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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】トランス・インダクタ複合デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/10 20060101AFI20240823BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20240823BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20240823BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240823BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H01F30/10 E
H01F30/10 U
H01F30/10 M
H01F27/24 E
H01F27/32 150
H01F27/28 K
H01F27/00 R
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022501170
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2020036567
(87)【国際公開番号】W WO2021011113
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】62/873,468
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/661,408
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522010440
【氏名又は名称】ビシェイ デール エレクトロニクス,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】VISHAY DALE ELECTRONICS,LLC
【住所又は居所原語表記】1122 23rd Street,Columbus,Nebraska 68601 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エブナー,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー,マシュー
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1762559(KR,B1)
【文献】特開2003-124037(JP,A)
【文献】特開2013-115379(JP,A)
【文献】米国特許第04853668(US,A)
【文献】特開2015-065405(JP,A)
【文献】特表2021-525955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 30/10
H01F 27/24
H01F 27/32
H01F 27/28
H01F 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランス・インダクタ複合デバイにおいて、
中央コア脚部、前記中央コア脚部ら離れて配置された外側コア脚部を有するコア
前記中央コア脚の周りに配置された内側ボビン
前記内側ボビンび前記中央コア脚部周りに配置される外側ボビンあって、前記外側コア脚部周りに配置される第1のオブロング状部分有する上側部分と、前記外側コア脚部周りに配置される第2のオブロング状部分有する下側部分と、前記内側ボビンび前記中央コア脚部周りに配置される中央部分とを有する外側ボビン
前記内側ボビン巻かれた第1の巻線
前記外側ボビン周りに巻かれた第2の巻線あって、前記第1のオブロング状部分周りに巻かれた第1の部分と、前記中央部分の周りに巻かれた第2の部分と、前記第2のオブロング状部分周りに巻かれた第3の部分とを有する第2の巻線、を備えるトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項2】
前記外側ボビン上側部分は、その上側部分の第1の下端に沿って配置された第1のフランジ含んでおり、前記外側ボビン下側部分は、その下側部分の第1の上端に沿って配置された第2のフランジ含んでいる、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項3】
前記外側ボビンの上側部分は、その上側部分の第2の上端に沿って配置された第3のフランジ含んでおり、前記外側ボビンの下側部分、その下側部分の第2の下端に沿って配置された第4のフランジ含んでいる、請求項2に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項4】
前記外側ボビン中央部分は、前記内側ボビン当たって、前記内側ボビン前記外側ボビンの所定の箇所を超えて垂直に一方向に動くことを防止するように構成された1又は複数の突起含む、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項5】
