(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-22
(45)【発行日】2024-08-30
(54)【発明の名称】圧力シール性能付の消毒キャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/20 20060101AFI20240823BHJP
A61L 31/04 20060101ALI20240823BHJP
A61L 31/06 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
A61M39/20
A61L31/04 110
A61L31/06
(21)【出願番号】P 2022507844
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(86)【国際出願番号】 US2020044942
(87)【国際公開番号】W WO2021030105
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-06-02
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン エム.ライアン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル クワン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ベンジャミン ディミルコ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/152482(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0214684(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部壁、
第一の空洞を形成するシリンダー状の側壁及び、
開口ルーメンを有する無針コネクタを受容するためにハウジング内で第一の空洞に開口付のシリンダー状の側壁により形成された開口底部、を備えるハウジング;
ハウジング中に配置され、且つ、第一の空洞内に位置付けされたインサートであって、第二の空洞を規定する内側表面及び、外側表面、インサートの内側表面上の内側ネジ山及び、インサートの外側表面上の外側ネジ山を有する、インサート;
インサートの内側表面上の内側ネジ山により、ラジアル圧縮下で配置された吸収保持材料
;並びに、
吸収保持材料上に配置されているシーリングフォーム;
を備え
シーリングフォームは、一体型本体、環状壁、結合表面、及びシーリン表面を備え、シーリングフォームの環状壁は、シーリングフォーム及び、吸収保持材料の両方の環状壁が同心円状で一致するように、吸収保持材料の底部表面に固定されている、キャップ。
【請求項2】
吸収保持材料は、不織布材料、フォーム又は、スポンジである請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
吸収保持材料は、殺菌剤又は、抗菌剤が浸漬されている請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
シーリングフォームは、独立気泡フォームから作成された請求項1に記載のキャップ。
【請求項5】
シーリングフォームは、ポリエチレンフォームから作成された請求項4に記載のキャップ。
【請求項6】
シーリングフォームは、熱可塑性エラストマーから作成された請求項4に記載のキャップ。
【請求項7】
シーリングフォームは、ゴム又は、ゴム様フォームから作成された請求項4に記載のキャップ。
【請求項8】
シーリングフォームは、
エチレンプロピレンゴム(EPDM)スポンジ、
エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、
ニトリルゴム(Buna-N)、
シリコーン、ビニル、ネオプレン、フルオロエラストマー、ゴム状物質である請求項7に記載のキャップ。
【請求項9】
インサートは、上部壁の内側表面からハウジングの開口底部に向かって
延びる請求項1に記載のキャップ。
【請求項10】
インサートは、ハウジングの側壁に
平行に延びる請求項1に記載のキャップ。
【請求項11】
内側のネジ山及び、外側のネジ山は、傾斜したネジ山パターンを有する請求項1に記載のキャップ。
【請求項12】
内側のネジ山及び、外側のネジ山は、らせん形状のネジ山パターンを有する請求項1に記載のキャップ。
【請求項13】
ハウジングの側壁の外側壁表面は、複数の把持部材を備える請求項1に記載のキャップ。
【請求項14】
キャップは更に、殺菌剤又は、抗菌剤を含む請求項1に記載のキャップ。
【請求項15】
殺菌剤又は、抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシロール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、銀コロイド、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、及び、これらの混合物から
構成される群から選択される請求項14に記載のキャップ。
【請求項16】
ハウジングは、
高密度ポリエチレン又は、ポリプロピレン材料から作成された請求項1に記載のキャップ。
【請求項17】
ハウジングは、
0.762ミリ(0.03インチ)の平均壁厚を有する請求項1に記載のキャップ。
【請求項18】
更に、
剥がせるシールを備える請求項1に記載のキャップ。
【請求項19】
剥がせるシールは、アルミニウム又は、複数層のポリマーフィルムを備える請求項18に記載のキャップ。
【請求項20】
剥がせるシールは、更に、湿気バリアを備える請求項18に記載のキャップ。
【請求項21】
吸収保持材料は、吸収保持材料の遠位末端から近位末端に延び、中央に配置されている貫通孔から構成され、シーリングフォームはピストンの形状であり、そして、シーリングフォームの延長シャフトは、吸収保持材料の貫通孔中に配置され、吸収保持材料は、シーリングフォームの延長シャフトを囲む請求項1に記載のキャップ。
【請求項22】
シーリングフォームは、独立気泡フォームから作成された請求項21に記載のキャップ。
【請求項23】
シーリングフォームは、ポリエチレンフォームから作成された請求項22に記載のキャップ。
【請求項24】
シーリングフォームは、熱可塑性エラストマーから作成された請求項22に記載のキャップ。
【請求項25】
シーリングフォームは、ゴム又は、ゴム様フォームから作成された請求項22に記載のキャップ。
【請求項26】
シーリングフォームは、
エチレンプロピレンゴム(EPDM)スポンジ、
エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、
ニトリルゴム(Buna-N)、
シリコーン、ビニル、ネオプレン、フルオロエラストマー、ゴム状物質である請求項25に記載のキャップ。
【請求項27】
殺菌剤又は、抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシロール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、銀コロイド、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、及び、これらの混合物から
構成される群から選択される請求項21に記載のキャップ。
【請求項28】
ハウジングは、
高密度ポリエチレン又は、ポリプロピレン材料から作成された請求項21に記載のキャップ。
【請求項29】
ハウジングは、
0.762ミリ(0.03インチ)の平均壁厚を有する請求項21に記載のキャップ。
【請求項30】
更に、
剥がせるシールを備える請求項21に記載のキャップ。
【請求項31】
剥がせるシールは、アルミニウム又は、複数層のポリマーフィルムを備える
請求項30に記載のキャップ。
【請求項32】
剥がせるシールは、更に、湿気バリアを備える
