイバに反射して戻り、パワー損失を生ずる、後方反射などの問題が解消され、したがって、ここで提供される解決策は、損失を劇的に低減し、出力パワーを増加させることができる。
【0135】
光ファイバを入力面に直接取り付ける(例えば、接合する)ことで、ファイバの先端を密閉するためにエンドキャップを使用する必要性を排除するため、光ファイバ間の間隔の低減を可能にすることができ、SBCデバイス全体の構成が非常にコンパクトになる。
【0136】
ファイバ先端の分離が減少すると、ビーム品質が増加するため、ファイバを密に配置することが非常に望ましく、所与の回折格子に基づくSBCスキームのビーム品質は、ファイバ先端の間隔によって決定され、すなわち、ファイバ先端の分離が小さくなるほど、ビーム品質がより良好になることに留意されたい。これは、異なる波長に対して使用されるレンズの焦点距離を関連付ける式(5)を調べることで理解できるであろう。
FL=Δx/gΔλ(5)
【0137】
Δxはファイバ先端間の分離であり、FLは焦点距離である。
【0138】
ビーム発散の相対的な広がりはFLに比例するため:δθ/θ∝FL×gδλ、焦点距離FLが減少するにつれて、レーザ帯域幅δλの影響はそれほど重要ではなくなる。したがって、ファイバをバルクガラス表面に直接取り付けることにより、高精度のバルクスプライスファイバーレーザアレイの必要性がなくなる(感度の2倍が予想される)。
【0139】
反射面の位相マスクに一体的または非一体的に接続し、光ファイバに固定的に接続する単一の3Dモノリシック本体を使用する、本明細書で提供されるSBCデバイスのモノリシック設計は、衝撃、振動、揺れ、熱変化などの物理的および機械的影響に対する位置合わせの感度を劇的に低減させ得る。
【0140】
いくつかの実施形態によると、本明細書で考察されるSBCデバイスは、指定された特別に設計されたケーシングまたはホルダーによって包まれるか、または保持され得る。
【0141】
いくつかの実施形態によると、本明細書に開示されるSBCデバイスは、以下の特性を有するためにさらに有利であり得る。
【0142】
多数の(例えば、二重)光学路スキームにより、(スペクトル帯域幅をピコメートル範囲に制限する単一の回折スキームに対して)ナノメートル範囲のスペクトル帯域幅の使用を可能にする。これにより、複雑な帯域幅制御スキームなしで、様々な光源および光ファイバを使用することが可能になる。
【0143】
多数の光学路スキームと光ファイバのモノリシック本体への固定接続により、帯域幅制御スキームを必要とせずに、1030~1080nmまたは1900~2100nmの範囲の広帯域波長スペクトルの堅牢でコンパクトかつ正確なSBCが得られる。
【0144】
光ファイバはモノリシック本体に固定的に接続されているため、ずれの可能性が大幅に低減される(任意選択的に数桁)。振動および/または時間の経過に伴う環境変化中にそれらの位置合わせを失う可能性のある可動要素は本質的にない。
【0145】
モノリシック本体から出射する合成出力光学ビームは、(いくつかの構成では)比較的大きなビーム直径を有し得、これにより、(例えば、ファイバレーザ要件について)元の入射光学ビームのパワースケールアップが可能になる。例えば、モノリシック本体から出射する合成出力光学ビームは、入射光学ビームのスポットサイズよりも約3~4倍大きいスポットサイズによって特徴付けられ得る。
【0146】
熱劣化および光学的損傷はビーム強度に関し、ビーム強度はビーム面積に反比例するため、本明細書で説明するSBC技術を使用するファイバレーザは、より高いレーザパワー、例えば、単一のビームによって回折格子ファセットに衝突するために使用されるパワーから10~15倍のレーザパワーにアップグレードすることができる。
【0147】
光学的損傷のリスクのほとんどは、ビームが高パワー密度で移動する媒体の変化によるものである。本明細書に記載のモノリシックスペクトルビーム合成スキームでは、光学ビームは、合成プロセス全体を通してモノリシック本体の大部分に維持され、モノリシック本体をはるかに大きな直径のままにして、それにより、光学的損傷の脅威を何桁も低減させる。
【0148】
図12は、いくつかの実施形態による、反射面および回折面が互いに平行に位置決めされていない(すなわち、互いと角度をなしている)SBCデバイス500を示す。SBCデバイス500は、光ファイバ510a、510b、510c、および510dなどの複数の光ファイバと、モノリシック本体520と、を含む。モノリシック本体520は、入力面521、1つ以上の回折格子マスクなどの1つ以上の位相マスクを有する回折面522、反射面523、および出力面524を含む。モノリシック本体520は、相互に関連して、入力面、出力面、回折面、および反射面521~524との間で所望の角度的な位置決めおよび/または他の幾何学的関係を形成するために他の面を含み得る。
【0149】
いくつかの実施形態によると、合焦レンズ525は、合成出力光学ビーム550をコリメートするために、出射する合成出力光学ビーム550が発散した方法でモノリシック本体520を射出する場合に使用され得る。レンズ525は、出力面524の外部に位置決めされ得る。
【0150】
いくつかの実施形態によると、入射光学ビームは、互いにかつ軸y5に平行に、入力面521を介して、モノリシック本体520に入射するが、他の表面はモノリシック本体内に各入射光学ビームの多重光学路を可能にするように、軸y5に対して角度をなし得る。モノリシック本体520と光ファイバ510a~510dとの間の固定接続は、入射する光学ビームが平行な入射軌道でモノリシック本体520に入るのを可能にするようなものである。
【0151】
図12に示されるように、これらの実施形態における反射面523は、回折面522、ならびに入力面および出力面521および524に対して角度をなしている。
【0152】