前記外側ボビン少なくとも1つの第1のロック機構含んでおり、前記内側ボビン少なくとも1つの第2のロック機構含んでおり、前記少なくとも1つの第1のロック機構、前記少なくとも1つの第2のロック機構相互作用して前記内側ボビン前記外側ボビンが互いに対して回転することが防止するように構成されている、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のロック機構ポスト及びノッチの一方を含んでおり、前記少なくとも1つの第2のロック機構、ポスト及びノッチの他方を含んでいる、請求項5に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項7】
前記中央コア脚部ほぼ円柱状の形状を有する、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項8】
前記中央コア脚部ほぼオブロング状の形状を有する、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項9】
前記外側コア脚部アール付き外面を含む、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項10】
前記外側コア脚部ほぼ三日月状の形状を有する、請求項9に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項11】
前記コア上側コアび下側コア含む、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項12】
前記上側コア、前記上側コアの上端に沿って形成された少なくとも1つの第1の凹部含んでおり、前記下側コア、前記下側コアの下端に沿って形成された少なくとも1つの第2の凹部含んでおり、前記少なくとも1つの第1及び第2の凹部、前記上側コア前記下側コアを一緒に留めるために使用されるストラップ又はクリップを受けるように構成されている、請求項11に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項13】
前記外側コア脚部び/又は前記中央コア脚部空所を含んでいる、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項14】
前記内側ボビン、前記第1の巻線の引き出しを可能にするように構成された少なくとも1つのノッチ含む、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項15】
前記内側ボビン、前記内側ボビン外周の少なくとも一部に形成された少なくとも1つのリッジ含む、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項16】
前記第1巻線トランスの第1の巻線を形成し、前記第2巻線トランスの第2の巻線とインダクタの巻線とを形成する、請求項1に記載のトランス・インダクタ複合デバイス。
【請求項17】
ボビンあって、
第1の開口形成された内側部分と、
前記内側部分から延びており、上側開口形成されている第1のオブロング状部分有する上側部分と、
前記内側部分から延びており、下側開口形成されている第2のオブロング状部分有する下側部分と、
を備えており、
前記上側部分は前記ボビン高さの半分以下まで延びており、前記下側部分は前記ボビンの高さの半分以下まで延びている、ボビン。
【請求項18】
トランス・インダクタ複合デバイスを組み立てる方法であって、
内側ボビン巻く工程と、
側ボビン巻く工程であって、前記外側ボビン巻く工程は、
前記外側ボビンの第1の部分、前記外側ボビンの内側部分及び第1のオブロング状部分周りで巻く工程と、
前記外側ボビン中央部分を前記外側ボビン内側部分周りで巻く工程と、
前記内側ボビン前記外側ボビンスライドさせる工程と、
前記内側ボビン及び前記外側ボビンを、コア中央コア脚部及び外側コア脚部スライドさせる工程と、
前記コア上側部分と下側部分とを連結する工程と、
を含む方法。
【請求項19】
前記外側ボビン巻く工程は、
前記外側ボビン第2の部分を、前記外側ボビン前記内側部分と第2のオブロング状部分との周りで巻く工程を更に含んでおり、
前記外側ボビン中央部分は、前記外側ボビン前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置されている、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願との相互参照>
本願は、2019年7月12日に出願された米国仮特許出願第62/873,468号及び2019年10月23日に出願された米国非仮特許出願第16/661,408号の利益を主張し、それら両方は参照により本明細書の一部となる。
【0002】
本概念は、概して電気部品に関しており、より具体的には、インダクタやトランスなどの磁気デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
共振コンバータは、電力変換など様々な用途に使用されている。例えば、共振コンバータは、自動車充電用途に一般的に使われている。共振コンバータはまた、代替エネルギー、軍事や工業用途のような様々な産業で採用されている。
【0004】
共振コンバータは通常、インダクタを含む共振タンク回路に電気的に結合されたトランス巻線を含んでいる。一部の用途では、より大きな共振インダクタンスが必要とされている。
【0005】
商業用途では、共振タンク回路のトランスとインダクタとは別々のデバイスであって、トランス及びインダクタの電気的特性を容易に選択することができる。しかしながら、別々のデバイスであると、複合デバイスに比べて設置面積が大きくなる。更に、個々のデバイスは、部品や製造工程を共有していない。トランス・インダクタ複合デバイスは、設置面積及び製造コストの削減をもたらす可能性があるだろう。しかしながら、適切な電気的特性を維持すると共に製造が容易であるトランス・インダクタ複合デバイスを実現することは困難である。