請求項30に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、例えば、静脈雄コネクタ及び、ストップコックのような開いたルーメン付きアクセスポートを消毒及び滅菌するための装置に関するものである。一般的に、本開示の例示的な実施形態は、医療キャップ及び、医療消毒キャップ、そして、特に、流体ルアーコネクタと一緒に使用するためのキャップ及び/又は、消毒キャップの技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
血管アクセス装置(「VAD’s」)は、通常、治療装置として使用され、そして、静脈(IV)カテーテルを備える。VAD’sの2つの一般的な分類:末梢静脈カテーテル及び、中心静脈カテーテルが存在する。細菌及び、他の微生物は、流体又は医薬を送達するVADに接続に際して、アクセスハブ及び、ポート/バルブから、患者の血管系中に侵入するかもしれない。各アクセスハブ、接続、ポート又は、バルブは、カテーテル関連の血液感染(「CRBSI」)を伝染させるいくつかの危険性と関連しており、それはコストを上昇させ、そして、致死的な可能性もある。
【0003】
CRBSIのケースを減少させ、そして、VAD’sが使用されて、正確に維持させるため、実施基準が開発されて来ており、それは、消毒及び洗浄手順を備える。
【0004】
消毒キャップは、米国のヘルスケア疫学に対する社会(「SHEA」)ガイドラインに加えられて来ており、そして、キャップが2016年インフュージョン看護士標準(INS)ガイドラインに組込まれることになるであろうことが早期に示唆される。
【0005】
開発されたマーケットで、IVカテーテルを使用するとき、無針コネクタは、システムを仕切るために典型的に使用され、そして、その後、結果として、薬又は別の必要な流体を、カテーテルを介して患者に投与するためにアクセスされる。INS実施基準は、無針コネクタの使用を奨励し、「それは、各アクセス前に、一貫して、そして、アルコール、ヨジウムチンキ又は、グルコン酸クロロヘキシジン/アルコールの組合せを使用した完全な消毒をすべき」であると述べている。無針コネクタの消毒は、最終的に、表面で生きることが出来、そして、CRBSIを含むカテーテル関連の多様な合併症を生じさせる可能性がある細菌の低減を助けることを意図している。看護士は、典型的に、70%イソプロピルアルコール(IPA)パッドを使用して、いわゆる「ハブをスクラブする」ことにより、消毒タスクを完了させることになる。しかし、この実施に起因する消毒の尊守及び、基準は使用者の能力及び、適応力に典型的に依存する。「ハブをスクラブする」ための尊守の欠如に加えて、医師へのインタビューでは、スクラブ時間、乾燥時間、無針コネクタをスクラブする回数に、ばらつきがあることが多く述べられている。
【0006】
医療適用の具体例として、使用していない間、無針コネクタを仕切るための多様な従来型のキャップが、カテーテル関連の血液感染(CRBSI)を減少させるため、ある程度の間知られてきている。現在入手可能な無針コネクタは、流体経路を閉じる隔壁を有するけれども、ストップコック及び、開口ルーメンニーズを有するIVメールコネクタを消毒するためのキャップは、流体の漏れ防止に連動した流体圧力を保持する機構を必要とする。更に、殺菌剤は、高投与で殺菌剤の生物毒性による血流中への注入に対する全身暴露への閾値限界を典型的には有する。したがって、開口ルアーのルーメンをブロックして、そのような殺菌剤がコネクタ中に入り、それにより、殺菌剤が血流内に入る危険性を減少させることが出来る装置を消毒するためのニーズは存在する。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一つの実施態様は、上部壁を備えたハウジング、第一の空洞を形成する本質的にシリンダー状の側壁及び、開口ルーメンを有する無針コネクタを受容するためのハウジング内で第一の空洞に開口付のシリンダー状の側壁により形成された開口底部を有するキャップに関する。キャップは、ハウジング中に配置され、且つ、第一の空洞中に位置付けされたインサートも備える。インサートは内側表面及び、外側表面を有し、インサートの内側表面は、第二の空洞を規定する。インサートは、インサートの内側表面上に内側ネジ山を有し、インサートの外側表面上に外側ネジ山を有する。キャップは、インサートの内側表面上の内側ネジ山により、ラジアル圧縮下で配置された吸収保持材料も備える。キャップは、吸収保持材料上に配置されたシーリングフォームも備える。
【0008】
一つ以上の実施形態で、吸収保持材料は、不織布材料、フォーム又は、スポンジである。一つ以上の実施形態で、吸収保持材料は、殺菌剤又は、抗菌剤を浸漬させてある。
【0009】
一つ以上の実施形態で、シーリングフォームは、独立気泡フォーム、ポリエチレンフォーム、熱可塑性エラストマー、ゴム又は、ゴム様フォームから作成される。一つ以上の特定の実施形態で、シーリングフォームは、EPDMスポンジ、EVA、Buna-N、シリコン、ビニル、ネオプレン、フルオロエラストマー、ゴム状物質である。
【0010】
一つ以上の実施形態で、インサートは、上部壁の内側表面からハウジングの開口底部に向かって本質的に延びる。一つ以上の実施形態で、インサートは、ハウジングの側壁に本質的に平行に延びる。一つ以上の実施形態で、内側のネジ山及び、外側のネジ山は、傾斜したネジ山パターンを有する。一つ以上の実施形態で、内側のネジ山及び、外側のネジ山は、らせん形状のネジ山パターンを有する。
【0011】
一つ以上の実施形態で、ハウジングの側壁の外側壁表面は、複数の把持部材を備える。
【0012】
一つ以上の実施形態で、キャップは更に、殺菌剤又は、抗菌剤を含む。
【0013】
一つ以上の実施形態で、殺菌剤又は、抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシロール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、銀コロイド、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、及び、これらの混合物から本質的に構成される群から選択される。
【0014】
一つ以上の実施形態で、ハウジングは、高密度ポチエチレン又は、ポリプロピレン材料から作成される。一つ以上の実施形態で、ハウジングは、>0.03インチの平均壁厚を有する。
【0015】
一つ以上の実施形態で、キャップは、ピール可能なシールを備える。一つ以上の実施形態で、ピール可能なシールは、アルミニウム又は、複数層のポリマーフィルムを備える。一つ以上の実施形態で、キャップは、ピール可能なシールは、更に、湿気バリアを備える。
【0016】
本開示の第二の実施態様は、上部壁、第一の空洞を形成する本質的にシリンダー状の側壁及び、開口ルーメンを有する無針コネクタを受容するためのハウジング内で第一の空洞に開口付のシリンダー状の側壁により形成された開口底部を備えたハウジング;並びに、第一の空洞中に配置され、外側壁を備えた閉じた遠位末端、開口近位末端、遠位壁から開口近位末端へ近位に延びる側壁を有するインサートであって、側壁は、遠位壁で一体成型されたスプリットスレッドインサートを有し、スプリットスレッド突出部/インサートは、内側表面及び外側表面を有し、スプリットスレッド突出部/インサートは第二の空洞を規定し、スプリットスレッド突出部/インサート上の内側ネジ山は、雌無針コネクタの係合機構で十分に係合し、スプリットスレッド突出部/インサート上の外側ネジ山は、雄無針コネクタの係合機構で十分に係合している、インサート;位置形状シーリングフォーム;第二の空洞内に配置される吸収保持材料;殺菌剤又は抗菌剤;並びに、キャップの使用前に第二の空洞内で殺菌剤又は抗菌剤を保持するためのシール形成;を有するキャップに関する。
【0017】
一つ以上の実施形態で、シーリングフォームは、独立気泡フォーム、ポリエチレンフォーム、熱可塑性エラストマー、ゴム又は、ゴム様フォームである。一つ以上の特定の実施形態で、シーリングフォームは、EPDMスポンジ、EVA、Buna-N、シリコン、ビニル、ネオプレン、フルオロエラストマー、ゴム状物質である。
【0018】
一つ以上の実施形態で、吸収保持材料は、吸収保持材料の遠位末端から近位末端に延びる中央に配置された貫通孔を備えても良い。
【0019】
一つ以上の実施形態で、シーリングフォームの延長シャフトは吸収保持材料の貫通孔の中に配置されている。
