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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】磁気カテーテルシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022501246
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020040704
(87)【国際公開番号】W WO2021007104
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】62/872,128
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/918,735
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ スパタロ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-270638(JP,A)
【文献】国際公開第2013/027355(WO,A1)
【文献】特開2016-007429(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183427(WO,A1)
【文献】特開2018-068733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 5/32
A61M 5/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムであって、
遠位端、近位端、及び、管腔を形成する壁を含むカテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から遠位に延在するカテーテルと、
前記カテーテルアダプタに結合されたニードルアセンブリであって、遠位先端及び突起物を備え、前記遠位先端が第1の位置で前記カテーテルの遠位に配置される誘導針と、ハウジングと、を備えるニードルアセンブリと、
を備え、
前記ハウジングは、
遠位開口部と、
近位開口部であって、前記近位開口部の直径は、前記突起物の外径より小さい、近位開口部と、
前記遠位開口部と前記近位開口部との間に延びる経路であって、前記誘導針が前記経路を通って延びる経路と、
第1の部分であって、前記第1の部分を通って延びる磁石を備え、前記磁石は、第1の磁極と第2の磁極とを備える、第1の部分と、
別の磁石を含む第2の部分であって、前記別の磁石は、第1の磁極及び第2の磁極を含み、前記別の磁石の前記第2の磁極は、前記別の磁石の前記第1の磁極に近接し、前記磁石の前記第2の磁極は、概して、前記別の磁石の前記第2の磁極と整合して反発し、前記誘導針が前記磁石の前記第2の磁極と前記別の磁石の前記第2の磁極の間に配置される、第2の部分と、
を備え、
前記誘導針の前記遠位先端が、記第1の位置から、前記近位開口部に前記突起物が接触する第2の位置まで近位方向に引き抜かれるとともに、前記第2の位置から第3の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成され、前記誘導針の前記遠位先端を前記第2の位置から前記第3の位置まで近位方向に引き抜くことに応答して、前記第2の部分が前記第1の部分に対して近位方向にスライドし、前記磁石が前記別の磁石に向かって内側に移動するように、前記磁石の前記第2の磁極は、前記別の磁石の前記第1の磁極と整合し引き寄せられる、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記誘導針の前記遠位先端を、前記第2の位置から前記第3の位置まで近位方向に引き抜くことに応答して、前記磁石の前記第2の磁極は、前記磁石が前記別の磁石に向かって内側に移動して、前記遠位開口部を塞ぐように、前記別の磁石の前記第1の磁極と整合し引き寄せられる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記カテーテルアダプタの前記壁が、スロットを構成し、前記磁石の前記第1の磁極が、前記スロット内に配置され、前記誘導針の前記遠位先端を、前記第2の位置から前記第3の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、前記磁石の前記第2の磁極が、前記磁石が前記別の磁石に向かって内側に移動して、前記スロットから取り外されるように、前記別の磁石の前記第1の磁極と整合し引き寄せられる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記磁石が前記スロットから取り外されることに応答して、前記カテーテルアダプタと前記ニードルアセンブリの結合が解除される、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記磁石の前記第2の磁極と前記別の磁石の前記第2の磁極は、前記誘導針の外表面から間隔をあけて配置されている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記磁石が、前記カテーテルシステムの長手方向軸に対して略垂直に配向されている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記別の磁石は、前記カテーテルシステムの長手方向軸に略平行に配向されている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記磁石は、前記経路に近接している、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記別の磁石は、前記経路に近接している、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記磁石と前記別の磁石は、永久磁石である、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記誘導針の位端は、ニードルハブ内に固定され、前記ニードルハブは、前記ハウジングに近接している、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