【0006】
トランス・インダクタ複合デバイスには改善の余地がある。
【発明の概要】
【0007】
開示される概念の一態様によれば、トランス・インダクタ複合デバイスは、中央コア脚部と中央コア脚部から離れて配置された外側コア脚部とを有するコア、中央コア脚部の周りに配置された内側ボビン、内側ボビン及び中央コア脚部の周りに配置され、外側コア脚部の周りに配置された第1のオブロング状部分を有する上側部分と、外側コア脚部の周りに配置された第2のオブロング状部分を有する下側部分と、内側ボビン及び中央コア脚部の周りに配置された中央部分とを有する外側ボビン、内側ボビンの周りに巻かれた第1の巻線、及び、外側ボビンの周りに巻かれた第2の巻線を備えており、第2の巻線は、第1のオブロング状部分の周りに巻かれた第1の部分と、中央部分の周りに巻かれた第2の部分と、第2のオブロング状部分の周りに巻かれた第3の部分とを有している。
【0008】
開示される概念の一態様によれば、コアは、中央コア脚部と、中央コア脚部から離れて配置された外側コア脚部とを備えており、外側コア脚部はアール付き外面を有する。
【0009】
開示される概念の一態様によれば、ボビンは、第1の開口が形成された内側部分と、内側部分から延びており、上側部分開口が形成された第1のオブロング(oblong)状部を有する上側部分と、内側部分から延びており、下側部分開口が形成された第2のオブロング状部分を有する下側部分とを備えており、上側部分はボビンの半分以下の高さを延びており、下側部分はボビンの半分以下の高さを延びている。
【0010】
開示される概念の一態様によれば、トランス・インダクタ複合デバイスを組み立てる方法は、内側ボビンを巻く工程と、外側ボビンを巻く工程とを含んでおり、外側ボビンを巻く工程は、外側ボビンの内側部分及び第1のオブロング状部分の周りで外側ボビンの第1の部分を巻く工程と、外側ボビンの内側部分の周りで外側ボビンの中央部分を巻く工程と、内側ボビンを外側ボビンの中にスライドさせる工程と、内側及び外側ボビンをコアの中央コア脚部及び外側コア脚部でスライドさせる工程と、コアの上側部分と下側部分とを連結する工程とを含むことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
開示される概念は、添付図面と併せて読むことで、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0012】
図1図1は、開示された概念の例示的な実施形態に基づくインダクタ・トランス複合デバイスの分解図である。
図2A図2Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づくインダクタ・トランス複合デバイスの平面図である。
図2B図2Bは、図2Aのインダクタ・トランスデバイスの側断面図である。
図3A図3Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく上側コア又は下側コアの等角図である。
図3B図3Bは、図3Aの上側コア又は下側コアの底面図である。
図3C図3Cは、図3Aの上側コア又は下側コアの側面図である。
図4A図4Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく内側ボビンの等角図である。
図4B図4Bは、図4Aの内側ボビンの平面図である。
図4C図4Cは、図4Aの内側ボビンの側面図である。
図4D図4Dは、図4Aの内側ボビンの別の側面図である。
図5A図5Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく外側ボビンの等角図である。
図5B図5Bは、図5Aの外側ボビンの平面図である。
図5C図5Cは、図5Aの外側ボビンの側面図である。
図5D図5Dは、図5Aの外側ボビンの背面図である。
図6図6は、開示された概念の例示的な実施形態に基づく、外側ボビン内に入れ子にされた内側ボビンの断面図である。
図7図7は、開示された概念の例示的な実施形態に基づくトランス・インダクタ複合デバイスの組立て方法のフローチャートである。
図8A図8Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく上側コア又は下側コアの等角図である。
図8B図8Bは、図8Aの上側コア又は下側コアの平面図である。
図9A図9Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく内側ボビンの等角図である。
図9B図9Bは、図9Aの内側ボビンの平面図である。
図10A図10Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく外側ボビンの等角図である。
図10B図10Bは、図10Aの外側ボビンの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、請求項に明示されない限り請求項を限定するものではない。
【0014】
本明細書では、「幾つかの」という用語は、1又はそれを超える整数(即ち、複数)を意味する。
【0015】
図1は、開示された概念の例示的な実施形態に基づくトランス・インダクタ複合デバイス100の分解組立図である。図2Aは、組み立てられたトランス・インダクタ複合デバイス100の平面図であり、図2Bは、組み立てられたトランス・インダクタ複合デバイス100の断面図である。