【0020】
一つ以上の実施形態で、吸収保持材料は、シーリングフォームの延長シャフトを囲む。
【0021】
一つ以上の実施形態で、殺菌剤又は、抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシロール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、銀コロイド、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、及び、これらの混合物から本質的に構成される群から選択される。
【0022】
一つ以上の実施形態で、ハウジングは、高密度ポチエチレン又は、ポリプロピレン材料から作られる。一つ以上の実施形態で、ハウジングは、>0.03インチの平均壁厚を有する。
【0023】
一つ以上の実施形態で、キャップは、ピール可能なシールを備える。一つ以上の実施形態で、ピール可能なシールは、アルミニウム又は、複数層のポリマーフィルムを備えても良い。一つ以上の実施形態で、キャップは、ピール可能なシールは、更に、湿気バリアを備えても良い。
【0024】
この要約は、発明の詳細な説明中で以下に更に述べるように、簡略化した形態中の選択概念の導入に提供されたものである。この要約は、請求項中の主題事項の必須の特徴又は、不可欠な特徴を特定することを意図するものではなく、まして、請求項中の主題事項の範囲を決定するための補助として使用することを意図するものではない。
【0025】
本開示の追加の特徴および利点、以下の説明によって示されることになり、そして、部分的に、本明細書から明らかになるであろうし、また、開示の実施により分かるであろう。この本開示の特徴および利点は、装置及び、請求項の記載に特に示してある組合せによって実現され、そして、得ることができる。本開示のこれらの及び、他の特徴は以下の記載及び、特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろうし、以下に述べる開示の実施により分かるようになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の第一の例示的な実施形態に従ったハウジングの上部斜視図を示す。
【
図2】
図1に示されるようなハウジングの底部を示す。
【
図3】本開示の第一の実施形態に従った例示的なインサートの上部斜視図を示す。
【
図4】
図3に示される例示的なインサートの側面斜視図を示す。
【
図5】本開示の第一の例示的な実施形態に従った例示的な吸収保持材料の斜視図を示す。
【
図6】本開示の第一の例示的な実施形態に従った例示的なシーリングフォームの斜視図を示す。
【
図7】本開示の一つ以上の実施形態に従った例示的なキャップの拡大斜視図を示す。
【
図8】
図7に示されるような例示的な組立てられたキャップの断面図を示す。
【
図9】本開示の第二の例示的な実施形態に従った例示的なカバーの上部斜視図を示す。
【
図10】本開示の第二の例示的な実施形態に従ったハウジングの上部斜視図を示す。
【
図12】本開示の第二の実施形態に従った例示的なインサートの上部斜視図を示す。
【
図13】
図12に示されるようなインサートの側面斜視図を示す。
【
図14】本開示の第二の実施形態に従った例示的な吸収保持材料の上部斜視図を示す。
【
図15】本開示の第二の実施形態に従った例示的な位置-形状のシーリングフォームの上部斜視図を示す。
【
図16】本開示の第二の実施形態に従った例示的な位置-形状のシーリングフォームの側面図を示す。
【
図17】本開示の第二の実施態様の一つ以上の実施形態に従った例示的なキャップの拡大図を示す。
【
図18】最初の状態で、位置-形状のシーリングフォームを有する
図17に示されたような例示的に組立てられたキャップの断面図を示す。
【
図19】開口ルーメンコネクタが付けられた、位置-形状のシーリングフォームの位置を示す
図18に示されたような例示的に組立てられたキャップの断面図を示す。
【
図20】本開示の第三の実施形態に従った例示的な位置-形状のシーリングフォームの側面図を示す。
【
図21】本開示の第三の実施形態に従った例示的な位置-形状のシーリングフォームの上部斜視図を示す。
【
図22】本開示の第四の実施態様の一つ以上の実施形態に従った例示的なキャップの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施形態は、開口ルーメンを有し、雄コネクタ、雌コネクタ及び、ストップコックを備える医療コネクタに接続し、そして、消毒するための無菌のキャップに関する。雄コネクタ及び雌コネクタは、雄ルアーコネクタ及び雌ルアーコネクタであり得る。キャップの実施形態は、ハウジング、インサート、吸収保持材料及び、シーリングフォームを備える。ハウジングは、閉じた末端及び開いた末端を有する一体型本体を備える。ハウジングの側壁は、閉じた末端から開いた末端へ延びる長さLcを有し、チャンバを規定する。一つ以上の実施形態で、開いた末端は、係合表面を備える。インサートは、雌ルアーコネクタと係合するように適用された一つ以上のネジ山を有する内側壁表面を備える。一つ以上のネジ山を有するインサートの外側壁表面は、サイズが決められ、そして、雄ルアーコネクタと係合するように適用される。キャップは、消毒剤又は抗菌剤及び、ピール可能なシールを備えても良い。キャップは、コネクタのための機械的バリアを提供し、そして、消毒のための抗菌剤を含む。本開示のキャップは、汚染物と殺菌剤がコネクタの開口ルーメン中に侵入することを促進させる開口ルアーのルーメンをブロックさせ、それにより、汚染物と殺菌剤が血流内に入る危険性を減少させる一方で、実務者が消毒プロセスを簡略化することを可能にさせる。
【0028】
この開示において使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0029】
本明細書において、「a」、「an」及び、「the」は、単数及び、複数を含む。
【0030】
本明細書において、用語「カテーテル関連の血液感染」又は、「CRBSI」は、カテーテル又はIVラインの存在から生じるいかなる感染を言う。
【0031】
本明細書において、「ルアーコネクタ」は、注射器、カテーテル、ハブ針、IVチューブなどに、相互に接続する標準的な方法である接続カラーを言う。ルアーコネクタは、簡単な圧/ネジフィットで相互に良好に保持するように若干先を細くした雄及び雌の連結チューブから構成される。ルアーコネクタは、任意選択的に、それらをより安定にさせるために、追加でネジ山の外側リムを備えることが出来る。ルアーコネクタの雄末端は、一般的にフラッシュ注射器と連結されても良く、そして、血管アクセス装置(VAD)上に配置された雌末端に連結及び接続できる。ルアーコネクタは、遠位末端、近位末端、不規則な形状の外側壁、注射器のバレルのチャンバからVADのハブに流体連通するためのプロファイルされた中央経路を備える。ルアーコネクタは、ルアーコネクタをVADのハブに脱着可能に付着させる遠位末端チャネル及び、ルアーコネクタを注射器のバレルに脱着可能に接続させる近位末端チャネルも有する。
【0032】
当該技術分野の当業者にとっては直ぐに理解されことであるが、「ロック」、「ホール」、「先端」、「ハブ」、「ネジ山」、「スポンジ」、「プロング」、「突出部/インサート」、「タブ」、「スロープ」、「壁」、「上部」、「側面」、「底部」のような記述的用語、及び、他の用語が、本明細書にわたって使用されているが、本開示の多様な実施形態を実施するために、組合せて又は単独で使用する構成要素を限定することを意図するものでない。
【0033】
本明細書で例示されている事項は、本開示の例示的な実施形態を包括的に理解するための手助けを提供するものである。したがって、当該技術分野の当業者は、本明細書に開示の多様な変更及び修正が、本開示の範囲及び精神から逸脱することなくされると認識することが出来る。そして、周知の機能及び構成の記載は、明確性及び簡潔性の観点から省略されている。
【0034】
本開示の実施形態の例示的な適用では、キャップ、コネクタキャップ又は、消毒キャップは、一体型ネジ山若しくはネジ山、並びに、雄及び雌の両方のネジ山取り付でそれを連結させるいかなる、そして、全ての組合せにおける他の特徴を備える。
【0035】