図13は、いくつかの実施形態による、多数の内部反射スキームを有するSBCデバイス600を示す。SBCデバイス600は、光ファイバ610a、610b、610c、および610dなどの複数の光ファイバと、モノリシック本体620とを含む。モノリシック本体620は、入力面621、1つ以上の回折格子位相マスク622aなどの1つ以上の位相マスクを有する回折面622、反射面623、および部分的に反射性を有する出力面624を含み得る。モノリシック本体620は、相互に関連して、入力面、出力面、回折面、および反射面621~624との間で所望の角度的な位置決めおよび/または他の幾何学的関係を形成するために他の面を含み得る。
【0153】
これらの実施形態によると、出力面624は、合成出力光学ビーム650がモノリシック本体620を射出することができる透明領域624aと、透明領域624aを取り囲む反射領域624bと、を含み、不透明な周囲の反射領域624bに衝突するモノリシック本体620内の光学ビームが、正しい軌道角度に到達し、その透明領域624aを介して出力面624を射出するまで、回折面622に向かって内部的に戻されるように方向付けられる。
【0154】
これらの構成では、入力面621から入る光学ビームは、その入射軌道角度、それぞれの波長、および互いに対する面521~524の角度的な位置決めに応じて、反射面623および/または反射領域624bの反射面によって数回反射され得る。
【0155】
反射面623および/または出力面624の反射領域624bは、これらの面/領域を反射コーティング材料でコーティングする、反射要素(複数可)をそのそれぞれの側面を超えてモノリシック本体620の透明面に取り付ける、のいずれかによって達成することができる。
【0156】
モノリシック本体620の位相マスク(複数可)622aは、その回折面622を形成するモノリシック本体の側面にエッチング、エンボス加工、または取り付けられ得、例えば、回折格子マスクとして構成され得る。
【0157】
いくつかの実施形態によると、入射光学ビームは、互いに、かつ軸y6に平行に、入力面621を介して、モノリシック本体620に入射するが、他の表面は、モノリシック本体内に各入射光学ビームの多重光学路を可能にするよう、軸y6に対して角度をなし得る。モノリシック本体620と光ファイバ610a~610dとの間の固定接続は、入射する光学ビームが平行な入射軌道でモノリシック本体620に入るのを可能にするようなものである。
【0158】
いくつかの実施形態によると、SBCデバイス600は、合成出力光学ビーム650をコリメートするための合焦レンズ670などの1つ以上の合焦レンズを含み得る。
【0159】
他の実施形態によると、SBCデバイスは、ビームがモノリシック本体を出るための正しい軌道角度になるまでビームの全内部反射(TIR)を可能にするために、反射面および/または出力面に加えて、またはその代わりに追加的な反射面を含み得る。
【0160】
開示された実施形態の態様は、コヒーレントおよびスペクトルビーム合成デバイスおよび技術を統合するシステムに関わる。例えば、システムは、各々が多数のコヒーレントおよびモノスペクトル光学ビームを合成コヒーレントモノスペクトル出力光学ビームに合成する複数のCBCデバイスであって、各CBCデバイスが、異なる波長または互いに狭波長帯域の光学ビームを合成された出力するように設計される、複数のCBCデバイスと、複数のCBCデバイスによって出力された光学ビームのスペクトルビーム合成を実施するように各々構成された1つ以上のSBCデバイスと、を含み得る。図14を参照するに、いくつかの実施形態による、複数のCBCデバイスから発せられる多数のスペクトル微分された光学ビームのSBCのためのシステム700が示される。
【0161】
システム700は、スペクトル微分された入射光学ビームのスペクトル合成のために構成されたSBCデバイス720と、CBCデバイス710A、710B、および710Cなどの多数のCBCデバイスであって、それぞれが複数のコヒーレント入射光学ビームに対してCBCを実施し、互いに関して、異なる波長の合成コヒーレント光学ビーム715a、715b、および715cなどの合成コヒーレント光学ビームを出力するように構成される多数のCBCデバイスと、を含む。SBCデバイス720は、例えば、先のコヒーレントパワースケーリングがすでに実施された入射光学ビームの光学パワースケーリングを可能にし、最終的なスペクトル合成出力光学ビーム750が出力されるように、多数のCBCデバイス710A~710Cからのすべての出力光学ビームをスペクトル合成するように位置され、構成される。
【0162】
例えば、図14に示されるように、CBCデバイス710Aは、第1の波長λ1のコヒーレント合成光学ビームを合成および出力するように構成され得、CBCデバイス710Aは、第2波長λ2のコヒーレント合成光学ビームを合成および出力するように構成され得、CBCデバイス710Aは、第3の波長λ3のコヒーレント合成光学ビームを合成および出力するように構成され得、ここで、λ1≠λ2≠λ3である。
【0163】
いくつかの実施形態によると、各CBCデバイス710A/710B/710Cについて、そこに入射するコヒーレント入射光学ビームは、ファイバセット711a、711b、および711cなどの光ファイバの複数のセットから発せられ得、各ファイバセットは、異なる波長の光学ビームを出力し、それぞれのCBCデバイス710a、710b、および710cに固定的に接続される。
【0164】
いくつかの実施形態によると、CBCデバイス710a、710b、および710cは、その入射する光学ビームのそれぞれの波長または波長帯域に対応する位相マスクおよび幾何学的形状を各々有することにより、上で考察されるCBCデバイスのうちの1つ以上に従って構成され得る。
【0165】
いくつかの実施形態によると、SBCデバイス720は、その回折面に少なくとも2回衝突するための二重光学路を可能にする構成を使用して、かつCBCデバイス710a、710b、および710cによって出力される光学ビームの特定の波長に従って、上で考察されるSBCデバイス構成のうちのいずれか1つに従って構成され得る。
【0166】