【0016】
トランス・インダクタ複合デバイス100は、コア10,11と、内側ボビン20と、外側ボビン30とを含む。内側ボビン20は第1の巻線40で巻かれており、外側ボビン30は第2の巻線50で巻かれている。第1の巻線40はトランスの第1の巻線を形成し、第2の巻線50はトランスの第2の巻線とインダクタの巻線とを形成している。その結果、トランス・インダクタ複合デバイス100は、トランスとインダクタとを含む。
【0017】
コア10,11は、上側コア10と下側コア11とから形成されている。上側コア10と下側コア11とは、同様な形状を有していてよい。しかしながら、上側コア10及び下側コア11は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、異なる形状を有してよいことは理解されるであろう。幾つかの例示的な実施形態では、コア10,11は、PQコアをベースにしてよい。しかしながら、コア10,11は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、他の種類のコアをベースとしてよい。幾つかの例示的な実施形態では、コア10,11はフェライトで構成されてよいが、開示された概念の範囲から逸脱することなく、他の適切な材料が用いられてよい。
【0018】
図3Aは、上側コア10の等角図であり、図3Bは、上側コア10の底面図であり、図3Cは、上側コア10の側面図である。上述したように、下側コア11は上側コア10と同一又は類似の形状を有していてよく、故に、図3A-Cの図は、或いは下側コア11を表してもよい。上側コア10は、中央コア脚部12と外側コア脚部13とを含む。中央コア脚部12と外側コア脚部13は離間して配置されている。中央コア脚部12は、円柱状の形状を有しており(但し、開示された概念の範囲から逸脱することなく、他の形状を有してもよい)、外側コア脚部13は、アール付き(radiused)外面(例えば、限定されることなく、図3Aの非限定的な例示的実施形態に示されるような半月形又は三日月形)を有する。アール付き外面を有する外側コア脚部13は、外側コア脚部13の一例に過ぎないことは理解されるであろう。外側コア脚部13は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、アール付き外面を有さない形状など、他の形状を有してよい。その中央コア脚部12は、下側コア11の対応する中央コア脚部12と整列するように延びる。幾つかの例示的な実施形態における外側コア脚部13は、中央コア脚部12よりも短い。幾つかの例示的な実施形態では、コア10,11が組み合わせられている場合に、上側コア10の外側コア脚部13と下側コア11の外側コア脚部13との間に空所が存在してもよい。例えば、図2Bは、外側コア脚部13の間の空所を説明する図である。しかしながら、開示された概念の例示的な実施形態において、開示された概念の範囲から逸脱することなく、外側コア脚部13間の空所、中央コア脚部12間の空所、又はそれら両方が存在してよく、或いは、どちらも存在しなくてよいことは理解されるであろう。
【0019】
中央コア脚部12の円柱形状により、ターンの平均長さを低減することができる。外側コア脚部13は中央コア脚部12から離れて配置されており、外側コア脚部13の周りに延びる第2の巻線50の部分はオブロング状(oblong)の形態であって、第2の巻線50に使用されるワイヤに出っ張り(jogs)が外部から必要とされず、ワイヤは滑らかさを維持できる。
【0020】
内側ボビン20は、中央コア脚部12を囲むように構成されている。外側ボビン30は、中央コア脚部12を囲むように構成されているが、例えば図2Bに示すように、外側コア脚部13の周囲にも延びるように構成されている。内側ボビン20の直径は外側ボビン30の直径よりも小さく、トランス・インダクタ複合デバイス100を組み立てると、内側ボビン20は外側ボビン30の内側に入れ子になる。
【0021】
図4Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく内側ボビン20の等角図である。図4Bは内側ボビン20の平面図であり、図4Cは内側ボビン20の側面図であり、図4Dは内側ボビン20の別の側面図である。幾つかの例示的な実施形態では、内側ボビン20はプラスチック材料で構成されてよく、これにより、第1の巻線40がコア10,11から絶縁されて、外被ワイヤを使用する必要がない。内側ボビン20は、中央中空開口21を有するほぼ円柱状の形状を有する(しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく他の形状を有してよい)。中央中空開口21の直径は中央コア脚部12の直径より僅かに大きく、内側ボビン20は中央コア脚部12をスライドすることができる。
【0022】
内側ボビン20は、その両端に配置されたフランジ25を含んでいる。それらフランジ25は、第1の巻線40をコア10,11から絶縁する。フランジ25には、第1の巻線40に使用されるワイヤの引き出しを可能とするノッチ24が形成されている。例えば、ワイヤは、ノッチ24の1つを通り、続いてコア10,11に形成された対応するノッチ15を通り、続いて外部回路に接続されてよい。
【0023】