本開示の実施形態の更なる例示的な適用に従って、インサートを作り上げる構造上の要素の配置は、キャップ内側空洞中に配置された一つ以上のカンチレバープロングを備え、このカンチレバープロングは、雌医療コネクタと連結する内側ネジ山と、雄医療コネクタと連結する外側ネジ山とを備え、キャップを、それぞれ、雌付属品上又は、雄付属品上に固定することを促進させる。
【0036】
本開示の実施形態のまた更なる例示的な適用に従って、雄及び雌ネジ山の両方は、相互に、ネジの突出部/インサートの内側及び外側表面上で一致する。
【0037】
本開示の実施形態のまた更なる例示的な適用に従って、インサートのカンチレバープロングは、インサートのカンチレバープロングが、付属品と良好な締まりばめ適合性を可能とさせるように曲がっても良い、分割されたネジ山タイプのものであっても良い。
【0038】
本開示の実施形態のまた更なる例示的な適用に従って、雌ネジ山は、サイズが決められ、そして、雄付属品の標準ISO594-2タイプと係合するネジ山パターンを有し、及び/又は、雄ネジ山は、サイズが決められ、そして、雌付属品の標準ISO594-2タイプと係合するネジ山パターンを有する。付属品のISO594-2タイプの具体例は、Q-スタイル付属品である。
【0039】
一つ以上の実施形態で、雌コネクタは、無針コネクタ、カテーテルルアーコネクタ、ストップコック及び、血液透析コネクタから本質的になる群から選択されても良い。一つ以上の実施形態で、無針コネクタは、Q-Syteコネクタ、MaxPlus, MaxPlus Clear, MaxZero, UltraSite, Caresite, InVision-Plus, Safeline, OneLink, V-Link, ClearLink, NeutraClear, Clave, MicroClave, MicroClave Clear, Neutron, NanoClave, Kendall, Nexus, InVision, Vadsite, Bionectorなどから選択される。
【0040】
一つ以上の実施形態で、雄コネクタは、静脈内チュービング末端、ストップコック又は雄ロックルアーであっても良い。
【0041】
本開示のいくつかの例示的な実施形態の述べる前に、本開示は、以下の記述中の記載の詳細な構成及び方法プロセスに限定されるものではない、と理解されるべきである。本開示は、他の実施形態で行うことも出来、そして、多様な方法で実行又は実施することが出来る。
【0042】
今図面を参照しつつ、複数の図面を通して、参照番号は同じもの又は、対応する部分を指定し、本開示の実施形態を以下に述べる。
【0043】
本開示の第一の実施態様は、プロング又は、突出部の形態中に、ハウジング20及び、インサート30を備えたキャップに関する。
図1及び2に示すように、ハウジング20は上部壁25、第一の空間28を形成する本質的に円筒形の側壁26並びに、雌無針コネクタ又は雄無針コネクタのハブを受容するためのハウジング20中で第一の空洞への開口部27付の円筒形の側壁26とより形成された開口底部23を備えても良い。一つ以上の実施形態で、インサート30は、ハウジング20と一体成型されても良く、インサート30は、第一の空洞28中に配置されている。
図3及び4に示すように、別の実施形態で、インサート30は、内側表面31及び、外側表面33を備え、インサート30の内側表面31は第二の空洞40を規定する。
【0044】
一つ以上の実施形態で、本開示のインサート30は、例えば、雌ルアーコネクタのような雌ルアーコネクタのネジ山セグメントと係合するように配置されたサイズ及びピッチを有する内側ネジ山36を有する。そのようなコネクタは一般的に、そして、共通して、医療適用においてカテーテル及び、流体タイト保護コネクタとして使用される。いくつかの実施形態で、キャップ10は、コネクタと係合するときは、雌ルアーコネクタに対して保護カバーを提供する。特に、キャップ10は、雌ルアーコネクタからのネジ山が係合して、そして、インサート30の内側ネジ山36と脱着可能な結合を形成するときに、保護カバーを提供する。一つ以上の実施形態で、内側ネジ山36は、インサート30の内側表面31上に備えられ、内側ネジ山36は、雌無針コネクタの連結特徴部で連結するために十分である。
【0045】
一つ以上の実施形態で、外側ネジ山38は、インサート30の外側表面33上に含まれ、外側ネジ山38は、雄無針コネクタの連結特徴部で連結するために十分である。一つ以上の実施形態で、
図3に示すように、インサート30は、一つ以上の個々のギャップ又はカットアウト35により分離された一つ以上のカンチレバープロング37を備えることが出来る。一つ以上の実施形態で、少なくとも一つのカンチレバープロング37は、インサート30と、雄無針コネクタ又は雌無針コネクタの連結特徴部の間の締まりばめを促進させるため曲げて配置されることも出来る。一つ以上の実施形態で、インサート30は、上部壁25からハウジング20の開口底部23に向かって本質的に延びても良い。一つ以上の実施形態で、インサート30は、ハウジング20の円筒形の側壁26に本質的に平行に延びても良い。
【0046】
図1及び2を参照しつつ、本開示の例示的な実施形態に従うと、キャップ10は、内側表面21付の上部壁25、内側表面21付の(本質的に円筒形でありえる)側壁26及び、第一の空洞28を形成する開口部27を備えたハウジング20を備える。開口部27は、ハウジング20の開口底部23に配置される。
【0047】
図7及び8を参照しつつ、インサート30は、ハウジング20の空洞28内に配置され、それは本質的に円筒形であり、そして、側壁26と同軸にあり得る。インサート30はハウジングの空洞28内に配置され、空洞28の内側部分32を規定する内側表面31及び、空洞28の外側部分34を規定する外側表面33を備える。一つ以上の実施形態で、インサート30の閉じた末端39は、空洞28中に配置されるとき、ハウジング20の上部壁25に当たる。インサート30は、雄コネクタに係合させるための内側表面31上に配置された内側ネジ山36及び、雌コネクタに係合させるためのその外側表面上33に外側ネジ山38を備える。
【0048】
図5~8を参照しつつ、一つ以上の実施形態で、第二の空洞40内に配置された吸収保持材料50は、インサート30の内側表面31上の内側ネジ山36による半径方向圧縮下にあり、内側部分32内で吸収保持材料50を保持する。一つ以上の実施形態で、吸収保持材料50は、不織布、フォーム又は、スポンジである。特定の実施形態で、フォームはポリウレタンフォームである。特定の実施形態で、吸収保持材料50は、フォームプラングの形態である。
【0049】
吸収保持材料50は、一体型の本体51,環状壁52、底表面53及び、遠位フェース54を備える。一つ以上の実施形態で、吸収保持材料50のフォームは、殺菌剤又は抗菌剤を染み込ませ又は浸けられている。一つ以上の実施形態で、吸収保持材料50は、不織布、フォーム又は、スポンジである。特定の実施形態で、吸収保持材料50はポリウレタンフォームである。フォームは、連続気泡、半連続気泡又は、独立気泡である。一つ以上の実施形態で、吸収保持材料50は、成形、押出成形又はシートから打ち抜き加工されて、円筒形のブロック形状を形成する。
【0050】
一つ以上の実施形態で、
図5~8に示すように、シーリングフォーム55は、吸収保持材料50の上に配置される。
【0051】
シーリングフォーム55は、一体型の本体56,環状壁57、結合表面58及び、シーリング表面59を備える。特定の実施形態で、シーリングフォーム55は、独立気泡のフォームである。一つ以上の実施形態で、シーリングフォーム55は、PEフォーム又はTPEフォームのような独立気泡フォームから構成されても良い。一つ以上の実施形態で、シーリングフォーム55は、EPDMスポンジ、EVA、Buna-N、ポリエチレンスポンジ、シリコン、ビニル、ネオプレン、フルオロエラストマー、ゴム状物質又は、TPE材料を含む、ゴム又はゴム様フォームから構成されても良い。一つ以上の実施形態で、シーリングフォーム55は、成形、押出成形又はシートから打ち抜き加工されて、円筒形のブロック形状を形成する。
【0052】