いくつかの実施形態によると、CBCデバイス710A~710Cによってそれぞれ出力される合成コヒーレント光学ビーム715a~715cは、それぞれのCBCデバイスのそれぞれの波長および/または強度の光学ビームを方向付けるように各々が構成された光ファイバのような光導波路を介して、SBCデバイス720に向かって方向付けられ得る。
【0167】
開示された実施形態の態様は、モノリシック本体および位相マスクを有する、上記の任意のビーム合成デバイスなどの任意のタイプのCBCデバイスを使用することによる、コヒーレントビーム合成のための方法に関わり、モノリシック本体は、位相マスクが上に位置する焦点に入射光学ビームを合焦するように構成され、位相マスクは、焦点を含み、衝突する光学ビームを合成するように構成される焦点面上に位置する。
【0168】
図15は、そのようなモノリシック本体および位相マスクを有するCBCデバイスを使用する、コヒーレントビーム合成のためのCBCプロセスを示すフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、CBCプロセスは、以下のステップを含み得る:
【0169】
モノリシック本体および位相マスクを有するCBCデバイスを提供することであって、モノリシック本体は少なくとも入力面および出力面を含み得、位相マスクはモノリシック本体を通して方向付けられた光学ビームをコヒーレントに合成するように位置され、構成され得る、提供すること(ブロック801)、
いくつかの実施形態では、この方法は、主軸に対して特定の入射角で多数のコヒーレント光学ビームをモノリシック本体に方向付けることをさらに含み得、(例えば、ビーム合成デバイスの実施形態に関して上述したように、多数の光源およびモノリシック本体の入力面に固定的に接続される光ファイバを使用することによって)(ブロック802)、
いくつかの実施形態では、この方法は、入射光学ビームが、焦点面を画定する焦点に収束するように、モノリシック本体内で入射光学ビームを方向付けることを追加的に含み得、位相マスクはその焦点面上に位置され得(ブロック803)、
いくつかの実施形態では、この方法は、CBCデバイスの位相マスクに衝突する光学ビームを合成することをさらに含み(ブロック804)、および
いくつかの実施形態では、この方法はまた、単一のコヒーレント合成出力光学ビームを出力し、それをCBCデバイスから外部に方向付けることを含み得る(ブロック805)。
【0170】
開示された実施形態の態様は、例えば、上記のSBCデバイス構成のうちのいずれか1つを使用することによる、複数のスペクトル微分された光学ビームのスペクトルビーム合成のための方法に関わる。
【0171】
図16は、いくつかの実施形態による、SBCプロセスを示すフローチャートを示し、これは、以下のステップを含み得る。
【0172】
モノリシック本体を有するSBCデバイスを提供することであって、モノリシック本体は、少なくとも入力面、出力面、回折面、および任意選択的に反射面も有し得、SBCデバイスは、例えば、回折面に少なくとも2回インピングするように、入力面を通って入射するスペクトル微分された入射光学ビームを方向付けることによって、多回折光学路を介してSBCのために構成される、提供すること(ブロック811)、
いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、そのモノリシック本体の入力面を介して、多数のスペクトル微分された光学ビームをモノリシック本体に方向付けることをさらに含み得(ブロック812)、
いくつかの実施形態では、この方法は、入射光学ビームを、多重回折光学路を介してモノリシック本体内に方向付けることによって合成することをさらに含み(ブロック813)、および
いくつかの実施形態では、この方法はまた、単一のマルチスペクトル合成出力光学ビームを出力し、それをSBCデバイスから外部に方向付けることを含み得る(ブロック814)。
【0173】
開示された実施形態の態様は、CBCデバイスのセットのスペクトル出力に応じて、少なくとも1つの追加的なビーム合成CBCまたはSBCデバイスを使用することによって、CBCデバイスのセットから発せられる複数の光学ビームのビーム合成のためのカスケードビーム合成方法に関する。
【0174】
このようなカスケード実装の例は、上記の図9および図14に示されている(ただし、これらに限定されない)。
【0175】
追加的に、図17を参照すると、カスケードビーム合成方法は、いくつかの実施形態によると、入射する複数のコヒーレント光学ビームを合成し、特定の波長または波長帯域のコヒーレント合成出力光学ビームを出力するように各々が構成されたCBCデバイスの第1のセットを提供することであって、CBCデバイスの合成出力光学ビームは、スペクトル微分されるか、スペクトル的に重なり合うか、または同じ波長または波長帯域のものであってもよい(ブロック821)。
【0176】
いくつかの実施形態では、方法は、CBCデバイスのセットから発せられる出力光学ビームを合成するように各々が構成される少なくとも1つの追加的な合成デバイスを提供することをさらに含み、CBCデバイスが、重なり合うまたは同一の波長の合成出力光学ビームを出力するように構成される実施形態では、少なくとも1つの追加的な合成デバイスは、それぞれの波長または波長帯域のコヒーレント光学ビームを合成するように構成されたCBCデバイスであってもよく、CBCデバイスが、スペクトル微分された合成出力ビームを出力するように構成された実施形態では、少なくとも1つの追加的な合成デバイスは、スペクトル微分された光学ビームを合成するように構成されたSBCデバイスであってもよい(ブロック822)。
【0177】
いくつかの実施形態では、この方法は、CBCデバイスの第1のセットから発せられる出力光学ビームを、少なくとも1つの追加的な合成デバイスの入力面に向かって方向付ける(ブロック823)、