カテーテルシステムであって、
遠位端、近位端、及び、管腔を形成する壁を含むカテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から遠位に延在するカテーテルと、
前記カテーテルアダプタに結合されたニードルアセンブリであって、遠位先端及び突起物を備え、前記遠位先端が第1の位置で前記カテーテルの遠位に配置される誘導針と、ハウジングと、を備えるニードルアセンブリと、
を備え、
前記ハウジングは、
遠位開口部と、
近位開口部であって、前記近位開口部の直径は、前記突起物の外径より小さい、近位開口部と、
前記遠位開口部と前記近位開口部との間に延びる経路であって、前記誘導針が前記経路を通って延びる経路と、
前記ハウジングを通って延びる一時磁石と、
前記ハウジング内に固定された永久磁石であって、第1の磁極及び第2の磁極を備える、永久磁石と、
を備え、
前記カテーテルアダプタの前記壁が、スロットを構成し、前記一時磁石が、前記スロット内に配置され、
前記誘導針は、前記一時磁石と前記永久磁石との間に配置され、
前記誘導針の前記遠位先端が、前記第1の位置から第2の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成され、前記誘導針の前記遠位先端を前記第1の位置から前記第2の位置まで近位方向に引き抜くことに応答して、前記突起物が前記近位開口部に接触し、前記遠位先端が、前記一時磁石及び前記永久磁石に近接して配置され、前記一時磁石が、前記永久磁石に向かって内側に移動して、前記スロットから取り外される、カテーテルシステム。
【請求項13】
前記誘導針の前記遠位先端を、前記第1の位置から前記第2の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、前記一時磁石が、前記永久磁石に向かって内側に移動して、前記遠位開口部を塞ぐ、請求項12に記載のカテーテルシステム
【請求項14】
前記一時磁石が、前記スロットから取り外されることに応答して、前記カテーテルアダプタと前記ニードルアセンブリの結合が解除される、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記一時磁石は、前記経路に近接している、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記永久磁石は、前記経路に近接している、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記一時磁石は、鋼からなる、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記永久磁石が、前記誘導針から間隔をあけて配置され、前記一時磁石が、前記誘導針に接触する、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
前記誘導針の位端は、ニードルハブ内に固定され、前記ニードルハブは、前記ハウジングに近接している、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
静脈カテーテルは、一般的にはさまざまな注入治療に用いられる。例えば、静脈カテーテルは、生理食塩水、さまざまな薬剤、及び、完全非経口栄養のような液体を患者に注入するために用いることができる。静脈カテーテルは、患者から採血するためにも用いることができる。
【背景技術】
【0002】
一般的な静脈カテーテルは、末梢静脈カテーテル(PIVC)、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)、及び、ミッドラインカテーテルである。静脈カテーテルには、「套管針」カテーテルが含まれる場合があり、これは鋭い遠位先端を有する針の上に取り付けられるものである。鋭い遠位先端は、患者の皮膚や血管に突き刺すことができる。静脈カテーテルの血管への挿入は、針による血管の穿刺の後に行うことができる。針と静脈カテーテルは、一般に、針の斜面を上にして患者の皮膚から離れる方向を向く状態で、皮膚から血管系に浅い角度で挿入されている。血管内に針が設置されたことが確認されたら、血管内の流れを一時的に遮断して針を抜き、静脈カテーテルをそのままにして、その後の採血や輸液に使用することができる。
【0003】
静脈カテーテルから針を引き抜くとき、臨床医の安全性は大きな関心事である。針刺し事故のリスクだけでなく、臨床医は針による血液の露出を避けることを望んでいる。臨床医が安全性を求める一方で、抜針時に患者の血管内に静脈カテーテルを留置しておきたいという要望がある。静脈カテーテルから針を引き抜く際の摩擦抗力により、カテーテルが挿入部位から外れることがある。摩擦抗力により、臨床医は静脈カテーテルを固定したまま安全な方法で針を引き抜こうとすると、ややぎこちなくなることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施例を実行し得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、概して、カテーテルシステム、ならびに、関連する装置及び方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、遠位端、近位端、及び、管腔を形成する壁を含むことができるカテーテルアダプタを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの遠位端から遠位に延在するカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈カテーテル(PIVC)、ミッドラインカテーテル、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)、又は、別の適切なカテーテルを含んでもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタに結合された針アセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ニードルアセンブリは、遠位先端と突起物とを含み得る誘導針を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠位先端は、第1の位置でカテーテルより遠位に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の位置は、患者の血管系への挿入の準備が整った挿入位置に対応する位置とすることができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、誘導針の近位端は、ニードルハブ内に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、ニードルハブは、ハウジングに近接していてもよい。