シーリングフォーム55の結合表面58は、吸収保持材料50の底表面53に固定される。固定されるとき、シーリングフォーム55と吸収保持材料50の両方の環状壁(52,57)は、同心円で、そして、一致する。吸収保持材料50の結合表面58及び、底表面53の固定される方法は、接着剤、加熱溶着、超音波溶着及び他の好適な結合方法を使用することを備えて固定される。シーリングフォーム55の一致した環状壁52と、吸収保持材料50の環状壁57は、好適なサイズにされて、内側表面31により規定されるインサート30の第二の空洞中にフィットされる。組立てられるとき、シーリングフォーム及び、保存フォームは第二の空洞40を規定するインサート30の内側表面31に完全にフィットする。吸収保持材料50とシーリングフォーム55の組立て体はインサート30の内側表面31により形成された第二の空洞中に摩擦によりフィットされる。
【0053】
インサート30のネジ山付属品は、ルアーコネクタ(示していない)にネジ山で固定されるので、ルアーコネクタは、シーリングフォーム55のシーリング表面59をインサート30の閉じた末端39に向かって圧縮する。シーリングフォーム55の圧縮は、シーリングフォーム55の結合表面58が、吸収保持材料50を更に、インサート30の閉じた末端39中に圧縮させる。無針コネクタは、内側ネジ山36か、外側ネジ山38にネジ山で固定され、シーリングフォーム55は圧力をルアーコネクタのルーメンに適用する。コネクタのルーメンにシーリングフォーム55により適用された圧力は、ルーメンをブロックし、そして、ルアーコネクタ中への殺菌剤の侵入の可能性を低減させる。一つ以上の実施形態で、シーリングフォーム55は弾力性がある。シーリングフォーム55によりコネクタに適用される圧力は、1psi以下から10psi迄の範囲であり得る。更に、シーリングフォーム55によりルアーコネクタのルーメンに適用される圧力は、流体圧力をルアーコネクタのライン上に維持して、流体の漏れを防止する。
【0054】
また別の例示的な適用においては、イソプロピルアルコール(IPA)に浸けたスポンジ及び/又はスポンジのような形態で、吸収保持材料50のような消毒部材である。
【0055】
インサート30の第二の空洞40又はキャップ10の空洞28中で、消毒剤又は抗菌剤を組合せることで、ルアーコネクタ上で使用するとき、キャップ10は消毒を遂行できる。消毒剤又は抗菌剤は、インサート30の空洞28又は第二の空洞40中に直接的に含めることが出来又は、消毒剤又は抗菌剤は、インサート30の第二の空洞40を満たすスポンジ若しくはフォーム材料中、特に吸収保持材料50中に吸収させることが出来る。キャップ10は、多様な消毒剤と相互作用して互換性があるようにデザインされている。一つ以上の実施形態で、消毒剤又は抗菌剤は、各種のアルコール又は、クロロヘキシジンを含有し得る。一つ以上の実施形態で、消毒剤又は抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガラート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビヨンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、ジヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質及び、これらの混合物から本質的になる群から選択される。特定の実施形態で、消毒剤又は抗菌剤は、クロロヘキシジングルコネート及び、クロロヘキシジンジアセテートの少なくとも一つを含む。一つ以上の実施形態で、消毒剤又は抗菌剤は流体又はゲルである。
【0056】
雌ルアーコネクタ又は雄ルアーコネクタへの接続の際、吸収保持材料50及びシーリングフォーム55のハウジング20の上部壁25に対する圧縮は、コネクタが消毒剤又は抗菌剤を接触させて雌ルアーコネクタ又は雄ルアーコネクタを消毒することが出来る。吸収保持材料50の圧縮は、消毒剤又は抗菌剤が吸収保持材料50から排出させ、それにより、雌ルアーコネクタ又は雄ルアーコネクタを消毒させる。
【0057】
一つ以上の例示的な実施形態で、シーリングフォーム55に加えて、ピールシール60が、例えば、ハウジング20の開口底部23のリム29の表面に付けることにより、キャップ10の使用前に開口部27をシールするように提供され得る。
【0058】
図7を参照しつつ、一つ以上の実施形態で、ピール可能なシール60は、ハウジング20の開口部23のリム29上に配置されて、空洞28から消毒剤又は抗菌剤が出るのを防止する。ピール可能なシール60は、更に、ハウジング20の無菌状態を保証する。吸収保持材料50がキャップ10の空洞28に好適に挿入されて、ピール可能なシール60は、ハウジング20の開口底部23のリム29に固定されても良い。ピール可能なシール60は、粒子状の有害物の侵入可能性を最小限にさせ、そして、キャップ10の実質的に不浸透な囲いも提供する。ピール可能なシール60は、漏れ防止及び、囲い保護、空洞28内に含まれる吸収保持材料50の内容物の保護及び/又は、シールされた無菌環境を維持することを提供する。ピール可能なシール60は、温度、圧力及び、湿度レベルの範囲で、十分なシールを提供する。
【0059】
一つ以上の実施形態で、ピール可能なシール60は、アルミニウム又は、複数層ポリマーピールフィルムバックトップを備える。特定の実施形態で、ピール可能なシール60は、キャップの開口末端にヒートシール又は、誘導シールされている。一つ以上の実施形態で、ピール可能なシール60は、湿度バリアを備える。一つ以上の実施形態で、キャップは、高密度ポリエチレン(HDPE)又は、ポリプロピレン(PP)材料から作られても良い。一つ以上の実施形態で、キャップは、大気との接触で、外側表面から内側容量を分離する、>0.03インチの平均壁厚を有する。高いバリアフィルム、キャップ材料及び、壁厚の組合せは、非常に多くの量のエチレンオキシデ(ETO)分子がキャップ中に侵入することを防止するために十分である。これは、シールされたキャップ組立体の実施形態を、エチレンオキシドで滅菌させることが出来、これはキットパックでは一般的である。
【0060】
本開示の実施形態の例示的な適用では、インサート30は、一つ以上のギャップ又はカットアウト35を有する2つ以上のカンチレバープロング37を備えても良い。例示的な適用では、インサート30の2つ以上のカンチレバープロング37の少なくとも一つ以上の部分は、雄ルアーコネクタ又は雌ルアーコネクタの少なくとも一つのような付属品と良好な締まりばめ適合性が可能となるように曲げても良い。
【0061】
また別の例示的な適用では、インサート30は、空洞28の上部壁25からハウジング20の底部へ本質的に延びることが出来る。
【0062】
また更なる例示的な適用では、インサート30は、ハウジング20の円筒形の側壁26に本質的に平行に延びることが出来る。
【0063】
また更なる例示的な適用では、内側ネジ山36のプロファイル及び/又は内側表面31は、本質的に平行に延び又は、外側ネジ山38のプロファイル及び/又は外側表面38と、それぞれ一致しても良い。
【0064】
図1~8を参照しつつ、本開示の例示的な実施形態に従うと、例えば、ピール可能な60シール空洞28が除去された後又は、空洞28内で、ピール可能なシール60に空洞28が開けられたとき、そして、例えば、空洞28の内側部分32内で無針コネクタ70の先端をねじ山で、固定するとき、キャップ10は雌無針コネクタの先端又はハブを受容することが出来る。一つ以上のネジ山36は、無針コネクタのハブ又は先端と連結するために十分であり得る。
【0065】
さらに
図1~8を参照しつつ、本開示の例示的な実施形態に従い、キャップ10は開いたルーメンルアーコネクタの先端又はハブを受容することが出来る。
【0066】
図3及び4の例示的な適用において、インサート30が、カットアウト35により空間を開けられた2つのプロングを備え、そして、インサート30の閉じた末端39から本質的に延びるように、示されている。しかしながら、インサート30が、その内側表面に関して雌コネクタと係合し、そして、その外側表面に関して雄コネクタと係合するように配置されている限り、カットアウト35なしの単一インサート30を備えたキャップ、そして、いかなる数の(長さ、幅、厚さ又は形状のような如何なる次元の特性において)同一及び/又は異なるプロングを備えるキャップも本開示の範囲内である。
【0067】