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも1つの追加的な合成デバイスに入射する光学ビームを合成する(ブロック824)、および
いくつかの実施形態では、この方法は、単一の合成最終光学ビームを出力し、それを少なくとも1つの追加的な合成デバイスから外部に方向付ける(ブロック825)。
【0178】
カスケードビーム合成方法は、任意の種類のネットワーク構成を使用することができ、多数のビーム合成デバイスから発せられる多数の光学ビームを、多数の追加的な合成デバイスを介してカスケード方式で数回合成することができる。
【0179】
CBCデバイスの第1のセットは、CBCのために多数のコヒーレント光学ビームを内部に方向付けるために、多数の光ファイバに固定的に接続することができる。
【0180】
いくつかの実施形態によると、CBCデバイスの第1のセットによって出力された光学ビームを少なくとも1つの追加的な合成デバイスに方向付けることは、空気によって、または光導波路を介して実行され得る。
【0181】
追加の例:
実施例1は、複数の光ファイバから発せられる多数のスペクトルコヒーレント光学ビームをコヒーレントビーム合成するためのビーム合成デバイスであって、少なくとも部分的に透明であり、かつ、少なくとも入力面および出力面を有するモノリシック本体であって、入力面が、複数の光ファイバに固定的に接続して、モノリシック本体を通って複数の光ファイバから入射する、複数のコヒーレント入射ビームを方向付けるように構成される、モノリシック本体と、モノリシック本体の出力面から出射する出射ビームを合成して、そこから出力される単一の合成出力ビームを形成するように構成される、位相マスクと、を備える、ビーム合成デバイスを提供する。
【0182】
実施例2において、実施例1の主題は、モノリシック本体が、すべての入射ビームを単一の焦点に合焦させるように構成され、位相マスクが、焦点を含む焦点面上に位置決めされることを含み得る。
【0183】
実施例3において、実施例2の主題は、モノリシック本体が、それを通って方向付けられた入射ビームが、互いに同じ出射分離角で焦点に収束するように構成され、そのため、分離角および焦点が焦点面を画定し、その上に、位相マスクが位置決めされることを含み得る。
【0184】
実施例4において、実施例1~3の主題は、モノリシック本体の入力面が、それに固定的に接続された複数の光ファイバが、互いに等しい間隔および等しい入射分離角で配置されるように構成されることを含み得る。
【0185】
実施例5において、実施例1~4の主題は、位相マスクがモノリシック本体の出力面にエッチングもしくはエンボス加工されることを含み得る。
【0186】
実施例6において、実施例1~4の主題は、位相マスクがモノリシック本体の出力面に取り付けられることを含み得る。
【0187】
実施例7において、実施例1~4の主題は、位相マスクが別個の光学要素(OE)に埋め込まれることを含み得る。
【0188】
実施例8において、実施例7の主題は、OEがモノリシック本体の出力面とは別個に位置することを含み得る。
【0189】
実施例9において、実施例7の主題は、OEがモノリシック本体の出力面に結合されることを含み得る。
【0190】
実施例10において、実施例1~9の主題は、位相マスクが、入射および/または出射光学ビームの各々の次の特性、ビーム波長、ビーム波長帯域、ビーム位相、ビーム波面、ビーム廃棄物、およびビーム半径のうちの少なくとも1つに従ってさらに設計されることを含み得る。
【0191】
実施例11において、実施例1~10の主題は、位相マスクが回折格子マスクを備えることを含み得る。
【0192】
実施例12において、実施例11の主題は、位相マスクがビームスプリッタを備えることを含み得る。
【0193】
実施例13において、実施例1~12の主題は、モノリシック本体の入力面が、モノリシック本体の出力面における焦点または焦点領域に向かってビームを方向付けるために、隣接する光ファイバの各対間の相対的な入射角がゼロよりも大きくなるように湾曲していることを含み得る。
【0194】
実施例14において、実施例1~4の主題は、モノリシック本体の入力面が、光ファイバから発せられる入射光学ビームが、互いに平行にモノリシック本体に入射するように、平坦化されることを含み得る。
【0195】
実施例15において、実施例1~13の主題は、モノリシック本体が、出力面に向かってビームを反射することによって、ビームを入力面からモノリシック本体の出力面に向かって方向付ける、反射性内側を有する少なくとも1つの追加的な表面を含むことを含み得る。
【0196】
実施例16において、実施例15の主題は、反射性内側が、少なくとも1つの追加的な表面の内側に反射性材料をコーティングすることによって形成されることを含み得る。
【0197】
実施例17において、実施例15の主題は、反射性内側が、少なくとも1つの追加的な表面の内側に反射要素を取り付けることによって形成されることを含み得る。
【0198】
実施例18において、実施例15~17の主題は、追加的な表面が湾曲していることを含み得る。
【0199】
実施例19において、実施例1~18の主題は、すべての光ファイバが、モノリシック本体に入射するすべての入射ビームが同じ波長および/または波長帯域を有するように、光学ビームを同じ波長および/または波長帯域で出力するように設計されることを含み得る。
【0200】
実施例20において、実施例1~19の主題は、光ファイバの各々が、二重クラッド光ファイバであることを含み得る。
【0201】
実施例21において、実施例1~20の主題は、光ファイバの各々がドープされた光ファイバであることを含み得る。
【0202】
実施例22において、実施例2~3の主題は、モノリシック本体が、位相マスクに出射の焦点または焦点領域を作り出すように、等しい分離角で位相マスクに向かって出射ビームを方向付けるために、変化する屈折指数化構成で構成されることを含み得る。
【0203】
実施例23において、実施例22の主題は、変化する屈折指数化構成が、合焦効果を作り出すために、モノリシック本体の屈折指数が中心軸または中心平野に向かって徐々に変化されるようなものを含み得る。