いくつかの実施形態では、ニードルハブは、1つ以上のグリップ機能を含んでもよく、これは、患者の血管系及びカテーテルから誘導針を引き抜くために、臨床医による近位方向へのニードルハブの移動を容易にすることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、ニードルアセンブリは、遠位開口部、近位開口部、及び遠位開口部と近位開口部との間に延びる経路を含むことができる、ハウジングを含むことができる。いくつかの実施形態では、近位開口部の直径は、突起物の外径より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、誘導針は、経路を通って延びてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、ハウジングは第1の部分を含んでもよく、その部分は、そこを通って延びる磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石は、第1の磁極及び第2の磁極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石は、永久磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石は、カテーテルシステムの長手方向軸に対して略垂直に配向されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、別の磁石を含むことができる第2の部分を含んでもよい。いくつかの実施形態において、別の磁石は、第1の磁極及び第2の磁極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、別の磁石は、永久磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態において、別の磁石の第2の磁極は、別の磁石の第1の磁極に近接してもよい。いくつかの実施形態では、別の磁石は、カテーテルシステムの長手方向軸に略平行に配向されてもよい。いくつかの実施形態では、磁石、及び/又は、別の磁石は、経路に近接又は連通していてもよく、これにより、磁石と別の磁石との間の磁力を増大させることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、磁石の第2の磁極は、別の磁石の第2の磁極と整合し、反発し合うことができる。いくつかの実施形態では、誘導針は、磁石の第2の磁極と、別の磁石の第2の磁極との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、磁石の第2の磁極と、別の磁石の第2の磁極との間の反発は、誘導針が引き抜かれるときに、誘導針に対する摩擦抗力を減少させることができる。いくつかの実施形態では、磁石の第2の磁極と、別の磁石の第2の磁極との間の間隔及び反発のために、磁石の第2の磁極、及び/又は、別の磁石の第2の磁極は、誘導針の外表面から間隔を空けて配置されてもよく、これにより、誘導針が引き抜かれるときに、誘導針に対する摩擦抗力を減少させることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタの壁はスロットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石の第1の磁極は、スロット内に配置されてもよく、これにより、ニードルアセンブリをカテーテルアダプタに結合させることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタがスロット内に配置された別の磁石を介して、ニードルアセンブリに結合されるとき、磁石と、別の磁石との間の磁気反発力が高い値、又は、ピーク値であってもよく、これにより、カテーテルアダプタ及びニードルアセンブリが同時に一緒に固定されて、摩擦抗力を減少させることができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、誘導針の遠位先端は、突起物が近位開口部に接触する第1の位置から第2の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、突起物は、突起物の外径のために、近位開口部を通過することを防ぐことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、誘導針の遠位先端は、第2の位置から第3の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導針の遠位先端を第2の位置から第3の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、第2の部分は、第1の部分に対して近位方向にスライドしてもよく、磁石の第2の磁極は、磁石が別の磁石に向かって内側に移動するように、別の磁石の第1の磁極と整合し、引き寄せられることができる。いくつかの実施形態では、磁石が別の磁石に向かって内側に移動することに応答して、磁石は、遠位開口部を塞ぎ、及び/又は血液が遠位開口部から漏れるのを防止することができる。いくつかの実施形態では、遠位開口部を塞ぐことで、針刺しによるけがを防ぐことができる。いくつかの実施形態において、遠位先端が第3の位置に配置されるとき、磁石と別の磁石との間の磁気吸引力は、高い値又はピーク値であってよく、これは、ハウジング内の遠位先端の固定を容易にすることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、別の磁石は、遠位先端が第3の位置に配置されたときに、ハウジング内で遠位先端を遮蔽してもよく、遠位先端が第1の位置及び/又は第2の位置にあるときに、ニードルアセンブリをカテーテルアダプタに結合するように構成された結合部品として作用してもよい。