幾つかの例示的な実施形態では、内側ボビン20はまた、内側ボビン20の中央部分に形成されたリッジ22を含む。リッジ22は、第1の巻線40を中央コア脚部12の中央部分から離す。幾つかの例示的な実施形態では、中央コア脚部12は空所を有しており、リッジ22は、第1の巻線40をその空所から離れて配置するために使用されて、フリンジング磁束からの渦電流が最小限にされる。リッジは、内側ボビン20の円周の一部のみの周りに延びてもよく、又は、幾つかの例示的な実施形態では、内側ボビン20の全円周の周りに延びてもよい。例えば、リッジ22は、ノッチ24の領域には延在しなくてよく、第1の巻線40のワイヤがノッチ24を通って引き出される経路が確保される。しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、リッジ22を省略することができることは理解されよう。例えば、中央コア脚部12が空所を有しない幾つかの例示的な実施形態では、リッジ22は省略されてよい。
【0024】
内側ボビン20のフランジ25は、ロックノッチ23を更に含んでよい。ロックノッチ23は、外側ボビン30のポスト60(図6に示す)に対応してよい。例えば、ロックノッチ23が外側ボビン30のポスト60に嵌まり、内側ボビン20が外側ボビン30に対して回転しないように固定されるので、糊などの接着剤は不要である。しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、糊又は他の接着剤が依然として採用されてよいことは理解されるであろう。幾つかの例示的な実施形態では、ノッチ24は内側ボビン20の中心に向かう方向に延設されており、一方、ロックノッチ23はフランジ25の円周に沿った方向に延設されている。しかしながら、ノッチ24及びロックノッチ23の形状は、開示された概念の範囲から逸脱することなく変更されてよいことは理解されるであろう。ロックノッチ23は雌の特徴であり、ポスト60のような対応する雄の特徴を受け取ることを意味する。しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、ロックノッチ23をポストなどの雄の特徴に置き換えてよく、また、ポスト60をノッチなどの雌の特徴に置き換えてよい。
【0025】
図5Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく外側ボビン30の等角図である。図5Bは、外側ボビン30の平面図であり、図5Cは、外側ボビン30の側面図であり、図5Dは、外側ボビン30の背面図である。外側ボビン30は、内側ボビン20と同様に、第2の巻線50をコア10,11から絶縁するとともに第1の巻線40からも絶縁する樹脂材料で構成されてよい。外側ボビン30は、上側部分、下側部分、及び中央部分を含む3つの部分形状を有する。外側ボビン30は、外側ボビン30の上側部分、下側部分、及び中央部分に共通する円柱状の中央中空開口31(しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく他の形状を有してよい)を含んでいる。中央中空開口31の直径は、内側ボビン20のフランジ25の直径よりも僅かに大きく、内側ボビン20を外側ボビン30内に入れ子にできる。外側ボビン30はまた、その両端に形成されており、コア10,11及び巻線40から第2の巻線50を絶縁するフランジ36を含む。巻線40又は50に外被ワイヤを使用してもよいが、内側巻線と外側巻線50の間に外側ボビン30があるため、電圧絶縁のために外被ワイヤを使用する必要がない。
【0026】
外側ボビン30の上側部分は、オブロング形状を有している。上側部分は、外側コア脚部13の形状に対応したオブロング状部分32を含む。オブロング状部分32は、外側ボビン30の中央中空開口31から離れるように延びている。オブロング状部分32には、外側中空開口34が形成されている。外側中空開口34は、外側コア脚部13の形状に対応した形状を有している。幾つかの例示的な実施形態では、外側コア脚部13及び外側中空開口34は、両方とも半月状の形状を有する。外側中空開口34は外側コア脚部13よりも僅かに大きくなっており、外側中空開口34は外側コア脚部13をスライドできる。オブロング状部分32は、その上端及び下端においてフランジ36,37によって仕切られており、これにより、第2の巻線50をコア10,11から絶縁し、第2の巻線50を外側コア脚部13の空所から離して配置して、フリンジング磁束からの渦電流を最小限にすることができる。オブロング状部分32の高さは、例えば図2Bに示すように、外側コア脚部13の上側部分の高さ以下であって、第2の巻線50が外側コア脚部13の空所にわたって延びることが制限されている。
【0027】
外側ボビン30の下側部分は、外側ボビン30の上側部分と実質的に同じである。例えば、外側ボビン30の下側部分は、オブロング状部分33及び外側中空開口35を含んでおり、それらは、外側ボビン30の上側部分におけるオブロング状部分32及び外側中空開口34と実質的に同じ形状である。
【0028】
外側ボビン30の中央部分は、外側ボビン30の上側部分と下側部分との間に位置しており、オブロング状部分を含んでいない。むしろ、中央部分は、中央中空開口31を含む外側ボビン30の円柱部のみを含む。
【0029】