図1及び2を参照しつつ、一つ以上の実施形態で、側壁26の外側表面は、複数の把持部材90を備える。
【0068】
キャップ10は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン又は、医療機器で使用されているいかなる他の成形可能なプラスチック材料のような多くのタイプのプラスチック材料から作成出来る。一つ以上の実施形態で、キャップ10は、ポリプロピレン又は、ポリエチレン材料を含む。
【0069】
本開示の第二の実施態様は、
図9~19で示すように、ハウジング、インサート及び吸収材料を備えるキャップに関する。
図17に示すように、本開示の第二の実施態様のキャップの拡大図は、ハウジング120、インサート130、吸収材料150及び、位置形状シーリングフォーム155を備えるキャップ110に関する。
【0070】
図9を参照しつつ、キャップ105は、カバー表面106及び、保護表面107を持つ環状の本体108を備える。
【0071】
図10及び11に示すように、ハウジング120は、近位部分及び、遠位部分を備え、近位部分は、遠位末端に位置するリム118により結合された内側表面121を持つ本質的に円錐台状形状の側壁126と、近位末端に位置する末端表面117とを備える。リム118の隣接は、開口底部123である。ハウジング120の第一の空洞128は、第一の空洞128を形成する開口底部123を持つ円筒形状の側壁126により形成される。ハウジング120内の第一の空洞128は、雌無針コネクタ又は、雄無針コネクタのハブを受容するように配置されている。第一の空洞128の開口底部123の反対側は、上部壁122であり、上部壁122は、近位部分と遠位部分の間に配置されている。末端表面117の隣接は、ハウジング120の円筒形状の側壁126により形成された第三の空洞129を規定する開口上部116である。第三の空洞129の開口上部116の反対側は、底部壁124である。アパーチャ119は、ハウジング120の底部壁124及び、上部壁122の間を出て、第一の空洞128と第三の空洞129の間の流体経路を作る。
図10-11を参照しつつ、ハウジング120の第一の空洞128は、アパーチャ119を介してハウジング120の第三の空洞129と流体連通している。側壁126の外側表面は、複数の把持部材190を備える。
【0072】
図17に示すように、キャップ15はハウジング120の第三の空洞129をカバーするように配置されている。一つ以上の実施形態で、キャップ105をカバーする表面106はハウジング120の末端表面117に連結されている。
【0073】
図12及び13に示すように、インサート130は、中央に配置された開口部133を有する遠位壁132、開口近位末端139,遠位壁132から開口近位末端139へ近位に延びる側壁を備えることが出来る。一つ以上の実施形態で、インサート130は、スプリットスレッドプロングの形態であり、スプリットスレッドインサートは、内側表面131及び外側表面137を有する。スプリットスレッドインサート130の内側表面131は第二の空洞140を規定する。
【0074】
一つ以上の実施形態で、外側ネジ山138は、スプリットスレッドインサート130の外側表面138上に備えられ、外側表面138は、雌無針コネクタの連結特徴部で連結するために十分である。
【0075】
一つ以上の実施形態で、
図12-13に示すように、スプリットスレッドインサート130は、一つ以上のそれぞれのギャップによって、一つ以上のカンチレバープロングを備え、そこで、少なくとも一つのプロングは、インサート30と、雄無針コネクタ又は雌無針コネクタの連結特徴部との間の締まりばめを促進させるため曲げて配置されている。一つ以上の実施形態で、インサート30は、スプリットスレッドインサート130の一つ以上のカンチレバープロングの一つ以上のギャップ142の間の長さに配置された一つ以上のブリッジセクション143を更に備えても良い。
【0076】
インサート130の側壁は、上位部分及び、下位部分を備える。一つ以上の実施形態で、
図12-13に示すように、遠位壁132に対して外側に先が細くなる側壁の下位部分及び、側壁の下位部分は円筒形状であっても良い。
【0077】
図12-13に示すように、良好な硬度を提供するため、本開示の実施形態では、ブリッジセクション143は、少なくともプロング144の一部の間又は、任意選択的に全てのプロングの間に配置されることが出来る。ブリッジセクション143は、一般的にプロング144及びハウジング120と同じ材料から形成される。一つ以上の実施形態で、プロング144及びブリッジセクション143は、一体で成型される。ブリッジセクション143は、向上した硬度、プロング144に構造上の完全性を与え、キャップの製造工程中に使用されるより少ない材料を可能にするように配置されている。ブリッジセクションがプロング144の遠位末端の間に実質的に配置されているときに、良好な硬度は達成される。一つ以上の実施形態で、ブリッジセクション143は、プロング144の変形を制限するように配置される。
【0078】
図13に示すように、スプリットスレッドインサート130の側壁は、半径R1を有し、それは、実質的に雄又は雌コネクタのネック要素の半径に対応する。スプリットスレッドインサート130の側壁は外側へ細くなり、そして、スプリットスレッドインサート130の半径R1よりも大きい、半径R2に延びる。半径R2は実質的にスプリットスレッドインサート130の最大半径に対応する。
【0079】
本開示の実施形態の例示的な適用で、インサート130は、例えば、一つ以上のギャップ又はカットアウト135を有することにより、カンチレバーであり得る。例示的な適用において、カンチレバーインサート130の少なくとも一部は、雌コネクタ又は雄コネクタの少なくとも一つのような付属品と良好な締まりばめ適合性が可能となるように曲がるか、歪んでいても良い。
【0080】
またさらなる実施形態の例示的な適用では、空洞128の内側部分141は更に、例えば、
図18及び19の断面図に示すように、外側部分134よりも上部壁122の内側表面125に向かってキャップ中に延びる。
【0081】
図12及び13の例示的な適用では、インサート130は、ギャップ142により空間を開けられ、且つ、遠位壁132から本質的に延びる2つのプロングを備えたものとして、示されている。しかしながら、インサート130が、その内側表面に関して雌コネクタと係合し、そして、その外側表面に関して雄コネクタと係合するように配置されている限り、ギャップ142なしの単一インサート30を備えたキャップ、そして、いかなる数の(長さ、幅、厚さ又は形状のような如何なる次元の特性において)同一及び/又は異なるプロングを備えるインサート130を有するキャップ105も本開示の範囲内である。
【0082】
図12及び13は、内側ネジ山136及び、外側ネジ山138のネジ山パターンを示すスプリットスレッドインサート130を示す。
【0083】
図12及び13に示すように、スプリットスレッドインサート130の外側壁上の外側ネジ山138は、らせんパターンで延びる。
【0084】
図12及び13に示すように、スプリットスレッドインサート130の内側壁上の内側ネジ山136は、らせんパターンで延びる。
【0085】
図17~19に示すように、いくつかの実施形態で、インサート130は、第一の空洞内に配置され得る。
図12及び13に示すように、いくつかの実施形態で、スプリットスレッドインサート130は、空洞128の内側部分141を規定する内側表面131及び、空洞128の外側部分134を規定する外側表面137を有する空洞128内に配置される。いくつかの実施形態で、スプリットスレッドインサート130は、雌コネクタと係合するためにその内側表面131上に内側ネジ山136及び、雄コネクタと係合するためにその外側表面137上に外側ネジ山138を備える。
【0086】
一つ以上の実施形態で、スプリットスレッドインサート130及び、ハウジング120は、超音波溶着又は、溶媒抵抗生体適合性接着剤を介して一緒に連結され得る。一つ以上の実施形態で、スプリットスレッドインサート130及び、ハウジング120は、締まりばめ又はスナップフィットを介して連結され得る。レッジ/ウェジ部分は、スプリットスレッドインサート130の遠位末端に配置されて、キャップハウジングへの接続にスナップを提供しても良い。一つ以上の実施形態で、ハウジング120の上部壁122の内側表面125は、そこにインサートのレッジ/ウェジが挿入されても良い、へこみを有しても良い。一つ以上の実施形態で、インサート130の中央に配置された開口部133は、先に述べた連結方法の一つによる連結において、ハウジング120のアパーチャ119と一致し、そして、同心円になる。