いくつかの実施形態では、誘導針の遠位先端を第2の位置から第3の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、磁石の第2の磁極は、磁石が別の磁石に向かって内側に移動してスロットから取り外されるように、別の磁石の第1の磁極と整合して引き寄せられることができる。いくつかの実施形態では、別の磁石がスロットから取り外されることに応答して、カテーテルアダプタとニードルアセンブリは結合を解除されてもよく、及び/又は、ニードルアセンブリは、カテーテルアダプタから取り外されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、磁石は一時磁石と交換されてもよい。いくつかの実施形態では、一時磁石は、鋼、鉄、又は他の適切な材料を含んでもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、第1の部分と第2の部分とは一体的に形成されていてもよく、互いに対してスライドしないようにしてもよい。いくつかの実施形態では、誘導針は、磁石の第2の磁極と、別の磁石の第2の磁極との間に配置されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、誘導針の遠位先端は、第1の位置から第2の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、誘導針の遠位先端を第1の位置から第2位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、突起物は、ハウジングの近位開口部に接触してもよく、遠位先端は、一時磁石及び別の磁石の近位に配置されてもよく、一時磁石は、別の磁石に向かって内側に移動して遠位開口部を塞ぐ及び/又は遠位開口部から血液が漏れるのを防いでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、別の磁石は永久磁石を含んでもよく、一時磁石は永久磁石に引き寄せられてもよい。いくつかの実施形態では、一時磁石と別の磁石との間の吸引力により、遠位先端が第1の位置にあるときに、一時磁石は、誘導針に接触及び/又は軽く押圧することができる。いくつかの実施形態では、別の磁石は、遠位先端が第1の位置にあるときに、誘導針から間隔をあけて配置されてもよく、これは、誘導針が引き抜かれるときに、誘導針に対する摩擦抗力を減少させることができる。いくつかの実施形態では、遠位先端が第1の位置にあるとき、他方の磁石は誘導針に接触し、及び/又は軽く押さえることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、一時磁石は、スロット内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導針の遠位先端を第1の位置から第2の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、一時磁石は、永久磁石に向かって内側に移動し、スロットから取り外されてもよい。いくつかの実施形態では、一時磁石が、スロットから取り外されることに応答して、カテーテルアダプタとニードルアセンブリは結合を解除されてもよく、及び/又は、ニードルアセンブリはカテーテルアダプタから取り外されてもよい。
【0020】
上述の概略の説明、及び、以下の詳細な説明は、例示であり、又、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。さまざまな実施形態は、図に示されている構成及び手段に限定されないことが理解されるべきである。又、実施形態は、組み合わされてよいこと、又は、他の実施形態が用いられてよいこと、及び、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載及び説明される。
【0022】
図1図1は、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルシステムの上面斜視図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置にある例示的な誘導針の遠位先端を示す、別の例示的なカテーテルシステムの一部を示す断面図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、第2の位置にある誘導針の遠位先端を示す、図2Aのカテーテルシステムの一部の断面図である。
図2C図2Cは、いくつかの実施形態による、第3の位置にある誘導針の遠位先端を示す、図2Aのカテーテルシステムの一部の断面図である。
図2D図2Dは、図2Aのカテーテルシステムの一部の断面図であり、いくつかの実施形態による、誘導針の遠位先端の第2の位置から第3の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して遮蔽位置にあるカテーテルシステムを示す図である。
図2E図2Eは、図2Aのカテーテルシステムの一部の断面図であり、いくつかの実施形態による、図3Aのカテーテルシステムの例示的なニードルアセンブリが結合されておらず、例示的なカテーテルアダプタから取り外されている状態を示している。
図2F図2Fは、いくつかの実施形態による、カテーテルアダプタから取り外された図2Aのカテーテルシステムのニードルアセンブリの上面斜視図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置にある誘導針の遠位先端を示す、別のカテーテルシステムの一部の断面図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、第2の位置にある誘導針の遠位先端を示す、図3Aのカテーテルシステムの一部の断面図である。
図3C図3Cは、図3Aのカテーテルシステムの一部の断面図であり、いくつかの実施形態による、第1の位置から第2の位置への誘導針の遠位先端の近位方向への引き抜きに応答して、遮蔽位置にあるカテーテルシステムを示す図である。