なお、第2の巻線50は、連続した1本のワイヤから構成されてよい。例えば、第2の巻線50は、外側ボビン30の上側部分の円柱部及びオブロング状部分32の両方に、ワイヤが何ターンか巻き付けられることによって形成されてよい。第2の巻線50では続いて、外側ボビン30の中央部分の円柱部だけにワイヤの一部が何ターンか巻き付けられる。続いて、第2の巻線50では、外側ボビン30の下側部分の円柱部及びオブロング状部分33の両方にワイヤの一部が何ターンか巻き付けられて、トランス巻線及びインダクタ巻線の両方に必要なターンを完了する。しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、外側ボビン30の下側部分周りの巻線から始めて外側ボビン30の上側部分周りの巻線で終わることによって、巻線の順序が逆にされてよいことは理解されるであろう。第2の巻線50は、トランスの一方の巻線とインダクタの巻線とを形成する。例えば、外側ボビン30の上側部分及び下側部分の巻線はインダクタの巻線を形成し、外側ボビン30の上側部分、下側部分及び中央部分の巻線はトランスの一方の巻線を形成する。内側ボビン20の周りの第1の巻線40は、トランスの他方の巻線を形成する。このように、第1及び第2の巻線40,50により、トランス・インダクタ複合デバイス100は、トランス及びインダクタの両方の機能を提供する。外側コア脚部13の周りにオブロング状に巻くことで共振インダクタンスがより大きくなり、これは共振コンバータ用途に有用である。幾つかの例示的な実施形態において、第2の巻線50は、外側ボビン30の中央部分と、外側ボビン30の上側部分及び下側部分のうちの一方のみに巻かれるだけであってよい。より大きな共振インダクタンスを必要としない用途では、外側ボビン30の中央部分と外側ボビン30の上下の一方のみとに第2の巻線50を巻けば、十分な共振インダクタンスを得ることができる。
【0030】
外側ボビン30は、1又は複数のノッチ38を更に含んでよい。また、1又は複数のノッチ38は、フランジ36に形成され、第2の巻線50を形成するワイヤを引き出すことができる。
【0031】
図6は、外側ボビン30内に入れ子状に配置された内側ボビン20の断面図である。図6に示すように、外側ボビン30は、外側ボビン30の中央中空開口31に延びる1又は複数の突起61を更に含んでよい。1又は複数の突起は、内側ボビン20が外側ボビン30内に入れ子になっている場合に、その上下動を止める上下動止めとして機能することができる。例えば、内側ボビン20が外側ボビン30の上方から外側ボビン30に挿入されると、内側ボビン20のフランジ25が1又は複数の突起61に突き当たって外側ボビン30を通った更なる上下動が止められるまで、内側ボビン20は外側ボビン30内にスライドし、これによって、内側ボビン20と外側ボビン30が上下方向に揃えられて、内側ボビン20が外側ボビン30からスライドすることが防止される。
【0032】
図7は、開示された概念の例示的な実施形態に基づくトランス・インダクタ複合デバイスを組み立てる方法のフローチャートである。図7の方法は、例えば図2A及び図2Bに示されたトランス・インダクタ複合デバイス100を組み立てるために使用されてよい。本方法は、本明細書に開示された例示的な実施形態に関して説明されるが、しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、本明細書に明示的に開示されていないトランス・インダクタ複合デバイスの他の変形例に適用できることは理解されるであろう。
【0033】
この方法は、101にて内側ボビン20が巻かれて始まる。方法では、続いて、102にて外側ボビン30の上側部分が巻かれる。この方法では続いて、104にて外側ボビン30の中央部分が巻かれ、106へと続いて、外側ボビン30の下側部分が巻かれる。本明細書で説明するように、上側部分及び下側部分の周囲に巻くことは、円柱部の周囲だけでなく、オブロング状部分32,33の周囲にそれぞれ巻くことも含んでおり、中央部分の周囲に巻くことは円柱部の周囲だけに巻くことを含む。また、開示された概念の範囲から逸脱することなく、工程102乃至106は任意の順序で実行されてよく、及び/又は、これらの工程の1又は複数がこれらの工程の他の1又は複数と同時に実行しされてよいことは理解されるであろう。また、幾つかの例示的な実施形態では、開示された概念の範囲から逸脱することなく、工程102又は106を省略することができることは理解されるであろう。例えば、より大きな共振インダクタンスを必要としない用途では、外側ボビン30の上側部分及び下側部分の一方のみに巻き付けることで、十分なインダクタンスを得ることができる。加えて、内側ボビン20は、第1の巻線40が完了した後且つ第2の巻線50が外側ボビン30に巻かれる前に、外側ボビン30の内側に入れ子状に配置されてよい。
【0034】
この方法は108へと続いて、内側ボビン20を外側ボビン30にスライドさせる。本明細書で説明されているように、ロックノッチ23及びポスト60などのロック機構が使用されて、内側ボビン20が外側ボビン30に対して所定位置に揃えられてロックされてよい。内側ボビン20が外側ボビン30にスライドされると、方法は110へと続き、連結された内側及び外側ボビン20,30がコア10,11の中央及び外側コア脚部12,13にスライドされる。次に、方法は112に続き、上側及び下側コア部分10,11が連結されて、巻かれた内側及び外側ボビン20,30が中央及び外側コア脚部12,13の周りのコア10,11内に配置されたコア10,11が形成される。その結果は、図2A及び図2Bに示すトランス・インダクタ複合デバイス100になる。
【0035】
本方法の工程の順序は、開示された概念の範囲から逸脱することなく変更することができることは理解されるであろう。また、開示された概念の範囲から逸脱することなく、例えば限定ではなく、ワイヤを引き出すなどの追加の工程を方法に採用することができることは理解されるであろう。
【0036】