【0204】
実施例24は、多数のスペクトルコヒーレント光学ビームをコヒーレントビーム合成するためのビーム合成デバイスであって、コヒーレント光学ビームを出力するように構成される複数の光ファイバと、少なくとも部分的に透明であり、かつ入力面および出力面を有するモノリシック本体であって、複数の光ファイバに固定的に接続して、入力面からモノリシック本体を通って、複数の光ファイバから入射する複数の入射光学ビームを方向付けるよう構成される、モノリシック本体と、モノリシック本体の出力面から出射する出射ビームを合成して、そこから出力される単一の合成出力ビームを形成するように構成された位相マスクと、を備える、ビーム合成デバイスに関わる。
【0205】
実施例25において、実施例24の主題は、モノリシック本体が、それを通って方向付けられたビームが互いに同じ出射分離角でその出力面から出射するように構成され、位相マスクが、出射ビームの出射分離角に対応して設計されることを含み得る。
【0206】
実施例26において、実施例24~25の主題は、モノリシック本体の入力面が、それに固定的に接続された複数の光ファイバが、互いに等しい間隔および等しい入射分離角で配置されるように構成されることを含み得る。
【0207】
実施例27において、実施例24~26の主題は、位相マスクがモノリシック本体の出力面にエッチングまたはエンボス加工されることを含み得る。
【0208】
実施例28において、実施例24~26の主題は、位相マスクが、モノリシック本体の出力面に接着されたマスク層を有することを含み得る。
【0209】
実施例29において、実施例24~26の主題は、位相マスクが光学要素(OE)に埋め込まれることを含み得る。
【0210】
実施例30において、実施例29の主題は、OEがモノリシック本体の出力面とは別個に位置することを含み得る。
【0211】
実施例31において、実施例29の主題は、OEがモノリシック本体の出力面に結合されることを含み得る。
【0212】
実施例32において、実施例24~31の主題は、位相マスクが、入射および/または出射ビームの各々の以下の特性、ビーム波長、ビーム波長帯域、ビーム位相、ビーム波面、ビーム廃棄物、およびビーム半径の少なくとも1つに従ってさらに設計されることを含み得る。
【0213】
実施例33において、実施例24~32の主題は、位相マスクが位相マスクを備えることを含み得る。
【0214】
実施例34において、実施例31の主題は、位相マスクが回折格子を備えることを含み得る。
【0215】
実施例35において、実施例24~34の主題は、モノリシック本体の入力面が、モノリシック本体の出力面における焦点または焦点領域に向かってビームを方向付けるために、隣接する光ファイバの各対間の相対的な入射角がゼロよりも大きくなるように湾曲していることを含み得る。
【0216】
実施例36において、実施例24~35の主題は、モノリシック本体の入力面が、光ファイバからのビームが、平行にモノリシック本体に入射するように、平坦化されることを含み得る。
【0217】
実施例37において、実施例24~36の主題は、モノリシック本体が、出力面に向かってビームを反射することによって、ビームを入力面からモノリシック本体の出力面に向かって方向付ける、反射性内側を有する少なくとも1つの追加的な表面を含むことを含み得る。
【0218】
実施例38において、実施例37の主題は、反射性内側が、少なくとも1つの追加的な表面の内側に反射性材料をコーティングすることによって形成されることを含み得る。
【0219】
実施例39において、実施例37の主題は、反射性内側が、少なくとも1つの追加的な表面の内側に反射要素を取り付けることによって形成されることを含み得る。
【0220】
実施例40において、実施例24~39の主題は、すべての光ファイバが、モノリシック本体に入射するすべての入射ビームが同じ波長および/または波長帯域を有するように、光学ビームを同じ波長および/または波長帯域で出力するように設計されることを含み得る。
【0221】
実施例41において、実施例24~40の主題は、光ファイバの各々が、二重クラッド光ファイバであることを含み得る。
【0222】
実施例42において、実施例24~41の主題は、光ファイバの各々がドープされた光ファイバであることを含み得る。
【0223】
実施例43は、複数の光ファイバから発せられる多数のスペクトルコヒーレント光学ビームをコヒーレントビーム合成するためのビーム合成デバイスであって、少なくとも部分的に透明であり、かつ、入力面および出力面を有するモノリシック本体であって、入力面が、複数の光ファイバに固定的に接続して、複数の光ファイバから入射する、複数のコヒーレント入射光学ビームを、その出力面に向かって方向付けるように構成され、出力面が、モノリシック本体の入力面から方向付けられたビームを合成して、そこから出力される単一の合成出力ビームを形成するように構成される位相マスクを有する、モノリシック本体を備える、ビーム合成デバイスに関わる。
【0224】
実施例44において、実施例43の主題は、モノリシック本体が、位相マスクに出射の焦点または焦点領域を作り出すように、等しい分離角で位相マスクに向かって出射ビームを方向付けるために、変化する屈折指数化構成で構成されることを含み得る。
【0225】
実施例45において、実施例44の主題は、変化する屈折指数化構成が、合焦効果を作り出すために、モノリシック本体における屈折指数が中心軸または中心平野に向かって徐々に変化するようなものを含み得る。
【0226】