【0087】
図13に示すように、プロング144間のギャップ142を連結するブリッジ143は、プロング144のディフレクション角度を制限し、消毒キャップが雄又は雌コネクタに連結されているときに安全な係合を増強させる。
【0088】
一つ以上の実施形態で、プロング144の全体の長さ又は一部の長さは、どれだけ深くコネクタが空洞中にネジ込まれるかを制御するようにネジ込まれても良い。これは、IPA浸漬スポンジ上で容量の圧縮を促進させて、コネクタへの係合に際して、分配するIPA容量を制御しても良い。
【0089】
一つ以上の実施形態で、
図15及び16に示すように、シーリングフォーム155は、シーリング底159、ヘッド158及び、延長シャフト157により形成された一体型の本体を備える。シーリング底159は、一体型の本体、環状壁、結合表面及び、シーリング表面から構成される。ヘッド158は、抗除去表面158aから構成される。ヘッド158は、先が細いシリンダーのような形状である。ヘッド158の圧力表面158bは、上部表面158c及び、先が細い表面158dから構成される。ヘッド158及び、シーリング底159は、延長シャフト157により一体的に連結されている。延長シャフトは、2つの末端を有する:延長シャフトの一つの末端は、ヘッド158の抗除去表面158aに同軸で接続され、反対の末端は、シーリング底159の中央に固定されている。シーリングフォームはプランジャ/ピストンの形状である。
【0090】
特定の実施形態で、シーリングフォームは、独立気泡フォームである。一つ以上の実施形態で、シーリングフォームは、PEフォーム又はTPEフォームのような独立気泡フォームから構成されても良い。一つ以上の実施形態で、シーリングフォームは、EPDMスポンジ、EVA、Buna-N、ポリエチレンスポンジ、シリコン、ビニル、ネオプレン、フルオロエラストマー、ゴム状物質又は、TPE材料を含む、ゴム又はゴム様フォームから構成されても良い。一つ以上の実施形態で、シーリングフォームは、成形、押出成形又はシートから打ち抜き加工されて、円筒形のブロック形状を形成する。
【0091】
図14に示すように、シーリングフォーム155の延長チューブ157を吸収保存材料150が囲む。吸収保存材料150は、一体型の本体151、環状壁152,底部表面153及び、遠位表面154を備える。吸収保存材料150は、環状壁152に対して同心円的に配置され、そして、底部表面153から吸収保存材料150の遠位表面154へ完全に延びる中央に配置された開口部149からも構成される。シーリングフォーム155の延長シャフト157は、吸収保存材料150の開口部149中に配置される。
【0092】
吸収保持材料150は、消毒剤又は抗菌剤で浸漬されても良い。一つ以上の実施形態で、吸収保持材料150は、不織布材料、フォーム又は、スポンジである。特定の実施形態で、吸収保持材料150は、ポリエチレンフォームである。フォームは、連続気泡、半連続気泡又は、独立気泡であり、そして、成形、押出成形又はシートから打ち抜き加工されても良い。一つ以上の実施形態で、吸収保持材料150は、成形又は、押出成形又はシートから打ち抜き加工され、円筒形のブロック形状を形成しても良い。
【0093】
吸収保持材料150は、シーリングフォーム155の延長チューブ157を囲む。シーリングフォーム155及び吸収保持材料150は、そこで、シーリング表面159が開口ルアーコネクタのルーメンと接触することになる、第二の空洞140を規定するインサート130の内側表面131内に配置されている。
【0094】
図18に示すように、シーリングフォーム155の延長シャフト157は、インサート130の遠位壁132の中央に位置づけられた開口部133中に配置される。シーリングフォーム155のヘッド158は、キャップ105の方を示し、シーリングフォーム155のシーリング底部159は、ハウジング120の開口底部123の方を示す。
図18に示すように、キャップを固定するコネクタがないとき、シーリングフォーム155の抗除去表面158aは、ハウジング120の底壁に接している。これは、シーリングフォーム155がハウジング120の空洞128から除去されることを防止する。
【0095】
延長シャフト175の遠位末端に配置されたヘッド158は、先が細いシリンダーの形状をしており、先が細いシリンダーは、近位ベースから先が細いシリンダーの遠位末端へ先が細くなっていき、狭い側面は、キャップの閉じた末端に隣接する近位ベース上で示される。しかしながら、ヘッド158は、四面体、球、半球又は、ヘッド158がハウジング120の空洞128から除去されることを防止するいかなる形状であり得る。
【0096】
図19は、開いたルーメンコネクタが付けられて、そして、圧力がシーリングフォーム155及び吸収保持材料150に適用された後、位置形状シーリングフォームの位置を示す、
図18に示される例示的な組立キャップの断面図を示す。ヘッド158の前進は、ハウジング120の第三の空洞129とハウジング120の空洞128との間で流体の流れを生じさせる。
【0097】
吸収保持材料150は、IPA浸漬スポンジ及び/又はスポンジのような消毒部材として役立つ。一つ以上の実施形態で、吸収材料150は、一つの洗浄部材として一緒に形成された又は、複数の洗浄部材として別々に形成された一つ以上のスポンジの形態であっても良く、例えば、内側部分141の上部壁122の近位中で及び/又は空洞128の外側部分134の上部に向かって提供されても良い。
【0098】
キャップ110は、キャップ110の空洞128中に消毒剤又は、抗菌剤を吸収させることによりルアーコネクタ中で使用されるときに、消毒を達成することが出来る。消毒剤又は抗菌剤は、吸収保持材料150中に直接含まれても良く又は、消毒剤若しくは、抗菌剤はスポンジ若しくはキャップ10を満たすフォーム材料中に吸収させても良い。キャップ110は、多様な消毒剤と相溶性になり相互作用するようにデザインされている。一つ以上の実施形態で、消毒剤又は、抗菌剤は多様なアルコール又はクロロヘキシジンを含んでも良い。一つ以上の実施形態で、消毒剤又は、抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシロール、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、銀コロイド、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、及び、これらの混合物から本質的に構成される群から選択される。特定の実施形態で、消毒剤又は、抗菌剤は、クロロヘキシジングルコネート及び、クロロヘキシジンジアセテートの少なくとも一つを含む。一つ以上の実施形態で、消毒剤又は、抗菌剤は流体又はゲルである。
【0099】
ハウジング120の上部壁122に対する吸収材料150の圧縮は、雌ルアーコネクタ又は雄ルアーコネクタとの接触により、コネクタが消毒剤又は、抗菌剤と接触して、雌ルアーコネクタ又は雄ルアーコネクタを消毒させることが出来る。吸収材料150の圧縮により、消毒剤又は抗菌剤は吸収材料150から排出させる。
【0100】
図11に戻って参照すると、ハウジング120の開口底部123のリム118は、ピール可能シール160が固定されても良い係合表面を規定する。
【0101】
図17を参照しつつ、一つ以上の実施形態で、ピール可能シール160は、ハウジング120の開口底部123の係合表面上に配置され、消毒剤又は抗菌剤がインサート130の空洞128又は、第二の空洞140から出るのを防止する。インサート130の第二の空洞140中に挿入された吸収材料150により、ピール可能シール160は、ハウジング120の開口底部123の係合表面に固定されても良い。ピール可能シール160は、粒子状の有害物の侵入可能性を最小限にさせ、そして、キャップ110に対して実質的な非浸透性の囲いも提供し、漏れ防止及び、囲い保護を提供し、空洞128内に含まれる吸収材料の内容物の保護し、及び/又は、シールされた無菌環境を維持する。ピール可能なシール160は、温度、圧力及び、湿度レベルの範囲で、十分なシールを提供する。