例示的な実施形態は、内側ボビン20に巻かれた単一の巻線及び外側ボビン30の周りに巻かれた単一の巻線に関して説明されたが、開示された概念の範囲から逸脱することなく、複数の巻線を内側及び/又は外側ボビン20,30の周りに巻くことができることは理解されるであろう。また、開示された概念の範囲から逸脱することなく、第1及び第2の巻線40,50が、又は、内側及び/又は外側ボビン20,30の周りに巻かれている他の巻線が複数の箇所で打ち付けられて(tapped)よいことは理解されるであろう。
【0037】
図8Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく上側コア210の等角図であり、図8Bは上側コア210の平面図である。開示された概念の範囲から逸脱することなく、上側コア210が下側コアであってよいことは理解されるであろう。また、例えば図2Bに示すように上側及び下側コア10,11が結合されているように、上側コア210は、上側コア210と同一又は類似の下側コアと結合されてもよいことは理解されるであろう。
【0038】
上側コア210は、中央コア脚部212と外側コア脚部213とを含む。中央コア脚部212と外側コア脚部213は、互いに離間して配置されている。中央コア脚部212はオブロング形状を有しており、外側コア脚部213はアール付き外面(例えば、限定するものではないが、図8Aの非限定的な例示的実施形態に示すような半月状)を有している。上側コア210が下側コアと結合される場合、上側コア210の外側コア脚部213と下側コアの対応する外側コア脚部213との間に空所が存在してよい。同様に、上側コア210の中央コア脚部212と下側コアの対応する中央コア脚部との間に空所があってよい。
【0039】
上側コア210は、図3A-Cに関して上述した上側コア10と幾分似ている。しかしながら、上側コア210の中央コア脚部212は、円柱形状ではなくオブロング形状である。更に、幾つかの例示的な実施形態では、上側コア210の高さは、上側コア10よりも小さくてよい。上側コア210はまた、上側コア210の縁部から中央コア脚部212及び外側コア脚部213に夫々延びる傾き面を含んでいる。傾き面は空きを形成して、中央コア脚部212と外側コア脚部213の周りの巻線からワイヤを簡単に引き出すことを可能とする。更に、上側コア210は、その外縁に沿って形成された凹部216を含む(図8Aでは、遠い外縁に沿って形成された凹部216は隠れている)。凹部216は、上側コア210を対応する下側コアと連結するための取付機構(例えば、限定されないが、クリップ、ストラップなど)を受け入れるのに適してよい。
【0040】
上側コア210は、開示された概念の範囲から逸脱することなく上側又は下側コア10,11の特徴を含むように変更されてよく、同様に、上側又は下側コア10,11は、開示された概念の範囲から逸脱することなく上側コア210の特徴を含むように変更されてよいことは理解されるであろう。
【0041】
図9Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく内側ボビン220の等角図であり、図9Bは、内側ボビン220の平面図である。幾つかの例示的な実施形態では、内側ボビン220はプラスチック材料で構成されてよく、これにより巻線がコアから絶縁されて、外被ワイヤを使用する必要性がなくなる。内側ボビン220は、中央中空開口221を有するほぼオブロング形状を有する。中央中空開口221の直径は上側コア210の中央コア脚部212の直径より僅かに大きく、内側ボビン220は中央コア脚部212をスライドできる。
【0042】
内側ボビン220はその両端に位置するフランジ225を含むが、開示された概念の幾つかの例示的な実施形態では、フランジ225を省略できることは理解されるであろう。フランジ225は巻線とコアを絶縁する。幾つかの例示的な実施形態において、内側ボビン220はまた、内側ボビン220の中央部分に形成されたリッジ222を含む。リッジ222は、中央コア脚部212の中央部分から巻線を離間させる。幾つかの例示的な実施形態では、中央コア脚部212は空所を有しており、リッジ222はその空所から離れて巻線を配置するために使用されて、フリンジング磁束からの渦電流が最小限にされる。リッジは内側ボビン220の外周の一部のみに延びていてよく、これによって、巻線のワイヤを引き出すための経路を確保することができる。しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、リッジ222を省略できることは理解されるであろう。例えば、中央コア脚部212が空所を有しない幾つかの例示的な実施形態では、リッジ222は省略されてよい。
【0043】
内側ボビン220は、図4A-Dに関して上述した内側ボビン20と同様であってよい。しかしながら、内側ボビン220は、円柱形状の中央中空開口21ではなく、オブロング形状の中央中空開口221を含む。オブロング形状の中央中空開口221は、内側ボビン220が中央コア脚部212をスライドできるように、上側コア210の中央コア脚部212の形状に対応してよい。内側ボビン220は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、ノッチ24、ロックノッチ23、又は内側ボビン20の他の任意の特徴のような特徴を含むように変更されてよいことは理解されるであろう。同様に、内側ボビン20は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、内側ボビン220の特徴を含むように変更されてよいことは理解されるであろう。
【0044】