図3D図3Dは、図3Aのカテーテルシステムの一部の断面図であり、いくつかの実施形態による、図3Aのカテーテルシステムの例示的なニードルアセンブリが結合されておらず、例示的なカテーテルアダプタから取り外されている状態を示している。
図3E図3Eは、いくつかの実施形態による、第1の位置にある誘導針の遠位先端を示す、図3Aのカテーテルシステムの一部の断面図である。
図4A】いくつかの実施形態による、誘導針の引き抜き距離対吸引力を示すグラフである。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、機構により誘導される摩擦抗力対引き抜き距離を示すグラフであり、図2Fは、いくつかの実施形態による、カテーテルアダプタから取り外されたニードルアセンブリの上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで図1を参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム10は、遠位端14、近位端16、及び、管腔を形成する壁18を含むことができるカテーテルアダプタ12を含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、カテーテルアダプタ12の遠位端14から遠位に延在するカテーテル22を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル22は、カテーテルアダプタ12内に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル22は、末梢静脈カテーテル(PIVC)、ミッドラインカテーテル、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)、又は、別の適切なカテーテルを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、任意の適切なカテーテルアダプタ12を含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12は、カテーテルアダプタ12の管腔と流体連通しているサイドポートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブは、サイドポート内に統合されてもよく、延長セットの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12は、ストレート型又は非一体型であってもよく、延長チューブを含まなくてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、カテーテルアダプタ12に結合されたニードルアセンブリ24を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ニードルアセンブリ24は、遠位先端28及び/又は突起物を含むことができる誘導針26を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘導針26は、金属で構成されてもよく、遠位先端28は、鋭利であってもよい。いくつかの実施形態では、遠位先端28は、例えば、図1に図示されているように、第1の位置で、カテーテル22の遠位に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の位置は、患者の血管系への挿入の準備が整った挿入位置に対応する位置とすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、誘導針26の近位端は、ニードルアセンブリ24のニードルハブ31内に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、ニードルアセンブリ24は、ハウジング32を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ニードルハブ31は、1つ以上のグリップ機能33を含んでもよく、これは、患者の血管系及びカテーテルから誘導針26を引き抜くために、臨床医による近位方向へのニードルハブの移動を容易にすることができる。
【0027】
ここで図2Aを参照すると、いくつかの実施形態による、カテーテルシステム40が図示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、図1のカテーテルシステム10を含むか、又はそれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、1つ以上の含まれる構成要素及び/又は動作の点で、図1のカテーテルシステム10と類似又は同一であってよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ニードルハブ31は、例えば、図2Aに図示されているように、ハウジング32に近接してもよい。いくつかの実施形態では、管腔20は、遠位端14及び近位端16を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態において、ニードルアセンブリ24のハウジング32は、遠位開口部34、近位開口部36、及び、遠位開口部34と近位開口部36との間に延在する経路38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、経路38は、近位開口部36まで延びていてもよい。いくつかの実施形態において、近位開口部36の直径は、突起物30が近位開口部36を通過しないように、突起物30の外径より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、突起物30は、増加した外径を有する任意の適切な特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘導針26は、経路38を通って延在してよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハウジング32は、第1の部分42を含んでもよく、この第1の部分42は、そこを通って延びる磁石44を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石44は、第1の磁極44a及び第2の磁極44bを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の磁極44aは、第2の磁極44bと対向していてもよい。