【0102】
一つ以上の実施形態で、ピール可能なシール160は、アルミニウム又は、複数層のポリマーフィルムを備える。特定の実施形態で、ピール可能なシール160は、ロックする蓋の末端表面又はキャップ開口末端にヒートシール又は、誘導シールされている。一つ以上の実施形態で、ピール可能なシール160は湿気バリアを備える。
【0103】
一つ以上の実施形態で、ピール可能なシール160は、例えば、上記に参照する先行出願において記載されているように、ハウジング120の開口底部123のリム118の表面に、例えば、付けるように、キャップ110の使用前に開口部127をシールするように提供されても良い。
【0104】
キャップ110は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン又は、医療機器で使用されているいかなる他の成形可能なプラスチック材料のような多くのタイプのプラスチック材料から作成出来る。一つ以上の実施形態で、キャップ110は、ポリプロピレン又は、ポリエチレンを含む。
【0105】
一つ以上の実施形態で、雌コネクタは、無針コネクタ、カテーテルルアーコネクタ、ストップコック及び、血液透析コネクタから本質的になる群から選択されても良い。一つ以上の実施形態で、無針コネクタは、Q-Syteコネクタ、MaxPlus, MaxPlus Clear, MaxZero, UltraSite, Caresite, InVision-Plus, Safeline, OneLink, V-Link, ClearLink, NeutraClear, Clave, MicroClave, MicroClave Clear, Neutron, NanoClave, Kendall, Nextus, InVision, Vadsite, Bionectorなどから選択される。
【0106】
一つ以上の実施形態で、雄コネクタは、静脈内チュービング末端、ストップコック又は雄ロックルアーであっても良い。
【0107】
いくつかの実施形態で、コネクタは、無針挿入サイトを備え、それは無針挿入ポート、ハブ、バルブ若しくは、装置又は、無針アクセスサイト、ポート、ハブ若しくは、装置として、時として呼ばれても良く、そして、それらは、例えば、Clave(登録商標)(ICU Medical,Inc.から入手可能),SmartSite(登録商標)(Cardinal Heath, Inc.から入手可能)、及びQ-Syte(登録商標)(ベクトン、デッキンソン アンド カンパニーから入手可能)、のようなブランドを含んでも良い。いくつかの実施形態では、キャップは、先にリストしたような、多様な異なる無針挿入サイトで接続させることも出来る。一つ以上の実施形態で、キャップとコネクタとを連結させた後、コネクタは、キャップと接続している間、汚染されていない状態に維持するので、コネクタを別のコネクタとそれぞれ連結する前に、コネクタを消毒(例えば、アルクールスワッブで処理)する必要はない。キャップの使用は、清潔なコネクタに対する標準的なスワッブプロトコルを代える。
【0108】
本開示の第三の実施態様では、シーリングフォームの代替的な実施形態に関する。
図20及び21に示すように、一つ以上の実施形態で、シーリングフォーム255は、異なる材料から作られたセグメントから構成されても良い。例えば、延長シャフトの一部又は全部は不織布材料、フォーム又はスポンジであっても良い。特定の実施形態では、延長シャフト257はポリエチレンフォームである。フォームは連続気泡、半連続気泡又は独立気泡であっても良い。一方、シーリングフォームのヘッド258及び底部シール259はPEフォーム又はTPEフォームのような独立気泡のフォームから構成されても良い。シーリングフォーム255のヘッド258及び底部シール259は、EPDMスポンジ、EVA、Buna-N、ポリエチレンスポンジ、シリコン、ビニル、ネオプレン、フルオロエラストマー、ゴム状物質又は、TPE材料を含む、ゴム又はゴム様フォームから構成されても良い。
【0109】
代わりの実施形態で、シーリングフォーム255のヘッド258の抗除去表面258aはキャップ本体に付けることが出来、シーリングフォームの底のシールが、アクセスポート、例えば、静脈雄コネクタ及びストップコック、の開口ルーメン中で動けなくなることを防止する。
【0110】
本開示の第四の実施態様は、シーリングフォーム355のまた別の代わりの実施形態に関する。
図22に示すように、シーリングフォームの延長シャフトの遠位末端は、キャップ310の閉じた末端311に付けることが出来る。
【0111】
本開示の第五の実施態様は、医療用コネクタを消毒する方法に関する。この方法は、医療用コネクタに、一つ以上の実施形態のキャップを接続することを備えた方法であって、接続することは、医療用コネクタが吸収材料及び、消毒又は抗菌剤と接触するように、キャップ中への医療用コネクタの挿入に際して、本開示のインサートの内側又は外側表面上のネジ山に医療用コネクタのネジ山を係合させることを含む。
【0112】
本開示の例示的なキャップは、開いたルアーのルーメンをブロックして、消毒剤及び抗菌剤のコネクタへの侵入を最小限にさせ、それにより、患者の血管に消毒剤及び抗菌剤が入る危険性を低減させる。
【0113】
本開示は、ある例示的な実施形態を参照して示して、そして、述べてきたが、当業者は、本開示の実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において、形式及び詳細において多様な変更が行われとも良いと理解するであろう。例えば、消毒スポンジは、いかなる好適な消毒剤又は、別の適用特異的な物質を含んでも良く、いかなる好適な材料から作成されても良い。また、キャップの内側及び/又は外側ハウジングは単一材成形又は、別の好適な方法により作成されても良い。さらに、上記に記載され、そして、図面に示すように、本開示の実施形態のいかなる例示的な適用の特徴又は要素の何れもが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、個々に又は組合せて実施することが出来ると、当業者に容易に理解されるであろう。
【0114】
更に、添付の図面は、本開示のある例示的な実施形態の実施の非限定的な具体例及び、それに関連する技術的事項の記載における助けを記述している。上記に述べるように、図面他中で提供されるいかなる特定の又は相対的な大きさ又は測定は、該当技術分野の当業者により理解されるように、例示的なものであり、発明デザイン又は方法論の範囲又は内容を限定するものではない。
【0115】
本開示の別の目的、利点及び、黙示の特徴は、添付の図面と組合せて、本開示の例示的な実施形態を開示する、提供される詳細から、当業者にとって明らかになるであろう。
【0116】
本明細書の全体を通して、「一つの実施形態」、「ある実施形態」、「一つ以上の実施形態」、又は、「実施形態」は、実施形態と関連して記載された特定の特徴、構造、材料又は特性が、本開示の少なくとも一つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、多様な場所における、「一つ以上の実施形態において」、「ある実施形態において」、「一つの実施形態において」、又は、「実施形態において」のような表現の形態は、本明細書の全体を通して、本開示の同じ実施形態を指すことを必要とするものではない。更に、特定の特徴、構造、材料又は特性は、いかなる好適な方法で、一つ以上の実施形態で組合せても良い。
【0117】
本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して記載が提供されてきたが、それらの実施形態は、本開示の原理及び、適用の単なる例示的なものに過ぎないと理解されるべきと考えられる。多様な修正及び変更は、本発明の開示の精神及び、範囲から逸脱することなく、本明細書に開示の方法、及び装置に行なえることは、技術分野の当業者にとっては明らかである。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及び均等な範囲内の修正及び変更を包含されるものであることを意図するものである。