図10Aは、開示された概念の例示的な実施形態に基づく外側ボビン230の等角図であり、図10Bは外側ボビン230の平面図である。外側ボビン230は、内側ボビン220と同様に、その対応する巻線をコアから絶縁するとともに内側ボビン220に対応する巻線から絶縁するプラスチック材料で構成されてよい。外側ボビン230は、上側部分、下側部分、及び中央部分を含む3つの部分形状を有する。外側ボビン230は、外側ボビン230の上側部分、下側部分、及び中央部分に共通するオブロング形状の中央中空開口231を含む。中央中空開口231の直径は、内側ボビン220のフランジ225の直径よりも僅かに大きく、内側ボビン220を外側ボビン230内に入れ子にできる。外側ボビン230はまた、その両端に形成されたフランジ236を含んでおり、これらフランジ236は、外側ボビン230に対応する巻線をコアと内側ボビン220に対応する巻線とから絶縁する。外側ボビン230を使用することで、電圧絶縁のための外被ワイヤが不要になる。
【0045】
外側ボビン230の上側部分はオブロング形状を有する。上側部分は、外側コア脚部213の形状に対応するオブロング状部分を含む。オブロング状部分は、外側ボビン230の中央中空開口231から離れるように延びる。オブロング状部分には、外側中空開口234が形成されている。外側中空開口234は、外側コア脚部213の形状に対応した形状を有している。幾つかの例示的な実施形態において、外側コア脚部213及び外側中空開口234は、両方とも半月状の形状を有する。外側中空開口234は外側コア脚部213より僅かに大きくなっており、外側中空開口234は外側コア脚部213をスライドできる。オブロング状部分は、その上端及び下端においてフランジ236,237によって仕切られており、これにより、外側ボビン230に対応する巻線をコアから絶縁し、巻線を外側コア脚部213の空所から離して配置して、フリンジング磁束からの渦電流を最小限にすることができる。オブロング状部分の高さは、外側コア脚部213の上側部分の高さ以下であって、巻線が外側コア脚部213の空所にわたって延びることが制限されている。
【0046】
外側ボビン230の下側部分は、外側ボビン230の上側部分と実質的に同じである。例えば、外側ボビン30の下側部分は、オブロング状部分及び外側中空開口を含んでおり、それらは、外側ボビン230の上側部分におけるオブロング状部分及び外側中空開口234と実質的に同じ形状である。
【0047】
外側ボビン230の上側部分と下側部分の間に位置する外側ボビン230の中央部分には、オブロング状部分が含まれない。むしろ、中央部分は、オブロング形状の中央中空開口231を含む外側ボビン230のオブロング形状部分のみを含む。
【0048】
外側ボビン230は、図5A-Dに関して上述した外側ボビン30と同様であってよい。しかしながら、外側ボビン230は、円柱形状の中央中空開口31ではなくて、オブロング形状の中央中空開口231を含んでいる。オブロング形状の中央中空開口231は、外側ボビン230が中央コア脚部212をスライドできるように、上側コア210の中央コア脚部212の形状に対応してよい。外側ボビン230は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、外側ボビン30の特徴を含むように変更されてよいことは理解されるであろう。同様に、外側ボビン30は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、外側ボビン230の特徴を含むように変更されてよいことは理解されるであろう。
【0049】
上側コア210は、同一又は類似の下側コアと組み合わされて、図1図2A及び図2Bに関して上述した、上側及び下側コア10,11から形成されるコア10,11と同様のコアを形成してよい。内側ボビン220及び外側ボビン230は、コア10,11、内側ボビン20、外側ボビン30、第1の巻線40、及び第2の巻線50が図1図2A図2Bに関して上述したトランス・インダクタ複合デバイス100を形成する手法と同様にして、上側コア210及び対応する下側コアを用いて、対応する第1及び第2の巻線と共にトランス・インダクタ複合デバイスを形成するために採用されてよい。例えば、巻線は内側及び外側ボビン220,230の周りに作られてよく、内側ボビン220は外側ボビン230内に入れ子にされてよく、内側ボビン220は中央コア脚部212でスライドしてよく、外側ボビン230は、図1のトランス・インダクタ複合デバイス100の組み立て手法と同様に内側及び外側コア脚部212,213でスライドしてよい。
【0050】
中央コア脚部12,212の円柱形状及びオブロング形状は、中央コア脚部として採用され得る形状の非限定的な例であることは、当業者には理解されるであろう。開示された概念の範囲から逸脱することなく、他の形状を採用することができることは理解されるであろう。また、内側ボビン及び外側ボビンの開口の対応形状は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、任意の形状の中央コア脚部に対応するように変更されてよいことは理解されるであろう。
【0051】
開示された概念の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であることのみを意図されており、添付の特許請求の範囲及びその任意の且つ全ての均等物の全範囲として与えられる開示された概念の範囲に対する限定ではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B