例えば、第1の磁極44aが、S極を含み、第2の磁極44bがN極を含んでもよいし、第1の磁極44aがN極を含み、第2の磁極44bがS極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石44は、永久磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石44は、カテーテルシステム40の長手方向軸46に対して、略垂直に配向されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ハウジング32は、別の磁石50を含むことができる第2の部分48を含むことができる。いくつかの実施形態では、近位開口部36は、第2の部分48に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位開口部34は、第1の部分42と第2の部分48との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、別の磁石50は、第1の磁極50a及び第2の磁極50bを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の磁極50aは、第2の磁極50bと対向していてもよい。例えば、第1の磁極50aが、S極を含み、第2の磁極50bがN極を含んでもよいし、第1の磁極50aがN極を含み、第2の磁極50bがS極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石44の第1の磁極44aと別の磁石50の第1の磁極50aは、同極であってもよく、互いに反発し合うことができる。いくつかの実施形態では、磁石44の第2の磁極44bと別の磁石50の第2の磁極50bとは、同極であって互いに反発し合うものであってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、別の磁石50は、永久磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態において、別の磁石50の第2の磁極50bは、別の磁石50の第1の磁極50aに近接してもよい。いくつかの実施形態では、別の磁石50は、カテーテルシステム10の長手方向軸に対して、略平行に配向されてもよい。いくつかの実施形態では、磁石44及び/又は別の磁石50は、経路38に近接又は連通していてもよく、これにより、磁石44と別の磁石50との間の磁力を増大させることができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、磁石44の第2の磁極44bは、例えば、図2Aに示されるように、別の磁石50の第2の磁極50bと概ね整合し、反発し合うことができる。いくつかの実施形態では、誘導針26は、磁石44の第2の磁極44bと、別の磁石50の第2の磁極50bとの間に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、磁石44の第2の磁極44bと別の磁石50の第2の磁極50bとの間の磁気反発は、誘導針26が近位方向に引き抜かれる際に、誘導針26に対する摩擦抗力を減少させることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、磁石44の第2の磁極44bと別の磁石50の第2の磁極50bとの間の磁気反発により、磁石44の第2の磁極44b及び/又は別の磁石50の第2の磁極50bは、誘導針26の外表面から離間してもよく、誘導針26が近位方向に引き抜かれる際の誘導針26にかかる摩擦抗力を減少させることができる。いくつかの実施形態では、磁石44及び/又は別の磁石50は、誘導針26に軽く接触することができる。いくつかの実施形態では、誘導針26は、経路38を形成するハウジング32の全て又は一部から離間されてもよく、これは、誘導針26が近位方向に引き抜かれるときに、誘導針26に対する摩擦抗力を減少させることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12の壁18の内面は、第1の部分42を通って延びる孔又は溝を含むスロット52を含んでもよい。いくつかの実施形態では、磁石44の第1の磁極44aは、スロット52内に配置されてもよく、これにより、ニードルアセンブリ24をカテーテルアダプタ12に結合させることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12がスロット52内に配置された別の磁石50を介してニードルアセンブリ24に結合されるとき、磁石44と別の磁石50との間の磁気反発力が高い値又はピーク値であってもよく、これによりカテーテルアダプタ12及びニードルアセンブリ24が一緒に固定されるのと同時に、摩擦抗力を減少させてもよい。
【0035】
ここで図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28は、突起物30が近位開口部36に接触する第1の位置から第2の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、突起物30は、突起物30の外径のために近位開口部36を通過することを防ぐことができる。
【0036】