実施例46は、多数のスペクトルコヒーレント光学ビームをコヒーレントビーム合成するためのシステムであって、複数の光源と、複数の光源のうちの1つから発生する光を誘導するように各々構成されている、複数の光ファイバと、コヒーレント合成デバイスであって、少なくとも部分的に透明であり、かつ入力面および出力面を有するモノリシック本体であって、複数の光ファイバに固定的に接続して、複数の光ファイバから入射する複数のコヒーレント入射光学ビームを入力面から出力面に向かって方向付けるように構成される、モノリシック本体、およびモノリシック本体の出力面から出射する出射ビームを合成して、そこから出力される単一の合成出力ビームを形成するように構成される位相マスクを含むコヒーレント合成デバイスと、を有し、モノリシック本体が、それを通って方向付けられたビームが互いに同じ出射分離角でその出力面から出射するよう構成され、位相マスクが、出射ビームの出射分離角に対応して設計されるシステムに関わる。
【0227】
実施例47は、多数のスペクトルコヒーレント光学ビームのコヒーレントビーム合成のためのビーム合成デバイスであって、少なくとも部分的に透明であり、かつ少なくとも入力面および出力面を有するモノリシック本体であって、入力面が、出力面に向かってモノリシック本体内の光学路を通って複数のコヒーレント入射光学ビームを方向付けるように構成および位置決めされているモノリシック本体と、モノリシック本体の出力面から出射する出射ビームを合成して、そこから出力される単一の合成出力ビームを形成するように構成される位相マスクと、を備えるビーム合成デバイスに関わる。
【0228】
実施例48は、多数のスペクトルコヒーレント光学ビームをコヒーレントビーム合成するためのシステムであって、複数のコヒーレントビーム合成(CBC)デバイスであって、各々が、少なくとも部分的に透明であり、かつ入力面および出力面を有するモノリシック本体であって、複数の光導波路に固定的に接続して、複数の光導波管から入射する複数の入射光学ビームを、焦点面上に位置する焦点に入射光学ビームを合焦することで、入力面から出力面に向かって方向付けるよう構成される、モノリシック本体、および焦点面上に位置し、モノリシック本体の出力面から出射する出射ビームを合成して、そこから出力される単一のコヒーレント合成出力ビームを形成するように構成される位相マスク、を有する、CBCデバイスと、複数のCBCデバイスのうちの少なくともいくつかのCBCデバイスの位相マスクの出力側に接続可能な少なくとも1つの出力光導波路であって、その中を通るように合成出力光学ビームを方向付けるように出射光学ビームの焦点に位置する出力光導波路と、を備え、多数のCBCデバイスのうちの少なくとも1つが、それぞれの入力面を介して、少なくともいくつかの他のCBCデバイスの出力光導波路に接続されて、少なくともいくらかの入射光学ビームの追加的なパワースケーリングのためにCBCデバイスのネットワークを形成する、システムに関わる。
【0229】
実施例49は、光学ビームを合成するためのシステムであって、多数のコヒーレント光学ビームを合成し、合成出力光学ビームを出力するように各々構成される、複数のコヒーレントビーム合成(CBC)デバイスであって、互いに異なる波長または波長範囲の光学ビームを合成し、合成出力光学ビームを出力するように各々構成されるCBCデバイスと、複数のCBCデバイスから発せられるスペクトル微分された入射光学ビームを単一の合成マルチスペクトル光学ビームに合成するように、複数のCBCデバイスに関して構成および位置決めされる少なくとも1つのスペクトルビーム合成(SBC)デバイスと、を備えるシステムに関わる。
【0230】
実施例50は、複数の光ファイバから発せられる複数のスペクトル微分された入射光学ビームを合成するためのスペクトルビーム合成(SBC)デバイスであって、モノリシック本体であって、少なくとも部分的に透明であり、かつ複数の光ファイバに固定的に接続された、または接続可能な入力面、回折面、および出力面を有する、モノリシック本体を備え、モノリシック本体は、入射光学ビームを単一のマルチスペクトル合成出力光学ビームに合成し、出力面を介してモノリシック本体から出射させるために、回折面に少なくとも2回衝突させるよう入射光学ビームを方向付けることにより、モノリシック本体の内側の多重回折光学路を通って、入力面を介して内部に入射する、入射光学ビームを方向付けるように構成される、SBCデバイスに関わる。
【0231】
実施例51において、実施例50の主題は、モノリシック本体が、すべての光学ビームが、互いに平行な出射軌道で出力面を介してモノリシック本体から出射して、合成出力入射光学ビームを形成するように、入射光学ビームを、多重回折光学路を通って方向付けることで合成するように構成されることを含み得る。
【0232】
実施例52において、実施例50~51の主題は、モノリシック本体が、回折面に向かって方向付けるために、少なくとも1回光学ビームを反射するように位置決めされた少なくとも1つの反射面をさらに有することを含み得る。
【0233】
実施例53において、実施例52の主題は、少なくとも1つの反射面のうちの1つが、回折面に平行に、かつ回折面に対して角度を付けて位置決めされることを含み得る。
【0234】
実施例54において、実施例52の主題は、少なくとも1つの反射面のうちの1つが、回折面に対して角度を付けて位置決めされることを含み得る。
【0235】
実施例55において、実施例50~51のSBCデバイスは、全内部反射(TIR)または部分内部反射(PIR)のために構成された多数の反射面をさらに含み得る。
【0236】
実施例56において、実施例55の主題は、出力面が、反射領域および透明領域を含み、反射領域に衝突する光学ビームをモノリシック本体内に向かって反射して戻し、回折面に再び方向付けられるようにし、かつ透明領域に方向付けられた光学ビームがそこからモノリシック本体を出射することを可能にするように位置決めされることを含み得る。
【0237】
実施例57において、実施例50~56の主題は、すべての入射光学ビームが、互いに平行な軌道でその入力面を通ってモノリシック本体に入射することを含み得る。
【0238】
実施例58において、実施例57の主題は、モノリシック本体に入射する際の入射光学ビームの軌道が、回折面に対して角度を有することを含み得る。
【0239】