ここで図2Cから図2Dを参照すると、いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28は、第2の位置から第3の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28を第2の位置から第3の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、第2の部分48は、第1の部分42に対して近位方向にスライドしてもよく、磁石44の第2の磁極44bは、磁石44が別の磁石50に向かって内側に移動するように別の磁石50の第1の磁極50aに概ね整合し引き寄せられることができる。いくつかの実施形態では、磁石44が別の磁石50に向かって内側に移動することに応答して、磁石44は、遠位開口部34を塞ぎ、及び/又は血液が遠位開口部34から漏れるのを防止することができる。いくつかの実施形態において、遠位先端28が第3の位置に配置されるとき、磁石44と別の磁石50との間の磁気吸引力は、高い値又はピーク値であってよく、これは、ハウジング32内の遠位先端28の固定を容易にすることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、遠位先端28が磁石44の露出及び迂回を防止されるように、遠位先端28が第3の位置にあるときにロックされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、例えば、磁石44及び/又は別の磁石50などのカテーテルシステム40の1つ以上の構成要素の形状を介してロックさせることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、磁石44の内方への動き、及び、磁石44と別の磁石50との間の磁気吸引力の強さによってロックされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、カテーテルシステム40内の望ましくない力を減少させることができる、潤滑油又はコーティングを含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、別の磁石50は、遠位先端28が第3の位置に配置されたときにハウジング32内で遠位先端28を遮蔽してもよく、遠位先端28が第1の位置及び/又は第2の位置にあるときに、ニードルアセンブリ24をカテーテルアダプタ12に結合するように構成された結合部品として作用してもよい。いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28を第2の位置から第3の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、磁石44の第2の磁極44bは、磁石44が別の磁石50に向かって内側に移動してスロット52から取り外されるように、別の磁石50の第1の磁極50aと概ね整合して引き寄せられることができる。
【0039】
次に図2Eから図2Fを参照すると、いくつかの実施形態では、別の磁石50がスロット52から取り外されることに応答して、カテーテルアダプタ12及びニードルアセンブリ24は結合を解除されてもよく、及び/又は、ニードルアセンブリ24はカテーテルアダプタ12から取り外されてもよい。
【0040】
ここで図3Aを参照すると、いくつかの実施形態による、カテーテルシステム54が図示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム54は、図1のカテーテルシステム10及び/又は図2のカテーテルシステム40を含むか又はそれに対応することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、1つ以上の含まれる構成要素及び/又は動作の点で、図1のカテーテルシステム10及び/又は図2のカテーテルシステム40と類似又は同一であってよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、図2のカテーテルシステム40の磁石44は、カテーテルシステム54の一時磁石56と交換されてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、第1の部分42及び第2の部分48は、一体的に形成され、互いに対してスライドしないようにしてもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分42及び第2の部分48は、単一ユニットとして一体に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、一時磁石56は、鋼、鉄、金属、又は他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘導針26は、別の磁石50と一時磁石56との間に配置されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、別の磁石50は永久磁石を含んでもよく、一時磁石56は永久磁石に引き寄せられてもよい。いくつかの実施形態では、一時磁石56は、一時磁石56と別の磁石50との間の吸引力により、遠位先端28が第1の位置にあるときに、誘導針26に接触し、及び/又は、軽く押圧することができる。いくつかの実施形態であって、別の磁石50は、遠位先端28が第1の位置にあるとき、誘導針26から間隔をあけて配置されてもよく、これは、誘導針26が引き抜かれるときに、誘導針26に対する摩擦抗力を減少させることができる。いくつかの実施形態では、遠位先端28が第1の位置にあるとき、別の磁石50は、誘導針26に接触し、及び/又は、軽く押圧することができる。いくつかの実施形態では、一時磁石56は、スロット52内に配置されてもよく、これにより、ニードルアセンブリ24をカテーテルアダプタ12に結合し固定することができる。いくつかの実施形態では、一時磁石56と別の磁石50との間の磁気吸引力は、一定であってもよい。
【0043】
ここで図3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28は、第1の位置から第2の位置まで近位方向に引き抜かれるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28を第1の位置から第2の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、突起物30は、ハウジング32の近位開口部36に接触してもよく、遠位先端28は、一時磁石56及び別の磁石50の近位に配置されてもよい。
【0044】
次に図3Cを参照すると、いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28を第1の位置から第2の位置まで近位方向に引き抜くことに応答して、一時磁石56が別の磁石50に向かって内側に移動して、遠位開口部34を塞ぐ及び/又は血液が遠位開口部34から漏出するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28を第1の位置から第2の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、一時磁石56は、別の磁石50に向かって内側に移動してよく、スロット52から取り外されてよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム54は、遠位先端28が第2の位置にあるときに、遠位先端28が露出し、一時磁石56を迂回することを防止するように、ロックされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40は、例えば、一時磁石56及び/又は別の磁石50などのカテーテルシステム54の1つ以上の構成要素の形状を介してロックされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム54は、一時磁石56の内方への動き、及び、一時磁石56と別の磁石50との間の磁気吸引力の強さによってロックされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム54は、カテーテルシステム54内の望ましくない力を減少させることができる、潤滑油又はコーティングを含んでもよい。
【0046】
次に図3Dを参照すると、いくつかの実施形態では、一時磁石56がスロット52から取り外されることに応答して、カテーテルアダプタ12及びニードルアセンブリ24は結合を解除されてもよく、及び/又は、ニードルアセンブリ24はカテーテルアダプタ12から取り外されてもよい。
【0047】
ここで図3Eを参照すると、一時磁石56は、遠位先端28が第1の位置及び/又は第2の位置にあるときに、第1の磁極44aが第2の磁極50bと整合するように方向付けられる磁石44と交換されてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、第1の部分42及び第2の部分48は、一体的に形成され、互いに対してスライドしないようにしてもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分42及び第2の部分48は、単一ユニットとして一体に形成されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、磁石44は、磁石44と別の磁石50との間の吸引力により、遠位先端28が第1の位置にあるときに、誘導針26に接触し、及び/又は、軽く押圧することができる。いくつかの実施形態において、別の磁石50は、遠位先端28が第1の位置にあるとき、誘導針26から間隔をあけて配置されてもよく、これは、誘導針26が引き抜かれるときに、誘導針26に対する摩擦抗力を減少させることができる。いくつかの実施形態では、遠位先端28が第1の位置にあるとき、別の磁石50は、誘導針26に接触し、及び/又は、軽く押圧することができる。いくつかの実施形態では、磁石44は、スロット52内に配置されてもよく、これにより、ニードルアセンブリ24をカテーテルアダプタ12に結合し固定することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28を第1の位置から第2の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、磁石44は、別の磁石50に向かって内側に移動して、遠位開口部34を塞ぎ、及び/又は、血液が遠位開口部34から漏れるのを防止してもよい。いくつかの実施形態では、誘導針26の遠位先端28を第1の位置から第2の位置へ近位方向に引き抜くことに応答して、磁石44は、別の磁石50に向かって内側に移動してよく、スロット52から取り外されてよい。
【0050】
ここで図4Aを参照すると、いくつかの実施形態による、遠位先端28の残りの引き抜き距離対吸引力のグラフが図示されている。いくつかの実施形態では、図4Aのグラフは、カテーテルシステム40に対応することができる。グラフに示されるように、いくつかの実施形態では、磁石44と別の磁石50との間、又は、別の磁石50と一時磁石56との間の最高の吸引力fは、遠位先端28がハウジング32内に遮蔽され得る、第3の位置において達成され得る。図4Aのグラフの残りの引き抜き距離と吸引力の値は、説明のための例を示すものであり、限定するものではない。
【0051】
ここで図4Bを参照すると、カテーテルシステム40及び/又はカテーテルシステム54は、患者及びカテーテルアダプタ12及びカテーテル22を含み得るカテーテルアセンブリから誘導針26を引き出す間に、誘導針26に対する摩擦誘起抗力を減少又は除去するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム40及び/又はカテーテルシステム54は、患者及びカテーテルアセンブリから誘導針26を引き抜く最終段階の間、誘導針26に対する摩擦誘起抗力を減少又は除去するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、図4Bのグラフは、カテーテルシステム40及び/又はカテーテルシステム54に対応することができる。いくつかの実施形態では、減少させた摩擦誘起抗力は、臨床医が挿入部位及び血管系からカテーテル22を誤って外す可能性を減少させることができる。図4Bの距離と相対的な力の大きさの値は、説明のための例であり、限定するものではありません。
【0052】
本明細書で記載されるすべての例及び条件付き文言は、読者が本発明及び技術を促進するために、本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているけれども、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、及び、改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。実施形態を組み合わせることができることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B