実施例59において、実施例50~58の主題は、モノリシック本体が三次元(3D)物体を形成するために追加的な表面を有することを含み得る。
【0240】
実施例60において、実施例50~59の主題は、モノリシック本体の少なくとも回折面が平坦であることを含み得る。
【0241】
実施例61において、実施例60の主題は、入力面および出力面が平坦であることを含み得る。
【0242】
実施例62において、実施例52~54の主題は、モノリシック本体構成およびそれに対する光ファイバの接続が、入射ビームを入力面から回折面に向かって、回折面から少なくとも1つの反射面に、少なくとも1つの反射面から再び回折面に、および回折面から出力面に方向付けるように、互いに平行に入射する入射光学ビームを、二重光学路を通るよう方向付けるように設計されることを含み得る。
【0243】
実施例63において、実施例50~62の主題は、入射光学ビームが異なる波長または波長帯域を有することで、互いとスペクトル微分され、位相マスクが、入射光学ビームの波長間の差に関して構成されることを含み得る。
【0244】
実施例64において、実施例63の主題は、入射光学ビームが等しいスペクトル分離の波長のものであることを含み得る。
【0245】
実施例65において、実施例63~64の主題は、回折面の位相マスクが、回折格子マスクおよびプリズムのうちの少なくとも1つを含むことを含み得る。
【0246】
実施例66において、実施例65の主題は、少なくとも1つの回折格子マスクが、モノリシック本体の幾何学的形状および寸法、ならびに入射光学ビームの波長に対応して構成されることを含み得る。
【0247】
実施例67において、実施例50~66の主題は、位相マスクがモノリシック本体の片側にエッチングされるか、エンボス加工されるか、または取り付けられて、回折面を形成することを含み得る。
【0248】
実施例68は、複数のスペクトル微分された入射光学ビームを合成するためのスペクトルビーム合成(SBC)デバイスであって、出力端から複数のスペクトル微分された光学ビームを出力する、複数の光ファイバと、少なくとも部分的に透明であり、複数の光ファイバに固定的に接続される入力面、回折面、および、出力面を有するモノリシック本体とを備え、モノリシック本体は、入力面を介して入射する入射光学ビームを、回折面に少なくとも2回衝突させるように入射光学ビームを方向付けることにより、モノリシック本体内の多重回折光学路を通って方向付けるよう構成され、入射光学ビームを単一のマルチスペクトル合成出力光学ビームに合成し、出力面を介してモノリシック本体から出射させるために、SBCデバイスに関わる。
【0249】
実施例69において、実施例69の主題は、光ファイバがドープされた光ファイバおよび/または二重クラッド光ファイバを含むことを含み得る。
【0250】
実施例70において、実施例68~69の主題は、光ファイバがモノリシック本体の入力面に接合、溶接、または糊付けされることを含み得る。
【0251】
実施例71では、実施例70の主題は、モノリシック本体の入力面は平坦であり、入射ビームが互いに平行な入射軌道でそこを通って入射するように、光ファイバがそれに固定的に接続されることを含み得る。
【0252】
実施例72において、実施例68~71の主題は、光ファイバが互いに等しい間隔で入力面に接続することを含み得る。
【0253】
実施例73において、実施例68~72の主題は、回折面の位相マスクが、回折格子マスクおよびプリズムのうちの少なくとも1つを含むことを含み得る。
【0254】
実施例74において、実施例68~73の主題は、モノリシック本体が、光学ビームを回折面に向かって方向付けるように、少なくとも1回反射させるように位置決めされる少なくとも1つの反射面をさらに備えることを含み得る。
【0255】
実施例75において、実施例68~74の主題は、モノリシック本体が、すべての光学ビームが、互いに平行な出射軌道で、出力面を介してモノリシック本体から出射するように、多重回折光学路を通って方向付けることで、入射光学ビームを合成して、合成出力光学ビームを形成するように構成されることを含み得る。
【0256】
実施例76は、コヒーレントビーム合成(CBC)のための方法であって、モノリシック本体、および位相マスクを有するCBCデバイスを提供することであって、位相マスクは、コヒーレント光学ビームを合成するように構成される、提供することと、CBCデバイスのモノリシック本体に多数のコヒーレント光学ビームを方向付けることと、焦点面を画定する焦点に収束させるように、CBCデバイスのモノリシック本体の内側に多数のコヒーレント光学ビームを方向付けることであって、CBCデバイスの位相マスクは焦点面上に位置する、方向付けることと、位相マスクに衝突する多数のコヒーレント光学ビームを合成することと、単一のコヒーレント合成出力光学ビームを出力することと、を含む、方法に関わる。
【0257】
実施例77は、スペクトル微分された光学ビームをスペクトルビーム合成(SBC)するための方法であって、少なくとも入力面、出力面、および回折面を有するモノリシック本体を含むSBCデバイスを提供することと、多数のスペクトル微分された光学ビームを、その入力面を通して、SBCデバイスのモノリシック本体に方向付けることと、回折面に少なくとも2回インピングさせるよう多数のスペクトル微分された光学ビームを方向付けることによって可能となる、多重回折光学路を通って方向付けることで、SBCデバイスのモノリシック本体の内側で多数のスペクトル微分された光学ビームを合成することと、単一のマルチスペクトル合成出力光学ビームを出力することと、を含む、方法に関わる。
【0258】
実施例78は、多数の光学ビームを合成するための方法であって、コヒーレントビーム合成(CBC)デバイスの第1のセットを提供することであって、各々が、それに方向付けられたコヒーレント光学ビームを合成するように、かつコヒーレント合成出力光学ビームを出力するように構成される、提供することと、光学ビームを合成するように構成された、少なくとも1つの追加的な合成デバイスを提供することと、CBCデバイスの第1のセットによって出力された合成出力光学ビームを、少なくとも1つの追加的な合成デバイスの入力面に向かって方向付けることと、少なくとも1つの追加的な合成デバイスによって、CBCデバイスの第1のセットによって出力された、方向付けられた合成出力光学ビームを合成することと、単一の合成最終出力光学ビームを出力し、それを少なくとも1つの追加的な合成デバイスから外部に方向付けることと、を含む、方法。
【0259】
実施例79において、実施例78の主題は、CBCデバイスの第1のセットが、重なり合う、類似の、または同一の波長または波長帯域の光学ビームを合成および出力するように構成され、少なくとも1つの追加的な合成デバイスが、CBCデバイスであることを含み得る。
【0260】
実施例80において、実施例78の主題は、CBCデバイスの第1のセットがスペクトル微分された出力光学ビームを出力するように構成され、少なくとも1つの追加的な合成デバイスがスペクトルビーム合成(SBC)デバイスであることを含み得る。
【0261】
本発明は限られた数の実施形態に関して説明されてきたが、これらは本発明の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、むしろいくつかの実施形態の例示として解釈されるべきである。
【0262】
考察において、別途明記されない限り、本発明の実施形態の特徴(複数可)の状態または関係特性を変更する「実質的に」および「約」などの形容詞は、状態または特性が、意図された用途のための実施形態の動作に許容される許容範囲内に定義されることを意味すると理解されるべきである。
【0263】
別途指定されない限り、大きさまたは数値に関して「実質的に」、「約」および/または「近い」という用語は、それぞれの大きさまたは値の-10%~+10%の包括的範囲内にあることを示唆し得る。
【0264】
請求項または明細書が「1つの(aまたはan)」要素、構成要素、物体、特質、特性、および/または特徴に言及する場合、そのような言及は、それが要素の1つにすぎないと解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、例えば、「要素」または「少なくとも1つの要素」への言及は、「1つ以上の要素」または「少なくとも1つの要素」なども包含し得る。
【0265】
単数形で使用される用語には、明示的に別途明記される場合、または文脈上、別途必要な場合を除き、複数形も含まれるものとする。
【0266】
本出願の説明および特許請求の範囲において、動詞「備える」、「含む」および「有する」の各々、ならびにそれらの共役は、動詞の目的語(複数可)が必ずしも構成要素、要素、または、動詞の主語(複数可)の部分の完全なリストではないことを示すために使用される。
【0267】
別途明記されない限り、選択オプションのリストの最後の2つのメンバー間で「および/または」という表現を使用することは、リストされたオプションの1つ以上を選択することが適切であり、実行することができることを示している。さらに、「および/または」という表現の使用は、「以下の少なくとも1つ」、「以下のいずれか1つ」、または「以下のうちの1つ以上」という表現と互換的に使用され得、その後に様々なオプションのリストが続く。
【0268】
明確にするために、別個の実施形態または例の文脈で説明される本発明の特定の特徴もまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解されるであろう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態、例および/またはオプションの文脈で説明される本発明の様々な特徴はまた、別個にまたは任意の好適な副次的組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態、例、またはオプションで好適なものとして提供され得る。様々な実施形態、実施例、および/または任意選択的な実装形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態、例、および/または任意選択的な実装がそれらの要素なしでは動作しない場合を除いて、それらの実施形態の必須の特徴と見なされるべきではない。
【0269】
本明細書では、「いくつかの実施形態において」、「いくつかの実施形態による」、「本発明のいくつかの実施形態による」、「例えば(for example)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for instance)」、および「任意選択的に」という用語を交換可能に使用できることに留意されたい。
【0270】
図に示される要素の数は、決して制限的として解釈されるべきではなく、例示的な目的のみである。
【0271】
本出願を通じて、様々な実施形態が、範囲形式で提示され、および/またはそれに関連し得る。範囲形式での説明は、単に便宜上および簡潔にするためのものであり、実施形態の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能な副次的範囲ならびにその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの副次的範囲、およびその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、および6を具体的に開示していると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
図1
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図3A
図3B
図3C
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図10B
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